JP2019195784A - 薬注用配管部材、薬注システム、および、薬注方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な構成でありながら、注入する薬液が腐食性を有するものであっても、注入による配管への影響を低減することが可能な薬注用配管部材、このような薬注用配管部材を有する薬注システム、および、このような薬注用配管部材を用いる薬注方法を提供すること。【解決手段】液体が流れる送液配管3から前記液体を取り出し、これに薬液を混合して得られた混合液を送液配管3に戻すための薬注用配管部材Aであって、前記液体を送液配管3から取り出すための取り出し配管部1と、前記混合液を送液配管3に戻すための戻し配管部2と、取り出し配管部1および戻し配管部2を束ねた状態として、これを送液配管3の分岐部3aに接続する分岐部接続部1bと、を備える薬注用配管部材、これを用いた薬注システムおよび薬注方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、液体の流れる送液配管に、たとえば水処理剤などの薬液を注入するための薬注用配管部材、薬注システム、および、薬注方法に関する。
液体の流れる送液配管に各種薬液を注入することは広く行われている。しかし、酸等の腐食性の薬液を注入する場合、薬注箇所の液体の流れ方向下流側で配管が腐食するおそれがある。このため、配管の内壁から遠い、配管の中心近くに、液体の流れ方向下流側に向けて薬液を注入するノズルを設け、配管の腐食を防止する技術が提案されている(特許文献1)。
しかし、この場合であっても液体と薬液との比重差等により、ノズルの下流側の配管への影響が生じる可能性があり、さらなる影響の低減が望まれていた。
特開平07−185516号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、送液配管に接続して送液配管内を流れる液体に薬液を注入する際に、単純な構成でありながら、注入する薬液が腐食性を有するものであっても、注入による配管への影響を低減することが可能な薬注用配管部材、このような薬注用配管部材を有する薬注システム、および、このような薬注用配管部材を用いる薬注方法を提供することを目的とする。
本発明の薬注用配管部材は、液体が流れる送液配管から前記液体を取り出し、これに薬液を混合して得られた混合液を前記送液配管に戻すための薬注用配管部材であって、
前記液体を前記送液配管から取り出すための取り出し配管部と、
前記混合液を前記送液配管に戻すための戻し配管部と、
前記取り出し配管部および前記戻し配管部を束ねた状態として、これを前記送液配管の分岐部に接続する分岐部接続部と、
を備えることを特徴とする(基本構成)。
本発明の薬注用配管部材は、上記の基本構成に加え、外側管と、その内側に配した内側管と、からなる二重管部を有し、
前記外側管の一方の端部が前記分岐部接続部の一部となって前記分岐部に接続し、他方の端部を閉塞する底部を有し、当該底部またはその近傍の周面に、他の配管に接続するための第1の外部接続部を有し、
前記内側管の一方の端部が前記送液配管内まで延伸して開口し、他方の端部が前記外側管の底部またはその近傍の周面を貫通して、さらに他の配管に接続するための第2の外部接続部を有し、
前記二重管部における、前記外側管と前記内側管との間隙、および、前記内側管内、のいずれか一方が前記取り出し配管部を構成し、他方が前記戻し配管部を構成することができる。
このとき、前記二重管部における、前記外側管と前記内側管との間隙が前記取り出し配管部を構成し、前記内側管内が前記戻し配管部を構成し、
前記内側管の一方の端部が、前記液体の流れ方向下流側に向いて、または、下流側に向いて斜めに、開口していることが好ましい。
本発明の薬注システムは、上記本発明の薬注用配管部材と、
前記取り出し配管部によって前記送液配管の分岐部から取り出した前記液体を、前記戻し配管部に送液する薬注配管と、
前記薬注配管の中途で前記液体に薬液を注入する薬注手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明の薬注方法は、液体が流れる送液配管から前記液体を取り出し、これに薬液を混合して得られた混合液を前記送液配管に戻す薬注方法であって、
上記本発明の薬注用配管部材を用いて、前記取り出し配管部によって前記液体を前記送液配管の分岐部から取り出し、これに薬液を混合した後、得られた混合液を前記戻し配管部によって前記分岐部に戻すことを特徴とする。
本発明の薬注用配管部材によれば、液体を送液配管から取り出すための取り出し配管部と、混合液を送液配管に戻すための戻し配管部と、取り出し配管部および戻し配管部を束ねた状態として、これを送液配管の分岐部に接続する分岐部接続部と、を備える構成により、送液配管に1ヶ所の分岐部さえあれば、送液配管から取り出した液体に対して薬液を注入して希釈混合した後に、得られた混合液を送液配管に戻すことが可能となり、注入する薬液が腐食性を有するものであっても希釈することで腐食性を低減することができ、送液配管における薬液供給箇所(すなわち分岐部)下流側の内周面(管壁)への影響を低減することが可能となる。
なお、ここでいう「束ねた状態として」とは、独立した複数の配管を1つにまとめた状態のほか、1つの配管内を複数の区画に分割して複数の連通路を形成した状態(複合管)や、大径の配管の中にそれより小径の配管を1つ以上嵌挿して、配管相互の間隙と、最も小径の配管の内部との2以上の連通路を形成した状態(多重管。大径と小径1つずつの場合は「二重管」)も、配管を束ねた状態の概念に含まれる。
さらに、互いに原液のまま混合すると沈殿が発生する等の不都合が生じるため、送液配管に設けられた複数の分岐部から別々に注入する必要があった薬液の組み合わせであっても、本発明の薬注用配管部材を用いると、送液配管から取り出した液体で、複数の薬液を希釈しながら混合することができるので、送液配管に1ヶ所の分岐部さえあれば注入が可能となる。
本発明の薬注用配管部材は、上記の基本構成に加え、外側管と、その内側に配した内側管と、からなる二重管部を有し、外側管の一方の端部が分岐部接続部の一部となって分岐部に接続し、他方の端部を閉塞する底部を有し、底部またはその近傍の周面に、他の配管に接続するための第1の外部接続部を有し、内側管の一方の端部が送液配管内まで延伸して開口し、他方の端部が外側管の底部またはその近傍の周面を貫通して、さらに他の配管に接続するための第2の外部接続部を有し、二重管部における、外側管と内側管との間隙、および、内側管内、のいずれか一方が取り出し配管部を構成し、他方が戻し配管部を構成することにより、上記効果を得ながら、薬注用配管部材の作製が比較的容易となる。
このとき、二重管部における、外側管と内側管との間隙が取り出し配管部を構成し、内側管内が戻し配管部を構成し、内側管の一方の端部が、液体の流れ方向下流側に向いて、または、下流側に向いて斜めに、開口していることで、戻し配管部によって送液配管に戻った混合液が、送液配管で液体の流れにスムーズに乗って、液体内に速やかにかつ均質に分散する。この結果、腐食性が強く、希釈しただけでは薬液供給箇所下流側の管壁の腐食を十分に抑制することができない場合でも、効果的に管壁への影響を低減することが可能となる。
本発明の薬注システムは、上記のいずれかの薬注用配管部材を備えた構成とすることにより、送液配管に1ヶ所の分岐部さえあれば、送液配管から取り出した液体に対して薬液を注入して希釈混合した後に、得られた混合液を送液配管に戻すことが可能となり、注入する薬液が腐食性を有するものであっても希釈することで腐食性を低減することができ、送液配管における薬液供給箇所下流側の配管への影響を低減することが可能となる。
本発明の薬注方法は、上記のいずれかの薬注用配管部材を用いる構成により、液体が流れる送液配管から液体を取り出し、これに薬液を混合して得られた混合液を前記送液配管に戻すという薬注方法を、送液配管に設けられた1ヶ所の分岐部だけで行うことが可能となる。
(a)は、本発明の薬注用配管部材の一例Aを示すモデル断面図であり、(b)は、一例Aを用いた薬注方法ないし薬注システムを示すモデル断面図である。 本発明の薬注用配管部材の他の例A′を用いた他の薬注方法ないし薬注システムを示すモデル断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の薬注用配管部材の他の例B〜Eを示すモデル断面図である。 本発明の薬注用配管部材のさらに他の例Fを示すモデル図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。
以下、本発明について、好ましい実施形態を挙げ、図1〜図4を用いて説明する。
まず、図1(a)に、本発明の薬注用配管部材の一例Aのモデル断面図を示す。
この薬注用配管部材の一例A(以下、「薬注用配管部材A」と称する。他の例においても同様。)は、二重管部A1と、延長管部A2とから構成されている。
二重管部A1は、外側管1と、その内側に配した内側管2と、による二重管となっており、外側管1の内径は内側管2の外径よりも大きく、外側管1の内側面1fと内側管2の外側面2eとの間には間隙1gが形成されている。なお、薬注用配管部材Aでは、外側管1と内側管2とが同軸となっているが、これらは必ずしも同軸でなくてもよく、また、外側管1の管壁と内側管2の管壁とが部分的に一体となっていてもよい。
外側管1の一方の端部である先端1a付近には、後述するように、液体が流れる送液配管3の分岐部3aに対して分岐部接続部として機能するねじ部1bがある。また、他方の端部を底部1cが閉塞し、さらに底部1cの近傍には外側管1の周面から突出する円筒形の、後述するように他の配管4に接続するためのねじ部1eを備えた第1の外部接続部1dを有する。このように第1の外部接続部1dを底部1c近くの周面に設けることで、液の滞留部がなくなり、薬液の滞留による薬注用配管部材Aの材料への影響を低減し、また、不溶成分の蓄積を抑制することができる。なお、第1の外部接続部1dとしては、この例においては円筒形の配管を設けたが、配管4と接続可能であれば他の形状、たとえば、側面1fに、雌ねじ部を有する孔を設けてもよい。
一方、二重管部A1の内側管2の一方の端部である先端2aは、外側管1の先端1aから突出していて、後述する送液配管3内まで延伸し開口(「開口2a」と表記する場合がある。)している。開口2aは、送液配管3の中心軸周辺まで達している。したがって、送液配管3の中心軸ないしその付近の液体を取り出す際、あるいは、薬液と液体との混合液を送液配管3に戻す際に、送液配管3の中心部分への供給が可能となっている。一方、内側管2の他方の端部側は、外側管1の底部1cを貫通し、延長管部A2となっている。
延長管部A2は、拡径部2bにより二重管部A1の内側管2よりも拡径していて、この例では二重管部A1の外側管1と同径になっているが、十分な流量が確保できれば、より細くてもよい。延長管部A2の端2c付近に、後述する他の配管4と接続するための雄ねじ部2d1を備えた第2の外部接続部2dを有する。
なお、図1(a)では、薬注用配管部材Aが一体のものとなっているが、本発明はこれに限定されず、市販の配管材料を組み合わせて本発明の薬注用配管部材の構成としてもよい。また、後述する薬注手段としての薬注装置を有する配管4で注入される薬液と液体との効率的な混合のために、延長管部A2内に攪拌用のスパイラル板等を設けてもよい。さらに、延長管部A2内に薬液成分や薬液に添加するトレーサー成分を検出するセンサや、pH計、酸化還元電位センサ等を配置し、その測定値を用いて配管4への薬液供給量を制御することもできる。
本発明において、薬注用配管部材の材質は、用いる薬液に対して十分な耐薬品性を備える限り特に限定されず、樹脂や金属、各種ライニング材料等から選択できる。また、用いる薬液とは、原液で接するのではなく、後述の通り、配管4内で送液配管3から取り出した液体で希釈した後に接するので、薬注用配管部材に対する耐薬品性の要求もその分緩和される。なお、本発明の薬注用配管部材は送液配管に着脱可能な接続部で接続しているので、万一腐食や詰まり等が発生しても交換することが可能であり、薬注用配管部材が接続しているシステム全体に及ぼす影響を低減することができる。
次に、図1(b)により薬注用配管部材Aを用いる本発明の薬注方法の一例と、それを実現する本発明の薬注システムの一例について説明する。図1(b)は、薬注用配管部材Aを用いた薬注方法を示すモデル断面図である。
薬注用配管部材Aは、液体が流れる送液配管3の分岐部3aのねじ部と二重管部A1の外側管1の先端1a付近のねじ部(分岐部接続部)1bとの螺合により送液配管3の分岐部3aに接続していて、二重管部A1の内側管2の開口2aはこの例では送液配管3の中心近くまで延伸し開口している。
また、図1(b)に略記してあるように、二重管部A1の第1の外部接続部1dは配管(薬注配管)4に接続し、当該配管4は、ポンプ4aおよび図示しない薬注装置(薬液を注入する位置のみ矢印で図示)との接続部を経由して、延長管部A2の第2の外部接続部2dと接続している。
薬液を送液配管3内に注入(供給)するときには、ポンプ4aを運転し、図中の矢印X1,X2方向に送液する。送液配管3を流れる液体は、分岐部3a、二重管部A1の外側管1と内側管2との間隙1g、第1の外部接続部1d、そして、配管4を経由し、薬注装置が供給する薬液と混合して混合液となる。当該混合液は、二重管部A1の内側管2の開口2aから、送液配管3の中心軸付近で液体に合流する。この例では外側管1と内側管2との間隙1gは取り出し配管部として、内側管2は戻し配管部として、それぞれ機能する。
このとき内側管2の先端2aが、送液配管3を流れる液体の流れ方向Y1の下流側に向いて斜めに開口しているので、混合液は、送液配管3で液体の流れにスムーズに乗って(矢印Y2)、液体内に速やかにかつ均質に分散する。この開口の向きは、薬注用配管部材Aでは、液体の流れ方向Y1との成す角が45°となる傾きであるが、当該成す角としては、特に制限されず、0°より少しでも大きければ混合液をスムーズに注入できるので効果を得ることができ、斜めではなく完全に液体の流れ方向Y1の下流側に向いた90°でも、高い効果を得ることができる。
以上のように、薬注用配管部材Aによれば、送液配管3の分岐部3aの1ヶ所だけに接続することで、薬液を送液配管3からの液体により希釈して混合液とし、送液配管3の中心軸付近に供給することができる。そのため、薬液が原液の状態で送液配管3の管壁(内周面)に接触することがなく、薬液を送液配管3から取り出した液体により希釈して、送液配管3の管壁から離れた位置に供給するので、送液配管3への影響を抑制することができる。
図1(b)では、送液配管3の重力方向の下側(図中においても下側)に薬注用配管部材Aを取り付けているが、底部1cや第1の外部接続部1d内に不溶成分が蓄積するおそれがある場合など、必要に応じて、送液配管3の上方や側方に薬注用配管部材Aが位置するように取り付けてもよい(以下の実施形態においても同様)。
なお、図1(b)の例のように、配管4における、液体の流れ方向でポンプ4aの下流に薬注装置を接続することにより、ポンプ4aとして、供給する薬液に対する耐薬品性が十分でないポンプであっても用いることができる。もちろん、耐薬品性の高いポンプを用いたり、腐食性を有しない薬液を供給する等、薬液がポンプに影響を与えないような手当てを別途講じておけば、ポンプ4aと薬注装置の配置を逆にしても構わない。
配管4には、必要に応じてミキサーやセンサ等、その他の機器や装置を設けることができる。
また、配管4や薬注装置、薬注ノズル付近のメンテナンスを容易なものとするために、配管4の、薬注用配管部材Aとの接続部近く、および/または、薬注装置と接続するための分岐部付近に、バルブや、フランジ継手、ユニオン継手などによる継手接続部を設けることができる。
送液配管3を流れる液体の流速は、送液配管3の中心部では管壁(内周面)やその付近より速いので、薬注用配管部材A1や送液配管3の各種寸法、送液配管3を流れる液体の粘度や流速などの条件によっては、ピトー管と同様にベルヌーイの定理により配管4内に矢印X1,X2方向の十分な液流が生じるため、ポンプ4aが不要となる場合もある。
図1(b)に示した例では、二重管部A1の外側管1と内側管2との間隙1gを取り出し配管部として、送液配管3内を流れる液体を薬注用配管部材1内に導入したが、内側管2を取り出し配管部として液体を導入することもできる。かかる態様の例として、図2に、薬注用配管部材A′を示す。
薬注用配管部材A′は、二重管部A1の内側管2の先端2aの開口が斜めとなっておらず、内側管2の軸方向に対して垂直となっている点以外は、図1(a)および図1(b)に示した薬注用配管部材Aと同じ構成である。なお、薬注用配管部材A′には、ポンプ4aおよび図示しない薬注装置を有する配管4が接続しているが、ポンプ4aによる送液方向が逆であるとともに、ポンプ4aと薬注装置の位置関係も逆になっている。
送液配管3内の液体を、ポンプ4aの負圧によって、二重管部A1の内側管2の先端2aから取り込む。先端2aから取り込んだ液体を、内側管2を通じて延長管部A2を経由し、その端部の第2の外部接続部2dに接続する配管4に送る。そして、ポンプ4aおよび図示しない2つの薬注装置それぞれとの接続部分を経由し、これら薬注装置が供給する薬液1および薬液2をこの順で混合して複合混合液とする。当該複合混合液を、第1の外部接続部1dを通じて二重管部A1の外側管1と内側管2との間隙1g内に送り、そして送液配管3の分岐部3aから送液配管3内を流れる液体に供給する。この例では、内側管2は取り出し配管部として、外側管1と内側管2との間隙1gは戻し配管部として、それぞれ機能する。
このように、図2に示した例では、図1(b)に示した例と同様、送液配管3の分岐部3aの1ヶ所だけに接続することで、薬注用配管部材A′により、薬液を送液配管3からの液体により希釈して混合液とし、送液配管3に供給することができる。すなわち、薬液は、原液の状態では送液配管3の管壁(内周面)に接触しないので、送液配管3への影響を抑制することができる。
上述のように配管4には複数の薬注装置を接続することができる。互いに原液のまま混合すると沈殿が発生する等の不都合が生じるような組み合わせの薬液の場合には、注入のための複数の分岐部を送液配管3に設ける必要があった。しかし、薬注用配管部材A,A′を用いることにより、配管4において、複数の薬液をそれぞれ別の箇所で注入し、配管4内を流れる液体でこれら薬液を希釈しながら混合するので、薬注用配管部材A,A′を送液配管3の分岐部の1ヶ所だけに接続することで、複数の薬液の注入が可能となる。
なお、大型プラントなどでは、送液配管から薬注装置の設置場所が遠い場合がしばしばあるが、この場合、従来の薬注装置ないし薬注方法では、複数の薬注装置から送液配管までの配管がそれぞれ必要となる。しかし、本発明の薬注用配管部材を用いると、取り出した液体を送液する配管と、薬注後の混合液を送液配管に戻す配管の2本だけで済む。そのため、配管材料や工事などにかかるコストを抑制することが可能になる。
さらに、接続する送液配管3の太さに応じて、外側管1からの内側管2の突出長さを最適化することにより、外側管1から突出している内側管2の先端2aの開口から薬液成分を含む混合液を、送液配管3の管壁(内周面)近くではなく、送液配管3の中心ないし中心付近に供給できるので、送液配管3への影響をより効果的に低減することが可能になる。
次に図3および図4を用いて、薬注用配管部材A、A′とは異なる、本発明の薬注用配管部材の他の例について説明する。
図3の(a)〜(d)は、本発明の薬注用配管部材の他の例B〜Eを示すモデル断面図である。
図3(a)に示した薬注用配管部材Bは、薬注用配管部材A′に近似するが、延長管部A2の径が、二重管部A1の内側管2の径と等しく、拡径部2bなしにそのまま連続した態様である。内側管2が、そのままの径で外側管1の底部1cを貫通して延在している態様ともいえる。内側管2の延長管部A2側の端部近傍の外周面に、雄ねじ部2d1を有し、配管4が接続する第2の外部接続部2dとなっている。当該態様は、滞留する箇所が少ない点で有利である。
図3(b)に示した薬注用配管部材Cは、二重管部A1の外側管1の底部1cの底面1hに内側管2の端2cが開口している態様である。薬注用配管部材A′や薬注用配管部材Bにおける延長管部A2のない態様ともいえる。内側管2における端2cの開口近傍の内周面に雌ねじ部2c1を有し、配管4が接続する第2の外部接続部2dとなっている。当該態様は、小型化が可能な点で有利である。
図3(c)に示した薬注用配管部材Dは、二重管部A1の内側管2が外側管1内で直角に方向を変え、外側管1の周面を貫通しており、かつ、外側管1の下方で円錐台状の底部1cを有し、縮径した管部1jが連なる態様である。内側管2における外側管1の周面を貫通した端部近傍の外周面に雄ねじ部2d1を有し、配管4が接続する第2の外部接続部2dとなっている。また、管部1jの外周面に雄ねじ部1eを有し、配管4が接続する第1の外部接続部1dとなっている。当該態様は、配管の取り回しの関係から、第2の外部接続部2dを送液配管2と平行方向にしたい場合に有利である。
図3(d)に示した薬注用配管部材Eは、薬注用配管部材Dと近似しているが、二重管部A1の内側管2が外側管1の軸に対して偏心した状態で、かつ、これらの管の管壁が一体部1hで部分的に一体となっている点で異なる態様である。他の構成については、薬注用配管部材Dと同一である。当該態様は、内側管2の固定が容易でかつ強度があり、製造が比較的容易である点で有利である。
以上の例では、全て外側管と内側管の二重管部A1を用いた例を挙げているが、3重以上の多重管を用いてもよく、その場合も本発明の範疇に含まれる。3重以上の多重管の場合に、どの配管と配管との間隙や配管内部(両者を合わせて「層」と呼ぶ場合がある。)を第1の外部接続部と第2の外部接続部に振り分けるかは、任意である。また、形式上3重以上の多重管であったとしても、その内の2層しか用いていなかったり、層間で液の行き来があって、区画が実質的に2層と認められる場合には、二重管の変形例として捉えることができる。
さらに、図4に示した薬注用配管部材Fは、図1〜図3における二重管部A1に代えて、円管の管内部を2つに区画し、区画ごとに独立した分割配管部5aおよび分割配管部5bを有する複合管部A3を用いる態様である。
なお、図4は、本発明の薬注用配管部材のさらに他の例Fを示すモデル図であり、図4(a)は複合管部A3における管の軸方向の断面図であり、図4(b)は上面図である。
分割配管部5bは、分割配管部5aの先端5a1より突出した延伸部5b2を有する。分割配管部5aの先端5a1の外周面と、分割配管部5bの延伸部5b2の基端部の外周面には、両者に亘って円環を成すねじ部5cが設けられ、これが分岐部接続部として、送液配管3の分岐部3aに設けられたねじ部に螺合して接続する。
一方、分割配管部5aおよび分割配管部5bの先端5a1、5b1側とは反対側の端部側には、それぞれ段差をもって縮径した管部5d2および管部5e2が連なる。管部5d2の外周面は雄ねじ部5d1を有し、配管4が接続する第1の外部接続部5dとなっている。また、管部5e2の外周面は雄ねじ部5e1を有し、配管4が接続する第2の外部接続部5eとなっている。
なお、図4の例Fでは、1つの円管を2つに区画しているが、3つ以上に区画することもでき、その場合も本発明の範疇に含まれる。3つ以上に区画した場合に、どの分割配管部を第1の外部接続部と第2の外部接続部に振り分けるかは、任意である。
これら薬注用配管部材B、C、D、EおよびFは、それぞれ、薬注用配管部材A、A′と同様に、送液配管3の分岐部3aに取り付けられ、ポンプ4aや図示しない薬液タンク、薬注ポンプ等を備えた配管(薬注配管)4を、第1の外部接続部および第2の外部接続部に接続することで本発明の薬注システムを構成することができ、これを稼動することで本発明の薬注方法を実現することができる。これらいずれの薬注用配管部材を用いても、送液配管に1ヶ所の分岐部さえあれば、送液配管から取り出した液体に対して薬液を注入して希釈混合した後に、得られた混合液を送液配管に戻すことが可能となり、注入する薬液が腐食性を有するものであっても希釈することで腐食性を低減することができ、送液配管における薬液供給箇所下流側の配管への影響を低減することが可能となる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の薬注用配管部材、薬注システム、および、薬注方法は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態では、送液配管取り付け側の端部開口について、取り出し配管部と戻し配管部のいずれか一方を他方に対して突出(延伸)させて、当該一方を送液配管の中心軸近くに配する例を挙げたが、本発明はこれに限定されず、たとえば、端部開口の位置を両者揃えて送液配管の内部にいずれも突出させない態様や、逆に双方とも突出させる態様であっても構わない。
ただし、取り出し配管部において液体を取り込む開口部と、戻し配管部において混合液を供給する開口部とがある程度離れていることが、混合液が取り出し配管部の開口部から取り込まれにくく、薬液の供給効率が上がる点で好ましい。したがって、取り出し配管部と戻し配管部のいずれか一方が他方に対して突出(延伸)している上記実施形態の構成は好ましい態様といえる。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の薬注用配管部材、薬注システム、および、薬注方法を適宜改変することができる。このような改変によってもなお、本発明の薬注用配管部材、薬注システム、および、薬注方法の構成を備えている限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
A、A′、B、C、D、E、F:薬注用配管部材
A1:二重管部
A3:複合管部
1:外側管
1b:ねじ部(分岐部接続部)
1c:底部
1g:間隙
2:内側管
3:送液配管
3a:分岐部
4:配管(薬注配管)

Claims (5)

  1. 液体が流れる送液配管から前記液体を取り出し、これに薬液を混合して得られた混合液を前記送液配管に戻すための薬注用配管部材であって、
    前記液体を前記送液配管から取り出すための取り出し配管部と、
    前記混合液を前記送液配管に戻すための戻し配管部と、
    前記取り出し配管部および前記戻し配管部を束ねた状態として、これを前記送液配管の分岐部に接続する分岐部接続部と、
    を備えることを特徴とする薬注用配管部材。
  2. 外側管と、その内側に配した内側管と、からなる二重管部を有し、
    前記外側管の一方の端部が前記分岐部接続部の一部となって前記分岐部に接続し、他方の端部を閉塞する底部を有し、当該底部またはその近傍の周面に、他の配管に接続するための第1の外部接続部を有し、
    前記内側管の一方の端部が前記送液配管内まで延伸して開口し、他方の端部が前記外側管の底部またはその近傍の周面を貫通して、さらに他の配管に接続するための第2の外部接続部を有し、
    前記二重管部における、前記外側管と前記内側管との間隙、および、前記内側管内、のいずれか一方が前記取り出し配管部を構成し、他方が前記戻し配管部を構成することを特徴とする請求項1に記載の薬注用配管部材。
  3. 前記二重管部における、前記外側管と前記内側管との間隙が前記取り出し配管部を構成し、前記内側管内が前記戻し配管部を構成し、
    前記内側管の一方の端部が、前記液体の流れ方向下流側に向いて、または、下流側に向いて斜めに、開口していることを特徴とする請求項2に記載の薬注用配管部材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の薬注用配管部材と、
    前記取り出し配管部によって前記送液配管の分岐部から取り出した前記液体を、前記戻し配管部に送液する薬注配管と、
    前記薬注配管の中途で前記液体に薬液を注入する薬注手段と、
    を備えたことを特徴とする薬注システム。
  5. 液体が流れる送液配管から前記液体を取り出し、これに薬液を混合して得られた混合液を前記送液配管に戻す薬注方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の薬注用配管部材を用いて、前記取り出し配管部によって前記液体を前記送液配管の分岐部から取り出し、これに薬液を混合した後、得られた混合液を前記戻し配管部によって前記分岐部に戻すことを特徴とする薬注方法。
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