JP2019206312A - 牽引車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】牽引車両の操舵時において、ジャックナイフ現象を効果的に防止することが可能な牽引車両の制御装置を提供する。【解決手段】制御部は、左右前輪が転舵されたときに、推定される後輪等価コーナリングパワーKrが所定の第1閾値Th1以下であると判定したとき、車速vの時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大車速vmaxを予測するとともに操舵量sfの時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大操舵量sfmaxを予測する。制御部は、予測された最大車速vmax及び最大操舵量sfmaxの積が所定の第2閾値Th2を超えるか否かを判定し、最大車速vmaxと最大操舵量sfmaxとの積が所定の第2閾値Th2を超えると判定したとき、牽引車両に発生する横加速度gyを小さくする方向に牽引車両のヨーモーメントを与えるように左右後輪の転舵アクチュエータ又は制動アクチュエータを制御する。【選択図】図6
Description
本発明は、被牽引車両を牽引する牽引車両の車両制御装置に関する。
従来から、ジャックナイフ現象を防止する牽引車両の車両制御装置が知られている。ジャックナイフ現象を防止する牽引車両の制御装置の一つ(以下、「従来装置」とも称呼される。)は、制動時に牽引車両の前輪の摩擦係数と後輪の摩擦係数との差異が所定の閾値を超えている場合に、牽引車両に所定のブレーキ力が加えられると、ブレーキ力の上昇率を低くする(例えば、特許文献1を参照。)。これにより、牽引車両が高い摩擦係数の路面上を走行し、被牽引車両が低い摩擦係数の路面上を走行しているときにブレーキ力が加えられた場合に発生し得るジャックナイフ現象の発生を防止している。
ところで、ジャックナイフ現象は積荷の積載量(積荷の重量)、車速及び操舵状態等の複数の要因によって発生すると考えられるが、ジャックナイフ現象の多くは非振動的現象であるため突然発生し得る。そのため、上記複数の要因を考慮してジャックナイフ現象を防止するための制御を開始又は終了する閾値を決定することは難しい。例えば、従来装置は、制動時に発生するジャックナイフ現象を防止し得るが、操舵時に発生するジャックナイフ現象を防止することができない。
本発明は上記課題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、牽引車両の操舵時において、ジャックナイフ現象を効果的に防止することが可能な牽引車両の制御装置を提供することにある。
本発明の牽引車両の制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、被牽引車両(200)を牽引する牽引車両(100)に適用される。前記牽引車両は、駆動力を発生する駆動装置(110)と、運転者のステアリング操作に基づいて前記牽引車両の前輪(WFL,WFR)を転舵する第1転舵アクチュエータ(140)と、前記牽引車両の後輪(WRL,WRR)を転舵する第2転舵アクチュエータ(150)と、前記牽引車両の前記前輪、前記後輪及び前記被牽引車両の車輪(WTL,WTR)にそれぞれ制動力を作用させる制動アクチュエータ(130)と、を備える。
本発明装置は、車速センサ(161)と、舵角センサ(162)と、ヨーレートセンサ(163)と、横加速度センサ(164)と、制御部(160)と、を備える。前記車速センサは、前記牽引車両の車速(v)を検出する。前記舵角センサは、前記前輪の操舵量(sf )を検出する。前記ヨーレートセンサは、前記牽引車両のヨーレート(ωa )を検出する。前記横加速度センサは、前記牽引車両の横加速度(gy )を検出する。前記制御部は、前記第2転舵アクチュエータ及び前記制動アクチュエータをそれぞれ作動させることが可能である。
例えば、牽引車両と被牽引車両とが連結した車両(以下、「連結車両」と称呼する。)が走行中に車線変更を行う場合、運転者のステアリング操作により牽引車両の前輪が転舵されると、牽引車両の前輪及び後輪にはコーナリングパワーが発生する。後輪のコーナリングパワーは被牽引車両の積載重量に大きく影響を受ける。発明者の知見によれば、被牽引車両の積載量が過大であるとき後輪の等価コーナリングパワーは小さくなる傾向があり、被牽引車両の積載量が過大となるとジャックナイフ現象が発生し易い。従って、後輪の等価コーナリングパワーが低い場合、ジャックナイフ現象が発生し易い状況であると考えられる。
そこで、前記制御部は、前記第1転舵アクチュエータにより前記前輪が転舵された場合において、
(1)少なくとも前記操舵量、前記ヨーレート、前記横加速度及び前記牽引車両の車両諸元に基づいて推定される前記牽引車両の後輪等価コーナリングパワー(Kr )が所定の第1閾値(Th1)以下であるか否かを判定し(ステップ620)、
(2)前記推定された後輪等価コーナリングパワーが前記所定の第1閾値以下であると判定したとき、前記検出された車速の時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大車速(vmax )を予測するとともに前記検出された操舵量の時系列データに基づいて前記所定期間内に発生し得る最大操舵量(sfmax)を予測し(ステップ630)、
(3)前記予測された最大車速と前記予測された最大操舵量との積が所定の第2閾値(Th2)以上であるか否かを判定し(ステップ635)、
(4)前記最大車速と前記最大操舵量との積が前記所定の第2閾値(Th2)以上であると判定したとき、前記牽引車両に発生する前記横加速度を小さくする方向に前記牽引車両のヨーモーメントを与えるように前記第2転舵アクチュエータ又は前記制動アクチュエータを制御する(ステップ640〜ステップ650)、
ように構成される。
(1)少なくとも前記操舵量、前記ヨーレート、前記横加速度及び前記牽引車両の車両諸元に基づいて推定される前記牽引車両の後輪等価コーナリングパワー(Kr )が所定の第1閾値(Th1)以下であるか否かを判定し(ステップ620)、
(2)前記推定された後輪等価コーナリングパワーが前記所定の第1閾値以下であると判定したとき、前記検出された車速の時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大車速(vmax )を予測するとともに前記検出された操舵量の時系列データに基づいて前記所定期間内に発生し得る最大操舵量(sfmax)を予測し(ステップ630)、
(3)前記予測された最大車速と前記予測された最大操舵量との積が所定の第2閾値(Th2)以上であるか否かを判定し(ステップ635)、
(4)前記最大車速と前記最大操舵量との積が前記所定の第2閾値(Th2)以上であると判定したとき、前記牽引車両に発生する前記横加速度を小さくする方向に前記牽引車両のヨーモーメントを与えるように前記第2転舵アクチュエータ又は前記制動アクチュエータを制御する(ステップ640〜ステップ650)、
ように構成される。
上記構成によれば、本発明装置は、ジャックナイフ現象が発生する前に、今後(例えば、現時点から数秒以内)の最大車速及び最大操舵量を予測し、予測された最大車速又は最大操舵量が大きいとき、牽引車両に発生する横加速度を小さくする方向にヨーモーメントを与えるように第2転舵アクチュエータ又は制動アクチュエータを制御する。上記最大車速及び最大操舵量の予測は、例えば、運転者の運転パターンを学習した人工知能により取得された車速及び操舵量の時系列データを解析することにより行うことができる。このようにして予測された最大車速又は最大操舵量が大きいとき(即ち、最大車速と最大操舵量との積が所定の第2閾値以上となったとき)、ジャックナイフ現象が発生する可能性が高いと考えられる。そこで、本発明装置は、牽引車両に発生する横加速度を小さくする方向にヨーモーメントを与えるように第2転舵アクチュエータ又は制動アクチュエータを制御する。
従って、牽引車両の操舵時において、ジャックナイフ現象を効果的に防止することが可能な牽引車両の制御装置を提供することができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
(構成)
本発明の実施形態に係る車両制御装置(以下、「本装置」とも称呼される。)は、図1に示したように、牽引車両100に適用される。牽引車両100は、被牽引車両200とヒッチ部300を介して連結している。連結した牽引車両100及び被牽引車両200は、以下、「連結車両10」と称呼される。
本発明の実施形態に係る車両制御装置(以下、「本装置」とも称呼される。)は、図1に示したように、牽引車両100に適用される。牽引車両100は、被牽引車両200とヒッチ部300を介して連結している。連結した牽引車両100及び被牽引車両200は、以下、「連結車両10」と称呼される。
牽引車両100は、駆動装置110、駆動力伝達機構120、制動装置130、操舵装置(第1転舵装置)140、第2転舵装置150、制御ECU160、ナビゲーションシステム170及び車輪W(WFL、WFR、WRL及びWRR)等を備えている。
駆動装置110は、図示しない内燃機関(エンジン)本体及び変速機等を含んでいる。駆動装置110は、駆動力伝達機構120を介して牽引車両100の前輪(左前輪WFL及び右前輪WFR)を駆動する駆動力を発生する。
駆動力伝達機構120は、プロペラシャフト121、ディファレンシャルギア122、左前輪車軸123L及び右前輪車軸123R等を含んでいる。駆動装置110が発生する駆動力はプロペラシャフト121に伝達される。プロペラシャフト121の駆動力は、ディファレンシャルギア122を介して左前輪車軸123L及び右前輪車軸123Rへそれぞれ伝達され、これにより左前輪WFL及び右前輪WFRが回転駆動される。
以下、車輪毎に設けられる要素については、その符号の末尾に、左前輪を表す添字FL、右前輪を表す添字FR、左後輪を表すRL及び右後輪を表す添字RRをそれぞれ付す。但し、車輪毎に設けられる要素について車輪位置を特定しない場合、それらの添字は省略される。
制動装置130は、ブレーキペダル131、ブレーキバルブ132、ブレーキ回路133及びブレーキチャンバ134等を含んでいる。
車輪Wの制動力は、制動装置130のブレーキ回路133により、車輪Wに対応するブレーキチャンバ134に供給されるエアの圧力(以下、「制動圧」とも称呼される。)が制御されることによって制御される。即ち、左前輪WFL、右前輪WFR、左後輪WRL及び右後輪WRRの制動力は、ブレーキチャンバ134FL、134FR、134RL及び134RRのそれぞれの制動圧が制御されることによって制御される。ブレーキ回路133は、図示しないエアタンク及び各種弁装置等を含み、ブレーキアクチュエータとして機能する。
ブレーキ回路133は、弁装置として各ブレーキチャンバ134の制動圧を個別に制御する図示しないリレーバルブを各ブレーキチャンバ134に対応して備えた周知の回路である。リレーバルブは、連通位置及び遮断位置の何れか一方を択一的に選択する周知の二位置電磁弁である。ブレーキバルブ132は、ブレーキ回路133及びリレーバルブ135に接続されている。更に、リレーバルブ135は、カップリングホース311を介して被牽引車両200の後述するブレーキ回路211に接続されるようになっている。従って、ブレーキチャンバ134の制動圧は、通常時には運転者によるブレーキペダル131の踏力がブレーキバルブ132によって空気圧に変換され、当該空気圧に基づいて制御され、又はブレーキ回路133内のリレーバルブにより必要に応じて個別に制御される。
操舵装置(第1転舵装置)140は、ステアリングホイール141、ステアリングシャフト142、ラックシャフト143及びラックアンドピニオン機構144を備えている。ステアリングホイール141とステアリングシャフト142は、同軸的に一体回転可能に連結している。ステアリングシャフト142とラックシャフト143とは、周知のラックアンドピニオン機構144により連結されている。ラックシャフト143の両端には、ナックルアーム145L及び145Rを介して左前輪WFL及び右前輪WFRがそれぞれ接続されている。
ステアリングホイール141が運転者により操作されると、ラックアンドピニオン機構144によりステアリングシャフト142の回転運動がラックシャフト143の軸方向の直線運動に変換され、これにより左前輪WFL及び右前輪WFRが転舵する。更に、操舵機構140には、運転者のステアリング操作をアシストするための図示しないパワーステアリング機構が設けられている。
第2転舵装置150は、転舵力発生機構151、タイロッド152及び左右のナックルアーム153L及び153R等を備える。転舵力発生機構151は、図示しないアクチュエータ及び歯車群を含み、アクチュエータの駆動力を転舵力に変換する。転舵力発生機構151は、この転舵力をタイロッド152及び左右のナックルアーム153L及び153Rを介して左後輪WRL及び右後輪WRRにそれぞれ伝達することにより、左後輪WRL及び右後輪WRRを転舵させる。
制御ECU160は、各車輪の車輪速度センサ161、舵角センサ162、ヨーレートセンサ163、横加速度センサ164、後方カメラ165及び圧力センサ166等と電気的に接続され、これらセンサからの出力信号を受信するようになっている。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM(又は不揮発性メモリ)及びインタフェースI/F等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUは、メモリ(ROM)に格納されたインストラクション(ルーチン)を実行することにより後述する各種機能を実現する。
車輪速度センサ161は、車輪Wの回転速度に応じた信号NPを発生するようになっている。ECU160は、車輪速度センサ161(161FL、161FR、161RL及び161RR)からの信号NP(NPfl、NPfr、NPrl及びNPrr)に基づいて車速vを算出する。車輪速度センサ161は、車速センサ161とも称呼される。舵角センサ162は、ステアリングシャフト142に取り付けられ、左前輪WFL及び右前輪WFRの舵角(操舵量)sf を表す出力信号を発生するようになっている。なお、舵角センサ162は、牽引車両100の左旋回時に検出される値を正として舵角sf を検出するようになっている。
ヨーレートセンサ163は、牽引車両100に取り付けられ、牽引車両100に発生するヨーレートωa を表す出力信号を発生するようになっている。横加速度センサ164は、牽引車両100の車体の横方向の加速度を検出可能なセンサである。横加速度センサ154は、牽引車両100の車体に取り付けられ、横加速度gy を表す出力信号を発生するようになっている。横加速度センサ164は、牽引車両100の左旋回時に検出される値を正として(右方向の加速度を正として)横加速度gy を検出するようになっている。
後方カメラ165は、牽引車両100の後方を撮像可能な位置に取り付けられる。後方カメラ165は、牽引車両100の後方の画像データ(被牽引車両200及びヒッチ部300を含む画像データ)を出力するようになっている。圧力センサ166は、ブレーキバルブ132の直ぐ下流側に接続され、空気圧pbを表す出力信号を発生するようになっている。
トーイングモード選択スイッチ167は、被牽引車両200が牽引車両100と連結された状態にあるか否かを択一的に選択可能なスイッチであり、牽引車両100の運転席から操作可能な位置に取り付けられる。運転者はトーイングモード選択スイッチ167を、被牽引車両200を牽引車両100に連結させたとき「連結状態」を表す位置に設定し、被牽引車両200を牽引車両100に連結させていないとき「非連結状態」を表す位置に設定するようになっている。
ナビゲーションシステム170は、ナビゲーションECU(以下、「ナビECU」とも称呼する。)171、記憶装置172、通信装置173及び表示装置174等を含んでいる。ナビECU171は、記憶装置172、通信装置173及び表示装置174等とそれぞれ電気的に接続されており、これらと相互に情報を交換可能に構成されている。更に、ナビECU171は、制御ECU160とCANにより接続されており、制御ECU160と相互に情報を交換可能に構成されている。
記憶装置172は、地図情報及び各種データベース等を格納する。通信装置173は、DSRC、4G及びWi−Fi等の無線通信により路側のDSRC装置及びインターネット(クラウド)等と通信可能に構成されている。
表示装置174は、例えば、液晶ディスプレイを含み、運転者から容易に視認可能な位置に設けられる。表示装置174は、ナビECU171による制御に基づいて地図及びナビゲーション情報を表示することができるようになっている。更に、表示装置174は、制御ECU160による制御に基づいて後述する警告情報を表示することができるようになっている。
被牽引車両200は、制動装置210及び車輪WT(左輪WTL及び右輪WTR)等を備えている。制動装置210は、ブレーキ回路211及び左右のブレーキチャンバ212TL、212TR等を含んでいる。車輪WTの制動力は、ブレーキ回路211により、左輪WTL及び右輪WTRにそれぞれ対応するブレーキチャンバ212TL及び212TRに供給される制動圧が制御されることによって制御される。ブレーキ回路211は、図示しないエアタンク及びリレーバルブ等を含み、ブレーキアクチュエータとして機能する。
前述したように、ブレーキ回路211は、カップリングホース311を介して牽引車両100のリレーバルブ135と接続している。従って、運転者によるブレーキペダル131の踏力に応じた圧力がブレーキ回路211に伝達される。更に、ブレーキ回路211内のリレーバルブは、電気コネクタ312を経由して牽引車両100の制御ECU160と電気的に接続されている。従って、制御ECU160は、ブレーキチャンバ212TL及び212TRの制動圧を制御することができる。
ヒッチ部(連結部)300は、牽引車両100の後部に備えられたカプラ310と被牽引車両200の前方下部に突設されたキングピン320とが連結して構成される。従って、連結車両10は旋回時等に、キングピン320の中心軸P0を中心に折れ曲がる。中心軸P0は以下、「連結点P0」と称呼される。
ここで、図2に示したように、連結角θc は、ヒッチ部300の連結点P0を頂点とし、牽引車両100の前後方向を表す線Caと、被牽引車両200の前後方向を表す線Cbとのなす角と定義される。連結車両10の進行方向を線X1とし、線X1と線Caとのなす角を牽引車両100のヨー角θa 、線X1と線Cbとのなす角を被牽引車両200のヨー角θb と定義すると、連結角θc は牽引車両100のヨー角θa と被牽引車両200のヨー角θb との差として算出される。つまり、連結角θc は、牽引車両100の単位時間当たりのヨーレートωa と被牽引車両200の単位時間当たりのヨーレートωb との差であり、下記の(1)式にて表される。
θc =θa −θb =∫ωa(t)dt−∫ωb(t)dt …(1)
θc =θa −θb =∫ωa(t)dt−∫ωb(t)dt …(1)
(作動)
次に、連結車両10が直線路を直進走行中に車線変更する場合を例に、連結車両10に生じるジャックナイフ現象及びその抑止方法について図3及び図4を参照しながら説明する。
次に、連結車両10が直線路を直進走行中に車線変更する場合を例に、連結車両10に生じるジャックナイフ現象及びその抑止方法について図3及び図4を参照しながら説明する。
図3(A)に示したように、連結車両10は片側2車線の直線道路R1の左車線を紙面の左方から右方に向かって直進している。このとき、牽引車両100の左前輪WFL及び右前輪WFR(以下、単に「前輪WF」とも称呼する。)は転舵されていない(即ち、舵角sf は0)。このとき、牽引車両100には、横加速度gy は発生していない(即ち、横加速度gy は0)と仮定する。
図3(B)に示したように、左車線から右車線に車線変更をするため、前輪WFが時計回り(右回り)に転舵されると、前輪WFにスリップ角βfが生じる。このスリップ角βfに応じた横力が前輪WFに発生し、その結果、図3(C)に示したように、牽引車両100の前方が右車線に進入する。このとき、牽引車両100には右方向に横加速度gy が発生し、時計回り(右回り)のヨーモーメントが発生する。
ここで、後輪等価コーナリングパワーに着目すると、図4に示したように、通常、牽引車両100のような大型車の車輪の等価コーナリングパワーは、比較的荷重が小さい領域においては、荷重が増大するにつれて大きくなる。しかし、更に車輪の荷重が増大すると、等価コーナリングパワーは減少に転じる。つまり、例えば、被牽引車両200の積載量が過大であり、牽引車両100の後輪WRに過大な荷重が入力される場合、後輪等価コーナリングパワーKr は低下する。その結果、後輪のヨー方向の固有振動数が低下するので、牽引車両100に発生した時計回りのヨーモーメントが収束する時間が長くなり、牽引車両100の前後方向と、牽引車両100の進行方向と、のなす角が広がってしまう(つまり、連結角θc が増大する。)。その結果、牽引車両100の車速の進行方向成分は低下するので、牽引車両100は後方から被牽引車両200に押される。
その結果、図5(A)に示したように、被牽引車両200に反時計回り(左回り)のヨーモーメントが発生し、被牽引車両200が、進行方向に向かって左方向に車体の向きを変えることがある。この状態はジャックナイフ現象が発生する可能性が高い状態であると考えられる。
そこで、制御ECU160は、牽引車両100の左後輪WRL及び右後輪WRR(以下、単に「後輪WR」とも称呼する。)を時計回り(右回り)に転舵させる。これにより、牽引車両100に反時計回り(左回り)のヨーモーメントが発生するので、牽引車両100に発生していた時計回りのヨーモーメントが相殺され、更に、牽引車両100の前後方向は進行方向に近付く。その結果、被牽引車両200の車体の向きは、図5(B)に示したように進行方向に向かって右側(右車線側)に変化する。このように、本制御装置によれば、ジャックナイフ現象が発生する可能性が高い状態を回避することによりジャックナイフ現象の発生を防止することができる。
(実際の作動)
次に、本制御装置の実際の作動について説明する。ECU150のCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、所定時間が経過する毎に図6にフローチャートにより示した安定走行制御ルーチンを実行するようになっている。
次に、本制御装置の実際の作動について説明する。ECU150のCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、所定時間が経過する毎に図6にフローチャートにより示した安定走行制御ルーチンを実行するようになっている。
CPUは、所定のタイミングになると、ステップ600から処理を開始してステップ605に進み、トーイングモード(被牽引車両200が連結された状態)にあるか否かを判定する。トーイングモード選択スイッチ167によりトーイングモードが選択されていない場合、CPUはステップ605にて「No」と判定してステップ695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、トーイングモード選択スイッチ167によりトーイングモードが選択されている場合、CPUはステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、舵角sf の大きさ|sf |が所定の舵角閾値sfth 以上であるか否かを判定する。ステップ610は、直進状態において運転者によりステアリング操作が行われたか否かを判定するためのステップであり、舵角閾値sfth は、例えば、10°以下の比較的小さい値に設定される。運転者によるステアリング操作がない場合、舵角sf の大きさ|sf |は舵角閾値sfth より小さい。よって、CPUはステップ610にて「No」と判定してステップ695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、舵角sf の大きさ|sf |が舵角閾値sfth 以上である場合、CPUはステップ610にて「Yes」と判定してステップ615に進み、後輪等価コーナリングパワーKr を推定する。
後輪等価コーナリングパワーKr は、例えば、以下の方法により推定することができる。牽引車両100の横方向の運動方程式及び重心CGまわりの回転の運動方程式はそれぞれ下記の(2)式及び(3)式にて表される。
ここで、mは車両重量、vは車速、βは車体スリップ角、ωa はヨーレート、Kf は前輪の等価コーナリングパワー(サスペンションのコンプライアンスを考慮したコーナリングパワー)、lf は重心CGと前輪車軸との間の距離、lr は重心CGと後輪車軸との間の距離、sf は前輪の舵角、sr は後輪の舵角、Iは重心CGまわりのヨーイング慣性モーメントである。更に、車速v、横加速度gy 、ヨーレートωa 及び車体スリップ角βとの間には下記の(4)式の関係が成立する。
上記(4)式を用いて(2)式及び(3)式から車体スリップ角βを消去し、(2)式及び(3)式を連立方程式として前輪等価コーナリングパワーKf 及び後輪等価コーナリングパワーKr について解くことにより、下記の(5)式及び(6)式が得られる。
(5)式は、横加速度gy 、車速v、ヨーレートωa 、前輪の舵角sf 及び後輪の舵角sr から前輪等価コーナリングパワーKf を推定する式であり、(6)式は、横加速度gy 、車速、ヨーレートωa 、前輪の舵角sf 及び後輪の舵角sr から後輪等価コーナリングパワーKr を推定する式である。
次いで、CPUはステップ620に進み、後輪等価コーナリングパワーKr が所定の第1閾値Th1未満であるか否かを判定する。所定の第1閾値Th1は、牽引車両100の車格、牽引可能な被牽引車両200に対するキャパシティ等の諸元に基づいて定まる。CPUは、ナビゲーションシステム170を通じてインターネット上のデータベースから第1閾値Th1をダウンロードし、制御ECU160内のRAMに格納する。
後輪等価コーナリングパワーKr が第1閾値Th1未満である場合、CPUはステップ620にて「Yes」と判定してステップ625に進み、表示装置174に図7に示す警告「警告!スピード落とせ!」を表示させる。
次いで、CPUはステップ630に進み、車速v及び操舵量(左前輪WFL及び右前輪WFRの舵角)sf に基づいて、所定期間内に発生し得る最大車速vmax 及び最大操舵量sfmaxを予測する。最大車速vmax 及び最大操舵量sfmaxの予測は、例えば、ナビECU171のCPUの人工知能を用いて予測する。人工知能は例えば、時系列データ(所定時間毎に取得されたデータ)を入力することにより数秒後の状態を予測することが可能な再帰型ニューラルネットワーク(以下、「RNN」と称呼する。)が用いられる。CPUは、運転者の車両操作の傾向を学習した結果、ナビECU171から取得した交通状況、車速vの時系列データ及び操舵量sf の時系列データ等に基づいて、今後数秒以内に発生し得る最大車速vmax 及び最大操舵量sfmaxを予測する。
なお、RNN等の人工知能のアルゴリズムは、最新の(例えば、予測精度が高い)アルゴリズムが開発されると、インターネット上のデータベースにアップロードされるようになっている。従って、CPUは、ナビゲーションシステム170を通じてインターネット上のデータベースから最新のアルゴリズムをダウンロードして、このアルゴリズムを適時に利用することができる。
次いで、CPUはステップ635に進み、最大車速vmax 及び最大操舵量sfmaxの積が所定の第2閾値Th2以上であるか否かを判定する。図8に示したように、横軸に最大操舵量sfmax 、縦軸に最大車速vmax をとると、閾値Th2は、図中の実線にて表される。最大車速vmax 及び最大操舵量sfmaxの積がこの閾値Th2未満の領域にある場合、CPUはステップ635にて「No」と判定してステップ695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。一方、最大車速vmax 及び最大操舵量sfmaxの積がこの閾値Th2以上の領域にある場合、CPUはステップ635にて「Yes」と判定してステップ640に進む。
CPUはステップ640に進むと、横加速度gy が負の値である(0より小さい)か否かを判定する。即ち、牽引車両100の左方向に加速度が発生しているか否かを判定する。
横加速度gy が負の値である場合、CPUはステップ640にて「Yes」と判定してステップ645に進み、第2転舵装置150を用いて左後輪WRL及び右後輪WRRを反時計回りに所定量だけ転舵させ、ステップ695に進み、本ルーチンを一旦終了する。一方、横加速度gy が0以上である場合、CPUはステップ640にて「No」と判定してステップ650に進み、第2転舵装置150を用いて左後輪WRL及び右後輪WRRを時計回りに所定量だけ転舵させる。
ところで、CPUがステップ620にて「No」と判定した場合、ジャックナイフ現象が発生する可能性は低いが、代わってスウェイ現象が発生する可能性がある。そこで、CPUはステップ655に進み、連結角θc を算出する。より具体的に述べると、CPUは、ステップ655にてヨーレートセンサ163により検出された牽引車両100の単位時間当たりのヨーレートωa と、後方カメラ165により撮影された画像データから計算された被牽引車両200の単位時間当たりのヨーレートωb を前述の(1)式に適用することにより連結角θc を算出する。
次いで、CPUはステップ660に進み、連結角減衰比ζを推定する。例えば、スウェイ現象が発生しているとき、連結角θc は横軸を時間とすると、図9(A)に示したような振動波形により表される。図9(A)において、最初の振幅をa1 、2番目の振幅をa2 とすると、連結角減衰比ζは、下記の(7)式にて表される。
ζ=ln(a1/a2)/π …(7)
ζ=ln(a1/a2)/π …(7)
ところで、振幅a1 と振幅a2 の比が1に比較的近い場合、上記(2)式によって連結角減衰比ζを算出すると誤差が大きくなる虞がある。スウェイ現象による振動は「減衰自由振動」であると考えられるから、図9(B)に示したように、連結角減衰比ζは、時刻tn におけるn番目の振幅をan 、同様にn+1、…、n+m番目の振幅をそれぞれan+1 、…、an+m とすると、下記の(8)式にて定義される。
ζ=ln(an/an+1)/π =ln(an+1/an+2)/π=ln(an+m-1/an+m)/π …(8)
(8)式において、m周期分を考慮すると(m周期分について足し合わせると)、
mζ=ln(an/an+1)・(an+1/an+2)・…・(an+m-1/an+m)/π …(9)
よって、連結角減衰比ζは、下記の(10)式により求められる。
ζ=ln(an/an+m)/(π・m) …(10)
ζ=ln(an/an+1)/π =ln(an+1/an+2)/π=ln(an+m-1/an+m)/π …(8)
(8)式において、m周期分を考慮すると(m周期分について足し合わせると)、
mζ=ln(an/an+1)・(an+1/an+2)・…・(an+m-1/an+m)/π …(9)
よって、連結角減衰比ζは、下記の(10)式により求められる。
ζ=ln(an/an+m)/(π・m) …(10)
CPUは、ステップ660にて、連結角減衰比ζをn番目の振幅an と(n+m)番目の振幅an+m の比の対数をとり、その値を振幅an と振幅an+m との間に存在する振幅の個数mで除することにより演算する(推定する)。なお、連結角減衰比ζが正の値である場合、連結角θc の振動振幅は時間の経過とともに減少していることを表し、連結角減衰比ζが負の値である場合、連結角θc の振動振幅は時間の経過とともに増加していることを表している。
次いで、CPUはステップ665に進み、連結角減衰比ζが所定の閾値Th3以下であるか否かを判定する。前述したように、スウェイ現象は連結角減衰比ζが正の値である場合に発生する可能性が高い。そこで、第3閾値Th3は、例えば、0よりも僅かに大きい値である0.1に定められる。
スウェイ現象は、ジャックナイフ現象と異なり、発生初期には左右の振動が微小であるため、運転者による制動操作によって、スウェイ現象を抑制し得るが、一方で、左右の振動が微小であるため、運転者が気付き難い。そこで、連結角減衰比ζの値が第3閾値Th3以下である場合、CPUはステップ665にて「Yes」と判定してステップ670に進み、表示装置174に警告「警告!スピード落とせ!」を表示させる。更に、CPUは、表示装置174にスウェイ状態の連結車両10の動きを模した映像を表示させ、運転者に注意を促す(図10を参照。)。この場合、CPUは、図10(A)に示した画像と図10(B)に示した画像とを交互に表示装置174に表示させることにより、スウェイが発生していることを運転者に報知する。
次いで、CPUはステップ675に進み、スウェイ抑止制御(トレーラスウェイ制御、TSC:Trailer Sway Control)を実行してステップ695に進み、本ルーチンを一旦終了する。スウェイ抑止制御は、周知の方法により行われる。例えば、駆動装置110の出力トルクを低減したり、牽引車両100の各車輪に独立した制動力を作用させることにより、トーイング車両の揺動を抑止する(特開平10−236289号公報、特開2009−101994号公報を参照。)。
一方、連結角減衰比ζの値が第3閾値Th3より大きい場合、CPUはステップ665にて「No」と判定してステップ695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。つまり、この場合、CPUはジャックナイフ現象抑制制御もTSCも実行しない。
以上、本制御装置によれば、操舵装置(第1転舵アクチュエータ)140により左前輪WFL及び右前輪WFRが転舵された場合において、
(1)少なくとも前記操舵量、前記ヨーレート、前記横加速度及び前記牽引車両100の車両諸元に基づいて推定される牽引車両100の後輪等価コーナリングパワーKr が所定の第1閾値Th1以下であるか否かを判定し(ステップ620)、
(2)前記推定された後輪等価コーナリングパワーKr が所定の第1閾値Th1以下であると判定したとき、検出された車速vの時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大車速vmax を予測するとともに検出された操舵量sの時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大操舵量sfmaxを予測し(ステップ630)、
(3)予測された最大車速vmax と予測された最大操舵量sfmaxとの積が所定の第2閾値Th2以上であるか否かを判定し(ステップ635)、
(4)最大車速vmax と最大操舵量sfmaxとの積が所定の第2閾値Th2以上であると判定したとき、牽引車両100に発生する横加速度gy を小さくする方向に牽引車両100のヨーモーメントを与えるように第2転舵アクチュエータ150を制御する(ステップ640〜ステップ650)、ように構成される。
(1)少なくとも前記操舵量、前記ヨーレート、前記横加速度及び前記牽引車両100の車両諸元に基づいて推定される牽引車両100の後輪等価コーナリングパワーKr が所定の第1閾値Th1以下であるか否かを判定し(ステップ620)、
(2)前記推定された後輪等価コーナリングパワーKr が所定の第1閾値Th1以下であると判定したとき、検出された車速vの時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大車速vmax を予測するとともに検出された操舵量sの時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大操舵量sfmaxを予測し(ステップ630)、
(3)予測された最大車速vmax と予測された最大操舵量sfmaxとの積が所定の第2閾値Th2以上であるか否かを判定し(ステップ635)、
(4)最大車速vmax と最大操舵量sfmaxとの積が所定の第2閾値Th2以上であると判定したとき、牽引車両100に発生する横加速度gy を小さくする方向に牽引車両100のヨーモーメントを与えるように第2転舵アクチュエータ150を制御する(ステップ640〜ステップ650)、ように構成される。
これによれば、ジャックナイフ現象を効果的に防止することが可能な牽引車両の制御装置を提供することができる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記実施形態において、ジャックナイフ現象を防止する制御として、第2転舵装置150の制御を行ったが、牽引車両100に発生している横加速度gy を小さくさせることができればよいので、上記制御に代えて牽引車両100の左右の車輪にそれぞれ異なる制動力を作用させてもよい。
より具体的に述べると、CPUが図6のステップ640にて「Yes」と判定した場合、CPUは、ステップ645に代わるステップ645A(図示せず。)に進み、右前輪WFR及び右後輪WRRに制動力を作用させる(即ち、ブレーキチャンバ134FR及び134RRに制動圧を付与する。)。一方、ステップ640にて「No」と判定した場合、CPUは、ステップ650に代わるステップ650A(図示せず。)に進み、左前輪WFL及び左後輪WRLに制動力を作用させる(即ち、ブレーキチャンバ134FL及び134RLに制動圧を付与する。)。なお、この場合、牽引車両は第2転舵装置150を備えていなくてもよい。
上記実施形態において、CPUはナビECU171を介して車外のネットワークから入手した最新のアルゴリズム及び交通状況等を用いて最大車速及び最大操舵量を予測していたが、ナビゲーションシステムを備えていない牽引車両においては、制御ECU160内のROM及びRAMに記憶されているデータベースを用いて最大車速及び最大操舵量を予測してもよい。
上記実施形態において、制動装置130はエアの圧力により牽引車両100及び被牽引車両200のブレーキ力を制御していたが、制動装置は、一般的な油圧式又は電動式の制動装置であってもよい。
上記実施形態において、ジャックナイフ現象を防止するために第2転舵装置150と制動装置130の何れか一方を制御していたが、第2転舵装置150と制動装置130とを同時に制御してもよい。
上記実施形態において、牽引車両100は第2転舵装置150を備えていたが、本発明は、第2転舵装置を備えていない(後輪を転舵できない)牽引車両に適用されてもよい。
この場合、ジャックナイフ現象を防止するために制動アクチュエータのみを用いて制御を行えばよい。
この場合、ジャックナイフ現象を防止するために制動アクチュエータのみを用いて制御を行えばよい。
上記実施形態において、被牽引車両200のヨー角θb は牽引車両100が備える後方カメラ165により撮像された画像データに基づいて算出されたが、被牽引車両がヨーレートセンサを備え、このヨーレートセンサの検出値に基づいて算出されてもよい。
上記実施形態において、被牽引車両200が牽引車両100に連結されているか否は、運転者のトーイングモード選択スイッチ167の操作により選択されていたが、アクセル開度と牽引車両の前後加速度との関係から求められてもよい。この場合、牽引車両には、更に前後加速度を検出する前後加速度センサが備えられ、例えば、アクセル開度の変化に対し、前後加速度の変化が小さい場合には牽引車両に被牽引車両が連結されていると判定されてもよい。或いは、被牽引車両200が連結されているか否かは、ヒッチ部300のカプラ310に設けられたロックセンサにより、キングピン320がカプラ310に挿入されカプラ310がロックされていることを以て判定されてもよい。
上記実施形態において、牽引車両100は、駆動力伝達機構120により、前輪に駆動装置110の駆動力が伝達される所謂前輪駆動の車両であったが、牽引車両は後輪のみに駆動力が伝達される所謂後輪駆動の車両であってもよい。更に、牽引車両は、前輪と後輪の両方に駆動力が伝達される所謂四輪駆動の車両であってもよい。
上記実施形態において、駆動装置110は内燃機関及び変速装置を含む構成であったが、駆動装置は、電動機及び変速装置の組合せ、並びに、内燃機関、電動機及び変速装置の組合せであるハイブリッド駆動装置により構成されてもよい。
10…連結車両、100…牽引車両、110…駆動装置、120…駆動力伝達機構、130…制動装置(制動アクチュエータ)、140…第1転舵装置(第1転舵アクチュエータ)、150…第2転舵装置(第2転舵アクチュエータ)、160…制御ECU(制御部)、161…車速センサ、162…舵角センサ、163…ヨーレートセンサ、164…横加速度センサ、200…被牽引車両、300…ヒッチ部(連結部)、gy …横加速度、Kr …後輪等価コーナリングパワー、sf …前輪の舵角(操舵量)、sfmax…最大操舵量、v…車速、vmax…最大車速、WFL…左前輪、WFR…右前輪、WRL…左後輪、WRR…右後輪、WTL…被牽引車両の左輪、WTR…被牽引車両の右輪、ωa …牽引車両のヨーレート。
Claims (1)
- 被牽引車両を牽引する牽引車両であって、
駆動力を発生する駆動装置と、
運転者のステアリング操作に基づいて前記牽引車両の前輪を転舵する第1転舵アクチュエータと、
前記牽引車両の後輪を転舵する第2転舵アクチュエータと、
前記牽引車両の前記前輪、前記後輪及び前記被牽引車両の車輪にそれぞれ制動力を作用させる制動アクチュエータと、
を備える牽引車両に適用され、
前記牽引車両の車速を検出する車速センサと、
前記前輪の操舵量を検出する舵角センサと、
前記牽引車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、
前記牽引車両の横加速度を検出する横加速度センサと、
前記第2転舵アクチュエータ及び前記制動アクチュエータをそれぞれ作動させることが可能な制御部と、
を備えた牽引車両の制御装置において、
前記制御部は、
前記第1転舵アクチュエータにより前記前輪が転舵された場合において、
少なくとも前記操舵量、前記ヨーレート、前記横加速度及び前記牽引車両の車両諸元に基づいて推定される前記牽引車両の後輪等価コーナリングパワーが所定の第1閾値以下であるか否かを判定し、
前記推定された後輪等価コーナリングパワーが前記所定の第1閾値以下であると判定したとき、
前記検出された車速の時系列データに基づいて所定期間内に発生し得る最大車速を予測するとともに前記検出された操舵量の時系列データに基づいて前記所定期間内に発生し得る最大操舵量を予測し、
前記予測された最大車速と前記予測された最大操舵量との積が所定の第2閾値以上であるか否かを判定し、
前記最大車速と前記最大操舵量との積が前記所定の第2閾値以上であると判定したとき、前記牽引車両に発生する前記横加速度を小さくする方向に前記牽引車両のヨーモーメントを与えるように前記第2転舵アクチュエータ又は前記制動アクチュエータを制御するように構成された、
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018103761A JP2019206312A (ja) | 2018-05-30 | 2018-05-30 | 牽引車両の制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7370017B2 (ja) | 2021-01-06 | 2023-10-27 | 豊文 黒田 | トレーラ揺動抑制具、及び、トレーラ車両 |
-
2018
- 2018-05-30 JP JP2018103761A patent/JP2019206312A/ja active Pending
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