本発明は、簡易な構成の健康器具に係り、より詳しくは足の土踏まず(足底腱膜)、後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることができる機能と、腰痛、肩凝りにも有効なマッサージ機能とを兼ね備えた健康器具に関するものである。
従来、足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を伸展させるストレッチ健康器具や、腰痛、肩凝り対策等のために使用されるストレッチング効果が得られるような補助器具が各種知られている。このうち、アキレス腱等を鍛えるために足先を脛側に接近する方向に曲げてアキレス腱等を引き伸ばした状態で保持する健康器具として、例えば、足置き台が形斜面を有するストレッチ健康器具(伸展健康具)が開発されている(特許文献1、2、3等参照)。例えば、図5に示すストレッチ健康器具は特許文献1等に記載されているもので、その構造は基台20と、この基台20の後方中心に上下方向に傾動する踏台21と、基台20に設けられたガイド溝20−1に前後にスライド可能に取付けられた、前記踏台21の傾斜角を調整する傾斜支持部材22と、基台20の後方端に立設された後方ストッパー部材23とを備え、前記踏台21はその後方に設けられたヒンジ部21−1を介して後方ストッパー部材23に対して傾動可能に支持されて傾斜角を調節可能となし、この踏台21上に足を乗せるだけで簡単に後脚部の筋肉を伸展(ストレッチ)させ、これにより全身の筋肉の伸展を行うことができるようになっている。
又、腰痛、肩凝り等に有効な健康器具として、マッサージローラーが各種提案されている(特許文献4等参照)。例えば、特許文献4等に記載されているマッサージローラーは、腰や背中等に当てて使用するもので、その構造は一例を図6に示すように、表面に凹凸31等が形成された所望の長さ、太さを有するロールからなるマッサージローラー本体30にバイブレーター(図面省略)が内蔵され、このマッサージローラー本体30に内蔵されているバイブレーターが振動する仕組みとなしたもので、背中や腰等に当てて使用する際は、例えば布製のアシストカバー等にマッサージローラー本体を入れて使用することができるようになっている。なお、この種のマッサージローラーとしては、電源のON/OFFや振動の強さを変更できるものが一般的であるが、バイブレーターを備えていないものもある。
しかしながら、前記したような従来周知の健康器具である、足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を伸展させるストレッチ健康器具(図5)や、腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラー(図6)等の従来の健康器具の場合は、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をそれぞれ専用の器具を使って別々に行わなければならないため、健康器具の取り換えや使用に際して手間ひまがかかるのみならず、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を効率よく行うことができない上、特に足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を伸展させるストレッチ健康器具の場合は身体の苦痛を伴うことから我慢や忍耐が必要で、特に高齢者にとっては、足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが困難であり、長期間にわたってアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を続けることも容易ではなかった。
さらに、従来は、伸展健康具やマッサージローラーはそれぞれ別個に商品として製造、販売されていたため、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を行いたい場合は、前記2つの健康器具、即ち、図5に示す伸展健康具と、図6に示すマッサージローラーをそれぞれ揃えなければならず、費用として高いものとなるのみならず、使用の都度2つの健康器具をそれぞれ持ち運ばなければならず、面倒であった。
特開2009−178288号公報
特開2011−194051号公報
特開2006−42866号公報
意匠登録第1556185号公報
本発明は、前記した従来の問題に鑑みてなされたもので、足の土踏まず(足底腱膜)、後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることができる伸展機能と、腰痛、肩凝り等に有効なマッサージ機能とを兼ね備え、かつ筋肉を伸展させる伸展健康具と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラーとを同時に使用することができ、伸展健康具とマッサージローラーとの相乗効果により、苦痛を伴うことなくアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができる健康器具を提供しようとするものである。
本発明に係る第1の健康器具は、足の土踏まず(足底腱膜)と、後脚部(ふくらはぎ)の筋肉とを伸展させることができる伸展機能を有する伸展健康具と、背中や腰に当てるアシストカバー付きマッサージローラーの双方を備え、さらに前記伸展健康具を一方の端部に載置固定する台盤と、前記台盤の他方の端部両サイドに立設されて前記アシストカバー付きマッサージローラーを着脱可能に装着するための左右一対のフレームとを有し、前記左右一対のフレームと前記アシストカバー付きマッサージローラーには、アシストカバー付きマッサージローラーを所望の高さ位置に着脱可能に装着するための高さ位置調整用装着手段が設けられ、前記伸展健康具とマッサージローラーとを同時に使用できるように構成したことを特徴とするものである。
又、前記アシストカバー付きマッサージローラーの高さ位置調整用装着手段は、前記アシストカバーに取付けられた装着用係止具と、前記フレームの側面に長さ方向に所望の長さにわたって複数設けられた係止具係合用孔とで構成されていることを好ましい態様とするものである。なお、前記アシストカバーに取付けられた装着用係止具の係合手段としては、前記フレームの側面に長さ方向に形成した長孔、あるいはフレームの側面に長さ方向に形成した連続する係合用凹凸を用いることも可能である。
本発明に係る第2の健康器具は、足の土踏まず(足底腱膜)と、後脚部(ふくらはぎ)の筋肉とを伸展させることができる伸展機能を有する伸展健康具と、背中や腰に当てるマッサージローラーの双方を備え、さらに前記伸展健康具を端部に載置固定する台盤と、前記台盤の前記伸展健康具の背面側端部両サイドに前記マッサージローラーを高さ位置調整可能に水平に支持する一対のフレームを有し、前記マッサージローラーの高さ位置調整手段として、前記マッサージローラーの両端部を前記一対のフレームに昇降機構にて上下可能に支持し、該マッサージローラーを電動等により自動昇降させる方式となし、前記伸展健康具とマッサージローラーとを同時に使用できるように構成したことを特徴とするものである。
又、前記伸展健康具は、基台の後方端に上下方向に傾動可能に支持された踏台が傾斜支持部材を介して傾斜角を調節可能となしたものを用いることを好ましい態様とするものである。
さらに、前記マッサージローラーには、マッサージローラー本体に内蔵されているバイブレーターが振動する仕組みとなしたものを用いることを好ましい態様とするものである。
なお、前記マッサージローラーの高さ位置調整手段には、モーターとラック・ピニオン方式や流体シリンダー方式等による昇降機構を用いることができる。
本発明の健康器具によれば、足の土踏まず(足底腱膜)、後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることができる伸展機能と、腰痛、肩凝り等に有効なマッサージ機能とを兼ね備え、かつ筋肉を伸展させる伸展健康具と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラーとを同時に使用することができるので、伸展健康具とマッサージローラーとの相乗効果、即ち、身体の苦痛を伴うことなく足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが可能となると共に、その伸展健康具による効果とマッサージローラーによるマッサージ効果とが相俟って、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができるという優れた効果を奏する。又、本発明の健康器具は、一台で伸展とマッサージの2種類のストレッチ運動を同時に行うことができるので、この2種類のストレッチ運動を長期間にわたって楽に続けることができるのみならず、使用者自身が自然体のままでアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を安全かつスムーズに行うことができるという点や、マッサージローラーの高さ位置を任意に調整可能に設けたことにより、使用者の背丈や体躯に応じてマッサージローラーの位置を適正に設定することが可能であるという点でも優れている。さらに、本発明の健康器具は、ひざ裏の収縮によって歩行が困難となり身体の苦痛を訴える健康を害している人達、特に高齢者にとっても容易にかつ心地よく使用でき、かつ血行も促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消することができて歩行も容易になるという点でも、極めて有用性に富むものである。
本発明の一実施形態を示す健康器具Aの斜視図である。
図1に示す健康器具Aの使用状態を示す側面図である。
図1、図2に示す健康器具Aのマッサージローラーの高さ位置調整用装着手段を例示したもので、(A)はアシストカバーに取付けられた装着用係止具と該係止具を係止する長尺孔とで構成した高さ位置調整用装着手段、(B)はアシストカバーに取付けられた装着用係止具と該係止具を係止する凹凸部とで構成した高さ位置調整用装着手段をそれぞれ示す側面図である。
本発明の他の実施形態を示す健康器具Bの概略斜視図である。
従来のストレッチ健康器具(伸展健康具)の一例を示す概略側面図である。
従来のストレッチ健康器具の他の例(マッサージローラー)を示す概略斜視図である。
図1〜図3に示す健康器具Aにおいて、1は台盤、2は伸展健康具、3はアシストカバー3−2付きのマッサージローラー、4はフレーム、Cは運動者をそれぞれ示す。
即ち、図1に示す健康器具Aは、床面に設置される台盤1と、この台盤1の一方の端部に載置固定される伸展健康具2と、前記台盤1の前記伸展健康具2と反対側の両サイドに基部が着脱可能に固着されて立設された一対のフレーム4と、前記フレーム4に高さ位置調整可能に装着される前記アシストカバー付きマッサージローラー3とから構成されている。以下、当該健康器具Aの各部材及び全体構成について詳細に説明する。
床面に設置される台盤1は、当該健康器具Aが安定して設置されるように底面が平坦に形成されている所望厚さ、重量及び固さを有する板状のパネルで構成されている。材質は特に限定するものではなく、合成樹脂材や金属材等を使用して製造されたものを用いることができる。
前記台盤1の一方の端部に載置固定される伸展健康具2は、後端部に立設された後方ストッパー部材2−2を有する基台2−1と、この基台2−1の後方ストッパー部材2−2に後端部を軸ピン2−4にて上下方向に傾動可能に枢着された踏台2−3と、前記基台2−1に形成された左右一対のガイド孔2−6にスライド可能に取付けられた、前記踏台2−3の傾斜角を調整する傾斜支持部材2−5とから構成され、前記踏台2−3上に足を乗せるだけで簡単に後脚部の筋肉を伸展(ストレッチ)させるものである。
アシストカバー3−2付きのマッサージローラー3は、腰や背中等に当てて使用するもので、その構造は前記したように表面に凹凸等が形成された所望の長さ、太さを有するロールからなるマッサージローラー本体3−1にバイブレーター(図面省略)が内蔵され、このマッサージローラー本体3−1に内蔵されているバイブレーター(図示せず)が振動する仕組みとなしたもので、ここでは両サイドに装着用帯紐3−3を有する布製のアシストカバー3−2にマッサージローラー本体3−1を入れたものを例示している。このアシストカバー3−2の前記装着用帯紐3−3の先端部には当該マッサージローラー3をフレーム4に着脱可能に取付けるための装着用係止具3−4が設けられている。
前記アシストカバー付きマッサージローラー3を装着するフレーム4は2本一対の長尺材からなり、各フレーム4にはその側面に前記装着用係止具3−4の係合孔4−1が長さ方向に所望の長さにわたって設けられ、アシストカバー付きマッサージローラー3の高さ位置を調整できるようになっている。この2本一対のフレーム4は、前記台盤1の前記伸展健康具2と反対側の両サイドに基部を締結ボルト4−2により台盤1に着脱可能に固着されている。
上記図1に示す健康器具Aを使用する際は、まず台盤1の一方の端部に載置固定された伸展健康具2の踏台2−3の傾斜角度を設定する。その際、基台2−1の接地面に対する踏台2−3の傾斜角度の設定は、ガイド孔2−6にスライド可能に取付けられた傾斜支持部材2−5を前後にスライドさせて行う。踏台2−3の傾斜角度を設定すると、図2に示すように、運動者Cは踏台2−3上に両足を載せて立ち、次いでフレーム4に吊設されているアシストカバー付きマッサージローラー3をほぼ水平に持ち上げて高さ位置を調整して腰や背中等に当てた状態でスイッチONしてバイブレーターを振動させる。すると、筋肉を伸展させる伸展健康具2と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラー3との同時使用により、伸展健康具2とマッサージローラー3との相乗効果で、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動がより効果的に行われる。即ち、身体の苦痛を伴うことなく足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが可能となり、足の血行が促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消できると共に、この伸展健康具による効果とマッサージローラーによるマッサージ効果とが相俟って、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動が好適に行われる。このストレッチ運動によりアキレス腱が鍛えられると、踏台2−3の傾斜角度を大きくして同様の運動を続けることが可能となるので、踏台2−3の傾斜角度を大きくする。これは、踏台2−3の傾斜角度が大きい程アキレス腱が強く伸張されるからである。又、伸展健康具2とマッサージローラー3との相乗効果をより大きくするため、適宜マッサージローラー3の高さ位置を変えて背中や腰等のストレッチ運動を行う。なお、マッサージローラー3の高さ位置の調整は、前記したようにマッサージローラー3の装着用係止具3−4をフレーム4の係合孔4−1から外して所定の高さ位置の係合孔4−1に再び係合させてマッサージローラー3の高さを設定する。
前記図1、図2に示す健康器具Aのマッサージローラーの高さ位置調整用装着手段としては、フレーム4に設けた複数個の係合孔4−1に装着用係止具3−4を係合させる方式以外に、例えば図3(A)(B)に示す手段を用いてもよい。図3(A)に示す方式は、フレーム4の係合孔を長尺孔4−3とし、アシストカバー3−2の装着用帯紐3−3の先端部に取付けられた装着用係止具3−4を前記長尺孔4−3に係合させる方式である。又、図3(B)に示す方式は、前記係合孔4−1や長尺孔4−3に替えて、フレーム4の側面に形成した連続する滑らかな係合用凹凸4−4とし、この係合用凹凸4−4に装着用係止具3−4を係合させる方式である。
次に、図4に示す健康器具Bについて説明する。
図4において、11は台盤、12は伸展健康具、13はフレーム、14はマッサージローラー、15はマッサージローラーの昇降機構をそれぞれ示す。
即ち、図4に示す健康器具Bは、床面に設置される台盤11と、この台盤11の端部に立設された一対のフレーム13と、このフレーム13に昇降機構15を介して高さ位置調整可能に横設されたマッサージローラー14とから構成されている。以下、当該健康器具Bの各部材及び全体構成について説明する。
床面に設置される台盤11は、台盤1と同様に、当該健康器具が安定して設置されるように底面が平坦に形成されている所望厚さ、重量及び固さを有する板状のパネルで構成されている。この台盤11も前記台盤1と同様に、材質は特に限定するものではなく、合成樹脂材や金属材等を使用して製造されたものを用いることができる。
前記台盤11の端部に載置固定される伸展健康具12も前記図1、2に示す健康器具の伸展健康具2と同様の構成を有するもので、後端部に立設された後方ストッパー部材12−2を有する基台12−1と、この基台12−1の後方ストッパー部材12−2に後端部を軸ピン12−4にて上下方向に傾動可能に枢着された踏台12−3と、前記基台12−1に形成された左右一対のガイド孔12−6にスライド可能に取付けられた、前記踏台12−3の傾斜角を調整する傾斜支持部材12−5とから構成され、前記踏台12−3上に足を乗せるだけで簡単に後脚部の筋肉を伸展(ストレッチ)させるものである。
マッサージローラー14を装着するフレーム13は2本一対の断面凹形の長尺部材からなり、後述する昇降機構15を介してマッサージローラー14の高さ位置を調整できるようになっている。この2本一対のフレーム13も前記図1〜図3に示す健康器具Aと同様に、基部をボルト等により台盤11に着脱可能に固着されている。
マッサージローラー14は、前記のものと同様に表面に凹凸等が形成された所望の長さ、太さを有するローラー自体にバイブレーター(図面省略)が内蔵され、このマッサージローラー14に内蔵されているバイブレーターが振動する仕組みとなしたものである。
マッサージローラー14の高さ位置調整用昇降機構15は、例えばマッサージローラー14の両端部に突設した支軸15−1に取付けられたピニオン15−2を、両サイドのフレーム13の内壁に所望の長さにわたって設けられたラック15−3に噛合させて当該マッサージローラー14を水平に支持すると共に、支軸15−1に設置した可逆式モーター15−4にてピニオン15−2を回動させることにより、ラック・ピニオン機構を介してマッサージローラー14が上下方向に移動して高さ位置を自動的に調整できる仕組みとなしている。15−5は前記支軸15−1のガイド用長孔である。
なお、マッサージローラー14の高さ位置調整手段は、ここに示したものに限定するものではなく、例えばモーター駆動される長尺のねじ軸と歯車を組合わせた方式や、流体圧シリンダー等による方式を用いることもできる。
上記図4に示す健康器具Bを使用する際は、まず台盤11上に使用者の身長や体躯に合わせて伸展健康具12の位置を定めて載置する。続いて、台盤11上の伸展健康具12の踏台12−3に足を載せて立ち、次いで、フレーム13に支持されているマッサージローラー14の高さ位置を可逆式モーター15−4にて調整して位置決めすると、当該ローラーを腰や背中等に当てた状態でスイッチONしてローラーに内蔵されたバイブレーターを振動させる。この操作により、この健康器具の場合も前記図1、図2に示す健康器具と同様に、筋肉を伸展させる伸展健康具12と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラー14とを同時に使用することができることにより、伸展健康具12とマッサージローラー14との相乗効果によりアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができる。なお、この健康器具Bの場合も、必要に応じてマッサージローラー14をアシストカバー(図示せず)に入れて使用してもよい。
上記のように、本発明の健康器具A、Bは、構造簡単にして、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより好適に行うことができること、使用者自身が自然体のままでアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を安全かつスムーズに行うことができること、使用者の背丈や体躯に応じてマッサージローラーの位置を適正に設定することができること、一台で伸展機能とマッサージ機能の2つの機能を有するので、前記したように伸展健康具2、12とマッサージローラー3、14との相乗効果、即ち、身体の苦痛を伴うことなく足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが可能となると共に、その伸展健康具2、12による効果とマッサージローラー3、14によるマッサージ効果とが相俟って、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができる。又、本発明の健康器具A、Bは、一台で伸展とマッサージの2種類のストレッチ運動を同時に行うことができるので、この2種類のストレッチ運動を長期間にわたって楽に続けることができるのみならず、使用者自身が自然体のままでアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を安全かつスムーズに行うことができることや、マッサージローラー3、14の高さ位置を任意に調整可能に設けたことにより、使用者の背丈や体躯に応じてマッサージローラー3、14の位置を適正に設定することも可能である。さらに、本発明の健康器具A、Bは、ひざ裏の収縮によって歩行が困難となり身体の苦痛を訴える健康を害している人達、特に高齢者にとっても容易にかつ心地よく使用することができる。さらに又、伸展健康具2、12とマッサージローラー3、14をそれぞれ別々に揃える必要がないこと、一台で伸展とマッサージの2種類のストレッチ運動を長期間にわたって楽に続けることができること、等の利点を有するとともに、本発明の健康器具は分解できる構造となっているので、保管も容易で、かつ保管スペースも比較的小さくてすみ、又、組み立て、分解も多大な労力を要することなく、簡易迅速に行うことができる。
1、11 台盤
2、12 伸展健康具
2−1、12−1 基台
2−2、12−2 後方ストッパー部材
2−3、12−3 踏台
2−4、12−4 軸ピン
2−5、12−5 傾斜支持部材
2−6、12−6 ガイド孔
3、14 マッサージローラー
3−1、14−1 マッサージローラー本体
3−2 アシストカバー
3−3 装着用帯紐
3−4 装着用係止具
4、13 フレーム
4−1 係合孔
4−2 締結ボルト
4−3 長尺孔
4−4 係合用凹凸
15 高さ位置調整用昇降機構
15−1 支軸
15−2 ピニオン
15−3 ラック
15−4 可逆式モーター
15−5 支軸のガイド用長孔
A、B 健康器具
C 運動者
本発明は、簡易な構成の健康器具に係り、より詳しくは足の土踏まず(足底腱膜)、後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることができる機能と、腰痛、肩凝りにも有効なマッサージ機能とを兼ね備えた健康器具に関するものである。
従来、足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を伸展させるストレッチ健康器具や、腰痛、肩凝り対策等のために使用されるストレッチング効果が得られるような補助器具が各種知られている。このうち、アキレス腱等を鍛えるために足先を脛側に接近する方向に曲げてアキレス腱等を引き伸ばした状態で保持する健康器具として、例えば、足置き台が形斜面を有するストレッチ健康器具(伸展健康具)が開発されている(特許文献1、2、3等参照)。例えば、図5に示すストレッチ健康器具は特許文献1等に記載されているもので、その構造は基台20と、この基台20の後方中心に上下方向に傾動する踏台21と、基台20に設けられたガイド溝20−1に前後にスライド可能に取付けられた、前記踏台21の傾斜角を調整する傾斜支持部材22と、基台20の後方端に立設された後方ストッパー部材23とを備え、前記踏台21はその後方に設けられたヒンジ部21−1を介して後方ストッパー部材23に対して傾動可能に支持されて傾斜角を調節可能となし、この踏台21上に足を乗せるだけで簡単に後脚部の筋肉を伸展(ストレッチ)させ、これにより全身の筋肉の伸展を行うことができるようになっている。
又、腰痛、肩凝り等に有効な健康器具として、マッサージローラーが各種提案されている(特許文献4等参照)。例えば、特許文献4等に記載されているマッサージローラーは、腰や背中等に当てて使用するもので、その構造は一例を図6に示すように、表面に凹凸31等が形成された所望の長さ、太さを有するロールからなるマッサージローラー本体30にバイブレーター(図面省略)が内蔵され、このマッサージローラー本体30に内蔵されているバイブレーターが振動する仕組みとなしたもので、背中や腰等に当てて使用する際は、例えば布製の袋状カバー等にマッサージローラー本体を入れて使用することができるようになっている。なお、この種のマッサージローラーとしては、電源のON/OFFや振動の強さを変更できるものが一般的であるが、バイブレーターを備えていないものもある。
しかしながら、前記したような従来周知の健康器具である、足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を伸展させるストレッチ健康器具(図5)や、腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラー(図6)等の従来の健康器具の場合は、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をそれぞれ専用の器具を使って別々に行わなければならないため、健康器具の取り換えや使用に際して手間ひまがかかるのみならず、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を効率よく行うことができない上、特に足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を伸展させるストレッチ健康器具の場合は身体の苦痛を伴うことから我慢や忍耐が必要で、特に高齢者にとっては、足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが困難であり、長期間にわたってアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を続けることも容易ではなかった。
さらに、従来は、伸展健康具やマッサージローラーはそれぞれ別個に商品として製造、販売されていたため、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を行いたい場合は、前記2つの健康器具、即ち、図5に示す伸展健康具と、図6に示すマッサージローラーをそれぞれ揃えなければならず、費用として高いものとなるのみならず、使用の都度2つの健康器具をそれぞれ持ち運ばなければならず、面倒であった。
特開2009−178288号公報
特開2011−194051号公報
特開2006−42866号公報
意匠登録第1556185号公報
本発明は、前記した従来の問題に鑑みてなされたもので、足の土踏まず(足底腱膜)、後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることができる伸展機能と、腰痛、肩凝り等に有効なマッサージ機能とを兼ね備え、かつ筋肉を伸展させる伸展健康具と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラーとを同時に使用することができ、伸展健康具とマッサージローラーとの相乗効果により、苦痛を伴うことなくアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができる健康器具を提供しようとするものである。
本発明に係る第1の健康器具は、基台の後端部に立設された後方ストッパー部材に後端部を上下方向に傾動可能に枢着された踏台と、前記基台に垂直方向に取着されて前記踏台の傾斜角度を調整可能に支持する傾斜支持部材とから構成され、前記踏台上に両足を載せて立つことにより土踏まずとふくらはぎの筋肉を伸展させる機能を有する伸展健康具と、背中や腰に当てるための装着用帯紐を両端部に有するマッサージローラーの双方を備え、さらに前記伸展健康具を一方の端部に載置固定する台盤と、前記台盤の他方の端部両サイドに立設されて前記マッサージローラーを着脱可能に装着するための左右一対のフレームとを有し、前記左右一対のフレームと前記マッサージローラーには、該マッサージローラーを所望の高さ位置に着脱可能に装着するための高さ位置調整用装着手段が設けられ、前記伸展健康具とマッサージローラーとを同時に使用できるように構成したことを特徴とするものである。
又、前記マッサージローラーの高さ位置調整用装着手段は、前記装着用係止具と、前記フレームの側面に長さ方向に所望の長さにわたって複数設けられた前記係止具係合孔とで構成されていることを好ましい態様とするものである。なお、前記装着用帯紐に取付けられた装着用係止具の係合手段としては、前記フレームの側面に長さ方向に形成した長孔、あるいはフレームの側面に長さ方向に形成した連続する係合用凹凸を用いることも可能である。
本発明に係る第2の健康器具は、基台の後端部に立設された後方ストッパー部材に後端部を上下方向に傾動可能に枢着された踏台と、前記基台に垂直方向に取着されて前記踏台の傾斜角度を調整可能に支持する傾斜支持部材とから構成され、前記踏台上に両足を載せて立つことにより土踏まずとふくらはぎの筋肉を伸展させる機能を有する伸展健康具と、背中や腰に当てるマッサージローラーの双方を備え、さらに前記伸展健康具を当該伸展健康具の基台の後端部に立設された後方ストッパー部材が背面側となるように端部に載置固定する台盤と、前記台盤の前記伸展健康具の背面側端部両サイドに前記マッサージローラーを高さ位置調整可能に水平に支持する一対のフレームを有し、前記マッサージローラーの高さ位置調整手段は、前記マッサージローラーの両端部を前記一対のフレームに自動昇降機構にて上下可能に支持し、該マッサージローラーを電動等により自動昇降させる方式となし、前記伸展健康具とマッサージローラーとを同時に使用できるように構成したことを特徴とするものである。
又、前記伸展健康具は、基台の後方端に上下方向に傾動可能に支持された踏台が傾斜支持部材を介して傾斜角を調節可能となしたものを用いることを好ましい態様とするものである。
さらに、前記マッサージローラーには、マッサージローラー本体に内蔵されているバイブレーターが振動する仕組みとなしたものを用いることを好ましい態様とするものである。
なお、前記マッサージローラーの高さ位置調整手段には、モーターとラック・ピニオン方式や流体シリンダー方式等による昇降機構を用いることができる。
本発明の健康器具によれば、足の土踏まず(足底腱膜)、後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることができる伸展機能と、腰痛、肩凝り等に有効なマッサージ機能とを兼ね備え、かつ筋肉を伸展させる伸展健康具と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラーとを同時に使用することができるので、伸展健康具とマッサージローラーとの相乗効果、即ち、身体の苦痛を伴うことなく足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが可能となると共に、その伸展健康具による効果とマッサージローラーによるマッサージ効果とが相俟って、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができるという優れた効果を奏する。又、本発明の健康器具は、一台で伸展とマッサージの2種類のストレッチ運動を同時に行うことができるので、この2種類のストレッチ運動を長期間にわたって楽に続けることができるのみならず、使用者自身が自然体のままでアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を安全かつスムーズに行うことができるという点や、マッサージローラーの高さ位置を任意に調整可能に設けたことにより、使用者の背丈や体躯に応じてマッサージローラーの位置を適正に設定することが可能であるという点でも優れている。さらに、本発明の健康器具は、ひざ裏の収縮によって歩行が困難となり身体の苦痛を訴える健康を害している人達、特に高齢者にとっても容易にかつ心地よく使用でき、かつ血行も促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消することができて歩行も容易になるという点でも、極めて有用性に富むものである。
本発明の一実施形態を示す健康器具Aの斜視図である。
図1に示す健康器具Aの使用状態を示す側面図である。
図1、図2に示す健康器具Aのマッサージローラーの高さ位置調整用装着手段を例示したもので、(A)は袋状カバー部に取付けられた装着用係止具と該係止具を係止する長尺孔とで構成した高さ位置調整用装着手段、(B)は袋状カバー部に取付けられた装着用係止具と該係止具を係止する凹凸部とで構成した高さ位置調整用装着手段をそれぞれ示す側面図である。
本発明の他の実施形態を示す健康器具Bの概略斜視図である。
従来のストレッチ健康器具(伸展健康具)の一例を示す概略側面図である。
従来のストレッチ健康器具の他の例(マッサージローラー)を示す概略斜視図である。
図1〜図3に示す健康器具Aにおいて、1は台盤、2は伸展健康具、3はマッサージローラー、4はフレーム、Cは運動者をそれぞれ示す。
即ち、図1に示す健康器具Aは、床面に設置される台盤1と、この台盤1の一方の端部に載置固定される伸展健康具2と、前記台盤1の前記伸展健康具2と反対側の両サイドに基部が着脱可能に固着されて立設された一対のフレーム4と、前記フレーム4に高さ位置調整可能に装着される前記マッサージローラー3とから構成されている。以下、当該健康器具Aの各部材及び全体構成について詳細に説明する。
床面に設置される台盤1は、当該健康器具Aが安定して設置されるように底面が平坦に形成されている所望厚さ、重量及び固さを有する板状のパネルで構成されている。材質は特に限定するものではなく、合成樹脂材や金属材等を使用して製造されたものを用いることができる。
前記台盤1の一方の端部に載置固定される伸展健康具2は、後端部に立設された後方ストッパー部材2−2を有する基台2−1と、この基台2−1の後方ストッパー部材2−2に後端部を軸ピン2−4にて上下方向に傾動可能に枢着された踏台2−3と、前記基台2−1に形成された左右一対のガイド孔2−6にスライド可能に取付けられた、前記踏台2−3の傾斜角を調整する傾斜支持部材2−5とから構成され、前記踏台2−3上に足を乗せるだけで簡単に後脚部の筋肉を伸展(ストレッチ)させるものである。
マッサージローラー3は、腰や背中等に当てて使用するもので、その構造は前記したように表面に凹凸等が形成された所望の長さ、太さを有するロールからなるマッサージローラー本体3−1にバイブレーター(図面省略)が内蔵され、このマッサージローラー本体3−1に内蔵されているバイブレーター(図示せず)が振動する仕組みとなしたもので、ここでは両サイドに装着用帯紐3−3を有する布製の袋状カバー部3−2にマッサージローラー本体3−1を入れたものを例示している。この袋状カバー部3−2の前記装着用帯紐3−3の先端部には当該マッサージローラー3をフレーム4に着脱可能に取付けるための装着用係止具3−4が設けられている。
前記マッサージローラー3を装着するフレーム4は2本一対の長尺材からなり、各フレーム4にはその側面に前記装着用係止具3−4の係合孔4−1が長さ方向に所望の長さにわたって設けられ、マッサージローラー3の高さ位置を調整できるようになっている。この2本一対のフレーム4は、前記台盤1の前記伸展健康具2と反対側の両サイドに基部を締結ボルト4−2により台盤1に着脱可能に固着されている。
上記図1に示す健康器具Aを使用する際は、まず台盤1の一方の端部に載置固定された伸展健康具2の踏台2−3の傾斜角度を設定する。その際、基台2−1の接地面に対する踏台2−3の傾斜角度の設定は、ガイド孔2−6にスライド可能に取付けられた傾斜支持部材2−5を前後にスライドさせて行う。踏台2−3の傾斜角度を設定すると、図2に示すように、運動者Cは踏台2−3上に両足を載せて立ち、次いでフレーム4に吊設されているマッサージローラー3をほぼ水平に持ち上げて高さ位置を調整して腰や背中等に当てた状態でスイッチONしてバイブレーターを振動させる。すると、筋肉を伸展させる伸展健康具2と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラー3との同時使用により、伸展健康具2とマッサージローラー3との相乗効果で、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動がより効果的に行われる。即ち、身体の苦痛を伴うことなく足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが可能となり、足の血行が促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消できると共に、この伸展健康具による効果とマッサージローラーによるマッサージ効果とが相俟って、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動が好適に行われる。このストレッチ運動によりアキレス腱が鍛えられると、踏台2−3の傾斜角度を大きくして同様の運動を続けることが可能となるので、踏台2−3の傾斜角度を大きくする。これは、踏台2−3の傾斜角度が大きい程アキレス腱が強く伸張されるからである。又、伸展健康具2とマッサージローラー3との相乗効果をより大きくするため、適宜マッサージローラー3の高さ位置を変えて背中や腰等のストレッチ運動を行う。なお、マッサージローラー3の高さ位置の調整は、前記したようにマッサージローラー3の装着用係止具3−4をフレーム4の係合孔4−1から外して所定の高さ位置の係合孔4−1に再び係合させてマッサージローラー3の高さを設定する。
前記図1、図2に示す健康器具Aのマッサージローラーの高さ位置調整用装着手段としては、フレーム4に設けた複数個の係合孔4−1に装着用係止具3−4を係合させる方式以外に、例えば図3(A)(B)に示す手段を用いてもよい。図3(A)に示す方式は、フレーム4の係合孔を長尺孔4−3とし、袋状カバー部3−2の装着用帯紐3−3の先端部に取付けられた装着用係止具3−4を前記長尺孔4−3に係合させる方式である。又、図3(B)に示す方式は、前記係合孔4−1や長尺孔4−3に替えて、フレーム4の側面に形成した連続する滑らかな係合用凹凸4−4とし、この係合用凹凸4−4に装着用係止具3−4を係合させる方式である。
次に、図4に示す健康器具Bについて説明する。
図4において、11は台盤、12は伸展健康具、13はフレーム、14はマッサージローラー、15はマッサージローラーの昇降機構をそれぞれ示す。
即ち、図4に示す健康器具Bは、床面に設置される台盤11と、この台盤11の端部に立設された一対のフレーム13と、このフレーム13に昇降機構15を介して高さ位置調整可能に横設されたマッサージローラー14とから構成されている。以下、当該健康器具Bの各部材及び全体構成について説明する。
床面に設置される台盤11は、台盤1と同様に、当該健康器具が安定して設置されるように底面が平坦に形成されている所望厚さ、重量及び固さを有する板状のパネルで構成されている。この台盤11も前記台盤1と同様に、材質は特に限定するものではなく、合成樹脂材や金属材等を使用して製造されたものを用いることができる。
前記台盤11の端部に載置固定される伸展健康具12も前記図1、2に示す健康器具の伸展健康具2と同様の構成を有するもので、後端部に立設された後方ストッパー部材12−2を有する基台12−1と、この基台12−1の後方ストッパー部材12−2に後端部を軸ピン12−4にて上下方向に傾動可能に枢着された踏台12−3と、前記基台12−1に形成された左右一対のガイド孔12−6にスライド可能に取付けられた、前記踏台12−3の傾斜角を調整する傾斜支持部材12−5とから構成され、前記踏台12−3上に足を乗せるだけで簡単に後脚部の筋肉を伸展(ストレッチ)させるものである。
マッサージローラー14を装着するフレーム13は2本一対の断面凹形の長尺部材からなり、後述する昇降機構15を介してマッサージローラー14の高さ位置を調整できるようになっている。この2本一対のフレーム13も前記図1〜図3に示す健康器具Aと同様に、基部をボルト等により台盤11に着脱可能に固着されている。
マッサージローラー14は、前記のものと同様に表面に凹凸等が形成された所望の長さ、太さを有するローラー自体にバイブレーター(図面省略)が内蔵され、このマッサージローラー14に内蔵されているバイブレーターが振動する仕組みとなしたものである。
マッサージローラー14の高さ位置調整用昇降機構15は、例えばマッサージローラー14の両端部に突設した支軸15−1に取付けられたピニオン15−2を、両サイドのフレーム13の内壁に所望の長さにわたって設けられたラック15−3に噛合させて当該マッサージローラー14を水平に支持すると共に、支軸15−1に設置した可逆式モーター15−4にてピニオン15−2を回動させることにより、ラック・ピニオン機構を介してマッサージローラー14が上下方向に移動して高さ位置を自動的に調整できる仕組みとなしている。15−5は前記支軸15−1のガイド用長孔である。
なお、マッサージローラー14の高さ位置調整手段は、ここに示したものに限定するものではなく、例えばモーター駆動される長尺のねじ軸と歯車を組合わせた方式や、流体圧シリンダー等による方式を用いることもできる。
上記図4に示す健康器具Bを使用する際は、まず台盤11上に使用者の身長や体躯に合わせて伸展健康具12の位置を定めて載置する。続いて、台盤11上の伸展健康具12の踏台12−3に足を載せて立ち、次いで、フレーム13に支持されているマッサージローラー14の高さ位置を可逆式モーター15−4にて調整して位置決めすると、当該ローラーを腰や背中等に当てた状態でスイッチONしてローラーに内蔵されたバイブレーターを振動させる。この操作により、この健康器具の場合も前記図1、図2に示す健康器具と同様に、筋肉を伸展させる伸展健康具12と腰痛、肩凝り等に有効なマッサージローラー14とを同時に使用することができることにより、伸展健康具12とマッサージローラー14との相乗効果によりアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができる。なお、この健康器具Bの場合も、必要に応じてマッサージローラー14を袋状カバー部(図示せず)に入れて使用してもよい。
上記のように、本発明の健康器具A、Bは、構造簡単にして、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより好適に行うことができること、使用者自身が自然体のままでアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を安全かつスムーズに行うことができること、使用者の背丈や体躯に応じてマッサージローラーの位置を適正に設定することができること、一台で伸展機能とマッサージ機能の2つの機能を有するので、前記したように伸展健康具2、12とマッサージローラー3、14との相乗効果、即ち、身体の苦痛を伴うことなく足の土踏まず(足底腱膜)や後脚部(ふくらはぎ)等の筋肉を好適に伸展させることが可能となると共に、その伸展健康具2、12による効果とマッサージローラー3、14によるマッサージ効果とが相俟って、アキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動をより効果的に行うことができる。又、本発明の健康器具A、Bは、一台で伸展とマッサージの2種類のストレッチ運動を同時に行うことができるので、この2種類のストレッチ運動を長期間にわたって楽に続けることができるのみならず、使用者自身が自然体のままでアキレス腱等の鍛練と背中や腰等のストレッチ運動を安全かつスムーズに行うことができることや、マッサージローラー3、14の高さ位置を任意に調整可能に設けたことにより、使用者の背丈や体躯に応じてマッサージローラー3、14の位置を適正に設定することも可能である。さらに、本発明の健康器具A、Bは、ひざ裏の収縮によって歩行が困難となり身体の苦痛を訴える健康を害している人達、特に高齢者にとっても容易にかつ心地よく使用することができる。さらに又、伸展健康具2、12とマッサージローラー3、14をそれぞれ別々に揃える必要がないこと、一台で伸展とマッサージの2種類のストレッチ運動を長期間にわたって楽に続けることができること、等の利点を有するとともに、本発明の健康器具は分解できる構造となっているので、保管も容易で、かつ保管スペースも比較的小さくてすみ、又、組み立て、分解も多大な労力を要することなく、簡易迅速に行うことができる。
1、11 台盤
2、12 伸展健康具
2−1、12−1 基台
2−2、12−2 後方ストッパー部材
2−3、12−3 踏台
2−4、12−4 軸ピン
2−5、12−5 傾斜支持部材
2−6、12−6 ガイド孔
3、14 マッサージローラー
3−1、14−1 マッサージローラー本体
3−2 袋状カバー部
3−3 装着用帯紐
3−4 装着用係止具
4、13 フレーム
4−1 係合孔
4−2 締結ボルト
4−3 長尺孔
4−4 係合用凹凸
15 高さ位置調整用昇降機構
15−1 支軸
15−2 ピニオン
15−3 ラック
15−4 可逆式モーター
15−5 支軸のガイド用長孔
A、B 健康器具
C 運動者
本発明に係る第1の健康器具は、基台の後端部に立設された後方ストッパー部材に後端部を上下方向に傾動可能に枢着された踏台と、前記基台に垂直方向に取着されて前記踏台の傾斜角度を調整可能に支持する傾斜支持部材とから構成され、前記踏台上に両足を載せて立つことにより土踏まずとふくらはぎの筋肉を伸展させる機能を有する伸展健康具と、背中や腰に当てるための装着用帯紐を両端部に有するマッサージローラーの双方を備え、さらに前記伸展健康具を一方の端部に載置固定する台盤と、前記台盤の他方の端部両サイドに立設されて前記マッサージローラーの装着用帯紐を着脱可能に装着するための左右一対のフレームとを有し、前記左右一対のフレームと前記装着用帯紐には、前記マッサージローラーを所望の高さ位置に着脱可能に装着するための高さ位置調整用装着手段が設けられ、前記伸展健康具とマッサージローラーとを同時に使用できるように構成したことを特徴とするものである。
又、前記マッサージローラーの高さ位置調整用装着手段は、前記装着用帯紐に取付けられた装着用係止具と、前記フレームの側面に長さ方向に所望の長さにわたって設けられた複数個の係合孔又は所望の長さにわたって1つ設けられた長尺孔又は凹凸とで構成されていることを好ましい態様とするものである。
本発明に係る第2の健康器具は、基台の後端部に立設された後方ストッパー部材に後端部を上下方向に傾動可能に枢着された踏台と、前記基台に垂直方向に取着されて前記踏台の傾斜角度を調整可能に支持する傾斜支持部材とから構成され、前記踏台上に両足を載せて立つことにより土踏まずとふくらはぎの筋肉を伸展させる機能を有する伸展健康具と、背中や腰に当てるマッサージローラーの双方を備え、さらに前記伸展健康具を基台の後端部に立設された後方ストッパー部材が背面側となるように端部に載置固定する台盤と、前記台盤の前記伸展健康具の背面側端部両サイドに前記マッサージローラーを高さ位置調整可能に水平に支持する一対のフレームを有し、前記マッサージローラーの高さ位置調整手段は、前記マッサージローラーの両端部を前記一対のフレームに自動昇降機構にて上下可能に支持し、該マッサージローラーを電動等により自動昇降させる方式となし、前記伸展健康具とマッサージローラーとを同時に使用できるように構成したことを特徴とするものである。
前記図1、図2に示す健康器具Aのマッサージローラーの高さ位置調整用装着手段としては、フレーム4の側面に長さ方向に所望の長さにわたって設けた複数個の係合孔4−1に装着用係止具3−4を係合させる方式以外に、例えば図3(A)(B)に示す手段を用いてもよい。図3(A)に示す方式は、フレーム4の係合孔を、フレーム4の側面に長さ方向に所望の長さにわたって1つ設けた長尺孔4−3とし、袋状カバー部3−2の装着用帯紐3−3の先端部に取付けられた装着用係止具3−4を前記長尺孔4−3に係合させる方式である。又、図3(B)に示す方式は、フレーム4の前記係合孔4−1や長尺孔4−3に替えて、フレーム4の側面に形成した連続する滑らかな係合用凹凸4−4とし、この係合用凹凸4−4に装着用係止具3−4を係合させる方式である。