JP2019198715A - 遊技機 - Google Patents

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Nobuaki Fukumoto
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Abstract

【課題】好適な球戻りの抑制に係る構成を備えた遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ機には、遊技領域PEが形成された遊技領域形成体80aPが設けられている。遊技者が発射操作を行った場合には、当該発射操作に基づいて遊技球発射機構から遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は内レール101及び外レール102により形成された誘導通路103を通じて遊技領域PEへ導かれる。遊技領域PEには、当該遊技領域PEから誘導通路103への遊技球の逆戻りを規制する球戻り防止機構106Pが設けられている。球戻り防止機構106Pは、外レール102に沿って配置された2つの防止装置106aP,106bPを有してなる。球戻り防止用の可動体601aP,601bPは回動可能に軸支されており、この軸支部分を中心に回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態と通過を許容する許容状態とに切り替わる。【選択図】 図37

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者により発射操作が行われた場合に遊技球を発射する遊技球発射手段と、発射された遊技球を遊技領域へ導く球通路とを備えているものがある。仮に遊技領域に到達した遊技球等が球通路へ逆戻りすると当該遊技球が後続の遊技球の遊技領域への到達を妨げる要因になり得る。そこで、球通路の出口部分には、当該球通路から遊技領域への遊技球の流入を許容する一方、遊技領域から球通路への遊技球の流入等の戻り球の発生を抑制する構成が配設されている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−83331号公報
しかしながら、上述した戻り球の抑制に係る構成については未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、好適な球戻りの抑制に係る構成を備えた遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制部を有する規制手段と
を備え、
前記規制手段は、前記遊技盤の厚さ方向に前記規制部が変位することにより当該規制部による規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態と当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能となっており、遊技球の通過に伴って前記許容状態となった場合には前記規制部の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする。
球戻りの抑制に係る構成を好適なものとすることができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)図4における球戻り防止機構及びその周辺構成を拡大して示す部分拡大図、(b)従来のパチンコ機における遊技盤を示す概略図である。 球戻り防止機構を示す概略図である。 可動体の動作が妨げられた場合の遊技球の動きを示す概略図である。 (a)第2の実施の形態における球戻り防止機構及びその周辺構成を示す遊技盤の部分拡大図、(b)可動体の動作が妨げられた場合の遊技球の動きを示す概略図である。 第3の実施の形態における球戻り防止機構及びその周辺構成を示す遊技盤の部分拡大図である。 可動体の動作が妨げられた場合の遊技球の動きを示す概略図である。 球戻り防止機構の変形例を示す概略図である。 球戻り防止機構の変形例を示す概略図である。 (a)第4の実施の形態における球戻り防止機構を示す概略図、(b)図14(a)のA−A線部分断面図である。 遊技球と可動体との関係を示す図13(b)の部分拡大図である。 第5の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための概略図である。 主制御装置のMPUによるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUによる通常処理を示すフローチャートである。 球戻り防止機構用の駆動制御処理を示すフローチャートである。 遊技球発射制御用処理を示すフローチャートである。 電源・発射制御装置の発射制御部にて実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 発射操作に基づいて発射された遊技球と球戻り防止機構の状態との関係を示すタイミングチャートである。 第6の実施の形態における球戻り防止機構及びその周辺構成を示す遊技盤の部分拡大図である。 球戻り防止機構及びその周辺構成を示す斜視図である。 球戻り防止機構を示す斜視図である。 (a)球戻り防止機構の側面図、(b)球戻り防止機構の平面図である。 球戻り防止機構の分解斜視図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示すタイミングチャートである。 球戻り防止の様子を示す概略図である。 球戻り防止機構の変形例を示す概略図である。 第7の実施の形態における球戻り防止機構を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示すタイミングチャートである。 球戻り防止の様子を示す概略図である。 第8の実施の形態における球戻り防止機構及びその周辺構成を示す遊技盤の部分拡大図である。 球戻り防止機構及びその周辺構成を示す斜視図である。 球戻り防止機構を示す斜視図である。 (a)球戻り防止機構の平面図、(b)球戻り防止機構の側面図である。 球戻り防止機構の分解斜視図である。 球戻り防止機構の動作原理を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 第8の実施の形態に示した球戻り防止機構の変形例を示す概略図である。 第8の実施の形態に示した球戻り防止機構の変形例を示す概略図である。 第9の実施の形態に示す球戻り防止機構を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 球戻り防止機構の動作態様を示す概略図である。 強制復帰の流れを示すタイミングチャートである。 強制復帰が行なわれる場合の可動体同士の位置関係を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2及び図3に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等が出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図2参照)に到達しなかった遊技球(所謂ファール球:戻り球)が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41に設けられた回動操作部材の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。
図2に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図2及び図3に基づき内枠13について説明する。
(内枠13)
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図2の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図2の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。それら各前扉用鉤部材76が、前扉枠14に設けられた鉤受け部材49に引っ掛かることにより、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部に嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体135に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図4に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤ユニット80の正面図である。なお、図4においては、遊技釘や風車等の遊技部品の表示を省略している。
遊技領域形成体80aには自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されており、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口が形成されており、この中央開口の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット86や可動演出機構等が位置している。可変表示ユニット86については、遊技機前方から当該中央開口(開口カバー)を通じて視認可能となっている。
中央開口の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット86の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が許容される開状態(補助状態)と、同入球が不可となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。なお、電動役物91の閉状態については開状態と比べて入球が難しくなっていれば足り、必ずしも入球を不可とする必要はない。
中央開口の左右(可変表示ユニット86の側方)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能となる開状態(補助状態)と、同入球が不可となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。なお、開閉扉の閉状態については開状態と比べて入球が難しくなっていれば足り、必ずしも入球を不可とする必要はない。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット86について補足説明する。可変表示ユニット86は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置87を有している。図柄表示装置87は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置87の表示画面87aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置87については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置87に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット86(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルート(以下、右ルートと称する)と、左側から迂回するルート(以下、左ルートと称する)に大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口(可変表示ユニット86)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置87に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット86寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット86周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PE(詳しくは右ルート)を流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。この保護部材に主表示ユニット88が配設されている。
主表示ユニット88は、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット88については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット88の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット88の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。
遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する球戻り防止機構106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
なお、誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図2に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図3に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。
内枠ベース体50の背面における回動基端側(図3の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に保持されている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバーが複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔が形成されており、その窓孔を通じて遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面に配設された制御装置等の各種構成が内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体135を有してなり、このベース体135が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体135の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット86(図柄表示装置87)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体135の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置87と、その図柄表示装置87を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置87及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体135の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体135を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部は、ボックス封印部と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体135の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体135には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体135には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する可変入賞装置用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図3に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた前記軸受け部に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバーが挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバーが挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置が設けられている。払出装置より払い出された遊技球は、当該払出装置の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、取付台に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチが設けられている。電源スイッチを操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
以上詳述したタイプの遊技機においては、遊技領域に到達した遊技球が誘導通路103へ戻ることを遊技領域に設けられた球戻り防止機構によって回避することにより、例えば先行する遊技球が後続の遊技球の遊技領域への到達を妨げる要因になることを抑制している。これにより、遊技進行の円滑化を促進している。但し、球戻り防止機構が遊技領域に存在している以上、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘等の遊技部品に跳ね返って例えば誘導通路とは反対側から防止機構に衝突する可能性を完全に否定できるものではない。
仮にこのような事象(先行する遊技球の衝突)によって球戻り防止機構の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は誘導通路を逆戻り(ファール球等が発生)し得る。このような、ファール球の発生は、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
本実施の形態においては、このような事情に鑑みて、上記ファール球の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。そこで以下、図5(a)及び図6を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図5(a)は球戻り防止機構106及びその周辺構成を示す図4の部分拡大図、図6は球戻り防止機構106を示す概略図である。
図5(a)に示すように、誘導レール100(内レール101及び外レール102)によって区画形成された誘導通路103の出口部分105の先に上記球戻り防止機構106が配設されている。球戻り防止機構106は、内レール101の延長上に並べて配置された複数(本実施の形態においては2つ)の防止装置によって構成されており、これら防止装置が個別に動作可能となっている。これら防止装置については構成が共通となっている。以下、図6を参照して各防止装置の構成について説明する。なお、図6においては、出口部分105寄りに配置された防止装置を例示している。
防止装置は、外レール102との間を遊技球が通過可能な許容状態及び遊技球の通過を阻止する阻止状態に切り替え可能な可動体301と、当該可動体301を保持するホルダ311とを有してなる。ホルダ311は、平板状の取付ベース312を有しており、この取付ベース312が遊技領域形成体80aに固定されることで防止装置が遊技領域形成体80aと一体化されている。
取付ベース312には前後に延びる軸ピン313が固定されており、この軸ピン313が可動体301に形成された軸受け部302に挿通されている。これにより、可動体301が軸ピン313(前後に延びる中心軸線CL)を中心として、遊技領域形成体80aの前面に沿って回動可能となっている。
可動体301は、軸受け部302が形成された本体部305と、本体部305における回動中心部分から上側(詳しくは後述する通過領域)に突出する略平板状の突出片303とを有している。本体部305において回動中心部分を挟んで突出片303とは反対側となる部分には重りが埋設されており、可動体301の重心位置が上記中心軸線CLから外れた位置となるように構成されている。
ホルダ311には、取付ベース312から遊技機前方に起立する起立部314が形成されている。起立部314は壁状をなしており、外レール102とは反対側から可動体301の本体部305と対峙している。起立部314には、本体部305に対して外レール102とは反対側から当接することにより、中心軸線CLを中心とする可動体301の反時計回り方向への回動を阻止する第1ストッパ部315が形成されている。
第1ストッパ部315は中心軸線CLの下方に配されており、当該第1ストッパ部315に本体部305が当接した状態では可動体301の重心位置が中心軸線CLよりも左側に位置するように構成されている。これにより、可動体301は自重によって第1ストッパ部315に押し付けられた状態に維持されている。
この状態では、突出片303の先端部分が誘導通路103の延長領域、詳しくは外レール102に沿う遊技球の通過領域TEに位置し、突出片303の先端部分と外レール102との隙間(隙間寸法X1)が遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。このように突出片303の先端部分が通過領域TEへ位置している状態(突出片303の一部が通過領域TEに重なっている状態)、すなわち突出片303の先端部分と外レール102との隙間が遊技球の通過を許容しない大きさとなっている状態が、当該隙間(特定位置)の通過を阻止する「阻止状態」である。
防止装置が阻止状態となっている場合には、球戻り防止機構106を通過して遊技領域PEに到達した遊技球が遊技釘93等に跳ね返って上記隙間(特定位置)に到達したとしても、当該遊技球の当該隙間の通過が阻止されることとなる。
突出片303は一方の板面が外レール102側を向くようにして斜めに傾斜している。遊技球発射機構110から発射された遊技球が特定位置に到達した際には、当該遊技球が上記板面に当たる。当該板面が遊技球によって押圧されることにより、突出片303が外レール102から遠ざかる側(右下側)に押し下げられることとなる。これにより、可動体301は自重による付勢力に抗して時計回りに回動し、上記隙間が拡張されることとなる。つまり、発射された遊技球を受けて可動体301が押されることで、突出片303が上述した通過領域TEから離脱し、当該遊技球の特定位置の通過が許容されることとなる。このように突出片303が通過領域TEから離れた状態、すなわち突出片303の先端部分と外レール102との隙間(隙間寸法X2)が遊技球の通過を許容する大きさとなっている状態が、当該隙間(特定位置)の通過を許容する「許容状態」である。
遊技球に押されて可動体301が時計回りに回動した場合には、可動体301の突出片303が上記起立部314の端部(第2ストッパ部316)に当たることにより、それ以上の回動が阻止される(図6の2点鎖線参照)。この状態では、可動体301の重心が中心軸線CLよりも左側に残っている。このため、可動体301は、一旦許容状態となった後は自重によって阻止状態へと復帰することとなる。
ここで、本実施の形態における突出片303について補足説明する。突出片303において通過領域TE側(上側)を向いている板面は、遊技球発射機構110から発射された遊技球を受ける球受け面部304を構成している。ここで、球受け面部304が遊技球の移動方向に対して斜めに交差している(平行となっていない)ため、球受け面部304に衝突した遊技球は、球受け面部304から反力(抗力)を受けることとなる。この反力の影響によって遊技球の動きが乱れることは外レール102(通過領域TE)に沿った遊技球の円滑な移動を損なう要因となるため好ましくない。
球受け面部304は、特定位置における外レール102の接線方向とのなす角が90度以下(鋭角)となるように構成されている。このため、遊技球発射機構110から発射された遊技球が突出片303から反力を受けたとしても、当該反力は遊技球を外レール102に押し付けるように作用し、遊技球の挙動の乱れが好適に回避される。
以上詳述したように、本実施の形態に示す防止装置(球戻り防止機構106)については、少なくとも上記阻止状態となっている状態では、発射された遊技球の射出方向への移動時には遊技球の通過を許容するものの、当該射出方向とは異なる方向(例えば反対方向)への移動時には遊技球の通過を許容しない所謂ワンウェイ構造となっている。
再び図5(a)を参照して、球戻り防止機構106の配置について補足説明する。本実施の形態では、上述した各種構成を有する2つの防止装置が通過領域TEに沿って(詳しくは内レール101の延長上に並べて)配列されている。以下の説明では、出口部分105に近い側(左側)の防止装置を「左側防止装置106a」、出口部分105から遠い側(右側)の防止装置を「右側防止装置106b」と称する。
遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導通路103→左側防止装置106a(詳しくは左側防止装置106aに係る特定位置)→右側防止装置106b(詳しくは右側防止装置106bに係る特定位置)を通過するが、この際、各防止装置106a,106bが順次阻止状態から許容状態に切り替ることとなる。
左側防止装置106aは、出口部分105に近接して配置されており、当該左側防止装置106aと出口部分105との隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。つまり、左側防止装置106aと出口部分105との間に形成される隙間については遊技球の通過を許容しない程度に抑えられている。
一方、左側防止装置106aと右側防止装置106bとの間に形成されている隙間については、遊技球の直径寸法よりも大きくなっている。つまり、両防止装置106a,106bの間となる領域(特定領域SE)は遊技球が通過可能な領域となるように構成されている。
特定領域SEは上記通過領域TEと連なっており、通過領域TEから特定領域SEへの遊技球の移動が許容されている。左側防止装置106aを通過した遊技球が何ならかの事情によって右側防止装置106bを通過しなかった場合には、当該遊技球は通過領域TE→特定領域SEを通じて左ルートへ流入することとなる。
ここで、図5(a),(b)を参照して、本願発明に示す構成を考案する契機となった事由の1つについて説明する。
従来の遊技機においては図5(b)に例示しているように、誘導レール100Xと可変表示ユニット86X(センターフレーム95X)との距離が十分に担保されており、遊技球の流下領域の幅等にある程度の余裕があった。このため、球戻り防止機構106Xを通過して遊技領域PEXに到達した遊技球が球戻り防止機構106Xに向けて跳ね返る可能性は低く、仮に跳ね返った遊技球が球戻り防止機構106Xに当たる場合であっても、それが可動体301Xの動きを妨げるように作用する可能性も低かった。
本実施の形態に示す遊技機では、興趣向上等の目的から可変表示ユニット86(図柄表示装置87や可動演出装置)が大型化しており、それに応じて遊技領域PEが圧迫されている。つまり、誘導レール100Xと可変表示ユニット86(センターフレーム95)との距離が小さくなることで遊技球の流下領域の幅等が減縮され、センターフレーム95と球戻り防止機構106との距離が小さくなっている。これにより、球戻り防止機構106を通過して遊技領域PEに到達した遊技球が球戻り防止機構106に向けて跳ね返る可能性が上昇し、跳ね返った遊技球が球戻り防止機構106に当たる場合にそれが可動体301の動きを妨げるように作用する可能性も上昇するに到った。言い換えれば、単に可変表示ユニット86を大型化した場合には、遊技の円滑な進行が妨げられる可能性が高くなるため、遊技の円滑な進行を担保しつつ可変表示ユニット86の大型化等を促進する上で遊技機の構成に改善の余地が生じた。
そこで、本実施の形態では上述の如く2つの防止装置106a,106bを併用し且つそれら防止装置106a,106b間に遊技球が通過可能な特定領域SEを設けることで上記課題の解決を図った。ここで、図7の概略図を参照して、球戻り防止機構106の動作が妨げられた場合の遊技球の流下態様について説明する。
遊技者によって発射操作が行われたことにより遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導通路103→左側防止装置106a→右側防止装置106bを通って遊技領域PEの左ルートへ到達することとなる。
図7(a)→図7(b)に示すように、遊技領域PEに到達した遊技球B1が左ルートに配設された遊技釘93に当って右側防止装置106bへ向けて跳ね返り、当該右側防止装置106bの可動体301b(詳しくは突出片303b)に対して遊技球の射出方向とは反対側から衝突することにより、当該遊技球B1が右側防止装置106bの許容状態への切り替わりを妨げられることになる。より具体的には、当該遊技球によって突出片303bが反時計回り方向へ押されることで、可動体301bの時計回り方向への回転が妨げる抗力が発生する。また、許容状態への切り替え時に突出片303bが通過する動作領域に遊技球B1が位置することで、当該遊技球B1が可動体301bの動きを妨げる障害となる。
右側防止装置106bの許容状態への切り替えが妨げられた状態にて、インターバル期間(0.6sec)を経て発射された後続の遊技球B2が右側防止装置106bに到達すると、より詳しくは遊技球B1と遊技球B2とが突出片303を挟んで対峙すると、遊技球B2によって可動体301bの突出片303bが押圧される。こにより、可動体301bには時計回りに回転する応力が生じるが、このような動きが先行する遊技球B1によって妨げられることとなる。これにより、当該遊技球B2が右側防止装置106bに係る上記特定位置を通過しきれずに、それ以上の同方向への移動が妨げられることとなる。つまり、右側防止装置106bを経由した遊技領域PE(左ルート)への流入経路が閉ざされたままとなる。
図7(b)→図7(c)に示すように、右側防止装置106bの動作の妨げになった遊技球B1は、そのまま下方へ落下して左ルートへ到達する。一方、右側防止装置106bを通過できなかった遊技球については、以下の態様で移動する。
上述したように、突出片303bの球受け面部304は外レール102側を向いており、当該球受け面部304に衝突した遊技球は、外レール102へと押し付けられることにより、その運動エネルギが外レール102及び右側防止装置106bへと分散される。特に、遊技球B2は突出片303bと外レール102との間に挟まった状態となることで、一時的に移動速度が0又はほぼ0になるように減勢されることとなる。
このようにして、勢いがそがれた遊技球B2は上記特定領域SEに向けて下り傾斜する球受け面部304及び本体部305において当該球受け面部304に繋がっている平面部306に沿って流下(落下)する。つまり、遊技球B2は通過領域TEから特定領域SEへと導かれることとなる。この結果、当該遊技球B2は特定領域SEを通過して左ルートへ流入することとなる。なお、球受け面部304及び平面部306によって遊技球B2が特定領域SEへ誘導される点に着目すれば、球受け面部304及び平面部306には通過領域TEから特定領域SEへ遊技球を誘導する誘導部308としての機能が付与されているとも言える。
上述の如く球戻り防止機構106の下方にはセンターフレーム95が位置している。センターフレーム95の上面によって左下がりとなる案内通路が形成されており、この案内通路が左ルートを構成している。案内通路において特定領域SEの直下となる部分については、遊技釘93が配置されていない非配置領域となっているため、特定領域SEを通過した遊技球B2は、そのままセンターフレーム95へ向けて流下する。また、特定領域SEについても遊技釘93等の非配置領域となっているため、通過領域TE→特定領域SE→左ルートへの遊技球の移動が円滑に行われることとなる。
ここで、誘導部308によって特定領域SEに案内された遊技球は、鉛直方向に落下するのではなく、左斜め下方に向けて落下する。つまり、誘導部308によって誘導された遊技球B2については、上記案内通路(左ルート)の下流側へ向かいながら当該案内通路へと流入することとなる。このように、遊技球B2に案内通路(右ルート)をさかのぼるような動きが生じないように工夫することで、遊技球B2が遊技球B1と合流したとしても、それが球詰まりの要因になることが抑制される。
図7(b)に示すように、上記衝突が発生した時点では、遊技球B2が通過した直後であるため、左側防止装置106aが許容状態となっている。つまり、このタイミングでは左側防止装置106aの防止機能が上手く発揮されない状態となっている。このため、仮に突出片303に衝突して跳ね返った遊技球が出口部分105に向かうと、当該遊技球の出口部分105への流入を回避しきれなくなる。
この点、本実施の形態では、右側防止装置106bに到達した遊技球は、当該右側防止装置106bを通過できなかった場合に減勢される。つまり、遊技球B2を減勢させて跳ね返りを抑える(遅延させる)ことにより、左側防止装置106aが阻止状態へと復帰する期間を確保することが可能となっている。
本実施の形態における特定領域SEについては、各防止装置106a,106bの状態に応じてその横幅が変化する構成となっている。特定領域SEの横幅については、右側防止装置106bが許容状態且つ左側防止装置106aが阻止状態となっている場合に最小となるが、このような状況であっても遊技球の通過が許容される程度に抑えられている。
2つの防止装置106a,106bを併用する場合には、球戻り防止機構106の占有領域が嵩むが、上述の如く特定領域SEの無駄な拡がりを抑えることにより、遊技領域PEにおける他の構成との共存を好適に実現することが可能となっている。また、両防止装置106a,106bの間隔の拡がりを抑えることは、発射された遊技球の到達位置の調整幅が無駄に圧縮されることを回避する上でも有利である。
図7(c)に示すように、遊技球B2の発射タイミングから所定のインターバル期間(0.6sec)が経過したタイミングにて発射された遊技球B3については、当該遊技球B3が右側防止装置106bに到達する前に、上述した阻害事由が解消されていることとなる。これにより、両防止装置106a,106bを経由した遊技球B3の遊技領域PEへの到達が担保されることとなる。
なお、上述したように、遊技球B2を減勢させることにより、当該遊技球B2を誘導部308に沿って移動させることが可能となっている。これにより、特定領域SEを通過する遊技球については右側防止装置106b寄りとなる位置を通ることとなり、左側防止装置106aへの干渉を抑制することができる。
また、遊技球B2が通過領域TE→特定領域SE→左ルートへ到達するのに要する期間は、上述したインターバル期間よりも短くなるように設定されている。故に、遊技球B2が左側防止装置106aの可動体301aに当たる等して左側防止装置106aの許容状態への切り替えが阻止されたとしても、それに起因して後続の遊技球B3の発射が妨げられることを好適に回避できる。
本実施の形態においては、2つの防止装置106a,106bを併用することにより、右側防止装置106bに係る不都合の発生を抑制するだけでなく、左側防止装置106aに係る不都合の発生を抑制する工夫がなされている。以下、再び図5(a)を参照して、当該工夫について補足説明する。
既に説明したように、左側防止装置106aについても右側防止装置106bと全く同じ構成を有している。故に、仮に当該左側防止装置106aの可動体301a(詳しくは突出片303a)に対して出口部分105とは反対側(遊技領域PE側)から遊技球が衝突した場合には、図7(b)に示す遊技球の衝突が左側防止装置106aにおいても発生し得る。この場合、出口部分105側に位置する遊技球は、そのまま誘導通路103を逆戻りし、上記ファール球の発生を回避することができなくなる。
そこで、本実施の形態では、右側防止装置106bを左側防止装置106a用の防壁として利用すべく、両防止装置106a,106bを並設している。具体的には、左側防止装置106aの右斜め上方に右側防止装置106bを配置し、突出片303aの側方にホルダ311bの起立部314bが位置するように構成している。遊技釘93に衝突することで跳ねた遊技球が突出片303aに向かう場合には、当該起立部314bを迂回する必要が生じ、起立部314bによって突出片303aへの遊技球の衝突が規制されている。これにより、上記不都合の発生が回避されている。
以上詳述した第1の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構110から発射され誘導通路103を経て遊技領域PEに到達した遊技球については、球戻り防止機構106によって誘導通路103への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、球戻り防止機構106が遊技領域PEに配設されている構成においては、遊技領域PEに到達した遊技球が遊技釘93等の遊技部品に跳ね返って例えば誘導通路103とは反対側から球戻り防止機構106に衝突する可能性を否定できない。特に球戻り防止機構106近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなりやすい。
先行する遊技球の衝突によって球戻り防止機構106の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域PEへ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域PEへ到達できなくなり、当該後続の遊技球は誘導通路103を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、ファール球の発生は遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
特に、防止装置106bが可動体301bを有し、当該可動体301bに遊技球が当たることによって阻止状態/許容状態に切り替わる構成においては、既に遊技領域PEに到達している遊技球が可動体301bに対して遊技球の発射方向とは反対側から当たることにより、可動体301bの阻止状態→許容状態への切り替えが妨げられることとなる。これは上述した戻り球が発生する要因となり得る。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、仮に先行する遊技球の影響で球戻り防止機構106(詳しくは右側防止装置106b)が上手く機能しなかった場合には、後続の遊技球は右側防止装置106bに到る経路の途中位置から特定領域SEを経由して遊技領域PE(詳しくは右ルート)に流入することとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制し、遊技の円滑な進行を担保することができる。
また、発射速度が十分でない等の理由で右側防止装置106bを通過できなかった遊技球についても特定領域SEを通じて左ルートへ案内される。このように、発射速度の調整時等に操作が上手く行われなかった場合であっても、先行する遊技球が後続の遊技球の移動を妨げる要因になることを好適に抑制できる。
特定領域SEを経由して遊技領域PE(詳しくは右ルートにおける案内通路)へ流入した遊技球は、特定領域SEを経由せずに遊技領域PEに流入した遊技球が流下する流下経路(右ルートにおける案内通路)へ合流する。これにより、特定領域SEの存在が遊技者等にとって不利に作用することを抑制できる。特に、合流部分を右ルートの上流部分として、作動口83等の入球部への入球が発生する余地を残すことにより、特定領域SEを右ルートへ到達した遊技球に対する遊技者の期待が薄れることを好適に回避できる。
上述した先行する遊技球の衝突により可動体301bの許容状態への切り替わりが妨げられた場合には、可動体301bの(誘導部308)によって特定領域SEに誘導されることとなる。これにより、通過規制の対象となった遊技球を通過領域TEから円滑に離脱させることができ、当該遊技球がそれに続く遊技球の移動の邪魔になることを好適に抑制できる。特に、球受け部として機能する突出片に案内部として機能を付与することにより、球戻り防止に係る構成を簡略化することが可能となる。
可動体301b(誘導部308)は、阻止状態となっている場合には許容状態となっている場合と比較して水平方向に対する傾きが大きくなる。つまり、許容状態となっている場合よりも垂直に近くなる。係る構成によれば、右側防止装置106bを通過できなかった遊技球を当該遊技球の自重を利用して、上記特定領域SEへ迅速に移動させることができる。つまり、誘導部308の存在が当該特定領域SEに向けた遊技球の移動速度を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
阻止状態から許容状態への防止装置106bの切り替えが妨げられている状況下にて当該防止装置106bに到達した遊技球は、同移動方向へのそれ以上の移動が不可となる。ここで、突出片303(「球受け部」に相当)に当たった遊技球が誘導通路103の出口部分105へと跳ね返ると、当該遊技球が後続の遊技球の移動を妨げる要因になりやすくなる。この点、本実施の形態においては、阻止状態となっている場合には突出片303の球受け面部304が誘導通路103の出口部分とは違う部分(詳しくは外レール102)に向いている。このため、当該球受け面部304に跳ね返った遊技球が誘導通路103側へ移動することを好適に抑制することができる。これにより、戻り球の発生を抑える機能が低下することを抑制できる。
特に、球受け面部304に当たった遊技球が跳ね返った場合には、外レール102に当たることにより、その勢いが弱められる。これにより、遊技球の挙動が乱れる等して特定領域SEへ向かうのに要する期間が間延びすることを好適に抑制できる。また、当該遊技球が勢いよく特定領域SEを通過しないように抑制することにより以下の効果が期待できる。すなわち、特定領域SEを通過する遊技球が再び球受け面部304に当ったとしてもそれに起因した衝撃の発生を抑え、遊技球の再衝突が防止装置106bの耐久性等を低下させる要因になることを抑制できる。
また、本実施の形態における両防止装置106a,106bについては、構成が共通となっており、球戻り防止機構106の構造が複雑になることに起因した製造工程の複雑化やコストの増加を好適に抑制することが可能となっている。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、右側防止装置106bを通過できなかった遊技球の排出が遅れて、当該遊技球が特定領域SEを通過する前に次の遊技球が右側防止装置106bに到達した場合であっても当該次の遊技球の右側防止装置106bの通過が妨げられることを回避する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。そこで以下、図8を参照して、第2の実施の形態における球戻り防止機構106Aについて説明する。図8(a)は第2の実施の形態における球戻り防止機構106A及びその周辺構成を示す遊技盤ユニット80Aの部分拡大図、図8(b)は右側防止装置106bAの動作が妨げられた場合の遊技球の動きを示す概略図である。なお、本実施の形態における球戻り防止機構106Aの主たる構成については、上記第1の実施の形態に示した球戻り防止機構106と同様である。そこで、これら同様の構成については説明を援用し、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図8(a)に示すように、左側防止装置106aについては第1の実施の形態と共通であり、右側防止装置106bAの構成の一部、詳しくはホルダ311bAに係る構成が特徴的なものとなっている。具体的には、上記第1の実施の形態に示したホルダ311bについては起立部314bが可動体301bの本体部305bに対して外レール102とは反対側から対峙するように形成されていたのに対して、本実施の形態に示すホルダ311bAについては起立部314bAが可動体301bの本体部305bを囲むように形成されている点で構成が相違している。
起立部314bAは略環状をなしており、その一部に突出片303b用のスリットが形成されている。突出片303bについては、このスリットを通じて起立部314bAによって囲まれた領域から突出している。言い換えれば、可動体301において突出片303b以外の部分(本体部305b)については起立部314bAによって囲まれた領域に収容されている。このような構成とすることにより、突出片303bの球受け部としての機能を担保しつつ遊技球が可動体301bの本体部305b、詳しくは回転中心部に対して突出片303bとは反対側に位置する部分に接触することを回避している。
なお、起立部314bAにおいて本体部305bの平面部306bに対向する対向部317bと同平面部306bとの間には所定の隙間が形成されている。これにより、起立部314bAによって囲まれた領域には、可動体301b(詳しくは本体部305b)が回動する際の動作領域が確保されている。
上記第1の実施の形態においては、本体部305bの平面部306bが突出片303bの球受け面部304bとともに遊技球を特定領域へと誘導する誘導部308bを構成していたが、本実施の形態における誘導部308bAについては球受け面部304b及び起立部314bA(詳しくは対向部317bA)によって構成されている。
対向部317bAの上面は特定領域SEに向けて下るように傾斜しており、当該対向部317bAに載った遊技球がその場に停留することが回避されている。対向部317bAは外レール102と対向しており、当該外レール102との距離が遊技球の直径の2倍よりも大きくなるように形成されている。言い換えれば、上記通過領域TEとの間に遊技球の直径寸法よりも大きな隙間が確保されている。
より詳しくは、左側防止装置106aの平面部306aと外レール102との隙間寸法は、遊技球の直径寸法よりも大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さく設定されている。一方、右側防止装置106bAと平面部306b(対向部317bA)と外レール102との隙間寸法は、遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくなるように設定されている。
ここで、図8(b)を参照して、実際の遊技球の動きについて説明する。なお、図8(b)は、先行する遊技球の影響によって後続の遊技球の右側防止装置106bAの通過が妨げられた場合(例えば図7(b)参照)の後のタイミングを示すものである。
遊技領域PEに先行して到達した遊技球によって、後続の遊技球B1の右側防止装置106bAの通過が妨げられた場合には、上記第1の実施の形態と同様に、当該遊技球B1が特定領域SEに向けて誘導されることとなる。ここで、遊技球B1の排出が遅れた場合には、続く遊技球B2が左側防止装置106aを通過して右側防止装置106bAに到達する可能性がある。このような事象は、例えば、遊技球B1が外レール102と突出片303bの先端との間に挟まって、当該突出片303bの上に載った状態で動きが一時的に止まった場合に発生し得る。
この状況下にて、仮に遊技球B1が可動体301bの平面部306bに載ると、遊技球B1の重さによって可動体301bが下側へ押されることとなる。これでは、当該遊技球B1が可動体301bの許容状態への切り替えを妨げる抵抗となってしまう。続く遊技球B2が突出片303bに当たった際に当該抵抗が発生すると、可動体301bが上手く許容状態へ切り替らずに、遊技球B2の通過できない可能性が高くなる。
この点、本実施の形態においては、遊技球B2は球受け面部304b→対向部317bAに沿って移動するため、本体部305b(平面部306b)に接触することがない。つまり、遊技球B1が可動体301bの許容状態への切り替えを妨げる要因になることが回避される。このため、遊技球B1の排出に過度の遅れが生じた場合であっても、それに起因して後続の遊技球についても右側防止装置106bAの通過が阻止されるといった2次的な不都合の発生を抑制できる。
また、対向部317bAに沿って移動している遊技球B1は外レール102に沿った遊技球の通過領域TEから外れる。このため、少なくとも後続の遊技球B2が外レール102に沿って移動している場合(通過領域TEを通っている場合)には、遊技球B2と遊技球B1との衝突が回避される。故に、対向部317bAによって誘導されている遊技球が直接遊技球B2の移動を妨げる要因になることが回避される。
なお、対向部317bAの延長上には、左側防止装置106aの起立部314が位置している。このため、仮に対向部317bによって誘導された遊技球B2が勢いよく左側防止装置106aに向かったとしても、当該遊技球B2が左側防止装置106aの可動体301aに当たることが回避されることとなる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構110から発射され誘導通路103を経て遊技領域PEに到達した遊技球は、球戻り防止機構106Aによって誘導通路103路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。
特に、本実施の形態に示す回動式の可動体301bについては、遊技球が球受け面部304bに当たれば時計回り方向へ回動して規制状態→許容状態に切り替わるものの、仮に回動中心CLを挟んで球受け面部304bとは反対側となる部分(本体部305b)に遊技球が当たった場合には、可動体301bの時計回り方向への回動を妨げたり、可動体301bを反時計回り方向に回動させたりする要因になる。つまり、先に球戻り防止機構106Aに到達した遊技球が上手く球戻り防止機構106A(右側防止装置106bA)を通過できなかった場合には、当該遊技球が後続の遊技球の通過を妨げる要因になり得る。これは、遊技の円滑な進行を妨げる要因となるため好ましくない。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、先行する遊技球が勢い不足等の要因によって球戻り防止機構106A(詳しくは右側防止装置106bA)を通過できなかった場合であっても、それが後続の遊技球が可動体301bに到達した際の可動体301bの動き(許容状態→規制状態への切り替え)を妨げる要因となることを抑制することができる。故に、遊技の円滑な進行を担保することができる。
「阻止手段」としての対向部317bAについては本体部305bに隙間を隔てて対峙する壁状に形成することにより、上述した当該阻止機能を担保しつつ、当該対向部317bA(起立部314bA)の占有領域の無駄な拡がりを抑えることができる。
対向部317bAによって本体部305bAへの遊技球の当たりが妨げられている状況にて後続の遊技球が右側防止装置106aAに到達した場合であっても、対向部317bAによって阻止された遊技球(例えば対向部317bAに載っている遊技球)が後続の遊技球と干渉することを抑制することができる。これにより、短い発射間隔で後続の遊技球が発射されたとしても、先行する遊技球が邪魔になって後続の遊技球の通過が妨げられることを抑制できる。
対向部317bAは、当該対向部317bAに到達した遊技球を球受け面部304bから遠ざかる側へ案内する機能が付与されている。故に、右側防止装置106bAに到達した遊技球が再度球受け面部304b側に移動することを回避できる。これにより、当該遊技球に押される等して可動体301bAが時計回り方向に回動することを抑制し、球戻り防止機構106A本来の規制機能の低下を好適に抑制できる。
本実施の形態においては、右側防止装置106bAを外レール102から遠ざけて配置することにより、発射された遊技球の到達位置の調整幅に係る制約を軽減することが可能となっている。しかしながら、単に遠ざけて配置した場合には、右側防止装置106aAを通過できなかった遊技球が当該右側防止装置106aAと外レール102との間から排出されるのに要する期間が長くなり、後続の遊技球と先行する遊技球とが右側防止装置106aAの手前で衝突する可能性が生じる。つまり、右側防止装置106bAを遠ざけて配置することにより、遊技球同士の衝突が発生しやするなるという課題が生じる。
そこで、本実施の形態においては、ここで、当該右側防止装置106bAと外レール102との隙間を遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくした。これにより、右側防止装置106bAを通過できなかった遊技球の排出に要する時間が長くなっても、当該先行する遊技球が通過領域TEから離脱して対向部317bAに到達した状態では、当該遊技球が後続の遊技球の移動を妨げる要因となることを回避できる。
特に、対向部317bAについては通過領域TEと平行よりも当該通過領域TEの上流側に向けて間隔が大きくなるように傾斜しており、後続の遊技球が到達するまでに通過領域TEとの離れ量が大きくなるように工夫されている。これにより、上記効果を一層好適に発揮させることが可能となっている。
なお、本実施の形態においては、2つの防止装置106a,106bAを併用した、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、左側防止装置106aを省略してもよいし、左側防止装置106aに対向部317bAに相当する構成を配設して、右側防止装置106bAを省略してもよい。後者の場合には、左側防止装置106aを通過できなかった遊技球が誘導通路103を逆戻りすることとなる。そこで、外レール102と内レール101との間隔を少なくとも誘導通路103の出口部分105を含む下流部分にて遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくして、上記逆戻りする遊技球と後続の遊技球との干渉を抑制する構成とすることが好ましい。
<第3の実施の形態>
上記各実施の形態では複数の防止装置を併用する構成としたが、本実施の形態では1の防止装置を用いて上述したファール球の発生を抑制している点で構成が相違している。以下、図9を参照して第3の実施の形態における球戻り防止機構106Bについて説明する。図9は球戻り防止機構106B及びその周辺構成を示す遊技盤ユニット80Bの部分拡大図である。なお、防止装置の詳細な構成については上記第1の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
図9に示すように、球戻り防止機構106B(防止装置)は、内レール101の延長上に配置されている。ここで、球戻り防止機構106Bは内レール101の先端部との間に隙間が生じるように離間して配置されている。この隙間(詳しくは内レール101の延長方向における隙間)については遊技球の直径寸法よりも大きく設定されており、当該隙間を遊技球が通過可能となるように構成されている。つまり、上記各実施の形態においては、両防止装置の間に遊技球が通過可能な通過領域を設けたが、本実施の形態では内レール101と球戻り防止機構106Bとの間に遊技球が通過可能な特定領域SEBが設けられている。なお、水平方向における内レール101と球戻り防止機構106Bとの隙間寸法についても、遊技球の直径寸法よりも大きく設定されている。これにより特定領域SEBを通過する際に遊技球が内レール101に干渉することを抑制し、特定領域SEBを通過する際の遊技球の挙動の乱れを抑制している。これは、特定領域SEBを遊技球が横切るようにして移動することを抑制して、特定領域SEBにおける遊技球の移動(落下)が上手く行われなくなることを回避する上で好ましい構成である。
特定領域SEBは、センターフレーム95の上面によって形成された案内通路と上下に重ならない位置に配置されている。より詳しくは、特定領域SEBが左ルートが横通路から縦通路に変化する変化位置の上方に位置するようにして、誘導通路103の出口部分105及び球戻り防止機構106Bが配設されている。
このように、特定領域SEBを設けることにより、上記案内通路を流下した遊技球が特定領域SEBを逆流して出口部分105へと流入することを抑制している。また、本実施の形態においては、案内通路(横通路)を流下した遊技球を縦通路へ導くようにして遊技釘93が配設されており、出口部分105へ遊技球が飛び込むことを一層好適に抑制している。
ここで、図10の概略図を参照して、球戻り防止機構106B(防止装置)の可動体301の動きが妨げられた場合の遊技球の流下態様について説明する。
遊技者によって発射操作が行われたことにより遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導通路103→球戻り防止機構106Bを通って遊技領域PEの左ルートへ到達することとなる。
図10(a)→図10(b)に示すように、遊技領域PEに到達した遊技球B1が遊技釘93に当って球戻り防止機構106Bへ向けて跳ね返り、当該球戻り防止機構106Bの可動体301(詳しくは突出片303)に対して遊技球の発射方向とは反対側から衝突する等した場合には、当該遊技球B1が球戻り防止機構106Bの許容状態への切り替わりを妨げる要因になる。より具体的には、当該遊技球によって突出片303が反時計回り方向へ押されることで、可動体301の時計回り方向への回転が妨げる抗力が発生する。また、許容状態への切り替え時に突出片303が通過する動作領域に遊技球B1が位置することで、当該遊技球B1が可動体301の動きを妨げる障害となる。
このように、球戻り防止機構106Bの許容状態への切り替えが妨げられた状態にて、所定のインターバル期間(0.6sec)を経て発射された後続の遊技球B2が球戻り防止機構106Bに到達すると、より詳しくは遊技球B1と遊技球B2とが突出片303を挟んで対峙すると、当該遊技球B2が球戻り防止機構106Bに係る上記特定位置を通過しきれずに、それ以上の同方向への移動が妨げられることとなる。つまり、球戻り防止機構106Bを経由した遊技領域PE(左ルート)への流入経路が閉ざされることとなる。
図10(b)→図10(c)に示すように、球戻り防止機構106Bの動作の妨げになった遊技球B1は、そのまま下方へ落下して左ルートへ到達する。一方、球戻り防止機構106Bを通過できなかった遊技球については、以下の態様で移動する。
上述したように、突出片303の球受け面部304は外レール102側を向いており、当該球受け面部304に衝突した遊技球は、外レール102へと押し付けられることにより、その運動エネルギが外レール102及び球戻り防止機構106Bへと分散される。特に、遊技球B2は突出片303と外レール102との間に挟まった状態となることで、一時的に移動速度が0又はほぼ0になるように減勢されることとなる。
このようにして、勢いがそがれた遊技球B2は特定領域SEBに向けて下り傾斜する球受け面部304及び本体部305(詳しくは平面部306)に沿って流下(落下)する。この結果、当該遊技球B2は特定領域SEBを通過して左ルートへ流入することとなる。
特定領域SEBの直下となる部分については、遊技釘93が配置されていない非配置領域となっているため、特定領域SEBを通過した遊技球B2は、そのまま上記縦通路へ向けて流下する。また、特定領域SEBについても遊技釘93等の非配置領域となっているため、通過領域TE→特定領域SE→左ルートへの遊技球の移動が円滑に行われることとなる。
このように、出口部分105に近接する位置から敢えて遠ざけて球戻り防止機構106Bを配置することにより、出口部分105周辺での遊技領域PEの圧迫を抑制することが可能となっている。そもそも、第1の実施の形態にて説明したように、可変表示ユニット86が大型化すれば、それに合わせてセンターフレーム95が大型化する。この際、センターフレームの隅部と誘導レール100との間が上記大型化の影響を受けやすくなる。
この点、本実施の形態に示したようにセンターフレーム95の隅部に近い出口部分105から上側に遠ざけて球戻り防止機構106Bを配置することにより、球戻り防止機構106Bの配置領域及び動作領域の確保が遊技領域PEを局所的に圧迫する要因になることを抑制し、上記影響を最小限に抑えることができる。
<別形態>
上記各実施の形態に示したように球戻り防止機構106(防止装置)を利用してファール球の発生を抑制する上では、球戻り防止機構106を以下の構成とすることも可能である。以下、図11及び図12の概略図を参照して、球戻り防止機構106を用いた各種実施例(変形例)について説明する。
<実施例1>
図11(a)に示すように、球戻り防止機構106Cに遊技領域PE側から可動体301(突出片303)に遊技球が衝突することを規制する又は可動体301(突出片3030)の動作領域へ遊技球が流入することを規制する規制部を設けてもよい。
具体的には、ホルダ311Cの取付ベース312Cに、突出片303に対して遊技領域PE側(外レール102とは反対側)から対峙する壁部318を形成する。壁部318は、突出片303に対して隙間を隔てて対峙しており、可動体301の動作領域が担保されている。但し、この隙間については遊技球が流入不可となる程度に抑えられている。
先行して遊技領域PEに到達した遊技球B1が遊技釘93等に当たって球戻り防止機構106Cに向けて跳ね返った場合であっても、当該遊技球B1が可動体301の突出片303に到達する前に上記壁部318に当たることとなる。これにより、当該遊技球B1によって突出片303が押されたり、突出片303の動作領域に遊技球B1が位置することで、可動体301の動きが妨げられたりすることを抑制できる。この結果、後続の遊技球B2については、遊技球B1の影響によってファール球になることが回避されることとなる。
このように、そもそも遊技領域PE側から遊技球が可動体301(突出片303C)に当たることを規制することにより、簡易な構成によってファール球の発生を抑制することができる。係る構成によれば、防止装置に相当する構成を必ずしも複数併用する必要がなく、球戻り防止機構106Cの占有領域を好適に減縮できる。
なお、本実施例1においては、取付ベース312Cに壁部318C(「規制部」に相当)を形成したが、壁部318Cについては、必ずしも取付ベース312Cに形成する必要はない。取付ベース312Cとは別体で壁部318Cに相当する構成を設けてもよい。
また、本実施の形態では、壁部318Cを突出片303のおよそ半分程度の長さとし、突出片303の一部をカバーする構成としたが、壁部318Cの長さ(横幅)を突出片303の長さと同等とし、突出片303の全体をカバーする構成とすることも可能である。
<実施例2>
図11(b)に示すように、「流入部」に相当する構成を誘導通路103の途中位置に設けてもよい。
具体的には、内レール101Dにおいてセンターフレーム95(案内通路)の上方となる部分には、下方に開放された開放部101aDが形成されている。開放部101aDは、内レール101Dにおいて側方(左側)に凸となっている部分よりも上側に位置しており、その横幅が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように形成されている。
既に説明したように、遊技球発射機構110から発射された遊技球は、外レール102に沿って移動することにより誘導通路103Dの出口部分105Dに到達する。一方、球戻り防止機構106Dに到達した遊技球が当該球戻り防止機構106Dを通過できなかった場合には、可動体301の誘導部308によって内レール101Dへと案内される。
例えば、先行して遊技領域PEに到達した遊技球B1によって球戻り防止機構106Dの許容状態への切り替わりが妨げられた場合には、後続の遊技球B2は誘導部308を経由して内レール101Dに到達し、誘導通路103Dを逆行する。
ここで、少なくとも内レール101Dにおいて側方に凸となっている部分よりも上側では、遊技球B2は内レール101Dに沿って移動する。内レール101D上を当該内レール101Dに沿って移動した遊技球B2は、上記開放部101aDを通じて遊技領域PEに流入することとなる。これにより、遊技球B2と当該遊技球B2に後続の遊技球との干渉が回避され、ファール球の発生が抑制される。
ここで、開放部101aDを通じて遊技領域PEに到達した遊技球は案内通路へと合流することにより、当該遊技球が作動口83等への入球部へ入球する可能性を残すことができ、仮に遊技者の意図に反して開放部101aDを通じた遊技球の流入が発生した場合であっても、それが遊技者に不利益を与える要因になることを抑制している。
また、センターフレーム95により形成された案内通路において開放部101aDの下方となる部分は、遊技釘93の非配置領域となっている。これにより、開放部101aDを通じて落下した遊技球の移動が無駄に遅延されることを抑制し、当該遊技球と後続の遊技球との干渉を回避することが可能となっている。
開放部101aDには、内レール101Dから下方に突出するフランジ部が設けられている。開放部101aDの左右の端部には高低差が存在するが、それらフランジ部によって遊技領域PE側から開放部101aDへの遊技球の流入が規制されている。
ここで、誘導通路103Dと通過領域TEとの関係について補足説明すると、通過領域TEよりも誘導通路103Dのほうが通路幅が広くなるように設定されている。このような余裕代を利用することにより、球戻り防止機構106D→内レール101D→開放部101aDへと移動する遊技球に遅れが発生した場合であっても、すなわち後続の遊技球が開放部101aに到達するタイミングで先行する遊技球の全体が開放部101aD内に入ってない場合であっても(当該遊技球の一部が誘導通路103D内に突出している状態であっても)、後続の遊技球との干渉を抑制することが可能となっている。これにより、遊技球の挙動のばらつきを好適に許容することができる。
<実施例3>
図12(a)に示す球戻り防止機構106Eにおいては、左右の防止装置106a,106bの姿勢が異なっている。具体的には、左側防止装置106aよりも右側防止装置106bの方が垂直に近くなるように起こして配置されている。
このような配置とすることにより、誘導部308による誘導方向を垂直方向に近づけることができ、右側防止装置106bを通過できなかった遊技球を通過領域TEから素早く離脱させることができる。これにより、右側防止装置106bを通過できなかった遊技球とそれに続く後続の遊技球との干渉を一層好適に抑制できる。
特定領域SEEの傾きが垂直に近づくことにより、自重によって流下(落下)する遊技球が特定領域SEEを通過する際に要する期間を短縮することができ、当該遊技球が右側防止装置106bの許容状態への切り替えを妨げる要因になることを抑制できる。
また、上記構成では可動体301bの本体部305b(平面部306b)が特定領域SEEの右壁の一部を担うこととなる。この場合、特定領域SEを通過中の遊技球についても、可動体301bの許容状態への切り替えを妨げる要因になり得る。ただし、特定領域SEをE落下する遊技球の移動方向が垂直方向に近くなっていることで、仮に後続の遊技球が球受け面部304を押して可動体301が時計回りに回動した場合であっても、特定領域SEEを落下中の遊技球の軌道を変えるように作用はしても、当該遊技球が後続の遊技球の動き(右側防止装置106bの許容状態への切り替え)を妨げる程の抵抗にはならない。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特に、可動体301bについては、中心軸線CLbから球受け面部304bの先端(上端)までの距離よりも、中心軸線CLbから平面部306bの先端(下端)までの距離の方が小さくなるように構成されている。より詳しくは、通過領域TEに沿って移動する遊技球が当たる球受け面部304bの当接位置までの距離の方が中心軸線CLbから平面部306bの先端(下端)までの距離よりも大きくなるように構成されている。これにより、仮に特定領域SEEを通過中の遊技球が可動体301bの動きを妨げる容易に作用しても、その抵抗が大きくなることを好適に回避することができる。
なお、許容状態での平面部306bの傾きは、当該平面部306bの延長上に左側防止装置106aの起立部314aが位置するように構成されている。このため、仮に右側防止装置106bの許容状態への切り替えによって特定領域SEを通過中の遊技球の軌道が変わった場合であっても、当該遊技球が左側防止装置106aの許容状態への切り替えを妨げる要因になることを抑制することができる。
因みに、防止装置106bの姿勢を垂直に近づけることにより、自重による許容状態から阻止状態への切り替えに係る応答性が低下する。そこで、このような事情に配慮した場合に、防止装置106bには、可動体301bを阻止状態となる位置へ付勢する付勢手段としてバネを用いるとよい。但し、バネについては繰り返しの弾性変形によってヘタリが生じ得る。そこで、バネへの寄与率を抑えて動作の定常化を実現する上では、可動体301bの自重とバネによる弾性力とを併用することが好ましい。
<実施例4>
複数の防止装置を併用する上では、必ずしも両防止装置を共通化する必要はなく、構成の一部を相違させてもよい。
図12(b)に示すように、右側防止装置106bFを左側防止装置106aと横並びとなる位置に下げて配置し、このような配置の変化を許容すべく突出片303bFの突出量を増やす構成とすることも可能である。つまり、配置の変更に伴って可動体301bF(詳しくは突出片303bF)の形状が変更されているものの、ホルダ311a,311bについては共通となっている。以下、配置の変更及び可動体301bFの形状の違いによって生じる新たな効果について説明する。
上述したように、複数の防止装置を併用する構成においては、ファール球の発生を抑制する点では優れている。しかしながら、右側防止装置106bFの存在は、発射された遊技球の着弾位置に係る制約を強くして技球の発射操作の実質的な調整量を制限する要因になり得る。これでは、少しでも遊技を有利に進めるべく(例えば各種入球部への入球確率が少しでも高くなるようにすべく)発射操作の調整を行うという行為が行いづらくなる。これは、技術介入を制限して遊技者間での不平等を抑制する上では好ましい。但し、このような調整量に係る制限が強くなって技術介入の余地が減ることは、遊技の単調化等を招来して遊技意欲の低下を招く要因となり得る。
この点、本実施例に示す右側可動体301bFについては、阻止状態→許容状態への切り替え時の最大回転角度は上記実施の形態と同様となっているが、右側可動体301bFが中心軸線CLbを中心として回転した場合の突出片303bF(球受け面部304bF)の先端部の変位量は上記実施の形態よりも大きくなっている。つまり、突出片303bFの全長を長く設定することで、回動先端での変位量を少しでも大きくなるように工夫されている。これにより、右側防止装置106bFを通過した遊技球の着弾位置に係る制約を抑え、上記不都合の発生を抑制している。
また、本実施の形態では、右側防止装置106bFが左側防止装置106aと横並びとなるように配置することで、左側防止装置106aの可動体301a(詳しくは突出片303a)の全体を側方(右側)からカバーしている。これにより、遊技球が右側防止装置106bFを迂回して左側可動体301aの突出片303aに到達することを抑制し、右側防止装置106bFに付与された左側防止装置106a用の防壁としての機能を強化することが可能となっている。
本実施例においては、右側突出片303bFの全長を大きくすることにより、発射調整に係る制約を軽減する構成としたが、このような構成では、右側可動体301bFの許容状態から阻止状態への復帰が難しくなる。そこで、この対策として、右側突出片303bFの厚さを薄く(例えば左側突出片303aと比較して薄く)する等して、上記重量バランスを担保する構成としてもよい。また、右側可動体301bFの本体部305bFを重く(例えば左側可動体301aの本体部305aよりも重く)する等して、上記重量バランスを担保する構成としてもよい。上述した重さの調整によって重量バランスの担保→阻止状態への復帰機能の担保を実現するのではなく、バネ等の付勢部材を別途用いて阻止状態への復帰機能の担保を図ってもよい。なお、右側防止装置106bFについては、バネ等の付勢機能と自重による復帰機能とを併用することも可能である。
<第4の実施の形態>
上記各実施の形態では、球戻り防止機構の可動体が遊技領域形成体の前面に沿って回動することにより球戻り防止機構が阻止状態/許容状態に切り替わる構成としたが、本実施の形態では、球戻り防止機構の動作態様がそれら実施の形態と異なっている。そこで以下、図13を参照して本実施の形態における球戻り防止機構106Gについて説明する。図13(a)は第4の実施の形態における球戻り防止機構106Gとそれに関連する構成を示す遊技盤ユニット80Gの部分拡大図、図13(b)は図13(a)のA−A線部分断面図である。なお、
図13に示すように、球戻り防止機構106Gは可動体301Gと当該可動体301Gを回動可能に保持するホルダ311Gとを備えており、ホルダ311Gが誘導レール100に固定されることで遊技領域形成体80aGに一体化されている。ホルダ311Gは、内レール101及び外レール102に誘導通路103とは反対側から対向する一対の対向壁部312Gを有している。対向壁部312Gの前端部は各レール101,102よりも前方(ガラスパネル23)側に延出しており、この延出部分に跨るようにして平板部314Gが形成されている。
平板部314Gは誘導通路103を挟んで遊技領域形成体80aの前面と対向している。平板部314Gには誘導通路103の出口部分105と同じ側に開放された開放部が形成され、この開放部に遊技領域形成体80aの前面と平行となるようにして軸ピン313Gが固定されている。
可動体301Gにはこの軸ピン313Gが挿通される軸受け部302Gが形成されており、軸ピン313Gと軸受け部302gとが係合することで可動体301Gが遊技領域形成体80aの厚さ方向(前後方向)に回動可能となっている。つまり、上記各実施の形態における可動体については遊技領域形成体との距離を一定に保ちながら変位する構成であったのに対して、本実施の形態に示す可動体301Gについては遊技領域形成体80aとの距離が変化するようにして変位する構成となっている点で相違している。
可動体301Gは、遊技領域形成体80aGの前面と対向する略平板状をなしており、誘導通路103の延長方向(上記軸ピン313Gの中心軸線CLと交差する方向)に延びている。可動体301Gの長手方向における一端部に上記軸受け部302Gが形成され、この一端部が回動基端部となっている。
可動体301Gの回動先端部については、通過領域TE内に突出しており、遊技領域形成体80aGの前面との隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。この状態では、誘導通路103(出口部分105)→遊技領域PEへの遊技球の移動を許容する一方で、遊技領域PE→誘導通路103への遊技球の移動が阻止される。この状態が、本球戻り防止機構106Gの阻止状態である。
球戻り防止機構106Gには、可動体301Gを阻止状態に維持するように付勢する付勢部材(詳しくはバネ)と、可動体301Gのそれ以上の回動を阻止するストッパとが設けられているが、これら各種構成については図示を省略している。
遊技球発射機構110から発射された遊技球が球戻り防止機構106Gに到達すると、当該遊技球が可動体301G(詳しくは中心軸線CLよりも回動先端側に延出した延出部303G)の内面(球受け面部304G)に当たる。この球受け面部304Gが遊技球によってガラスパネル23側に押されることにより、上記付勢部材の付勢力に抗して可動体301Gが回動する。これにより、上記回動先端部と遊技領域形成体80aGの前面との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように拡張される。この状態が、本球戻り防止機構106Gにおける許容状態である。
球戻り防止機構106Gが阻止状態から許容状態に切り替わることで、誘導通路103から遊技領域PEへの遊技球の流入が許容され、遊技球が球戻り防止機構106Gを通過した後に上記付勢部材の付勢力によって可動体301Gが許容状態から阻止状態に復帰することとなる。
ここで、図14を参照して、球戻り防止機構106G(可動体301G)が阻止状態となっている場合の延出部303Gとガラスパネル23との関係について補足説明する。図14は可動体301G及びその周辺を示す図13(b)の部分拡大図である。
球戻り防止機構106Gが阻止状態となっている場合には、延出部303Gの外面(前面)とガラスパネル23との間に延出部303Gの動作領域MEが確保されている。上述したように、球戻り防止機構106Gが阻止状態から許容状態に切り替わる場合には、遊技球に押された可動体301Gの延出部303Gが遊技領域形成体80aGの前面から離れて上記動作領域MEへ退避することとなる。
ここで、延出部303Gとガラスパネル23の後面との距離寸法X3は遊技球の半径寸法Rよりも小さくなるように設定されている。遊技球は基本的には遊技領域形成体80aGの前面に沿って移動するように設定されているが、仮にガラスパネル23に沿って移動する場合であっても、上述した動作領域MEへの流入が回避されることとなる。これにより、遊技球が動作領域MEに入り込んで可動体301Gの回動が妨げられることを回避することが可能となっている。
また、仮に遊技球が延出部303G及びガラスパネル23の両方に当たっている場合であっても、延出部303Gの遊技球に対する当接位置は、遊技球の中心位置よりも前側となる。このため、阻止状態から許容状態への切り替えに伴って可動体301Gが回動する場合に、遊技球が支えることを好適に回避することができる。
以上詳述した第4の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構110から発射され誘導通路103を経て遊技領域PEに到達した遊技球は、球戻り防止機構106Gによって誘導通路103への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、球戻り防止機構106Gが遊技領域PEに配設されている構成においては、遊技領域PEに到達した遊技球が例えば遊技釘93等の遊技部品に跳ね返って例えば誘導通路103とは反対側から球戻り防止機構106G(可動体301G)に衝突する可能性を否定できない。特に球戻り防止機構106G近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって球戻り防止機構106Gの動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域PEへ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域PEへ到達できなくなり、当該後続の遊技球は誘導通路103を逆戻りする(ファール球等が発生する)こととなる。このような、ファール球の発生は、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
遊技領域PEに到達した遊技球は遊技領域形成体80aGの前面に沿って移動するため、仮に可動体301Gについても遊技領域形成体80aGの前面に沿うような動きをする場合には、遊技球が可動体301Gに当たることが可動体301Gの動作に影響を及ぼす要因になりやすい。そこで、本実施の形態に示す球戻り防止機構106Gにおいては、可動体301Gが前後(遊技領域形成体80aGの厚さ方向)に変位することにより許容状態と阻止状態とに切り替る構成とした。このような動作態様とすれば、遊技球が可動体301Gに対して遊技領域PE側から当ったとしても、その影響が許容状態への切り替えを妨げるように作用することを好適に抑制できる。故に、上述した事象の発生を抑制し、球戻り防止機構106Gによる阻止機能を好適に発揮させることが可能となる。
遊技領域形成体80aGとガラスパネル23との間に形成された隙間には限りがある。このため、上述した動作態様では、例えば可動体を遊技領域形成体80aの前面に沿って変位させる構成と比較して、可動体301Gの動作隙等の占有領域の確保が難しくなる。また、可動体については、遊技球の発射が行われる度に遊技球が衝突するため、衝突によって発生する衝撃を緩和する等の耐久性に係る工夫が必要となる。ここで、可動体301Gを回動式とすれば、可動体301Gに遊技球が衝突した場合に、可動体301Gが回動することによって逃げるため、衝突時に発生する抗力(抵抗)を極力小さくすることができる。特に、可動体301Gを回動式とした場合には、回動中心CLから遊技球の衝突位置までの距離を大きくすることで、上記抗力の軽減に好適に貢献できる。故に、可動体301Gの動作態様を回動式とすることにより、遊技球が当った際の衝撃を上手く逃がしつつ、可動体301Gに係る占有領域の拡がりを抑えることができる。
なお、本実施の形態に示すように、誘導通路103を挟んで遊技領域形成体80aGとは反対側(ガラスパネル23側)に可動体301Gを配設することにより、可動体301Gに当った遊技球の軌道がガラスパネル23へ向かう方向に変化することを抑制できる。これにより、可動体301Gに跳ね返った遊技球がガラスパネル23に当たること抑えて当該ガラスパネル23を好適に保護することができる。
<第5の実施の形態>
上記各実施の形態に示した球戻り防止機構106では、遊技球の衝突に伴う押圧力によって阻止状態→許容状態への切り替えを行い、自重や付勢部材の付勢力によって許容状態→阻止状態への切り替えを行う構成としたが、本実施の形態では、阻止状態/許容状態の切り替えに係る構成がそれら各球戻り防止機構106と相違している。以下、図15を参照して本実施の形態における球戻り防止機構106に係る構成について説明する。図15は第5の実施の形態における電気的構成等を示すブロック図である。
球戻り防止機構106Hは、可動体301を阻止状態/許容状態に切り替える駆動部321Hを備えている。駆動部321Hはソレノイドによって構成されており、その出力軸が可動体301に連結されている。ソレノイドの出力軸が変位することにより、それに追従して可動体301の姿勢が変化する構成となっている。
駆動部321Hは主制御装置162に電気的に接続されており、主制御装置162からの信号に基づいて励磁/非励磁の切り替えがなされる。駆動部321Hが励磁状態となることで出力軸が変位して可動体301が阻止状態→許容状態に切り替わり、駆動部が非励磁状態となることでソレノイドに内蔵されたコイルバネの付勢力によって出力軸が待機位置へと復帰することに併せて可動体301が許容状態→阻止状態に切り替わる。このように、本実施の形態に示す球戻り防止機構106Hの状態については駆動部321Hの動作ひいては主制御装置162による駆動制御に依存し、発射された遊技球に依存しない構成となっている。
なお、駆動部321Hにより可動体301を動作させる際の動力と、許容状態に保持する保持力と、阻止状態に保持する保持力とは個別に設定されている。具体的には、可動体301を動作させる際の動力(詳しくは阻止状態から許容状態に切り替える際の動力)は、仮に遊技領域PE側から遊技球が衝突したりして当該動きを妨げる抗力が働いた場合であっても、この抗力を上回るように十分に大きく設定されている。また、可動体301が許容状態となった場合に当該許容状態に保持する保持力についても、仮に遊技領域PE側から遊技球が衝突したりして当該可動体301が阻止状態となる側に押された場合であっても、その押圧力を上回るように十分に大きく設定されている。一方、可動体301を阻止状態に保持する保持力(上記コイルバネによる付勢力)については、遊技球発射機構110から発射された遊技球が当たった場合に、当該遊技球の通過を許容する程度に抑えられている。
(パチンコ機10Hの電気的構成)
ここで、パチンコ機10Hの電気的構成を図15のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサ441a〜441eなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。また、各種検知センサ441a〜441eとして、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b及びスルーゲート84などの各種入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた検知センサがそれぞれ接続されており、これら検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて主制御装置162のMPU402により各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、作動口83a,83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、保留コマンド、シフト時コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリアが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉扉を開閉動作させる可変入賞駆動部、電動役物91の可動片を開閉動作させる電動役物駆動部、及び主表示ユニット88の主表示部が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82(大入賞口)が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10Hの状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット86に設けられた保留ランプ部98、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28及びスピーカ部29等を駆動制御するとともに、表示制御装置450を制御するものである。
表示制御装置450では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置87の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置87における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)、図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)、停止表示された図柄の組み合わせによる確定表示態様の概要を特定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10Hの動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部の表示の設定、図柄表示装置87の図柄表示の概要設定、主表示部(作動口用表示部)の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図16の概略図に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、通常大当たり結果や確変大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置87が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部の作動口用の結果表示部及び図柄表示装置87における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ431において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口83a,83bへの入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア432に格納される。
保留球格納エリア432は、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、上作動口83a用の保留エリアRa(第1エリアRa1〜第4エリアRa4)と下作動口83b用の保留エリアRb(第1エリアRb1〜第4エリアRb4)を備えており、作動口83a,83bへの入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ431に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra4,Rb1〜Rb4に格納される。このように8つのRa1〜Ra4,Rb1〜Rb4が設けられていることにより、上作動口83a及び下作動口83bへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個、すなわち作動口83a,83bへの入賞履歴が計8個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア432には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口83a又は下作動口83bへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、主表示部の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1,Rb1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入賞した場合に、詳しくは作動口83a,83bへ流入した遊技球が上記検知センサ441d,441eにより検知されたタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入賞した場合に、詳しくは作動口83a,83bへ流入した遊技球が上記検知センサ441d,441eにより検知されたタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果又は確変大当たり結果に当選した場合には開閉実行モードへ移行する。通常大当たり結果に係る開閉実行モードが終了した後は、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる。終了基準回数(規定回数)が経過した後に、低確率モード且つ低頻度サポートモードに対応した通常遊技状態に移行する。確変大当たり結果に係る開閉実行モードが終了した後は、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが次回大当たり結果となるまで高頻度サポートモードとなる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入賞した場合に、詳しくは作動口83a,83bへ流入した遊技球が上記検知センサ441d,441eにより検知されたタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置87を備え、可変入賞装置82の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置87における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置87の表示画面87aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置87の表示画面87a内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示部における変動表示時間と、図柄表示装置87における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置87による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置87や主表示部(詳しくは作動口用の結果表示部)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM403の表示時間テーブル記憶エリアが参照される。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動口用の結果表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403に記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図17のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、報知・演出制御装置140に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット86の保留ランプ部98を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア435にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、遊技球が上作動口83aに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が上作動口83aに入球したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続いて上作動口83aに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上作動口83aへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、上作動口83aに入賞していないと判定した場合には、遊技球が下作動口83bに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が下作動口83bに入球したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置242に対して送信される。
続いて、下作動口83bに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下作動口83bへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
情報取得処理においては、上記処理にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。
なお、上作動口83a及び下作動口83bのいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図18のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS201にて外部信号出力処理を実行する。ステップS201の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置87による図柄の変動表示の設定、主表示部の表示制御などを行う。
ステップS203の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS204に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード(大当たり遊技状態:特別遊技状態)、高確率モード且つ高頻度サポートモード(高確遊技状態)、低確率モードかつ高頻度サポートモード(時短遊技状態)、低確率モード且つ低頻度サポートモード(低確遊技状態)などに移行する。なお、開閉実行モードに対応の特別遊技状態に対して、高確率遊技状態、時短遊技状態、低確遊技状態を通常遊技状態と総称する。
続くステップS205では、下作動口83bに付随する電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS206にて球戻り防止機構駆動制御処理を実行し、続くステップS207にて遊技球発射制御用処理を実行する。
ステップS201〜S207の処理を実行した後は、ステップS208にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に停電フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS208にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の停電時処理を実行する。具体的には、ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS214にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ステップS208にて否定判定をした場合には、ステップS208に進む。ステップS209では次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するエリアに格納する。また、ステップS211では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
本実施の形態に示すパチンコ機10Hにおいては、球戻り防止機構106Hが所定の周知(詳しくは後述する遊技球の発射周期と同じ周期:0.6sec)で阻止状態→許容状態に切り替わる構成となっており、遊技球の発射操作が行われた場合には、球戻り防止機構106Hの動きに合わせて遊技球が発射されるように遊技球の発射タイミングを調整する機能が付与されていることを特徴の1つとしている。そこで以下、当該機能を実現するための構成について説明する。
再び図15のブロック図を参照して説明すれば、電源・発射制御装置243は電源・発射制御基板501を備えている。電源・発射制御基板501には他の遊技機器との接続部として機能する入出力ポートが設けられている。入出力ポートの入力側には、遊技球発射ハンドル41が接続されている。具体的には、遊技球発射ハンドル41が遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ42と、遊技球発射ハンドル41の回動操作量を検知するための可変抵抗器43と、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ44とが接続されている。入出力ポートの出力側には遊技球発射機構110のソレノイド111及び球送装置113が接続されており、これらソレノイド111及び球送装置113が電源・発射制御装置243によって駆動制御される構成となっている。
入出力ポートには、主制御装置162が接続されている。上記タッチセンサ42及びストップスイッチ44からの検知信号は電源・発射制御装置243を経由して主制御装置162に入力される。詳細については後述するが、主制御装置162においてはこれらの信号に基づいて発射の可否を設定し、その旨を示す信号を電源・発射制御装置243に入力する構成となっている。電源・発射制御装置243では、主制御装置162及び遊技球発射ハンドル41からの情報に基づいて遊技球発射機構110の駆動制御を行う。
次に、図19のフローチャートを参照し、主制御装置162のMPU402にて通常処理の一環として実行される球戻り防止機構駆動制御処理(図18のステップS206)について説明する。
(球戻り防止機構駆動制御処理)
球戻り防止機構駆動制御処理においては、先ずステップS301にて球戻り防止機構106Hの駆動部321Hに駆動信号を出力しているか否かを判定する。つまり、駆動部321Hが励磁状態となっているか否かを判定する。ステップS301にて否定判定をした場合、すなわち駆動部321Hが励磁状態となっていないと判定した場合には、ステップS302に進む。ステップS302ではRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた第1タイマカウンタTC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1タイマカウンタTC1は駆動信号の出力を開始するタイミング及び駆動信号の出力を終了するタイミングを見極めるためのカウンタである。
第1タイマカウンタTC1の値が「0」でないと判定した場合には、そのまま本駆動制御処理を終了する。一方、第1タイマカウンタTC1の値が「0」であると判定した場合にはステップS303に進む。ステップS303では、駆動信号出力開始処理を実行する。これにより、駆動部321Hが非励磁状態から励磁状態に切り替わり、球戻り防止機構106Hが阻止状態から許容状態に切り替わることとなる。
ステップS303の開始処理を実行した後は、ステップS304にて第1タイマカウンタTC1に「100」(0.2secに相当)をセットして、本駆動制御処理を終了する。第1タイマカウンタTC1の値は、上記タイマ割込み処理が実行されるごとに「1」ずつ減算される。上述した電断処理が実行される場合には、第1タイマカウンタTC1の値が「0」クリアされることとなる。
ステップS301の説明に戻り、当該ステップS301にて肯定判定をした場合、すなわち駆動信号を出力している最中であると判定した場合にはステップS305に進む。ステップS305では、第1タイマカウンタTC1が「0」であるか否かを判定する。ステップS305にて否定判定をした場合、すなわち未だ駆動信号の出力を停止すべきタイミングではないと判定した場合には、そのまま本駆動制御処理を終了する。
ステップS305にて肯定判定をした場合にはステップS306に進む。ステップS306では駆動信号の出力停止処理を実行する。これにより、駆動部321Hが励磁状態から非励磁状態に切り替わり、球戻り防止機構106Hが許容状態から阻止状態に切り替わることとなる。
ステップS306の停止処理を実行した後は、ステップS306にて第1タイマカウンタTC1に「200」(0.4secに相当)をセットして、本駆動制御処理を終了する。第1タイマカウンタTC1の値は、上記タイマ割込み処理が実行されるごとに「1」ずつ減算される。なお、上述した電断処理が実行される場合には、第1タイマカウンタTC1の値が「0」クリアされることとなる。
以上詳述した駆動制御処理によって、阻止状態0.4sec→許容状態0.2secの計0.6secを1サイクルとして、定期的に阻止状態/許容状態の切り替えが繰り返されることとなる。ここで、遊技球の発射操作についてはどのタイミングで行われるかが任意となっている。遊技球の発射周期と球戻り防止機構106Hの切り替え周期とが一致している構成では、遊技球の発射タイミングによっては発射された遊技球が球戻り防止機構106Hが阻止状態となっている状況下にて当該球戻り防止機構106Hに到達する可能性が生じる。これでは、発射された遊技球の遊技領域PEへの到達が球戻り防止機構106Hによって妨げられてしまう。
このような事情に配慮して、本実施の形態においては遊技球の発射タイミングを球戻り防止機構106Hの状態に応じて調整(設定)することにより、上述した不都合の発生を抑制していることを特徴の1つとしている。以下、図20及び図21のフローチャートを参照して、遊技球の発射に係る処理について説明する。先ず図20を参照して主制御装置162のMPU402にて実行される遊技球発射制御用処理(図18のステップS207)について説明する。なお、遊技球発射制御用処理については、通常処理が実行される度に起動される処理である。
(遊技球発射制御用処理)
遊技球発射制御用処理においては、ステップS401にて条件成立信号はHIレベルであるか否かを判定する。具体的には、電源・発射制御装置243から入力されている条件成立信号に基づいてステップS401の判定を行う。
遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合にはタッチセンサ42から電源・発射制御装置243にHIレベル信号が入力され、発射停止操作が行われていない場合にはストップスイッチ44から電源・発射制御装置243にLOWレベル信号が入力される構成となっている。そして、電源・発射制御装置243ではタッチセンサ42からHIレベル信号が入力され且つストップスイッチ44からLOWレベル信号が入力されていることを条件として、主制御装置162に条件成立信号としてHIレベル信号が出力される構成となっている。また、電源・発射制御装置243ではタッチセンサ42からHIレベル信号が入力され且つストップスイッチ44からLOWレベル信号が入力されてない場合には、主制御装置162に条件成立信号としてLOWレベル信号が出力される構成となっている。主制御装置162のMPU402では、この条件成立信号に基づいてステップS401の判定を行う。
ステップS401にて肯定判定をした場合にはステップS402に進む。ステップS402では、既に発射許可状態になっているか否かを判定する。ステップS402にて肯定判定をした場合にはそのまま本遊技球発射制御用処理を終了する。一方、ステップS402にて否定判定をした場合には続くステップS403にて発射許可状態の設定を行う。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に発射許可フラグを格納する。
その後は、ステップS404にて発射許可フラグが格納されていることに基づいて発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定し、本遊技球発射制御用処理を終了する。本実施の形態に示す主制御装置162は電源・発射制御装置243と接続されており、発射許可信号が電源・発射制御装置243に入力される構成となっている。電源・発射制御装置243では、発射許可信号がHIレベルとなっていることに基づいて遊技球の発射を実行する。
ステップS401の説明に戻り、当該ステップS401にて否定判定をした場合、すなわち条件成立信号がLOWレベルである場合には、ステップS405に進む。ステップS405では発射許可状態の解除を行う。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に発射許可フラグが格納されている場合にはこれを消去し、当該発射許可フラグが格納されていない場合にはそのままの状態に維持する。ステップS405の処理を実行した後は、ステップS406に進む。
ステップS406では発射許可フラグが格納されていないことに基づいて発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定し、本遊技球発射制御用処理を終了する。電源・発射制御装置243では、発射許可信号がLOWレベルとなっていることに基づいて遊技球の発射を回避する。
次に、図21のフローチャートを参照して、電源・発射制御装置243の発射制御部502にて定期的(詳しくは主制御装置162のMPU402における通常処理と同じ周期:0.4msec周期)で実行される発射制御処理について説明する。
(発射制御処理)
発射制御処理においては、先ずステップS501にて発射許可状態となっているか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からの発射許可信号がHIレベルとなっているか否かを判定する。ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS502に進む。ステップS502では遊技球を発射すべきタイミングとなったか否かを判定する。具体的には、発射制御部502に発射フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS502にて肯定判定をした場合にはステップS503に進む。ステップS503では、遊技球発射機構110のソレノイド111に対して駆動信号の出力処理を実行するこれにより、ソレノイド111が励磁されて遊技球が発射されることとなる。この際の、遊技球の発射強度についても後述する設定処理にて詳細が決定されることとなる。
ステップS503の処理を実行した後、又はステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS504に進む。ステップS504にて発射タイミングをリセットした後は、本発射制御処理を終了する。具体的には、格納されている発射フラグを消去する。
ステップS502の説明に戻り、当該ステップS502にて否定判定をした場合、すなわち発射タイミングではないと判定した場合には、ステップS505に進む。ステップS505では発射タイミングの設定が既に行われているか否かを判定する。具体的には、発射制御部502に記憶されている発射タイミングカウンタの値が「0」以外となっているか否かを判定する。
ステップS505にて否定判定をした場合には、ステップS506に進む。ステップS506では遊技球発射ハンドル41の可変抵抗器43からの情報に基づいて、遊技球の発射強度を把握する処理を行う。その後、ステップS507にて発射タイミングの設定処理を実行した後、本発射制御処理を終了する。
ここで、発射タイミングの設定処理について説明する。発射タイミングの設定処理では、球戻り防止機構106Hの動作状況と遊技球の発射強度とに基づいて、どのタイミングで遊技球を発射すべきかを決定する。つまり、指定された発射強度で遊技球を発射した場合に当該遊技球が遊技球発射機構110→球戻り防止機構106Hに到達するのに要する期間が一義的に決まっており、この期間と、球戻り防止機構106Hが次に許容状態に切り替わるまでの期間とを参照して、発射された遊技球が球戻り防止機構106Hが許容状態となっている最中に当該球戻り防止機構106Hを通過するように、発射タイミング(詳しくは発射制御部502に格納された発射タイミングカウンタの値)を設定する。例えば、0.2sec後に遊技球を発射すべき場合には、発射タイミングカウンタに「50」をセットする。
発射タイミングカウンタの値は、当該発射制御処理が起動される度に「1」ずつ減算されることとなる。なお、パチンコ機10Hの電源がOFFになった場合には、当該発射タイミングカウンタの値が強制的に「0」クリアされる。
ステップS505の説明に戻り、当該ステップS505にて肯定判定をした場合、すなわち発射タイミングが設定済みである場合には、ステップS508に進む。ステップS508では発射タイミングとなったか否かを判定する。具体的には、発射タイミングカウンタの値が「0」となったか否かを判定する。ステップS508にて否定判定をした場合には、そのまま本発射制御処理を終了する。一方、ステップS509にて肯定判定をした場合、すなわち発射タイミングカウンタの値が「0」である場合には、上記発射フラグを格納して本発射制御処理を終了する。
なお、本実施の形態では、遊技球発射ハンドル41のストップスイッチ44からの信号を加味して主制御装置162のMPU402にて発射の許可の可否を決める構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、主制御装置162にはタッチセンサ42からの情報を入力する構成として、ストップスイッチ44からの情報に基づく発射の可否の判定に係る機能を電源・発射制御装置243に委ねる構成としてもよい。
上述したように本実施の形態においては、主制御装置162によって駆動制御されている球戻り防止機構106Hの状態に応じて遊技球の発射タイミングが決定されることとなる。例えば、球戻り防止機構106Hの駆動制御を行う度にその旨を示す情報が主制御装置162から電源・発射制御装置243に出力される構成とすることにより、上記発射タイミングを決定することも可能である。しかしながら、このような構成では、主制御装置162の発射制御に係る負荷が大きくなる。そこで、本実施の形態においては、このような不都合を解消すべく以下の工夫が施されている。
具体的には、電源・発射制御装置243の発射制御部502には、主制御装置162の各種カウンタエリア434に設けられた第1タイマカウンタTC1に対応する第2タイマカウンタTC2が設けられている。パチンコ機10Hの電源がONとなって、パチンコ機10Hの起動処理が実行される際に、第1タイマカウンタTC1と第2タイマカウンタTC2との同期処理が実行される。第1タイマカウンタTC1の上限値が阻止状態となる期間に対応する構成となっていたのに対して、第2タイマカウンタTC2の上限値は阻止状態に維持される期間及び許容状態に維持される期間を合わせた期間に対応する構成となっている。また、第2タイマカウンタTC2の更新周期(減算周期)についても第1タイマカウンタTC1と同様となっている。
つまり、第2タイマカウンタTC2の値=「上限」〜「所定の値」については球戻り防止機構106Hが許容状態であることに対応しており、第2タイマカウンタTC2の値=「所定の値」〜「0」については球戻り防止機構106Hが阻止状態であることに対応している。故に、発射制御部502においては、第2タイマカウンタTC2の値を参照することにより、実質的に第1タイマカウンタTC1を参照した場合と同様の情報を取得することが可能となっている。
球戻り防止機構106Hについては、阻止状態/許容状態に切り替え可能であるが、上記発射タイミングを設定する場合には、より詳細な情報(例えば許容状態となってからどれくらいの期間が経過したか等)を把握することが好ましい。そこで、第1タイマカウンタTC1と同期する第2タイマカウンタTC2を用いることにより、発射タイミングの細かな調整が可能となっている。
球戻り防止機構106Hを電動式として、定期的に阻止状態/許容状態に切り替える構成では、許容状態となっている期間が長くなることにより、球戻りを防止する機能が低下し得る。この点、本実施の形態に示す構成によれば、許容状態となっている期間を狙って遊技球を球戻り防止機構106Hに到達させることができる。そして、その際には球戻り防止機構106Hが一連の切り替えの流れの中でどのような状況にあるかを加味することにより、より的確に好ましい到達タイミングを把握することができる。故に、発射タイミングのばらつき等を加味して、許容状態とする期間を無駄に長く設定する必要がなく、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能となっている。
ここで、図22のタイミグチャートを参照して、遊技球の発射操作→遊技球の発射の流れについて例示する。
t1のタイミングにて阻止状態となった球戻り防止機構106Hは、0.6secが経過したt2のタイミングにて阻止状態から許容状態に切り替わる。そして、許容状態に切り替わった後は0.2secが経過するt3のタイミングまで当該許容状態に維持されることとなる。その後は、一定周期で阻止状態/許容状態に切り替えが繰り返されることとなる。
球戻り防止機構106Hが阻止状態となったt3のタイミングの後のt4のタイミングにて遊技球の発射操作が行われると、このタイミングで即座に遊技球が発射されるのではなく、僅かに発射タイミングが遅延されることとなる。具体的には、t4のタイミングの後のt5のタイミングで発射用のソレノイド111が励磁されて遊技球が発射されることとなる。
発射された遊技球は、誘導レール100(誘導通路103)に導かれ、当該誘導通路103の入口部分104→出口部分105→球戻り防止機構106Hの順に移動する。このような移動経路を経る構成であるため、発射された遊技球が球戻り防止機構106Hに到達するまでには一定のタイムラグが生じる。そして、このタイムラグについては、上述したように回動操作部材の操作量(発射強度,発射速度)に応じて変化する。つまり、操作量が多くなって発射速度が高くなれば上記タイムラグは小さくなり、操作量が少なくなって発射速度が低くなれば上記タイムラグは大きくなる。
図22に示す例では発射された遊技球が球戻り防止機構106Hに到達するまでに要する期間(タイムラグ)がおよそ0.2secとなっている。故に、t4のタイミングでそのまま遊技球を発射してしまうと、遊技球が球戻り防止機構106Hに到達した時点では当該球戻り防止機構106Hが阻止状態のままとなり、遊技球が同球戻り防止機構106Hに衝突することとなる。
この点、本実施の形態では、遊技球の到達タイミングが球戻り防止機構106Hが許容状態となっているタイミング(詳しくは許容状態となっている期間の真ん中)となるように、発射タイミングが遅延される。この結果、上述の如く発射操作が行われたt4のタイミングの後のt5のタイミングで遊技球が発射される。
遊技球が発射された後のt6のタイミングにて球戻り防止機構106Hが阻止状態から許容状態に切り替わり、発射された遊技球は球戻り防止機構106Hが許容状態となっているt7のタイミングにて当該球戻り防止機構106Hを通過する。遊技球が通過した後のt8のタイミングにて球戻り防止機構106Hが阻止状態に復帰することとなる。
以上詳述した第5の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構110から発射され誘導通路103を経て遊技領域PEに到達した遊技球は、球戻り防止機構106Hによって誘導通路103への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、球戻り防止機構106Hが遊技領域PEに配設されている構成においては、遊技領域PEに到達した遊技球が例えば遊技釘93等の遊技部品に跳ね返って例えば誘導通路103とは反対側から球戻り防止機構106Hに衝突する可能性を否定できない。特に球戻り防止機構106H近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって球戻り防止機構106Hの動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域PEへ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域PEへ到達できなくなり、当該後続の遊技球は誘導通路103を逆戻りする(ファール球等が発生する)こととなる。このような、ファール球の発生は、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本実施の形態に示す構成においては、球戻り防止機構106Hを構成する可動体301の動作が発射された遊技球の勢いに依存しない。このため、仮に上述したように先行する遊技球が遊技領域PE側から可動体301に当たる等して当該可動体301の動きを妨げようとしても、可動体301自体が駆動部321Hからの駆動力によって動作するため、当該邪魔な遊技球を押しのけることができる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
遊技者により発射操作が行われるタイミングについては任意となる。このため、可動体301が所定の周期で動作する構成にて可動体301の動きとは無関係に遊技球が発射された場合には、当該遊技球が可動体301に当って遊技領域PEに到達できない可能性が生じる。そこで、本特徴に示すように、可動体301の切り替え状況に応じて遊技球の発射タイミングが設定される構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
例えば本実施の形態に示す構成とは逆に、遊技球の発射操作に応じて可動体301を阻止状態から許容状態に切り替える構成とすることも可能である。但し、遊技球が発射されてから可動体301に到達するまでに要する期間は極めて短くなることが多く、このような構成では可動体301の切り替えが間に合わなくなる等の不都合が生じる。このような不都合は、可動体301の動作速度や応答性等の向上等の新たな課題を招来させる要因になる。故に、望ましくは本実施の形態に示すように可動体301の動きに合わせて遊技球の発射タイミングを設定する構成とするとよい。
上述の如く遊技球の発射速度については回動操作部材の操作量に応じて変化する。このような発射速度の下限値及び上限値を加味して一義的に発射タイミングを決める構成とした場合には、球戻り防止機構106Hを許容状態に維持する期間が間延びすると想定される。これは、遊技領域PEに射出された遊技球が球戻り防止機構106Hを回避して(すり抜けて)誘導通路103へ戻るという不都合を発生させやすくなる要因となり得るためこのましくない。この点、本実施の形態に示す構成によれば、操作量に応じて発射タイミングが補正されることとなるため、上述したように無駄に許容状態に維持されることを回避して、球戻り防止機構106Hが許容状態となる期間を極力短くすることができる。故に、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
<第6の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては球戻り防止機構106が2つの防止装置106a,106bを併有し、それら防止装置106a,106bを構成する可動体301a,301bが別個独立して動作する構成とした。これに対して、本実施の形態に示す球戻り防止機構については、2つの防止装置を構成する可動体を連動させることによりそれら防止装置の動きに対応関係を付与する構成としたことを特徴の1つとしている。以下、図23〜図27を参照して本実施の形態における球戻り防止機構106Kについて説明する。図23は球戻り防止機構106K及びその周辺構造を示す遊技盤ユニット80Kの部分拡大図、図24は球戻り防止機構106K及びその周辺構造を示す斜視図、図25は遊技盤ユニット80Kから取り外した状態の球戻り防止機構106Kを示す斜視図、図26(a)は球戻り防止機構106Kの側面図、図26(b)は球戻り防止機構106Kの平面図、図27は球戻り防止機構106Kの分解斜視図である。なお、図26においては説明の便宜上、球戻り防止機構106Kに関連する構成を2点鎖線によって概略的に表示している。
図23に示すように、遊技領域形成体80aKにおいて誘導通路103の出口部分105付近、詳しくは誘導通路103の延長上に位置する部分には、誘導レール100(外レール102)に沿うようにして延びる長孔85Kが形成されている。長孔85Kは遊技領域形成体80aKの厚さ方向に貫通しており、この長孔85Kに遊技領域形成体80aKの背面側から上記球戻り防止機構106Kが取り付けられている。この球戻り防止機構106Kによって誘導通路103から遊技領域PEへ移った遊技球の誘導通路103への逆戻りが回避されている。
球戻り防止機構106Kは、外レール102に沿うようにして配設された、すなわち外レール102に沿った遊技球の移動経路上に並べて配設された2つの防止装置106aK,106bKを有してなる。具体的には、左側防止装置106aKを構成する「第1可動体」としての左側可動体601aと、右側防止装置106bKを構成する「第2可動体」としての右側可動体601bと、それら可動体601a,601bを保持するホルダ611とを有してなり、このホルダ611が上記長孔85Kに係合することで遊技領域形成体80aKに一体化されている。なお、2つの可動体601a,601bについては基本構成が共通となっているものの後述するリンク機構に係る構成が相違している。そこで、2つを区別して説明する場合には、必要に応じて可動体601を可動体601a,601bと表記する。
図25及び図27に示すようにホルダ611は2つのホルダ構成体が組み合わされてなり、それらホルダ構成体によって可動体601が挟まれた状態で保持されている。ホルダ611には、遊技領域形成体80aKに対する取付部として機能する平板状の取付ベース612と当該取付ベース612から起立して設けられ可動体601を収容可能な収容部613とが設けられている。図26(a)に示すように、収容部613は、取付ベース612とは反対側(遊技機前方)に開放され且つ当該取付ベース612を底部とする筒状(環状)をなしており、取付ベース612が遊技領域形成体80aKに固定された状態にて収容部613の先端部分(開放部616)が遊技領域形成体80aKの前面と同一平面上に位置するように形成されている。
図24及び図26(b)に示すように、上記長孔85Kについては、その一部が誘導レール100(詳しくは外レール102)と前後に重なるように形成されており、この重なり位置に収容部613の先端縁(先端部分)が位置している。つまり、誘導レール100に対して収容部613の一部が遊技領域形成体80aKの厚さ方向における後側から対峙している。既に説明したように、遊技球発射機構110から発射された遊技球については内レール101及び外レール102のうち後者に沿うようにして移動する。上述したように外レール102と長孔85Kとを前後に重なる配置としたのは、ホルダ611の厚さ等を加味して上記可動体601と外レール102とを近づける為の工夫である。
図26に示すように、可動体601は、収容部613において遊技領域形成体80aKの正面側を向くように形成された開放部616の少なくとも一部を覆うようにして形成された球受け面部604と、この球受け面部604から収容部613の奥側に起立して設けられたベース部602とを有している。ベース部602は上述した防止装置106aK,106bKの並設方向に延びており、当該ベース部602における誘導通路103の出口部分105側となる端部には遊技領域形成体80aKの前面と平行となるようにして形成された軸部603が形成されている。軸部603は上記並設方向と交差しており、この軸部603がホルダ611に形成された軸受け部614に係合することで可動体601が軸部603を中心に回動可能な状態で保持されている。
可動体601のベース部602には軸部603と同じ方向に突出するガイドピン605が形成されており、このガイドピン605がホルダ611(収容部613)に形成されたガイド溝615に挿通されている。ガイド溝615は可動体601の回動中心を中心とする弧状をなしており、このガイド溝615によって可動体601の回動範囲が規定されている。
ガイド溝615における手前側(開放部616側)の端部にガイドピン605が当接した状態では、収容部613からの球受け面部604の突出量が最大となり、ガイド溝615における奥側(取付ベース612側)の端部にガイドピン605が当接した状態では、収容部613からの球受け面部604の突出量が最小(詳しくは「0」)となる。以下の説明では、球受け面部604の突出量が最大となる位置すなわちガラスパネル23との隙間が最小となる位置を可動体601の「最大突出位置」、球受け面部604の突出量が最小となる位置すなわちガラスパネル23との隙間が最大となる位置を可動体601の「退避位置」と称する。
可動体601は、当該可動体601が最大突出位置に配置された状態にて、その突出量が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように構成されている。但し、遊技球の通過を防止する機能を発揮させる上では必ずしもこれに限定されるものではない。ガラスパネル23との隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されているのであれば足り、たとえば最大突出位置に配置された状態での突出量を遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成することも可能である。
球受け面部604については、その中間位置にて遊技領域形成体80aKの前面に対する傾斜角度が変化している。具体的には、可動体601が最大突出位置に配置された状態となっている場合に、回動先端側における傾斜角度と比べて回動基端側における傾斜角度が小さくなるよう折れ曲がっている。これは、球受け面部604に遊技球が当たった際の初期抵抗を小さくして、球受け面部604から反力を受けた遊技球の遊技領域形成体80aKの前面からの浮き上がりを抑える工夫である。
可動体601が最大突出位置に配置されている状態では、上記開放部616と球受け面部604との離間距離が大きくなり、両者の間に遊技球が流入し得る隙間が生じる。仮にこの隙間へ遊技球が入り込んでしまった場合には、当該遊技球が可動体601の退避位置へ向けた回動を妨げる要因になり得る。そこで、本実施の形態に示す可動体601については、このような遊技球の入り込みを回避する工夫が施されている。具体的には、ベース部602が球受け面部604に沿って放射方法に延びており、その回動先端側の端部(回動先端部606)が上記隙間の一部を埋めるように構成されている。
最大突出位置→退避位置への移動に係る可動体601の応答性を向上するには、可動体601の重量をできるだけ軽くすることが好ましい。そこで、敢えて上述したように隙間全体を埋めるのではなくベース部602の回動先端部606によってその一部を埋めること構成とすれば、軽量化による応答性の向上と上述した不都合の発生の回避とを好適に両立させることができる。
ベース部602の回動先端部606は、可動体601の回動中心を基端とする円弧状をなしている。詳細については後述するが、このような形状とすることにより、当該回動先端部606に遊技球が当たった場合に発生する応力が可動体601の回動を促すように作用することを抑制している。
ここで、本実施の形態に示す球戻り防止機構106Kにおいては2つの可動体601a,601bがリンク機構(「連結手段」に相当)によって連結されており、左側可動体601a及びホルダ611における左側可動体601aの保持部分によって構成された「左側防止装置106aK」と、右側可動体601b及びホルダ611における右側可動体601bの保持部分によって構成された「右側防止装置106bK」とが連動する構成となっている。なお、本実施の形態では、1のホルダ611によって2つの可動体601a,601bを保持する構成としたが、これに限定されるものではなく、左側可動体601a用のホルダと右側可動体601b用のホルダとを個別に設けてもよい。
図27に示すように、右側可動体601bには軸部603bを挟んでベース部602bとは反対側に延びるアーム部607bが形成されている。アーム部607bの先端部分には軸ピン608bが設けられており、この軸ピン608bが左側可動体601aのベース部602aに形成されたリンク溝609aに挿通されている。これらアーム部607b(軸ピン608b)及びリンク溝609aによってリンク機構が構成されている。
図26(a)に示すように、リンク溝609aは、両可動体601a,601bの並設方向に延びており、当該リンク溝609aに沿った軸ピン608bの変位を許容している。左側可動体601aが最大突出位置から退避位置へ後退する場合には、リンク溝609aによって軸ピン608bが遊技機後方に押され、左側可動体601aKに追従してアーム部607bが後傾する。これにより、右側可動体601bが回動し、ベース部602b(球受け面部604b)が収容部613の開放部分から突出する。これに対して、右側可動体601bが最大突出位置から退避位置へ後退する場合には、軸ピン608bによってリンク溝609aが遊技機前方に押され、右側可動体601bKに追従してベース部602aが前傾する。これにより、左側可動体601aKが回動し、ベース部602a(球受け面部604a)が収容部613の開放部分から突出する。
このように、本実施の形態に示すリンク機構においては、左側可動体601aの動作と右側可動体601bの動作とが逆の関係となるように両防止装置106aK,106bKの動作態様の対応付けを行っている。
ここで、右側可動体601bの球受け面部604bとアーム部607b(軸ピン608b)との関係について補足説明する。球受け面部604bは、右側可動体601bの回動中心から回動基端側の端部までの距離が当該回動中心から軸ピン608bまでの距離よりも短くなっており、且つ回動中心から回動先端側の端部までの距離が当該回動中心から軸ピン608bまでの距離よりも長くなっている。係る構成によれば、球受け面部604の回動基端側での傾斜角度が緩く且つ回動先端側での傾斜角度がきつくなっていることと相まって以下の効果を奏する。すなわち、比較的傾斜角度が小さい部分が遊技球によって押された場合には、その力によって左側可動体601aを素早く押し上げることが可能となり、応答性の向上に貢献している。これに対して、比較的傾斜角度が大きい部分が遊技球によって押される際には、右側可動体601bに退避位置に向けた動きが生じてはいるもののそのような動きを発生させた遊技球については僅かながら勢いが弱まっていると想定される。そこで、上述したように、球受け面部604bの回動先端部分に遊技球が近づいた場合には、応答性は低下するものの小さな力でも左側可動体601aを押し上げやすくなるように構成されている。これにより、左側可動体601aを効率よく動作させることが可能となっている。
また、リンク機構による両可動体601a,601bの接続箇所は、左側可動体601aの回動中心部分と右側可動体601bの回動中心部分とを含む仮想平面を跨ぐようにしてその位置が変化するように構成されている。このようにして動作経路を設定することにより、出没方向における接続箇所の変位量に対して両可動体601a,601bの並設方向における当該接続箇所の変位量を小さくしている。これにより、リンク機構ひいては球戻り防止機構106Kの小型化に貢献している。また、仮想平面を跨ぐようにして接続箇所を変化させる構成には、遊技球の運動エネルギを可動体の連動に利用する場合に伝達ロスを軽減できるという技術的意義がある。
以上詳述したリンク機構によれば、左側可動体601aが最大突出位置に配置されている状態(阻止状態)では右側可動体が退避位置に配置された状態(許容状態)となり、右側可動体601bが最大突出位置に配置されている状態(阻止状態)では左側可動体601aが退避位置に配置された状態(許容状態)となる。左側防止装置106aが阻止状態且つ右側防止装置106bが許容状態となっている状態が、球戻り防止機構106Kの待機状態である。
以下、図28及び図29の概略図を参照して、遊技球の通過に伴う球戻り防止機構106Kの動きについて説明する。
図28(a)に示すように球戻り防止機構106Kが待機状態となっている場合には、左側可動体601a(球受け面部604a)の遊技領域形成体80aKの前面からの突出量X5が遊技球の直径寸法Dよりも大きくなっており且つ左側可動体601a(球受け面部604a)とガラスパネル23との隙間寸法X6は遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。これに対して、右側可動体601bについては退避位置に配置され、遊技領域形成体80aの前面からの突出が回避されている。つまり、待機状態においては2つの防止装置106aK,106bKのうち左側防止装置106aKにより、遊技領域PEへ流入した遊技球の誘導通路103への逆戻りが規制されている。このように、待機状態においては敢えて右側可動体601bを退避位置に配置させておくことにより、当該右側可動体601bによって遊技領域PEが圧迫される機会を少なくしている。なお、この状態では左側可動体601aと内レール101の先端部分との間に形成されている隙間における遊技球の通過が不可となっている。これにより、球戻り防止機構106Kを回避して遊技球が遊技領域PEから誘導通路103へ戻ることを回避している。因みに、内レール101の先端部については、左側可動体601aと縦並びとなる位置(例えば左側可動体601aが最大突出位置に配置されている場合の当該左側可動体601a(球受け面部604a)の先端部分と縦並びとなる位置や左側可動体601aが退避位置に配置されている場合の当該左側可動体601a(球受け面部604a)の先端部分と縦並びとなる位置)まで延出させてもよい。
なお、第1の実施の形態等に示したように、誘導通路103の出口部分と球戻り防止機構との間からの遊技球の流出を許容する構成とすることも可能である。
図28(a)→図28(b)に示すように、遊技球が左側可動体601a(球受け面部604a)に到達すると、当該遊技球によって球受け面部604aが奥方(遊技機後方)に押される。球受け面部604aが押されることにより左側可動体601aが回動して、突出量X5が減少する。これにより、ガラスパネル23との隙間寸法X6が大きくなる。このような左側可動体601aの動きに追従して右側可動体601bが回動し、遊技領域形成体80aKの前面から右側可動体601bが突出することとなる。
なお、厳密には待機状態となっている場合には、右側可動体601bの球受け面部604bは遊技領域形成体80aKの前面よりも若干後退しているものの、左側可動体601aの球受け面部604aにて傾斜角度が小さく設定された部分から傾斜角度が大きく設定された部分に移る前のタイミングにて、右側可動体601bの球受け面部604bが遊技領域形成体80aKの前面から突出することとなる。
図28(b)→図28(c)に示すように、両可動体601a,601bの回動が進むと、それまで遊技球の通過を許容していた右側可動体601bについても遊技領域形成体80aKの前面からの突出量X7が増加する。これにより、当該右側可動体601bについても遊技球の通過を阻止する阻止状態に切り替わる。つまり、一時的に2つの防止装置106aK,106bKの両方によって遊技球の逆戻りが妨げられた状態となる。
図28(c)→図29(d)に示すように、遊技球に押しのけられるようにして左側可動体601aの回動が進み、左側防止装置106aKが阻止状態から許容状態に切り替わると、当該左側可動体601aとガラスパネル23との間を遊技球が通過可能となる。左側可動体601aを通過した遊技球が右側可動体601bに到達すると、遊技球による押圧対象が左側可動体601aの球受け面部604aから右側可動体601bの球受け面部604bに移る。この状態では、左側可動体601aによる通過制限が解除されており、遊技領域PEから誘導通路103への遊技球の逆戻りの防止機能については右側可動体601bに依存している。
その後は、図29(d)→図29(e)に示すように、右側可動体601bの球受け面部604bが押されることで、右側可動体601bが最大突出位置から退避位置へ向けて後退を始める。これに合せて、左側可動体601aが退避位置から最大突出位置へ向けた回動を開始する。
なお、厳密には左側可動体601aが退避位置に配置されている場合には、左側可動体601aの球受け面部604aは遊技領域形成体80aKの前面よりも若干後退している。但し、右側可動体601bの球受け面部604bにて傾斜角度が小さく設定された部分から傾斜角度が大きく設定された部分に移る前に、左側可動体601aの球受け面部604aが遊技領域形成体80aKの前面から突出することとなる。
右側可動体601bの突出量X7が減少すると、それに合わせて左側可動体601aの突出量X5が増加する。これにより、両可動体601a,601bとガラスパネル23との隙間寸法X6,H8が共に遊技球の直径寸法Dよりも小さくなり、再び左右の可動体601a,601bの両方によって遊技領域PEから誘導通路103への遊技球の逆戻りが規制されることとなる。
図29(e)→図29(f)に示すように、遊技球によって押しのけられるようにして右側可動体601bの突出量X7が減少することで、右側可動体601bとガラスパネル23との隙間寸法X8が遊技球の直径寸法Dよりも大きくなる。このようにして、右側防止装置106bKが阻止状態から許容状態に切り替わることにより、右側防止装置106bKの遊技球の通過が許容される。この結果、遊技球発射機構110から発射された遊技球については左側防止装置106aK→右側防止装置106bKを経て遊技領域PEに流入することとなる。
ここで、図30のタイミングチャートを参照して、各防止装置106aK,106bK(可動体601a,601b)の動作タイミングについて補足説明する。
遊技球発射機構110から発射された遊技球が球戻り防止機構106Kに到達したta1のタイミングでは、当該遊技球によって押された左側可動体601aが最大突出位置から退避位置に向けて回動を開始する。これに伴い、退避位置に配置されている右側可動体601bが最大突出位置に向けた回動を開始する。右側可動体601bが遊技領域形成体80aKの前面から突出することにより、当該右側可動体601bによって遊技領域PEから左側可動体601aに向けた遊技球の動きが妨げられることとなる(図28(b)参照)。右側可動体601bとガラスパネル23との隙間寸法X8が遊技球の直径寸法Dよりも大きい場合であっても、遊技球が遊技領域形成体80aの前面に沿うようにして移動する点に鑑みれば、右側可動体601bの突出が遊技球の逆戻りを防止する上で一助となる。
なお、右側可動体601bが僅かながらであっても突出していれば、当該右側可動体601bの回動先端部606b(図26等参照)に遊技球が当たり得る。ここで、回動先端部606bについては右側可動体601bの回動中心を中心とする弧状をなしているため、回動先端部606bへの遊技球の衝突によって左側可動体601aの回動を妨げる抗力が生じることが抑制できる。これにより、左右の可動体601a,601bの連動性を好適に担保している。
遊技領域PEへ向けて移動する遊技球によって押された左側可動体601aの回動と、当該左側可動体601aに追従した右側可動体601bの回動とが進むと、右側可動体601bとガラスパネル23との隙間寸法X8が遊技球の直径寸法Dよりも小さくなる。これにより、右側防止装置106bKが許容状態から防止状態に切り替わる。このタイミングでは、左側可動体601aとガラスパネル23との隙間寸法X6については未だ遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。つまり、右側防止装置106bKの許容状態→阻止状態への切り替えは、左側防止装置106aKが阻止状態となっている状況下にて実行される。
その後も左側可動体601aの回動が進むことにより、ta3のタイミングにて左側可動体601aとガラスパネル23との隙間寸法X6が遊技球の直径寸法Dよりも大きくなる。これにより、左側防止装置106aKが阻止状態から許容状態に切り替わる。つまり、左側防止装置106aKの阻止状態から許容状態への切り替えについては、右側防止装置106bKが阻止状態となっている状況にて実行される。
但し、左側防止装置106aKが許容状態となったからといって遊技球が直ちに左側可動体601aから離脱するわけではなく、遊技球が右側可動体601bに向けて移動することにより左側可動体601aの回動が継続される。そして、当該遊技球が左側可動体601aから離脱するta4のタイミングでは、左側可動体601aが退避位置に到達し且つ右側可動体601bが最大突出位置に到達する。
左側可動体601a(詳しくは球受け面部604a)と右側可動体601b(詳しくは球受け面部604b)との間には、僅かながら隙間が設けられている。このため、この隙間を通過する間(ta4のタイミング〜ta5のタイミング)は、両可動体601a,601bの姿勢の変化が規制され、左側可動体601aは退避位置且つ右側可動体601bは最大突出位置に維持されることとなる。詳細については後述するが、このような間(特定領域)を設けることにより、仮に遊技球の動きが妨げられる等した場合であっても、当該遊技球が特定領域SEKから下方に落下して球戻り防止機構106Kから円滑に排出されることとなる。
ta5のタイミングにて遊技球が左側可動体601a→右側可動体601bに移ると、当該遊技球によって押された右側可動体601bが最大突出位置から退避位置に向けて回動を開始する。これに伴い、退避位置に配置されている左側可動体601aが最大突出位置に向けた回動を開始する。左側可動体601aが遊技領域形成体80aKの前面から突出することにより、当該左側可動体601aによって誘導通路103の出口部分105に向けた遊技球の動きが妨げられることとなる(図29(e)参照)。左側可動体601aとガラスパネル23との隙間寸法X6が遊技球の直径寸法Dよりも大きい場合であっても、遊技球が遊技領域形成体80aKの前面に沿うようにして移動する点に鑑みれば、左側可動体601aの突出が遊技球の逆戻りを防止する上で一助となる。
なお、左側可動体601aが僅かながらであっても突出していれば、当該左側可動体601aの回動先端部606a(図26等参照)に遊技球が当たり得る。ここで、上述したように、回動先端部606aについては左側可動体601aの回動中心を中心とする弧状をなしているため、回動先端部606aへの遊技球の衝突によって右側可動体601bの回動を妨げる抗力が生じることを抑制できる。これにより、左右の可動体601a,601bの連動性を好適に担保している。
遊技領域PEへ向けて移動する遊技球によって押された右側可動体601bの回動と、当該右側可動体601bに追従した左側可動体601aの回動とが進むと、左側可動体601aとガラスパネル23との隙間寸法X6が遊技球の直径寸法Dよりも小さくなる。これにより、左側防止装置106aKが許容状態から防止状態に切り替わる。このta6のタイミングでは、右側可動体601bとガラスパネル23との隙間寸法X8については未だ遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。つまり、左側防止装置106aKの許容状態→阻止状態への切り替えは、右側防止装置106bKが阻止状態となっている状況下にて実行される。
その後も右側可動体601bの回動が進むことにより、ta7のタイミングにて右側可動体601bとガラスパネル23との隙間寸法X8が遊技球の直径寸法Dよりも大きくなる。これにより、左側防止装置106aKが阻止状態から許容状態に切り替わる。つまり、右側防止装置106bKの阻止状態から許容状態への切り替えについては、左側防止装置106aKが阻止状態となっている状況にて実行される。
但し、右側防止装置106bKが許容状態となったからといって遊技球が直ちに右側可動体601bから離脱するわけではなく、遊技球が遊技領域PEに向けて(誘導通路103の延長方向へ)移動することにより右側可動体601bの回動が継続される。そして、当該遊技球が右側可動体601bから離脱するta8のタイミングでは、右側可動体601bが退避位置に到達し且つ左側可動体601aが最大突出位置に到達する。これにより、球戻り防止機構106Kが上記待機状態に復帰することとなる。
次に、図31の概略図を参照して本実施の形態に示す球戻り防止機構106Nによる逆戻り防止の態様について説明する。図31は逆戻り防止の様子を示す概略図であり、図31(a)群では後続の遊技球B2が左側防止装置106aKを通過する前の状態を示し、図31(b)群では後続の遊技球B2が左側防止装置106aKを通過した後の状態を示している。
図31(a)に示すように、先行する遊技球B1が球戻り防止機構106Kを通じて遊技領域PEに流入した後に遊技釘93等に反射して当該球戻り防止機構106K側へ跳ね返った場合には、当該遊技球B1は右側可動体601bKに当たることで左側可動体601aK側への移動が妨げられることとなる。つまり、右側可動体601bKが左側可動体601aK用の防壁として機能し、先行する遊技球B1が後続の遊技球B2の左側防止装置106aKの通過を妨げる要因となることを回避している。また、先行する遊技球B1と後続の遊技球B2との衝突も回避される。この際、後続の遊技球B2については、その勢いが殺された後に、速やかに誘導通路103の延長上から外れることにより、後続の遊技球B2の外レール102に沿った移動が先行する遊技球B1によって妨げられることについても抑制される。
一方、図31(b)に示すように、後続の遊技球B2が左側防止装置106aKを通過して両可動体601aK,601bKの間の領域(特定領域)に到達しているタイミングにて右側可動体601bKに先行する遊技球B1が跳ね返った場合には、当該先行する遊技球B1は右側可動体601bの回動先端部606bに衝突し、そのまま誘導通路103の延長上から離れる。これにより、先行する遊技球B1と後続の遊技球B2との衝突が回避されることとなる。
既に説明したように、右側可動体601bKの回動先端部606bKについては右側可動体601bKの回動中心を中心とする円弧状をなしている。このため、回動先端部606bKに遊技球B2が衝突したとして、その衝突によって発生する応力は回動中心部を構成する軸部603bKや軸受け部614bKに伝わり、右側可動体601bKを回動させる原動力となることが回避される。但し、遊技球B2が球受け面部604bの先端に引っ掛かる可能性があり、このような場合には、上記事情が発生し得るものと想定される。
仮に、右側可動体601bKの退避位置への移動が妨げられてしまうと、後続の遊技球B2の右側防止装置106bKの通過が困難になる。この場合、当該後続の遊技球B2については、上記特定領域を通じて遊技領域PEへと落下し、球戻り防止機構106Kから排出されることとなる。これにより、遊技球B2が当該遊技球B2に後続の他の遊技球の移動を妨げる要因となることを抑制している。
以上詳述した第6の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構110から発射され誘導通路103を経て遊技領域PEに到達した遊技球は、球戻り防止機構106Kによって誘導通路103への逆戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。
ここで、球戻り防止機構によって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該球戻り防止機構を構成する可動体やそれに付随する他の構成の存在が遊技領域PEを圧迫する要因になり得る。本実施の形態に示す球戻り防止機構106Kにおいては、可動体601が遊技領域形成体80aKの厚さ方向(例えば遊技機における前後方向)に変位することにより球戻り防止機構106Kの防止装置106aK,106bKが許容状態/規制状態に切り替る構成とした。これにより、球戻り防止機構106Kの占有領域の拡がりを抑え、上述した遊技領域PEの圧迫を抑制することができる。また、可動体601aK,601bKについてはそもそも遊技機の見栄えに係る構成ではないため、その動きが目につくことが遊技者に煩わしい等の印象を与える要因にもなり得る。この点、可動体601aK,601bKが遊技領域形成体80aKの厚さ方向に変位する構成とすることは、可動体601aK,601bKの動きを目立ちにくくする上でも有利である。
本実施の形態に示す球戻り防止機構106Kは、遊技領域PEを区画形成する2つの構成(遊技領域形成体80aKの前面及びガラスパネル23の背面)のうち前者側に配設されており、外レール102に沿った遊技球の移動経路よりも後側に位置している。これにより、球戻り防止機構106Kを構成する可動体601やホルダ611が遊技球の視認を妨げる要因になることを回避して、球戻りの規制による恩恵等を享受しつつそれに起因した遊技球の視認性の低下を好適に抑制することができる。
特に可動体601を保持する「保持部」としてのホルダ611については、遊技領域形成体80aに形成された長孔85Kに埋設されており、当該遊技領域形成体80aの前面からの突出が回避されている。これにより、可動体601の保持に係る構成(ホルダ611)が遊技領域PEを圧迫する要因になることを抑制している。
上述したように、遊技球発射機構110から発射された遊技球は外レール102に沿って移動することとなる。このため、球戻り防止機構106Kについてはできるだけ外レール102に近づけて配設することが好ましい。この点、遊技領域形成体80aからのホルダ611の突出を回避することで、外レール102との前後での重なりを許容し、上記通過経路に近い位置に球戻り防止機構106Kを配設することが可能となっている。また、内レール101と球戻り防止機構106K(ホルダ611)との干渉を回避することができるため、球戻り防止機構106Kを誘導通路103の出口部分105に好適に近づけることができる。これにより、「球通路」を形成する誘導レール100と球戻り防止機構106Kとを好適に共存させることが可能となっている。なお、ホルダ611を遊技領域形成体80aKに埋設することは、遊技盤ユニット80Kの見栄えの向上を図る上で有利である。
遊技領域形成体80aKに「収容部」としての長孔85Kを形成した場合には、遊技領域形成体80aKの前面に陥欠部分(開放部)が生じることとなる。このような陥欠部分の存在は遊技球の挙動の乱れの要因になり得る。そこで、球戻り防止機構106Kによってそのような陥欠部分を補完することにより、上述した遊技領域PEの圧迫の抑制効果等を享受しつつそれに起因した遊技球の挙動の乱れを抑制することができる。因みに、ホルダ611の開放部616についても可動体601の球受け面部604によって覆われる構成となっており、この開放部616が遊技球の挙動の乱れを引き起こす要因となることが可動体601によって抑制されている。
ここで、防止装置106aK,106bKにおいては許容状態→規制状態に切り替わる場合に、可動体601a,601bが収容部613内に退避する構成となっており、遊技領域形成体80aKの前面に対して後退した位置に配置されることとなる。このようにして可動体601a,601bの突出を抑えることにより、球戻り防止機構106Kを通過する際の遊技球の挙動の乱れを抑えることができる。
以上詳述した各種構成によって、遊技領域PEへ向けた遊技球の挙動の安定化を図ることで、例えば遊技球とガラスパネル23との接触を回避してガラスパネル23の保護や打音の軽減等に貢献できる。また、遊技球の挙動を安定させることにより都度の遊技球の発射における速度等のばらつきを好適に抑制できる。
本実施の形態に示した可動体601については防止装置106aK,106bKの阻止状態/許容状態の切り替えに伴って遊技領域形成体80aKの前面と交差するようにして変位する構成においては、遊技領域形成体80aKの厚さを利用して可動体601a,601bの動作領域が確保されることとなる。このようにして動作領域を確保することにより、動作領域が遊技領域形成体80aKの面拡がり方向にて嵩むことを抑制することができる。
球戻り防止機構106Kについては左側防止装置106aK及び右側防止装置106bKを併有してなり、一方が阻止状態から許容状態に切り替わることで他方が許容状態から阻止状態に切り替わる構成となっている。可動体601a,601bの動きによって阻止状態/許容状態の切り替えが行われるタイプの「規制手段」については、許容状態となっている間は逆戻りが許容され得る。そこで、両防止装置106aK,106bKのうち一方が許容状態となっている場合には、他方が阻止状態となる構成とすることにより、相互の弱点を補い合うことが可能となっており、球戻りの阻止機能の更なる向上が実現されている。
球戻り防止機構106Kについては左側防止装置106aKが阻止状態且つ右側防止装置106bKが許容状態となっている状態が待機状態として設定されている。つまり、右側防止装置106bKについては遊技球が通過するタイミングを除いては基本的に許容状態に維持される構成となっている。このような構成とすれば、右側防止装置106bKが無駄に阻止状態に維持されることを回避することができる。このため、阻止状態となることで遊技領域形成体80aKの前面側での占有領域が増すタイプの防止装置を採用したとしても、当該防止装置の存在によって遊技領域PEが圧迫される機会を好適に減らすことができる。
球戻り防止機構106Kに到達した遊技球が左側防止装置106aKを通過する際には、左側防止装置106aKの可動体601aを遊技機後方へ押すことにより、当該可動体601aが最大突出位置から退避位置へと移動する。これに伴い、右側防止装置106bKの可動体601bが退避位置から最大突出位置へ移動する。一方、右側防止装置106bKを通過する際には、右側防止装置106bKの可動体601bを遊技機後方へ押すことにより、当該可動体601bが最大突出位置から退避位置へと移動する。これに伴い、左側防止装置106aKの可動体601aが退避位置から最大突出位置へ移動する。このように、遊技球による押圧力を利用して、2つの防止装置106aK,106bKを交互に阻止状態(許容状態)とする構成によれば、各防止装置106aK,106bKの状態切替用の駆動力を発生させる駆動手段等が不要であるため球戻り防止機構106Kに係る構成の簡素化に貢献できる。また、遊技者の操作に応じて遊技球の発射速度が調整可能である点に鑑みても、上記2つの防止装置106aK,106bKの状態切替速度が遊技球の発射速度に比例することとなり、速度調整機能への追従性を簡易な構成によって担保することができる。
また、右側防止装置106bKが許容状態となる前に左側防止装置106aKを阻止状態に復帰させておくことで、右側防止装置106bKを上手く通過できなかった遊技球等が左側防止装置106aKを素通りして誘導通路103に戻ることを好適に抑制することができる。
なお、遊技球が左側防止装置106aK→右側防止装置106bKの順に通過することで、球戻り防止機構106Kが上記待機状態に復帰することとなる。これにより、次の遊技球の到達に備えることができ、繰り返しの遊技球の発射に対応可能となる。このように、遊技球の発射の都度、同じ状態が再現される構成とすれば、球戻り防止機構106Kの通過に伴った遊技球の移動速度低下にばらつきが生じることを好適に抑制できる。
リンク機構を用いて遊技球の運動エネルギを防止装置106aK,106bKの状態切替に転用する構成においては、球戻り防止機構106Kを通過することで遊技球の運動エネルギが減少して、遊技球の移動速度が低下することとなる。このような速度低下が大きくなることは、狙った位置への遊技球を到達させることを困難にする要因になり得る。ここで、本実施の形態に示した構成によれば、連結箇所が2つの回動中心を繋ぐ仮想平面を横切るようにして移動する。係る構成によれば、連結箇所の移動範囲が仮想平面の一方側んい限定されている場合と比較して伝達効率を向上させることができる。また、可動体601a,601bを変位させる際の抗力を軽減することで、可動体から遊技球に加わる反力を抑え、遊技球の挙動の乱れを抑制することもできる。
上述したように2つの可動体601a,601bを連動させる構成においては、一方の動きが妨げられてしまった場合にはその影響が他方にも及ぶこととなる。故に、球戻り防止機構106K全体で動作を担保する上では、一方の動きが他方によって妨げられないように留意する必要が生じる。例えば上述したように回動式の可動体601a,601bを有する構成においては、その動作領域に遊技球が入り込むことにより回動が妨げられる可能性がある。
特に可動体601a,601bを構成する球受け面部604a,604bが板状をなしている場合には、当該球受け面部604a,604bの変位によって配設対象たるホルダ611の開放部616との間に隙間が生じる。仮にこの隙間に先行する遊技球が入り込んでしまうと、後続の遊技球が到達した場合の可動体601a,601bの変位が妨げられる可能性が生じる。このような事情に配慮した場合には、例えば可動体601a,601bの変位量を小さくしたり、球受け面部604a,604bの厚さを大きくしたりすることも可能である。但し、このような対策を講じた場合には、可動体601a,601bの重量が嵩み阻止状態/許容状態の切り替えを行う際の応答性に係る新たな課題が生じる。この点、本実施の形態に示すように、球受け面部604a,604bから起立するようにして設けられたベース部602a,602b(詳しくは回動先端部606a,606b)を上記隙間への遊技球の入り込みを阻止する阻止手段として機能させる構成とすれば、上述した新たな課題等の発生を抑え、実用上好ましい構成が実現できる。
なお、本実施の形態においては、右側の可動体601bのアーム部607bが左側可動体601aと開放部616との隙間に存在することで当該隙間に対する遊技球の入り込みを抑制することができる。これにより、左側防止装置106aKを通過した遊技球によって可動体601aKひいては後続の遊技球の動きが妨げられることを抑制することができる。
特に、右側の可動体601bは左側の可動体601aと比較して遊技領域PE側への露出部分が広くなり、先行する遊技球が接触する機会が多くなると想定される。仮に、右側の可動体601bの動きが先行する遊技球によって妨げられてしまうと、当該可動体601bの存在が球戻り防止機構106K全体での状態切替を妨げる阻害要因になると懸念される。この点、「阻止手段」としての機能が付与されたベース部602b(602a)の回動先端部606b(606a)は、可動体601b(601a)の回動中心を中心とする弧状をなしている。このため、可動体601bの回動先端部分605bに対して遊技球の案内先から遊技球が当たった場合には、押圧力が可動体601bの回動中心へと伝わることとなり、当該押圧力が可動体601bを回動させるように作用することを回避できる。これにより、先行する遊技球が可動体601bに衝突したとしてもそれが可動体601bの回動を妨げる要因となることを抑制できるだけでなく、それが左側の可動体601aの回動を妨げる要因になることも抑制できる。
上記リンク機構によって遊技球による押圧力を他の可動体の動力に変換する構成においては、抗力が大きくなることで遊技球の挙動が乱れやすくなると想定される。特に、遊技領域形成体80aKからの突出量が変化する構成においては、遊技領域形成体80aKの前面から遊技球が浮き上がることにより、遊技球と遊技領域形成体80aKを覆うガラスパネル23との干渉が発生しやすくなる。この点、本実施の形態に示す可動体601a,601bにおいては、遊技球が球受け面部604a,604bに当たった初期のタイミングでは接触面の傾斜角度が小さくなっているため、抗力を軽減するとができる。これに対して、ある程度回動が進んだ後は、可動体601a,601bに慣性力が働くため比較的小さな押圧力によって可動体601a,601bを動作させることができる。そこで、球受け面部604a,604bの接触面の傾斜角度が大きくして可動体601a,601bの回動を促進したとしてもそれによって抗力が過剰になることを抑制できる。これにより、遊技球の挙動の乱れを抑えつつ、回動時の姿勢変化の効率を高めることが可能となる。
<別形態>
上記第6の実施の形態に示したように球戻り防止機構106K(防止装置)を利用してファール球の発生を抑制する上では、球戻り防止機構106Kに係る構成を以下のように変更することも可能である。
<実施例1>
球戻り防止機構106Kにおいては、2つの可動体601a,601bのうち一方の動作に追従して他方が動作する構成とした。ここで、例えばバネ部材等の付勢手段を用いて左側防止装置106aKが阻止状態且つ右側防止装置106bKが許容状態となるように、すなわち球戻り防止機構106Kが待機状態となるように、可動体601aK,601aKを付勢する構成としてもよい。
具体的には、左側可動体601aをバネ部材(押しバネ又は引きバネ)によって阻止状態となるように付勢する構成としてもよいし、右側可動体601bをバネ部材(押しバネ又は引きバネ)によって許容状態となるように付勢する構成としてもよい。アーム部607(軸ピン608)やリンク溝609によって両可動体601a,601bが連結されているため、それら可動体601a,601bの一方を付勢することで、その効果は他方にも及ぶことになる。また、左側可動体601a用のバネ部材と右側可動体601b用のバネ部材とを併用することも可能である。
なお、1のバネ部材によって左側可動体601aと右側可動体601bとを接続し、左側可動体601aが阻止状態且つ右側可動体601bが許容状態となるようにまとめて付勢する構成としてもよい。
このように、付勢手段による付勢力を復帰時の動力源として利用して可動体601Kの復帰動作を補助(サポート)することにより、可動体601のばたつき等を抑え、待機状態における可動体601Kの姿勢のばらつきを抑えることができる。故に、付勢手段を用いることで球戻り防止機構106Kに付与された機能を安定して発揮させることができる。
<実施例2>
図32(a)の概略図に示すように、重りを用いて復帰動作を補助する構成とすることも可能である。具体的には、可動体601L(詳しくは回動中心から外れた部分)にワイヤ621を介して重り622を取り付ける。左側可動体601aLが阻止状態且つ右側可動体601bLが許容状態となっている状況下においては重り622が下限位置にて待機し、左側可動体601aLが許容状態且つ右側可動体601bLが阻止状態となることによりそのような動きに追従して重り622が重力に抗して上限位置に上昇する。このようにして上昇した重りが自重によって下限位置へと降下する際に、この重り622の動作に合わせて左側可動体601aLが阻止状態且つ右側可動体601bLが許容状態に切り替わる構成とすることも可能である。つまり、このような重り622を「付勢手段」として利用することも可能である。
なお、<実施例1>及び<実施例2>に示した付勢手段を主として利用する構成とした場合には、リンク機構を併用する必要は必ずしもない。例えば、リンク機構を省略し、付勢手段による付勢力によって可動体601の阻止状態(待機状態)への復帰の原動力を担保する構成とすることも可能である。
<実施例3>
上記第6の実施の形態においては、リンク機構を用いて2つの可動体601a,601bを構造的に連結することにより当該リンク機構を介して両可動体601a,601bが連動する構成としたが、結果として2つの可動体601a,601bを連動させることができるのであれば、具体的構成については任意に変更してもよい。
例えば、図32(b)の概略図に示す球戻り防止機構106Mについては、ホルダ611Mに、左側可動体601aMの状態(位置)を検知する検知センサ625aと、右側可動体601bMの状態(位置)を検知する検知センサ625bとが配設されている。検知センサ625a,625bは主制御装置162に接続されており、主制御装置162ではこれら検知センサ625a,625bからの検知情報(検知信号)に基づいて、各可動体601aM,601bMが何れの状態となっているかを把握可能となっている。
また、ホルダ611Mには、左側可動体601aM用の「駆動手段」を構成するソレノイド626aと、右側可動体601bM用の「駆動手段」を構成するソレノイド626bが配設されている。これらソレノイド626a,626bは主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて駆動する(励磁状態/非励磁状態に切り替わる)。
主制御装置162のMPU402においては、検知センサ625a,625bからの検知情報に基づいて可動体601aM,601bM用の姿勢制御処理が実行される。具体的には、検知センサ625aから左側可動体601aMが許容状態に切り替わった旨の検知情報が入力された場合にはソレノイド626bに駆動信号を出力する。これにより、右側可動体601bMが許容状態から阻止状態に切り替わる。次に、検知センサ625bから右側可動体601bMが許容状態から阻止状態に切り替わった旨の検知情報が入力された場合にはソレノイド626aに駆動信号を出力する。これにより、左側可動体601aMが許容状態から阻止状態に切り替わる。これにより、遊技球が通過する前の待機状態への復帰が完了する。
なお、駆動信号の出力期間についてはソレノイド626bによる姿勢制御が完了する程度の期間となるように設定されている。
2つの可動体601aM,601bMの動きに関連性を付与する場合には、遊技球の運動エネルギの一部が可動体601aM用の運動エネルギ及び可動体601bM用の運動エネルギに変換されることとなり、遊技球の勢いが弱まりやすくなると想定される。つまり、2つの可動体601aM,601bMをリンク機構によって結びつけた場合には、少なからず遊技球のパワーロスが生じる。
この点、本変形例に示す構成では、一方の可動体の動作を他の可動体の動作の契機としつつも、それに起因した可動体の動作抵抗を極力小さく抑えることができる。これにより、複数の可動体の併用を好適に促進することができる。また、可動体の動作抵抗を小さくすることは、遊技球が衝突した際の可動体の動きを軽快として応答性の向上を実現する上でも有利である。
<第7の実施の形態>
上記第6の実施の形態に示した球戻り防止機構106Kにおいては左側防止装置106aKが阻止状態且つ右側防止装置106bKが許容状態となっている状態を当該球戻り防止機構106Kの待機状態として設定したが、本実施の形態に示す球戻り防止機構106Nにおいては左側防止装置106aN及び右側防止装置106bNの両者が阻止状態となっている状態が当該球戻り防止機構106Nの待機状態となるように設定されている点で球戻り防止機構106と構成が相違している。以下、図33の概略図を参照して、本実施の形態における球戻り防止機構106Nについて説明する。なお、第6の実施の形態に示した球戻り防止機構106Kと共通となる構成については説明を援用する。
球戻り防止機構106Nを構成しているホルダ611Nの底部(取付ベース612N)にて左側可動体601aNのベース部602と対峙している部分には当該取付ベース612Nから収容部613Nと同じ側に起立する支柱617aNが形成されている。この支柱617aNの起立量については、その先端部分がリンク溝609aNの前側の端部(図33においては上側の端部)と横並びとなるように設定されている。この支柱617aNの先端部分には、当該支柱617aNとガイドピン605aNとを繋ぐようにしてバネ部材618aN(「付勢手段」に相当)が取り付けられている。バネ部材618aNは自然状態から僅かに延びた状態となっており、このバネ部材618aNの付勢力によってガイドピン605aがガイド溝615aNの端部(開放部分側の端部)に押し付けられている。これにより、左側可動体601aNが阻止状態に維持されている。
本実施の形態に示す球戻り防止機構106Nについては、上記リンク機構を構成するアーム部(軸ピン)やリンク溝が省略されており、左右の可動体601aN,601bNの連動が回避されている。これにより、左側可動体601aN及び右側可動体601bNが別個独立して動作する構成となっている。
このような変更に合せて右側可動体601bNは左側可動体601aNとの共通化が図られており、付随して設けられる支柱617bN及びバネ部材618bNについても上記支柱617aN及びバネ部材618bNと同様の構成となっている。そして、バネ部材618bNの付勢力によって左側可動体601aNについても阻止状態に維持されている。つまり、左側可動体601aN及び右側可動体601nNの両者が阻止状態に維持されており、この状態が球戻り防止機構106Nの待機状態となるように設定されている。
次に、図34及び図35を参照して、球戻り防止機構106Nの動作態様について説明する。図34は各可動体601aN,601bNの動きを示す概略図、図35は球戻り防止機構106Nの動作の流れを示すタイミングチャートである。
遊技球発射機構110から発射された遊技球は誘導通路103を通じて球戻り防止機構106Nに到達する。図34(a)→図34(b)に示すように、球戻り防止機構106Nに到達した遊技球が左側可動体601aNの球受け面部604aNに当たると、球受け面部604aNが収容部613Nの奥側(後方)へ押されることで左側可動体601aNがバネ部材618aNの付勢力に抗してホルダ611N内へ後退する。この後退に伴ってバネ部材618aNには、左側可動体601aNを阻止状態(最大突出位置)に復帰させるための復元力が蓄えられることとなる。
図34(b)→図34(c)に示すように、左側可動体601aNが最大後退位置へ変位して阻止状態から許容状態に切り替わることで、当該左側可動体601aNに衝突した遊技球は左側可動体601aNを通過して右側可動体601bNへ移る。その後、左側可動体601aNは、バネ部材618aNに蓄えられた復元力によって許容状態から阻止状態に復帰することとなる。
図34(a)〜図34(c)に示すように、右側可動体601bNについては、遊技球が右側可動体601bNに到達する以前から阻止状態となっている。このため、右側可動体601bNに到達した遊技球は、当該右側可動体601bNの球受け面部604bNに当たる。図34(c)→図34(d)に示すように、球受け面部604bNが収容部613Nの奥側(後方)へ押されることで右側可動体がバネ部材618bNの付勢力に抗してホルダ611N内へ後退する。この後退に伴ってバネ部材618bNには、右側可動体601bNを阻止状態(最大突出位置)に復帰させるための復元力が蓄えられることとなる。
右側可動体601bNが退避位置へ変位して右側防止装置106bNが阻止状態から許容状態に切り替わることで、右側可動体601bNに衝突した遊技球は右側可動体601bNを通過して遊技領域PEに到達する。
図34(d)→図34(a)に示すように、遊技球が通過した後は、バネ部材618bNに蓄えられた復元力によって右側防止装置106bNが許容状態から阻止状態に復帰することとなる。これにより、後続の遊技球が球戻り防止機構106Nに到達する前に当該球戻り防止機構106Nが待機状態となる。
ここで、図35のタイミングチャートを参照して、各可動体601aN,601bNの動作タイミングについて補足説明する。
本実施の形態においては、左側防止装置106aNが阻止状態となっている期間と右側防止装置106bNが阻止状態となっている期間との重なりが回避されている。具体的には、右側防止装置106bNが阻止状態に維持されている最中に左側防止装置106aNが阻止状態から許容状態に切り替わる。許容状態となって当該左側防止装置106aNを通過した遊技球によって右側防止装置106bNの押し込みが開始されるまでの期間、すなわち遊技球が両防止装置106aN,106bNの隙間(特定領域SEN)を通過する期間を利用して、遊技球による右側防止装置106bNの押し込みが開始される直前のtb4タイミングでは左側防止装置106aN(左側可動体601aN)が僅かながら遊技領域形成体80aNの前面(ホルダ611Nの開放部分)から突出した状態となる。これにより、左側防止装置106aNを通過した遊技球の誘導通路103側への逆戻りが妨げられることとなる。なお、このタイミングでは左側可動体601aNとガラスパネル23との隙間寸法について依然として遊技球の直径寸法よりも大きくはなっているものの、遊技領域PEに向けた遊技球の移動については遊技領域形成体80aNの前面に沿うようにして行われる。このような事情から、左側可動体601aNの突出量が比較的小さくても遊技球の逆戻りが好適に抑制されることとなる。
その後、遊技球に押されて右側防止装置106bNが阻止状態から許容状態に切り替わるtb7のタイミングよりも前のtb5のタイミングにて左側防止装置106aNが阻止状態に復帰する。つまり、左側防止装置106aNの阻止状態→許容状態→阻止状態の切り替えは、右側防止装置106bNが阻止状態に維持されている最中に完結する構成となっている。
その後も右側可動体601bNの後退が進み、tb7のタイミングで右側防止装置106bNが阻止状態から許容状態に切り替わる。これにより、遊技球が右側防止装置106bNを通過することとなる。遊技球が通過したtb8のタイミングでは右側可動体601bNの最大突出位置への復帰が開始され、左側防止装置106aNが阻止状態に維持されている間(後続の遊技球が到達するまでの間)に右側防止装置106bNの阻止状態への復帰が完了することとなる。すなわち、右側防止装置106bNの阻止状態→許容状態→阻止状態への切り替えは、左側防止装置106aNが阻止状態に維持されている最中に完結する構成となっている。
次に、図36の概略図を参照して本実施の形態に示す球戻り防止機構106Nによる逆戻り防止の態様について説明する。図36は逆戻り防止の様子を示す概略図である。
図36(a)に示すように、先行する遊技球B1が球戻り防止機構106Nを通じて遊技領域PEに流入した後に遊技釘93等に反射して当該球戻り防止機構106N側へ跳ね返った場合には、当該遊技球B2は右側可動体601bNに当たることにより、左側可動体601aN側への移動が妨げられる。つまり、右側可動体601bNが左側可動体601aN用の防壁として機能し、後続の遊技球B2の通過に伴った左側可動体601aNの動作が担保されることとなる。
一方、図36(b)に示すように、後続の遊技球B2が左側可動体601aNを通過して両可動体601aN,601bNの間の特定領域SENに到達しているタイミングにて右側可動体601bNに先行する遊技球B1が跳ね返った場合には、右側可動体601bNの動作が遊技球B1によって妨げられる可能性がある。右側可動体601bNの回動先端部606bNについては上記第6の実施の形態に示した回動先端部606bKと同様に右側可動体601bNの回動中心を中心とする円弧状をなしている。このため、回動先端部606bNに遊技球B2が衝突したとして、その衝突によって発生する応力は回動中心部を構成する軸部603bNや軸受け部614bNに伝わり、右側可動体601bNを回動させる原動力となることが回避される。但し、遊技球B2が球受け面部604Nの先端に引っ掛かる可能性があり、このような場合には、上記事情が発生し得るものと想定される。
仮に、右側可動体601bNの退避位置への移動が妨げられてしまうと、後続の遊技球B2の右側防止装置106bNの通過が困難になる。この場合、当該後続の遊技球B2については、上記特定領域SENを通じて遊技領域PEへと落下し、球戻り防止機構106Nから排出されることとなる。これにより、遊技球B2が後続の遊技球の移動を妨げる要因となることを抑制している。
本実施の形態に示す構成によれば、左側防止装置106aNを遊技球が通過するよりも前のタイミングにて右側防止装置106bNの可動体601bNを最大突出位置にて待機させておくことができる。このため、遊技球が左側防止装置106aNから右側防止装置106bNへ移る際に、最大突出位置へ向けて移動している可動体601bNに衝突するといった事象を抑制できる。これにより、遊技球と可動体601bNとが当たった際に、当該遊技球に加わる反力が過度に大きくなることを抑制できる。
また、右側防止装置106bNを左側防止装置106aN用の防壁として利用することができ、左側防止装置106aNの動作が先行して遊技領域PEへ流入した遊技球によって妨げられる機会を好適に減らすことができる。
<別形態>
上記第7の実施の形態に示したように複数の防止装置106aN,106bNからなる球戻り防止機構106N(防止装置)を利用してファール球の発生を抑制する上では、球戻り防止機構106Nに係る構成を以下のように変更することも可能である。
<実施例1>
複数の可動体601aN,601bNを用いて球戻り防止機構106Nを構成する上では、上記第1の実施の形態等に示したタイプの可動体301(遊技領域形成体80aの前面に沿って動作するタイプの可動体)と、第7の実施の形態等に示したタイプの可動体601N(遊技領域形成体80aの前面と交差するようにして動作するタイプの可動体)とを併用することも可能である。
この場合、例えば左側(誘導通路103の出口部分105に近い側)の可動体を第1の実施の形態等に示したタイプの可動体とし、右側(出口部分105から遠い側)の可動体を第7の実施の形態等に示したタイプの可動体とすることにより、逆戻り防止機能の向上を図りつつ、それに起因して遊技領域PEが圧迫されることを好適に抑制することができる。
<実施例2>
球戻り防止機構106Nにおいては両可動体601aN,601bNが遊技球の通過に伴って遊技領域形成体80aNの奥側に後退する構成としたが、本実施の形態に示したタイプの可動体401Nと上記第4の実施の形態に示したタイプの可動体301G(遊技球の通過に伴って前進するタイプの可動体)とを組み合わせて球戻り防止機構を構築することも可能である。
この場合、例えば左側(出口部分105に近い側)の可動体を第4の実施の形態に示したタイプの可動体とし、右側(出口部分105から遠い側)の可動体を第7の実施の形態に示したタイプの可動体としてもよいし、左側(出口部分105に近い側)の可動体を第7の実施の形態に示したタイプの可動体とし、右側(出口部分105から遠い側)の可動体を第4の実施の形態に示したタイプの可動体としてもよい。
ここで、遊技球の挙動の安定化やガラスパネル23の保護に配慮した場合には、遊技領域形成体80aの前面からの遊技球の浮き上がりを抑えることが好ましい。可動体が遊技領域形成体80aの厚さ方向に動作する場合には、可動体に衝突した遊技球の軌道は当該可動体からの反力によって僅かながら変化し得る。そこで、上述した2つの組み合わせのうち後者とした場合には、遊技球の移動方向における上流側の可動体に当たって変化した遊技球の軌道を下流側の可動体によって修正(遊技球の浮き上がりを抑えるようにして修正)することができる。このように、上記後者の組み合わせとすることには技術的意義がある。
<実施例3>
上記第7の実施の形態では、可動体601aN,601bNの間に形成された特定領域SENを通じて遊技球が排出される構成としたが、例えば両可動体601aN,601bNを近づける構成とすることにより、遊技領域PEの圧迫を好適に抑制することができる。このような構成では、例えば左側可動体601aNの復帰速度を遅らせる(遅延させる)構成とすることで、当該左側可動体601aNの動作領域を遊技球排出用の通路領域として活用する構成とすることにより、すなわち動作領域に上記特定領域SENと同様の機能を付与することにより、球戻り防止機構からの遊技球の排出機能を担保しつつ、両可動体601aN,601bNを近づけることができる。この結果、上述した遊技領域PEの圧迫に係る課題を好適に解決することができる。
<第8の実施の形態>
本実施の形態に示す球戻り防止機構106Pについては、その配置及び動作に係る構成が上記第6の実施の形態に示した球戻り防止機構106Lと相違している。以下、図37〜図41を参照して、第6の実施の形態の球戻り防止機構106Lとの相違点を中心に、本実施の形態における球戻り防止機構106Pについて説明する。図37は球戻り防止機構106P及びその周辺構造を示す遊技盤ユニット80Pの部分拡大図、図38は球戻り防止機構106P及びその周辺構造を示す斜視図、図39は遊技盤ユニット80Pから取り外した状態の球戻り防止機構106Pを示す斜視図、図40(a)は球戻り防止機構106Pの平面図、図40(b)は球戻り防止機構106Pの断面図、図41は球戻り防止機構106Pの分解斜視図である。なお、図40においては説明の便宜上、球戻り防止機構106Pに関連する構成を2点鎖線によって概略的に表示している。
図37に示すように、遊技領域形成体80aPにおいて誘導通路103の出口部分105には、誘導通路103と遊技領域PEとに跨るようにして長孔92P長孔92Pが形成されている。長孔92Pは外レール102に沿うようにして延びており、遊技領域形成体80aPの厚さ方向に貫通している。この長孔92Pに遊技領域形成体80aPの背面側から球戻り防止機構106Pが取り付けられている。この球戻り防止機構106Pによって誘導通路103から遊技領域PEへ移った遊技球の誘導通路103への逆戻りが回避されている。
球戻り防止機構106Pは、外レール102に沿うようにして配設された2つの防止装置106aP,106bP、すなわち外レール102に沿った遊技球の移動経路上に並べて配設された2つの防止装置106aP,106bPを有してなる。具体的には、左側防止装置106aP(「第1規制手段に相当」)を構成する「第1可動体」としての左側可動体601aPと、右側防止装置106bP(「第2規制手段」に相当)を構成する「第2可動体」としての右側可動体601bPと、それら可動体601aP,601bPを保持するホルダ611Pとを有してなり、このホルダ611Pが上記長孔92Pに係合した状態で遊技領域形成体80aPに一体化されている。
図38に示すように、本実施の形態に示す可動体601aP,601bPについては、遊技球の通過を許容する許容状態と遊技球の通過を規制する規制状態とに各々切替可能となっている点では上記第6の実施の形態と同様ではあるが、遊技球の通過待ちとなる待機中は両可動体601aP,601bPがともに規制状態に維持される点で第6の実施の形態と構成が相違している。
図39に示すようにホルダ611Pは2つのホルダ構成体が組み合わされてなり、それらホルダ構成体によって可動体601aP,601bPが挟まれた状態で保持されている。ホルダ611Pには、遊技領域形成体80aPに対する取付部として機能する平板状の取付ベース612Pと当該取付ベース612Pから突出するようにして(起立して)設けられ可動体601Pを収容可能な収容部613Pとが設けられている。収容部613Pは、取付ベース612Pとは反対側(遊技機前方)に開放され且つ当該取付ベース612Pを底部とする中空の箱状(環状)をなしており、取付ベース612Pが遊技領域形成体80aPに固定された状態にて収容部613Pの先端部分(開放部616P)が遊技領域形成体80aPの前面と同一平面上に位置するように形成されている。このようにして、遊技領域形成体80aPの前面との段差の発生を回避することにより、ホルダ611Pを遊技球が通過する際に当該遊技球の挙動が乱れることを抑制している。
なお、本実施の形態においては、2つの可動体601aP,601bPの間隔が上記第6の実施の形態と比較して僅かに大きくなっている。このような事情に配慮し、左側可動体601aP用の開放部616aPと右側可動体601bP用の開放部616bPとを個別に設け、両可動体601aP,601bP間の隙間を埋めることにより、遊技球が左側可動体601aPから右側可動体601bPに移る際の当該遊技球の挙動の乱れを抑制している。
図40(a)に示すように、上記長孔92Pについては、その一部が誘導レール100(詳しくは内レール101及び外レール102)と前後に重なるように形成されており、この重なり位置に収容部613Pの先端縁(先端部分)が位置している。つまり、誘導レール100に対して収容部613Pの一部が遊技領域形成体80aPの厚さ方向における後側から対峙している。このように誘導レール100の背後に球戻り防止機構106Pが位置する構成とすることにより、内レール101と外レール102との間に球戻り防止機構106P(詳しくは可動体601aP)を配設する構成にて、その大きさや配置に係る制約を緩和している。これにより、誘導レール100と球戻り防止機構106Pとの共存を好適に実現している。
ここで、図40(a)を参照して、球戻り防止機構106Pの取付構造について補足説明する。ホルダ611Pに形成された取付ベース612Pについては、遊技領域形成体80aPにて遊技領域PEが形成されている部分の背後へ重なる位置に延出する第1取付ベース612aPと、遊技領域形成体80aPにて遊技領域PEの外側となる部分(詳しくは外レール102の外側となる部分)の背後へ重なる位置に延出する第2取付ベース612bPとを有している。これら第1取付ベース612aP及び第2取付ベース612bPがビス621P(「固定手段」又は「固定具」に相当)によって遊技領域形成体80aPに固定されている。
球戻り防止機構106Pを用いて誘導通路103への遊技球の戻りを規制する構成については、先行する遊技球が後続の遊技球の発射の妨げになることを回避して遊技進行の円滑化を図る上で有利である。但し、遊技領域形成体80aPの前面側には遊技釘等の各種遊技部品が配設されるため、このような球戻り防止機構106Pの存在によって遊技部品の配設領域が圧迫されることは好ましくない。この点、本実施の形態に示す構成によれば、球戻り防止機構106Pにてビス621Pによる固定対象となる部分が遊技領域形成体80aPの背面側に位置しており、遊技領域形成体80aPの前面側にはネジやビス等の固定手段(固定具)による固定対象となる部分が不具備となっている。このように、球戻り防止機構106Pの固定に係る構成について遊技領域形成体80aPの前面側における占有領域を排除することにより、誘導通路103の出口部分105周辺における上記遊技部品の配置自由度の低下を抑制している。
特に、「固定手段」としてのビス621Pについては、遊技領域形成体80aPの厚さを利用して取り付けられる。具体的には、遊技領域形成体80aPには取付ベース612aP,612bPに形成された貫通孔に連通するビス穴が形成されており、これらビス穴にビス621Pが螺着される構成となっている。本実施の形態では、複数のビス621Pのうち少なくともの一部については遊技領域PEとの前後での重なりが回避される位置(誘導通路103や遊技領域PEが形成されていない領域)に配設される構成となっている。これにより、当該ビス621Pが遊技部品の配設(固定)の邪魔になることを好適に抑制できる。故に、上記効果を一層好適に発揮させることが可能となっている。
(可動体601P)
可動体601aP,601bPは、収容部613Pにおいて遊技領域形成体80aPの正面側を向くように形成された開放部616aP,616bPの少なくとも一部を覆うようにして形成された球受け面部604aP,604bPと、球受け面部604aP,604bPから収容部613Pの奥側に起立して設けられた平板状のベース部602aP,602bPとを有している。ベース部602aP,602bPは上述した防止装置106aP,106bPの並設方向に延びており、当該ベース部602aP,602bPにおける下側の端部、すなわち誘導通路103による遊技球の誘導経路における上流側の端部には、遊技領域形成体80aPの前面と平行となるようにして形成された軸部608aP,608bPが設けられている。軸部608aP,608bPは遊技領域形成体80aPの正面視にて遊技球の誘導経路と直交しており、軸部608aP,608bPがホルダ611Pに形成された軸受け部614aP,614bPに係合することで可動体601aP,601bPが軸部608aP,608bPを中心に回動可能な状態で保持されている(図41参照)。
既に説明したように、外レール102については外方に凸となるように湾曲しており、遊技球の誘導経路についても外レール102に沿って湾曲している。このような事情から、水平線に対する左側可動体601aPにおける軸部608aP(回動中心軸線CLaP)と、右側可動体601bPにおける軸部608bP(回動中心軸線CLbP)との傾きについては、前者よりも後者の方が大きくなっている。上述したように2つの可動体601aP,601bPは離れているため、回動中心軸線CLaP,CLbPの向きを個別に設定することにより、各可動体601aP,601bPの動作の円滑化を図っている。なお、これに限定されるものではなく、両回動中心軸線CLaP,CLbPの向きを揃える構成とすることも可能である。
左側可動体601aPについては内外のレール101,102のうち外レール102側に偏倚して配置されており、左側可動体601aPのベース部602aP及び球受け面部604aPについては外レール102に沿うようにして湾曲している。より具体的には、外レール102に沿って遊技球が移動する場合に当該遊技球の中心が通過する軌道に合せてベース部602aP及び球受け面部604aPが形成されている。上述したように、遊技球発射機構110から発射された遊技球については主として外レール102に沿うように移動する。そこで、ベース部602aP及び球受け面部604aPを上記形状とすることにより、遊技球の動きに追従した左側可動体601aPの動きの円滑化を図っている。
なお、右側可動体601bPについては、このような偏った配置とはなっていない点で構成が相違している。誘導通路100の出口部分105から流出した遊技球については、必ずしもそのまま外レール102に沿って移動するとは限らず、発射速度が低ければ出口部分105付近では外レール102から離間している可能性がある。このような事情に配慮して、誘導通路100の出口部分105よりも外側に位置する右側可動体601bPについては、左側可動体601aPよりも配置に係る偏りが抑えられている。
左側可動体601aPの動作の応答性等の向上に鑑みれば当該左側可動体601aPの重量が嵩むことは好ましくなく、遊技球が繰り返し衝突する点に鑑みれば左側可動体601aPの強度を担保する必要がある。ここで、本実施の形態に示す構成によれば、回動中心軸線CLaPと交差する板状のベース部602aPの端部に球受け面部604aPを形成することにより、ベース部602aPが球受け面部604aPの補強手段として機能する。そして、ベース部602aを上述の如く湾曲させることにより、左側可動体601aPの重量増を抑えながら強度向上を実現することが可能となっている。これにより、遊技球の衝突に起因した左側可動体601aPの変形等の抑制や、許容状態/規制状態の切り替え時の応答性の向上を実現可能となっている。以上の理由から左側防止装置106aPの機能を安定して発揮させる上で上記構成には技術的意義がある。
なお、左側可動体601aPにおける球受け面部604aPの横幅については、右側可動体601bPにおける球受け面部604bPの横幅よりも小さくなっている。これに合せて、ホルダ611Pの開放部616aP及び遊技領域形成体80aPの長孔92Pについても、左側可動体601aPに対応する部分では横幅が小さくなるように形成されている。このようにして、誘導通路103においてはできるだけ盤面部分を残す構成とすることにより、遊技球との引っ掛かりを抑制し、遊技球の挙動の安定化を図っている。
ホルダ611Pには可動体601aP,601bPの回動範囲を規定するストッパが形成されている。ここで、図40を参照して、回動範囲の規定に係る構成について補足説明する。
図40(a)に示すように、可動体601aP,601bPには、ベース部602aP,602bPから外レール102側に突出する突起609aP,609bPが形成されている。ホルダ611Pの周壁部には、これら突起609aP,609bPが挿通される開口部が形成されている。図40(b)に示すように、これら開口部の縁部(第1ストッパ615aP,615bP)に突起609aP,609bPが当接することにより、可動体601aP,601bPの最大突出位置が規定されている。
可動体601aP,601bPが最大突出位置に配置された状態では、遊技領域形成体80aPの前面からの突出量が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように構成されている。但し、遊技球の通過を防止する機能を発揮させる上では必ずしもこのような構成に限定されるものではない。ガラスパネル23との隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されているのであれば足り、例えば最大突出位置に配置された状態での突出量を遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成することも可能である。
可動体601aP,601bPに遊技球が当たると、可動体601aP,601bPは後方へ後退する。そして、ホルダ611Pの奥部(底部)に形成された第2ストッパ619aP,619bPに当たることにより、それ以上の後退(後方への回動)が回避されることとなる。第2ストッパ619aP,619bPに当接した状態では、収容部613Pからの可動体601aP,601bPの突出量が最小(詳しくは「0」)となる。これにより、遊技球の通過が許容される。
なお、本実施の形態においては、収容部613Pの周壁部に設けられた第1ストッパ615aP,615bPと奥部に設けられた第2ストッパ619aP,619bPによって回動範囲を規定する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、上記第6の実施の形態に示したようにガイド溝615L及びガイドピン605Lによって回動範囲を規定する構成とすることも可能である。但し、このような構成では、ガイド溝615Lとガイドピン605Lとの間に摺動抵抗が生じやすくなる。摺動抵抗を抑えて最大突出位置〜待機位置間での円滑な移動を実現する上では本実施の形態に示した構成とすることに技術的意義がある。
可動体601aP,601bPが最大突出位置に配置されている状態では、上記開放部616aP,616bPと球受け面部604aP,604bPとの離間距離が大きくなり、両者の間に遊技球が流入し得る隙間が生じる。仮にこの隙間へ遊技球が入り込んでしまった場合には、当該遊技球が可動体601aP,601bPの退避位置へ向けた回動を妨げる要因になり得る。そこで、可動体601aP,601bPについては、このような遊技球の入り込みを回避する工夫が施されている。具体的には、可動体601aP,601bPの回動先端部には球受け面部604aP,604bPと交差する方向に延びるフランジ部606aP,606bPが形成されており、当該フランジ部606aP,606bPによって上記隙間の一部を埋めている。
最大突出位置→退避位置への移動に係る可動体601aP,601bPの応答性を向上するには、可動体601aP,601bPの重量をできるだけ軽くすることが好ましい。そこで、敢えて上述したように隙間全体を埋めるのではなくフランジ部606aP,606bPによってその一部を埋めること構成とすれば、軽量化による応答性の向上と上述した不都合の発生の回避とを好適に両立させることができる。なお、本実施の形態に示す可動体601aP,601bPについては、上述した軽量化を施すことにより、遊技球よりも軽くなっている。
フランジ部606aP,606bPについては、球受け面部604aP,604bPと交差(詳しくは直交)しており、遊技領域PEの中央側へ下り傾斜している。このため、フランジ部606aP,606bPに対して遊技領域PE側から遊技球が当たった場合には、当該遊技球は遊技領域PEの中央側へ跳ね返ることとなり、フランジ部606aP,606bP上に遊技球が停留することを回避できる。特に、誘導通路103の出口部分105については斜め上方に開放されている。ここで、フランジ部606aPについては、出口部分105から遊技領域PE側に僅かに突出している。このような構成とすることで、内レール101とフランジ部606aPとに遊技領域PE側から引っ掛かった遊技球が出口部分105に残ることが回避され、先行する遊技球が可動体601aPの動作を妨げる要因となることを回避している。
次に図42の概略図を参照して、許容状態から規制状態に復帰する際の可動体601aP,601bPの動作原理について説明する。なお、左側可動体601aP及び右側可動体601bPについてはその動作原理が共通となっているため、両可動体を区別することなく説明を進める。
(可動体601Pの動作原理)
既に説明したように可動体601Pは下側の端部が回動基端部(固定端)且つ上側の端部が回動先端部(自由端)となるようにして回動可能に保持されている。図42(a)に示すように、可動体601Pが最大突出位置に配置されている状態(規制状態)では、球受け面部604Pの全体がホルダ611Pの開放部616P(遊技領域形成体80aPの前面)よりも前方に突出している。この状態では、球受け面部604Pが誘導通路103における遊技球の通過領域に位置しており、当該球受け面部604Pによって誘導通路103に沿った遊技球の移動経路が寸断されている。
可動体601Pの重心位置GPPについては、可動体601Pの回動中心軸線CLPよりも上方且つ前方に位置している。より具体的には、可動体601Pの回動中心軸線CLPについては遊技領域形成体80aPの前面よりも後方にオフセットしているのに対して、重心位置GPPについては遊技領域形成体80aPの前面よりも前方に位置している。この結果、可動体601Pは回動中心軸線CLPを中心に前方に傾いた姿勢で安定している。
遊技球発射機構110から発射された遊技球が当該球受け面部604Pに当たると、遊技球との衝突によって球受け面部604Pが収容部613Pの奥側(後方)へ押される。可動体601Pの下方へ向けた付勢力(位置エネルギ)については可動体601Pの重さと姿勢(前方への傾き)とに依存している。ここで、遊技球の移動速度(発射速度)及びその重さに依存する遊技球の押圧力(運動エネルギ)が可動体601Pの自重を利用した上記付勢力(位置エネルギ)を上回ることにより、図42(a)→図42(b)に示すように、可動体601Pが回動中心軸線CLPを中心に後方へと回動し、可動体601Pが最大突出位置から退避位置へと移動する。これにより、遊技球の可動体601Pによる規制位置の通過が許容されることとなる。なお、本実施の形態に示す可動体601Pの重さについては遊技球の重さよりも軽くなっており、上記動作時の応答性の向上や遊技球に加わる抵抗の軽減を実現している。但し、可動体601Pの重さについては任意であり、例えば遊技球の重さよりも重くすることも可能である。
図42(b)に示すように可動体601Pが退避位置に配置された状態では、可動体601Pの球受け面部604Pが遊技領域形成体80aPの前面と同一平面上に位置することとなる。このように、遊技領域形成体80aPと球受け面部604Pとの段差が解消されることにより、遊技球の挙動の乱れが抑制される。
ここで、退避位置においては、可動体601Pの重心位置GPPが遊技領域形成体80aPよりも後方且つ回動中心軸線CLPよりも前方に位置することとなる。つまり、最大突出位置/退避位置間での変位によって重心位置GPPが通過する軌道については、回動中心軸線CLPよりも前側に位置するように構成されている。重心位置GPPが回動中心軸線CLPよりも前に留まることにより、可動体601Pは自重によって前方へ傾倒し得る状態が維持される。
図42(b)→図42(c)に示すように、遊技球が可動体601Pを通過した後は、可動体601Pが自重によって手前側へ回動する。図42(c)に示すように、可動体601Pの最大突出位置への復帰が完了した場合には重心位置GPPは回動中心軸線CLPよりも前側に位置し、自重によって前方へ傾倒した状態に維持される。これにより、次の遊技球の到達への準備が完了することとなる。このように、本実施の形態に示す可動体601Pについては自重を利用して最大突出位置への自己復帰がなされる構成となっており、復帰に係る構成の簡略化が図られている。
このように、可動体601aP,601bPの自己復帰の機能が可動体601aP,601bPの自重に依存している構成においては、以下の2つの点に配慮する必要がある。
(1)可動体601aP,601bPの重量が嵩むことで、回動時に必要なトルクが大きくなり、必要トルクが大きくなることが遊技球に伝わる反力を大きくする要因となり得る。反力が大きくなった場合には、可動体601aP,601bPに遊技球が当たった際に、同遊技球がガラスパネル23側へ浮き上がりやすくなる。ガラスパネル23との干渉を回避して遊技球の挙動の安定化を図るには、可動体601aP,601bPの重量が無駄に嵩むことを回避する必要がある。
(2)遊技機が遊技ホール等の島設備に配置される場合には、遊技機の姿勢(傾き:いわゆるネカセ)に若干のばらつきが生じ得る。このような事情に配慮した場合には、回動中心軸線CLaP,CLbPと重心位置GPaP,GPbPとのずれが小さくなることが自己復帰機能の機能不全の要因になり得る。
本実施の形態においては、これらの各種事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図41び図42を参照して当該工夫に係る構成について説明する。既に説明したように、可動体601aP,601bPにおける回動先端部には、フランジ部606aP,606bPが形成されている(図41参照)。これにより、可動体601aP,601bPの重心位置GPaP,GPbPを回動中心軸線CLaP,CLbPから遠ざけることが可能となっている。これにより、重心位置をGPaP,GPbPを回動中心軸線CLaP,CLbPに対して前側にずらしやすくなっている。
このような構成とすることにより、可動体601aP,601bPの重量が無駄に嵩むことを回避しつつ、前後方向における重心位置GPaP,GPbPと回動中心軸線CLaP,CLbPのずれ量を大きくすることが可能となっている。
また、可動体601aP,601bPは、ベース部602aP,602bP(球受け面部604aP,604bP)及びフランジ部606aP,606bによって略L字状又は略T字状をなしており、フランジ部606aP,606bの長さ寸法がベース部602aP,602bP(球受け面部604aP,604bP)の長さ寸法よりも短くなるように形成されている。このように、可動体601aP,601bPの回動先端部にフランジ部606aP,606bPを敢えて短くする(短辺部)とすることにより、重量の無駄な増加を抑制している。
因みに、フランジ部606aP,606bPについては、可動体601aP,601bPが退避位置に配置されている状態にて遊技領域形成体80aPの前面と直交する構成となっており、動作隙の確保によって開放部616aP,616bPとの間に生じるギャップ(隙間)が大きくなることを抑制している。このような効果を享受する上では、上記第6の実施の形態にしめした端部606a,606bのように、フランジ部606aP,606bPを回動中心軸線CLaP,CLbPを中心とする弧状をなすように形成することも可能である。
次に、図43及び図44を参照して、遊技球の通過に伴う球戻り防止機構106Pの動作態様について説明する。図43及び図44は遊技球の通過に伴う球戻り防止機構106Pの動きを示した概略図であり、遊技球の通過に伴って球戻り防止機構106Pの状態が図43(a)→図43(b)→図43(c)→図44(d)→図44(e)の順に変化することとなる。
遊技者の発射操作に基づいて遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導通路103に沿って上昇し、当該誘導通路103の出口部分105に設けられたっ球戻り防止機構106Pに到達する。球戻り防止機構106Pを構成する左側可動体601aP及び右側可動体601bPはともに最大突出位置に配置されており、遊技球の通過を規制する規制状態となっている。
球戻り防止機構106Pに到達した遊技球は、図43(a)→図43(b)に示すように、先ず左側可動体601aPに当たる。遊技球が当たることにより、左側可動体601aPは最大突出位置から退避位置へと回動し、遊技球の通過が許容されることとなる。
図43(b)→図43(c)に示すように、遊技球が左側可動体601aPを通過して右側可動体601bPに移ると、左側可動体601aPは自重によって最大突出位置へ復帰する。この復帰動作については右側可動体601bPにおける遊技球の通過が許容される前のタイミングにて開始され、2つの可動体601aP,601bPのうち少なくとも一方については遊技球の通過を規制する状態に維持される。つまり、左側可動体601aPが許容状態となる期間と右側可動体601bPが許容状態となる期間とが重なることを回避して少なくとも一方が規制状態に維持される構成とすることにより、球戻りの防止機能を好適に担保している。
本実施の形態に示す球戻り防止機構106Pについては、左側可動体601aPと右側可動体601bPとの間に遊技球が通過可能な隙間が担保されている。このため、仮に右側可動体601bPが上手く動作しなかった場合には、両可動体601aP,601bPの間を通じて遊技球が落下することにより、球戻り防止機構106Pから遊技球が排出される。このように、先行する遊技球の排出機能を担保することで、球戻り防止機構106Pにおける球詰まりの発生を回避して、繰り返しの遊技球の発射に好適に対応させることできる。
図43(c)→図44(d)に示すように、左側可動体601aPが最大突出位置に復帰した後のタイミングにて、右側可動体601bPの退避位置への回動が完了する。これにより、右側可動体601bPにおける遊技球の通過が許容される。図44(d)→図44(e)に示すように、遊技球が右側可動体601bPを通過すると、右側可動体601bPは自重によって退避位置から最大突出位置へと自己復帰する。これにより、球戻り防止機構106Pは遊技球が到達する前の待機状態(両防止装置106aP,106bPがともに規制状態に維持される状態)へ復帰することとなる。
以上詳述した第8の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構110(「遊技球発射手段」に相当)から発射され誘導通路103(「球通路」に相当)を経て遊技領域PEに到達した遊技球は、球戻り防止機構106P(「規制手段」に相当)によって誘導通路103への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化に寄与できる。但し、球戻り防止機構106Pによって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該球戻り防止機構106Pを構成する可動体601aP,601bPやホルダ611P等の存在が遊技領域PEを圧迫する要因になり得る。
この点、本実施の形態に示した球戻り防止機構106Pにおいては誘導通路103に可動体601aPの動作領域としての機能が付与されている。これにより、遊技領域PEにおける球戻り防止機構106Pの占有領域の拡がりを抑え、当該球戻り防止機構106Pによる遊技領域PEの圧迫を緩和することができる。故に、例えば誘導通路103の出口部分105付近における遊技釘等の遊技部品の配置に係る自由度の向上(配置に係る制約の軽減)に貢献することができる。
球戻り防止機構106Pの固定に係る構成(取付ベース612aP,612bP)が遊技領域形成体80aPの背面側に配設されている。これにより、当該固定に係る構成が遊技領域PEを圧迫する要因になることを抑制し、遊技領域PEに配設された遊技釘93等の遊技部品と球戻り防止機構106Pとを好適に共存させることができる。
球戻り防止機構106Pは遊技領域形成体80aPに形成された長孔92Pに埋設されており、誘導通路103及び遊技領域形成体80aPの肉厚(厚さ)を利用して可動体601aPの動作領域が確保されている。これにより、動作領域の確保に起因した遊技領域PE等の圧迫を好適に抑制できる。
誘導通路103の背後に球戻り防止機構106P(ホルダ611P)を配設する構成においては、球戻り防止機構106Pの固定に係る構成が誘導通路103へ露出することで以下の不都合が生じる。つまり、この露出している部分に対して遊技球が接触した際に遊技球の挙動が乱れやすくなる。これは、円滑な遊技の妨げになり得る。この点、上述したように無駄な露出を抑える構成とすることにより、上記各種不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
上述したように、遊技領域形成体80aPの厚さを利用して可動体601aP,601bPの配置領域や動作領域を確保する構成とすれば、遊技領域PEの圧迫を利用しつつ可動体601aP,601bPの占有領域(体積)を稼ぐことができる。これにより、可動体601aP,601bPが遊技領域形成体80aPの厚さ方向に変位する構成にて当該可動体601aP,601bPの自重を利用して規制状態(最大突出位置)に復帰させる構成にて、可動体601aP,601bPの応答性を好適に向上させることができる。
特に、可動体601aP,601bPを回動式とした場合には、その回動中心軸線CLaP,CLbPと重心位置GPaP,GPbPとの位置関係によって最大突出位置への復帰に係る応答性が変化することとなる。具体的には、前後方向(遊技領域形成体80aPの厚さ方向)における回動中心軸線CLaP,CLbPと重心位置GPaP,GPbPとの離れが大きくなることで、可動体601aP,601bPの重みを上手く利用し、応答性の向上に寄与できる。しかしながら、回動中心軸線CLaP,CLbPと重心位置GPaP,GPbPとの離れを前提とした場合には、可動体601aP,601bPの占有領域が大きくなると懸念される。そこで、上述したように遊技領域形成体80aPの厚さを利用して占有領域を担保する構成とすれば、上記応答性の向上によって遊技領域PEが圧迫されることを好適に抑制できる。
そもそも上述した誘導通路103については、当該誘導通路103における球詰まり等を抑制すべく、その通路幅にある種の制約(例えば、遊技球の直径寸法 < 通路幅 <遊技球の直径寸法の1.5倍/2倍)が生じる。これは、球戻り防止機構106Pの大きさや配置に係る制約を強める要因となり得る。ここで、本実施の形態に示すように、ホルダ611Pを誘導レール100の背後に位置するようにして配置する構成によれば、上述した制約を緩和することができ、球戻り防止機構106Pの配置や大きさ等の自由度の向上に寄与できる。
誘導レール100が円弧状をなす内レール101及び外レール102によって構成されている場合には、遊技球発射機構110から発射された遊技球(誘導通路103を通過する遊技球)は主として外レール102に沿うように移動することとなる。このような構成においては、可動体601aP,601bPを外レール102に寄せて配置することにより、遊技球の通過に伴う可動体601aP,601bPの動作の安定性等を好適に向上させることができる。ここで、本実施の形態に示したようにホルダ611Pを外レール102の背後に重なるようにして配置する構成とすれば、ホルダ611Pの存在が上述した可動体601aP,601bPの配置を妨げる要因になることを抑制し、誘導レール100との共存を図りつつも球戻り防止機構106Pの機能向上に貢献できる。
球戻り防止機構106Pが2つの可動体601aP,601bPを併有する構成においては、遊技領域PEに到達した遊技球が遊技釘93等の遊技部品から跳ね返った場合であっても、右側可動体601bPが左側可動体601aPの防壁として機能する。これにより、左側可動体601aPの動きが遊技領域PEに到達済みの遊技球によって妨げられることを抑制することができる。
また、2つの防止装置106aP,106bP(可動体601aP,601bP)を併用することにより、許容状態となるタイミングをずらすことができる。これにより、例えば左側防止装置106aPが許容状態となった隙に遊技球の逆戻りが発生することを抑制し、逆戻りを規制する機能の更なる強化に貢献できる。このような構成とする場合であっても、少なくとも左側防止装置106aPについてはその動作領域が誘導通路103に設けられているため、複数の防止装置106aP,106bPの併用による占有領域の拡がりを軽減できる。
上述したように複数の防止装置106aP,106bP(可動体601aP,601bP)を併用する構成においては、それら防止装置106aP,106bPの通過に伴って発生する抵抗が大きくなり、遊技球の勢いが大幅に弱まると懸念される。例えば、バネ等の付勢部材を利用しようとすれば、可動体601aP,601bPの動作安定性を担保すべく付勢部材の製造ばらつきや経時劣化等に配慮する必要(付勢力の設定にマージンを加味する必要)が生じる。このような事情から付勢力を極端に小さくすることは品質管理上困難になる。この点、本実施の形態に示すように復帰機能が自重に依存する構成においては、成形ばらつき等によって重心位置のずれがそれほど大きくなるわけではないため、上述した製造ばらつきへの配慮を極力小さくすることができる。故に、規制状態への復帰を促す力に係るマージンを軽減することができる。これにより、遊技球への抵抗を小さくし、上述した発射された遊技球の到達位置に係る制限を緩和できる。
遊技球が当たる球受け面部604aP,604bPについては耐久性担保等の観点からある程度の強度を確保することが好ましい。このような事情等から、可動体601aP,601bPの重量が嵩みやすくなる。ここで、本実施の形態に示す構成によれば、可動体601aP,601bPの重心位置GPaP,GPbPと遊技球が当たる部分(球受け面部604aP,604bP)とが回動中心軸線CLaP,CLbPに対して同じ側に位置することとなり、上記重量を規制状態への復帰の原動力として利用しやすくなる。これにより、強度向上と規制状態への復帰機能と好適に実現することができる。また、上記構成は可動体601aP,601bPの大型化を抑制して占有領域の拡がりを抑える上でも有利である。
遊技領域形成体80aPの厚さ方向に可動体601aP,601bPが変位する構成においては、許容状態にて通路壁面と可動体601aP,601bP(球受け面部604aP,604bP)との段差や隙間等が大きくなることは、遊技球の挙動の乱れを招く要因になるため好ましくない。そこで、本実施の形態に示したように上流側(下側)の端部を回動基端部とすれば、下流側の端部を回動基端部とする場合と比較して上記段差や隙間等の発生を抑え、遊技球の挙動の安定化に貢献できる。
可動体601aP,601bPの重心位置GPaP,GPbPの移動範囲は、当該可動体601aP,601bPの回動中心軸線CLaP,CLbPよりも前側となるように構成されている。係る構成によれば、可動体601aP,601bPには許容状態及び規制状態の何れの状態であっても自重が遊技機前方への傾倒を促すように作用することとなる。これにより、例えば重心位置GPaP,GPbPの変化に応じて自重の作用方向が逆転等することを抑制し、許容状態/規制状態への切り替えの円滑化及びその確からしさの向上に貢献できる。
遊技球の通過に伴って左側防止装置106aP(左側可動体601aP)及び右側防止装置106bP(右側可動体601bP)が規制状態から許容状態に切り替わる構成においては、遊技領域形成体80aPの前面に対する可動体601aP,601bPの傾きを小さくすることにより、遊技球への反力によって当該遊技球が遊技領域形成体80aPの厚さ方向に変位することを抑制できる。そこで、上流側に位置する左側可動体601aPの全長を下流側に位置する右側可動体601bPの全長よりも長くすることにより、突出量を維持しつつも遊技球の移動方向に対する傾きを小さくして、通過初期の抵抗の軽減に寄与できる。このような構成では、左側可動体601aPに係る占有領域が大きくなり得るものの、当該左側可動体601aPについては誘導通路103を動作領域として利用しているため、それが遊技領域PEを圧迫する要因になることを抑制できる。つまり、誘導通路103に設けられた左側可動体601aPの全長と誘導通路103外に設けられた右側可動体601bPとの全長の違いによって、遊技球への抵抗の増大及び遊技領域PEの圧迫を抑えながら球戻り防止機能を好適に発揮させることができる。
なお、本実施の形態に示す可動体601aP,601bPについても、遊技領域PE側から可動体601aP,601bPに遊技球が当たった場合に、その力が可動体601aP,601bPを突出側へ押すように作用することが回避されている。仮に、先行する遊技球と後続の遊技球とが可動体601aP,601bPを間に挟むようにしてそれら可動体601aP,601bPに当たったとしても、先行する遊技球が後続の遊技球の通過の邪魔になる(抵抗を増大する)要因になりにくくなっている。例えば、他の実施の形態に示したように、フランジ部606aP,606bPを回動中心軸線CLaP,CLbPを中心とする弧状をなすように形成するれば、この効果を一層好適に発揮させることができる。
<別形態>
上記第8の実施の形態に示したように球戻り防止機構106P(防止装置)を利用してファール球の発生を抑制する上では、球戻り防止機構106Pに係る構成を以下のように変更することも可能である。
<実施例1>
上記第8の実施の形態においては、2つの防止装置106aP,106bPのうち左側防止装置106aP(左側可動体601aP)の動作領域を誘導通路103にて確保し、右側防止装置106bP(右側可動体601bP)の動作領域を遊技領域PEにて確保する構成としたが、これに限定されるものではなく、両防止装置106aP,106bPの動作領域を遊技領域PEにて確保する構成とすることも可能である。すなわち、上記第8の実施の形態においては2つの防止装置106aP,106bPのうち左側防止装置106aPを遊技盤ユニット80にて誘導通路103が形成されている部分に配設し且つ右側防止装置106bPを遊技盤ユニット80にて遊技領域PEが形成されている部分に配設する構成としたが、左側防止装置106aPについても右側防止装置106bPと同様に遊技盤ユニット80にて遊技領域PEが形成されている部分に配設する構成としてもよい(図45(a)の概略図参照)。
<実施例2>
上記第8の実施の形態においては、2つの防止装置106aP,106bPを用いて球戻り防止機構106Pを構築する構成としたが、これら2つの防止装置106aP,106bPの何れか一方を省略することも可能である。例えば、図45(b)の概略図に示すように、誘導通路103側に設けられた左側防止装置106aPに相当する防止装置によって球戻り防止機構106Qを構築してもよい。
なお、遊技領域PE側に設けられた右側防止装置106bPによって球戻り防止機構106Pを構築することも可能である。この場合、当該右側防止装置106bPに相当する構成を誘導通路103側へ移設するとよい。
<実施例3>
上記第8の実施の形態においては、2つの防止装置106aP,106bPについて共通の動作原理によって可動体601aP,601bPを最大突出位置/退避位置に変位させる構成とした。つまり、可動体601aP,601bPが自重によって退避位置から最大突出位置へ復帰する構成としたが、このような動作原理を可能とするための可動体601aP,601bPの具体的な形状については任意に変更してもよい。例えば、上記第8の実施の形態に示す可動体601aP,601bPのうち一方の形状に他方を揃える構成としてもよいし、左側可動体601aPの形状と右側可動体601bPの形状とを入れ替える構成としてもよい。
但し、遊技球に加わる初期反力(初期抵抗)の軽減や遊技領域PEにおける球戻り防止機構106Pの占有領域の減縮等の実現に鑑みれば、上記第8の実施の形態に示した組み合わせには技術的意義がある。
<実施例4>
上記第8の実施の形態においては、可動体601aP,601bPの一端部を軸支することにより、球受け部と重心位置とが同じ側に位置する構成としたが、これに限定されるものではない。可動体601aP,601bPの中間位置を軸支する構成として、球受け部に対して回動中心を挟んで反対側となる部分が重心位置となるように構成することも可能である。但し、このような構成とした場合には、上記第8の実施の形態に示した自重による最大突出位置への復帰機能を担保することはできるものの、それによって配置領域や動作領域が嵩みやすくなったり、2つの防止装置106aP,106bPの併用が難しくなったりする。このような事情に鑑みれば、上記第8の実施の形態に示したように球受け部と重心位置とを同じ側にまとめることは、球戻り防止機構106Pの小型化や球戻り防止機能の強化等を実現する上で好ましい構成である。
また、上記第8の実施の形態では可動体601aP,601bPにおける下側(誘導通路103における上流側の端部)を回動基端部且つ上側(誘導通路103における下流側の端部)を回動先端部としたが、これを逆にすることも可能である。すなわち、可動体601aP,601bPにおける上側の端部を回動基端部且つ下側の端部を回動先端部とすることも可能である。この場合、例えば、許容状態/規制状態の切り替えに伴って移動する重心の軌道が、回動中心軸線よりも後側となるように構成するとよい。
<実施例5>
上記第8の実施の形態では、可動体601aP,601bPを回動式としたが、それら可動体601aP,601bPが最大突出位置及び退避位置に変位可能であれば足り、具体的な移動態様については任意に変更してもよい。例えば、可動体601aP,601bPに相当する構成を前後にスライド移動可能に保持する構成とすることも可能である。この際、それら可動体の動作経路を前下がりとなるように傾ける構成とすることにより、自重による退避位置から最大突出位置への復帰機能を担保することができる。
<実施例6>
可動体601aP,601bPの自重を利用してそれら可動体601aP,601bPを退避位置から最大突出位置へ復帰させることができるのであれば足り、その動きについては上記第8の実施の形態に示したものに限定されるものではない。例えば、可動体を遊技領域形成体80aP及びガラスパネル23のうち後者寄りとなる位置に配置し、可動体が後方へ回動することにより待機位置から最大突出位置へ変位し、可動体が前方へ回動することにより最大突出位置から待機位置へ変位する構成とすることを可能である。係る構成によれば、遊技球が可動体に当たった際の遊技領域形成体80aPの前面から浮き上がりを抑え、遊技球の挙動の乱れ(遊技球とガラスパネル23との干渉)を好適に抑制することができる。
ここで、本実施例6に示す構成を実現する上では、遊技領域形成体80aPの前面から浮かした状態で球戻り防止機構を保持する必要がある。この場合、例えば上記第4の実施の形態に示した球戻り防止機構106Gのように取付対象を誘導レール100とするとよい。なお、内枠13に対して開閉可能な前扉枠14(例えばガラスパネル23)を取付け対象とすることも可能であるが、この場合、誘導レール100(誘導通路103)との位置関係にばらつきが生じやすくなり、その影響が球戻り防止機構106Pの動作に係る信頼性を低下させる要因になり得る。故に、望ましくは上記第8の実施の形態に示したように、球戻り防止機構106Pが遊技領域形成体80aP側に属する構成とすることには技術的意義がある。
<実施例7>
上記第8の実施の形態では、ホルダ611Pの取付ベース612Pを遊技領域形成体80aPにビス止めすることにより、遊技領域形成体80aPと球戻り防止機構106Pとを一体化する構成とした。このような構成では、球戻り防止機構(ホルダ)に相当する構成を遊技領域形成体80aPの前面側から固定する構成と比較して固定に係る構成が遊技釘等の遊技部品の配置領域を圧迫することを抑制できる。但し、固定具としてビス621Pを利用している場合には、遊技領域形成体80aPにビス621Pが取り付けられるため、ビス621Pと前後に重なる位置については依然として遊技部品の配置が妨げられる憂いが残る。そこで、取付ベース612Pにおける固定箇所を誘導通路103と前後に重なる位置に移するとよい。これにより、ビス621Pが遊技部品の配設を妨げる要因となることを抑制して、遊技領域PEにおける遊技部品の配置自由度の更なる向上に貢献することができる。
<実施例8>
上記第8の実施の形態では、可動体601aPが誘導通路103の通路方向に延びる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。誘導通路103にはある程度の幅が存在する。そこで、図46(a)の概略図に示すように、誘導通路103内にてより鉛直に近づくように可動体601Rの向き(姿勢)を変更することも可能である。つまり、遊技領域形成体80aPに形成れた長孔92Rの長手方向と交差するようにして可動体601Rを配設することにより、当該可動体601Rの横成分を少なくするとともに縦成分を多くすることも可能である。このような構成とすることにより、自重を利用した最大突出位置への復帰機能を担保することができる。
<実施例9>
上記第8の実施の形態では、可動体601aPの球受け面部604aPを外レール102に沿う位置に配設したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、図46(b)の概略図に示すように、可動体601Sの球受け面部604Sを外レール102に沿う位置に設けられた外側球受け面部604cS及び内レール101に沿う位置に設けられた内側球受け面部604dSによって構成し、当該可動体601Sが略コ字状をなす構成とすることも可能である。遊技球の多くは外レール102に沿って移動するが、発射速度が低くなった場合には、遊技球が内レール101に沿って移動する可能性がある。そこで、上述したように何れのレール101,102に沿って移動する遊技球についても外側球受け面部604cS及び内側球受け面部604dSの少なくとも一方との接触が担保されることにより、発射機能の安定化に寄与できる。
なお、2つの球受け面部604cS,604dSを1つの面状をなすように形成、両者の隙間を埋める構成とすることも可能ではあるが、上記構成とすることには、可動体601Sの軽量化に寄与し応答性の向上を実現できるという技術的意義がある。
<実施例10>
上記第8の実施の形態では、内レール101及び外レール102のうち外レール102寄りとなる位置に球受け面部604aPが位置する構成としたが、これに限定されるものではなく、図46(c)の概略図に示すように、内レール101と外レール102との略中間位置(両レール102,102からの距離が同等となる位置)に球受け面部604Tが位置する構成、例えば球受け面部604T及びフランジ部606Tによって可動体601Tが略T字状をなす構成とすることも可能である。両レール101,102の離間距離が遊技球の直径寸法の2倍よりも小さい場合には、上記位置に球受け面部604Tが存在することにより、球受け面部604Tと遊技球との接触が担保されることとなる。なお、両レール101,102の離間距離が遊技球の直径寸法の1.5倍よりも小さい構成に本変形例に示す構成を適用すれば、遊技球から加わる圧力によって可動体601Tの回動を妨げる抵抗が増加することを抑制し、可動体601Tの動作の安定化に寄与できる。
<実施例11>
上記第8の実施の形態では、球受け面部604aPとフランジ部606aPとが直交する構成としたが、これに限定されるものではなく、球受け面部とフランジ部とのなす角については任意である。例えば、図46(d)の概略図に示すように、フランジ部606Uが球受け面部604Uに対して折り返す構成、略鉛直方向に延びる構成にすることで、左右方向にて回動基端部からの上記重心位置のずれを抑えることができる。このようにして、重心位置のずれを緩和させることにより、重心位置のずれに起因したモーメントを軽減して、軸支箇所に発生する抵抗(回動を妨げる抵抗)を極力小さくすることができる。
<実施例12>
上記第8の実施の形態では、遊技領域形成体80aPに形成された長孔92Pに球戻り防止機構106Pを挿通させるようにして取り付ける構成としたが、球戻り防止機構106Pの取付態様については任意である。例えば、遊技領域形成体80aPの前面部分に凹みを形成し、この凹みに対して球戻り防止機構を埋設するようにして取り付ける構成とすることも可能である。
なお、上記第8の実施の形態では、球戻り防止機構106Pをビス止めする構成したが、接着剤を用いて固定する構成としてもよいし、圧入して固定する構成としてもよい。
<実施例13>
上記第8の実施の形態に示すように可動体601aP,601bPを自重によって退避位置から最大突出位置に復帰させる構成においては、上述した回動中心と重心位置との前後方向でのずれを小さくすることにより、遊技球に加わる抵抗を小さくすることができる。しかしながら、抵抗を小さくしようとすれば、最大突出位置への復帰の原動力も小さくなる。このため、成形ばらつきや遊技機の設置姿勢等によっては最大突出位置への復帰が上手く行われなくなる可能性を否定できない。このような事情に配慮して、球戻り防止機構106Pに可動体601aP,601bPを最大突出位置への復帰を促す構成を設けてもよい。例えば、両可動体601aP,601bPのうち一方の動作に伴って発生する振動を他方に伝える振動伝達部を設けてもよい。より具体的には、最大突出位置から退避位置に移動した場合にストッパとの衝突に伴って発生する振動を他方に伝播させる構成としてもよいし、待機位置に移動した場合にストッパとの衝突に伴って発生する振動を他方に伝播させる構成としてもよい。退避位置にて引っ掛かりが生じる等して最大突出位置への復帰が妨げられている場合であっても、上記振動によって僅かながら姿勢が変化すれば、それが最大突出位置への復帰契機となる。これにより、退避位置から最大突出位置への復帰が上手く行われなかった場合であっても、可動体の最大突出位置への復帰を促すことができる。
<第9の実施の形態>
上記第8の実施の形態に示したように、可動体601aPの規制状態への復帰機能が当該可動体601aPの自重に依存している構成においては、引っ掛かり等の要因によって当該復帰機能が上手く発揮されなくなる可能性がある。つまり、動作安定性を向上して球戻り防止機構106Pへの信頼性を向上させる上では未だ改善の余地がある。第8の実施の形態に係る変形例(実施例13)においては、ホルダ611を両可動体601aP,601bPで共用とし、右側可動体601bPの動作に伴って発生する振動を左側可動体601aPに伝えることで引っ掛かり等の解消を図る構成とした。本実施の形態においても同様に、信頼性の向上を実現する工夫がなされているものの、その具体的構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図47を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図47は第9の実施の形態における球戻り防止機構106Vを示す概略図である。なお、本実施の形態に示す球戻り防止機構106Vについては主要な構成が第8の実施の形態に示した球戻り防止機構106Pと同様であるため、これら共通となる構成については説明を援用する。
球戻り防止機構106Vは、左側防止装置106aVと右側防止装置106bVとを有してなる。右側防止装置106bVを構成する右側可動体601bVは、回動中心軸線CLbVを挟んでベース部602bV(球受け面部604bV)とは反対側に位置に設けられたアーム部607bVを有している。
アーム部607bVはベース部602bVとは反対側に延びており、右側可動体601bVが回動することにより前後に変位する構成となっている。アーム部607bVの変位領域(動作経路上)には、左側可動体601aVのフランジ部606aVが位置している。両可動体601aV,601bVが最大突出位置に配置されている状況下においては、アーム部607bVとフランジ部606aVとの間に隙間が確保されており、両者の接触が回避されている。
ここで、図48及び図49の概略図を参照して、球戻り防止機構106Vが正常に動作している場合のアーム部607bVとフランジ部606aVとの位置関係について説明する。
遊技球発射機構110から発射された遊技球が球戻り防止機構106Vに到達したタイミングでは、両可動体601aV,601bVが最大突出位置に配置されている。このため、発射された遊技球については先ず左側可動体601aVに当たる。図48(a)→図48(b)に示すように、左側可動体601aVが遊技球に押されて最大突出位置から退避位置へと後退すると、左側可動体601aVの回動に合せてフランジ部606aVが後方へ変位することとなる。
本実施の形態においては、左側可動体601aV用の第2ストッパ619aVが上記アーム部607aVとの干渉を回避すべく、ベース部602aVと対峙する位置へ移設されている。左側可動体601aVが退避位置に到達した場合には、ベース部602aVが第2ストッパ619aVに当接することにより、それ以上の後退が阻止される。
この状態では、フランジ部606aVとアーム部607bVとの間に隙間が維持された状態となっており、両者の接触が回避されている。つまり、単に左側可動体601aVが最大突出位置から退避位置へと回動しただけではフランジ部606aVとアーム部607bVとの接触は発生しない構成となっている。
その後、図48(b)→図48(c)に示すように、遊技球が左側可動体601aVから右側可動体601bVに移る過程では、遊技球が左側可動体601aVから離れることにより、左側可動体601aVが最大突出位置へ向けた自己復帰を開始する。つまり、右側可動体601bVの退避位置への回動に先駆けて左側可動体601aVの最大突出位置への回動が開始される。右側可動体601bVについては遅れて回動を開始することとなり、上記アーム部607bVとフランジ部606aVとの接触が回避されることとなる。
図48(c)に示すように、右側可動体601bVが退避位置へ到達した時点では、既に左側可動体601aVが最大突出位置に到達している。この状態では、アーム部607bVが最前位置に到達するものの、左側可動体601aVのフランジ部606aVとは依然として離間したままの状態が維持されることとなる。図48(c)→図49(a)に示すように、最大突出位置に復帰した左側可動体601aVについては最大突出位置からの移動が自重によって回避されることとなる。このため、フランジ部606aVとアーム部607bVとの距離が縮まることがない。
図49(d)→図49(e)に示すように、遊技球が右側可動体601bVから離れると、右側可動体601bVが退避位置から最大突出位置へと自己復帰する。このような右側可動体601bVの動きに合せてアーム部607bVはフランジ部606aVから遠ざかる側へ変位する。この結果、アーム部607bVとフランジ部606aVとの距離が拡がることとなる。
以上詳述したように、球戻り防止機構106Vが正常に動作している場合には、アーム部607bVとフランジ部606aVとの干渉が回避され、各可動体601aV,601bVの個別動作が担保されることとなる。
次に、図50及び図51を参照して、左側可動体601aVに引っ掛かり等の異常が発生することで自己復帰が正常に行われなった場合の強制復帰の流れについて説明する。図50は強制復帰の流れを示すタイミングチャート、図51は強制復帰がなされる場合のフランジ部606aVとアーム部607bVとの位置関係を示す概略図である。
図50に示すように遊技球が左側可動体601aVに到達したtc1のタイミングでは、遊技球に押された左側可動体601aVが最大突出位置から退避位置へ向けた回動を開始する。その後、tc2のタイミングでは左側可動体601aVの突出量が減少して、当該左側可動体601aVを遊技球が通過可能な隙間が確保される。tc3のタイミングでは、左側可動体601aVが退避位置に到達する。
左側可動体601aVが最大突出位置から退避位置に到達した後は、本来であれば左側可動体601aVが自重によって最大突出位置へ自己復帰する(2点鎖線参照)。しかしながら、何らかの事情によってこの自己復帰が正常に行われることなく、左側可動体601aVが退避位置に留まってしまった場合には、遊技球が左側可動体601aVから離れた後もその状態が維持されることとなる。
tc4のタイミングでは左側可動体601aVを離れた遊技球が右側可動体601bVへと移り、当該遊技球によって押された右側可動体601bVが最大突出位置から退避位置へ向けた回動を開始する(図51(a)→図51(b)参照)。これにより、右側可動体601bVのアーム部607bVが左側可動体601aVのフランジ部606aVへ向けて変位し、両者の隙間が縮まる。
右側可動体601bVの回動がある程度進んだtc5のタイミングでは、アーム部607bVがフランジ部606aVに当たり、左側可動体601aVが最大突出位置へ向けて押されることとなる。これにより、両可動体601aV,601bVが一時的に連動することとなる。
アーム部607bVによって押された左側可動体601aVは回動の切っ掛けを与えられることで、自重によって最大突出位置へ戻ろうとする。これにより、両可動体601aV,601bVが連動するものの、右側可動体601bVに加わる抵抗は軽減されることとなる。
その後のtc6のタイミングでは、左側可動体601aVの突出量X11が所定量に達して、左側防止装置106aVが許容状態から規制状態に切り替わることとなる。左側可動体601aVが規制状態に切り替わった直後のtc7のタイミングでは右側可動体601bVの突出量X12が減少して、右側防止装置106bVが許容状態に切り替わる。こととなる。このように、強制復帰が行われる場合であっても、許容状態となる期間の重複が回避されることにより、球戻り防止機構106V本来の機能(球戻りを防止する機能)が担保される。
tC8のタイミングでは、右側可動体601bVが退避位置に到達し、それ以上の回動が阻止されることとなる(図51(c)参照)。その後も左側可動体601aVについては回動を継続することとなり、tc8のタイミングを契機として、アーム部607bVとフランジ部606aVとの接触が解除されることとなる。
遊技球が右側可動体を通過したtc9のタイミングでは、右側可動体601bVが自重によって退避位置から最大突出位置への復帰を開始し、tc10のタイミングでは右側防止装置106bVが許容状態から規制状態に切り替わることとなる。その後はtc11のタイミングにて右側可動体601bVが最大突出位置に復帰するまで、アーム部607bVとフランジ部606aVとの隙間が大きくなる。
上述したように可動体601aV,601bVが自重によって自己復帰を行う構成においては、動作不良等の各種事情によって規制状態への復帰がなされなかった場合には、上述した逆戻り規制機能が上手く発揮されなくなる。これは球戻り防止機構106Vの動作に係る信頼性を低下させる要因になり得る。そこで、本実施の形態に示すように、左側可動体601aVが規制状態に復帰すべき状況下であるにも関わらず自己復帰していない場合には右側可動体601bVにより左側可動体601aVを強制的に規制状態に復帰させる構成とすることで、上述した不都合の発生を抑制できる。これにより、球戻り防止機構106Vの動作に係る信頼性の担保に貢献することができる。
上記自己復帰の機能が可動体601aVの自重に依存している構成においては、例えばバネ等の付勢手段を用いて規制状態への復帰を促す構成と比較して、加味すべき製造ばらつき等が小さくなる。故に、規制状態→規制状態に切り替わる際に遊技球に加わる抵抗を軽減することができる。但し、このように復帰力が自重に依存する構成においては、遊技機の設置状態(傾き)等によって復帰動作が上手く行われなくなる可能性を否定できない。これは、球戻り防止機構106Vに対する信頼性を低下させる要因になり得る。そこで、このような構成に対して上記強制復帰の機能を付与して復帰動作を担保することにより、遊技球の挙動の安定化を図りつつ、それに起因した信頼性の低下を好適に抑制することができる。
特に、可動体601aVが遊技領域形成体80aVの厚さ方向に変位する構成においては、可動体601aVの動作領域の確保に起因した遊技釘等の遊技部品の配置自由度の低下を抑えることができる。しかしながらその反面、例えば遊技領域形成体80aVの前面に沿って変位するタイプの可動体と比較して、回動中心と重心位置とのずれを大きくする上で制約が生じやすい。この結果、動作の安定性の担保が難しくなり、球戻り防止機構106Vに対する信頼性が低下すると懸念される。そこで、このような構成に対して上記強制復帰の機能を付与して復帰動作を担保することにより、遊技部品の配置自由度の向上を図りつつ、それに起因した動作に係る信頼性の低下を好適に抑制することができる。
本実施の形態においては、右側可動体601bVを遊技球が押す力を利用して、左側可動体601aVの自己復帰をサポートする構成となっている。このように、遊技球の勢いを強制復帰の原動力とすることにより、簡易な構成によって上記各種効果を享受できる。
左側可動体601aVが強制復帰させられる場合には、左側可動体601aV(フランジ部606aV)→アーム部607bV→球受け面部604bVを介して遊技球に伝わる抵抗が大きくなる。つまり、右側可動体601bVにサポート機能を付与した場合には、構成の簡素化を実現することができる反面、遊技球の勢いが低下しやすくなる。そこで、本実施の形態においては、左側可動体601aVによって自己復帰が行われる場合には右側可動体601bVによるサポート(強制復帰)が回避される構成、つまりアーム部607bVが空振りする構成としている。このように、少なくとも自己復帰が正常に行われている限りは右側可動体601bVに生じる抵抗が極力小さくなるように抑えることにより、強制復帰の動力源として遊技球の動きを利用する構成にて上述した遊技球の勢いの低下を好適に軽減できる。
左側防止装置106aVが規制状態から許容状態に切り替わる過程にて右側可動体601bVのアーム部607bVが左側可動体601aVのフランジ部606aVに向けて変位すると、アーム部607bVによって左側防止装置106aVの切り替わりを妨げるような抵抗が発生する。これは、本来左側防止装置106aVを通過できるはずの遊技球が当該左側防止装置106aVを通過できなくなる要因となり得る。この点、本実施の形態に示す構成によれば、左側防止装置106aVが許容状態となった後に遊技球が到達可能となる位置へ右側防止装置106bVが配置されているため、左側防止装置106aVの許容状態の切り替えに対して右側防止装置106bVのアーム部607bVの動きを遅らせることができる。これにより、上記不都合の発生を抑制できる。
なお、本実施の形態に示す球戻り防止機構106Vにおいては、右側可動体601bVの回動中心軸線CLbVからアーム部607bVにおけるフランジ部606aVとの当接箇所までの距離は、左側可動体601aVの回動中心軸線CLaVからアーム部607bVとの当接箇所までの距離よりも短くなるように構成されている。
例えば復帰に際して左側可動体601aVを大きく変位させる必要があれば、押圧箇所(当接箇所)を左側可動体601aVの回動中心軸線CLaVにできるだけ近づけることが好ましいが、これでは左側可動体601aVを動かすために必要な押圧力が大きくなる。そもそも左側可動体601aVについては自己復帰の機能が付与されており、何らかの不具合が発生して上手く自己復帰が行われなかった場合であっても、少しの後押し(切っ掛け)があればその後は正常に動作し得る。つまり、多くの場合には上記不具合を解消する際にそれほど大きなストロークは必要とならない。そこで、両可動体601aV,601bVの回動中心軸線CLaV,CLbV、アーム部607bVにおける当接箇所、フランジ部606aVにおける当接箇所を上述した関係とすれば、アーム部607bVによる押圧のストロークをある程度確保しつつ、押圧力を極力小さくすることができる。これにより、強制復帰を行う際に遊技球に加わる抵抗が大きくなることを抑制できる。
また、右側可動体601bVは、当該右側可動体601bVの回動中心軸線CLbVから球受け面部604bVにおける遊技球の当接箇所までの距離よりも当該回動中心軸線CLbVからアーム部607bVにおける上記フランジ部606aVとの当接箇所までの距離の方が長くなるように形成されている。係る構成によれば、球受け面部604bVに遊技球が当たることで右側可動体601bVが回動した場合には、アーム部607bVを左側可動体601aV側へ大きく変位させることができる。これにより、左側可動体601aVの自己復帰機能が上手く発揮されなかった場合であっても、右側可動体601bVによって左側可動体601aVを規制状態へ迅速に復帰させることが可能となる。
<別形態>
上記第9の実施の形態に示したように球戻り防止機構106V(防止装置)を利用して球戻りの発生を抑制する上では、その具体的構成を以下のように変更することも可能である。
<実施例1>
上記第9の実施の形態では、発射された遊技球の移動経路における下流側に位置する右側可動体601bVによって当該右側可動体601bVよりも上流側に位置する左側可動体601aVを最大突出位置へ強制的に復帰させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、左側可動体601aVよりも更に上流側となる位置に復帰用のトリガとなる右側可動体601bVに相当する構成を配設することも可能である。つまり、左側可動体601aVが退避位置に留まる契機となった遊技球に対して後続となる遊技球を利用して上記最大突出位置への強制復帰を行う構成とすることも可能である。なお、このような変更を行う場合、当該後続の遊技球が左側可動体601aVに到達する前に当該左側可動体601aVの最大突出位置への復帰が完了する構成とする構成とすることが好ましい。
<実施例2>
上記第9の実施の形態では、発射された遊技球の移動経路における下流側に位置する右側可動体601bVによって上流側に位置する左側可動体601aVを最大突出位置に強制的に復帰させる構成としたが、これに代えて又は加えて左側可動体601aVに右側可動体601bVを最大突出位置へ強制的に復帰させる構成とすることも可能である。つまり、本来であれば右側可動体601bVが最大突出位置へ自己復帰しているべき状況下であるにも関わらず同右側可動体601bVが最大突出位置に復帰していない場合には、次の左側可動体601aVの退避位置への移動時に、当該左側可動体601aVによって右側可動体601bVの最大突出位置への復帰が促される構成ととしてもよい。なお、本実施例2に示す技術的思想を具現化する上では、左側可動体601aVにアームを形成し、当該左側可動体601aVが退避位置へ移動する際に当該アームによって右側可動体601bV(例えばベース部612bV)が遊技機前方へ押される構成とするとよい。
<実施例3>
上記第9の実施の形態に示した強制復帰に係る機能については、自重を利用して最大突出位置に復帰するタイプの可動体に限って適用されるものではない。例えばバネ等の付勢手段を利用して最大突出位置に復帰するタイプの可動体にいても、劣化等の要因によって付勢力が上手く作用しなかった場合に最大突出位置への復帰が上手く行われなくなる可能性がある。つまり、球戻り防止機構の動作に係る信頼性について改善の余地がある。そこで、この種の球戻り防止機構に対して上述した強制復帰に係る構成を適用すれば、球戻り防止機構の信頼性の担保に貢献することが可能である。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記第1の実施の形態では、「第1規制手段」としての右側防止装置106bと、「第2規制手段」としての左側防止装置106aとを、両者の間に形成される特定領域SE(「流入部」に相当)を遊技球が通過可能となるように離間して配置した。両防止装置106a,106bの配置においては、左側防止装置106aが許容状態となっている場合を配慮して間隔を設定した。つまり、左側防止装置106aが許容状態となっている場合であっても、特定領域SEを遊技球が通過可能となるように両防止装置106a,106bの間隔に余裕代を加味した。このような余裕代を排除して、両防止装置106a,106bを更に近づけて配置することも可能である。これにより、複数の防止装置106a,106bを併用することにより、発射された遊技球の着弾範囲が減縮されることを好適に抑制できる。
また、上記第1の実施の形態では、両防止装置106a,106bの間に形成される特定領域SEを遊技球が通過可能となるように構成する上で、右側防止装置106bが許容状態となっている場合を配慮した。つまり、右側防止装置106bが許容状態となっている場合であっても、特定領域SEを遊技球が通過可能となるように両防止装置106a,106bの間隔に余裕代を加味した。このような余裕代を排除して、両防止装置106a,106bを更に近づけて配置することも可能である。これにより、複数の防止装置106a,106bを併用することにより、発射された遊技球の着弾範囲が減縮されることを好適に抑制できる。
実際に、先行して遊技領域PEに到達した遊技球が可動体301bに当って、後続の遊技球の右側防止装置106bの通過が阻止された状況では、両防止装置106a,106bがともに阻止状態になり、防止装置106a,106bが共に許容状態になるケースは極めて稀であると想定される。このような事情に配慮した場合には、上記2つの余裕代のうち一方を排除したとしても球戻り防止機構106の機能が極端に低下することはない。なお、2つの余裕代を排除すれば、両防止装置106a,106bの距離を更に近づけることができ、上記着弾範囲に係る効果を一層顕著に発揮させることが可能となる。
(2)右側防止装置106bを通過できずに特定領域SEに流入する遊技球が左側防止装置106a(特に可動体301a)に当った場合には、左側防止装置106aの許容状態への切り替えが妨げられて後続の遊技球の左側防止装置106aの通過が不可又は困難になる可能性が生じる。このような事情に鑑みれば、特定領域SEに到達した遊技球が左側防止装置106aの可動体301aに当たることを防止する手段を配設することにより実用上好ましい構成が実現できる。例えば、可動体301aに対して出口部分105とは反対側(右側防止装置106b側)から対向する壁部等を設けるとよい。壁部によって特定領域SEに向かう又は特定領域SEを通過する遊技球が可動体301aに当たることを防止することにより、上述した2次的な不都合の発生を好適に抑制できる。
(3)上記第2の実施の形態では、右側防止装置106bAに設けられた起立部314bAによって本体部305bを囲む構成とすることにより、右側防止装置106bAを通過できなかった遊技球が本体部305bに当たることを回避した。但し、このような効果を発揮させる上では、本体部305bに外レール102側又は出口部分105側から対峙する上記対向部317bAに相当する部分が存在すれば足り、必ずしも起立部314bAによって本体部305bを囲む必要はない。
(4)上記第3の実施の形態では、遊技領域PEに形成された左ルートにおいて遊技球の流下方向が斜め横方向から縦方向に変化する部分よりも上側となる位置に、誘導通路103の出口部分105を配する構成とした。これにより、出口部分105と球戻り防止機構106Bと離間させたとしても、遊技領域PE内の遊技球が当該離間部分を通じて誘導通路103に戻ることを抑制した。上記離間部分を通じて遊技球が誘導通路103に戻ることを回避できるのであれば、誘導通路103の出口部分の位置については任意に変更してもよい。
例えば遊技釘93の配置等によって左ルートを流下する遊技球が上記隙間を通じて出口部分105に流入することを回避することができるのであれば、誘導通路103の出口部分105を上記変化する部分よりも下側に配することも可能である。
(5)上記第4の実施の形態では、可動体301とガラスパネル23との間に形成される隙間(可動体301の動作隙)に遊技球が流入可能とならないように突出片303の長さを規定した。但し、このような技術的思想を実現できるのであれば、必ずしも突出片303の形状に依存する必要はない。例えば、上記動作隙に弾性変形可能な部材(パッドやバネ部材)等を配設すれば、当該部材によって許容状態から阻止状態への復元力を担保しつつ当該動作隙への遊技球の流入を回避できる。
(6)上記第4の実施の形態では、可動体301Gを回動式としたが、少なくとも遊技領域形成体80aと交差する方向に変位可能であれば足り、その動作態様は回動式に限定されるものではない。例えば、スライド式とすることも可能である。但し、遊技領域形成体80aとガラスパネル23との隙間には限りがあるため、可動体を遊技領域形成体80aの前面に沿って変位させる構成と比較して、動作隙等の占有領域の確保が難しくなる。このような実情に鑑みれば、可動体の動作態様を回動式とすることには、例えば遊技球が当った際の衝撃を上手く逃がしつつ、占有領域の拡がりを抑えるといった技術的意義がある。
(7)上記第4の実施の形態では、遊技領域形成体80a及びガラスパネル23のうちガラスパネル23寄りとなる位置に球戻り防止機構106Gを配設したが、球戻り防止機構106Gを遊技領域形成体80a寄りとなる位置に配設することも可能である。具体的には、前後に反転させた状態で遊技領域形成体80aに形成された凹部等に配設することも可能である。
但し、係る構成では、可動体301Gに当った遊技球に遊技領域形成体80aの前面から浮き上がるような力が加わり、ガラスパネル23側への変位が生じることとなる。遊技球の遊技領域形成体80aからの浮き上がりを抑えて、当該遊技領域形成体80aに沿うようにして移動させる上では、上記第4の実施の形態に示したように、可動体301Gをガラスパネル23寄りに配置する構成とすることが好ましい。
(8)上記第4の実施の形態では、球戻り防止機構106Gの取付対象を誘導レール100としたが、このような取付態様とする場合には、球戻り防止機構106Gと誘導レール100との間にクッション等の緩衝部材を介在させることが好ましい。これにより、球戻り防止機構106Gが動作した場合の振動が誘導レール100に伝播することを好適に抑制できる。なお、このような振動の伝播に配慮する場合、球戻り防止機構106Gの取付対象を他の実施の形態と同様に遊技領域形成体80aとすることも可能である。
(9)「流入部」としての特定領域SEを通過する際の遊技球の流下方向が、例えば防止装置106a,106bの並設方向と交差する方向(略鉛直方向)となるように誘導部308を構成したが、誘導部308による遊技球の誘導方向については上記方向に限定されるものではない。例えば、特定領域SEの通過に要する期間を短縮する上では特定領域SEを通過する遊技球の流下方向が鉛直方向となるように構成してもよい。
(10)上記実施の形態では、球受け面部304及び平面部306によって遊技球を特定領域SEへ誘導する誘導部308を構成したが、誘導部308としての機能を球受け面部304及び平面部306の何れかによって発揮させる構成とすることも可能である。
上記実施の形態に示したように球受け面部304と平面部306とのなす角を鈍角とすることには、遊技球の誘導を円滑に行う上で一定の技術的意義がある。ここで、特定領域SEを通過する際の所要期間の短縮や、遊技球の移動方向を鉛直方向に近づける上では、球受け面部304と平面部306とのなす角を更に大きくすることが好ましい。具体的には180度よりも大きくなるように構成するとよい。これにより、遊技球が球受け面部304から平面部306に移ることを回避して、両者の境界位置にて遊技球が減速することを好適に抑制することができる。また、当該構成は、上記変形例(9)に示したように特定領域SEを通過する際の遊技球の流下方向を鉛直方向に近づける上でも有利である。
(11)上記各実施の形態では、可動体301の重心位置と軸支位置(回転中心)とをずらすことにより、同可動体301の自重による阻止状態への復帰を促す構成としたが、阻止状態への復帰の原動力を発生する手段については、可動体301の自重に限定されるものではない。例えば、バネ等による弾性力や磁石等による磁力を原動力として利用してもよい。また、阻止状態への復帰に係る上記各種構成を相互に組み合わせて適用することも可能である。
(12)上記実施の形態では、各防止装置106a,106bの主要な構成及び動作態様を共通化したが、必ずしも各防止装置に係る構成及び動作態様を共通化する必要はない。例えば、何れかの防止装置を板バネによって構成し、当該板バネに遊技球が当たって同板バネが弾性変形することで阻止状態→許容状態へ切り替るとともに、阻止状態への復帰に係る力が蓄えられる構成とすることも可能である。
(13)上記実施の形態では、左側防止装置106aと右側防止装置106bとを別体で設けたが、これら防止装置106a,106bを1ユニット化することも可能である。例えば、各防止装置106a,106bを構成するホルダ311a,311bを一体成型するとよい。つまり、例えば第6の実施の形態や第7の実施の形態に示すように、1のベース部材に複数の可動体を取り付ける構成とすることも可能である。
なお、ホルダ311を介在させて可動体301を取り付ける構成に限定されるものではなく、可動体301に相当する構成を遊技領域形成体80aに直接取り付ける構成とすることも可能である。
(14)上記第5の実施の形態では、タッチセンサ42等の信号を電源・発射制御装置243を経由して主制御装置162に入力する構成としたが、タッチセンサ42等の信号を直接主制御装置162に入力する構成とすることも可能である。また、遊技球の発射タイミングを設定する機能を電源・発射制御装置243から主制御装置162に移してもよい。
(15)上記第5の実施の形態では、主制御装置162に設けられた第1タイマカウンタTC1と電源・発射制御装置243に設けられた第2タイマカウンタTC2とを同期させることにより、主制御装置162によって駆動制御される球戻り防止機構106Hの動作態様と、電源・発射制御装置243によって駆動制御される遊技球発射機構110の動作態様とに関連性を付与する構成としたが、球戻り防止機構106Hの動きに合わせて遊技球を発射することができるのであれば、具体的構成については任意に変更してもよい。例えば、主制御装置162から球戻り防止機構106の動きに関する情報を電源・発射制御装置243に適宜又は随時送信する構成とし、電源・発射制御装置243ではこの送信された情報に基づいて球戻り防止機構106の状態の把握→発射タイミングの設定を行う構成とすることも可能である。
但し、両制御装置162,243に係る制御負荷や応答性の向上等に配慮した場合には、上記実施の形態に示したように、球戻り防止機構106Hの動作態様を主制御装置162に依存することなく把握し得る構成とすることが好ましい。同様の技術的思想については、例えば球戻り防止機構106の動きを検知する検知センサを設け、当該検知センサからの情報(信号)を電源・発射制御装置243に入力することで把握することにより実現可能ではあるが、構造の複雑化を抑制して遊技領域形成体80aに付属の構成を簡素化する上では、上記実施の形態に示した構成とすることが好ましい。
(16)上記第5の実施の形態では、遊技領域PEに設けられた球戻り防止機構106の動きに合わせて遊技球の発射タイミングを設定する構成としたが、遊技領域PEに配設された可動体の動きに合わせて遊技球の発射タイミングを設定するという技術的思想を具現化する上では、発射タイミングを設定する際に基準となる構成を球戻り防止機構106以外の構成とすることも可能である。
例えば、所定の周期又は所定のタイミングにて動作する球送装置を有している場合には、当該球送装置の動きに合わせて遊技球の発射タイミングを設定する構成とすることも可能である。より具体的には、上記球送り装置として作動口83の上流側(上方)に当該作動口83へ向けた遊技球の移動を許容する可動式のステージを有している場合には、このステージの動きに応じて遊技球の発射タイミングを設定する構成とすることも可能である。
(17)上記第6及び第7の実施の形態では、2つの防止装置106a,106bを併用する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、これら防止装置106a,106bのうちいずれか一方を省略することも可能である。特に、第6の実施の形態の変形例に示したように、バネ等の付勢手段を用いて許容状態から規制状態への復帰を行う構成とすれば、当該復帰の上述したリンク機構への依存を解消することもできる。
(18)上記第4,第6及び第7の実施の形態では、可動体301G,601が回動可能に保持される構成としたが、誘導通路103からの遊技球が当接する部分が遊技領域形成体80aの厚さ方向に変位する構成を実現する上ではこれら可動体301G,601を回動式とするのではなくスライド式とすることも可能である。
(19)上記第4,第6及び第7の実施の形態では、可動体301G,601が回動することにより姿勢が変化し、その結果として球受け面部304,604が遊技領域形成体80aの厚さ方向に変位する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば可動体301G,601が変形(弾性変形)することによって球受け面部304,604が変位する構成としてもよいし、球受け面部304,604自体が変形(弾性変形)することによってその姿勢が変化する構成としてもよい。
(20)上記第6及び第7の実施の形態に示した球受け面部604についてはその途中位置にて傾斜角度が変化させるように屈曲させる構成としたが、遊技球の通過に伴う可動体601の動きの効率化等に配慮した場合には、球受け面部604を遊技球の移動方向における手前側から奥側にて徐々に傾斜が大きくなるようにして(遊技領域形成体80aの奥側に凸となるように)して湾曲する曲面状に形成することも可能である。但し、このような変更を行う場合には、遊技球が球受け面部604から離れる際に遊技領域形成体80aの前面から遠ざかるような移動成分が付与されることを抑制する工夫を施されたい。
(21)上記第6及び第7の実施の形態では、「保持部」としてのホルダ611を介して可動体601を遊技領域形成体80aに取り付ける構成としたが、これに限定されるものではなく、可動体601を遊技領域形成体80aに直接取り付ける構成とすることも可能である。
(22)上記第6及び第7の実施の形態においては可動体601が退避位置に配置された状態では球受け面部604が遊技領域形成体80aの前面よりも後側に位置する構成としたが、これに限定されるものではない、退避位置に配置された状態にて球受け面部604が遊技領域形成体80aの前面と揃う構成としてもよいし、遊技領域形成体80aの前面から僅かに突出する構成を否定するものでもない。
(23)上記各実施の形態では、球戻り防止機構106を遊技球が通過したことを契機として当該球戻り防止機構106が通過前の状態に復帰する構成としたが、復帰の契機について「球戻り防止機構106」の通過に限定されるものではない。例えば、球戻り防止機構106を通過した遊技球が遊技領域PEにおける所定箇所に到達したことを契機として当該球戻り防止機構106が通過前の状態に復帰する構成とすることも可能である。
例えば、遊技領域PEの所定箇所(詳しくは誘導通路103から遊技領域PEへ流入した遊技球が通過する通過経路上)に遊技球が当たる球受け部を設ける。この球受け部に対して遊技球が当たった際に、その衝突を契機として球戻り防止機構106が遊技球の通過前の状態に復帰する構成としてもよい。
(24)上記各実施の形態では、球戻り防止機構106を遊技球が通過したことを契機として当該球戻り防止機構106が通過前の状態に復帰する構成としたが、これに限定されるものではない。復帰の契機となる遊技球についてはこれに限定されるものではなく、該当遊技球に先行する遊技球であってもよいし、該当遊技球に後続の遊技球であってもよい。
例えば、該当遊技球に先行する遊技球が該当遊技球の通過後に遊技領域PEにおける所定箇所に到達したことを契機として球戻り防止機構106が通過前の状態に復帰する構成とすることも可能である。また、該当遊技球に後続の遊技球が誘導通路103における所定箇所に到達したことを契機として球戻り防止機構106が通過前の状態に復帰する構成とすることも可能である。
このような復帰動作を実現するための構成については、上記第6の実施の形態等に示したリンク機構であってもよいし、上記所定箇所に配設されたセンサ及びモータ等のアクチュエータを利用する構成としてもよい。
なお、該当遊技球に対して先行する遊技球については1つ先の遊技球のみに限定されるものではなく2つ先又は3つ以上先の遊技球とすることも可能である。また、該当遊技球に対して後続の遊技球については1つ後の遊技球のみに限定されるものではなく2つ後又は3つ以上後の遊技球とすることも可能である。
(25)上記各実施の形態では、左側防止装置106aP(左側可動体601aP)の一部が誘導通路103の出口部分105から突出する構成、詳しくは左側防止装置106aP(左側可動体601aP)の一部が誘導通路103の通路方向における内レール101の端部から外レール102へと延びる垂線を跨ぐ構成としたが、これに限定されるものではない。左側可動体601aPの端部が当該垂線上に位置する構成としてもよいし、左側防止装置106aP(左側可動体601aP)については誘導通路103の出口部分105からの突出が完全に回避された構成としてもよい。
また、状態によって突出の度合いが変化する構成とすることも可能である。例えば、規制状態及び許容状態のうちいずれか一方では出口部分105から突出する構成としてもよいし、何れの状態であっても突出する構成としてもよいし、何れの状態であっても突出が回避される構成としてもよい。
(26)上記各実施の形態では、ベース部602aPの端部に形成された面状のフランジ部606aPによって出口部分105を通じた誘導通路103への遊技球の流入(球戻り)を回避する構成としたが、可動体601aPによって球戻りを防止することができるのであれば、その具体的な形状については任意である。例えば、上記第6の実施の形態等に示したようにベース部602Lの端部によって球戻りを回避する構成としてもよい。
但し、誘導通路103の出口部分105が斜め上方を向いている場合には、可動体601及び内レール101の両者に引っ掛かった状態で遊技球が停留する可能性が生じる。そこで、可動体601の端部には遊技球を出口部分105から離脱するように誘導する傾斜等を付与することが好ましい。
(27)上記各実施の形態では、可動体601aP,601bPをホルダ611Pを介して遊技領域形成体80aPに取り付ける構成としたが、このホルダ611Pを省略して可動体601aP,601bPを遊技領域形成体80aPに対して直接取り付ける構成とすることも可能である。
また、遊技領域形成体80aPにはホルダ611P用の長孔92P(「収容部」又は「挿通部」に相当)を形成したが、ホルダ611Pの取付構造については任意である。例えば、遊技領域形成体80aPに後方へ凹む凹部を形成し、この凹部にホルダ611Pを取り付ける構成とすることも可能である。
(28)上記各実施の形態では、可動体601aP,601bPが最大突出位置〜退避位置の間の何れの位置に存在している場合であっても、自重により最大突出位置へ向けて付勢された状態に維持される構成とした。これを変更し、最大突出位置に到達した場合には、当該付勢が解除される構成とすることも可能である。このような構成とすれば、遊技球が衝突した際に当該遊技球へ加わる反力を軽減し、遊技球の挙動の乱れを抑制することができる。
(29)上記各実施の形態においては、球戻り防止機構106Vを遊技球が通過する場合に、右側防止装置106bVが規制状態から許容状態に切り替わる前に左側防止装置106aVが阻止状態に復帰するように、左側防止装置106aVの復帰に要する期間よりも左側防止装置106aV〜右側防止装置106bV間の通過に要する期間の方が長くなるようにして両防止装置106aV,106bVを離して設けたが、必ずしもこれに限定されるものではない。つまり、左側防止装置106aVが規制状態に復帰している最中に右側防止装置106bVの規制状態から許容状態への切り替わりが開始する構成とすることも可能である。
つまり、複数の防止装置106aV,106bVを併用する上では、強制復帰機能が遊技球の勢いを過度に低下させる要因となることを抑制する工夫を施すことが好ましいものの、このような機能を担保する上では、左側防止装置106aVの規制状態への復帰動作が右側防止装置106bVの許容状態への切替動作に対して先行する構成であれば、足り必ずしも両者の動作を直列とする必要はなく並列とすることも可能である。
なお、複数の防止装置を併用する場合には、両防止装置の動作タイミングをずらす等して、少なくとも一方が規制状態に維持される構成とすることが好ましい。
(30)上記各実施の形態においては、可動体601aP,601bPの回動中心軸線が誘導通路103の通路方向と直交する方向に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。可動体601aP,601bPの回動中心軸線が通路方向に対して斜めに交差する構成とすることも可能である。
(31)上記各実施の形態においては、外レール102における上側の頂部と、左側へ最も突出している突出部分との中間位置に球戻り防止機構106Pを配設したが、球戻り防止機構106Pについては誘導通路103の出口部分105付近に配設されているのであれば足り、その具体的な位置については任意に変更してもよい。但し、可動体601aP,601bPの自重を利用して規制状態への自己復帰を促す上では、可動体601の回動中心軸線の水平方向に対する傾きができるだけ小さくなるようにして(具体的には横向き成分よりも縦向き成分の方が大きくなるようにして)配置可能な箇所とすることが好ましい。
(32)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者により発射操作が行われた場合に遊技球を発射する遊技球発射手段と、発射された遊技球を遊技領域へ導く球通路とを備えているものがある。仮に遊技領域に到達した遊技球等が球通路へ逆戻りすると当該遊技球が後続の遊技球の遊技領域への到達を妨げる要因になり得る。そこで、球通路の出口部分には、当該球通路から遊技領域への遊技球の流入を許容する一方、遊技領域から球通路への遊技球の流入等の戻り球の発生を規制する構成が配設されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、戻り球の発生を規制する構成においては、その機能を担保する上でその構造に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と
を備え、
前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記規制手段に到る経路の途中位置には、前記遊技領域への遊技球の流入が許容された流入部(特定領域SE)が形成されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、仮に先行する遊技球の影響で規制手段が上手く機能しなかった場合には、後続の遊技球は規制手段に到る経路の途中位置から流入部を通じて遊技領域に流入することとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制し、遊技の円滑な進行を担保することができる。
なお、流入部を通じて遊技領域へ流入した遊技球は、球通路→規制手段を経て遊技領域に流入した遊技球が流下する流下経路へ合流するように、上記流入部の位置を工夫するとよい。これにより、流入部の存在が遊技者等にとって不利に作用することを抑制できる。例えば、上記規制手段と流入部とを並設するとよい。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路の出口部分への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と
を備え、
前記規制手段は、前記出口部分との間に遊技球が通過可能な隙間が形成されるようにして当該出口部分から離間して配置されており、前記遊技領域にて前記球通路の延長上となる所定領域から当該隙間を通じて遊技球が離脱可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、仮に先行する遊技球の影響で規制手段が上手く機能しなかった場合には、後続の遊技球が球通路の出口部分(例えば出口部分105)と規制手段との隙間を通じて球通路の延長上となる所定領域から離脱することとなる。これにより、当該後続の遊技球がそれに続く遊技球の動きを妨げる要因になることを抑制し、遊技の円滑な進行を担保することができる。
なお、本特徴については「遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ案内する球通路と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路の出口部分への遊技球の戻りを規制する規制手段とを備え、前記規制手段は前記遊技領域における前記球通路の延長上となる所定領域に位置し、前記出口部分と当該規制手段との間には遊技球が通過可能な隙間が形成されており、当該隙間を通じて前記所定領域外への遊技球の流出が許容されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す「隙間」は、上記特徴A1に示した「流入部」に相当する。
特徴A3.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が通過可能な隙間を隔てて対峙する外側の第1レール部(外レール102)及び内側の第2レール部(内レール101)により形成され、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と
を備え、
前記規制手段は前記遊技領域における前記第2レール部の延長線上に位置し、当該第2レール部の端部と当該規制手段との間には遊技球が通過可能な隙間が形成されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、仮に先行する遊技球の影響で規制手段が上手く機能しなかった場合には、後続の遊技球が球通路の出口部分(例えば出口部分105)と規制手段との隙間を通じて球通路の延長上となる所定領域から離脱することとなる。これにより、当該後続の遊技球がそれに続く遊技球の動きを妨げる要因になることを抑制し、遊技の円滑な進行を担保することができる。
特徴A4.前記規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する可動体(可動体301,301A〜301G,601,601L〜601N)を有してなり、
前記可動体には、当該可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(突出片303)が形成され、前記規制手段は、当該球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって前記可動体が回動することにより当該規制手段による規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態から同規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、遊技球が当たることによって規制状態/許容状態に切り替わる構成においては、規制手段が遊技領域に配設されていることにより以下の不都合が生じる。既に遊技領域に到達している遊技球が規制手段に対して球通路とは反対側から当たることにより、規制手段の規制状態→許容状態への切り替えが妨げられることとなる。これは上述した戻り球が発生する要因となるため好ましくない。この種の規制手段を備えた遊技機に対して、特徴A1等に示した技術的思想を適用すれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、特徴A3との組み合わせにおいては、「前記球受け部と前記第1レール部との間に遊技球が通過可能な隙間が形成される状態」を「許容状態」、「前記球受け部と前記第1レール部との間に遊技球が通過可能な隙間が形成されていない状態」を「規制状態」とすることも可能である。
特徴A5.前記可動体には、前記球通路を経て前記規制手段に到達した遊技球が前記規制位置を通過しなかった場合に、当該遊技球を前記流入部へ案内する案内部(誘導部308)が設けられていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A4等に示した事象が発生して規制手段の許容状態への切り替わりが妨げられた場合には、規制手段によって通過が規制されている位置(規制位置)を通過できなかった遊技球は、可動体(案内部)によって上記流入部(隙間)へと案内されることとなる。これにより、通過規制の対象となった遊技球を円滑に離脱させることができ、当該遊技球がそれに続く遊技球の移動の邪魔になることを好適に抑制できる。
特徴A6.前記球受け部は、前記球通路を経て前記規制手段に到達した遊技球が前記規制位置を通過しなかった場合に、当該遊技球を前記流入部へ案内する案内部として機能するように構成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A4等に示した事象が発生して規制手段の許容状態への切り替わりが妨げられた場合には、規制手段によって通過が規制されている位置(規制位置)を通過できなかった遊技球は、可動体によって上記流入部(隙間)へと案内されることとなる。これにより、通過規制の対象となった遊技球を円滑に離脱させることができ、当該遊技球がそれに続く遊技球の移動の邪魔になることを好適に抑制できる。
特に、球受け部を案内部として機能させることにより、特徴A1等に示した効果を発揮させつつ、規制手段に係る構成を簡略化することが可能となる。
なお、特徴A5又は特徴A6に示す構成によれば、仮に発射速度が十分でない等の理由で規制手段による規制位置を通過できなかった遊技球については上記流入部を通じて遊技領域へ案内される。このように、操作が上手く行われなかった場合であっても、先行する遊技球が後続の遊技球の移動を妨げる要因になることを好適に抑制できる。
因みに、特徴A4〜特徴A6に示した技術的思想を特徴A2又は特徴A3に適用する場合には、特徴A4〜特徴A6に示す「前記流入部」を「前記隙間」にするとよい。
特徴A7.前記案内部は、所定の方向に延びる面状をなしており、前記規制状態となっている場合には前記許容状態となっている場合と比較して前記球通路の出口部分(出口部分105)と前記可動体との並設方向に対する傾きが大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、規制状態となっている場合には許容状態となっている場合と比較して球通路の出口部分と可動体との並設方向に対する案内部の傾きが大きくなる。係る構成によれば、上記規制位置を通過できなかった遊技球を当該遊技球の自重を利用して、上記流入部(隙間)へ迅速に移動させることができる。つまり、案内部の存在が当該入球部(隙間)に向けた遊技球の移動速度を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
特徴A8.前記案内部は、所定の方向に延びる面状をなしており、
前記可動体は、前記規制手段が前記規制状態となっている場合に前記案内部が縦向きとなるように構成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、規制手段に跳ね返った遊技球が自重等によって球通路の延長上に位置する領域(所定領域)から離脱する際に、その動きが可動体によって妨げられることを好適に抑制することができる。これにより、所定領域からの遊技球の迅速な離脱を促すことができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記可動体は、前記規制状態となっている場合に前記球受け部が略垂直又は垂直となるように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A9.前記可動体は、前記規制状態となっている場合に前記球受け部が前記遊技領域において前記球通路の出口部分から外れた領域を向くように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
規制状態から許容状態への規制手段の切り替えが妨げられている状況下にて当該規制手段に到達した遊技球は、同移動方向へのそれ以上の移動が不可となる。ここで、球受け部に当たった遊技球が球通路の出口部分へと跳ね返ると、当該遊技球が球通路に戻って遊技球発射の妨げとなり得る。
この点、本特徴によれば、規制状態となっている場合には球受け部が球通路の出口部分と対向する方向(ずれた方向)を向く構成となっている。つまり、球受け部が出口部分と対向しないように構成されている。このため、当該球受け部に跳ね返った遊技球が球通路へ戻ることを好適に抑制することができる。これにより、規制手段本来の機能(戻り球の発生を抑える機能)が低下することを抑制できる。
特徴A10.前記遊技盤の前面から起立して設けられたレール部(外レール102)を備え、当該レール部に沿う領域が前記所定領域となっており、
前記可動体は、前記規制状態となっている場合に前記球受け部が前記レール部と対峙するように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
規制状態から許容状態への規制手段の切り替えが妨げられている状況下にて当該規制手段に到達した遊技球は、同移動方向へのそれ以上の移動が不可となる。ここで、球受け部に当たった遊技球が球通路の出口部分へと跳ね返ると、当該遊技球が後続の遊技球発射の妨げとなり得る。この点、本特徴によれば、規制状態となっている場合には球受け部が球通路の出口部分とはずれた方向を向く構成となっている。つまり、球受け部が出口部分と対向しないように構成されている。このため、当該球受け部に跳ね返った遊技球が球通路側へ向かうことを好適に抑制することができる。これにより、規制手段本来の機能(戻り球の発生を抑える機能)が低下することを抑制できる。
特に、球受け部に当たった遊技球が跳ね返った場合には、レール部に当たることにより、その勢いが弱められる。これにより、遊技球の挙動が乱れる等して流入部へ向かうのに要する期間が間延びすることを好適に抑制できる。また、当該遊技球が勢いよく流入部を通過することを抑制することにより、流入部を通過する遊技球が再び規制手段に当ったとしてもそれに起因した衝撃の発生を抑え、遊技球の再衝突が規制手段の耐久性等を低下させる要因になることを抑制できる。
特徴A11.前記遊技領域において前記流入部の下方となる領域には、当該流入部を横切るようにして遊技球の流下経路が形成されており、
前記可動体には、前記球通路を経て前記規制手段に到達した遊技球が前記規制位置を通過しなかった場合に、当該遊技球を前記流入部へ案内する案内部(誘導部308)が設けられており、
前記案内部によって案内された遊技球については前記流下経路の下流側へ向かうようにして前記流下経路へ合流するように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、流入部を通じて流下経路に到る遊技球については、少なくとも流下経路の下流側へ向かうようにして移動することとなる。上流側からの遊技球(例えば流入部への流入契機となった遊技球)と流下経路上にて合流した際に遊技球同士が干渉したとしても、流入部を経由した遊技球に流下経路を遡るような移動成分が付与されていないため、球詰まり等の発生を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記案内部を通じて前記流入部を通過する遊技球の流下方向に、前記流下経路の下流側を向く成分が付与される構成となっている」としてもよい。
特徴A12.前記遊技領域において前記流入部の下方となる領域には、当該流入部を横切るようにして遊技球の流下経路が形成されており、
前記流下経路において前記流入部の直下となる所定の領域は、遊技部品が配置されていない非配置領域となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、流入部(隙間)の直下となる部分は、遊技釘等の遊技部品の非配置領域となっている。これにより、当該流入部を通じた遊技球の移動が遊技部品によって妨げられることを抑制できる。また、流入部を経由した遊技球が流下経路へ合流する際に、当該流下経路を流下する遊技球と干渉したとしても、それが球詰まり等の要因になることを好適に抑制できる。
特徴A13.前記規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する可動体(可動体301,301A〜301G,601,601L〜601N)を有してなり、
前記可動体には、当該可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(突出片303)が形成され、前記規制手段は当該球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記規制状態では、前記可動体において当該可動体の回転中心を挟んで前記球受け部とは反対側に延びる部分(本体部305)のほうが前記球受け部よりも垂直線に対する傾きが小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、遊技球が当たることによって規制状態/許容状態に切り替わる構成においては、規制手段が遊技領域に配設されていることにより以下の不都合が生じる。既に遊技領域に到達している遊技球が規制手段に対して球通路とは反対側から当たることにより、規制手段の規制状態→許容状態への切り替えが妨げられることとなる。これは上述した戻り球が発生する要因となるため好ましくない。この種の規制手段を備えた遊技機に対して、特徴A1等に示した技術的思想を適用すれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特に、可動体において可動体の回転中心を挟んで球受け部とは反対側に延びる延出部分(例えば重りとしての機能が付与された部分)の方が球受け部よりも垂直線に対する傾きが小さくなるように構成されている。このため、球受け部に当たった遊技球が当該球受け部に沿って落下する場合には、当該延出部分によって遊技球の動きが妨げられることを抑制し、当該遊技球の上記隙間(流入部)を通じた移動の円滑化に寄与できる。つまり、延出部分の存在が、遊技球の動きを妨げる(減速させる)要因になることを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す可動体については「前記可動体には、当該可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(突出片303)と、前記球受け部とは反対側に延びる延出部(本体部305)とが形成され、当該可動体の重心が当該可動体の回動中心部よりも前記延出部寄りとなるように構成されており、当該球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該可動体が前記延出部の重さに抗して回動することにより遊技球の通過を許容する許容状態から遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる構成」とすることも可能である。
特徴A14.前記規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する可動体(可動体301,301A〜301G,601,601L〜601N)を有してなり、
前記可動体には、当該可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(突出片303)が形成され、前記規制手段は当該球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記可動体において当該可動体の回転中心部を挟んで前記球受け部とは反対側となる部分に前記球通路側から遊技球が当たることを阻止する阻止手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
先行する遊技球が可動体に当たることで規制状態から許容状態への切り替えが妨げられている場合には、後続の遊技球が規制手段を通過できなくなる可能性がある。特徴A1等に示したように、このように通過できなかった遊技球(該当遊技球)が例えば流入部に向けて移動する際や流入部を通過する際に球受け部とは反対側となる部分を押してしまうと、続く遊技球が規制手段に到達した場合に、再び許容状態への切り替えが妨げられ、2次的な不都合が発生し得る(正常な遊技球の発射が連鎖的に妨げられることとなる)。このような不都合は、該当遊技球が球通路の延長上となる所定の領域にてもたつく等して、該当遊技球の排出に要する期間が間延びした場合に発生しやすくなる。
この点、本特徴によれば、可動体の回転中心を挟んで球受け部とは反対側となる部分に球通路側から遊技球が接触することが阻止されるため、該当遊技球が規制手段の許容状態への切り替えを妨げる要因になることを回避して、上記不都合の発生を抑えることができる。特に、遊技球の挙動については画一的に決まるものではなく都度ばらつきが生じ得る。本特徴においては、このような挙動のばらつきを許容し、特徴1等に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴A15.前記規制手段は、第1規制手段(右側の防止装置106b,601b)であり、
前記球通路の出口部分には、前記遊技領域から前記出口部分への遊技球の戻りを規制する第2規制手段(左側の防止装置106a,601a)が設けられており、
前記第1規制手段及び前記第2規制手段がそれら規制手段の間を遊技球が通過可能となるように離して配置されていることにより前記流入部が形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、遊技球発射手段から発射された遊技球は球通路(出口部分)を経て遊技領域に到達する過程で第2規制手段→第1規制手段を経由する。ここで、仮に特徴A1等に示したように、遊技領域に配設された遊技釘等の遊技部品に跳ね返った遊技球が第1規制手段に当たる等して第1規制手段の動きが妨げられた場合であっても、第2規制手段を経由して第1規制手段に到達した遊技球は、両規制手段の間を通過して下方に落下することとなる。つまり、後続の遊技球の球通路から遊技領域への流入を許容しつつ、当該遊技球が球通路に戻ることを抑制できる。
但し、両規制手段の間に遊技球の通過を許容する隙間が存在する場合には、遊技釘等の遊技部品に跳ね返った遊技球が第1規制手段を回避して出口部分に向かう可能性が残る。この点、仮にこのような事象が発生したとしても、第2規制手段によって当該遊技球の出口部分への流入が回避される。これにより、特徴A1等に示した効果を更に強化することができる。
特徴A16.前記第1規制手段と前記第2規制手段との間は、遊技釘の非配置区間となっていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、上手く第2規制手段における規制位置を通過できなかった遊技球が第2規制手段に沿って落下(流下)する場合に、当該遊技球を両規制手段の間から円滑に離脱させることができる。これにより、当該遊技球が後続の遊技球の動きを妨げる要因となることを好適に抑制できる。
特徴A17.前記第2規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する第2可動体(左側可動体301a,601a)を有してなり、
前記第2可動体には、当該第2可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第2球受け部(左側突出片303a)が形成され、当該第2球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該第2可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記第1規制手段は、少なくとも当該第1規制手段の一部が前記第2規制手段の前記第2球受け部に対して前記球通路の出口部分とは反対側から対峙するようにして配設されていることを特徴とする特徴A15又は特徴A16に記載の遊技機。
遊技領域に到達した遊技球が遊技釘等に当って跳ね返った場合、それが第1規制手段を回避(迂回)して第2規制手段(詳しくは第2可動体の第2球受け部)に到達しては、そもそも流入部を設けたことによる効果が上手く発揮されなくなる。つまり、遊技球が第2球受け部に対して出口部分とは反対側から当ってしまうと、後続の遊技球の第2規制手段の通過が妨げれ、上述したファール球が発生することとなる。この点、本特徴によれば、第1規制手段を第2規制手段用の防壁として利用できる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A18.前記第1規制手段は、第1可動体(右側可動体301b,601b)及び当該第1可動体を前記遊技盤の前面に沿って回動可能となるように保持する第1ホルダ(ホルダ311b)を有してなり、
前記第1可動体には、当該第1可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第1球受け部(右側突出片303b)と、前記第1球受け部とは反対側に延びる第1延出部(本体部305b)とが形成され、当該第1可動体の重心が当該可動体の回動中心部よりも前記延出部寄りとなるように構成されており、当該第1球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該第1可動体が前記延出部の重さに抗して回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記第1規制手段は、前記規制状態では前記延出部が前記第1球受け部よりも下側となるように構成され、前記第1ホルダの少なくとも一部又は前記延出部が前記第2球受け部に対して前記球通路の出口部分とは反対側から対峙するようにして配設されていることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A17に示したように、第1規制手段を第2規制手段用の防壁として利用する構成では、上記不都合の発生を好適に抑制できるものの、第1規制手段に対して遊技球が当たりやすくなる。そもそも流入部は、第1規制手段の動作が上手く行われなかった場合のバックアップとして機能する点に鑑みれば、流入部が頻繁に利用される状況は好ましくない。
この点、本特徴によれば、第1規制手段の第1球受け部以外の部分(延出部や第1ホルダ)によって第2規制手段を守る構成とすることにより、第1規制手段を第2規制手段用の防壁として利用することで生じる不都合を好適に抑えることが可能となる。
特徴A19.前記第1規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する第1可動体(右側可動体301b,601b)を有してなり、
前記第1可動体には、当該第1可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第1球受け部(右側突出片303b)が形成され、当該第1球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該第1可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記第2規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する第2可動体(左側可動体301a,601a)を有してなり、
前記第2可動体には、当該第2可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第2球受け部(左側突出片303a)が形成され、当該第2球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該第2可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記球受け部は、前記球通路を経て前記規制手段に到達した遊技球が前記規制位置を通過しなかった場合に、当該遊技球を前記流入部へ案内する案内部として機能するように構成されており、
前記第1規制手段が前記規制状態となっている場合の前記第1球受け部の傾きが、前記第2規制手段が前記規制状態となっている場合の前記第2球受け部の傾きよりも垂直に近い構成となっていることを特徴とする特徴A15乃至特徴A18のいずれか1つに記載の遊技機。
仮に先行する遊技球の影響等によって後続の遊技球が第1規制手段を通過できない場合には、その遊技球(該当遊技球)を球通路の延長上となる所定の領域から早々に離脱させることが好ましい。ここで、第1規制手段を構成する第1球受け部には、該当する遊技球を流入部へ案内する機能が付与されており、この第1球受け部については、第2球受け部よりも垂直に近い構成となっている。これにより、第2球受け部に沿って該当遊技球が移動する際に、該当遊技球の自重を利用して好適に加速させることができる。故に、上記流入部(隙間)へ迅速に移動させることが可能となり、次の遊技球が第1規制手段に到達する前に、該当遊技球を所定領域から好適に離脱させることができる。
特徴A20.前記第1規制手段の下側に設けられ、前記遊技盤の前面から突出するようにして設けられたセンターフレーム(センターフレーム95)を備え、
前記遊技領域には、前記センターフレームの上面によって遊技球を案内する案内通路が形成されており、
前記案内通路の下流側の端部が前記第2規制手段の下側に位置しており、
前記第1規制手段が前記規制状態となっている場合の前記第1球受け部の前記案内通路の通路方向に対する傾きが、前記第2規制手段が前記規制状態となっている場合の前記第2球受け部の前記通路方向に対する傾きが大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、案内通路の通路方向における下流側となる部分、すなわち球通路の出口部分付近においては第2球受け部の傾きを案内通路の通路方向に近づけることでセンターフレームと第2規制手段との距離を好適に担保することができる。これにより、案内通路の下流部分にて第2規制手段の存在が案内通路を過度に圧迫する要因になることを抑制できる。
一方、案内通路の上流側となる部分、すなわち球通路の出口部分から離れた部分においては第1球受け部の傾きを大きくすることにより、該当遊技球の排出機能を強化できる。また、上述したように第1規制手段を第2規制手段用の防壁として利用する上では、第1規制手段(第1球受け部)の傾きを大きくすることで、防壁としての機能を好適に発揮させることができる。
以上の理由から、複数の規制手段を併用する場合であっても、それが遊技領域における遊技球の流下領域(案内通路)等を圧迫する要因となることを回避しつつ、上述した球戻りの規制機能を好適に発揮させることができる。
特徴A21.前記第1規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する第1可動体(右側可動体301b,601b)を有してなり、
前記第1可動体には、当該第1可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第1球受け部(右側突出片303b)が形成され、当該第1球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該第1可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記第2規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する第2可動体(左側可動体301a,601a)を有してなり、
前記第2可動体には、当該第2可動体の回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第2球受け部(左側突出片303a)が形成され、当該第2球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該第2可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記遊技盤の前面から起立して設けられたレール部(外レール102)を備え、当該レール部に沿う領域が前記所定領域となっており、
前記第1規制手段の回動中心部は、前記第2規制手段の回動中心部よりも前記レール部から遠くなるように構成されており、
前記第1球受け部は、前記第2球受け部よりも長くなっていることを特徴とする特徴A15乃至特徴A20のいずれか1つに記載の遊技機。
発射された遊技球は球通路→第2規制手段→第1規制手段の順に通過する。ここで複数の規制手段を併用すれば、上述した各種効果を享受できる点で有利であるが、遊技球が規制手段から離脱する位置が球通路の延長方向にシフトすることで、遊技球の着弾位置の調整幅が減縮される。これは、遊技者が所望とする位置に向けて遊技球を発射することで少しでも遊技を有利に進めようとすることを妨げる要因となる。
この点、本特徴に示すように、第2規制手段を構成する第2球受け部を長くすれば、回転中心部から第2球受け部の先端までの距離が大きくなることで、同じ回動量であっても先端部分の変位量が大きくなる。これにより、遊技球の着弾位置の調整幅に係る制約を軽減することができ、遊技機の魅力が低下することを好適に抑制できる。
特徴A22.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と
を備え、
前記球通路の途中位置には、当該球通路から前記遊技領域へ遊技球が流入可能な球通過部が形成されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、仮に先行する遊技球の影響で規制手段が上手く機能しなかった場合には、後続の遊技球は球通路の途中位置に設けられた球通過部を通じて遊技領域へ流入することとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制し、遊技の円滑な進行を担保することができる。
特徴A23.前記球通路は、遊技球が通過可能な隙間を隔てて対峙する外側の第1レール部(外レール102)及び内側の第2レール部(内レール101)により形成され、
前記第1レール部及び前記第2レール部は、遊技機側方に凸となるように湾曲しており、
前記球通過部は、前記第2レール部において遊技機側方に凸となっている部分よりも上側に配されていることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
球通路が第1レール部及び第2レール部によって形成されている構成においては、遊技球発射手段によって発射された遊技球は第1レール部に沿って移動することにより規制手段に到達する。ここで、規制手段が許容状態に切り替らずに当該遊技球が球通路を逆行する場合には、少なくとも上記凸となっている部分よりも上側では第2レール部に沿って移動することとなる。そこで、本特徴に示すように、第2レール部に上記球通過部を形成すれば、特徴A22に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A24.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
回動可能に支持された可動体(可動体301,601)を有し、当該可動体が回動することにより前記球通路の出口部分における遊技球の通過を許容する許容状態と当該出口部分における遊技球の通過を規制する規制状態とに切り替わる規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と
を備え、
前記可動体には、回動中心部から特定方向に延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(突出片303)が形成されており、前記規制手段は、当該球受け部に前記球通路側から遊技球が当たることにより前記規制状態から前記許容状態に切り替る構成となっており、
前記球受け部に前記遊技領域側から隙間を隔てて対峙し、当該遊技領域側からの前記球受け部への遊技球の衝突を規制する規制部を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴によれば、規制部によって遊技領域側から球受け部への遊技球の衝突が規制される。このように、規制部によって遊技球の衝突から球受け部を守る構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A25.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
可動体(可動体301)を有し、当該可動体が変位することにより前記球通路の出口部分における遊技球の通過を許容する許容状態と当該出口部分における遊技球の通過を規制する規制状態とに切り替わる規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)とを備え、
前記可動体は、前後に変位可能に設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
遊技領域に到達した遊技球は遊技盤の前面に沿って移動するため、仮に可動体についても遊技盤の前面に沿うような動きをする場合には、遊技球が可動体に当たることが可動体の動作に影響を及ぼす要因になりやすい。そこで、本特徴に示す規制手段においては、可動体が前後(例えば遊技盤の厚さ方向)に変位することにより許容状態と規制状態とに切り替る構成とした。このような動作態様とすれば、遊技球が可動体に対して遊技領域側から当ったとしても、その影響が許容状態への切り替えを妨げるように作用することを好適に抑制できる。故に、上述した事象の発生を抑制し、規制手段による規制機能を好適に発揮させることが可能となる。
特徴A26.前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向するパネル部(ガラスパネル23)を備え、当該パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能な遊技機であって、
前記可動体は、前後に回動可能な状態で支持されており、
前記可動体が回動することにより前記規制手段が前記許容状態及び前記規制状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴A25に記載の遊技機。
遊技盤とパネル部との間に形成された隙間には限りがある。このため、例えば可動体を遊技盤の前面に沿って変位させる構成と比較して、当該可動体の動作隙等の占有領域の確保が難しくなる。また、可動体については、遊技球の発射が行われる度に遊技球が衝突するため、衝突によって発生する衝撃を緩和する等の耐久性に係る工夫が必要となる。ここで、可動体を回動式とすれば、可動体に遊技球が衝突した場合に、可動体が回動することによって逃げるため、衝突時に発生する抗力(抵抗)を極力小さくすることができる。特に、可動体を回動式とした場合には、回動中心から遊技球の衝突位置までの距離を大きくすることで、上記抗力の軽減に好適に貢献できる。故に、可動体の動作態様を回動式とすることにより、遊技球が当った際の衝撃を上手く逃がしつつ、可動体に係る占有領域の拡がりを抑えることができる。
特徴A27.前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向するパネル部(ガラスパネル23)を備え、当該パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能な遊技機であって、
前記可動体は、前記遊技盤又はパネル部の一方に遊技球の通過領域を挟んで対峙しており、前記規制手段が前記許容状態となることで当該対峙対象との隙間が遊技球の通過を許容する大きさとなるように変化する構成となっており、
前記可動体は、前記規制状態においては前記遊技盤及び前記パネル部の他方との隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A25又は特徴A26に記載の遊技機。
特徴A27によれば、可動体と対峙対象との隙間に遊技球が入り込む余地が無く、当該隙間に遊技球が入り込む等して、可動体の動きが妨げられることを抑制することができる。
特徴A28.前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向するパネル部(ガラスパネル23)を備え、当該パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能な遊技機であって、
前記可動体は、前記遊技盤に遊技球の通過領域を挟んで対峙しており、前記規制手段が前記許容状態となることで前記遊技盤との隙間が遊技球の通過を許容する大きさとなるように変化する構成となっていることを特徴とする特徴A25乃至特徴A27のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、規制手段(可動体)に当った遊技球の軌道がパネル部へ向かう方向に変化することを抑制できる。これにより、可動体に跳ね返った遊技球がパネル部に当たること抑えて当該パネル部を好適に保護することができる。
特徴A29.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
回動可能に支持された可動体(可動体301,601)及び当該可動体を回動させる駆動部(駆動部321)を有し、前記可動体が回動することにより前記球通路の出口部分における遊技球の通過を許容する許容状態と当該出口部分における遊技球の通過を規制する規制状態とに切り替わる規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と、
前記駆動部を駆動させることにより、前記規制手段を前記許容状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段が遊技領域に配設されている構成においては、遊技領域に到達した遊技球が遊技釘(例えば遊技釘93)等の遊技部品に跳ね返って例えば球通路とは反対側から規制手段に衝突する可能性を否定できない。特に規制手段近辺での遊技球の流下領域が小さくなれば、このような衝突が発生する可能性が高くなると想定される。
先行する遊技球の衝突によって規制手段の動作が妨げられてしまうと、本来遊技領域へ到達するはずだった後続の遊技球が遊技領域へ到達できなくなり、当該後続の遊技球は球通路を逆戻りする(所謂ファール球等が発生する)こととなる。このような、遊技球の逆戻りは、遊技球の発射を妨げて、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成においては、可動体の動作が発射された遊技球の勢いに依存しない。このため、仮に上述したように先行する遊技球が遊技領域側から可動体に当たる等して当該可動体の動きを妨げようとしても、可動体自体が駆動部からの駆動力によって動作するため、当該邪魔な遊技球を押しのけることができる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A30.前記切替制御手段は、所定の周期で前記規制手段を前記許容状態に切り替えるように構成されており、
前記発射操作が行われている場合に、前記切替制御手段による切り替え状況に応じて前記遊技球発射手段による遊技球の発射タイミングを設定する発射タイミング設定手段(電源・発射制御装置243)と
を備えていることを特徴とする特徴A29に記載の遊技機。
遊技者により発射操作が行われるタイミングについては任意となる。このため、可動体(規制手段)が所定の周期で動作する構成にて可動体の動きとは無関係に遊技球が発射された場合には、当該遊技球が可動体に当って遊技領域に到達できない可能性が生じる。そこで、本特徴に示すように、可動体(規制手段)の切り替え状況に応じて遊技球の発射タイミングが設定される構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
本特徴に示す構成とは逆に、遊技球の発射操作に応じて規制手段を規制状態から許容状態に切り替える構成とすることも可能である。但し、遊技球が発射されてから規制手段に到達するまでに要する期間は極めて短くなることが多く、このような構成では規制手段の切り替えが間に合わなくなる等の不都合が生じる。このような不都合は、切り替え手段の動作速度や応答性等の向上等の新たな課題を招来させる要因になる。故に、望ましくは本特徴に示すように規制手段の動きに合わせて遊技球の発射タイミングを設定する構成とするとよい。
特徴A31.遊技球の発射操作に際して回動操作されるとともに、その回動操作量に基づいて遊技球の発射速度を調整可能な操作部材を備え、
前記発射タイミング設定手段は、前記操作部材の回動操作量に応じて前記発射タイミングの設定を行うように構成されていることを特徴とする特徴A30に記載の遊技機。
遊技球の発射速度については操作部材の回動操作量に応じて変化する。このような発射速度の下限値及び上限値を加味して一義的に発射タイミングを決める構成とした場合には、球戻り規制手段を許容状態に維持する期間が間延びすると想定される。これは、遊技領域に射出された遊技球が球戻り規制手段を回避して球通路へ戻るという不都合を発生させやすくなる要因となり得るためこのましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、回動操作量に応じて発射タイミングが補正されることとなるため、上述したように無駄に許容状態に維持されることを回避して、球戻り規制手段が許容状態となる期間を極力短くすることができる。故に、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A32.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ所定の態様で動作する可動体と、
前記発射操作が行われている場合に、前記可動体の動作態様に応じて前記遊技球発射手段による遊技球の発射タイミングを設定する発射タイミング設定手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A32によれば、遊技領域に設けられた可動体(特に遊技球の動きに影響を及ぼす可能性のあるもの)の動きと遊技球の発射タイミングとの関連性を好適に向上させることができる。
特徴A33.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域における所定領域(遊技領域PEの上部)へ導く球通路(誘導通路103等)と、
前記所定領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106)と
を備え、
前記規制手段は、前記遊技盤の前面に沿って回動する可動体(可動体301)を有してなり、
前記可動体には、当該可動体の回動中心部から延出し、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(突出片303)が形成され、前記規制手段は当該球受け部に前記球通路側から遊技球が当たって当該可動体が回動することにより遊技球の通過を規制する規制状態から遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっており、
前記可動体は、当該可動体の回転中心部を挟んで前記球受け部とは反対側に延びる延出部を有し、
前記延出部に前記球通路側から遊技球が当たることを阻止する阻止手段を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。
特に、本特徴に示す回動式の可動体については、遊技球が球受け部に当たれば所定方向に回動して規制状態→許容状態に切り替わるものの、仮に回動中心部を挟んで球受け部とは反対側となる部分(延出部)に遊技球が当たった場合には、可動体の所定方向への回動を妨げたり、可動体を所定方向とは反対側に回動させたりする要因になる。つまり、先に規制手段に到達した遊技球が上手く規制手段を通過できなかった場合には、当該遊技球が後続の遊技球の通過を妨げる要因になり得る。これは、遊技の円滑な進行を妨げる要因となるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、先行する遊技球が勢い不足等の要因によって規制手段を通過できなかった場合であっても、それが後続の遊技球が可動体に到達した際の可動体の動き(許容状態→規制状態への切り替え)を妨げる要因となることを抑制することができる。故に、遊技の円滑な進行を担保することができる。
特徴A34.前記阻止手段は、前記球通路側から前記延出部に隙間を隔てて対峙する壁状をなしていることを特徴とする特徴A33に記載の遊技機。
特徴A33に示した阻止手段については延出部に隙間を隔てて対峙する壁状に形成することにより、上述した当該阻止機能を担保しつつ、当該阻止手段の占有領域の無駄な拡がりを抑えることができる。
特徴A35.前記球通路と前記阻止手段との間には、遊技球の直径寸法よりも大きな隙間が形成されていることを特徴とする特徴A33又は特徴A34に記載の遊技機。
特徴A35によれば、阻止手段によって延出部への遊技球の当たりが妨げられている状況にて後続の遊技球が規制手段に到達した場合であっても、阻止手段によって阻止された遊技球すなわち阻止手段に当たっている遊技球が後続の遊技球と干渉することを抑制することができる。これにより、短い発射間隔で後続の遊技球が発射されたとしても、先行する遊技球が邪魔になって後続の遊技球の所定領域への到達が妨げられることを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記遊技盤の前面から起立して設けられ、前記球通路を規定するレール部(外レール102)を備え、前記レール部と前記阻止手段との隙間寸法は、遊技球の直径の2倍よりも大きくなっていることを特徴とする特徴A33に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A36.前記阻止手段には、当該阻止手段に到達した遊技球を前記球受け部から遠ざかる側へ案内する機能が付与されていることを特徴とする特徴A33乃至特徴A35のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A36によれば、阻止手段に到達した遊技球が再度球受け部側に移動することを回避できる。これにより、当該遊技球に押される等して可動体が所定方向に回動することを抑制し、規制手段本来の規制機能の低下を好適に抑制できる。
特徴A37.前記球通路から前記遊技領域において前記所定領域とは異なる領域へ遊技球が流入可能な流入部を有し、
前記阻止手段は、当該阻止手段に到達した遊技球を前記流入部へ案内するように構成されていることを特徴とする特徴A33乃至特徴A36のいずれか1つに記載の遊技機。
規制手段を上手く通過できなかった遊技球については、流入部を通じて規制手段から遠ざけられることとなる。これにより、当該遊技球が後続の遊技球の規制手段の通過を妨げる要因となることを好適に抑制することができる。
特徴A38.前記阻止手段は前記遊技盤の前面に沿って起立し、前記延出部を囲むように形成されており、当該阻止手段によって前記所定領域側からの前記延出部への遊技球の当たりが妨げられていることを特徴とする特徴A33乃至特徴A37のいずれか1つに記載の遊技機。
規制手段(可動体)が延出部を有している場合には、当該延出部に遊技球が所定領域側から当たることで、規制手段(可動体)が規制状態から許容状態に切り替わる可能性がある。遊技球が規制手段を通過するタイミング以外でも許容状態に切り替わる場合には、規制手段本来の機能が低下する要因となるが、本特徴に示すように規制手段を囲むようにして阻止手段を設けることによりそのような不都合の発生を好適に抑制できる。
また、阻止手段を略環状に形成することにより、遊技球の衝突等に起因して発生する応力を好適に分散させることができ、阻止手段の耐久性の担保に貢献できる。
特徴A39.前記延出部は、前記可動体の重心位置が当該可動体の回動中心部よりも前記延出部寄りとなるように形成されており、
前記阻止手段が前記許容状態となった場合には、前記可動体が自身の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする特徴A33乃至特徴A38のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A39によれば、可動体が球受け部への遊技球の衝突によって規制状態→許容状態に切り替わった後は、可動体の自重によって許容状態→規制状態に復帰することとなる。このような構成とすることにより、規制手段の繰り返しの動作に伴う劣化等の影響を小さくできる。但し、このような延出部の存在は上記効果を発揮する上では好ましい構成であるものの、許容状態/阻止状態への切り替えを強制的に実行する構成ではなく且つ遊技球が延出部に当たることで意図せぬ方向へ可動体が回動する要因となり得る。
そこで、本特徴に示す規制手段に特徴A33等に示した技術的思想を適用することにより、延出部を有することによるデメリットを払拭し、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、上記各特徴に示した「回動中心部から特定方向に延出し」の構成については、例えば遊技盤の前面に沿う方向に延出する構成(回動中心部から放射方向に延出する構成)とすることも可能である。
以下の各B〜G群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者により発射操作が行われた場合に遊技球を発射する遊技球発射手段と、発射された遊技球を遊技領域へ導く球通路とを備えているものがある。仮に遊技領域に到達した遊技球等が球通路へ逆戻りすると当該遊技球が後続の遊技球の遊技領域への到達を妨げる要因になり得る。そこで、球通路の出口部分には、当該球通路から遊技領域への遊技球の流入を許容する一方、遊技領域から球通路への遊技球の流入等の戻り球の発生を抑制する構成が配設されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、上述した戻り球の抑制に係る構成については未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制部(例えば可動体601)を有する規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)と
を備え、
前記規制手段は、前記遊技盤の厚さ方向に前記規制部が変位することにより当該規制部による規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態と当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態とに切り替わるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。
ここで、規制手段によって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該規制手段を構成する規制部や規制部に付随する他の構成の存在が遊技領域を圧迫する要因になり得る。本特徴に示す構成においては、規制部が遊技盤の厚さ方向(例えば遊技機における前後方向)に変位することにより規制手段が許容状態/規制状態に切り替る構成とした。これにより、規制手段の占有領域の拡がりを抑え、上述した遊技領域の圧迫を抑制することができる。また、規制部が遊技盤の厚さ方向に変位する構成とすることは、規制部の動きを目立ちにくくする上でも有利である。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106,106A〜106V)とを備え、前記規制手段は、前記遊技領域の前壁面及び後壁面の何れかを構成する壁部(例えばガラスパネル23)と対峙して設けられた可動体(例えば可動体601)を有し、前記可動体及び前記壁部の距離の変化に基づいて遊技球が通過可能となる許容状態と遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B2.前記遊技盤を遊技機前方から覆うようにして設けられた扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル23)を通じて前記遊技領域が視認可能となっている遊技機であって、
前記規制部は、前記遊技盤に配設されており、
前記規制手段は、前記規制部が前記パネル部に近づくことで前記規制状態となり、前記規制部が前記パネル部から遠ざかることで前記許容状態となるように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、可動体が遊技球の通過領域よりも後側に位置することとる。これにより、可動体が遊技球の視認を妨げる要因になることを回避して、球戻りの規制による恩恵や特徴B1に示した効果を享受しつつそれに起因した遊技球の視認性の低下を好適に抑制することができる。
特徴B3.前記規制部は、前記遊技盤の前面と交差するようにして変位するように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
規制部が遊技盤の前面と交差するようにして変位する構成においては、遊技盤の厚さを利用して当該規制部の動作領域が確保されることとなる。このようにして動作領域を確保することにより、動作領域が遊技盤の面拡がり方向にて嵩むことを抑制することができる。これにより、特徴B1等に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、遊技盤側で動作領域を確保することには、動作領域の確保による影響がパネル部と遊技盤前面との関係に及ぶことを回避して周辺構造の複雑化を極力抑えることができるという技術的意義がある。
特徴B4.前記規制手段は、当該規制手段が前記規制状態となっている場合には、前記遊技盤の前面に対する前記規制部の突出が回避されるように構成されていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、規制状態においては規制部が遊技盤の前面に対して後退した位置に配置される。このようにして規制部の突出を抑えることにより、規制手段を通過する際に、遊技球の挙動の乱れを抑えることができる。これは、遊技領域へ向けた遊技球の動きの安定化を図る上で有利である。こにより、例えば遊技球とパネル部との接触を回避してパネル部の保護や打音の軽減等に貢献できる。
なお、本特徴を「前記規制手段は、当該規制手段が前記規制状態となっている場合には、前記遊技盤の前面に対する前記規制部の突出が回避され且つ前記遊技盤の前面及び前記規制部により遊技機正面において遊技球の通過領域の奥壁面が形成されるように構成されていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴B5.前記規制手段は、前記規制部を保持する保持部(ホルダ611)を有し、
前記遊技盤には、当該遊技盤の前面側に開放され、前記保持部を収容する収容部(例えば開口部85)が形成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、規制部の保持に係る構成を遊技盤に埋設することにより、当該保持に係る構成(保持部)が遊技領域を圧迫する要因になることを抑制できる。なお、保持部を遊技盤に埋設することは、遊技盤の見栄えの向上を図る上で有利である。
特徴B6.前記規制手段が前記規制状態となっている場合には、前記規制部によって前記収容部の開放部(長孔85K)の少なくとも一部が覆われることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B5に示したように遊技盤に規制手段を埋設する構成によれば、遊技盤の前面に陥欠部分(開放部)が生じることとなる。このような陥欠部分の存在は遊技球の挙動の乱れの要因になり得る。そこで、例えば規制部によってこのような陥欠部分を補完することにより、特徴B5に示した効果を享受しつつ、それに起因した遊技球の挙動の乱れを抑制することができる。
特徴B7.前記規制手段が遊技球の通過に応じて前記規制状態から前記許容状態に切り替わった場合に、前記規制手段を前記規制状態に復帰させる復帰手段(例えばリンク機構)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、規制手段を規制状態に復帰させることにより、遊技領域から球通路への遊技球の戻りを好適に抑制することができる。
特徴B8.前記復帰手段は、前記規制位置を通過した遊技球が所定位置に到達した場合に当該遊技球が当たる球受け部(右側可動体601bの球受け面部604b)と、当該球受け部に加わった押圧力を前記規制部に伝える伝達部(例えばアーム部607)とを有し、当該押圧力によって前記規制手段を前記規制状態に復帰させるように構成されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、規制位置を通過した遊技球がその先で球受け部に当たる。この際、球受け部に加わった押圧力を規制部に伝えることで規制手段を規制状態に戻す構成とすることにより、次に発射される遊技球への準備がなされる。遊技球の動きを利用して規制手段を駆動させる上では、例えば遊技盤の厚さ方向にて遊技球を規制部から遠ざけるような反力が発生することとなる。これは遊技球の挙動の乱れの要因になり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、復帰の契機を規制手段の規制状態→許容状態への切替とは別に設けることで遊技球が規制位置を通過する際に規制部から受ける反力を小さくすることができる。これにより、遊技球の動きを安定化に貢献できる。なお、規制位置付近での遊技球の挙動の乱れを抑えることが可能となれば、規制手段保護や機能担保を実現する上でも有利である。
また、バネ等の付勢手段を動力源として用いることなく規制状態への復帰を実現できるため、バネの弾性力のばらつき(個体差や経時劣化等)の影響を加味する必要がなくなる。これにより、上述した反力の軽減を一層好適に実現できる。
特徴B9.前記復帰手段の前記球受け部は、前記球通路の出口部分(出口部分105)に対して前記規制手段とは反対に位置するようにして当該規制手段と並設されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技球の通過に伴って規制手段を規制状態→許容状態→規制状態の切り替える際の応答性を好適に向上することができる。
なお、遊技球が周期的に発射される点に鑑みれば、規制手段(規制部)と球受け部との離間距離については、規制位置を通過した遊技球が球受け部を通過するまでに要する期間が、発射された遊技球が球受け部に到達するのに要する期間よりも短くなるように設定することが好ましい。
特徴B10.前記球受け面部は、前記規制位置を通過した遊技球の移動経路上に位置し当該遊技球が当たる待機位置(例えば最大突出位置)と前記移動経路から離れた退避位置とに変位可能となっており、
前記伝達部は、前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わる場合の前記規制部の変位に基づいて前記球受け部を前記退避位置から前記待機位置に変位させるように構成されていることを特徴とする特徴B8又は特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、球受け部を必要に応じて待機位置に配置させることができるため、球受け部の存在によって遊技領域が圧迫されることを抑制することができる。また、規制手段(規制部)と球受け部とが相互補完の関係となることにより、球受け部を待機位置に配置するための動力源を別途設ける必要がなくなる。これにより、構成の簡素化を実現することができる。
特徴B11.前記規制部は板状をなしており、その一方の板面が前記球通路からの遊技球が当たる受け面部(球受け面部604a)として機能する構成となっており、
前記規制手段は、前記規制部において前記受け面部とは反対側の板面に設けられ、当該板面から起立する起立部(ベース部602aの回動先端部606a)を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11に示すように、規制部が板状をなしている場合には、当該規制部の変位によって規制部とその配設対象との間に隙間が生じる可能性がある。仮にこの隙間に先行する遊技球が入り込んでしまうと、後続の遊技球が到達した場合の規制部(規制手段)の変位が妨げられる可能性が生じる。このような事情に配慮した場合には、例えば規制部の変位量を小さくしたり、規制部の厚さを大きくしたりすることも可能である。但し、このような対策を講じた場合には、規制状態/許容状態の切り替えを行う際の応答性に係る新たな課題が生じる。この点、本特徴に示すように、起立部を設ける構成とすれば、当該起立部を上記隙間への遊技球の入り込みを阻止する阻止手段として機能させることができる。これにより、上述した新たな課題等の発生を抑え、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴B12.前記規制手段は、前記規制部が回動することで前記許容状態及び前記規制状態に切り替わる構成となっており、
前記起立部は、前記規制部の回動中心を中心とする円弧状をなしていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、先行する遊技球が起立部に当たった場合であっても、それに起因して発生する応力が規制部の回動を促すように作用することを抑制することができる。これにより、起立部の存在が規制部の動作に係る応答性の低下等の要因になることを好適に回避することができる。
なお、規制部及び起立部によって可動体を構成する場合には、当該起立部が規制部の回動中心部から放射方向に拡がる板状をなす構成とし、当該起立部が回動可能に保持される構成とすることにより、起立部によって規制部の補強を図りつつ、それに起因した可動体の重量増を抑えることができる。これにより、許容状態/規制状態の切り替えを行う際の応答性の担保や遊技球の衝突に起因して発生する抗力の軽減に貢献できる。
特徴B13.前記遊技盤を遊技機前方から覆うようにして設けられた扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル23)を通じて前記遊技領域が視認可能となっている遊技機であって、
前記規制部が前記遊技盤及び前記パネル部のうち前記パネル部寄りとなる位置に配設されており、前記規制手段は前記規制部の変位によって当該規制部と前記遊技盤との距離が相対的に大きくなることで前記許容状態となり、当該規制部と前記遊技盤との距離が相対的に小さくなることで前記規制状態となるように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、遊技球が規制部に当たった場合に当該遊技球に働く反力によって遊技球が遊技盤側に押し付けられることとなる。これにより、遊技盤からの遊技球の浮き上がりを抑制して、遊技球の挙動の乱れを抑えることが可能となる。
特徴B14.前記遊技盤には、前記球通路を構成する誘導レール(誘導レール100)が配設されており、
前記誘導レールには、前記規制部を保持する保持部(ホルダ311G)が設けられていることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
誘導レールに規制部用の保持部を設けることにより、特徴B13に示し技術的思想を具現化する上で保持部が遊技領域を圧迫する要因となることを好適に抑制できる。
なお、上記特徴B2等に示した技術的思想を特徴B13又は特徴B14に適用してもよい。
<特徴C群>
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば球戻り防止機構106K〜106V)と
を備え、
前記規制手段は、
第1可動体(左側可動体601a)を有し、当該第1可動体が変位することにより第1規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該第1規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる第1規制部(左側防止装置106aK〜106aV)と、
前記球通路の延長上となる位置に前記第1可動体と並べて設けられた第2可動体(右側可動体601b)を有し、当該第2可動体が変位することにより第2規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該第2規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる第2規制部(右側防止装置106bK〜106bV)と、
前記第1可動体及び前記第2可動体の一方の変位に基づいて他方を変位させることにより、前記第1規制部及び前記第2規制部の状態を切り替える切替手段(リンク機構)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C1に示すように可動体の動きによって規制状態/許容状態の切り替えが行われるタイプの規制手段については、可動体の先行する遊技球が可動体に干渉する等した場合に、後続の遊技球の通過に伴う可動体の変位が妨げられる可能性がある。この点、本特徴に示すように球通路の延長上に位置する第1規制部及び第2規制部を併用する構成とすれば、例えば第2規制部を第1規制部用の防壁として利用することができ、上述したような妨げの発生を抑制することができる。
また、許容状態/規制状態に切替可能な構成においては、規制状態においては球戻りを好適に回避することができるものの、許容状態となった場合には逆戻りが発生する可能性を否定できない。この点、切替手段によって2つの可動体を連動させる構成によれば、例えば一方が許容状態となっている場合には他方を規制状態とするといった連携が可能となる。このように相互に弱点を補い合うことが可能となれば、球戻りの規制機能の更なる向上に貢献できる。
特徴C2.前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記第1規制部が前記第2規制部よりも前記球通路の出口部分寄りとなるようにして配置されており、
前記切替手段は、前記第1規制部が許容状態となる場合に前記第2規制部を規制状態とする手段を有していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、2つの規制部のうち出口部分に対して遠い側の第2規制部については第1規制位置(第1規制部)を遊技球が通過する場合に規制状態となる。このような構成とすれば、第2規制部が無駄に規制状態に維持されることを回避することができる。例えば、規制状態となることで遊技盤の前面側での占有領域が増すタイプの規制部においては、当該規制部の存在によって遊技領域が圧迫される機会を好適に減らすことができる。
特徴C3.前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記第1規制部が前記第2規制部よりも前記球通路の出口部分(出口部分105)寄りとなるようにして配置されており、
前記切替手段は、前記第2規制部が許容状態となる場合に前記第1規制部を規制状態とする手段を有していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第2規制位置の遊技球の通過に対応して第2規制部が許容状態となる場合に、第1規制部が規制状態となるため、遊技領域から球通路へ向けた遊技球の移動が第1規制部によって妨げられることとなる。これにより、球戻り規制機能を好適に担保することができる。
また、第2規制部が許容状態となる前に第1規制部を規制状態に復帰させておくことで、第2規制位置を上手く通過できなかった遊技球等が第1規制位置を素通りして球通路に戻ることを好適に抑制することができる。
なお、特徴C2との組み合わせにおいては特に、遊技球が第1規制位置→第2規制位置の順に通過することで、第1規制手段が規制状態に復帰することとなる。これにより、次の遊技球の到達に備えることができ、繰り返しの遊技球の発射に対応可能となる。このように、遊技球の発射の都度、両規制手段が元の状態に復帰する構成とすることにより、規制手段の通過に伴う遊技球の移動速度低下にばらつきが生じることを好適に抑制できる。
特徴C4.前記規制手段は、前記第1規制部が許容状態となっている場合には前記第2規制部が規制状態となり、前記第2規制部が許容状態となっている場合には前記第1規制部が規制状態となるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4に示すように第1規制部及び第2規制部を併用して一方が許容状態となっている場合には他方によって球戻りを規制する構成(相互補完を行う構成)とすれば、上述した球戻りの発生を好適に規制することができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記切替手段は、前記第1規制部の状態と前記第2規制部の状態とが逆の関係となるようにして前記第1可動体及び前記第2可動体を変位させるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
また、「前記切替手段は、前記第1規制部及び前記第2規制部のうち一方が遊技球の通過に伴って阻止状態、許容状態、阻止状態の順に切り替わり、前記第1規制部及び前記第2規制部のうち他方が遊技球の通過に伴って許容状態、阻止状態、許容状態の順に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C5.前記規制手段は、前記第1規制部及び前記第2規制部の状態が切り替わる過程にて少なくとも一方が規制状態となるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C5によれば、第1規制部が規制状態となっている期間と第2規制部が規制状態となっている期間とを重複させることができる。これにより、上述した相互補完機能を好適に強化することができる。また、球戻り規制機能を担保する上で製造ばらつきや動作ばらつきを好適に許容することが可能となり、規制手段の利用促進に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記切替手段は、前記第1規制部及び前記第2規制部の一方が規制状態から許容状態となる前に他方が規制状態となるようにしてそれら第1規制部及び第2規制部の切り替えを行うことを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C6.前記第1可動体は前記第1規制位置の遊技球の通過に伴って変位し、前記第2可動体は前記第2規制位置の遊技球の通過に伴って変位する構成となっており、
前記切替手段は、前記第1可動体の変位に基づいて前記第1規制部が規制状態から許容状態に切り替わる場合に当該第1可動体の変位に基づいて前記第2可動体を変位させることで前記第2規制部を許容状態から規制状態に切り替え、前記第2可動体の変位に基づいて前記第2規制部が規制状態から許容状態に切り替わる場合に当該第2可動体の変位に基づいて前記第1可動体を変位させることで前記第1規制部を許容状態から規制状態に切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1規制部と第2規制部とが交互に規制状態(許容状態)に切り替わることとなる。このように、第1可動体と第2可動体との動きに関連性を付与することにより、規制手段の動作の安定化に寄与できる。
特徴C7.前記第1可動体は、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第1球受け部(球受け面部604a)を有し、
前記第2可動体は、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる第2球受け部(球受け面部604b)を有し、
前記切替手段は、前記第1球受け部が遊技球に押されて前記第1可動体が変位する場合にその押圧力を前記第2可動体に伝えることで当該第2可動体の変位を促し、前記2球受け部が遊技球に押されて前記第2可動体が変位する場合にその押圧力を前記第1可動体に伝えることで当該第1可動体の変位を促すように構成されていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技球による押圧力を利用して、2つの規制部を交互に規制状態(許容状態)とすることができる。このように、規制部の状態切替用の駆動力を発生させる駆動手段等が不要であるため規制手段に係る構成の簡素化に貢献できる。
また、一般的に遊技球の発射速度が調整可能である点に鑑みても、上記2つの規制部の状態切替速度が遊技球の発射速度に比例することとなり、速度調整機能への追従性を簡易な構成によって担保することができる。
特徴C8.前記第1可動体及び前記第2可動体は回動可能に保持されており、
前記切替手段は、前記第1可動体と前記第2可動体との相対変位を許容した状態で連結する連結機構を有し、
前記連結機構による前記第1可動体及び前記第2可動体の連結箇所が前記第1可動体の回動中心と前記第2可動体の回動中心との間を跨ぐようにして変位するように構成されていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C7に示したように遊技球の運動エネルギを規制部の状態切替に転用する構成においては、規制手段を通過することで遊技球の運動エネルギが減少して、遊技球の移動速度が低下することとなる。このような速度低下が大きくなることは、狙った位置への遊技球を到達させることを困難にする要因になり得る。ここで、本特徴に示す構成によれば、連結箇所が2つの回動中心を繋ぐ仮想平面を横切るようにして移動する構成とすることで、伝達効率を向上させることができる。また、可動体を変位する際の抗力を軽減することで、可動体から遊技球に加わる反力を抑え、遊技球の挙動の乱れを抑制することもできる。以上の理由から、遊技球の移動速度の低下及び挙動の乱れを好適に抑制できる。
特徴C9.前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記第1規制部が前記第2規制部よりも前記球通路の出口部分寄りとなるようにして配置されており、
前記第1可動体及び前記第2可動体は回動可能に保持されており、
前記切替手段は、前記第1可動体と前記第2可動体とを相対変位を許容した状態で連結する連結機構を有し、
前記連結機構は、前記第1可動体に設けられた第1連結部(リンク溝609a)と、前記第2可動体に設けられた第2連結部(アーム部607b等)とを有してなり、
前記第2連結部は、前記第2可動体から前記第1可動体に延びており、その先端部分が前記第1球受け部において前記球通路からの遊技球が当たる部分とは反対側となる部分に対峙するように形成されていることを特徴とする特徴C7又は特徴C8に記載の遊技機。
特徴C1に示したように第1可動体と第2可動体とを連動させる構成においては、一方の動きが妨げられてしまった場合にはその影響が他方にも及ぶこととなる。故に、規制手段全体で動作を担保する上では、一方の動きが他方によって妨げられないように留意する必要が生じる。例えば上述したように回動式の可動体を有する構成においては、その動作領域に遊技球が入り込むことにより回動が妨げられる可能性がある。この点、本特徴に示すように第2連結部を用いて第1可動体に対する遊技球の入り込みを抑制する構成とすれば、先行する遊技球によって第1可動体ひいては後続の遊技球の動きが妨げられることを抑制することができる。
特徴C10.前記2可動体における回動先端部分(回動先端部606b)は、当該第2可動体の回動中心を中心とする弧状をなしていることを特徴とする特徴C8又は特徴C9に記載の遊技機。
特徴C1に示したように第1可動体と第2可動体とを連動させる構成においては、一方の動きが妨げられてしまった場合にはその影響が他方にも及ぶこととなる。故に、規制手段全体で動作を担保する上では、一方の動きが他方によって妨げられないように留意する必要が生じる。特に、第2可動体は遊技領域側への露出部分が広くなり得るため、先行する遊技球が接触する機会が多くなると想定される。仮に、第2可動体の動きが先行する遊技球によって妨げられてしまうと、当該第2可動体の存在が規制手段の状態切替を妨げる阻害要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、第2可動体(回動先端部分)に対して遊技球の案内先から遊技球が当たった場合には、押圧力が第2可動体の回動中心へと伝わることとなり、当該押圧力が第2可動体を回動させるように作用することを回避できる。これにより、先行する遊技球が第2可動体に衝突したとしてもそれが第2可動体の回動を妨げる要因となることを抑制できるだけでなく、それが第1可動体の回動を妨げる要因になることも抑制することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を「第1可動体」に適用することも可能である。この場合、「前記1可動体における回動先端部分は、当該第1可動体の回動中心を中心とする弧状をなす」構成をすればよい。
特徴C11.前記第1可動体及び前記第2可動体の回動方向は、姿勢の変化によってそれら第1可動体及び第2可動体の前記遊技盤の前面からの突出量が変化する方向となるように規定されていることを特徴とする特徴C8乃至特徴C10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C11によれば、重力等の影響を抑えることができる。これにより、可動体を変位させる際に必要な押圧力の偏りを減らすことができる。必要となる押圧力の最大値を引き下げが可能となれば、各可動体に遊技球が衝突した際の遊技球の挙動の乱れを好適に抑制することができる。
特徴C12.前記第1球受け部は、前記第1規制部が規制状態となっている場合に、前記遊技盤の前面に対する傾きが前記第1可動体の回動基端側となる部分よりも回動先端側となる部分の方が大きくなるようにして形成され、
前記第2球受け部は、前記第2規制部が規制状態となっている場合に、前記遊技盤の前面に対する傾きが前記第1可動体の回動基端側となる部分よりも回動先端側となる部分の方が大きくなるようにして形成されていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C8等に示した連結機構によって遊技球による押圧力を他の可動体の動力に変換する構成においては、抗力が大きくなることで遊技球の挙動が乱れやすくなると想定される。特に、遊技盤からの突出量が変化する構成においては、遊技盤の前面から遊技球が浮き上がることにより、遊技球と遊技盤を覆うパネル部(ガラスパネル23)との干渉が発生しやすくなる。この点、本特徴に示す構成においては、遊技球が球受け部に当たった初期のタイミングでは接触面の傾斜角度が小さくなっているため、抗力を軽減するとができる。これに対して、ある程度回動が進んだ後は、可動体に慣性力が働くため比較的小さな押圧力によって可動体を動作させることができる。そこで、球受け部の接触面の傾斜角度が大きくして可動体の回動を促進したとしてもそれによって抗力が過剰になることを抑制できる。これにより、遊技球の挙動の乱れを抑えつつ、回動時の姿勢変化の効率を高めることが可能となる。
特徴C13.前記第1可動体と前記第2可動体とが相互に離間していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C13によれば、第1規制位置と第2規制位置とに跨るようにして遊技球が存在することを回避することができる。このため、簡易な切替手段(リンク構造等)によって2つの可動体の連動を実現したとしても、一方の可動体の変位が終了する前のタイミングで他方の可動体の逆向きの変位が開始される等して、切替手段に生じる負荷が過剰になることを抑制することができる。このようにして切替手段の保護を図ることにより、規制手段の耐久性向上に寄与できる。
特徴C14.前記第1可動体と前記第2可動体との隙間は、当該隙間を通じて前記規制手段から排出された遊技球が前記遊技領域へ流入可能となるように形成されていることを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
2つの規制部を併用した場合であっても、先行する遊技球等によって後続の遊技球の動きが妨げられる可能性を否定できない。例えば、第1規制位置及び第2規制位置の一方を通過した遊技球が他方を通過できなかった場合に、当該遊技球が規制手段に残ってしまうと、この遊技球が後に規制手段に到達した遊技球の移動を妨げる障害となり得る。この点、2つの可動体の隙間を通じて遊技球が排出され得る構成とすれば、上述したような事象の発生を好適に抑えることができる。
特徴C15.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106K〜106V)と
を備え、
前記規制手段は、
第1可動体(左側可動体601a)を有し、当該第1可動体が変位することにより第1規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該第1規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる第1規制部(左側防止装置106aK〜106aV)と、
前記球通路の延長上となる位置に前記第1可動体と並べて設けられた第2可動体(右側可動体601b)を有し、当該第2可動体が変位することにより第2規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該第2規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる第2規制部(右側防止装置106bK〜106bV)と、
前記第1規制部及び前記第2規制部から離れた所定箇所を遊技球が通過すること又は前記所定箇所に遊技球が到達することに基づいて前記第1規制部及び前記第2規制部の状態を切り替える切替手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C15に示すように可動体の動きによって規制状態/許容状態の切り替えが行われるタイプの規制手段については、可動体の先行する遊技球が可動体に干渉する等した場合に、後続の遊技球の通過に伴う可動体の変位が妨げられる可能性がある。この点、本特徴に示すように球通路の延長上に位置する第1規制部及び第2規制部を併用する構成とすれば、例えば第2規制部を第1規制部用の防壁として利用することができ、上述したような妨げの発生を抑制することができる。
第1規制部及び第2規制部から離れた所定箇所を遊技球が通過すること又は所定箇所に遊技球が到達することに基づいて両規制部の状態が切り替わる構成とすることにより、次の遊技球の通過前の準備が整うこととなる。
例えば、切替手段をリンク機構等によって構成している場合には、遊技球の運動エネルギが動力源となる。このような構成においては、少なからず遊技球の挙動に乱れが生じ得る。そこで、所定箇所を規制部から離して設けることにより、規制部を通過する際に生じる遊技球の挙動の乱れを極力小さく抑えることが可能となる。
また、切替手段をセンサや駆動部によって構成している場合には、検知→切替動作を行う際の動作精度の担保が必要になり得る。センサを規制部とは離して設けることにより、切替部周辺にてセンサの配設領域を確保する必要がなくなる。また、規制部周辺では遊技球の挙動が複雑になる可能性がある。検知すべきではないタイミングにて遊技球を検知してしまっては規制手段の復帰が意図せず復帰することになる。このような事情に配慮しても、敢えて所定箇所を規制手段から離して設けることには技術的意義がある。
なお、許容状態/規制状態に切替可能な構成においては、規制状態においては球戻りを好適に回避することができるものの、許容状態となった場合には逆戻りが発生する可能性を否定できない。この点、切替手段によって2つの可動体を連動させる構成によれば、例えば一方が許容状態となっている場合には他方を規制状態とするといった連携が可能となる。このように相互に弱点を補い合うことが可能となれば、球戻りの規制機能の更なる向上に貢献できる。
特徴C16.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106K〜106V)と
を備え、
前記規制手段は、
第1可動体(左側可動体601a)を有し、当該第1可動体が変位することにより第1規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該第1規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる第1規制部(左側防止装置106aK〜106aV)と、
前記球通路の延長上となる位置に前記第1可動体と並べて設けられた第2可動体(右側可動体601b)を有し、当該第2可動体が変位することにより第2規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該第2規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わる第2規制部(右側防止装置106bK〜106bV)と、
当該規制手段を通過する遊技球、当該遊技球に対して先行する遊技球又は後続の遊技球が所定箇所を通過すること又は所定箇所に到達することに基づいて前記第1規制部及び前記第2規制部の状態を切り替える切替手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C16に示すように可動体の動きによって規制状態/許容状態の切り替えが行われるタイプの規制手段については、可動体の先行する遊技球が可動体に干渉する等した場合に、後続の遊技球の通過に伴う可動体の変位が妨げられる可能性がある。この点、本特徴に示すように球通路の延長上に位置する第1規制部及び第2規制部を併用する構成とすれば、例えば第2規制部を第1規制部用の防壁として利用することができ、上述したような妨げの発生を抑制することができる。
第1規制部及び第2規制部を通過する遊技球(該当遊技球)、該当遊技球に対して先行する遊技球又は後続の遊技球が所定箇所を通過すること又は所定箇所に到達することに基づいて両規制部の状態が切り替わる構成とすることにより、次の遊技球の通過前の準備が整うこととなる。
許容状態/規制状態に切替可能な構成においては、規制状態においては球戻りを好適に回避することができるものの、許容状態となった場合には逆戻りが発生する可能性を否定できない。この点、切替手段によって2つの可動体を連動させる構成によれば、例えば一方が許容状態となっている場合には他方を規制状態とするといった連携が可能となる。このように相互に弱点を補い合うことが可能となれば、球戻りの規制機能の更なる向上に貢献できる。
特に、該当遊技球に対して先行する遊技球や後続の遊技球を利用して、両規制部の状態を切り替える構成とすることにより、切替タイミングの多様化や該当遊技球の負担軽減に貢献することができる。
なお、先行する又は後続の遊技球については、応答性に配慮した場合に1つ前又は1つ後にすることが好ましい。但し、遊技球の発射間隔や発射速度更には遊技球発射手段と規制手段との距離等によっては、2つ前又は2つ後の遊技球を対象としてもよいし、3つ以上前又は3つ以上後の遊技球を対象としてもよい。
特徴C17.前記所定箇所は、前記遊技球発射手段により発射された遊技球の移動経路にて前記規制手段よりも下流側となる部分に設けられており、
前記切替手段は、前記規制手段を通過する遊技球の1つ前に当該規制手段を通過した遊技球が前記所定箇所を通過した場合又は当該所定箇所に到達した場合に前記切り替えを行うように構成されていることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特徴C17によれば、遊技領域に到達した遊技球が当該遊技領域における所定箇所に到達又は通過することで切替手段の状態が切り替わる。上述したように、該当遊技球自体が規制手段を切り替える動力源として機能する場合には、先の動作を遊技領域に到達する前に行い、後の動作を遊技領域に到達した後に行う構成とすることにより、遊技球の勢いが一か所にて急速に弱まるといった不都合の発生を好適に抑制することができる。
また、先の遊技球によって後の遊技球の通過後の後処理を行う構成とすることにより、応答性の向上を図り、規制部の元の状態への戻りの遅れによって規制機能が上手く発揮されなく期間が生じることを好適に抑制できる。
特徴C18.前記所定箇所は、前記遊技球発射手段により発射された遊技球の移動経路にて前記規制手段よりも上流側となる部分に設けられており、
前記切替手段は、前記規制手段を通過する遊技球の1つ後に当該規制手段を通過する遊技球が前記所定箇所を通過した場合又は当該所定箇所に到達した場合に前記切り替えを行うように構成されていることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特徴C18によれば、遊技領域に到達する前の後続の遊技球が所定箇所に到達又は通過することで切替手段の状態が切り替わる。上述したように、該当遊技球自体が規制手段を切り替える動力源として機能する場合には、先の動作を規制部に到達する前に行い、後の動作を規制部に到達した際に行う構成とすることにより、遊技球の勢いが一か所にて急速に弱まるといった不都合の発生を好適に抑制することができる。
また、後の遊技球によって先の遊技球の通過後の後処理を行う構成とすることにより、応答性の向上を図り、規制部の元の状態への戻りの遅れによって規制機能が上手く発揮されなく期間が生じることを好適に抑制できる。特に、遊技領域に到達する前の遊技球についてはその挙動が比較的安定している。故に、このような遊技球を利用して状態復帰を行うことには規制手段の動作安定性の向上を実現する上で技術的意義がある。そして、後続の遊技球自身が規制部に到達する前のタイミングで上記切り替えが完了する構成とすれば、規制部における遊技球の通過準備が通過前の遊技球自身によって実行されることとなり、遊技球の通過時に規制部の準備が遅れることを好適に回避することができる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば防止装置106aG,106aK〜106aV)と
を備え、
前記規制手段は、前記球通路の出口部分における遊技球の通過を許容する許容状態と当該出口部分における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能な可動体(例えば可動体301G,601,601L〜601V)を有し、
前記球通路には、前記可動体が前記許容状態及び前記規制状態に切り替わる場合の動作領域としての機能が付与されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化に寄与できる。但し、規制手段によって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該規制手段を構成する可動体や当該可動体に付随する他の構成の存在が遊技領域を圧迫する要因になり得る。
この点、本特徴に示す構成においては球通路に可動体の動作領域としての機能が付与されている。これにより、遊技領域における規制手段の占有領域の拡がりを抑え、当該規制手段による遊技領域の圧迫を緩和することができる。故に、例えば球通路の出口部分付近における遊技釘等の遊技部品の配置に係る自由度の向上(配置に係る制約の軽減)に貢献することができる。
特徴D2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば防止装置106aG,106aK〜106aV)と
を備え、
前記規制手段は、前記球通路の出口部分における遊技球の通過を許容する許容状態と当該出口部分における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能な可動体(例えば可動体301G,601,601L〜601V)を有し、前記可動体が前記球通路に位置するようにして配設されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化に寄与できる。但し、規制手段によって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該規制手段を構成する可動体や当該可動体に付随する他の構成の存在が遊技領域を圧迫する要因になり得る。
この点、本特徴に示す構成においては可動体が球通路に位置することとなり、出口部分から遊技領域側への突出が抑制されることとなる。これにより、遊技領域における規制手段の占有領域の拡がりを抑え、当該規制手段による遊技領域の圧迫を緩和することができる。故に、例えば球通路の出口部分付近における遊技釘等の遊技部品の配置に係る自由度の向上(配置に係る制約の軽減)に貢献することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば球戻り防止機構106,106A〜106N)とを備え、前記規制手段は、少なくともその一部が前記遊技盤にて前記球通路が形成されている部分に位置するようにして配設されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴D3.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば防止装置106aG,106aK〜106aV)と
を備え、
前記規制手段は、前記球通路の出口部分における遊技球の通過を許容する許容状態と、当該出口部分における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能な可動体(例えば可動体301G,601,601L〜601V)を有し、当該可動体が前記球通路の出口部分よりも当該球通路における上流側に位置するようにして配設されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球は、規制手段によって球通路への戻りが回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。但し、規制手段によって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該規制手段を構成する可動体や当該可動体に付随する他の構成の存在が遊技領域を圧迫する要因になり得る。
この点、本特徴に示す構成においては可動体が出口部分よりも上流側(球通路における上流側、遊技球発射手段側又は非遊技領域側)に位置することにより、出口部分から遊技領域側への突出が抑制されることとなる。これにより、遊技領域における規制手段の占有領域の拡がりを抑え、当該規制手段による遊技領域の圧迫を緩和することができる。故に、例えば球通路の出口部分付近における遊技釘等の遊技部品の配置に係る自由度の向上(配置に係る制約の軽減)に貢献することができる。
特徴D4.前記球通路の出口部分は、斜め上方に開放されており、
前記可動体は、前記規制状態となっている状況下にて当該可動体の一部が前記出口部分から前記遊技領域側へ突出するように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D4に示すように出口部分が斜め上方を向く構成においては、遊技球の勢いがあまり強くない場合に当該出口部分から流出した後に同出口部分へ戻ることを抑制する上で有利である。但し、このような構成では遊技領域から跳ね返った遊技球が出口部分に載った状態となる可能性が生じ、結果として後続の遊技球の発射の邪魔になる可能性を否定できない。そこで、規制状態となっている状況下にて可動体の一部を出口部分から遊技領域側に突出させる構成とすれば、遊技領域側から出口部分へと跳ね返った遊技球が出口部分(可動体及びレール部)に引っ掛かるようにして停留することを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成については「前記可動体は、前記球通路及び前記遊技領域に跨がるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴D5.前記遊技盤を遊技機前方から覆うようにして設けられた扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル23)を通じて前記遊技領域が視認可能となっている遊技機であって、
前記規制手段は、前記球通路における遊技球の通過領域を挟んで前記扉体と対峙するようにして前記遊技盤に配設されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
扉体の開閉機能に鑑みれば、規制手段を扉体側に配設することにより規制手段と球通路との位置関係のばらつきの影響によって上記規制機能が上手く発揮されなくなる可能性が高くなる。この点、本特徴に示すように、規制手段を遊技盤側に配設することにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。また、規制手段(可動体)については遊技球の通過領域の後方に位置し、当該可動体の前方を遊技球が通過する構成となる。このため、球通路に可動体の動作領域としての機能を付与する場合であって、当該可動体の存在が球通路を移動する遊技球の視認を妨げる要因となることを抑制できる。故に、遊技球の視認性の担保に貢献できる。
特徴D6.前記規制手段は、前記遊技盤に形成された収容部(例えば開口部85や長孔92)に収容されており、
前記可動体は、前記規制状態においては前記遊技盤の前面から前方に突出しており、その突出する位置から後退することにより前記許容状態となるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6によれば、球通路及び遊技盤の肉厚(厚さ)を利用して可動体の動作領域を確保することができる。これにより、動作領域の確保に起因した遊技領域等の圧迫を好適に抑制できる。例えば、遊技盤に上記収容部として凹部や開口部を形成し、当該収容部に規制手段を埋設する構成とすればよい。
特徴D7.前記遊技盤には、当該遊技盤の背面側から前記規制手段が挿通される挿通部(例えば開口部85や長孔92)が形成されており、
前記規制手段は、前記遊技盤に対して当該遊技盤の背面側から固定されており、
前記挿通部及び前記球通路に跨るようにして前記可動体の動作領域が設けられていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7によれば、球通路及び遊技盤の肉厚(厚さ)を利用して可動体の動作領域を確保することにより、動作領域の確保に起因した遊技領域等の圧迫を好適に抑制できる。
球通路の背後に規制手段(ホルダ)を配設する構成においては、規制手段の固定に係る構成が球通路へ露出することで以下の不都合が生じる。つまり、この露出している部分に対して遊技球が接触した際に遊技球の挙動が乱れやすくなる。これは、円滑な遊技の妨げになり得る。この点、上述したように無駄な露出を抑える構成とすることにより、上記各種不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D8.前記可動体は、前記遊技盤の厚さ方向(例えば遊技機における前後方向)に変位することにより前記許容状態と前記規制状態とに切り替わるように構成されており、遊技球の通過に伴って前記許容状態となった場合には当該可動体の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする特徴D6又は特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8に示すように、遊技盤の厚さを利用して可動体の配置領域や動作領域を確保する構成とすれば、遊技領域の圧迫を利用しつつ可動体の占有領域(体積)を稼ぐことができる。これにより、可動体が遊技盤の厚さ方向(遊技機における前後方向)に変位する構成にて当該可動体の自重を利用して規制状態に復帰させる構成にて、可動体の応答性を好適に向上させることができる。
特徴D9.前記可動体は、前後での傾きが変化するようにして回動可能に軸支されており、
前記可動体が前記許容状態及び前記規制状態に切り替わる過程にて前記可動体の重心位置(重心位置GP)が通過する軌道は、当該可動体の回動中心部(回動中心軸線CL)に対して前側及び後側の何れか一方となるように構成されていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、特徴D8に示した技術的思想を好適に具現化できる。ここで、可動体を回動式とした場合には、その回動中心部と重心位置との位置関係によって規制状態への復帰に係る応答性が変化することとなる。具体的には、前後方向(遊技盤の厚さ方向)における回動中心部と重心位置との離れが大きくなることで、可動体の重みを上手く利用して、応答性の向上に寄与できる。しかしながら、回動中心と重心位置との離れを前提とした場合には、可動体の占有領域が大きくなると懸念される。そこで、特徴D6や特徴D7に示したように、遊技盤の厚さを利用して占有領域を担保する構成とすれば、上記応答性の向上によって遊技領域が圧迫されることを好適に抑制できる。
なお、可動体の回動中心部がその上端部に位置している場合には重心位置の軌道が回動中心部よりも後側となるように構成し、可動体の回動中心部がその下端部に位置している場合には重心位置の軌道が回動中心部よりも前側となるように構成するとよい。
特徴D10.前記規制手段は、前記可動体を保持するホルダ(ホルダ611,611L〜611V)を有し、
前記ホルダには、前記遊技盤の背面部に対向する対向部(取付ベース612,612L〜612V)が形成されており、この対向部が遊技盤に固定されることにより前記遊技盤と前記規制手段とが一体化されていることを特徴とする特徴D6乃至特徴D9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D10によれば、規制手段の固定に係る構成が遊技盤の背面側に配設されることとなる。これにより、当該固定に係る構成が遊技領域を圧迫する要因になることを抑制し、遊技領域に配設された遊技部品等と規制手段とを好適に共存させることができる。
また、球通路の背後に規制手段(ホルダ)を配設する構成においては、上記固定に係る構成が球通路へ露出することで以下の不都合が生じる。つまり、この露出している部分に対して遊技球が接触した際に遊技球の挙動が乱れやすくなる。これは、円滑な遊技の妨げになり得る。この点、上述したように無駄な露出を抑える構成とすることにより、上記各種不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴D11.前記遊技盤の前面から起立して設けられ、前記球通路を区画形成する一対のレール部(誘導レール100)を備え、
前記規制手段は、前記可動体を保持するホルダ(ホルダ611,611L〜611V)を有し、
前記ホルダは、前記レール部に対して遊技機後方から重なっていることを特徴とする特徴D6乃至特徴D10のいずれか1つに記載の遊技機。
そもそも上述した球通路については、当該球通路における球詰まり等を抑制すべく、その通路幅にある種の制約(例えば、遊技球の直径寸法 < 通路幅 <遊技球の直径寸法の1.5倍/2倍)が生じる。これは、規制手段の大きさや配置に係る制約を強める要因となり得る。ここで、本特徴に示すように、ホルダをレール部の背後に位置するようにして配置する構成によれば、上述した制約を緩和することができ、規制手段を効果的に機能させる上で配置や大きさ等の自由度の向上に寄与できる。
特徴D12.前記レール部は、前記遊技盤の外側に凸となるように湾曲する内レール(内レール101)及び外レール(外レール102)によって構成されており、
前記ホルダは、前記外レールに対して遊技機後方から重なっていることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
特徴D12に示すタイプの内レール及び外レールを有する遊技機においては、遊技球発射手段から発射された遊技球(球通路を通過する遊技球)は主として外レールに沿うように移動することとなる。このような構成においては、可動体を外レールに寄せて配置することにより、遊技球の通過に伴う可動体の動作の安定性等を好適に向上させることができる。ここで、本特徴に示すようにホルダを外レールに重なるように配置する構成とすれば、ホルダの存在が上述した可動体の配置を妨げる要因になることを抑制し、レール部との共存を図りつつも規制手段の機能向上に貢献できる。
特徴D13.前記可動体は、遊技球が当たる球受け部(球受け面部604)を有し、当該可動体が前記許容状態となることにより、前記球受け部が前記遊技盤の前面と同一平面上又は略同一平面上に位置するように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D13によれば、規制手段が許容状態となることで当該規制手段の球受け部によって遊技盤の前面とともに球通路の通路壁面が形成される。これにより、規制手段を通過する際の遊技球の挙動の乱れを抑制することができる。特に、遊技球が遊技盤の前面から浮き上がった場合にはパネル部(ガラスパネル23)との干渉が発生しやすくなるが、上記構成によって規制手段を通過する際の遊技球の浮き上がりの抑制することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
特徴D14.前記規制手段は、第1規制手段であり、
前記可動体は、第1可動体であり、
前記球通路の延長上となる所定の規制位置での遊技球の通過を許容する許容状態と当該所定の規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能な第2可動体を有する第2規制手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D14によれば、第1規制手段よりも遊技球の移動方向における先(下流側)に第2規制手段が配設されている。遊技領域に到達した遊技球が遊技釘等の遊技部品から跳ね返った場合であっても、第2規制手段が第1規制手段の防壁として機能する。これにより、第1可動体の動きが遊技領域に到達済みの遊技球によって妨げられることを抑制することができる。
また、2つの規制手段を併用することにより、許容状態となるタイミングをずらすことができる。これにより、例えば第1規制手段が許容状態となった隙に遊技球の逆戻りが発生することを抑制し、逆戻りを規制する機能の更なる強化に貢献できる。このような構成とする場合であっても、少なくとも一方(第1規制手段)についてはその動作領域が球通路に設けられているため、複数の規制手段の併用による占有領域の拡がりを軽減できる。
特徴D15.前記第2可動体の動作領域は、前記球通路の外側に設けられており、
前記第1可動体と前記第2可動体との間には、遊技球が通過可能な隙間が設けられていることを特徴とする特徴D14に記載の遊技機。
特徴D15によれば、仮に第2規制手段が上手く許容状態に切り替わらなかった場合であっても、第1規制手段を通過した遊技球は両可動体の間を通過して規制手段から離れることとなり、第2規制手段の動作不良等が後続の遊技球の移動の妨げになることを好適に抑制することができる。これにより、手段D14に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D16.前記第1可動体及び前記第2可動体は、前記遊技盤の厚さ方向(例えば遊技機における前後方向)に変位可能に保持されており、前記許容状態となった場合には前記第1可動体及び前記第2可動体の自重によって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴D14又は特徴D15に記載の遊技機。
特徴D14等に示したように、複数の規制手段(可動体)を併用する構成においては、それら規制手段の通過に伴って発生する抵抗が大きくなり、遊技球の勢いが大幅に弱まると懸念される。例えば、バネ等の付勢部材を利用しようとすれば、可動体の動作安定性を担保すべく付勢部材の製造ばらつきや経時劣化等に配慮する必要(付勢力の設定にマージンを加味する必要)が生じる。このような事情から付勢力を極端に小さくすることは品質管理上困難になる。この点、本特徴に示すように復帰機能が自重に依存する構成においては、成形ばらつき等によって重心位置のずれがそれほど大きくなるわけではないため、上述した製造ばらつきへの配慮を極力小さくすることができる。故に、規制状態への復帰を促す力に係るマージンを軽減することができる。これにより、遊技球への抵抗を小さくし、上述した発射された遊技球の到達位置に係る制限を緩和できる。
特徴D17.前記第1可動体及び前記第2可動体は、回動可能に保持されており、
前記第1可動体の回動基端部から回動先端部までの距離は、前記第2可動体の回動基端部から回動先端部までの距離よりも長くなっていることを特徴とする特徴D15又は特徴D16つに記載の遊技機。
遊技球の通過に伴って第1可動体及び第2可動体が規制状態から許容状態に切り替わる構成においては、遊技盤の前面に対する両可動体の傾きを小さくすることにより、遊技球への反力によって当該遊技球が遊技盤の厚さ方向に変位することを抑制できる。そこで、上流側(球通路における上流側又は遊技球発射手段側)に位置する第1可動体の全長を下流側に位置する第2可動体の全長よりも長くすることにより、突出量を維持しつつも遊技球の移動方向に対する傾きを小さくして、通過初期の抵抗の軽減に寄与できる。このような構成では、第1可動体に係る占有領域が大きくなり得るものの、当該第1可動体については球通路を動作領域として利用しているため、それが遊技領域を圧迫する要因になることを抑制できる。つまり、球通路内に設けられた第1可動体の全長と球通路外に設けられた第2可動体との全長の違いによって、遊技球への抵抗の増大及び遊技領域の圧迫を抑えながら球戻り防止機能を好適に発揮させることができる。
特徴D18.前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向するパネル部(ガラスパネル23)を備え、当該パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能な遊技機であって、
前記可動体は、前後に回動可能な状態で支持されており、
前記可動体が回動することにより前記規制手段が前記許容状態及び前記規制状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D17のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技盤とパネル部との間に形成された隙間には限りがある。このため、例えば可動体を遊技盤の前面に沿って変位させる構成と比較して、当該可動体の動作隙等の占有領域の確保が難しくなる。また、可動体については、遊技球の発射が行われる度に遊技球が衝突するため、衝突によって発生する衝撃を緩和する等の耐久性に係る工夫が必要となる。ここで、可動体を回動式とすれば、可動体に遊技球が衝突した場合に、可動体が回動することによって逃げるため、衝突時に発生する抗力(抵抗)を極力小さくすることができる。特に、可動体を回動式とした場合には、回動中心から遊技球の衝突位置までの距離を大きくすることで、上記抗力の軽減に好適に貢献できる。故に、可動体の動作態様を回動式とすることにより、遊技球が当った際の衝撃を上手く逃がしつつ、可動体に係る占有領域の拡がりを抑えることができる。
特徴D19.前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向するパネル部(ガラスパネル23)を備え、当該パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能な遊技機であって、
前記可動体は、前記遊技盤又はパネル部の一方に遊技球の通過領域を挟んで対峙しており、前記規制手段が前記許容状態となっている状況下においては当該対峙対象との隙間が遊技球の通過を許容する大きさとなる構成となっており、
前記可動体は、前記規制状態においては前記遊技盤及び前記パネル部の他方との隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D19によれば、可動体と対峙対象との隙間に遊技球が入り込む余地が無く、当該隙間に遊技球が入り込む等して、可動体の動きが妨げられることを抑制することができる。
特徴D20.前記遊技盤の前面に隙間を隔てて対向するパネル部(ガラスパネル23)を備え、当該パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能な遊技機であって、
前記可動体は、前記遊技盤に遊技球の通過領域を挟んで対峙しており、前記規制手段が前記許容状態となることで前記遊技盤との隙間が遊技球の通過を許容する大きさとなるように変化する構成となっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、規制手段(可動体)に当った遊技球の軌道がパネル部へ向かう方向に変化することを抑制できる。これにより、可動体に跳ね返った遊技球がパネル部に当たることを抑えて当該パネル部を好適に保護することができる。
特徴D21.前記遊技盤の前面から起立して設けられ、前記球通路を区画形成する一対のレール部(誘導レール100)を有し、
前記規制手段は、前記レール部の前端部分に取り付けられていることを特徴とする特徴D20に記載の遊技機。
特徴D20に示したように、可動体を遊技盤の前面から離して配設する構成においては、例えば可動体の配設対象をパネル部等にすることも可能である。しかしながら、パネル部(詳しくはパネル部が設けられた扉体)については遊技盤のメンテナンス等を目的として、開閉可能となっていることが一般的であり、パネル部が開閉する構成では、レール部と可動体との位置関係がばらつきすくなる。そこで、本特徴に示すように可動体の取付対象を遊技盤に付属のレール部の前端部分とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴D22.前記可動体を保持する保持部(ホルダ311)は、前記一対のレール部に跨るようにして取り付けられていることを特徴とする特徴D21に記載の遊技機。
可動体の取付対象をレール部とした場合には、遊技球が可動体に当たることによって発生する負荷がレール部に伝わることとなる。これは、レール部の変形を促し、レール部に沿った遊技球の動きに影響が及ぶ可能性を否定できない。そこで、一対のレール部に架け渡すようにして保持部を取り付ける構成とすれば、保持部によってレール部が補強されることとなり、上記影響を軽減できる。これにより、遊技球の動きへの影響を抑え、上記不都合の発生を抑制できる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制部(例えば可動体601P〜601V)を有する規制手段(球戻り防止機構106P〜106V)と
を備え、
前記規制手段は、前記遊技盤の厚さ方向(例えば遊技機における前後方向)に前記規制部が変位することにより当該規制部による規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態と当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能となっており、遊技球の通過に伴って前記許容状態となった場合には前記規制部の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技球発射手段から発射され球通路を経て遊技領域に到達した遊技球については、球通路への戻りが規制手段によって回避される。このようにして戻り球の発生を抑えることにより、遊技進行の円滑化を促進することができる。
ここで、規制手段によって遊技球の戻りを回避する構成においては、当該規制手段を構成する規制部や規制部に付随する他の構成の存在が遊技領域を圧迫する要因になり得る。本特徴に示す構成においては、規制部が遊技盤の厚さ方向(例えば遊技機における前後方向)に変位することにより規制手段が許容状態/規制状態に切り替る構成とした。これにより、規制手段の占有領域の拡がりを抑え、上述した遊技領域の圧迫を抑制することができる。また、規制部が遊技盤の厚さ方向に変位する構成とすることは、規制部の動きを目立ちにくくする上でも有利である。
規制部を有する構成においては、遊技球が当たった際に当該遊技球に生じる抵抗によって遊技球の挙動の乱れが生じる可能性がある。特に遊技盤の厚さ方向に変位するタイプの規制部においては、遊技球に浮き上がり等が生じる可能性があり、挙動の乱れの影響が大きくなり得る。このような事情に配慮すれば、上記抵抗を極力小さく抑えることが好ましい。ここで、本特徴に示すように、規制部が自重によって許容状態から規制状態に復帰する構成においては、例えばバネ等の付勢手段を用いて規制状態への復帰を促す構成と比較して、規制状態→規制状態に切り替わる際に遊技球に加わる抵抗が無駄に大きくなることを抑制でき、抵抗を小さく抑えつつも細かな調整が可能となる。つまり、上記付勢手段の付勢力を調整して抵抗を小さくしようと場合と比較して、抵抗の軽減を図りつつも動作の安定性の担保や個体差の軽減を好適に実現することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106P〜106V)とを備え、前記規制手段は、前記遊技領域の前壁面及び後壁面の何れかを構成する壁部(例えばガラスパネル23)と対峙して設けられた可動体(例えば可動体601P〜601V)を有し、前記可動体及び前記壁部の距離の変化に基づいて遊技球が通過可能となる許容状態と遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能となっており、遊技球の通過に伴って前記許容状態となった場合には前記規制部の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴E2.前記規制部は、前記球通路の通路方向における当該規制部の一端部にて回動可能に軸支されており、
前記規制手段は、前記規制部が回動することにより前記許容状態と前記規制状態とに切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴E1に規制の遊技機。
遊技球が当たる部分については耐久性担保等の観点からある程度の強度を確保することが好ましい。このような事情等から、規制部の重量が嵩みやすくなる。ここで、本特徴に示す構成によれば、規制部の重心位置と遊技球が当たる部分とが回動中心部(回動基端部)に対して同じ側に位置することとなり、上記重量を規制状態への復帰の原動力として利用しやすくなる。これにより、強度向上と規制状態への復帰機能と好適に実現することができる。また、規制部の大型化を抑制して占有領域の拡がりを抑える上でも有利である。例えば、規制部が球通路の通路方向に延びている構成(球通路の通路方向が規制部の長手方向となる構成)においては、当該規制部の長手方向における一端部が回動基端部となるように形成するとよい。
特徴E3.前記球通路における通路方向にて前記規制部の上流側(下側)の端部を回動可能に軸支する支持部(軸受け部614P〜614V)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
遊技盤の厚さ方向にて規制部が変位する構成においては、許容状態にて通路壁面と規制部とのギャップ(段差等)が大きくなることは、遊技球の挙動の乱れを招く要因になるため好ましくない。そこで、本特徴に示すように上流側(遊技球発射手段側又は非遊技領域側)の端部を回動基端部とすれば、下流側の端部を回動基端部とする場合と比較して上記ギャップの発生を抑え、遊技球の挙動の安定化に貢献できる。
特徴E4.前記規制部は、前記許容状態となっている状況下にて当該規制部の回動中心部よりも当該規制部の重心位置が前側に位置するように構成されていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、許容状態においては規制部の回動中心部よりも重心位置が前側に位置する。このため、遊技球が通過した後は、規制部が自重によって前傾して許容状態から規制状態に復帰することとなる。これにより、規制手段の規制状態への復帰を促すことができる。
特徴E5.前記規制部の重心位置の移動範囲は、当該規制部の回動中心部よりも前側となるように構成されていることを特徴とする特徴E3又は特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、規制部には許容状態及び規制状態の何れの状態であっても自重が遊技機前方への傾倒を促すように作用することとなる。これにより、例えば重心位置の変化に応じて自重の作用方向が逆転等することを抑制し、許容状態/規制状態への切り替えの円滑化及びその確からしさの向上に貢献できる。
特徴E6.前記規制部は、当該規制部の回動中心軸線と交差する方向に延び、前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部(例えば球受け面部604aP〜604aV)と、前記球受け部の回動先端部分に設けられ、当該球受け部と交差する方向に延びる延出部(例えばアーム部607aP〜607aV)とを有してなり、前記球受け部に遊技球が当たって前記規制部が回動することにより当該規制手段による規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態から同規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態に切り替わる構成となっていることを特徴とする特徴E2乃至特徴E5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E6によれば、回動先端側に延出部を設けることで、規制部の重心位置を当該規制部の回動中心部(回動基端部)からできるだけ遠ざけることができる、これにより、許容状態から規制状態に復帰させる際の応答性を向上させることができる。
とができる。
特徴E7.前記延出部は、前記球通路と前記遊技領域との境界上に位置していることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、遊技領域に到達した遊技球が跳ね返る等して規制手段(出口部分)へ到達した場合に、出口部分への遊技球の入り込みを好適に抑制することができる。つまり、特徴E6に示したように自重復帰を促進する構成を利用して、出口部分へ向けた遊技球の移動を延出部によって規制することにより、球受け部と出口部分(レール部)との間に遊技球が入り込むこと(球噛みが発生すること)を好適に抑制できる。
特徴E8.前記延出部は、前記規制部の回動方向と交差する方向に延び、前記遊技盤の中央側へ下り傾斜していることを特徴とする特徴E6又は特徴E7に記載の遊技機。
特徴E8に示すように延出部が規制部の回動方向と交差する方向に延びている構成においては、出口部分を通じた遊技球の戻りを抑制することができる。ここで、例えば延出部が回動方向(後方)に延びる構成と比較して規制部の回動先端部に重りがあることにより、上述した重心位置のずれが緩和されると懸念される。本特徴に示す構成によれば、延出部の重みを重心位置のずれ量の担保に好適に寄与できる。
ここで、延出部を設けた場合には、遊技球の戻りを抑制することができるものの、延出部に遊技球が載る可能性が生じる。仮に、延出部に遊技球が載ったままとなれば、後続の遊技球の通過が妨げられると懸念される。この点、本特徴に示すように、延出部が遊技盤の中央側へ下り傾斜させる構成とすれば、延出部に載った遊技球は当該延出部に沿って移動することで延出部から離脱することとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴E9.前記球通路における通路方向にて前記規制部の下流側(上側)の端部を回動可能に軸支する支持部(軸受け部614P〜614V)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E9に示す構成によれば、遊技球発射手段により発射された遊技球が最初に当たる部分を規制部の回動先端部寄りに設定することができる。回動中心部からできるだけ離れた位置に遊技球が当たる構成とすることで、規制部を回動させる際に遊技球に加わる抵抗を軽減することができる。これは、例えば規制手段を通過する際に遊技球の挙動の安定化を実現する上で好ましい。
特徴E10.前記規制部は、前記許容状態となっている状況下にて当該規制部の回動中心部よりも当該規制部の重心位置が後側に位置するように構成されていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
特徴E10によれば、許容状態においては規制部の回動中心部よりも重心位置が前側に位置する。このため、遊技球が通過した後は、規制部が自重によって前傾して許容状態から規制状態に復帰することとなる。これにより、規制手段の規制状態への復帰を促すことができる。
特徴E11.前記規制部の重心位置の移動範囲は、当該規制部の回動中心部よりも前側とならない範囲となるように構成されていることを特徴とする特徴E9又は特徴E10に記載の遊技機。
特徴E11によれば、規制部には許容状態〜規制状態の何れの状態であっても自重が遊技機前方への傾倒を促すように作用することとなる。これにより、例えば重心位置の変化に応じて自重の作用方向が逆転等することを抑制し、許容状態/規制状態への切り替えの円滑化及びその確からしさの向上に貢献できる。
特徴E12.前記規制部が前記規制状態となっている状況下にて、前記規制部の重心位置と前記規制部の回動中心部との前後位置が揃うように構成されていることを特徴とする特徴E9乃至特徴E11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E12によれば、規制状態となっている場合には、自重による回動が落ち着いた状態となっており、遊技球が規制部に当たった際の初期負荷を軽減できる。これにより、規制部到達時の遊技球の挙動の乱れを好適に抑制することができる。
特徴E13.前記規制部の回動中心軸線は、前記球通路の通路方向と交差する方向に延びており、
前記遊技盤の前面から起立するようにして設けられ、前記球通路を区画形成するレール部(誘導レール100)を備え、
前記レール部は、前記遊技領域の外側に凸となる弧状をなしており、
前記規制手段は、前記レール部の頂部及び側方へ突出している突出部分の間に配設されていることを特徴とする特徴E2乃至特徴E12のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように規制部を自身の重みを利用して許容状態から規制状態に復帰させる構成においては、規制部の重量を大きくすることにより、復帰の為の原動力を大きくすることができる。しかしながら、重量の増加によって原動力を大きくしようとすれば、規制部を通過する際の遊技球の減勢度合いについても大きくなり得る。このような事情から、遊技球の勢いを極力弱めないようにすべく重量の増加を抑えようとすれば、規制部の復帰機能が上手く発揮されなくなるリスクが増す。そこで、本特徴に示すように、回動中心軸線の向き及び規制手段の位置を規定することにより、許容状態/規制状態の切り替えに伴って発生する抵抗を抑えて、重量を無暗に増加させることなく復帰機能を担保することができる。
特徴E14.前記遊技盤の前面から起立して設けられ、前記球通路を区画形成する内レール部(内レール101)及び外レール部(外レール102)を備え、
前記外レール部は遊技機の側方に凸となるように湾曲しており、
前記規制部は当該規制部の回動中心軸線と交差する板状の本体部(ベース部602P〜602V)を有しており、当該本体部の端面には前記球通路に沿って移動した遊技球が当たる球受け部としての機能が付与されており、
前記規制部が前記内レール及び外レールのうち前記外レール寄りとなるように配置されていることを特徴とする特徴E2乃至特徴E13のいずれか1つに記載の遊技機。
外レール部が側方に凸となるように湾曲している構成においては、遊技球発射手段から発射された遊技球は球通路を通過する際に、外レール部に沿うようにして移動することとなる。そこで、規制部を本体部(球受け部)が外レール部寄りに配置する構成とすれば、規制部の大型化を抑制しつつ許容状態/規制状態の切り替え機能を担保することができる。
また、本体部を板状とすることにより、回動中心部に対する重心位置のずれ量を確保する上で本体部の重量や占有領域が無駄に嵩むことを好適に抑制することができる。この本体部の端面に球受け部としての機能を付与することにより、規制部に対して遊技球が当たった際に規制部が撓み変形等することを抑制することができる。このようにして規制部に生じる歪を軽減することにより、規制部の回動に伴って発生する抵抗(摩擦抵抗)の増大を抑制し、回動機能(規制状態への復帰機能)を担保できる。
特徴E15.前記本体部は前記球通路に沿って延びる弧状をなしていることを特徴とする特徴E14に記載の遊技機。
本特徴に示すように本体部を球通路に沿って延びる弧状とすることにより、球受け部に対する衝突角度を小さくしたり球受け部と遊技球との接触時間を長くしたりすることができる。これにより、遊技球が球受け部に当たった際に発生する衝撃を緩和し、規制手段の保護や遊技球の挙動の安定化に寄与できる。そして、このような構成とすれば、外レール部と規制部とを近づけやすくなり、特徴E14に示した技術的思想を好適に具現化できる。
特徴E16.前記遊技盤には、前記規制手段が挿通される挿通部(例えば長孔85K〜85N,92P〜92V)が形成されており、
前記挿通部が形成されている部分には前記規制部の動作領域として機能が付与されていることを特徴とする特徴E14又は特徴E15に記載の遊技機。
特徴E14等に示したように本体部を板状とした場合には、本体部の幅等を大きくすることで回動中心と重心位置とのずれを大きくすることができる。但し、このような構成においては少なからず規制部の外形が大きくなる。この点、本特徴に示す構成との組み合わせ(遊技盤の厚さ利用して規制部の動作領域を確保する構成)によれば、遊技領域における規制部の占有領域の拡がりを抑え、当該規制部による遊技領域の圧迫を緩和することができる。つまり、規制部のサイズが嵩む場合であってもそれに起因した動作領域の拡がりを抑制することができる。これは、例えば遊技領域等にて規制部周辺に配置される遊技部品の配置自由度を向上し(配置に係る制約の軽減し)、動作領域の確保に起因した遊技領域の圧迫を抑制する上で好ましい構成である。
<特徴F群>
特徴F1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば球戻り防止機構106V)と
を備え、
前記規制手段は、可動体(左側可動体601aV)を有し、当該可動体が変位することにより規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わり、前記規制状態から前記許容状態となった場合には前記許容状態から前記規制状態に自己復帰するように構成されており、
前記規制手段が前記許容状態から前記規制状態へ復帰すべき状況下にて前記規制状態に自己復帰していない場合に、前記規制手段を前記規制状態に復帰させる復帰手段(例えば右側可動体601bV)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1に示す規制手段については、遊技球の通過に伴って規制状態から許容状態に切り替わった後は自重や可動体に付属の付勢手段の付勢力等によって規制状態に自己復帰する。これにより、遊技領域に到達した遊技球の球通路への戻りが規制される。このような自己復帰を行う構成においては、動作不良等の各種事情によって規制状態への復帰がなされなかった場合には、上述した逆戻り規制機能が上手く発揮されなくなる。これは規制手段の動作に係る信頼性を低下させる要因になり得る。そこで、本特徴に示す構成においては規制状態に復帰すべき状況下であるにも関わらず自己復帰していない場合には復帰手段により規制手段を強制的に規制状態に復帰させる構成とすることで、上述した不都合の発生を抑制できる。これにより、規制手段の動作に係る信頼性の担保に貢献することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(例えば球戻り防止機構106V)とを備え、前記規制手段は、可動体(左側可動体601aV)を有し、当該可動体が変位することにより規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態及び当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態に切り替わり、前記規制状態から前記許容状態となった後に所定期間が経過した場合に、前記許容状態から前記規制状態に自己復帰するように構成されており、前記規制手段が前記許容状態となってから前記所定期間が経過し且つ前記規制状態へ自己復帰していない場合に、前記規制手段を前記許容状態に復帰させる復帰手段(例えば右側可動体601bV)を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴F2.前記規制手段は、遊技球の通過に伴って前記許容状態となった場合には前記可動体の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
規制手段が遊技球の通過に伴って動作する構成においては、可動体に遊技球が当たった際に当該遊技球に生じる抵抗によって同遊技球の挙動の乱れが生じる可能性がある。このような挙動の乱れの影響に配慮した場合には、上記抵抗を極力小さく抑えることが好ましい。ここで、本特徴に示すように、可動体が自重によって許容状態から規制状態に復帰する構成においては、例えばバネ等の付勢手段を用いて規制状態への復帰を促す構成と比較して、加味すべき製造ばらつき等が小さくなる。故に、規制状態→許容状態に切り替わる際に遊技球に加わる抵抗を軽減することができる。但し、このように復帰力が自重に依存する構成においては、遊技機の設置状態(傾き)等によって復帰動作が上手く行われなくなる可能性を否定できない。これは、規制手段に対する信頼性を低下させる要因になり得る。そこで、このような構成に対して特徴F1に示した技術的思想を適用して復帰動作を担保することにより、遊技球の挙動の安定化を図りつつ、それに起因した信頼性の低下を好適に抑制することができる。
特徴F3.前記可動体は前記遊技盤の厚さ方向に変位する構成であることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3に示す構成によれば、可動体の動作領域の確保に起因した遊技釘等の遊技部品の配置自由度の低下を抑えることができる。しかしながらその反面、例えば遊技盤の前面に沿って変位する構成と比較して、回動中心と重心位置とのずれを大きくする上で制約が生じやすい。この結果、動作の安定性の担保が難しくなり、規制手段に対する信頼性が低下すると懸念される。そこで、このような構成に対して特徴F1等に示した技術的思想を適用して復帰動作を担保することにより、遊技部品の配置自由度の向上を図りつつ、それに起因した動作に係る信頼性の低下を好適に抑制することができる。
特徴F4.前記規制手段は、前記可動体が所定方向に変位することにより前記許容状態から前記規制状態に切り替わる構成となっており、
前記復帰手段は、遊技球が当たる球受け部(右側可動体601bVの球受け面部604bV)と、前記球受け部に遊技球が当たった場合に、前記可動体に近づく側に変位する作用部(右側可動体601bVのアーム部607bV)とを有し、前記規制手段が前記許容状態となっている状況下にて前記球受け部に遊技球が当たることにより前記作用部が前記可動体側へ変位し、当該作用部が前記可動体を前記所定方向へ押すことにより前記規制手段を前記許容状態に復帰させるように構成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F4によれば、自己復帰が上手く行われていない場合には、遊技球が球受け部に当たることで作用部が可動体を押すこととなる。このように、遊技球の勢いを強制復帰の原動力とすることにより、簡易な構成によって特徴F1に示し構成(復帰手段)を具現化できる。
特徴F5.前記復帰手段は、前記規制手段が自己復帰している場合には、前記作用部と前記可動体との接触が回避されるように構成されていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
規制手段が規制状態に強制復帰させられる場合には、可動体→作用部→球受け部を介して遊技球に伝わる抵抗が大きくなる。つまり、特徴F2に示した構成においては構成の簡素化を実現することができる反面、遊技球の勢いが低下しやすくなる。そこで、本特徴においては、自己復帰が行われる場合には復帰手段による強制復帰が回避される構成、つまり作用部が空振りする構成としている。このように、少なくとも自己復帰が正常に行われている限りは復帰手段に生じる抵抗が極力小さくなるように抑えることにより、復帰手段の動力源として遊技球の動きを利用する構成にて上述した遊技球の勢いの低下を好適に軽減できる。
特徴F6.前記作用部は、前記球受け部に遊技球が当たっていない場合には、所定の待機位置にて待機するように構成されており、
前記作用部が前記所定の待機位置に待機している場合には、前記規制手段が前記規制状態及び前記許容状態の何れの状態となっている場合であっても、前記可動体と前記作用部との間に隙間が形成される構成となっていることを特徴とする特徴F4又は特徴F5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、遊技球の通過に伴って可動体が規制状態→許容状態に切り替わる際に、可動体によって規制手段(作用部)が押されることを回避できる。これにより、復帰手段の存在が、可動体を押しのけるようにして遊技球が移動する際に当該遊技球に加わる抵抗を増加させる要因になることを抑制できる。
特徴F7.前記球受け部は、前記規制手段が前記許容状態になった後に遊技球が到達可能となる位置に配置されていることを特徴とする特徴F4乃至特徴F6のいずれか1つに記載の遊技機。
規制手段が規制状態から許容状態に切り替わる過程にて作用部が可動体に向けて変位すると、作用部(復帰手段)によって規制手段の切り替わりを妨げるような抵抗が発生する。これは、本来規制手段を通過できるはずの遊技球が規制手段を通過できなくなる要因となり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、規制手段が許容状態となった後に遊技球が到達可能となる位置へ球受け部(復帰手段)が配置されているため、規制手段の許容状態の切り替えに対して作用部の動きを遅らせることができる。これにより、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴F8.前記可動体は、遊技球が通過する通過経路へ突出する位置であって遊技球の通過を規制する規制位置と、前記規制位置よりも突出が抑えられた位置であって遊技球の通過を許容する許容位置とに変位可能となっており、
前記球受け部は、前記通過経路へ突出する突出位置と、前記突出位置よりも前記通過経路への突出が抑えられた退避位置とに変位可能となっており、
前記作用部は、前記球受け部の前記突出位置から前記退避位置への変位に基づいて前記所定方向へ変位するように構成されており、
前記規制位置に配置された前記可動体の突出量よりも前記突出位置に配置された前記球受け部の突出量の方が小さくなっていることを特徴とする特徴F4乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球が可動体及び復帰手段に当たる構成においては、遊技球の勢いを利用して規制手段及び復帰手段を動作させることができる。このように別途動力源を設ける必要がないため、上述した信頼性向上を実現するに上で構成が複雑になることを好適に抑制できる。しかしながら、このような構成では遊技球の勢いが弱くなることで遊技球の到達位置に係る制約が強くなると想定される。そこで、本特徴に示すように、復帰手段の突出量を小さくすることにより、復帰手段を動作させる際に遊技球から失われる勢いを極力小さくすることができる。
なお、本特徴に示す構成については、復帰手段の小型化を実現し、占有領域の拡がりを抑制する上でも有利である。
特徴F9.前記規制手段及び前記復帰手段は前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が通過する通過経路に沿うようにして並設されおり、
前記可動体は、回動可能に保持され、遊技球が通過する通過経路へ突出する位置であって遊技球の通過を規制する規制位置と前記規制位置よりも突出が抑えられた位置であって遊技球の通過を許容する許容位置とに変位する第1可動体であり、
前記球受け部は、前記通過経路へ突出する突出位置と、前記突出位置よりも前記通過経路への突出が抑えられた退避位置とに変位可能となっており、
前記復帰手段は、前記球受け部及び前記作用部が設けられた第2可動体を有してなり、
前記第2可動体は、回動可能に保持され、その回動中心部よりも前記第1可動体側となる部分に前記作用部が形成され、当該回動中心部を挟んで前記作用部とは反対側となる部分に前記球受け部が形成されてなり、前記球受け部の前記突出位置から前記退避位置への変位に基づいて前記作用部が前記所定方向へ変位するように構成されていることを特徴とする特徴F4乃至特徴F8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F9によれば、簡易な構成によって特徴F4等に示した技術的思想を具現化できる。また、規制手段と復帰手段とを近づけて配置することができ、戻り規制に係る構成の配置領域の拡がりを好適に抑制できる。
特徴F10.前記第2可動体の回動中心部から前記作用部における前記第1可動体との当接箇所までの距離は、前記第1可動体の回動中心部から前記作用部との当接箇所までの距離よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
例えば復帰に際して第1可動体を大きく変位させる必要があれば、押圧箇所(当接箇所)を第1可動体の回動中心部にできるだけ近づけることが好ましいが、これでは第1可動体を動かすために必要な押圧力が大きくなる。そもそも第1可動体については自己復帰の機能が付与されており、何らかの不具合が発生して上手く自己復帰が行われなかった場合であっても、少しの後押し(切っ掛け)があればその後は正常に動作し得る。つまり、多くの場合には上記不具合を解消する際にそれほど大きなストロークは必要とならない。そこで、両可動体の回動中心部、作用部における当接箇所、第1可動体における当接箇所を上述した関係とすれば、作用部による押圧のストロークをある程度確保しつつ、押圧力を極力小さくすることができる。これにより、強制復帰を行う際に遊技球に加わる抵抗が大きくなることを抑制できる。
特徴F11.前記第2可動体は、当該第2可動体の回動中心部から前記球受け部における遊技球の当接箇所までの距離よりも当該回動中心部から前記作用部における前記第1可動体との当接箇所までの距離の方が長くなるように形成されていることを特徴とする特徴F9又は特徴F10に記載の遊技機。
特徴F11によれば、球受け部に遊技球が当たることで第2可動体が回動した場合には、作用部を所定方向へ(第1可動体側へ)大きく変位させることができる。これにより、規制手段の自己復帰機能が上手く発揮されなかった場合であっても、復帰手段によって規制状態へ迅速に復帰させることが可能となる。
特徴F12.前記第1可動体にて前記作用部が当接する当接箇所は、当該第1可動体の回動先端部に設けられていることを特徴とする特徴F9乃至特徴F11のいずれか1つに記載の遊技機。
そもそも、自己復帰機能が付与されている構成では、許容状態から規制状態への復帰を完全にサポートしなくても、許容状態への切り替わりとなるきっかけさえ与えられれば、切り替わりが促されると想定される。そこで、本特徴に示すように、可動体の回動先端部分に設けられた被押圧部が所定の方向に押される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特に、特徴F8等との組み合わせ(強制復帰の動力源として遊技球の勢いを利用する構成)においては、強制復帰を実現するにあたり遊技球の勢いが過度に弱まってしまうことが懸念される。この点、本特徴に示す構成によれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴F13.前記規制手段を通過した遊技球が前記第2可動体に到達するのに要する期間よりも、前記規制手段が前記許容状態から前記規制状態に自己復帰するのに要する期間の方が短くなるようにして前記第1可動体及び前記第2可動体が配置されていることを特徴とする特徴F9乃至特徴F12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F13によれば、遊技球が第1可動体から第2可動体に移る際には、通常であれば第2可動体に遊技球が到達する前に第1可動体が規制状態に自己復帰することとなる。故に、少なくとも自己復帰機能が上手く機能している状況下においては両可動体の干渉が回避され、遊技球に加わる抵抗が無駄に大きくなることを好適に抑制できる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、
前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106K〜106V)と、
前記規制手段を前記遊技盤に固定する固定手段(例えばビス621P〜621V)と
を備え、
前記規制手段は、当該規制手段による規制位置における遊技球の通過を許容する許容位置及び当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制位置に変位可能な可動体(例えば601a,601aL〜601aV)と、当該可動体の回動範囲を規定する本体部(ホルダ611,611L〜611V)とを有してなり、前記遊技盤の前面側にて前記本体部の外周部分から突出する板状をなし前記固定手段による固定用の突出部が不具備となっていることを特徴とする遊技機。
規制手段を用いて球通路への遊技球の戻りを規制する構成によれば、遊技進行の円滑化の実現に貢献することができる。但し、遊技盤の前面側には遊技釘等の各種遊技部品が配設されるため、このような規制手段によって遊技部品の配設領域が圧迫されることは好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、遊技盤の前面側にはネジやビス等の固定手段(固定具)による固定対象となる板状の突出部が不具備となっている。このように、規制手段の固定に係る構成について遊技盤の前面側における占有領域を減縮又は排除することにより、上記遊技部品の配置自由度の向上を図り、規制手段と遊技部品とを好適に共存させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路(誘導通路103)と、前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制手段(球戻り防止機構106K〜106V)と、前記規制手段を前記遊技盤に固定する固定具(例えばビス621P〜621V)とを備え、前記規制手段は、当該規制手段において前記遊技盤の前面に当接する板状のベース部以外の部分が前記固定具による固定部分となるように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴G2.前記遊技盤には、当該遊技盤の厚さ方向に開放され、前記規制手段が挿通される挿通部(例えば開口部85や長孔92)が形成されており、
前記規制手段の本体部には、前記遊技盤の背面部に当接する当接部(取付ベース612P〜612V)が形成されており、
前記遊技盤と前記当接部とが前記固定手段により固定されることで、前記規制手段が前記遊技盤に取り付けられていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、固定手段や当接部等の規制手段の固定に係る構成が遊技盤の背面側に配設されることとなる。これにより、当該固定に係る構成が遊技領域を圧迫する要因になることを抑制し、遊技領域に配設された遊技部品等と規制手段とを好適に共存させることができる。
特徴G3.前記固定手段は締結具であり、
前記当接部は、遊技機前後方向にて前記遊技盤における前記遊技領域が形成されていない部分と対峙しており、前記固定手段は前記遊技領域との重なりが回避される位置に配設されていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上述した遊技釘等の遊技部品については、遊技盤の厚さを利用して取り付けられる。ここで、本特徴に示す構成では、締結具が遊技領域との前後での重なりが回避される位置に配設されることにより、当該締結具が遊技部品の配設の邪魔になることを好適に抑制できる。故に、遊技部品の配置自由度の更なる向上を図り、規制手段に係る構成と遊技部品とを一層好適に共存させることが可能となる。
特徴G4.前記固定手段は締結具であり、
前記遊技盤の前面から起立して設けられ、前記球通路を区画形成する内レール部(内レール101)及び外レール部(外レール102)を備え、
前記当接部は、前記遊技盤において前記外レールの外側となる部分と対峙しており、前記固定具は前記遊技領域との重なりが回避される位置に配設されていることを特徴とする特徴G2又は特徴G3に記載の遊技機。
上述した遊技釘等の遊技部品については、遊技盤の厚さを利用して取り付けられる。ここで、本特徴に示す構成では、締結具が外レール部よりも外側となる領域(球通路や遊技領域が形成されていない領域)に配設されることにより、当該締結具が遊技部品の配設の邪魔になることを好適に抑制できる。故に、遊技部品の配置自由度の更なる向上を図り、規制手段に係る構成と遊技部品とを一層好適に共存させることが可能となる。
特徴G5.前記当接部が前記遊技盤の背面に当接した状態では、前記本体部の前端部が前記遊技盤の前面と同一平面上又は略同一平面上に位置するように構成されていることを特徴とする特徴G2乃至特徴G4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G5によれば、遊技盤の前面からの本体部の出っ張りを抑えることにより、遊技球の挙動の乱れを好適に抑制することができる。また、遊技盤にて既存となるレール部等の遊技部品との共存を促進できる。
特徴G6.前記遊技盤の前面から起立して設けられ、前記球通路を区画形成する一対のレール部(誘導レール100)を備え、
前記挿通部はその一部が前記レール部と前後に重なるように形成されており、前記本体部が遊技機後方から前記レール部に対峙するように構成されていることを特徴とする特徴G2乃至特徴G5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G2等に示した構成においては、本特徴に示すようにレール部の後方に位置するようにして規制手段を重ねて配置することにより、規制手段とレール部とを好適に共存させることができる。
上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、23…パネル部としてのガラスパネル、41…操作部としての遊技球発射ハンドル、42…タッチセンサ、43…可変抵抗器、80…遊技盤ユニット、80a…遊技盤としての遊技領域形成体、85…貫通孔、86…可変表示ユニット、87…絵柄表示手段としての図柄表示装置、93…遊技部品としての遊技釘、95…センターフレーム、100…誘導レール、101…第2レール部としての内レール、102…第1レール部としての外レール、103…球通路としての誘導通路、104…入口部分、105…出口部分、106…規制手段を構成する球戻り防止機構、106a…第2規制手段としての左側防止装置、106b…第1規制手段としての右側防止装置、110…遊技球発射手段としての遊技球発射機構、111…ソレノイド、113…球送装置、162…主制御装置、243…電源・発射制御装置、301…可動体、303…球受け部としての突出片、304…案内部を構成する球受け面部、305…付勢手段として機能する重り部、306…案内部を構成する平面部、308…案内部としての誘導部、311…ホルダ、313…軸ピン、314…起立部、601a…第1可動体としての左側可動体、601b…第2可動体としての右側可動体、604…球受け面部、606…回動先端部、607b…連結部を構成するアーム部、608b…連結部を構成する軸ピン、609a…連結部を構成するリンク溝、611…保持部としてのホルダ、613…収容部、616…開放部、618…付勢手段としてのバネ、PE…遊技領域、SE…隙間又は流入部としての特定領域、TE…通過領域。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、
    前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導く球通路と、
    前記遊技領域から前記球通路への遊技球の戻りを規制する規制部を有する規制手段と
    を備え、
    前記規制手段は、前記遊技盤の厚さ方向に前記規制部が変位することにより当該規制部による規制位置における遊技球の通過を許容する許容状態と当該規制位置における遊技球の通過を規制する規制状態とに切替可能となっており、遊技球の通過に伴って前記許容状態となった場合には前記規制部の重みによって前記規制状態に復帰するように構成されていることを特徴とする遊技機。
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