JP2019208659A - 遊技機 - Google Patents

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Hikonori Tatematsu
彦則 立松
原田 紀彦
Norihiko Harada
紀彦 原田
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Abstract

【課題】 遊技者が獲得した遊技媒体を好適に払い出すことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】 貯留箱801に遊技球を一旦貯留し、大当り当選時に抽選結果に対応した数の遊技球を貯留箱801から短時間で遊技者に向けて排出する演出を実行することができる。また、その排出後の遊技球は、パネル側通路部220A内に一時的に貯留し、特別遊技状態における入賞の発生に応じた速度で、払出制御基板930の制御によって少しずつ払い出す。【選択図】 図22

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的である。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−224362号公報
従来の球皿等の貯留部やICカード等に遊技媒体が供給される構成において、未だ改良の余地がある可能性がある。
本発明に係る遊技機では、例えば、遊技者が獲得した遊技媒体を好適に払い出すことが可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
遊技者が視認可能な所定の貯留部に遊技媒体を貯留可能とする視認可能貯留手段と、
前記視認可能貯留手段によって貯留された遊技媒体を下流側に流下させる流下可能状態と、下流側への流下が不能に制限する流下制限状態を切り替えることが可能な流下制御手段と、
前記視認可能貯留手段より下流側にて遊技者が接触不能な位置に遊技媒体を貯留可能とする下流側貯留手段と、
前記下流側貯留手段に貯留された遊技媒体を、所定の入賞部への遊技球の入球に応じて払い出す下流側払出手段とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る遊技機であれば、遊技者が獲得した遊技媒体を好適に払い出すことが可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 遊技球の払出経路を示す略線図 遊技球の払出経路を示すパチンコ機の背面図 貯留箱へ遊技球が供給された状態の遊技盤の正面図 貯留箱への遊技球の供給を示す略線図 貯留箱からの遊技球の排出を示す略線図 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 第2実施形態における遊技盤の正面図 第2実施形態における遊技球の払出経路を示す略線図 第3実施形態におけるパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 第3実施形態における遊技球の払出経路を示す略線図 球演出制御処理の一例を示すフローチャート 第4実施形態における遊技球の払出経路を示す略線図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としての第1実施形態のパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の第1実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性を有する透明な板状の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性を有する透明な板状の後方板223(図3参照)とを備えている。前方板222と後方板223は、ガラスにより構成してもよいし、少なくとも一方を、透明な樹脂(例えば、ポリカーボネート)により構成してもよい。
後方板223には、前後方向に貫通する孔部223Aが設けられている。孔部223Aは、遊技盤400が配置される部分と、前方板222と後方板223との間の間隙により形成される空間とを連続する部位であり、具体的な説明については後述する。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、主貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。主貯留部231には、パチンコ機100の内部から主貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、主貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により主貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して主貯留部231に流入する。また、主貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
主貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する補助貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが主貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して補助貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して主貯留部231から補助貯留部241に流入する。
補助貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、補助貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には補助貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、遊技球を用いた遊技者の発射操作により遊技が行われる領域であって、自重により遊技球が落下する領域である。
遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。遊技領域の入口部分は、戻り球防止機構404が設けられる部位が該当する。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。また、遊技盤400には、遊技球を利用した演出を実行可能とする出力演出装置800が設けられている。この出力演出装置800に関する構成等の説明については後述する。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照、以下、「第1払出モータ542」ともいう。)と、払出計数スイッチ592(図10参照、以下、「第1払出計数スイッチ592」ともいう。)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく第1払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、第1払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
また、払出装置540には、出力演出装置800(図7参照)へ遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ842(図10参照、以下、「第2払出モータ842」ともいう。)と、払出計数スイッチ892(図10参照、以下、「第2払出計数スイッチ892」ともいう。)とを備え、払出制御装置560による制御に基づく第2払出モータ842の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が、下流側に設けられる出力演出装置800へ向かって流下する。以下においては、出力演出装置800を経由しないで遊技球を払い出す従来の払出装置540を構成する部分(第1払出モータ542,第1払出計数スイッチ592や払出通路)を第1払出装置540Aといい、出力演出装置800を経由して遊技球を払い出す払出装置540を構成する部分(第2払出モータ842,第2払出計数スイッチ892や払出通路)を第2払出装置540Bというものとする。この第2払出装置540Bの第2払出モータ842の制御によって出力演出装置800へ遊技球を流下させる構成については、後述する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載され、主制御基板920、入力操作装置260、装飾図柄表示装置479、誘導通路スイッチ804、球出口スイッチ806、動作ソレノイド805A等が接続されている。また、副制御基板940は、主制御基板920及び入力操作装置260等とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
次に、図13以降を主に参照して、本実施形態(第1実施形態)におけるパチンコ機100の出力演出装置800について説明する。図13は、パチンコ機100の左右方向における中央部分を、前後方向に連続する垂直な断面で切断して右側から視認した形状を模式的に示した断面図であり、パチンコ機100の払出装置540によって遊技球が払い出される複数の払出通路を模式的に示した略線図である。また、図14は、遊技球の払出経路に関する構成を模式的に示したパチンコ機100の背面図である。
出力演出装置800は、払出装置540を構成する第2払出装置540Bによって払い出される遊技球を用いて演出を行うことが可能に構成された装置であり、図13に示すように、装飾図柄表示装置479の表示画面の前側に重なる位置に設けられている。出力演出装置800は、遊技球が流下する遊技領域(遊技盤400における外レール402と内レール403とによって囲われて遊技球が流下する可能性のある領域)の下端(排出口401Aの配置位置)より高く、遊技領域の左端及び右端よりも中央側に位置している(図3参照)。
出力演出装置800は、全体として透明な直方体形状に形成されて内部に遊技球を貯留可能な貯留箱801を有している。貯留箱801は、遊技盤400の基体400Aに対して前後方向において重なるように、基体400Aに形成される貫通孔の前後に突出する位置に配置されている。また、貯留箱801は、遊技領域に対して前後方向において重なる位置に配置され、遊技球が流下する領域に囲われた中央部分に遊技球が停留し、その停留した領域から遊技者に向かって遊技球が排出されるように設けられている。貯留箱801は、上面の一部が開口し、その開口部分と、貯留箱801の左側から延びる透明の誘導通路802とが接続されている。
誘導通路802は、図13及び図14に示すように、払出装置540と貯留箱801とを接続する遊技球の通路を構成し、遊技球タンク510に貯留された遊技球が払出装置540(第2払出装置540B)の動作によって出力演出装置800の貯留箱801へ流下可能となっている。遊技球タンク510から供給される遊技球は、払出制御基板930の制御によって払出装置540の動作により誘導通路802を介して貯留箱801へと誘導する。
ここで、払出装置540の第1払出装置540Aによって払い出された遊技球は、図13及び図14に示すように、出力演出装置800を経由することなく、遊技者の手元に設けられて貯留された遊技球に接触可能な主貯留部231又は補助貯留部241に払い出される構成とされている。具体的には、誘導部材550を流下した後に、主貯留部231に通じる誘導通路551を流下するか、又は、補助貯留部241に通じる誘導通路552を流下した後に、主貯留部231又は補助貯留部241のいずれかへと流下する。この払出装置540において、第1払出装置540Aによって遊技球を払い出すか、又は第2払出装置540Bによって遊技球を払い出すかは、種々の設定をすることができる。例えば、大当り後の特別遊技状態であるか否かや時短遊技状態であるか否かなど遊技状態に対応した設定としてもよく、出力演出装置800を利用した演出が行われるか否かなど装飾図柄表示装置479で実行される変動表示の演出に対応した設定としてもよく、遊技者が入力操作装置260を利用して払い出される先を選択可能に設定してもよく、入賞口に対応して払い出される先が異なるように設定してもよく、上記した設定を2つ以上組み合わせて払い出される先が異なるようにしてもよい。
誘導通路802には、副制御基板940に接続される誘導通路スイッチ804が設けられている。誘導通路スイッチ804は、誘導通路802を通過して貯留箱801へ進入した遊技球の数を副制御基板940によって計数可能に設けられ、誘導通路スイッチ804を遊技球が通過すると、副制御基板940に遊技球の通過に対応した信号(情報)を出力し、その遊技球の通過が副制御基板940に検出される。
貯留箱801の前側中央下部には、前側へ向けて突出する排出路803が設けられている。貯留箱801の底面は、前方における下側中央部分に向かって下降傾斜し、全体として排出路803へ向けて下るように僅かに傾斜した形状に形成され、さらに排出路803の底面も前側へ向けて下るように僅かに傾斜している。貯留箱801に貯留された遊技球は、底面の傾斜に沿って勢いを付けることにより排出路803に沿って前方に進行した後に、排出路803から飛び出るように排出される。
排出路803に対して前側には、遊技領域の全体を覆い、遊技者と対向する中央パネル220が設けられている。中央パネル220は、2枚の透明板(前方板222,後方板223)を有し、該2枚の透明板の間の間隙によってパネル側通路部220Aが形成されている。パネル側通路部220Aは、遊技球が流下可能なように遊技球の直径より前後に広く形成されている。なお、パネル側通路部220Aは、遊技球の直径の2倍以上の前後幅に形成されることが好ましい。
排出路803の一部は、後方板223に形成された孔部223Aの内部に進入可能な長さに設定されている。遊技盤400が設けられる中間ブロック103に対して、後方板223が設けられる前ブロック102が閉鎖された閉鎖状態においては、排出路803の一部が後方板223に形成された孔部223Aの内部に進入した状態となる。この閉鎖状態において、排出路803の前側先端の位置は、後方板223と前方板222との間に位置し、排出路803を進行する遊技球は、後方板223の孔部223Aの内側を経由してパネル側通路部220Aへと排出される。
排出路803には、排出路803の内部を遊技球が通過可能な開状態と、遊技球を通過不能とする閉状態とを切り替え可能に動作する開閉扉805が設けられている。開閉扉805は、排出路803の入口部分を板状の部位によって閉鎖した閉状態と、閉状態に対して上方へ移動して排出路803の入口部分を開放して遊技球を通過可能とする開状態とに移動可能に設けられ、払出制御基板930の制御によって動作する動作ソレノイド805A(図10参照)に接続されて、排出路803を開状態又は閉状態へと遷移させる。
排出路803が開閉扉805によって閉鎖された閉状態においては、遊技球タンク510から貯留箱801に供給された遊技球は貯留箱801の内部に貯留される。一方、排出路803が開閉扉805によって開放された開状態においては、貯留箱801に遊技球が多数貯留されていれば、開状態の時間長さに対応した数分の遊技球が、排出路803からパネル側通路部220Aへ向けて排出される。
ここで、排出路803は、貯留箱801に対して前側に設けられて、排出路803を経由する遊技球が前方へ向かって進行する。このため、遊技球は遊技者の位置する前側へ向けて進行し、あたかも遊技者に向けて遊技球が進行するような、立体的な演出が可能となる。この排出路803は、1球ずつ遊技球を遊技者に向かって進行させる大きさにしてもよいが、遊技者に向かって多数の遊技球が進行するように演出を可能とするために、左右に少なくとも2以上の遊技球が並ぶ大きさに形成されることが好ましく、上下方向においても2以上の遊技球が並ぶ大きさに形成されることが好適である。
排出路803の開閉扉805よりも前側には、副制御基板940に接続される球出口スイッチ806が設けられている。排出路803から実際に排出された遊技球は、球出口スイッチ806が設けられる位置を遊技球が通過することによって副制御基板940に検出される。なお、排出路803は、遊技球1個分の通路よりも広く、遊技球が複数横に並んで前方に進行可能な幅を有する大きさとすることが好ましく、この場合に、遊技球が整列して進行可能に、前後方向に連続する複数列の通路を形成し、各通路毎に、球出口スイッチ806を設けて遊技球の通過を検出するようにしてもよい。
排出路803から排出された遊技球が進入するパネル側通路部220Aの底面220Bは、図14に示すように、僅かに傾斜が設けられており、最も低い下端に相当する位置(中央近傍)には、下方側へ連続する供給経路812の入口を構成する開口部811が形成されている。供給経路812は、前ブロック102の一部として設けられて遊技球を下方側へ流下させることが可能な通路であり、補助貯留部241へ接続されている。従って、貯留箱801から排出された遊技球は、供給経路812を通って補助貯留部241へと払い出し可能に構成される。なお、供給経路812は、補助貯留部241へと遊技球を払い出す構成に限らず、主貯留部231に接続されて主貯留部231に遊技球を払い出す構成としてもよい。
次に、図15を参照して、出力演出装置800と、装飾図柄表示装置479の表示画面とを用いて演出について説明する。図15は、貯留箱801へ遊技球が供給された状態の遊技盤400の正面図である。
上述したように、出力演出装置800は、装飾図柄表示装置479の前側に設けられているが全体的に透明な材料で形成されているため、遊技球が貯留されていない非貯留状態では、遊技者は装飾図柄表示装置479の全体を視認することが可能である。また、装飾図柄表示装置479の表示画面は、遊技者側から見た正面視において出力演出装置800よりも大きく形成され、前後方向において出力演出装置800と重ならない領域(以下、これを非重複表示領域と呼ぶ)を有している。
遊技球が貯留箱801に存在しない非貯留状態においては、貯留箱801の後側に重なる部分(以下、「重複表示領域」ともいう。)を含むように装飾図柄表示装置479の全面を使って画像が表示され、例えば、図7に示すように、特別図柄抽選の抽選結果に対応した装飾図柄の変動表示を表示する抽選図柄表示部821Aが重複表示領域に表示される。
貯留箱801に遊技球が貯留されると、遊技球の貯留箱801への進入が誘導通路スイッチ804により検出される。また、貯留箱801から遊技球が排出されると、その遊技球の排出が球出口スイッチ806により検出される。誘導通路スイッチ804と球出口スイッチ806とは、いずれも副制御基板940に接続され、副制御基板940によって貯留箱801に貯留された遊技球の数量は監視され、その数量に対応して装飾図柄表示装置479の表示制御が行われる。
遊技球が貯留箱801に貯留されている貯留状態においては、装飾図柄表示装置479の表示画面のうち重複表示領域の視認性が貯留箱801に貯留された遊技球によって阻害される可能性があり、その阻害される可能性は、貯留箱801に遊技球が多数貯留されるほど高くなる。このため、予め定めた量(例えば、500個以上)の遊技球が貯留箱801に貯留されている状況においては、装飾図柄表示装置479の表示画面のうち重複表示領域とは別の非重複表示領域に、特別図柄抽選の抽選結果が表示され、例えば、図15に示すように、表示画面の上部に抽選図柄表示部821Bが形成されるようにして、装飾図柄の変動表示を表示する。これにより、遊技者は遊技球によって抽選結果が視認しづらくなくことがなく、遊技を楽しむことができる。
次に、図16及び図17を主に参照して、貯留箱801を利用した演出について説明する。図16は、貯留箱801への遊技球の供給を模式的に示した略線図であり、図17は、貯留箱801からの遊技球の排出を模式的に示した略線図である。
第1実施形態の出力演出装置800は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434へ遊技球が進入して払い出される遊技球を一時的に貯留し、入力操作装置260に対しての遊技者の操作で排出可能に構成されている。特別図柄抽選に当選して大当りとなり、特別遊技状態が発生すると、下大入賞装置433又は上大入賞装置434の入口(大入賞口)への遊技球の進入が許容され、遊技球の進入が大入賞スイッチ443,444(図10参照)によって検出されると、図16に示すように、その遊技球の進入に対応した数分の遊技球が払出装置540(第2払出装置540B)によって貯留箱801へと払い出される。
入力操作装置260の一部(排出操作部260A、図10参照)に対して操作を行うと、貯留箱801から、図17に示すように、その操作に対応して貯留箱801から遊技球が排出される。排出操作部260Aの操作としては、以下のように構成することができる。例えば、排出操作部260Aとしての十字のボタンを操作し、その操作に連動して装飾図柄表示装置479の一部に「貯留箱から遊技球を排出」のボタンを選択可能に表示し、そのボタンを選択した後に、下向きのボタンを押し続けると、押し続けた時間長さに対応する分の遊技球が排出されるようにしてもよい。また、図15に示すように、「目標」の貯留数が装飾図柄表示装置479の表示画面に表示され、その「目標」の値を遊技者が選択可能とし、その選択した目標の数を超えた分を、下流側に払い出す「自動払出ボタン」を選択可能としてもよい。また、貯留されている全ての遊技球を払い出す「全払出ボタン」を選択可能とし、選択された場合に貯留箱801に貯留されている全ての遊技球が排出されるようにしてもよい。また、専用の開放スイッチを排出操作部260Aとして設け、その開放スイッチが操作されている期間中には、遊技球が排出されるようにしてもよい。
なお、副制御基板940は、主制御基板920に対して、出力演出装置800に遊技球を進入させることができない状況である場合に出力される球溢れ信号を出力可能に構成されることが好ましい。球溢れ信号を出力する条件としては、種々の条件を設定し、又は、組み合わせることができる。例えば、予め定めた数分以上に貯留箱801に遊技球が貯留されている場合に球溢れ信号を出力し、その数を超えての貯留箱801への遊技球の進入を阻止するように払出装置540を制御するようにしてもよい。すなわち、主制御基板920から、払出制御基板930に、出力演出装置800側の貯留箱801の球溢れ信号が出力され、払出制御基板930は、第2払出モータ842を制御し、必要な残り数分の遊技球が貯留箱801へ流下しないように制御するようにしてもよい。この場合に、払出制御基板930は、第1払出モータ542を制御して残り数分の遊技球を主貯留機構230へ払い出すようにしてもよいし、又は、第2払出装置540Bによる払い出しが可能となるまで払い出しを停止しておく構成としてもよい。
このように、パチンコ機100では、遊技領域を流下する遊技球に注意を向ける遊技者から視認し易い位置として、遊技者の顔付近の正面に位置する遊技領域の中央部において、出力通路部としての誘導通路802、貯留箱801及び排出路803を経由して遊技球が遊技者に向かって進行し、その遊技球を遊技者が獲得可能とすることができる。よって、遊技者が獲得した遊技球の数などを、数字や表示画面の表示のみならず、実体の遊技球が遊技者に向かって移動することにより、視覚を通じて感覚により判り易く表現することができる。従って、遊技によって獲得した遊技球の数量を単に数字で表現するより、獲得した遊技球の量を認識し易くすることができる。これにより、例えば、球箱を多数積み上げて多量の遊技媒体を獲得したことを実感していた感覚と同様の感覚を、ICカードを利用した遊技場においても体感し易くすることができ、また、遊技を継続するか止めるかの意思決定においても遊技媒体を獲得した量を感覚的に認識し易くして、過度に遊技を行うような、のめり込みの状況を回避し易くすることを期待できるなどの効果がある。
また、遊技者の顔付近の正面に位置するように、透明の貯留箱801を配置し、貯留箱801の前側から突出する排出路803から遊技者に向けて飛び出すように遊技球を排出することにより、遊技者に遊技球が払い出されていることを強く意識させることができ、遊技の楽しみを増大させることができる。
また、貯留箱801に貯留部としての機能を持たせることにより、払い出された遊技球の量を遊技者に意識させ易く、遊技者の意思に応じて好きなタイミングで遊技球を貯留箱801から払い出すことができる。このため、遊技球をカード等の価値記録媒体で管理する場合において多数の遊技球が払い出されても感覚的に判り難くなってしまい、高揚感を感じられないような物足りなさを払拭したり、満足感を高めて遊技へののめり込みを防止し易くすることができる。
また、貯留箱801を大入賞装置433,434への遊技球の進入に応じた専用の貯留部として使用することができ、貯留箱801からの遊技球の排出を大当り当選した場合に限定した演出とすることができ、遊技者に対して大当り時の楽しみを増大させることができる。
また、遊技領域の前側を覆って、遊技者が遊技領域を視認可能に且つ接触不能にカバーし、間隙を挟んで配置された2枚の透明カバー手段としての前方板222及び後方板223の間には、遊技球を通過可能とするパネル側通路部220Aが設けられ、パネル側通路部220Aに対して遊技球が出力される量の制御が開閉扉805によって行われる。このため、遊技領域の前側に位置して遊技者と対峙する1枚のカバー体を隔てただけの間隙に遊技媒体を通過させることができるため、遊技中において払い出される遊技媒体の量を遊技者に視覚的に認識させることができ、遊技媒体が払い出された量の確認が容易な遊技機を提供することができる。
次に、図18から図20を参照して、第2実施形態のパチンコ機100について説明する。図18は、第2実施形態におけるパチンコ機100Xの電気的な構成を示すブロック図であり、図19は、第2実施形態における遊技盤400の正面図であり、図20は、第2実施形態における遊技球の払出経路を示す略線図である。
第2実施形態のパチンコ機100Xは、貯留箱801に貯留された遊技球が、払出制御基板930の制御によって入賞に対応して払い出される構成となっている。なお、上述した第1実施形態における構成と同一の構成については説明を省略し、また、同一の名称を付して説明し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態のパチンコ機100Xでは、払出制御基板930には、図18に示すように、開閉扉805を動作させる動作ソレノイド805Aと、貯留箱801から排出される球を検出可能な球出口スイッチ806とが接続される。払出制御基板930は、大入賞装置433,434への遊技球の入賞に対応した数分の遊技球を貯留箱801から下流側に相当する排出路803に排出するように制御する。
貯留箱801への遊技球の流入は、副制御基板940によって払出モータ842と払出計数スイッチ892とが制御されることで行われる。すなわち、貯留箱801に遊技球が貯留される数は、払出モータ842と払出計数スイッチ892とを備えた第2払出装置540Bの動作によって行われる。第2払出装置540Bの制御は、副制御基板940によって行われ、貯留箱801へ貯留される遊技球の数が演出の一部として増減する。
貯留箱801の下側には、図20に示すように、貯留箱801に貯留された遊技球を、遊技者側とは別の回収排出通路へと流下させるための誘導通路807と、誘導通路807へ貯留箱801内の遊技球を流下させるか否かを切り替えるように動作可能な下側開閉扉808とが設けられている。下側開閉扉808は、排出路803に通じる球出口を開閉する開閉扉805(以下、前側開閉扉805ともいう)が貯留箱801の中に球を支える部分の近くに設けられ、前側開閉扉805が閉じられた状態で、下側開閉扉808が開放されると、誘導通路807を通じて貯留箱801内の全ての遊技球が排出可能に構成される。なお、下側開閉扉808は、貯留箱801内の遊技球を機外に排出可能であれば、別の構造によって構成してもよいし、別の位置に設けられてもよい。
下側開閉扉808を動作させる動作ソレノイド808Aは、副制御基板940に接続され、必要に応じて、貯留箱801内の遊技球が排出可能に制御される。副制御基板940は、貯留箱801の中に遊技球が貯留される量を制御し、遊技球が払い出される量や、払い出される期待度(変動表示後に大当りが発生する可能性)に対応した量の遊技球を貯留して、遊技者が直接的に払い出される遊技球を見た上で、その遊技球が払い出される演出を実行可能としている。この演出として、例えば、変動表示中に貯留箱801に遊技球が貯留されて大当りに当選した場合には、貯留箱801に貯留された遊技球の全部又は一部が遊技者に払い出される。
この貯留箱801を利用した演出について、以下に説明する。図19に示すように、特別図柄抽選に対応した変動表示中に、残り1つの図柄が変動し、他の図柄が大当り図柄の一部を構成しているリーチ状態となった場合に、出力演出装置800を用いた演出(貯留球演出)が実行される場合がある。貯留球演出の実行は、副制御基板940による演出の選択の1つとして実行され、例えば、出力演出装置800の貯留箱801に遊技球が貯留された場合に、50%の確率で大当りとなるように設定されている。なお、必ず大当りとなる場合に、出力演出装置800に遊技球が貯留されるなど、他の設定にして演出を実行するようにしてもよい。
貯留球演出の実行が決定された場合には、大当りによって遊技球が払い出される数に対応した量の遊技球が貯留される。例えば、3種類の異なるラウンド数で払出数の異なる大当りが設定されている場合として、10ラウンド、4ラウンド、2ラウンドにラウンドが設定されて、払出数はそれぞれ約1500、約600、約300となっている場合に、最大数に相当する1500個の遊技球が貯留箱801に貯留される。その貯留数は、図19に示すように、装飾図柄表示装置479の表示画面に「MAX1500」として表示され、遊技者に大当りによって払い出される最大の数が報知され、また、実体の遊技球としても視認し得る。
副制御基板940は、1回の変動表示の中で、全く貯留箱801に遊技球がない状態から、一定の貯留数に達するまで遊技球を供給して貯留球演出を実行する。例えば、300個、600個、1500個のいずれかの数の球を貯留し、その変動表示で大当りに当選した場合に、その球数の遊技球が必ず払い出される設定としてもよく、又は、その貯留された数分の遊技球が最大の量として少なくとも一部が当選後に払い出されるようにしてもよい。また、図柄が3つ揃って大当りの発生が確定した後に、どこまで貯留箱801に貯留される球が増えていくかを演出によって遊技者に示し、300個、600個、1500個のいずれかまで貯留された球を特別遊技状態で払い出すようにしてもよい。なお、必ずしも1回の変動表示の中で、全く貯留箱801に遊技球がない状態から、一定の貯留数に達するまで遊技球を供給して貯留球演出を実行する必要はなく、複数回の変動表示において次第に遊技球の数を増やしたり、遊技者が発射した球数に対応して貯留される遊技球の数を増やしたりするなど、他の増え方によって遊技球が貯留箱801に貯留されるようにしてもよい。
払出制御基板930は、抽選結果が大当り当選だった場合、大入賞装置433,434への遊技球の進入に応じて開閉扉805を開状態へと移行させることにより、入賞に応じた数の遊技球を貯留箱801から排出路803を通じて払い出す。この結果、入賞に応じた遊技球が供給経路812を通って補助貯留部241へと払い出される。なお、入賞が余分に発生して貯留箱801内の遊技球が不足した場合には、貯留箱801に不足した分の遊技球を流入させるように副制御基板940の制御を行ってから排出路803を通じて払い出すようにしてもよいし、又は第1払出装置540Aを利用して別の経路で遊技球を払い出すようにしてもよい。また、払い出される遊技球が不足して特別遊技状態が終了しても貯留箱801に遊技球が残っていた場合には、貯留箱801の下側開閉扉808を開放して遊技球を排出するようにしてもよい。
このように、リーチ演出として、貯留箱801に遊技球を貯留し、その貯留された遊技球の量によって大当りによって獲得可能な遊技球を示すなど抽選結果に対応した情報を遊技者に提供することにより、遊技者の大当りに対して獲得可能な遊技球の量を想像しやすく、またパチンコ機100Xに多数供給される媒体を利用した演出を実行可能として、遊技者に遊技を楽しませることができる。
次に、図21から図23を参照して、第3実施形態のパチンコ機100Yについて説明する。図21は、第3実施形態におけるパチンコ機100Yの電気的な構成を示すブロック図であり、図22は、第3実施形態のパチンコ機100Yにおける遊技球の払出経路を示す略線図であり、図23は、球演出制御処理の一例を示すフローチャートである。
第3実施形態のパチンコ機100Yは、貯留箱801に貯留された遊技球が演出の1つとして下流側に位置するパネル側通路部220Aに移動して貯留され、その貯留された遊技球が払出制御基板930の制御によって入賞に対応して払い出される構成となっている。なお、上述した第2実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、また、同一の名称を付して説明し、異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態のパチンコ機100Yでは、払出制御基板930には、図21及び図22に示すように、払出装置1540(以下、第3払出装置1540という)を構成する払出モータ1542と、払出計数スイッチ1592とが接続されている。第3払出装置1540は、パネル側通路部220Aに貯留された遊技球を下流側へ流下させるか貯留した状態を維持するかを制御可能な装置であり、上記した払出装置540と同様に構成されている。払出制御基板930は、パネル側通路部220Aに貯留された遊技球のうち、大入賞装置433,434への入賞に対応した数分の遊技球を供給経路812を通じて補助貯留部241に排出するように制御する。
副制御基板940には、第2払出装置540Bが接続され、具体的には、図21に示すように、貯留箱801へ流入する遊技球の数を制御するための払出モータ842と払出計数スイッチ892とが接続されている。また、副制御基板940には、貯留箱801に貯留された遊技球が下流側に位置するパネル側通路部220Aへ流下する遊技球の数を制御するための動作ソレノイド805Aと球出口スイッチ806とが接続されている。
副制御基板940は、払出モータ842を動作させて必要な数分の遊技球を貯留箱801へ流入させる。また、副制御基板940は、貯留箱801に貯留された遊技球を必要なタイミングで開閉扉805を動作させる動作ソレノイド805Aを駆動制御してパネル側通路部220Aへ流下させる。
貯留箱801に貯留された遊技球は、演出の一部として排出路803を通じて遊技者に向かって排出され、この排出される数が、入賞に関連する速度でなく、入賞の発生よりも早いタイミングで予め下流側のパネル側通路部220Aへと流下する。このため、多量の遊技球が一気に遊技者に向かって排出される演出を実行可能となっている。パネル側通路部220Aに向かって進行した遊技球は、パネル側通路部220Aに一時的に貯留され、その貯留された遊技球は、払出制御基板930の制御によって大入賞装置433,434への遊技球の入賞に対応して払い出される。
パネル側通路部220Aの下側には、図22に示すように、パネル側通路部220Aに貯留された遊技球を、遊技者側とは別の回収排出通路へと流下させるための誘導通路832と、誘導通路832へパネル側通路部220A内の遊技球を流下させるか否かを切り替えるように動作可能なパネル側開閉扉831とが設けられている。パネル側開閉扉831は、第3払出装置1540がパネル側通路部220Aの中で遊技球を支える部分の近くに設けられ、パネル側開閉扉831が開放されると、誘導通路832を通じてパネル側通路部220A内の全ての遊技球が排出可能に構成される。なお、パネル側開閉扉831は、パネル側通路部220A内の遊技球を機外に排出可能であれば、別の構造によって構成してもよいし、別の位置に設けられてもよい。
パネル側開閉扉831を動作させる動作ソレノイド831Aは、副制御基板940に接続され、必要に応じて、パネル側通路部220A内の遊技球が排出可能に制御される。これにより、副制御基板940は、貯留箱801だけでなく、パネル側通路部220Aに遊技球を貯留する量を制御することができる。
貯留箱801を利用した演出としては、上述した貯留球演出を実行することができ、その演出実行後の遊技球の払い出しが、上述した第2実施形態とは異なっている。この貯留球演出の制御としての球演出制御処理について、図23を参照しつつ説明する。
球演出制御処理は、副制御基板940において実行される演出の制御の一部である。まず、貯留球演出がリーチ演出として実行されるタイミングであるか否かを判断し(S1301)、その実行タイミングであれば(S1301:Y)、貯留箱球貯留処理(S1302)を行う。貯留箱球貯留処理では、上記したように、第2払出装置540Bを制御して貯留箱801に演出の実行として設定された数まで遊技球を貯留する。S1302の処理の後には、設定数まで遊技球が貯留箱801に貯留されたか判断し(S1303)、貯留されていなければ(S1303:N)、貯留されるまでS1302の処理を繰り返す。なお、設定数まで貯留されたかの判断において必ずしも他の処理を行わないように待機する構成とする必要はなく、貯留箱球貯留処理(S1302)を実行中とするフラグをセットして、その後の処理を実行しつつ、貯留箱球貯留処理(S1302)も継続して実行されるようにしてもよく、後述する貯留箱開放処理(S1312)についても同様に、他の処理と並行して実行されるように構成してもよい。
S1303の処理において、設定数まで貯留箱801に遊技球が貯留されたと判断されるか(S1303:Y)、又はS1301の処理において、貯留球演出によるリーチ演出を実行するタイミングでないと判断された場合には、大当りが発生したタイミングであるか否かを判断する(S1311)。
S1311の処理において、大当りが発生したと判断された場合(S1311:Y)、排出路803を遊技球が通過するように貯留箱801を開放し(S1312)、抽選結果としての当選したラウンド数に対応した対応球数分の遊技球が下流側へ移動するまで処理を継続する。S1312の処理の後には、当選したラウンド数に対応した数分の遊技球が排出路803を通じて移動したか判断し(S1313)、移動していなければ(S1313:N)、移動するまでS1312の処理を継続する。
S1313の処理において、対応球数まで遊技球が移動したと判断された場合には(S1313:Y)、貯留箱801に残存する残り球があれば回収排出通路を通じて排出する処理を行い(S1314)、貯留箱801内の遊技球を全てなくす。
S1314の処理後、又はS1311の処理において大当りが発生したタイミングでないと判断された場合には、大当りが終了するタイミングであるか否かを判断し(S1321)、大当り終了のタイミングであれば(S1321:Y)、パネル側通路部220A内に残存した残り球を、回収排出通路へ排出する処理を行う(S1322)。S1322の処理後、又はS1321において大当り終了のタイミングでないと判断された場合には(S1321:N)、球演出制御処理を終了する。
このように、球演出制御処理を行うことにより、貯留箱801に遊技球を一旦貯留し、大当り当選時に抽選結果に対応した数の遊技球を貯留箱801から短時間で遊技者に向けて排出する演出を実行することができる。また、その排出後の遊技球は、パネル側通路部220A内に一時的に貯留し、特別遊技状態における入賞の発生に応じた速度で、払出制御基板930の制御によって少しずつ払い出すことができる。すなわち、遊技者に払い出される遊技球の数を視覚的に認識可能とする演出として、一時的に下流側へ多量の遊技媒体を流下させた後に、その後の遊技の進行に対応して下流側に流下した遊技球を少量ずつ払い出すことを可能とすることができる。
なお、球演出制御処理における演出は、必ずしも遊技領域の内側に配置された貯留箱801に遊技球を貯留して遊技者に向けて遊技球を短時間で排出する構成に限らず、他の構成としてもよい。例えば、他の位置に貯留箱801を設けてもよく、例えば、遊技領域より前側に貯留箱を設けて、その貯留箱に遊技球を一時的に貯留し、抽選結果に対応した数の遊技球を下方に流下させてから、少しずつ遊技者に払い出されるようにしてもよい。
また、遊技者が視認可能なパネル側通路部220A内に遊技球を一時的に貯留する必要はなく、遊技者が視認不能な位置に遊技球を一時的に貯留してから少しずつ遊技者に払い出されるようにしてもよい。
また、パネル側通路部220Aに貯留された遊技球は、大入賞装置433,434の入賞口のみの入賞によって払い出す構成とする必要はなく、他の始動入賞装置431,432や、一般入賞装置439A,439Bの一部または全てを含めて、パネル側通路部220Aに貯留された遊技球を払い出すようにしてもよい。
次に、図24を参照して、第4実施形態のパチンコ機100Zについて説明する。図24は、第4実施形態のパチンコ機100Zにおける遊技球の払出経路を示す略線図である。
第4実施形態のパチンコ機100Zは、上記第1実施形態のパチンコ機100Xに対して、中央パネル1220の前方板1222の中央部の一部が後方側に凹んだ進入空間部1223を有する形状に構成され、その進入空間部1223に遊技者が手をいれて、開閉扉1805を直接的に開閉操作可能に構成される点において異なっている。以下、第1実施形態における構成と同一の構成については説明を省略し、また、同一の名称を付して説明し、異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態のパチンコ機100Zの中央パネル220は、透明な前後に重なる2枚の板状の樹脂によって構成された前方板1222と後方板1221とを備えている。前方板1222と後方板1221は、遊技球を用いた遊技者の発射操作により遊技が行われる遊技領域を視認可能に、遊技領域の前側を覆う透明カバー手段として機能する。
後方板1221には、前方板1222において後方側に突出する形状部分が開口し、その開口部分に前方板1222が入り込むようにして、遊技領域の後側にまで凹んだ形状の進入空間部1223が形成されている。進入空間部1223は、正面側から見て装飾図柄表示装置479の表示画面の前に重なる範囲内に配置され(図7参照)、進入空間部1223の上下左右のいずれの方向側においても、遊技球が流下可能な遊技領域が位置するように構成される。
進入空間部1223は、前方板1222と後方板1221とにおいて前後方向に厚みを有する平面部分によって外周が囲われた領域内に設けられている。また、進入空間部1223は、遊技領域の下端より高く、遊技領域の左右方向における両側に対してパチンコ機100Zの中央側に位置し、遊技領域と前後方向において遊技領域より後側に設定される貯留箱801の上側に重なる位置まで、遊技者の身体の一部を進入させることが可能な進入空間を形成する。
進入空間部1223には、開閉扉1805の上側部分に一体的に形成された開閉操作部1805Aが突出するように設けられ、遊技者が開閉操作部1805Aを操作することで、貯留箱801内の遊技球を手操作で排出可能に構成されている。これにより、遊技領域の内側に手を差し込んで、中央構造体420などの遊技盤400に対して直接触れられそうな近い位置に対しての操作を可能とし、演出用の出力演出装置800に積極的に関与して遊技を可能な遊技性を提供することができる。
なお、必ずしも遊技者の手が進入可能な空間を進入空間部1223により形成する必要はなく、遊技者の指が入り込み可能な小さな空間によって構成されてもよく、又は、スマートフォンのような薄型の遊技者によって把持可能な移動動作体の一部が入り込み可能に構成し、その操作体や指によって開閉操作部1805Aを操作する構成としてもよい。また、開閉操作部1805Aを含む開閉扉805の上側部分を屈曲可能に構成し、遊技領域に対して前後方向に重なる位置から遊技領域より前側の空間まで開閉操作部1805Aを引き出し操作可能としてもよく、前後方向に移動可能とすることで進入空間部1223を小型に形成しつつ移動量を大きく設定し易くすることができる。
このように、透明カバー手段としての前方板1222には、前方板222の平面部分によって外周が囲われた領域で、遊技領域の下端より高く、遊技領域の左右方向の両側よりパチンコ機100Zの中央側に位置し、遊技領域より前側から遊技領域と前後方向において重なる位置(又は遊技領域より後側に設定される位置)まで連続する空間であって、遊技者の身体の一部又は遊技者の操作によって移動可能な移動動作体の少なくとも一部を進入させることが可能な進入空間が進入空間部1223によって形成されている。このため、遊技者は、遊技領域を視認しながら、遊技領域に非常に近い部分まで遊技者の身体の一部や操作体を差し入れて、遊技球の排出操作や、取り出し操作、演出用の装飾体に接触する操作などを行うことができる。よって、従来よりも、遊技者が操作可能な部分を前後方向において大きく拡げることができ、進入空間部1223を通じて遊技者によって操作可能な部位を操作装置として好適に活用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、貯留箱801および進入空間部1223は、正面視において、前方板222の平面部分によって外周が囲われた領域内に設ける構成について説明したが、平面部分によって外周の一部が囲われるように、例えば、右側にずれて位置するように貯留箱801および進入空間部1223の少なくともいずれかが位置するようにしてもよい。また、必ずしも貯留箱801及び進入空間部1223の左右両側を遊技球が流下するように遊技領域を構成する必要はなく、左右の一方側に遊技領域が設けられるようにしてもよい。
上記実施形態においては、中央パネル220,1220は、前後2つの透明な板状の部材を一体化して構成する場合について例示したが、3以上の透明な板状の部材を一体化してもよく、または、1の透明な板状の部材によって中央パネルを構成してもよい。1の透明な部材によって中央パネルを構成する場合、又は、2以上の透明な板状の部材によって中央パネルを構成する場合において、排出路803の前側に位置する板状の部材に貫通孔を形成し、遊技者に向かって進行した遊技球に遊技者が触れることができる構成としてもよい。
上記実施形態においては、供給経路812を介して貯留箱801に貯留された遊技球を補助貯留部241へ払い出す構成としたが、必ずしも同一の遊技球を払い出す必要はない。例えば、貯留箱801に貯留された遊技球は、演出用の遊技球としてパチンコ機100の内部で循環するようにしてもよいし、又は、回収排出経路へ誘導してもよく、遊技球タンク510から別の遊技球を、払出装置540によって主貯留部231又は補助貯留部241へ供給することにより払い出しても良い。また、貯留箱801に貯留された遊技球を回収排出経路を介して一旦パチンコ機100の後側へ誘導し、遊技球タンク510に戻す構成としても良い。この構成であっても、遊技者にはあたかも貯留箱801に貯留された遊技球が払い出されたかのように思わせることができ、上述実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態においては、貯留箱801から遊技球が排出されると遊技球が実際に払い出されたり、払い出されるべき遊技球を貯留箱801に貯留することにより、遊技球の貯留箱801への貯留と遊技者への払い出しとが関連している構成としたが、必ずしも関連させるようにする必要は無い。例えば、変動表示の演出として特定のリーチ状態の実行が選択された場合に、貯留箱801から一定数の遊技球が排出されてから、その排出された遊技球が回収されるように演出の一部として実行する構成としてもよく、または、大当りによって発生する特別遊技状態中に、貯留箱801に貯留された遊技球の数によってその後に確変遊技状態へ遷移するか否かを異ならせて遷移する遊技状態を示唆する演出とするなど、貯留箱801を単に演出用として使用することも可能である。
上記実施形態において、パネル側通路部220Aを遊技球の通路として使用し、貯留箱801から排出された遊技球を通過させる構成を例示したが、パネル側通路部220Aを、演出領域として使用することも可能である。例えばリーチ演出として、貯留箱801から遊技球を排出してパネル側通路部220Aに一時貯留し、抽選結果が不当選だった場合には遊技球を回収し、当選だった場合には、払出数に応じた遊技球を補助貯留部241又は主貯留部231へ払い出すと共に、余剰の遊技球は回収排出通路を通じて回収するようにしてもよい。パネル側通路部220Aは1枚の透明プラスチック板である前方板222のみを介して遊技者に対峙し、パネル側通路部220Aに遊技球を一時貯留することにより、多くの遊技球を遊技者に近接して位置に演出の1つとして貯留することができ、遊技者の視覚を刺激し、遊技者に遊技を一層楽しませることができる。
上記第2実施形態においては、3種類の大当りに応じて3種類の払出数が設定されるようにしたが、1、2又は4種類以上の大当りに応じた払出数が設定されるようにしても良い。また、払出数は遊技機の設定確率などに応じて自由な数を設定することが可能である。
上記第2実施形態においては、下側開閉扉808を介して余剰の遊技球を回収するようにしたが、同時又は逆順(余剰分を予め回収した後に払出し)で行っても良い。例えば、下側開閉扉808の下流側にも球検出スイッチを設置しておき、貯留箱801内に抽選結果より多くの遊技球が貯留されている場合には、特別遊技状態の開始前または開始直後に下側開閉扉808を開状態として誘導通路807を通過した遊技球の数をカウントし、抽選結果に対応した遊技球の数まで減少したら下側開閉扉808を閉状態にすることにより、遊技球の回収を行ってもよい。
上記実施形態においては、貯留箱801として直方体形状の1つを有する構成としたが、貯留箱の大きさ、形状、数及び位置の少なくともいずれかを異ならせるようにしてもよい。
上記実施形態においては、一般入賞装置439や始動入賞装置431への遊技球の進入に応じた遊技球の払出しは遊技球タンク510から主貯留部231に直接行われ、大入賞装置434への遊技球の進入に応じた遊技球の払出しを貯留箱801を介して行われる構成にしたが、一般入賞装置439や始動入賞装置431への遊技球の進入に応じた遊技球の払出しについても貯留箱801を介して行われるようにしてもよい。例えば、切替えスイッチを設け、主貯留部231と貯留箱801のいずれかに優先して遊技球が払い出されるように遊技者に選択させることも可能であるし、また、貯留箱801から排出された遊技球が補助貯留部241でなく主貯留部231へ優先的に払い出されるようにしてもよく、払出装置540が第1払出装置540Aを有しない構成として全ての遊技球が貯留箱801を経由して払い出される構成としてもよい。
上記実施形態においては、貯留箱801から排出された遊技球はパネル側通路部220Aを介して供給経路812へ誘導される構成としたが、例えば供給経路812に、遊技者の操作によって開閉操作が可能な開閉扉を設けて、パネル側通路部220Aをも、遊技者が獲得した遊技球を貯留する貯留手段として利用する構成としてもよい。これにより、主貯留部231が満杯になると自動的にカードに遊技球の度数が加算される従来の方式と比較して、遊技球が払い出されたことを実感することができる。
上記実施形態においては、払出数の遊技球が補助貯留部241に払い出される構成にしたが、遊技球を回収すると共にカードに遊技球の度数が加算されるようにしても良い。これにより、遊技球が払い出されたことを遊技者に対して視覚的に認識させて遊技者を楽しませつつ、遊技者の利便性を高めることができる。
上記実施形態においては、貯留箱801に一旦貯留された遊技球を、遊技者と対峙するパネル側通路部220Aを通過させてから供給経路812へ誘導する構成にしたが、例えば貯留箱801を省略してもよく、誘導通路802を直接的にパネル側通路部220Aに接続するようにしても良い。この場合、例えば供給経路812の開口部811の近傍に遊技球の進行を制御可能な開閉扉を設けて遊技者が開閉操作可能にし、遊技者が開閉扉を開放操作することにより、パネル側通路部220Aを、遊技球を貯留可能な貯留手段として機能させることができる。この場合であっても、遊技者に向かって進行する遊技球の演出を視認させることができ、上述実施形態と同様の効果を奏するパチンコ機とすることができる。
上記実施形態においては、進入空間部1223には、開閉扉1805の上側部分に一体的に形成された開閉操作部1805Aが突出するように設けられたが、進入空間部1223に他の操作部を設けるようにしてもよい。例えば、貯留箱801の上側に開口を設けて進入空間部1223と連続させるようにし、遊技者が開口を通じて貯留箱801内の遊技球を接触可能にしてもよいし、その開口を電気的に開閉するシャッタ部材を設けて、遊技者が遊技球を獲得した場合に限ってシャッタ部材を動作させて開口を開放し、遊技者が貯留箱801の球を取り出せるようにしてもよい。また、開口に変形可能なゴム製などのシート状の部材を設けて開口が塞がれるようにし、開口を通じて貯留箱801内の遊技球の感触を楽しんだり、貯留箱801内の遊技球を動かすことが可能にしてもよい。また、開口を通じて接触操作が可能な部材として、貯留箱801に代えて、又は、貯留箱801に加えて、中央構造体420に設けられる装飾部品や、遊技領域に設けられる遊技球の流下に影響する風車などの流下変化部材の一部に遊技者が直接的に又は変形可能なシート状の部材を介して間接的に接触したり操作可能に構成してもよい。
(2)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的である。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002−224362号公報参照)。
この従来の球皿等の貯留部やICカード等に遊技媒体が供給される構成において、未だ改良の余地がある可能性がある。
<特徴10>
遊技媒体を用いた遊技者の操作により遊技が行われる遊技領域(遊技球の流下領域、スロットマシンの複数のリール)と、
前記遊技領域とは別に設けられ、前記遊技領域の下端より高く、該遊技領域の左右方向における少なくとも一方側より遊技機の中央側に位置して遊技者が視認可能であって、前記遊技領域と前後方向において重なる所定位置又は前記遊技領域より後側に設定される所定位置から、前記遊技領域より前側に遊技媒体を出力可能な出力通路部(誘導通路802、貯留箱801、排出路803を組み合わせた遊技球の通路)と、
当該出力通路部に設けられて該出力通路部を流下する遊技媒体を貯留可能とする遊技領域側貯留手段(貯留箱801)と、
前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を下流側に流下させる流下可能状態(開状態)と、下流側への流下が不能に制限する流下制限状態(閉状態)を切り替えることが可能な流下制御手段(開閉扉805,1805)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴10に記載の遊技機によれば、遊技者が獲得した遊技媒体を好適に払い出すことが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技領域を流下する遊技媒体に注意を向ける遊技者から視認し易い位置において、出力通路部を経由して遊技媒体が遊技者に向かって進行し、その遊技媒体を遊技者が獲得可能とすることができる。よって、遊技者が獲得した遊技媒体の数などを、数字や表示画面の表示のみならず、実体の遊技媒体が遊技者に向かって移動することにより、視覚を通じて感覚により判り易く表現することができる。従って、遊技によって獲得した遊技媒体の数量を単に数字で表現するより、獲得した遊技媒体の量を認識し易くすることができる。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機において、
前記流下制御手段を前記流下制限状態から流下可能状態へ切り替える操作が可能であって前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を遊技者によって下流側へ流下させることが可能な排出操作部(排出操作部260A、開閉操作部1805A)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、遊技領域側貯留手段を遊技者の所有する遊技媒体の貯留部として活用可能とし、遊技者から視認し易い位置に遊技媒体を貯留することで遊技者の所有する遊技媒体の数を認識し易くしたり、その貯留された遊技媒体を利用した演出についても遊技者が視認し易い位置で演出を実行可能とすることができる。
<特徴12>
特徴10又は特徴11に記載の遊技機において、
前記出力通路部の前側に重なる位置に設けられた透明な板状の部材であって、前記排出操作部を操作して遊技機から排出される前の遊技媒体を遊技者が視認可能且つ接触不能にカバーする透明カバー手段(前方板222)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、排出操作部を操作して遊技機から排出される前の遊技媒体については、遊技者が容易に視認可能であっても接触不能とすることができる。このため、遊技領域側貯留手段を通じて遊技機に対する不正行為が行われたり、遊技領域側貯留手段に対しての接触によって遊技者が怪我をしたり遊技機が故障したりする不都合を抑制することができる。
<特徴13>
特徴10〜特徴12のいずれかに記載の遊技機において、遊技領域側貯留手段より上流側に設けられて前記遊技領域側貯留手段に流入する遊技媒体の数を制御しつつ前記遊技領域側貯留手段に出力する上流側数量制御手段(第2払出装置540B)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、払い出される遊技媒体の一部として、出力通路部を経由する遊技媒体の数を制御したり、遊技領域側貯留手段に貯留される遊技媒体の数を制御することができる。
<特徴14>
特徴10〜特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記流下制御手段を前記流下制限状態から流下可能状態へ切り替えが可能であって前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を、所定の抽選結果が導出された場合に下流側へ流下させる抽選対応流下制御手段(払出制御基板930)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機によれば、抽選結果に応じて遊技領域側貯留手段を活用して遊技媒体を払い出すことができ、遊技領域側貯留手段を、例えば、当選によって払い出された遊技媒体を貯留する貯留部とするなど、従来とは別の貯留部として使用させることができる。
<特徴15>
特徴10〜特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力通路部の少なくとも一部は、前記遊技領域側貯留手段から排出される遊技媒体を、遊技者側に向かって進行させる通路によって構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機によれば、遊技媒体が遊技者に向かってくる様に演出できるため、遊技者に遊技媒体の払い出しなどを意識させて印象づけることができる。
<特徴16>
特徴15に記載の遊技機において、
前記遊技領域側貯留手段から排出される遊技媒体が前記透明カバー手段に衝突し、自重によって下方側へ流下することを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機によれば、遊技媒体が遊技者に向かってくる様に演出可能にしつつ、その遊技媒体を遊技者に接触させないようにでき、遊技者に対して遊技媒体が進行する遊技性を印象づけることができる。
<特徴17>
特徴10〜特徴16のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技領域側貯留手段は、遊技者が遊技媒体に接触可能な領域へ遊技媒体を排出する排出口へ向けて下る底面を有し、その底面の傾斜による付勢により、排出口から排出される際に遊技者側に向かって遊技媒体が進行することを特徴とする遊技機。
特徴17に記載の遊技機によれば、傾斜を利用した付勢により、遊技媒体が遊技者に向かうように演出することができ、遊技者に演出を楽しませることができる。
<特徴18>
特徴10〜特徴17のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者が接触可能に遊技媒体を貯留する貯留手段(補助貯留部241)と、
前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を、前記貯留手段に供給する供給経路(供給経路812)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴18に記載の遊技機によれば、遊技領域側貯留手段に貯留された遊技媒体をそのまま遊技者へ払い出すことができる。
<特徴19>
特徴10〜特徴18のいずれかに記載の遊技機において、
遊技者が接触可能に遊技媒体を貯留する貯留手段(補助貯留部241)と、
前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を、所定の抽選において所定の第1結果が導出された場合に前記貯留手段に供給する第1制御手段(払出制御基板930)と、
前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を、前記所定の抽選において前記第1結果とは別の所定の第2結果が導出された場合に遊技者が視認不能な位置へ移送する移送手段(誘導通路807、下側開閉扉808)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴19に記載の遊技機によれば、遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を、遊技者に向かって払い出したり、又は演出用の遊技媒体として回収したりすることができる。
<特徴1A>
特徴10〜特徴19のいずれかに記載の遊技機において、
所定の始動条件が成立した場合に、一定量以上の遊技媒体の払い出しに対応する第1結果(10ラウンドの大当り)と、第1結果より遊技媒体の払い出される量が少なく設定された第2結果(2ラウンドの大当り)と、遊技媒体の払い出しがない第3結果(非当選)とを含む抽選を行う抽選手段と、
前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体が抽選結果に応じた異なる量で下流側に流下する制御を行う流下量制御手段(払出制御基板930)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1Aに記載の遊技機によれば、演出としては、下流側へ多量の遊技媒体を流下させることを可能とし、且つ、遊技の進行に対応して下流側に流下した遊技媒体を少量ずつ払い出すことを可能とすることができる。
<特徴20>
遊技媒体を用いた遊技者の操作により遊技が行われる遊技領域(遊技球の流下領域、スロットマシンの複数のリール)と、
前記遊技領域の前側を覆って、遊技者が前記遊技領域を視認可能に且つ接触不能にカバーし、間隙を挟んで配置された2枚の透明カバー手段(前方板222及び後方板223)と、
該2枚の透明カバー手段によって形成される間隙の少なくとも一部により構成されて遊技媒体を通過可能とする透明カバー側通路部(パネル側通路部220A)と、
該透明カバー側通路部に対して遊技媒体が出力される量の制御を行う出力量制御手段(開閉扉805)とを備えることを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機によれば、遊技者が獲得した遊技媒体を好適に払い出すことが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技領域の前側に位置して遊技者と対峙する1枚のカバー体を隔てただけの間隙に遊技媒体を通過させることができるため、遊技中において払い出される遊技媒体の量を遊技者に視覚的に認識させることができ、遊技媒体が払い出された量の確認が容易な遊技機を提供することができる。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記透明カバー側通路部へ進入した遊技媒体を下流側に流下させる流下可能状態(開状態)と、下流側への流下が不能に制限して前記透明カバー側通路部に遊技媒体を貯留可能な流下制限状態(閉状態)を切り替えることが可能な流下制御手段(開閉扉831)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機によれば、2枚の透明カバー手段の間隙を貯留手段の一部として活用する遊技性を提供することができる。
<特徴22>
特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、
前記出力量制御手段に対して上流側であって、前記遊技領域の下端より高く、該遊技領域の左右方向における少なくとも一方側より遊技機の中央側に位置して遊技者が視認可能な位置に設けられ、遊技媒体を貯留可能とする遊技領域側貯留手段(貯留箱801)を備えることを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機によれば、間隙によって構成される所定の貯留部よりも上流側において遊技媒体を一時的に貯留することができ、遊技媒体が払い出される可能性のある数量を遊技者に視認させて印象づけることができるなど、多様な演出を実行可能とすることができる。
<特徴23>
特徴22のいずれかに記載の遊技機において、
所定の始動条件が成立した場合に、一定量以上の遊技媒体の払い出しに対応する第1結果と、第1結果より遊技媒体の払い出される量が少なく設定された第2結果と、遊技媒体の払い出しがない第3結果とを含む抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記遊技領域側貯留手段に貯留された遊技媒体を、遊技者側とは別の方向側へ出力する遊技媒体出力部(誘導通路807)と、
遊技者が接触可能に遊技媒体を貯留する貯留手段(補助貯留部241)と、
前記遊技領域側貯留手段によって貯留された遊技媒体を、前記貯留手段に供給する供給経路(供給経路812)と、
前記遊技媒体出力部に誘導される遊技媒体の数及び前記供給経路に誘導される遊技媒体の数を制御することにより前記抽選手段による抽選の結果に応じた数の遊技媒体を前記貯留手段に向けて払い出す払出制御手段(払出制御基板930)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機によれば、供給経路及び遊技媒体出力部に誘導される遊技媒体の数を制御することにより、実際に貯留手段に払い出される遊技媒体の数以上の遊技媒体を間隙に通過させることができ、たくさんの遊技球が払い出されるような感覚を遊技者に楽しませることができる。
<特徴24>
特徴23に記載の遊技機において、
前記遊技領域側貯留手段に前記第1結果に応じて払い出される遊技球以上の数の遊技球を貯留させる制御を行う貯留量制御手段(副制御基板940)を備え、
前記払出制御手段は、
前記貯留手段に前記抽選手段による抽選の結果に応じた数の遊技球を前記貯留手段に払い出すことを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機によれば、最も払出数の多い場合に対応した数量の遊技媒体を遊技領域側貯留手段に貯留可能とし、視覚を通じて遊技者に、最大に払い出される遊技球の量を認識し易い遊技性を提供することができる。
<特徴25>
特徴24に記載の遊技機において、
前記遊技領域側貯留手段に貯留された全ての遊技媒体が前記透明カバー側通路部を経由して遊技者に出力される演出を実行する演出制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、たくさんの遊技球が払い出されたような印象を遊技者に与えることができ、遊技者を楽しませることができる。
<特徴30>
遊技者が視認可能な所定の貯留部に遊技媒体を貯留可能とする視認可能貯留手段(貯留箱801)と、
前記視認可能貯留手段によって貯留された遊技媒体を下流側に流下させる流下可能状態(開状態)と、下流側への流下が不能に制限する流下制限状態(閉状態)を切り替えることが可能な流下制御手段(開閉扉805)と、
前記視認可能貯留手段より下流側にて遊技者が接触不能な位置に遊技媒体を貯留可能とする下流側貯留手段(パネル側通路部220A)と、
前記下流側貯留手段に貯留された遊技媒体を、所定の入賞部への遊技球の入球に応じて払い出す貯留部下流側払出手段(第3払出装置1540)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴30に記載の遊技機によれば、遊技者が獲得した遊技媒体を好適に払い出すことが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者に払い出される遊技媒体の数を視覚的に認識可能とする演出として、一時的に下流側へ多量の遊技媒体を流下させた後に、その後の遊技の進行に対応して下流側に流下した遊技媒体を少量ずつ払い出すことを可能とすることができる。これにより、極端に短時間で多量の遊技媒体が獲得されるような射倖性の高い遊技機としないで、長時間にわたって遊技を楽しみやすい遊技性を備えつつ、遊技者の高揚感も高めやすい遊技機を提供することができる。
<特徴40>
遊技媒体を用いた遊技者の操作により遊技が行われる遊技領域(遊技球の流下領域、スロットマシンの複数のリール)を視認可能に、該遊技領域の前側を覆う透明カバー手段と、
該透明カバー手段によって少なくとも外周の一部が囲われた領域であって、前記遊技領域の下端より高く、該遊技領域の左右方向における少なくとも一方側より遊技機の中央側に位置し、前記遊技領域より前側から前記遊技領域と前後方向において重なる所定位置又は前記遊技領域より後側に設定される所定位置まで連続する空間であって、遊技者の身体の一部又は遊技者の操作によって移動可能な移動動作体の少なくとも一部を進入させることが可能な進入空間を形成する進入空間形成部(進入空間部1223)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機には、例えば、遊技球が流下する遊技領域、遊技領域の下側に遊技者が発射操作を行うための発射操作装置、遊技球を貯留するための貯留部、遊技者が操作可能な操作装置などが設けられるのが一般的である(例えば、特開2006−345989号公報参照)。
従来の遊技機において、遊技領域を大きく設定したり、遊技に必要な発射操作装置や貯留部を設けると、遊技に直接的には必要のない操作装置などを設ける領域が狭められたり、遊技中に視認し難い位置に操作装置を配置することとなってしまうなど、これら装置の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴40に記載の遊技機によれば、遊技者によって操作可能な装置を好適に設置することが可能な遊技機を提供することができる。
なお、特徴10〜特徴40に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、260A…排出操作部、800…出力演出装置、801…貯留箱、802,807,832…誘導通路、803…排出路、804…誘導通路スイッチ、805…開閉扉、806…球出口スイッチ、808…下側開閉扉、811…開口部、812…供給経路、821A,821B…抽選図柄表示部、823…目標貯留数表示部、824…現在貯留数表示部、825…目標ライン、831…パネル側開閉扉、1805A…開閉操作部

Claims (2)

  1. 遊技者が視認可能な所定の貯留部に遊技媒体を貯留可能とする視認可能貯留手段と、
    前記視認可能貯留手段によって貯留された遊技媒体を下流側に流下させる流下可能状態と、下流側への流下が不能に制限する流下制限状態を切り替えることが可能な流下制御手段と、
    前記視認可能貯留手段より下流側にて遊技者が接触不能な位置に遊技媒体を貯留可能とする下流側貯留手段と、
    前記下流側貯留手段に貯留された遊技媒体を、所定の入賞部への遊技球の入球に応じて払い出す下流側払出手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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