JP2019197510A - 警報音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発信機または表示灯の少なくともいずれか一方を警報音響装置と一体に小型化しても、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができる警報音響装置を提供する。【解決手段】 警報音響装置は、火災報知設備を構成する発信機の押しボタンまたは表示灯の少なくともいずれか一方がその中央部に外観視可能に取り付けられる表面パネルと、振動板を有するスピーカーと、振動板の少なくとも一方面側に音響容量を規定するキャビネットと、キャビネットの音響容量に連通する音響通路を規定するダクトまたはホーンと、を少なくとも有し、表面パネルは、その背面側からダクトまたはホーンが取り付けられて、音響通路の端部でありスピーカーが放射する警報音を外部空間に放射する音孔が、押しボタンまたは表示灯に近接して中央部寄りに設けられている。【選択図】 図1

Description

本発明は、火災報知設備で使用される地区音響装置などに使用する警報音響装置に関し、特に、火災報知設備を構成する発信機の押しボタンまたは表示灯の少なくともいずれか一方がその中央部に外観視可能に取り付けられる警報音響装置に関する。
火災報知設備で使用される地区音響装置などに使用する警報音響装置は、感知器や発信機と連動して動作して、防火対象の建物の使用者に対して火災発生を知らせるように動作する。警報音響装置には、火災感知器からの火災検出信号を受信してベルを鳴動させるものと、電機音響変換器であるスピーカーに警報音または警報の音声を再生させるものがある。音響により警報を発する警報音響装置としては、確実に作動すること、所定の音圧レベル以上の音響または音声により警報を発することができること、などが求められる。
また、警報音響装置を含む地区音響装置は、略矩形状の機器収容箱に収容されて建物に設置される場合がある。そのような地区音響装置は、定常監視状態で点灯状態にある表示灯と、押釦操作時に火災信号を受信機側に送信する発信機と、を機器収容箱の表側に設ける場合が多くある。
例えば、特許文献1の図1には、地区音響装置を収納した機器収容箱の正面図が開示されている。機器収容箱の筐体2の開口面に設けられたカバー3の上部には、赤色の表示灯5が取り付けられ、発信機の設置場所を知らせるため、定常監視状態において常時点灯するようになっている。カバー3の下部には発信機6が設けられ、火災発生時にはカバー付きの押釦7aを押すことで、内蔵した押釦スイッチがオンし、受信機側に対し火災信号を出力することができる。さらに、表示灯5と発信機6の間には複数の音響穴8が形成され、音響穴の裏側には地区音響装置が設けられている。この地区音響装置は受信機側で火災を判断した際の制御動作で駆動され、圧電振動子あるいはベルの鳴動で音響警報を出す。
ただし、従来の地区音響装置は、警報音響装置等の機器を収容する機器収容箱が大型になり易く、建物内でスペースをとり、美観の観点でも優れない、という問題がある。そこで、発信機と表示灯を一体にする、機器収容箱を薄型化する、等の対策が取られる場合がある。また、警報音響装置としては、大きなベルを鳴動させるのではなく、スピーカーに警報音を再生させるようにするものがある。
例えば、従来には、細長い空洞、及び 前記細長い空洞の第1の端部に結合されるスピーカーを有する警報装置であり、前記スピーカーにより発生した音は、可聴音を供給するために、前記空洞を通るように向けられ、前記空洞及び前記スピーカーは、前記スピーカー及び前記空洞に対する応答スペクトルのシステムインピーダンスに対する、第1及び第2の共振周波数のピーク間にある反共振周波数で実質的に前記可聴音を供給するように構成及び採寸される警報装置がある(特許文献2)。
ただし、従来のスピーカー装置には、音響容積部分と、前記音響容積部分に取り付けられた音響管と、前記音響容積部分に取り付けられた駆動用スピーカーと、を備え、前記音響管の共振周波数は、前記音響容積部分と前記音響管とによるヘルムホルツの共振周波数より0.5〜2.5オクターブ高い周波数であることを特徴とするものが、従来から存在する(特許文献3)。
しかし、従来のスピーカーを用いる警報音響装置では、特に地区音響装置を小型化するのにスピーカーを用いる場合に、所定の音圧レベル以上の音響または音声により警報を発することができるという要件を満たすのが困難になる場合がある、という問題がある。特に、発信機または表示灯の少なくともいずれか一方を警報音響装置と一体にしようとすると、発信機のボタンまたは表示灯を目立ちやすく必要性から、スピーカーの取付構造が限られてしまい、所定の音圧レベル以上の音響または音声により警報を発することができなくなりやすい、という問題がある。
特開平9−265594号公報 特表2011−508915号公報 特開2003−289593号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、火災報知設備で使用される地区音響装置などに使用する警報音響装置に関し、発信機または表示灯の少なくともいずれか一方を警報音響装置と一体に小型化しても、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができる警報音響装置を提供することにある。
本発明の警報音響装置は、火災報知設備を構成する発信機の押しボタンまたは表示灯の少なくともいずれか一方がその中央部に外観視可能に取り付けられる表面パネルと、振動板を有するスピーカーと、振動板の少なくとも一方面側に音響容量を規定するキャビネットと、キャビネットの音響容量に連通する音響通路を規定するダクトまたはホーンと、を少なくとも有し、表面パネルは、その背面側からダクトまたはホーンが取り付けられて、音響通路の端部でありスピーカーが放射する警報音を外部空間に放射する音孔が、押しボタンまたは表示灯に近接して中央部寄りに設けられている。
好ましくは、本発明の警報音響装置は、表面パネルが、外形が略円形または略矩形の平板状の表面を有し、その中央部が、表面パネルの中心点から外形を規定する外形寸法の約1/2以下の範囲として規定される。
また、好ましくは、本発明の警報音響装置は、表面パネルの音孔の面積が、スピーカーの振動板の面積よりも小さく、かつ、表面パネルの中央部の面積よりも小さい。
また、好ましくは、本発明の警報音響装置は、警報音として複数のピーク周波数成分を有するベル音の音声信号を出力するベル音再生部と、ベル音再生部から出力される音声信号を電力増幅してスピーカーに出力する増幅器と、をさらに含み、ベル音のピーク周波数成分の少なくとも一つのピーク周波数と、ダクトまたはホーンおよびキャビネットの音響容量ならびに音響質量により定まる音響回路の少なくとも一つの共振周波数と、がほぼ一致するように設定されている。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の警報音響装置は、火災報知設備を構成する発信機の押しボタンまたは表示灯の少なくともいずれか一方がその中央部に外観視可能に取り付けられる表面パネルと、警報音を放射するスピーカーを備える。スピーカーは、その振動板の少なくとも一方面側に音響容量を規定するキャビネットと、キャビネットの音響容量に連通する音響通路を規定するダクトまたはホーンと、を少なくとも有する。表面パネルには、その背面側からダクトまたはホーンが取り付けられて、音響通路の端部でありスピーカーが放射する警報音を外部空間に放射する音孔が、押しボタンまたは表示灯に近接して中央部寄りに設けられている。
したがって、本発明の警報音響装置は、電機音響変換器であるスピーカーから警報音を再生させることができるので、火災報知設備で使用される地区音響装置などに使用することができる。警報音響装置は、火災報知設備を構成する発信機の押しボタンまたは表示灯が、表面パネルの中央部に外観視可能に取り付けられるので、比較的に小型で美観に優れる地区音響装置を構成することができる。
警報音響装置は、警報音として複数のピーク周波数成分を有するベル音の音声信号を出力するベル音再生部と、ベル音再生部から出力される音声信号を電力増幅してスピーカーに出力する増幅器と、をさらに含ようにしてもよい。ベル音のピーク周波数成分の少なくとも一つのピーク周波数と、ダクトまたはホーンおよびキャビネットの音響容量ならびに音響質量により定まる音響回路の少なくとも一つの共振周波数と、がほぼ一致するように設定すれば、小型のスピーカーを備える場合であっても、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができる。
ここで、スピーカーが放射する警報音を外部空間に放射する音孔は、押しボタンまたは表示灯に近接して表面パネルの中央部寄りに設けられているのが好ましい。つまり、警報音響装置の表面パネルは、その外形が略円形または略矩形の平板状の表面を有している場合には、その中央部は、表面パネルの中心点から外形を規定する外形寸法の約1/2以下の範囲として規定されるのが好ましい。また、好ましくは、本発明の警報音響装置は、表面パネルの音孔の面積が、スピーカーの振動板の面積よりも小さく、かつ、表面パネルの中央部の面積よりも小さいのが好ましい。
本発明のように音孔の位置が表面パネルの中央部寄りに設けられている場合には、外形が略円形または略矩形の平板状の表面パネルの表面が、音孔から放射された音波を反射・回折させるバフル板として作用する。その結果、警報音響装置の表面パネルにより特定の周波数でピークを有する音圧周波数特性が付与されて、例えば、スピーカーから再生するベル音の再生音圧レベルを高くすることができる。表面パネルの外形形状からみて音孔がその中央寄りに位置するほどに、バフル板の反射・回折による音圧周波数特性におけるピークは大きくなる方向に変化するので、より高い再生音圧レベルでベル音をスピーカーから再生できる。
本発明の警報音響装置は、発信機または表示灯の少なくともいずれか一方を警報音響装置と一体に小型化しても、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができる。
本発明の一実施形態に係る警報音響装置の具体的な構造を示す図である。 本実施例の警報音響装置のベル音のスペクトルと、警報音響装置の音圧周波数特性を示すグラフである。 本実施例の警報音響装置および比較例のスピーカーの音圧周波数特性を示すグラフである。 本実施例および比較例の表面パネルの表面で反射・回折する音波の音圧周波数特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る警報音響装置の具体的な構造を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態による警報音響装置について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による警報音響装置1について説明する図である。具体的には、図1(a)は、警報音響装置1の外観を示す正面図であり、図1(b)は、警報音響装置1を構成する表面パネル2の中心点Oを通過する中心軸を含むA−A断面図である。なお、以下の説明および図1では、本発明の説明に不要な構成の説明および図示を省略する。
本実施形態の警報音響装置1は、建物等の火災報知設備を構成する地区音響装置などに使用する比較的に小型の警報音響装置である。警報音響装置1は、外形寸法の直径Raが約110.0mmの円形平面状の表面3を有する表面パネル2を有する。警報音響装置1は、表面パネル2が外観視可能に露出するように建物の壁面等に取り付けて、用いられることを想定されている。
警報音響装置1は、火災の際に所定の音圧レベル以上の警報音を発して火災の発生を報知するスピーカー10を含む。また、警報音響装置1は、火災報知設備を構成する発信機または表示灯を含み得る。本実施形態の警報音響装置1では、スピーカー10ならびに発信機の回路等は、表面パネル2の裏側に取り付けられる筐体4の内部に収容されるようにして、取り付けられている。警報音響装置1は、火災の際に火災報知設備に火災の発生を知らせる(図示しない)発信機を含む。
警報音響装置1の表面パネル2の中央には、円形の開口である窓5が設けられている。窓5の内側には、発信機の押しボタン6が表面パネル2の表面3の側から操作可能に露出する。この警報音響装置1では、火災という非常時に間違いなく押しボタン6を手動で押す操作が可能なように、発信機の押しボタン6を最も目立つ表面パネル2の中央に配置している。なお、窓5には、押しボタン6を間違って押すことがないように、また、非常時に押しても容易に突き破れるように、透明な薄い有機ガラスでできている(図示しない)保護板を設け、押しボタン6を覆うようにするのが好ましい。
また、発信機は、押しボタン6の他に、P型1級発信機の要件を満たす応答ランプおよび電話ジャックを、表面パネル2の表面3の側に開閉可能に設けられる扉7の内側に収めている。応答ランプおよび電話ジャックは、携帯式の電話装置を使用して受信機との通話ができるので、メンテナンスや保守点検で使用する。筐体4の内部に収容される発信機の回路配置の都合から、扉7は警報音響装置1の表面パネル2の中央に寄って配置されることになる。本実施例において、扉7は押しボタン6を中央に配置する窓5の上側に配置されている。
なお、警報音響装置1が押しボタン6のみを備えるP型2級発信機の要件を満たすので足りる場合には、応答ランプおよび電話ジャックを覆う扉7は、設ける必要はない。その場合には、警報音響装置1は、扉7に代えて(図示しない)表示灯を設けてもよい。ただし、発信機の扉7であっても、表示灯であっても、警報音響装置1の表面パネル2の中央寄りに配置して、目立ちやすくするのが好ましい。もちろん、扉7と表示灯の両方を表面パネル2の表面3に設けてもよい。
警報音響装置1は、警報音として複数のピーク周波数成分を有するベル音の音声信号を出力する(図示しない)ベル音再生部と、ベル音再生部から出力される音声信号を電力増幅してスピーカー10に出力する(図示しない)増幅器と、を含む。ベル音再生部および増幅器は、表面パネル2の背面側に配置される筐体4の内部に収容される。ベル音再生部および増幅器は、非常時に警報音をスピーカー10から報知する際に動作する。
図2は、本実施例の警報音響装置のベル音のスペクトルと、警報音響装置の音圧周波数特性を示すグラフである。ベル音再生部から出力されるベル音の音声信号Bは、従来の警報音響装置が有するベルの稼働音を録音した信号である。実存するベルのベル音は、グラフに示すような複数のピーク周波数を有し、特に人間の聴覚で感度が高い1kHz〜8kHz付近のなかでも、約2.5kHzと約4kHzの付近に大きなピーク周波数を有する。
警報音響装置1のスピーカー10は、発信機または表示灯の少なくともいずれか一方を一体にして小型化を図るのに、比較的に小口径の振動板を有する動電型スピーカー11を採用する。ただし、動電型スピーカー11のみでは、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができるという要件を満たすのが困難になるので、動電型スピーカー11にキャビネット12およびダクト14により形成される音響回路を組み合わせてスピーカー10を構成する。
具体的には、スピーカー10は、面積S1(=約380.0mm^2)の振動板を有する動電型スピーカー11と、振動板の表面側並びに背面側に音響容量を規定するキャビネット12と、キャビネット12の表側の音響容量13に連通する音響通路を規定するダクト14と、を有する。ダクト14の他端側は、表面パネル2に設けられる面積S2(=約100.0mm^2)の開口である音孔15に連通する。つまり、表面パネル2の背面側からダクト14が取り付けられて、音孔15が音響通路の端部となる。その結果、警報音響装置1は、音孔15から動電型スピーカー11が放射する警報音を外部空間に放射する。
スピーカー10の音響回路では、ダクト14ならびに表面パネル2の音孔15の面積S2が、動電型スピーカー11の振動板の面積S1よりも小さくなっている。その結果、スピーカー10の音響回路は、ヘルムホルツレゾネータとして機能して、特定の共振周波数で音圧レベルが高くなる鋭いピーク特性を有する。したがって、表面パネル2に設けられる音孔15から所定の距離において測定するスピーカー10の音圧周波数特性には、音圧レベルが約10dB程度高くなるピーク周波数が、複数の周波数で出現する。図2のグラフに図示するように、警報音響装置1のスピーカー10は、ベル音の約2.5kHzのピークに一致する周波数で音圧レベルが上昇するピーク特性を示す。したがって、警報音響装置1は、ベル音の約2.5kHz付近を高い音圧レベルで放射することができる。
表面パネル2に設けられる音孔15の位置は、押しボタン6を中央に配置する窓5に近接して下側寄りに設けられている。本実施例の場合に矩形状の音孔15の位置は、そのほぼ中心位置である点Qで規定することができる。円形の表面パネル2において、音孔15の位置を規定する点Qは、例えば中心点Oからの距離Rq(0<Rq<Ra)に離れた所に位置する。すなわち、相対的に表面パネル2の半径Raに対して距離Rqが小さいほど、音孔15の位置が中央部8寄りに設けられていることになる。反対に、相対的に表面パネル2の半径Raに対して距離Rqが近い値になる位に大きくなると、音孔15の位置が中央部8から離れて遠くに設けられていることになる。
図1(a)で示す円形の表面パネル2において、点線で示す中央部8は、中心点Oから半径Rb(0<Rb<<Ra)の円の内側の領域として規定することができる。例えば、Rb=Ra/2と仮定する場合には、少なくとも半径Raの表面パネル2において、中心点Oの周囲の面積(π/4)・Ra^2の領域を中央部8と規定することができる。半径Rbは、Ra/2以下の値であればよく、その値が小さいほど、中央部8は中心点Oの周囲に狭く規定される。
したがって、音孔15が表面パネル2の中央部8に寄って設けられている場合とは、音孔15の位置を規定する点Qの位置を示す半径Rqが、0<Rq<=Rb<<Raを満たす位置にある場合と規定することができる。例えば、図1(a)で示すように、音孔15の開口が全て中央部8に収まっていなくても、音孔15の中心点Qが中心点Oに対して近く、反対に音孔15の中心点Qが表面パネル2の外形の縁に遠い位置にあれば、音孔15が表面パネル2の中央部8に寄って設けられているといえる。もちろん、音孔15の開口が広い面積で収まっている場合、または、全て中央部8に収まっている場合には、明らかに音孔15が表面パネル2の中央部8に寄って設けられていることになる。
音孔15の面積S2は、表面パネル2の表面3の全面積に比較して、遙かに小さくなる。音孔15が表面パネル2に設けられている場合には、音孔15から放射される放射音は、音波の波長に応じて表面3で反射・回折する。つまり、表面パネル2の表面3は、音孔15からの放射音が反射・回折するバフル板として作用する。したがって、表面パネル2の表面3における音孔15の位置に応じて、表面3での反射・回折の程度は影響を受けて変化する。後述するように、表面パネル2の外形形状からみて音孔15がその中央部8に寄って位置するほどに、反射・回折による音圧周波数特性におけるピークは大きくなる方向に変化しやすい。
つまり、この警報音響装置1では、音響通路の端部であり動電型スピーカー11が放射する警報音を外部空間に放射する音孔15が、押しボタン6に近接して中央部8寄りに設けられている。この警報音響装置1のスピーカー10においては、その音孔15を円形の表面パネル2の中央部8に寄せて設けているので、ヘルムホルツレゾネータとしての音響回路での音圧レベルの上昇に加えて、表面パネル2での反射・回折による音圧レベルの上昇を加味することができる。
図1に図示するように、警報音響装置1の発信機の押しボタン6が最も目立つ表面パネル2の中央に配置するのを優先する場合には、発信機を収容する筐体4が中央に位置することになるので、スピーカー10を中央部8に寄せて設けるのは困難になりやすい。ただし、本実施例の警報音響装置1のスピーカー10は上記のような音響回路を備える構成を有するので、音孔15を表面パネル2の中央部8に寄せて位置させることができる。また、後述するように、小型の動電型スピーカー11を備える場合であっても、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができ、警報音響装置1の全体を小型化できる。
図3は、本実施例の警報音響装置1および比較例のスピーカーの音圧周波数特性を示すグラフである。具体的には、太い実線が警報音響装置1の場合である。また、比較例は、細い実線が上記の動電型スピーカー11およびキャビネット12のみの場合のスピーカーの音圧周波数特性であり、さらに点線が上記の音響回路を組み合わせた場合のスピーカー10の音圧周波数特性である。
したがって、図3のグラフでは、動電型スピーカー11およびキャビネット12のみの場合に比較して、スピーカー10のヘルムホルツレゾネータとしての音響回路での音圧レベルの上昇が示されている。また、スピーカー10の場合に比較して、警報音響装置1の表面パネル2における反射・回折による音圧レベルの上昇が示されている。結果的に、警報音響装置1は、ベル音が高い音圧レベルを有する約2.5kHz付近で、動電型スピーカー11のみの場合に比較して約20dBも高い再生音圧レベルになる。したがって、警報音響装置1は、ベル音の約2.5kHz付近を高い音圧レベルで放射することができる。
図4は、本実施例および比較例の表面パネルの表面で反射・回折する音波の音圧周波数特性を示すグラフである。具体的には、図4(a)は、本実施例の警報音響装置1の場合であってスピーカー10の音孔15が表面パネル2の表面3の中央部8に寄せて位置する場合であり、また、図4(b)は、比較例の場合であってスピーカー10の音孔15が表面パネル2の中央部8から離れて表面3に位置する場合である。つまり、図4のグラフは、表面パネル2での反射・回折によるバフル効果について、音孔15の位置に起因する音圧レベルの上昇の違いを示している。
上記の通り、音孔15が表面パネル2に設けられている場合には、音孔15から放射される放射音は、音波の波長に応じて表面3で反射・回折する。その場合に、音孔15の中心点Qから見た表面パネル2の外形形状が円形に近ければ、外形形状を規定する等価的な寸法Raがその波長に近くになるような音波の周波数で強め合うので、音圧レベルにピークを生じやすくなる。つまり、図4のグラフに示すように、本実施例のように表面パネル2の外形形状からみて音孔15がその中央部8に寄って位置するほどに、反射・回折による音圧周波数特性における約2.5kHz付近のピークは大きくなる方向に変化する。したがって、本実施例のようにスピーカー10の音孔15を表面パネル2の表面3の中央部8に寄せて位置させるのが好ましい。
本実施例の警報音響装置1では、装置から離れた軸上1mの位置において地区音響装置に必要である音圧レベル90dBA(peak)以上を達成することができる。この警報音響装置1では、発信機と地区音響装置を一体化することで、機器同士を接続する手間と部品点数の削減が実現できて小型化され、意匠的にも建物の景観を損なわないという利点がある。
表面パネル2の表面3でのバフル効果は、表面パネル2の形状が本実施例のような円形である場合に限られない。円形以外の場合には、音孔15の中心点Qから見た表面パネル2の外形形状を規定する等価的な寸法Raが、周方向の角度に応じてある程度の幅をもって変化するのに等しいので、反射・回折による音圧周波数特性におけるピークを持たせるべき周波数に対応して等価的な寸法Raが多く出現するように、スピーカー10の音孔15を表面パネル2の表面3の中央部8に寄せて位置させるのが好ましい。
図5は、本発明の好ましい実施形態による他の警報音響装置1aについて説明する図である。具体的には、図5(a)は、警報音響装置1aの外観を示す正面図であり、図5(b)は、警報音響装置1aを構成する表面パネル2aの中心点Oを通過する中心軸を含むA−A断面図である。なお、以下の説明および図5では、本発明の説明に不要な構成の説明および図示を省略する。
警報音響装置1aは、先の実施例の警報音響装置1に比較して、表面パネル2aの外形形状が矩形に変更になり、それに応じて発信機の押しボタン6およびその窓5の形状も略矩形に意匠的に変更されている。また、スピーカー10aの音孔15を表面パネル2の中央にさらに寄せて位置させるように、スピーカー10aの音孔15を窓5と扉7との間に挟まれるように配置している。また、スピーカー10aは、ヘルムホルツレゾネータとしての音響回路に代えてホーン16を採用している。その他の点については、警報音響装置1aは先の実施例の警報音響装置1にほぼ共通するので、共通するところは共通の番号を付して説明を省略する。
警報音響装置1aは、矩形平面状の表面3を有する表面パネル2aを有する。本実施例の表面パネル2aは、横方向寸法2Xa、縦方向寸法2Yaの縦に長い長方形である。ただし、表面パネル2aの形状は、正方形であっても、横に長い長方形であっても構わない。表面3の外形寸法を定める寸法である中心点Oからの距離寸法Xa、Yaが、上記の実施例の警報音響装置1の表面パネル2の直径Raと、同程度の寸法であればよい。
警報音響装置1aのスピーカー10aは、比較的に小口径の振動板を有する動電型スピーカー11にホーン16を組み合わせている。動電型スピーカー11のみでは、所定の音圧レベル以上の音響により警報を発することができるという要件を満たすのが困難になるので、動電型スピーカー11にキャビネット12およびホーン16により形成される音響回路を組み合わせてスピーカー10aを構成する。ホーン16は、キャビネット12の表側の音響容量13に連通する喉部が狭く構成されて、喉部から開口である音孔15に至るまで徐々に断面積が広くなる音響通路を構成する。表面パネル2の背面側からホーン16が取り付けられて、音孔15が音響通路の端部となる。その結果、警報音響装置1は、音孔15から動電型スピーカー11が放射する警報音を外部空間に放射する。
スピーカー10aの音響回路では、断面積を徐々に変化させることで音響インピーダンスを調整するように作用するホーン16を設けるので、音響放射の効率が高くなる。その結果、スピーカー10aの音響回路は、音圧レベルが高くなる再生音圧周波数特性を有する。したがって、表面パネル2に設けられる音孔15から所定の距離において測定するスピーカー10の音圧周波数特性も、動電型スピーカー11のみの場合に比較して音圧レベルが約10dB程度高くなる。
表面パネル2aに設けられる音孔15の位置は、押しボタン6を中央に配置する窓5に近接してやや上側寄りに設けられている。本実施例の場合にも矩形状の音孔15の位置は、そのほぼ中心位置である点Qで規定することができ、中心点Oからの距離Rq(0<Rq<Ra)により位置を規定できる。
図5(a)で示す長方形の表面パネル2aにおいて、点線で示す中央部8は、横方向寸法2Xb(0<Xb<<Xa)、縦方向寸法2Yb(0<Yb<<Ya)の縦に長い長方形の内側の領域として規定することができる。例えば、Xb=Xa/2、Yb=Ya/2と仮定する場合には、少なくとも矩形の表面パネル2aにおいて、中心点Oの周囲の面積(Xb・Yb)=(Xa・Ya)/4の領域を中央部8と規定することができる。寸法Xb、Ybは、寸法Xa、Yaのそれぞれ1/2以下の値であればよく、その値が小さいほど、中央部8は中心点Oの周囲に狭く規定される。
この警報音響装置1aにおいても先の警報音響装置1と同様に、音響通路の端部であり動電型スピーカー11が放射する警報音を外部空間に放射する音孔15が、押しボタン6に近接して中央部8に収まるように設けられている。この警報音響装置1aのスピーカー10においては、その音孔15を矩形の表面パネル2aの中央に寄せて設けているので、ホーン16での音圧レベルの上昇に加えて、表面パネル2aでの反射・回折による音圧レベルの上昇を加味することができる。
また、警報音響装置1または1aにおいて、表面パネル2の中央部8に寄せて設けられる音孔15は、上記実施例のような1つの場合に限らず、複数の音孔15を設けてもよい。音響通路を形成するダクト14またはホーン16が、複数に分岐して複数の音孔15に至るようにしてもよい。つまり、複数の音孔15であっても、表面パネル2の中央部8に寄せて設けられるものであればよい。
なお、表面パネル2の中央部8に寄せて設けられる音孔15の形状は、上記実施例のような矩形に限らず、円形でも楕円形であっても、他の多角形であってもよい。また、表面パネル2の表面3の形状も、上記実施例のような平面に限られず、音孔15から放射される音波の波長に比較して相対的に小さい凹凸を有する立体的な構造を含むものであってもよい。
また、上記実施例のスピーカー10または10aに用いられる動電型スピーカー11は、動電型の電機音響変換器に限られない。ベル音再生部から出力される電気の音声信号を音波に変換して放射する圧電型または静電型といった他の電機音響変換器によるスピーカーを用いてもよい。
本発明の警報音響装置のスピーカーは、図示するようなフルレンジ型の動電型スピーカー11に限らず、低音域の音声再生に優れるウーファー、または、高音域の音声再生に優れる振動板面積が小さい動電型スピーカーであるツィーター、または、中音域の再生に適する動電型スピーカーであるスコーカーを組み合わせて採用してもよい。
1、1a 警報音響装置
2、2a 表面パネル2
3 表面
4 筐体
5 窓
6 押しボタン
7 扉
8 中央部
10 スピーカー
11 動電型スピーカー
12 キャビネット
13 音響容量
14 ダクト
15 音孔
16 ホーン

Claims (4)

  1. 火災報知設備を構成する発信機の押しボタンまたは表示灯の少なくともいずれか一方がその中央部に外観視可能に取り付けられる表面パネルと、振動板を有するスピーカーと、該振動板の少なくとも一方面側に音響容量を規定するキャビネットと、該キャビネットの該音響容量に連通する音響通路を規定するダクトまたはホーンと、を少なくとも有し、
    該表面パネルは、その背面側から該ダクトまたは該ホーンが取り付けられて、該音響通路の端部であり該スピーカーが放射する警報音を外部空間に放射する音孔が、該押しボタンまたは該表示灯に近接して該中央部寄りに設けられている、
    警報音響装置。
  2. 前記表面パネルが、外形が略円形または略矩形の平板状の表面を有し、その前記中央部が、該表面パネルの中心点から該外形を規定する外形寸法の約1/2以下の範囲として規定される、
    請求項1に記載の警報音響装置。
  3. 前記表面パネルの前記音孔の面積が、前記スピーカーの前記振動板の面積よりも小さく、かつ、該表面パネルの前記中央部の面積よりも小さい、
    請求項1または2に記載の警報音響装置。
  4. 前記警報音として複数のピーク周波数成分を有するベル音の音声信号を出力するベル音再生部と、該ベル音再生部から出力される音声信号を電力増幅して前記スピーカーに出力する増幅器と、をさらに含み、
    該ベル音の該ピーク周波数成分の少なくとも一つのピーク周波数と、該ダクトまたは該ホーンおよび該キャビネットの音響容量ならびに音響質量により定まる音響回路の少なくとも一つの共振周波数と、がほぼ一致するように設定されている、
    請求項1から3のいずれかに記載の警報音響装置。
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