JP2021065747A - 遊技機 - Google Patents

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正親 加藤
佐々木 隆司
Takashi Sasaki
隆司 佐々木
晃大 山田
Akihiro Yamada
晃大 山田
成臣 清本
Shigeomi Kiyomoto
成臣 清本
圭志朗 中村
Keishiro Nakamura
圭志朗 中村
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Abstract

【課題】 振分手段を用いて好適に遊技球の振り分けを行うことが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】 回転部610は、振分部640が第1の振分状態である場合に振分用通路621に連通する入球部612に遊技球が進入した場合には当該振分部640と共に可動部が動作するとともに、振分部640が第1の振分状態である場合に振分用通路621に連通しない入球部613に遊技球が進入した場合にも動作する。よって、入球部612または入球部613のいずれに遊技球を進入させても回転部610の動作によって振分用通路621に連通する入口(すなわち、入球部612,613)を見た目に変化させることができるので、振分部640によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加でき、かつ、振り分け先の変更を分かりやすく遊技者に示すことができるので、遊技の単調化を抑制できる。【選択図】 図16

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選を行い、当該抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって多数の遊技球が入賞口へ入球可能となる構成が知られている。近年では、複数の振り分け先のいずれかに遊技球を振り分ける振分手段を設け、所定の入口から進入した遊技球を当該振分手段の振分状態に応じて複数の始動口(例えば、2つの始動口)のいずれかに振り分ける遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2016−22147号公報
しかしながら、上記従来の遊技機のように、振分手段を用いて遊技球の振り分けを行う遊技機については未だ改良の余地があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、振分手段を用いて好適に遊技球の振り分けを行うことが可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の振分用進入部から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段であって、複数の前記振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態にて前記所定の振分用進入部から遊技球が進入した場合に、前記複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する振分手段と、
遊技球を進入可能とする第1の入口と、前記所定の振分用進入部とは別の進入部から遊技球を進入可能とする第2の入口とを含む複数の入口を有し、前記振分手段と共に動作する可動部であって、動作した場合に前記複数の入口の位置が機械的に移動することで前記複数の入口の少なくともいずれかから遊技球を進入可能とする可動部と、を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記可動部が前記第1の振分状態に対応した第1の入口配置状態とされ、
当該第1の入口配置状態において前記別の進入部から前記第2の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記可動部が、前記振分手段と共に動作して前記第2の振分状態に対応した第2の入口配置状態に移行することを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、振分手段を用いて好適に遊技球の振り分けを行うことが可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート (a)は、前側から見た振分装置の分解斜視図であり、(b)は、後側から見た振分装置の分解斜視図である。 (a)は、回転部が第1位置にある振分装置の正面図であり、(b)は、回転部が第2位置にある振分装置の正面図であり、(c)は、回転部が第1位置にある状態で入球部から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための背面図であり、(d)は、回転部が第1位置にある状態で入球部から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための背面図である。 (a)は、前側から見た第2実施形態の振分装置の分解斜視図であり、(b)は、後側から見た第2実施形態の振分装置の分解斜視図である。 (a)は、回転部が第1位置にある振分装置の正面図であり、(b)は、回転部が第2位置にある振分装置の正面図であり、(c)は、回転部が第1位置にある状態で入球部から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための振分装置の背面図であり、(d)は、回転部が第1位置にある状態で入球部から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための振分装置の背面図である。 (a)は、前側から見た第3実施形態の振分装置の分解斜視図であり、(b)は、後側から見た第3実施形態の振分装置の分解斜視図である。 (a)は、回転部が第1位置にある振分装置の正面図であり、(b)は、回転部が第2位置にある振分装置の正面図であり、(c)は、回転部が第1位置にある状態で入球部に遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための振分装置の背面図である。 中央構造体に対する左右の遊技領域が実質的に対称に構成される遊技盤の一例としての遊技盤の正面図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された2つの始動装置(具体的には、第1特別図柄に係る始動装置である右側中始動入賞装置431A及び第2特別図柄に係る始動装置である左側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、左側中始動入賞装置431Bの左側に配置された一般入賞装置439Aと、右側中始動入賞装置431Aの右側に配置された一般入賞装置439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、中央構造体420に対し下側であり、かつ、左右の中始動入賞装置431A,431Bに対する上側には、遊技球を右側中始動入賞装置431A又は左側中始動入賞装置431Bに振り分ける振分装置600が配置されている。振分装置600は、2つの入球部612,613を備えており、遊技領域を流下する遊技球は、これらの入球部612,613から振分装置600内に進入することができる。
詳細は後述するが、入球部612,613は、軸660を中心とする回転移動が可能に構成される。かかる構成により、入球部612,613は、一方側(軸660を中心として時計回り方向側)の入球部612の入口部分が上方を向き、他方側(軸660を中心として反時計回り方向側)の入球部613の入口部分が左斜め上方を向く配置(すなわち、図7および図14(a)に示す配置)、または、入球部612の入口部分が右斜め上方を向き、入球部613の入口部分が上方を向く配置(すなわち、図7および図14(b)に示す配置)を取り得る。
また、遊技盤400には、上記した右側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、右側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(右側中始動入賞スイッチ441A)、左側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(左側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。中央構造体420における左側に形成された入球口421に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、中央構造体420に形成された球通路(図示せず)を通って中央構造体420における下側に形成されたステージ422に案内される。ステージ422に案内された遊技球は、当該ステージ422上を左右方向に往復しながら転動した後、ステージ422の前方に向けて遊技球を排出可能に形成された複数(例えば、3つ)の出口部のいずれかから前方に転落して落下する。これら複数の出口部の1つは、振分装置600の中央上方に位置するように設けられ、ステージ422上を転動した遊技球が振分装置600内に進入し易く構成されている。
各入賞装置、具体的には、右側中始動入賞装置431A、左側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、右側中始動入賞装置431A及び左側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、右側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る右側中始動入賞装置431A、第2特別図柄に係る左側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る右側中始動入賞装置431Aへ進入した遊技球が右側中始動入賞スイッチ441Aで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る左側中始動入賞装置431B若しくは右始動入賞装置432へ進入した遊技球が左側中始動入賞スイッチ441B若しくは右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、右側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球が右側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、左側中始動入賞装置431B又は右始動入賞装置432に進入した遊技球が左側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)又は右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る右側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球が右側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、当該始動入賞より前に始動入賞が発生した第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の終了後に開始される。すなわち、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位遊技が実行される。
なお、必ずしも始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位遊技が実行される構成とする必要はなく、いずれか一方の特別図柄が他の特別図柄に優先して実行される構成としても良く、例えば、第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成であっても良い。すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中に、第1特別図柄の始動入賞となり、その後に第2特別図柄の始動入賞となった場合には、後から始動入賞となった第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される構成であっても良い。また、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る始動装置である左側中始動入賞装置431B又は右始動入賞装置432に進入した遊技球が左側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)又は右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
ここで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とは、大当りの当選確率の設定と、ラウンド数と特別遊技状態後に移行する遊技状態とを組み合わせた大当りの種類の設定とが一致するものとして制御してもよいし、異なるものとして制御してもよく、以下、大当りの当選確率は両者で一致し、第2特別図柄抽選の方が第1特別図柄抽選より大当りの種類が遊技者に有利な場合を例示して説明する。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。
右始動入賞装置432への始動入賞に基づく第2特別図柄抽選(以下、この抽選を「右側特別図柄抽選」と称することがある)を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、右側特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、左右の中始動入賞装置431A,431Bへの始動入賞装置に基づく第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選(以下、これらの抽選を「中央側特別図柄抽選」と称することがある)を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さくしている。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、右側特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、中央側特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きくしている。
したがって、遊技者は、中央側特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に右側特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、基本的に左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
ここで、振分装置600に対しては、2つの入球部612,613を通じて振分装置600内に遊技球が進入可能な進入部として、3つの進入部A1〜A3が設けられている。具体的には、振分装置600の上側には、振分装置600に対して上側から振分装置600内に進入可能な進入部(図7の矢印A1の経路で振分装置600内に進入可能な遊技球の入口部であり、以下、上側進入部A1ともいう)が複数の釘411によって形成されている。また、振分装置600の左側には、振分装置600に対して左側から振分装置600内に遊技球が進入可能な進入部(図7の矢印A2を付した経路で振分装置600内に進入可能な遊技球の入口部であり、以下、左側進入部A2ともいう)が2本の釘411によって形成され、振分装置600の右側には、振分装置600に対して右側から振分装置600内に遊技球が進入可能な進入部(図7の矢印A3を付した経路で振分装置600内に進入可能な遊技球の入口部であり、以下、右側進入部A3ともいう)が2本の釘411によって形成されている。なお、上側進入部A1、左側進入部A2及び右側進入部A3は、釘411によって各入口部分が構成されている場合を例示しているが、これに限らず、樹脂製の成形部品によって各入口部分が構成されてもよく、また、必ずしも振分装置600とは別に入口部分が形成される必要はなく、振分装置600の一部によって入口部分が構成されてもよい。
振分装置600は、上述したように、入球部613の入口部分が左方を向いて矢印A2の経路に沿って左側進入部A2から遊技球を進入可能としつつ、入球部612の入口部分が上方を向いて矢印A1の経路に沿って上側進入部A1から遊技球を進入可能とする状態(例えば、図7および図14(a)に示す状態であり、以下、「第1の振分状態」ともいう)を取り得る。また、振分装置600は、入球部612の入口部分が右方を向いて矢印A3の経路に沿って右側進入部A3から遊技球を進入可能としつつ、入球部613の入口部分が上方を向いて矢印A1の経路に沿って上側進入部A1から矢印A3の経路に沿って遊技球を進入可能とする状態(例えば、図14(b)に示す状態であり、以下、「第2の振分状態」ともいう)を取り得る。
これにより、入球部612の入口部分が上方を向き、入球部613の入口部分が左方を向く第1の振分状態では、例えば、振分装置600に対する上側から下方へと(すなわち、図7における実線の矢印A1方向に)流下する遊技球は、入球部612から振分装置600に進入することができる。また、例えば、振分装置600に対する左側から右方へと移動しながら(すなわち、図7における実線の矢印A2方向に)流下する遊技球は、入球部613から振分装置600に進入することができる。
具体的には、入球部612の入口部分が上方を向き、入球部613の入口部分が左方を向く第1の振分状態においては、入口部分が上方を向く入球部612に進入可能な遊技球は、主として、ステージ422(図7参照)上を転動して入球部612の真上に形成された出口から転落し、または、ステージ422を経由しないで入球部612の左斜め上側から流下することで上側進入部A1に到達した遊技球である。また、入口部分が左方を向く入球部613に進入可能な遊技球は、主として、中央構造体420の左側から下側を通って左側進入部A2に到達した遊技球や、上側進入部A1の入口部分で左側に逸れて流下することで左側進入部A2に到達した遊技球である。一方、上側進入部A1の入口部分で右側に逸れて流下したり、右打ち遊技手法によって遊技が行われることで遊技領域内を流下したりした遊技球は、右側進入部A3の側へ案内され、振分装置600に進入することができない。よって、入球部612の入口部分が上方を向き、入球部613の入口部分が左方を向く第1の状態においては、遊技者は、左打ち遊技手法によって遊技を行うことで、遊技球を入球部612または入球部613のいずれかに効率良く進入させることができる。
一方、入球部612の入口部分が右方を向き、入球部613の入口部分が上方を向く第2の振分状態では、例えば、振分装置600に対する右側から左方へと移動しながら(すなわち、図7における二点鎖線の矢印A3方向に)流下して右側進入部A3に到達した遊技球は、入球部612から振分装置600に進入することができる。また、例えば、振分装置600に対する上側から下方へと(すなわち、図7における実線の矢印A1方向に)流下して上側進入部A1に到達した遊技球は、入球部613から振分装置600に進入することができる。
具体的には、入球部612の入口部分が右方を向き、入球部613の入口部分が上方を向く第2の振分状態においては、入口部分が上方を向く入球部613に進入可能な遊技球は、入球部612の入口部分が上方を向く場合と同様、主として、ステージ422上を転動して入球部613の真上に形成された出口から転落し、または、ステージ422を経由しないで入球部612の左斜め上側から流下することで上側進入部A1に到達した遊技球である。また、入口部分が右方を向く入球部612に進入可能な遊技球は、主として、中央構造体420の右側から下側を通って右側進入部A3に到達した遊技球や、上側進入部A1の入口部分で右側に逸れて流下することで右側進入部A3に到達した遊技球である。一方、左打ち遊技手法によって遊技が行われる場合には、振分装置600の左側を多数の遊技球が流下することとなって、左側進入部A2の側へ多くの遊技球が案内されることとなるものの、左側進入部A2からは振分装置600に進入することができない。
よって、入球部612の入口部分が右方を向き、入球部613の入口部分が上方を向く第2の振分状態においては、遊技者は、左打ち遊技手法によって遊技を行うことで、第1の振分状態における入球部612と略同一の確率で、入球部613に遊技球を進入させることができ、また、第1の振分状態における入球部613より低い確率で右側進入部A3から入球部612に遊技球を進入させることができる。また、第2の振分状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行った場合には、左打ち遊技手法によって遊技を行った場合と比較して、高い確率で右側進入部A3へ遊技球を到達させることができ、高い確率で入球部612に遊技球を進入させることができる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、右側中始動入賞装置431A、左側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、右側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び左側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<振分装置600>
次に図13および図14を参照して、振分装置600の構成および動作について説明する。まず、図13を参照して、振分装置600の構造的構成について説明する。図13(a)は、前側から見た振分装置600の分解斜視図であり、図13(b)は、後側から見た振分装置600の分解斜視図である。なお、図13においては、左右の中始動入賞装置431A,431Bと、各中始動入賞装置431A,431Bに進入した遊技球を検出する左右の中始動入賞スイッチ441A,441Bとを併せて図示している。また、図13において、振分装置600を組み立てるためのビスなどの固定部材や振分装置600を遊技盤400の基体401に取り付けるための取付部などの図示は省略している。
図13に示すように、振分装置600は、回転部610と、前カバー620と、仕切板630と、振分部640と、裏カバー650と、軸660を備えている。
前カバー620は、正面視において(すなわち、前側から見て)左右対称の形状に構成される樹脂部品である。前カバー620の上部中央には、回転部610における入球部612または入球部613に進入した遊技球を振分部640に案内する正面視U字状の振分用通路621が設けられている。
前カバー620の前側には、図13(a)に示すように、振分用通路621より下方の位置に、入球部612または入球部613に進入した遊技球を前カバー620の裏側へと案内する2つの開口622,623が形成されている。より詳細には、前カバー620の前側には、開口622が正面視左側に形成され、開口623が正面視右側に形成されている。また、前カバー620の前側には、開口622,623のそれぞれ下方には開口624および開口625が形成されている。
開口624の直下には、左側中始動入賞装置431Bが、ベース板611から前面側に張り出して上側が入口部分として開口されたポケット状の形態で設けられている。これにより、開口624から排出された遊技球は、基本的に左側中始動入賞装置431Bに進入し、当該左側中始動入賞装置431Bの内部に設けられた左側中始動入賞スイッチ441Bに検出される。
同様に、開口625の直下には、右側中始動入賞装置431Aが、ベース板611から前面側に張り出して上側が入口部分として開口されたポケット状の形態で設けられている。これにより、開口625から排出された遊技球は、基本的に右側中始動入賞装置431Bに進入し、当該右側中始動入賞装置431Aの内部に設けられた右側中始動入賞スイッチ441Aに検出される。
振分装置600の周囲に配置される釘411は、図7に示すように、開口624の左側および開口625の右側において遊技球が通過可能に離間されており、それにより、開口624,625から排出された遊技球の一部が、左右いずれの中始動入賞装置431A,431Bに進入することなく、非常に低確率で排出可能に構成される。開口624,625から排出された遊技球が、右側中始動入賞装置431Aまたは左側中始動入賞装置431Bに進入することなく、釘411の間から排出される確率としては、例えば、略1/100以下の確率であってもよく、略1/1000以下の確率であることが好ましい。
なお、開口624,625から排出された遊技球の一部を、左右いずれの中始動入賞装置431A,431Bに進入させることなく、非常に低確率で排出させる構成は、本実施形態のように、釘411の配置によって実現することに限らず、開口624の左側および開口625の右側に遊技球が通過可能に開口された樹脂製の壁部を振分装置600の前面側に設けることで実現してもよい。
一方、前カバー620の裏側には、図13(b)に示すように、正面視において右上に位置する開口622と右下に位置する開口624とを繋ぐ流下通路として機能する溝部626が形成されるとともに、正面視において左上に位置する開口623と左下に位置する開口625とを繋ぐ流下通路として機能する溝部627が形成される。
また、図13(b)に示すように、溝部626における開口624のやや上方となる位置には、溝部626の底側(すなわち、前カバー620の前面側)から当該溝部626の開口側(すなわち、振分装置600の奥側)に向けて立設された板状の誘導部628が配設されている。同様に、溝部627における開口625のやや上方となる位置には、溝部627の底側から当該溝部627の開口側に向けて立設された板状の誘導部629が配設されている。
誘導部628,629は、その上面が、いずれも、各溝部626,627の底側から開口側に向けて下方傾斜する傾斜面となっているので、開口622,623から進入して溝部626,627による流下通路を流下する遊技球は、誘導部628,629によって一旦奥側へと誘導される。
振分用通路621の下側であって、開口622と開口623との間となる位置には、前カバー620の左右対称軸上に前後方向に貫通形成された貫通孔が形成される。当該貫通孔には、金属製の軸660が回動可能に軸通される。
回転部610は、ベース板611と、ベース板611から前面側に張り出してベース板611の外周側が入口部分として開口されたポケット状の入球部612,613(図13(a)参照)と、ベース板611の裏面側略中央に突出形成された軸穴614(図13(b)参照)と、壁部615〜617を備えた樹脂製部品である。
回転部610は、後側に配置される振分部640の向きを前側から視認可能なように無色透明、又は、有色透明な樹脂により構成されている。また、回転部610の前面側に相当するベース板611の前面と、2つの入球部612,613の前面には、遊技機メーカー又は機種に対応した画像(例えば、星形のマーク)による装飾が塗装や印刷によって施されている。なお、回転部610の前面側に施す装飾は、2つの入球部612,613及びベース板611のいずれかに設けてもよく、また、前後方向に厚みを有する立体的な装飾を2つの入球部612,613の前面及びベース板611の前面のいずれかに対して前方に突出させて設けもよい。
2つの入球部612,613は、遊技領域の後側の平面部分を構成する基体401(図3参照)の前面より前側に突出して配置される。また、2つの入球部612,613の一部としての前面部分は、遊技領域を流下して振分装置600に進入する遊技球が当該前面部分より後側に進入可能となるように、遊技領域の前側の平面を構成する中央パネル220の後方板223(図3参照)に対面し、且つ、近接するようにして配置されている。
2つの入球部612,613の入口周縁部に対して左右両側には、壁部615〜617が、軸穴614を中心にした円弧形状が前後に延びた板状に連続している。
正面視において、右側の壁部615は、右側進入部A3(図7参照)に入球部612が位置しない第1の振分状態において、右側進入部A3に到達した遊技球が振分装置600の側に進入せずに遊技領域を流下するように、右側進入部A3を閉塞する。左側の壁部616は、左側進入部A2(図7参照)に入球部613が位置しない第2の振分状態において、左側進入部A2に到達した遊技球が振分装置600の側に進入せずに遊技領域を流下するように、左側進入部A2を閉塞する。中央の壁部617は、2つの入球部612,613の間を閉塞し、回転部610の回動中に2つの入球部612,613の間に遊技球の一部が進入しないようにして回転部610の動作をスムースにするように機能する。
回転部610における2つの入球部612,613は、一方の入球部の出口部分が前カバー620における振分用通路621に接続した場合に、他方の入球部の出口部分が前カバー620における開口622または開口623の一方に接続するように配置されている。
回転部610は、軸660の前端側を軸穴614に挿入することで当該軸660に軸着され、それにより、前カバー620の前方にて回動可能に取り付けられる。より詳細には、回転部610は、入球部612の出口部分が前カバー620における振分用通路621に接続する一方で、入球部613の出口部分が前カバー620における開口622に接続する位置(以下、この位置を「第1位置」と称す)と、入球部613の出口部分が振分用通路621に接続する一方で、入球部613の出口部分が開口623に接続する位置(以下、この位置を「第2位置」と称す)との間を、第1位置から第2位置に向かう正面視時計回りの回動、および、その逆向きとなる第2位置から第1位置に向かう正面視反時計回りの回動が可能に取り付けられる。なお、詳細は後述するが、回転部610は、振分部640が遊技球の振り分けを行う動作に同期して回動する。
ベース板611には、回転部610が第1位置にある場合に、前カバー620における開口624の上方に形成された段部620Aに係合する切欠部611Aと、回転部610が第2位置にある場合に、前カバー620における開口625の上方に形成された段部620Bに係合する切欠部611Bとが形成されている。これにより、回転部610は、第1位置を越えて正面視反時計回りに回転することが規制されるとともに、第2位置を越えて正面視時計回りに回転することが規制される。
仕切板630は、前カバー620における溝部626,627の開口側、より詳細には、溝部626,627において開口622および開口623に連通する上流側部分を覆う樹脂製の板である。仕切板630は、振分用通路621および軸660を避けるための凹部630Aを有する正面視略U字の形状に構成される。
仕切板630は、開口624または開口625から進入した遊技球が振分部640に接触することを防止する機能を有し、これにより、開口624または開口625から進入した遊技球によって振分部640の動作に不具合が生じることを防止できる。また、仕切板630は、振分用通路621を通過した遊技球が振分部640により振り分けられる際に前方に落下することを防止する機能を有し、これにより、振分部640により振り分けられた遊技球の流下方向を整えることができる。
振分部640は、前面側に軸穴641Aが形成された円筒状の軸部641と、軸部641の後端側に当該軸部641に対し3方向に放射状に延びる3つの板状のアーム642,643,644とを備えた樹脂製部品である。
アーム643およびアーム644は、正面視(前側から見て)においてアーム642に対しそれぞれ左側および右側に略直交する向きに延びるよう配置される。アーム642とアーム643との間は、アーム642を直上方向に向けた場合に正面視において左下方向に下降傾斜する連結部645が設けられ、アーム642とアーム644との間は、アーム642を直上方向に向けた場合に正面視において右下方向に下降傾斜する連結部646が設けられている。
振分部640は、軸660の後端側を軸穴641Aに挿入することで当該軸660に軸着され、それにより、仕切板630の後方に当該前カバー620に対して回動可能に装着される。軸660の前端側には上述したように回転部610が軸着され、振分部640と軸660と回転部610とが一体化された状態で動作する。このため、振分部640および回転部610は、一方が回動した場合に他方も同時に回動し、同期して回動する。
なお、上述したように、回転部610は第1位置を越えて正面視反時計回りに回転することが規制されているので、回転部610が第1位置にある場合、振分部640もまた、それ以上正面視反時計回りに回転することはできない。同様に、回転部610は第2位置を越えて正面視時計回りに回転することが規制されているので、回転部610が第2位置にある場合、振分部640もまた、それ以上正面視時計回りに回転することはできない。
振分部640は、回転部610に対し、正面視において、当該回転部610の入球部612と入球部613との間にアーム642が配置されるよう軸660に取り付けられる(図14(c)参照)。これにより、回転部610が第1位置にある場合、すなわち、入球部612の出口部分が振分用通路621に接続される場合には、アーム642、連結部646、およびアーム644の各面により形成される凹状の球受部が振分用通路621に向けられる。よって、回転部610が第1位置にある場合、振分用通路621から排出された遊技球は、アーム642と連結部646とアーム644とから形成される凹状の球受部に進入する。当該凹部に遊技球が進入した場合、当該遊技球の自重がアーム644にかかることで、振分部640は正面視時計回りに回動し、当該遊技球を正面視右側に振り分ける。
その一方で、回転部610が第2位置にある場合、すなわち、入球部613の出口部分が振分用通路621に接続される場合には、アーム642、連結部645、およびアーム643における軸部641とは反対側を向く各面が振分用通路621に向けられる。よって、回転部610が第2位置にある場合、振分用通路621から排出された遊技球は、アーム642と連結部645とアーム643とから形成される凹状の球受部に進入する。当該球受部に遊技球が進入した場合、当該遊技球の自重がアーム643にかかることで、振分部640は正面視反時計回りに回動し、当該遊技球を振分部640正面視左側に振り分ける。
裏カバー650は、図13(a)に示すように、仕切板630の裏側(後側)に位置して振分部640を収容する凹部651と、溝部626の下流側部分の裏側に位置して、振分装置600に進入した遊技球を開口624に案内する流下通路を構成する凹部652と、溝部627の下流側部分の裏側に位置して、振分装置600に進入した遊技球を開口625に案内する流下通路を構成する凹部653とを備えた樹脂製部品である。
凹部652および凹部653は、いずれも、下流側が開口624または開口625に向かって(すなわち、前方に向かって)次第に傾斜が緩くなる曲線的な傾斜面を有する。よって、振分部640により振り分けられた遊技球、開口622から進入して誘導部628により奥側へと誘導された遊技球、または、開口623から進入して誘導部629により奥側へと誘導された遊技球は、凹部652または凹部653における傾斜面によってスムースに開口624または開口625へと流下する。
次に、図14を参照して、振分装置600に遊技球が進入した場合における振分装置600の動作、および、振分装置600に進入した遊技球の流下経路について説明する。図14(a)は、回転部610が第1位置にある振分装置600の正面図であり、図14(b)は、回転部610が第2位置にある振分装置600の正面図である。なお、図14(a)および図14(b)においては、振分装置600の周囲に配置された釘411を併せて図示している。
また、図14(c)は、回転部610が第1位置にある状態(すなわち、図14(a)の状態)で入球部612から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための図であり、具体的には、裏カバー650を取り外した振分装置600の背面図である。また、図14(d)は、回転部610が第1位置にある状態で入球部612から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための図であり、具体的には、裏カバー650および仕切板630を取り外した振分装置600の背面図である。
振分装置600は、釘411によって形成される上側進入部A1に連続するように一方の入球部が開口し、左側進入部A2又は右側進入部A3に連続するように他方の入球部が開口する位置に配置される。図14(a)に示すように、回転部610が第1位置にある場合、回転部610に形成された2つの入球部612,613のうち、入球部612の入口部分が上方を向き、入球部613の入口部分が左方を向く。よって、回転部610が第1位置にある場合、振分装置600に対して上側に設けられる上側進入部A1を通過する遊技球、または、振分装置600に対して左側に設けられる左側進入部A2を通過する遊技球を入球部612または入球部613から振分装置600に進入させることが可能である。
また、回転部610が第1位置にある場合、右側進入部A3に対しては、振分装置600に設けられる遊技球の入口部分が連続せずに右側進入部A3から先への遊技球の進入が回転部610の壁部615によって阻止される。このため、振分装置600の右方を流下する遊技球を当該振分装置600に進入させることはできない。
その一方で、図14(b)に示すように、回転部610が第2位置にある場合、回転部610に形成された2つの入球部612,613のうち、入球部612の入口部分が右方を向き、入球部613の入口部分が上方を向く。よって、回転部610が第2位置にある場合、振分装置600に対して上側に設けられる上側進入部A1を通過する遊技球、または、振分装置600に対して右側に設けられる右側進入部A3を通過する遊技球を入球部612または入球部613から振分装置600に進入させることが可能である。
また、回転部610が第2位置にある場合、左側進入部A2に対しては、振分装置600に設けられる遊技球の入口部分が連続せずに左側進入部A2から先への遊技球の進入が回転部610の壁部616によって阻止される。このため、振分装置600の左方を流下する遊技球を当該振分装置600に進入させることはできない。
回転部610が第1位置にある第1の振分状態(図14(a)の状態)で入球部612から遊技球が進入した場合、当該遊技球は、図14(c)に示す矢印Q1の経路で振分装置600内を流下する。つまり、入球部612から進入した遊技球は、振分用通路621を通り、アーム642と連結部646とアーム644とから形成される凹状の球受部に進入する。遊技球が当該球受部に進入したことで、振分部640は遊技球の自重によって正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)に回動し、それにより、遊技球は正面視右側(裏面側から見て左側)に振り分けられる。振分部640により正面視右側に振り分けられた遊技球は、仕切板630と裏カバー650との間を通って開口625まで流下して開口625から排出される。
第1位置にある回転部610の入球部612に遊技球が進入したことで振分部640が正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)である矢印B方向に回動した場合、回転部610もまた、振分部640の回動に同期して矢印B方向(すなわち、正面視時計回りであり、裏側から見て反時計回り)に回動する。これにより、回転部610は、図14(a)に示す第1位置から、図14(b)に示す第2位置へと移行する。
これに対し、回転部610が第1位置にある状態で入球部613から遊技球が進入した場合、当該遊技球は、図14(d)に示す矢印Q2の経路で振分装置600内を流下する。つまり、入球部613から開口623を経て進入した遊技球は、前カバー620と仕切板630との間を通って誘導部628まで流下し、当該誘導部628によって奥側(裏側)へと誘導された後、開口624に向かって前方に流下する。
回転部610が第1位置にある状態で入球部613に遊技球が進入した場合、振分部640が当該遊技球によって回動することはないので、回転部610もまた回動することはない。つまり、回転部610が第1位置にある状態で入球部613に遊技球が進入した場合、回転部610は第1位置のまま保持される。
なお、図示はしないが、回転部610が第2位置にある第2の振分状態(図14(b)の状態)で入球部613から遊技球が進入した場合、当該遊技球は、振分用通路621を通り、アーム642と連結部645とアーム643とから形成される凹状の球受部に進入する。これにより、振分部640は当該球受部に進入した遊技球の自重によって正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動するので、遊技球は正面視左側(裏面側から見て右側)に振り分けられる。
振分部640により正面視左側に振り分けられた遊技球は、仕切板630と裏カバー650との間を通って開口624まで流下する。かかる場合、回転部610は、振分部640の回動に同期して正面視反時計回りに回動するので、図14(b)に示す第2位置から、図14(a)に示す第1位置へと移行する。
また、回転部610が第2位置にある状態で入球部612から開口623を経て遊技球が進入した場合、当該遊技球は、前カバー620と仕切板630との間を流下して誘導部629に到達し、誘導部629により奥側(裏側)へと誘導された後、開口625まで流下して開口625から排出される。かかる場合、振分部640が回動することはないので、回転部610もまた回動することはない。つまり、回転部610が第2位置にある状態で入球部612に遊技球が進入した場合、回転部610は第2位置のまま保持される。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、振分部640が回動して遊技球を振り分ける毎に、回転部610が当該振分部640の回動に同期して回動し、それによって、振分装置600への遊技球の入口となる入球部612および入球部613の位置が変化する。よって、振分部640が遊技球を振り分ける毎に、振分装置600への遊技球の入口(すなわち、入球部612および入球部613)の位置が見た目に都度変化するので、振分部640により遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加することができ、それにより、当該遊技の単調化を抑制できる。
特に、回転部610と振分部640とは軸660の両端に各々軸着されて一体化されているので、回転部610を振分部640の回動に同期して動作させることができる。よって、振分部640により遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、入球部612または入球部613のうち、いずれの入球部の入口部分が上方を向くかに応じて、振分部640により振り分けられた遊技球が、右側中始動入賞装置431Aに進入するか(すなわち、第1特別図柄の始動入賞となるか)、左側中始動入賞装置431Bに進入するか(すなわち、第2特別図柄の始動入賞となるか)が異なる。よって、遊技者は、入球部612または入球部613のうち入口部分が上方を向いて開口する入球部に注目することで、振分部640が、遊技球を左右の中始動入賞装置431A,431Bのうちいずれの始動装置の側に振り分けるかを予測することができる。
従来の遊技機においては、一般的に、所定の入口から進入した遊技球が振分部によってどの振り分け先に振り分けられるかを遊技者が判断し難い構成であったのに対し、本実施形態のパチンコ機100においては、上述のように、遊技者は、回転部610の見た目(より詳細には、入球部612および入球部613の各入口部分の開口向き)から振分部640による遊技球の振り分け先を予測できる。よって、遊技者は、上向きといった特定の方向に入口部分が開口する入球部が、どの入球部であるかに応じて期待の度合い、特に、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選のいずれの抽選が行われるかに対する期待の度合いを変動させながら遊技球の発射操作を行うことができる。従って、この点においても、振分部640により遊技球を振り分ける遊技の単調化を抑制できる。
また、回転部610におけるベース板611の前面側に装飾が施されて後側に配置される振分部640が視認し難くても、回転部610の見た目(より詳細には、入球部612および入球部613の各入口部分の開口向き)から振分部640による遊技球の振り分け先を予測することができる。例えば、回転部610におけるベース板611の前面側に後方側が視認し難くなる濃色の装飾を施して、当該ベース板611を介して振分部640が視認し難くなって遊技球の振り分け先の確認が難しくなった場合であっても、遊技者は、回転部610の見た目から振分部640による遊技球の振り分け先を予測することができる。このため、回転部610の装飾について色や形状の制限を少なくして遊技機メーカーや機種に対応した装飾の自由度を高めることができ、振分部640により遊技球を振り分ける遊技の単調化を好適に抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、遊技者は、上述したように、特別遊技状態において、遊技球が下大入賞装置433または上大入賞装置434に進入するよう右打ち遊技手法による遊技を行う。遊技盤400における右側の遊技領域には、第2特別図柄に係る始動装置である右始動入賞装置432が設けられているので、特別遊技状態においては第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留され易いが、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留は最大4回までと制限されているので、右打ち遊技手法による遊技を行っている間に、遊技球が右始動入賞装置432に進入した第2特別図柄に係る単位遊技の権利が発生したとしても、保留されている権利が最大(すなわち、4回)に達していれば、発生した権利を保留することができず、当該権利を無駄にしてしまう。
これに対し、本実施形態のパチンコ機100においては、回転部610を第2位置とすることで、右打ち遊技手法により発射した遊技球を入球部612に進入させることができる。回転部610が第2位置にある場合に入球部612に進入した遊技球は、右側中始動入賞装置431Aに進入して第1特別図柄に係る単位遊技の権利を発生させることができるので、右打ち遊技手法による遊技を行っている間に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利ばかりが発生して当該権利を無駄にすることを抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、回転部610が第1位置にある場合に入球部613に進入した遊技球は、振分部640による振り分けに供されることなく、左側中始動入賞装置431Bに進入できる。同様に、回転部610が第2位置にある場合に入球部612に進入した遊技球は、振分部640による振り分けに供されることなく、右側中始動入賞装置431Aに進入できる。
よって、遊技者は、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法の遊技をある程度の期間に亘って続ける必要がある場合などの必要に応じて、入球部612または入球部613のうち、入口部分が左方または右方を向く入球部を狙うことで、回転部610の位置(すなわち、入球部612および入球部613の各入口部分の開口向き)を維持できるので、回転部610の位置が変化したことで実行中の遊技手法により発射される遊技球が振分装置600に進入し難くなる状況を抑制できる。
<第2実施形態>
次に図15および図16を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態のパチンコ機100においては、上述した実施形態(以下、「第1実施形態」と称す)の振分装置600に代えて、振分装置700が配設されている。なお、以下の説明において、第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態における振分装置600は、入球部612または入球部613のうち、入口部分が上方を向く(すなわち、出口部分が振分用通路621に接続する)入球部に遊技球が入球した場合には、入球部612および入球部613の各入口部分の向きが変化する一方で、他方の、入口部分が左方または右方を向いた(すなわち、出口部分が開口622または開口623に接続する)入球部に遊技球が入球した場合には、入球部612および入球部613の各入口部分の向きが保持される(変化しない)構成であった。
これに対し、第2実施形態における振分装置700は、入球部612,613の各入口部分の向きにかかわらず、入球部612または入球部613のいずれから遊技球が進入した場合にも入球部612および入球部613の各入口部分の向きが変化するよう構成される。
まず、図15を参照して、振分装置700の構造的構成について説明する。図15(a)は、前側から見た振分装置700の分解斜視図であり、図15(b)は、後側から見た振分装置700の分解斜視図である。なお、図15においては、左右の中始動入賞装置431A,431Bと、各中始動入賞装置431A,431Bに進入した遊技球を検出する左右の中始動入賞スイッチ441A,441Bとを併せて図示している。また、図15において、振分装置700を組み立てるためのビスなどの固定部材や振分装置600を遊技盤400の基体401に取り付けるための取付部などの図示は省略している。
振分装置700は、振分装置600と同様の各部610〜660(すなわち、回転部610、前カバー620、仕切板630、振分部640、裏カバー650、および軸660)に加え、前カバー620と仕切板630との間に配設される振分方向変更部670を備えている。
なお、振分装置700においては、振分方向変更部670が追加されたことで、前カバー620の形状(例えば、溝部626,627の周壁の形状)や仕切板630における凹部630Aの形状などが、振分方向変更部670を動作可能かつ収容可能な形状に変更されている。
振分方向変更部670は、開口622または開口623から進入した遊技球によって作動し、それにより、振分部640が遊技球の振り分けを行わないにもかかわらず当該振分部640を回動させて、当該振分部640による遊技球の振り分け方向を変更させる。
振分方向変更部670は、図15(a)または図15(b)に示すように、軸部671と、軸部671を挿通可能な開口を中央に有する板状の円盤部672,673と、各円盤部672,673から放射状にそれぞれ延設される第1レバー部674,675と、各円盤部672,673から第1レバー部674,675とは異なる向きの放射状にそれぞれ延設される第2レバー部676,677とを備えている。振分方向変更部670は、前カバー620に形成された支持部(図示せず)に軸部671が水平方向に軸止されることで取り付けられる。
円盤部672は、その中央の開口に軸部671の一端側(より詳細には、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側)が挿入されて軸部671に対し回動可能に軸支される。円盤部673は、その中央の開口に軸部671の他端側(より詳細には、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視左側)が挿入されて軸部671に対し円盤部672の回動とは独立して回動可能に軸支される。
円盤部672から延びる第1レバー部674は、円盤部672に固着されるアーム部と、当該アーム部に対し、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、図15(a)における矢印R方向)から見て反時計回りの方向に屈曲する爪部とを備えている。
円盤部672から延びる第2レバー部676は、円盤部672に固着される幅広のアーム部と、当該アーム部に対し、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、矢印R方向)から見て時計回りの方向に屈曲する幅広の爪部とを備えている。
第2レバー部676のアーム部は、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側から見て第1レバー部674のアーム部に対し略直交して下方に延びている。これにより、第1レバー部674が振分部640のアーム643に当接可能である一方、第2レバー部676が、開口622から振分装置700内に進入して流下する遊技球に当接可能となる。
第1レバー部674は、振分用通路621を経てアーム642と連結部645とアーム643とから形成される凹状の球受部に進入した遊技球によって振分部640が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動した場合に、当該第1レバー部674の爪部が振分部640のアーム643により押し下げられた位置まで下降した待機位置に配置される。
つまり、第1レバー部674は、振分用通路621を通過した遊技球を振分部640が正面視左側(裏面側から見て右側)に振り分けた場合に待機位置に配置され、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、矢印R方向)から見て軸部671の周りを時計回りの方向に回動可能に作動を待機した状態となっている。
第1レバー部674が待機位置に配置された状態では、第2レバー部676は、開口622から振分装置700内に進入して流下する遊技球が当接可能な待機位置に配置されている。この第2レバー部676が待機位置に配置された状態で、開口622から振分装置700内に遊技球が進入すると、当該遊技球が第2レバー部676に当接して第2レバー部676が後方側へと移動して作動した作動状態へ移行する。すなわち、第2レバー部676は、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、矢印R方向)から見て軸部671の周りを反時計回りの方向に回動する。
第1レバー部674および第2レバー部676は、円盤部672を介して一体的に樹脂成形された1つの部品によって構成されている。このため、一方のレバー部が作動した場合に、他方のレバー部が、円盤部672を介して当該一方のレバー部の動きに同期して作動する。つまり、第1レバー部674が振分部640の回動によって振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、矢印R方向)から見て軸部671の周りを時計回りの方向に回動(作動)した場合、第2レバー部676もまた第1レバー部674と同方向(すなわち、矢印R方向)から見て同方向に回動する。
同様に、第2レバー部676が開口622から進入した遊技球によって振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側から見て軸部671の周りを反時計回りの方向に回動(作動)した場合、第1レバー部674もまた第2レバー部676と同方向から見て同方向に回動する。
第2レバー部676が開口622から進入した遊技球によって作動した場合、第1レバー部674は、第2レバー部676の動きに同期して作動して、振分部640のアーム643を下側から押し上げる。これにより、振分部640は、正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)に回動する。
円盤部673から延びる第1レバー部675および第2レバー部677は、それぞれ上述した第1レバー部674および第2レバー部676と左右対称の形状に構成される。また、第2レバー部677のアーム部は、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側から見て第1レバー部675のアーム部に対し略直交して下方に延びている。これにより、第1レバー部675が振分部640のアーム644に当接可能である一方、第2レバー部677が、開口623から振分装置700内に進入して流下する遊技球に当接可能となる。
第1レバー部675は、振分用通路621を経てアーム642と連結部646とアーム644とから形成される凹状の球受部に進入した遊技球によって振分部640が正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)に回動した場合に、振分部640のアーム644によって当該第1レバー部675の爪部が押し下げられた位置まで下降した待機位置に配置される。
つまり、第1レバー部675は、振分用通路621を通過した遊技球を振分部640が正面視右側(裏面側から見て左側)に振り分けた場合に待機位置に配置され、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、図15(a)における矢印R方向)から見て軸部671の周りを時計回りの方向に回動可能に作動を待機した状態となっている。
第1レバー部675が待機位置に配置された状態では、第2レバー部677は、開口623から振分装置700内に進入して流下する遊技球が当接可能な待機位置に配置されている。この第2レバー部677が待機位置に配置された状態で、開口623から振分装置700内に遊技球が進入すると、当該遊技球が第2レバー部677に当接して第2レバー部677が後方側へと移動して作動した作動状態へ移行する。すなわち、第2レバー部677は、振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、矢印R方向)から見て軸部671の周りを反時計回りの方向に回動する。
第1レバー部675および第2レバー部677は、円盤部673を介して一体的に樹脂成形された1つの部品によって構成されている。このため、一方のレバー部が作動した場合に、他方のレバー部が、円盤部673を介して当該一方のレバー部の動きに同期して作動する。つまり、第1レバー部675が振分部640の回動によって振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側(すなわち、矢印R方向)から見て軸部671の周りを時計回りの方向に回動(作動)した場合、第2レバー部677もまた第1レバー部675と同方向(すなわち、矢印R方向)から見て同方向に回動する。
同様に、第2レバー部677が開口623から進入した遊技球によって振分方向変更部670の取り付け状態における正面視右側から見て軸部671の周りを反時計回りの方向に回動(作動)した場合、第1レバー部675もまた第2レバー部677と同方向から見て同方向に回動する。
第2レバー部677が開口623から進入した遊技球によって作動した場合、第1レバー部675は、第2レバー部677の動きに同期して作動して、振分部640のアーム644を下側から押し上げる。これにより、振分部640は、正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動する。
なお、第1レバー部674と第2レバー部676の回動範囲(すなわち、これらのレバー部674,676が設けられた円盤部672の回動範囲)、および、第1レバー部675と第2レバー部677の回動範囲(すなわち、これらのレバー部675,677が設けられた円盤部673の回動範囲)は、第1レバー部674,675または第2レバー部676,677が仕切板630に当接することで制限される。これにより、第2レバー部676および第2レバー部676は、いずれも、開口622または開口623から進入した遊技球が当接可能な位置に配置される。
次に、図16を参照して、振分装置700に遊技球が進入した場合における振分装置700の動作、および、振分装置700に進入した遊技球の流下経路について説明する。図16(a)は、回転部610が第1位置にある振分装置700の正面図であり、図16(b)は、回転部610が第2位置にある振分装置700の正面図である。なお、図16(a)および図16(b)においては、振分装置700の周囲に配置された釘411を併せて図示している。
また、図16(c)は、回転部610が第1位置にある状態(すなわち、図16(a)の状態)で入球部612から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための図であり、具体的には、裏カバー650を取り外した振分装置700の背面図である。また、図16(d)は、回転部610が第1位置にある状態で入球部612から遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための図であり、具体的には、裏カバー650および仕切板630を取り外した振分装置700の背面図である。なお、図16(c)及び図16(d)には、裏側から見て左側の第1レバー部675が振分部640を押し上げて作動した状態を図示し、図16(d)においては、開口622から進入して流下する遊技球Pを参考のために図示している。
正面視における振分装置700の外観は、第1実施形態における振分装置600と同じである。例えば、図16(a)に示すように、回転部610が第1位置にある場合、入球部612の入口部分は上方を向き、入球部613の入口部分は左方を向く。よって、回転部610が第1位置にある場合、振分装置700に対する上側から矢印A1の経路で流下する遊技球、または、振分装置700に対する左側から矢印A2の経路で流下する遊技球を入球部612または入球部613から振分装置700に進入させることが可能である。その一方で、回転部610が第1位置にある場合、振分装置700の右方を流下する遊技球を当該振分装置700に進入させることはできない。
これに対し、図16(b)に示すように、回転部610が第2位置にある場合、入球部612の入口部分は右方を向き、入球部613の入口部分は上方を向く。よって、回転部610が第2位置にある場合、振分装置700に対して上側に設けられる上側進入部A1を通過する遊技球、または、振分装置700に対して右側に設けられる右側進入部A3を通過する遊技球を入球部612または入球部613から振分装置700に進入させることが可能である。
また、回転部610が第2位置にある場合、左側進入部A2に対しては、振分装置600に設けられる遊技球の入口部分が連続せずに左側進入部A2から先への遊技球の進入が回転部610の壁部によって阻止される。このため、振分装置700の左方を流下する遊技球を当該振分装置700に進入させることはできない。
振分装置700において、回転部610が第1位置にある第1の振分状態(図16(a)の状態)で入球部612から遊技球が進入した場合、当該遊技球は、振分装置600と同様、図16(c)に示す矢印Q1の経路で振分装置700内を流下する。つまり、かかる場合、振分部640は遊技球の自重によって正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)である矢印B方向に回動し、それにより、遊技球は振分部640により正面視右側(裏面側から見て左側)に振り分けられ、開口625まで流下する。
第1位置にある回転部610の入球部612に遊技球が進入したことで振分部640が矢印B方向に回動した場合、回転部610もまた、振分部640の回動に同期して矢印B方向(すなわち、正面視時計回りであり、裏側から見て反時計回り)に回動する。これにより、回転部610は、図16(a)に示す第1位置から、図16(b)に示す第2位置へと移行する。
このように、第1位置にある回転部610の入球部612に遊技球が進入したことで振分部640が矢印B方向に回動した場合、振分方向変更部670の第1レバー部675の爪部が振分部640のアーム644によって下方に押し下げられた位置にて振分部640に接触している。すなわち、第1レバー部675は、正面視右側(裏面側から見て左側)である矢印R方向から見て軸部671(図15参照)の周りを時計回りの方向に最大限回動した待機位置に配置されている。第2レバー部677は、第1レバー部675の動きに同期して回動するので、第1レバー部675と同方向から見て同方向に最大限回動した待機位置に配置され、第2位置にある回転部610の入球部612から開口623を経て進入した遊技球が当接可能な位置に配置される。
回転部610が第1位置にある第1の振分状態で入球部613に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、図16(d)に示す矢印Q2の経路で振分装置700内を流下する。つまり、入球部613から開口622を経て進入した遊技球は、前カバー620と仕切板630との間を通って誘導部628まで流下し、当該誘導部628によって奥側(裏側)へと誘導された後、開口624に向かって前方に流下する。
このとき、図16(d)に示すように、誘導部628へ向けて流下する遊技球(例えば、遊技球P)は、振分方向変更部670の第2レバー部676に当接し、第2レバー部676を後方側(図16(d)における紙面手前側)へと押し退ける。これにより、第2レバー部676は、後方側へと移動して作動した作動状態へ移行し、正面視右側(裏面側から見て左側)である矢印R方向から見て軸部671(図15参照)の周りを反時計回りの方向に回動(作動)する。第1レバー部674は、第2レバー部676の動きに同期して作動し、第1レバー部674と同方向から見て同方向に回動する。
第1レバー部674が矢印R方向から見て軸部671の周りを反時計回りの方向に回動すると、当該第1レバー部674によって振分部640のアーム643が下側から押し上げられる。これにより、振分部640は、正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)である矢印B方向に回動する。
このように、振分装置700においては、回転部610が第1位置にある状態で入球部613から開口622を経て遊技球が進入した場合もまた、振分用通路621に通じる入球部612に遊技球が進入した場合と同様、回転部610が第1位置から第2位置へと移行する。
また、遊技球が開口622から進入したことで振分部640によって振り分けられずに流下する場合であっても、振分部640による遊技球の振り分け方向が振分方向変更部670によって変更される。
なお、図示はしないが、回転部610が第2位置にある状態(すなわち、図16(b)の状態)で入球部613に遊技球が進入した場合、振分部640は、当該遊技球の自重によって正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動し、それにより、遊技球は振分部640により正面視左側(裏面側から見て右側)に振り分けられ、開口625まで流下する。
第2位置にある回転部610の入球部613に遊技球が進入したことで振分部640が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動した場合、回転部610もまた、振分部640の回動に同期して正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動する。これにより、回転部610は、図16(b)に示す第2位置から、図16(a)に示す第1位置へと移行する。
このように、第2位置にある回転部610の入球部613に遊技球が進入したことで振分部640が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動した場合、振分方向変更部670の第1レバー部674の爪部が振分部640のアーム643によって下方に押し下げられた位置にて振分部640に接触し、第1レバー部674は、正面視右側(裏面側から見て左側)である矢印R方向から見て軸部671(図15参照)の周りを時計回りの方向に最大限回動した待機位置に配置されている。第2レバー部676は、第1レバー部674の動きに同期して作動し、第1レバー部674と同方向から見て同方向に回動し、第1位置にある回転部610の入球部613から開口622を経て進入した遊技球が当接可能な位置に配置される。
一方、回転部610が第2位置にある状態で入球部612から開口623を経て遊技球が進入した場合、当該遊技球は、前カバー620と仕切板630との間を通って誘導部629まで流下し、当該誘導部629によって奥側(裏側)へと誘導された後、開口625に向かって前方に流下する。
このとき、誘導部629へ向けて流下する遊技球は、振分方向変更部670の第2レバー部677に当接し、第2レバー部677を後方側(図16(d)における紙面手前側)へと押し退ける。これにより、第2レバー部677は、後方側へと移動して作動した作動状態へ移行し、正面視右側(裏面側から見て左側)である矢印R方向から見て軸部671(図15参照)の周りを反時計回りの方向に回動(作動)する。第1レバー部675は、第2レバー部677の動きに同期して作動し、第2レバー部677と同方向から見て同方向に回動する。
第1レバー部675が矢印R方向から見て軸部671の周りを反時計回りの方向に回動すると、当該第1レバー部675によって振分部640のアーム644が下側から押し上げられる。これにより、振分部640は、正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)に回動する。
このように、振分装置700においては、回転部610が第2位置にある状態で入球部612から開口623を経て遊技球が進入した場合もまた、振分用通路621に通じる入球部613に遊技球が進入した場合と同様、回転部610が第2位置から第1位置へと移行する。
また、遊技球が開口623から進入したことで振分部640によって振り分けられずに流下する場合であっても、振分部640による遊技球の振り分け方向が振分方向変更部670によって変更される。
次に、以上説明した第2実施形態の振分装置700を備えるパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
第2実施形態のパチンコ機100においては、振分部640が遊技球を振り分け回動する毎に、当該振分部640の回動に同期して回転部610を回動させることができるだけでなく、開口622または開口623から進入した遊技球によって振分方向変更部670を作動させることで、回転部610を回動させることができる。
つまり、本実施形態のパチンコ機100によれば、入球部612または入球部613のうち、振分用通路621に連通する上側進入部A1を通過して振分装置700に遊技球が進入した場合に限らず、開口622または開口623に連通する左側進入部A2及び右側進入部A3を通過して振分装置700に遊技球が進入した場合であっても、振分装置700への遊技球の入口となる入球部612および入球部613の位置を変化させることができる。
よって、回転部610が第1位置であるか第2位置であるかにかかわらず、入球部612および入球部613のいずれに遊技球を進入させても回転部610を変化させることができ、それにより、振分装置700への遊技球の入口(すなわち、入球部612および入球部613)の位置が見た目に都度変化するので、振分部640により遊技球を振り分ける遊技に面白味が付加され、当該遊技の単調化を抑制できる。
特に、回転部610を作動させる振分方向変更部670は、溝部626または溝部627を流下する遊技球によって機械的に作動させることができるとともに、回転部610は、作動した振分方向変更部670の動きに機械的に連動して回動する。よって、振分部640により遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制することができる。
<第3実施形態>
次に図17および図18を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態のパチンコ機100においては、上述した第1実施形態の振分装置600に代えて、振分装置800が配設されている。なお、以下の説明において、第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態のパチンコ機100においては、振分装置600の入球部612,613に進入した遊技球が左側中始動入賞装置431Bまたは右側中始動入賞装置431Aに入球(入賞)できる構成であった。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機100においては、右側中始動入賞装置431Aまたは左側中始動入賞装置431Bへの入球を可能にする入口として、振分装置800の回転部610に設けられた入球部612,613に加え、入口801,802を振分装置800の下部における左右両側に設けている。そして、入口801,802の各入口部分には、当該入口801,802への遊技球の進入確率をその姿勢に応じて変化させる左右の可動片688,689を設け、可動片688,689の姿勢を振分部640による遊技球の振り分けに連動して変化させる。
まず、図17を参照して、振分装置800の構造的構成について説明する。図17(a)は、前側から見た振分装置800の分解斜視図であり、図17(b)は、後側から見た振分装置800の分解斜視図である。なお、図17においては、左右の中始動入賞装置431A,431Bと、各中始動入賞装置431A,431Bに進入した遊技球を検出する左右の中始動入賞スイッチ441A,441Bとを併せて図示している。また、図17において、振分装置800を組み立てるためのビスなどの固定部材や振分装置600を遊技盤400の基体401に取り付けるための取付部などの図示は省略している。
振分装置800は、振分装置600と同様の各部610〜660(すなわち、回転部610、前カバー620、仕切板630、振分部640、裏カバー650、および軸660)に加え、前カバー620と仕切板630との間に配設される進入規制機構680を備えている。
なお、振分装置800においては、進入規制機構680が追加されたことで、前カバー620における裏側(背面側)には、当該進入規制機構680の軸部684を回動可能に軸支するための軸穴1621が設けられている。また、前カバー620の形状(例えば、開口624,625から下端までの長さや、溝部626,627の周壁の形状)や仕切板630における凹部630Aの形状などが、振分方向変更部670を動作可能かつ収容可能な形状に変更されている。
進入規制機構680は、振分部640の回動(すなわち、遊技球の振り分け)に連動して作動し、入口801,802(図18(a)および(b)参照)の入口部分に配置された左右の可動片688,689を各々独立して進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間で移行させる。
進入規制機構680は、図17(a)または図17(b)に示すように、第1リンク部681と、第2リンク部682と、左アーム683と、軸部684と、右アーム685と、左可動片作動部686と、右可動片作動部687と、左可動片688と、右可動片689と、左可動片回動軸691と、右可動片回動軸692とを備えている。
第1リンク部681は、仕切板630より前側(前カバー620側)において振分部640のアーム644に対し略平行となるよう、その一端側が振分部640の軸部641に固着される。第1リンク部681における固着されない他端側、および、第2リンク部682における上端側には共通するピン軸が軸装され、それにより、各リンク部681,682が前後方向を中心にして相対的に回動可能に連結される。
軸部684は、その一端側が前カバー620の軸穴1621に挿入されることで前後方向を中心にして前カバー620に回動可能に軸支される。軸部684における他端側には、略水平方向に延びる左アーム683および右アーム685の一端側が連続している。左アーム683における軸部684に近い一端側、および、第2リンク部682における下端側には共通するピン軸が軸装され、それにより、左アーム683と第2リンク部682とが前後方向を中心にして相対的に回動可能に連結される。
左アーム683における他端側(すなわち、軸部684から離れる端側)は、左可動片作動部686における内側面(すなわち、軸部684を向く側の面)の後方側に形成された凹部686Aの内部に進入する長さに形成される。左可動片作動部686の前端側には、側面視U字状の作動部686Bが形成され、当該作動部686Bは、左可動片688から後方に突出する棒状の突出部688A(図17(a)参照)を把持する。
左可動片作動部686の外側面には、凹部686Aより前方であり、かつ、作動部686Bより後方となる位置に軸部686C(図17(b)参照)が突設される。軸部686Cは、遊技盤400に固定された支持部材(図示せず)に回動可能に軸支される。
左可動片688における突出部688Aより左側には、左可動片回動軸691を挿通するための軸穴が設けられている。左可動片688は、当該軸穴に左可動片回動軸691を挿入することで回動可能に軸支される。左可動片回動軸691の他端側(左可動片688から離れる端側)は、遊技盤400に固定された支持部材(図示せず)に固着される。
左可動片688には、当該左可動片688が開いた状態(図18(b)に示す状態)において正面視右方向へと左可動片回動軸691に対して放射状に延びるレバー部688Bが設けられている。
右アーム685における他端側(すなわち、軸部684から離れる端側)は、右可動片作動部687における内側面(すなわち、軸部684を向く側の面)の後方側に形成された凹部687Aに収容されて固定される。右可動片作動部687の前端側には、側面視U字状の作動部687Bが形成され、当該作動部687Bは、右可動片689から後方に突出する棒状の突出部(左可動片688における突出部688Aに相当する部位)を把持する。
右可動片作動部687の外側面には、凹部687Aより前方であり、かつ、作動部687Bより後方となる位置に軸部687C(図17(a)参照)が突設される。軸部687Cは、遊技盤400に固定された、進入規制機構680を支持するための支持部材(図示せず)に回動可能に軸支される。
右可動片689における突出部より右側には、右可動片回動軸692を挿通するための軸穴が設けられている。右可動片689は、当該軸穴に右可動片回動軸692を挿入することで回動可能に軸支される。右可動片回動軸692の他端側(右可動片689から離れる端側)は、遊技盤400に固定された支持部材(図示せず)に固着される。
右可動片689には、当該右可動片689が開いた状態(図18(a)に示す状態)において正面視左方向へと右可動片回動軸692に対して放射状に延びるレバー部689Bが設けられている。
上述のように構成される進入規制機構680によれば、例えば、遊技球がアーム642と連結部645とアーム643とから形成される凹状の球受部に進入したことで、振分部640が正面視反時計回りに回動した場合、当該回動によって第1リンク部681が第2リンク部682を引き上げる。
第2リンク部682が引き上げられると、それに連動して左アーム683が引き上げられるので、左アーム683によって左可動片作動部686の後側に上方向の力が作用し、それにより、左可動片作動部686は、軸部686Cを中心としてその後側が上昇する方向に回動する。当該回動の結果、作動部686Bの位置が下降し、作動部686Bにより動力が伝達される突出部688Aが引き下げられる。
突出部688Aが引き下げられたことで、左可動片回動軸691を中心とする正面視反時計回りの力が左可動片688に作用する。よって、左可動片688は、左可動片回動軸691の周りを正面視反時計回りに回動し、それにより、進入規制姿勢から進入許容姿勢に移行する。左可動片688が進入許容姿勢である場合、入口801(図18参照)は遊技球が進入可能に開放されているので、遊技球は入口801から進入することができる。
左可動片688が進入許容姿勢である場合に入口801から進入した遊技球は、開口624から排出された遊技球と同様、基本的に、左側中始動入賞装置431Bに進入して、当該左側中始動入賞装置431Bの内部に設けられた左側中始動入賞スイッチ441Bに検出される。
一方、第2リンク部682の引き上げに連動して左アーム683が引き上げられると、右アーム685が軸部684を中心として正面視時計回りに回動するので、右アーム685によって右可動片作動部687の後側に下方向の力が作用し、それにより、右可動片作動部687は、軸部687Cを中心としてその後側が下降する方向に回動する。当該回動の結果、作動部687Bの位置が上昇するので、作動部687Bにより動力が伝達される右可動片689の突出部(図示せず)が引き上げられる。
右可動片689の突出部が引き上げられたことで、右可動片回動軸692を中心とする正面視反時計回りの力が右可動片689に作用する。よって、右可動片689が進入許容姿勢にある場合、当該右可動片689は、右可動片回動軸692の周りを正面視反時計回りに回動し、それにより、進入許容姿勢から進入規制姿勢に移行する。
右可動片689が進入規制姿勢である場合、入口802(図18参照)は遊技球の進入ができないよう狭窄されて(または閉鎖されて)いるので、遊技球は入口802から進入することができない。なお、右可動片689が進入規制姿勢にある場合、右可動片回動軸692を中心とする正面視反時計回りの力が右可動片689に作用したとしても、右可動片689の姿勢は変化することなく進入規制姿勢のまま維持される。
また、進入規制機構680によれば、例えば、遊技球がアーム642と連結部646とアーム644とから形成される凹状の球受部に進入したことで、振分部640が正面視時計回りに回動した場合、当該回動によって第1リンク部681が第2リンク部682を押し下げる。
第2リンク部682が押し下げられると、それに連動して左アーム683が押し下げられるので、左アーム683によって左可動片作動部686の後側に下方向の力が作用し、それにより、左可動片作動部686は、軸部686Cを中心としてその後側が下降する方向に回動する。当該回動の結果、作動部686Bの位置が上昇するので、作動部686Bにより動力が伝達される左可動片688の突出部688Aが引き上げられる。
突出部688Aが引き上げられたことで、左可動片回動軸691を中心とする正面視時計回りの力が左可動片688に作用する。よって、左可動片688が進入許容姿勢にある場合、当該左可動片688は、左可動片回動軸691の周りを正面視時計回りに回動し、それにより、進入許容姿勢から進入規制姿勢に移行する。
左可動片688が進入規制姿勢である場合、入口801(図18参照)は遊技球の進入ができないよう狭窄されて(または閉鎖されて)いるので、遊技球は入口801から進入することができない。なお、左可動片688が進入規制姿勢にある場合、左可動片回動軸691を中心とする正面視時計回りの力が左可動片688に作用したとしても、左可動片688の姿勢は変化することなく進入規制姿勢のまま維持される。
一方、第2リンク部682の押し下げに連動して左アーム683が押し下げられると、右アーム685が軸部684を中心として正面視反時計回りに回動するので右アーム685によって右可動片作動部687の後側に上方向の力が作用し、それにより、右可動片作動部687は、軸部687Cを中心としてその後側が上昇する方向に回動する。当該回動の結果、作動部687Bの位置が下降するので、作動部687Bにより動力が伝達される右可動片689の突出部が引き下げられる。
右可動片689の突出部が引き下げられたことで、右可動片回動軸692を中心とする正面視時計回りの力が右可動片689に作用する。よって、右可動片689は、右可動片回動軸692の周りを正面視時計回りに回動し、それにより、進入規制姿勢から進入許容姿勢に移行する。右可動片689が進入許容姿勢である場合、入口802(図18参照)は遊技球が進入可能に開放されているので、遊技球は入口802から進入することができる。
右可動片689が進入許容姿勢である場合に入口802から進入した遊技球は、開口625から排出された遊技球と同様、基本的に、右側中始動入賞装置431Aに進入して、当該右側中始動入賞装置431Aの内部に設けられた右側中始動入賞スイッチ441Aに検出される。
なお、振分装置800の周囲に配置される釘411は、図18(a)および図18(b)に示すように、開口625と右側中始動入賞装置431Aとの間における右側と、開口624と左側中始動入賞装置431Bとの間における左側とにおいて遊技球が通過可能に離間されており、それにより、開口624,625から排出された遊技球、および、入口801,802から進入した遊技球の一部が、左右いずれの中始動入賞装置431A,431Bに進入することなく、非常に低確率(例えば、略1/100以下の確率であり、好ましくは、略1/1000以下の確率)で排出される。
このとき、開口624,625から排出された遊技球、および、入口801,802から進入した遊技球の一部を、左右いずれの中始動入賞装置431A,431Bに進入させることなく、非常に低確率で排出させる構成は、開口625と右側中始動入賞装置431Aとの間における右側と、開口624と左側中始動入賞装置431Bとの間における左側とに遊技球が通過可能に開口された樹脂製の壁部を振分装置800の前面側に設けることで実現してもよい。
左可動片688が進入許容姿勢である場合に入口801から遊技球が進入した場合、当該遊技球が左可動片688のレバー部688Bに当接し、それにより、左可動片回動軸691を中心とする正面視時計回りの力が左可動片688に作用する。これにより、左可動片688は、左可動片回動軸691の周りを正面視時計回りに回動し、進入許容姿勢から進入規制姿勢に移行する。
また、右可動片689が進入許容姿勢である場合に入口802から遊技球が進入した場合、当該遊技球が右可動片689のレバー部689Bに当接し、右可動片回動軸692を中心とする正面視反時計回りの力が右可動片689に作用する。これにより、右可動片689は、右可動片回動軸692の周りを正面視反時計回りに回動し、進入許容姿勢から進入規制姿勢に移行する。
次に、図18を参照して、振分装置800に遊技球が進入した場合における振分装置800の動作、および、振分装置800に進入した遊技球の流下経路について説明する。図18(a)は、回転部610が第1位置にある振分装置800の正面図であり、図18(b)は、回転部610が第2位置にある振分装置800の正面図である。
なお、図18(a)および図18(b)においては、図面の理解を容易にする目的で、進入規制機構680における左右の可動片688,689および左右の可動片回動軸691,692以外の部分を省略している。また、図18(a)および図18(b)においては、振分装置800の周囲に配置された釘411を併せて図示している。
また、図18(c)は、回転部610が第1位置にある第1の振分状態(図18(a)の状態)で入球部612に遊技球が進入した場合における遊技球の流下経路を説明するための図であり、具体的には、裏カバー650および仕切板630を取り外した振分装置800の背面図である。
振分装置800は、釘411によって形成される上側進入部A1に連続するように一方の入球部が開口し、左側進入部A2又は右側進入部A3に連続するように他方の入球部が開口する位置に配置される。図18(a)に示すように、振分装置800において、回転部610が第1位置にある場合には、第1実施形態の振分装置600と同様、入球部612の入口部分は上方を向き、入球部613の入口部分は左方を向く。よって、回転部610が第1位置にある場合、振分装置800に対して上側に設けられる上側進入部A1を通過する遊技球、または、振分装置800に対して左側に設けられる左側進入部A2を通過する遊技球を入球部612または入球部613から振分装置800に進入させることが可能である。
振分装置600の下部右側には、振分装置800に対して下部右側から振分装置600内に遊技球が進入可能な進入部(図18(a)の矢印A4を付した経路で振分装置600内に進入可能な遊技球の入口部であり、以下、右下側進入部A4ともいう)が釘411と右可動片689とによって形成されている。
回転部610が第1位置にある場合には、アーム642と連結部646とアーム644とから形成される凹状の球受部が振分用通路621を経た遊技球を受け入れ可能に配置された状態であるので、左右の可動片688,689のうち、右可動片689が進入規制機構680によって進入許容姿勢となり得る。よって、回転部610が第1位置にある場合に、右可動片689が進入許容姿勢である場合には、振分装置800に対して下部右側に設けられる右下側進入部A4を通過する遊技球を入口802から進入させることができる。
これに対し、図18(b)に示すように、振分装置800において、回転部610が第2位置にある場合もまた、第1実施形態の振分装置600と同様、入球部612の入口部分は右方を向き、入球部613の入口部分は上方を向く。よって、回転部610が第2位置にある場合、振分装置800に対して上側に設けられる上側進入部A1を通過する遊技球、または、振分装置800に対して右側に設けられる右側進入部A2を通過する遊技球を入球部612または入球部613から振分装置800に進入させることが可能である。
振分装置600の下部左側には、振分装置800に対して下部左側から振分装置600内に遊技球が進入可能な進入部(図18(b)の矢印A5を付した経路で振分装置600内に進入可能な遊技球の入口部であり、以下、左下側進入部A5ともいう)が釘411と右可動片689とによって形成されている。
回転部610が第2位置にある場合には、アーム642と連結部645とアーム643とから形成される凹状の球受部が振分用通路621を経た遊技球を受け入れ可能に配置された状態であるので、左右の可動片688,689のうち、左可動片688が進入規制機構680によって進入許容姿勢となり得る。よって、回転部610が第2位置にある場合に、左可動片688が進入許容姿勢である場合には、振分装置800に対して下部左側に設けられる左下側進入部A5を通過する遊技球を入口801から進入させることができる。
振分装置800において、回転部610が第1位置にある状態(すなわち、図18(a)の状態)で入球部612に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、振分装置600と同様、図18(c)に示す矢印Q1の経路で振分装置800内を流下する。つまり、かかる場合、振分部640は遊技球の自重によって正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)である矢印B方向に回動し、それにより、遊技球は振分部640により正面視右側(裏面側から見て左側)に振り分けられ、開口625まで流下する。
第1位置にある回転部610の入球部612に遊技球が進入したことで振分部640が矢印B方向に回動した場合、回転部610もまた、振分部640の回動に同期して矢印B方向(すなわち、正面視時計回りであり、裏側から見て反時計回り)に回動する。これにより、回転部610は、図18(a)に示す第1位置から、図18(b)に示す第2位置へと移行する。
第1位置にある回転部610の入球部612に遊技球が進入したことで振分部640が矢印B方向に回動した場合、進入規制機構680が作動して、左可動片688が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)である矢印C1方向に回動する。これにより、左可動片688は、進入規制姿勢から進入許容姿勢に移行する。
また、振分部640が矢印B方向に回動した場合、右可動片689が進入許容姿勢であれば、当該右可動片689は、正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)である矢印C2方向に回動する。これにより、右可動片689は、進入許容姿勢から進入規制姿勢に移行する。
なお、図示はしないが、回転部610が第2位置にある状態(すなわち、図18(b)の状態)で入球部613に遊技球が進入した場合、振分部640は、振分装置600と同様、アーム642と連結部645とアーム643とから形成される凹状の球受部に進入した遊技球の自重によって正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動し、それにより、遊技球は振分部640により正面視左側(裏面側から見て右側)に振り分けられ、開口624まで流下する。
第2位置にある回転部610の入球部613に遊技球が進入したことで振分部640が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動した場合、回転部610もまた、振分部640の回動に同期して正面視反時計回りに回動する。これにより、回転部610は、図18(b)に示す第2位置から、図18(a)に示す第1位置へと移行する。
第2位置にある回転部610の入球部613に遊技球が進入したことで振分部640が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動した場合、進入規制機構680が作動して、右可動片689が正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)に回動する。これにより、右可動片689は、進入規制姿勢から進入許容姿勢に移行する。
また、振分部640が正面視反時計回り(すなわち、裏側から見て時計回り)に回動した場合、左可動片688が進入許容姿勢であれば、当該左可動片688は、正面視時計回り(すなわち、裏側から見て反時計回り)に回動する。これにより、左可動片688は、進入許容姿勢から進入規制姿勢に移行する。
なお、回転部610が第1位置にある状態で入球部613に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、前カバー620と仕切板630との間を通って誘導部628まで流下し、当該誘導部628によって奥側(裏側)へと誘導された後、開口624に向かって前方に流下する。よって、かかる場合、回転部610は第1位置のまま保持される。
一方、回転部610が第2位置にある状態で入球部612に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、前カバー620と仕切板630との間を流下して誘導部629に到達し、誘導部629により奥側(裏側)へと誘導された後、開口625まで流下して開口625から排出される。よって、かかる場合、回転部610は第2位置のまま保持される。
次に、以上説明した第3実施形態の振分装置800を備えるパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
第3実施形態のパチンコ機100においては、振分部640が遊技球を振り分け回動した場合に、当該振分部640の回動に同期して回転部610が回動するだけでなく、左可動片688または右可動片689の一方が当該振分部640の回動に連動して進入許容姿勢に移行する。よって、振分部640が遊技球を振り分ける毎に、振分装置600への遊技球の入口(すなわち、入球部612および入球部613)の位置だけでなく、左右の可動片688,689の姿勢も都度変化するので、振分部640により遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加することができ、それにより、当該遊技の単調化を抑制できる。
特に、左右の可動片688,689の姿勢を変化させる進入規制機構680は、振分部640の回動に機械的に連動して動作させることができるので、振分部640により遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、振分部640の回動によって回転部610が第1位置から第2位置に移行した場合には、入球部612が右方を向き、左可動片688が進入許容姿勢に移行する。一方、振分部640の回動によって回転部610が第2位置から第1位置に移行した場合には、入球部613が左方を向き、右可動片689が進入許容姿勢に移行する。
これにより、遊技者は、回転部610が第1位置から第2位置に移行した場合には、右打ち遊技手法により遊技球を発射することで入球部612に遊技球を進入させ易くすることができ、左打ち遊技手法により遊技球を発射することで左側の入口801から遊技球を進入させ易くることができる。一方、回転部610が第2位置から第1位置に移行した場合には、左打ち遊技手法により遊技球を発射することで入球部613に遊技球を進入させ易くすることができ、右打ち遊技手法により遊技球を発射することで右側の入口802から遊技球を進入させ易くすることができる。よって、遊技球の打ち出し方にバリエーションができるので、通常遊技状態中などにおいて遊技が単調になることを抑制できる。
特に、回転部610が第1位置である場合に入球部613から進入した遊技球は、第2特別図柄に係る始動装置である左側中始動入賞装置431Bに進入させることができ、入口801から進入した遊技球は、第1特別図柄に係る始動装置である右側中始動入賞装置431Aに進入させることができる。同様に、回転部610が第2位置である場合に入球部612から進入した遊技球は、第1特別図柄に係る始動装置である右側中始動入賞装置431Aに進入させることができ、入口802から進入した遊技球は、第2特別図柄に係る始動装置である左側中始動入賞装置431Bに進入させることができる。よって、遊技者は、第1特別図柄に係る始動装置(右側中始動入賞装置431A)、または、第2特別図柄に係る始動装置(左側中始動入賞装置431B)のうち、遊技球が効率よく進入するなどの遊技者が所望する中始動入賞装置への進入部を狙って遊技球を左右に打ち分けることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、遊技者は、上述したように、特別遊技状態において、遊技球が下大入賞装置433または上大入賞装置434に進入するよう右打ち遊技手法による遊技を行う。遊技盤400における右側の遊技領域には、第2特別図柄に係る始動装置である右始動入賞装置432が設けられているので、特別遊技状態においては第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留され易いが、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留は最大4回までと制限されているので、右打ち遊技手法による遊技を行っている間に、遊技球が右始動入賞装置432に進入した第2特別図柄に係る単位遊技の権利が発生したとしても、保留されている権利が最大(すなわち、4回)に達していれば、発生した権利を保留することができず、当該権利を無駄にしてしまう。
これに対し、本実施形態のパチンコ機100においては、回転部610が第1位置であっても第2位置であっても、右打ち遊技手法により発射した遊技球を入球部612または入口802のいずれかに進入させることができる。入球部612および入口802から進入した遊技球は、右側中始動入賞装置431Aに進入して第1特別図柄に係る単位遊技の権利を発生させるので、右打ち遊技手法による遊技を行っている間に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利ばかりが発生して当該権利を無駄にすることを抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、振分部640の回動に連動して進入許容姿勢に移行した可動片688,689は、入口801,802から遊技球が進入した場合にレバー部688B,689Bが作動して再び進入規制姿勢に移行する。よって、入口801,802に進入可能な遊技球を、左可動片688または右可動片689が進入許容姿勢に移行する毎に1球ずつと限定することができる。入球部612,613のうち、開口622または開口623に連通する入球部は、振分部640が遊技球の振り分けによって回動しない限り、遊技球の進入が常時可能であるので、かかる入球部に対する入口801,802の差別化を図ることができる。
また、左右の可動片688,689の姿勢を変化させる進入規制機構680は、振分部640の回動に機械的に連動して動作されるので、振分部640により遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記各実施形態においては、振分装置600,700,800への遊技球の入口として、回転部610に2つの入球部612,613を設ける構成としたが、振分装置への入口となる回転部610の入球部は2つに限られる必要はなく、3つ以上の入球部を設ける構成としてもよい。
(2)上記各実施形態においては、回転部610の回転によって入球部612,613が回転することで当該入球部612,613位置が変化する構成としたが、入球部612,613の開口向きを同じにして板材などに並べ、当該板材を振分部640の回動を直線運動に変換することで左右方向に変化させ、一方の入球部を振分用通路621と同様に機能する振分通路に連通させ、他方の入球部を開口622,623と同様に機能する開口に連通させる構成としてもよい。
(3)上記各実施形態においては、左右に回動する振分部640を用いて、遊技領域に設けられる進入部から進入した遊技球を左右の通路(溝部626,627)に振り分ける構成としたが、遊技球を振り分ける先の構成としては、通路に限らず、ステージやクルーンなどであってもよいし、また、右始動入賞装置432や大入賞装置433,434など、所定の抽選に当選した場合に進入確率が高められる入賞装置の内部に、振分装置600,700,800のいずれかを設けて、入賞装置に進入した遊技球が進入部を通じて振分部640に到達して複数の振り分け先に振り分けられるようにしてもよく、例えば、非特定通路と、非特定通路より遊技者にとって有利な特定通路とに振り分けられるようにしてもよい。
(4)上記実施形態においては、振分部640が左右の通路(溝部626,627)のいずれかに遊技球を1球ずつ交互に振り分ける構成としたが、振分部による振り分け先となる通路は、複数であれば、3以上であってもよいし、また、必ずしも遊技球を1球ずつ別の振り分け先に振り分ける必要はなく、予め定めた複数の数の遊技球が1の振り分け先に振り分けられた場合に、別の振り分け先に遊技球を振り分けるようにしてもよい。
(5)上記各実施形態においては、振分部640による振り分け先の通路(溝部626,627)の先には右側中始動入賞装置431Aまたは左側中始動入賞装置431Bが設けられており、振分部640によっていずれの通路に振り分けられたとしても始動入賞が生じる構成であった。
これに対し、振分部640による振り分け先の通路の少なくとも一部が、始動入賞を発生することなく、遊技者に特典を付与する有利領域に案内する通路であってもよい。例えば、振分部640による振り分け先の通路が、抽選条件を成立させることなく一定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口に通じる通路としてもよいし、遊技者に有利な遊技状態が付与される特定通路としてもよい。
あるいは、振分部640による振り分け先の通路のうち、始動入賞が生じる通路を一部に限り、当該一部の通路以外の通路が、進入した遊技球を遊技領域に排出する通路や、回収排出通路(図示せず)に案内する通路であってもよい。
(6)上記各実施形態においては、振分部640は、遊技球の自重を利用して機械的に回動することで遊技球を振り分ける構成としたが、振分部640による遊技球の振り分けは、モータなどの動力を用いて制御的に軸621回動させることで行う構成としてもよい。
(7)上記各実施形態では、回転部610と振分部640とを軸660の両端に各々軸着することで、回転部610が振分部640と一体的に回動する構成としたが、回転部610と振分部640とが機械的に連動して動作するようにしてもよいし、又は、モータなどの動力を用いて、回転部610を、振分部640の回動とは独立して回動させる構成としてもよい。かかる場合、振分部640の回動方向を検出可能なセンサや、振分部640が溝部626または溝部627に振り分けた遊技球を検出可能なセンサなど、振分部640が遊技球を左または右側に振り分けたことを検出可能なセンサを設け、これらのセンサによる検出結果に基づいて、回転部610を回動させる構成としてもよい。
(8)上記第2実施形態では,開口622または開口623から進入した遊技球で振分方向変更部670を作動させることで機械的に振分部640を回動させ、当該振分部640による振り分け先を変更する構成とした。振分方向変更部670を設ける必要は必ずしもない。例えば、開口622または開口623から進入した遊技球を検出可能なセンサを設け、当該センサによる検出結果に基づいて、モータなどの動力を用いて振分部640を回動させる構成としてもよい。
(9)上記第3実施形態では、振分部640の回動(すなわち、振分部640による遊技球の振り分け)に機械的に連動して進入規制機構680を動作させ、それにより、左右の可動片688,689の姿勢を変化させる構成とした。進入規制機構680を設ける必要は必ずしもない。例えば、振分部640の回動方向を検出可能なセンサや、振分部640が溝部626または溝部627に振り分けた遊技球を検出可能なセンサなど、振分部640が遊技球を左または右側に振り分けたことを検出可能なセンサを設け、これらのセンサによる検出結果に基づいて、モータなどの動力を用いて左右の可動片688,689の姿勢を変化させる構成としてもよい。
(10)上記第3実施形態では、左右の可動片688,689が進入許容姿勢である場合に入口801,802から遊技球が進入した場合に、当該遊技球によって各可動片688,689のレバー部688B,689Bが作動することで、進入許容姿勢であった可動片688,689が進入規制姿勢に移行する構成とした。これに代えて、入口801,802を通過した遊技球を検出可能なセンサを設け、当該センサによる検出結果に基づいて、モータなどの動力を用いて左右の可動片688,689の姿勢を進入規制姿勢に移行させる構成としてもよい。
また、左右の可動片688,689の姿勢変化が、振分部640が回動した場合にのみ変化するものとし、入口801,802から遊技球が進入しても可動片688,689の姿勢は変化しない構成としてもよい。
(11)上記第3実施形態では、回転部610が第1位置にあって入球部613の入口部分が左方を向く場合に、右可動片689が進入許容姿勢とされ、回転部610が第2位置にあって入球部612の入口部分が右方を向く場合に、左可動片688が進入許容姿勢とされる構成であった。つまり、左右の可動片688,689のうち、進入許容姿勢となる可動片の側が、入球部612,613のうち、振分用通路621に連通しない方(すなわち、開口622または開口623に連通する方)の入球部の入口部分が向く方向と左右方向において逆方向となる構成とした。
これに代えて、左右の可動片688,689のうち、進入許容姿勢となる可動片の側が、入球部612,613のうち、振分用通路621に連通しない方の入球部の入口部分が向く方向と左右方向において同じ方向となるよう構成してもよい。
かかる変形例によれば、回転部610が第1位置である場合には、入球部613または入口801のいずれから進入した遊技球も第2特別図柄に係る始動装置である左側中始動入賞装置431Bに進入させることができる。同様に、回転部610が第2位置である場合には、入球部612または入口802のいずれから進入した遊技球も第1特別図柄に係る始動装置である右側中始動入賞装置431Aに進入させることができる。よって、左打ち遊技手法による遊技を行う場合には、左側中始動入賞装置431Bに進入可能な入口が増えるとともに、右打ち遊技手法による遊技を行う場合には、右側中始動入賞装置431Aに進入可能な入口が増えるので、左側中始動入賞装置431Bまたは右側中始動入賞装置431Aへの進入確率が向上するので、左側中始動入賞装置431Bまたは右側中始動入賞装置431Aへの遊技球の進入を効率的に行うことができる。
(12)上記各実施形態においては、開口624の直下に左側中始動入賞装置431Bを設け、開口625の直下に右側中始動入賞装置431Aを設ける構成とした。つまり、振分部640により正面視左側に振り分けられた遊技球が第2特別図柄に係る始動装置(すなわち、左側中始動入賞装置431B)に進入し、振分部640により正面視右側に振り分けられた遊技球が第1特別図柄に係る始動装置(すなわち、右側中始動入賞装置431A)に進入する構成とした。これに代えて、開口624の直下に右側中始動入賞装置431Bと同様の第1特別図柄に係る始動装置を設け、開口625の直下に左側中始動入賞装置431Aと同様の第2特別図柄に係る始動装置を設ける構成としてもよい。
なお、上記第2実施形態の振分装置700においては、内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452を備えた右始動入賞装置432と、振分装置700と、始動入賞装置及び始動入賞スイッチの組合せとして、以下のように構成することは好ましい。すなわち、進入規制機構452を備えた右始動入賞装置432に遊技球が進入し易い遊技状態(時短状態)において右始動入賞装置432に遊技球が進入し易い右打ち遊技手法によって、振分装置700の進入部のうち遊技球が進入し易くなる右側進入部A3に進入した遊技球は、右始動入賞装置432に係る第2特別図柄の始動入賞と同一の第2特別図柄の始動入賞を発生させ、振分装置700において右側進入部A3とは反対側の左側進入部A2に進入した遊技球は、第1特別図柄の始動入賞を発生させるようにすることが好ましい。これにより、右打ち遊技手法を終えて左打ち遊技手法に戻して通常遊技状態を開始する際に、右打ち遊技手法において入賞が多く発生することで保留が最大となり易い第2特別図柄の始動入賞とは別の第1特別図柄の始動入賞を発生し易くすることができるので、早期に遊技を開始しても無駄な始動入賞の発生を少なくすることができる。
(13)上記第1実施形態においては、右始動入賞装置432や上下の大入賞装置433,434を中央構造体420の右側に配置し、中央構造体420に対する左右の領域を非対称な構成としたが、中央構造体に対する左右の遊技領域が対称、または、実質的に対象に構成されていてもよい。
図19は、中央構造体に対する左右の遊技領域が実質的に対称に構成される遊技盤の一例としての遊技盤400Xの正面図である。なお、図19において、遊技盤400Xに配設される中央構造体420Xなど一部構造物の外形を簡略的に描いている。以下の説明において、第1実施形態における遊技盤400の構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図19に示すように、基体401の概ね中央に配置される中央構造体420Xの左右にはそれぞれ入球口が形成されており、いずれかの入球口に遊技球が進入すると、当該遊技球は中央構造体420Xに形成された球通路(図示せず)を通って中央構造体420Xにおける下側に形成されたステージ422に案内される。
ステージ422の略中央の奥側に開口422Aが形成され、ステージ422を転動する遊技球が開口422Aに進入した場合には、当該遊技球は、図示されない通路を通り、入口部分が上方を向く入球部612または入球部613の上方に形成された開口406から排出される。よって、ステージ422を転動して開口422Aに進入した遊技球は、矢印A1方向に流下し、入球部612または入球部613のうち、入口部分が上方を向く入球部に進入し得る。
遊技盤400Xにおいては、振分装置600の右側に、右始動入賞装置432と同様に機能する右始動入賞装置432Xが配設され、振分装置600の下側に、下大入賞装置433と同様に機能する大入賞装置433Xが配設される。また、右側中始動入賞装置の右側には、2つの一般入賞装置439Bが設けられ、左側中始動入賞装置の左側には、2つの一般入賞装置439Aが配設されている。また、遊技盤400Xにおいては、役連作動装置435と始動装置436とを兼ねるゲート状の装置が中央構造体420Xに対し右側に設けられている。
図19に示すように、遊技盤400Xは、中央構造体420Xに対する左右の遊技領域が実質的に対称に構成される。かかる遊技盤400Xに振分装置600を設けることで、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とのいずれの発射操作によっても、振分装置700の上側進入部A1に遊技球を進入させることができるので、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とを異ならせた場合における上側進入部A1への遊技球の進入確率の差を少なくすることができる。このため、通常遊技状態においても、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とを積極的に切り替えて、遊技者の所望する進入部を狙って積極的に操作手法を切り替え易い遊技性を提供することができる。例えば、遊技者は、入口部分が左方または右方を向く入球部(入球部612または入球部613)を狙って、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法を行い、始動入賞の発生が少なくなったと感じた場合など自身の気が向いたときに、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とを適宜切り替えて遊技を行い易くすることができる。よって、遊技者は、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とを変えることで自身の気分を変えることができ、遊技者が遊技に対する飽きを覚え難くすることができ、長くに亘り遊技を継続させることができる。
(14)上記第1〜第3実施形態のパチンコ機100においては、右側進入部A3から振分装置700に進入した遊技球が、右始動入賞装置432への入賞に基づく第2特別図柄の始動入賞とは抽選が異なる第1特別図柄の始動入賞を発生させる右側中始動入賞装置431Aへの入賞を発生させる構成について説明したが、これに限らず、振分装置700から振り分けられた遊技球が同一の抽選を受ける始動入賞装置の入賞を発生させるように、例えば、右側中始動入賞装置431A及び右側中始動入賞スイッチ441Aの組合せと同一の構成を、左側中始動入賞装置431B及び左側中始動入賞スイッチ441Bの組合せに代えて適用してもよい。
(15)上記各実施形態では、振分装置600,700,800の回転部610に対して、上側進入部A1、右側進入部A2、左側進入部A3の3箇所から遊技球が進入可能な場合について説明したが、進入部の数についても、上記した数に限らず、異なる数としてもよく、例えば、各実施形態の振分装置600,700,800に対して上側進入部A1は備えるものの、右側進入部A2と左側進入部A3とのいずれか又は両方を備えないように少なくともいずれかの進入部を釘411などによって遊技球が常時進入不能なように閉塞してもよい。
(16)上記各実施形態では、振分装置600,700,800の回転部610に対して、上側進入部A1から遊技球が進入した場合に、振分部640が振り分け先を必ず変更する場合について説明したが、これに限らず、上側進入部A1から遊技球が進入した場合に振分部640が振り分け先を変更しないようにしてもよく、例えば、上側進入部A1以外の進入部(例えば、左側進入部A2又は右側進入部A3)へ遊技球が進入した場合には振分方向変更部670が振分部640に作用して振り分け先を変更するように動作し、上側進入部A1へ遊技球が進入した場合には、振分部640が振り分け先を変更しないで、進入前の状態を維持するようにしてもよい。
(17)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
所定の振分用進入部(上側進入部A1)から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段であって、複数の前記振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態にて前記所定の振分用進入部から遊技球が進入した場合に、前記複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する振分手段(振分部640)と、
前記所定の振分用進入部を含む少なくとも1以上の進入部(上側進入部A1、左側進入部A2、右側進入部A3)から遊技球を進入可能とする、第1の入口(入球部613)と第2の入口(入球部612)とを含む複数の入口を有し、前記振分手段と共に動作する可動部であって、動作した場合に前記複数の入口の位置が機械的に移動することで前記複数の入口の少なくともいずれかから遊技球を進入可能とする可動部(回転部610)と、を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記可動部が前記第1の振分状態に対応した第1の入口配置状態(回転部610が第1位置にある状態)とされ、
当該第1の入口配置状態において前記所定の振分用進入部から前記第1の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記可動部が、前記振分手段と共に動作して前記第2の振分状態に対応した第2の入口配置状態(回転部610が第2位置にある状態)に移行することを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選を行い、当該抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって多数の遊技球が入賞口へ入球可能となる構成が知られている。近年では、複数の振り分け先のいずれかに遊技球を振り分ける振分手段を設け、所定の入口から進入した遊技球を当該振分手段の振分状態に応じて複数の始動口(例えば、2つの始動口)のいずれかに振り分ける遊技機が知られている(例えば、特開2016−22147号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機のように、振分手段を用いて遊技球の振り分けを行う遊技機については未だ改良の余地があった。例えば、一般的な遊技機における振分手段は、単に、所定の入口から進入した遊技球を複数の振り分け先のいずれかに振り分ける構成であるため、当該振分手段によって遊技球を振り分ける遊技を遊技者が単調に感じてしまうことがあった。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、所定の振分用進入部から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段を備え、当該振分手段は、複数の振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態にて所定の振分用進入部から遊技球が進入した場合には、当該複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する。
一方、所定の振分用進入部を含む少なくとも1以上の進入部から遊技球を進入可能とする複数の入口を有する可動部は、振分手段と共に動作するよう構成され、動作した場合に複数の入口の位置が機械的に移動することで当該複数の入口の少なくともいずれかから遊技球を進入可能とする。つまり、振分手段が動作して当該振分手段による振り分け先が変更された場合には、可動部が振分手段と共に動作して複数の入口の位置が機械的に移動する。よって、可動部における複数の入口の配置が見た目に変化するので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加することができ、かつ、振り分け先の変更を分かりやすく遊技者に示すことができるので、遊技者に積極的な発射操作を促して遊技の単調化を抑制できる。
なお、特徴10に記載の遊技機において、可動部における複数の入口は、振分手段が第1の振分状態である場合には、当該複数の入口のうち第1の入口が所定の方向に開口して所定の振分用進入部から遊技球を進入可能とし、振分手段が第2の振分状態である場合には、当該複数の入口のうち第2の入口が所定の方向に開口して所定の振分用進入部から遊技球を進入可能としてもよい。これにより、遊技者は、可動部における複数の入口のうち所定の方向に開口する入口に注目することで、振分手段の振分状態を容易に判別できる。すなわち、従来の遊技機においては、一般的に、所定の入口から進入した遊技球が振分手段によってどの振り分け先に振り分けられるかを遊技者が判断し難い構成であったのと比較して、遊技者は、可動部の見た目によって振分手段による遊技球の振り分け先を予測できる。よって、遊技者は、所定の方向に開口する入口がどの入口であるかに応じて期待の度合いを変動させながら発射操作を行うことができ、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を抑制できる。
また、特徴10に記載の遊技機において「振分手段と共に動作する可動部」は、振分手段の動作に連動して可動部が動作するものであってもよいし、振分手段と可動部とが一体化されていることで可動部が振分手段と共に動作(同期)するものであってもよいし、振分手段が動作した場合に、当該動作に基づきモータなどの動力により可動部が振分手段とは独立して動作するものであってもよい。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機であって
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記所定の振分用進入部から前記第1の入口に進入して当該振分手段によって前記第1の振り分け先に振り分けられた遊技球が流下する第1の流下通路(溝部626)の下流側に設けられて、該第1の流下通路を流下する遊技球が進入した場合に所定の特典が付与される第1入球口(左側中始動入賞装置431B)と、
前記振分手段が前記第2の振分状態である場合に前記所定の振分用進入部から前記第2の入口に進入して当該振分手段によって前記第2の振り分け先に振り分けられた遊技球が流下する流下通路であって前記第1の流下通路とは異なる第2の流下通路(溝部627)の下流側に設けられて、該第2の流下通路を流下する遊技球が進入した場合に前記所定の特典とは異なる特典、または、特典を付与することなく遊技球を排出する第2入球口(右側中始動入賞装置431A)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態である場合に所定の振分用進入部から第1の入口に進入して当該振分手段によって第1の振り分け先に振り分けられた遊技球が、第1の流下通路を流下して第1の入球口に進入した場合には、所定の特典が付与される。その一方で、振分手段が第2の振分状態である場合に所定の振分用進入部から第2の入口に進入して当該振分手段により第2の振り分け先に振り分けられた遊技球が、第1の流下通路とは異なる第2の流下通路を流下して第2の入球口に進入した場合には、前記所定の特典とは異なる特典が付与される、または、特典を付与することなく遊技球が排出される。よって、振分手段による遊技球の振り分け先に応じて特典の付与状況が異なるので、遊技者は、所定の方向に開口する入口がどの入口であるかに応じて、獲得できる特典に対する期待の度合いを変動させながら発射操作を行うことができ、当該振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を好適に抑制できる。
なお、特徴11における「特典」としては、抽選条件、抽選確率、抽選に当選した場合に発生する特別遊技状態、遊技球の払出数などが例示される。また、「所定の特典とは異なる特典」とは、複数の特典が付与される場合において全ての特典が互いに異なることに限らず、複数の特典が付与される場合において少なくとも一部の特典が互いに異なっていればよい。
<特徴12>
特徴10または11に記載の遊技機であって
前記振分手段は、該振分手段が前記第1の振分状態である場合、前記所定の振分用進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで前記第2の振分状態に移行するよう構成され、
前記振分手段と前記可動部との間に設けられて、当該振分手段の動作に対して当該可動部の動作を機械的に連動または同期させる連結手段(軸660)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機であれば、振分手段は、該振分手段が第1の振分状態である場合、所定の振分用進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで第2の振分状態に移行する。振分手段と可動部との間には、振分手段の動作に対して当該可動部の動作を機械的に連動または同期させる連結手段が設けられているので、振分手段の機械的な動作を機械的に連動または同期させて可動部を動作させることができるので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制できる。
<特徴20>
所定の振分用進入部(上側進入部A1)から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段であって、複数の前記振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態から、前記複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する振分手段(振分部640)と、
遊技球を進入可能とする第1の入口(入球部613)と、前記所定の振分用進入部とは別の進入部(左側進入部A2)から遊技球を進入可能とする第2の入口(入球部612)とを含む複数の入口を有し、前記振分手段と共に動作する可動部であって、動作した場合に前記複数の入口の位置が機械的に移動することで前記複数の入口の少なくともいずれかから遊技球を進入可能とする可動部(振分装置700の回転部610)と、を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記可動部が前記第1の振分状態に対応した第1の入口配置状態(回転部610が第1位置にある状態)とされ、
当該第1の入口配置状態において前記別の進入部から前記第2の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記可動部が、前記振分手段と共に動作して前記第2の振分状態に対応した第2の入口配置状態(回転部610が第2位置にある状態)に移行することを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選を行い、当該抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって多数の遊技球が入賞口へ入球可能となる構成が知られている。近年では、複数の振り分け先のいずれかに遊技球を振り分ける振分手段を設け、所定の入口から進入した遊技球を当該振分手段の振分状態に応じて複数の始動口(例えば、2つの始動口)のいずれかに振り分ける遊技機が知られている(例えば、特開2016−22147号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機のように、振分手段を用いて遊技球の振り分けを行う遊技機については未だ改良の余地があった。例えば、一般的な遊技機における振分手段は、単に、所定の入口から進入した遊技球を複数の振り分け先のいずれかに振り分ける構成であるため、当該振分手段によって遊技球を振り分ける遊技を遊技者が単調に感じてしまうことがあった。
これに対し、特徴20に記載の遊技機であれば、所定の振分用進入部から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段を備え、当該振分手段は、複数の振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態から、当該複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する。
一方、遊技球を進入可能とする第1の入口と、前記所定の振分用進入部とは別の進入部から遊技球を進入可能とする第2の入口とを含む複数の入口を有する可動部は、振分手段と共に動作するよう構成され、動作した場合に複数の入口の位置が機械的に移動する。つまり、振分手段が動作して当該振分手段による振り分け先が変更された場合には、可動部が振分手段と共に動作して複数の入口の位置が機械的に移動する。よって、可動部における複数の入口の配置が見た目に変化するので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加することができ、かつ、振り分け先の変更を分かりやすく遊技者に示すことができるので、遊技者に積極的な発射操作を促して遊技の単調化を抑制できる。
また、可動部は、振分手段が第1の振分状態である場合に、振分手段の振り分け先を変更する所定の振分用進入部とは別の進入部から遊技球を進入可能とする第2の入口に遊技球が進入した場合に動作する。このため、振分手段によって振り分けが行われることにならない遊技球によって振分手段の振り分け先が変更される状況であっても、その変更を、可動部の動作によって複数の入口の配置を見た目に変化させて遊技者に提示することができる。よって、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加し、かつ、振り分け先の変更を分かりやすく遊技者に示すことができるので、遊技者に積極的な発射操作を促して遊技の単調化を抑制できる。
なお、特徴20において「振分手段と共に動作する可動部」は、振分手段の動作に連動して可動部が動作するものであってもよいし、振分手段と可動部とが一体化されていることで可動部が振分手段と共に動作(同期)するものであってもよいし、振分手段が動作した場合に、当該動作に基づきモータなどの動力により可動部が振分手段とは独立して動作するものであってもよい。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機であって、
前記第1の入口は、前記所定の振分用進入部と前記別の進入部とを含む2以上の進入部(上側進入部A1、左側進入部A2、右側進入部A3)から遊技球を進入可能とし、
前記第1の入口配置状態において、前記所定の振分用進入部から前記第1の入口に遊技球が進入するか、又は前記別の進入部から前記第2の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記可動部が、前記振分手段と共に動作して前記第2の振分状態に対応した第2の入口配置状態(回転部610が第2位置にある状態)に移行することを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機であれば、可動部は、振分手段が第1の振分状態である場合に、振分手段の振り分け先を変更する所定の振分用進入部から遊技球を進入可能とする第1の入口に遊技球が進入した場合にも動作する。このため、振分手段によって振り分けが行われることとなる遊技球によって振分手段の振り分け先が変更される状況についても、その変更を、可動部の動作によって複数の入口の配置を見た目に変化させて遊技者に提示することができる。よって、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加し、かつ、振り分け先の変更をより確実に遊技者に示すことができるので、遊技者に積極的な発射操作を一層促して遊技の単調化を抑制できる。
<特徴22>
特徴20又は21に記載の遊技機であって、
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記第2の入口から前記別の進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで、前記振分手段を前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行させる動作手段(振分方向変更部670)を備え、
前記可動部は、前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記第1の入口に遊技球が進入した場合には前記振分手段と共に動作するとともに、前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記第2の入口に遊技球が進入した場合にも前記振分手段と共に動作することを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態である場合に第2の入口から遊技球が進入した場合にも、振分手段が当該遊技球によって動作手段により機械的に動作される。よって、第1の入口または第2の入口のいずれに遊技球を進入させても振分手段による遊技球の振り分け先を変化させることができるので、単に、所定の振分用進入部から進入した遊技球を振り分ける構成に比べて、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を抑制できる。また、動作手段による振分手段の動作は遊技球によって機械的に行われるので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制できる。
<特徴23>
特徴20から22のいずれかに記載の遊技機であって、
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記所定の振分用進入部から前記第1の入口に進入して当該振分手段によって前記第1の振り分け先に振り分けられた遊技球が流下する第1の流下通路(溝部626)の下流側に設けられて、該第1の流下通路を流下する遊技球が進入した場合に所定の特典が付与される第1入球口(左側中始動入賞装置431B)と、
前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記別の進入部から前記第2の入口に進入した遊技球が流下する流下通路であって、前記第1の流下通路とは異なる第2の流下通路(溝部627)の下流側に設けられて、該第2の流下通路を流下する遊技球が進入した場合に前記所定の特典とは異なる特典、または、特典を付与することなく遊技球を排出する第2入球口(右側中始動入賞装置431A)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態である場合に所定の振分用進入部から第1の入口に進入して当該振分手段によって第1の振り分け先に振り分けられた遊技球が、第1の流下通路を流下し第1の入球口に進入した場合には、所定の特典が付与される。その一方で、振分手段が第1の振分状態である場合に別の進入部から第2の入口に進入した遊技球が第2の流下通路を流下し第2の入球口に進入した場合には、所定の特典とは異なる特典が付与されるか、または、特典を付与することなく遊技球が排出される。
よって、振分手段が同じ振分状態(すなわち、第1の振分状態)である場合に、第1の入口または第2の入口のいずれに入口が進入するかに応じて特典の付与状況が異なるので、遊技者は、獲得できる特典に対する期待の度合いを変動させながらいずれかの入口を狙って発射操作を行うことができるので、当該振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を好適に抑制できる。
なお、特徴23における「特典」としては、抽選条件、抽選確率、抽選に当選した場合に発生する特別遊技状態、遊技球の払出数などが例示される。また、「所定の特典とは異なる特典」とは、複数の特典が付与される場合において全ての特典が互いに異なることに限らず、複数の特典が付与される場合において少なくとも一部の特典が互いに異なっていればよい。
<特徴24>
特徴20から23のいずれかに記載の遊技機であって、
前記振分手段は、該振分手段が前記第1の振分状態である場合、前記所定の振分用進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで前記第2の振分状態に移行するよう構成され、
前記振分手段と前記可動部との間に設けられて、当該振分手段の動作に対して当該可動部の動作を機械的に連動または同期させる連結手段(軸660)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機であれば、振分手段は、該振分手段が第1の振分状態である場合、所定の振分用進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで第2の振分状態に移行する。振分手段と可動部との間には、振分手段の動作に対して当該可動部の動作を機械的に連動または同期させる連結手段が設けられているので、振分手段の機械的な動作を機械的に連動または同期させて可動部を動作させることができるので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制できる。
<特徴30>
所定の振分用進入部(上側進入部A1)から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段であって、複数の前記振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態にて前記所定の振分用進入部から遊技球が進入した場合に、前記複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する振分手段(振分部640)と、
前記所定の振分用進入部から前記振分手段に進入した遊技球が流下可能な前記第1の振り分け先と前記第2の振り分け先に設けられる複数の流下通路と、
該複数の流下通路のいずれかに通じる進入部(入口801、入口802)に設けられて、前記振分手段と共に動作可能であって、前記進入部への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢と、該進入許容姿勢と比べて前記進入部への遊技球の進入を規制する進入規制姿勢とを切り替え可能な進入可動部(左可動片868、右可動片869)と、を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態であり、前記進入可動部が前記進入規制姿勢をとっている状態において、前記第1の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記進入可動部が前記進入許容姿勢に移行することを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選を行い、当該抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって多数の遊技球が入賞口へ入球可能となる構成が知られている。近年では、複数の振り分け先のいずれかに遊技球を振り分ける振分手段を設け、所定の入口から進入した遊技球を当該振分手段の振分状態に応じて複数の始動口(例えば、2つの始動口)のいずれかに振り分ける遊技機が知られている(例えば、特開2016−22147号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機のように、振分手段を用いて遊技球の振り分けを行う遊技機については未だ改良の余地があった。例えば、一般的な遊技機における振分手段は、単に、所定の入口から進入した遊技球を複数の振り分け先のいずれかに振り分ける構成であるため、当該振分手段によって遊技球を振り分ける遊技を遊技者が単調に感じてしまうことがあった。
これに対し、特徴30に記載の遊技機であれば、所定の振分用進入部に進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段を備え、当該振分手段は、複数の振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態にて所定の振分用進入部に遊技球が進入した場合には、当該複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する。
複数の進入通路に進入した遊技球が流下可能な複数の流下通路のいずれかに通じる進入部の入口部分には進入可動部が設けられる。進入可動部は、振分手段が第1の振分状態である場合に所定の振分用進入部から遊技球が進入して第2の振分状態に移行する場合に当該振分手段と共に動作して、進入部への遊技球の進入を規制する進入規制姿勢から、進入部への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢に切り替わるよう構成される。
これにより、第1振分状態にある振分手段が動作して当該振分手段による振り分け先が変更された場合、複数の流下通路のいずれかに通じる進入部の入口部分に設けられた進入可動部が、振分手段と共に動作して進入規制姿勢から進入許容姿勢に切り替わるので、遊技球を進入部から流下通路に進入させることが可能となる。そして、振分手段の振り分け先が変更される状況は、進入可動部が進入許容姿勢に切り替わる遊技者にとって有利となる動作によって遊技者に提示することができる。よって、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加し、かつ、振り分け先の変更を分かりやすく遊技者に示すことができるので、遊技者に積極的な発射操作を促して遊技の単調化を抑制できる。
なお、特徴30に記載の遊技機において「振分手段と共に動作する進入可動部」は、振分手段の動作に連動して動作するものであってもよいし、振分手段と一体化されていることで振分手段と共に動作(同期)するものであってもよいし、振分手段が動作した場合に、当該動作に基づきモータなどの動力によって、振分手段とは独立して動作するものであってもよい。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機であって、
少なくとも1以上の進入部(上側進入部A1、左側進入部A2、右側進入部A3)から遊技球を進入可能とする、第1の入口(入球部613)と第2の入口(入球部612)とを含む複数の入口を有し、前記振分手段と共に動作する可動部であって、動作した場合に前記複数の入口の位置が機械的に移動することで前記複数の入口の少なくともいずれかから遊技球を進入可能とする入口可動部(回転部610)を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態であって前記進入可動部が前記進入規制姿勢をとっている状態において前記入口可動部が前記第1の振分状態に対応した第1の入口配置状態(回転部610が第1位置にある状態)とされ、
当該第1の入口配置状態において前記複数の入口のうち予め定めた少なくとも1以上の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記入口可動部が、前記振分手段と共に動作して前記第2の振分状態に対応した第2の入口配置状態(回転部610が第2位置にある状態)に移行することを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機であれば、複数の入口を有する入口可動部は、振分手段と共に動作するよう構成され、動作した場合に複数の入口の位置が機械的に移動することで当該複数の入口の少なくともいずれかから遊技球が進入可能とされる。つまり、振分手段が動作して当該振分手段による振り分け先が変更された場合には、入口可動部が振分手段と共に動作して複数の入口の位置が機械的に移動する。よって、入口可動部における複数の入口の配置が見た目に変化するので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技に面白味を付加することができ、かつ、振り分け先の変更をより確実に遊技者に示すことができるので、遊技の単調化を一層抑制できる。
なお、特徴31に記載の遊技機において「振分手段と共に動作する入口可動部」は、振分手段の動作に連動して動作するものであってもよいし、振分手段と一体化されていることで振分手段と共に動作(同期)するものであってもよいし、振分手段が動作した場合に、当該動作に基づきモータやソレノイドなどの駆動手段を制御することによって、振分手段とは独立して動作するものであってもよい。
<特徴32>
特徴31に記載の遊技機であって、
前記入口可動部は、前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行した場合に、前記複数の入口のうち第1の入口(入球部613)が第1の方向に開口して前記所定の振分用進入部に連通するとともに、前記複数の入口のうち第2の入口(入球部612)が正面視左または右側を少なくとも向く第2の方向に開口して前記所定の進入部とは異なる進入部に連通し、
前記進入可動部は、正面視左または右側のうち前記第2の方向とは異なる側を少なくとも向く第3の方向に開口された前記進入部の入口に設けられて、前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行した場合に前記進入許容姿勢に切り替わることを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行した場合、入口可動部における複数の入口のうち、第1の入口が第1の方向に開口して所定の振分用進入部に連通するとともに、第2の入口が正面視左または右側を少なくとも向く第2の方向に開口して所定の振分部とは異なる進入部に連通する。
一方、進入可動部は、正面視左または右側のうち第2の方向とは異なる側を少なくとも向く第3の方向に開口された進入部の入口部分に設けられて、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行した場合に、進入許容姿勢に切り替わる。
これにより、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行した場合には、第2の入口、または、進入可動部が進入許容姿勢となった進入部のうち、一方に対し、正面視左側から遊技球を進入させることができるとともに、他方に対し、正面視右側から遊技球を進入させることができる。よって、遊技者は、遊技球を左右に打ち分けることで、第2の入口、または、進入可動部が進入許容姿勢となった進入部に遊技球を進入させることができる。よって、遊技球の打ち出し方にバリエーションができるので、遊技が単調になることを抑制できる。
<特徴33>
特徴32に記載の遊技機であって、
遊技球が進入した場合に所定の特典が付与される第1入球口(左側中始動入賞装置431B)と、
遊技球が進入した場合に前記所定の特典とは異なる特典、または、特典を付与することなく遊技球を排出する第2入球口(右側中始動入賞装置431A)と、を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行したことで前記第2の方向に開口する前記第2の入口に遊技球が進入した場合、当該遊技球は前記第1入球口に進入し、
前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行したことで前記進入可動部が前記進入許容姿勢に切り替わった前記進入部に遊技球が進入した場合、当該遊技球は前記第2入球口に進入することを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行したことで第2の方向に開口する第2の入口に遊技球が進入した場合、当該遊技球は第1入球口に進入する。一方、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行したことで進入可動部が進入許容姿勢に切り替わった進入部に遊技球が進入した場合、当該遊技球は第2入球口に進入する。第1入球口は、遊技球が進入した場合に所定の特典が付与され、第2入球口は、遊技球が進入した場合に前記所定の特典とは異なる特典、または、特典を付与することなく遊技球を排出するので、遊技者は、第1入球口または第2入球口のうち、遊技球の進入を所望する入球口を狙って遊技球を左右に打ち分けることができる。
なお、特徴32における「特典」としては、抽選条件、抽選確率、抽選に当選した場合に発生する特別遊技状態、遊技球の払出数などが例示される。また、「所定の特典とは異なる特典」とは、複数の特典が付与される場合において全ての特典が互いに異なることに限らず、複数の特典が付与される場合において少なくとも一部の特典が互いに異なっていればよい。
<特徴34>
特徴31から33のいずれかに記載の遊技機であって、
前記入口可動部は、前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行した場合に、前記複数の入口のうち第1の入口(入球部613)が第1の方向に開口して前記所定の振分用進入部に連通するとともに、前記複数の入口のうち第2の入口(入球部612)が正面視左または右側を少なくとも向く第2の方向に開口して前記複数の進入通路のうち前記所定の振分用進入部とは異なる進入部に連通し、
前記進入可動部は、正面視左または右側のうち前記第2の方向と同じ側を少なくとも向く第3の方向に開口された前記進入部の入口部分に設けられて、前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行した場合に前記進入許容姿勢に切り替わることを特徴とする遊技機。
特徴34に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行した場合、入口可動部における複数の入口のうち、第1の入口が第1の方向に開口して所定の振分用進入部に連通するとともに、第2の入口が正面視左または右側を少なくとも向く第2の方向に開口して所定の振分用進入部とは異なる進入部に連通する。
一方、進入可動部は、正面視左または右側のうち第2の方向と同じ側を少なくとも向く第3の方向に開口された進入部の入口部分に設けられて、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行した場合に、進入許容姿勢に切り替わる。
これにより、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行した場合には、遊技者は、左右に遊技球を打ち分けることなく、第2の入口、または、進入可動部が進入許容姿勢となった進入部に遊技球を進入させることができる。よって、遊技の打ち出し方を一定にし易くすることができるので、第2の入口、または、進入可動部が進入許容姿勢となった進入部に遊技球を進入させるための遊技を効率的に行うことができる。
<特徴35>
特徴34に記載の遊技機であって、
遊技球が進入した場合に所定の特典が付与される第1入球口(左側中始動入賞装置431B)を備え、
前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行したことで前記第2の方向に開口する前記第2の入口に遊技球が進入した場合、および、前記振分手段が前記第1の振分状態から前記第2の振分状態に移行したことで前記進入可動部が前記進入許容姿勢に切り替わった前記進入部に遊技球が進入した場合、いずれの場合も当該遊技球は前記第1入球口に進入することを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機であれば、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行したことで第2の方向に開口する第2の入口に遊技球が進入した場合、および、振分手段が第1の振分状態から第2の振分状態に移行したことで進入可動部が進入許容姿勢に切り替わった進入部に遊技球が進入した場合のいずれについても、進入した遊技球は第1入球口に進入する。よって、第1入球口に遊技球を進入させるための入口が増えるので、第1入球口への進入確率が向上し、第1入球口への遊技球の進入を効率的に行うことができる。
<特徴36>
特徴30から35のいずれかに記載の遊技機であって、
前記進入可動部は、当該進入可動部が設けられた前記進入部から所定数の遊技球が進入した場合に、前記進入許容姿勢から前記進入規制姿勢に切り替わるように動作することを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機であれば、進入可動部が設けられた進入部から遊技球が進入した場合に、当該進入可動部が進入許容姿勢から進入規制姿勢に切り替えられるので、進入部から進入可能な遊技球を、進入可動部が進入許容姿勢に移行毎に所定数ずつと限定し易くすることができる。これにより、振分手段の振分状態が変更されない限り遊技球の進入が常時可能な第2の入口に対する進入部の差別化を図ることができる。
<特徴37>
特徴30から36のいずれかに記載の遊技機であって、
前記振分手段は、該振分手段が前記第1の振分状態である場合、前記所定の振分用進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで前記第2の振分状態に移行するよう構成され、
前記振分手段の動作に対して前記進入可動部の動作を機械的に連動させる連結手段(進入規制機構680)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴36に記載の遊技機であれば、振分手段は、該振分手段が第1の振分状態である場合、所定の振分用進入部から進入した遊技球によって機械的に動作することで第2の振分状態に移行する。振分手段の動作に対して進入可動部の動作を機械的に連動させる連結手段が設けられているので、振分手段の機械的な動作を機械的に連動させて可動部を動作させることができるので、振分手段によって遊技球を振り分ける遊技の単調化を、消費電力の増大を防ぎつつ抑制できる。
なお、特徴10〜37に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、431A…右側中始動入賞装置、431B…左側中始動入賞装置、610…回転部、612,613…入球部、621…振分用通路、626,627…溝部、640…振分部、660…軸、670…振分方向変更部、686…左可動片、689…右可動片




Claims (1)

  1. 所定の振分用進入部から進入した遊技球の振り分け先を変更する振分手段であって、複数の前記振り分け先のうち所定の第1の振り分け先に遊技球を振り分ける第1の振分状態にて前記所定の振分用進入部から遊技球が進入した場合に、前記複数の振り分け先のうち所定の第2の振り分け先に遊技球を振り分ける第2の振分状態に移行するよう動作する振分手段と、
    遊技球を進入可能とする第1の入口と、前記所定の振分用進入部とは別の進入部から遊技球を進入可能とする第2の入口とを含む複数の入口を有し、前記振分手段と共に動作する可動部であって、動作した場合に前記複数の入口の位置が機械的に移動することで前記複数の入口の少なくともいずれかから遊技球を進入可能とする可動部と、を備え、
    前記振分手段が前記第1の振分状態である場合に前記可動部が前記第1の振分状態に対応した第1の入口配置状態とされ、
    当該第1の入口配置状態において前記別の進入部から前記第2の入口に遊技球が進入した場合に、前記振分手段が前記第2の振分状態に移行し、前記可動部が、前記振分手段と共に動作して前記第2の振分状態に対応した第2の入口配置状態に移行することを特徴とする遊技機。
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