JP2019193329A - 平面モータシステム - Google Patents

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稔博 秋山
Toshihiro Akiyama
稔博 秋山
西森 泰輔
Taisuke Nishimori
泰輔 西森
若林 俊一
Shunichi Wakabayashi
俊一 若林
沙季 青木
Saki Aoki
沙季 青木
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Abstract

【課題】光電式のセンサを用いずに可動子の位置を特定することができる平面モータシステムを提供する。【解決手段】平面モータシステム10は、複数の磁石を有する可動子20と、可動子20と対向する主面31a、及び、主面31aに沿って配置される複数の位置検出用コイル35を有する固定子30と、制御部52とを備える。複数の磁石には、可動子20が固定子30から推力を得るための第一磁石22と、可動子20の位置を検出するための位置検出用の第二磁石23とが含まれる。制御部52は、第二磁石23の磁束によって複数の位置検出用コイル35の一部に生じる誘導電流を検出することにより、可動子20の位置を特定する。【選択図】図1

Description

本発明は、可動子を平面に沿って二次元的に移動させる平面モータシステムに関する。
可動子を平面に沿って二次元的に移動させる平面モータが知られている。このような平面モータとして、特許文献1には、キャリヤの移動自由度が向上されたキャリヤ移動装置が開示されている。
特開平11−59901号公報
特許文献1に記載のキャリヤ移動装置は、光電式の反射型センサによってキャリヤの位置を確認する。
本発明は、光電式のセンサを用いずに可動子の位置を特定することができる平面モータシステムを提供する。
本発明の一態様に係る平面モータシステムは、複数の磁石を有する可動子と、前記可動子と対向する主面、及び、前記主面に沿って配置される複数のコイルを有する固定子と、制御部とを備え、前記複数の磁石には、前記可動子が前記固定子から推力を得るための第一磁石と、前記可動子の位置を検出するための位置検出用の第二磁石とが含まれ、前記制御部は、前記第二磁石の磁束によって前記複数のコイルの一部に生じる誘導電流を検出することにより、前記可動子の位置を特定する。
本発明の平面モータシステムは、光電式のセンサを用いずに可動子の位置を特定することができる。
図1は、実施の形態1に係る平面モータシステムの概略構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る平面モータシステムの断面図である。 図3は、実施の形態1に係る平面モータシステムの動作のフローチャートである。 図4は、位置検出用コイルを用いた位置検出方法を説明するための第一の図である。 図5は、位置検出用コイルを用いた位置検出方法を説明するための第二の図である。 図6は、検出抵抗の両端の電圧の変化を示す図である。 図7は、誘導電流の判定方法のフローチャートである。 図8は、変形例に係る平面モータシステムの概略構成を示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
また、以下の実施の形態において、「平面視」とは、固定子の主面に垂直な方向から見ることを意味する。図面において、磁石のN極は、「N」と記載され、磁石のS極は、「S」と記載される。
(実施の形態1)
[全体構成]
以下、実施の形態1に係る平面モータシステムの構成について図面を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る平面モータシステムの概略構成を示す図である。図2は、実施の形態1に係る平面モータシステムの断面図である。図1において、可動子20及び固定子30については平面図が示されている。図1においては、複数の駆動用コイル33及び複数の位置検出用コイル35の配置を示すために、第一回路基板32及び第二回路基板34の位置がずらされ、カバー部材31は図示が省略されている。図2において、電力供給回路40及び制御装置50は図示が省略されている。
図1及び図2に示されるように、実施の形態1に係る平面モータシステム10は、可動子20と、固定子30と、電力供給回路40と、制御装置50とを備える。平面モータシステム10は、固定子30が有する主面31aに沿って可動子20を2次元的に移動させるリニアモータ(言い換えれば、電磁アクチュエータ)システムである。平面モータシステム10は、例えば、物流倉庫内で荷物の運搬に用いられる。以下、このような平面モータシステム10の各構成要素について詳細に説明する。
[可動子]
まず、可動子20について説明する。可動子20は、平面モータシステム10における移動対象物である。図2に示されるように、可動子20は、可動子本体21と、第一磁石22と、第二磁石23と、ボールキャスタ24とを備える。
可動子本体21は、略矩形板状の部材である。可動子本体21は、例えば、樹脂材料によって形成される。可動子本体21は、アルミニウムなどの比較的透磁率の低い金属材料によって形成されてもよい。
第一磁石22は、可動子20が固定子30から推力を得るための永久磁石であり、可動子本体21に取り付けられる。第一磁石22は、例えば、平たい円柱状のネオジム磁石である。第一磁石22の形状及び材料は特に限定されない。第一磁石22は、例えば、フェライト磁石、または、アルニコ磁石などであってもよい。可動子20は、例えば、複数の第一磁石22を備えるが、少なくとも1つの第一磁石22を備えればよい。図2では、第一磁石22は、可動子本体21内に埋め込まれているが、第一磁石22は、可動子本体21の上面に取り付けられてもよいし、可動子本体21の下面に取り付けられてもよい。
図2の例では、第一磁石22は、S極及びN極の並び方向が主面31aに交差し、S極がN極よりも主面31a寄りに位置するように配置されている。しかしながら、第一磁石22は、N極がS極よりも主面31a寄りに位置するように配置されてもよい。また、第一磁石22は、S極及びN極の並び方向が主面31aに沿うように配置されてもよい。
第二磁石23は、制御装置50が可動子20の位置を検出するための永久磁石であり、可動子本体21に取り付けられる。第一磁石22と同様に、第二磁石23の形状及び材料は特に限定されないが、平面モータシステム10においては、第二磁石23の磁束密度は、第一磁石22の磁束密度よりも小さい。第二磁石23は、例えば、フェライト磁石であり、第一磁石22と異なる磁性材料によって形成されるが、第一磁石22と同種の磁性材料で着磁量の小さい磁性材料によって形成されてもよい。可動子20は、例えば、複数の第二磁石23を備えるが、少なくとも1つの第二磁石23を備えていればよい。図2では、第二磁石23は、可動子本体21に埋め込まれているが、第二磁石23は、可動子本体21の上面に取り付けられてもよいし、可動子本体21の下面に取り付けられてもよい。
図2の例では、第二磁石23は、S極及びN極の並び方向が主面31aに交差し、S極がN極よりも主面31a寄りに位置するように配置されている。しかしながら、第二磁石23は、N極がS極よりも主面31a寄りに位置するように配置されてもよい。また、第二磁石23は、S極及びN極の並び方向が主面31aに沿うように配置されてもよい。
なお、第一磁石22及び第二磁石23のそれぞれは、電磁石であってもよい。この場合、電磁石は、例えば、乾電池または蓄電池によって駆動される。電磁石は、可動子20の移動に寄与していない駆動用コイル33から給電されてもよい。このように、第一磁石22及び第二磁石23のそれぞれは、永久磁石または電磁石のいずれでもよい。
ボールキャスタ24は、可動子本体21を固定子30の主面31aに沿って移動させるための移動機構である。ボールキャスタ24は、可動子本体21の下面に取り付けられ、固定子30の主面31aに当接する。なお、可動子20は、自在キャスタまたは車輪など、ボールキャスタ24以外の移動機構を備えてもよい。
[固定子]
次に、固定子30について説明する。固定子30は、可動子20を移動させるための構造体である。実施の形態では、固定子30は、シート状の部材である。図2に示されるように、固定子30は、カバー部材31と、第一回路基板32と、第二回路基板34とを有する。
カバー部材31は、第一回路基板32の摩耗等を抑制し、かつ、固定子30の表面を平滑化するためのシート状の保護部材である。カバー部材31は、第一回路基板32の上面の全部を覆う。カバー部材31の平面視形状は、矩形であるが、円形等その他の形状であってもよい。カバー部材31の上面は、固定子30が有する主面31aとなる。主面31aは、可動子20と対向する。
カバー部材31は、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、または、アクリル樹脂などの有機材料によって形成される。カバー部材31は、シラン化合物または金属酸化物によって形成されてもよい。このような有機材料、シラン化合物、または金属酸化物は、摩耗耐性の点でカバー部材31に適している。カバー部材31に有機材料が採用されれば、カバー部材31が低温の製造プロセスで形成できる。また、カバー部材31に有機材料が採用されれば、カバー部材31の大面積化が容易である。
第一回路基板32は、上面に薄膜状の駆動用コイル33が複数形成される薄膜状(言い換えれば、シート状)の基板である。第一回路基板32の平面視形状は、矩形であるが、円形等その他の形状であってもよい。第一回路基板32の基材は、例えば、ガラエポなどの樹脂材料によって形成される。
第一回路基板32の上面には、複数の駆動用コイル33が形成される。図1に示されるように、平面視において、複数の駆動用コイル33は、マトリクス状に敷き詰められている。図1においては、マトリクス状の配置の複数の行及び複数の列を区別するために、複数の行には数字が付与され、複数の列にはアルファベットが付与されている。なお、複数の駆動用コイル33の数は、特に限定されない。
複数の駆動用コイル33は、可動子20に推力を与えるためのコイルである。複数の駆動用コイル33は、電力供給回路40によって電力が供給されて磁化する。複数の駆動用コイル33のそれぞれは、第一回路基板32の上面にパターン形成されたパターンコイルである。
複数の駆動用コイル33のそれぞれは、巻回軸が主面31aに垂直な方向に沿う矩形巻回状の配線であるが、円形巻回状等、他の巻回状であってもよい。複数の駆動用コイル33のそれぞれは、例えば、三角形、または、六角形等の多角形に沿う巻回形状であってもよい。複数の駆動用コイル33の巻回方向は、同一であるが、異なってもよい。駆動用コイル33は、例えば、銅などの金属材料によって形成される。駆動用コイル33は、例えば、エッチングによって形成される。
第二回路基板34は、上面に薄膜状の位置検出用コイル35が複数形成される薄膜状(言い換えれば、シート状)の基板である。第二回路基板34は、第一回路基板32の下方に重ねられる。第二回路基板34の平面視形状は、矩形であるが、円形等その他の形状であってもよい。第二回路基板34の基材は、例えば、ガラエポなどの樹脂材料によって形成される。
第二回路基板34の上面には、複数の位置検出用コイル35が形成される。図1に示されるように、平面視において、複数の位置検出用コイル35は、マトリクス状に敷き詰められている。複数の位置検出用コイル35は、例えば、複数の駆動用コイル33に1対1で対応し、1つの駆動用コイル33の下方に1つの位置検出用コイル35が位置する。
複数の位置検出用コイル35は、可動子20の位置を検出するためのコイルである。複数の駆動用コイル33には、電力供給回路40によって電力が供給されない。複数の位置検出用コイル35のそれぞれは、一端及び他端が検出抵抗R(図2に1つだけ図示)を介して接続された、閉回路を構成する。複数の位置検出用コイル35のそれぞれは、第二回路基板34の上面にパターン形成されたパターンコイルである。
複数の位置検出用コイル35のそれぞれは、巻回軸が主面31aに垂直な方向に沿う矩形巻回状の配線であるが、円形巻回状等、他の巻回状であってもよい。複数の位置検出用コイル35のそれぞれは、例えば、三角形、または、六角形等の多角形に沿う巻回形状であってもよい。複数の位置検出用コイル35の巻回方向は、同一であるが、異なってもよい。位置検出用コイル35は、例えば、銅などの金属材料によって形成される。位置検出用コイル35は、例えば、エッチングによって形成される。
なお、位置検出用コイル35に流れる電流は、駆動用コイル33に流れる電流よりも小さい。このため、位置検出用コイル35は、線幅を細くして巻数を増やすことが容易である。位置検出用コイル35の巻数が駆動用コイル33の巻数よりも多ければ、後述の誘導電流の検出感度を高めることができる。
[電力供給回路]
次に、電力供給回路40について説明する。電力供給回路40は、制御装置50から出力される制御信号に基づいて、複数の駆動用コイル33への電力供給を行う。図1に示されるように、電力供給回路40は、具体的には、複数の駆動用コイル33に1対1で対応する複数の制御回路を含む。例えば、マトリクス状に配置された複数の駆動用コイル33のうち1行に属し、かつ、列Aに属する駆動用コイル33に対応する制御回路は、制御回路1Aである。
複数の制御回路のそれぞれは、例えば、フルブリッジインバータ回路である。複数の制御回路は、制御装置50から出力される制御信号に基づいて動作する。複数の制御回路のそれぞれは、当該制御回路に対応する駆動用コイル33に対して、(a)電力を供給しない、(b)第一の極性(例えば、正極性)の直流電圧を供給する、及び、(c)第一の極性の逆の第二の極性(例えば、負極性)の直流電圧を供給する、のいずれかを行う。第一の極性の直流電圧が供給された駆動用コイル33は、例えば、主面31a側がS極の電磁石として機能し、第二の極性の直流電圧が供給された駆動用コイル33は、例えば、主面31a側がN極の電磁石として機能する。
このように、電力供給回路40は、複数の駆動用コイル33のそれぞれに直流電圧を供給し、当該直流電圧の極性を駆動用コイル33ごとに切り替えることができる。直流電圧の極性を切り替えることは必須ではなく、電力供給回路40は、少なくとも直流電圧の供給をオン及びオフできればよい。なお、電力供給回路40は、複数の位置検出用コイル35には電力を供給しない。
[制御装置]
制御装置50は、電力供給回路40を制御することにより可動子20を主面31aに沿って移動させる。制御装置50は、具体的には、マイクロコンピュータなどによって実現されるが、専用回路、または、プロセッサなどによって実現されてもよい。
図1に示されるように、制御装置50は、取得部51及び制御部52を備える。なお、図示されないが、制御部52は、制御装置50が備える、半導体メモリなどの記憶部(図示せず)に記憶された制御プログラムを実行する。
[平面モータシステムの動作]
以下、平面モータシステム10の動作について説明する。図3は、平面モータシステム10の動作のフローチャートである。
まず、取得部51は、可動子20の位置情報を取得する(S11)。取得部51は、具体的には、位置検出用コイル35から可動子20の位置情報を取得する。図4及び図5は、位置検出用コイル35を用いた位置検出方法を説明するための図である。
図4及び図5に示されるように、可動子20が備える第二磁石23が位置検出用コイル35の上方を通過すると、位置検出用コイル35内の磁束密度が変化する。このため、位置検出用コイル35に誘導電流が発生する。取得部51は、位置検出用コイル35に接続された検出抵抗Rの両端の電圧Vをモニタすることにより、誘導電流を図6に示されるような電圧の変化として捉えることができる。図6は、検出抵抗Rの両端の電圧Vの変化を示す図である。取得部51は、このような電圧Vの変化を可動子20の位置情報として取得する。なお、取得部51は、整流回路などによって整流された電圧の変化(つまり、直流電圧)を位置情報として取得してもよい。
次に、制御部52は、ステップS11において取得された位置情報に基づいて、複数の駆動用コイル33への電力供給を行う電力供給回路40を制御する(S12)。制御部52は具体的には、電力供給回路40に制御信号を出力する。制御部52から出力される制御信号は、例えば、電力供給回路40の一部である制御回路に含まれるスイッチング素子をオン及びオフするための信号である。
図2に示されるように、制御部52は、位置検出用コイル35aの検出抵抗Rにおいて第一閾値以上の電圧Vの変化が生じると、位置検出用コイル35aの上方付近に可動子20が位置すると判定し、制御信号を出力する。制御部52は、制御信号の出力により、(a)第一磁石22の移動先側に位置する1つまたは複数の駆動用コイル33a(図2では1つ)から生じる磁力によって可動子20を吸引する、及び、(b)第一磁石22の移動先と反対側に位置する1つまたは複数の駆動用コイル33b(図2では1つ)から生じる磁力によって可動子20を反発させる、の少なくとも一方を行う。これにより、制御装置50は、可動子20を固定子30が有する主面31aに沿って移動させることができる。
なお、可動子20の移動方向があらかじめ定められているような場合、第一磁石22及び第二磁石23は、例えば、可動子20の移動方向に並んで配置される。図2に示されるように第一磁石22が第二磁石23よりも移動先側に位置する場合、制御部52は、位置検出用コイル35aにおいて電圧の変化が生じると、位置検出用コイル35aよりも移動先側に位置する駆動用コイル33(具体的には、駆動用コイル33a、及び、駆動用コイル33bなど)を電力供給の対象とすることができる。つまり、制御アルゴリズムの簡素化が可能となる。なお、第二磁石23が第一磁石22よりも移動先側に位置してもよい。
[誘導電流の判定方法]
位置検出用コイル35において生じる誘導電流は、位置検出用コイル35の上方付近を第一磁石22が通過することによっても生じる。したがって、可動子20の移動精度を高めるためには、誘導電流が第一磁石22及び第二磁石23のいずれによって生じた誘導電流であるかを判定する必要がある。以下、このような判定方法について説明する。図7は、誘導電流の判定方法のフローチャートである。
まず、取得部51は、位置検出用コイル35の検出抵抗Rにおける電圧Vの変化を可動子20の位置情報として取得する(S21)。
次に、制御部52は、電圧Vの変化(例えば、ピークトゥピーク値)が第一閾値以上であるか否かを判定する(S22)。制御部52は、電圧Vの変化が第一閾値未満である場合(S22でNo)、当該位置検出用コイル35の近傍に磁石(言い換えれば、可動子20)が位置しておらず、誘導電流発生していないと判定する(S23)。
一方、制御部52は、電圧Vの変化が第一閾値以上である場合(S22でYes)、電圧Vの変化が第一閾値よりも大きい第二閾値以上であるか否かを判定する(S24)。
上述のように、平面モータシステム10において、第二磁石23の磁束密度は、第一磁石22の磁束密度よりも小さい。このため、位置検出用コイル35の上方付近を第一磁石22が通過した場合には、位置検出用コイル35の上方付近を第二磁石23が通過した場合よりも大きな誘導電流が生じ、電圧Vが大きく変化する。
そこで、制御部52は、電圧Vの変化量が第二閾値以上である場合(S24でYes)、誘導電流が第一磁石22によって生じたものであると判定する(S25)。制御部52は、電圧Vの変化量が閾値未満である場合(S24でNo)、誘導電流が第二磁石23によって生じたものであると判定する(S26)。
このように、制御装置50は、さらに、複数の位置検出用コイル35の一部に生じる誘導電流の大きさに応じて誘導電流が第一磁石22及び第二磁石23のいずれによって生じた誘導電流であるかを判定する。これにより、制御装置50は、可動子20の移動精度を高めることができる。
なお、第二磁石23の磁束密度は、第一磁石22の磁束密度よりも大きくてもよい。第二磁石23の磁束密度は、第一磁石22の磁束密度と異なればよい。
[位置検出用コイルの配置の別の例]
なお、第二回路基板34は省略され、第一回路基板32に複数の駆動用コイル33及び複数の位置検出用コイル35が配置されてもよい。この場合、複数の位置検出用コイル35は、例えば、第一回路基板32内の複数の駆動用コイル33と異なる層(例えば、第一回路基板32の下面)に配置される。また、複数の位置検出用コイル35は、複数の駆動用コイル33と同じ層に配置されてもよく、この場合、平面視において、複数の位置検出用コイル35のそれぞれは、複数の駆動用コイル33の間に配置される。
また、複数の位置検出用コイル35が複数の駆動用コイル33の下方に配置されることは必須ではなく、複数の駆動用コイル33よりも上方に配置されてもよい。
[変形例]
以下、変形例に係る平面モータシステムの構成について図面を用いて説明する。図8は、変形例に係る平面モータシステムの概略構成を示す図である。以下の変形例の説明では、上記実施の形態との相違点を中心に説明が行われる。
図8に示されるように、変形例に係る平面モータシステム10aは、可動子20と、固定子30aと、電力供給回路40と、制御装置50と、切替回路60とを備える。
固定子30aは、複数の駆動用コイル33を備えるが、位置検出用コイル35を備えていない。つまり、固定子30aは、第二回路基板34を備えていない。平面モータシステム10aでは、駆動用コイル33が可動子20の移動だけでなく、可動子20の位置検出にも用いられる。駆動用コイル33を位置検出にも用いるために、平面モータシステム10aは、切替回路60を備える。
切替回路60は、制御装置50の制御部52によって出力される切替制御信号に基づいて、駆動用コイル33を、検出抵抗Rと電気的に接続するか、対応する制御回路と電気的に接続するかを切り替える回路である。複数の駆動用コイル33のそれぞれは、基本的には検出抵抗Rと電気的に接続された位置検出モードであるが、可動子20に推力を与える場合に制御回路に電気的に接続された駆動モードに遷移する。
このような平面モータシステム10aは、位置検出用コイル35を別途追加することなく、既存の駆動用コイル33を利用して位置検出を行うことができる。
[実施の形態1の効果等]
以上説明したように、平面モータシステム10(または、平面モータシステム10a)は、複数の磁石を有する可動子20と、可動子20と対向する主面31a、及び、主面31aに沿って配置される複数のコイルを有する固定子30と、制御部52とを備える。複数の磁石には、可動子20が固定子30から推力を得るための第一磁石22と、可動子20の位置を検出するための位置検出用の第二磁石23とが含まれる。制御部52は、第二磁石23の磁束によって複数のコイルの一部に生じる誘導電流を検出することにより、可動子20の位置を特定する。
このような平面モータシステム10は、複数のコイルを利用して可動子20の位置を特定することができる。平面モータシステム10は、光電式のセンサを用いずに可動子の位置の特定が可能である。
平面モータシステム10aにおいては、上記複数のコイルのそれぞれは、駆動用コイル33である。この場合、平面モータシステム10aは、制御部52の制御に基づいて複数の駆動用コイル33に電力供給を行う電力供給回路40を備える。
このような平面モータシステム10aは、複数の駆動用コイル33を利用して可動子20の位置を特定することができる。
平面モータシステム10においては、上記複数のコイルのそれぞれは、位置検出用コイル35である。この場合、固定子30は、主面31aに沿って配置される複数の駆動用コイル33を有する。平面モータシステム10は、さらに、制御部52の制御に基づいて複数の駆動用コイル33に電力供給を行う電力供給回路40を備える。
このような平面モータシステム10は、複数の位置検出用コイル35を利用して可動子20の位置を特定することができる。
また、例えば、複数の位置検出用コイル35のそれぞれの巻数は、複数の駆動用コイル33のそれぞれの巻数よりも多い。
これにより、誘導電流の検出感度を高めることができる。
また、例えば、第一磁石22の磁束密度は、第二磁石23の磁束密度と異なる。
これにより、第一磁石22の磁束密度、及び、第二磁石23の磁束密度の差を利用して、誘導電流が第一磁石22及び第二磁石23のいずれによって生じた誘導電流であるかを判定することができる。
また、例えば、第一磁石22を形成する磁性材料は、第二磁石23を形成する磁性材料と異なる。
これにより、第一磁石22の磁束密度、及び、第二磁石23の磁束密度を異ならせることができる。
また、例えば、制御部52は、さらに、複数のコイルの一部に生じる誘導電流の大きさに応じて当該誘導電流が第一磁石22及び第二磁石23のいずれによって生じた誘導電流であるかを判定する。
このような平面モータシステム10(または、平面モータシステム10a)は、第一磁石22によって生じた誘導電流、及び、第二磁石23によって生じた誘導電流が区別されれば、可動子20の移動精度を高めることができる。
また、例えば、第一磁石22及び第二磁石23は、可動子20の移動方向に並んで配置される。
このような平面モータシステム10(または、平面モータシステム10a)は、簡素な制御アルゴリズムで可動子20を移動させることができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る平面モータシステムについて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、平面モータシステムは、物流倉庫における荷物の搬送システムとして使用されたが、荷物の搬送システム以外の用途で使用されてもよい。
また、上記実施の形態では、駆動用コイルは薄膜状のパターンコイルであったが、駆動用コイルは巻線コイルであってもよい。また、上記実施の形態では、複数の駆動用コイルは、マトリクス状に配置されたが、マトリクス状以外のレイアウトで配置されてもよい。例えば、駆動用コイルが六角形に沿う巻回形状を有する場合には、複数のパターンコイルは、ハニカム状に配置されてもよい。位置検出用コイルについても同様である。
また、上記実施の形態の固定子の模式断面図に示される積層構造は一例である。平面モータシステムは、本発明の特徴的な機能を実現できる他の積層構造を有する固定子を備えてもよい。平面モータシステムは、例えば、上記実施の形態で説明された積層構造と同様の機能を実現できる範囲で、上記実施の形態の積層構造の層間に別の層が設けられた固定子を備えてもよい。
また、上記実施の形態では、固定子が有する積層構造の各層を構成する主たる材料について例示しているが、固定子が有する積層構造の各層には、上記実施の形態の積層構造と同様の機能を実現できる範囲で他の材料が含まれてもよい。
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、上記実施の形態において、制御装置などの構成要素は、当該構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御装置などの構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御装置などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御装置などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、平面モータシステムに含まれる制御装置として実現されてもよいし、上記実施の形態の可動子の位置検出方法として実現されてもよい。本発明は、位置検出方法を制御装置等のコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
また、上記実施の形態に係る平面モータシステムは、単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置によって実現されてもよい。平面モータシステムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された平面モータシステムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10、10a 平面モータシステム
20 可動子
22 第一磁石
23 第二磁石
30、30a 固定子
31a 主面
33、33a、33b 駆動用コイル
35、35a 位置検出用コイル
40 電力供給回路
52 制御部
60 切替回路

Claims (8)

  1. 複数の磁石を有する可動子と、
    前記可動子と対向する主面、及び、前記主面に沿って配置される複数のコイルを有する固定子と、
    制御部とを備え、
    前記複数の磁石には、前記可動子が前記固定子から推力を得るための第一磁石と、前記可動子の位置を検出するための位置検出用の第二磁石とが含まれ、
    前記制御部は、前記第二磁石の磁束によって前記複数のコイルの一部に生じる誘導電流を検出することにより、前記可動子の位置を特定する
    平面モータシステム。
  2. 前記平面モータシステムは、さらに、前記制御部の制御に基づいて前記複数のコイルに電力供給を行う電力供給回路を備える
    請求項1に記載の平面モータシステム。
  3. 前記固定子は、さらに、前記主面に沿って配置される複数の駆動用コイルを有し、
    前記平面モータシステムは、さらに、前記制御部の制御に基づいて前記複数のコイルに電力供給を行う電力供給回路を備える
    請求項1に記載の平面モータシステム。
  4. 前記複数のコイルのそれぞれの巻数は、前記複数の駆動用コイルのそれぞれの巻数よりも多い
    請求項3に記載の平面モータシステム。
  5. 前記第一磁石の磁束密度は、前記第二磁石の磁束密度と異なる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の平面モータシステム。
  6. 前記第一磁石を形成する磁性材料は、前記第二磁石を形成する磁性材料と異なる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の平面モータシステム。
  7. 前記制御部は、さらに、前記複数のコイルの一部に生じる誘導電流の大きさに応じて当該誘導電流が前記第一磁石及び前記第二磁石のいずれによって生じた誘導電流であるかを判定する
    請求項5または6に記載の平面モータシステム。
  8. 前記第一磁石及び前記第二磁石は、前記可動子の移動方向に並んで配置される
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の平面モータシステム。
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