JP2019194158A - 複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】造影剤として実用性の高い複合体を提供する。【解決手段】複合体は、デキストラン誘導体で被覆された酸化鉄からなるナノサイズの磁性粒子と、該磁性粒子と結合されたアネキシンVとで構成され、MRI造影剤として用いることができる。複合体は、全体径が20nm〜60nmの範囲にあり、0.47テスラにおけるT2緩和度と0.47テスラにおけるT1緩和度との比の値が、5未満である。また、複合体は、アネキシンVが、磁性粒子の鉄1mgに対して、1mg〜5mgの範囲で結合している。【選択図】図1

Description

この発明は、造影剤として用いることができる複合体に関するものである。
腫瘍に対して化学療法や放射線療法を施術した後、その治療が効果的に行われているかを判定する必要がある。一般的に、コンピュータ断層診断(CT)、核磁気共鳴法(MRI)、超音波等の画像診断法において、単純な撮像だけでは判別しづらいケースでは画像のコントラストを増加させるような造影剤を使用することがある。しかしながら、一般に市販されている造影剤の多くは、特定の臓器や器官、病変のみに特異的に作用する性質を持っておらず、前述した目的に対して使用することはできない。従って、前記目的を達成するために、治療された腫瘍、すなわち、アポトーシスを起こした腫瘍のみに選択的に作用する新しい造影剤の開発が望まれている。その1つの方法として、アポトーシス細胞に特異的に結合する物質を造影剤に結合することにより、アポトーシス細胞に選択的に造影剤を集積させることが考えられる。
アポトーシスを起こした細胞に特異的に結合する物質としては、アネキシンVと呼ばれるタンパク質が最も良く知られており、多くの研究例や応用例が報告されている。アネキシンVは、哺乳類全般に存在するカルシウムおよびリン脂質に結合するタンパク質ファミリーである約20種類存在するアネキシンのうちの一つであるため、生体に対する毒性はない。また、アネキシンVは、分子量が約35,000と小さく、安定性も良いことなどから総じて利便性がよい。例えば、研究レベルにおいては、アネキシンVを各種の蛍光色素に結合したものが既に作成され、アポトーシスを起こした細胞を検出する研究用キットとして数多く市販され、細胞生物学の実験等において広く使用されている。
一方、臨床においては、既にいくつかの画像診断法において、造影剤にアネキシンVを結合したものが試作され、実用化に向けて研究が進められている。その中でも、放射性同位体で標識したアネキシンVが最も良く研究されており、例えばテクネチウム99mで標識したアネキシンVは、単一光子放射断層撮影(SPECT)法においてヒトを対象とした臨床試験が行われたが、未だ実用化には至っていない(例えば、非特許文献1参照)。MRIにおいては、MRI造影剤として一般的に使用されているガドリニウムや酸化鉄粒子にアネキシンVを結合させたものが試作され、いくつかの研究例が報告されているが、ヒトを対象とした臨床試験には進んでいない(例えば、特許文献1および非特許文献2参照)。
特開2009−149653号公報
Belhocine et al., Clin. Cancer Res., 8, 2766, 2002 Magn. Reson. Med., 66(4), 2011
前述したアネキシンVと磁性粒子とを結合した複合体は、分散安定性に乏しく、沈降し易いという欠点が指摘される。また、前記複合体は、細網内皮系(肝臓、脾臓による外的異物の排除機構)からの回避や目的部位への結合能の向上などが求められており、実用化に向けて様々な課題が存在している。
すなわち本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、造影剤として実用性を有する複合体を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の複合体は、
デキストラン誘導体で被覆された酸化鉄からなるナノサイズの磁性粒子と、該磁性粒子と結合されたアネキシンVとで構成され、
複合体全体の直径が、20nm〜60nmの範囲にあることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、複合体の分散安定性が良好であるので、保存安定性が高く、生体に投与する造影剤として実用性を有している。また、複合体を生体に投与した際に、アポトーシス部位があった際に当該部位に集積するので、MRI等の画像診断法で鮮明に撮像することができる。
請求項2に係る発明では、前記磁性粒子は、0.47テスラにおけるT2緩和度と0.47テスラにおけるT1緩和度との比の値が、5未満であることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、T1効果が高まることから、T1強調撮像法での使用が可能となる。
請求項3に係る発明では、前記アネキシンVが、前記磁性粒子の鉄1mgに対して、1mg〜5mgの範囲で結合していることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、磁性粒子1個あたりに適切な量のアネキシンVが結合しているので、目的部位への高集積に有利となる。
請求項4に係る発明では、前記デキストラン誘導体は、カルボキシアルキルエーテル基とアミノアルキルエーテル基とを有していることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、複合体の血中滞留性(異物排除回避性)が高まり、目的部位への高集積に有利となる。
本発明に係る複合体によれば、造影剤として実用性を有している。
本発明に係る複合体を示す模式図である。 本発明に係る磁性粒子を示す模式図である。 試験1の結果を示すグラフ図である。 試験2における複合体番号1のT1強調画像を示し、複合体の投与前である。 試験2における複合体番号1のT1強調画像を示し、複合体を投与してから24時間後である。 試験2における複合体番号1のT1強調画像を示し、複合体を投与してから48時間後である。 試験2における複合体番号2のT1強調画像を示し、複合体の投与前である。 試験2における複合体番号2のT1強調画像を示し、複合体を投与してから24時間後である。 試験2における複合体番号2のT1強調画像を示し、複合体を投与してから48時間後である。 試験2における複合体番号3のT1強調画像を示し、複合体の投与前である。 試験2における複合体番号3のT1強調画像を示し、複合体を投与してから24時間後である。 試験2における複合体番号3のT1強調画像を示し、複合体を投与してから48時間後である。 試験3における複合体番号1のT1強調画像を示し、複合体の投与前である。 試験3における複合体番号1のT1強調画像を示し、複合体を投与してから4時間後である。
本発明に係る複合体は、コンピュータ断層診断(CT)、核磁気共鳴法(MRI)、超音波等の画像診断法において、画像のコントラストを増加させる造影剤として好適に用いられるものである。図1に示すように、複合体は、デキストラン誘導体で被覆された酸化鉄からなる磁性粒子と、この磁性粒子に結合されたアネキシンVとを含んでおり、全体の直径(以下、全体径という)がナノサイズに設定されている。本発明に係る複合体は、ナノサイズの磁性粒子とアネキシンVとを反応させて得られ、単なる混合物ではなく、磁性粒子とアネキシンVとの化合物である。
本発明に係る磁性粒子は、血中滞留時間が長い(代謝が緩やかである、高い血液クリアランス性)、高い保存安定性、低毒性であり、粒子表面にアネキシンVを結合できるような官能基を有している。磁性粒子は、微粒子状の酸化鉄とデキストラン誘導体とを反応させて得られ、単なる混合物ではなく、酸化鉄とデキストラン誘導体との化合物である。例えば、本発明に係る磁性粒子は、酸化鉄微粒子とデキストラン誘導体を含む全体径および酸化鉄微粒子のみの直径の2通り観測されること、および精製工程により遊離のデキストラン誘導体を除去しても、本発明に係る磁性粒子にはデキストラン誘導体と酸化鉄が含まれることなどから判る。
前記磁性粒子を構成する酸化鉄は、毒性が低いことから本発明に係る複合体の成分として好適であり、例えば以下の式Aのように表すことができる。
(FeO)・Fe23 …(式A)
式Aにおいて、nは0≦n≦1の範囲内の実数である。
なお、前記式Aにおいて、n=0の場合はγ−酸化鉄(γ−Fe23)であり、また、n=1の場合はマグネタイト(Fe34)である。なお、本発明における酸化鉄は、結晶水を有するものであってもよい。
前記酸化鉄は、粒径(酸化鉄の粒子の直径)が、1nm〜10nm、好ましくは1nm〜7nm、更に好ましくは1nm〜5nmの範囲にあるとよい。酸化鉄の粒径が10nmよりも大きいと得られる複合体の全体径が大きくなり、複合体の保存安定性や安全性が悪化すると共に、T2効果が強まって、T1強調撮像法での使用に不向きとなる。酸化鉄の粒径が1nmよりも小さいものは、小径化の限界などにより実質的にできない。なお、磁性粒子の芯部分をなす酸化鉄の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定したものである。
前記デキストラン誘導体は、中性多糖のグルコースポリマーであるデキストランにおける官能基の一部または全部を、アニオン性の官能基(以下、アニオン性基という)および/またはカチオン性の官能基(以下、カチオン性基という)で置換したものである。デキストランとしては、予め適当な還元法、例えば、ナトリウムアマルガムを用いる方法、パラジウムカーボンの存在下に水素ガスを用いる方法、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を用いる方法等によって還元することにより得られる還元デキストランも好適に用いることができる。
前記アニオン性基としては、カルボキシアルキルエーテル基、リン酸基、リン酸アルキルエーテル基、硫酸基および硫酸アルキルエーテル基が挙げられ、これらの中でもカルボキシルアルキルエーテル基が好ましい。なお、カルボキシアルキルエーテル基などのカルボキシ基は塩の形態であってもよい。また、前記カチオン性基としては、未置換もしくは置換アミノアルキルエーテル基、およびホスホニウム基が挙げられ、これらの中でもアミノアルキルエーテル基が好ましい。なお、アミノアルキルエーテル基などのアミノ基は塩の形態であってもよい。デキストラン誘導体は、アニオン性基とカチオン性基との両方を有しているものが望ましい。そして、デキストラン誘導体としては、カルボキシアルキルエーテル基と未置換もしくは置換アミノアルキルエーテル基の両置換基(ここで該カルボキシ基および/またはアミノ基は塩の形態であってもよい。)を有するもの(デキストランエーテル誘導体という)が特に好ましい。このように、カルボキシアルキルエーテル基とアミノアルキルエーテル基とを有しているデキストラン誘導体を用いることで、得られる複合体の血中滞留性(異物排除回避性)が高まり、目的部位への高集積に有利となる。
前記デキストランエーテル誘導体は、デキストランを既知の方法でカルボキシアルキルエーテル化、および未置換もしくは置換アミノアルキルエーテル化(以下、アミノアルキルエーテル化という)することにより製造することができる。カルボキシアルキルエーテル化およびアミノアルキルエーテル化の順序は特に制限されないが、両置換基の置換度の測定が容易であるという観点からすると、カルボキシアルキルエーテル化を先に行うことが好ましい。デキストランのカルボキシアルキルエーテル化は、それ自体既知の方法、例えば、米国特許第2,746,906号明細書、米国特許第2,876,165号明細書、工業化学会誌、68、1590(1965年)等に記載の方法で実施可能である。例えば、デキストラン(下記の方法で予めアミノアルキルエーテル化されていてもよい)の水溶液または懸濁液にアルカリを添加した後、モノハロアルキルカルボン酸、特にモノクロロアルキルカルボン酸を加えて反応させることにより、容易にカルボキシアルキルエーテル化することができる。
前記デキストランのカルボキシアルキルエーテル化に使用し得るモノハロアルキルカルボン酸としては、特に、ハロ低級アルキルカルボン酸、例えば、モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、3−ブロモプロピオン酸、4−クロロ−n−酪酸、4−ブロモ−n−酪酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロ−n−酪酸等が挙げられる。なお、本明細書において「低級」なる語は、この語が付された基または化合物の炭素数が6以下、好ましくは4以下であることを意味する。本発明において好適なデキストランのカルボキシアルキルエーテルには、カルボキシメチルエーテル、カルボキシエチルエーテル、カルボキシプロピルエーテル等が含まれる。デキストランカルボキシアルキルエーテルのカルボキシル基は塩の形態であってもよく、その塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
デキストランまたはカルボキシアルキルエーテル化されたデキストランのアミノアルキルエーテル化は、それ自体既知の方法、例えば、Chemistry and Industry,1959,(11),1490−1491、特公昭59−30161号公報等に記載の方法で実施可能である。例えば、デキストランまたはデキストランのカルボキシアルキルエーテルの水溶液あるいは懸濁液にアルカリを添加した後、未置換もしくは置換アミノアルキルハライド、当該アミノアルキルハライドに対応するエポキシド、未置換もしくは置換アンモニオアルキルハライド、当該アンモニオアルキルハライドに対応するエポキシドの何れかを加えて反応させることで、アミノアルキルエーテル化が可能である。
デキストラン(これは予めカルボキシアルキルエーテル化されていてもよい)のアミノアルキルエーテル化に使用し得る未置換もしくは置換アミノアルキルハライド、当該アミノアルキルハライドに対応するエポキシドとしては、例えば、化学式1のようなものが挙げられる。
化学式1において、Aはアルキレン基を表す。また、化学式1において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル等)を表す。また、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって含窒素複素環(例えば、アジリジン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピペリジン、モルホリン、インドール、インドリン、イソインドリン等)を形成していてもよい。化学式1において、Yはハロゲン原子または化学式2に示すエポキシ基を表す。
化学式1において、好ましくは、Aが低級アルキレン基を表わし、RおよびRがそれぞれ独立に水素原子または低級アルキル基を表わすか、あるいはRとRがそれらが結合している窒素原子と一緒になって5もしくは6員の含窒素複素環(例えばピロリジン、ピロリン、ピペリジン、モルホリン等)を形成しているものが包含される。具体的には、例えば、アミノメチルクロライド、アミノメチルブロマイド、アミノエチルクロライド、アミノプロピルブロマイド、メチルアミノメチルクロライド、メチルアミノメチルブロマイド、エチルアミノエチルクロライド、エチルアミノエチルブロマイド、エチルアミノプロピルクロライド、プロピルアミノプロピルクロライド、ジメチルアミノメチルクロライド、ジメチルアミノエチルクロライド、ジエチルアミノメチルクロライド、ジエチルアミノエチルクロライド、ジエチルアミノエチルブロマイド、ジエチルアミノプロピルクロライド、ジプロピルアミノエチルブロマイド、ジプロピルアミノプロピルクロライド、1−ピロリジニルメチルクロライド、2−(1−ピロリジニル)エチルクロライド、3−(1−ピロリジニル)プロピルクロライド、1−ピペリジニルメチルクロライド、2−(1−ピペリジニル)エチルクロライド、3−(1−ピペリジニル)プロピルクロライド等並びにこれらの対応するエポキシドが挙げられる。
デキストラン(これは予めカルボキシアルキルエーテル化されていてもよい)のアミノアルキルエーテル化に使用し得る未置換もしくは置換アンモニオアルキルハライドもしくは対応するエポキシドとしては、例えば、化学式3が挙げられる。
化学式3において、Aはアルキレン基を表す。化学式3において、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アラルキル等)を表す。あるいは、R、RおよびRのうちの少なくとも2つが、それらが結合している窒素原子と一緒になって含窒素複素環(例えば、アジリジン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、インドール等)を形成していてもよい。Yは、ハロゲン原子または化学式2に示すエポキシ基を表す。また、Zはアニオンを表す。
化学式3において、好ましくは、Aが低級アルキレン基を表し、R、RおよびRがそれぞれ独立に水素原子または低級アルキル基を表すか、あるいはR、RおよびRのうちの少なくとも2つはそれらが結合している窒素原子と一緒になって5もしくは6員の含窒素複素環(例えば、ピロリジン、ピロリン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン等)を形成しているものが包含される。具体的には、例えば(ただし、アニオン部分の表現は省略して記載する)、2−クロロエチルトリメチルアンモニウム、2−クロロエチルトリエチルアンモニウム、2−クロロエチルトリプロピルアンモニウム、2−クロロエチルトリn−ブチルアンモニウム、3−クロロプロピルトリメチルアンモニウム、3−クロロプロピルトリエチルアンモニウム、3−クロロプロピルトリプロピルアンモニウム、3−クロロプロピルトリn−ブチルアンモニウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリn−ブチルアンモニウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリiso−ブチルアンモニウム、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウム、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリn−ブチルアンモニウム、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリiso−ブチルアンモニウム等並びにこれらの対応するエポキシドが挙げられる。
化学式1および化学式3のエーテル化剤の使用により、デキストランのヒドロキシ基が化学式4または化学式5で示されるアミノアルキルエーテル基に置換されたデキストランエーテル誘導体を得ることができる。
化学式4および化学式5において、AおよびAはそれぞれ場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよいアルキレン基を表し、R、R、R、R、RおよびZは、前述した定義の通りである。アミノアルキルエーテル基としては、特に、化学式6および化学式7で示されるものが好適である。
化学式6および化学式7において、A31およびA41はそれぞれ場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい低級アルキレン基を表す。また、R11およびR21はそれぞれ独立に水素原子または低級アルキル基を表すか、あるいはR11とR21はそれらが結合している窒素原子と一緒になって5もしくは6員の含窒素複素環を形成していてもよい。R31、R41およびR51は、それぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を表すか、あるいはR31、R41およびR51のうちの少なくとも2つはそれらが結合している窒素原子と一緒になって5もしくは6員の含窒素複素環を形成していてもよい。Zはアニオンを表す。
本発明において特に好適なデキストランのアミノアルキルエーテルとしては、ジメチルアミノメチルエーテル、ジエチルアミノエチルエーテル、ジプロピルアミノプロピルエーテル、ジエチルアミノプロピルエーテル、2−(1−ピロリジニル)エチルエーテル、トリメチルアンモニオエチルエーテル、トリエチルアンモニオエチルエーテル、トリプロピルアンモニオエチルエーテル、トリメチルアンモニオプロピルエーテル、トリエチルアンモニオプロピルエーテル、トリメチルアンモニオ−2−ハイドロキシプロピルエーテル、トリエチルアンモニオ−2−ハイドロキシプロピルエーテル等が挙げられる。デキストランアミノアルキルエーテルの未置換もしくは置換アミノ基は塩の形で存在することができ、その塩の中には、酸付加塩のみならず、前記化学式5または化学式7で示されるようなアンモニウム塩をも包含される。酸付加塩としては、無機酸塩として、例えば、塩酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩および硝酸塩等、有機酸塩として、例えば、ギ酸塩および酢酸塩等が挙げられる。なお、前記化学式5または化学式7で示されるようなアンモニウム塩の形態のアミノアルキルエーテル基を含むデキストランエーテル誘導体は、エーテル化剤として化学式3の化合物を用いて製造することができ、あるいは化学式1の化合物でエーテル化した後、そのアミノアルキルエーテル基のアミノ基を、例えば、未置換もしくは置換アルキルハライドと反応させることによりアンモニウム塩の形に変えることによって製造することもできる。更に、カルボキシアルキルエーテル基とアミノアルキルエーテル基の両置換基を有するデキストランエーテル誘導体は、カルボキシル基とアミノ基とが分子内で塩を形成していてもよい。
本発明に用いるデキストラン誘導体は、水溶性であることが望ましく、その極限粘度[η](lntrinsic viscosity)は一般に0.02〜0.5dl/g、好ましくは0.04〜0.2dl/g、更に好ましくは0.06〜0.1dl/gの範囲にあるとよい。本明細書において、デキストランエーテル誘導体の極限粘度は、次のように測定したときの値である。日本薬局方(第17改正、2016年)、一般試験法、第2.53項粘度測定法に記載されている方法に従って、25℃において測定する。その際に用いる溶媒は、塩の形態のデキストランエーテル誘導体の両置換基の対イオンと同じイオンからなる1M塩水溶液、通常は1M食塩水溶液である。所望の極限粘度をもつデキストランエーテル誘導体は、対応する極限粘度を持つデキストランを出発原料に用いるか、あるいは高粘度のデキストランエーテル誘導体を予め調製した後に低粘度化することにより得ることができる。
前記デキストラン誘導体は、アニオン性基およびカチオン性基の置換度(Degree of Substitution:DS)が、単糖あたり0.1〜0.5の範囲にあることが好ましく、当該範囲にあることで、両置換基に由来する好適な血中クリアランス性が得られる。デキストラン誘導体における両置換基の置換度が0.1より小さいと、両置換基による血液クリアランス性の向上効果が小さくなる。これに対して、デキストラン誘導体における両置換基の置換度が0.5より大きいと、疎水性の効果が高まり、水中での分散安定性が悪化するおそれがある。また、デキストラン誘導体の両置換基の置換度は、ほぼ同じ程度であることが好ましく、具体的には置換度の差、すなわち、(アミノアルキルエーテル基の置換度−カルボキシアルキルエーテル基の置換度)は、通常0.1未満、好ましくは0.07未満、更に好ましくは0.05未満であるのがよい。なお、本明細書において、置換度(DS)は単糖あたりの置換基の数を意味する。
本発明に係るデキストラン誘導体における両置換基の置換度は、例えば前記デキストランエーテル誘導体の場合、次のように測定することができる。デキストランエーテル誘導体のカルボキシアルキルエーテル基の置換度は、中間体であるアミノアルキルエーテル化する前のデキストランカルボキシアルキルエーテルを用いて測定することができる。すなわち、デキストランカルボキシアルキルエーテルの塩を水に溶解し、これを適当に希釈して測定試料液とする。試料液のカルボキシル基の対イオンである金属イオンの標準試料(濃度既知)について、日本薬局方(第17改正、2016年)、一般試験法、第2.23項原子吸光光度法に記載される方法により金属含量を測定し、デキストランカルボキシアルキルエーテルの置換度を計算する。デキストランエーテル誘導体のカルボキシアルキルエーテル基の置換度は、赤外線吸収法でも測定することができる。すなわち、カルボキシアルキルエーテル基の置換度を種々変えて作成したデキストランカルボキシアルキルエーテル試料について上記の原子吸光光度法で置換度を測定すると同時に、上記試料の赤外吸収スペクトルの1600cm-1付近のピークの吸光度を測定し、原子吸光光度法による置換度と赤外吸収スペクトルの1600cm-1付近のピークの吸光度との関係をプロットした標準曲線を作成しておき、置換度が未知のデキストランエーテル誘導体の赤外スペクトルの1600cm-1付近のピークの吸光度を読み取り、前記標準曲線に当てはめることにより、該未知試料の置換度を決定することができる。
アミノアルキルエーテル基の置換度の測定は、デキストランエーテル誘導体について、日本薬局方(第17改正、2016年)、一般試験法、第1.08項、窒素定量法に記載の方法に従って、その窒素含量を測定し、アミノアルキルエーテル基の置換度を計算する。
本発明に係る磁性粒子は、その粒子径がナノサイズにある。磁性粒子の粒子径は、10nm〜50nmの範囲、好ましくは10nm〜30nmの範囲にあるのが望ましく、この範囲にあることで、複合粒子を後述する全体径の範囲に収め易くなる。また、磁性粒子の粒子径が前記範囲にあることで、後述するT1緩和度およびT2緩和度を適切な範囲に調節することができると共に、生体に投与した際の安全性および代謝性や、複合体自体の物理的安定性を得ることができる。なお、磁性粒子の粒子径は、平均粒子径であり、動的光散乱法に従いレーザー光散乱測定装置によって測定した時の値である。
T1緩和度およびT2緩和度は、MRIに供した際の信号強度に関係することから特に重要な要素である。一般的に、酸化鉄粒子は、T1緩和度よりもT2緩和度が数倍〜10倍ほど高いことから、R2/R1の値は5〜10の範囲にあり、T2強調撮像法にて使用されている。本発明に係る磁性粒子は、T1緩和度(R1)が高く設定され、MRIにおけるT1強調撮像法において効果を発揮するようになっている。具体的には、磁性粒子は、T2緩和度(R2)/T1緩和度(R1)が5未満であり、より好ましくは3未満であることがよい。そして、T1緩和度およびT2緩和度が前記範囲にある磁性粒子を用いることで、当該磁性粒子から得られる複合体についても、R2/R1の値が前記範囲になる。このように、本発明に係る磁性粒子は、R2/R1の値が5未満であることで、得られる複合体について画像コントラストがより明瞭なT1強調撮像法に使用できる。なお、本明細書において、T1緩和度およびT2緩和度は全て0.47テスラにおける値である。
前記T1緩和度およびT2緩和度は、次のように求められる。ある濃度に希釈した磁性粒子について、NMRにてT1緩和時間およびT2緩和時間を測定する。得られたT1緩和時間およびT2緩和時間と濃度を以下の式1にあてはめた際に、定数となるR1のことをT1緩和度と呼び、R2のことをT2緩和度と呼ぶ。一般的に磁性の強いものほどT2緩和時間が短くなることから、T2緩和度が高い値となる。
1/Tx−1/Txc=Rx×C … 式1
Tx:磁性粒子のT1緩和時間またはT2緩和時間(秒)
Txc:磁性粒子が分散している溶媒のT1緩和時間またはT2緩和時間(秒)
C:磁性粒子の濃度(mmol/L)
Rx:T1緩和度(mM-1・s-1)またはT2緩和度
式1においてxは、T1緩和の場合「1」であり、T2緩和の場合「2」である。なお、測定するNMR機器の磁場強度によってT1緩和度およびT2緩和度の値が異なるので、本発明でのT1緩和度およびT2緩和度の値は全て0.47テスラで測定した場合の値である。
本発明に係る磁性粒子において、デキストラン誘導体と酸化鉄との比率は、酸化鉄粒子の粒径およびデキストラン誘導体の分子量に依存し、広い範囲内で変えることができる。本発明に係る磁性粒子は、デキストラン誘導体を酸化鉄中の金属1重量部当たり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、更に好ましくは1〜3重量部含有させるのがよい。なお、磁性粒子中の金属含量(当該金属は磁性粒子に含まれる酸化鉄に由来する)は、原子吸光光度法で測定したときの値である。磁性粒子に少量の水の存在下に塩酸を添加し、含まれる金属を完全に塩化物まで分解した後、適当に希釈し、各金属の基準液と比較して金属含量を決定している。また、磁性粒子中のデキストラン誘導体の含量は、Analytical Chem.,25,1656(1953)に準拠し、硫酸−アントロン法で測定したときの値である。すなわち、磁性粒子のゾルを適当に希釈した液に硫酸−アントロン試液を加えて発色させ、吸光度を測定する。同時に磁性粒子体の製造に用いたデキストラン誘導体を基準物質として、同様に発色させ、吸光度を測定し、両者の吸光度の比率から磁性粒子中のデキストラン誘導体の含量を求めている。
本発明に係る磁性粒子は、例えば次の2つの方法により製造することができる。第1の製造方法は、あらかじめ磁性粒子の芯部分になる酸化鉄を含む水性ゾルを調製し、デキストラン誘導体と反応させる方法である。第2の製造方法は、水系でデキストラン誘導体の存在下に2価の金属塩と3価の金属塩と塩基を撹拌下に混合及び反応させる方法である。
第1の製造方法においては、まず、酸化鉄を含む水性ゾル(以下、原料ゾルという)を調製し、これをデキストラン誘導体と反応させて磁性粒子を生成する。原料ゾル中の酸化鉄の粒径および磁性は得られる磁性粒子に含まれる酸化鉄とほとんど同じである。従って、目的に応じた物性を有する酸化鉄を含む原料ゾルをあらかじめ調製することが望ましい。酸化鉄を含む原料ゾルの調製は、例えば、アルカリ共沈法により行うことができる。具体的には、例えば、第1鉄鉱酸塩と第2鉄鉱酸塩をモル比で1:3〜2:1で含む水溶液とNaOH、KOH、NH4OH等の塩基とをpH7〜12になるように混合する。混合物を、必要なら加熱熟成し、次いで生成する酸化鉄の粒子を分離、水洗する。その後に、水に再分散し、塩酸等の鉱酸を液のpHが1〜3となるまで加えることにより、酸化鉄を含む水性ゾルを得ることができる。この水性ゾルは必要に応じて、透析、限外濾過、遠心分離等により精製および/または濃縮してもよい。前記原料ゾルは、特公昭42−24663号公報に開示されている方法によっても調製することができる。例えば、強塩基性イオン交換樹脂スラリーに撹拌下に、第1鉄塩と第2鉄塩を1:2のモル比で含む水溶液を、液のpHを8〜9に保ちながら添加する。その後に、塩酸等の鉱酸をpH1〜3になるまで加え、次いで樹脂を濾別し、必要により透析、限外濾過等により精製および/または濃縮すれば、磁性酸化鉄の水性ゾルが得られる。
原料ゾルとデキストラン誘導体の水溶液とを混合反応させることにより磁性粒子を生成することができる。具体的には、例えば、原料ゾルに含まれる酸化鉄1重量部(金属換算で)に対し、デキストラン誘導体を、1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部の割合で反応させる。反応液中の酸化鉄の濃度は、特に制限されるものではないが、通常、金属換算で0.1〜10w/v%、好ましくは1〜5w/v%の範囲内とするのがよい。反応は一般に室温〜120℃の範囲内において10分〜10時間行うことができるが、便宜的には1時間程度還流加熱すれば十分である。冷却後、必要に応じて精製および/または濃度調整を行ってもよい。例えば、得られる反応液にメタノール、エタノール、アセトン、エチルエーテル等の磁性粒子に対する貧溶媒を添加し、該磁性粒子を優先的に沈澱析出させ、析出物を分離し、次いで析出物を水に再溶解し、流水透析し、必要に応じて減圧濃縮し、所望の純度及び濃度を有する磁性粒子の水性ゾルを得ることができ、また、限外濾過により生成する磁性粒子から未反応デキストラン誘導体および低分子化合物を分離する操作を繰り返し、所望の純度及び濃度を有する磁性粒子の水性ゾルを得ることができる。この際、所望により、前記工程の途中および/または最後に、pH調整、遠心分離および/または濾過の工程を入れることもできる。こうして得られる磁性粒子の水性ゾルを既知の方法で乾燥し、好ましくは凍結乾燥することにより、磁性粒子を粉末として取得することもできる。
第2の製造方法は、水系でデキストラン誘導体の存在下に、2価の金属鉱酸塩及び3価の金属鉱酸塩の混合金属塩溶液と塩基溶液とを混合反応させ、1工程で磁性粒子を得る方法である。第2の製造方法は更に添加順序により、(A)デキストラン誘導体の水溶液に混合金属塩水溶液を添加し、次いで塩基水溶液を添加して反応させる方法、(B)デキストラン誘導体の水溶液に塩基水溶液を添加し、次いで混合金属塩水溶液を添加して反応させる方法、(C)塩基水溶液にデキストラン誘導体の水溶液と混合金属塩水溶液を添加して反応させる方法、(D)混合金属塩水溶液に塩基水溶液とデキストラン誘導体の水溶液の混液を添加して反応させる方法などに分類される。(A)〜(D)は、添加順序が相違するのみで、他の条件は本質的には変わらないが、少なくとも得られる磁性粒子の物性を幅広く変えられる点で(A)が好ましい。
前記混合金属塩水溶液の調製には、例えば、2価の金属塩が第1鉄でありかつ3価の金属塩が第2鉄の場合には、第1鉄塩と第2鉄塩とのモル比を1:4〜3:1、好ましくは1:3〜1:1の割合で水性媒体中に溶解する。混合金属塩水溶液の濃度は特に制限されないが、通常、0.1〜3M、好ましくは0.5〜2Mの範囲が適当である。金属塩としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸から選ばれる1種、通常塩酸との塩を挙げることができる。また、塩基としては、例えば、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物や、アンモニアや、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類等から選ばれる少なくとも1種、通常、NaOHを使用することができる。塩基水溶液の濃度も広範囲にわたり変えることができるが、通常、0.1〜10N、好ましくは1〜5Nの範囲内が適当である。使用する塩基の量は添加終了後の反応液のpHがほぼ中性ないしpH12になる量、すなわち金属塩と塩基との比が1:1〜1:1.4(規定比)となるような量である。
デキストラン誘導体の量は、用いる金属塩中の金属の重量を基準にして1〜15倍、好ましくは3〜10倍とすることができる。また、デキストラン誘導体水溶液の濃度も厳密に制限されるものではないが、通常、1〜30w/v%、好ましくは5〜20w/v%の範囲内が好適である。各水溶液の添加及び混合は、撹拌下に0〜100℃、好ましくは20〜80℃の非加熱又は加熱下に行うことができる。そして、必要ならば、塩基または酸を添加してpHを調整した後、50〜120℃の温度で10分〜5時間、通常1〜2時間加熱還流することにより反応させることができる。前述した混合および反応は、空気雰囲気下で行うことができるが、所望によりN2およびArガス等の不活性ガス、H2ガス等の還元性ガス、またはO2ガス等の酸化性ガスのもとで行ってもよい。こうして得られる反応液は前記第1の製造方法におけると同様に精製し、所望ならば、pH調整、濃縮、濾過、更には乾燥することができる。
前記第1の製造方法と第2の製造方法を比較すると、少なくとも工程の長さ及び多様な物性を有する磁性粒子を製造できる点で第2の製造方法が好ましい。また、第1の製造方法と第2の製造方法とを組み合わせてもよい。すなわち、予め調製された既知のデキストランもしくはデキストラン誘導体と酸化鉄とのゾルまたはデキストランで被覆した酸化鉄のゾルにデキストラン誘導体を添加し、所望により第1の製造方法におけると同様に加熱反応、精製、pH調整、濃縮、濾過、更には乾燥して、磁性粒子を製造することができる。この場合、デキストランで被覆した酸化鉄のゾルを既知の精製方法、例えば貧溶媒による再沈殿、ゲル濾過及び限外濾過等により、不純物、遊離のデキストランもしくはデキストラン誘導体を減らしたものを用いることができ、かつそれが好ましい。
本発明に係る複合体の成分であるアネキシンVは、哺乳類全般に存在するカルシウムおよびリン脂質に結合するタンパク質であって、アポトーシスを起こした細胞に特異的に結合する。アネキシンVとしては、比較的簡便かつ大量に調製できるため広く行われている遺伝子組換えにより発現させる方法により得られたものを用いることができ、その他の調整法によって得られるものも用いることができる。また、アネキシンVは、一般にタンパク質調製の際には精製を行い易くする目的から、タンパク質末端にHis-Tag等のラベル化を行うことがあるが、アネキシンVの末端にそのようなラベルがあっても構わない。
本発明に係る複合体は、磁性粒子上に存在するカルボキシル基とアネキシンV中に存在するアミノ基によるアミド結合によって、磁性粒子とアネキシンVとを結合させることで得るのが、最も単純である。磁性粒子とアネキシンVとの結合は、前記アミド結合に限らず、リンカー等を介して間接的に結合させてもよい。具体的には、磁性粒子上に存在するカルボキシル基を各種の縮合剤とN-ヒドロキシコハク酸イミドなどを反応させて活性エステル化した後にアネキシンVを加えることで、比較的温和な条件下でアミド結合を形成させることができる。また、リンカーを使用する場合は、例えば両端にアミノ基を有する二官能性リンカー等を用いることで、上記と同様なアミド結合反応により、第一に磁性粒子とリンカーを結合、第二にリンカーとアネキシンVを結合するといった、2段階的な結合を行うこともできる。
本発明に係る複合体において、アネキシンVの結合量は、磁性粒子の鉄1mg当たり、1mg〜5mgの範囲が好ましく、1mg〜3mgの範囲であることがより好ましい。磁性粒子の好適な粒子サイズが前述した範囲にあることから、磁性粒子と結合できるアネキシンVの量には限度があり、また、目的部位との相互作用の観点から前述した結合量に調節することが望ましい。複合体は、磁性粒子1個あたりに適切な量のアネキシンVが結合しているので、アポトーシスを起こした細胞など、目的部位への高集積に有利となる。なお、アネキシンVの結合量は全ての磁性粒子に対して均一とは限らず、あくまで平均量を意味する。また、複合体におけるアネキシンVの重量は、一般的なタンパク質定量法、例えばBCA法等で測定することができる。
本発明に係る複合体の全体径は、磁性粒子の粒子径(直径)とアネキシンVのサイズ(5nm)との和となるので、具体的には磁性粒子の平均粒子径プラス10nm程度の大きさとなる。そして、複合体は、その全体径が、20nm〜60nmの範囲、より好ましくは20nm〜50nmの範囲にあることがよく、当該範囲にあることで、後述するT1緩和度およびT2緩和度を適切な範囲に調節することができると共に、生体に投与した際の安全性および代謝性や、複合体自体の物理的安定性を得ることができる。複合体の全体径を20nmより小さくすることは、磁性粒子の小径化の限界などにより実質的にできない。なお、複合体の全体径は、平均粒子径であり、動的光散乱法に従いレーザー光散乱測定装置によって測定した時の値である。
本発明に係る複合体において、該複合体自体が有する磁気的性質は磁性粒子に起因するものであり、アネキシンVが結合することにより磁性粒子が元々有している磁気的性質が特に影響を受けることはない。複合体は、4℃で調節された暗所で保存した場合、少なくとも5ヶ月間はアネキシンVの活性は損なわれず、また、複合体の分散安定性も保持される。複合体には、更に分散安定性を向上させるために分散安定化剤やタンパク質安定化剤等を添加してもよい。本発明に係る複合体を生体に静脈投与すると、徐々に肝臓等で代謝されて行くものの、少なくとも数時間の間はその半量以上が血管内を循環する。この血管内循環の間にアポトーシス細胞への集積が起こり、集積した部分をMRIで描出することができる。また、本発明に係る複合体を500μmol-Fe/kgのような高用量で生体に投与した場合であっても、生体にとって毒性は認められない。
特許文献1に示すような100nmを超える大きな直径の造影剤は、分散安定性が著しく低下するので沈降してしまい、生体内に投与する薬剤として用いることができない。これに対して、本発明に係る複合体は、全体径が適切な範囲に調整されているので、複合体の分散安定性が良好であり、保存安定性が高い。また、複合体は、全体径の調整により、従来の造影剤と比べて、細網内皮系(肝臓、脾臓による外的異物の排除機構)に取り込まれない回避性や、目的部位への結合能が向上しており、複合体を生体に投与した際に、目的部位に高集積するので、MRI等の画像診断法で鮮明に撮像することができる。このように、複合体は、生体に投与する造影剤として実用性を有している。
MRIを撮像する際の撮像方法(T1もしくはT2)は、腫瘍(濃灰-黒色に写る)を対象に撮像することから、造影剤の集積部位が白くなるT1強調撮像を用いると判別がし易い。しかしながら、従来提案されている磁性粒子系のMRI造影剤は、T2効果が非常に高く、T1強調撮像には不向きという欠点がある。本発明に係る複合体は、T2緩和度(R2)/T1緩和度(R1)が5未満であり、T1効果を高めてあることから、MRI等の画像診断において画像コントラストがより明瞭なT1強調撮像法での使用が可能となる。このように、本発明に係る複合体は、T1強調撮像法において用いることができる実用性を有している。
(カルボキシメチル/ジエチルアミノエチル化デキストラン(CMEAD)の調製)
平均分子量約1万の還元型デキストラン500gを水1Lに溶解し、これに水酸化ナトリウム95g及びモノクロロ酢酸115gを約30℃以下で加えた後、60℃で2時間攪拌する。冷却後、水を加え2Lに調整した後、メタノール4Lを攪拌下に添加し、目的物を析出させる。析出させた目的物を水0.75Lに再溶解し、メタノール3Lを加えて目的物を得る操作を3回行い、得られた目的物を水1Lに溶解し、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整する。減圧濃縮し、凍結乾燥してデキストランのカルボキシメチルエーテル・ナトリウム塩(以下、CMDという)を得る。
100gのCMDを水300mLに溶解し、これに水酸化ナトリウム23g及びジエチルアミノエチル塩酸塩35gを約30℃以下で加えた後、約65℃で1.5時間攪拌する。冷却後、塩酸を用いてpHを7に調整した後、水を加えて500mLに調整する。これにメタノール1.1Lを攪拌下に添加し、目的物を析出させる。析出させた目的物に水を加えて400mLとし、メタノール370mLを加えて目的物を得る操作を2回行い、得られた目的物に水を加えて300mLとする。これを1.2Lのメタノールに攪拌しながら添加し、細かい目的物とさせた後、ガラスフィルターで濾過回収し、減圧乾燥してデキストランのカルボキシメチルエーテル/ジエチルアミノエチル化物(以下、CMEADという)を得る。
(磁性粒子の合成)
前述のように得られたCMEAD3.8gを水に溶解し、ここに予め調製した塩化鉄(II/塩化鉄(III)=1:2の1M水溶液14mLを80℃、窒素雰囲気下で撹拌混合する。その後、80℃で撹拌を維持しながら、3M水酸化ナトリウム水溶液25.6mLを混合する。混合終了後、塩酸で中和し、続いて還流を1.5時間実施する。冷却後、溶液を遠心処理(1880G、60分)し、上清を回収する。上清を限外ろ過(分画分子量50,000Da)で精製し、目的の磁性粒子水溶液(以下、CMEADMという)95mLを得た。なお、実施例の磁性粒子は、鉄濃度が14.2mg/mL、0.47テスラにおけるR1が32mM-1・s-1、R2が61mM-1・s-1、R2/R1が1.9である。なお、反応条件を適宜調節することで、平均粒子径の異なるCMEADMを得ることができる。
(未修飾デキストランで被覆された磁性粒子の合成)
平均分子量1万のデキストラン14.2gを水に溶解し、ここに予め調製した塩化鉄(II/塩化鉄(III)=1:2の1M水溶液22mLを80℃、窒素雰囲気下で撹拌混合する。その後、80℃で撹拌を維持しながら、3M水酸化ナトリウム水溶液35mLを混合する。混合終了後、塩酸で中和し、続いて還流を1.5時間実施する。冷却後、溶液を遠心処理(1880G、60分)し、上清を回収する。上清を限外ろ過(分画分子量50,000Da)で精製し、再度遠心処理することで、参考例に係る未修飾デキストランで被覆された磁性粒子水溶液80mLを得た。なお、参考例の磁性粒子は、鉄濃度が14.2mg/mL、平均粒子径が64nm、0.47テスラにおけるR1が13mM-1・s-1、R2が72mM-1・s-1、R2/R1が5.5である。
(複合体番号1)
平均粒子径19nmの実施例に係るCMEADM(鉄濃度1.0mg/mL)6.0mLにN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、水溶性カルボジイミド(WSC)を加え、40℃で30分間反応する。ここにアネキシンV23.6mgを加え、40℃で5時間反応する。その後、0.01Mホウ酸バッファー(pH8.0)を加え、限外濾過(ザルトリウスVIVASPIN20 分画分子量100kDa)で精製し、最終的に6.0mLに調整して複合体番号1に係る複合体を得た。得られた複合体番号1の複合体について、BCAタンパク定量法(Pierce BCA Protein Assay kit)によりアネキシンV含量を測定した。また、動的光散乱法(マルバーン、ゼータサイザーナノZS)により全体径を測定した。複合体番号1の複合体は、鉄濃度が1.0mg/mL、全体径が31nm、アネキシンVの結合量が2.7mg/mg−Feである。
(複合体番号2)
平均粒子径35nmの実施例に係るCMEADMを用い、アネキシンVの添加量を14.3mgとする以外は複合体番号1と同様の操作を行うことにより、複合体番号2の複合体を得た。複合体番号2の複合体は、鉄濃度が1.0mg/mL、全体径が47nm、アネキシンVの結合量が1.9mg/mg−Feである。
(複合体番号3)
平均粒子径66nmの実施例に係るCMEADMを用い、アネキシンVの添加量を13.2mgとする以外は複合体番号1と同様の操作を行うことにより、複合体番号3の複合体を得た。複合体番号3の複合体は、鉄濃度が1.0mg/mL、全体径が76nm、アネキシンVの結合量が1.7mg/mg−Feである。
(複合体番号4)
前述した参考例の磁性粒子(鉄濃度1.0mg/mL)5.0mLに、過ヨウ素酸ナトリウム0.3mg添加し、25℃で1時間反応する。その後、アネキシンV 8.2mgを添加し3時間反応した後、水素化ホウ素ナトリウムを添加し反応を終了する。0.01Mホウ酸バッファー(pH9.2)を加え、限外濾過(ザルトリウスVIVASPIN20 分画分子量100kDa)で精製し、最終的に5.0mLに調整して、複合体番号4の複合体を得た。複合体番号4の複合体は、鉄濃度が1.0mg/mL、全体径が67nm、アネキシンVの結合量が1.7mg/mg−Feである。
複合体番号1〜4は、全体径、R2/R1の値およびアネキシンVの結合量が、表1の通りである。
(試験1:in vitro試験)
Jurkat細胞(理研バイオリソースセンター、RBRC-RCB3052)を培養し、5×107個/mLの濃度まで増殖した。ここにカンプトテシンが15μMとなるように添加して6時間インキュベートし、アポトーシスを誘導した。細胞を冷たいリン酸緩衝生理食塩水(冷PBS(−))で2回洗浄した後、複合体番号1〜4およびコントロール(磁性粒子)をいずれも濃度を100μg-Fe/mLに希釈して50μL添加し、26℃で1時間インキュベートした。遠心分離にて未結合の複合体を上清に分離し、さらに洗浄操作を2回繰り返し、細胞のみを回収した。回収した細胞をTD−NMR(ブルカー製、0.47T−ミニスペックmq20)に供し、T2緩和時間を測定し、得られたT2緩和時間から細胞に結合した複合体の鉄濃度を計算した。その結果を図3に示す。図3に示すように、平均粒子径(全体径)が小さい複合体ほど多くの量が細胞に結合することが明らかである。
(試験2:マウス/MRI撮像試験)
複合体番号1〜3の複合体を、アポトーシス誘導腫瘍マウスに静脈内投与した後、24時間、48時間経過時点でT1強調のMRI撮像(測定機器:DSファーマバイオメディカル製、1.5T-MR VivoL VA)を行った。なお、複合体の投与量は、何れも500μmol-Fe/kgである。表2に投与前/後での腫瘍部分の信号強度比を示す、図4〜図12にT1強調画像を示す。
表2および図4〜図12に示すように、複合体番号1および2の比較的全体径が小さいものは、腫瘍部分の信号上昇が確認できたが、複合体番号3のように比較的全体径が大きいものは、腫瘍部分の信号上昇は確認できなかった。
(試験3:マウス/MRI撮像試験(投与量減))
複合体番号1を、アポトーシス誘導腫瘍マウスに静脈内投与した後、2、4、6、24時間経過時点でT1強調のMRI撮像(測定機器:DSファーマバイオメディカル製、1.5T-MR VivoL VA)を行った。なお、複合体の投与量は、100μmol-Fe/kgである。表3に投与前/後での腫瘍部分の信号強度比を示す、図13および図14にT1強調画像を示す。
表3および図13および図14に示すように、複合体の投与量を少なくしても腫瘍部分の信号上昇を確認できる。
(試験4:保存安定性試験(複合体の分散安定性))
前記複合体番号1〜4の合成方法に従い、複合体番号5〜8を合成した上で、それら複合体を温度40℃、湿度75%の環境で保存し、分散安定性を比較した。試験4の結果を表4に示す。なお、合成法は、複合体番号5が複合体番号1に対応し、複合体番号6が複合体番号2に対応し、複合体番号7が複合体番号3に対応し、複合体番号8が複合体番号4に対応している。
表4に示すように、CMEADMを原料とした複合体番号5〜7は、未修飾デキストランで被覆された磁性粒子を原料とした複合体番号8と比べて、分散安定性が高いことが示された。また、複合体の全体径が小さいものほど分散安定性が高い傾向にある。

Claims (4)

  1. デキストラン誘導体で被覆された酸化鉄からなるナノサイズの磁性粒子と、該磁性粒子と結合されたアネキシンVとで構成され、
    複合体全体の直径が、20nm〜60nmの範囲にある
    ことを特徴とする複合体。
  2. 前記磁性粒子は、0.47テスラにおけるT2緩和度と0.47テスラにおけるT1緩和度との比の値が、5未満である請求項1記載の複合体。
  3. 前記アネキシンVが、前記磁性粒子の鉄1mgに対して、1mg〜5mgの範囲で結合している請求項1または2記載の複合体。
  4. 前記デキストラン誘導体は、カルボキシアルキルエーテル基とアミノアルキルエーテル基とを有している請求項1〜3の何れか一項に記載の複合体。
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