JP2019208900A - 解析装置、分析装置、分析方法およびプログラム - Google Patents

解析装置、分析装置、分析方法およびプログラム Download PDF

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孝之 宗田
Takayuki Muneda
孝之 宗田
遼介 野口
Ryosuke Noguchi
遼介 野口
中村 厚
Atsushi Nakamura
厚 中村
清原祥夫
Yoshio Kiyohara
祥夫 清原
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Abstract

【課題】撮像に基づいて、効率よく病変に対応する領域を示す情報を作成する。【解決手段】解析装置は、皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた第1測定データを取得する取得部と、第1測定データに基づいて、皮膚および爪の少なくとも一方の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、解析装置、分析装置、分析方法およびプログラムに関する。
生体からの光を受光し、生体における疾患に関する情報を取得することが行われている。例えば、対象物表面からの光に基づいて、皮膚の疾患に関する分析が行われている(特許文献1参照)。
しかしながら、病変に対応する領域に関する情報を取得することはできないため、対象物表面のいずれの位置に病変が存在しているかを判定することができなかった。
特許第5565765号
本発明の第1の態様によると、解析装置は、皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた第1測定データを取得する取得部と、前記第1測定データに基づいて、前記皮膚および前記爪の少なくとも一方の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出部と、を備える。
本発明の第2の態様によると、解析装置は、生体からの光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得する取得部と、前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成する作成部と、前記第1測定データと前記第2測定データとに基づいて、前記第1測定データにおける前記生体の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定する範囲設定部と、前記範囲に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定、および、症状の重さの度合の少なくとも一方の導出を行うための指標を算出する指標算出部と、を備える。
本発明の第3の態様によると、解析装置は、皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた第1測定データを取得する取得部と、前記第1測定データに基づいて、前記皮膚および前記爪の少なくとも一方の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行う解析部と、を備える。
本発明の第4の態様によると、分析方法は、皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた測定データを取得することと、前記測定データに基づいて、前記皮膚または爪の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定およびメラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出することとを含む。
本発明の第5の態様によると、分析方法は、生体からの光を受光して得られた、前記光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得することと、前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成することと、前記第1測定データと前記第2測定データとの比較に基づいて、前記第1測定データにおける前記生体の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定することと、前記範囲に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定および症状の重さの度合の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出することと、を含む。
本発明の第6の態様によると、プログラムは、皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた測定データを取得する測定データ取得処理と、前記測定データに基づいて、前記皮膚または爪の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定およびメラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出処理とを、処理装置に行わせるためのものである。
本発明の第7の態様によると、プログラムは、生体からの光を受光して得られた、前記光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得する第1測定データ取得処理と、前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成する作成処理と、前記第1測定データと前記第2測定データとに基づいて、前記第1測定データにおける前記生体の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定する範囲設定処理と、前記範囲に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定および症状の重さの度合の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出処理と、を処理装置に行わせるためのものである。
図1(A)は、一実施形態の分析装置の構成を示す概念図であり、図1(B)は、撮像部の撮像面を示す概念図である。 図2は、分析装置の情報処理部の構成を示す概念図である。 図3は、第2測定データの作成方法を説明するための概念図である。 図4は、第1測定データおよび第2測定データについての度数分布を示すグラフである。 図5は、ブロック化パラメータと相関係数との関係を示すグラフである。 図6は、局所算出範囲を説明するための概念図である。 図7は、分析方法の流れを示すフローチャートである。 図8は、変形例の分析方法を説明するための概念図である。 図9は、プログラムを説明するための概念図である。 図10は、実施例において取得された画像である。 図11は、実施例において算出された判定指標の分布を示す概念図である。 図12は、実施例において算出された判定指標の分布を示す概念図である。 図13は、実施例において算出された判定指標の分布を示す画像である。 図14は、実施例において取得された画像である。 図15は、実施例における第1度数分布と第2度数分布とを示すグラフである。 図16は、実施例におけるブロック化パラメータと相関係数との関係を示すグラフである。 図17は、実施例において算出された判定指標の分布を示す概念図である。 図18は、実施例において算出された判定指標の分布を示す概念図である。 図19は、実施例において算出された判定指標の分布を示す画像である。
以下では、適宜図面を参照しながら、一実施形態の分析装置等について説明する。本実施形態の分析装置は、生体からの光を受光して得られた測定データに基づいて、生体の複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定や、症状の重さの度合の導出等を行うための指標(以下、判定指標と呼ぶ)を算出するものである。以下の例では、皮膚からの光を受光して得られた測定データに基づいて、メラノーマか否かの判定や、メラノーマの悪性度の導出を行うための判定指標を算出する例を説明する。
図1(A)は、本実施形態の分析装置1の構成を示す概念図である。分析装置1は、測定部100と、情報処理部40とを備える。
測定部100は、照射部9と、スリット部10と、分光部20と、撮像部30とを備える。スリット部10は、集光レンズ11と、スリット12とを備える。分光部20は、レンズ21と、回折格子22と、レンズ23とを備える。撮像部30は、撮像面31を備える。スリット部10と、分光部20と、撮像部30とは適宜一体的な撮像装置として構成される。撮像部30からの検出信号が測定データとして情報処理部40に出力される点を矢印A1で模式的に示した。
以下の実施形態では、特に言及の無い限り、z軸を分光部20の光軸に平行にとり、x軸をスリット12に平行にとり、x軸およびz軸に垂直にy軸をとるものとする。スリット部10、分光部20および撮像部30の光軸は略一致しているものとする(座標軸8参照)。
本実施形態では、対象Sがメラノーマの病変か否か等についての分析を行うため、対象Sは、生体、特に人間の表面であり、皮膚および爪の少なくとも一方が好ましい。
照射部9は、ハロゲンランプ等の光源を備え、対象Sに照射光Loを照射する。照射光Loは離散化された複数の波長の光、および所定の波長域に対応する光のうち、少なくとも一方を含む。照射光Loは、可視光または近赤外光が好ましいが、特に限定されない。所定の波長域としては、例えば、数十nm〜数百nm以上の幅を持つ波長範囲であり、例えば450nm〜800nmの波長を有する光とすることができる。上記光源としては、白色光を照射する白色光源が好ましいが、本実施形態に係る分析方法において、正常な皮膚の部位について算出された判定指標と、メラノーマの部位について算出された判定指標とで値が異なれば、照射部9からの照射光Loは特に限定されない。
なお、白色等の既知の波長の光を出射する物体を撮像部30が撮像したり、撮像部30に光が入射しない状態で撮像部30が撮像を行ったりして得た情報に基づいて、照射光Loのむら等による悪影響を小さくする調整を行ってもよい。例えば、既知の反射率(例えば100%に近い反射率)を持つ反射板を対象Sの位置において照明むらを補正する公知のホワイト補正や、中間的な反射率板を使用した公知のグレー補正で反射率較正をしても良いし、暗電流除去やダークフレーム減算補正でノイズを除去してもよい。
測定部100は、対象Sの表面での乱反射による悪影響を抑えるため、不図示のクロスニコル配置された一組の偏光板を備える。一方の偏光板(第1偏光板と呼ぶ)は、照射部9と対象Sとの間に配置され、入射した照射光Loを任意の方向についての直線偏光を有する光として対象Sに出射する。第1偏光板からの照射光Loが照射された対象Sからの光(以下、測定光Lと呼ぶ)は、対象Sとスリット部10との間に配置された、第2偏光板に入射する。第2偏光板は、測定光Lのうち、第1偏光板から出射した照射光Loと直交する偏光成分を有する光を通過させてスリット部10に出射する。
スリット部10は、集光レンズ11を介して対象Sの像がスリット12の位置で結像する光学系となっている。スリット12には対象S上の一部のライン状の部分(以下、測定部位SLと呼ぶ)からの光だけを通過するようにスリット状開口が設けられている。即ち、分光部10を通過した光は測定部位SLの情報に限定されて分光部20に入射することになる。図1(A)では、わかりやすくするため対象S上の測定部位SLを斜めに記載したが、実際にはz軸方向から見てx軸に略平行なライン状に観察される部分となる。
分光部20は、分光器を備え、入射した測定光Lを、測定光Lに含まれる光の波長に基づいて撮像部30の撮像面31の異なる位置に照射する。レンズ21を通過した光は略平行光線となって回折格子22に入射する。回折格子22は、透過型回折格子であり、入射した測定光Lを波長に基づいて分離し、異なる方向へと出射する。図1(A)では、回折格子22から出射される測定光Lのうち、異なる2つの波長の光をそれぞれ分離測定光L1および分離測定光L2として模式的に示した。回折格子22により分離されて出射された分離測定光は、レンズ23へと入射する。レンズ23は、回折格子22から入射した各分離測定光を屈折させて撮像部30の撮像面31に結像させる。
撮像部30は、CCDやCMOS等の撮像素子を備える。この撮像素子は、撮像面31上に二次元に広がって配置された不図示の光電変換素子を備える。撮像部30は、撮像面31上に入射した光を光電変換素子により光電変換し、得られた検出信号をA/D変換して情報処理部40へと出力する(矢印A1)。
図1(B)は、撮像面31における、分離測定光L1およびL2の入射位置を示す概念図である。撮像面31は、z軸に垂直なxy平面に沿って配置されている(座標軸8参照)。x軸方向に伸びたスリット12を通過した、x軸方向に延びたライン状の測定光Lは、回折格子22により、x軸方向に延びた複数のライン状の分離測定光となり、波長に基づいて撮像面31上のy軸方向に異なる位置に入射する。図1(B)では、実際には分離測定光L1およびL2以外の波長の光も入射しているが、わかりやすくするため図示を省略している。
撮像面31に並んだ光電変換素子は、撮像面31上の任意の位置を基準にすると、x軸方向に沿って異なる位置には、対象Sの測定部位SLにおける異なる位置からの分離測定光が入射する。一方、y軸方向に沿って異なる位置には、測定部位SLの同一の位置からの異なる波長の分離測定光が入射する。
測定部100の一部または全部の移動等により、測定部位SLを、対象S上で走査し、この走査と同期して撮像部30が撮像を行うことで、対象Sの各位置にスペクトルが対応する測定データ(以下では、後述するデータ作成部531が作成するデータと区別するため、第1測定データと呼ぶ)を得ることができる。第1測定データは、対象Sの測定された各位置を示す位置情報と、各位置に対応した複数の波長の検出強度を含むスペクトル(以下、測定スペクトルと呼ぶ)とを含むデータである。
第1測定データはスペクトル画像に対応するデータとして考えると有用である。ここで、スペクトル画像とは、第1測定データにおける対象Sの各位置を一つの画素と考えた場合の二次元の仮想的な画像を指す。実際には、スペクトル画像を可視化するためには、各スぺクトルをRGB等の輝度値に対応させる必要がある。対象Sのx軸方向をスペクトル画像の縦方向とすると、スペクトル画像の縦方向の測定スペクトルの個数は撮像部30のx軸方向に沿った一列にある光電変換素子の個数に基づいて設定される。スペクトル画像の横方向の測定スペクトルの個数は、測定部位SLを走査しながら撮像部30が行った撮像の回数に基づいて設定される。測定される波長または波長域の数が、撮像面31上でy軸方向に沿った一列にある光電変換素子の数に対応する。
なお、測定部100の構成は、対象Sの複数の位置と、測定スペクトルとが対応したデータを取得することができれば特に限定されない。
図2は、情報処理部40の構成を示した図である。情報処理部40は、入力部41と、表示部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部50とを備える。制御部50は、装置制御部51と、データ取得部52と、解析部53と、出力制御部54とを備える。解析部53は、データ作成部531と、範囲設定部532と、指標算出部533と、判定部534とを備える。
情報処理部40は、電子計算機等の情報処理装置を備え、測定データを解析する解析装置として機能する。情報処理部40は、適宜ユーザとのインターフェースとなる他、様々なデータに関する通信、記憶、演算等の処理を行う。情報処理部40は、測定部100の制御や、解析、表示等の処理を行う処理装置となる。
なお、情報処理部40は、測定部100と一体になった一つの装置として構成してもよい。また、分析装置1が用いるデータの一部は遠隔のサーバ等に保存してもよく、分析装置1が行う演算処理の一部は遠隔のサーバ等で行ってもよい。
入力部41は、マウス、キーボード、各種ボタンおよび/またはタッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部41は、測定部100による測定や解析部53による解析に必要なデータ等の入力データを、分析装置1のユーザ(以下、単にユーザと呼ぶ)から受け付ける。
表示部42は、液晶モニタ等の表示装置により構成され、測定部100による測定の測定条件や、第1測定データに基づく画像、解析部53が解析して得られたデータに基づく画像等を表示する。
通信部43は、インターネット等のネットワークを介して無線や有線の接続により通信可能な通信装置を含んで構成される。通信部43は、測定部100の測定や解析部53の解析に必要なデータを受信したり、適宜必要なデータを送受信する。
記憶部44は、不揮発性の記憶媒体を備える。記憶部44は、制御部50に処理を行わせるプログラム、撮像部30から出力された第1測定データや解析部53の解析で得られたデータ等を記憶する。
制御部50は、CPU等のプロセッサにより構成され、測定部100を制御する動作の主体として機能し、記憶部44または不図示の記憶媒体に搭載されているプログラムを実行することにより、測定や解析等の各種処理を行う。
制御部50の装置制御部51は、入力部41からの入力等に基づいて、測定部100の各部を制御し、撮像部30に撮像を行わせる。装置制御部51は、測定部位SLの移動に関する情報を記憶部44に記憶させる。例えば、装置制御部51は、測定部位SLがy軸方向に移動するように測定部100を一定の移動速度で移動させ、移動速度と、撮像した時刻とに関する情報を記憶部44に記憶させる。
制御部50のデータ取得部52は、第1測定データを取得する。データ取得部52は、撮像部30からの検出信号と、記憶部44に記憶された測定部位SLの移動に関する情報とから、対象Sの複数の位置と、測定スペクトルとが対応した第1測定データを生成する。データ取得部52は、第1測定データを記憶部44に記憶させる。
データ取得部52は、第1測定データのうち、分析に必要な部分を残し、他の部分を削除することができる。データ取得部52は、第1測定データのうち、可視〜近赤外の波長範囲に対応する領域を残すことが好ましく、450nm〜800nmの波長範囲を残すことがより好ましい。また、データ取得部52は、第1測定データのうち、分析不要な対象Sの部位に対応するデータ等は適宜削除することができる。データ取得部52は、適宜このような処理を行った後、第1測定データを記憶部44に記憶させる。
解析部53は、第1測定データの解析を行い、対象Sの複数の位置における、メラノーマか否かの判定や、メラノーマの悪性度の導出を行うための指標(判定指標)を算出する。
解析部53のデータ作成部531は、第1測定データから、第1測定データに含まれるスペクトルの個数(以下、第1スペクトル個数と呼ぶ)よりも少ない個数(以下、第2スペクトル個数と呼ぶ)のスペクトルを含む第2測定データを作成する。以下の例では、第1測定データに対応するスペクトル画像が縦N個、横N個の画素からなる画像とし、第1測定データがNの第1スペクトル個数を有するものとする。さらに、第2測定データに対応するスペクトル画像が縦M個、横M個の画素からなる画像とし(N>M)、第2測定データがMの第2スペクトル個数を有するものとする。
図3は、第2測定データの作成方法を説明するための概念図である。第1測定データに対応する第1スペクトル画像Im1は、この例では8×8の画素からなる画像であり、各画素に測定スペクトルが対応している。すなわち第1スペクトル個数はN=64である。データ作成部531は、第1スペクトル画像Im1をn×n画素を含む複数のブロックBに分割する。この分割は、図3のようにブロックB同士が重ならないように行うことが好ましい。図3の例ではブロック化パラメータnは2であり、各ブロックBは4個の画素を含んでいる。
データ作成部531は、各ブロックBに対応するn×n個の測定スペクトルの平均スペクトルを算出する。平均スペクトルは、各波長と、ブロックB内での測定スペクトルの当該波長に対応する強度の平均値とが対応付けられているスペクトルである。データ作成部531は、各波長について、ブロックB内のn×n個の測定スペクトルの強度の算術平均等の平均値を算出し、この平均値からなるスペクトルを平均スペクトルとする。
図3では、データ作成部531が、第1測定データに基づいて第2測定データを作成する点を、第1スペクトル画像Im1から第2スペクトル画像Im2に向かう矢印A2で模式的に示した。第2測定データに対応する第2スペクトル画像Im2は、4×4の画素からなる画像であり、各画素に平均スペクトルが対応している。すなわち第2スペクトル個数はM=16である。第2スペクトル画像Im2の縦および横の画素の数は、第1スペクトル画像Im1の縦および横の画素の数をそれぞれブロック化パラメータnで割って得られた値となっている(M=N/n)。すなわち、第2測定データの第2スペクトル個数Mは、n×n個の測定スペクトルの平均値である平均スペクトルの数であり、ブロックBの個数である。
データ作成部531は、ブロック化パラメータnの値を変えて複数の第2測定データを作成する。例えば、データ作成部531は、nの値を1ずつ増やしていき、より第2スペクトル個数の少ない第2測定データを作成する。後述するように、データ作成部531が作成した複数の第2測定データのうち、所定の条件に適合したものを用いて判定指標が算出される。
解析部53の範囲設定部532(図2)は、第1測定データと第2測定データとに基づいて、第1測定データにおける、対象Sの複数の位置のそれぞれに対応する局所算出範囲を設定する。局所算出範囲は、対象Sのある位置についてメラノーマの判別のための判定指標を算出する際に、用いる第1測定データの範囲または用いる第1スペクトル画像Im1の範囲である。局所算出範囲は、判定指標を算出するためにある程度の大きさが必要である一方、あまり大きいと計算量等の観点から局所情報がならされてしまうため好ましくない。
範囲設定部532は、第1測定データおよび複数の第2測定データのそれぞれについて、測定スペクトル毎に対応して算出される特性パラメータを算出する。本実施形態において、特性パラメータは、測定スペクトルに対応する測定ベクトルと、基準スペクトルに対応する基準ベクトルとの間のなす角度(以下、スペクトル角度と呼ぶ)である。メラノーマの特徴は、病変の色調を含む形態の多様性にある。対象Sの各位置に対応する測定スペクトルをベクトルとして考え、当該ベクトルの方向のばらつきによりこの多様性を定量することができる。
第1測定データに対応する対象Sの範囲に正常皮膚が十分に含まれる場合は、範囲設定部532は、この正常皮膚の測定スペクトルに対応するベクトルを平均したものを基準ベクトルとして算出する。正常皮膚に対応する部分は、適宜ユーザ等の入力により指定される。第1測定データの中に正常皮膚が十分に含まれていない場合は、対象Sを有する被検者等の正常皮膚を撮像し、得られたスペクトルに対応するベクトルを適宜平均等したものを基準ベクトルとすることもできる。あるいは、複数の個体の正常皮膚を撮像して得たスペクトルを取得し、このスペクトルに対応するベクトルを平均等したものを基準ベクトルとすることもできる。ここで、顔、足の裏、体幹など身体の各部位ごとに分けて、上述したいずれかの方法で作成した基準ベクトルを用いることができる。
測定ベクトルをpi、基準ベクトルをprとする(pは太字)と、測定ベクトルpiと基準ベクトルとの間のスペクトル角度θiは、以下の式(1)により算出される。
…(1)
範囲設定部532は、データ作成部531が作成した複数の第2測定データのうち、判定指標を算出するために用いるデータを選択する。この際、範囲設定部532は、第1測定データと比べてスペクトル個数の少ない第2測定データにおいても、スペクトル角度についての情報が失われておらず、かつ限定した領域の情報とするためにできるだけ第2スペクトル個数の少ない第2測定データを選択する。
範囲設定部532は、第1測定データについてのスペクトル角度の相対度数を示す第1度数分布に対応する第1度数分布データと、第2測定データについてのスペクトル角度の相対度数を示す第2度数分布に対応する第2度数分布データとを作成する。範囲設定部532は、第1度数分布と、第2度数分布との類似度を算出し、この類似度に基づいて判定指標の算出に用いる第2測定データを決定する。
図4は、第1度数分布と第2度数分布とを示すグラフである。データ作成部531により平均化が行われる前の第1度数分布と、平均化が行われた後の第2度数分布とは分布が異なるものの、スペクトル角度5度〜15度付近において複数のピークを有する等、ある程度類似している。第2測定データの第2スペクトル個数をさらに小さくしていくと、第2度数分布は第1度数分布からより大きく外れた値をとるようになる。
範囲設定部532は、第1度数分布と第2度数分布の相関係数rを、第1度数分布と第2度数分布との間の類似度として算出する。相関係数rは、第1度数分布の各スペクトル角度における相対度数をp1j、その算術平均をp1a、第2度数分布の各スペクトル角度における相対度数をp2j、その算術平均をp2aとして、以下の式(2)により算出される。
…(2)
ここで、qは度数分布の作成のためにスペクトル角度(横軸)を離散化した際のビンの個数である。範囲設定部532は、複数の第2度数分布について、第1度数分布との間の類似度をそれぞれ算出する。
図5は、ブロック化パラメータnが異なる複数の第2測定データの相関係数rを示すグラフである。第2スペクトル画像Im2の縦および横の画素の数Mは、第1スペクトル画像Im1の縦および横の画素の数Nをブロック化パラメータnで割った値になるため、nが大きくなればなるほど、第2スペクトル個数は少なくなる。第2スペクトル個数が少なくなるほど、第2測定データと第1測定データとの相関係数rは小さくなる傾向にある。
範囲設定部532は、第2度数分布についての相関係数rが所定の閾値より高い第2測定データのうち、最も第2スペクトル個数が小さいもの(つまり、nが最も大きいもの)を、判定指標の算出に用いる第2測定データとして選択する。所定の閾値は、0.8以上が好ましく、0.9以上がより好ましい。所定の閾値は、0.99以下が好ましく、0.97以下がより好ましい。図5の例では、上記所定の閾値を0.95とした。また、図5の例では、第1測定データに対応するスペクトル画像の画素数すなわち第1スペクトル個数Nが210681個(N=459)である場合において、範囲設定部532はn=17に対応する第2測定データを判定指標の算出に用いるデータとして選択する。Nが459である場合、第2測定データの第2スペクトル個数Mは729個となり、M=27となる。
範囲設定部532は、第1スペクトル画像Im1の画素数Nよりも少ない個数の画素数を有する範囲について第2度数分布を算出し、第1スペクトル画像Im1に対する第1度数分布と比較し、相対係数rを算出する。当該範囲の画素数をたとえば一つずつ減らしていく毎にもしくは増やしていく毎に、それぞれの範囲について第2度数分布を算出し、相対度数rを算出する。このとき、相対度数rと当該範囲の画素数との関係を取得してもよい。範囲設定部532は、相関係数rが所定の閾値より高いときの画素数のうち最も小さいものを、後述するように、判定指標の算出に用いる局所算出範囲の画素数として選択する。
なお、範囲設定部532は、第1度数分布と第2度数分布との重なる面積等、第1度数分布と第2度数分布との類似性を示す様々な値を類似度として用いることができる。
範囲設定部532は、選択した第2測定データの第2スペクトル個数に基づいて、対象Sの複数の位置のそれぞれに対応する局所算出範囲を設定する。第1スペクトル画像Im1の各画素は対象Sの複数の位置のそれぞれに対応している。範囲設定部532は、第1スペクトル画像Im1の各画素を中心とした縦M個、横M個のM個の画素、または当該画素に対応する第1測定データの測定スペクトルを、局所算出範囲とする。すなわち、対象Sの各位置に対応する局所算出範囲に対応するスペクトルの個数は、第2スペクトル個数Mに基づいて定まり、好ましくは一致する。
なお、第2スペクトル個数に基づいて局所算出範囲に含まれる測定スペクトルの個数が設定されれば、局所算出範囲の設定の方法は特に限定されない。
図6は、局所算出範囲を説明するための概念図である。局所算出範囲60は、各画素61を中心とした、M×Mの画素数に対応する範囲となる。局所算出範囲60は、第1スペクトル画像Im1の辺縁部(図8でハッチングされた部分)に含まれる画素を除いた各画素61について算出される。範囲設定部532は、第1スペクトル画像Im1の全ての画素について、局所設定範囲60を設定する必要は必ずしも無い。
解析部53の指標算出部533は、局所算出範囲60に基づいて、対象Sの複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定およびメラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための判定指標を算出する。
指標算出部533は、各画素61について、局所算出範囲60に含まれる画素に対応するM個の画素のそれぞれの測定スペクトルの値から、判定指標DIとして、以下の式(3)で示されるエントロピー指標DIentを算出する。
…式(3)
ここで、p(θj)は上記M個の画素のそれぞれの測定スペクトルのスペクトル角度の度数分布の作成のためにスペクトル角度(横軸)を離散化した際のビンのj番目における相対度数である。エントロピー指標DIentは、各画素61の周囲のスペクトル角度のばらつきを示し、メラノーマの色調を含む形態の態様性を要約した指標となっている。従って、このエントロピー指標DIentにより、各画素61に対応する対象Sの位置がメラノーマの病変か否かの判定や、メラノーマの悪性度の導出を行うことができる。
なお、図6では、指標算出部533が各画素61に対応する判定指標DIを矢印A3に沿った順番で算出する点を示したが、判定指標DIを算出する順番は特に限定されない。
解析部53の判定部534は、所定の閾値に基づいて、各画素61に対応する対象Sにおける位置が、メラノーマ病変か否かを判定し、その悪性度を導出する。判定指標DIと、メラノーマ病変か否かとの対応付け、およびメラノーマの悪性度との対応付けは、予め記憶部44に記憶された所定の閾値により定められている。このような所定の閾値は、過去にメラノーマの患者の病変と、メラノーマではない良性の色素性病変との比較によって導出された判定指標DIの値に基づいて設定されたものである。例えば、メラノーマ病変か否かを定める閾値が3の場合、判定部534は、各画素61に対応する判定指標DIが3以上の場合、当該画素61に対応する対象Sの位置をメラノーマとする。同様に、判定指標DIが3未満の場合、当該画素61に対応する対象Sの位置をメラノーマでないとする。悪性度についても同様に、悪性度の各段階に対して所定の閾値が設定される。
判定部534は、対象Sにおける各位置が、メラノーマの病変か否かおよびその悪性度についての情報(以下、病変領域情報と呼ぶ)を示す画像を作成する。判定部534は、第1測定データに含まれる測定スペクトルからRGB等の画素値に変換したカラー画像またはモノクロ画像を作成する。判定部534は、このカラー画像またはモノクロ画像に対し、メラノーマ病変の範囲を線で囲んだり、ハッチングを加える等の画像処理を行った病変表示画像を作成する。
なお、判定部534は、病変表示画像に悪性度の情報を加えてもよい。
さらに、判定部534は、判定指標DIの値に基づいて、色相、明度、彩度および模様等を変化させた判定指標表示画像を作成する。加えて、判定部534は、メラノーマの悪性度に基づいて、色相、明度、彩度および模様等を変化させた悪性度表示画像を作成する。
なお、判定部534は、病変表示画像、判定指標表示画像および悪性度表示画像の全てを作成する必要はなく、いずれか一つや、二つでもよい。
出力制御部54は、表示部42を制御し、判定部534が作成した画像や、測定条件を示す画像等を表示部42に表示させる。
表示部42に表示された病変領域情報に関する画像は、医師や医療従事者に提示され、患者におけるメラノーマ病変の位置や、病変の悪性度を診断したり、病態を把握するために用いられる。さらに、病変領域情報に関する画像を見て、皮膚科医や病理医等の医師が、生検や手術の前にどの位置に対して処置をするかを決定することができる。判定指標DIは、病理診断の際に用いてもよい。
図7は、本実施形態の分析方法の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの例では、作成する第2測定データの第2スペクトル個数を減らしていき、類似度が所定の閾値未満になったところで、第2測定データの作成を終了する構成となっているが、特にこの内容に限定されない。
ステップS1001において、撮像部30は、生体からの光を受光し、データ取得部52は、所定の個数(第1スペクトル個数)の測定スペクトルを含む第1測定データを取得する。ステップS1001が終了したら、ステップS1003に進む。ステップS1003において、データ作成部531は、第1測定データから、上記所定の個数よりも少ないK=M個の平均スペクトルを含む第2測定データを作成する。ステップS1003が終了したら、ステップS1005に進む。
ステップS1005において、範囲設定部532は、第1測定データおよび第2測定データのそれぞれについて、スペクトル角度を算出する。ステップS1005が終了したら、ステップS1007に進む。ステップS1007において、範囲設定部532は、第1測定データおよび第2測定データのそれぞれについて、スペクトル角度の度数分布に対応するデータを作成する。ステップS1007が終了したら、ステップS1009に進む。
ステップS1009において、範囲設定部532は、第1測定データについてのスペクトル角度の第1度数分布と、第2測定データについてのスペクトル角度の第2度数分布との類似度を算出する。ステップS1009が終了したら、ステップS1011に進む。ステップS1011において、範囲設定部532は、類似度が所定の閾値に基づく条件を満たすか否かを判定する。範囲設定部532は、類似度が所定の閾値以上であった場合、ステップS1011を肯定判定してステップS1019に進む。範囲設定部532は、類似度が所定の閾値よりも小さかった場合、ステップS1011を否定判定してステップS1013に進む。
ステップS1019において、範囲設定部532は、K=Mの値をより小さな値に設定する。範囲設定部532は、例えば上述のブロック化パラメータnの値をインクリメントする。ステップS1019が終了したら、ステップS1003に戻る。
ステップS1013において、範囲設定部532は、それまでに作成された第2測定データのうち、算出された類似度が上記所定の閾値に基づく条件(例えば相関係数r>0.95)を満たす場合であって、第2測定データのスペクトルの個数が最も小さい場合の当該個数に基づいて、生体の複数の位置のそれぞれに対応する局所算出範囲60を設定する。ステップS1013が終了したら、ステップS1015に進む。ステップS1015において、指標算出部533は、第1測定データにおける、生体の複数の位置に対応する局所算出範囲60についての、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための判定指標DIを算出する。ステップS1015が終了したら、ステップS1017に進む。
ステップS1017において、表示部42は、生体の複数の位置と、判定指標DIとを対応させて表示する。ステップS1017が終了したら、処理が終了される。
上述の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施形態に係る解析装置(情報処理部40)は、皮膚および爪等の生体の一部からの光を受光して得られた第1測定データを取得する取得部(データ取得部52)と、第1測定データに基づいて、皮膚および爪等の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための複数の指標を算出する指標算出部と、を備える。これにより、撮像により得られた測定データに基づいて、対象Sにおける、メラノーマ病変に対応する領域を示す情報を作成することができる。
(2)本実施形態に係る解析装置は、生体からの測定光Lを受光して得られた、測定光Lについての第1スペクトル個数の測定スペクトルを含む第1測定データを取得する取得部(データ取得部52)と、第1測定データから、第1スペクトル個数よりも少ない個数のスペクトルを含む第2測定データを作成する作成部(データ作成部531)と、第1測定データと第2測定データとに基づいて、第1測定データにおける生体の複数の位置のそれぞれに対応する局所算出範囲60を設定する範囲設定部532と、局所算出範囲60に基づいて、上記複数の位置のそれぞれにおいて、病変の病態の判定を行うための複数の判定指標DIを算出する指標算出部533と、を備える。これにより、対象Sの各位置の分析に用いるデータの範囲を適切に設定し、撮像により得られた測定データに基づいて、病変に対応する領域を示す情報を効率よく作成することができる。局所算出範囲60が大きすぎると、対象Sの複数の位置のそれぞれにおいてメラノーマか否かの判定およびメラノーマの悪性度の導出ができなくなってしまう。一方、局所算出範囲60が小さすぎると、第1測定データに対する度数分布と第2測定データに対する度数分布との類似度を示す相対係数rが小さくなり、局所算出範囲60で算出される判定指標DIの信頼性が低下してしまう。これらの問題が生じない範囲を局所算出範囲60として設定することができる。
(3)本実施形態に係る解析装置において、第2測定データは、第1測定データの一部の測定スペクトルの平均を含む。これにより、解析部53は、第1測定データから間引いて第2測定データを作成したものに比べて、画素を複数平均することで、光量アップと同等の効果が得られ高い信頼性を維持した判定指標DIを算出することができる。
(4)本実施形態に係る解析装置において、範囲設定部533は、第1測定データおよび第2測定データのそれぞれについて、複数の第1パラメータ(スペクトル角度)を算出し、第1測定データについての第1パラメータの第1度数分布と、第2測定データについての第1パラメータの第2度数分布とに基づいて局所算出範囲60を設定する。これにより、第1測定データおよび第2測定データにおける第1パラメータの度数分布の比較に基づいて判定指標の算出を行うことができる。
(5)本実施形態に係る解析装置において、範囲設定部532は、第1測定データについてのスペクトル角度の第1度数分布と、第2測定データについてのスペクトル角度の第2度数分布との類似度を算出する。類似度により、第1測定データにおけるスペクトル角度のばらつきが第2測定データでどの程度維持されているか判断することができる。
(6)本実施形態に係る解析装置において、類似度は、第1度数分布および第2度数分布の相関係数またはこれら度数分布の重なる面積に基づく値とすることができる。これにより、第1測定データにおけるスペクトル角度のばらつきが第2測定データでどの程度維持されているかを定量的に算出し、判定指標DIの算出を行うことができる。
(7)本実施形態に係る解析装置において、範囲設定部532は、類似度が所定の閾値に基づく条件を満たす場合の第2測定データのスペクトルの個数に基づいて、局所算出範囲60を設定する。これにより、適切な局所算出範囲の大きさに基づいて、判定指標DIの算出を行うことができる。
(8)本実施形態に係る解析装置において、指標算出部533は、第1測定データにおける、対象Sの複数の位置に対応する局所算出範囲60についてのエントロピー指標を算出する。これにより、メラノーマ等の、色調を含む形態の多様性に基づいて判別可能な疾患について、病変に対応する病態領域境界に関する情報を作成することができる。
(9)本実施形態に係る解析装置は、生体の複数の位置と、判定指標DIとを対応させて表示する表示部をさらに備える。これにより、医師や医療従事者等に、撮像により得られた測定データに基づく、メラノーマの病変の病態に対応する領域境界を示す情報をわかりやすく提供することができる。
(10)本実施形態の分析装置は、上述の解析装置(情報処理部40)と、撮像部30と、備える。これにより、撮像により得られた測定データに基づいて、対象Sにおける、病変の病態に対応する領域境界を示す情報を作成することができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。
(変形例1)
上述の実施形態では、測定部100による撮像に基づき、任意の次元のベクトルに対応する測定スペクトルを取得し、この測定スペクトルを用いて判定指標DIを算出した。しかしながら、測定スペクトルの代わりにRGB等の画素値を用いて判定指標DIを算出してもよい。この場合でも、範囲設定部532は、上述の実施形態のスペクトル角度に対応する特性パラメータを、三次元の画素値に対応するベクトルと、基準ベクトルとの間の角度として式(1)により同様に算出することができる。また、第1スペクトル個数は画素値の数、すなわち撮像に用いた撮像素子の画素数に対応する。
なお、照射部9が単色光源を備え、指標算出部533は、単色の照射光9に照射された測定部位SLを撮像して得られた光強度からなる画素値を用いて判定指標DIを算出してもよい。この場合でも、当該画素値からなるデータと、ブロック化された画素値の平均からなるデータについて、当該光強度を横軸にとった度数分布の相関係数を算出する等して局所算出範囲の設定を行い、光強度のばらつきをエントロピー指標等で定量することができる。
本変形例の分析装置では、上述の実施形態のようなスペクトルを取得するための撮像装置を用いる必要が無く、一般的なカメラ等の撮像装置を用いて第1測定データを取得することができるため、汎用性が高く、分析装置1をコンパクトな装置にすることができる。
(変形例2)
上述の実施形態では、エントロピー指標DIentを用いて対象Sにおけるスペクトルの多様性を定量したが、擬フラクタル次元またはエネルギー指標を用いてスペクトルの多様性を定量してもよい。指標算出部533は、擬フラクタル次元を、ボクセルカウンティング法(ボックスカウンティング法)等を用いて3次元角度画像等をフラクタル解析することで算出することができる。
指標算出部533は、エネルギー指標を、以下の式(4)により算出することができる。
…(4)
擬フラクタル次元またはエネルギー指標が、健常部に対して得られた値と病変に対して得られた値とで差がある場合、対象Sの各位置について、メラノーマの病変か否か、およびメラノーマの悪性度の導出等をすることができる。
(変形例3)
上述の実施形態では、各画素61に対応する局所算出範囲60に含まれるスペクトルの個数は等しかったが、各画素61に対応する局所算出範囲60に含まれるスペクトルの個数を異ならせてもよい。
図8は、本変形例の局所算出範囲の設定方法を説明するための概念図である。局所算出範囲60はM×Mの大きさとする。この場合、範囲設定部532は、第1スペクトル画像Im1に含まれる画素のうち、矢印A4が通過する9×9の領域では同じ大きさの局所算出範囲60を設定することが可能である。しかし、第1スペクトル画像Im1の辺縁部(点によるハッチングで示した)にある画素61aは、局所算出範囲60と同じ大きさの局所算出範囲60aを設定しようとすると、局所算出範囲60aの一部が画素を含まないため、スペクトル角度の度数分布の類似度が保証されるだけの個数の測定スペクトルを含むことができない。
従って、例えば、第1スペクトル画像Im1の辺縁部、すなわち撮像部30による撮像範囲の辺縁部に位置する画素61aについては、範囲設定部532は、他の画素61の局所算出範囲60とは異なる大きさの局所算出範囲60bを設定する。範囲設定部532は、辺縁部に対応する局所算出範囲60bを算出する際の、第1度数分布と第2度数分布との間の類似度に関する閾値を、他の部分に対応する局所算出範囲60を算出する際の当該類似度に関する閾値よりも低くすることができる。これにより、辺縁部の画素61aに対応する局所算出範囲60に含まれる測定スペクトルの個数は少なくなる。
本変形例に係る解析装置において、データ作成部531は、第1測定データから第2測定データを作成し、範囲設定部532は、第1測定データと第2測定データとに基づいて、異なる複数の局所算出範囲60、60bを設定し、指標算出部533は、異なる複数の局所算出範囲60、60bのそれぞれに基づいて、対象Sの複数の位置における判定指標DIを算出する。これにより、得られた画像から、対象Sのより広い範囲について、メラノーマ病変に対応する領域を示す情報を作成することができる。
(変形例4)
上述の実施形態では、第1測定データに含まれる複数の測定スペクトルを平均化した平均スペクトルを用いて第2測定データを作成した。しかし、データ作成部532は、第1測定データに含まれる複数の測定スペクトルを積算したスペクトルや、あるいは当該複数の測定スペクトルから選択したスペクトル等を用いて第2測定データを作成してもよい。
(変形例5)
第1測定データに含まれる測定スペクトルにおいて、健康な皮膚に対応する測定スペクトルの割合が多い場合、すなわち第1スペクトル画像Im1において、病変の占める領域が極めて小さい場合、以下のような問題があった。健康な皮膚は、基準スペクトルに近い測定スペクトルを有するため、スペクトル角度θjが小さいと考えられる。上記の場合、第1度数分布において、健康な皮膚に対応する、スペクトル角度θjが小さい(θj<10°等)範囲で高い相対度数となる一方、それ以外の(θjが10°以上等)範囲では低い相対度数となる。そうすると、ブロック化パラメータnが4以下等の小さい値でも、第1度数分布と第2度数分布との間の相関係数rが0.95未満等になってしまうことがある。このため、判定指標DIを算出可能な範囲が極めて狭くなってしまう。
従って、このようにブロック化パラメータnが所定の第1の値以下等で相関係数rが0.95未満になる場合には、第1度数分布および第2度数分布において、スペクトル角度θjが所定の第2の値以上の部分のみを用いて、相関係数rを算出することが好ましい。例えば、スペクトルθjが第2の値未満の領域の度数を0としてもよい。ここで、例えば、所定の第1の値は、nが8以下、6以下、4以下等であり、例えば、所定の第2の値は、θjが5以上、10以上、15以上等に適宜設定される。これにより、nが小さすぎるために判定指標DIを算出する範囲が狭くなってしまう問題を解消することができ、特に小さな色素性病変に対して有効である。
(変形例6)
分析装置1および解析装置(情報処理部40)の情報処理機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された、上述した解析部53による解析処理等およびそれに関連する処理の制御に関するプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
また、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記載)等に適用する場合、上述した制御に関するプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体やインターネット等のデータ信号を通じて提供することができる。図9はその様子を示す図である。PC950は、CD−ROM953を介してプログラムの提供を受ける。また、PC950は通信回線951との接続機能を有する。コンピュータ952は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク等の記録媒体にプログラムを格納する。通信回線951は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ952はハードディスクを使用してプログラムを読み出し、通信回線951を介してプログラムをPC950に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波により搬送して、通信回線951を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
上述した情報処理機能を実現するためのプログラムとして、皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた第1測定データを取得するデータ取得処理(ステップS1001(図7)に対応)と、第1測定データに基づいて、皮膚または爪の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定および/またはメラノーマの悪性度の導出を行うための判定指標DIを算出する指標算出処理(ステップS1015に対応)とを、処理装置に行わせるためのプログラムが含まれる。
上述した情報処理機能を実現するためのプログラムとして、生体からの測定光Lを受光して得られた、測定光Lについての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得する第1測定データ取得処理(ステップS1001(図7)に対応)と、第1測定データから、上記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成する作成処理(ステップS1003に対応)と、第1測定データと第2測定データとに基づいて、第1測定データにおける生体の複数の位置のそれぞれに対応する局所算出範囲60を設定する範囲設定処理(ステップS1013に対応)と、局所算出範囲60に基づいて、上記複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマ病変か否かの判定および/または症状の重さの度合の導出を行うための判定指標DIを算出する指標算出処理(ステップS1015に対応)と、を処理装置に行わせるためのプログラムが含まれる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
(実施例1)
左大腿部に悪性メラノーマを有する患者の病変を、図1と同様の構成を備える分析装置を用いて撮像した。撮像により得られたスペクトル画像は、おおよそ縦500×横500の画素に対応するスペクトルからなるものであった。
図10は病変の画像E1である。L1−1およびL1−2で示された白線は、判定指標DIの算出を行った画像E1の一部を示している。
撮像により得られた第1測定データに対し、ブロック化パラメータnを1から30まで変化させてそれぞれの場合の第2測定データを作成した。その後、第1測定データおよび第2測定データについてスペクトル角度を算出した。スペクトル角度についての第1度数分布および第2度数分布の一例は図4に示した。ブロック化パラメータnを横軸に、当該nに対応する第2測定データの第2度数分布と第1度数分布との相関係数rを縦軸にとったグラフを図5に示した。相関係数rが0.95より大きく、かつ最も第2スペクトル個数が少ない場合はn=17であった。局所算出範囲は、縦27画素×横27画素の範囲と設定した。設定した局所算出範囲に基づいて、撮像により得られた画像の各位置における判定指標DIを算出した。
図11および図12は、それぞれ図10でL1−1およびL1−2で示された白線に対応する領域における、HE染色された病理標本(上段)の画像と、判定指標DIを示すグラフ(下段)とを示す図である。矢印Adで示された領域がメラノーマ部、矢印Aiで示された領域がメラノーマの自然消退部、矢印Ahで示された領域が健常皮膚に対応する。
図11において、メラノーマ領域(判定指標DI数249)、その自然消褪領域(判定指標DI数100)および健常皮膚領域(判定指標DI数94)における判定指標DI値に分散分析を適用すると、3つの領域の判定指標DIの平均値には、統計的有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在した。さらにTukeyの手法による多重比較を行うと、各ペア間にも統計的な有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在していた。
図12においても、メラノーマ領域(判定指標DI数258)、その自然消褪領域(判定指標DI数113)および健常皮膚領域(判定指標DI数186)における判定指標DI値に分散分析を適用すると、3つの領域の判定指標DIの平均値には、統計的有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在した。さらにTukeyの手法による多重比較を行うと、各ペア間にも統計的な有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在していた。
図13は、判定指標DIの大きさを、色の濃さにより区別して示した判定指標表示画像である。図13の判定指標表示画像では、白色に近い程、判定指標DIが高い値となるようにして示した。
(実施例2)
体幹皮膚に表在拡大型メラノーマを有する患者の病変を、図1と同様の構成を備える分析装置を用いて撮像した。撮像により得られた画像は、おおよそ縦500×横500の画素に対応するスペクトルからなるものであった。
図14は病変の画像E2である。L2−1およびL2−2で示された白線は、判定指標DIの算出を行った画像E2の一部を示している。真皮内母斑NVがメラノーマの可能性が疑われる黒色部分の近傍に存在している。
撮像により得られた第1測定データに対し、ブロック化パラメータnを1から50まで変化させてそれぞれの場合の第2測定データを作成した。その後、第1測定データおよび第2測定データについてスペクトル角度を算出した。スペクトル角度についての第1度数分布および第2度数分布の一例は図15に示した。ブロック化パラメータnを横軸に、第1度数分布と第2度数分布との相関係数rを縦軸にとったグラフを図16に示した。n=38のときに相関係数rが0.95以下となったため、n=38の場合よりも第2スペクトル個数が大きいn=37として局所算出範囲を算出した。局所算出範囲は、縦12画素×横12画素の範囲と設定した。設定した局所算出範囲に基づいて、撮像により得られた画像の各位置における判定指標DIを算出した。
図17および図18は、それぞれ図14でL2−1およびL2−2で示された白線に対応する領域における、S100タンパク染色された病理標本(上段)の画像と、判定指標DIを示すグラフ(下段)とを示す図である。矢印Adで示された領域がメラノーマ領域、矢印Anで示された領域が真皮内母斑NVに対応する部分、矢印Ahで示された領域が健常皮膚領域に対応する。
図17においては、メラノーマ領域(判定指標DI数287)と健常皮膚領域(判定指標DI数204)における判定指標DI値に分散分析を適用すると、3つの領域の判定指標DIの平均値には、統計的有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在した。さらにTukeyの手法による多重比較を行うと、各ペア間にも統計的な有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在していた。
図18においては、メラノーマ領域(判定指標DI数104)、真皮内母斑領域(判定指標DI数105)および健常皮膚領域(判定指標DI数104)における判定指標DI値に分散分析を適用すると、3つの領域の判定指標DIの平均値には、統計的有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在した。さらにTukeyの手法による多重比較を行うと、各ペア間にも統計的な有意差(p(両側 p 値)<0.001)が存在していた。
図19は、判定指標DIの大きさを、色の濃さにより区別して示した判定指標表示画像である。白色に近い程、判定指標DIが高い値となるようにして示している。
1…分析装置、10…スリット部、12…スリット、20…分光部、22…回折格子、30…撮像部、31…撮像面、40…情報処理部、50…制御部、52…データ取得部、53…解析部、60,60b…局所算出範囲、61,61a,61b…画素、100…測定部、531…データ作成部、532…範囲設定部、533…指標算出部、534…判定部、NV…母斑、S…対象。

Claims (17)

  1. 皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた第1測定データを取得する取得部と、
    前記第1測定データに基づいて、前記皮膚および前記爪の少なくとも一方の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出部と、
    を備える解析装置。
  2. 請求項1に記載の解析装置において、
    前記第1測定データは、前記光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含み、
    前記解析装置は、
    前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成する作成部と、
    前記第1測定データと前記第2測定データとに基づいて、前記指標を算出するための、前記第1測定データにおける前記皮膚の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定する範囲設定部と、
    をさらに備え、
    前記指標算出部は、前記範囲設定部が設定した範囲に基づいて、前記複数の位置における前記指標を算出する解析装置。
  3. 生体からの光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得する取得部と、
    前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成する作成部と、
    前記第1測定データと前記第2測定データとに基づいて、前記第1測定データにおける前記生体の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定する範囲設定部と、
    前記範囲に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定、および、症状の重さの度合の少なくとも一方の導出を行うための指標を算出する指標算出部と、
    を備える解析装置。
  4. 請求項2または3に記載の解析装置において、
    前記第2測定データは、前記第1測定データの一部の画素値またはスペクトルの平均を含む解析装置。
  5. 請求項2から4までのいずれか一項に記載の解析装置において、
    前記範囲設定部は、
    前記第1測定データおよび前記第2測定データのそれぞれについて、複数の第1パラメータを算出し、
    前記第1測定データについての前記第1パラメータの度数分布と、前記第2測定データについての前記第1パラメータの度数分布とに基づいて、前記範囲を設定する解析装置。
  6. 請求項5に記載の解析装置において、
    前記範囲設定部は、前記第1測定データについての前記第1パラメータの度数分布と、前記第2測定データについての前記第1パラメータの度数分布との類似度を算出する解析装置。
  7. 請求項6に記載の解析装置において、
    前記類似度は、相関係数または前記度数分布の重なる面積に基づく値である解析装置。
  8. 請求項6または7に記載の解析装置において、
    前記範囲設定部は、前記類似度が所定の閾値に基づく条件を満たす場合の前記第2測定データの画素値またはスペクトルの個数に基づいて、前記範囲を設定する解析装置。
  9. 請求項2から8までのいずれか一項に記載の解析装置において、
    前記作成部は、前記第1測定データから、複数の第2測定データを作成し、
    前記範囲設定部は、前記第1測定データと前記複数の第2測定データとに基づいて、異なる複数の前記範囲を設定し、
    前記指標算出部は、異なる複数の前記範囲のそれぞれに基づいて、前記複数の位置における前記指標を算出する解析装置。
  10. 請求項2から9までのいずれか一項に記載の解析装置において、
    前記指標算出部は、前記第1測定データにおける、前記複数の位置に対応する前記範囲についてのエントロピー指標、エネルギー指標または擬フラクタル次元を算出する解析装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の解析装置において、
    前記複数の位置と、複数の前記指標とを対応させて表示する表示部をさらに備える解析装置。
  12. 皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた第1測定データを取得する取得部と、
    前記第1測定データに基づいて、前記皮膚および前記爪の少なくとも一方の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定、および、メラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行う解析部と、
    を備える解析装置。
  13. 請求項1から12までのいずれか一項に記載の解析装置と、
    撮像部と、
    を備える分析装置。
  14. 皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた測定データを取得することと、
    前記測定データに基づいて、前記皮膚または爪の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定およびメラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出することと
    を含む分析方法。
  15. 生体からの光を受光して得られた、前記光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得することと、
    前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成することと、
    前記第1測定データと前記第2測定データとの比較に基づいて、前記第1測定データにおける前記生体の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定することと、
    前記範囲に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定および症状の重さの度合の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出することと、
    を含む分析方法。
  16. 皮膚および爪の少なくとも一方からの光を受光して得られた測定データを取得する測定データ取得処理と、
    前記測定データに基づいて、前記皮膚または爪の複数の位置のそれぞれにおいて、メラノーマか否かの判定およびメラノーマの悪性度の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出処理とを、処理装置に行わせるためのプログラム。
  17. 生体からの光を受光して得られた、前記光についての所定の個数の画素値またはスペクトルを含む第1測定データを取得する第1測定データ取得処理と、
    前記第1測定データから、前記所定の個数よりも少ない個数の画素値またはスペクトルを含む第2測定データを作成する作成処理と、
    前記第1測定データと前記第2測定データとに基づいて、前記第1測定データにおける前記生体の複数の位置のそれぞれに対応する範囲を設定する範囲設定処理と、
    前記範囲に基づいて、前記複数の位置のそれぞれにおいて、病変か否かの判定および症状の重さの度合の導出の少なくとも一方を行うための指標を算出する指標算出処理と、を処理装置に行わせるためのプログラム。
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