JP2019193732A - 被検体情報取得装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光音響測定において、簡易な手法で安定した濃度情報を取得する。【解決手段】光出射部から出射された第1の波長を持つ第1の光と第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、第1の光に対応する第1の信号と、第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、光出射部から出射された光が照射される照射面における、第1の光と第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、光量比分布と、第1の信号および第2の信号を用いて、被検体内部における物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部を備え、濃度情報取得部は、被検体内部の第1の位置における光量比として、照射面内において第1の位置に対応する位置である第2の位置における光量比に基づく値を割り当てる被検体情報取得装置。【選択図】図1
Description
本発明は、被検体情報取得装置に関する。
光を用いたイメージング技術の一つとして、光音響イメージング技術がある。光音響イメージングでは、まず、光源から発生したパルス光が被検体に照射される。被検体内の光吸収体が、被検体内で伝搬・拡散した照射光のエネルギーを吸収すると、音響波(以降、光音響波と呼ぶ)が発生する。トランスデューサは、この光音響波を受信して受信信号に変換する。そして、信号処理装置が受信信号を解析処理することで、被検体内部の光学特性値に関する情報を取得する。これにより、被検体内の光吸収に関連する特性値分布が可視化される。
また、互いに異なる波長を有する光を被検体に照射することにより、被検体内に存在する物質(光吸収体)の濃度に関する分布を取得できる。特に、互いに異なる波長を有する光を被検体に照射し、各波長において血管内の血液の光吸収に関する情報分布を取得することにより、オキシヘモグロビンHbOとデオキシヘモグロビンHbとの濃度を取得し、さらに血液の酸素飽和度を取得できる。例えば、2波長の光を用いた場合、酸素飽和度分布SO2(r)は次式(1)で求められる。
ここで、μa(λ1)(r)は、ある位置rでの波長λ1における吸収係数、μa(λ2)(r)は、ある位置rでの波長λ2における吸収係数を示す。ここで、rは位置座標を示す。また、εHb0(λ1)は、波長λ1におけるオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb(λ1)は、波長λ1におけるデオキシヘモグロビンのモル吸光係数を示す。εHb0(λ2)は、波長λ2におけるオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb(λ2)は、波長λ2におけるデオキシヘモグロビンのモル吸光係数を示す。
ここで、ヘモグロビンの光学特性に関する値、すなわち、εHb0(λ1)、εHb(λ
1)、εHb0(λ2)、εHb(λ2)は既知の値である。したがって、式(1)の形で表
現された血液の酸素飽和度を求めるためには、2波長における吸収係数の比が分かれば良い。
1)、εHb0(λ2)、εHb(λ2)は既知の値である。したがって、式(1)の形で表
現された血液の酸素飽和度を求めるためには、2波長における吸収係数の比が分かれば良い。
一方、光吸収により被検体内の吸収体から発生する光音響波の初期音圧分布(P0(r))は次式(2)で表される。
ここで、Γ(r)は、ある位置rでのグリューナイセン(Gruneisen)係数であり、体積膨張係数(β)と音速(c)の二乗との積を定圧比熱(Cp)で除したものであり、一般的に、位置に依存するが光の波長には依存しない。μa(r)は、ある位置r
での吸収係数である。Φ(r)は、ある位置rでの光量である。ここで言う光量は、吸収体に照射された後の被検体内での光量であり、光フルエンスとも呼ばれる。
式(2)より、ある位置rでの初期音圧(P0(r))は、光音響波を受信した探触子から出力される受信信号(PA信号)を用いて算出できることが分かる。
ここで、Γ(r)は、ある位置rでのグリューナイセン(Gruneisen)係数であり、体積膨張係数(β)と音速(c)の二乗との積を定圧比熱(Cp)で除したものであり、一般的に、位置に依存するが光の波長には依存しない。μa(r)は、ある位置r
での吸収係数である。Φ(r)は、ある位置rでの光量である。ここで言う光量は、吸収体に照射された後の被検体内での光量であり、光フルエンスとも呼ばれる。
式(2)より、ある位置rでの初期音圧(P0(r))は、光音響波を受信した探触子から出力される受信信号(PA信号)を用いて算出できることが分かる。
式(2)より、2波長における吸収係数比の値は以下のように表現される。
式(3)より、ある位置rでの吸収係数の比の値を得るためには、波長λ1における光量Φλ1と波長λ2におけるΦλ2との比である係数αを求める必要がある。
式(3)より、ある位置rでの吸収係数の比の値を得るためには、波長λ1における光量Φλ1と波長λ2におけるΦλ2との比である係数αを求める必要がある。
特許文献1には、波長ごとの光量を含む関係式で表現可能な値を係数αと規定し、係数αと受信信号から初期音圧であるP0を求めることで、酸素飽和度が算出できることが開示されている。
特許文献1のような方法の場合、光量比がほぼ同一である領域においては、一つの係数αにより酸素飽和度を算出できる。特許文献1においては、例えば測定対象が動脈であれば酸素飽和度の値を98%などと予測した上で、ユーザーが係数αを任意に設定する。そして、係数αの値を振りながら測定対象の値が予測値になるように調整する。したがってこの方法では、ユーザーの技量や熟練度によって酸素飽和度の値が変わるおそれがある。
また、係数を用いずに精度良く酸素飽和度を算出するためには、被検体内の光量分布を波長ごとに算出する方法もある。しかしこの方法では、被検体内部での散乱や吸収を考慮した複雑な演算が必要である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、光音響測定において、簡易な手法で安定した濃度情報を取得することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備え、
前記濃度情報取得部は、前記被検体内部の第1の位置における前記光量比として、前記
照射面内において前記第1の位置に対応する位置である第2の位置における前記光量比に基づく値を割り当てる
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備え、
前記濃度情報取得部は、
前記第1の信号から前記第1の光に対応する第1の初期音圧分布を取得し、前記第2の信号から前記第2の光に対応する第2の初期音圧分布を取得し、
前記被検体内部の第1の位置における光量として、前記照射面内において前記第1の位置に対応する位置である第2の位置における光量に基づく値を割り当て、
割り当てられた前記光量によって前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布を補正し、補正された前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布を用いて前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備えることを特徴とする被検体情報取得装置である。
光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備え、
前記濃度情報取得部は、前記被検体内部の第1の位置における前記光量比として、前記
照射面内において前記第1の位置に対応する位置である第2の位置における前記光量比に基づく値を割り当てる
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備え、
前記濃度情報取得部は、
前記第1の信号から前記第1の光に対応する第1の初期音圧分布を取得し、前記第2の信号から前記第2の光に対応する第2の初期音圧分布を取得し、
前記被検体内部の第1の位置における光量として、前記照射面内において前記第1の位置に対応する位置である第2の位置における光量に基づく値を割り当て、
割り当てられた前記光量によって前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布を補正し、補正された前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布を用いて前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備えることを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明によれば、光音響測定において、簡易な手法で安定した濃度情報を取得することができる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝搬する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した記憶媒体としても捉えられる。記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体であって良い。
本発明の被検体情報取得装置には、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響イメージング装置を含む。この場合、特性情報とは、光音響波を受信することにより得られる受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
光音響測定により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収率を反映した値である。例えば、単一の波長の光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数を含む。また、互いに異なる複数の波長により得られる特性情報から、組織を構成する物質の濃度を取得できる。物質濃度としてオキシヘモグロビン濃度とデオキシヘモグロビン濃度を求めることにより、酸素飽和度分布情報を算出できる。また、物質濃度としては、トータルヘモグロビン濃度、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率なども求められる。
被検体内の複数の位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。トランスデューサ等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。
なお、以下の実施形態における被検体情報取得装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体としては生体の一部、具体的には人や動物の一部位(乳房、臓器、循環器、消化器、骨、筋肉、脂肪等)の検査対象が想定される。また、検査対象の物質としては、ヘモグロビン、グルコース、また、体内に存在する水、メラニン、コラーゲン、脂質などを含む。さらには、体内に投与されたICG(インドシアニン・グリーン)等の造影剤等、光の吸収スペクトルが特徴的な物質であればよい。また、ファントムなどの無生物を被検体としても良い。
以下の実施形態では、被検体情報取得装置として、被検体にパルス光を照射し、光音響効果により被検体から音響波を受信し解析する事により被検体内の光吸収体の分布情報を
取得する光音響装置を取り上げる。被検体として被検者の乳房を想定する。ただし被検体は乳房に限られず、被検者の四肢など他の部位、ヒト以外の動物、無生物、ファントムなども考えられる。以下の実施形態における被検体情報取得装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などに好適である。
取得する光音響装置を取り上げる。被検体として被検者の乳房を想定する。ただし被検体は乳房に限られず、被検者の四肢など他の部位、ヒト以外の動物、無生物、ファントムなども考えられる。以下の実施形態における被検体情報取得装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などに好適である。
[実施形態1]
以下、第1の実施形態の被検体情報取得装置の構成及び処理について説明する。図中、同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。
以下、第1の実施形態の被検体情報取得装置の構成及び処理について説明する。図中、同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。
(全体的な装置構成)
図1は本実施形態の光音響装置の構成を示す模式図である。光音響装置は、少なくとも、光源001、光音響波を受信する変換素子006を備える探触子011、変換素子006から出力される受信信号を用いて被検体004内の特性値情報を取得する信号処理部010、照射される異なる波長の光量比の分布を算出する光量比分布取得部007を備える。
図1は本実施形態の光音響装置の構成を示す模式図である。光音響装置は、少なくとも、光源001、光音響波を受信する変換素子006を備える探触子011、変換素子006から出力される受信信号を用いて被検体004内の特性値情報を取得する信号処理部010、照射される異なる波長の光量比の分布を算出する光量比分布取得部007を備える。
光源001からの光は光導波部002により光出射部003に導かれ、光出射部003から出射される。酸素飽和度を測定する場合、光源001は、互いに異なる波長を有する複数のパルス光を別々のタイミングで出力する。光出射部003から出射された照射光は被検体004に照射される。照射光は、被検体004内を伝搬し、測定対象部位としての光吸収体005に到達する。ここでは光吸収体005は、オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、血液、血管、血管を多く含む腫瘍、などである。光吸収体005が互いに異なる波長それぞれの光のエネルギーを吸収するごとに、光音響波が発生する。発生した光音響波は、被検体004内を伝搬し変換素子006に到達し、受信信号に変換される。
光量比分布取得部007は、被検体004に照射された複数の互いに異なる波長の光の、光量比の分布を算出する。被検体004の光音響波を効率よく取得するため、被検体004を保持する保持部008が変換素子006と被検体004の間に設置され、保持部008と変換素子006の間には音響整合液009が満たされている。複数の変換素子006の各々は、光音響波を受信して時系列のアナログ受信信号を出力する。
信号取得部022は、出力されたアナログ受信信号に対して、増幅器によるアナログ信号の増幅やAD変換器によるデジタル変換を行う。信号処理部010には、照射されたパルス光分のデジタル受信信号(以下、受信信号)が順次入力される。受信信号は、いったんメモリに保存し、必要に応じて信号処理部010が読み出すようにしても良い。信号処理部010は、入力された受信信号を用いて、被検体004内の特性値情報を生成する。なお、探触子011内にアナログ信号の増幅器を設けてもよい。これにより、少なくとも、第1の光に対応する第1の信号と、第2の光に対応する第2の信号と、が取得できる
なお、受信信号の符号化を行う場合、光源001が、互いに異なる複数波長を有する複数のパルス光を同時に出力するタイミングが存在してもよい。光源001は、互いに異なる波長のそれぞれを異なる符号系列に対応する強度変調光を出力することにより、受信信号の符号化を行うことができる。この場合、信号処理部010が、符号化された受信信号に対して、上記符号系列に関する情報に基づいた復号化処理を行うことにより、複数波長のそれぞれに対応する受信信号を復号することができる。
なお、受信信号の符号化を行う場合、光源001が、互いに異なる複数波長を有する複数のパルス光を同時に出力するタイミングが存在してもよい。光源001は、互いに異なる波長のそれぞれを異なる符号系列に対応する強度変調光を出力することにより、受信信号の符号化を行うことができる。この場合、信号処理部010が、符号化された受信信号に対して、上記符号系列に関する情報に基づいた復号化処理を行うことにより、複数波長のそれぞれに対応する受信信号を復号することができる。
なお、光音響装置が光音響顕微鏡等である場合は、探触子011が備える変換素子006は1つでもよい。ただし、光音響装置が乳房等の被検体004を検査する被検体情報取得装置である場合は、探触子011が複数の変換素子006を備えることが好ましい。特に、被検体004内の特性値情報の算出精度を高めるには、複数の変換素子006を、球状、半球状あるいは円柱状に、三次元的に密に配置することが好ましい。ただし本発明は
、ハンドヘルド型などの光音響装置にも適用可能である。
、ハンドヘルド型などの光音響装置にも適用可能である。
(光源001)
光源001としては、ナノ秒からマイクロ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。具体的なパルス幅としては、1〜100ナノ秒程度が好ましい。また、波長としては400nmから1600nm程度の範囲が好適に使われる。特に、生体の深部をイメージングする際には、生体を構成する成分のうち検査対象とする特定の物質(例えばヘモグロビン)に吸収され、かつ、他の物質において吸収が少ない波長の光を用いる。具体的には、700nmから1100nmの領域が好ましい。一方、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域を用いることが好ましい。ただし、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
光源001としては、ナノ秒からマイクロ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。具体的なパルス幅としては、1〜100ナノ秒程度が好ましい。また、波長としては400nmから1600nm程度の範囲が好適に使われる。特に、生体の深部をイメージングする際には、生体を構成する成分のうち検査対象とする特定の物質(例えばヘモグロビン)に吸収され、かつ、他の物質において吸収が少ない波長の光を用いる。具体的には、700nmから1100nmの領域が好ましい。一方、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域を用いることが好ましい。ただし、テラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
具体的な光源001としては、高出力が可能となるレーザーが好ましい。本実施形態では複数波長の光を用いるため、発振する波長の変換が可能なレーザーがより好ましい。ただし、互いに異なる波長の光を発振する複数台のレーザーを、発振切り替えを行いながら用いることも可能である。複数台のレーザーを用いた場合もそれらをまとめて光源001として表現する。光源は、少なくとも、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光とを出力できる。また、3つ以上の波長の光を出射可能であってもよい。
レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用できる。特に、Nd:YAGレーザーやアレクサンドライトレーザーなどのパルスレーザーが好ましい。また、Nd:YAGレーザー光を励起光とするTi:saレーザーやOPO(Optical Parametric Oscillators)レーザーを用いてもよい。また、レーザーの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプなども利用できる。
(光導波部002、光出射部003)
光導波部002と光出射部003は、光源001から被検体004に光を伝達する。光導波部002及び光出射部003としては、レンズ、ミラー、光ファイバ等の光学素子を使用できる。ただし、光源001から直接被検体004に光照射することも可能である。また、乳房等を検査対象とする生体情報取得装置においては、光出射部003はレンズ等によりビーム光の径を広げて照射することが好ましい。一方、光音響顕微鏡においては、解像度を上げるためにレンズ等でビーム光の径をフォーカスして照射することが好ましい。また、光出射部003を被検体004に対して移動してもよく、これにより被検体004の広い範囲のイメージングが可能になる。
光導波部002と光出射部003は、光源001から被検体004に光を伝達する。光導波部002及び光出射部003としては、レンズ、ミラー、光ファイバ等の光学素子を使用できる。ただし、光源001から直接被検体004に光照射することも可能である。また、乳房等を検査対象とする生体情報取得装置においては、光出射部003はレンズ等によりビーム光の径を広げて照射することが好ましい。一方、光音響顕微鏡においては、解像度を上げるためにレンズ等でビーム光の径をフォーカスして照射することが好ましい。また、光出射部003を被検体004に対して移動してもよく、これにより被検体004の広い範囲のイメージングが可能になる。
(探触子011)
探触子011は1つ以上の変換素子006を備える。変換素子006は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電現象を用いた圧電素子、光の共振を用いた変換素子006、CMUT等の静電容量型の変換素子006など、音響波を受信して電気信号に変換できるものであればどのようなタイプでもよい。探触子011が複数の変換素子006を備える場合は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイ、アーク型アレイ、半球型アレイと呼ばれる、平面又は曲面内に複数の素子を並べる配置が好ましい。
探触子011は1つ以上の変換素子006を備える。変換素子006は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電現象を用いた圧電素子、光の共振を用いた変換素子006、CMUT等の静電容量型の変換素子006など、音響波を受信して電気信号に変換できるものであればどのようなタイプでもよい。探触子011が複数の変換素子006を備える場合は、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイ、アーク型アレイ、半球型アレイと呼ばれる、平面又は曲面内に複数の素子を並べる配置が好ましい。
また、乳房等を検査する生体情報取得装置の場合は、広い範囲のイメージングを行うため、探触子011が、被検体004に対して機械的に移動可能であることが好ましい。ハンドヘルド型の探触子011の場合は、ユーザーが探触子011を把持して動かしてもよい。光音響顕微鏡の場合は、探触子011はフォーカス型の探触子011とすることが好ましく、探触子011は被検体004の表面に沿って機械的に移動することが好ましい。
また、照射光の照射位置と探触子011とは同期して移動することが好ましい。本実施形態では、光出射部003は半球形の探触子011の中央部に設置されている。探触子011は、移動制御部013の制御に従い、移動機構012によって二次元平面上を移動する。移動機構012は、モータやソレノイドなどの動力源と、XYステージや直動ボールねじなどの動作部を備える。これにより、被検体004の表面と、それぞれの変換素子006との相対位置を、位置に制御できる。
(保持部008)
検査対象の情報を正確に取得するために、保持部008を設置し撮像中の被検体004を固定するのが好ましい。保持部008の材料としては、照射光や光音響波を伝搬するものが好ましい。例えば、アクリル、ポリカーボネート、PET等の透明の樹脂や、シリコーンゴム、天然ゴム、ウレタンゴム等のゴムシート、また、広範囲に均一な開口が設けられているメッシュ素材などの材料が使用できる。薄いシート状の部材と、金属等で形成された強度の高い骨格部材とを組み合わせてもよい。
検査対象の情報を正確に取得するために、保持部008を設置し撮像中の被検体004を固定するのが好ましい。保持部008の材料としては、照射光や光音響波を伝搬するものが好ましい。例えば、アクリル、ポリカーボネート、PET等の透明の樹脂や、シリコーンゴム、天然ゴム、ウレタンゴム等のゴムシート、また、広範囲に均一な開口が設けられているメッシュ素材などの材料が使用できる。薄いシート状の部材と、金属等で形成された強度の高い骨格部材とを組み合わせてもよい。
また、光の照射量の見積もりや、光吸収体005からの音響波の変化の推定を容易にするためには、被検体004を任意の形状に固定できることが好ましい。これにより検査対象の情報をより正確に取得できる。たとえば、乳房等の凸形状の被検体004に対しては、探触子011側に突き出たカップ形状の保持部008が好ましい。また、手のひらや足裏等の平面形状の被検体004に対しては、平板形状の保持部008が好ましい。本実施形態では、移動機構012の走査面と並行な平面PET板を保持部008として使用しているため、変換素子006と光出射部003は被検体004と常に同じ距離に保たれる。
なお、保持部008は必ず必要というものではない。また、被検体004の形状情報は、保持部008を用いる以外の手法でも取得可能である。別の手法として例えば、カメラ撮影による画像処理や、被検体004の皮膚や皮膚表面付近の血管からの音響情報から被検体004形状を推定する手法や、超音波を送受信する方法がある。
(音響整合液009)
音響整合液009は、被検体004(または保持部008)と探触子011を音響的に整合させる。したがって音響整合液009としては、音響波を伝搬し、かつ探触子011の走査を妨げないものが好ましい。例えば、水、DIDS(セバシン酸ジイソデシルエステル)、PEG(ポリエチレングリコール)、シリコーンオイル、ひまし油などの液体が挙げられる。本実施形態では水を使用している。また、保持部008と被検体004の間にも、水やジェルなどの音響整合材を配置してよい。
音響整合液009は、被検体004(または保持部008)と探触子011を音響的に整合させる。したがって音響整合液009としては、音響波を伝搬し、かつ探触子011の走査を妨げないものが好ましい。例えば、水、DIDS(セバシン酸ジイソデシルエステル)、PEG(ポリエチレングリコール)、シリコーンオイル、ひまし油などの液体が挙げられる。本実施形態では水を使用している。また、保持部008と被検体004の間にも、水やジェルなどの音響整合材を配置してよい。
(表示部014)
表示部014である表示部014には、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)、有機ELディスプレイ等のディスプレイを利用できる。なお、表示部014は、本実施形態の光音響装置が備える構成とはせずに、別に用意して光音響装置に接続しても良い。
表示部014である表示部014には、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)、有機ELディスプレイ等のディスプレイを利用できる。なお、表示部014は、本実施形態の光音響装置が備える構成とはせずに、別に用意して光音響装置に接続しても良い。
(情報取得部015の内部構成)
次に、本実施形態の信号処理部010内の構成を、図2を用いて説明する。本実施形態の信号処理部010は、情報取得部015、表示制御部016、係数決定部017を備える。
次に、本実施形態の信号処理部010内の構成を、図2を用いて説明する。本実施形態の信号処理部010は、情報取得部015、表示制御部016、係数決定部017を備える。
情報取得部015は、信号取得部022から出力される受信信号を用いて、被検体004内の特性値情報を位置毎に取得する。具体的には、変換素子006毎の時系列の受信信号を用いて画像再構成を行うことにより、二次元又は三次元の空間座標上の位置に対応す
る特性値のデータ(分布情報)を求める。再構成の単位領域は、ピクセルまたはボクセルと呼ばれる。画像再構成手法としては、FBP(Filtered Back Projection)やタイムリバーサル法、モデルベース法、フーリエ変換法等の公知の再構成手法を利用できる。また、超音波イメージングで使われている整相加算(Delay and Sum)処理を用いてもよい。
る特性値のデータ(分布情報)を求める。再構成の単位領域は、ピクセルまたはボクセルと呼ばれる。画像再構成手法としては、FBP(Filtered Back Projection)やタイムリバーサル法、モデルベース法、フーリエ変換法等の公知の再構成手法を利用できる。また、超音波イメージングで使われている整相加算(Delay and Sum)処理を用いてもよい。
また、光フォーカス型の光音響顕微鏡や、フォーカス型の探触子011を用いた光音響顕微鏡の場合は、画像再構成処理を行わずに分布情報を生成することもできる。具体的には、走査機構により、探触子011と光照射スポットとを被検体004に対して相対移動させる。探触子011は複数の走査位置で光音響波を受信する。そして、情報取得部015は、得られた受信信号を時間変化に対して包絡線検波した後、受信信号における時間軸方向を奥行き方向に変換して、空間座標上にプロットする。これを走査位置毎に行うことにより、分布情報を構成できる。
表示制御部016は、情報取得部015により生成された特性情報や分布情報を基に、表示部014に表示するための画像データを生成する。具体的には、分布情報を基に、輝度変換、歪補正、注目領域の切り出し、血管抽出処理、動脈・静脈分離処理、対数圧縮処理などの画像処理を行う。
係数決定部017は、情報取得部015が受信信号を基に特性値情報を求める際に用いる係数βを決定する。係数βは光量比分布取得部007から出力された、異なる波長の光量比情報を用いて算出される。係数βについては後に詳述する。
(光量比分布取得部007の内部構成)
次に、本実施形態の光量比分布取得部007内の構成を、図3を用いて説明する。本実施形態の光量比分布取得部007は、照射面決定部018、光量プロファイル取得部019、光量分布取得部020を備える。
次に、本実施形態の光量比分布取得部007内の構成を、図3を用いて説明する。本実施形態の光量比分布取得部007は、照射面決定部018、光量プロファイル取得部019、光量分布取得部020を備える。
照射面決定部018は、撮像領域における波長間の光量比を算出する光量比取得面を決定する。この光量比取得面として本実施形態では、被検体表面における光の照射面を用いる。以降、照射面が光量比取得面となる場合について検討する。保持部008によって被検体004が保持される場合は、光量比取得面として保持部008と被検体004の接触面を利用できる。特に本実施形態では、探触子011が移動する走査平面と平行な二次元平面において被検体004が保持されるため、この二次元平面が利用される。ただし、ビームプロファイル中の任意の距離における切断面を照射面とする場合でも、当該切断面に光が照射されていることには変わりないため、当該切断面を照射面と呼んで構わない。
なお、保持部008が交換可能な場合、設置した保持部008に応じて照射面を自動、もしくは手動で変更できることが好ましい。自動で変更する場合は、保持部008の側にIDタグ等の認識システムを搭載し、装置本体の側にタグ情報の読み取り機構を設けることが好ましい。この場合、照射面決定部018は、読み取り機構からの情報に基づいて光量比取得面を決定する。また、図1における乳房の側部のように、被検体004の部位によっては、保持部008に接触しない場合がある。その場合は被検体004表面位置を計測するか、ユーザーが任意断面を入力することで、照射面を決定できる。
光量プロファイル取得部019は、光出射部003から、照射面決定部018により規定された照射面に照射される光の、光量プロファイルを算出する。光量プロファイルは、任意の内における光の強度の分布を表し、波長ごとに求められる。算出には、あらかじめ取得されている光量プロファイル情報と、光出射部003と任意の面の距離関係と、が利用される。任意の面は、被検体表面の照射面でも良いし、ビームプロファイルを出射部から任意の距離で切断した断面であっても良い。
光量プロファイル算出方法の一例を述べる。まず、あらかじめ、複数の異なる距離での光量プロファイル情報を取得して、メモリ等の記憶手段(不図示)に保存しておく。そして、異なる距離での光量プロファイル情報に基づいて三次元的な変化状況を見積り、補間を行う。そして、光出射部003から照射面までの距離関係を用いて三次元的な光量プロファイルを参照することで、照射面における光量プロファイルを取得する。あるいは、光量プロファイル情報として、光出射部003から出射された光の各距離における面内強度分布を示す三次元的なビームプロファイルを、メモリに保存しておいてもよい。
本実施形態では、光出射部003と光量比取得面(この場合は照射面)との間には音響整合液009のみが存在すると仮定している。光量プロファイル取得部019は、波長ごとに、音響整合液009による光量の減衰を考慮して光量プロファイルを算出する。なお、音響整合液009が存在することを前提とした光量プロファイル情報を、メモリ内に保存しておいても良い。照射面が平面でない場合でも、同様の手法で光量比を取得できる。また、特に本実施形態のように照射面と光出射部003の位置が一定値で規定される場合は、あらかじめ見積もられた光量プロファイルをメモリに保管しておくのも効果的である。
光量分布取得部020は、光量プロファイル取得部019で算出された光量プロファイルと、光源001から照射された光量値と、光が照射された時の移動機構012の座標情報より、被検体004の情報取得時に照射面に照射された光量の分布を算出する。なお、異なる波長で算出された各々の光量分布の比を取得することで、光量比分布が算出される。
(信号処理部010における処理)
本実施形態では情報取得部015が特性値情報として、光音響波の音圧に関する情報と、酸素飽和度に関する情報と、を少なくとも求める。ここで、「酸素飽和度」とは、本明細書における「濃度に関する情報」のうちの1つであり、赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合を示す。したがって本実施形態における情報取得部015は、濃度情報取得部としての機能を有する。
本実施形態では情報取得部015が特性値情報として、光音響波の音圧に関する情報と、酸素飽和度に関する情報と、を少なくとも求める。ここで、「酸素飽和度」とは、本明細書における「濃度に関する情報」のうちの1つであり、赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合を示す。したがって本実施形態における情報取得部015は、濃度情報取得部としての機能を有する。
式(1)によって酸素飽和度を求めるためには、式(3)に示すような複数の波長(少なくとも、互いに異なる2波長)における吸収係数の比が必要となる。式(3)における初期音圧(P0)は、実際に被検体004内で発生した光音響波の発生圧力の相対値を示している。一般に、光量分布情報Φ(r)は、無限媒体の拡散方程式の解析解から、簡易的に以下の式(4)で表される。
ここでΦ0は単位面積当たりの光照射エネルギーである。μeffは有効減衰係数(effective attenuation coefficient)である。被検体004背景の等価散乱係数をμs’
(reduced scattering coefficient)、吸収係数をμaとすると、以下のように表現される。
μeff={3μa(μa+μs’)}1/2
d(r)は、被検体004内のある位置rと、被検体004表面における光照射領域との距離である。なお、ここでは、被検体004の有効減衰係数の位置による変化は無視できるほど小さく、被検体004の有効減衰係数は被検体004内の位置に依存しない係数であると仮定している。
(reduced scattering coefficient)、吸収係数をμaとすると、以下のように表現される。
μeff={3μa(μa+μs’)}1/2
d(r)は、被検体004内のある位置rと、被検体004表面における光照射領域との距離である。なお、ここでは、被検体004の有効減衰係数の位置による変化は無視できるほど小さく、被検体004の有効減衰係数は被検体004内の位置に依存しない係数であると仮定している。
これより、式(3)を変形すると以下の式(5)のようになる。
この式(5)が表す吸収係数比を式(1)に代入することで酸素飽和度を算出できる。すなわち、酸素飽和度は異なる2波長の初期音圧P0と、光照射エネルギーΦの比から算出される。光照射エネルギーΦの比は、光量比とも呼ばれる、係数βとして係数決定部で決定される値であり、下記の(A)のように表現される。ここで、第1の光に対応する初期音圧分布を第1の初期音圧分布、第2の光に対応する初期音圧分布を第2の初期音圧分布と呼んでもよい。
Φ(λ2)/Φ(λ1) …(A)
この値は、初期の単位面積当たりの光照射エネルギー比(初期光照射エネルギー比)と、各波長での減衰から求められる。具体的には、下記の値(B)と値(C)の積である。
Φ0(λ2)/Φ0(λ1) …(B)
exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))
…(C)
この式(5)が表す吸収係数比を式(1)に代入することで酸素飽和度を算出できる。すなわち、酸素飽和度は異なる2波長の初期音圧P0と、光照射エネルギーΦの比から算出される。光照射エネルギーΦの比は、光量比とも呼ばれる、係数βとして係数決定部で決定される値であり、下記の(A)のように表現される。ここで、第1の光に対応する初期音圧分布を第1の初期音圧分布、第2の光に対応する初期音圧分布を第2の初期音圧分布と呼んでもよい。
Φ(λ2)/Φ(λ1) …(A)
この値は、初期の単位面積当たりの光照射エネルギー比(初期光照射エネルギー比)と、各波長での減衰から求められる。具体的には、下記の値(B)と値(C)の積である。
Φ0(λ2)/Φ0(λ1) …(B)
exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))
…(C)
前者の値(B)「Φ0(λ2)/Φ0(λ1)」は、光量比分布取得部007から精度よく算出できる。しかし、後者の値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」は、生体内の光学特性が関係するため、算出が難しい。特に脂肪層が多い乳房のような被検体004に比べ、手脚のような複数の組織が入り組んでいる被検体004における光学特性を算出するのは困難である。
本実施形態では係数βを求める際に、上記の値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」として簡易的な値を設定する。ここでは、値(C)として、被検体004の深さ方向d(r)に関して、深さによらず一定の値を使用する。特にここでは、値(C)を「1」とする。このとき係数βは、初期の光量比から変化せず、「Φ0(λ2)/Φ0(λ1)」となる。このように、入射位置からの距離にかかわらず略一定の減衰率比および光量比を用いることにより、簡易的に、かつユーザーの技量にかかわらず酸素飽和度を算出できる。
なお、深さ方向とは、光の照射位置を起点として光の照射方向と略同一の方向を指してもよいし、光の照射位置を起点として被検体に略垂直な方向を指しても良い。本実施形態では、照射面における光量比分布を、そのまま被検体内部の深さ方向において対応する位置に適用する。言い換えると、本実施形態では、照射面内の任意の入射位置における光量比を、当該入射位置を起点とした光の進行方向に位置する被検体の領域、または、当該入射位置を起点とした被検体表面に略垂直な方向に位置する被検体の領域に割り当てる。照射面(光量比算出面)において照射位置を第2の位置とし、第2の位置に対応する位置を第1の位置とする。本実施形態では、第1の位置は第2の位置から深さ方向に存在する。
図10を用いて説明する。ここで、被検体に円筒状の撮像領域を設定する。また、光出射部003からの光が照射される照射面Sを光量比取得面とし、照射面Sにおける便宜上の小領域として、第1部分S1、第2部分S2、第3部分S3を仮定する。このとき、照射面Sから、第1〜第3部分の各々を起点として照射方向に伸びる(この例では照射面に略垂直な)撮像領域を、領域R1〜R3とする。また、光量比分布取得部007にて算出された、第1〜第3の各部分での初期光照射エネルギー比(B)「Φ0(λ2)/Φ0(
λ1)」の値は、A1〜A3であるものとする。このとき、領域R1〜R3内の全ての深さにおいて、係数βの値もそれぞれ、A1〜A3と設定する。
λ1)」の値は、A1〜A3であるものとする。このとき、領域R1〜R3内の全ての深さにおいて、係数βの値もそれぞれ、A1〜A3と設定する。
このように、係数βとして深さ方向の位置に関わらず一定の値を適用すると、特性情報の取得対象となる被検体内部の位置が光照射面から深く(遠く)なればなるほど、酸素飽和度の誤差も大きくなることが懸念される。しかし、被検体における浅い箇所の酸素飽和度は比較的安定して計測できる。
図11を用いて、深さに応じた誤差について説明する。ここで、被検体004は乳房である。また、照射される2波長はそれぞれ、λ1=756nm、λ2=797nmとする。また、各波長の光に対する被検体の代表的な有効減衰係数μeff(λ1)、μeff(λ2)を適宜設定する。図11は、動脈を想定した吸収係数98%の吸収体の酸素飽和度SO2の算出値を、深さd(r)ごとに示す。通常、一本の動脈における酸素飽和度値は略同じ値になる。
この図より、皮膚表面から深さ数mmの位置での酸素飽和度の誤差は1%程度であることが分かった。また、深さが5mmでは誤差2〜3%程度、深さ10mmでは誤差5〜6%程度、深さ20mmでは誤差10〜11%である。このことから、被検体表面に照射される光量比を、そのまま照射面から垂直方向における係数βの取得に利用しても、深さが5mm以下の浅い箇所の酸素飽和度をほとんど誤差なく求められることが分かった。また、深さが10mm以下程度までなら、動脈・静脈の識別に問題なく利用できる程度の算出精度を期待できることが分かった。また、酸素飽和度98%の動脈について、深さ18mm以下程度であれば、酸素飽和度90%台の値を導出できることが分かった。
(処理フロー)
図4を参照して、信号処理部010が酸素飽和度分布を求める処理フローを説明する。図4のフローは、信号処理部010がデジタル信号を取得した状態からスタートする。すなわちフロー開始前に、光出射部003が、波長ごとに、光源001からの光を出射し、変換素子006が、被検体004から発生する光音響波を受信してアナログの受信信号に変換し、信号取得部022が、照射された光の波長ごとに順次、受信信号に対するAD変換や増幅などを行う。変換後のデジタル信号は、メモリに保存されたのち信号処理部010に入力されるか、信号取得部022から信号処理部010に直接入力される。
図4を参照して、信号処理部010が酸素飽和度分布を求める処理フローを説明する。図4のフローは、信号処理部010がデジタル信号を取得した状態からスタートする。すなわちフロー開始前に、光出射部003が、波長ごとに、光源001からの光を出射し、変換素子006が、被検体004から発生する光音響波を受信してアナログの受信信号に変換し、信号取得部022が、照射された光の波長ごとに順次、受信信号に対するAD変換や増幅などを行う。変換後のデジタル信号は、メモリに保存されたのち信号処理部010に入力されるか、信号取得部022から信号処理部010に直接入力される。
ステップS101では、情報取得部015が、入力された受信信号を用いて、第1波長λ1における音圧(P0λ1(r))分布情報と、第2波長λ2における音圧(P0λ2(r))分布情報と、を取得する。
ステップS102では、表示制御部016が、情報取得部015により生成された複数波長分の音圧分布情報のうち少なくとも1波長分の音圧分布情報を基に画像処理を行い、音圧分布を示す画像を表示部014に表示する。このとき表示制御部016は、表示部014に、音圧分布を示す画像に基づいて生成された画像(例えば、動脈あるいは静脈など特定の血管のみを表示する画像、2波長間の画像の差や比の画像、擬似的な酸素飽和度分布画像など)を表示しても良い。
ステップS103では、光量比分布取得部007が、任意の照射面における光照射領域の2波長の照射光量比を算出する。任意の照射面は、典型的には被検体表面であり、保持部008を用いる場合は当該保持部008の形状から求められる。その他、上述した各種の方法で表面形状情報を取得できる。また、被検体004の形状にかかわらず、ユーザーが任意の位置に光量比取得面を設定しても構わない。
ステップS104では、情報取得部015が、光量比分布取得部007において算出された任意の照射面における照射光量比と、波長λ1における音圧(P0λ1(r))分布情報と、波長λ2における音圧(P0λ2(r))分布情報と、既知のオキシヘモグロビン・デオキシヘモグロビンのスペクトル情報を用いて、酸素飽和度の分布情報を生成する。基地の情報は、メモリに保存しておき必要に応じて読み出すことが好ましい。
ステップS105では、表示制御部016が、情報取得部015により生成された酸素飽和度の分布情報を基に画像データを生成し、表示部014に表示する。このように、ユーザーは、表示された音圧分布を示す画像あるいは音圧分布を示す画像に基づいて生成された画像から、酸素飽和度分布の画像を取得できる。
以上説明したように、本実施形態では、酸素飽和度等の濃度に関する情報を求める際に、被検体004表面に代表される規定面に照射される異なる波長の光量比の分布を算出し用いる。すなわち、特許文献1に示されたようなユーザーの技量によって変化する値を用いる必要がない。また、光量分布を算出するための散乱や吸収を考慮した複雑な演算を行う必要がない。その結果、簡易的な計算で、安定して、酸素飽和度などの濃度情報の分布を取得できる。
[変形例1]
本変形例では、上で図11を用いて説明したような、被検体内部の比較的深い部分、すなわち照射位置からの光の伝搬距離が所定の閾値以上の長さの部分における酸素飽和度の算出誤差について検討する。深さに関する所定の閾値は、誤差がユーザーの許容範囲を超えるかどうかに応じて決定される。所定の閾値以上の範囲での酸素飽和度を取得する場合、値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」として照射面における値を割り当てることはできない。この場合、被検体に合わせた光学係数を元に値(C)を算出する必要がある。よって、信号処理部010としては、かかる減衰補正処理を実行できる装置を用いる。
本変形例では、上で図11を用いて説明したような、被検体内部の比較的深い部分、すなわち照射位置からの光の伝搬距離が所定の閾値以上の長さの部分における酸素飽和度の算出誤差について検討する。深さに関する所定の閾値は、誤差がユーザーの許容範囲を超えるかどうかに応じて決定される。所定の閾値以上の範囲での酸素飽和度を取得する場合、値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」として照射面における値を割り当てることはできない。この場合、被検体に合わせた光学係数を元に値(C)を算出する必要がある。よって、信号処理部010としては、かかる減衰補正処理を実行できる装置を用いる。
また、ユーザーが、簡易的な算出方法と一般的な算出方法を選択可能にすることも好ましい。ユーザーによる選択には、例えば情報処理装置のマウスやキーボード等のユーザインタフェースを利用できる。選択は予め行われてもよいし、表示部014に表示された画像を参照してユーザーが動的に指定してもよい。
[変形例2−1]
また、あらかじめ設定された、許容できる算出誤差を示す所定の値に基づいて、信号処理部010が、一般的な算出方法を使うか簡易的な算出方法を使うかを自動的に決定してもよい。一般的な算出方法の場合、信号処理部が値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」を計算し係数βに反映させる。また、簡易的な算出方法の場合、Φ0(λ2)/Φ0(λ1)を係数βとする。例えば、ユーザーが、動脈・静脈を識別するために、許容算出誤差を5%と設定した場合、信号処理部010は、許容算出誤差の値と、図11のグラフが示す情報を比較して、深さ10mmの位置を境界として設定する。すなわち、深さ10mmより深い領域の酸素飽和度を算出する場合には値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」を計算して係数βに反映させる。
また、あらかじめ設定された、許容できる算出誤差を示す所定の値に基づいて、信号処理部010が、一般的な算出方法を使うか簡易的な算出方法を使うかを自動的に決定してもよい。一般的な算出方法の場合、信号処理部が値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」を計算し係数βに反映させる。また、簡易的な算出方法の場合、Φ0(λ2)/Φ0(λ1)を係数βとする。例えば、ユーザーが、動脈・静脈を識別するために、許容算出誤差を5%と設定した場合、信号処理部010は、許容算出誤差の値と、図11のグラフが示す情報を比較して、深さ10mmの位置を境界として設定する。すなわち、深さ10mmより深い領域の酸素飽和度を算出する場合には値(C)「exp(−μeff(λ2)・d(r))/exp(−μeff(λ1)・d(r))」を計算して係数βに反映させる。
さらに、表示部014に表示される画像中に、簡易的な手法で算出された部分と一般的な手法で算出された部分が混在する場合、どちらの手法で求められたかをユーザーが判別可能とすることが好ましい。例えば、色度や明度、彩度、解像度を変えたり、文字情報を提示したりしても良い。
[変形例2−2]
上記のような、照射位置からの深さに応じた算出方法の使い分けを、光音響測定と、光音響測定以外のモダリティとを組み合わせた測定方法に適用してもよい。例えば、超音波測定と光音響測定を組み合わせて乳がん検診を行う場合について述べる。ここで、本発明の被検体情報取得装置が、光音響測定と超音波エコー測定の両方を実施可能だとする。かかる兼用の構成は、探触子011の変換素子006が被検体004に超音波を送信し、被検体表面や内部で反射したエコー波を受信することにより実現できる。
上記のような、照射位置からの深さに応じた算出方法の使い分けを、光音響測定と、光音響測定以外のモダリティとを組み合わせた測定方法に適用してもよい。例えば、超音波測定と光音響測定を組み合わせて乳がん検診を行う場合について述べる。ここで、本発明の被検体情報取得装置が、光音響測定と超音波エコー測定の両方を実施可能だとする。かかる兼用の構成は、探触子011の変換素子006が被検体004に超音波を送信し、被検体表面や内部で反射したエコー波を受信することにより実現できる。
被検体情報取得装置は、まず超音波エコー測定を行い、被検体内部の構造情報を示す機能画像を作成し、表示部014に表示する。超音波画像を見たユーザーは、マウス等のユーザインタフェースを用いて、特に詳しく観察したい関心領域(ROI:Region of Interest)を指定して酸素飽和度画像を要求する。続いて信号処理部010は、当該関心領域が、簡易的な手法で酸素飽和度を取得できる範囲か、一般的な手法を使う必要がある範囲かを判断する。そして、決定された手法を用いて酸素飽和度を算出する。なお、関心領域が両方の範囲にまたがっている場合は、関心領域を分割しても良い。
[変形例3]
また、被検体004を複数回計測する場合は、各回での計測条件を同じにすることで、深い箇所の濃度情報の再現性が高くなる。計測条件としては、光出射部003と被検体004との相対位置関係や傾きなどがある。これらの位置関係を同じにすることで、光照射面から撮像位置までの波長ごとの光学特性や経路が再現され、深い位置における酸素飽和度の誤差も再現される。図11を用いて説明すると、乳房を複数回計測したとき、乳房の設置位置を同じにできれば、深さ10mmに設置されていた光吸収体005は再び深さ10mmに設置されるため、酸素飽和後のずれ量も5%程度の同じ値に再現される。そのため、酸素飽和度としては誤差が生じても、再計測時の誤差は同じになり、濃度に起因する情報の再現性は確保される。この方法は、各回の計測の間で濃度情報の変化を確認したい場合に特に有効である。
また、被検体004を複数回計測する場合は、各回での計測条件を同じにすることで、深い箇所の濃度情報の再現性が高くなる。計測条件としては、光出射部003と被検体004との相対位置関係や傾きなどがある。これらの位置関係を同じにすることで、光照射面から撮像位置までの波長ごとの光学特性や経路が再現され、深い位置における酸素飽和度の誤差も再現される。図11を用いて説明すると、乳房を複数回計測したとき、乳房の設置位置を同じにできれば、深さ10mmに設置されていた光吸収体005は再び深さ10mmに設置されるため、酸素飽和後のずれ量も5%程度の同じ値に再現される。そのため、酸素飽和度としては誤差が生じても、再計測時の誤差は同じになり、濃度に起因する情報の再現性は確保される。この方法は、各回の計測の間で濃度情報の変化を確認したい場合に特に有効である。
上述した、複数回計測時の濃度情報の変化の再現性を高めるために、以前の計測条件を再現させることが望ましい。たとえば、保持部008を用いて被検体004の形状を規定することで、光出射部003と被検体004との距離が再現される。また、探触子011の走査方向の位置再現性を確保するために、光音響装置に撮像時の被検体004の設置状況を撮影するカメラと設置状況を表示するディスプレイを設けるのが好ましい。また、設置位置の再現性を高めるため、以前の設置状況を撮像した画像を表示するのも好ましい。また、グリッドや、以前の被検体の輪郭や特徴点を抽出した画像を表字するのが好ましい。これらの施策により、ユーザーは前回と同じ位置に被検体004を設置しやすくなる。
[変形例4]
光音響装置に、被検体004の走査方向の位置を規定される部材を設けることも好ましい。たとえば図9は、被検体004が手や足である場合に好適な例を示す。図9(a)の保持部008には、被検体004側に突き出た突き当て部023が設けられている。被検者は、図9(b)のように、指の間に突き当て部023を押し付けることで被検体004を固定する。これにより、被検体004の設置位置を三次元的に規定できる。
光音響装置に、被検体004の走査方向の位置を規定される部材を設けることも好ましい。たとえば図9は、被検体004が手や足である場合に好適な例を示す。図9(a)の保持部008には、被検体004側に突き出た突き当て部023が設けられている。被検者は、図9(b)のように、指の間に突き当て部023を押し付けることで被検体004を固定する。これにより、被検体004の設置位置を三次元的に規定できる。
[変形例5]
ここでは、移動機構012の走査によって探触子011が移動しながら光音響測定を行う場合について説明する。図1に示すように、光出射部003も探触子011と同時に移動する。本変形例では、光出射部011が波長λ1の光パルスと波長λ2の光パルスを交互に出射するものとする。信号取得部は、光の出射ごとに、探触子が受信した受信信号を波長および照射位置と関連付けてメモリに保存する。照射位置は、装置に固有のパラメー
タで表現されてもよいし、被検体との相対的な位置関係で表現されても良い。
ここでは、移動機構012の走査によって探触子011が移動しながら光音響測定を行う場合について説明する。図1に示すように、光出射部003も探触子011と同時に移動する。本変形例では、光出射部011が波長λ1の光パルスと波長λ2の光パルスを交互に出射するものとする。信号取得部は、光の出射ごとに、探触子が受信した受信信号を波長および照射位置と関連付けてメモリに保存する。照射位置は、装置に固有のパラメー
タで表現されてもよいし、被検体との相対的な位置関係で表現されても良い。
本変形例の光量比分布取得部007は、照射面(光量比算出面)として、探触子011が移動する各位置における照射面を足し合わせて仮想的な照射面を作成する。そして光出射部003の波長ごとの光量プロファイルと、探触子011の軌跡に基づいて、仮想的な光量比分布を算出する。本変形例のように波長ごとに交互に光が出射されている場合、光量分布取得部020は、1パルスおきに光量を足し合わせて仮想的な光量分布を算出する。そして、仮想的な照射面における光量分布を深さ方向に割り当てることにより、簡易的に酸素飽和度を算出する。
[実施形態2]
実施形態2について説明する。本実施形態の光音響装置は、実施形態1の光音響装置とほぼ同様の構成であるため、相違点を中心として説明する。構成上の相違点としては、図5に記載のように、光量比分布取得部007の位置に照射光量取得部021を設けたことと、図6の記載のように、信号処理部010が初期音圧取得部024、初期音圧補正部025、濃度情報取得部026、表示制御部016から構成されている点である。
実施形態2について説明する。本実施形態の光音響装置は、実施形態1の光音響装置とほぼ同様の構成であるため、相違点を中心として説明する。構成上の相違点としては、図5に記載のように、光量比分布取得部007の位置に照射光量取得部021を設けたことと、図6の記載のように、信号処理部010が初期音圧取得部024、初期音圧補正部025、濃度情報取得部026、表示制御部016から構成されている点である。
(照射光量取得部021の内部構成)
本実施形態の照射光量取得部021内の構成を、図7を用いて説明する。本実施形態の照射光量取得部021は、照射面決定部018、光量プロファイル取得部019、光量分布取得部020を備える。
本実施形態の照射光量取得部021内の構成を、図7を用いて説明する。本実施形態の照射光量取得部021は、照射面決定部018、光量プロファイル取得部019、光量分布取得部020を備える。
照射面決定部018は、撮像領域における各波長の光の光量分布を算出する、光量分布取得面を決定する。光量分布取得面としては照射面、すなわち光が照射される被検体表面が好ましいが、それ以外の任意の面でも構わない。保持部008によって被検体004が保持される場合は、保持部008と被検体004の接触面が好適である。本実施形態では、探触子011の走査平面と平行な平面形状に被検体004が保持されるため、この二次元平面を照射面(光量分布取得面)とする。なお、保持部008が交換可能な場合は、設置した保持部008によって照射面を自動、もしくは手動で変更できることが好ましい。自動でできる場合は保持部008にIDタグ等の認識システムを搭載し、この情報を読み取ることで照射面決定部018が光量分布算出面を決定することも好ましい。
光量プロファイル取得部019は、照射面決定部018により規定された照射面に光出射部003から照射される光の、光量プロファイルを算出する。光量プロファイル取得部019は、あらかじめ取得されている光量プロファイル情報をもとに、光出射部003と照射面の距離関係から、光量プロファイルを算出する。たとえば異なる距離であらかじめ取得された光量プロファイルから三次元的にプロファイルの変化状況を見積ることで、任意の距離関係における照射面での光量プロファイルを算出できる。また、図示したように照射面と光出射部003の位置が一定の場合は、あらかじめ見積もられてメモリに保存された光量プロファイルを読み出しても良い。
光量分布取得部020は、光量プロファイル取得部019が取得した光量プロファイルと、光源001から照射された光量値と、光が照射された時の移動機構012の座標情報より、被検体情報を取得するために照射面に照射された光量の分布を算出する。なお、本実施形態では、照射光は、光出射部003と照射面の間の音響整合液009を通過する。そこで、音響整合液009による光の減衰を考慮に入れて光量分布を算出する。
(信号処理部010における処理)
本実施形態では、信号処理部010が特性値情報として、光音響波の音圧に関する情報と、算出した照射光量から補正された補正音圧に関する情報と、酸素飽和度に関する情報
と、を少なくとも求める。
本実施形態では、信号処理部010が特性値情報として、光音響波の音圧に関する情報と、算出した照射光量から補正された補正音圧に関する情報と、酸素飽和度に関する情報
と、を少なくとも求める。
初期音圧取得部024は、実施形態1で説明したような初期音圧(P0(λ1))を算出する。初期音圧補正部025は、式(6)で記載したように、初期音圧(P0(λ1))を照射光量取得部021で算出された照射光量(Φ(λ1))で補正することで、補正初期音圧(P1(λ1))が算出する。同様の処理を波長λ2についても行う。
本実施形態では、異なる2波長の初期音圧(P0(λ1),P0(λ2))を、各波長の光量分布で補正し、規格化する。これにより、初期音圧の照射光量分布によるムラが補正される。なお、式(6)において、exp(−μeff(λ1)・d(r))として、被検体004の深さ方向d(r)に関わらず一定の値を使用する。また、第2波長についても同様とする。結果、本実施形態では、exp(−μeff(λ1)・d(r))、および、exp(−μeff(λ2)・d(r))を、「1」と規定する。
図12を用いて説明する。被検体に円筒状の撮像領域を設定し、光出射部003からの光が照射される照射面Sを光量比取得面とする。照射面Sにおける便宜上の小領域として、第1部分S1、第2部分S2、第3部分S3を仮定し、照射面Sから、第1〜第3部分の各々を起点とした照射面に垂直な撮像領域を、領域R1〜R3とする。そして、照射光量取得部021にて算出された、S1〜S3でのΦ0(λ1)を、B1〜B3とする。このとき、本実施形態では、領域R1〜R3のそれぞれにおいて、値B1〜B3を用いて初期音圧P0(λ1)を補正する。
式(5)に式(6)を代入することで、異なる波長の吸収係数の比が、式(7)に示すに異なる波長の補正初期音圧(P1)の比として表される。
この式(7)を係数として式(1)に代入することで、酸素飽和度が算出される。
この式(7)を係数として式(1)に代入することで、酸素飽和度が算出される。
なお、上記のように、exp(−μeff(λ1)・d(r))として深さにかかわらず一定の値を用いると、特性情報の取得対象となる被検体内部の位置が光照射面から深くなるほど(遠くなるほど)、光量算出の誤差が大きくなることが懸念される。このような誤差の拡大は、初期音圧の光量補正時の誤差拡大につながり、ひいては酸素飽和度の誤差が大きくなるおそれがある。しかし、被検体の浅い箇所(照射面から近い箇所)の酸素飽和度は、比較的安定して計測できる。かかる酸素飽和度の誤差に関しては、実施形態1と同様に、深さ(照射面からの距離)が18mmであれば、十分に実用的な精度で酸素飽和度を導出できる。さらに、実施形態1と同様に、許容できる算出誤差の値に基づいて、簡易的に光量補正を行う方法と、一般的だが計算量の多い補正する方法とを使い分けても良い。
さらに、実施形態1で図11を用いて説明した場合と同様に、被検体004複数回を計測する場合において、各回での計測条件を同じにすることで、深い箇所の濃度情報の再現
性が高くなる。この方法は、各回の間での変化を確認したい場合に特に好適である。
性が高くなる。この方法は、各回の間での変化を確認したい場合に特に好適である。
(処理フロー)
図8を参照して、信号処理部010が酸素飽和度分布を求める処理フローを説明する。図8のフローは、信号処理部010がデジタル信号を取得した状態からスタートする。すなわちフロー開始前に、光出射部003が、波長ごとに、光源001からの光を出射し、変換素子006が、被検体004から発生する光音響波を受信してアナログの受信信号に変換し、信号取得部022が、照射された光の波長ごとに順次、受信信号に対するAD変換や増幅などを行う。
図8を参照して、信号処理部010が酸素飽和度分布を求める処理フローを説明する。図8のフローは、信号処理部010がデジタル信号を取得した状態からスタートする。すなわちフロー開始前に、光出射部003が、波長ごとに、光源001からの光を出射し、変換素子006が、被検体004から発生する光音響波を受信してアナログの受信信号に変換し、信号取得部022が、照射された光の波長ごとに順次、受信信号に対するAD変換や増幅などを行う。
ステップS201では、初期音圧取得部024が、入力された受信信号を用いて、第1波長λ1における音圧(P0λ1(r))分布情報と、第2波長λ2における音圧(P0λ2(r))分布情報と、を取得する。
ステップS202では、光量分布取得部020が、任意の照射面における光照射領域での、2波長の照射光量分布を算出する。任意の照射面は、典型的には被検体表面であり、保持部008を用いる場合は当該保持部008の形状から求められる。その他、上述した各種の方法で表面形状情報を取得できる。また、被検体004の形状にかかわらず、ユーザーが任意の位置に光量比取得面を設定しても構わない。
ステップS203では、初期音圧補正部025が、各波長において、S201で算出された音圧分布をS202で算出された光量分布で補正して、補正音圧分布情報を算出する。これにより、第1波長での補正音圧分布情報(P1λ1(r))と、第2波長での補正音圧分布情報(P1λ2(r))が得られる。
ステップS204では、表示制御部016が、複数波長分の補正音圧分布情報のうち少なくとも1波長分の補正音圧分布情報を基に画像処理を行い、補正音圧分布を示す画像を生成して表示部014に表示する。あるいは、補正音圧分布を示す画像に基づいて生成された画像を表示部014に表示する。なお、補正音圧分布(P1)ではなく補正前の音圧分布(P0)を用いた画像を表示しても構わない。
ステップS205では、濃度情報取得部026が、波長λ1における補正音圧(P1λ1(r))分布情報と、波長λ2における補正音圧(P1λ2(r))分布情報と、既知のオキシヘモグロビン・デオキシヘモグロビンのスペクトル情報を用いて、酸素飽和度の分布情報を生成する。
ステップS206では、表示制御部016が、濃度情報取得部026により生成された酸素飽和度の分布情報を基に画像データを生成し、表示部014に表示する。これによりユーザーは、表示された音圧分布を示す画像あるいは音圧分布を示す画像に基づいて生成された画像から、酸素飽和度分布の画像を取得できる。
以上説明したように、本実施形態では、酸素飽和度等の濃度に関する情報を求める際に、被検体表面に照射される異なる波長の光量を用いて補正された補正音圧分布が利用される。したがって、特許文献1の場合のようにユーザーの技量によって値が変化することがない。また、光量分布を算出するための散乱や吸収を考慮した複雑な演算を行う必要がない。その結果、簡易的な計算で安定した酸素飽和度の分布を取得できる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおけ
る1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおけ
る1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
003:光出射部、006:変換素子、007:光量比分布取得部、010:信号処理部、011:探触子
Claims (17)
- 光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備え、
前記濃度情報取得部は、前記被検体内部の第1の位置における前記光量比として、前記照射面内において前記第1の位置に対応する位置である第2の位置における前記光量比に基づく値を割り当てる
ことを特徴とする被検体情報取得装置。 - 前記被検体内部の前記第1の位置は、前記照射面の前記第2の位置を入射位置とする光の進行方向の位置である
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、前記第2の位置を入射位置とする光の進行方向において、前記入射位置からの距離によらず略一定の前記光量比を用いる
ことを特徴とする請求項2に記載の被検体情報取得装置。 - 前記被検体内部の前記第1の位置は、前記照射面の前記第2の位置が光の入射位置であるときに、前記照射面に略垂直な方向の位置である
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、前記第2の位置を起点として、前記照射面に略垂直な方向にある位置において、前記入射位置からの距離によらず略一定の前記光量比を用いる
ことを特徴とする請求項4に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、前記入射位置からの光の伝搬距離が所定の閾値より小さい前記被検体内部の領域においては、前記光量比分布を用いて前記濃度情報を取得し、前記伝搬距離が前記所定の閾値以上の前記被検体内部の領域においては、前記光量比分布を用いずに前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、
ユーザーにより指定された前記濃度情報に関して許容できる誤差の範囲を取得し、
前記所定の閾値を、前記光量比分布を用いる手法で取得した前記濃度情報の誤差が前記許容できる誤差の範囲を超えるかどうかに基づいて決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、ユーザーにより指定された前記被検体内部における関心領域を示す情報を取得し、前記関心領域の範囲と、前記伝搬距離に関する前記所定の閾値とに基づいて、前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、前記濃度情報として前記被検体内部のヘモグロビンの酸素飽和
度を取得するものであり、前記入射位置からの光の伝搬距離が18mm以下の場合に、前記光量比分布を用いて前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、前記濃度情報として前記被検体内部のヘモグロビンの酸素飽和度を取得する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記濃度情報取得部は、
前記第1の信号から前記第1の光に対応する第1の初期音圧分布を取得し、前記第2の信号から前記第2の光に対応する第2の初期音圧分布を取得し、
前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布ならびに前記光量比を用いて前記被検体内部における前記第1の光と前記第2の光のそれぞれに対応する吸収係数の比である吸収係数比を取得し、
前記吸収係数比と、前記ヘモグロビンの光学特性に基づいて、前記酸素飽和度を取得する
ことを特徴とする請求項10に記載の被検体情報取得装置。 - 前記光量比分布取得部は、前記光出射部から出射された光の波長ごとの光量プロファイルに基づいて、前記光量比分布を取得する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記被検体を平面形状に保持する保持部をさらに備え、
前記照射面は、前記保持部が前記被検体を保持する面である
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記被検体は手または足であり、
前記保持部は、前記手または足の指の間を突き当てるための突き当て部を有する
ことを特徴とする請求項13に記載の被検体情報取得装置。 - 前記第1の信号および前記第2の信号は、前記光出射部および前記探触子が移動機構の走査によって前記被検体に対して移動しながらなされた光音響測定によって取得されたものであり、
前記光量比分布取得部は、前記光出射部および前記探触子が移動した各位置における照射面を合わせた仮想的な照射面における前記光量比分布を取得し、
前記濃度情報取得部は、前記仮想的な照射面における前記光量比分布を用いて、前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備え、
前記濃度情報取得部は、
前記第1の信号から前記第1の光に対応する第1の初期音圧分布を取得し、前記第2
の信号から前記第2の光に対応する第2の初期音圧分布を取得し、
前記被検体内部の第1の位置における光量として、前記照射面内において前記第1の位置に対応する位置である第2の位置における光量に基づく値を割り当て、
割り当てられた前記光量によって前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布を補正し、補正された前記第1の初期音圧分布および前記第2の初期音圧分布を用いて前記濃度情報を取得する
ことを特徴とする被検体情報取得装置。 - 光出射部から出射された、第1の波長を持つ第1の光と、前記第1の波長と異なる第2の波長を持つ第2の光と、が照射された被検体内部の物質から発生する光音響波を探触子が受信して出力される、前記第1の光に対応する第1の信号と、前記第2の光に対応する第2の信号と、を取得する信号取得部と、
前記光出射部から出射された光が照射される照射面における、前記第1の光と前記第2の光の光量比を示す光量比分布を取得する光量比分布取得部と、
前記光量比分布と、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて、前記被検体内部における前記物質の三次元の濃度情報を取得する濃度情報取得部と、
を備えることを特徴とする被検体情報取得装置。
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