JP2019196571A - 体温調節服及び体温調節システム - Google Patents

体温調節服及び体温調節システム Download PDF

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Takeshi Horie
威史 堀江
大輔 田畑
Daisuke Tabata
大輔 田畑
山田 勝彦
Katsuhiko Yamada
勝彦 山田
正知 堀江
Seichi Horie
正知 堀江
仁郎 井上
Jinro Inoue
仁郎 井上
井上 大輔
Daisuke Inoue
大輔 井上
翔大 田渕
Shota Tabuchi
翔大 田渕
修平 森實
Shuhei Morisane
修平 森實
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Abstract

【課題】着用者の体温を効率よく低下させることができる体温調節服及びこれを備えた体温調節システムを提供する。【解決手段】本発明の一形態に係る体温調節服は、所定の温度の液体が導入され、当該液体の流通により着用者の体温を調節する体温調節服であって、衣服本体と、搬送路とを具備する。前記衣服本体は、前記着用者の胴部を覆う第1のエリアと、前記着用者の首部を覆う第2のエリアと、前記着用者の脇部を覆う第3のエリアとを有する。前記搬送路は、前記衣服本体に設けられ前記液体が流れる搬送路であって、第1の通路部と、第2の通路部と、第3の通路部とを有する。前記第1の通路部は、前記第1のエリアのうち主として前記着用者の胸部に対応する部位に設けられる。前記第2の通路部は、前記第2のエリアに設けられ、前記第3の通路部は、前記第3のエリアに設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、所定温度の液体の流通により着用者の体温を調節する体温調節服及びこれを備えた体温調節システムに関する。
近年、高温あるいは低温の作業環境にある屋内や、夏季あるいは冬季における屋外での作業での快適性を高めるため、冷却または加熱された流体を作業者の身体近傍に流通させることによって作業者の体温調節を行う体温調節服の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
体温調節服の内部を循環する流体の温度は、体温調節服に接続される流体温度調節装置によって調節される。流体温度調節装置は、典型的には、冷媒が循環する冷熱回路と、冷熱回路で冷却または加熱された流体を体温調節服に送出する流体回路とを有する。流体温度調節装置は、典型的には、体温調節服の着用者(作業者)の近傍に設置されるが、体温調節服と流体温度調節装置との間の流体の接続配管が作業性を阻害し、あるいは、接続配管の長さによって作業者の行動範囲が制限されるという点で難がある。一方、流体温度調節装置を作業者の背中や腰に取り付けることで、作業性の向上及び行動範囲の拡大を図ることが可能となる。
特開2017−57518号公報
流体温度調節装置が作業者に取り付け可能に構成される場合、作業者の負荷を軽減するため、流体温度調節装置は小型、軽量であることが好ましい。しかし、流体温度調節装置の小型化、軽量化は、例えば、冷熱回路の冷凍能力の低下を余儀なくされるため、体温調節服の着用者の体温を効率よく低下させることが困難となる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、着用者の体温を効率よく低下させることができる体温調節服及びこれを備えた体温調節システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る体温調節服は、所定の温度の液体が導入され、当該液体の流通により着用者の体温を調節する体温調節服であって、衣服本体と、搬送路とを具備する。
前記衣服本体は、前記着用者の胴部を覆う第1のエリアと、前記着用者の首部を覆う第2のエリアと、前記着用者の脇部を覆う第3のエリアとを有する。
前記搬送路は、前記衣服本体に設けられ前記液体が流れる搬送路であって、第1の通路部と、第2の通路部と、第3の通路部とを有する。前記第1の通路部は、前記第1のエリアのうち主として前記着用者の胸部に対応する部位に設けられる。前記第2の通路部は、前記第2のエリアに設けられ、前記第3の通路部は、前記第3のエリアに設けられる。
上記体温調節服においては、第1の通路部が第1のエリアの主として着用者の胸部に対応する部位に設けられるため、血流が多い体表面部位(心臓部又はその近傍)が重点的に冷却される。これにより、着用者の体温を効率よく低下させることができる。
前記第1の通路部は、典型的には、前記着用者の心臓に対応する部位に設けられる。
前記第1のエリアは、左前身頃部と右前身頃部とを有し、前記第1の通路部は、前記左前身頃部に設けられてもよい。
前記第1の通路部、前記第2の通路部及び前記第3の通路部は、蛇行通路で形成されてもよい。
前記衣服本体は、前記右前身頃部における通気性が当該右前身頃部を除くすべての領域の通気性よりも高くてもよい。
前記搬送路は、入水口と、出水口と、前記入水口及び前記出水口と前記第1〜第3通路部との間をそれぞれ連絡する複数の連絡通路部とをさらに有してもよい。
前記第1〜第3の通路部を構成する流路の合計面積は、例えば、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の40%以上を占める。
前記第1の通路部を構成する流路の合計面積は、例えば、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の10%以上を占める。
前記第3の通路部を構成する流路の合計面積は、例えば、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の8%以上を占める。
前記第2の通路部を構成する流路の合計面積は、例えば、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の10%以上を占める。
本発明の一形態に係る体温調節システムは、着用者の体温を調節することが可能な体温調節服と、前記体温調節服の内部を循環する流体の温度を調節する流体温度調節装置とを具備する。
前記体温調節服は、衣服本体と、搬送路とを有する。
前記衣服本体は、前記着用者の胴部を覆う第1のエリアと、前記着用者の首部を覆う第2のエリアと、前記着用者の脇部を覆う第3のエリアとを有する。
前記搬送路は、前記衣服本体に設けられ前記液体が流れる搬送路であって、前記第1のエリアのうち主として前記着用者の胸部に対応する部位に設けられた第1の通路部と、前記第2のエリアに設けられた第2の通路部と、前記第3のエリアに設けられた第3の通路部とを有する。
以上述べたように、本発明によれば、着用者の体温を効率よく低下させることができる。
本発明の一実施形態に係る体温調節システムの使用例を示す作業者の側面図である。 上記体温調節システムにおける流体温度調節装置の一例を示す概略図である。 上記体温調節システムにおける体温調節服の一構成例を示す展開図である。 上記体温調節服の一部の構成を説明する概略部分断面図である。 上記体温調節服の他の一部の構成を説明する概略部分断面図である。 比較例に係る体温調節服の概略構成図である。 上記体温調節システムの作用を説明する実験結果である。 上記体温調節システムの他の作用を説明する実験結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[体温調節システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る体温調節システムの使用例を示す作業者の側面図である。
[体温調節システム]
本実施形態の体温調節システム1は、体温調節服100と、流体温度調節装置200とを備える。
体温調節服100は、作業者Uが着用可能な適宜の形態の衣服であって、作業者Uの体温を調節(冷却又は加温)することが可能な流体(本例では、水)の循環通路を有する。
流体温度調節装置200は、体温調節服100の内部を循環する流体の温度を調節する冷熱回路を内蔵する。作業者Uは特に限定されず、典型的には、溶接現場や土木現場等の作業従事者が該当する。
本実施形態の体温調節システム1においては、流体温度調節装置200が作業者Uの背後に取り付けられることで、体温調節服100を着用する作業者Uと一体的に移動可能に構成される。
[流体温度調節装置]
図2は流体温度調節装置200の概略図である。
流体温度調節装置200は、回路ユニット20と、回路ユニット20を収容する筐体30と、筐体30を作業者Uの背面に固定するベルト41(図1参照)とを有する。
回路ユニット20は、冷熱回路21と、流体回路22と、これらの運転を制御する制御部23とを有する。
冷熱回路21は、冷媒を作動流体として用いる冷凍サイクル回路で構成され、圧縮機211と、凝縮器212と、キャビラリーチューブ213と、蒸発器214とを有する。凝縮器212及び蒸発器214は、それぞれ冷媒を空気及び流体と熱交換させる熱交換器として構成される。本実施形態では、凝縮器212において、冷媒と空気を熱交換するとともに、蒸発器214において、冷媒と流体回路22内の流体(水)とを熱交換して流体を所定温度に冷却する場合について説明する。
なお、冷媒の循環経路を変更もしくは切り替える切替弁を設けることにより、蒸発器214を凝縮器として機能させるとともに、凝縮器212を蒸発器として機能させるようにすれば、流体回路22内の流体を所定温度に加熱することができる。
圧縮機211は、例えば、ロータリー式コンプレッサであり、蒸発器214から供給される気体冷媒を圧縮し、凝縮器212へと吐出する。凝縮器212は、圧縮機211から吐出された高温高圧の冷媒ガスを凝縮して液化させる。凝縮器212には必要に応じて凝縮効率を促進させるファン215が付設される。凝縮器212で凝縮された冷媒は、キャピラリーチューブ213で減圧された後、蒸発器214で蒸発(気化)する。キャピラリーチューブ213に代えて、電子膨張弁等が採用されてもよい。
流体回路22は、体温調節服100の出水口182(図3参照)にカプラ172を介して着脱可能に接続される吸水配管221と、体温調節服100の入水口181(図3参照)にカプラ171を介して着脱可能に接続される送水配管222とを有する。
流体回路22はさらに、吸水配管221を介して導入された流体(以下、冷却水ともいう)を貯留するタンク223と、タンク223内の冷却水を蒸発器214へ向けて吐出するポンプ224とを有する。ポンプ224から吐出された冷却水は、蒸発器214において、主に冷媒の蒸発潜熱に相当する熱量を奪われることで冷却される。蒸発器214において所定温度に冷却された冷却水は、送水配管222を介して体温調節服100の入水口181へ送出される。
制御部23は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)やメモリを有するコンピュータで構成される。制御部23は、圧縮機211、ファン215、ポンプ224等の駆動を制御する。
流体温度調節装置200は、回路ユニット20へ電源を供給する電源ケーブル37をさらに備える(図2参照)。電源ケーブル37は、筐体30の例えば側面部から外部へ延出される。電源ケーブル37は交流を直流に変換するアダプタ38を有する。流体温度調節装置200は、電源ケーブル37に代えて又はこれに加えて、充電可能なバッテリユニットを備えていてもよい。これにより、外部電源を必要とすることなく体温調節システム1を稼働させることができるとともに、作業者Uの行動範囲が広がり、移動の自由度が高められる。
[体温調節服]
続いて、体温調節服100の詳細について説明する。図3は、体温調節服100の構成を示す展開図である。
体温調節服100は、流体温度調節装置200から冷却水が導入され、当該冷却水の流通により、作業者Uの体温を調節する。体温調節服100は、作業者Uが着用する衣服本体10と、衣服本体10に設けられた冷却水の搬送路50とを有する。冷却水は例えば、10℃程度に設定される。
衣服本体10は、着用者である作業者Uの体型に合わせて構成され、作業者Uの胴部を覆う第1のエリア11と、作業者Uの首部を覆う第2のエリア12と、作業者の脇部を覆う第3のエリア13とを有する。
第1のエリア11は、前身頃部11Fと、後身頃部11Bとの結合体で構成される。前身頃部11Fには、作業者Uの首を通すための開口部Fnが形成される。前身頃部11Fはさらに、左前身頃部11FLと右前身頃部11FRとを有し、両者がファスナFsを介して分離可能に構成される。前身頃部11FLの両側には、所定長さのストラップ14が取り付けられており、着用時に後身頃部11Bの両側に取り付けられたバックル15に固定されることで、後身頃部11Bと一体化される。
第2のエリア12は、衣服本体10の襟部を構成する。第2のエリア12は、作業者Uの首部に巻き付け可能に、開口部Fnの後方側に帯状に形成される。
第3のエリア13は、後身頃部11Bの両側部から外方へ延出する概略矩形の延出部で構成され、着用時に前身頃部11F側へ折り返されることによって作業者Uの両脇部を被覆する。第3のエリア13には必要に応じて所定長さのストラップ16が取り付けられてもよく、着用時に作業者Uの胸部近傍で、各々のストラップ16が、一方のストラップ16の先端に固定されたバックル17を介して相互に接続されてもよい。
搬送路50は、流体温度調節装置200に接続され、流体温度調節装置200から供給される冷却水が流れる流路を構成する。搬送路50は、第1の通路部51と、第2の通路部52と、第3の通路部53とを有する。
第1の通路部51は、第1のエリア11のうち主として作業者Uの胸部に対応する部位に設けられ、主として作業者Uの胸部を冷却する。特に本実施形態において、第1の通路部51は、作業者Uの心臓に対応する部位に位置するように、左前身頃部11FLに設けられる。第2の通路部52は、第2のエリア12に設けられ、作業者Uの首部を冷却する。第3の通路部53は、第3のエリア13にそれぞれ設けられ、作業者Uの両脇部を冷却する。
第1〜第3の通路部51〜53は、少なくとも1つの反転部を有する蛇行通路で形成される。これにより、面積の限られた領域に冷却水の通路部を比較的密に設置することができるため、当該領域の冷却効率が高められる。
搬送路50は、第1〜第3の通路部51〜53に接続される入水口181及び出水口182を有する。入水口181は、カプラ171を介して流体温度調節装置200の送水配管222に接続され、出水口182は、カプラ172を介して流体温度調節装置200の吸水配管221に接続される。
入水口181及び出水口182の設置個所は特に限定されず、本実施形態では後身頃部11Bの裾部に設置されるが、勿論これに限られない。入水口181及び出水口182は、カプラ171,172と直接接続されてもよいし、接続用のチューブを介してカプラ171,172と接続されてもよい。
搬送路50は、入水口181及び出水口182と第1〜第3通路部51〜53との間をそれぞれ連絡する連絡通路部54をさらに有する。連絡通路部54は、入水口181と第1〜第3の通路部51〜53との間を連絡する複数の入水部541と、第1〜第3の通路部51〜53と出水口182との間を連絡する複数の出水路542とを有する。これら連絡通路部54は、主として後身頃部11Bに設けられ、第1〜第3の通路部51〜53のような蛇行通路とは異なり、直線的な通路で構成される。
本実施形態において、第1〜第3の通路部51〜53を構成する流路の合計面積(衣服本体10の肌側に投影した面積。以下同じ。)は、搬送路50を構成するすべての流路(第1〜第3の通路部51及び連絡通路部54を含む全ての通路部。以下同じ)の合計面積の40%以上を占めるように構成される。これにより、衣服本体10のうち第1〜第3のエリア11〜13に集中的に冷却水を循環させることができる。
なお、通路部51〜53を構成する流路の合計面積は、各通路部51〜53を構成する蛇行部の蛇行開始位置から蛇行終了点までの流路を対象とした。また、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積は、衣服本体10内の流路を対象とした。
この場合、第1の通路部51を構成する流路の合計面積は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の10%以上を占めるように構成される。これにより、作業者Uの胸部(あるいは心臓部)の体温(核心温)の上昇を効率よく抑えることができる。
一方、各第3の通路部53を構成する流路の合計面積は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の8%以上を占めるように構成される。第3の通路部53(第3のエリア13)は作業者Uの胸部の近傍に位置するため、作業者Uの両脇部の温度上昇を抑制するだけでなく、作業者Uの胸部の温度上昇の抑制にも貢献することができる。
そして、第2の通路部52を構成する流路の合計面積は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の10%以上を占めるように構成される。これにより、作業者Uの首部の温度上昇を効率よく抑えることができる。
搬送路50は、衣服本体10における第1〜第3のエリア11〜13に配設される。衣服本体10は、典型的には、図4に示すように裏生地111と中間生地112と表生地113との3層構造を有し、裏生地111と中間生地112との間に搬送路50(第1〜第3の通路部51〜53、連絡通路部54)を構成するチューブ材50Tが配設される。
裏生地111及び中間生地112は、例えば、ポリエステル生地であり、抗菌性、吸収速乾性及び接触冷感を有する。チューブ材50Tは、合成樹脂製の管などのフレキシブル管で構成される。チューブ材50Tは、裏生地111及び中間生地112の間に挟持される。表生地113は、例えば、ポリエステルのニット生地であり、吸水速乾性及び遮熱性を有する。
以上のように、血管が集中する部位のチューブの割合を局部的に高め、他の部位の割合を少なくしているため、結果的に、衣服本体10の放熱面積が小さくなり、冷却に必要な放熱量が減少する。
一方、いずれの搬送路50も設けられていない部位、例えば、右前身頃部11FRは、図5に示すように裏生地111と中間生地112との2層構造で構成される。この場合、表生地が設けられていないため、右前身頃部11FRにおける通気性は、当該右前身頃部11FRを除くすべての領域よりも高い通気性を有する。これにより、右前身頃部11FRにおいては発汗がより促進され、生理的に体温が低下しやすくなる。このように表生地113のない領域は、右前身頃部11FRだけでなく、必要に応じて他の領域にも設定されてもよい。
以上のように構成される本実施形態の体温調節服100においては、第1の通路部51が第1のエリア11の主として着用者の胸部に対応する部位に部分的に設けられるため、血流が多い体表面部位(心臓部又はその近傍)が重点的に冷却される。これにより、作業者Uの体温を効率よく低下させることができる、あるいは、作業者Uの体温上昇を効率よく抑えることができる。
特に本実施形態においては、第1の通路部51が作業者Uの心臓部を被覆する領域に設けられているため、作業者Uの胸部(あるいは心臓部)の体温(核心温)の上昇を効率よく抑えることができる。さらに、第2の通路部52及び第3の通路部53によって、作業者Uの首部及び両脇部も冷却することができるため、作業者Uの体温を効果的に冷却して作業性の向上を図ることができる。
さらに本実施形態によれば、衣服本体10は、作業者Uの胸部、首部、両脇部を集中的に冷却するように構成されているため、腹部や背中部をも含む胴部全体を冷却する場合と比較して、衣服本体10の冷却面積を減少させつつ効率的に循環血液を冷却することができる。
しかも、衣服本体10へ供給される冷却水量の低減を図ることができるため、流体温度調節装置200の小型化、軽量化を実現することができる。そして、冷却水を所定温度以下に冷却するのに必要な流体温度調節装置200の負荷の低減も図ることができるので、流体温度調節装置200の消費電力の低減をも実現することができる。
[実験例]
本発明者らは、図3に示す部分冷却方式の体温調節服100を実際に製作し、これを被験者に着用させて、その冷却性能を評価した。比較として、図6に概略的に示す全体冷却方式の体温調節服600を着用した被験者、及び、体温調節服を着用しない(暑熱対策をしていない)被験者についても同様の評価を行った。
ここでは、体温調節服100において第1〜第3の通路部51〜53を構成する流路の合計面積は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の46.4%とした。また、第1の通路部51を構成する流路の合計面積は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の17.4%とした。さらに、第3の通路部53を構成する流路の合計面積(両脇部の合計)は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の16.7%とした。そして、第2の通路部52を構成する流路の合計面積は、搬送路50を構成するすべての流路の合計面積の12.2%とした。体温調節服100の重量は、内部の水も含めて、420gであった。
一方、比較例に係る全体冷却方式の体温調節服600は、本体部610と、本体部610の内部に形成された冷却水の循環通路615とを有する。本体部610は、胴部611、襟部612及び袖部613を有する。胴部611は、着用者の腹部をも被覆できる大きさに形成され、前身頃部と後身頃部のほぼ全域に循環通路615が蛇行するように配設される。つまり、胴部全体を冷却することができるように構成されている。なお、本体部610は、図4に示したような3層構造(裏生地、中間生地及び表生地)を有する素材で構成される。体温調節服600の重量は、内部の水も含めて、840gであった。
冷却水の温度は、部分冷却方式及び全体冷却方式のいずれについても同様とし、体温調節服への入水温度を約10℃とした。
実験方法としては、気温25℃の室外から温度40℃に設定された実験室に入室し、実験室に設置された運動器具(本例ではエルゴメータ)を用いて所定時間運動を行ったときの被験者の直腸温の時間変化を評価した。被験者に加える運動負荷として、VO2max(最大酸素摂取量)40%とした。その結果を図7に示す。なお、実験データは、被験者6名の平均値とした。
図7に示すように、運動を開始してから直腸温が38℃に達するまでの時間は、体温調節服を着用しない場合(時刻t1)が最も短く、次いで、部分冷却方式の体温調節服100を着用した場合(時刻t2)及び全体冷却方式の体温調節服600を着用した場合(時刻t3)の順であった。一般に、直腸温から人体の核心温度(通常は37℃前後)が推定され、38℃を超えると熱中症に罹る可能性が高いとされている。
図7の結果より、部分冷却方式の体温調節服100を着用した場合、未着用の場合と比較して、核心温度が38℃に到達する時間を長くすることができるため、体温上昇の抑制に一定の効果があることが明らかとなった。また、部分冷却方式の場合であっても、全体冷却方式の体温調節服600に近い冷却性能が得られることが確認された。
続いて、部分冷却方式の体温調節服100と全体冷却方式の体温調節服600とについて、これらを循環する冷却水の放熱量を測定した。その結果を図8に示す。ここで、放熱量は、各々の体温調節服における冷却水の入口温度と出口温度との温度差から求めた。なお、各冷却方式において冷却水の流量は同一とした。
図8に示すように、部分冷却方式の体温調節服100の放熱量は、全体冷却方式の体温調節服600の放熱量の約半分(1/2)であった。つまり、部分冷却方式の体温調節服100は、全体冷却方式の体温調節服600に近い冷却性能を得つつ、冷却水の放熱量を半分程度に抑えることができる。このことから、本実施形態の体温調節服100によれば、全体冷却方式に近い冷却性能を得ることを前提とするならば、冷却水を供給する流体温度調節装置の負荷を低減することができるので、例えば、圧縮機の回転数を下げて冷媒循環量を少なくすることができる。その結果、消費電力の低減をも図ることが可能となる。さらに、本実施形態によれば、全体冷却式の体温調節服600よりも重量が約半分であるため、着用者にかかる重量負荷を大幅に軽減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、流体温度調節装置200を着用者へ固定するための固定具としてベルト41を用いたが、これに限られず、作業者の両肩に架け渡される一対のストラップが固定具として用いられてもよい。
さらに以上の実施形態では、体温調節服100の搬送路50を流れる流体が水である場合を例に挙げて説明したが、これに限られず、水以外、例えば不凍液などの他の水溶液あるいは非水系溶液であってもよい。
1…体温調節システム
10…衣服本体
11…第1のエリア
11FL…左前身頃部
11FR…右前身頃部
12…第2のエリア
13…第3のエリア
50…搬送路
51…第1の通路部
52…第2の通路部
53…第3の通路部
54…連絡通路部
100…体温調節服
200…流体温度調節装置

Claims (11)

  1. 所定の温度の液体が導入され、当該液体の流通により着用者の体温を調節する体温調節服であって、
    前記着用者の胴部を覆う第1のエリアと、前記着用者の首部を覆う第2のエリアと、前記着用者の脇部を覆う第3のエリアとを有する衣服本体と、
    前記衣服本体に設けられ前記液体が流れる搬送路であって、前記第1のエリアのうち主として前記着用者の胸部に対応する部位に設けられた第1の通路部と、前記第2のエリアに設けられた第2の通路部と、前記第3のエリアに設けられた第3の通路部とを有する搬送路と
    を具備する体温調節服。
  2. 請求項1に記載の体温調節服であって、
    前記第1の通路部は、前記着用者の心臓に対応する部位に設けられる
    体温調節服。
  3. 請求項2に記載の体温調節服であって、
    前記第1のエリアは、左前身頃部と右前身頃部とを有し、
    前記第1の通路部は、前記左前身頃部に設けられる
    体温調節服。
  4. 請求項3に記載の体温調節服であって、
    前記第1の通路部、前記第2の通路部及び前記第3の通路部は、蛇行通路で形成される
    体温調節服。
  5. 請求項3又は4に記載の体温調節服であって、
    前記衣服本体は、前記右前身頃部における通気性が当該右前身頃部を除くすべての領域の通気性よりも高い
    体温調節服。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の体温調節服であって、
    前記搬送路は、入水口と、出水口と、前記入水口及び前記出水口と前記第1〜第3通路部との間をそれぞれ連絡する複数の連絡通路部とをさらに有する
    体温調節服。
  7. 請求項6に記載の体温調節服であって、
    前記第1〜第3の通路部を構成する流路の合計面積は、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の40%以上を占める
    体温調節服。
  8. 請求項7に記載の体温調節服であって、
    前記第1の通路部を構成する流路の合計面積は、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の10%以上を占める
    体温調節服。
  9. 請求項8に記載の体温調節服であって、
    前記第3の通路部を構成する流路の合計面積は、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の8%以上を占める
    体温調節服。
  10. 請求項8又は9に記載の体温調節服であって、
    前記第2の通路部を構成する流路の合計面積は、前記搬送路を構成するすべての流路の合計面積の10%以上を占める
    体温調節服。
  11. 着用者の体温を調節することが可能な体温調節服と、
    前記体温調節服の内部を循環する流体の温度を調節する流体温度調節装置と
    を具備し、
    前記体温調節服は、
    前記着用者の胴部を覆う第1のエリアと、前記着用者の首部を覆う第2のエリアと、前記着用者の脇部を覆う第3のエリアとを有する衣服本体と、
    前記衣服本体に設けられ前記液体が流れる搬送路であって、前記第1のエリアのうち主として前記着用者の胸部に対応する部位に設けられた第1の通路部と、前記第2のエリアに設けられた第2の通路部と、前記第3のエリアに設けられた第3の通路部とを有する搬送路と
    を有する体温調節システム。
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