JP2019205225A - 直流配電系統の系統安定化装置および系統安定化方法、並びに直流電力システム - Google Patents
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Abstract
【課題】急峻な負荷変動が生じた場合でも、系統を安定化することができる、直流配電系統の系統安定化装置および系統安定化方法、並びにこれらが用いられる直流電力システムを提供する。【解決手段】直流配電系統の系統安定化装置は、発電装置3−1および負荷装置4−1を含み、発電装置は第一電力変換装置6−1を介して電力を供給する直流配電系統を安定化するものであって、第一電力変換装置を制御する第一制御装置8−1からなり、第一制御装置は、第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、発電装置の応答特性とを比較する判定部と、第一電力変換装置を電圧制御によって制御する電圧制御部と、第一電力変換装置を電力制御によって制御する電力制御部と、判定部の比較結果に応じて、電圧制御部および電力制御部のいずれかを選択する制御切替部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、発電装置と電気負荷装置が接続される直流配電系統を安定化する系統安定化装置および系統安定化方法、並びにこれらが用いられる直流電力システムに関する。
将来、電気負荷の大容量化と高電圧化は、一般の大規模系統だけでなく、設置面積などに制限のある小規模の電力系統、たとえば船舶内電力系統にも導入されるものと考えられ、その際、系統内の総負荷容量は発電機の定格出力に匹敵することが想定される。
電気負荷の大容量化は、配電機器、特に昇圧/降圧等に用いる変圧器の大型化を引き起こし、設置面積の不足を招く。これに対し、高周波変圧器が用いられる直流配電方式が注目されている。直流配電方式で使用する昇圧/降圧用の絶縁型直流/直流変換装置で使用する変圧器は、一般の商用周波数より高周波で駆動するため、商用周波数で用いる変圧器と比較して小型化できる。このような利点があるため、配電系統の直流化が、注目され、検討されている。
このような小規模の電力系統においては、負荷の需要に対して十分余裕のある電源設備を設置することが難しい。このため、負荷の出力が変動すると、通常の回転型発電機を電源とする場合、発電機の調速器の応答性によっては、発電機の回転数変動や直流配電系統の電圧変動を引き起こすおそれがある。
これに対し、特許文献1に記載の従来技術が知られている。本従来技術では、負荷変動によって、直流配電系統の電圧値が所定の変動範囲を超えたり、直流配電系統の直流電流値が所定の上限を超えたりしたら、系統内に設置される電力変換装置のうちの一つの制御モードが、電力制御から電圧制御に切り替えられる。これにより、直流配電系統の電圧が安定化する。
上記の従来技術では、電圧変動が所定の範囲を逸脱したり、電流が所定の上限値を超えたりしたりするときに制御が切り替えられるので、急峻な負荷変動に起因する発電装置の過回転や過減速を防ぐことが難しく、系統が不安定になる怖れがある。
そこで、本発明は、急峻な負荷変動が生じた場合でも、系統を安定化することができる、直流配電系統の系統安定化装置および系統安定化方法、並びにこれらが用いられる直流電力システムを提供する。
上記課題を解決するために、本発明による直流配電系統の系統安定化装置は、発電装置および負荷装置を含み、発電装置は第一電力変換装置を介して電力を供給する直流配電系統を安定化するものであって、第一電力変換装置を制御する第一制御装置からなり、第一制御装置は、第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、発電装置の応答特性とを比較する判定部と、第一電力変換装置を電圧制御によって制御する電圧制御部と、第一電力変換装置を電力制御によって制御する電力制御部と、判定部の比較結果に応じて、電圧制御部および電力制御部のいずれかを選択する制御切替部と、を備える。
本発明による直流配電系統の系統安定化方法は、発電装置および負荷装置を含み、発電装置は第一電力変換装置を介して電力を供給する直流配電系統を安定化する方法であって、第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、発電装置の応答特性とを比較し、比較の結果に基づいて、第一電力変換装置を電圧制御および電力制御のいずれによって制御するかを選択する。
上記課題を解決するために、本発明による直流電力システムは、直流電力を発生および消費する直流配電系統を有するものであって、直流配電系統は、第一電力変換装置を介して電力を供給する発電装置と、直流電力を消費する負荷装置と、直流配電系統を安定化する系統安定化装置と、を備え、系統安定化装置は、第一電力変換装置を制御する第一制御装置からなり、第一制御装置は、第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、発電装置の応答特性とを比較する判定部と、第一電力変換装置を電圧制御によって制御する電圧制御部と、第一電力変換装置を電力制御によって制御する電力制御部と、判定部の比較結果に応じて、電圧制御部および電力制御部のいずれかを選択する制御切替部と、を備える。
本発明によれば、急峻な負荷変動が生じた場合に、直流配電系統を安定化することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について、下記の実施例1〜3により、図面を用いながら説明する。なお、各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
以下、本発明の実施例1について、図1〜8を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1である直流電力システムにおける直流配電系統の構成を示す。本実施例1は、以下に説明するように、一電源、一負荷、一蓄電設備で構成され、直流電力を発生および消費する直流配電系統である。この直流配電系統においては、系統内における負荷の急峻な電力変動に対して、系統に連系する電力変換装置の制御モード(電力制御、電圧制御)を切り替えることにより、電源を構成する発電機の回転数と直流配電系統の直流電圧の変動を抑制する。
図1に示すように、直流配電系統1は、電気負荷装置4−1を含む直流回路2、発電装置3−1、蓄電装置5、交流/直流電力変換装置6−1、直流/直流電力変換装置7−1、第一変換器制御装置8−1、第二変換器制御装置9−1によって構成される。
発電装置3−1は、回転形の発電機(交流発電機)を備えている。発電機は、エンジンなどの原動機により回転駆動される。なお、発電装置3−1は、発電機の回転速度を制御するために、原動機の駆動力を制御する調速器を備えている。
交流/直流電力変換装置6−1は、発電装置3−1が出力する交流電力を直流電力に変換する。本実施例1において、交流/直流電力変換装置6−1は、交流発電機の交流出力電力すなわち発電装置3−1の交流出力を直流に整流する整流回路と、整流回路の出力電圧を昇圧する直流/直流電力変換回路とにより構成される。直流/直流電力変換回路は、半導体スイッチング素子をオン・オフ制御することにより、直流電圧を昇圧もしくは降圧する。なお、直流/直流電力変換装置7−1も同様の直流/直流電力変換回路を備える。
ここで、本明細書において、「A/B電力変換」(A,B:直流もしくは交流)という表記は、AをBに電力変換することを表している。
第一変換器制御装置8−1は、電圧センサによって検出される、発電装置3−1の出力の交流電圧値S61−1と、交流/直流電力変換装置6−1が出力し、主に直流回路2に供給される直流電流値S62−1と、交流/直流電力変換装置6−1の出力の直流電圧値S63−1と、交流/直流電力変換装置6−1における整流回路の出力電圧であり直流/直流電力変換回路によって昇圧される前の電圧値S60−1を受信し、受信したこれらS61−1,S62−1,S63−1,S60−1に基づいて、交流/直流電力変換装置6−1に与える駆動信号COM8−1を生成する。第一変換器制御装置8−1は、この駆動信号COM8−1によって、交流/直流電力変換装置6−1を制御する。これにより、第一変換器制御装置8−1は、系統安定化装置として機能する。
なお、駆動信号COM8−1は、交流/直流電力変換装置6−1における直流/直流電力変換回路を構成する半導体スイッチング素子をオン・オフ駆動する(後述する他の「駆動信号」についても同様)。
蓄電装置5は、直流/直流電力変換装置7−1を介して直流配電系統1に接続される。なお、交流/直流電力変換装置6−1の直流側と直流/直流電力変換装置7−1との接続経路は、いわば直流配電系統1における直流母線を示す。蓄電装置5としては、蓄電池、キャパシタ、フライホイ−ル、SMES(Superconducting Magnetic Energy Storage)、インダクタなどや、これらのうち任意の2つ以上の組合せが適用される。
などが適用される。
などが適用される。
第二変換器制御装置9−1は、直流/直流電力変換装置7−1において計測される、直流回路2に入出力する直流電流値S71−1および直流電圧値S72−1と、蓄電装置5の直流電圧値S70−1を受信して、受信したこれらS71−1,S72−1,S70−1に基づいて、直流/直流電力変換装置7−1に与える駆動信号COM9−1を生成する。第二変換器制御装置9−1は、この駆動信号COM9−1によって、直流/直流電力変換装置7−1を制御する。これにより、第二変換器制御装置9−1は、蓄電装置5の充放電を制御する。
直流回路2において、電気負荷装置4−1は、交流/直流電力変換装置6−1の直流側と直流/直流電力変換装置7−1との接続経路内、すなわち、直流配電系統1における直流母線に接続される。電気負荷装置4−1は、直流母線からの直流電力によって動作する。なお、電気負荷装置4−1は、直流負荷装置でもよいし、インバータ装置(直流/交流電力変換装置)によって駆動される交流負荷装置でもよい。
図2は、本実施例1において系統安定化装置として機能する第一変換器制御装置(図1における「8−1」)の構成を示す。
図2に示すように、第一変換器制御装置8−1は、第一過渡応答検出部81、直流電圧制御部C81、直流電力制御部C82、制御切替部85、指令値変調部61を備える。
なお、第一変換器制御装置8−1は、マイクロコンピュータ、ASIC、DSP、FPGA等のいずれかを用いて構成される(後述の各「変換器制御装置」も同様)。
第一過渡応答検出部81は、電力算出部82と、第一判定部83と、電力指令値生成部84を備える。
電力算出部82は、直流電流値S62−1と、直流電圧値S63−1に基づいて、直流電力値を演算する。そして、電力算出部82は、算出した直流電力値を、第一判定部83および電力指令値生成部84に送る。
第一判定部83は、電力算出部82からの直流電力値に基づいて、直流電力値の時間変化率を演算して、演算した時間変化率と、発電装置3−1の応答特性(例えば、応答速度)、つまり発電装置3−1の調速器の応答時定数とを比較する。また、第一判定部83は、交流電圧値S61−1に基づいて交流の周波数を検出するとともに、検出した周波数と、発電装置3−1が備える発電機の極対数から、発電機の回転数および回転数の変動を算出する。なお、調速器の応答時定数および発電機の極対数は、予め第一変換器制御装置8−1内に記憶されている。
さらに、第一判定部83は、直流電力値の時間変化率と調速器の応答時定数とを比較した結果と、発電機の回転数の変化分(変動)に基づいて、交流/直流電力変換装置6−1の直流回路2側の直流電圧を制御量として、この直流電圧を所定の値に制御する電圧制御と、交流/直流電力変換装置6−1が直流回路2側へ出力する直流電力を制御量とする電力制御との内のいずれを実行するかを判定する。判定後、第一判定部83は、判定結果を制御切替部85に送る。なお、判定処理の流れについては後述する(図8)。
電力指令値生成部84は、電力算出部82からの直流電力値に基づいて、直流電力の時間変化率を演算する。また、電力指令値生成部84は、直流電力値を変化率リミッタに入力し、演算された直流電力の時間変化率が調速器の応答時定数に応じて設定される時間変化率の範囲内に抑制された変化率リミッタの出力を、電力指令値として直流電力制御部C82に送る。なお、本実施例1においては、電力指令値の時間変化率は、演算された直流電力値の時間変化率が調速器の応答時定数に応じて設定される時間変化率の範囲を逸脱している場合、調速器の応答時定数に応じて設定される時間変化率の範囲内の所定値(例えば上限値)に設定され、逸脱していない場合は、演算された直流電力の時間変化率が設定される。
図3は、直流電圧制御部C81の構成を示す。
図3に示すように、直流電圧制御部C81は、比例積分制御部C81−1と、昇圧比調整部C81−2を備える。
比例積分制御部C81−1は、直流電圧値S63−1と直流基準電圧値COMV0との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により直流電圧指令値を生成する。
昇圧比調整部C81−2は、比例積分制御部C81−1からの直流電圧指令値と、昇圧前の直流電圧値S60−1とから昇圧比を演算し、演算された昇圧比に応じた制御指令信号V*を生成する。制御指令信号V*は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御の場合、演算された昇圧比に応じたデューティを得るための電圧指令(変調波)に相当する。
図4は、直流電力制御部C82の構成を示す。
図4に示すように、直流電力制御部C82は、比例積分制御部C82−1と、比例積分制御部C82−2と、昇圧比調整部C82−3を備える。
比例積分制御部C82−1は、直流電流値S62−1と直流電圧値S63−1の積算によって得られる直流電力値と、電力指令値生成部84(図2)からの直流電力指令値Prefとの偏差に基づき、比例積分(PI)演算により直流電流指令値I*を生成する。
比例積分制御部C82−2は、直流電流値S62−1と直流電流指令値I*との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により、直流電圧指令値を生成する。
昇圧比調整部C82−3は、比例積分制御部C82−2からの直流電圧指令値と昇圧前の直流電圧値S60−1に基づいて、図3におけるC81−2と同様に、制御指令信号V*を生成する。
前述の第一判定部83(図2)における判定結果、すなわち「電圧制御」および「電力制御」に応じて、制御切替部85(図2)によって、それぞれ、直流電圧制御部C81が生成する制御指令信号および直流電力制御C82が生成する制御指令信号の一方が選択される。選択された制御指令信号(V*)に応じて、指令値変調部61は、変調動作(例えば、PWM変調)によって駆動信号COM8−1を生成して、生成した駆動信号COM8−1を交流/直流電力変換装置6−1に送信する。交流/直流電力変換装置6−1は、駆動信号COM8−1によって制御される。これにより、直流配電系統における系統電圧や系統電力が安定化する。
図5は、図1における第二変換器制御装置9−1の構成を示す。
図5に示すように、第二変換器制御装置9−1は、第二過渡応答検出部91と、直流電圧制御部C91と、直流電力制御部C92と、制御切替部92と、指令値変調部71を備える。
第二過渡応答検出部91は、直流回路2の直流電圧値S72−1に基づいて、直流/直流電力変換装置7−1の直流回路2側の直流電圧を制御量とする電圧制御と、直流/直流電力変換装置7−1と直流回路2との間の直流入出力電力を制御量とする電力制御の内のいずれを実行するのかを判定する。このとき、第二過渡応答検出部91は、直流電圧値S72−1の値が所定の範囲を逸脱したか否かを判定することによって電圧制御と電力制御のいずれを実行するのかを判定し、判定結果(「電圧制御」または「電力制御」)を制御切替部92に送る。
第二変換器制御装置9−1は、直流/直流電力変換装置7−1に対して、直流電圧値S72−1が所定の範囲内である場合、電力制御を実行し、直流電圧値S72−1が所定の範囲を逸脱している場合、電圧制御を実行する。これにより、負荷変動時に、直流配電系統の系統電圧を安定化するように、蓄電装置5の充放電が制御される。なお、直流電圧値S72−1が所定の範囲内である場合(通常状態を含む)、負荷への電力供給は、発電装置3−1の発電電力で賄われ、実質的に蓄電装置5の充放電量はほぼ零となる。これにより、蓄電装置5の劣化が防止され、蓄電装置5の寿命が延びる。
図6は、直流電圧制御部C91の構成を示す。
図6に示すように、直流電圧制御部C91は、直流電圧制御部C81(図3)と同様に、比例積分制御部C91−1と、昇圧比補正部C91−2を備える。
比例積分制御部C91−1は、直流電圧値S72−1と直流基準電圧値COMV0との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により直流電圧指令値を生成する。
昇圧比補正部C91−2は、比例積分制御部C91−1からの直流電圧指令値と、蓄電装置5の直流電圧S70−1とから昇圧比を演算し、演算された昇圧比に応じた制御指令信号V*を生成する。制御指令信号V*は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御の場合、演算された昇圧比に応じたデューティを得るための電圧指令(変調波)に相当する。
図7は、直流電力制御部C92の構成を示す。
図7に示すように、直流電力制御部C92は、直流電力制御部C82(図4)と同様に、比例積分制御部C92−1と、比例積分制御部C92−2と、昇圧比補正部C92−3を備える。
比例積分制御部C92−1は、直流電流値S71−1と直流電圧値S72−1の積算によって得られる直流電力値と、電力指令値COMP0との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により直流電流指令値I*を生成する。
比例積分制御部C92−2は、直流電流値S71−1と直流電流指令値I*との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により、直流電圧指令値を生成する。
昇圧比補正部C92−3は、比例積分制御部C92−2からの直流電圧指令値と、蓄電装置5の直流電圧S70−1とに基づいて、図6におけるC91と同様に、制御指令信号V*を生成する。
前述の第二過渡応答検出部91(図5)における判定結果、すなわち「電圧制御」および「電力制御」に応じて、制御切替部92(図5)によって、それぞれ、直流電圧制御部C91が生成する制御指令信号および直流電力制御C92が生成する制御指令信号の一方が選択される。選択された制御指令信号(V*)に応じて、指令値変調部71は、変調動作(例えば、PWM変調)によって駆動信号COM9−1を生成して、生成した駆動信号COM9−1を直流/直流電力変換装置7−1に送信する。直流/直流電力変換装置7−1は、駆動信号COM8−1によって制御される。これにより、直流配電系統を安定化するように、蓄電装置5の充放電が制御される。
図8は、本実施例1において系統安定化装置として機能する第一変換器制御装置8−1(図2)が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、定常状態において、第一変換器制御装置8−1は、電圧制御を実行する(ステップST1)。この時、制御切替部85(図2)は、直流電圧制御部C81が生成する制御指令信号を選択し、直流電圧制御部C81と指令値変調部61を接続する。
次に、電力算出部82によって、直流電流値S62−1と直流電圧値S63−1に基づいて直流電力値が算出される(ステップST2)。
次に、第一判定部83によって、ステップST2で算出された直流電力値の時間変化率が、発電装置3−1の調速器の応答時定数に応じて設定される所定の時間変化率の範囲内であるか否かが判定される(ステップST3)。直流電力値の時間変化率が所定の時間変化率を逸脱する場合(ステップST3のYes)、次にステップST4が実行される。直流電力値の時間変化率が所定の時間変化率以内である場合(ステップST3のNo)、ステップST2が、再度、実行される。
ステップST4では、第一判定部83によって、発電装置3−1の発電機の回転数が、所定範囲を逸脱しているか否かが判定される。回転数が所定範囲を逸脱する場合(ステップST4のYes)、次にステップST5が実行される。回転数が所定範囲内である場合(ステップST4のNo)、ステップST2が、再度、実行される。
ステップST5では、制御切替部85によって、第一変換器制御装置8−1による交流/直流電力変換装置6−1の制御が、電圧制御から電力制御へ切り替えられる。
このように、直流電力値の時間変化率が、発電装置3−1の調速器の応答時定数に応じて設定される所定の時間変化率の範囲を逸脱する場合、すなわち直流電力値が発電装置3−1の応答速度を超えて急峻に変動する場合に、制御モードが電圧制御から電力制御に切り換えられるので、急峻な負荷変動が生じても、系統を安定化させることができる。さらに、本実施例1では、直流電力値の時間変化率が所定の時間変化率を逸脱しても、発電装置3−1の発電機の回転数が所定範囲内である場合、電力制御への切り換えは実行されない。これにより、急峻な負荷変動が生じても、変動量が小さく、実質、負荷変動が発電機の動作や系統の安定性に影響しない場合に、不要な制御動作がなされず、電圧制御状態が維持される。
上述のように、ステップST4においては、負荷変動に伴う発電装置3−1の動作変動を、発電機の回転数に基づいて判定されるが、発電機の回転数に代えて、発電装置3−1の出力の交流電圧値S61−1の変動に基づいて判定されてもよい。
なお、ステップST4において、第一判定部83は、回転数が所定範囲を逸脱する場合(ステップST4のYes)、制御切替部85に対して、直流電力制御部C82が生成する制御指令信号の選択、すなわち交流/直流電力変換装置6−1に対する電力制御の選択を指令する。また、第一判定部83は、回転数が所定範囲内である場合(ステップST4のNo)、制御切替部85に対して、直流電圧制御部C81が生成する制御指令信号の選択、すなわち交流/直流電力変換装置6−1に対する電圧制御の選択を指令する。
なお、図8には示していないが、ステップST4では、電力指令値生成部84によって、電力算出部82からの直流電力値の時間変化率の大きさが抑制され、このように時間変化率が抑制された直流電圧値から電力指令値(図4における「Pref」)が生成される。
上述した実施例1によれば、発電装置3−1が発生する交流電力が交流/直流電力変換装置6−1によって直流電力に変換されて直流配電系統1に供給され、この直流電力の時間変化率が発電装置3−1の応答特性に応じて設定される所定範囲の時間変化率を逸脱する場合に、交流/直流電力変換装置6−1の制御を電圧制御から電力制御に切り換える。これにより、急峻な負荷変動が生じても、発電装置3−1の動作(発電機の回転数など)が安定化されるとともに、直流配電系統1を安定化することができる。
また、交流/直流電力変換装置6−1を制御することによって直流配電系統が安定化されるので、電気負荷装置4−1を含む直流回路2側において、直流電圧を制御する機器が不要となる。これにより、直流配電系統1の規模の増大が抑制できる。
また、負荷変動時に、系統電圧を安定化するために、蓄電装置5を充放電する直流/直流電力変換装置7−1に対して電圧制御が実行されるが、発電装置3−1側の交流/直流電力変換装置6−1が系統安定化機能を有するので、蓄電装置5の容量を低減することができ、蓄電装置5を小型化できる。
以下、本発明の実施例2について、図9〜14を用いて説明する。なお、主に、実施例1と異なる点について説明する。
図9は、本発明の実施例2である直流電力システムの構成を示す。
本実施例2は、一電源、一負荷、一蓄電設備で構成される直流配電系統1と直流配電系統の状態を監視する系統監視装置10からなる。
本実施例2においては、電気負荷装置4−1の電力変動に対して、交流/直流電力変換装置6−1の制御モードが切り替えられると(電圧制御→電力制御)、系統監視装置10から直流/直流電力変換装置7−1に、制御モードの切り替え(電力制御→電圧制御)を指令する設定信号を送信する。さらに、発電装置3−1と電気負荷装置4−1との間の電力需給がバランスするタイミングで、系統監視装置10から、各電力変換装置に対し、制御モードを、電力変動発生前の状態に復帰させることを指令する設定信号を送信する。
図9が示すように、直流配電系統1は、実施例1(図1)と同様に、電気負荷装置4−1を含む直流回路2、発電装置3−1、蓄電装置5、交流/直流電力変換装置6−1、直流/直流電力変換装置7−1、第一変換器制御装置8−1、第二変換器制御装置9−1によって構成される。なお、本実施例2においては、直流回路2において、電気負荷装置4−1には、第三変換器制御装置11−1によって制御される直流/直流電力変換装置7−2を介して系統電力が供給される。
直流配電系統1において、電気負荷装置4−1、発電装置3−1、蓄電装置5、交流/直流電力変換装置6−1、直流/直流電力変換装置7−1、第一変換器制御装置8−1、第二変換器制御装置9−1の機能や動作は前述の実施例1(図1)と同様である。
直流/直流電力変換装置7−2は、系統からの直流電力を、昇圧あるいは降圧するなどして、電気負荷装置4−1に供給する直流電力に変換する。
第三変換器制御装置11−1は、直流/直流電力変換装置7−2において計測される、直流回路2に入出力する直流電流値S71−2および直流回路2側の直流/直流電力変換装置7−2の直流電圧値S72−2と、電気負荷装置4−1の直流電圧値S70−2を受信して、受信したこれらS71−2,S72−2,S70−2に基づいて、直流/直流電力変換装置7−2に与える駆動信号COM11−1を生成する。第三変換器制御装置11−1は、この駆動信号COM11−1によって、直流/直流電力変換装置7−2を制御する。これにより、第三変換器制御装置11−1は、電気負荷装置4−1に供給する直流電力の直流電圧を制御する。
系統監視装置10は、直流配電系統1における直流回路2の構成、潮流状態、発電装置の回転状態等を監視するとともに、系統監視装置は、各電力変換装置の制御モードを設定する。より具体的に、系統監視装置10は、第一変換器制御装置8−1、第二変換器制御装置9−1および第三変換器制御装置11−1から、それぞれ、変換器設定情報S65−1、変換器設定情報S73−1および変換器設定情報S73−2を受信する。また、系統監視装置10は、系統安定化機能を有する第一変換器制御装置8−1および第二変換器制御装置9−1に対して、それぞれ、電圧指令値または電力指令値もしくは制御モードを示す変換器制御信号S64−1および変換器制御信号S74−1を送信する。
図10は、本実施例2において系統安定化装置として機能する第一変換器制御装置(図9における「8−1」)の構成を示す。
図10に示すように、第一変換器制御装置8−1は、実施例1(図2)と同様に、第一過渡応答検出部81、直流電圧制御部C81、直流電力制御部C82、制御切替部85、指令値変調部61を備える。本実施例2の第一変換器制御装置8−1は、さらに、変換器設定情報送信部86を備える。
第一過渡応答検出部81は、実施例1(図2)と同様に、電力算出部82と、第一判定部83と、電力指令値生成部84を備える。
電力算出部82は、実施例1(図2)と同様に直流電力値を計算するが、計算した直流電力値を、第一判定部83および電力指令値生成部84のほか、変換器設定情報送信部86にも送る。
第一判定部83は、実施例1(図2)と同様に、直流電力値の時間変化率と、発電装置3−1の応答時定数とを比較するとともに、発電機の回転数および回転数の変動を算出する。さらに、第一判定部83は、実施例1(図2)と同様に、この比較結果と、発電機の回転数の変化分(変動)とに基づくとともに、さらに系統監視装置10から受信する変換器制御信号S65−1(制御モードの指定信号)にも基づいて、電圧制御および電力制御のいずれを実行するかを判定する。判定後、第一判定部83は、判定結果を制御切替部85に送るとともに、変換器設定情報送信部86にも送る。なお、判定処理の流れについては後述する(図14)。
ここで、定常状態では、変換器制御信号S65−1は制御モードとして電圧制御を指定するので、第一判定部83は、変換器制御信号S65−1に応じて、実行する制御モードは電圧制御であると判定する。これにより、定常状態において、交流/直流電力変換装置6−1は電圧制御によって運転される。
電力指令値生成部84は、実施例1(図2)と同様に、電力算出部82からの直流電力値に基づいて、直流電力の時間変化率の大きさが所定範囲内に抑制された電力指令値を生成し、生成した電力指令値を直流電力制御部C82に送る。
変換器設定情報送信部86は、交流電圧値S61−1と、直流電流値S62−1と、直流電圧値S63−1と、電力算出部82で算出された直流電力値と、第一判定部83による判定結果である制御モード(電圧制御または電力制御)を、第一変換器制御装置8−1に関する変換器設定情報S64−1として系統監視装置10に送信する。
直流電圧制御部C81の構成は、実施例1(図3)と同様である。また、直流電力制御部C82の構成も、実施例1(図4)と同様である。さらに、実施例1(図2)と同様に、直流電圧制御部C81および直流電力制御部C82が生成する制御指令信号の内のいずれかが、第一判定部83による制御モードの判定結果に応じて選択され、選択された制御指令信号に基づいて交流/直流電力変換装置6−1が制御される。これにより、直流配電系統が安定化する。
図11は、実施例2における第二変換器制御装置9−1の構成を示す。
図11に示すように、第二変換器制御装置9−1は、実施例1(図5)と同様に、第二過渡応答検出部91と、直流電圧制御部C91と、直流電力制御部C92と、制御切替部92と、指令値変調部71を備える。本実施例2における第二変換器制御装置9−1は、さらに、電力算出部93および変換器設定情報送信部94を備える。
第二過渡応答検出部91は、直流回路2に入出力する直流電流値S71−1および直流電圧値S72−1と、系統監視装置10からの変換器制御信号S74−1とに基づいて、直流/直流電力変換装置7−1の直流回路2側の直流電圧を制御量とする電圧制御と、直流/直流電力変換装置7−1と直流回路2との間の直流入出力電力を制御量とする電力制御の内のいずれを実行するのかを判定する。このとき、第二過渡応答検出部91は、直流電圧値S72−1の値が所定の範囲を逸脱したか否かを判定することによって電圧制御と電力制御のいずれを実行するのかを判定し、判定結果(「電圧制御」または「電力制御」)を制御切替部92に送るとともに、変換器設定情報送信部94にも送る。
ここで、定常状態を含む、直流電圧値S72−1が所定の範囲内である場合、変換器制御信号S74−1は制御モードとして電力制御を指定するとともに、電力指令値が零であることを示す。このため、第二過渡応答検出部91は、実行する制御モードは電力制御であると判定する。これにより、定常状態において、直流/直流電力変換装置7−1は、蓄電装置5の充放電電力が零になるように、電力制御によって運転される。また、直流電圧値S72−1が所定の範囲を逸脱する場合、第二過渡応答検出部91は、実行する制御モードは電圧制御であると判定する。これにより、直流/直流電力変換装置7−1は電圧制御によって運転されるので、系統電圧を安定化することができる。
直流電圧制御部C91の構成は、実施例1(図6)と同様である。また、直流電力制御部C92の構成も、実施例1(図7)と同様である。さらに、実施例1(図5)と同様に、直流電圧制御部C91および直流電力制御部C92が生成する制御指令信号の内のいずれかが、第二過渡応答検出部91による制御モードの判定結果に応じて選択され、選択された制御指令信号に基づいて直流/直流電力変換装置7−1が制御される。これにより、直流配電系統が安定化する。
変換器設定情報送信部94は、直流電流値S71−1と、直流電圧値S72−1と、第二過渡応答検出部91による制御モードの判定結果とを、系統監視装置10に送信する。さらに、変換器設定情報送信部94は、電力算出部93が直流電流値S71−1および直流電圧値S72−1に基づいて算出する直流電力値を系統監視装置10に送信する。
図12は、第三変換器制御装置11−1の構成を示す。
図12に示すように、第三変換器制御装置11−1は、直流電圧制御部C111と、電力算出部111−1と、変換器設定情報送信部111−2と、指令値変調部71を備える。
変換器設定情報送信部111−2は、直流電圧値S72−2、直流電圧値S70−2、直流回路2側の直流電流値S71−2を含む変換器設定情報S73−2を系統監視装置10に送信する。また、変換器設定情報S73−2は、直流電流値S71−2および直流電圧値S72−2に基づいて電力算出部111−1によって算出される直流電力値を含む。
図13は、第三変換器制御装置11−1の直流電圧制御部C111の構成を示す。
図13に示すように、直流電圧制御部C111は、比例積分制御部C111−1と、降圧比補正部C111−2を備える。
比例積分制御部C111−1は、直流電圧値S70−2と、電気負荷装置4−1の直流基準電圧値COMV1との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により、直流電圧指令値を生成する。
降圧比補正部C111−2は、比例積分制御部C111−1からの直流電圧指令値と、直流電圧値S72−2とに基づいて降圧比を演算し、演算された降圧比に応じた制御指令信号V*を生成する。制御指令信号V*は、例えばPWM制御の場合、演算された降圧比に応じたデューティを得るための電圧指令(変調波)に相当する。
降圧比補正部C111−2によって生成された制御指令信号V*に応じて、指令値変調部71(図12)は、変調動作(例えば、PWM変調)によって駆動信号COM11−1を生成して、生成した駆動信号COM11−1を直流/直流電力変換装置7−2に送信する。これにより、直流/直流電力変換装置7−2は、電気負荷装置4−1に電力を供給して、電気負荷装置4−1を駆動する。
なお、本実施例2において、第三変換器制御装置11−1は、電気負荷装置4−1の制御機能を有するが、系統を安定化する機能は有していない。
図14は、本実施例2において系統安定化装置として機能する第一変換器制御装置8−1(図10)が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図14のフローチャートにおいて、ステップST11,ST12,ST13,ST14およびST15は、それぞれ、実施例1(図8)におけるステップST1,ST2,ST3,ST4およびST5と同様である。
本実施例2においては、ステップST15において、電圧制御から電力制御への切り替えが実行されると、さらに、ステップST16が実行される。
なお、ステップST16が実行される前に、第一変換器制御装置8−1は、系統監視装置10より変換器制御信号S65−1を受信している。
ここで、系統監視装置10は、第一変換器制御装置8−1(図10における「電力算出部82」参照)において算出される直流電力値、すなわち発電装置3−1による系統への電力供給量と、第三変換器制御装置11−1(図12における「電力算出部111−1」参照)において算出される直流電力値、すなわち電気負荷装置4−1における電力需要量とを監視している。系統監視装置10は、電力供給量と電力需要量との差が所定値以内であり、両者が実質的に等しく、バランスしていることを確認すると、第一変換器制御装置8−1および第二変換器制御装置9−1に対して、それぞれ、制御モードを指令する変換器制御信号S65−1(電圧制御)および変換器制御信号S74−1(電力制御)を送信する。
ステップST16では、第一判定部83(図10)によって、系統監視装置10から変換器制御信号S65−1が受信されているか否かが判定される。変換器制御信号S65−1が受信されている場合(ステップST16のYes)、次にステップST17が実行される。また、変換器制御信号S65−1が受信されていない場合(ステップST16のNo)、ステップST16の判定処理が繰り返し実行される。
ステップST17では、制御切替部85(図10)によって、第一変換器制御装置8−1による交流/直流電力変換装置6−1の制御が、電力制御から電圧制御に切り換えられる。これにより、直流配電系統は定常状態に復帰する。ステップST17が実行されると、再度、ステップST12以降の処理が実行される。
なお、蓄電装置5側の第二変換器制御装置9−1(図11)は、実施例1(図5)と同様の機能を有するとともに、さらに図14におけるステップST16およびST17と同様の処理を実行する。ただし、第二変換器制御装置9−1の場合、図14におけるステップST11,ST15,ST16およびST17に対応する処理は、それぞれ、「電力制御」、「電力制御から電圧制御への切り替え」、「変換器制御信号S74−1の受信判定」および「電圧制御から電力制御への切り替え」である。
上述した実施例2によれば、実施例1と同様に、直流配電系統1に供給される直流電力の時間変化率が発電装置3−1の応答特性に応じて設定される所定範囲の時間変化率を逸脱する場合に、交流/直流電力変換装置6−1の制御モードを電圧制御から電力制御に切り換える。これにより、実施例1と同様に、急峻な負荷変動が生じても、直流配電系統1を安定化することができる。また、負荷変動が生じた際に、蓄電装置5に接続される直流/直流電力変換装置の制御モードを電力制御から電圧制御に切り替えることにより、系統電圧を安定化することができる。
さらに、本実施例2によれば、系統監視装置10が系統内の電力変換装置の状態(制御モード、電力出力など)を監視し、電力変換装置の制御モードを設定することにより、過渡的な負荷変動の後、定常状態へ復帰する際に、電力需給がバランスする適切なタイミングで電力変換装置の制御モードを切り替えることができる。
以下、本発明の実施例3について、図15〜18を用いて説明する。なお、主に、実施例1および実施例2と異なる点について説明する。
図15は、本発明の実施例3である直流電力システムの構成を示す。
本実施例3は、実施例2(図9)と同様に、直流配電系統1と、直流配電系統1の状態を監視する系統監視装置10からなる。さらに、本実施例3において、直流配電系統1は、複数電源(図15では二電源)、複数負荷(図15では二負荷)、一蓄電設備で構成される。従って、本実施例3の構成は、二電源および二負荷である点を除いて、ほぼ実施例2と同様である。
図15が示すように、直流配電系統1は、電気負荷装置4−1を含む直流回路2−1、電気負荷装置4−2を含む直流回路2−2、発電装置3−1、発電装置3−2、蓄電装置5、交流/直流電力変換装置6−1、交流/直流電力変換装置6−2、直流/直流電力変換装置7−1、第一変換器制御装置8−1、第一変換器制御装置8−2、第二変換器制御装置9−1によって構成される。
なお、本実施例3においては、直流回路2−1において、電気負荷装置4−1には、第三変換器制御装置11−1によって制御される直流/直流電力変換装置7−2を介して系統電力が供給される。また、本実施例3においては、直流回路2−2において、電気負荷装置4−2には、第三変換器制御装置11−2によって制御される直流/直流電力変換装置7−3を介して系統電力が供給される。
直流配電系統1において、電気負荷装置4−1、発電装置3−1、蓄電装置5、交流/直流電力変換装置6−1、直流/直流電力変換装置7−1、直流/直流電力変換装置7−2、第一変換器制御装置8−1、第二変換器制御装置9−1の機能や動作は前述の実施例1(図1)および実施例2(図9)と同様である。また、直流配電系統1において、直流/直流電力変換装置7−2、第三変換器制御装置11−1、系統監視装置10の機能や動作は前述の実施例2(図9)と同様である。
また、図15において、電気負荷装置4−2、発電装置3−2、交流/直流電力変換装置6−2、直流/直流電力変換装置7−3、第一変換器制御装置8−2、第三変換器制御装置11−2の機能や動作は、それぞれ電気負荷装置4−1、発電装置3−1、交流/直流電力変換装置6−1、直流/直流電力変換装置7−2、第一変換器制御装置8−1、第三変換器制御装置11−1と同様である。
なお、第一変換器制御装置8−2は、電圧センサによって検出される、発電装置3−2の出力の交流電圧値S61−2と、交流/直流電力変換装置6−2が出力し、主に直流回路2−1,2−2に供給される直流電流値S62−2と、交流/直流電力変換装置6−2の出力の直流電圧値S63−2と、交流/直流電力変換装置6−2における整流回路の出力電圧であり直流/直流電力変換回路によって昇圧される前の電圧値S60−2を受信し、受信したこれらS61−2,S62−2,S63−2,S60−2に基づいて、交流/直流電力変換装置6−2に与える駆動信号COM8−2を生成する。第一変換器制御装置8−2は、この駆動信号COM8−2によって、交流/直流電力変換装置6−2を制御する。これにより、第一変換器制御装置8−2は、第一変換器制御装置8−1とともに系統安定化装置として機能する。
また、第三変換器制御装置11−2は、直流回路2−2側の端子電圧S72−3、直流回路2−2側の直流電流S71−3、電気負荷装置4−2に出力される直流電圧S70−3を受信し、第三変換器制御装置11−2は電気負荷装置4−2に印加する直流電圧を制御する。
第三変換器制御装置11−2は、直流/直流電力変換装置7−3において計測される、直流回路2−2に入出力する直流電流値S71−3および直流回路2−2側の直流/直流電力変換装置7−3の直流電圧値S72−3と、電気負荷装置4−2の直流電圧値S70−3を受信して、受信したこれらS71−3,S72−3,S70−3に基づいて、直流/直流電力変換装置7−3に与える駆動信号COM11−2を生成する。第三変換器制御装置11−2は、この駆動信号COM11−2によって、直流/直流電力変換装置7−3を制御する。これにより、直流/直流電力変換装置7−3は、電気負荷装置4−2に電力を供給して、電気負荷装置4−2を駆動する。
系統監視装置10は、第一変換器制御装置8−1、第一変換器制御装置8−2、第二変換器制御装置9−1、第三変換器制御装置11−1、第三変換器制御装置11−2から、それぞれ、各電力変換装置において計測される電気量(電圧、電流、電力)を含む変換器設定情報S64−1、変換器設定情報S64−2、変換器設定情報S73−1、変換器設定情報S73−2、変換器設定情報S73−3を受信する。また、系統監視装置10は、系統安定化機能を有する第一変換器制御装置8−1、第一変換器制御装置8−2および第二変換器制御装置9−1に対して、それぞれ、電圧指令値または電力指令値もしくは制御モードを示す変換器制御信号S65−1、変換器制御信号S65−2、変換器制御信号S74−1を送信する。すなわち、系統監視装置10は、発電装置3−1および発電装置3−2の各電力供給量と、電気負荷装置4−1および電気負荷装置4−2の各電力需要量を監視している。
図16は、本実施例3において系統安定化装置として機能する第一変換器制御装置(図15における「8−1」および「8−2」)の構成を示す。なお、第一変換器制御装置8−1と第一変換器制御装置8−2は同様の構成を有する。そこで、図16には、第一変換器制御装置8−1を示し、第一変換器制御装置8−2の説明は省略する。
図16に示すように、第一変換器制御装置8−1は、実施例2(図10)と同様に、第一過渡応答検出部81、直流電圧制御部C81、直流電力制御部C82、制御切替部85、指令値変調部61、変換器設定情報送信部86を備える。
第一過渡応答検出部81は、実施例1(図2)および実施例2(図10)と同様に、電力算出部82と、第一判定部83と、電力指令値生成部84を備える。さらに、第一過渡応答検出部81は、電力上限値検出部87を備える。
電力算出部82は、実施例1(図2)と同様に直流電力値を演算するが、計算した直流電力値を、第一判定部83および変換器設定情報送信部86に送るとともに、後述する電力上限値検出部87を介して電力指令値生成部84に送る。
電力上限値検出部87は、電力算出部82で演算した直流電力値が、発電装置3−1の定格出力電力値以上であるか否かを判定し、定格出力電力値以上である場合、第一判定部83には、直流電力値が上限値(定格値)に到達していることを示す上限到達信号を送り、電力指令値生成部84には定格出力電力値を送る。また、直流電力値が定格出力電力値よりも小さい場合、電力上限値検出部87は、第一判定部83に上限到達信号を送らず、電力指令値生成部84には電力算出部82で演算した直流電力値を送る。
第一判定部83は、実施例1(図2)および実施例2(図10)と同様に、直流電力値の時間変化率と、発電装置3−1の応答時定数とを比較するとともに、発電機の回転数および回転数の変動を算出する。さらに、第一判定部83は、実施例2(図10)と同様に、この比較結果と、発電機の回転数の変化分(変動)と、系統監視装置10から受信する変換器制御信号S65−1(制御モードの指定信号)とに基づくとともに、さらに、電力上限値検出部87から上限到達信号に基づいて、電圧制御および電力制御のいずれを実行するかを判定する。判定後、第一判定部83は、判定結果を制御切替部85に送るとともに、変換器設定情報送信部86にも送る。なお、判定処理の流れについては後述する(図18)。
電力指令値生成部84は、電力上限値検出部87からの直流電力値に基づいて、実施例1(図2)と同様に、直流電力の時間変化率の大きさが所定範囲内に抑制された電力指令値(Pref)を生成し、生成した電力指令値を直流電力制御部C82に送る。
変換器設定情報送信部86は、第一変換器制御装置8−1では交流電圧値S61−1、直流電流値S62−1、直流電圧値S63−1、電力算出部82で算出した直流電力値、制御モードを含む第一変換器制御装置8−1の設定情報を変換器設定情報S64−1として系統監視装置10に送信する。
変換器設定情報送信部86は、実施例2(図10)と同様に、交流電圧値S61−1と、直流電流値S62−1と、直流電圧値S63−1と、電力算出部82で算出された直流電力値と、第一判定部83による判定結果である制御モード(電圧制御または電力制御)を、第一変換器制御装置8−1に関する変換器設定情報S64−1として系統監視装置10に送信する。
図17は、直流電圧制御部C81の構成を示す。
図17に示すように、直流電圧制御部C81は、比例積分制御部C81−1と、昇圧比調整部C81−2と、垂下係数積算部C81−3とを備える。なお、本実施例3の直流電圧制御部C81においては、発電装置3−1と発電装置3−2の一方に負荷が集中することを防止するため、いわゆるドループ(Droop)制御(垂下制御)が用いられる。
垂下係数積算部C81−3は、直流電流値S62−1と直流電圧値S63−1との積算値、すなわち直流電力値に、垂下係数を乗じる。
比例積分制御部C81−1は、直流基準電圧COMV0と、垂下係数が乗じられた直流電力値との偏差(直流基準電圧COMV0−垂下係数×直流電力値)、すなわちドループ(垂下)特性を持たせた基準電圧値と、直流電圧値S63−1との偏差に基づき、比例積分(PI)演算により直流電圧指令値を生成する。
昇圧比補正部C81−2は、比例積分制御部C81−1からの直流電圧指令値と、昇圧前の直流電圧S60−1とから昇圧比を演算し、演算された昇圧比に応じた制御指令信号V*を生成する。制御指令信号V*は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御の場合、演算された昇圧比に応じたデューティを得るための電圧指令(変調波)に相当する。
なお、直流電力制御部C82の構成は、実施例1(図4)と同様である。さらに、実施例1(図2)と同様に、直流電圧制御部C81および直流電力制御部C82が生成する制御指令信号の内のいずれかが、第一判定部83による制御モードの判定結果に応じて選択され、選択された信号に基づいて交流/直流電力変換装置6−1が制御される。これにより、直流配電系統が安定化する。
なお、本実施例3(図15)における第二変換器制御装置9−1の構成は、実施例2における第二変換器制御装置9−1の構成(図11)と同様である。また、本実施例3(図15)における第三変換器制御装置11−1,11−2の構成は、ともに実施例2における第三変換器制御装置11−1の構成(図12)と同様である。
図18は、本実施例3において系統安定化装置として機能する第一変換器制御装置8−1(図16)が実行する処理の流れを示すフローチャートである。なお、第一変換器制御装置8−2(図15)も、本図18のフローチャートに従って、処理を実行する。
まず、定常状態において、第一変換器制御装置8−1は、電圧制御を実行する(ステップST21)。この時、制御切替部85(図16)は、直流電圧制御部C81が生成する制御指令信号を選択し、直流電圧制御部C81と指令値変調部61を接続する。なお、直流電圧制御部C81は、上述のようにドループ制御を実行する(図17)。
次に、電力算出部82によって、直流電流値S62−1と直流電圧値S63−1に基づいて直流電力値が算出される(ステップST22)。
次に、電力上限値検出部87からの上限到達信号の有無に基づいて、ステップST22で算出された直流電力値が、発電装置3−1の定格出力以上である否かを判断し(ステップST23)、定格以上である場合(ステップST23のYes:上限到達信号有)、次にステップST26が実行され、定格よりも小である場合(ステップST23のNo:上限到達信号無)、次にステップST24が実行される。
ステップST24では、第一判定部83によって、ステップST22で算出された直流電力値の時間変化率が、発電装置3−1の調速器の応答時定数に応じて設定される所定の時間変化率の範囲内であるか否かが判定される。直流電力値の時間変化率が所定の時間変化率を逸脱する場合(ステップST24のYes)、次にステップST25が実行される。直流電力値の時間変化率が所定の時間変化率の範囲内である場合(ステップST25のNo)、ステップST22が、再度、実行される。
ステップ25では、第一判定部83によって、発電装置3−1の発電機の回転数が、所定範囲を逸脱しているか否かが判定される。回転数が所定範囲を逸脱する場合(ステップST25のYes)、次にステップST26が実行される。回転数が所定範囲内である場合(ステップST25のNo)、ステップST22が、再度、実行される。
ステップST26では、制御切替部85によって、第一変換器制御装置8−1による交流/直流電力変換装置6−1の制御が、電圧制御から電力制御へ切り替えられる。ここで、ステップST23の次にステップST26が実行される場合、電力指令値は定格電力に設定される。また、ステップST25の次にステップST26が実行される場合、直流電力指令値は、電力算出部82からの直流電力値から電力指令値生成部84によって生成される電力指令値が設定される。ステップST26が実行されると、次に、ステップST27が実行される。
ステップST27では、ステップST23と同様に、交流/直流電力変換装置6−1の直流電力が発電装置3−1の定格出力以上であるか否かが判定される。定格出力以上である場合(ステップST27のYes)、ステップST27の判定処理が繰り返し実行され、定格出力よりも小である場合(ステップST27のNo)、次にステップST28が実行される。なお、本ステップST27においては、ステップST23で、交流/直流電力変換装置6−1の直流電力が発電装置3−1の定格出力以上と判定されて、制御モードが電圧制御から電力制御に切り換えられた場合に、負荷変動が低下したか否かが確認される。
ステップST28では、第一判定部83(図16)によって、系統監視装置10から変換器制御信号S65−1が受信されているか否かが判定される。変換器制御信号S65−1が受信されている場合(ステップST28のYes)、次にステップST29が実行される。また、変換器制御信号S65−1が受信されていない場合(ステップST28のNo)、ステップST28の判定処理が繰り返し実行される。
なお、ステップST28からステップST29において、系統監視装置10は発電装置3−1および発電装置3−2の各供給電力の和が、電気負荷装置4−1および電気負荷装置4−2の各需要電力の和に等しいことを確認すると、第一変換器制御装置8−1、第一変換器制御装置8−2および第二変換器制御装置9−1に、それぞれ、変換器制御信号S65−1、変換器制御銀号S65−2および変換器制御信号S74−1を送信する。
ステップST29において、第一変換器制御装置8−1は変換器制御信号S65−1を受信すると交流/直流電力変換装置6−1の直流回路2側端子の直流電圧を、第一変換器制御装置8−2は変換器制御信号S65−2を受信すると交流/直流電力変換装置6−2の直流回路2側端子の直流電圧を制御するように各々制御モードを切り替える。また、ステップST29において、第二変換器制御装置9−1は、変換器制御信号S74−1を受信すると直流/直流電力変換装置7−1が蓄電装置5の充放電電力を制御するように制御モードを切り替える。
このように、第一変換器制御装置8−1、第一変換器制御装置8−2が直流電圧制御に制御モードを切り替え、第二変換器制御装置9−1が直流電力制御に制御モードを切り替えると、ステップST21の状態すなわち定常状態に復帰する。
上述のような実施例3によれば、実施例1,2と同様に、急峻な負荷変動が生じても、直流配電系統1を安定化することができる。また、負荷変動が生じた際に、蓄電装置5に接続される直流/直流電力変換装置の制御モードを電力制御から電圧制御に切り替えることにより、系統電圧を安定化することができる。
また、実施例3によれば、直流配電系統1に複数の発電装置3−1,3−2および複数の電気負荷装置4−1,4−2が接続されていても、実施例2と同様に、系統監視装置10が系統内の電力変換装置の状態(制御モード、電力出力など)を監視し、電力変換装置の制御モードを設定することにより、過渡的な負荷変動の後、定常状態へ復帰する際に、電力変換装置が、電力需給がバランスする適切なタイミングで制御モードを切り替えることができる。
また、本実施例3によれば、各交流/直流電力変換装置で、制御モードを切り替え、各発電装置の調速器の応答時定数により設定される時間変化率に基づいて直流電力指令値がそれぞれ設定されるので、直流配電系統に仕様の異なる複数台の発電機を含む場合においても、直流配電系統を安定化できる。
また、本実施例3によれば、複数の第一変換器制御装置8−1,8−2の各々が系統安定化機能を有し、かつ直流配電系統内における電力需要が複数の発電装置によって賄われる。このため、複数の発電装置や複数の電気負荷装置が直流配電系統に接続されても、蓄電装置の容量の容量を増大させることなく、例えば1台の蓄電装置で直流系統電圧の変動を抑制することができる。
さらに、本実施例3によれば、発電装置の定格電力を超えるような負荷変動が生じた場合、電力指令値を発電装置の定格電力に設定することにより、複数の発電装置のいずれかに過度な電力負担が発生することが防止される。これにより、発電装置の異常を防止できる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、直流電力系統内における発電装置や電気負荷装置の台数は、任意の複数台でも良い。発電装置の台数と電気負荷装置の台数は、異なっていても良い。また、蓄電装置の台数、任意の複数台でも良い。
また、蓄電装置や電気負荷装置は、直流配電系統に電力変換装置を介して接続しても良いし、電力変換装置を介することなく、直接接続しても良い。
1 直流配電系統、
2,2−1,2−2 直流回路、
3−1,3−2 発電装置、
4−1,4−2 電気負荷装置、
5 蓄電装置、
6−1,6−2 交流/直流電力変換装置、
7−1,7−2,7−3 直流/直流電力変換装置、
8−1,8−2 第一変換器制御装置、
9−1 第二変換器制御装置、
11−1,11−2 第三変換器制御装置、
10 系統監視装置、
61,71指令値変調部、
81 第一過渡応答検出部、
82 電力算出部、
83 第一判定部、
84 電力指令値生成部、
85 制御切替部、
86 変換器設定情報送信部、
87 電力上限値検出部、
9−1 第二変換器制御装置、
91 第二過渡応答検出部、
92 制御切替部、
93 電力算出部、
94 変換器設定情報送信部
2,2−1,2−2 直流回路、
3−1,3−2 発電装置、
4−1,4−2 電気負荷装置、
5 蓄電装置、
6−1,6−2 交流/直流電力変換装置、
7−1,7−2,7−3 直流/直流電力変換装置、
8−1,8−2 第一変換器制御装置、
9−1 第二変換器制御装置、
11−1,11−2 第三変換器制御装置、
10 系統監視装置、
61,71指令値変調部、
81 第一過渡応答検出部、
82 電力算出部、
83 第一判定部、
84 電力指令値生成部、
85 制御切替部、
86 変換器設定情報送信部、
87 電力上限値検出部、
9−1 第二変換器制御装置、
91 第二過渡応答検出部、
92 制御切替部、
93 電力算出部、
94 変換器設定情報送信部
Claims (15)
- 発電装置および負荷装置を含み、前記発電装置は第一電力変換装置を介して電力を供給する直流配電系統を安定化する直流配電系統の系統安定化装置において、
前記第一電力変換装置を制御する第一制御装置からなり、
前記第一制御装置は、
前記第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、前記発電装置の応答特性とを比較する判定部と、
前記第一電力変換装置を電圧制御によって制御する電圧制御部と、
前記第一電力変換装置を電力制御によって制御する電力制御部と、
前記判定部の比較結果に応じて、前記電圧制御部および前記電力制御部のいずれかを選択する制御切替部と、
を備えることを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項1に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記判定部が前記直流電力の前記時間変化率が前記応答特性を逸脱していると判定すると、前記制御切替部は前記電力制御部を選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項1に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記判定部は前記発電装置の動作変動を判定し、
前記制御切替部は、前記判定部による、前記比較結果および前記発電装置の前記動作変動の判定結果に基づいて、前記電圧制御部および前記電力制御部のいずれかを選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項3に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記判定部が、前記直流電力の前記時間変化率が前記応答特性を逸脱していると判定し、かつ前記発電装置の前記動作変動が所定範囲を逸脱していると判定すると、前記制御切替部は前記電力制御部を選択し、
前記判定部が、前記直流電力の前記時間変化率が前記応答特性を逸脱していると判定し、かつ前記発電装置の前記動作変動が前記所定範囲内であると判定すると、前記制御切替部は前記電圧制御部を選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項1に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記制御切替部は、定常状態において、前記電圧制御部を選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項1に記載の直流電力系統の系統安定化装置において、
前記発電装置は、交流発電機と、前記交流発電機を駆動する原動機と、前記原動機の駆動力を制御する調速器と、を備え、
前記第一電力変換装置は前記交流発電機の交流電力を直流電力に変換して前記直流配電系統へ出力することを特徴とする直流電力系統の系統安定化装置。 - 請求項6に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記判定部は、直流電力の時間変化率と、前記発電装置の前記応答特性として、前記調速器の応答時定数とを比較することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項6に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記判定部は前記交流発電機の回転数の変動を判定し、
前記制御切替部は、前記判定部による、前記比較結果および前記発電装置の前記回転数の前記変動の判定結果に基づいて、前記電圧制御部および前記電力制御部のいずれかを選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項1に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記直流配電系統は蓄電装置を含み、
前記蓄電装置は第二電力変換装置を介して前記直流配電系統に接続され、
前記第一電力変換装置が前記電力制御部によって制御されるとき、前記第二電力変換装置は電圧制御によって制御されることを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項1に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記判定部は、前記第一電力変換装置を電圧制御によって制御することを指令する制御信号を受信しているか否かを判定し、
前記第一電力変換装置が前記電力制御部によって制御されている時、前記判定部が前記制御信号を受信していると判定すると、前記制御切替部は前記電圧制御部を選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 複数の発電装置および複数の負荷装置を含み、前記複数の発電装置は複数の第一電力変換装置を介して電力を供給する直流配電系統を安定化する直流配電系統の系統安定化装置において、
前記複数の第一電力変換装置を制御する複数の第一制御装置からなり、
前記第一制御装置は、
前記第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、前記発電装置の応答特性とを比較する判定部と、
前記第一電力変換装置を電圧制御によって制御する電圧制御部と、
前記第一電力変換装置を電力制御によって制御する電力制御部と、
前記判定部の比較結果に応じて、前記電圧制御部および前記電力制御部のいずれかを選択する制御切替部と、
を備えることを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 請求項11に記載の直流配電系統の系統安定化装置において、
前記第一制御装置は、前記直流電力が前記発電装置の定格値以上であるか否かを判定する電力上限値検出部を備え、
前記電力上限値検出部によって、前記前記直流電力が前記発電装置の前記定格値以上であると判定されると、前記制御切替部は、前記電力制御部を選択し、
前記電力制御部における電力指令値が前記定格値に設定されることを特徴とする直流配電系統の系統安定化装置。 - 発電装置および負荷装置を含み、前記発電装置は第一電力変換装置を介して電力を供給する直流配電系統を安定化する直流配電系統の系統安定化方法において、
前記第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、前記発電装置の応答特性とを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記第一電力変換装置を電圧制御および電力制御のいずれによって制御するかを選択することを特徴とする直流配電系統の系統安定化方法。 - 直流電力を発生および消費する直流配電系統を有する直流電力システムにおいて、
前記直流配電系統は、
第一電力変換装置を介して電力を供給する発電装置と、
前記直流電力を消費する負荷装置と、
前記直流配電系統を安定化する系統安定化装置と、
を備え、
前記系統安定化装置は、前記第一電力変換装置を制御する第一制御装置からなり、
前記第一制御装置は、
前記第一電力変換装置の直流側における直流電力の時間変化率と、前記発電装置の応答特性とを比較する判定部と、
前記第一電力変換装置を電圧制御によって制御する電圧制御部と、
前記第一電力変換装置を電力制御によって制御する電力制御部と、
前記判定部の比較結果に応じて、前記電圧制御部および前記電力制御部のいずれかを選択する制御切替部と、
を備えることを特徴とする直流電力システム。 - 請求項14に記載の直流電力システムにおいて、
さらに、前記直流配電系統の状態を監視する系統監視装置を備え、
前記系統監視装置は、前記直流配電系統の前記状態に基づいて、前記第一電力変換装置を電圧制御によって制御することを指令する制御信号を、前記第一制御装置へ送信し、
前記第一制御装置における前記判定部は、前記制御信号を受信しているか否かを判定し、
前記第一電力変換装置が前記電力制御部によって制御されている時、前記判定部が前記制御信号を受信していると判定すると、前記制御切替部は前記電圧制御部を選択することを特徴とする直流電力システム。
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JP2018096937A JP2019205225A (ja) | 2018-05-21 | 2018-05-21 | 直流配電系統の系統安定化装置および系統安定化方法、並びに直流電力システム |
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CN114120926A (zh) * | 2020-09-01 | 2022-03-01 | 元太科技工业股份有限公司 | 电压调节电路、电压调节方法及显示装置 |
-
2018
- 2018-05-21 JP JP2018096937A patent/JP2019205225A/ja active Pending
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