以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、および表裏方向については、特に断りがない場合、遊技盤2の盤面の向きを基準とする。すなわち、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(図1に示されるパチンコ機1の向き)が基準となる。以下では便宜上、図1紙面の表裏方向をパチンコ機1の前後方向として説明を行う。また、パチンコ機1に使用される装置や部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、および前後方向を規定するものとする。
図1を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。パチンコ機1は、遊技盤2を着脱可能な本体枠10を備える。遊技盤2は正面視略正方形の板状である。本体枠10に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠10と、本体枠10の前側に装着された前面枠10Aの間で保持される。前面枠10Aは透明なガラス板を保持し、遊技盤2の前面を保護する。前面枠10Aには、ガラス板を取り囲むように電飾部材35が設けられる。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯または点滅する。
パチンコ機1の下側部分には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、発射装置37(図2参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9Cと左右ボタン9A,9Bが設けられる。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。発射ハンドル7は、遊技者による回転操作を受け付ける。遊技者が発射ハンドル7を操作すると、発射装置37は、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で遊技球を発射する。また、前面枠10A上部の左右両角部と、上皿5の左右両端部のそれぞれには、スピーカ48が設けられる。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成される。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられる。発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、遊技領域4内で、センター飾り8左側の左領域4A内を流下する。以下、左領域4A内を流下するように発射ハンドル7の回転角度を調整して遊技球を発射することを「左打ち」という。所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は、遊技領域4内で、センター飾り8右側の右領域4B内を流下する。以下、右領域4B内を流下するように発射ハンドル7の回転角度を調整して遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8の略中央下方には第一始動口14が設けられ、その下方に第二入賞口17が設けられる。第二入賞口17は開閉部材17Aを備え、開閉部材17Aが開放された場合にのみ、遊技球が第二入賞口17に入賞できる。第二入賞口17の内部には、特定領域(図示略)が設けられる。第二入賞口17の右斜め上方には第一入賞口16が設けられる。第一入賞口16は開閉部材16Aを備え、開閉部材16Aが開放された場合にのみ、遊技球が第一入賞口16に入賞できる。第一入賞口16の右斜め上方には第二始動口15が設けられ、その上方に普通図柄作動ゲート13が設けられる。第二始動口15は開閉部材15Aを備え、開閉部材15Aが開放された場合にのみ、遊技球が第二始動口15に入賞できる。
センター飾り8は、表示画面28、可動体31(図2参照)を主に備える。可動体31は、表示画面28の周囲に設けられる。可動体31は、可動部を動作させることで各種演出を行う。表示画面28はセンター飾り8の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成され、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。パチンコ機1は報知演出を実行し、第一大当り判定または第二大当り判定の結果を遊技者に報知する。第一大当り判定は、第一始動口14への遊技球の入賞を契機に行われる大当り判定である。第二大当り判定は、第二始動口15への遊技球の入賞を契機に行われる大当り判定である。大当り判定は、遊技者が多数の賞球を獲得できる大当り遊技の当否判定である。便宜上、第一大当り判定と第二大当り判定を区別しない場合に総じて「大当り判定」という。
表示画面28には、演出背景に重ねて、演出図柄281、第一保留図柄282、第二保留図柄283等が表示される。演出図柄281は、大当り判定の結果を報知するために用いられる複数(本実施形態では3つ)の演出用の図柄である。パチンコ機1は、3つの演出図柄281を変動させた後に、大当り判定の結果を示す組合せで演出図柄281を確定表示させる報知演出を実行することで、大当り判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、大当り判定の結果が大当りであることを示す演出図柄281の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄281による組合せである。
また、本実施形態のパチンコ機1には、大当り判定の結果が小当りとなった場合に実行される小当り遊技が搭載されている。大当り判定の結果が小当りであることを示す演出図柄281の組合せは、例えば「123」「737」等、予め小当りとして設定された3個の演出図柄281による数字の特定の組合せである。また、大当り判定の結果がハズレであることを示す演出図柄281の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄281が3個揃わない組合せ(小当りの組合せを除く)である。大当り判定の結果が大当りの場合は大当り遊技が行われ、大当り判定の結果が小当りの場合は小当り遊技が行われる。
第一保留図柄282、第二保留図柄283は、大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の数を表示するための演出用の図柄である。第一保留図柄282は、最大4つまでの第一保留球数を示す画像(例えばキャラクタ画像)である。第二保留図柄283は、最大4つまでの第二保留球数を示す画像(例えばキャラクタ画像)である。第一保留球数は、第一始動口14に入賞し、且つ第一大当り判定の結果がまだ表示されていない保留球の数である。第二保留球数は、第二始動口15に入賞し、且つ第二大当り判定の結果がまだ表示されていない保留球の数である。
遊技領域4には、上記以外に、一般入賞口20、アウト口36、各種の電飾部材、入賞口、風車および遊技くぎ等が設けられる。アウト口36は遊技盤2の下部に設けられる。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、第一入賞口16、第二入賞口17、および一般入賞口20のいずれにも入賞せず、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口36を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
遊技盤2の右下部には、大当り判定の結果、第一保留球数、第二保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当り判定および第二大当り判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。なお、便宜上、第一特別図柄と第二特別図柄を区別しない場合は総じて「特別図柄」という。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当り判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる特別図柄保留球数)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる普通図柄保留球数)を表示する。
図2を参照し、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板60、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、電源基板42を備える。
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41の主制御ユニット50には、CPU51、RAM52、ROM53が設けられる。CPU51は、各種の演算処理を行う。RAM52は、データを一時的に記憶する。ROM53は、制御プログラム等を記憶する。主制御ユニット50には、割込信号発生回路57が接続される。割込信号発生回路57は、例えば4ms毎に割込信号を発生し、主制御ユニット50に出力する。主制御基板41は、割込信号の入力を契機にプログラムを実行する。
主制御ユニット50は、I/Oインタフェイス54を介し、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ67、第二始動口スイッチ68に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ67は第一始動口14に設けられ、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ68は第二始動口15に設けられ、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板60は、CPU61、RAM62、ROM63を備える。CPU61は、主制御基板41から送信される各種の制御コマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。RAM62は、CPU61による演算処理で得られたデータを一時的に記憶する。ROM63は、報知演出を行うためのプログラム、およびプログラムが使用する各種フラグやデータの初期値等を記憶する。
サブ制御基板60は、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9C、左右ボタン9A,9B、スピーカ48に接続する。ランプドライバ基板46は、可動体31、電飾部材35、操作ボタン9Cに接続する。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板60から受信する各種の制御コマンドに従って、前面枠10Aの電飾部材35、センター飾り8の各種照明、操作ボタン9Cに内蔵するLED等の発光動作、可動体31の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板60から受信する各種の制御コマンドに従って表示画面28の表示を制御する。CGROM432は、各種演出に用いるための動画および静止画の画像データを記憶する。操作ボタン9C、左右ボタン9A,9Bは、遊技者の操作に応じた検出信号をサブ制御基板60に出力する。スピーカ48は、サブ制御基板60から送信される音声データに基づく音声を出力する。
払出制御基板45は、CPU451等を備える。CPU451は、主制御基板41から送信される各種の制御コマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞品球として払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、第一入賞口開閉ソレノイド70、第二入賞口開閉ソレノイド71、普通図柄作動スイッチ72、第一入賞口スイッチ73、第二入賞口スイッチ74、特定領域スイッチ75、一般入賞口スイッチ76、図柄表示部24に接続する。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当り遊技中に第二始動口15の開閉部材15Aを開閉する。第一入賞口開閉ソレノイド70は、大当り遊技中に第一入賞口16の開閉部材16Aを開閉する。第二入賞口開閉ソレノイド71は、大当り遊技中に第二入賞口17の開閉部材17Aを開閉する。普通図柄作動スイッチ72は、普通図柄作動ゲート13を通過した遊技球を検出する。第一入賞口スイッチ73は、第一入賞口16に入賞した遊技球を検出する。第二入賞口スイッチ74は、第二入賞口17に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ75は、特定領域を通過した遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ76は、一般入賞口20に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主制御基板41、払出制御基板45、発射装置37に接続されており、各基板と発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。サブ制御基板60、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、中継基板47には、主制御基板41を介して電力が供給される。発射装置37は、一定間隔(例えば0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ向けて発射する。
図3を参照し、RAM52の大当り関係情報記憶エリア100について説明する。大当り関係情報記憶エリア100に記憶されるデータは、後述する特別図柄処理(図11参照)において使用される。大当り関係情報記憶エリア100には第一大当り情報記憶エリア110、第二大当り情報記憶エリア120、判定エリア130、ポインタ記憶エリア135が設けられる。第一大当り情報記憶エリア110には、第一始動口14に遊技球が入賞した場合に取得される乱数が記憶される。第一大当り情報記憶エリア110には、エリア番号に対応付けた複数の記憶エリアが設けられる。エリア番号は例えば昇順に設定され、エリア番号記憶エリア111に記憶される。第一大当り情報記憶エリア110には、エリア番号記憶エリア111に対応付けて、第一大当り乱数記憶エリア112、第一特別図柄決定乱数記憶エリア113、第一変動パターン決定乱数記憶エリア114が設けられる。第二大当り情報記憶エリア120には、第二始動口15に遊技球が入賞した場合に取得される乱数が記憶される。第二大当り情報記憶エリア120には、エリア番号に対応付けた複数の記憶エリアが設けられる。エリア番号は例えば昇順に設定され、エリア番号記憶エリア121に記憶される。第二大当り情報記憶エリア120には、エリア番号記憶エリア121に対応付けて、第二大当り乱数記憶エリア122、第二特別図柄決定乱数記憶エリア123、第二変動パターン決定乱数記憶エリア124が設けられる。判定エリア130には、大当り乱数判定エリア132、特別図柄決定乱数判定エリア133、変動パターン決定乱数判定エリア134が設けられる。
遊技球が第一始動口14に入賞すると、第一大当り乱数カウンタ、第一特別図柄決定乱数カウンタ、第一変動パターン決定乱数カウンタのそれぞれの値が乱数として取得される。第一大当り乱数は、第一大当り判定に用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄の決定に用いられる。第一変動パターン決定乱数は第一変動パターンの決定に用いられる。第一変動パターンは、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す。第一大当り乱数と共に取得されて第一大当り情報記憶エリア110に記憶される各種乱数を総じて「第一乱数」という。第一始動口14に入賞した遊技球に対し、第一大当り判定を保留して第一乱数を記憶しておくことのできる数(第一保留球数)の最大数は4である。遊技球が第一始動口14に入賞した際に、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、エリア番号の小さい記憶エリアから順に、第一乱数が記憶される。すなわち第一大当り乱数、第一大図柄決定乱数、第一変動パターン決定乱数はエリア番号に対応付けられて、それぞれ第一大当り乱数記憶エリア112、第一特別図柄決定乱数記憶エリア113、第一変動パターン決定乱数記憶エリア114に記憶される。
遊技球が第二始動口15に入賞すると、第二大当り乱数カウンタ、第二特別図柄決定乱数カウンタ、第二変動パターン決定乱数カウンタのそれぞれの値が乱数として取得される。第二大当り乱数は、第二大当り判定に用いられる。第二特別図柄決定乱数は第二特別図柄の決定に用いられる。第二変動パターン決定乱数は第二変動パターンの決定に用いられる。第二変動パターンは、図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される第二特別図柄の変動時間を示す。第二大当り乱数と共に取得されて第二大当り情報記憶エリア120に記憶される各種乱数を総じて「第二乱数」という。なお、便宜上、第一乱数と第二乱数を区別しない場合は総じて「保留乱数」という。また、第一変動パターンと第二変動パターンを区別しない場合は総じて「変動パターン」という。第二始動口15に入賞した遊技球に対し、第二大当り判定を保留して第二乱数を記憶しておくことのできる数(第二保留球数)の最大数は4である。遊技球が第二始動口15に入賞した際に、第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、エリア番号の小さい記憶エリアから順に、第二乱数が記憶される。すなわち第二大当り乱数、第二大図柄決定乱数、第二変動パターン決定乱数はエリア番号に対応付けられて、それぞれ第二大当り乱数記憶エリア122、第二特別図柄決定乱数記憶エリア123、第二変動パターン決定乱数記憶エリア124に記憶される。
ポインタ記憶エリア135には、「判定中」と、保留[1]〜保留[8]の9つのポインタが設けられる。判定中のポインタは、大当り判定の対象となる第一乱数または第二乱数の記憶エリアに対応するエリア番号を指し示す。保留[1]〜保留[8]の各ポインタは、取得された第一乱数および第二乱数に対する処理が未だ行われていない記憶エリアに対応するエリア番号を指し示す。エリア番号は、第一乱数と第二乱数の取得順(いわゆる入賞順)に、保留[1]〜保留[8]の各ポインタに記憶される。なお、上記したように、第一保留球数と第二保留球数の最大数がそれぞれ4であるので、保留[1]〜保留[8]のポインタは8つ設けられる。故に、保留[1]〜保留[8]に空き(ポインタはNULLとなる)があっても、第一保留球数が4であれば、たとえ遊技球が第一始動口14に入賞しても第一乱数は取得されない。同様に、保留[1]〜保留[8]に空きがあっても、第二保留球数が4であれば、たとえ遊技球が第二始動口15に入賞しても第二乱数は取得されない。
主制御基板41のCPU51は、保留[1]のポインタが示すエリア番号に対応する第一乱数または第二乱数を判定エリア130の対応する判定エリアに書き込み、ポインタを更新する。具体的には、保留[2]〜保留[8]のポインタが示すエリア番号を、それぞれ、保留[1]〜保留[7]のポインタが示すエリア番号として更新する。保留[8]のポインタが示すエリア番号はNULLとなる。CPU51は、第一大当り判定または第二大当り判定等の各種処理を行う。CPU51は、第一変動パターンまたは第二変動パターンに従って、第一特別図柄または第二特別図柄の変動を開始する。第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間は、第一大当り判定の結果または第二大当り判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板60は、主制御基板41で決定された第一変動パターンまたは第二変動パターンに従って報知演出を制御する。サブ制御基板60は、第一特別図柄または第二特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄281の変動表示を開始する。
主制御基板41のCPU51は、変動を開始した第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の確定時間の間、確定表示させる。サブ制御基板60は、第一特別図柄または第二特別図柄の確定表示に同期して、演出図柄281を停止表示(確定表示)させる。また、サブ制御基板60は、演出図柄281による他、表示画面28、スピーカ48等によっても、第一変動パターンまたは第二変動パターンと同期した報知演出を実行する。報知演出が終了すると、CPU51は、更新後の保留[1]のポインタが示すエリア番号に対応する第一乱数または第二乱数を判定エリア130に書き込み、第一大当り判定または第二大当り判定等の処理を繰り返す。なお、処理が終了した第一乱数または第二乱数は、適宜消去してもよい。
なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過した時に取得される乱数を記憶するための普通当り関係情報記憶エリア(図示略)が設けられる。普通当り関係情報記憶エリアも、大当り関係情報記憶エリア100と類似の構成であり、最大4つの保留球に対応する乱数が記憶される。
図4、図5を参照し、ROM53に記憶する第一大当り種別決定テーブル140と第二大当り種別決定テーブル150について説明する。パチンコ機1は、大当り判定の結果が大当りである場合に、大当り判定の種別に応じ、第一大当り種別決定テーブル140または第二大当り種別決定テーブル150を参照する。第一大当り種別決定テーブル140は、第一大当り判定によって大当りと判定された場合に参照される。第二大当り種別決定テーブル150は、第二大当り判定によって大当りと判定された場合に参照される。
第一大当り種別決定テーブル140と第二大当り種別決定テーブル150には、複数種類の第一特別図柄または第二特別図柄が割り当てられており、各特別図柄と特別図柄決定乱数の値(0〜99)とが対応付けられる。各特別図柄は、複数の大当り種別のいずれかに分類される。大当り判定によって大当りと判定されると、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。決定された特別図柄に対応する大当り種別に応じて、ラウンド数、第一入賞口16の開閉部材16Aと第二入賞口17の開閉部材17Aの開閉パターン、時短状態の継続回数(時短回数)等が決定される。
大当り種別欄の「ラウンド数」は、1回の大当り遊技中に開閉部材16Aおよび開閉部材17Aが所定のパターンに沿って開閉される一連の開閉動作を繰り返し行う回数を示す。第一入賞口16および第二入賞口17の一連の開閉動作の一区切りを「ラウンド(R)」という。なお、一回の大当りでは複数ラウンドの遊技が行われるが、ラウンドの総数を示す場合には、例えば全5ラウンド(5R)、実質4ラウンド(実質4R)のように、単なる数値とラウンドを組み合わせて呼ぶものとする。また、個々のラウンドを特定する場合には、1ラウンド目(1R目)または第1ラウンド、2ラウンド目(2R目)または第2ラウンドのように、遊技が行われる順に順序を示す数値を付加したラウンド名で呼ぶものとする。大当り種別欄の「開閉パターン」は、開閉対象となる入賞口(第一入賞口16または第二入賞口17)と、開閉状態との組合せをラウンドごとに示したものである。開閉状態は、「ロング開放」または「ショート開放」のいずれの状態が生起されるかを示す。
ロング開放は、開閉部材16A,17Aの開閉パターンに、遊技球の入賞が容易な長時間(例えば10秒以上)、開放状態に維持されるパターンが含まれる開閉状態である。本実施形態では説明の簡略化のため、ロング開放が生起された場合、開閉部材16A,17Aは1回のラウンドにおいて1回且つ28秒間、開放されるものとする。ロング開放は、開閉部材16A,17Aが、例えば0.1秒間開放され、閉鎖から所定時間後に28秒間開放されるパターンのように、複数回の開閉が行われてもよい。ロング開放は、遊技球の入賞が容易な長時間の開放が含まれ、且つ開放時間の合計が30秒未満であればよい。
ショート開放は、開閉部材16A,17Aの開閉パターンに、遊技球の入賞が難しい短時間(例えば0.1秒)しか開放されないパターンのみが含まれる開閉状態である。本実施形態では説明の簡略化のため、ショート開放が生起された場合、開閉部材16A,17Aは1回のラウンドにおいて2回且つそれぞれ0.1秒間、開放されるものとする。ショート開放は、開閉部材16A,17Aが3回以上繰り返し開閉されるパターンであってもよいし、1回開閉されるだけのパターンであってもよい。ショート開放は、遊技球の入賞が困難な短時間の開放のみからなり、且つ開放時間の合計が30秒未満であればよい。
第二入賞口17がロング開放される場合、遊技球は第二入賞口17に入賞しやすくなるので、特定領域を通過しやすい。一方、第二入賞口17がショート開放される場合、遊技球は第二入賞口17への入賞が困難になるので、特定領域を通過することはほぼない。遊技球が特定領域を通過すると、パチンコ機1では、大当り遊技の終了後に、確率変動状態(以下「確変状態」という)が生起される。確変状態において、大当り判定で大当りと判定される確率は、約1/25である。開閉部材17Aの開放時に遊技球が第二入賞口17に入賞できず、特定領域を通過しなければ、パチンコ機1において確変状態は生起されず、非確率変動状態(以下「非確変状態」という)になる。非確変状態において、大当り判定で大当りと判定される確率は、約1/99である。
「時短回数」は、大当り遊技の終了後に生起される時短状態の継続回数を示す。時短状態では、第二始動口15の開閉部材15Aが開放される割合が通常の割合である非時短状態よりも高くなり、遊技球の消費を抑えつつ大当り判定を数多くこなすことができる。例えば大当りAの「64回」は、時短回数が64回であることを示し、大当り遊技の終了後に行われた大当り判定によって連続して大当り以外(小当りまたはハズレ)と判定された回数(以下、「判定回数」という)が64回に達するまで時短状態が継続することを示す。大当りB,C,Fについても同様である。なお、大当りA,Bは、大当り判定時の遊技状態が非確変状態である場合と確変状態である場合とで、大当り遊技後の時短回数が異なる。また、大当りD,Eの「次回まで」は、大当り遊技の終了後から次回の大当り遊技が開始されるまで、時短状態が継続することを示す。本実施形態では、時短回数として「65535回」がセットされることによって、実質的に、「次回まで」時短状態が継続する。「0回」は、大当り遊技の終了後に時短状態が生起されない(つまり、非時短状態が生起される)ことを示す。リミット回数については後述する。
上記したように、大当り遊技中、第一入賞口16の開閉部材16Aまたは第二入賞口17の開閉部材17Aが所定のパターンに沿って開閉される一連の開閉動作が行われるラウンド遊技が、ラウンド数の回数分、行われる。第一入賞口16および第二入賞口17は、1回のラウンドにおいて、ロング開放またはショート開放の開閉パターンに従う開閉動作が終了するか、規定上限数(本実施形態では第一入賞口16は9個、第二入賞口17は7個)の遊技球が入賞するか、いずれかの条件が満たされると閉鎖される。遊技者は、第一入賞口16、第二入賞口17に遊技球が入賞しやすい右打ちで大当り遊技を消化する。ラウンド数が多い大当り遊技の方が、獲得可能な賞球数が多くなるので、遊技者にとって有利である。
具体的に、第一大当り判定の結果が大当りの場合、大当りの85%は、5R(実質4R)大当り遊技終了後に非確変時短状態に移行し、時短状態の規定回数が64回に設定される大当りAに決定される。なお、「実質4R」とは、大当り遊技におけるラウンド数とは別に、実際に賞球を獲得可能なラウンド数を表す。例えば、大当りAでは、大当り遊技における5Rのうち、1R目はショート開放により第二入賞口17への遊技球の入賞が困難であり、遊技球を得ることは難しい。これに対し、2R〜5R目はロング開放により第一入賞口16への遊技球の入賞が容易であり、遊技球を獲得することが可能である。すなわち、賞球を獲得可能なラウンド数が実質的に4R分であることを示す。なお、確変状態において大当りAに決定された場合、時短状態の規定回数は0回に設定される。大当りの9%は、5R(実質4R)大当り遊技終了後に非確変時短状態に移行し、時短状態の規定回数が84回に設定される大当りBに決定される。なお、確変状態において大当りBに決定された場合、時短状態の規定回数は0回に設定される。大当りの6%は、16R(実質15R)大当り遊技終了後に非確変時短状態に移行し、時短状態の規定回数が94回に設定される大当りCに決定される。
また、第二大当り判定の結果が大当りの場合、大当りの50%は、5R(実質3R)大当り遊技終了後に確変時短状態に移行し、時短状態の規定回数が65535回に設定される大当りDに決定される。大当りの35%は、5R大当り遊技終了後に確変時短状態に移行し、時短状態の規定回数が65535回に設定される大当りEに決定される。なお、大当りDおよび大当りEが連続して3回決定された後の4回目に大当りDまたは大当りEに決定された場合、時短状態の規定回数は0回に設定される。大当りの15%は16R(実質15R)大当り遊技終了後に非確変時短状態に移行し、時短状態の規定回数が94回に設定される大当りFに決定される。
このように、パチンコ機1は、確変状態および時短状態の組合せにより、「非確変非時短状態」(以下「通常状態」という)、「非確変時短状態」、「確変時短状態」の三種類の遊技状態を生起する。ただし、この実施形態に限られず、パチンコ機1は、「確変非時短状態」等を加えた四種類以上の遊技状態を生起してもよい。また、パチンコ機1は、二種類以下の遊技状態を生起するものであってもよい。
次に、図6、図7を参照し、ROM53に記憶する変動パターン決定テーブル160A,160Bについて説明する。パチンコ機1は、大当り判定の種別に応じて変動パターン決定テーブル160A,160Bを参照する。変動パターン決定テーブル160A,160Bは、大当り判定時のフラグの状態(確変フラグ、時短フラグ、限定変動フラグ)と、大当り判定の結果(大当り、小当り、ハズレ)とに応じて複数のテーブルを備える。各テーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、それぞれの変動パターンは、変動パターン決定乱数の値(0〜65535)、第一保留球数および第二保留球数に対応付けられる。例えば大当り判定が行われると、変動パターン決定テーブル160A,160Bにおいて、その時点のフラグの状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当り乱数とともに取得される変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。大当り判定結果がハズレまたは小当りの場合は更に、第一保留球数と第二保留球数にも応じて変動パターンが決定される。なお、図6、図7では便宜上、1または複数種類の変動パターンを変動態様ごとにまとめて表示しているが、個々の変動パターンにはそれぞれ特定の値または数値範囲の変動パターン決定乱数が対応する。
変動パターンの変動態様には、非リーチとなる「通常」変動と、「リーチ演出」が行われる「ノーマルリーチ」変動、「スーパーリーチ」変動、「プレミアムリーチ」変動、「時短中リーチ」変動、「確変中リーチ」変動とが含まれる。リーチ演出とは、例えば3つの演出図柄281のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当りの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。非リーチの変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出である。
通常変動の変動パターンA1〜A4は、変動時間が2秒〜12秒の短い非リーチの変動パターンであり、大当り判定結果がハズレまたは小当りの場合に変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。そのうちの変動パターンA1,A2は、遊技状態に応じて、第一保留球数または第二保留球数が最大の4つ、または3つの場合に選択される。変動パターンA3,A4は、遊技状態に応じて、第一保留球数または第二保留球数が0〜2の場合に選択される。図示しないが、変動パターンA3とA4には、対応する変動パターン決定乱数の値にそれぞれ異なる数値範囲が定められている。なお、詳細は後述するが、非確変時短状態で限定変動フラグがONの場合において、大当り判定結果がハズレまたは小当りの場合には、変動パターンA1〜A3のいずれかの変動パターンが決定され、変動パターンA4は決定されない。
ノーマルリーチの変動パターンB1,B2は、変動時間が20秒または25秒の比較的短めのリーチ動作を伴う変動パターンであり、通常状態で、大当り判定結果がハズレの場合に、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。上記同様、変動パターンB1とB2には、対応する変動パターン決定乱数の値にそれぞれ異なる数値範囲が定められている。
スーパーリーチの変動パターンC1〜C3,Gは、変動時間がそれぞれ60秒,100秒,110秒,20秒で、変動パターンGを除き比較的長めのリーチ動作を伴う変動パターンである。変動パターンC1,C2は、通常状態において大当りまたはハズレの場合に、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。変動パターンC3は、通常状態において大当りの場合にのみ、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。変動パターンGは、通常状態において小当りの場合に、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。上記同様に、変動パターンC1〜C3には、対応する変動パターン決定乱数の値にそれぞれ異なる数値範囲が定められている。
プレミアムリーチの変動パターンD1〜D3は、変動時間がそれぞれ80秒,85秒,90秒の長めのリーチ動作を伴う変動パターンである。変動パターンD1,D2は、通常状態において大当りまたはハズレの場合に、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。変動パターンD3は、通常状態において大当りの場合にのみ、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。
時短中リーチの変動パターンE1〜E6は、変動時間が20秒〜45秒のリーチ動作を伴う変動パターンであり、非確変時短状態にのみ決定される。変動パターンE1〜E6は、限定変動フラグがOFFの場合には、変動パターン決定乱数の値に応じていずれかの変動パターンが決定されるが、限定変動フラグがONの場合、大当り時のみ、そのうちの変動パターンE2,E3,E5が変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。また、確変中リーチの変動パターンF1〜F3は、変動時間が22秒〜39秒のリーチ動作を伴う変動パターンであり、確変時短状態にのみ決定される。
次に、図8を参照し、サブ制御基板60のROM63に記憶する演出パターン決定テーブル180について説明する。サブ制御基板60のCPU61には、主制御基板41のCPU51からコマンドにより変動パターンが通知される。CPU61は、演出パターン決定テーブル180に基づいて、通知された変動パターンに対応する演出パターンを決定し、決定した演出パターンに沿った報知演出を行う。演出パターンは、演出ステージごとに、1つの変動パターンに対し1または複数の演出パターンが対応付けられている。演出ステージは、報知演出の背景となる状況や場面であり、本実施形態では5つのステージが設けられている。ステージI〜IIIは通常状態において選択される演出ステージであり、例えば、ステージIは屋内の場面、ステージIIは屋外の場面、ステージIIIは夕方の場面である。ステージIVは非確変時短状態において選択される演出ステージであり、例えば夜の場面である。ステージVは確変時短状態において選択される演出ステージであり、例えば闘技場の場面である。演出パターンは、それぞれの演出ステージに合わせた背景画像に重ねてキャラクタ、映像等を表示画面28に表示し、可動体31の動作、電飾部材35の明滅、スピーカ48の発音等を織り交ぜて行う報知演出の態様である。なお、背景画像は静止画像でも動画像でもよい。
通常変動の変動パターンA1〜A4のそれぞれには、変動時間と同じ演出時間(2秒,5秒,8秒,12秒)の演出パターンQ11〜Q15,Q21〜Q25,Q31〜Q35,Q41〜Q45が、ステージI〜ステージVの各ステージに対応付けられている。例えば通常状態で変動パターンA3が通知されたときの演出ステージがステージIIIであれば、演出パターンQ33による8秒の通常変動による報知演出が行われる。ノーマルリーチの変動パターンB1,B2のそれぞれには、変動時間と同じ演出時間(20秒,25秒)の演出パターンR11〜R13,R21〜R23が、ステージI〜ステージIIIの各ステージに対応付けられている。例えば通常状態で変動パターンB1が通知されたときの演出ステージがステージIであれば、演出パターンR11による20秒のノーマルリーチ演出が行われる。
スーパーリーチの変動パターンC1には、ステージIに対し演出パターンT11,T21,T31が、ステージIIに対し演出パターンT12,T22,T32が、ステージIIIに対し演出パターンT33がそれぞれ対応付けられている。変動パターンC1の変動時間と演出パターンT11〜T33の演出時間は同じ時間(60秒)である。スーパーリーチの変動パターンC2には、ステージIに対し演出パターンT41,T51,T61が、ステージIIに対し演出パターンT42,T52,T62が、ステージIIIに対し演出パターンT63がそれぞれ対応付けられている。変動パターンC2の変動時間と演出パターンT41〜T63の演出時間は同じ時間(100秒)である。スーパーリーチの変動パターンC3には、ステージI〜ステージIIIに対して演出パターンT71〜T73がそれぞれ対応付けられている。変動パターンC3の変動時間と演出パターンT71〜T73の演出時間は同じ時間(110秒)である。スーパーリーチの変動パターンGには、ステージI〜ステージIIIに対して演出パターンY1〜Y3がそれぞれ対応付けられている。変動パターンGの変動時間と演出パターンY1〜Y3の演出時間は同じ時間(20秒)である。例えば通常状態で変動パターンC2が通知されたときの演出ステージがステージIIであれば、演出パターンT42,T52,T62のうちのいずれかの演出パターンが例えば抽選により選択され、110秒のスーパーリーチ演出が行われる。
プレミアムリーチの変動パターンD1には、ステージIに対し演出パターンU11,U21,U31が、ステージIIに対し演出パターンU12,U22,U32が、ステージIIIに対し演出パターンU33がそれぞれ対応付けられている。変動パターンD1の変動時間と演出パターンU11〜U33の演出時間は同じ時間(80秒)である。プレミアムリーチの変動パターンD2には、ステージIに対し演出パターンU41,U51,U61が、ステージIIに対し演出パターンU42,U52,U62が、ステージIIIに対し演出パターンU63がそれぞれ対応付けられている。変動パターンD2の変動時間と演出パターンU41〜U63の演出時間は同じ時間(85秒)である。プレミアムリーチの変動パターンD3には、ステージI〜ステージIIIに対して演出パターンU71〜U73がそれぞれ対応付けられている。変動パターンD3の変動時間と演出パターンU71〜U73の演出時間は同じ時間(90秒)である。例えば通常状態で変動パターンD2が通知されたときの演出ステージがステージIIIであれば、演出パターンU63による90秒のプレミアムリーチ演出が行われる。
時短中リーチの変動パターンE1〜E6のそれぞれには、変動時間と同じ演出時間(20秒,25秒,30秒,35秒,40秒,45秒)でステージIV用の演出パターンW14,W24,W34,W44,W54,W64が対応付けられている。例えば非確変時短状態で変動パターンE6が通知されたとき、演出ステージはステージIVであり、演出パターンW64による45秒の時短中リーチ演出が行われる。同様に、確変中リーチの変動パターンF1〜F3のそれぞれにも、変動時間と同じ演出時間(22秒,30秒,39秒)でステージV用の演出パターンX15,X25,X35が対応付けられている。例えば確変時短状態で変動パターンF1が通知されたとき、演出ステージはステージVであり、演出パターンX15による22秒の確変中リーチ演出が行われる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、所定の条件が成立した場合に、非確変時短状態における演出パターンを、特定の演出パターンに差し替える処理が行われる。所定の条件とは、確変時短状態において大当りCまたはFが生起され、且つ、そのときに保留されている第二保留球に、大当りDまたはEが生起されることになる第二乱数が含まれる場合である。この場合、サブ制御基板60のCPU61は、確変保留連フラグをONにし、大当りCまたはFの大当り遊技後の非確変時短状態において行われる通常変動および時短中リーチ演出を、特定の報知演出に差し替える処理を行う。詳細は後述するが、確変時短状態の演出ステージはステージV(例えば闘技場の場面)であり、大当りCまたはFの生起後は非確変時短状態に移行するので、演出ステージはステージIV(例えば夜の場面)になる。しかし、第二保留球によって大当りDまたはEが生起されると、大当り後に再び確変時短状態に移行し、演出ステージはステージV(例えば闘技場の場面)に戻る。演出パターンの差し替えは、このように演出ステージが短期間で目まぐるしく移行する場合に行われる。
具体的には、非確変時短状態であり、且つ確変保留連フラグがONである場合に、通常変動の変動パターンA1,A2,A3に対応する演出パターンQ14,Q24,Q34が、それぞれ確変時短状態における演出パターンQ15,Q25,Q35に差し替えられる。また、時短中リーチの変動パターンE2,E3,E5に対応する演出パターンW24,W34,W54が、それぞれ確変時短状態における演出パターンX15,X25,X35に差し替えられる。なお、大当りCまたはFの大当り遊技が終了し、非確変時短状態に移行後、最初の数回の図柄変動ゲームの間(本実施形態では最初の5ゲーム間)は、限定変動フラグがONになる。非確変時短状態において限定変動フラグがONの場合、通常変動の変動パターンA4と、時短中リーチの変動パターンE1,E4,E6は、変動パターンに決定されない。
演出パターンQ14,Q24,Q34と、演出パターンQ15,Q25,Q35は、変動時間がそれぞれ同じであるが、演出パターンW24,W34,W54と、演出パターンX15,X25,X35は、変動時間がそれぞれ異なる。差し替えが行われる確変時短状態の演出パターンは、差し替え対象の非確変時短状態の演出パターンよりも演出時間が短い演出パターンのうち、最も演出時間の長い演出パターンが選択される。そして、演出時間の差分時間(例えば、演出パターンW24を演出パターンX15に差し替えた場合、演出パターンX15による報知演出が22秒で完了して変動時間の25秒になるまでの3秒間)は、演出図柄281が非確定状態に表示(例えば揺れ状態で表示)される。これにより、演出時間の違いにより遊技者が報知演出に対して違和感を覚えることが抑制される。
次に、図9を参照し、パチンコ機1における遊技について、概略的に説明する。右領域4Bにある第二始動口15の開閉部材15Aは、普通当り判定の結果に応じて開放される。普通当り判定は、遊技球が普通図柄作動ゲート13を通過すると行われる。時短状態において普通当りと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当りと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。普通当り判定において普通当りと判定されると、普通当り遊技が行われる。普通当り遊技では、第二始動口15の開閉部材15Aが少なくとも1回(本実施形態では5回)開閉される。開閉部材15Aの開放時間はショート開放(0.2秒)とロング開放(4.2秒)がある。非時短状態中は5回の開閉においてショート開放が多いパターンで開閉され、時短状態中は5回の開閉においてロング開放が多いパターンで開閉される。故に遊技球は、非時短状態よりも時短状態において、第二始動口15に容易に入賞することができる。右領域4Bを流下する遊技球は、遊技くぎの配置によって、開閉部材15Aの開放時に第二始動口15に入賞しやすくなるように調整されている。従って、確変時短状態中と非確変時短状態中は右打ちによって遊技を進行し、遊技球の消費を抑えることが、遊技者にとって有利となる。なお、遊技球が第二始動口15に入賞した場合に払い出される賞球数は2個であるが、遊技くぎの配置によって開放時の第二始動口15への入賞率が50%未満となるように調整されている。一方、非時短状態では普通当りと判定される確率が時短状態よりも低くなるので、遊技球は第二始動口15に入賞しにくくなる。従って通常状態(非確変非時短状態)中は、遊技者は左打ちによって遊技を進行し、開閉部材のない第一始動口14への遊技球の入賞を目指す。
通常状態における報知演出は、ステージI,II,IIIのいずれかの演出ステージにて行われる。なお、演出ステージは、あらかじめ設定されたシナリオに沿って移行される。また、シナリオの移行は、遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、確変時短状態、非確変時短状態、通常状態)の移行を契機に実行される。左領域4Aを流下する遊技球が第一始動口14へ入賞すると、第一大当り判定が行われる。第一大当り判定では、大当り、小当りまたはハズレのいずれであるかが、大当り乱数に基づいて判定される。第一大当り判定の結果を示す第一特別図柄は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される。
パチンコ機1では、第一大当り判定においては約1/145の確率で小当りと判定され、第二大当り判定においては約1/50の確率で小当りと判定される。通常状態において小当りと判定された場合の報知演出では、高確率でスーパーリーチに発展する報知演出が行われる。本実施形態の小当り遊技は、第一入賞口16の開閉部材16Aが0.6秒間の開放を2回実行することで終了する。小当りした場合に遊技球が第一入賞口16に入賞すれば賞球が払い出されるので、確変時短状態中と非確変時短状態中は右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。しかしながら、開閉部材16Aの開放時間が短いことから、小当り遊技中に遊技球が第一入賞口16に入賞することは難しい。なお、小当り遊技の前後において、遊技状態は変化しない。
第一大当り判定において大当りであると判定されると、大当り遊技が実行される。本実施形態の大当り遊技では、主に第一入賞口16の開閉部材16Aがラウンド数に応じた回数分、開閉される。第二入賞口17は大当り遊技の1R目に開閉される。第一入賞口16および第二入賞口17は、遊技球が右領域4Bを流下した場合に入賞しやすい。よって大当り遊技中、遊技者は右打ちで遊技を行う。パチンコ機1では、大当り遊技中に遊技球が第二入賞口17内の特定領域を通過することが、大当り遊技終了後に確変状態を生起する条件となっている。第一大当り判定で決定される大当りA〜Cでは、大当り遊技中の第二入賞口17の開放状態が、開放時間が極めて短い(例えば0.1秒間×2回)ショート開放であるので、遊技球が特定領域を通過することがほぼなく、確変状態はほぼ生起されない。故に第一大当り判定の結果が大当りである場合、大当り遊技後には非確変時短状態に移行する。
非確変時短状態における報知演出は、ステージIVの演出ステージにて行われる。時短状態においては普通当り判定において普通当りと判定される確率が高くなる。普通当りと判定されると第二始動口15の開閉部材15Aが開放されるので、時短状態中は第二始動口15に入賞しやすくなる。よって時短状態中、遊技者は右打ちで遊技を行う。第二始動口15へ遊技球が入賞すると第二大当り判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される。第二大当り判定において小当りまたはハズレと判定された場合、非確変時短状態が継続される。大当りと判定されずに判定回数が時短回数に達すると、遊技状態が通常状態に移行するので、遊技者は左打ちに戻す。非確変時短状態中に、第二大当り判定において大当りであると判定されると、上記と同様の大当り遊技が実行される。
第二大当り判定によって大当りFと判定された場合、第二入賞口17の開放状態はショート開放であり、開放時間が極めて短いので、遊技球が特定領域を通過することがほぼない。故に大当りFの場合、大当り遊技後には非確変時短状態に移行し、遊技者は右打ちを継続する。第二大当り判定によって大当りDまたは大当りEと判定された場合、第二入賞口17の開放状態はロング開放であり、右打ちによって遊技球を第二入賞口17に入賞させやすく、特定領域を通過させやすい。遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技終了後に確変状態が生起される。生起された確変状態は、大当り遊技終了後に実行された大当り判定において大当りと判定されるまで継続する。また、大当りDまたは大当りEと判定された場合の大当り遊技後には、実質的に次回まで継続する時短状態も生起されるので、遊技状態は確変時短状態に移行する。故に遊技者は右打ちを継続し、第二始動口15への遊技球の入賞を目指す。確変時短状態における報知演出は、ステージVの演出ステージにて行われる。
パチンコ機1は、いわゆるリミット機である。パチンコ機1の確変機能にはリミッタが設けられ、4回連続で確変状態が生起されると、大当り遊技終了後に通常状態に移行する。すなわち、確変時短状態に移行した後は、第二大当り判定によって連続して4回大当りDまたは大当りEと判定されるまで、または大当りFと判定されるまで、遊技状態は確変時短状態に維持される。遊技者は右打ちにより遊技球の消費を抑えつつ、次回の大当り当選までの遊技を楽しむことができる。
確変時短状態の第二大当り判定によって大当りFと判定された場合、または確変時短状態の第一大当り判定によって大当りCと判定された場合、大当り遊技後に非確変時短状態に移行する。非確変時短状態における報知演出は、ステージIVの演出ステージにて行われる。ここで、大当りCまたはFと判定されたときに保留されている第二保留球に、大当りDまたはEが生起されることになる第二乱数が含まれている場合がある。この場合、確変時短状態から大当りCまたはFを経て非確変時短状態に移行した後、数回の図柄変動ゲーム後に、大当りDまたはEを経て再び確変時短状態に移行することになる。すると、報知演出の演出ステージは、ステージVから大当りCまたはFを経てステージIVに数回の図柄変動ゲーム間だけ移行し、大当りDまたはEを経て再びステージVに戻ることになる。本実施形態では、前述したように、確変時短状態において大当りCまたはFが生起されたときの第二保留球に大当りDまたはEが生起される第二乱数が含まれる、いわゆる確変保留連が生じた場合、非確変時短状態における演出ステージをステージIVからステージVに差し替える。これにより、報知演出の演出ステージは、ステージVから大当りCまたはFを経てもステージVに維持され、数回の図柄変動ゲーム後に大当りDまたはEを経て更に、ステージVが継続されるのである。
パチンコ機1は、大当り遊技終了後に実行された大当り判定の判定回数が、規定回数に達すると確変状態が終了し、非確変状態へ移行する、いわゆる回数切り確変機能を搭載してもよい。また、パチンコ機1は、1回の大当り判定ごとに確変状態を終了させる転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合に確変状態を終了させてもよい。
以下、パチンコ機1の動作について説明する。まず、図10〜図22を参照し、主制御基板41のCPU51の動作を説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶された制御プログラムに従い、CPU51によって行われる。CPU51は、割込信号発生回路57(図2参照)が4ms毎に発生する割込信号を感知する度に、制御プログラムのメイン処理(図10参照)を実行する。以下、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
図10に示すように、メイン処理が開始されると、コマンド出力処理が行われる(S1)。コマンド出力処理では、各種の制御コマンドが、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実行されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。RAM52には、メイン処理における個々の処理で生成された各種の制御コマンドが、生成順に記憶される。コマンド出力処理では、各種の制御コマンドがRAM52の記憶順に出力される。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S2)。スイッチ読込処理では、第一始動口14、第二始動口15、普通図柄作動ゲート13、第一入賞口16、第二入賞口17、一般入賞口20やゲートに設けられた各スイッチの検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。第一始動口スイッチ67、第二始動口スイッチ68、普通図柄作動スイッチ72、第一入賞口スイッチ73、第二入賞口スイッチ74、特定領域スイッチ75、一般入賞口スイッチ76、その他のスイッチ(図示略)の各々が遊技球を検出した場合、それぞれに対応するフラグ(第一始動口入賞フラグ、第二始動口入賞フラグ、普通図柄ゲート通過フラグ、第一入賞口入賞フラグ、第二入賞口入賞フラグ、特定領域フラグ、一般入賞口入賞フラグ等)がONになる。各スイッチが遊技球を非検出の場合、それぞれに対応する各フラグはOFFになる。
次に、カウンタ更新処理が行われる(S3)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が更新(例えば1加算)される。また、各種タイマカウンタの値が減算される。タイマカウンタには、特別図柄の変動時間を計測する特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄の停止時間を計測する特別図柄停止時間カウンタ、ラウンド間の待機時間を計測する入賞口処理待機時間カウンタ等がある。
次に、特別電動役物処理が行われる(S5)。特別電動役物処理では、大当り遊技と小当り遊技の動作(第一入賞口16の開閉部材16Aと第二入賞口17の開閉部材17Aの開閉動作)を制御するための処理と、大当り遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。特別電動役物処理については後述する。
次に、特別図柄処理が行われる(S6)。特別図柄処理では、大当り判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、遊技状態の移行処理等が行われる。特別図柄処理については後述する。
次に、普通電動役物処理が行われる(S7)。普通電動役物処理では、普通当りとなった場合に普通当り遊技の動作(第二始動口15の開閉部材15Aの開閉動作)を制御するための処理が行われる。時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く第二始動口15の開閉部材15Aが開放される。なお、CPU51は、時短フラグがONであれば、時短状態中であると判断する。
次に、普通図柄処理が行われる(S8)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ72が遊技球を検出することを契機に普通当り乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当り判定、普通図柄の変動を制御するための制御コマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当り判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率(99/100または4/100)で判定される。
次に、払出処理(S10)、エラーチェック(S11)、情報出力処理(S12)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28、スピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。情報出力処理が終わると、メイン処理を終了する。
図11〜図18を参照し、特別図柄処理について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグ、カウンタ、変数等について説明する。RAM52には、第一始動口入賞フラグ、第二始動口入賞フラグ、第一保留球数カウンタ、第二保留球数カウンタ、当り遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ、確変保存フラグ、時短保存フラグ、判定回数カウンタ、時短回数(変数)、セット数カウンタ、確変保留連フラグ、限定変動フラグ、変数i等が記憶される。
前述したように、第一始動口入賞フラグと第二始動口入賞フラグは、それぞれ、第一始動口スイッチ67と第二始動口スイッチ68に対応してONまたはOFFになる。第一保留球数カウンタ、第二保留球数カウンタは、それぞれ第一保留球数、第二保留球数を計数する。当り遊技状態フラグは、大当り遊技中または小当り遊技中にONになり、大当り遊技中でなく小当り遊技中でもない場合にはOFFになる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態中にONになり、非確変状態中はOFFになる。時短フラグは、時短状態中にONになり、非時短状態中はOFFになる。確変保存フラグは、確変状態中に大当り判定で小当りと判定された場合にONになり、小当り遊技が終了するとOFFになる。時短保存フラグは、時短状態中に大当り判定で小当りと判定された場合にONになり、小当り遊技が終了するとOFFになる。
判定回数カウンタは、大当り判定の回数を計数する。判定回数カウンタは、RAMクリア時と大当り遊技開始時に「0」にリセットされ、特別図柄の停止表示が終了したときに1加算される。時短回数(変数)は、時短状態を終了する判定回数を設定する。時短回数は大当り遊技開始時に大当り種別に応じてセットされる。セット数カウンタは、大当り遊技中のラウンド数を計数するカウンタである。セット数カウンタは、大当り遊技開始時に大当り種別によって指定されるラウンド数がセットされ、ラウンド遊技の終了時に1減算される。セット数カウンタは、小当り遊技時にも使用される。小当り遊技開始時にはセット数カウンタに2がセットされ、開閉部材16Aの閉鎖時に1減算される。確変保留連フラグは、確変時短状態で大当りCまたはFが生起され、且つその時の第二保留球に、大当りDまたはEが生起されることになる第二乱数が含まれる場合にONになり、大当りDまたはEが生起された場合にOFFになる。限定変動フラグは、後述する特別電動役物処理において大当りCまたはFの大当り遊技終了時にONになり、大当りが生起された場合もしくは大当りCまたはFの大当り遊技後の非確変時短状態で所定回数の図柄変動ゲーム(5ゲーム)が行われた場合にOFFになる。変数iは、乱数先読み処理において、保留[i]のポインタを指定するため用いられる。
図11に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口入賞フラグの状態によって、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口入賞フラグがOFFの場合(S21:NO)、処理はS31へ移行する。第一始動口入賞フラグがONの場合(S21:YES)、第一保留球数が4であるか否かが判断される(S22)。第一保留球数カウンタの値が4であれば(S22:YES)、第一保留球数が最大数に達しているので、処理はS31へ移行する。
第一保留球数が4でない場合には(S22:NO)、第一保留球数が1加算される(S23)。加算後の第一保留球数を報せる第一保留球数通知コマンドがRAM52に記憶される(S25)。第一保留球数通知コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板60に送信される。各種乱数(第一乱数)が取得され(S26)、第一大当り情報記憶エリア110(図3参照)におけるエリア番号の小さい空きの記憶エリアに記憶される(S27)。具体的には、第一大当り乱数記憶エリア112、第一特別図柄決定乱数記憶エリア113、第一変動パターン決定乱数記憶エリア114に、第一大当り乱数カウンタ、第一特別図柄決定乱数カウンタ、第一変動パターン決定乱数カウンタの値がそれぞれ記憶される。
処理はS31へ移行し、第二始動口入賞フラグの状態によって、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S31)。第二始動口入賞フラグがOFFの場合(S31:NO)、処理はS41へ移行する。第二始動口入賞フラグがONの場合(S31:YES)、第二保留球数が4であるか否かが判断される(S32)。第二保留球数カウンタの値が4であれば(S32:YES)、第二保留球数が最大数に達しているので、処理はS41へ移行する。
第二保留球数が4でない場合には(S32:NO)、第二保留球数が1加算される(S33)。加算後の第二保留球数を報せる第二保留球数通知コマンドがRAM52に記憶される(S35)。第二保留球数通知コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板60に送信される。上記同様、各種乱数(第二乱数)が取得され(S36)、第二大当り情報記憶エリア120におけるエリア番号の小さい空の記憶エリアに記憶される(S37)。具体的には、第二大当り乱数記憶エリア122、第二特別図柄決定乱数記憶エリア123、第二変動パターン決定乱数記憶エリア124に、第二大当り乱数カウンタ、第二特別図柄決定乱数カウンタ、第二変動パターン決定乱数カウンタの値がそれぞれ記憶される。
図12に示すように、当り遊技状態(大当り遊技状態または小当り遊技状態)であるか否かが判断される(S41)。大当り遊技状態中または小当り遊技状態中であり、当り遊技状態フラグがONの場合(S41:YES)、特別図柄に係る処理を行わないので、メイン処理に戻る。当り遊技状態フラグがOFFの場合(S41:NO)、特別図柄(第一特別図柄または第二特別図柄)が変動中か否かが判断される(S42)。特別図柄表示状態フラグが1でなく特別図柄が変動中でない場合(S42:NO)、処理はS51へ移行し、特別図柄が停止表示中か否かが判断される(S51)。特別図柄表示状態フラグが2でなく特別図柄が停止表示中でない場合(S51:NO)、処理はS61へ移行する。
次に、保留球があるか否かが判断される(S61)。第一保留球数と第二保留球数が共に0であれば(S61:NO)、保留球がないので、処理はメイン処理に戻る。第一保留球数と第二保留球数の少なくとも一方が1以上の場合(S61:YES)、大当り関係情報記憶エリア100にて保留[1]のポインタが示すエリア番号に対応する保留乱数(第一乱数または第二乱数)が判定エリア130に書き込まれ(S62)、ポインタが更新される(S63)。
判定対象の保留乱数が第一保留球に係る第一乱数であるか否かが判断される(S65)。判定対象の保留乱数が第一保留球に基づく保留である場合は(S65:YES)、S71(図13参照)に移行し、大当り乱数判定エリア132に書き込まれた第一大当り乱数に対し、確変状態であるか否かに応じて第一大当り判定が行われる(S71)。また、判定対象の保留乱数が第二保留球に基づく保留である場合は(S65:NO)、S91(図14参照)に移行し、大当り乱数判定エリア132に書き込まれた第二大当り乱数に対し、確変状態であるか否かに応じて第二大当り判定が行われる(S91)。
第一大当り判定(S71)、第二大当り判定(S91)では、確変フラグの状態が参照され、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。図示しないが、ROM53には、大当り判定を行うためのテーブルとして低確率判定テーブルと高確率判定テーブルが記憶される。低確率判定テーブルは、非確変状態中の大当り判定に用いられるテーブルであり、大当り、小当りまたはハズレに対応する大当り乱数の乱数値が定義される。高確率判定テーブルは、確変状態中の大当り判定に用いられるテーブルであり、大当り、小当りまたはハズレに対応する大当り乱数の乱数値が定義される。高確率判定テーブルにおいて大当りに対応する乱数値の数(例えば65536個中2621個)は、低確率判定テーブルにおいて大当りに対応する乱数値の数(例えば65536個中661個)よりも多い。確変状態が生起されている場合には高確率判定テーブルが選択され、生起されていない場合には低確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照され、判定エリア130に記憶される大当り乱数(第一大当り乱数または第二大当り乱数)が大当り、小当りまたはハズレであるかが判定される。
図13に示すように、第一大当り判定の結果(S71)、大当りである場合(S72:YES)、大当りを示す第一特別図柄が決定される(S77)。より詳細には、ROM53に記憶された第一特別図柄決定テーブル(図示略)が参照され、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。第一大当りにおける大当り種別(大当りA,B,C)は、第一特別図柄に対応付けられており、第一特別図柄に応じた大当り種別が決定される(S78)。処理はS81へ移行する。第一大当り判定の結果、小当りである場合(S72:NO、S73:YES)、小当りを示す第一特別図柄が決定され(S76)、処理はS81へ移行する。第一大当り判定の結果、ハズレである場合(S72:NO、S73:NO)、ハズレを示す第一特別図柄が決定され(S75)、処理はS81へ移行する。
次に、第一変動パターン決定処理が行われる(S81)。第一変動パターン決定処理では変動パターン決定テーブル160A,160Bが参照され、第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一特別図柄の変動パターン(第一変動パターン)が決定される。第一変動パターンが決定されると、確変保留連フラグがONであるか否かが判断される(S82)。確変保留連フラグがOFFの場合はそのままS85に移行し(S82:NO)、確変保留連が生じて確変保留連フラグがONの場合は(S82:YES)、変動差替コマンドが記憶されてRAM52に記憶されて(S83)、S85に移行する。変動差替コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板60に送信される。次いで、第一変動パターンを指定するための第一変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S85)。第一変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板60に送信される。第一変動パターンに応じて定められる第一特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされ(S86)、特別図柄表示状態フラグに第一特別図柄が変動中であることを示す1が記憶される(S87)。第一保留球数が減算されて(S88)、処理はメイン処理に戻る。
図14に示すように、第二大当り判定の結果(S91)、大当りである場合(S92:YES)、大当りを示す第二特別図柄が決定される(S97)。より詳細には、ROM53に記憶された第二特別図柄決定テーブル(図示略)が参照され、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。第二大当りにおける大当り種別(大当りD,E,F)は、第二特別図柄に対応付けられており、第二特別図柄に応じた大当り種別が決定される(S98)。処理はS101へ移行する。第二大当り判定の結果、小当りである場合(S92:NO、S93:YES)、小当りを示す第二特別図柄が決定され(S96)、処理はS101へ移行する。第二大当り判定の結果、ハズレである場合(S92:NO、S93:NO)、ハズレを示す第二特別図柄が決定され(S95)、処理はS101へ移行する。
次に、第二変動パターン決定処理が行われる(S101)。第二変動パターン決定処理では変動パターン決定テーブル160A,160Bが参照され、第二変動パターン決定乱数の値に対応する第二特別図柄の変動パターン(第二変動パターン)が決定される。第二変動パターンが決定されると、確変保留連フラグがONであるか否かが判断される(S102)。確変保留連フラグがOFFの場合はそのままS105に移行し(S102:NO)、確変保留連が生じて確変保留連フラグがONの場合は(S102:YES)、変動差替コマンドが記憶されてRAM52に記憶されて(S103)、S105に移行する。変動差替コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板60に送信される。次いで、第二変動パターンを指定するための第二変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S105)。第二変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板60に送信される。第二変動パターンに応じて定められる第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされ(S106)、特別図柄表示状態フラグに第二特別図柄が変動中であることを示す1が記憶される(S107)。第二保留球数が減算されて(S108)、処理はメイン処理に戻る。
また、図12に示すように、特別図柄表示状態フラグに1が記憶される場合には、S42において特別図柄が変動中であると判断される(S42:YES)。S86またはS106でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値に基づき、特別図柄の変動時間が経過したか否かが判断される(S43)。特別図柄変動時間カウンタの値が0でない場合には、変動時間がまだ経過していないと判断され(S43:NO)、処理はメイン処理に戻る。変動時間が経過した場合には(S43:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S45)。特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理において中継基板47とサブ制御基板60に送信され、図柄表示部24の特別図柄と、表示画面28の演出図柄281の変動停止を指示する。所定の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S46)。特別図柄表示状態フラグに特別図柄が停止表示中であることを示す2が記憶され(S47)、処理はメイン処理に戻る。
次に、S51の判断において、特別図柄表示状態フラグが2の場合、特別図柄が停止表示中であると判断されて(S51:YES)、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S52)。停止表示時間の経過の有無は、S46でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値に基づいて判断される。特別図柄停止時間カウンタの値が0でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S52:NO)、処理はメイン処理に戻る。停止表示時間が経過した場合には(S52:YES)、特別図柄表示状態フラグに特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す0が記憶される(S53)。次いで、遊技状態移行処理が行われる(S55)。
図15〜図18を参照し、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理では、判定回数カウンタに1が加算され、すなわち特別図柄の停止表示が終了したときに判定回数が1回増える(S151)。通常状態では左打ちによる遊技が行われ、主に第一大当り判定が行われる。第一大当り判定でハズレとなった場合(S152:NO、S153:NO、S155:NO)、通常状態では時短フラグがOFFである(S161:NO)。RAM52に状態指定コマンド[通常状態]([ ]内は遊技状態を示す変数を表す)が記憶され(S173)、処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。
第一大当り判定の結果が小当りであった場合(S155:YES)、通常状態では確変フラグはOFFで(S181:NO)、時短フラグもOFFであるので(S185:NO)、処理はS191に移行し、セット数カウンタに2がセットされる(S191)。当り遊技状態フラグがONになり(S192)、RAM52に小当り遊技開始コマンドが記憶される(S193)。小当り遊技開始コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。
第一大当り判定の結果が大当りであった場合(S152:YES)、図16に示すように、S201〜S217で、大当り種別に応じてセット数と時短回数がセットされる。大当り種別が大当りCの場合(S201:YES)、セット数には16がセットされ(S202)、時短回数には94がセットされる(S203)。次に確変フラグの状態が判断されるが、通常状態では確変フラグはOFFであるので(S205:NO)、処理はS221に移行する。大当り種別が大当りAまたは大当りBの場合(S201:NO)、セット数には5がセットされる(S211)。通常状態において、確変フラグはOFFである(S212:NO)。大当り種別が大当りAの場合(S213:YES)、時短回数には64がセットされ(S215)、大当り種別が大当りBの場合(S213:NO)、時短回数には84がセットされて(S216)、処理はS221に移行する。
大当り遊技の開始前、時短フラグと確変フラグはOFFにセットされる(S221)。また、限定変動フラグもOFFになる(S222)。当り遊技状態フラグがONになり(S223)、判定回数カウンタに0がセットされる(S225)。第一大当り判定の結果に基づく大当り遊技が開始することを示す第一大当り遊技開始コマンドがRAM52に記憶される(S226)。第一大当り遊技開始コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。
第一大当り判定の結果に基づく大当り遊技後は非確変時短状態に移行し、右打ちによる遊技が行われ、主に第二大当り判定が行われる。図15に示すように、第二大当り判定でハズレの場合で(S152:NO、S153:NO、S155:NO)、時短状態中は時短フラグがONであるので(S161:YES)、限定変動フラグの状態が判断される(S162)。限定変動フラグは、大当りCまたはFの大当り遊技終了時にONになる。大当りAまたはB後の非確変時短状態であれば限定変動フラグはOFFであり(S162:YES)、処理はS171に移行する。また、大当りC後の非確変時短状態において(S162:YES)、判定回数が5回以下の場合は(S163:YES)、限定変動フラグがONの状態に維持され、処理はS171に移行する。判定回数が6回目になると(S163:NO)、限定変動フラグはOFFになり(S165)、処理はS171に移行する。
S171では、判定回数が時短回数に達したか否かが判断される(S171)。判定回数が時短回数に達する前は(S171:NO)、非確変時短状態が継続される。確変フラグはOFFである(S175:NO)。RAM52に状態指定コマンド[非確変時短状態]が記憶され(S177)、処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。
第二大当り判定で小当りの場合は(S155:YES)、第一大当り判定で小当りの場合と同様の処理が行われる(S181〜S193)。このとき確変フラグはOFFであるが(S181:NO)、時短フラグはONであるので(S185:YES)、時短保存フラグがONになり(S186)、小当り遊技が行われる前に時短フラグはOFFにされる(S187)。なお、時短保存フラグがONである場合、特別電動役物処理において、小当り遊技後に時短フラグがONにされる。
非確変時短状態における図柄変動ゲームが進行し、第二大当り判定でハズレとなったゲームで判定回数が時短回数に達した場合(S152:NO、S153:NO、S155:NO、161:NO、S171:YES)、時短フラグがOFFになり(S172)、遊技状態は通常状態に移行する。RAM52に状態指定コマンド[通常状態]が記憶され(S173)、処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。
非確変時短状態中の第二大当り判定で大当りとなった場合(S153:YES)、図17に示すように、S231〜S243で、大当り種別に応じてセット数と時短回数がセットされる。大当り種別が大当りFの場合(S231:YES)、セット数には16がセットされ(S232)、時短回数には94がセットされる(S233)。次に確変フラグの状態が判断されるが、非確変時短状態では確変フラグはOFFであるので(S235:NO)、処理はS251に移行する。大当りFの大当り遊技後は再度、非確変時短状態に移行する。
大当り種別が大当りD,Eの場合は(S231:NO)、セット数に5がセットされる(S241)。大当りDまたは大当りEの場合の大当り遊技後は確変時短状態に移行し、次回までの時短状態が生起される。よって、時短回数に65535がセットされる(S242)。確変保留連フラグはOFFになり(S243)、処理はS251に移行する。
大当り遊技の開始前、時短フラグと確変フラグはOFFにセットされる(S251)。また、限定変動フラグもOFFになる(S252)。当り遊技状態フラグがONになり(S253)、判定回数カウンタに0がセットされる(S255)。第二大当り判定の結果に基づく大当り遊技が開始することを示す第二大当り遊技開始コマンドがRAM52に記憶される(S256)。第二大当り遊技開始コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。
大当りDまたは大当りEの場合の大当り遊技後は確変時短状態に移行する。右打ちによる遊技が継続され、主に第二大当り判定が行われる。図15に示すように、確変時短状態中、確変フラグと時短フラグはONであり、実質的に、「次回まで」時短状態が継続する(S161:YES、S162:NO、S171:NO、S175:YES)。RAM52に状態指定コマンド[確変時短状態]が記憶され(S176)、処理は特別図柄処理に戻り、さらにメイン処理に戻る。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。
確変時短状態中、第二大当り判定で小当りの場合は(S155:YES)、上記同様の処理が行われる(S181〜S93)。このとき確変フラグがONであるので(S181:YES)、確変保存フラグがONになり(S182)、小当り遊技が行われる前に確変フラグはOFFにされる(S183)。また、時短フラグもONであるので(S125:YES)、時短保存フラグがONになり(S126)、小当り遊技が行われる前に時短フラグはOFFにされる(S127)。なお、確変保存フラグと時短保存フラグがONである場合、特別電動役物処理において、小当り遊技後に確変フラグと時短フラグがONにされる。
なお、パチンコ機1の確変機能のリミッタは、確変状態が連続して生起されると作動する構成である。故に確変時短状態中の第二大当り判定で大当りFが生ずることなく大当りDまたは大当りEが繰り返し生じた場合、確変状態の連続生起回数を計数するリミット回数が加算される。そしてリミット回数が上限として設定された4回に達すると、特別電動役物処理においてリミット回数がリセットされ、通常状態に移行する。また、非確変状態となる大当りが生じた場合にも、リミット回数はリセットされる。
ところで、確変時短状態において、仮に遊技者がリミット回数の上限到達を避けようと敢えて左打ちした場合、第一大当り判定で大当りとなる可能性がある。この場合の大当りは、本来ならばリミット回数が上限に達することで通常状態に移行するはずのところが非確変時短状態に移行してしまう、イレギュラーな大当りである。図16に示すように、パチンコ機1では、確変時短状態(確変フラグON)において大当りAまたは大当りBが生じた場合(S201:NO、S212:YES)、時短回数に0がセットされ(S2017)、S221に移行する。そして時短回数が0の場合、大当り遊技後には通常状態に移行する。これにより、パチンコ機1は、イレギュラーな大当りによって遊技者が有利になってしまうことを防止することができる。なお、大当りCは、確変状態中に第二大当り判定で判定される大当りFと同じ時短回数であるため、確変時短状態において生じても、イレギュラーな大当りからは除外される。
また、確変時短状態において大当りCが生起された場合(S201:YES、S205:YES)または、確変時短状態において大当りFが生起された場合(S231:YES、S235:YES)、第二保留球の先読みを行うため、乱数先読み処理が実行される(S206またはS236)。
図18に示すように、乱数先読み処理では、変数iに1がセットされ(S261)、保留[i(=1)]の保留乱数がRAM62に読み込まれる(S262)。読み込まれた保留乱数がNULLの場合(S263:YES)、保留がないので、乱数先読み処理は終了し、処理は遊技状態移行処理に戻る。読み込まれた保留乱数がNULLでなければ(S263:NO)、保留[i(=1)]のポインタが示すエリア番号が、第二乱数の記憶エリアに対応するエリア番号か否かが判断される(S265)。保留[i]のポインタが示すエリア番号が、第一乱数の記憶エリアに対応するエリア番号である場合(S265:NO)、iに1が加算され(S270)、処理はS262に戻る。
保留[i(=2)]の保留乱数が読み込まれ(S262)、NULLでなく(S263:NO)、保留[i(=2)]のポインタが第二乱数に係るエリア番号を示す場合(SP265:YES)、保留乱数(第二乱数)が大当りDまたはEを生起することになる乱数であるか否かが判断される(S266、S267)。保留乱数が大当りDまたはEを生起しない乱数(大当りF、小当り、ハズレ)の場合(S266:NO、S267:NO)、iに1が加算され(S270)、処理はS262に戻る。保留乱数が大当りDまたはEを生起することになる乱数である場合(S266:YES、または、S266:NO、S267:YES)、確変保留連フラグがONになり(S268)、処理は遊技状態移行処理に戻る。
このように、確変時短状態において大当りCまたはFが生起された場合に、乱数先読み処理によって、その時点の保留球に大当りDまたはEを生起することになる第二乱数が含まれるか否かが判断される。そして、保留球に大当りDまたはEを生起することになる第二乱数が含まれる場合、確変保留連フラグがONになることによって、大当りCまたはFの大当り遊技後の非確変時短状態において、変動差替コマンドがサブ制御基板60に送信される。
次に、図19〜図22を参照し、特別電動役物処理について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグ、カウンタ等について説明する。RAM52には開放中フラグ、待機中フラグ、V通過フラグ、待機時間カウンタ、リミット回数カウンタ等が記憶される。
開放中フラグは、第一入賞口16または第二入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグである。開放状態は、開閉部材16A,17Aが開閉パターンに沿って開放および閉鎖する動作が行われている状態である。なお、開閉部材16A,17Aに対し開閉パターンに沿う動作が行われていない状態は、閉鎖状態である。開放中フラグは、第一入賞口16の開閉部材16Aが開放状態の場合に「1」が記憶され、第二入賞口17の開閉部材17Aが開放状態の場合に「2」が記憶されてONになり、開閉部材16A,17Aのいずれも開放状態でない場合(閉鎖状態の場合)に「0」が記憶されてOFFになる。なお、本実施形態において、第一入賞口16と第二入賞口17が同時に開放状態になることはない。待機中フラグは、ラウンド間で開閉部材16Aまたは開閉部材17Aを閉鎖状態に維持し、次回の開放を待機する場合にONになり、非待機時にはOFFになる。V通過フラグは、第二入賞口17へ入賞した遊技球が特定領域を通過したことがスイッチ読込処理において検出されるとONになり、遊技球が特定領域を通過したことに応じた所定の処理が終了するとOFFになる。待機時間カウンタは、ラウンド間で次のラウンド遊技の開始を待機する待機時間を計数するカウンタである。リミット回数カウンタは、確変状態の連続生起回数を計数する。リミット回数カウンタは、大当り判定で大当りDまたはEが判定されると1加算され、他の大当り(大当りA〜C,F)が判定されるとリセットされる。また、リミット回数が上限の4回になった場合にもリセットされる。
図19に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当り遊技状態中または小当り遊技状態中であるか否かが判断される(S301)。大当りまたは小当りが生起されておらず、当り遊技状態フラグがOFFの場合(S301:NO)、第一入賞口16の開閉部材16Aまたは第二入賞口17の開閉部材17Aの開閉制御が行われないので、処理はメイン処理に戻る。当り遊技状態フラグがONの場合(S301:YES)、処理はS302に移行する。大当り遊技または小当り遊技の開始時、第一入賞口16、第二入賞口17の開閉動作はまだ行われておらず、待機中フラグはOFFである(S302:NO)。
次に、開放中フラグが1であればS321に移行し(S306:YES)、開放中フラグが2であればS331に移行し(S306:NO、S307:YES)、開放中フラグが0であればS308に移行する(S306:NO、S307:NO)。開閉部材16Aまたは開閉部材17Aの開閉制御が行われる前の開放中フラグは0である。よって処理はS308に移行し、開閉部材16Aまたは開閉部材17Aのいずれの開閉制御を行うかについて判断が行われる。
第二入賞口17の開閉部材17Aは、大当り遊技の1R目に開放される。よって大当り遊技の1R目である場合(S308:YES)、大当り種別に応じた第二入賞口17の開閉状態(ロング開放またはショート開放)に応じた開閉パターンがセットされる(S316)。RAM52に第二入賞口開放開始コマンドが記憶され(S317)、開放中フラグに2が記憶される(S318)。第二入賞口開放開始コマンドには、第二入賞口17の開閉状態を通知する情報が含まれる。第二入賞口開放開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信され、第二入賞口開閉ソレノイド71の駆動により、開閉部材17Aが開閉状態に応じた開閉パターンに沿って開閉される。処理はメイン処理に戻る。
開放中フラグが2になると(S307:YES)、第二入賞口17が開放状態になり、開閉パターンに従う開閉部材17Aの一連の開閉動作が開始される。図20に示すように、遊技球が第二入賞口17内の特定領域を通過したか否かが判断される(S331)。スイッチ読込処理(S2)において特定領域スイッチ75に対応するフラグがONであれば(S331:YES)、遊技球が特定領域を通過したので、V通過フラグがONになる(S332)。特定領域スイッチ75に対応するフラグがOFFであれば(S331:NO)、処理はS333に移行する。よって、V通過フラグは、遊技球が一度でも特定領域を通過すればONになり、ONの状態が維持される。
第二入賞口17への遊技球の入賞数が規定数(7個)未満であり(S333:NO)、且つ開閉パターンに従う開閉部材17Aの一連の開閉動作が終了する前は(S335:NO)、開閉部材17Aは開放状態に維持される。よって、処理はそのままメイン処理に戻る。遊技球が第二入賞口17に規定数以上入賞した場合(S333:YES)、あるいは入賞した遊技球が規定数未満であっても開閉パターンに従う一連の開閉動作が終了した場合(S333:NO、S335:YES)、第二入賞口17は閉鎖状態になる。RAM52に第二入賞口開放終了コマンドが記憶され(S336)、開放中フラグに0が記憶される(S337)。第二入賞口開放終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信され、第二入賞口開閉ソレノイド71の駆動により、開閉部材17Aが閉鎖される。遊技状態移行処理でセットされたセット数カウンタが1減算され(S338)、待機時間カウンタにラウンド間の待機時間がセットされ(S340)、待機中フラグがONになり(S341)、処理はメイン処理に戻る。
図19に示すように、待機中フラグがONの場合(S302:YES)、待機時間が経過するまでは(S303:NO)、処理はそのままメイン処理に戻る。待機時間が経過すると(S303:YES)、待機中フラグがOFFになり(S305)、処理はメイン処理に戻る。開放中フラグは0であるので処理はS308に移行し、開閉部材16Aまたは開閉部材17Aのいずれの開閉制御を行うかについて判断が行われる。
第一入賞口16の開閉部材16Aは、小当り遊技中、および大当り遊技の2R目以降に開放される。よって、小当り遊技中、または大当り遊技の2R目以降である場合(S308:NO)、大当り種別に応じた第一入賞口16の開閉状態(ロング開放またはショート開放)に応じた開閉パターンがセットされる(S311)。RAM52に第一入賞口開放開始コマンドが記憶され(S312)、開放中フラグに1が記憶される(S313)。第一入賞口開放開始コマンドには、第一入賞口16の開閉状態を通知する情報が含まれる。第一入賞口開放開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信され、第一入賞口開閉ソレノイド70の駆動により開閉部材16Aが開閉状態に応じた開閉パターンに沿って開閉開放される。処理はメイン処理に戻る。
開放中フラグが1になると(S306:YES)、第一入賞口16が開放状態になり、開閉パターンに従う開閉部材16Aの一連の開閉動作が開始される。図20に示すように、第一入賞口16への遊技球の入賞数が規定数(9個)未満であり(S321:NO)、且つ開閉パターンに従う開閉部材17Aの一連の開閉動作が終了する前は(S322:NO)、開閉部材16Aは開放状態に維持される。よって、処理はそのままメイン処理に戻る。遊技球が第一入賞口16に規定数以上入賞した場合(S321:YES)、あるいは入賞した遊技球が規定数未満であっても開閉パターンに従う一連の開閉動作が終了した場合(S321:NO、S322:YES)、第一入賞口16は閉鎖状態になる。RAM52に第一入賞口開放終了コマンドが記憶され(S323)、開放中フラグに0が記憶され(S325)、遊技状態移行処理でセットされたセット数カウンタが1減算される(S326)。第一入賞口開放終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信され、第一入賞口開閉ソレノイド70の駆動により開閉部材16Aが閉鎖される。セット数カウンタが0か否かが判断され、0でなければ(S327:NO)、大当り遊技または小当り遊技が継続されるので、待機時間カウンタにラウンド間の待機時間がセットされ(S328)、待機中フラグがONになり(S330)、処理はメイン処理に戻る。
上記同様、次のラウンドにおいてもS311〜S313の処理が行われることによって第一入賞口16が開放され、S321〜S322の処理によって開放状態が維持される。閉鎖条件が成立すると、S323〜S326の処理が行われることによって第一入賞口16が閉鎖され、セット数カウンタが1減算される。そして、セット数カウンタが0になった場合(S327:YES)、図21に示すように、当り遊技状態フラグがOFFになる(S351)。ここで、当り遊技が小当りであった場合(S352:YES)、処理はS353に移行し、当り遊技が大当りであった場合には(S352:NO)、処理はS371(図22参照)に移行する。
当り遊技が小当りであった場合(S352:YES)、RAM52に小当り遊技終了コマンドが記憶される(S353)。小当り遊技終了コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。小当り遊技前の遊技状態が小当り遊技後にも継続されるので、確変保存フラグと時短保存フラグの状態が確認される。
小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、確変保存フラグと時短保存フラグはOFFである(S355:NO、S362:NO)。この場合、RAM52に状態指定コマンド[通常状態]が記憶される(S367)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。よって小当り遊技後の遊技状態は、通常状態に戻る。
小当り遊技前の非確変時短状態であれば、確変保存フラグはOFFであり(S355:NO)、時短保存フラグはONである(S362:YES)。この場合、時短保存フラグがOFFになって(S363)、時短フラグがONになり(S365)、RAM52に状態指定コマンド[非確変時短状態]が記憶される(S366)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。よって小当り遊技後の遊技状態は、非確変時短状態に戻る。
小当り遊技前の確変時短状態であれば、確変保存フラグと時短保存フラグはONである。確変保存フラグがONの場合(S355:YES)、確変保存フラグがOFFになって(S356)、確変フラグがONになり(S357)、時短保存フラグがOFFになって(S358)、時短フラグがONになる(S360)。RAM52に状態指定コマンド[確変時短状態]が記憶される(S361)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。よって小当り遊技後の遊技状態は、確変時短状態に戻る。
当り遊技が大当りであった場合(S352:NO)、図22に示すように、RAM52に大当り遊技終了コマンドが記憶される(S371)。大当り遊技終了コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。
大当り種別が大当りA〜C,Fであった場合(S372:NO)、時短回数が0であるか否かが判断される(S373)。時短回数が0の場合はイレギュラーな大当りであるので(S373:YES)、処理はS388に移行する。リミット回数が0にリセットされ(S388)、RAM52に状態指定コマンド[通常状態]が記憶される(S390)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。
大当り種別が大当りA〜C,Fであり(S372:NO)、時短回数が0でなければ(S373:NO)、大当り遊技後の遊技状態は非確変時短状態に移行する。ここで、大当り種別が大当りAまたはBの場合(S391:NO)、処理はそのままS393に移行するが、大当り種別が大当りCまたはFである場合には(S391:YES)、限定変動フラグがONになって(S392)、S393に移行する。リミット回数が0にリセットされ(S393)、時短フラグがONになり(S395)、RAM52に状態指定コマンド[非確変時短状態]が記憶される(S396)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。
大当り種別が大当りD,Eであった場合(S372:YES)、V通過フラグがONであるか否かが判断される(S375)。大当りD,Eの1R目で遊技球が特定領域を通過していれば、リミット回数の上限に達していない限り、大当り遊技後に確変状態が生起される。よってV通過フラグがONの場合(S375:YES)、リミット回数が1加算される(S376)。そしてリミット回数が上限の4であるか否かが判断される(S377)。リミット回数が1〜3の場合(S377:NO)、S381に移行する。V通過フラグはOFFになり(S381)、時短フラグと確変フラグがONになって(S382、S383)、確変状態が生起される。RAM52に状態指定コマンド[確変時短状態]が記憶される(S385)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。
S377でリミット回数の上限に達した場合(S377:YES)、大当り遊技後の遊技状態は通常状態に移行する。よってV通過フラグはOFFになり(S386)、時短回数に0がセットされる(S387)。また、リミット回数が0にリセットされ(S388)、RAM52に状態指定コマンド[通常状態]が記憶される(S390)。状態指定コマンドは、次回のメイン処理の実行時にコマンド出力処理においてサブ制御基板60に送信される。処理はメイン処理に戻る。
ところで、リミット回数は、確変状態となる大当りにおいて加算される。故にリミット回数上限到達時の大当りD,Eの大当り遊技において、仮に遊技者が1R目に遊技球の打出しを止め、遊技球が特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技後の遊技状態は非確変状態になる。このとき、仮に大当り遊技後に非確変状態ながら時短状態に移行した場合、遊技状態は、本来ならば大当り遊技後に通常状態へ移行するはずのところが、遊技者が有利な時短状態となってしまう。パチンコ機1では、大当りD,Eの大当り遊技の1R目に遊技球が特定領域を通過せず、V通過フラグがOFFである場合(S375:NO)、S387〜S390の処理が行われる。これにより、大当りD,Eにおいて遊技球が特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技後の遊技状態は通常状態に移行する。
サブ制御基板60のCPU61は、主制御基板41のCPU51から通知される各種の制御コマンドに基づいて報知演出を行う。以下、図23〜図27を参照し、サブ制御基板処理について説明する。まず、サブ制御基板処理で使用されるフラグ、カウンタ等について説明する。RAM62には確変状態フラグ、時短状態フラグ、差し替えフラグ、第一保留球数カウンタ、第二保留球数カウンタ等が記憶される。確変状態フラグは、主制御基板41におけるメイン処理の確変フラグと同様に、確変状態である場合にONになるフラグである。時短状態フラグは、主制御基板41におけるメイン処理の時短フラグと同様に、時短状態である場合にONになるフラグである。差替フラグは、確変保留連が生じて演出パターンの差し替えが行われる場合にONになるフラグである。第一保留球数カウンタ、第二保留球数カウンタは、主制御基板41におけるメイン処理と同様に、それぞれ第一保留球数、第二保留球数を計数する。
図23に示すように、サブ制御基板処理が開始されると初期設定が行われる。第一保留球数と第二保留球数が0に設定され、確変状態フラグ、時短状態フラグ、差し替えフラグがOFFになる(S500)。CPU61は、主制御基板41から各種コマンドの受信を待機する(S510:NO、S520:NO、S530:NO、S540:NO、S550:NO、S560:NO、S570:NO、S580:NO、S590:NO、S600:NO、S610:NO、S620:NO、S510)。
状態指定コマンドを受信した場合(S510:YES)、S511〜S517の処理によって、状態指定コマンドに指定される遊技状態に応じて確変状態フラグと時短状態フラグの状態が設定される。状態指定コマンドに指定される遊技状態が確変時短状態の場合(S511:YES)、確変状態フラグがONになり(S512)、時短状態フラグもONになる(S516)。状態指定コマンドに指定される遊技状態が非確変時短状態または通常状態の場合(S511:NO)、確変状態フラグはOFFになる(S513)。そして、非確変時短状態の場合は(S515:YES)、時短状態フラグがONになり(S516)、通常状態の場合には(S515:NO)、時短状態フラグがOFFになる(S517)。処理は各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
図24に示すように、第一保留球数通知コマンドを受信した場合(S520:YES)、コマンドによって通知された第一保留球数を設定する(S521)。表示画面28において第一保留図柄282に保留球を追加する演出が行われ、各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。第二保留球数通知コマンドを受信した場合(S530:YES)、コマンドによって通知された第二保留球数を設定する(S531)。表示画面28において第二保留図柄283に保留球を追加する演出が行われ、各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。変動差替コマンドを受信した場合(S540:YES)、差替フラグがONになる(S541)。処理は各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
図25に示すように、第一変動パターン指定コマンドを受信した場合(S560:YES)、コマンドによって通知された第一変動パターンがRAM62に記憶され(S561)、第一保留球数が1減算される(S562)。次に、演出パターン決定処理が実行される(S563)。
図27に示すように、演出パターン決定処理では、確変状態フラグ、時短状態フラグ、差替フラグの各状態に応じて、遊技状態に合わせた演出パターンが決定される。時短状態フラグがOFFの場合(S701:NO)、遊技状態は通常状態であるので、シナリオに従い、演出ステージがステージI,II,IIIのうちから選択される(S721)。そして、演出パターン決定テーブル180(図8参照)に基づいて第一変動パターンと演出ステージに対応する通常状態の演出パターンが決定され(S722)、処理はS565に移行する。時短状態フラグと確変状態フラグがONの場合(S701:YES、S702:YES)、遊技状態は確変時短状態であるので、シナリオに従い、演出ステージとしてステージVが選択される(S706)。そして、演出パターン決定テーブル180に基づいて第一変動パターンと演出ステージに対応する確変時短状態の演出パターンが決定され(S707)、処理はS565に移行する。
時短状態フラグがONであり(S701:YES)、確変状態フラグがOFFの場合(S702:NO)、遊技状態は非確変時短状態である。確変保留連が生じていない場合は差し替えフラグがOFFであり(S703:NO)シナリオに従い、演出ステージとしてステージIVが選択される(S711)。そして、演出パターン決定テーブル180に基づいて第一変動パターンと演出ステージに対応する非確変時短状態の演出パターンが決定され(S712)、処理はS565に移行する。非確変時短状態において確変保留連が生じた場合、差替フラグはS541の処理によってONになっている(S703:YES)。この場合、差替フラグはOFFにされ(S705)、演出ステージは、本来のステージIVからステージVに差し替えられる(S706)。そして、演出パターン決定テーブル180に基づいて第一変動パターンと演出ステージに対応する確変保留連発生時の演出パターン(確変時短状態と同じ演出パターン)が決定され(S707)、処理はS565に移行する。
図25に示すように、演出パターン決定処理で決定された演出パターンと演出ステージに応じた報知演出の制御が開始される(S565)。表示画面28では第一保留図柄282を1つ消去する演出が行われ、第一変動パターンに応じて演出図柄281の変動が開始される。演出図柄281の背景には、演出ステージに合わせた背景画像が表示され、背景画像に重ねてキャラクタ、映像等が表示される。また、演出パターンに応じ、可動体31の動作、電飾部材35の明滅、スピーカ48の発音等が行われる。処理は各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
第二変動パターン指定コマンドを受信した場合(S570:YES)、コマンドによって通知された第二変動パターンがRAM62に記憶され(S571)、第二保留球数が1減算される(S572)。次に、上記の演出パターン決定処理が実行される(S573)。そして、演出パターン決定処理で決定された演出パターンと演出ステージに応じた報知演出の制御が開始される(S575)。表示画面28では第二保留図柄283を1つ消去する演出が行われ、第二変動パターンに応じて演出図柄281の変動が開始される。演出図柄281の背景には、演出ステージに合わせた背景画像が表示され、背景画像に重ねてキャラクタ、映像等が表示される。また、演出パターンに応じ、可動体31の動作、電飾部材35の明滅、スピーカ48の発音等が行われる。処理は各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
図24に示すように、特別図柄停止コマンドを受信すると(S550:YES)、演出図柄281を停止表示し、報知演出を終了する処理を行い(S551)、各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
図26に示すように、第一大当り遊技開始コマンドを受信した場合(S580:YES)、第一大当り遊技における演出処理が開始され(S581)、各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。第二大当り遊技開始コマンドを受信した場合(S590:YES)、第二大当り遊技における演出処理が開始され(S591)、各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。小当り遊技開始コマンドを受信した場合(S600:YES)、演出図柄281が停止表示(確定表示)した状態に維持される(S601)。小当り遊技の演出処理は行われない。処理は各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
大当り遊技終了コマンドを受信した場合(S610:YES)、大当り遊技における演出を終了する処理を行い(S611)、各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。小当り遊技終了コマンドを受信した場合(S620:YES)、小当り遊技中に維持される確定表示が終了され(S621)、次の報知演出を開始できる状態になる。処理は各種コマンドの受信を待機する状態に戻る。
以上説明したように、大当りCまたはFが生起されたときに保留されている保留球に大当りとなる乱数が含まれており、大当りCまたはFの大当り遊技後に消化される保留球で、大当りDまたはEが発生する、いわゆる確変保留連が発生する場合がある。確変保留連が発生する場合において、大当りCまたはFの大当り遊技後に移行する非確変時短状態と、大当りDまたはEの大当り遊技後に移行する確変時短状態とは、遊技状態が異なる。この場合、非確変時短状態に対応する演出ステージであるステージIVにおける報知演出は数回の図柄変動ゲームで終了し、大当りDまたはEの大当り遊技を経て、確変時短状態に対応する演出ステージであるステージVにおいて報知演出が行われることになる。パチンコ機1は、確変保留連が発生する場合、大当りCまたはFの大当り遊技後に移行する非確変時短状態中に、確変時短状態に対応する演出ステージであるステージVにおいて報知演出を行う。これにより、遊技状態が非確変時短状態から確変時短状態に移行しても演出ステージが同じステージVにて維持され、背景画像の目まぐるしい変化が抑制されるので、遊技者の状況把握に対する戸惑いを軽減することができる。
大当りCまたはFの大当り遊技前の遊技状態が確変時短状態であり、大当りDまたはEが生起される確変保留連が発生する場合、演出ステージは、ステージVから、非確変時短状態中の数回の図柄変動ゲームの間のみステージIVに移行し、大当りDまたはEを経てステージVに戻る。このような場合、パチンコ機1は、大当りCまたはFの大当り遊技後に移行する非確変時短状態中に、大当りCまたはFの大当り遊技前、および、大当りDまたはEの大当り遊技後の演出ステージであるステージVで、報知演出を行う。これにより、遊技状態が確変時短状態から数ゲーム間の非確変時短状態を経て確変時短状態に戻っても、その間、演出ステージが同じステージVにて維持され、背景画像の目まぐるしい変化が抑制されるので、遊技者の状況把握に対する戸惑いを軽減することができる。
大当りCまたはFの大当り遊技後に非確変時短状態が生起されてから所定回数分の図柄変動ゲームの間は、確変保留連の発生の有無にかかわらず、変動パターン決定テーブル160Bのうち限定変動フラグがONである場合に選択されるテーブルから変動パターンが決定される。このため、確変保留連が発生する場合の非確変時短状態において決定される変動パターンを、確変時短状態に対応し且つ変動時間が近いパターンに限定して報知演出を行うことができるので、遊技者が違和感をおぼえない。
なお、本発明においては、第一始動口14、第二始動口15が「通過領域」に相当する。S26,S36の処理を行うCPU51が「取得手段」に相当する。S71,S91の処理を行うCPU51が「大当り判定手段」に相当する。演出図柄281が「図柄」に相当する。変動パターン決定テーブル160A,160Bが「パターンテーブル」に相当する。S81,S101の処理を行うCPU51が「変動パターン決定手段」に相当する。S565,S575の処理を行うCPU61が「表示制御手段」に相当する。S27,S37の処理を行うCPU51が「保留記憶手段」に相当する。S223,S253の処理を行うCPU51が「実行手段」に相当する。S221,S251,S382,S383,S395の処理を行うCPU51が「状態生起手段」に相当する。S706,S711,S721の処理を行うCPU61が「背景決定手段」に相当する。S266,S267の処理を行うCPU51が「保留連判断手段」に相当する。パチンコ機1が「遊技機」に相当する。変動パターン決定テーブル160Bにおいて限定変動フラグがONの場合に参照されるテーブルが「限定テーブル」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。有利状態の一例として、本実施形態では通常状態ではない状態、すなわち確変時短状態または非確変時短状態を一例としたが、確変非時短状態を含めてもよい。確変時短状態において第一大当り判定が行われ、大当りA,Bが生起された場合をイレギュラーな大当りとし、大当り遊技後に通常状態に移行したが、例えば、非確変時短状態に移行してもよい。第一保留球と第二保留球は入賞順に大当り判定が行われるが、例えば、第二保留球がある場合、第一保留球よりも優先的に第二大当り判定が行われるようにしてもよい。大当り判定において小当りは判定されなくてもよい。また、確変状態は、遊技球が特定領域を通過した場合に生起されたが、これに限らず、例えば大当り種別に応じ、大当り遊技終了後に生起されてもよい。
変動パターンの数や種類、演出パターンの数や種類、変動パターンと演出パターンの対応関係は一例であり、適宜変更可能である。本実施形態では、元遊技状態が確変時短状態であり、大当りによって先発遊技状態として非確変時短状態に移行し、且つ保留球で生起される大当りによって後発遊技状態として確変時短状態に移行する場合を、変動パターンの差し替え対象とした。変動パターン差し替えの対象となる遊技状態の組合せは、上記に限らない。例えば、元遊技状態と後発遊技状態が通常状態であり、先発遊技状態が非確変時短状態である場合に、変動パターンを差し替えてもよい。また、例えば、元遊技状態の如何にかかわらず、先発遊技状態と後発遊技状態とが異なる遊技状態であれば、変動パターンを差し替えてもよい。もちろん、遊技状態に、確変非時短状態を含めてもよい。
大当りCまたはFの大当り遊技後に移行する非確変時短状態において、開始から5回の図柄変動ゲームが行われる間、限定変動フラグをONにしたが、限定変動フラグをONにする回数は適宜変更可能である。また、時短中リーチの演出パターンの全てに対し、差し替えに対応可能な確変中リーチの演出パターン(変動時間が近しい演出パターン)を用意できるのであれば、大当りCまたはFの大当り遊技後の変動パターンを限定しなくてもよい。また、大当りCまたはFの大当り遊技後に、保留内に大当りDまたはEが含まれていない場合(確変保留連フラグがOFFの場合)には限定変動フラグをONとせずに、通常の変動パターンを選択するようにしてもよい。
特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。