JP2019209343A - 管理システムおよび管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる管理システム及び管理方法を提供する。【解決手段】管理システムは、元湯に関する溶解情報を溶解炉ごとに取得する取得部と、元湯を受湯する取鍋に対して取鍋連番を付与する第1付与部と、1つの溶解炉を識別する炉番号と、1つの溶解炉の出湯回数と、1つの溶解炉の溶解情報とを関連付けて記録媒体に記憶する溶解管理部と、1つの溶解炉から取鍋へ元湯が出湯されたことに応じて、取鍋連番と炉番号と出湯回数とを関連付けて記録媒体に記憶する取鍋管理部と、注湯装置が搬送された取鍋の溶湯を鋳型へ注湯したことに応じて、鋳型の識別子と取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する注湯管理部と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、管理システムおよび管理方法に関する。
鋳造工場においては、製品を得るまでに種々の設備が動作する。造型装置は、鋳型を造型する。搬送装置は、鋳型を注湯場へ搬送する。溶解炉は、材料を溶解して元湯を得る。取鍋は、溶解炉から元湯を受湯する。搬送装置は、受湯した取鍋を注湯場へ運搬する。注湯装置は、注湯場において取鍋から溶湯を鋳型に注湯する。
特許文献1は、上述した鋳造工場におけるデータを管理する管理装置を開示する。この装置は、センサにより検出された鋳型の動きと連動させて鋳型位置に割り当てる鋳型連番をずらすことによって、鋳型位置と鋳型位置にある鋳型の鋳型連番とを対応させる。この装置は、鋳型連番と取鍋連番とを関連付けることにより、鋳型に関するデータと、溶湯のデータとを関連付ける。
国際公開第WO2017/085765号
ところで、鋳造工場においては、複数の溶解炉が元湯を用意することがある。さらに、溶解炉は、取鍋数杯分の元湯を用意することができる。このため、鋳型の不良発生の原因などをより詳細に追跡するためには、鋳型に関する情報に元湯の情報を関連付ける必要がある。本開示は、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる管理システム及び管理方法を提供する。
本開示の一側面は、鋳造設備のための管理システムである。鋳造設備は、複数の溶解炉のうちの1つの溶解炉で得られた元湯の一部を取鍋へ出湯し、受湯した取鍋内で元湯の成分を調整して溶湯とし、溶湯を貯留する取鍋を注湯装置へ搬送し、搬送された取鍋の溶湯を注湯装置を用いて鋳型に注湯する。管理システムは、取得部と、第1付与部と、溶解管理部と、取鍋管理部と、注湯管理部とを備える。取得部は、元湯に関する溶解情報を溶解炉ごとに取得する。第1付与部は、元湯を受湯する取鍋に対して取鍋連番を付与する。溶解管理部は、1つの溶解炉を識別する炉番号と、1つの溶解炉の出湯回数と、1つの溶解炉の溶解情報とを関連付けて記録媒体に記憶する。取鍋管理部は、1つの溶解炉から取鍋へ元湯が出湯されたことに応じて、取鍋連番と炉番号と出湯回数とを関連付けて記録媒体に記憶する。注湯管理部は、注湯装置が搬送された取鍋の溶湯を鋳型へ注湯したことに応じて、鋳型の識別子と取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する。
一側面に係る管理システムによれば、元湯に関する溶解情報が溶解炉ごとに取得される。そして、溶解情報と炉番号と出湯回数とが関連付けられて記録媒体に記憶される。さらに、1つの溶解炉から取鍋へ元湯が出湯されたことに応じて、取鍋連番と炉番号と出湯回数とが関連付けられて記録媒体に記憶される。取鍋連番は、注湯時において鋳型の識別子と関連付けられる。このように、一側面に係る管理システムは、溶解情報を炉番号及び出湯回数を用いて取鍋単位で管理することができる。そして、一側面に係る管理システムは、炉番号及び出湯回数を取鍋連番に関連付けることにより、取鍋単位で管理される元湯の成分調整、搬送、注湯などの後工程に関する情報を、溶解情報に関連付けることができる。よって、一側面に係る管理システムは、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる。
一実施形態においては、取鍋は、元湯を受湯する処理取鍋、及び、処理取鍋から空け替えられる複数の注湯取鍋を含み、鋳造設備は、処理取鍋から複数の注湯取鍋のうちの1つの注湯取鍋へ空け替えてもよい。管理システムは、処理取鍋から1つ注湯取鍋へ空け替えられたことに応じて、1つの注湯取鍋に対して処理取鍋の取鍋連番を付与する第2付与部をさらに備えてもよい。この場合、元湯の出湯後において、取鍋連番は溶湯とともに処理取鍋から注湯取鍋へと受け渡される。このように、取鍋の空け替えを行った場合であっても、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる。
一実施形態においては、取鍋管理部は、元湯の成分を調整するために処理取鍋に投入された第一接種材料の情報と取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶してもよい。この場合、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とを介して、溶解情報と第一接種材料の情報とを関連付けることができる。
一実施形態においては、取鍋管理部は、溶湯の成分を調整するために注湯取鍋に投入された第二接種材料の情報と取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶してもよい。この場合、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とを介して、溶解情報と第二接種材料の情報とを関連付けることができる。
一実施形態においては、取鍋管理部は、注湯取鍋を識別する識別子と取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶してもよい。この場合、取鍋連番から注湯取鍋を一意に特定することができる。
一実施形態においては、鋳造設備は、溶湯を注湯装置へ搬送する複数の取鍋を有してもよい。この場合、鋳造設備は、1つの取鍋が受湯するために受湯位置へ移動する際に、既に受湯済みの他の取鍋が注湯位置へと移動することができる。このため、1つの取鍋が受湯するために受湯位置へ移動する際に注湯するためのラインを停止する必要が無くなる。よって、鋳造設備は、1つの取鍋を用いる場合と比べて、注湯可能な状態を長く継続させることができる。また、複数の取鍋を用いることにより、搬送されている溶湯と実際に注湯する溶湯とが同タイミングで存在し得る状況になる。管理システムによれば、取鍋連番と炉番号と出湯回数とを関連付けて記憶することで、このような状況であっても、元湯と取鍋との関係性を管理することができる。
本開示の他の側面は、鋳造設備における管理方法である。鋳造設備は、複数の溶解炉のうちの1つの溶解炉で得られた元湯の一部を取鍋へ出湯し、受湯した取鍋内で元湯の成分を調整して溶湯とし、溶湯を貯留する取鍋を注湯装置へ搬送し、搬送された取鍋の溶湯を注湯装置を用いて鋳型に注湯する。管理方法は、取得ステップと、第1付与ステップと、溶解ステップと、注湯管理ステップとを備える。取得ステップでは、元湯に関する溶解情報を溶解炉ごとに取得する。第1付与ステップでは、元湯を受湯する取鍋に対して取鍋連番を付与する。溶解管理ステップでは、1つの溶解炉を識別する炉番号と、1つの溶解炉の出湯回数と、1つの溶解炉の溶解情報とを関連付けて記録媒体に記憶する。取鍋管理ステップでは、1つの溶解炉から取鍋へ元湯が出湯されたことに応じて、取鍋連番と炉番号と出湯回数とを関連付けて記録媒体に記憶する。注湯管理ステップでは、注湯装置が搬送された取鍋の溶湯を鋳型へ注湯したことに応じて、鋳型の識別子と取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する。
他の側面に係る管理方法によれば、一側面に係る管理システムと同一の効果を奏する。
本開示の種々の側面及び実施形態によれば、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる。
図1は、鋳造設備の構成の一例を示す平面図である。 図2は、一次接種装置の一例の側面図である。 図3は、受湯台車の一例の側面図である。 図4は、受湯台車の一例の側面図である。 図5は、二次接種装置の一例の側面図である。 図6は、一次接種装置又は二次接種装置の計量部の一例である。 図7は、搬送台車の一例の側面図である。 図8は、搬送台車の一例の側面図である。 図9は、注湯装置の一例の側面図である。 図10は、注湯装置の一例の側面図である。 図11は、注湯取鍋の取鍋番号検出センサ用のドグの一例である。 図12は、注湯取鍋の取鍋番号検出センサの一例である。 図13は、取鍋番号検出に用いられる表の一例である。 図14は、管理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図15は、溶解工程から注湯工程までの各工程の一例を示すフローである。 図16は、鋳造設備の動作の一例を示す図である。 図17は、鋳造設備の動作の一例を示す図である。 図18は、鋳造設備から取得される情報の一例を示す図である。 図19は、管理システムが有するデータ構造の一例である。 図20は、鋳造設備の構成の他の例を示す平面図である。 図21は、鋳造設備の構成の他の例を示す平面図である。 図22は、鋳造設備の構成の他の例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、例示的な実施形態について説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
[管理システムの概要]
実施形態に係る管理システムは、鋳物製品を製造する鋳造設備において溶解工程から注湯工程までに得られた情報を一元管理するシステムである。溶解工程は、溶解材料を溶解して元湯を得る工程である。溶解工程は、元湯の検査工程を含んでもよい。溶解工程は、その後に続く工程とは独立した情報処理(データ収集・処理など)を行う。
その後に続く工程には、元湯の成分を調整する接種工程や、取鍋を搬送する搬送工程などが含まれ得る。これらの工程の情報は、取鍋単位で管理される。実施形態に係る管理システムは、溶解工程において得られた情報を、取鍋単位で管理される工程の情報に同期させる。
注湯工程は、鋳型に注湯する工程である。注湯工程は、鋳型連番(鋳型造型時に発行される。)を用いて情報を管理する。実施形態に係る管理システムは、注湯工程において得られた情報を、取鍋単位で管理される工程の情報に同期させる。これにより、実施形態に係る管理システムは、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を一元管理する。
[鋳造設備の一例]
最初に、実施形態に係る管理システムが適用可能な鋳造設備の一例を説明する。鋳造設備は、複数の溶解炉のうちの1つの溶解炉で得られた元湯の一部を取鍋へ出湯し、受湯した取鍋内で元湯の成分を調整して溶湯とし、溶湯を貯留する取鍋を注湯装置へ搬送し、搬送された取鍋の溶湯を注湯装置を用いて鋳型に注湯する。以下では一例として、取鍋の空け替えを行う鋳造設備を説明する。
図1は、鋳造設備の構成の一例を示す平面図である。図1では、水平方向をXY方向、鉛直方向をZ方向で図示している。図1に示されるように、鋳造設備1は、空替取鍋搬送方式の設備である。鋳造設備1は、複数の溶解炉2と、一次接種装置3と、処理取鍋L1を第1レールR1上に沿って搬送する受湯台車4と、二次接種装置5と、注湯取鍋L2を第2レールR2上に沿って搬送する搬送台車6と、取鍋交換装置7と、注湯装置8とを備える。
複数の溶解炉2は、一例として第1溶解炉21と第2溶解炉22とを含む。第1溶解炉21と第2溶解炉22とは同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。以下では、第1溶解炉21を溶解炉2の代表として説明する。第1溶解炉21は、溶解材料を熱で溶融して元湯を得る装置である。溶解材料の一例は、銑鉄、戻し材、鋼くず、合金材などである。第1溶解炉21は、例えば、電気炉やキュポラであり、溶解材料を溶融することができる炉であれば特に限定されない。第1溶解炉21及び第2溶解炉22には、それぞれ対応する溶解材料投入装置23,24が並設されており、溶解材料投入装置23,24によって溶解材料が炉内に投入される。溶解材料投入装置23,24は、後述する溶解材料計量・投入装置PLC(Programmable LogicController)103(図14)によって動作が制御される。概して、第1溶解炉21は、後述する受湯取鍋へ複数回出湯できる程度の量の元湯を一度に得ることができる。つまり、第1溶解炉21の元湯の貯留量は、受湯取鍋の貯留量よりも大きい。
複数の溶解炉2は、受湯台車4の第1レールR1に沿って並設される(図中Y方向)。このため、処理取鍋L1は、何れの溶解炉からも受湯可能である。複数の溶解炉2は、3台以上の溶解炉を有してもよい。
複数の溶解炉2は、後述する溶解炉PLC104(図14)によって動作が制御される。複数の溶解炉2は、温度センサ105(図14)が設けられており、元湯の温度を取得することができる。複数の溶解炉2の溶湯は、成分検査のためにサンプル採取され、試験室9において、炭素分析装置106(図14)、カントバック元素分析装置107(図14)、CEメータ108(図14)などにより検査され得る。
一次接種装置3は、処理取鍋L1に受湯された元湯の成分を調整する装置である。一次接種装置3は、元湯に添加する材料を処理取鍋L1内へ投入する。一次接種装置3は、受湯台車4の第1レールR1に沿って並設される(図中Y方向)。以下では、一次接種装置3により添加材料が投入される位置を一次接種位置P1ともいう。添加材料は、鋳鉄の強度や靱性、あるいは耐食性、耐熱性、耐摩耗性などを高めるために溶湯に添加される。添加材料は、一例としてMg、Ce、Ca、Ni、Cr、Cu、Mo、V、Tiなどである。添加材料は、黒鉛球状化剤を含んでもよい。一次接種装置3は、カルシウムシリコン、フェロシリコン、黒鉛などの接種剤を添加してもよい。
図2は、一次接種装置の一例の側面図である。図2に示されるように、一次接種装置3は、一次接種合金ホッパ31、合金計量装置32(計量部の一例)、ベルトコンベア33及び投入シュート34を備える。一次接種合金ホッパ31は、添加材料を格納する容器である。添加材料の一例は合金である。一次接種合金ホッパ31は、添加材料の種別に対応して複数用意される。一次接種合金ホッパ31それぞれの下方には合金計量装置32が設けられる。合金計量装置32は、投入される添加材料を計量し、添加する量を調節する機器である。合金計量装置32により調節された量の添加材料が一次接種合金ホッパ31からベルトコンベア33上に供給される。ベルトコンベア33は、供給された添加材料を投入シュート34に集める。処理取鍋Llを載置した受湯台車4が一次接種位置P1に到着したとき、投入シュート34の下方に処理取鍋Llが位置する。投入シュート34は、処理取鍋L1内に添加材料を投入する。一次接種装置3は、元湯の受湯前に処理取鍋L1内に添加材料を投入する。なお、一次接種装置3は、元湯に対して必要な添加材料を添加することができればどのような構成でも構わない。また、一次接種装置3は、元湯の受湯後に添加材料を投入してもよい。一次接種装置3は、後述する一次接種装置PLC201(図14)によって動作が制御される。
受湯台車4は、処理取鍋L1を載置し、第1レールR1に沿って処理取鍋L1を搬送する(図中Y方向)。受湯台車4は、上述した一次接種位置P1の他に、第1溶解炉21からの受湯位置P2、第2溶解炉22からの受湯位置P3でも停止することができる。受湯台車4は、空け替え機能を有してもよい。空け替えとは、溶湯を他の取鍋に移し替えることである。受湯台車4は、空替位置P4で停止し、貯留する溶湯を注湯取鍋L2へ空け替えることができる。
図3及び図4は、受湯台車の一例の側面図である。図3及び図4に示されるように、受湯台車4は、取鍋傾動機構41、重量計測機構42、及び、非接触温度計43を備える。取鍋傾動機構41は、第1レールR1に沿った方向(図中Y方向)に延びる回転軸を中心として処理取鍋Llを回転傾斜させる。これにより、空替位置P4において注湯取鍋L2へ溶湯を空け替えることができる。重量計測機構42は、元湯の受湯量を計測するセンサを含む機構である。重量計測機構42は、例えばロードセルなどを含む。非接触温度計43は、非接触で元湯の温度を計測するセンサである。受湯台車4は、車輪にエンコーダを備えることにより、車輪の回転、すなわち、走行を計測してもよい。これにより、処理取鍋L1の位置が検出される。受湯台車4は、光電センサなどの他の位置検出センサを備えてもよい。受湯台車4は、後述する受湯台車制御装置PLC203(図14)によって動作が制御される。
二次接種装置5は、注湯取鍋L2に貯留された溶湯の成分を調整する装置である。二次接種装置5は、溶湯に添加する材料を処理取鍋L1内へ投入する。処理取鍋L1から注湯取鍋L2へ溶湯を空け替えるときに添加材料を投入することにより、短時間で均一に添加材料を投入できる。さらに、受湯台車4で溶湯の重量を計測することができるので、溶湯と材料との割合(接種材比率)が正確になるように、添加材料を投入することもできる。
図5は、二次接種装置の一例の側面図である。図5に示されるように、二次接種装置5は、二次接種合金ホッパ51、合金計量装置52(計量部の一例)、ベルトコンベア53及び投入シュート54を備える。二次接種合金ホッパ51は、添加材料を格納する容器である。添加材料の一例は合金である。二次接種合金ホッパ51は、添加材料の種別に対応して複数用意される。二次接種合金ホッパ51それぞれの下方には合金計量装置52が設けられる。合金計量装置52は、合金計量装置32と同一である。合金計量装置52により調節された量の添加材料が二次接種合金ホッパ51からベルトコンベア53上に供給される。ベルトコンベア53は、供給された添加材料を投入シュート54に集める。注湯取鍋L2を載置した搬送台車6が空替位置P4に到着したとき、投入シュート54の下方に注湯取鍋L2が位置する。投入シュート54は、注湯取鍋L2内に添加材料を投入する。二次接種装置5は、溶湯に対して必要な添加材料を添加することができればどのような構成でも構わない。二次接種装置5は、後述する二次接種装置PLC202(図14)によって動作が制御される。なお、二次接種装置5は受湯台車4に設置されてもよい。
図6は、一次接種装置又は二次接種装置の計量部の一例である。図6に示されるように、合金ホッパ61の下部にロードセル64が設けられている。ロードセル64の下に電磁フィーダ62及びホッパーゲード63が設けられている。計量部は、ロードセル64で計量し、電磁フィーダ62及びホッパーゲード63を動作させて所定量の材料を合金ホッパ61から供給する。
搬送台車6は、注湯取鍋L2を載置し、第2レールR2に沿って注湯取鍋L2を搬送する(図中X方向)。搬送台車6は、上述した空替位置P4の他に、注湯装置8に注湯取鍋L2を搬送する取鍋交換位置P5でも停止することができる。搬送台車6は、注湯取鍋L2の向きを変更可能な機能を有してもよい。
図7及び図8は、搬送台車の一例の側面図である。図7及び図8に示されるように、搬送台車6は、第2レールR2上を走行する走行台車71と、走行台車71を走行させる台車走行機構72とを備える。台車走行機構72は、走行モータである。走行台車71には、注湯取鍋L2を水平方向に移動させるローラコンベア73,74と、注湯取鍋L2を載せたまま回転させる旋回機構75とが設けられている。旋回機構75により、注湯取鍋L2のノズルL21の向きが変更される。搬送台車6は、車輪にエンコーダを備えることにより、車輪の回転、すなわち、走行を計測してもよい。これにより、処理取鍋L1の位置が検出される。搬送台車6は、光電センサなどの他の位置検出センサを備えてもよい。搬送台車6は、後述する取鍋搬送台車制御装置PLC204(図14)によって動作が制御される。
取鍋交換装置7は、注湯装置8の前段(取鍋交換位置P5)に設けられ、溶湯の入った注湯取鍋(実取鍋F)と、注湯して空になった注湯取鍋(空取鍋E)とを交換する装置である。取鍋交換装置7は、空取鍋Eを待機させるローラコンベア(空取鍋待機位置P6)と、搬送台車6上の実取鍋Fを受け取るローラコンベア(実取鍋待機位置P7)とを有する。注湯装置8が、空取鍋待機位置P6と実取鍋待機位置P7との並設方向(図中X方向)にスライドすることにより、交換が実現する。例えば、注湯装置8が空取鍋待機位置P6へスライドすることにより、空取鍋Eが注湯装置8から空取鍋待機位置P6へ受け渡される。実取鍋Fは、搬送台車6から実取鍋待機位置P7へ搬送される。注湯装置8が実取鍋待機位置P7にスライドすることにより、実取鍋待機位置P7から実取鍋Fが注湯装置8へ受け渡たされる。
注湯装置8は、注湯取鍋L2が貯留する溶湯を鋳型に注湯する装置である。注湯装置8は、鋳型レールR3の側方に設けられる。注湯装置8は、鋳型レールR3によって搬送されている鋳型に対して、注湯取鍋L2内の溶湯を注湯する。
鋳型レールR3は、鋳型を造型装置(不図示)から搬送するとともに、注湯された鋳型を冷却して鋳型ばらし装置(不図示)へと搬送するためのレールである。鋳型レールR3は、第1鋳型レールR31と第2鋳型レールR32とを含む。第1鋳型レールR31及び第2鋳型レールR32は、一例として図中のX方向に沿って一直線に延在しており、並列配置される。
第1鋳型レールR31は、注湯装置8へと鋳型を搬送するためのレールである。第1鋳型レールR31の両端には、一組の鋳型送り装置11(プッシャ及びクッション)が配置される。鋳型送り装置11を構成するプッシャは、鋳型を押し出す機能を有し、鋳型送り装置11を構成するクッションは、押し出された鋳型を受ける機能を有する。プッシャ及びクッションにより鋳型を隙間なく送り出すことができる。プッシャ及びクッションを有する鋳型送り装置11は、一鋳枠分ずつ鋳型を送り出す。図1においては、第1鋳型レールR31の前端の鋳型送り装置(クッション)のみが図示されており、第1鋳型レールR31の後端に配置された鋳型送り装置(プッシャ)の図示は省略されている。鋳型送り装置11は、伸縮可能なロッドを備えた装置であり、一例としてサーボシリンダである。一組の鋳型送り装置11は、第1鋳型レールR31上の鋳型の列を挟み込み、所定の速度曲線で同期して動作する。具体的には、第1鋳型レールR31の後端に配置された鋳型送り装置(プッシャ)は、ロッドを伸長させることにより、第1鋳型レールR31上に並べられた後端の鋳型を1枠分だけ押して、並べられた鋳型を1枠分ずつ間欠的に搬送する。第1鋳型レールR31の前端に配置された鋳型送り装置(クッション)は、プッシャにより後端の鋳型が押されるのに合わせてロッドを縮めるように動作する。このように構成すると、搬送中にも一列の鋳型を両端から抑えることができる。このため、搬送中にも鋳型が安定するとともに制振制御も可能になる。
第1鋳型レールR31上の鋳型は、図1のXの負の方向へ搬送される。鋳型が第1鋳型レールR31の前端に至ると、トラバーサで隣の第2鋳型レールR32上に移送される。第2鋳型レールR32は、鋳型ばらし装置へと鋳型を搬送するためのレールである。第2鋳型レールR32の両端には、第1鋳型レールR31と同様に、一組の鋳型送り装置11(プッシャ及びクッション)が配置される。図1においては、第2鋳型レールR32の後端の鋳型送り装置(プッシャ)のみが図示され、第2鋳型レールR32の前端に配置された鋳型送り装置(クッション)の図示は省略されている。第2鋳型レールR32における鋳型送り装置の動作は、第1鋳型レールR31における鋳型送り装置の動作と同一である。第2鋳型レールR32上の鋳型は、第1鋳型レールR31の鋳型の搬送方向とは逆方向、つまり、図1のXの正の方向へ搬送される。注湯された後の鋳型は第2鋳型レールR32上において時間を掛けて冷却され、溶湯は鋳型ばらし装置に至る前に固化して鋳物となる。鋳型送り装置11は、ロッドの伸び縮みを検知するセンサであって鋳型が搬送されることを検知する鋳型位置センサを有してもよい。鋳型位置センサの一例は、リミットスイッチや近接スイッチである。鋳型の搬送は、後述する鋳型ラインPLC400(図14)によって制御される。注湯装置8と鋳型の搬送とを同期させる必要がある場合には、鋳型レールR3にエンコーダや測長センサなどを配置する。注湯装置8は、センサを用いて取得された鋳型の搬送速度及び位置に基づいて、鋳型の搬送と同期するように制御される。
図9及び図10は、注湯装置の一例の側面図である。図9及び図10に示されるように、注湯装置8は、鋳型レールR3と平行に敷設された注湯装置レールR4上を走行する注湯装置台車81と、注湯装置台車81上に設置される昇降機構82と、昇降機構82に支持され、搭載した注湯取鍋L2を傾動させる傾動機構83とを備える。昇降機構82は、注湯装置台車81が走行する方向と直交する方向に移動する前後移動機構84上に設置される。注湯装置8は、注湯取鍋L2の溶湯重量を計測するロードセル85や注湯する溶湯の温度を計測する非接触温度計(不図示)を有してもよい。注湯装置台車81は、後述する注湯装置台車PLC301(図14)によって動作が制御される。注湯装置8は、後述する注湯装置メインPLC300(図14)によって動作が制御される。
注湯装置8は、注湯取鍋L2からテストピース(TP)用に溶湯を受け取るテストピース(TP)採取ユニットを有してもよい。TP採取ユニットでは、材質検査のために注湯取鍋L2毎の溶湯からTPを採取する。
鋳造設備1は、注湯取鍋L2の個体番号である取鍋番号(注湯取鍋の識別子の一例)を認識するセンサを有していてもよい。図11は、注湯取鍋の取鍋番号検出センサ用のドグの一例である。図12は、注湯取鍋の取鍋番号検出センサの一例である。図11に示されるように、注湯取鍋L2の底には、取鍋番号検出センサによって読み取り可能なドグS1〜S4が個体番号に応じて配置される。図12に示されるように、取鍋番号検出センサ77は、例えば、搬送台車6上の実取鍋Fを受け取るローラコンベア(実取鍋待機位置P7)に設けられる。
図13は、取鍋番号検出に用いられる表の一例である。図13に示されるように、取鍋番号1〜15に対してドグS1〜S4のパターンが予め割り振られている。取鍋番号検出センサ77は、ドグS1〜S4のパターンを読み込むことにより、注湯取鍋L2の個体番号である取鍋番号を認識する。
鋳造設備1は、上述した一次接種位置P1、受湯位置P2,P3、空替位置P4に処理取鍋L1が搬送されたこと、並びに、空替位置P4、取鍋交換位置P5、空取鍋待機位置P6、実取鍋待機位置P7に注湯取鍋L2が搬送されたことを検出する取鍋位置検出センサ(不図示)を有する。取鍋位置検出センサは、ローラコンベアの下に設置された近接スイッチまたはレーザセンサであってもよい。あるいは、受湯台車4や搬送台車6に設置されたエンコーダ、光電センサであってもよい。
[管理システムのハードウェア構成]
図14は、管理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図14に示されるように、管理システム10は、溶解工程の情報を管理する溶解ブロックB1と、溶湯搬送工程の情報を管理する溶湯搬送ブロックB2と、注湯工程の情報を管理する注湯ブロックB3と、鋳型搬送工程の情報を管理する鋳型ラインPLC400と、全体を統括する鋳造情報管理コンピュータ100とを備えている。図中のPLCまたはコンピュータは、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM(Read Only Memory)などの主記憶装置(記憶媒体の一例)、タッチパネルやキーボードなどの入力デバイス、ディスプレイなどの出力デバイス、ハードディスクなどの補助記憶装置(記憶媒体の一例)などを含む通常のコンピュータシステムとして構成される。
鋳造情報管理コンピュータ100は、データベース110を有し、全工程の情報を一元管理している。データベース110は、取鍋連番基準DB、鋳型連番基準DB、および、炉番号及び出湯回数基準DBを含む。基準とは、DB内の全ての情報が基準となる項目に関連付けられていることを意味する。つまり、取鍋連番基準DBは、DB内の全ての情報が取鍋連番に関連付けられている。鋳型連番基準DBは、DB内の全ての情報が鋳型連番に関連付けられている。炉番号及び出湯回数基準DBは、DB内の全ての情報が炉番号及び出湯回数に関連付けられている。
溶解ブロックB1は、溶解情報管理コンピュータ101(取得部の一例、溶解管理部の一例)を備える。溶解情報管理コンピュータ101は、溶解工程の情報を一括管理する装置である。溶解情報管理コンピュータ101は、溶解材料計量・投入装置PLC103、溶解炉PLC104、温度センサ105、炭素分析装置106、カントバック元素分析装置107、CEメータ108とネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、溶解情報管理コンピュータ101と炭素分析装置106との間は、作業員による手入力で情報のやりとりを行ってもよい。
溶解情報管理コンピュータ101は、接続された機器から情報を自動収集し、データベース111に格納する。データベース111は、溶解情報管理コンピュータ101の記憶媒体に構築され得る。データベース111は、炉番号及び出湯回数を基準として管理される。つまり、溶解工程に関する情報は、全て炉番号及び出湯回数に関連付けられる。炉番号は、溶解炉を識別する番号である。出湯回数は、例えば1つの溶解炉において何回目の出湯であるかを示す数字である。出湯回数は、湯を沸かすタイミングでリセットされてもよいし、連番としてもよい。
溶解情報管理コンピュータ101は、元湯に関する溶解情報を溶解炉ごとに取得する。溶解情報とは、溶解工程で取得できる情報であり、具体的には、溶解材料計量・投入装置PLC103、溶解炉PLC104、温度センサ105、炭素分析装置106、カントバック元素分析装置107、CEメータ108から取得可能な情報である。より具体的な一例としては、溶解情報は、湯種、溶解回数、出湯時刻、溶解材料種類と投入重量、一次合金種類と投入重量、二次合金種類と投入重量、溶融保持温度、溶解温度履歴コード、熱分析データ(CE値)、カントバック(元素分析結果)、炭素分析結果、出湯温度、出湯重量などを含む。
例えば、溶解情報管理コンピュータ101は、溶解材料計量・投入装置PLC103から、湯種、溶解材料種類と投入重量、一次合金種類と投入重量、二次合金種類と投入重量に関する情報を取得する。溶解情報管理コンピュータ101は、温度センサ105から溶湯温度を取得する。溶解情報管理コンピュータ101は、カントバック元素分析装置107から元素分析値を取得する。溶解情報管理コンピュータ101は、CEメータ108から熱分析データを取得する。溶解情報管理コンピュータ101は、炭素分析装置106から炭素分析値を取得する。溶解情報管理コンピュータ101は、自動でデータ収集できない情報は、キーボードなどの入力手段を介して取得する。
溶解情報管理コンピュータ101は、各情報の測定タイミングがそれぞれ異なるため、それぞれの取得タイミングで、炉番号と関連付けてデータベース111に登録する。そして、溶解炉から処理取鍋L1へ元湯が出湯されたことに応じて(つまり、出湯が完了したことに応じて)、データベース111から炉番号を検索キーとして対象データを一括で読み出し、出湯回数と関連付けて、鋳造情報管理コンピュータ100のデータベース110(炉番号及び出湯回数基準DB)に書き込む。このように、溶解情報管理コンピュータ101は、炉番号及び出湯回数と溶解炉の溶解情報とを関連付けて記録媒体に記憶する。
溶湯搬送ブロックB2は、溶湯搬送制御装置メインPLC200(第2付与部の一例、取鍋管理部の一例)を備える。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、溶湯搬送工程の情報を一括管理する装置である。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、一次接種装置PLC201(第1付与部の一例)、二次接種装置PLC202、受湯台車制御装置PLC203、取鍋搬送台車制御装置PLC204とネットワークを介して通信可能に接続されている。
一次接種装置PLC201は、元湯を受湯する処理取鍋L1に対して取鍋連番を付与する。例えば、一次接種装置PLC201は、処理取鍋L1が一次接種位置P1に位置したタイミングで処理取鍋L1に対して取鍋連番を発行する。取鍋連番とは、取鍋に対して付与され、カウントアップまたはカウントダウンされる数字である。一例として、取鍋連番は、鋳造設備1の開始時(例えば、一日の操業開始時)をゼロとする。取鍋連番は、一例として、一次接種のための合金材が処理取鍋L1に投入され、受湯台車4が受湯位置へと向かうタイミングでカウントアップされる。
一次接種装置PLC201は、一次接種情報を受湯台車4の処理取鍋L1の取鍋連番と関連付けて、溶湯搬送制御装置メインPLC200の記憶媒体に転送する。一次接種情報は、一例として、湯種、合金投入時刻、合金種類と重量、取鍋の使用回数・時間、一次接種材の廃棄量などを含む。
溶湯搬送制御装置メインPLC200は、取鍋の位置に応じて取鍋連番をシフトさせる。例えば、溶湯搬送制御装置メインPLC200は、一次接種位置P1から受湯台車4が発進したタイミングで、一次接種位置P1にて付与された取鍋連番を受湯台車4の処理取鍋L1に引き継がせる。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、搬送台車6の注湯取鍋L2に、処理取鍋L1から注湯取鍋L2へ空け替えられたことに応じて(つまり、空け替えが完了したタイミングで)、空替位置P4に位置する受湯台車4の処理取鍋L1の取鍋連番を引き継がせる。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、取鍋交換装置7の実取鍋待機位置P7において、搬送台車6から実取鍋Fが搬入されたタイミングで、実取鍋待機位置P7の実取鍋Fの取鍋連番として、搬送台車6の実取鍋Fの取鍋連番を引き継ぐ。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、取鍋交換装置7の実取鍋待機位置P7から注湯装置8へ実取鍋Fを移動させたタイミングで、注湯装置メインPLC300へ実取鍋待機位置P7の実取鍋Fの取鍋連番を出力する。このようにして、溶湯搬送制御装置メインPLC200は、機械の動きに合わせて取鍋連番をシフトさせる。
溶湯搬送制御装置メインPLC200は、一次接種位置P1の取鍋、受湯台車4の取鍋、空替位置P4の取鍋、搬送台車6の取鍋、取鍋交換装置7の実取鍋待機位置P7の取鍋について、それぞれの取鍋連番を溶湯搬送制御装置メインPLC200の記憶装置に記憶する。
二次接種装置PLC202は、二次接種情報を、溶湯搬送制御装置メインPLC200へ転送する。二次接種情報は、一例として、接種時刻、取鍋番号、接種種類と接種量、Mg反応完了時間、二次接種材の廃棄量などを含む。ここで、取鍋連番と取鍋番号とが関連付けされる。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、空替位置P4の取鍋の取鍋連番と二次接種情報とを関連付けて溶湯搬送制御装置メインPLC200の記憶媒体に記憶する。
受湯台車制御装置PLC203は、受湯情報を、溶湯搬送制御装置メインPLC200へ転送する。受湯情報は、一例として、湯種、出湯時刻、受湯重量、受湯温度、炉番号、受湯回数、溶解回数などを含む。受湯回数は、取鍋への溶湯補給回数である。溶湯補給回数は、溶解炉においては出湯回数で表現され、受湯台車においては受湯回数で表現される。溶湯搬送制御装置メインPLC200は、受湯台車4の取鍋の取鍋連番と受湯情報とを関連付けて溶湯搬送制御装置メインPLC200の記憶媒体に記憶する。ここで、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とが関連付けされる。つまり、溶湯搬送制御装置メインPLC200は、溶解炉から処理取鍋L1へ元湯が出湯されたことに応じて、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とを関連付けて記録媒体に記憶する。
注湯ブロックB3は、注湯装置メインPLC300と注湯装置台車PLC301(注湯管理部の一例)とを備え、互いに通信可能に接続される。注湯装置メインPLC300は、鋳造情報管理コンピュータ100と通信可能に接続される。注湯装置メインPLC300は、外部の鋳型ラインPLC400と通信可能に接続される。注湯装置台車PLC301は、注湯装置8の注湯対象の鋳型連番を、鋳型ラインPLC400から注湯装置メインPLC300を経由して取得する。注湯装置台車PLC301は、注湯装置8の制御と注湯情報の収集とを行う。注湯情報は、一例として、取鍋連番、造型時刻、湯種、鋳込時刻、受湯経過時刻、注湯パターンNo.鋳込重量、鋳込時間、取鍋内回数、注湯温度、出湯後の温度ドロップ、注湯流接種量、フェーディング時間、不良情報、注湯機異常情報、テストピース連番、出湯後の搬送時間、搬送中の集塵時間などが含まれる。注湯装置台車PLC301は、注湯情報を注湯完了時、鋳型連番を基準として注湯情報を注湯装置メインPLC300から鋳造情報管理コンピュータ100へ送信する。つまり、注湯装置台車PLC301は、注湯装置8が搬送された注湯取鍋L2の溶湯を鋳型へ注湯したことに応じて、鋳型連番(鋳型の識別子の一例)と取鍋連番とを関連付けて、鋳造情報管理コンピュータ100のデータベース110(鋳型連番基準DB)に書き込む。
鋳造情報管理コンピュータ100は、定期的に溶解情報管理コンピュータ101を監視する。新たな取鍋連番が発行され、そのデータが確定したら、PLCの一時メモリに格納される。一時メモリに格納されたデータは、タッチパネル等で確認することができる。そして、その取鍋番号に対する最後のデータが確定した場合、一括して対象の取鍋連番のデータを、溶湯搬送制御装置メインPLC200から読み出し、鋳造情報管理コンピュータ100のデータベース110(取鍋連番基準のDB)に書き込む。
鋳造情報管理コンピュータ100には、データベース110を備えているため、取鍋連番、鋳型連番、炉番号及び出湯回数を基準としたデータ検索を容易に行うことができる。
[鋳造設備の処理工程]
図15は、溶解工程から注湯工程までの各工程の一例を示すフローである。図15に示されるように、溶解工程S1においては、最初に、溶解材料の配合が決定される(S10)。溶解材料の配合は、日別鋳造指示と、前日の配合結果と、配合表とに基づいて決定される。日別鋳造指示は、元湯成分、パターン別成分目標値・湯種、指示出湯温度が含まれる。前日の配合結果には、前日の接種量、元湯配合比が含まれる。配合表は、鋳型のパターンと材料と元湯とを関連付けた表である。
溶解材料の配合が決定されると、配合に基づいて必要な材料が計量され、切り出される(S12)。切り出された材料は、溶解材料投入装置23,24により溶解炉2へ投入され、溶解炉2によって溶解される(S14)。
溶解開始後、溶解炉2にて溶湯の温度が調整される(S16)。必要に応じて、サンプルを採取し、成分分析など各種検査が行われる(S18)。例えば、元湯をカップで採取し、採取した元湯に対してCEメータにて熱分析を行う。あるいは、採取した元湯を凝固させた後に破壊し、破面を走査電子顕微鏡などで観察する波面検査をしてもよい。あるいは、採取した元湯をカントバック室へ持ち込み、成分分析を行ってもよい。各種検査の結果、炭素が不足していることが判明した場合、検査結果に基づいて加炭量が算出される(S19)。次いで、算出された加炭量に基づいて追加加炭がされる(S20)。そして、元湯の温度が出湯温度となっているか否かを判定するために、温度測定が行われる(S22)。工程S10〜工程S22までが溶解工程S1である。
加炭量の算出工程(S19)と並行して、元湯の成分分析および波面検査の結果とパターン別成分目標値・湯種とが比較され、合金不足分が計算される(S30)。合金不足分の計算結果に基づいて、必要な合金材料の量が計算される(S32)。そして、計算された量の合金を計量切り出しして、一次接種位置P1で待機している受湯台車4上の処理取鍋Llに、一次接種装置3によって投入する(S42)。
工程S22の測定結果に基づいて、元湯温度が出湯温度になった場合、受湯台車4を溶解炉2の前(受湯位置P2,P3)へ移動させ(S44)、受湯台車4の処理取鍋L1に元湯を指定重量だけ受湯させる(S46)。一定時間、反応待ちした後、受湯台車4を空替位置P4に移動させる(S48、S50)。
上記処理と並行して、湯種に従って二次接種合金量が算出・計量される(S34)。そして、計算結果に基づいて、必要な合金材料の量が計算される(S36)。
受湯台車4が空替位置P4に到達したことに応じて、受湯台車4の取鍋傾動機構41により、受湯台車4の処理取鍋L1から搬送台車6の注湯取鍋L2へ空け替えが開始される。二次接種装置5により、処理取鍋L1から注湯取鍋L2への空替溶湯流へ二次接種合金が所定重量投入される(S52)。
処理取鍋L1から注湯取鍋L2への空け替えが完了した場合、処理取鍋L1は、一次接種位置P1へ移動して待機する(S40)。搬送台車6は取鍋交換位置P5へ移動する(S54)。そして、注湯工程S2が実行される。
注湯工程S2では、最初に、注湯して空になった空取鍋Eを空取鍋待機位置P6へ移動させる。そして、搬送台車6上の実取鍋Fを取鍋交換装置7の実取鍋待機位置P7へ移動させる。実取鍋Fが取鍋交換装置7に受け渡され、注湯装置8に積載される(S56)。注湯工程S2においても、必要に応じてサンプル採取が行われ(S58)、成分分析がなされる(S60)。成分分析結果が所定範囲外の場合、異常である旨の報知などを行うとともに鋳型ばらし装置において不良品として分別する。搬送台車6は空取鍋待機位置P6に移動して空取鍋Eを受け取り、溶湯を補給すべく、空替位置P4へ移動する(S68)。なお、湯種、鋳込み重量によって接種重量が決定され、必要であれば注湯流接種を行う(S62,S64)。
溶解炉2の2回目の出湯以降は、湯種、指示された成分目標値、出湯温度などを確認し、溶解炉2の温度調節(S16)から繰り返す。必要に応じて、サンプル採取(S18)及び検査などは実施する。受湯台車4の処理取鍋L1に対して、受湯指示された湯種または成分目標値と測定値とが比較されながら、上述した処理が繰り返し実行される。搬送台車6の注湯取鍋L2も、同様に、湯種あるいは成分目標値と測定値とが比較されながら、上述した処理が繰り返し実行される。
注湯取鍋L2は、循環して用いられる。しかし、注湯取鍋L2が1台では空け替えしてから注湯するまでの間、造型された鋳型が注湯待ちになるおそれがある。注湯待ちによるタイムロスを避けるために、注湯取鍋L2を複数台使用することができる。これにより、空取鍋Eが受湯位置へ移動する際に、実取鍋Fを用いて注湯を行うことができる。このため、空取鍋Eが受湯位置へ移動する際に造型ラインを停止する必要が無くなる。このように、実取鍋Fが取鍋交換装置7から注湯装置8に移動するまでの間を除き、注湯可能な状態を継続させることができる。また、複数の注湯取鍋L2を用いることにより、搬送されている溶湯と実際に注湯する溶湯とが同タイミングで存在し得る状況になる。管理システムによれば、取鍋連番と炉番号と炉番号及び出湯回数とを関連付けて記憶することで、このような状況であっても、元湯と取鍋との関係性を管理することができる。
[鋳造設備の動作例]
図16及び図17は、鋳造設備の動作の一例を示す図である。図18は、鋳造設備から取得される情報の一例を示す図である。図16及び図17を用いて鋳造設備の動作を説明しつつ、図18を用いて鋳造設備から取得される情報を説明する。
図16の(A)は、注湯装置8が注湯している状態で、搬送台車6は空替位置P4で待機しており、受湯台車4は一次接種位置P1で待機している場面である。
最初に、溶解工程として、溶解材料が計量切り出しされ、溶解材料投入装置23により、第1溶解炉21に投入される。第1溶解炉21は、溶解を開始し、元湯の温度を調整する。必要に応じて、サンプル採取及び検査が行われる(取得ステップ)。検査結果に基づいて加炭量が算出され、追加加炭が行われる。
このとき取得された情報は、炉番号及び出湯回数単位で溶解情報管理コンピュータ101に収納される。図18の「試験室」の欄に示されるように、試験室で得られた情報(熱分析結果、元素分析結果、炭素分析結果、テストピース試験結果)は、計量完了時点で炉番号及び出湯回数と関連付けて溶解情報管理コンピュータ101に記録される。また、「溶解炉」の欄に示されるように、投入した溶解材料の種類と投入重量は、投入時点で炉番号及び出湯回数単位で溶解情報として溶解情報管理コンピュータ101に記録される(溶解管理ステップ)。
元湯の成分分析および波面検査の結果とパターン別成分目標値・湯種から、合金不足分が算出される。算出された合金不足分に基づいて、合金が計量切り出しされる。そして、一次接種装置3が、計量された合金を一次接種位置P1で待機している受湯台車4上の処理取鍋L1に投入する。この投入あるいは受湯台車4の発進時点で、取鍋連番がカウントアップされて処理取鍋L1に付与される(第1付与ステップ)。そして、付与された取鍋連番と一次接種情報とが関連付けて記憶される(図18の「一次接種装置」の欄参照)。
図16の(B)は、注湯装置8が注湯している状態で、一次接種合金材が投入された受湯台車4を受湯位置P2へ移動させて、第1溶解炉21の準備が完了したときに、所定重量の元湯を受湯する場面である。この受湯完了時点において、取鍋連番と受湯情報とが関連付けて記憶される(図18の「受湯台車」の欄参照)。受湯情報は、溶解情報とリンクしているため、受湯情報として炉番号及び出湯回数を収納することができる。ここで、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とが関連付けられる(取鍋管理ステップ)。また、図18の「溶解炉」の欄に示される出湯温度、出湯重量、出湯時刻などは、この時点で収集され、炉番号及び出湯回数と関連付けて溶解情報として記憶される。
図16の(C)は、注湯装置8が注湯している状態で、一次接種合金材が投入された受湯台車4を受湯位置P3へ移動させて、第2溶解炉22の準備が完了したときに、所定重量の元湯を受湯する場面である。このとき得られる情報は、図16の(B)と同一である。なお、図16の(B),(C)は何れか一方のみが行われる。
図17の(A)は、注湯装置8が注湯している状態で、処理取鍋L1に所定重量の元湯を受湯した受湯台車4が空替位置P4に到着し、空の注湯取鍋L2を載置させた搬送台車6も空替位置P4に待機している場面である。受湯台車4および搬送台車6の準備が完了した状態で、受湯台車4の処理取鍋L1から搬送台車6の注湯取鍋L2に空け替えられる。ここで、二次接種装置5により、二次接種が行われる。予め指定された湯種により、必要量の材料が二次接種合金ホッパ51から合金計量装置52でベルトコンベア53上に切出される。空け替えが開始されたら、投入シュート54より空替溶湯流に材料が投入される。空替完了により、取鍋連番で受湯台車4の処理取鍋L1の情報を搬送台車6の注湯取鍋L2に引き継ぐため、取鍋連番を引き渡す。そして、取鍋連番と二次接種情報とが関連付けて記憶される(図18の「二次接種装置」の欄参照)。
図17の(B)は、注湯装置8が注湯を完了し、空取鍋Eは取鍋交換装置7の空取鍋待機位置P6に待機しており、実取鍋Fを載せた搬送台車6が取鍋交換位置P5に到着した場面である。注湯装置8が注湯完了した時点で、鋳型連番単位で注湯情報が収納される(図18の「注湯装置」の欄参照)。注湯情報を溶解情報とリンクさせるため、注湯情報に取鍋連番を含める。これにより、鋳型連番と取鍋連番とが関連付けられる(注湯管理ステップ)。
図17の(C)は、実取鍋Fが取鍋交換装置7の実取鍋待機位置P7を経由して注湯装置8に積載され、注湯装置8が注湯開始するとともに、搬送台車6が空取鍋Eを載せ、空替位置P4に戻す場面である。このように、2台以上の注湯取鍋を使用することにより、1台の注湯取鍋を使う場合と比べて、注湯装置8に溶湯を供給できない時間を短縮することができるので、造型ラインを停止することなく連続して注湯することができる。
図16の(A)〜図17の(C)が繰り返し実行される。なお、図18の「溶湯搬送制御盤」の欄に示されるように、溶湯搬送制御装置メインPLC200は、取鍋の動き(位置)に合わせて取鍋連番をシフトさせる。これにより、管理システム10は、受湯以降の情報を取鍋単位で管理することができる。
[データ構造の一例]
図19は、管理システムが有するデータ構造の一例である。図19に示される溶解情報DBは、図14に示されるデータベース111(炉番号及び出湯回数基準DB)、及び、データベース110(炉番号及び出湯回数基準DB)に相当する。図19に示される取鍋連番DBは、図14に示されるデータベース110(取鍋連番基準DB)に相当する。図19に示される鋳型連番DBは、図14に示されるデータベース110(鋳型連番基準DB)に相当する。テストピース連番DBは、テストピースを採取したときに取得されたデータに基づいて作成される。テストピース連番DBも、取得データが取鍋連番と関連付けられ、取鍋単位で管理される。全体管理情報DBは、取鍋連番と管理情報(廃湯となった量、取鍋の鉄皮温度)とを関連付けるDBである。ワイヤ接種情報DBは、接種をワイヤで実施する場合に作成される。ワイヤ接種情報DBも、取得データが取鍋連番と関連付けられ、取鍋単位で管理される。
図19に示されるように、溶解工程で得られる溶解情報は、溶解情報DBとして、他の工程とは独立して収集・管理が行われる。溶解炉2から受湯して注湯するまでは、一次接種材が取鍋に投入されることで発行される取鍋連番を用いて、情報が管理される。溶湯情報は、炉番号及び出湯回数を用いることで、取鍋連番に関連付けられる。このため、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とを介して全ての情報が関連付けられる。注湯情報は、注湯する鋳型の鋳型連番(鋳型造型時に発行される)を基準にして収録される。これらの情報から必要な情報を検索する場合には、炉番号・出湯回数を検索キーとし、あるいは、取鍋連番及び鋳型連番を検索キーとして検索すればよい。
[鋳造設備の変形例1]
図20は、鋳造設備の構成の他の例を示す平面図である。図20に示される鋳造設備1Aは、鋳造設備1と比較すると、受湯台車4が空け替えなしで、溶解炉2から受湯した取鍋を搬送台車6へ受け渡す点が相違し、その他は同一である。溶湯と合金材との反応があまり激しくないときには、処理取鍋L1で反応させる必要はなく、注湯取鍋L2で受湯して反応させることができる。鋳造設備1の情報処理と比較すると、処理取鍋L1から注湯取鍋L2への取鍋番号の引き継ぎが省略されるだけであり、その他は同一である。このため、鋳造設備1Aにおいても、管理システム10をそのまま適用することができる。
[鋳造設備の変形例2]
図21は、鋳造設備の構成の他の例を示す平面図である。図21に示される鋳造設備1Bは、鋳造設備1と比較すると、受湯台車4が空け替えなしで、溶解炉2から受湯した取鍋を搬送台車6へ受け渡す点と、一次接種装置3に替えてワイヤーで材料を接種する一次接種装置3Aを採用した点とが相違し、その他は同一である。鋳造設備1の情報処理と比較すると、処理取鍋L1から注湯取鍋L2への取鍋番号の引き継ぎが省略されるだけであり、その他は同一である。このため、鋳造設備1Bにおいても、管理システム10をそのまま適用することができる。なお、ワイヤ接種で合金材と溶湯を反応させる場合には、ワイヤ接種される位置が投入位置となる。「合金材を投入されたとき」という記載は、「ワイヤ接種されるとき」と読み替えればよい。
[鋳造設備の変形例3]
図22は、鋳造設備の構成の他の例を示す平面図である。図22に示される鋳造設備1Cは、鋳造設備1と比較すると、注湯取鍋L2を3台にした点、及び、注湯取鍋を待機させるローラコンベア(待機位置P8)が追加されている点が相違し、その他は同一である。鋳造設備1の情報処理と比較すると、注湯取鍋L2の台数や移動位置が増えたとしても、取鍋単位で管理する点は変更されない。このため、鋳造設備1Cにおいても、管理システム10をそのまま適用することができる。
以上、管理システム10及び管理方法によれば、元湯に関する溶解情報が溶解炉2ごとに取得される。そして、1つの溶解炉2から処理取鍋L1へ元湯が出湯されたことに応じて、溶解情報と炉番号及び出湯回数とが関連付けられて記録媒体に記憶される。さらに、1つの溶解炉2から処理取鍋L1へ元湯が出湯されたことに応じて、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とが関連付けられて記録媒体に記憶される。取鍋連番は、注湯時において鋳型連番(鋳型の識別子の一例)と関連付けられる。このように、管理システム10は、溶解情報を炉番号及び出湯回数を用いて取鍋単位で管理することができる。そして、管理システム10は、炉番号及び出湯回数を取鍋連番に関連付けることにより、取鍋単位で管理される元湯の成分調整、搬送、注湯などの後工程に関する情報を、溶解情報に関連付けることができる。よって、管理システム10は、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる。
管理システム10によれば、取鍋の空け替えを行った場合であっても、溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することができる。管理システム10によれば、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とを介して、溶解情報と第一接種材料の情報とを関連付けることができる。管理システム10によれば、取鍋連番と炉番号及び出湯回数とを介して、溶解情報と第二接種材料の情報とを関連付けることができる。管理システム10によれば、取鍋番号と取鍋連番とが関連付けられているため、注湯取鍋を一意に特定することができる。これにより、取鍋に不具合が発生した場合であっても、不良となった取鍋を一意に特定することができる。
溶解工程から注湯工程までに得られた情報を管理することにより、不良品の原因を多くの情報を用いて判断することができる(トレーサビリティの向上)。さらに、稼動情報を多く取得することにより、過去の情報に基づいて設定情報を変更することにより、品質のより優れた製品を製造することができる(フィードバック機能の追加)。例えば、溶解工程で取得された前日の情報(黒鉛組織、接種量、元湯配合比、出来映えなど)に基づいて当日の溶解材料を決定することにより、製品の品質向上に繋げることができる。さらに、収集した情報を用いて安全性を向上させることができる。例えば、合金の接種量と、受湯台車の重量測定値とを比較し、差が所定値以上であれば警報を出力することで、異常を検知することができる。注湯装置は、溶解情報に含まれる材料と、造型ラインから取得した材料とを比較し、不一致の場合には警報を出力したり注湯を停止したりすることができる。さらに、過去の処理時間よりも極端に短い場合あるいは長い場合や、過去の測定値よりも極端に小さい場合あるいは大きい場合には、警報を出力することで、異常を検知することができる。あるいは、例えばフェーディング時間を監視し、所定時間を超えた場合には、球状化が正しくされていないとして警報を出力することができる。あるいは、例えば溶湯温度を監視し、所定温度以下となった場合には、警報を出力したり溶湯を戻したりしてもよい。
管理システム10は、種々の情報をタッチパネル等の表示装置に表示させてもよい。例えば、管理システム10は、注湯装置8の表示装置に、造型ラインから送られてくる枠単位の材質と、炉から送られてくる取鍋内の材質とを表示させてもよい。あるいは、管理システム10は、注湯装置8の表示装置に、注湯温度、注湯時間、注湯重量、摂取時間、フェーディング時間、受湯後の経過時間などを表示させてもよい。管理システム10は、図19に記載の各種DBに格納された情報を表示装置に表示させてもよい。
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、処理取鍋L1の容量は、注湯取鍋L2と同一であるが、これに限定されない。例えば、処理取鍋L1の容量は、注湯取鍋L2の容量の2倍であってもよい。この場合、1台の処理取鍋L1から2台の注湯取鍋L2に空け替えをすればよい。また、溶湯搬送制御装置メインPLC200は、取鍋連番と炉番号及び溶解回数とを関連付けて記録媒体に記憶してもよい。つまり、炉番号及び出湯回数に替えて、炉番号及び溶解回数を用いて溶湯データの管理及び関連付けを行ってもよい。
1…鋳造設備、2…溶解炉、3…一次接種装置、4…受湯台車、5…二次接種装置、6…搬送台車、7…取鍋交換装置、8…注湯装置、10…管理システム。

Claims (7)

  1. 複数の溶解炉のうちの1つの溶解炉で得られた元湯の一部を取鍋へ出湯し、受湯した前記取鍋内で元湯の成分を調整して溶湯とし、溶湯を貯留する取鍋を注湯装置へ搬送し、搬送された前記取鍋の溶湯を前記注湯装置を用いて鋳型に注湯する鋳造設備のための管理システムであって、
    元湯に関する溶解情報を前記溶解炉ごとに取得する取得部と、
    元湯を受湯する前記取鍋に対して取鍋連番を付与する第1付与部と、
    前記1つの溶解炉を識別する炉番号と、前記1つの溶解炉の出湯回数と、前記1つの溶解炉の前記溶解情報とを関連付けて記録媒体に記憶する溶解管理部と、
    前記1つの溶解炉から前記取鍋へ元湯が出湯されたことに応じて、前記取鍋連番と前記炉番号と前記出湯回数とを関連付けて記録媒体に記憶する取鍋管理部と、
    前記注湯装置が前記搬送された前記取鍋の溶湯を前記鋳型へ注湯したことに応じて、前記鋳型の識別子と前記取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する注湯管理部と、
    を備える管理システム。
  2. 前記取鍋は、元湯を受湯する処理取鍋、及び、前記処理取鍋から空け替えられる複数の注湯取鍋を含み、
    前記鋳造設備は、前記処理取鍋から前記複数の注湯取鍋のうちの1つの注湯取鍋へ空け替え、
    前記処理取鍋から前記1つの注湯取鍋へ空け替えられたことに応じて、前記1つの注湯取鍋に対して前記処理取鍋の前記取鍋連番を付与する第2付与部をさらに備える請求項1に記載の管理システム。
  3. 前記取鍋管理部は、元湯の成分を調整するために前記処理取鍋に投入された第一接種材料の情報と前記取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する請求項2に記載の管理システム。
  4. 前記取鍋管理部は、溶湯の成分を調整するために前記注湯取鍋に投入された第二接種材料の情報と前記取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する請求項2又は3に記載の管理システム。
  5. 前記取鍋管理部は、前記注湯取鍋を識別する識別子と前記取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する請求項2〜4の何れか一項に記載の管理システム。
  6. 前記鋳造設備は、溶湯を注湯装置へ搬送する複数の取鍋を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の管理システム。
  7. 複数の溶解炉のうちの1つの溶解炉で得られた元湯の一部を取鍋へ出湯し、受湯した前記取鍋内で元湯の成分を調整して溶湯とし、溶湯を貯留する取鍋を注湯装置へ搬送し、搬送された前記取鍋の溶湯を前記注湯装置を用いて鋳型に注湯する鋳造設備のための管理方法であって、
    元湯に関する溶解情報を前記溶解炉ごとに取得する取得ステップと、
    元湯を受湯する前記取鍋に対して取鍋連番を付与する第1付与ステップと、
    前記1つの溶解炉を識別する炉番号と、前記1つの溶解炉の出湯回数と、前記1つの溶解炉の前記溶解情報とを関連付けて記録媒体に記憶する溶解管理ステップと、
    前記1つの溶解炉から前記取鍋へ元湯が出湯されたことに応じて、前記取鍋連番と前記炉番号と前記出湯回数とを関連付けて記録媒体に記憶する取鍋管理ステップと、
    前記注湯装置が前記搬送された前記取鍋の溶湯を前記鋳型へ注湯したことに応じて、前記鋳型の識別子と前記取鍋連番とを関連付けて記憶媒体に記憶する注湯管理ステップと、
    を有する管理方法。
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