JP2019209010A - 空気浄化装置及び空気浄化方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、この浄化方法は、葉に触れた汚染物質には対応可能ではあるが、大気中に浮遊する汚染物質を積極的に吸引して処理するものでは無いため、汚染物質除去の効率が低い。また植物が吸収できる汚染物質やその量も限られているという課題がある。
また、仮に汚染空気を土壌に圧送させる構成としても、土壌の緻密性などから、土壌内を通過させる単位時間当たりの空気の量に限界がある。
本発明は、そのような課題に着目したもので、空気に含まれる揮発性有機化合物などの有機化合物をより効率良く除去可能な空気浄化技術を提供することを目的としている。
ここで、上記バクテリアは例えば従属性栄養細菌であり、バイオセイフティレベル1に属するバクテリアが好ましい。また好気性には、通気好気性も含まれる。
ここで、各多孔質体は、多数の凹凸を有することで、供給されるバクテリア溶液を保持でき、また、表面積が広いため、汚染物質の上記吸着・分解を効率的に行うことが可能である。
また、各多孔質体間の隙間が、バクテリア溶液及び空気の通り道となるため、土壌内に空気を通す場合に比べて、空気の強制循環量を多くすることも可能である。
以上のように、本発明の一態様によれば、大量の植物を設置しなくても、より効率良く周りの空気に含まれる汚染物質を分解して、より効率良く汚染物質の除去が可能となる。即ち、本発明の一態様によれば、より効率良く空気を浄化することが可能となる。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は必ずしも現実のものと同じではない。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
本実施形態の空気浄化装置は、図1〜図3に示すように、軸を上下に向けて配置される筒体1と、筒体1内に上下に積層した複数の多孔質体2と、バクテリア溶液4を収容した液体収容部3と、溶液循環装置7と、排気装置9とを有する。筒体1と複数の多孔質体2でVOC除去反応層が構成される。
筒体1の材質は、液体が漏れ出さなければ特に材質の限定がない。
筒体1の断面積や高さは、除去する空気量や設置場所の大きさを考慮して適宜設定すればよい。
図1〜図3では、筒体1が円筒状の場合を例示しているが、筒体1は、断面四角形状などの角柱状であっても良いし、長手方向の途中位置が膨らんだ樽状であっても良い、また、長手方向に沿って断面が小さく若しくは大きくなる錐体形状であっても良い。
筒体1の下端開口部は板状の底面部1Aで閉塞されている。ただし、底面部1Aには、空気及び液体が流通可能な大きさの複数の開口1Aaが設けられ、その開口1Aaを通じて、筒体1内の溶液が下方に自由落下すると共に、下側から空気が筒体1内に供給可能となっている。
筒体1の上端開口部は板状の上面部1Bで閉塞されている。但し、上面部1Bにも、空気が流通可能な複数の開口1Baが形成されている。
溶液循環装置7は、筒体1の上部から筒体1内へバクテリア溶液4を連続的若しくは間欠的に供給する装置である。供給されたバクテリア溶液4は、筒体1の底面部1Aの開口1Aaから下方に落下して液体収容部3に回収されることで循環使用される。
本実施形態の溶液循環装置7は、管部6とポンプ5とを有する。
管部6は、筒体1内を上下に延在するように配置されると共に底面部1Aを貫通して下方に突出している。管部6は、上端部が上面部1Bに固定されると共に当該上面部1Bに固定されている。管部6は、下部が底面部1Aに支持されている。管部6の上部には、溶液を吐出するための複数の孔6aが開口している。孔6aにノズルを設けて噴射方向を制御しても良い。
なお、孔6aは、積層した複数の多孔質体2上部位置と同じ高さにも設けても良い。
管部6の下端開口は、筒体1の下方に配置されたポンプ5に接続する。ポンプ5は、下側に吸込口4aが設けられると共に、上側に吐出口4bが設けられ、その吐出口4bに管部6の下端開口部が接続する。ポンプ5の大きさは、図2のように、上面視で筒体1に完全に隠れる大きさが好ましい。
筒体1に収納される複数の多孔質体2は、例えば多孔質ガラス発泡材、活性炭、ゼオライト、軽石など、多数の気孔を有する物質からなる。
各多孔質体2は、例えば底面部1Aに形成した開口1Aaよりも粒径が大きな粒体から構成され、その粒体からなる複数の多孔質体2を、筒体1の所定高さまで充填することで、複数の多孔質体2を筒体1内で上下に積層する。
もっとも多孔質体2は、練炭のような上下に微細な貫通孔が形成されたような円柱形状から構成され、その円柱状の多孔質体2を筒体1内に積層するように配置しても良い。空気との接触面積や簡便性を考慮すると、多孔質体2は粒状の方が好ましい。
液体収容部3は、バクテリア溶液4を収容するタンクである。液体収容部3の天井面には、筒体1の下端部を着脱可能に取り付ける取付け用開口部3Aを有する。取付け用開口部3Aは、内壁面3Aaが筒体1下部の外形と同一の形状になっていると共に筒体1下端面の外周部が当接する段部を有する。そして、段部に当接するまで、上側から筒体1を差し込むことで、筒体1の下部は取付け用開口部3Aに着脱可能に取り付けられる。
また液体収容部3の天井面には、液体収容部3と外気とを連通する開口である通気穴3Bが形成されている。
液体収容部3内には、有機物を分解可能な好気性のバクテリアが混入されたバクテリア溶液4が収容されている。収容されたバクテリア溶液4の上面である液面は、図1に示すように、液体収容部3内の上部に空気層SPが形成される高さであって、ポンプ5の吸込口4aの設置よりも高い位置に設定される。これによって、筒体1の下端面(底面部1Aの下面)の下方に空気層SPが形成され、底面部1Aの下面は、通気穴3Bを介して外気と連通した状態となる。
バクテリア溶液4は、有機物を分解可能な好気性のバクテリアを水に溶かし込んだ液体である。
以下の説明では、主に、バクテリアとして従属性栄養細菌を使用した場合で例示する。
「従属性栄養細菌」は、生存に必要な炭素を得るために有機化合物を利用する細菌であって、エネルギーの供給を他種の生物に依存する細菌である。つまり、バクテリア溶液4に含まれるバクテリアが従属性栄養細菌の場合は、揮発性有機化合物(VOCとも呼ぶ)などの有機物からなる汚染物質を分解することができる。
また、空気浄化装置を設置する室内の主な汚染物質の種類によって、使用するバクテリアを選択することが好ましい。
例えば、家畜場、アスレチックルーム、病院、高齢者養護施設などの室内の空気清浄を想定した場合、生活臭や加齢臭などの臭いの元が主な汚染物質となる。このような汚染物質は、CとHとOからなる炭水化物、脂肪、それにNが入ったたんぱく質であるため、従属性栄養細菌で、胞子型細菌であるバクテリアを使用することが好ましい。
なお、バチルス・サブティリスは、蛋白質分解酵素であるプロテアーゼ、澱粉や糖の分解酵素であるアミラーゼ、脂肪分解酵素であるリパーゼ等を出す細菌である。また、バチルス・リケニフォルミスは、蛋白質分解酵素であるプロテアーゼ等を出す細菌である。また、バチルス・メガテリウムは、澱粉や糖の分解酵素であるアミラーゼ、脂肪分解酵素であるリパーゼ等を出す細菌である。
このようなVOCを分解する菌としては、VOCを栄養源として利用する従属性栄養細菌を利用すればよい。例えば、好気性菌である、シュードモナス菌、アシネトバクター・ベネティアヌス、アースロバクターspなどから選択して使用すればよい。これらのバクテリアを、本明細書では第2のバクテリアとも呼ぶ。
そして、液体収容部3に収容するバクテリア溶液4中に含まれる前記バクテリアの量は、例えば、105個/cc以上109個/cc以下の範囲内とする。
汚染物質の量にもよるが、バクテリアの量が105個/cc未満であると、取り込んだ汚染物質がバクテリアによって十分に分解されないおそれがある。また、バクテリアの量が109個/ccを超えると、汚染物質はバクテリアによって十分に分解されるが、必要量以上のバクテリアを用いるため、コスト高になる可能性がある。
筒体1の上端部(上面部1Bの上)に排気装置9を接続する。
排気装置9は、筒体1内の上部の空気を吸引して外部に排気することで、筒体1内を下方から上方に向けて空気を強制循環させるための装置である。本実施形態の排気装置9は排気用の換気扇から構成する。換気扇としては、公知の換気扇構造を採用すれば良い。換気扇からなる排気装置9は、例えば回転するプロペラ9aからなるファンと、ファンを回転駆動するモータと、モータを駆動する電源部を備える。電源部は電源ケーブルのプラグをコンセントに接続することで、電力が供給されてモータがファンを回転駆動可能となっている。
ここで、排気装置9は、換気扇構造に限定されず、エアコンプレッサなどの吸排気装置を採用しても良い。ただし換気扇が簡易な構成で好ましい。
通気穴3Bに換気扇構造などからなる吸引装置を設けて、液体収容部3に積極的に外気を導入するようにしても良い。
ここで、本実施形態では、排気装置9及び溶液循環装置7(管部6及びポンプ5)は筒体1に取り付けられて一つのカセットを構成し、そのカセットを単位に着脱して扱い可能となっている。
符号10は、溶液供給タンク10である。溶液供給タンク10内には、バクテリア溶液4が収納され、液体収容部3内におけるバクテリア溶液4の液面の高さが一定となるように調整する。符号10aは逆止弁であり、液面が所定以下となると、弁10aが開となって、溶液供給タンク10内のバクテリア溶液4が液体収容部3に供給される。
もっともバクテリア溶液4は循環して使用するため、溶液供給タンク10は無くても良い。
上記構成の空気浄化装置では、ポンプ5を連続的若しくは間欠的に駆動することで、連続的若しくは間欠的に、筒体1内の上側から下方に向けて、筒体1内を、有機物を分解可能な好気性のバクテリアが混入されたバクテリア溶液4を落下させる。これを繰り返すことで、筒体1内をバクテリア溶液4が連続して若しくは間欠的に循環させる。この結果、筒体1内の複数の多孔質体2を常にバクテリア溶液4で濡らした状態とすることができる。
この状態で、処理する空気を、筒体1の底面部1Aの開口1Aaから筒体1内を上方に向けて流通させ、筒体1の上方から外部に排気することで、空気の浄化が行われる。
ポンプ5を連続的若しくは間欠的に駆動すると、液体収容部3内のバクテリア溶液4が管部6を通じて、筒体1の上部まで移動し管部6上部に形成されている孔6aから、シャワーのように筒体1内の上部に吐出されて、積層された多孔質体2の上面に供給される。
多孔質体2の上面に供給されたバクテリア溶液4は、多孔質体2内を下方に向けて染み込みながら下方に移動する。多孔質体2に付着しなかったバクテリア溶液4は、筒体1の底面部1Aの開口1Aaから空気層SPを介して液体収容部3内に落下して液体収容部3内へ回収される。
この状態で、排気装置9を駆動すると、筒体1の下端から外部の空気が吸引され、吸引された空気が多孔質体2の層を通過することで、空気中の汚染物質が、多孔質体2に吸着されて取り込まれる。なお、吸着は物理的吸着やイオン結合によって行われる。
ここで、バクテリアによる分解は、「高分子→低分子→水+二酸化炭素」のように行われる。
具体的には、炭化水素系や塩素系有機化合物などのVOCが主な汚染物質の場合、VOCの炭化水素が、バクテリアによって、「アルコール→脂肪酸→水+二酸化炭素」に分解される。また、炭化水素の水素Hが塩素CLに替わった有機塩素系溶剤の場合は、バクテリアによって二酸化炭素・ギ酸・グリオキシル酸を含む多様な物質に分解されて、最終的に二酸化炭素、塩化物、水に分解される。
C6H12O6+6O2→6C02+6H20+エネルギー
このように、多孔質体2に取り込まれた汚染物質は、バクテリアによって分解される。これによって、周りの空気に存在する揮発性有機化合物等の有機物をより効率良く除去できる。即ち、より効率良く空気を浄化することが可能となる。
また、筒体1がカセット式となっているので、適宜取り外して他の筒体1を取り付けて空気浄化を行いつつ、外した筒体1の洗浄などを行うことも可能である。
本実施形態は次のような効果を奏する。
(1)本実施形態の空気浄化装置は、軸を上下に向けて配置され、底面部1Aに空気及び液体が流通可能な複数の開口1Aaを有する筒体1と、上記筒体1の軸方向に向けて空気及び液体が流通可能な状態で上記筒体1内に積層した複数の多孔質体2と、有機物を分解可能な好気性のバクテリアが混入されたバクテリア溶液4を収容した液体収容部3と、上記液体収容部3内のバクテリア溶液4を吸引し、吸引したバクテリア溶液4を上記筒体1内の上部位置に吐出する溶液循環装置7と、上記筒体1の上部に設けられて筒体1内の空気を吸引して外部に排気する排気装置9と、を有し、上記筒体1の底面部1Aの下面は、外部の空気と連通し、上記筒体1の底面部1Aの開口1Aaから落下した上記バクテリア溶液4は、空気層SPを介して上記液体収容部3内に戻される。
また、各多孔質体2間の隙間が、バクテリア溶液4及び空気の通り道となるため、土壌内に空気を通す場合に比べて、空気の強制循環量を多くすることも可能である。
以上のように、本発明の一態様によれば、より効率良く周りの空気に含まれる汚染物質を分解することで、より効率良く汚染物質の除去が可能となる。即ち、より効率良く空気を浄化することが可能となる。
この構成によれば、筒体1をカセット式として簡易に交換することが可能となる。
例えば、仮に筒体1が目詰まりしても、別の筒体1とポンプ5等の組からなるカセットと入れ替えることで、空気浄化を継続して行うことができる。
この構成によれば、日常生活環境下で発生する生活臭や加齢臭等の臭い汚れの元を効率良く除去することができる。
(4)使用するバクテリアは、シュードモナス菌、アシネトバクター・ベネティアヌス、アースロバクターspの少なくとも一つを含む。
この構成によれば、溶剤を扱う工場で発生するVOCをより有効に除去することができる。
(1)上記説明では、バクテリア溶液4を筒体1上部に供給する管部6が筒体1内を通過する例を説明した。管部6を筒体1外壁面に沿って上方に延在させ、管部の上端部側を筒体1内に挿入するような構成としても良い。また、一つの筒体1に対し、管部6を2本以上設けても良い。
(2)上記説明では、筒体1の下方に、空気層SPを介して、液体収容部3に貯留しているバクテリア溶液4の液面が存在する場合を例示しているが、筒体1の下方に、液体収容部3に貯留しているバクテリア溶液4の液面が存在していなくても良い。筒体1の下方に、落下してきたバクテリア溶液4を液体収容部3に案内する傾斜路などの案内路を筒体1の下方に配置しても良い。
(4)バクテリア溶液4の循環を間欠的に実施するように、ポンプ5を間欠的に(周期的に)駆動するように構成しても良い。
(5)排気装置9を逆回転するように構成して排気装置9を吸気装置としてもよい。
すなわち、バクテリア溶液4と空気をともに、筒体1上部から筒体1の下方(同方向)に流して浄化をする装置構成であっても良い。
またこのとき、排気装置9を所定時間間隔(所定周期)で、順回転駆動による排気モードと、逆回転駆動による吸気モードとを繰り返し行うように設定しても良い。この場合には、間欠的に筒体1内の空気が攪乱することができる。また例えば、バクテリア溶液4の循環を間欠的に実施し、バクテリア溶液4の供給時に、排気装置を吸気装置として使用しても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の空気清浄装置は、第1実施形態に比べて、よりコンパクトな装置構成とする場合の例である。すなわち、本実施形態では、図4に示すように、筒体1下端部を取り付ける取付け用開口部3Aの外周部に通気穴3Bを設けた例であり、液体収容部3を小型化している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
この構成では。筒体1と通気穴3Bが近接して配置されることで、より確実に筒体1下端部から外気を吸引できると共に、装置自体をコンパクトにすることがきできる。本実施形態の空気清浄装置は、例えば、机の下や机の上などの狭い場所への設置も可能となる。
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の空気清浄装置は、図5に示すように、基本構成は第1実施形態と同様であるが、一つの液体収容部3に複数の取付け用開口部3Aを形成し、各取付け用開口部3Aにそれぞれ筒体1とポンプ5等の組からなるカセットを取り付けた構成である。
なお、図5では、筒体1を本体とした複数のカセットが、一方向に向けて並んだ状態が図示されているが、複数のカセットが一列に並んでいる必要はない。また、各カセット間にも通気穴を形成しても良い。
この例では、複数の筒体1を備えることで、空気の浄化能力が向上する。
また、複数の筒体1の排気装置9を交互駆動させて外気を循環させることで、よりバクテリアによる分解低下を抑えることができる。
生物であるバクテリアは、汚染物質を分解する状態と休んでいる状態とを交互に繰り返した方が、バクテリアによる分解能の低下が抑えられるからである。
次に、第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の空気清浄装置は、図6に示すように、通気穴を上記取付け用開口部3Aと同じ構成の開口(図6中、左側)とし、その開口に他の筒体1とポンプ5等からなるカセットを取り付ける。但し、その左側の筒体1用の排気装置9を逆回転して、外気を吸引して筒体1上部に圧送するように構成したものである。すなわち、左側の筒体1上部には排気装置9の代わりに吸気装置11を設定したものである。
これによって、汚染物質の濃度が濃い場合でも、より効率良く空気の浄化を行うことが可能である。
ここで、図6において、右側のカセットを外して、右側の取付け用開口部3Aを通気穴として構成させても良い。
その他の効果は第1実施形態と同様である。
空気浄化装置として、第1実施形態の構造(図1参照)を採用した。
<実施例1>
装置の浄化槽となる筒体1として、直径100mmで高さ50cmのアクリル製の円筒を採用し、その筒体1の高さ3/4までに、多孔質体2として複数のガラス発泡材を充填した。
塩素系有機化合物分解用のバクテリアを使用したバクテリア溶液4を、液体収容部3に1.7Lの容量、収容して浄化実験を実施した。
そして、空気浄化装置を、容積が120Lの密閉容器内に設置した。そして、VOCを含有スルウォーター洗浄剤HB7に脱脂綿を漬け、湿らせた脱脂綿を、密閉容器内に3分程度入れ、その後、脱脂綿を取り出して、空気浄化装置を24時間、連続稼働させた。
なお、バクテリア溶液4の循環は連続循環とした。
その結果を表1に示す。
液体収容部3に収容するバクテリア溶液4を1.8Lとし、空気浄化装置を72時間、連続稼働した以外は、実施例1と同様な装置で実施した。
その結果を表2に示す。
液体収容部3に収容するバクテリア溶液4を2.0Lとし、空気浄化装置を70時間稼働させた。実施例3では、排気装置9は連続稼働させるが、筒体1内へのバクテリア溶液4の供給を30分実施したら30分停止するという、30分間隔で実施した以外は、実施例1と同様な装置で実施した。
その結果を表3に示す。
実施例3から、バクテリア溶液4の循環を間欠的に実施しても効果があることが分かる。多孔質体2に付着しているバクテリアが乾燥しないで濡れた状態が確保され、間欠的に多孔質体2に付着しているバクテリアや溶液の入れ替えが実施されることで、バクテリアによるVOC分解能が低下しないことが分かる。
液体収容部3に収容するバクテリア溶液4を2.0Lとし、空気浄化装置を117時間、連続稼働した以外は、実施例1と同様な装置で実施した。
その結果を表4に示す。
また実施例3と実施例4とを比較すると、条件によっては、バクテリア溶液4の循環を間欠的に実施した方がバクテリアによるVOC分解能が向上することが分かる。
1A 底面部
1Aa 開口
1B 上面部
2 多孔質体
3 液体収容部
3A 取付け用開口部
3B 通気穴
4 バクテリア溶液
4a 吸込口
4b 吐出口
5 ポンプ
6 管部
6a 孔
7 溶液循環装置
9 排気装置
10 溶液供給タンク
10a 逆止弁
11 吸気装置
Claims (5)
- 軸を上下に向けて配置され、底面部に空気及び液体が流通可能な複数の開口を有する筒体と、
上記筒体内を上下に向けて空気及び液体が流通可能な状態で上記筒体内に積層した複数の多孔質体と、
有機物を分解可能な好気性のバクテリアが混入されたバクテリア溶液を収容した液体収容部と、
上記液体収容部内のバクテリア溶液を吸引し、吸引したバクテリア溶液を上記筒体内の上部位置に吐出する溶液循環装置と、
上記筒体内の上部から空気を吸引して外部に排気する排気装置と、
を有し、
上記筒体の底面部の下面は、外部の空気と連通し、
上記筒体の底面部の開口から落下した上記バクテリア溶液は、上記底面部の下方に位置する空気層を介して上記液体収容部内に戻されることを特徴とする空気浄化装置。 - 軸を上下に向けて配置され、底面部に空気及び液体が流通可能な複数の開口を有する筒体と、
上記筒体の軸方向に向けて空気及び液体が流通可能な状態で上記筒体内に積層した複数の多孔質体と、
有機物を分解可能な好気性のバクテリアが混入されたバクテリア溶液を収容した液体収容部と、
上記液体収容部内のバクテリア溶液を吸引し、吸引したバクテリア溶液を上記筒体内の上部位置に吐出する溶液循環装置と、
上記筒体内の上部に外部の空気を圧送する吸気装置と、
を有し、
上記筒体の底面部の下面は、外部の空気と連通し、
上記筒体の底面部の開口から落下した上記バクテリア溶液は、上記底面部の下方に位置する空気層を介して上記液体収容部内に戻されることを特徴とする空気浄化装置。 - 上記溶液循環装置は、
上記筒体内を上下に延在し上部に液体を吐出可能な孔が開口していると共に上記底面部を貫通して下方に突出する管部と、
上記管部の下端部に吐出口を接続すると共に上記底面部よりも下方に吸込口が配置されたポンプと、を有し、
上記液体収容部は、収容しているバクテリア溶液の液面よりも上側となる位置に、上記筒体の下端部を着脱可能に取り付ける取付け用開口部を有すると共に、上記筒体の底面部の下面と外部の空気と連通する通気穴を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した空気浄化装置。 - 上記バクテリアは、バチルス・サブティリス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、シュードモナス菌、アシネトバクター・ベネティアヌス、アースロバクターspの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した空気浄化装置。
- 軸を上下に向けて配置され、底面部に空気及び液体が流通可能な複数の開口を有すると共に内部に複数の多孔質体が積層された筒体を有し、
連続的若しくは間欠的に、上記筒体の上側から下方に向けて、上記筒体内を有機物を分解可能な好気性のバクテリアが混入されたバクテリア溶液を落下させて、上記複数の多孔質体を上記バクテリア溶液で濡らした状態とし、
処理する空気を、上記筒体内の積層した多孔質体の層へ通過させることで当該空気の浄化を行うことを特徴とする空気浄化方法。
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