JP2019194192A - ツバキ(Camellia japonica)抽出物およびそれを含有する化粧品組成物 - Google Patents

ツバキ(Camellia japonica)抽出物およびそれを含有する化粧品組成物 Download PDF

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Rossignol-Castera Anne
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Holderith Serge
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Abstract

【課題】皮膚の保湿作用を保つか、またはさらに改善する、ツバキ(Camellia japonica)花の油性抽出物の提供。【解決手段】a)ツバキ花の粉末を脂肪物質または脂肪物質の混合物に、前記脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で混合し、浸漬させるステップと;b)ツバキ花の粉末を脂肪物質または前記脂肪物質の混合物中に、前記脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で微分散させるステップと;c)このようにして得られた混合物を、60〜180℃の間の温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で、1〜10分間の間加熱するステップとを含む抽出方法であって、ステップc)を、ステップb)の前、間または後に行うことができる抽出方法により得られる、ツバキ花抽出物。前記抽出物を含む化粧品組成物。【選択図】なし

Description

本発明の主題は、少なくとも1種の脂肪物質による花の抽出により得ることができるこ
とを特徴とする、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物、ならびにヒト皮膚を保湿する
か、および/または乾燥から保護するための、化粧品産業でのその使用である。
皮膚は、3つの層、すなわち、最上層から表皮、真皮および皮下組織で主に構成される
表皮は、特に、ケラチノサイト(大部分を占める)、メラノサイト(皮膚色素沈着に関
与)およびランゲルハンス細胞で構成される。その機能は、外部環境から身体を保護し、
その完全性を確保し、特に、微生物または化学物質の侵入を遅らせ、皮膚に含有される水
分の蒸発を防ぐことである。
この機能を実行するために、ケラチノサイトは、持続的な定方向の成熟過程(continuo
us oriented maturation process)を経、この中で、表皮の基底層に位置するケラチノサ
イトは、その分化の最終段階で、タンパク質およびセラミドなどの脂質で構成される角化
膜の形態の、完全に角質化した死細胞である角質細胞を形成する。この分化過程中、角質
細胞間表皮脂質も形成され、次いで、角質層に二重層(シート)の形態で組織化される。
それらは、前述した角化膜と共に表皮のバリア機能に関与する。
しかし、表皮のバリア機能は、ある種の気候条件下で(例えば、寒さおよび/または風
の影響下で)、または特に、ストレスもしくは疲労の影響下で破壊される場合があり、し
たがって、アレルゲン、刺激物、または微生物の侵入が促進され、したがって、つっぱり
または赤みなどの不快感を生じやすくする皮膚の乾燥が引き起こされ、肌の明るさおよび
皮膚の柔軟性も損なわれる。
この現象を予防するか、または修正するために、皮膚に存在する水分を捕らえることで
、水分の蒸発を遅らせることが意図された、糖またはポリオールなどの吸湿性物質を含有
する、化粧品組成物を皮膚に塗布することが知られている。さらに、これらの組成物は、
皮膚の再生プロセス、特に、ケラチノサイトの分化、表皮脂質の合成および角質細胞の接
着、または皮膚の天然保湿因子(NMF)の構成要素の内因性の合成、特に、プロテオグ
リカンの合成のいずれかに関与する、様々な生物学的標的の1つまたは複数に作用する、
活性剤をしばしば組み込む。
このような活性剤の例としては、特に、α−およびβ−ヒドロキシ酸、特に、乳酸、グ
リコール酸およびサリチル酸、尿素またはアミノスルホン化合物がある。
しかし、皮膚のより効果的な保湿を可能にする、新規の化粧品活性剤を提供することが
依然として必要とされている。
さらに、可能な限り少ない合成成分を含有する天然の製品に対する、消費者のさらに高
まる探求、および化学工業由来の化合物に影響を及ぼす、ますます広範囲に及ぶ規制上の
制約を考慮すると、これらの化粧品活性剤が植物由来であることが望ましいであろう。
本出願人は、その国際出願(国際公開第2011/083110号パンフレット)にお
いて、ツバキの水性−アルコール性抽出物を使用して、皮膚の乾燥と効果的に闘うことが
でき、後者は、処理したケラチノサイトにおいてHSP32 mRNAの発現を刺激し、
HSP27タンパク質の発現を刺激し、PPAR−β/δタンパク質の発現を刺激するこ
とにより作用することをすでに示した。本出願人は、その国際出願(国際公開第2010
/112760号パンフレット)に抽出方法も記載している。
しかし、国際公開第2011/083110号パンフレットに記載の種類の抽出物は、
水性−アルコール性媒体に担持されるため、それらは、すべての美容的用途に適している
わけではなく、特に、所望の組成物が無水性であるか、または連続脂肪相を有する場合は
適していない。さらに、抽出物を調製するための、エタノールまたはメタノールなどの一
部のアルコールは、皮膚を乾燥させることが証明され得、それは最初に所望された効果に
反している。
品種アブラツバキ(Camellia oleifera)から生成される、Ardex社により販売さ
れている精製ツバキ油などのツバキの油性抽出物が、すでに提案されている。しかし、こ
れらの油性抽出物は、アルコールの使用により生じる皮膚の乾燥を防ぐには有効であるが
、驚くべきことに皮膚の保湿性を改善する点では全く効果を示さない。
したがって、本出願人の功績は、現在市販されている水性−アルコール性抽出物の欠点
を有さないと同時に、KRT2(ケラチン2)遺伝子の発現を刺激することにより、皮膚
の保湿作用を保つか、またはさらに改善する、ツバキ(Camellia japonica)花の油性抽
出物を開発したことである。
したがって、第1の態様によれば、本発明の一主題は、以下のステップ:
a)ツバキ(Camellia japonica)花の粉末を脂肪物質または脂肪物質の混合物に、前記
脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気
下で混合し、浸漬させるステップと、
b)ツバキ(Camellia japonica)花の粉末を脂肪物質または前記脂肪物質の混合物中に
、前記脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の
雰囲気下で微分散させるステップと、
c)このようにして得られた混合物を、60〜180℃の間の温度で、無酸素または本質
的に無酸素の雰囲気下で、1〜10分間の間加熱するステップと
を含む抽出方法であって、ステップc)をステップb)の前、間または後に行うことがで
きる抽出方法により得られる、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物である。
本発明の1つの本質的特徴によれば、ツバキ(Camellia japonica)の油性抽出物を調
製するための方法のステップa)、b)およびc)は、無酸素または本質的に無酸素の雰
囲気下で行われる。これは、作業が、ガスもしくは不活性雰囲気下、または真空もしくは
部分真空下で行われることを意味する。残留酸素含有量は、加熱処理の温度に敏感な酸化
反応を引き起こさないように十分に低くなければならない。したがって、これらのステッ
プは、存在するか、または形成され得る酸素を除去できるように、不活性雰囲気下、例え
ば、窒素下、好ましくは、連続窒素フラッシング下で行われ得る。密閉反応器は、窒素流
により酸素を連続的に除去しながら使用できる。加熱処理の少なくとも最初に、窒素流と
組み合わせて、窒素スパージングを行うことも可能である。これらのステップは、真空下
で行われてもよい。したがって、このように該方法を行うことにより、追加の利点、すな
わち、混合物の脱臭効果を伴う揮発性物質のエントレインメントがもたらされる。
第2の態様によれば、本発明の一主題は、生理学的に許容される媒体中に、上記の少な
くとも1種のツバキ(Camellia japonica)花抽出物を含む、化粧品組成物でもある。
最後に、第3の態様によれば、本発明の一主題は、ヒト皮膚を保湿するための、前記抽
出物または前記組成物の美容的使用である。
本発明の文脈で使用するツバキ抽出物は、改善された皮膚保湿効果をもたらす、脂質抽
出物、特に、油性抽出物である利点を有する。
本発明の文脈において、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物は、ツバキ(Camellia
japonica)花の粉末を脂肪物質または脂肪物質の混合物に、前記脂肪物質の融点を超える
温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で混合し、浸漬させるステップa)を含
む抽出方法により得ることができる。
ツバキは、ヒマラヤ山脈から日本およびインドネシアまでの東アジアおよび東南アジア
を起源とするツバキ科(Theaceae)の顕花植物の属である。ツバキ花は、とりわけ、その
抗菌性、酸化防止性、抗炎症性、収斂性および強壮性が認められている。この属に含まれ
る種の数は、植物学者に応じて異なり、100〜250種の間で変動する。特に、白色の
花、特に、品種アルバプレナ(Alba plena)、チョコレート赤(chocolate red)から黒
赤(black red)タイプの非常に暗い赤色のツバキ(Camellia japonica)花、特に、品種
:ブラックマジック(Black magic)、黒椿(Kuro tsubaki)、ブラックドミノ(Black D
omino)、崑崙黒(Koronkoku)、紺侘助(Kon wabisuke)、黒侘助(Kuro wabisuke)、
ムラサキノウエ(Murasaki-no-ue)およびサービクターデービス(Sir Victor Davis)、
ならびに黒椿(Kuro Tsubaki)の交配ツバキ花、品種名:ナイトライダー(Night Rider
)または品種名ブラックオパール(Black Opal)を挙げることができる。品種:ブラック
マジック(Black magic)およびナイトライダー(Night Rider)は、フランスで最も一般
的なツバキ(Camellia japonica)品種である。ツバキ花の色は、pH、ならびに土壌ま
たは基質中に存在する金属および半金属に応じて異なり得る。ツバキは、一般に2月中旬
〜4月に開花する。しかし、ホルモン処理により早ければ10月に開花させることも可能
である。
本発明による抽出物は、ツバキ(Camellia japonica)の花、好ましくは、特に、品種
アルバプレナ(Alba plena)の白色の花から得られる。好ましくは、本発明で使用するツ
バキ(Camellia japonica)花は、フランスで栽培される。
ツバキ(Camellia japonica)花抽出物は、好ましくは分散性粉末の形態である。「分
散性」という用語は、ツバキ(Camellia japonica)花の粉末が、微細分散できる、解離
形態であること、例えば、出発物質が、微粒子形態、好ましくは粉末形態であることを意
味することが意図される。例えば、新鮮なツバキ(Camellia japonica)花を、最初に茎
から分離し、次いで、開いて、ラック上に平らに置く。次いで、それを、暗所で周囲温度
にて、または35℃未満の温度にて通風乾燥機でのいずれかの温和な条件下で乾燥させる
。固形分が80%超、優先的には85%超になるまで、花を好ましくは乾燥させる。
次いで、例えば、ナイフミルで周囲温度にて当業者に従来公知の任意の粉砕方法により
、または一つの好ましい実施形態によれば、低温粉砕により、花を分散性粉末にする。低
温粉砕については、花を好ましくは−80℃まで冷却し、−20〜−80℃の間の温度に
てプロペラミキサーで直ちに粉砕し、微細で均一な粉末を得る。凍結保存により、有利に
は、花に含有される分子の保湿特性を確実に良好に維持することができる。
好ましくは、本発明による抽出物を調製するために使用するツバキ(Camellia japonic
a)花の分散性粉末は、500μm未満、優先的には300μm未満の平均粒径を有する
。ツバキ(Camellia japonica)花の粉末は、穏やかな花の香気、および乳白色から茶褐
色までの範囲の色を有する。
本発明によるツバキ(Camellia japonica)抽出物を調製するための方法で使用する脂
肪物質(複数可)は、好ましくは天然であるか、または天然由来のものである。天然脂肪
物質の中では、特に、0.1重量%未満の水分を含む、精製植物油、または0.1重量%
〜2重量%の水分、好ましくは0.1重量%〜0.3重量%の水分を含有し得る、純もし
くは未精製植物油を使用できる。
特に、抽出溶媒として使用する脂肪物質は、優先的に植物由来のものであり、周囲温度
(20〜25℃)で液体である植物油、25〜40℃の間の融点を有する植物バター、ま
たは40℃超の融点を有する植物ワックスであってよい。一つの好ましい実施形態によれ
ば、抽出溶媒として使用する脂肪物質は、周囲温度未満の温度で液体、特に、約20℃の
温度で液体である植物油である。
本発明による抽出物を得るために使用できる油の例として、ツバキ油、ナタネ油、ヒマ
ワリ油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、グレープシード油、スイートアーモンド油、ベニ
バナ油、ヘーゼルナッツ油、アルガン油、ローズムスク油、月見草油、ルリヂサ油、ホホ
バ液体ワックスおよびそれらの混合物を挙げることができる。膜流動性および皮膚保湿性
で積極的な役割を果たし得る、オメガ6またはオメガ3ポリ不飽和脂肪酸の供給源である
油が、優先的に選択される。
本発明の一実施形態によれば、ステップa)でのツバキ(Camellia japonica)花の粉
末と脂肪物質との比は、1:0.5〜1:20の間、好ましくは1:19〜1:1の間、
より優先的には1:9〜1:3の間であり、前記比は、重量/脂肪物質の重量、または重
量/脂肪物質の容量で表される。
ステップa)は、使用する脂肪物質または脂肪物質の混合物の融点を超えるか、または
同等の温度で行われる。特に、温度は、有利にはこの融点〜融点+20℃の間、好ましく
は+10℃である。周囲温度(20〜25℃)は、脂肪物質、例えば、この温度で液体で
ある油に最適である。ステップa)の継続時間は、1〜48時間の間、好ましくは5〜4
0時間の間、より優先的には12〜36時間の間、さらにより優先的には20〜30時間
の間であってよく、一つの特に好ましい実施形態によれば、浸漬ステップa)の継続時間
は約24時間である。
ステップa)は、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下、好ましくは窒素飽和雰囲気
下で行われる。
本発明による抽出物を得ることができる方法は、ツバキ(Camellia japonica)花の粉
末を脂肪物質中に、前記物質の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲
気下で微分散させるステップb)も含む。
このステップb)により、抽出されるべきツバキ粉末を微分散させるだけでなく、細胞
組織で細胞を破砕することもでき、それにより、抽出された分子の天然脂肪物質中での分
散が促進される。この効果は、混合物を超音波キャビテーションで処理することにより得
ることができる。超音波下でのキャビテーションおよび分散は、特に、100kHz未満
、好ましくは20〜30kHz程度の低キャビテーション周波数の超音波発生器を備えた
密閉反応器で好ましくは行われる。
超音波処理の継続時間は、特に2〜30分間の間、好ましくは10〜20分間の間であ
る。
ステップb)は、有利には、周囲温度でまたは使用する脂肪物質(複数可)の融点を超
える温度で行われる。温度は、有利には、この融点〜融点+20℃の間、好ましくは+1
0℃である。周囲温度(20〜25℃)は、この温度で液体である油に最適である。
本発明によるツバキ花抽出物を得るための方法は、ステップa)またはb)で得られた
、前記ツバキ(Camellia japonica)花の粉末と前記脂肪物質(複数可)との混合物を、
80〜180℃の間の温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で、1〜10分間
の間加熱するステップc)も含む。
一つの好ましい実施形態において、ステップc)の温度は100〜150℃の間、好ま
しくは110〜130℃の間である。
加熱ステップc)は、1〜10分間、好ましくは1〜5分間、より優先的には1〜3分
間の範囲の非常に短時間で行われ、この時間は、一度処理温度に達したら、この温度が維
持される時間に相当する。昇温時間も非常に短く、特に5分間以内、好ましくは1〜5分
間、より優先的には1〜3分間である。
任意の高速熱加熱システム(rapid thermal heating system)を使用でき、一つの好ま
しい実施形態において、加熱処理は、マイクロ波で行われる。密閉反応器でのマイクロ波
源の使用により、非常に短時間で所望の温度に達することができる。さらに、高温での加
熱は、使用する脂肪物質の溶解能力を高め、ツバキ花の粉末と前記脂肪物質との接触を促
進することができ、したがって、抽出収率に有利に働く。一つの好ましい実施形態によれ
ば、ステップc)の加熱のために使用するマイクロ波発振器は、混合物1kg当たり50
0〜10000W、好ましくは混合物1kg当たり約700〜1500W、より優先的に
は混合物1kg当たり約1000Wの範囲の動作出力(working power)を有する。
一つの有利な特徴によれば、酸素捕捉または酸素低減(oxygen-reducing)化合物は、
ステップc)の間または直前に添加される。したがって、純粋なアスコルビン酸もしくは
塩の形態のビタミンC、例えば、アスコルビン酸ナトリウムもしくはパルミチン酸アスコ
ルビル、遊離もしくはエステル形態のクエン酸もしくは乳酸、レシチン、またはこれらの
化合物の組合せを添加することができる。混合物中0.01重量%〜1重量%、優先的に
は混合物中0.1重量%〜0.5重量%の個々の量で添加される。
ステップa)、b)および/またはc)は、光感受性分子の光酸化および分解のリスク
を制限するために、有利には、光または任意の酸化放射線(oxidizing radiation)、例
えば、紫外線の不在下で行われる。
ステップa)、b)および/またはc)は、混合物を撹拌しながら、または撹拌せずに
、優先的には撹拌しながら行われ得る。
一実施形態によれば、該方法は、ステップa)、b)およびc)の組合せ順で構成され
、ステップb)およびc)の順番は、重要ではなく、各ステップは、最低各1回行われる
特に、ステップb)およびc)は、同時に行われてもよい。一つの好ましい実施形態に
よれば、ステップb)およびc)は、少なくとも2回、例えば、n回に行われ、次いで、
それは、ステップbn)およびcn)に相当し、nは、サイクル{(ステップa)+(ス
テップb)}の繰り返し総数に相当し、nは、少なくとも2と等しく、好ましくは、nは
2と等しい。
一実施形態において、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下の密閉システム中で、任
意選択で緩やかに撹拌しながら、抽出された化合物を油中に受動拡散させ、冷却する期間
は、各ステップの間または最終ステップの後に行われ得る。
このステップの継続時間は、活性剤の油中での良好な拡散に十分でなければならない。
この継続時間は、特に、1時間〜12時間の間、好ましくは1時間〜5時間の間であり得
る。冷却は任意の公知の方式、特に、受動冷却によりまたは冷却手段を用いて行われ得る
。この冷却ステップは、有利には、ステップa)、b)およびc)のように無酸素または
本質的に無酸素の雰囲気で行われる。それは、有利には、光または任意の酸化放射線、例
えば、紫外線の不在下で行われる。
最後に、該方法は、油性抽出物の清澄化の1つまたは複数のステップ(複数可)を含み
得る。「清澄化」という用語は、当業者に公知の機械的分離すべてを意味することが意図
される。それは、例えば、濾過、デカンテーション、遠心分離、スピン濾過またはこれら
の技術の組合せから選択され得る。好ましくは、分離は、遠心分離または濾過により行わ
れる。この分離ステップは、40〜60℃の間の温度にて、10μm未満、優先的には5
μm未満の孔を有する濾布を備えた遠心分離機で、2500回転/分超の速度で行われ得
る。
清澄化ステップにより、実質的に目に見え、懸濁液中に微粒子を含まない生成物を得る
ことができる。
一つの好ましい実施形態によれば、本発明によるツバキ(Camellia japonica)抽出物
は、ステップa)、bn)、任意選択で拡散/冷却ステップ、cn)、任意選択で別の拡
散/冷却ステップ、a)、および分離の最終ステップに従って、上記の方法により得るこ
とができる。
本発明による方法により得ることができるツバキ(Camellia japonica)花抽出物は、
高濃度の活性剤を有し、油性溶液、油性微分散液、油性微懸濁液または油性マイクロエマ
ルションの形態であり得、前記形態は経時的に安定である。特に、本発明による抽出物は
、見た目には透明で、輝きがあり、均質で、薄黄色から橙黄色の油の形態である。
ツバキ(Camellia japonica)花抽出物は、ヒト皮膚を保湿するか、またはヒト皮膚を
乾燥から保護するために、化粧用に本発明に従って用いられる。それは、肌荒れ、赤み、
つっぱり、ヒリヒリ感およびかゆみを含む不快感、肌の明るさの喪失または肌のくすみ、
皮膚の柔軟性の喪失、ならびにひび割れを含む、バリア機能の破壊から生じる皮膚の徴候
に対抗するためにも使用できる。
本発明に従って使用する組成物の保湿効果は、特に、当業者に周知の通常の技術に従っ
て、ケラチン2(KTR2)遺伝子の発現の増加から観察できる。
本発明の一主題は、上記のツバキ(Camellia japonica)花抽出物を含む、化粧品組成
物でもある。
好ましくは、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物を含有する本発明による組成物は
、乾燥性、好ましくは非病的(nonpathological)皮膚に塗布される。それは、有利には
、顔、首、任意選択でネックライン、または変形として身体の任意の部分の皮膚に塗布で
きる。この抽出物を含有する組成物は、顔、首および任意選択でネックライン、または身
体の全体に、朝および/または夕方に塗布できる。
本発明に従って使用する組成物は、上記の抽出物に加えて、一般に、生理学的に許容さ
れる、好ましくは化粧品として許容される媒体、すなわち、毒性、非相容性、不安定性ま
たはアレルギー応答の任意のリスクがなく、ヒト皮膚と接触して使用するのに適しており
、特に、使用者にとって許容できない不快の感覚(赤み、つっぱり、ヒリヒリ感など)を
引き起こさない媒体を含む。
この媒体は、一般に、水、および任意選択で他の溶媒、例えば、油を含有する。
本発明に従って使用する組成物は、皮膚への局所塗布に適した任意の形態、特に、無水
配合物、水中油型、油中水型、または任意選択で多層(W/O/WまたはO/W/O)エ
マルションの形態であってよく、それは任意選択でマイクロエマルションもしくはナノエ
マルション、または粉末の形態であってよい。この組成物は、好ましくは水中油型エマル
ションの形態である。
この組成物は、好ましくは、顔および/または身体の皮膚のケアまたは洗浄のための製
品として用いられ、特に、例えば、ポンプ式ディスペンサーボトル、エアロゾルもしくは
チューブに充填された流体、ゲルもしくは泡、または例えば、ポットに充填されたクリー
ムの形態であってよい。変形として、それは、メイクアップ製品、特に、ファンデーショ
ンまたはルースもしくはコンパクトパウダーの形態を有してもよい。
上記のツバキ(Camellia japonica)花抽出物に加えて、本発明による組成物は、化粧
品分野で通例である、少なくとも1種の添加剤、例えば、ゲル化剤および/または増粘剤
、界面活性剤または共界面活性剤、液体脂肪物質または油、ワックス、シリコーンエラス
トマー、サンスクリーン剤、染料、艶消剤または充填剤、顔料、テンショニング剤(tens
ioning agent)、防腐剤、金属イオン封鎖剤、香料ならびにそれらの混合物から選択され
る少なくとも1種の化合物なども含み得る。
特に、本発明による組成物は、非限定的に、以下の添加剤の1種以上を含有し得る:
− 1種以上の水相のゲル化剤(複数可)および/または増粘剤(複数可)、例えば、ア
クリロイルメチルプロパンスルホン酸(AMPS)および/またはアクリルアミドおよび
/またはアクリル酸および/またはアクリル酸の塩もしくはエステルの、親水性または両
親媒性の、架橋または非架橋のホモポリマーおよびコポリマー、例えば、アクリロイルジ
メチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマーおよびアクリロイルジメチルタウリン酸
アンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25コポリマー、特に、ClariantからA
ristoflex(登録商標)AVCおよびHMBの名称で販売されているもの、また
はNoveon社によりPemulen(登録商標)TR−1もしくはTR−2、Car
bopol(登録商標)1382、Carbopol(登録商標)Ultrez20の商
品名で販売されているアクリレート/アクリル酸C10〜30アルキルクロスポリマー、
セルロース系誘導体、植物由来のガム(アカシアガムまたはアラビアガム、寒天、グアー
、ローカストビーン、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン)もしくは微生物由来のガ
ム(キサンタン、プルラン)、または粘土(ラポナイト)から選択されるもの。前記ゲル
化剤および/または増粘剤は、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜5重量%程度
の含有量で組成物中に存在し得る;
− 非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性にかかわらず、1種以上の界面活性
剤(複数可)、好ましくは、乳化界面活性剤(複数可)、特に、脂肪酸およびポリオール
のエステル、例えば、脂肪酸およびグリセロールのオキシアルキレン化(より詳細にはポ
リオキシエチレン化)エステル、脂肪酸およびソルビタンのオキシアルキレン化エステル
、オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪酸エ
ステル、例えば、Croda Inc社によりArlacel(登録商標)165の名称
で販売されているステアリン酸PEG−100/ステアリン酸グリセリル混合物など、な
らびに脂肪酸およびスクロースのエステル、例えば、ステアリン酸スクロース;脂肪アル
コールおよび糖のエーテル、特に、アルキルポリグルコシド(APG)、例えば、Hen
kel社によりPlantaren(登録商標)2000およびPlantaren(登
録商標)1200の名称でそれぞれ販売されているデシルグルコシドおよびラウリルグル
コシドなど、例えば、SEPPIC社によりMontanov(登録商標)68の名称で
販売されている、セトステアリルアルコールとの任意選択で混合物としてのセトステアリ
ルグルコシド、ならびにまた、SEPPIC社によりMontanov(登録商標)20
2の名称で販売されている、例えば、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラ
キジルグルコシドとの混合物の形態のアラキジルグルコシド;脂肪アルコールおよびポリ
エチレングリコールのエーテル;ポリシロキサン変性ポリエーテル;ベタインおよびその
誘導体;ポリクオタニウム;エトキシル化脂肪アルコール硫酸塩;スルホコハク酸塩;サ
ルコシン酸塩;リン酸アルキルおよびジアルキル、およびそれらの塩;ならびに脂肪酸石
鹸。前記界面活性剤は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜8重量%程度、好まし
くは0.5重量%〜3重量%の含有量で組成物中に存在し得る;
− 1種以上の共界面活性剤(複数可)、例えば、長い炭素系鎖(C14〜C20)を有
する直鎖脂肪アルコール、特に、セチルおよびステアリルアルコール。前記界面活性剤は
、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.5重量%〜2重量
%の割合で組成物中に存在する;
− 周囲温度で液体であり、揮発性または不揮発性の、炭化水素系またはシリコーン系の
油と一般に称され、それが直鎖状、環状または分岐状である、1種以上の脂肪物質(複数
可)、例えば、シリコーン油、例えば、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリア
ルキルシクロシロキサン(シクロメチコン)およびポリアルキルフェニルシロキサン(フ
ェニルジメチコン);合成油、例えば、フルオロ油、安息香酸アルキルおよび分岐炭化水
素、例えば、ポリイソブチレンまたはイソドデカン;鉱物油(パラフィン);植物油[ス
イートアーモンド油、マカダミア油、クロフサスグリ油、ホホバ油またはナガミノアマナ
ズナ(Camelina sativa)油、例えば、Unipex社によりLipex(登録商標)O
mega3/6の商品名で販売されている油];脂肪アルコール、脂肪アミド、脂肪酸ま
たはエステル、例えば、Innospec社によりFinsolv(登録商標)TNの商
品名で販売されているC12〜C15安息香酸アルキル、またはAlzo Inc.社に
よりWickenol(登録商標)151の商品名で販売されているイソノナン酸イソノ
ニル、パルミチン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、カプリン酸/カプリル酸の
トリグリセリドを含むトリグリセリド、Cognis社によりCetiol(登録商標)
CCの名称で販売されている炭酸ジカプリリル;好ましくは、組成物の全重量に対して、
0.1重量%〜約10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%の割合;
− 1種以上のワックス(周囲温度で固体または実質的に固体である化合物、その融点は
一般に35℃を超える)、例えば、オゾケライト、ポリエチレンワックス、蜜蝋またはカ
ルナウバ蝋、好ましくは、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜約5重量%、好ま
しくは0.5重量%〜5重量%の割合;
− 触媒の存在下で、少なくとも1つの反応基(特に、水素またはビニル)を有し、少な
くとも1つの末端および/または側鎖のアルキル(特に、メチル)またはフェニル基を有
するポリシロキサンと、有機シリコーン、例えば、オルガノヒドロゲノポリシロキサン(
organohydrogenopolysiloxane)との反応により特に得られる、1種以上のシリコーンエ
ラストマー(複数可)、好ましくは、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜約20重
量%、好ましくは0.25重量%〜15重量%の割合;
− 1種以上のサンスクリーン剤(複数可)、特に、有機スクリーン剤、例えば、ジベン
ゾイルメタン誘導体[特に、DSMによりParsol(登録商標)1789の商品名で
販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む]、ケイ皮酸誘導体[特に、D
SMによりParsol(登録商標)MCXの商品名で販売されているメトキシケイ皮酸
エチルヘキシルを含む]、サリチレート、パラ−アミノ安息香酸、β,β’−アクリル酸
ジフェニル、ベンゾフェノン、ベンジリデンカンファー誘導体、フェニルベンズイミダゾ
ール、トリアジン、フェニルベンゾトリアゾールおよびアントラニル誘導体;または、無
機スクリーン剤、被覆もしくは非被覆顔料もしくはナノ顔料の形態の鉱物酸化物系のもの
、特に、二酸化チタンもしくは酸化亜鉛系のもの;好ましくは、組成物の全重量に対して
、0.1重量%〜約30重量%、さらに良好には0.5重量%〜20重量%の割合;
− 1種以上の水溶性染料(複数可)、例えば、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリン
グリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの三ナトリウム塩、タルトラ
ジンの二ナトリウム塩、ローダミンの一ナトリウム塩、フクシンまたはキサントフィルの
二ナトリウム塩など、好ましくは、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜約2重量%
の割合;
− 1種以上の充填剤、特に、艶消剤またはソフトフォーカス効果(soft-focus effect
)充填剤、特に、ソフトフォーカス効果粉末。
「充填剤」という用語は、組成物にボディ(body)および剛性を与え、ならびに/また
は塗布直後に柔軟性、艶消効果および均一性をもたらすのに適した、層状または非層状の
、無機または合成の、無色または白色の粒子を意味すると理解されるべきである。これら
の充填剤は、カモフラージュ効果またはソフトフォーカス効果により、特に、皺を修正す
るか、またはさらに覆い隠すことができる。
艶消剤は、皮膚のテカリを低減させて、肌を均一にする、艶消ポリマー(溶液中、分散
液中または粒子の形態)および無機粒子から選択され得る。
艶消剤は、特に、デンプン、タルク、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維
、特に、ポリアミド繊維{Nylon(登録商標)粉末、例えば、Nylon−12[A
tochem社により販売されているOrgasol(登録商標)]}、特に、ポリメタ
クリル酸メチルのマイクロスフェアまたはアクリルコポリマー[PMMA粒子、またはS
EPPIC社により販売されているMicropearl(登録商標)M310粒子]、
シリカ粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ポリエチレン粉末、エラスト
マー架橋オルガノポリシロキサン[特に、Shin−Etsu社によりKSG(登録商標
)の名称で、Dow Corning社によりTrefil(登録商標)、BY29(登
録商標)もしくはEPSX(登録商標)の名称で、またはGrant Industri
es社によりGransil(登録商標)の名称で販売されているもの]、タルク/二酸
化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、ケイ酸塩粉末およびそれらの混合物から選択され
得る。
「ソフトフォーカス」効果充填剤は、肌に透明性およびソフトフォーカス効果を与える
ことができる。好ましくは、「ソフトフォーカス」充填剤は、30ミクロン以下、より優
先的には15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの「ソフトフォーカス」充填剤は
、任意の形状のものであってよく、特に、球状または非球状であってよい。それらは、シ
リカおよびケイ酸塩、特に、アルミナの粉末、ポリメタクリル酸メチルタイプの粉末[P
MMAまたはMicropearl(登録商標)M310]、タルク、シリカ/TiO
またはシリカ/酸化亜鉛複合材、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、ス
チレン/アクリルコポリマー粉末、シリコーンエラストマー、ならびにそれらの混合物か
ら選択され得る。
好ましくは、これらの艶消剤またはソフトフォーカス効果充填剤は、組成物の全重量に
対して、0.1重量%〜約10重量%の割合で、好ましくは0.1重量%〜約7重量%の
割合で用いられる;
− 媒体中で不溶性であり、組成物を着色するか、および/または不透明にすることが意
図された、1種以上の、被覆または非被覆の、無機および/または有機の、真珠光沢また
は非真珠光沢の、白色または有色の顔料。それらは、通常またはナノメートルのサイズで
あってよい。無機顔料の中では、任意選択で表面処理された二酸化チタン、酸化鉄または
酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物およびフェリ
ックブルーを挙げることができる。有機顔料の中では、カーボンブラック、D&Cタイプ
の顔料、およびバリウム、ストロンチウム、カルシウムまたはアルミニウムのコチニール
カルミン系のレーキを挙げることができる。真珠光沢顔料または真珠層は、光を反射する
虹色粒子である。これらの真珠光沢顔料は、白色真珠光沢顔料、例えば、チタン被覆マイ
カ、またはオキシ塩化ビスマス被覆マイカ、および有色真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄を
有するチタンマイカから選択され得る。顔料は、表面処理を経ていてもよい。好ましくは
、これらの顔料は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜約10重量%の割合、好ま
しくは0.1重量%〜約5重量%の割合で用いられる;
− 1種以上のテンショニング剤。「テンショニング剤」という用語は、皮膚を伸ばし、
この伸ばし効果により、皮膚を滑らかにし、皺およびそれらの小皺を即座に減少させるか
、または消失させるのに適した化合物を意味すると理解されるべきである。テンショニン
グ剤としては、天然由来のポリマー、混合ケイ酸塩、無機充填剤のコロイド粒子、合成ポ
リマー、およびそれらの混合物を挙げることができる。特に、植物または微生物由来のポ
リマー、外皮由来のポリマー、卵タンパク質および天然由来のラテックスを挙げることが
できる。これらのポリマーは、好ましくは親水性である。植物由来のポリマーとしては、
特に、タンパク質およびタンパク質加水分解物、より詳細には穀類、マメ科植物および油
産生植物の抽出物、例えば、トウモロコシ、ライムギ、コムギ、ソバ、ゴマ、スペルト、
エンドウマメ、タピオカ、マメ、ヒラマメ、ダイズおよびルピナスの抽出物を挙げること
ができる。本発明に従って使用できる他のテンショニング剤としては、天然由来の多糖、
特に、コメ、トウモロコシ、タピオカ、ジャガイモ、キャッサバ、エンドウマメ由来の特
にデンプン、有利にはゲル微粒子の水性分散液としてのカラギーナン、アカシアガム(ア
ラビアガム)、アルギネート、寒天、ジェラン、キサンタンガム、セルロース系ポリマー
およびペクチン、セルロース系誘導体、ならびにそれらの混合物がある。合成ポリマーは
、一般にラテックスまたは疑似ラテックスの形態であり、重縮合物タイプのものであるか
、またはラジカル重合により得ることができる。特に、ポリエステル/ポリウレタンおよ
びポリエーテル/ポリウレタン分散液を挙げることができる。好ましくは、テンショニン
グ剤は、PVP/アクリル酸ジメチコニルおよび親水性ポリウレタンのコポリマー[Hy
dromer社からのAquamere(登録商標)S−2011(登録商標)]である

− 1種以上の防腐剤(複数可);
− 金属イオン封鎖剤、例えば、EDTA塩;
− 香料;
− ならびにそれらの混合物。
このような補助剤の例としては、スキンケア産業で通常使用する、多種多様な化粧品お
よび医薬品成分について、限定せずに記載している、CTFA Dictionary(
International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook published by The Cosme
tic, Toiletry and Fragrance Association, 11th edition, 2006)で特に言及されてお
り、これらは本発明による組成物におけるさらなる成分としての使用に適している。
当業者は、これらの任意選択の添加剤すべてから、組成物と組成物に添加されるその量
の両方を、前記組成物がその特性すべてを保持するように選択できる。
さらに、本発明による組成物は、ビタミン、酸化防止剤、保湿剤、汚染防止剤、角質溶
解剤、収斂剤、抗炎症剤、美白剤(bleaching agent)および微小循環促進剤からなる群
から選択され得る、様々な活性剤を任意選択で含有し得る。好ましくは、組成物は、保湿
剤、酸化防止剤、微小循環促進剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の
活性剤を含む。
ビタミンの例としては、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびそれらの誘導体
、パントテン酸およびその誘導体、ならびにビオチンが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、アスコルビン酸およびその誘導体、例えば、パルミチン酸ア
スコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、リン酸ア
スコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウムおよびソルビン酸アスコルビル
;トコフェロールおよびその誘導体、例えば、酢酸トコフェリル、ソルビン酸トコフェリ
ルおよび他のトコフェロールエステル;BHTおよびBHA;没食子酸、リン酸、クエン
酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、セファリン、ヘキサメタリン酸塩、フ
ィチン酸のエステル、ならびに植物、例えば、ショウガ(Zingiber officinale)(ショ
ウガ)根、例えば、Biolandes社により販売されているBlue Malaga
sy Ginger、ヤハズツノマタ(Chondrus crispus)、イワベンケイ(Rhodiola)
、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、マテ葉、オーク材、カユラペ(
kayu rapet)の樹皮、サクラ葉およびイランイラン葉の抽出物が挙げられる。
保湿剤の例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、グリセロール、ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチ
トール、ムコ多糖、例えば、コンドロイチン硫酸、高もしくは低分子量のヒアルロン酸、
またはシラノール誘導体で強化されたヒアルロン酸、例えば、Exymol社により販売
されている活性剤Epidermosil(登録商標)、およびムコイチン硫酸;カロン
酸;アテロコラーゲン;12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル;胆汁塩、NMF(
天然保湿因子)の主成分、例えば、ピロリドンカルボン酸の塩、および乳酸の塩、アミノ
酸類似体、例えば、尿素、システインおよびセリン;短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセロ
ールPPG、2−メタ−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのホモおよびコポリ
マー、例えば、NOFからのLipidure HMおよびLipidure PBM;
アラントイン;グリセロール誘導体、例えば、NOFからWilbride(登録商標)
S753の商品名で販売されているPEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/
3グリセロール、またはSedermaからLubragel(登録商標)MSの商品名
で販売されているポリメタクリル酸グリセリル;Asahi Kasei Chemic
als社によりAminocoat(登録商標)の商品名で販売されているトリメチルグ
リシン、ならびに様々な植物抽出物、例えば、ヨーロッパグリ(Castanea sativa)、加
水分解されたヘーゼルナッツタンパク質、チュベローズ・ポリアンサス(Tuberosa polya
nthus)多糖、アルガンノキ(Argania spinosa)核油の抽出物、および特にMaruze
n社(日本)によりPearl Extract(登録商標)の商品名で販売されている
コンキオリンを含有する真珠層抽出物が挙げられる。
保湿剤の他の例としては、マトリプターゼMT/SP1の発現を刺激する化合物、例え
ば、ローカストビーン果肉の抽出物、さらにCERT、ARNT2またはFN3Kもしく
はFN3K RPの発現を刺激する薬剤;直接、または例えば、β−エンドルフィンの産
生を刺激することによる間接的のいずれかで、ケラチノサイトの増殖または分化を増加さ
せる薬剤、例えば、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)またはカカオ(
Theobroma cacao)豆の殻の抽出物、水溶性トウモロコシ抽出物、バンバラマメ(Voandze
ia subterranea)のペプチド抽出物およびナイアシンアミド;表皮脂質、および直接、ま
たはグルコシルセラミドからセラミドへなどの脂質前駆物質の脱グリコシル化を調節する
、ある種のβ−グルコシダーゼを刺激することによるかのいずれかで、表皮脂質の合成を
増加させる薬剤、例えば、リン脂質、セラミドまたはルピナスタンパク質加水分解物、お
よびジヒドロジャスモン酸誘導体が挙げられる。
汚染防止剤の例としては、ワサビノキ(Moringa pterygosperma)種子抽出物[例えば
、LSNからのPurisoft(登録商標)]、シアバター抽出物[例えば、Sila
bからのDetoxyl(登録商標)]、およびツタ抽出物とフィチン酸とヒマワリ種子
抽出物との混合物[例えば、SedermaからのOsmopur(登録商標)]が挙げ
られる。
角質溶解剤の例としては、α−ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸
、リンゴ酸、マンデル酸または酒石酸)およびβ−ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸)
、およびそれらのエステル、例えば、C12〜13乳酸アルキル、ならびにこれらのヒド
ロキシ酸を含有する植物抽出物、例えば、ローゼル(Hibiscus sabdriffa)抽出物が挙げ
られる。
収斂剤の例としては、ハマメリス抽出物が挙げられる。
抗炎症剤の例としては、ビサボロール、アラントイン、トラネキサム酸、酸化亜鉛、硫
黄酸化物およびその誘導体、コンドロイチン硫酸、ならびにグリチルリチン酸およびその
誘導体、例えば、グリチルリチネートが挙げられる。
美白剤の例としては、アルブチンおよびその誘導体、フェルラ酸[例えば、Cytov
ector(登録商標):水、グリコール、レシチン、フェルラ酸、ヒドロキシエチルセ
ルロース、BASFにより販売]およびその誘導体、コウジ酸、レゾルシノール、リポ酸
およびその誘導体、例えば、特許出願(国際公開第2006/134282号パンフレッ
ト)に記載のレスベラトロールジアセテートモノリポエート、エラグ酸、ロイコドーパク
ロムおよびその誘導体、ビタミンB3、リノール酸およびその誘導体、セラミドおよびそ
の相同体、特許出願(国際公開第2009/010356号パンフレット)に記載のペプ
チド、特許出願(国際公開第2006/134282号パンフレット)に記載の生物学的
前駆体、またはトラネキサム酸塩、例えば、トラネキサム酸セチルの塩酸塩、特に、Ma
ruzen社によりLicorice extract(登録商標)の商品名で販売され
ているカンゾウ抽出物[スペインカンゾウ(Glycyrrhiza glabra)抽出物]、酸化防止効
果も有する美白剤、例えば、アスコルビン酸塩、脂肪酸もしくはソルビン酸のアスコルビ
ルエステル、および他のアスコルビン酸誘導体、例えば、リン酸アスコルビル、例えば、
リン酸アスコルビルマグネシウムおよびリン酸アスコルビルナトリウム、または例えば、
アスコルビル−2−グルコシド、2−O−α−D−グルコピラノシルのL−アスコルビン
酸塩(2-O-alpha-D-glucopyranosyl L-ascorbate)、もしくは6−O−β−D−ガラクト
ピラノシルのL−アスコルビン酸塩(2-O-alpha-D-glucopyranosyl L-ascorbate)を含む
、ソルビン酸の糖エステルを含む、ビタミンC化合物が挙げられる。このタイプの活性剤
は、特に、DKSH社によりAscorbyl glucoside(登録商標)の商品
名で販売されている。
微小循環促進剤の例としては、ルピナス[例えば、SilabからのEclaline
(登録商標)]、ナギイカダ(ruscus)、トチノキ、ツタ、チョウセンニンジン(ginsen
g)またはスイートクローバーの抽出物、カフェイン、ニコチン酸塩およびその誘導体、
サンゴモ(Corallina officinalis)の藻類抽出物、例えば、CODIFにより販売され
ているもの、ならびにこれらの混合物が挙げられる。皮膚微小循環に対して活性であるこ
れらの薬剤は、肌のくすみを防止し、ならびに/または肌の均一性および明るさを改善す
るために使用できる。
本発明に従って使用する組成物は、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物に加えて、
テンシン1発現を刺激する薬剤、例えば、エレミ抽出物;FN3K発現および/またはF
N3K RP発現を刺激する薬剤、例えば、ハナモツヤクノキ(Butea frondosa)抽出物
;CERTまたはARNT2発現を刺激する薬剤;増殖因子の産生を刺激する薬剤;抗糖
化剤または脱糖化剤;コラーゲン合成を増加させるか、またはコラーゲン分解を防止する
薬剤(抗コラゲナーゼ剤、特に、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤)、特に、コ
ラーゲンIVおよび/またはヒアルロナンおよび/またはフィブロネクチン合成を増加さ
せる薬剤、例えば、少なくとも1種のアシル化オリゴペプチド、特に、Sederma社
によりMatrixyl(登録商標)3000の商品名で販売されているもの;エラスチ
ン合成を増加させるか、またはエラスチン分解を防止する薬剤(抗エラスターゼ剤);グ
リコサミノグリカンもしくはプロテオグリカン合成を増加させるか、またはそれらの分解
を防止する薬剤[抗プロテオグリカナーゼ剤(anti-proteoglycanase agent)]、例えば
、Exsymol社により販売されている活性剤Epidermosil(登録商標)(
メチルシラントリオールと組み合わせたヒアルロン酸);線維芽細胞によるインテグリン
合成を刺激する薬剤;線維芽細胞の増殖を増加させる薬剤;経皮吸収を促進する薬剤、例
えば、アルコール、脂肪アルコールおよび脂肪酸、それらのエステルまたはエーテル誘導
体、ピロリドン、4−アルキル−オキサゾリジン−2−オン、例えば、4−デシルオキサ
ゾリジン−2−オン;テルペン、精油およびα−ヒドロキシ酸:ならびにそれらの混合物
から選択される少なくとも1種の活性剤も含み得るが、このリストに限定されない。
本出願人には、少なくとも1種のツバキ(Camellia japonica)花抽出物と上記の活性
剤の1種以上との組合せにより、活性剤のこれらの組合せの効果を1つの同一の配合で有
利に組み合わせることで、皮膚の保湿性を最大にし、長時間持続させることができること
が明らかであった。
したがって、本発明による化粧品組成物は、有利には、保湿剤から選択される少なくと
も1種の活性剤を有する、少なくとも1種のツバキ(Camellia japonica)花抽出物を含
有する。
より詳細には、それは、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)発酵抽出
物、ショウガ(Zingiber officinale)(ショウガ)根抽出物、ヒアルロン酸およびその
誘導体、ローカストビーン果肉抽出物、ならびにそれらの混合物から選択される、少なく
とも1種の活性剤を含有し得る。
本発明の一主題は、ヒト皮膚を保湿するか、および/またはヒト皮膚の乾燥を防ぐため
の、上記のツバキ(Camellia japonica)花抽出物または上記の化粧品組成物の美容的使
用でもある。
この実施形態において、抽出物または組成物は、非病的乾燥性皮膚に塗布される。
本発明を次に、以下の非限定的実施例により例証する。
ツバキアルバ・プレナ(Camellia japonica Alba plena)花の油性抽出物の調製
油性抽出物を、ツバキアルバ・プレナ(Camellia japonica Alba plena)の白花2kg
および精製ツバキ油9kgから調製する。
分離したばかりの花を、固形分90%まで乾燥させ、次いで、−80℃まで冷却して、
プロペラミルで−30℃〜−80℃の間の温度で直ちに粉砕する。粒径100〜300μ
mの間の均一な微粉を得る。
次いで、以下のステップを含む方法を行う:
a)花の粉末および精製ツバキ油を、窒素飽和雰囲気下に置かれている、密閉ステンレス
鋼リアクターに導入する。混合物を、周囲温度で約24時間維持し、植物粉末を油に確実
に浸漬させる。
b)混合物を、窒素飽和雰囲気下で、超音波発生器を備えた密閉反応器に入れ、20kH
zの周波数で、周囲温度にて15分間超音波処理にかける。
c)混合物を、窒素飽和雰囲気下で、撹拌棒を備えた密閉反応器に入れ、次いで、0.4
kW/kg混合物の出力下で7分間マイクロ波処理にかける。到達する最大温度は、11
8℃である。
ステップb)およびc)を、2回連続して繰り返す。各ステップの間に、混合物を、窒
素飽和雰囲気下で周囲温度まで3時間冷却する。
このようにして得られた混合物に、40℃の温度にて、5μmの孔を有する濾布上で、
5000回転/分で15分間遠心分離にかけ、固形物[脂肪質ケーク(fatty cake)]か
ら油性画分(油性抽出物)を分離し、均質な液体抽出物を得る。
周囲温度に戻した後、得られた油性抽出物は、薄黄色および弱い花の香気を有する、均
質な流体油の形態である。いずれの場合にも、得られた油性抽出物は、0.2g/100
g未満の含水量、0.4%以下のオレイン酸度(oleic acidity)および3meqO
kg未満の過酸化物価を有する。
実施例1で得られたツバキ(Camellia japonica)花抽出物で処理したケラチノサイトに
おけるKRT2遺伝子の発現の刺激についての試験
プロトコル:
未処理対照試料と比較して、処理試料におけるケラチン2(KRT2)遺伝子の発現を
定量するために、実施例1の抽出物またはArdex社により販売されている精製ツバキ
油の効果を、リアルタイムPCR(RT−PCR)により評価した。
結果を、処理試料における標的遺伝子(KRT2)発現の増加または減少のパーセンテ
ージで表した。結果を、未処理対照試料における同一遺伝子の発現に対して標準化し、そ
れを100%で固定する。
具体的には、ポストコンフルエントまで培養し、次いで任意選択で三連で24時間処理
した正常ヒトケラチノサイトに対して、試験を行った。ケラチノサイトは、2人の異なる
ドナーに由来する。
メーカーの推奨に従って、RNeasyキット(Qiagen)を使用して、mRNA
を単離し、QuantIT Ribogreenキット(Invitrogen)を使用
して定量した。やはりメーカーの推奨に従って、iScript Reverse Tr
anscription SuperMixキット(Biorad)を使用して、cDN
Aへの逆転写を行った。
iCYCLER IQ装置(Biorad)、KRT2遺伝子およびβ−2−マイクロ
グロブリン遺伝子(参照遺伝子)専用のTaqmanプローブ(Applied Bio
systems)およびIQ Supermix(BioRad)を使用して、定量的リ
アルタイムPCR測定を行った。
結果:
Figure 2019194192
未処理対照と比較して、および本出願の方法以外の方法(すなわち、Ardex社の方
法)により得られた精製ツバキ油で処理した比較試料と比較して、ツバキ(Camellia jap
onica)花抽出物は、KRT2 mRNAの発現を刺激する。
化粧品組成物(O/Wセラム)
以下の組成物は、当業者に慣用な方法で調製できる。以下に示す量は、重量パーセント
で表される。大文字の成分はINCI名に従って特定される。
Figure 2019194192
Figure 2019194192
この組成物は、その心地よさを改善し、肌を均一にするために、特に、乾燥しているか
、および/または環境の攻撃に曝されている皮膚に、朝および/または夕方に、毎日塗布
できる。
化粧品組成物(O/Wセラム)
以下の組成物は、当業者に慣用な方法で調製できる。以下に示す量は、重量パーセント
で表される。大文字の成分はINCI名に従って特定される。
Figure 2019194192
この組成物は、その心地よさを改善し、肌を均一にするために、特に、乾燥しているか
、および/または環境の攻撃に曝されている皮膚に、朝および/または夕方に、毎日塗布
できる。
この組成物は、その心地よさを改善し、肌を均一にするために、特に、乾燥しているか、および/または環境の攻撃に曝されている皮膚に、朝および/または夕方に、毎日塗布できる。
なお、本発明には、以下の実施形態が包含されるものとする。
[1]以下のステップ:
a)ツバキ(Camellia japonica)花の粉末を脂肪物質または脂肪物質の混合物に、前記脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で混合し、浸漬させるステップと、
b)ツバキ(Camellia japonica)花の粉末を脂肪物質または前記脂肪物質の混合物中に、前記脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で微分散させるステップと、
c)このようにして得られた混合物を、60〜180℃の間の温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気下で、1〜10分間の間加熱するステップと
を含む抽出方法であって、ステップc)を、ステップb)の前、間または後に行うことができる抽出方法により得られる、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物。
[2]ツバキ花が、品種ツバキアルバ・プレナ(Camellia japonica Alba plena)に由来することを特徴とする、[1]に記載の抽出物。
[3]ステップa)でのツバキ(Camellia japonica)花の粉末と脂肪物質との比が、1:0.5〜1:20の間、好ましくは1:19〜1:1の間、より優先的には1:9〜1:3の間であり、前記比が、重量/脂肪物質の重量または重量/脂肪物質の容量で表されることを特徴とする、[1]または[2]に記載の抽出物。
[4]脂肪物質(複数可)が、周囲温度で液体である植物油、25〜40℃の間の融点を有する植物バター、または40℃超の融点を有する植物ワックスであり、好ましくは、脂肪物質(複数可)が、ツバキ油、ナタネ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、グレープシード油、スイートアーモンド油、ベニバナ油、ヘーゼルナッツ油、アルガン油、ローズムスク油、月見草油、ルリヂサ油、ホホバ液体ワックスおよびそれらの混合物から選択される油であることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の抽出物。
[5]ステップa)が、使用する脂肪物質または脂肪物質の混合物の融点を超える温度で、好ましくはこの融点〜融点+20℃の間、好ましくは+10℃で、1〜48時間の間、好ましくは5〜40時間の間、より優先的には12〜36時間の間、さらにより優先的には20〜30時間の間、および一つの特に好ましい実施形態によれば約24時間行われることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の抽出物。
[6]ステップb)が、100kHz未満、好ましくは20〜30kHzの間のキャビテーション周波数で、2〜30分間の間、好ましくは10〜20分間の間の超音波キャビテーションによる処理を含むことを特徴とする、[1]から[5]のいずれか一項に記載の抽出物。
[7]ステップb)が、周囲温度、または使用する脂肪物質もしくは脂肪物質の混合物の融点を超える温度で行われ、好ましくは、温度が、融点〜融点+20℃の間、好ましくは+10℃であることを特徴とする、[1]から[6]のいずれか一項に記載の抽出物。
[8]ステップc)が、100〜150℃の間、好ましくは110〜130℃の間の温度で、1〜10分間、好ましくは1〜5分間およびより優先的には1〜3分間の範囲の時間行われることを特徴とする、[1]から[7]のいずれか一項に記載の抽出物。
[9]ステップc)の温度が、混合物1kg当たり500〜10000W、好ましくは混合物1kg当たり約700〜1500W、より優先的には混合物1kg当たり約1000Wの範囲の動作出力を有するマイクロ波処理により得られることを特徴とする、[1]から[8]に記載の抽出物。
[10]ツバキ(Camellia japonica)花の粉末が、−20〜−80℃の間の温度で粉砕することにより得られる分散性生成物の形態で提供されることを特徴とする、[1]から[9]のいずれか一項に記載の抽出物。
[11]ステップa)、b)および/またはc)が、有利には、光または任意の酸化放射線、例えば、紫外線の不在下で行われることを特徴とする、[1]から[10]のいずれか一項に記載の抽出物。
[12]ステップb)およびc)が、少なくとも2回、好ましくはn回行われ、次いで、それが、ステップbn)およびcn)に相当し、nが、サイクル{(ステップa)+(ステップb)}の繰り返し総数に相当し、nが、少なくとも2と等しく、好ましくは、nが、2と等しいことを特徴とする、[1]から[11]のいずれか一項に記載の抽出物。
[13]生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1種の[1]から[12]のいずれか一項に記載のツバキ(Camellia japonica)花抽出物を含有する、化粧品組成物。
[14]保湿剤、酸化防止剤、微小循環促進剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の活性剤も含有することを特徴とする、[13]に記載の組成物。
[15]活性剤が、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)発酵抽出物、ショウガ(Zingiber officinale)根抽出物、ヒアルロン酸およびその誘導体、ローカストビーン果肉抽出物、ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、[13]または[14]に記載の組成物。
[16]ヒト皮膚を保湿するか、および/または乾燥から保護するための、[1]から[12]のいずれか一項に記載のツバキ(Camellia japonica)花抽出物または[13]から[15]のいずれか一項に記載の組成物の美容的使用。
[17]抽出物または組成物が、非病的乾燥性皮膚に塗布されることを特徴とする、[16]に記載の使用。

Claims (17)

  1. 以下のステップ:
    a)ツバキ(Camellia japonica)花の粉末を脂肪物質または脂肪物質の混合物に、前記
    脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の雰囲気
    下で混合し、浸漬させるステップと、
    b)ツバキ(Camellia japonica)花の粉末を脂肪物質または前記脂肪物質の混合物中に
    、前記脂肪物質または前記混合物の融点を超える温度で、無酸素または本質的に無酸素の
    雰囲気下で微分散させるステップと、
    c)このようにして得られた混合物を、60〜180℃の間の温度で、無酸素または本質
    的に無酸素の雰囲気下で、1〜10分間の間加熱するステップと
    を含む抽出方法であって、ステップc)を、ステップb)の前、間または後に行うことが
    できる抽出方法により得られる、ツバキ(Camellia japonica)花抽出物。
  2. ツバキ花が、品種ツバキアルバ・プレナ(Camellia japonica Alba plena)に由来する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抽出物。
  3. ステップa)でのツバキ(Camellia japonica)花の粉末と脂肪物質との比が、1:0
    .5〜1:20の間、好ましくは1:19〜1:1の間、より優先的には1:9〜1:3
    の間であり、前記比が、重量/脂肪物質の重量または重量/脂肪物質の容量で表されるこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載の抽出物。
  4. 脂肪物質(複数可)が、周囲温度で液体である植物油、25〜40℃の間の融点を有す
    る植物バター、または40℃超の融点を有する植物ワックスであり、好ましくは、脂肪物
    質(複数可)が、ツバキ油、ナタネ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、グレ
    ープシード油、スイートアーモンド油、ベニバナ油、ヘーゼルナッツ油、アルガン油、ロ
    ーズムスク油、月見草油、ルリヂサ油、ホホバ液体ワックスおよびそれらの混合物から選
    択される油であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の抽出物。
  5. ステップa)が、使用する脂肪物質または脂肪物質の混合物の融点を超える温度で、好
    ましくはこの融点〜融点+20℃の間、好ましくは+10℃で、1〜48時間の間、好ま
    しくは5〜40時間の間、より優先的には12〜36時間の間、さらにより優先的には2
    0〜30時間の間、および一つの特に好ましい実施形態によれば約24時間行われること
    を特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の抽出物。
  6. ステップb)が、100kHz未満、好ましくは20〜30kHzの間のキャビテーシ
    ョン周波数で、2〜30分間の間、好ましくは10〜20分間の間の超音波キャビテーシ
    ョンによる処理を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の抽出物
  7. ステップb)が、周囲温度、または使用する脂肪物質もしくは脂肪物質の混合物の融点
    を超える温度で行われ、好ましくは、温度が、融点〜融点+20℃の間、好ましくは+1
    0℃であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の抽出物。
  8. ステップc)が、100〜150℃の間、好ましくは110〜130℃の間の温度で、
    1〜10分間、好ましくは1〜5分間およびより優先的には1〜3分間の範囲の時間行わ
    れることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の抽出物。
  9. ステップc)の温度が、混合物1kg当たり500〜10000W、好ましくは混合物
    1kg当たり約700〜1500W、より優先的には混合物1kg当たり約1000Wの
    範囲の動作出力を有するマイクロ波処理により得られることを特徴とする、請求項1から
    8に記載の抽出物。
  10. ツバキ(Camellia japonica)花の粉末が、−20〜−80℃の間の温度で粉砕するこ
    とにより得られる分散性生成物の形態で提供されることを特徴とする、請求項1から9の
    いずれか一項に記載の抽出物。
  11. ステップa)、b)および/またはc)が、有利には、光または任意の酸化放射線、例
    えば、紫外線の不在下で行われることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に
    記載の抽出物。
  12. ステップb)およびc)が、少なくとも2回、好ましくはn回行われ、次いで、それが
    、ステップbn)およびcn)に相当し、nが、サイクル{(ステップa)+(ステップ
    b)}の繰り返し総数に相当し、nが、少なくとも2と等しく、好ましくは、nが、2と
    等しいことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の抽出物。
  13. 生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1種の請求項1から12のいずれか一項に
    記載のツバキ(Camellia japonica)花抽出物を含有する、化粧品組成物。
  14. 保湿剤、酸化防止剤、微小循環促進剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも
    1種の活性剤も含有することを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  15. 活性剤が、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)発酵抽出物、ショウガ
    (Zingiber officinale)根抽出物、ヒアルロン酸およびその誘導体、ローカストビーン
    果肉抽出物、ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項13また
    は14に記載の組成物。
  16. ヒト皮膚を保湿するか、および/または乾燥から保護するための、請求項1から12の
    いずれか一項に記載のツバキ(Camellia japonica)花抽出物または請求項13から15
    のいずれか一項に記載の組成物の美容的使用。
  17. 抽出物または組成物が、非病的乾燥性皮膚に塗布されることを特徴とする、請求項16
    に記載の使用。
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