JP2019195459A - 糸立て皿及び糸立て装置 - Google Patents

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悠 射越
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Abstract

【課題】糸駒からの縫い糸の解けを抑制する。【解決手段】糸立て皿20は、糸駒30を載置する載置面23を有する多角形状の板であって、載置面23の中央部から外縁部に向かって糸通し溝24が形成されている。これにより、糸駒30の円筒部31の上端部から下端部にかけて、縫い糸Tを通し、糸立て皿20の糸通し溝24から外部に送り出す糸経路を形成することができ、繰り出される縫い糸Tを糸駒30の中心側に引き寄せることができるので、解けを防止することが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、ミシンへ供給する縫い糸を巻回した糸駒を載置する糸立て皿に関するものである。
従来、ミシンへ縫い糸を供給する糸立て装置は、図7に示すように、縫い糸を巻回した糸駒を糸立て土台130の上に設置した円形の糸立て皿120の上に載置し、その上方に支持された糸案内101に縫い糸を通し、糸駒に巻かれた縫い糸は上方の糸案内101に向かって繰り出されてからミシンに供給されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−005476号公報
しかしながら、糸駒の上方に縫い糸を繰り出す従来の構造では、糸駒から糸案内に向かう縫い糸が自重によって弛むと、糸駒から解けやすくなるという問題があった。これは特に、糸駒に巻かれた縫い糸が太くて丈夫なものである場合に顕著であった。
そして、糸駒から解けた縫い糸が糸立て土台130の下まで垂れ下がると、糸立て土台130やその支持台100などに絡まって供給不能となり、糸切れ等が発生するおそれがあった。
また、柔らかい糸の場合、エアコンなどの風の影響により糸の張力が変化して縫い調子が変化してしまったり、隣接した糸と絡まったりする恐れがあった。
本発明は、糸駒から縫い糸が解けることによる弛みの発生を抑えることと糸の供給状態の安定化をその目的とする。
請求項1記載の発明は、糸立て皿において、
ミシンへ供給する縫い糸を巻回した糸駒の中央に形成された円筒部に、糸立て土台に突設した支柱を嵌挿させることにより、前記糸駒を着脱可能に保持させるようにしたミシンの糸立て装置に設けられる糸立て皿において、
前記糸立て土台の上に設置された多角形状の板であって、前記糸駒を載置する載置面の中央部に設けられた前記支柱を貫通させる貫通孔と、前記載置面の中央部から外縁部に向かって形成された糸通し溝とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の糸立て皿において、
前記多角形状の板は、長方形状であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の糸立て皿において、
前記多角形状の板は、正方形状であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の糸立て皿において、
前記糸通し溝は、前記載置面の中央部から外縁部に向かって幅が拡張されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載の糸立て皿と、
前記糸駒と、
前記支柱が突設された糸立て土台とを備え、
前記糸駒を着脱可能に保持させるようにしたミシンの糸立て装置において、
前記糸駒は、前記円筒部の下端部に一体的に形成されたフランジ部を備え、
前記糸立て皿は、前記フランジ部全体を平面視で前記載置面の内側となるように配置することができる大きさであることを特徴とする。
以上のように、本発明は、糸通し溝により、縫い糸を糸駒の円筒部を通す糸経路を形成することができる。このため、縫い糸を糸駒の中心側に引き寄せながら繰り出すことができ、例え、糸径が太くて丈夫なものである場合であっても、最外層の縫い糸の解けの発生を抑制することができる。
従って、糸駒から解けた縫い糸の絡みの発生を低減し、安定した縫い糸の供給を実現することが可能となる。
糸駒を載置した状態の糸立て皿の斜視図である。 糸駒を載置した状態の糸立て皿の平板面に垂直な方向に沿った断面図である。 糸立て皿単独の斜視図である。 糸立て皿の糸捕捉範囲を示した平面図である。 本発明の実施形態である糸立て皿を二つ並べた場合の中心間距離を示した平面図である。 半径R1の円形の糸立て皿を二つ並べた場合の中心間距離を示した平面図である。 従来の糸立て皿の支持台を示した斜視図である。
[発明の実施形態の概要]
本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、ミシンに縫い糸Tを供給する糸駒30を保持する糸立て装置を示す。
図1は糸駒30を載置した状態の糸立て装置の斜視図、図2は糸駒30を載置した状態の糸立て装置の平板面に垂直な方向に沿った断面図、図3は糸立て皿20単独の斜視図である。
糸立て装置は、糸駒30と、平板状の糸立て土台130と、糸立て土台130の上面中央部に立設された支柱11と、糸立て土台130の上面において支柱11を貫通させた状態で載置された糸立て皿20とを備えている。
[糸駒]
糸駒30は、縫い糸Tが巻き付けられる円筒部31と、円筒部31の下端部に一体的に設けられたフランジ部32とを備えている。
円筒部31は、全長に渡って貫通し、外径及び内径が全長に渡って一定となっている。
フランジ部32は、円筒部31と一体的に形成されており、円筒部31よりも十分に外径が大きな円板状となっている。
この糸駒30は、フランジ部32側を下に向けた状態で円筒部31が鉛直上下方向に平行となるように糸立て土台130の上に載置して使用される。
その際に、糸駒30の円筒部31は糸立て土台130に突設された支柱11に挿通されており、糸駒30は着脱可能に保持されている。
また、縫い糸Tは、糸駒30の円筒部31の外周に層状に巻回され、最外層から順に解かれてミシンへ供給される。
また、縫い糸Tは、フランジ部32の外径よりも内側となる範囲内で層状に巻回されている。
[糸立て皿]
糸立て皿20は、厚さが均一の正方形状の平板からなり、その四箇所の角部は、円弧状に丸みを帯びている。
この糸立て皿20は、中心部に貫通孔21が形成され、当該貫通孔21の直径方向の両端部には短いスリット22が形成されている。
この糸立て皿20は、支柱11が立設された糸立て土台130に対して、貫通孔21に支柱11を通した状態で、平板面が水平となるように支持される。
糸立て皿20は、平板面の一方を前述した糸巻き30の載置面23としており、糸立て皿20が糸立て土台130に支持された状態で載置面23を上に向けた状態で使用される。
そして、この載置面23の中心からその外縁部にかけて、載置面23よりも一段低くなる糸通し溝24が形成されている。
糸通し溝24は、その溝幅は中心から外縁部に向かうにつれて拡張されている。そして、糸通し溝24は、糸立て皿20の載置面23の中心から正方形の一辺となる外縁部に対して、溝幅の中心線が直交する方向に向かって形成されている。
糸立て皿20の載置面23は、正方形の一辺の長さが、大型の糸駒30のフランジ部32の外径よりも長くなるように設定されている。従って、糸立て皿20の中心と糸駒30のフランジ部32の中心とが一致するように、糸立て皿20の載置面23上に糸駒30を載置すると、フランジ部32全体を平面視で糸立て皿20の載置面23の内側となるように配置することができる。
上記糸通し溝24を備える糸立て皿20に糸駒30を載置すると、図2に示すように、糸駒30のフランジ部32と糸立て皿20との間に糸通し溝24による隙間が形成される。
このため、糸駒30の円筒部31の上端部から縫い糸Tを挿入し、当該円筒部31内を介して、糸通し溝24から外部に到る糸経路を形成することができる。
[発明の実施形態の技術的効果]
従来は、糸駒30から上方に位置する糸案内に縫い糸Tが向かう糸経路が形成されていたので、糸駒30の最外層に巻かれた状態の縫い糸Tは、自重で弛んだ瞬間に解けが生じ易くなる。
これに対して、糸立て皿20では、糸通し溝24により、縫い糸Tを糸駒30の円筒部31を通す糸経路を形成することができる。このため、縫い糸Tを糸駒30の中心側に引き寄せながら繰り出すことができ、例え、糸径が太くて重いものである場合であっても、最外層の縫い糸Tの解けの発生を抑制することができる。
従って、糸駒30から解けた縫い糸Tの絡みの発生を低減し、安定した縫い糸Tの供給を実現することが可能となる。
また、従来のように、糸立て皿の上方に糸案内101(図7参照)を設ける必要がなく、支持台の構造の簡略化を図ることが可能となる。さらに、糸立て皿20及び支持台を含む全体構成を上下に小型化することが可能となる。
また、縫い糸Tを上方の糸案内101に案内する必要がないので、糸駒30から糸案内101に向かう縫い糸Tがエアコンの風などの影響により揺らされて、縫い糸Tの張力が変化する心配がなくなる。そのため、太い糸や細い柔らかい糸など幅広い糸種類で安定した供給状態を得ることが可能となる。
次に、糸立て皿20の平面視形状が正方形であることについて図4〜図6に基づいて説明する。
従来の糸立て皿は、平面視の形状が円形であったため、その中心から糸立て皿の半径に応じた範囲のみについて、糸駒30から解けた縫い糸Tを捕捉することが可能であった。
これに対して、糸立て皿20は、外形が正方形状であることから、図4示すように、解けた縫い糸Tの捕捉効果は、半径R2の内接円C2ではなく半径R1の外接円C1(R1>R2)と同じ外径の円形の糸立て皿の範囲まで及ぶ。
一方、糸立て皿20を、複数並べて使用する場合、正方形状の糸立て皿20は、図5に示すように、隣り合う二つの糸立て皿20の中心間距離V1は、内接円C2と同じ外径の円形の糸立て皿と同じ長さとすることができる。
一方、図6に示すように、糸立て皿20と糸捕捉効果が等しい半径R1の外接円C1と同じ外径の円形の糸立て皿の場合には、その中心間距離V2は糸立て皿20の中心間距離V1よりも遙かに大きくなる。
例えば、二つの糸立て皿の隙間を考慮しないで単純に計算した場合、従来の糸立て皿120の中心間距離V2に比べて、糸立て皿20の中心間距離V1は、V1=V2×cos45°≒V2×0.71に低減することが可能となる。
つまり、糸立て皿20は、その外形を正方形状とすることにより、糸駒30から解けた縫い糸Tの捕捉効果を高く維持しつつも、狭い範囲に並べて配置することが可能となる。
また、糸立て皿20は、中心に貫通孔21が形成されている。このため、支柱11(図2参照)が設けられた場所であれば、容易に設置することができ、糸立て皿20及び糸駒30を設置する支持台等の構造を簡略化することが可能となる。
例えば、図7に示す従来の糸立て土台130は、糸立て土台130の中央部に立設した支柱11を備えている。
このため、貫通孔21に支柱11を貫通させて、糸立て皿20を糸立て土台130の上に重ねることで、従来の支持台100にも容易に設置することができるようになっている。つまり、糸立て皿20は、既存の支持台100も活用することが可能である。
また、糸通し溝24は、載置面23の中央部から外縁部に向かって幅が拡張されていることにより、繰り出される縫い糸Tをより広範囲に向かって円滑に送り出すことが可能となる。
また、糸通し溝24は、正方形の一辺に対して直交する方向に向かって形成され、正方形の角部を避けて形成されているので、二つ以上の糸立て皿20を並べて配置した場合に、繰り出される縫い糸Tが隣の糸立て皿20に干渉せず、円滑に送り出すことが可能となる。
[その他]
なお、糸立て皿20は、全体的に厚さが均一である構造を例示したが、厚さは不均一でもよい。例えば、中央部が厚くなっている、或いは、外縁部のみを厚くして縁を有する構造としても良い。
また、糸立て皿20は、糸通し溝24が形成された載置面23側が平滑である場合を例示したが、平滑でなくとも良い。例えば、中央部が凹むような皿状、或いは、すり鉢状としても良い。
また、糸立て皿20は、平面視形状(載置した糸駒30の中心線方向から見た形状)が正方形である場合を例示したが、長方形、或いは、多角形、より望ましくは正多角形である場合も、糸駒30から解けた縫い糸Tの捕捉効果を高く維持しつつも、狭い範囲に並べて配置することが可能となる。
また、糸通し溝24は、糸立て皿20の中央部から外縁部まで抜けるように形成されている。しかし、糸駒30のフランジ部32より外側まで延びていれば、糸駒30の円筒部31に縫い糸Tを通す糸経路を形成することができる。従って、縫い糸Tの繰り出しの円滑性は若干低下するが、糸通し溝24は、外縁部近傍まで形成する構成としても良い。
11 支柱
20,120 糸立て皿
21 貫通孔
22 スリット
23 載置面
24 糸通し溝
30 糸駒
31 円筒部
32 フランジ部
100 支持台
101 糸案内
130 糸立て土台
C1 外接円
C2 内接円
T 縫い糸

Claims (5)

  1. ミシンへ供給する縫い糸を巻回した糸駒の中央に形成された円筒部に、糸立て土台に突設した支柱を嵌挿させることにより、前記糸駒を着脱可能に保持させるようにしたミシンの糸立て装置に設けられる糸立て皿において、
    前記糸立て土台の上に設置された多角形状の板であって、前記糸駒を載置する載置面の中央部に設けられた前記支柱を貫通させる貫通孔と、前記載置面の中央部から外縁部に向かって形成された糸通し溝とを有することを特徴とする糸立て皿。
  2. 前記多角形状の板は、長方形状であることを特徴とする請求項1に記載の糸立て皿。
  3. 前記多角形状の板は、正方形状であることを特徴とする請求項2に記載の糸立て皿。
  4. 前記糸通し溝は、前記載置面の中央部から外縁部に向かって幅が拡張されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の糸立て皿。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の糸立て皿と、
    前記糸駒と、
    前記支柱が突設された糸立て土台とを備え、
    前記糸駒を着脱可能に保持させるようにしたミシンの糸立て装置において、
    前記糸駒は、前記円筒部の下端部に一体的に形成されたフランジ部を備え、
    前記糸立て皿は、前記フランジ部全体を平面視で前記載置面の内側となるように配置することができる大きさであることを特徴とする糸立て装置。
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