JP2019196976A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことが可能な情報処理装置の提供。【解決手段】慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、を備え、前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、情報処理装置。【選択図】図5

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
現在、電子コンパス、または全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)などにより検出される方位に基づき、ユーザの移動をナビゲーションする技術が普及している。
上述の技術に関連し、例えば、下記特許文献1には、ジャイロセンサが検出する角速度と、地磁気センサが検出する地磁気データに基づき、方位を検出する技術が開示されている。
特開2013−057601号公報
しかしながら、上記の技術で用いられる地磁気センサは、鉄筋等から生じる磁気ノイズによる影響を受けやすく、検出される方位に磁気ノイズによる誤差が生じてしまう。そのため、磁気ノイズの影響が大きい場所では、検出される方位の精度が低下してしまう。
このような周辺環境の影響を受けずに方位を検出する技術として、ジャイロコンパスを用いる方法がある。ジャイロコンパスとは、検出される地球の自転成分に基づき、北方向を検出する機能を有する装置である。しかし、ジャイロコンパスによる方位の検出には、厳密な静止が求められることが多い。ユーザは典型的には移動中にナビゲーションを受けるので、このような静止の要求はユーザの行動を制約することになってしまう。
そこで、本開示では、移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提案する。
本開示によれば、慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、を備え、前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、情報処理装置が提供される。
また、本開示によれば、慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行うことと、前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なることと、前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測されることと、を含む、プロセッサにより実行される情報処理方法が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータを、慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、として機能させ、前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、プログラムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことが可能となる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の実施形態に係る比較例の概要を示す説明図である。 同実施形態に係る北方向の推定処理の例を示す説明図である。 同実施形態に係るバイアス除去処理の例を示す説明図である。 同実施形態に係る概要を示す説明図である。 同実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。 同実施形態に係る統計処理の例を示す説明図である。 同実施形態に係る方位多様性評価値に基づく探北処理の開始条件の例を示す説明図である。 同実施形態に係るノイズ低減が不十分な場合における探北処理の開始条件の例を示す説明図である。 同実施形態に係る誤差込み方位多様性評価値に基づく探北処理の開始条件を示す説明図である。 同実施形態に係る2つの角速度に基づく拘束条件の例を示す説明図である。 同実施形態に係る3つの角速度に基づく拘束条件の例を示す説明図である。 同実施形態に係る3次元におけるバイアス除去処理の例を示す説明図である。 同実施形態に係るユーザの歩行例を示す説明図である。 同実施形態に係る方位の表示例を示す説明図である。 同実施形態に係るユーザに対する指示の表示例を示す説明図である。 同実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。 同実施形態に係るGNSS精度評価処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係るキャリブレーション処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る非移動処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る第1の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る第1の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る第2の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る第3の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る第4の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る第5の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る第5の変形例を示す説明図である。 同実施形態に係る携帯端末10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施形態
1.1.概要
1.2.機能構成例
1.3.動作例
2.変形例
3.ハードウェア構成例
4.まとめ
<<1.本開示の実施形態>>
<1.1.概要>
以下では、図1〜図4を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。図1は、本開示の実施形態に係る比較例の概要を示す説明図である。
近年、スマートフォン等の携帯端末10には、電子コンパス、またはGNSS等により検出される方位に基づき、ユーザの移動をナビゲーションする機能が搭載されている。例えば、図1に示すように、携帯端末10には、地図が表示され、当該地図上には、ユーザの現在位置と方位を示すオブジェクト152が表示される。そして、ユーザの移動に合わせて、当該オブジェクト152の位置及び向きが変化することで、ユーザを目的地154までナビゲーションすることができる。
しかしながら、電子コンパス、及びGNSSの精度は、周囲の環境が大きく影響する。例えば、都市部のような鉄筋造の建造物が多い場所では、電子コンパスは、鉄筋から生じる磁気ノイズによる影響を受けやすく、検出される方位の精度が低下する。また、都市部のビル街、地下街、及び駅のホームなどは、GNSSの衛星信号を遮蔽する遮蔽物や、マルチパスとなるものが多く、GNSSの衛星信号の受信環境としては悪い。そのため、都市部のビル街、地下街、及び駅のホームなどでは、GNSSにより検出される位置の精度が低下する。よって、図1に示すように、ユーザが向いている方位が、真の方位156とずれて表示されてしまう場合がある。
そこで、上述のような周辺環境の影響を受けずに方位を検出する技術として、ジャイロコンパスを用いる方法がある。ジャイロコンパスとは、検出される地球の自転成分に基づき、北方向を検出する機能を有する装置である。地磁気を用いる電子コンパスとは異なり、ジャイロコンパスにより検出される方位には周辺環境の影響による誤差が生じない。また、ジャイロコンパスにより検出される方位の精度は、2方向に静止した際の各々の方向において検出される情報に基づき補正されることで向上する。また、ジャイロコンパスは、より厳密な静止が担保される機械において有用である。
上述のように、ジャイロコンパスは周辺環境の影響を受けずに方位を検出することができるため、人間が利用した際にもより精度の高い方位が検出されることが期待される。しかし、人間は、厳密な静止をすることができない。そのため、ジャイロコンパスによる方位の検出時、人間の微小な動きが検出されてしまい、ジャイロコンパスにより検出される方位には、当該微小な動きによる誤差が生じる。よって、ジャイロコンパスは、人間が利用した際に検出される方位の精度を担保することができない。仮に、人間が厳密な静止をすることができたとしても、ユーザは、ジャイロコンパスが方位の検出を行う度に厳密な静止をする必要があり、それは、ユーザの行動を制約することになってしまう。
本開示の実施形態では、上記の点に着目して発想されたものであり、移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことが可能な技術を提案する。特に、本開示の実施形態では、移動体の移動中における北方向の検出がより高精度に行われる。
以下では、図2〜図4を参照しながら、本開示の実施形態の概要について説明する。図2は、本開示の実施形態に係る北方向の推定処理の例を示す説明図である。なお、図2の左側に示す図は、携帯端末10を端末座標系のx軸方向から見た図であり、右側に示す図は、携帯端末10を端末座標系のz軸方向から見た図である。図3は、本開示の実施形態に係るバイアス除去処理の例を示す説明図である。なお、図3の左側に示す図は、バイアス除去前の角速度を示す図であり、右側に示す図は、バイアス除去後の角速度を示す図である。
(北方向の推定処理)
一般的なジャイロコンパスでは、北方向の推定処理は、ジャイロセンサにより検出される角速度に基づき行われる。例えば、図2の左側に示すように、地球70の任意の位置に、ジャイロコンパス18が静止した状態で置かれていたとする。ジャイロコンパス18のジャイロセンサにより、地球70の地軸(自転軸)周りにおける、地球の自転により生じる角速度が計測される。なお、ジャイロセンサは、北方向と垂直方向である方向、即ち、東西方向(X軸)における角速度成分は検出しない。また、北方向と垂直でない方向、即ち南北方向(Y軸)における角速度成分は検出する。そして、ジャイロコンパス18は、検出した角速度成分の内、最大となる角速度成分のベクトル方向を北方向としている。
なお、X軸方向における角速度成分は、Ωp_X1=0、Ωp_X2=0である。また、Y軸方向における角速度成分は、Ωp_Y1=ωER×cosθ、Ωp_Y2=−ωER×cosθである。ωERは、地球の自転の速度である。また、θは、携帯端末10の位置における緯度である。また、X軸とY軸と垂直である方向(Z軸)における角速度は、Ωp_Z=ωER×sinθ(一定)である。なお、携帯端末10は、GNSSから緯度を取得する。
上述のように、ジャイロコンパス18は、ジャイロセンサが計測した角速度に基づき、北方向の推定処理を行っている。なお、ジャイロセンサが計測する角速度は、ジャイロセンサのバイアスによる誤差成分が含まれている場合がある。そこで、ジャイロコンパス18は、バイアスが除去された角速度(以下では、自転成分とも称される)に基づき北方向の推定処理を行うことで、より高精度に北方向を推定することができる。
(バイアス除去処理)
一般的なバイアスを除去する方法では、ジャイロセンサが備えられたジャイロコンパス、または携帯端末等の装置が静止している時に計測される少なくとも2つの角速度に基づき、バイアスが推定され、角速度から除去される。これにより、自転成分が算出される。なお、ジャイロコンパス、または携帯端末等の装置が動いている場合、運動成分が生じて角速度に誤差が生じてしまう。よって、当該方法では、ジャイロコンパス、または携帯端末等の装置が静止していることが前提である。
ジャイロコンパスのジャイロセンサが計測する角速度は、基本的には3軸方向の角速度を計測する。計測された3軸方向の角速度に基づき推定されるバイアスは、3次元空間におけるバイアスとして推定される。当該方法により最終的に算出される自転成分は、一定仰角(緯度)における平面上の任意の位置を中心とする円の円周上に存在する。そのため、ジャイロコンパスが位置する緯度が分かれば、3次元空間ではなく2次元平面におけるバイアスの推定とすることができる。
例えば、図3の左側の図には、ある緯度において計測された角速度30Aと角速度30Bが、XY平面上に示されている。なお、角速度30Aと角速度30Bは、それぞれ異なる方向において計測された角速度である。この2つの角速度が円周上に存在する円50の中心における角速度が、バイアス40となる。円50の中心は、地球の自転速度であるωERと緯度θに基づき、円50の半径を算出することで求めることができる。半径は、ωER×cosθである。
バイアス40を算出後、角速度30バイアス40を除去することで、自転成分を算出することができる。図3の右側に示す図は、例えば、角速度30Bからバイアス40を除去した状態を示している。
上述のように、一般的なバイアスを除去する方法では、静止時に計測される異なる2方向における少なくとも2つの角速度と、緯度に基づき、バイアスが推定され、角速度からバイアスが除去される。
(移動体への適用)
上述した一般的な北方向の推定処理、及びバイアス除去処理は、ジャイロコンパスが静止した状態であることが前提である。そのため、例えば、ジャイロコンパス機能を有する移動体に対して、上述の方法をそのまま適用することはできない。なぜならば、移動体が移動することにより、計測される角速度には自転成分とバイアスに加え、移動により生じる角速度(以下では、運動成分とも称される)が含まれるからである。そこで、本開示の実施形態では、計測される角速度から、運動成分を除去し、上述の方法によりバイアスを除去し、さらに上述の方法により北方向の推定処理を行うことで、移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことが実現される。
図4は、本開示の実施形態に係る概要を示す説明図である。図4に示す携帯端末10は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の情報処理装置である。ユーザ20は、携帯端末10を携帯して移動する。ユーザ20が携帯端末10を携帯して移動することで、携帯端末10は、ユーザ20の移動に合わせて移動する。そのため、携帯端末10は、移動体でもある。なお、以下では、ユーザ20は、携帯端末10を携帯していることを前提とする。そのため、ユーザ20が移動するということは、即ち、携帯端末10も移動していることを示している。また、携帯端末10が移動するということは、即ち、ユーザ20が移動していることを示している。
携帯端末10は、慣性データ(計測値)を計測可能な装置を備えている。当該装置は、携帯端末10の移動時又は静止時における、携帯端末10に関する慣性データを計測する。当該慣性データには、例えば、加速度と角速度が含まれる。慣性データは、以下では、加速度、又は角速度とも称される。
まず、慣性計測装置は、携帯端末10が位置1から位置2に移動する間に、1つ目の角速度を計測する。次に、慣性計測装置は、携帯端末10が移動の方向を変更して位置2から位置3に移動する間に、2つ目の角速度を計測する。これにより、携帯端末10は、異なる2方向の各々における角速度を取得する。
取得された角速度は、運動成分、バイアス、及び自転成分で構成されている。そこで、携帯端末10は、運動成分算出し、各々の角速度から除去する。運動成分の除去後、携帯端末10は、運動成分が除去された2つの角速度に基づき、バイアスを算出し、運動成分が除去された2つの角速度からバイアスを除去する。そして、携帯端末10は、運動成分とバイアスが除去されて自転成分のみとなった角速度に基づき、北方向の推定処理を行う。
なお、本開示の実施形態に係る北方向の推定処理では、少なくとも2つの角速度が用いられる。また、当該少なくとも2つの角速度の各々が計測された時の携帯端末10の向きは、互いに異なる。また、当該少なくとも2つの角速度の少なくとも一方は、携帯端末10が移動している間に計測された角速度である。もう一方の角速度は、携帯端末10が移動している間に計測された角速度でもよいし、携帯端末10が静止している間に計測された角速度でもよい。
以上、図1〜図4を参照しながら、本開示の実施形態について説明した。続いて、本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成例について説明する。
<1.2.機能構成例>
以下では、図5〜図15を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成例について説明する。図5は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、本開示の実施形態に係る携帯端末は、慣性計測部120、通信部130、制御部140、出力部150、及び記憶部160を備える。
(1)慣性計測部120
慣性計測部120は、携帯端末10に関する慣性データを計測する機能を有する。慣性計測部120は、慣性データを計測可能な装置として、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)を備えている。慣性計測装置は、加速度センサを備えており、慣性データの1つとして、携帯端末10の移動速度の変化量である加速度を計測する。また、慣性計測装置は、角速度センサを備えており、慣性データの1つとして、携帯端末10の姿勢の変化量である角速度を計測する。慣性計測部120は、慣性計測装置が計測した慣性データを制御部140に出力する。
(2)通信部130
通信部130は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部130は、外部装置との通信において、外部装置から受信した情報を制御部140に出力する。また、通信部130は、外部装置との通信において、制御部140から入力された情報を外部装置に送信する。
(3)制御部140
制御部140は、携帯端末10の全体を制御する機能を有する。例えば、制御部140は、慣性計測部120における計測処理を制御する。
また、制御部140は、通信部130における通信処理を制御する。具体的に、制御部140は、制御部140で実行した処理に応じて出力される情報を、外部装置に対して通信部130に送信させる。
また、制御部140は、出力部150における表示処理を制御する。具体的に制御部140は、制御部140で実行した処理結果に応じた情報を出力部150に表示させる。
また、制御部140は、記憶部160における記憶処理を制御する。具体的に、制御部140は、制御部140で実行した処理に応じて出力される情報を、記憶部160に記憶させる。
また、制御部140は、入力された情報に基づく処理を実行する機能を有する。例えば、制御部140は、携帯端末10の移動時に慣性計測部120から入力された慣性データから、移動による携帯端末10の姿勢の変化量を示す運動成分、及び慣性計測装置のバイアスを除去して得られる自転成分に基づき、北方向の推定処理を実行する。なお、北方向の推定処理には、少なくとも2つの自転成分が用いられる。当該少なくとも2つの自転成分は、異なる2方向の各々にて移動体が移動している間に計測された慣性データに基づき算出される。
また、当該少なくとも2つの自転成分には、移動体が移動している間に計測された慣性データに基づき算出された自転成分が少なくとも1つ含まれていればよい。そのため、当該少なくとも2つの自転成分の一方は、携帯端末10の静止時に計測された慣性データに基づき算出された自転成分であってもよい。携帯端末10の静止時に計測された慣性データには運動成分が含まれないため、制御部140は、慣性データからバイアスのみを除去すればよい。
上述のように、制御部140は、移動体が移動中であっても、角速度から運動成分を除去することで移動体が静止している時と同様の状態にて北方向の推定を行うことができる。また、制御部140は、角速度から慣性計測装置のバイアスを除去することで、北方向の推定をより高精度に行うことができる。
以下では、北方向が推定されるまでに制御部140が実行する処理について、具体的に説明する。
(GNSS精度評価処理)
GNSS精度評価処理では、制御部140は、GNSSによる測位の精度を評価する機能を有する。例えば、制御部140は、上空における衛星配置によって精度が低下する度合を示す精度低下率(DOP:Dilution Of Precision)に基づき、GNSSによる測位の精度を評価する。
評価の結果、GNSSの精度が低いと判定した場合、制御部140は、GNSSによるナビゲーションからジャイロコンパスによるナビゲーションに切り替える。GNSSの精度が高いと判定した場合、制御部140は、GNSSによるナビゲーションを継続する。
(方向変化演算処理)
方向変化演算処理では、制御部140は、慣性計測部120が計測する角速度に基づき、携帯端末10が移動又は静止している間の方向の変化量を算出する。制御部140は、当該変化量に基づき、携帯端末10が移動又は静止している間の方向が変化したか否かを判定する。
(移動検出処理)
移動検出演算処理では、制御部140は、慣性計測部120が計測する加速度に基づき、携帯端末10が移動又は静止しているかを検出する。
(方向変化検出処理、慣性データ取得処理)
慣性データ取得処理では、制御部140は、慣性計測部120に携帯端末10に関する慣性データを計測させる。具体的に、制御部140は、携帯端末10が所定の時間だけ所定の範囲内の方向に移動又は静止している間、慣性計測装置に慣性データを計測させる。
ここで、所定の範囲とは、例えば、携帯端末10が移動又は静止していると判定された時点における携帯端末10の向きを基準とし、当該基準からの向きの変化量(方向変化量)を角度で示した範囲のことである。携帯端末10が移動又は静止している間の方向の変化量が所定の範囲(第1の範囲)内である場合、制御部140は、携帯端末10が一定の方向に移動又は静止していると判定し、慣性計測部120に1つ目の方向における角速度を計測させる。所定の範囲(第1の範囲)の具体的な数値として、例えば、±20度が設定される。即ち、携帯端末10が移動又は静止している間の方向の変化量が±20度以内である場合、制御部140は、携帯端末10が一定の方向に移動又は静止していると判定する。なお、所定の範囲(第1の範囲)の具体的な数値は±20度に限定されず、任意の数値が設定されてもよい。
1つ目の方向における角速度を計測後、制御部140は、携帯端末10の方向の変化量に基づき、携帯端末10が移動又は静止しいている方向に変化があった否かを確認する。携帯端末10が移動又は静止している間の方向の変化量が所定の範囲(第2の範囲)以上である場合、制御部140は、携帯端末10が移動又は静止している方向が変化したと判定し、慣性計測部120に2つ目の方向における角速度を計測させる。所定の範囲(第2の範囲)の具体的な数値として、例えば、±45度が設定される。即ち、携帯端末10が移動又は静止している間の方向の変化量が±45度以上である場合、制御部140は、携帯端末10が移動又は静止している方向が変化したと判定する。なお、所定の範囲(第2の範囲)の具体的な数値は±45度に限定されず、任意の数値が設定されてもよい。
慣性計測部120が1つの方向にて所定の時間だけ角速度を計測できた場合、制御部140は、1方向における角速度の計測が完了したことを示すキャリブレーションレベルに1を加算する。
なお、所定の時間が経過する前に携帯端末10が移動又は静止している方向が変化したと判定された場合、制御部140は、変化前の方向における角速度の計測を終了し、変化後の方向における角速度の計測を開始する。
なお、携帯端末10が移動又は静止している方向が変化する前後で計測される2つの角速度は、一方の角速度が携帯端末10の移動時に計測された角速度であれば、もう一方の角速度は、携帯端末10の静止時に計測された角速度であってもよい。
なお、慣性計測部120は、所定の時間だけ計測処理を繰り返すため、複数の角速度を計測する。制御部140は、当該複数の角速度に対して統計処理を行うことで平均化された角速度を算出する。以下では、図6を参照しながら、角速度に対する統計処理について説明する。図6は、本開示の実施形態に係る統計処理の例を示す説明図である。なお、図6に示す各円は、誤差を含む角速度が分布する誤差分布範囲を示しており、各円の中心が真値であるとする。
慣性計測部120が計測する角速度は、ノイズが含まれることで真値を中心にばらつきを持っている。そこで、慣性計測部120が所定の時間だけ計測処理を繰り返すことで複数の角速度(以下では、サンプルとも称される)を計測され、当該複数の角速度を制御部140が平均化することで、角速度に含まれるノイズが低減される。なお、所定の時間が長くなる程、計測されるサンプル数が多くなり、よりノイズを低減することができる。また、携帯端末10が移動している場合には、携帯端末10の移動時間を所定の時間とする。また、携帯端末10が静止している場合には、携帯端末10の静止時間を所定の時間とする。
例えば、慣性計測部120が1サンプルだけ計測した場合、図6に示す2点鎖線の円の範囲内のいずれかの位置にサンプルが分布する。慣性計測部120が1秒分のサンプルを計測し、制御部140が平均化すると、1サンプルだけの場合と比較してノイズが小さくなり、サンプルが分布する範囲は、1点鎖線の円の大きさまで小さくなる。また、慣性計測部120が10秒分のサンプルを計測し、制御部140が平均化すると、1秒分のサンプルの場合と比較してノイズがさらに小さくなり、サンプルが分布する範囲は、破線の円の大きさまで小さくなる。また、慣性計測部120が100秒分のサンプルを計測し、制御部140が平均化すると、10秒分のサンプルの場合と比較してノイズがさらに小さくなり、サンプルが分布する範囲は、実線の円の大きさまで小さくなる。なお、本開示の実施形態では、図6に実線で示される100秒分の誤差分布範囲が許容誤差範囲であり、100秒分のサンプルを平均化することで算出される角速度が後述する探北処理に用いられる。
(キャリブレーション処理)
キャリブレーション処理では、制御部140は、上述した慣性データ取得処理を行い、取得した角速度から運動成分を除去する処理(運動成分除去処理)を行う。制御部140は、運動成分を任意の方法により算出してよい。
例えば、制御部140は、慣性計測装置が計測する携帯端末10の角速度に基づき算出される携帯端末10の第1の姿勢を取得し、携帯端末10の移動速度をリファレンスとして第1の姿勢を補正することで得られる携帯端末10の第2の姿勢に基づき算出される角速度を運動成分として取得する。
具体的に、制御部140は、慣性計測装置が計測する角速度に対してINS(Inertial Navigation System:慣性航法)演算を行うことで、携帯端末10の第1の姿勢を算出する。なお、姿勢を示す値は角度である。また、携帯端末10の移動速度は、携帯端末10を携帯しているユーザの歩行特徴量に基づき算出される。例えば、制御部140は、携帯端末10を携帯しているユーザの歩幅と歩行ピッチに基づき、ユーザの移動速度、即ち、携帯端末10の移動速度を算出する。
上述のINS演算では、慣性計測装置が計測する加速度に基づき、携帯端末10の移動速度も算出される。制御部140は、歩行特徴量に基づき算出される携帯端末10の移動速度と、INS演算により算出される携帯端末10の移動速度を比較した結果に基づき、第1の姿勢を補正し、より正確な姿勢として補正された第2の姿勢を算出する。そして、制御部140は、第2の姿勢を微分することで得られる角速度を運動成分とする。
また、制御部140は、慣性計測装置が計測する携帯端末10の角速度に基づき算出される携帯端末10の第1の姿勢と、携帯端末10の加速度に基づき算出される携帯端末10の第2の姿勢を取得し、第1の姿勢と第2の姿勢との差分に基づき算出される角速度を運動成分として取得してもよい。具体的に、制御部140は、慣性計測装置が計測する角速度を積分することで、携帯端末10の第1の姿勢を算出する。また、制御部140は、例えば、携帯端末10が静止している時に計測される加速度(例えば重力加速度)の平均値に基づき、携帯端末10の第2の姿勢を算出する。そして、制御部140は、第1の姿勢と第2の姿勢の差分を微分することで得られる角速度を運動成分とする。
(探北処理)
以下では、図7〜図12を参照しながら、本開示の実施形態に係る探北処理について説明する。図7は、本開示の実施形態に係る方位多様性評価値に基づく探北処理の開始条件の例を示す説明図である。図8は、本開示の実施形態に係るノイズ低減が不十分な場合における探北処理の開始条件の例を示す説明図である。図9は、本開示の実施形態に係る誤差込み方位多様性評価値に基づく探北処理の開始条件を示す説明図である。
本開示の実施形態における探北処理では、制御部140は、運動成分が除去された角速度からバイアスを除去するバイアス除去処理と、バイアスが除去された角速度に基づき北方向を推定する北方向の推定処理を行う。
まず、制御部140は、探北処理を行う前に、所定の条件を満たしているか否かを確認する。所定の条件を満たしている場合、制御部140は、探北処理を開始する。所定の条件とは、例えば、探北処理に必要な情報が取得されていることである。具体的に、制御部140は、携帯端末10が所定の時間だけ移動又は静止している間の角速度が、所定の角度以上異なる2つの向きの各々において計測されているか否かを確認する。所定の角度以上異なる2つの向きとは、上述の方向変化検出処理にて検出される1つ目の方向と2つ目の方向のことである。即ち、1つ目の方向と2つ目の方向の各々における角速度が取得されている場合、制御部140は、探北処理を開始する。
なお、制御部140が探北を開始する条件は、上述の例に限定されない。例えば、所定の条件は、角速度の各々の差分の総和が所定の閾値以上であることであってもよい。具体的に、まず、制御部140は、図7に示す角速度32A、角速度32B、角速度32C、及び角速度32Dの各々の差分を算出する。差分は、円50上のn個の角速度32に対して、通りだけ算出される。図7に示す例の場合、円50上の角速度32は4個のため=6通りである。よって、図7に示すように、制御部140は、差分rA,B、差分rB,C、差分rC,D、差分rD,A、差分rA,C、及び差分rB,Dの6通りの差分を算出する。そして、制御部140は、以下の数式(1)により、差分の総和Evaを算出し、算出したEvaを評価値とする。
Figure 2019196976
算出された評価値は、値が大きいほど、角速度が円50上に広く分布していることを示している。制御部140は、円50上により広く分布した角速度を用いることで、円50の中心の推定精度をより向上することができる。そこで、制御部140は、算出した評価値が所定の閾値以上であるか否かを確認する。算出した評価値が所定の閾値以上である場合、制御部140は、円50の中心の推定精度が一定以上であることが担保されていると判定し、探北処理を開始してもよい。
また、所定の条件は、運動成分が除去された複数の角速度にノイズ低減が不十分な角速度が多く存在する場合、最後に運動成分が除去された角速度のノイズ低減が十分であることであってもよい。最後に運動成分が除去された角速度のノイズ低減が十分であれば、他の運動成分が除去された角速度のノイズ低減は不十分であってもよい。図8に示す例の場合、最後に運動成分が除去された角速度は角速度34であり、他の運動成分が除去された角速度は、角速度60A、角速度60B、角速度60C、及び角速度60Dである。
仮に、角速度60A、角速度60B、角速度60C、及び角速度60Dの4つの角速度のみが円50上にある状態であっても、制御部140は、円50の中心にあるバイアス40を推定することができる。ただ、当該4つの角速度は、ノイズ低減が不十分であるため、推定されるバイアス40には誤差が含まれてしまう。そこで、制御部140は、十分にノイズが低減された角速度34も用いてバイアス40を推定することで、角速度34を用いずに推定したバイアス40よりも、より精度の高いバイアス40を推定することができる。よって、制御部140は、運動成分が除去された複数の角速度にノイズ低減が不十分な角速度が多く存在する場合、最後に運動成分が除去された角速度のノイズ低減が十分であるか否かを確認する。最後に運動成分が除去された角速度のノイズ低減が十分である場合、制御部140は、探北処理を開始してもよい。
また、所定の条件は、角速度の各々の差分に、角速度の各々に含まれる誤差を加味した値の総和が所定の閾値以上であることであってもよい。図9に示す例の場合、角速度36A、角速度36B、角速度36C、及び角速度36Dの誤差範囲は、それぞれ誤差範囲62A、誤差範囲62B、誤差範囲62C、及び誤差範囲62Dであるとする。また、それぞれの誤差の大きさは、err1、err2、err3、及びerr4であるとする。なお、誤差の大きさは、ノイズ低減時間が短いほど大きくなり、ノイズ低減時間が長いほど小さくなる。
制御部140は、以下の数式(2)により、差分の総和Evaに角速度の誤差を加味した評価値Evaを算出する。
Figure 2019196976
算出された評価値は、その値が大きいほど、円50における中心の推定精度が高いことを示している。よって、制御部140は、算出した評価値が所定の閾値以上であるか否かを確認する。算出した評価値が所定の閾値以上である場合、制御部140は、円50の中心の推定精度が一定以上であることが担保されていると判定し、探北処理を開始してもよい。
・バイアス除去処理
以下では、図10〜図12を参照しながら、本開示の実施形態に係るバイアス除去処理について説明する。図10は、本開示の実施形態に係る2つの角速度に基づく拘束条件の例を示す説明図である。図11は、本開示の実施形態に係る3つの角速度に基づく拘束条件の例を示す説明図である。図12は、本開示の実施形態に係る3次元におけるバイアス除去処理の例を示す説明図である。
制御部140は、計測された際の携帯端末10の向きが異なり、運動成分が除去された少なくとも2つの角速度と、携帯端末10の位置における緯度に基づき、バイアスを取得する。制御部140は、移動体が移動している間に計測された角速度から運動成分を除去した角速度を用いることで、移動体が静止している時と同様な方法でバイアスを推定することができる。なお、制御部140はバイアスを推定する方法は、<1.1.概要>にて説明した方法と同様である。
なお、2つの角速度に基づいてバイアスが推定される場合、制御部140により2つのバイアスの候補が推定され得る。よって、制御部140が当該候補から1つのバイアスを選択するための拘束条件が必要となる。例えば、図10に示すように、2つの角速度30A、及び角速度30Bが円50Aの円周上に位置すると想定した場合、円50Aの中心における値がバイアス40Aとして推定される。また、2つの角速度30A、及び角速度30Bが円50Bの円周上に位置すると想定した場合、円50Bの中心における値がバイアス40Bとして推定される。
上述のように、2つのバイアスが推定された場合、制御部140は、例えば「推定した2つのバイアス間の絶対方位の変化量が角速度積算に近い方のバイアスを選択する」という拘束条件に従い、適切なバイアスを選択する。
なお、3つの角速度に基づいてバイアスが推定される場合、制御部140により1つのバイアスしか推定されないため、上述の拘束条件は不要である。例えば、図11に示すように、3つの角速度30A、角速度30B、及び角速度30Cを用いる場合、3つの角速度が同一円周上に位置する円は、円50のみである。よって、円50の中心における値がバイアス40として一意に推定される。また、3つの角速度を用いる場合、制御部140は、緯度を用いることなく円50の半径を推定することできる。
なお、上述のバイアス除去処理では、制御部140が2軸方向の角速度成分に基づきバイアスを推定する例について説明した。2軸方向の角速度成分に基づきバイアスを推定する場合の具体的なユースケースとしては、ヘッドマウント型端末を用いる例が挙げられる。ヘッドマウント型端末の場合、ほぼ地平面内における回転、即ち、ヨー軸を回転軸とする回転による姿勢変化のみが生じる。よって、制御部140は、緯度と併用することで、2軸方向の角速度成分のみに基づき、バイアスを推定してもよい。
一方、スマートフォン等の端末のように3次元に姿勢が変化し得る端末の場合、3軸方向の角速度成分に基づき、バイアスを推定する必要がある。例えば、端末のヨー軸を回転軸とする回転だけでなく、ピッチ軸又はロール軸を回転軸とする回転による姿勢の変化が端末に生じた場合、制御部140は、3軸方向の全ての角速度成分に基づき、バイアスを推定する。具体的に、図12に示す角速度31A、角速度31B、及び角速度31Cの3点が球51の球面上に位置することを前提に、当該3点に基づき球51の中心を推定し、当該中心における角速度の値をバイアス41として推定する。
・北方向の推定処理
北方向の推定処理では、制御部140は、運動成分とバイアスを含まない角速度に基づき、北方向を推定する。なお、制御部140は、<1.1.概要>にて説明した方法により、北方向を推定する。
(方位出力処理)
方位出力処理では、制御部140は、推定した北方向を示す情報を出力装置に出力させる。例えば、制御部140は、北方向を示すオブジェクトを出力部150に表示させる。また、制御部140は、少なくとも2つの角速度を用いた北方向の推定処理が完了したか否かに応じて、異なる情報を出力装置に出力させる。例えば、制御部140は、北方向の推定処理が完了したか否かに応じて、北方向を示すオブジェクトの色を変化させて出力部150に表示させる。具体的に、北方向の推定処理が完了していない場合、制御部140は、北方向を示すオブジェクトの色を灰色で出力部150に表示させる。北方向の推定処理が完了した場合、制御部140は、北方向を示すオブジェクトの色を灰色から緑色に変化させて出力部150に表示させる。なお、北方向を示すオブジェクトの色は、上述の例に限定されず、任意の色が設定されてもよい。
上述のように、制御部140は、北方向を示すオブジェクトの色を変化させて出力部150に表示させることで、北方向の推定処理の結果の視認性を向上することができる。
また、方位出力処理では、制御部140は、携帯端末10の向きの変更に関するユーザに対する指示を出力装置に出力させてもよい。例えば、制御部140は、ユーザに対して、移動又は静止する方向を変更する旨の指示を出力部150に出力させる。なお、制御部140は、探北処理に必要な2つの角速度の内、1つ目の角速度が取得されたら、上述の指示を出力部150に出力させてもよい。
上述のように、制御部140は、ユーザに対して移動又は静止する方向を変更する旨の指示を出力部150に出力させることで、ユーザは、適切なタイミングで移動又は静止する方向を変更することができる。
(4)出力部150
出力部150は、制御部140から入力された情報を出力する機能を有する。例えば、出力部150は、出力装置として表示装置を備え、当該表示装置に制御部140からの入力に応じた情報を表示する機能を有する。具体的に、出力部150は、表示装置である表示パネルにホーム画面、ロック画面等の多様な表示画面を表示する。表示パネルとしては、例えば液晶表示パネルや有機EL(Electro−Luminescence)表示パネルが使用される。
なお、携帯端末10の出力部150にタッチパネルを用いることで、出力部150は操作部(図示しない)として機能してもよい。タッチパネルは、指またはペンなどの物体で表示パネルの表面(検出面)がタッチされたとき、タッチされた位置を検出する。例えば、タッチパネルは、表示パネルが画像などを表示するエリア等に、指またはペンが接触したことを検出する。なお、タッチパネルは、表示パネルに積層された状態で構成されてもよく、また表示パネルと一体的に構成されてもよい。タッチパネルは、例えば静電容量式であってもよく、この場合、指などで表示パネルの表面がタッチされたことが静電容量の変化から検出される。
タッチパネルが検出したタッチ位置のデータは、制御部140に伝送される。制御部140は、供給されるタッチ位置に基づいて、起動中のアプリケーションを実行する。タッチ位置は、例えば直交する2つの軸であるX軸(横軸)とY軸(縦軸)の座標位置で示される。タッチパネルが検出する座標位置は、1点に限られない。複数の点が同時にタッチされた場合、制御部140は、検出される複数の点に基づく制御を行う。また、タッチパネルの広い範囲が同時にタッチされたとき、制御部140は、タッチされた範囲全体を検出する。
以下では、図13〜図15を参照しながら、出力部150が表示する情報について具体的に説明する。図13は、本開示の実施形態に係るユーザの歩行例を示す説明図である。図14は、本開示の実施形態に係る方位の表示例を示す説明図である。図15は、本開示の実施形態に係るユーザに対する指示の表示例を示す説明図である。なお、以下では、携帯端末10として、ウェアラブル端末であるスマートウォッチ12を用いた例について説明する。
図13には、ユーザが電車から降車した位置である位置1から、ユーザが目的地まで移動する際の歩行例が示されている。
位置1は、ユーザが電車から降車した位置である。位置1では、まだ北方向の推定処理が完了していない。よって、出力部150は、図14に示すように、北方向の推定処理が完了していない旨を示す色で、北方向を示すオブジェクトである矢印を表示する。また、位置1では、ユーザが静止した状態である。よって、出力部150は、図15に示すように、「方位を取得できません。歩いてください。」とユーザに対する指示をテキストで表示してもよい。
位置2は、ユーザが移動したことにより、1つ目の方向における角速度の取得が完了した位置である。位置2では、まだ北方向の推定処理が完了していない。よって、出力部150は、図14に示すように、北方向の推定処理が完了していない旨を示す色で、北方向を示すオブジェクトである矢印を表示する。また、位置2では、1つ目の方向における角速度の取得が完了しており、2つ目の方向における角速度の取得が完了すれば方位を表示できる状態である。よって、出力部150は、図15に示すように、「別の方向に歩くと方位を取得できます。」とユーザに対する指示をテキストで表示してもよい。
位置3は、ユーザが移動したことにより、2つ目の方向における角速度の取得が完了した位置である。位置3では、北方向の推定処理が完了している。よって、出力部150は、図14に示すように、北方向の推定処理が完了した旨を示す色で、北方向を示すオブジェクトである矢印を表示する。また、位置3では、北方向の推定処理が完了しており、ジャイロコンパスを利用可能な状態である。よって、出力部150は、図15に示すように、「方位取得完了。利用可能です。」とジャイロコンパスが利用可能な状態である旨をテキストで表示してもよい。
なお、出力部150は、出力装置として音声出力装置を備え、制御部140からの入力に応じた情報を音声として出力してもよい。例えば、出力部150は、上述のユーザに対する指示をテキストではなく音声で出力してもよい。
(5)記憶部160
記憶部160は、情報処理装置における処理にて取得されるデータを記憶する機能を有する。例えば、記憶部160は、慣性計測部120が計測した慣性データを記憶する。具体的に、記憶部160は、慣性計測部120が計測した携帯端末10の加速度と角速度を記憶する。
なお、記憶部160が記憶する情報は、上述の慣性データに限定されない。例えば、記憶部160は、制御部140の処理において出力されるデータ、各種アプリケーション等のプログラム、及びデータ等を記憶してもよい。
以上、図5〜図15を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成例について説明した。続いて、本開示の情報処理装置の動作例について説明する。
<1.3.動作例>
以下では、図16〜図19を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置の動作例について説明する。図16は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
(メイン処理)
図16に示すように、まず、制御部140は、変数の初期化処理を行う(ステップS1000)。初期化処理後、制御部140は、GNSS精度評価を行う(ステップS1002)。GNSS精度評価の詳細処理フローについては後述する。GNSS処理後、制御部140は、GNSS精度とキャリブレーションレベルを確認する(ステップS1004)。GNSS精度が所定の精度以下、かつキャリブレーションレベルが2以上である場合(ステップS1004/YES)、制御部140は、バイアス除去処理を実施する(ステップS1006)。バイアス除去処理後、制御部140は、バイアス除去処理により取得される自転成分に基づき、北方向の推定処理を実施する(ステップS1008)。北方向の推定処理後、制御部140は、北方向の推定処理で算出した方位を出力部150に出力させる(ステップS1010)。
GNSS精度が所定の精度以下、かつキャリブレーションレベルが2以上でない場合(ステップS1004/NO)、または、ステップS1010の方位出力処理後、制御部140は、加速度とジャイロのサンプリングを行う(ステップS1012)。サンプリングした加速度とジャイロに基づき、制御部140は、方向変化演算(ステップS1014)、及び移動検出演算(ステップS1016)を行う。
移動検出演算の演算結果に基づき、制御部140は、携帯端末10が移動中であるか否かを確認する(ステップS1018)。携帯端末10が移動中である場合(ステップS1018/YES)、制御部140は、キャリブレーション処理を行う(ステップS1020)。キャリブレーション処理の詳細処理フローについては後述する。
携帯端末10が移動中でない場合(ステップS1018/NO)、制御部140は、携帯端末10が静止しているか否かを確認する(ステップS1022)。携帯端末10が静止している場合(ステップS1022/YES)、制御部140は、変数である非移動時間を0にし(ステップS1024)、キャリブレーション処理を行う(ステップS1020)。
携帯端末10が静止していない場合(ステップS1022/NO)、制御部140は、変数である移動時間を0にし(ステップS1026)、非移動処理を行う(ステップS1028)。非移動処理の詳細処理フローについては後述する。
キャリブレーション処理、または非移動処理後、制御部140は、ステップS1002のGNSS精度評価から、上述の処理を繰り返す。
(GNSS精度評価処理)
以下では、図17を参照しながら、サブフローチャートにおけるGNSS精度評価処理について説明する。図17は、本開示の実施形態に係るGNSS精度評価処理を示すフローチャートである。
図17に示すように、まず、制御部140は、GNSS精度を取得する(ステップ2000)。制御部140は、GNSS精度が所定の精度以下であるか否かを確認する(ステップS2002)。GNSS精度が所定の精度以下である場合(ステップS2002/YES)、制御部140は、GNSS精度が低いと判定する(ステップS2004)。そして、制御部140は、GNSSによる案内表示を無効化し、キャリブレーション処理の結果に基づく案内表示を有効化し(ステップS2006)、ステップS1002におけるGNSS精度評価処理を終了する。
なお、GNSS精度が所定の精度以下でない場合(ステップS2002/NO)、制御部140は、GNSS精度が高いと判定する(ステップS2008)。そして、制御部140は、GNSSによる案内表示を有効化し、キャリブレーション処理の結果に基づく案内表示を無効化し(ステップS2010)、ステップS1002におけるGNSS精度評価処理を終了する。
(キャリブレーション処理)
以下では、図18を参照しながら、サブフローチャートにおけるキャリブレーション処理について説明する。図18は、本開示の実施形態に係るキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
図18に示すように、まず、制御部140は、携帯端末10の方向変化量が第1の範囲以上であるか否かを確認する(ステップS3000)。方向変化量が第1の範囲以上である場合(ステップS3000/YES)、制御部140は、運動成分除去処理を行う(ステップS3002)。運動成分除去処理後、制御部140は、移動時間または静止時間が所定の時間以上であるか否かを確認する(ステップS3004)。移動時間または静止時間が所定の時間以上である場合(ステップS3004/YES)、制御部140は、キャリブレーションレベルに1を加算する(ステップS3006)。1方向におけるキャリブレーションが終了したため、制御部140は、移動時間/または静止時間を0でリセットする(ステップS3008)。
リセット後、制御部140は、加速度・ジャイロを取得し(ステップS3010)、方向変化演算を実施する(ステップS3012)。方向変化演算の結果、方向変化量が第2の範囲以上でない場合(ステップS3014/NO)、制御部140は、ステップS3010〜ステップS3014の処理を繰り返す。方向変化演算の結果、方向変化量が第2の範囲以上である場合(ステップS3014/YES)、制御部140は、携帯端末10の向きが変化したと判定する。そして、制御部140は、方向変化を0でリセットし(ステップS3016)、ステップS1020におけるキャリブレーション処理を終了する。
なお、方向変化量が第1の範囲以上でない場合(ステップS3000/NO)、制御部140は、移動時間または静止時間を0にし(ステップS3018)、方向変化を0にし(ステップS3020)、ステップS1020におけるキャリブレーション処理を終了する。
また、移動時間または静止時間が所定の時間以上でない場合(ステップS3004/NO)、制御部140は、移動時間または静止時間に1を加算し(ステップS3022)、ステップS1020におけるキャリブレーション処理を終了する。
(非移動処理)
以下では、図19を参照しながら、サブフローチャートにおける非移動処理について説明する。図19は、本開示の実施形態に係る非移動処理を示すフローチャートである。
図19に示すように、まず、制御部140は、変数である静止時間を0にする(ステップS4000)。制御部140は、非静止時間が所定の時間以上であるか否かを確認する(ステップS4002)。非静止時間が所定の時間以上である場合(ステップS4002/YES)、制御部140は、キャリブレーションレベルを0にし(ステップS4004)、ステップS1028における非移動処理を終了する。
なお、非静止時間が所定の時間以上でない場合(ステップS4002/NO)、制御部140は、非静止時間に1を加算し、(ステップS4006)、ステップS1028における非移動処理を終了する。
以上、図16〜図19を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置の動作例について説明した。
以上、図1〜図19を参照しながら、本開示の実施形態について説明した。続いて、本開示の実施形態に係る変形例について説明する。
<<2.変形例>>
以下では、本開示の実施形態の変形例を説明する。なお、以下に説明する変形例は、単独で本開示の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本開示の実施形態に適用されてもよい。また、変形例は、本開示の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本開示の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
(1)第1の変形例
以下では、図20、図21を参照しながら、本開示の実施形態に係る第1の変形例について説明する。図20は、本開示の実施形態に係るユーザが歩行している際の第1の変形例を示す説明図である。図21は、本開示の実施形態に係るユーザが電車で移動している際の第1の変形例を示す説明図である。
上述の実施形態では、ユーザが自ら移動または静止している方向を変更することで、慣性計測部120が異なる2方向における角速度を計測する例を説明した。第1の変形例では、携帯端末10の内部に慣性計測部120を回転させる回転機構を設け、当該回転機構が回転することで、慣性計測部120の向きが自動で変更される例について説明する。なお、以下では、回転機構の動作は、制御部140により制御されるものとする。
図20に示すように、ユーザ20が直進している場合、例えば、ユーザ20が位置1から位置2まで移動した際に、制御部140は、回転機構を回転させる。これにより、慣性計測部120の向きが自動で変更されるため、ユーザ20は、移動する方向、または携帯端末10の向きを変更する必要がない。また、慣性計測部120は、ユーザが任意の1方向に移動したままの状態で、異なる2方向における角速度を計測することができる。
この回転機構は、特に、移動体の方向変化量が少ない状況において有効である。例えば、ユーザが電車のような方向変化量が少ない乗り物に乗っており、移動体の向きが変化しづらい状況において有効である。図21に示すように、ユーザ20が電車24に乗って移動している場合、電車24が位置1から位置2まで移動した際に、制御部140は、回転機構を回転させる。これにより、慣性計測部120の向きが自動で変更されるため、ユーザ20は、ユーザ20自身の向き、または携帯端末10の向きを変更する必要がない。また、慣性計測部120は、ユーザ20が任意の1方向に移動したままの状態で、異なる2方向における角速度を取得することができる。
上述のように、慣性計測部120は、回転機構により自動で回転されることで、ユーザが移動の方向を変更することなく、異なる2方向における角速度を計測することができる。
(2)第2の変形例
以下では、図22を参照しながら、本開示の実施形態に係る第2の変形例について説明する。図22は、本開示の実施形態に係る第2の変形例を示す説明図である。なお、図22の左側に示す図は、補正機構がない慣性計測装置を示す図であり、右側に示す図は、補正機構がある慣性計測装置を示す図である。
上述の実施形態では、慣性計測部120が図20の左側の図に示す補正機構がない慣性計測装置122Aのみを用いる例を説明した。第2の変形例では、慣性計測部120が図20の右側の図に示す補正機構がある慣性計測装置122Bも用いる例について説明する。
上述の実施形態で説明したように、移動体の姿勢は、加速度の平均によって算出される重力ベクトルから求めることが可能である。しかし、慣性計測装置122が計測する角速度に、当該加速度によるノイズが含まれ、移動体の姿勢に誤差が生じてしまう。その結果、制御部140による方位の検出の精度が低下する。そこで、図22の右側の図に示す慣性計測装置122Bのように、弾性体による補正機構を介してセンサ124を慣性計測装置122Bに備えることで、角速度に含まれる加速度によるノイズが低減される。
上述のように、制御部140は、慣性計測装置122の補正機構により角速度に含まれるノイズが低減されることで、移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことができる。
(3)第3の変形例
以下では、図23を参照しながら、本開示の実施形態に係る第3の変形例について説明する。図23は、本開示の実施形態に係る第3の変形例を示す説明図である。
上述の実施形態では、情報処理装置として携帯端末10が用いられる場合の方位表示の例について説明した。第3の変形例では、情報処理装置としてカーナビゲーション装置14が用いられる場合の方位表示の例について説明する。
図23に示す位置1は、カーナビゲーション装置14が搭載された車22の移動開始位置である。位置1において、車22は、停止した状態である。また、制御部140は、方位の検出処理をまだ実行していない状態とする。そのため、運転手がナビゲーション機能を利用できない状態であるため、制御部140は、カーナビゲーション装置14に方位を示す矢印をグレーアウトで表示させる。この時、制御部140は、運転手がナビゲーション機能を利用可能な状態とするために、運転手に車22を走行させるように指示する旨の表示をカーナビゲーション装置14に表示させてもよい。
車22が位置2まで移動すると、制御部140は、1方向目における角速度を取得できる。位置2では、制御部140は、まだ方位の検出処理を実行できない状態である。そのため、まだ、運転手がナビゲーション機能を利用できない状態であるため、制御部140は、カーナビゲーション装置14に方位を示す矢印をグレーアウトで表示させる。この時、制御部140は、運転手に現在とは異なる方向に車22を走行させることで、ナビゲーション機能が利用可能になる旨の表示をカーナビゲーション装置14に表示させてもよい。
車22が位置3まで移動すると、制御部140は、1方向目とは異なる2方向目における角速度を取得でき、方位の検出処理を実行できる。方位の検出処理の実行後、制御部140は、方位を示す矢印の色を変えることで、運転手がナビゲーション機能を利用できる状態になったことを示す。
(4)第4の変形例
以下では、図24を参照しながら、本開示の実施形態に係る第4の変形例について説明する。図24は、本開示の実施形態に係る第4の変形例を示す説明図である。
上述の実施形態では、北方向の推定に用いられる2つの角速度が、いずれも携帯端末10が移動している間に計測された角速度である例について説明した。第4の変形例では、北方向の推定に用いられる2つの角速度の一方が、携帯端末10が静止している間に計測された角速度である例について説明する。
図24に示すように、例えば、携帯端末10は、机28の上に置かれ、静止状態であるとする。この時、慣性計測部120が静止状態における携帯端末10の角速度を取得することで、制御部140は、当該角速度を1方向目における角速度として取得できる。静止状態における角速度の取得後、ユーザが携帯端末10を取って移動したとする。この時、携帯端末10の向きが変化している場合、制御部140は、角速度を取得することで、1方向目とは異なる2方向目における角速度を取得することができる。そして、制御部140は、取得した異なる方向における2つの角速度に基づき、北方向を推定することができる。
上述のように、制御部140は、携帯端末10が静止している間に計測される角速度と、携帯端末10が移動している間に計測される角速度に基づき、北方向を推定することができる。
(5)第5の変形例
以下では、図25を参照しながら、本開示の実施形態に係る第5の変形例について説明する。図25は、本開示の実施形態に係るジャイロコンパスによる補正を行う場合の第5の変形例を示す説明図である。図26は、本開示の実施形態に係るジャイロコンパスによる補正を行わない場合の第5の変形例を示す説明図である。
上述の実施形態では、GNSS精度が低い場合、携帯端末10は、GNSSから取得される方位に基づき検出されるユーザの位置を提示するナビゲーションから、ジャイロコンパスにより検出される方位を提示するナビゲーションに切り替える例を説明した。第5の変形例では、GNSSから取得される方位の精度が低下し、当該方位に基づき検出されるユーザの位置に誤差が生じた際に、ジャイロコンパスにより検出される方位に基づき、GNSSから取得される方位を補正する例について説明する。
図25に示す例では、屋外ではGNSSから取得される方位に基づき検出されるユーザの位置(以下では、GNSSのユーザ位置とも称される)を提示するナビゲーションが用いられている。また、屋内では歩行者自立航法(PDR:Pedestrian Dead Reckoning)により検出されるユーザの位置(以下では、PDRのユーザ位置とも称される)を提示するナビゲーションが用いられている。また、ユーザは、位置1から、位置2、位置3A、及び位置4Aを通り、目的地まで移動する。また、ユーザが位置1から目的地まで移動した場合の軌跡は、真の軌跡として実線で示されている。また、GNSSのユーザ位置が移動した際の軌跡(以下では、GNSSの軌跡とも称される)は、破線で示されている。また、PDRのユーザ位置が移動した際の軌跡(以下では、PDRの軌跡とも称される)は、一点鎖線で示されている。
位置1は、1つ目の方向におけるキャリブレーション処理が完了した位置であり、ユーザが2つ目の方向に移動を開始する位置である。そのため、位置1は、2つ目の方向におけるキャリブレーション処理が開始される位置でもある。
位置2は、ビル街であるため、GNSS26により提示される方位の精度が低下する。そのため、位置2は、GNSSのユーザ位置に誤差が生じ、ユーザの移動に伴い、GNSSのユーザ位置が移動する方向にずれが生じ始める位置でもある。よって、位置2より先にてGNSSの軌跡は、真の軌跡と比較してずれが生じていく。また、ユーザが位置2まで移動すると、ジャイロコンパスは、GNSS26の精度が低下したことを検出する。この時、携帯端末10は、北方向の推定処理が完了していない旨を示す色で、北方向を示すオブジェクトである矢印を出力部150に表示する。
位置3Aは、屋内であり、2つ目の方向におけるキャリブレーション処理が完了する位置である。ユーザは、位置2から位置3Aまで移動する途中で、屋外から屋内に入っている。そのため、ナビゲーションは、ユーザが屋外から屋内に入るタイミングでGNSSによるナビゲーションからPDRによるナビゲーションに切り替わっている。なお、PDRによるナビゲーションは、GNSS26から取得する基準位置に基づき、ナビゲーションを開始する。しかし、GNSS26から取得する基準位置にも誤差が含まれるため、PDRのユーザ位置も、GNSSのユーザ位置と同様に誤差が含まれる。そのため、ユーザが位置3Aまで移動した際にPDRのユーザ位置は、位置3Bとなる。また、各ナビゲーションにより提示されるユーザ位置が移動した際の軌跡は、位置2と位置3Aを結んだ線ではなく、位置2と位置3Bを結んだ線となる。
上述のように、ユーザが位置3Aまで移動した際のPDRのユーザ位置は、位置3Bであり、実際の位置とずれが生じている。このまま、ユーザが移動を続けると、当該誤差はより大きくなってしまう。しかし、位置3Bでは、ジャイロコンパスによる正確な方位の検出が完了しているため、当該方位を用いて、PDRのユーザ位置が移動する方向を補正し、改善することができる。
PDRのユーザ位置の移動方向の補正後、ユーザが位置3Aから位置4Aに移動すると、PDRのユーザ位置は、位置4Bとなる。PDRのユーザ位置は、実際のユーザの位置とはずれている。しかし、位置3Bから位置4Bまでの軌跡が示すように、PDRのユーザ位置が移動した方向は、ユーザが実際に移動した方向と一致している。ユーザが位置4Aから目的地まで移動した場合も同様である。
上述のように、GNSSから取得される方位の精度が低下した際に、当該方位をジャイロコンパスが検出する方位で補正することで、GNSSから取得される方位に基づき検出されるPDRのユーザ位置が移動する方向を補正することができる。これにより、GNSSから取得する方位の精度が低下し、PDRのユーザ位置に誤差が生じても、ユーザに対して目的地までの正しい移動方向を提示することができる。
なお、図26に示す例は、GNSSから取得される方位の精度が良い場合、ジャイロコンパスにより検出される方位に基づく補正、及びジャイロコンパスによるナビゲーションを行わず、GNSSとPDRによるナビゲーションを継続してもよい例を示している。
図26の位置1は、図25に示した例と同様に、1つ目の方向におけるキャリブレーション処理が完了した位置であり、ユーザが2つ目の方向に移動を開始する位置である。そのため、位置1は、2つ目の方向におけるキャリブレーション処理が開始される位置でもある。
図26の位置2は、住宅街であるため、GNSS26により提示される方位の精度は一定以上の精度を保っている。そのため、図26に示す例では、GNSSのユーザ位置に誤差が生じず、ユーザの移動に伴い、GNSSのユーザ位置が移動する方向にもずれが生じない。よって、位置2より先にてGNSSの軌跡は、真の軌跡と比較してずれが生じていない。また、ユーザが位置2まで移動すると、ジャイロコンパスは、GNSS26の精度が一定以上の精度を保っていることを検出する。そのため、位置2より先では、ジャイロコンパスを用いなくてもよいため、携帯端末10は、北方向を示すオブジェクトを出力部150に表示しない。
GNSSによる精度が一定以上を保っているため、ユーザが屋外から屋内に移動し、
GNSSによるナビゲーションからPDRによるナビゲーションに切り替わっても、PDRのユーザ位置誤差が生じない。そのため、ユーザが位置3まで移動した時のPDRのユーザ位置は、ユーザの実際の位置と同じ位置3である。また、各ナビゲーションにより提示されるユーザ位置が移動した際の軌跡は、真の軌跡とほぼ同一である。ユーザが位置3から位置4を経由して目的地まで移動した時も同様である。
以上、図20〜図26を参照しながら、本開示の実施形態に係る変形例について説明した。続いて、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
<<3.ハードウェア構成例>>
以下では、図27を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。図27は、本開示の実施形態に係る携帯端末10のハードウェア構成例を示すブロック図である。図27に示すように、携帯端末10は、例えば、CPU101、ROM103、RAM105、入力装置107、表示装置109、音声出力装置111、ストレージ装置113、及び通信装置115を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ハードウェア構成は、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
(CPU101、ROM103、RAM105)
CPU101は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM103、RAM105、又はストレージ装置113に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM103は、CPU101に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM105には、例えば、CPU101に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。CPU101、ROM103およびRAM105は、例えば、ソフトウェアとの協働により、図5を参照して説明した制御部140の機能を実現し得る。
(入力装置107)
入力装置107には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力装置107としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラが用いられることもある。また、入力装置107には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
(表示装置109、音声出力装置111)
表示装置109は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置などの表示装置を含む。また、表示装置109は、プロジェクタ装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置111は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。表示装置109、及び音声出力装置111は、例えば、図5を参照して説明した出力部150の機能を実現し得る。
(ストレージ装置113)
ストレージ装置113は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ装置113としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。ストレージ装置113は、例えば、図5を参照して説明した記憶部160の機能を実現し得る。
(通信装置115)
通信装置115は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。
以上、図27を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例について説明した。
<<4.まとめ>>
以上説明したように、本開示の実施形態に係る情報処理装置は、慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、移動体が移動している時の方向を少なくとも含む異なる2方向において計測される2つの計測値に基づき、探北処理を行う。
情報処理装置は、移動体が移動している時の方向を少なくとも含む異なる2方向において計測される2つの計測値に基づき、移動体の移動により生じる誤差を除去した上で、移動体の移動中に探北処理を行うことができる。
よって、移動体の移動中における方位の検出をより高精度に行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non−transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、
を備え、
前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、
前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記計測値から、移動による前記移動体の姿勢の変化量を示す運動成分、及び前記慣性計測装置のバイアスを除去して得られる自転成分に基づき、北方向を推定する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記慣性計測装置が計測する前記移動体の角速度に基づき算出される前記移動体の第1の姿勢を取得し、前記移動体の移動速度をリファレンスとして前記第1の姿勢を補正することで得られる前記移動体の第2の姿勢に基づき算出される角速度を前記運動成分として取得する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記慣性計測装置が計測する前記移動体の角速度に基づき算出される前記移動体の第1の姿勢と、前記移動体の加速度に基づき算出される前記移動体の第2の姿勢を取得し、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との差分に基づき算出される角速度を前記運動成分として取得する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、計測された際の前記移動体の向きが異なり、前記運動成分が除去された少なくとも2つの前記計測値と、前記移動体の位置における緯度に基づき、前記バイアスを取得する、前記(2)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記計測値は、前記移動体が所定の時間だけ所定の範囲内の方向に移動又は静止している間に前記慣性計測装置に計測される、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(7)
前記計測値は、前記所定の時間内に計測された複数の計測値に対する統計処理に基づき算出される、前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記2つの計測値の一方は、前記移動体が静止している際に計測される前記計測値である、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記制御部は、所定の角度以上異なる2つの前記向きの各々において、前記移動体が所定の時間だけ移動又は静止している間の前記計測値が計測されると、前記探北処理を開始する、前記(2)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記制御部は、前記計測値の各々の差分の総和が所定の閾値以上である場合、前記探北処理を開始する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記制御部は、推定した前記北方向を示す情報を出力装置に出力させる、前記(2)〜(10)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(12)
前記制御部は、前記少なくとも2つの計測値を用いた前記探北処理が完了したか否かに応じて、異なる前記情報を前記出力装置に出力させる、前記(11)に記載の情報処理装置。
(13)
前記制御部は、前記移動体の向きの変更に関するユーザに対する指示を出力装置に出力させる、前記(2)〜(12)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(14)
前記制御部は、前記少なくとも2つの計測値の内、1つ目の計測値が取得されたら、前記指示を前記出力装置に出力させる、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行うことと、
前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なることと、
前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測されることと、
を含む、プロセッサにより実行される情報処理方法。
(16)
コンピュータを、
慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、
として機能させ、
前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、
前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、プログラム。
10 携帯端末
120 慣性計測部
130 通信部
140 制御部
150 出力部
160 記憶部

Claims (16)

  1. 慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、
    を備え、
    前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、
    前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、情報処理装置。
  2. 前記制御部は、前記計測値から、移動による前記移動体の姿勢の変化量を示す運動成分、及び前記慣性計測装置のバイアスを除去して得られる自転成分に基づき、北方向を推定する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記制御部は、前記慣性計測装置が計測する前記移動体の角速度に基づき算出される前記移動体の第1の姿勢を取得し、前記移動体の移動速度をリファレンスとして前記第1の姿勢を補正することで得られる前記移動体の第2の姿勢に基づき算出される角速度を前記運動成分として取得する、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記制御部は、前記慣性計測装置が計測する前記移動体の角速度に基づき算出される前記移動体の第1の姿勢と、前記移動体の加速度に基づき算出される前記移動体の第2の姿勢を取得し、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との差分に基づき算出される角速度を前記運動成分として取得する、請求項2に記載の情報処理装置。
  5. 前記制御部は、計測された際の前記移動体の向きが異なり、前記運動成分が除去された少なくとも2つの前記計測値と、前記移動体の位置における緯度に基づき、前記バイアスを取得する、請求項2に記載の情報処理装置。
  6. 前記計測値は、前記移動体が所定の時間だけ所定の範囲内の方向に移動又は静止している間に前記慣性計測装置に計測される、請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記計測値は、前記所定の時間内に計測された複数の計測値に対する統計処理に基づき算出される、請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記2つの計測値の一方は、前記移動体が静止している際に計測される前記計測値である、請求項1に記載の情報処理装置。
  9. 前記制御部は、所定の角度以上異なる2つの前記向きの各々において、前記移動体が所定の時間だけ移動又は静止している間の前記計測値が計測されると、前記探北処理を開始する、請求項2に記載の情報処理装置。
  10. 前記制御部は、前記計測値の各々の差分の総和が所定の閾値以上である場合、前記探北処理を開始する、請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記制御部は、推定した前記北方向を示す情報を出力装置に出力させる、請求項2に記載の情報処理装置。
  12. 前記制御部は、前記少なくとも2つの計測値を用いた前記探北処理が完了したか否かに応じて、異なる前記情報を前記出力装置に出力させる、請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記制御部は、前記移動体の向きの変更に関するユーザに対する指示を出力装置に出力させる、請求項2に記載の情報処理装置。
  14. 前記制御部は、前記少なくとも2つの計測値の内、1つ目の計測値が取得されたら、前記指示を前記出力装置に出力させる、請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行うことと、
    前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なることと、
    前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測されることと、
    を含む、プロセッサにより実行される情報処理方法。
  16. コンピュータを、
    慣性計測装置が計測する移動体に関する計測値の内、少なくとも2つの計測値に基づき、探北処理を行う制御部、
    として機能させ、
    前記少なくとも2つの計測値の各々が計測された際の前記移動体の向きは互いに異なり、
    前記少なくとも2つの計測値の少なくとも一方は、前記移動体が移動している間に計測される、プログラム。
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