以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
(発光装置の実施形態)
図1は、本開示の実施形態による発光装置の外観の一例を示す。参考のために、図1には、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
図1に示す発光装置100Aは、概ね直方体形状の外観を有し、発光素子110と、波長変換層120と、透光性の保護部材140と、反射部材150Aとを含む。図2は、発光装置100Aを発光装置100Aの中心付近の位置で図1中のZX面に平行に切断したときの断面を模式的に示す。以下、各構成要素を詳細に説明する。
[発光素子110]
発光素子110は、例えばLED等の公知の半導体発光素子である。図示する例において、発光素子110は、素子本体113と、第1電極111および第2電極112とを有する。この例では、素子本体113の上面が発光素子110の上面110aを構成しており、第1電極111および第2電極112は、上面110aとは反対側の面に位置する。上面視における発光素子110の形状は、典型的には、矩形状である。ここでは、発光素子110の上面110aの形状は、矩形状であり、したがって、発光素子110は、4つの側面110cを有している。
素子本体113は、例えば、サファイア基板、窒化ガリウム基板等の支持基板と、支持基板上の半導体積層構造とを含む。半導体積層構造は、活性層と、活性層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含む。半導体積層構造は、紫外〜可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み得る。第1電極111および第2電極112は、Cu等の金属から形成され、素子本体113中の支持基板とは反対側においてn型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ電気的に接続される。以下では、発光素子110として、青色光を出射するLEDを例示する。
[波長変換層120]
波長変換層120は、発光素子110の上面110aの上方に位置する概ね板状の部材であり、発光素子110側に位置する下面120bと、下面120bとは反対側に位置する上面120aとを有する。波長変換層120の厚さ、すなわち、下面120bと上面120aとの間の距離は、例えば、30μm以上300μm以下の範囲である。ここでは、波長変換層120の上面視における形状は、発光素子110の上面110aの形状に相似である。すなわち、ここでは、波長変換層120の上面120aは、矩形状を有している。上面120aの矩形状の一辺は、例えば100μm以上2700μm以下の範囲の長さを有する。
波長変換層120は、発光素子110から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子110からの光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換層120は、発光素子110からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換層120を通過した青色光と、波長変換層120から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
波長変換層120は、波長変換物質である蛍光体等の粒子が分散された樹脂組成物を用いて形成することができる。蛍光体等の粒子を分散させる樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、YAG系蛍光体、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例であり、KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
図2に模式的に示すように、波長変換層120の下面120bには、溝部120gが設けられる。後述するように、溝部120gは、発光素子110の上面110aを囲むように設けられる。溝部120gは、典型的には、波長変換層120の厚さの30%以上60%以下程度の範囲の深さを有する。換言すれば、図2中に両矢印dで示す、波長変換層120の下面120bから溝部120gのうち最も深い部分までの距離は、典型的には、波長変換層120の厚さの30%以上60%以下の範囲である。溝部120gの深さは、溝部120gの全周にわたって一定である必要はなく、溝部120gは、下面120b上の位置に応じて異なった深さを有していてもよい。
図2に示す例では、溝部120gは、断面視において、2つの壁面Gwと、これらの壁面Gwの間に位置する底面Gbとを含む矩形状を有している。ただし、溝部120gの断面視における形状がこの例に限定されないことは言うまでもない。溝部120gの断面視における形状は、例えば、図3に示すようにアーチ状であってもよいし、図4に示すように曲線と直線との組み合わせによって規定される形状であってもよい。あるいは、図5に示すように、2つの壁面Gwによって規定されるV字状であってもよい。このように、溝部120gの断面視における形状は、任意の形状であり得る。
溝部120gは、第1エッジ121および第2エッジ122を含む。第1エッジ121および第2エッジ122は、上述の壁面Gwが下面120bに接続される位置に形成される部分である。ここでは、波長変換層120の下面120bに位置する2つのエッジのうち、より外側に位置するエッジを第2エッジ122と呼ぶ。図示するように、溝部120gの第2エッジ122は、波長変換層120の下面120bの端部(外縁)よりも内側に位置する。
溝部120gの幅、すなわち、第1エッジ121と第2エッジ122との間の距離は、波長変換層120の上面120aの一辺に対して1%以上70%以下程度の範囲であり得る。溝部120gは、例えば20μm以上500μm以下の範囲の幅を有する。
図6は、発光素子110と、波長変換層120の溝部120gとの間の関係の一例を示す。図6は、発光装置100Aから反射部材150Aを除いた構造を、波長変換層120の下面120b側から見たときの平面図に相当する。
図6に例示する波長変換層120Aの下面120bは、平面視における形状が矩形状の溝部120Agを有する。すなわち、この例では、第1エッジ121の平面視における形状は、発光素子110の外形に相似の矩形状である。図示するように、発光素子110は、溝部120Agの第1エッジ121の内側に位置する。換言すれば、溝部120Agの第1エッジ121は、発光素子110の側面110cよりも外側に位置し、溝部120Agは、発光素子110を取り囲んでいる。この例では、下面120b上に四角錐台状の導光部材130Aが形成されている。ここで、本明細書の「四角錐台状」は、四角錐台の外形に曲面が含まれているような形状をも包含するように解釈される。図6では、導光部材130Aの四角錐台の外形を構成する各面が平面として図示されているが、導光部材130Aの外形を構成する面は、平面に限定されず、曲面であってもよい。
図7は、発光素子110と、波長変換層120の溝部120gとの間の関係の他の一例を示す。図7に例示する波長変換層120Bの下面120bには、平面視において円環状の形状を有する溝部120Bgが形成されている。この例では、溝部120Bgの平面視における形状が円環状であることに対応して、波長変換層120Bの下面120b上に、外縁が円状の導光部材130Bが形成されている。このように、溝部120gの平面視における形状は、矩形状に限定されず、円環状等であってもよい。
例えば青色の励起光と、波長変換によって得られた例えば黄色光との混色により白色光を生成する構成においては、発光装置における発光面の中心付近と比較して、発光面の中心を取り囲む外側の領域から出射される光が黄色味を帯びることがある。このような現象は、イエローリングと呼ばれる。イエローリングは、蛍光体板等の波長変換部材の形状、波長変換部材中の蛍光体粒子の分布の偏り、波長変換部材中を進行する光線間の光路長の差異等の複合的な要因によって発生すると考えられており、特に、定格を超えるような大きな電流を発光素子に印加したときに観察されやすくなる。イエローリングの発生しやすい領域に対応した位置に溝部120gを配置することにより、イエローリングの発生を抑制し得る。
溝部120gの平面視における形状は、出射される光の色味がずれやすい領域の形状に応じて適宜に決定されればよく、図6および図7に示すような矩形状、円環状に限定されず、任意の形状を有し得る。なお、溝部120gの平面視における形状を変更することにより、後述するように、導光部材130のうち、発光素子110の側面110cを覆う部分の形状を制御する効果も得られる。
図6および図7に例示する構成において、溝部120Ag、120Bgは、平面視において閉曲線状の連続した溝の形で波長変換層120A、120Bの下面120bに形成されている。しかしながら、下面120bが有する溝部120gは、平面視において閉曲線状の連続した溝の形に限定されない。
図8および図9は、溝部120gの他の例を示す。図8に例示する構成において、波長変換層120Cの下面120bは、溝部120Cgを有する。溝部120Cgは、互いに分離された複数の溝126を含み、図6を参照して説明した例、および、図7を参照して説明した例と同様に、発光素子110の上面110aを取り囲んでいる。図9に示す波長変換層120Dは、下面120bに溝部120Dgを有する。図8に示す溝部120Cgと同様に、溝部120Dgは、複数の溝128を含む。複数の溝128のそれぞれは、円弧状の形状を有し、複数の溝128は、円状に配列されている。
このように、波長変換層120の溝部120gは、発光素子110の上面110aを取り囲むように配置された複数の溝または凹部の群の形で波長変換層120の下面120bに形成されてもよい。波長変換層120の下面120bのうち、発光素子110の側面110cのうちの2つが互いに接続される角部110Vに対応する4つの位置に、L字状の溝または穴部を選択的に形成してもよい。角部110Vに対応する4つの位置に溝または穴部を設けることにより、これらの溝または穴部を、波長変換層120の下面120b上に発光素子110を配置する際のアラインメントマークとしても利用し得る。
なお、本明細書における「溝」の用語は、複数の溝が配列された方向における長さよりも、その方向に直交する方向における長さ(つまり幅)が大きいような形状を有する構造、および、穴のような形状を有する構造をも包含するように広く解釈される。図8および図9に例示するように、複数の溝の配列を波長変換層120の下面120bに設けることによっても、イエローリング抑制の効果が期待できる。ただし、図6および図7に示すように、平面視において閉曲線状の連続した形で波長変換層120に溝部120gを設けることにより、より効果的にイエローリングを抑制し得る。
[導光部材130]
図2を参照する。導光部材130は、透光性の構造であり、反射部材150Aとの界面である外面130cを有する。なお、本明細書における「透光性」および「透光」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。
図2に模式的に示すように、導光部材130は、発光素子110の側面110cの少なくとも一部を覆う第1部分131と、波長変換層120の溝部120gの内部に位置する第2部分132とを含む。図2に示す例では、導光部材130は、さらに、発光素子110の上面110aと、波長変換層120の下面120bとの間に位置する部分を有している。
導光部材130の材料としては、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物を用いることができる。導光部材130は、発光素子110の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子110の発光ピーク波長における導光部材130の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。導光部材130は、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
第1部分131を形成するための材料および第2部分132を形成するための材料は、典型的には、共通である。しかしながら、第1部分131を形成するための材料と、第2部分132を形成するための材料とが互いに異なっていてもよい。例えば、導光部材130を構成する材料が、母材とは異なる屈折率を有する材料から形成されたフィラーを含む場合、第1部分131と第2部分132との間でフィラーの含有量が異なっていてもよい。
導光部材130の第1部分131は、発光素子110の側面110cの一部または全部を覆う。第1部分131を有する導光部材130を設けることにより、発光素子110が発する光のうち、発光素子110の側面110cから出る光の一部を導光部材130の第1部分131に入射させることができる。第1部分131に入射した光は、外面130cの位置で発光素子110の上方に向けて反射され、波長変換層120を介して発光装置100Aの外部に向けて出射する。したがって、導光部材130を設けることにより、光の取出し効率を向上させることができる。導光部材130の第1部分131は、素子本体113の下端から上端までの全体を覆っていてもよい。第1部分131が発光素子110の側面110cのより多くの領域を覆うと、より多くの光を発光素子110の上方に導くことができるので有益である。
断面視における導光部材130の外面130cの形状は、図2に示すような直線状に限定されない。断面視における外面130cの形状は、折れ線状、発光素子110に近づく方向に凸の曲線状、発光素子110から離れる方向に凸の曲線状等であってもよい。外面130cの断面視における形状が、発光素子110から離れる方向に凸の曲線状であると、発光素子110の側面110cから出射されて導光部材130を通過した光のより多くをより効率的に発光装置100Aの上面100a側に導き得る。よって、より有利に光取り出し効率を向上させ得る。
ここで、波長変換層120の溝部120gの平面視における形状が導光部材130の第1部分131の外面の形状に与える影響を説明する。図10は、波長変換層120の溝部120gの平面視における形状と、導光部材130の第1部分131の形状との関係の一例を示し、図11は、波長変換層120の溝部120gの平面視における形状と、導光部材130の第1部分131の形状との関係の他の一例を示す。図10および図11は、発光装置100Aから反射部材150Aを除いた構造を、波長変換層120の下面120b側から見たときの斜視図に相当する。
後に図面を参照して説明するように、例えば導光部材130は、波長変換層120の下面120b上に導光部材130の材料を付与した後、その材料上に発光素子110を配置し、その材料を硬化させることによって形成することができる。このとき、波長変換層120の溝部120gは、導光部材130の材料の広がりを抑制する役割を果たし得る。ここで、図10に示す例のように矩形状の溝部120Agを形成した場合、発光素子110の側面110cから溝部120Agまでの距離と比較して、角部110Vから溝部120Agまでの距離が大きくなる。このような溝部120Agによれば、角部110Vのより高い位置まで導光部材130の材料を配置させやすく、したがって、図10に示すように、角部110Vのより高い位置までを覆う第1部分131Aを形成し得る。すなわち、導光部材130Aによって発光素子110の側面110cのより多くの部分を覆うことができる。したがって、発光面のうち角部110Vの上方における輝度を向上させやすい。
他方、図11に示す例のように円環状の溝部120Bgを形成した場合、発光素子110の角部110Vから溝部120Bgまでの距離と比較して、側面110cから溝部120Bgまでの距離が大きくなる。この場合、図11に示すように、下面120b上に形成される導光部材130Bの第1部分131Bから、角部110Vのより多くの部分を露出させ得る。このように、波長変換層120の溝部120gの平面視における形状を変えることによって、導光部材130の形状を制御し得る。
次に、導光部材の外縁の位置と、溝部の第2エッジ122の位置との間の関係を説明する。図12は、図2に示す模式的な断面のうち、溝部120gとその周辺とを取り出して示す。上述したように、波長変換層120の溝部120gは、導光部材130の材料の広がりを規定する機能を発揮し得る。したがって、導光部材130の外縁の位置は、理想的には、図12に模式的に示すように、溝部120gの第2エッジ122の位置に整合する。
ただし、例えば第1部分131と第2部分132とを同じ材料から一括して形成する場合に、樹脂の硬化に伴う収縮により、導光部材130の外縁が、図13に模式的に示すように溝部120g内に位置することもあり得る。しかしながら、導光部材130の外縁が溝部120g内に位置したとしても、導光部材130の外縁が波長変換層120の下面120bの端部よりも内側に位置する結果、導光部材130に入射した光が波長変換層120に入射することなく発光装置の外部にそのまま出射されてしまうことは回避される。したがって、導光部材130の外縁の位置が、図12に模式的に示すように溝部120gの第2エッジ122の位置に一致することは、必須ではない。
図12および図13からわかるように、平面視において、波長変換層120の溝部120gの位置は、導光部材130の外縁の位置におおよそ一致する。イエローリングは、発光面のうち導光部材の外縁およびその近傍の直上の領域において現れやすい傾向がある。上述のように、本開示の実施形態において、導光部材130の外縁の位置は、溝部120gによって規定され得る。したがって、本開示の実施形態によれば、導光部材130の外縁上またはその近傍に溝部120gが位置することとなり、イエローリングを効果的に抑制し得る。
溝部120gの形状および配置は、発光面においてイエローリングを抑制したい領域に応じて適宜に決定されればよい。溝部120gの深さおよび幅も任意である。溝部120gの全体にわたって溝部120gの深さおよび/または幅が一定である必要もない。発光素子110が二重以上に取り囲まれるように溝部120gが複数設けられてもよい。
[保護部材140]
再び図2を参照する。保護部材140は、波長変換層120の上面120a上に位置し、波長変換層120および発光素子110の保護層として機能する。保護部材140は、例えば、シリコーン樹脂等を母材とする樹脂組成物から形成される。典型的には、保護部材140は、発光素子110の発光ピーク波長を有する光に対して、60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子110の発光ピーク波長における保護部材140の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
保護部材140の母材としては、例えば、シリコーン樹脂のほか、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を適用し得る。母材とは異なる屈折率を有する材料を母材中に分散させることにより、保護部材140に光拡散機能を与えてもよい。
[反射部材150A]
反射部材150Aは、光反射性の材料から形成され、波長変換層120の下面120b側に位置する。本明細書において、「光反射性」とは、発光素子110の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。反射部材150Aの、発光素子110の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。反射部材150Aが白色を有すると有益である。
図2に例示する構成において、反射部材150Aは、発光素子110の側面110cのうち導光部材130に覆われていない部分と、導光部材130の外面130cとを覆う。この例では、波長変換層120の上面120aと下面120bとの間に位置する側面120c、および、保護部材140の側面140cは、反射部材150Aから露出されている。
反射部材150Aの一部は、発光素子110の上面110aとは反対側に位置し、素子本体113の下面のうち、第1電極111および第2電極112が配置された領域を除く領域を覆う。図14は、発光装置100Aを下面100b側から見た例示的な外観を示す。図14に示すように、第1電極111の下面111bおよび第2電極112の下面112bは、発光装置100Aの下面100bから露出され、したがって、発光装置100Aは、フリップチップ接続による実装に適合した構成を有するといえる。
(変形例)
図15は、本開示の実施形態による発光装置の変形例を示す。上述の発光装置100Aと比較して、図15に示す発光装置100Bは、反射部材150Aに代えて、反射部材150Bを有する。反射部材150Bは、発光素子110、波長変換層120および保護部材140を取り囲む形状を有している。
図16は、発光装置100Bを発光装置100Bの中心付近の位置で図15中のZX面に平行に切断したときの断面を模式的に示す。図示するように、この例では、保護部材140の上面140aと、反射部材150Bの上面150aとが発光装置100Bの上面100aを構成する。また、この例では、波長変換層120の側面120cおよび保護部材140の側面140cは、反射部材150Bに覆われている。波長変換層120の側面120cを反射部材150Bで覆うことにより、側面120cから反射部材150Bに向かって進む光を反射部材150Bによって反射させることができ、指向特性(directivity)が向上された配光を実現し得る。
本開示の実施形態では、溝部120gの形で波長変換層120に相対的に薄い部分を設け、導光部材130の一部を溝部120g内に配置している。そのため、発光素子110からの光を導光部材130を介して溝部120g内に導くことができ、波長変換層120のうち相対的に薄い部分に入射する光の割合を増大させ得る。これにより、発光素子110から出射される光のうち、波長変換を受ける光と、波長変換を受けずに波長変換層120を通過する光との間のバランス調整が可能となる。特に、イエローリングの発生しやすい領域に溝部120gを配置することにより、イエローリングを抑制して、発光装置の上面における色ムラの発生を抑制し得る。したがって、光の均一性を向上させることができる。
例えば、溝部120gが下面120bに形成する第1エッジ121の形状を上面110aの外形に相似としてもよい。溝部120gの第1エッジ121の形状を発光素子110の上面110aの外形に相似とすることにより、イエローリングの発生しやすい領域に溝部120gを配置し得る。したがって、より有利にイエローリングを抑制し得る。なお、導光部材130の外縁の形状は、平面視における溝部120gの形状によって規定され得る。平面視において閉曲線状の連続した単一の溝の形で溝部120gを形成することにより、導光部材130の第2部分132を例えばリング状とすることができる。
(発光装置の例示的な製造方法)
次に、本開示の実施形態による発光装置の製造方法を説明する。図17は、本開示の実施形態による発光装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。図17に例示された発光装置の製造方法は、概略的には、素子載置領域を囲む溝部が設けられた主面を有する波長変換層を準備する工程(ステップS1)と、発光素子を準備する工程(ステップS2)と、発光素子を素子載置領域に配置する工程(ステップS3)と、発光素子の側面の少なくとも一部を覆い、かつ、溝部内に位置する部分を含む導光部材を形成する工程(ステップS4)と、発光素子の側面のうち導光部材に覆われていない部分および導光部材の外面を覆う反射部材を形成する工程(ステップS5)とを含む。以下、図1等に示す発光装置100Aを例にとり、製造方法の詳細を説明する。
まず、少なくとも1つの素子載置領域と、素子載置領域を囲む溝部とが設けられた主面を有する波長変換層を準備する(図17のステップS1)。ここでは、図18に示すように、透光シート140Sと、蛍光体を含有する蛍光体シート120Sとを含む積層シートLSの形で波長変換層を準備する。
積層シートLSは、例えば、蛍光体の粒子が分散された樹脂組成物中の樹脂をBステージの状態とした蛍光体シートと、透光性の樹脂シートとを準備し、これらを熱によって貼り合わせ、超音波カッタ等により所定の寸法の切断片を得ることによって準備することができる。蛍光体シートは、母材としての樹脂、蛍光体、フィラー粒子および溶媒を含有する樹脂組成物から形成することができる。母材としては、波長変換層120の材料として例示した、シリコーン樹脂等のほか、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の各種の樹脂を用いることもできる。蛍光体も、波長変換層120の材料として例示した各種の蛍光体を用い得る。透光シート140Sは、例えば、透光性の樹脂組成物を硬化させることによって得ることができる。透光シート140Sの材料は、例えばシリコーン樹脂を母材として含み、付加的に、光反射性のフィラー等を含む。スプレー法、キャスト法、ポッティング法等の塗布法によって、蛍光体を含有する樹脂組成物を透光シート140S上に付与し、付与された樹脂組成物を硬化させることによっても積層シートLSを得ることができる。透光シート140Sとして、板状のポリカーボネート、ガラスを用いてもよい。あるいは、購入によって積層シートLSを準備してもよい。購入によって蛍光体シート120Sおよび/または透光シート140Sを準備してもよい。
図18に示すように、積層シートLSは、蛍光体シート120Sの主面のうち透光シート140Sとは反対側に位置する主面120Sbに、それぞれが素子載置領域DRを囲む1以上の溝部120gを有する。この例では、主面120Sbに、平面視において矩形状の複数の溝部120gが設けられており、各溝部120gは、主面120Sbに位置する第1エッジ121および第2エッジ122を含む。第2エッジ122は、第1エッジ121よりも外側に位置し、したがって、素子載置領域DRは、溝部120gの第1エッジ121によって規定される領域であるといえる。ここでは、9つの素子載置領域DRが、互いに間隔をあけて主面120Sbに二次元に配置されている。もちろん、素子載置領域DRの形状、数および配置は、任意に決定し得る。
溝部120gの形成方法も、特定の方法に限定されない。例えば、矩形状の凸部を有する金型を、Bステージの状態にある蛍光体シートの一方の主面に押し付ける部分的な押圧によって溝部120gを形成し得る。金型を押し付けながら、または、金型から分離後に、蛍光体シート中の樹脂を硬化させてもよい。あるいは、キャビティの内部に凸部が設けられた金型を用いたトランスファー成形等によって、溝部120gを有する蛍光体シートを得てもよい。そのほか、硬化後の蛍光体シート120Sの一方の主面に、エッチング、機械加工等によって溝部120gを形成してもよい。
次に、図19に示すように、耐熱性の粘着テープ等の支持体300上に積層シートLSを配置する。このとき、積層シートLSの主面のうち、主面120Sbとは反対側の主面140Saを支持体300に対向させる。
次に、発光素子を準備する(図17のステップS2)。ここでは、上述の発光素子110を用いる。発光素子110は、購入によって準備されてもよい。
次に、発光素子110を素子載置領域DRに配置する(図17のステップS3)。ここでは、複数の素子載置領域DRに対応させて各素子載置領域DRに1つの発光素子110を配置する。このとき、図20に示すように、まず、ディスペンサ等により、透光性の樹脂組成物130rを各素子載置領域DRに付与する。樹脂組成物130rとしては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用い得る。樹脂組成物130rは、母材とは屈折率の異なる材料が分散させられていてもよい。
その後、図21に示すように、発光素子110の上面110aを積層シートLSの主面120Sbに対向させて樹脂組成物130r上に発光素子110を配置する。樹脂組成物130rを素子載置領域DRに付与する代わりに、樹脂組成物130rを発光素子110の上面110aに付与して素子載置領域DRに発光素子110を配置してもかまわない。なお、いずれの場合も、溝部120gをアラインメントマークとして利用することができる。溝部120gの第1エッジ121と発光素子110の側面110cとの間の距離wが大きいとアラインメントマージンを大きくとれるので有益である。また、より大きな導光部材130の形成が容易になり、光の利用効率をより向上させ得るという利点も得られる。
素子載置領域DRへの発光素子110の配置の工程において、典型的には、積層シートLSに向けて発光素子110が押し付けられ、したがって、発光素子110の上面110aは、樹脂組成物130rに埋め込まれる。素子載置領域DRに付与された未硬化の樹脂組成物130rは、自重および発光素子110の押し付けによって主面120Sb上に拡がる。主面120Sb上に拡がった樹脂組成物130rの一部は、溝部120g内に入り込む。本実施形態では、主面120Sbに溝部120gが設けられているので、溝部120gの第2エッジ122を越えての樹脂組成物130rの拡がりを回避し得る。
また、このとき、樹脂組成物130rの他の一部は、発光素子110の側面110cを這い上がり、側面110cの少なくとも一部を覆う。その後、樹脂組成物130rを硬化させることにより、樹脂組成物130rから、発光素子110の側面110cの少なくとも一部を覆う第1部分131と、溝部120g内に位置する第2部分132とを有する導光部材130を形成することができる(図17のステップS4)。
上述したように、本実施形態では、主面120Sbに溝部120gが設けられることにより、溝部120gの第2エッジ122を越えての樹脂組成物130rの拡がりが抑制される。したがって、溝部120gにより、導光部材130の外縁を画定することが可能である。また、溝部120gによって樹脂組成物130rの拡がりが規制される結果、溝部120gの平面視における形状、ならびに、主面120Sbに付与する樹脂組成物130rの量および粘度等の制御により、導光部材130の外面130cの形状を制御し得る。例えば、発光素子110から離れる方向に凸の曲線状の断面形状を有する外面130cをより容易に形成し得る。導光部材130の外面130cの形状の制御によって、より均一な輝度分布を実現し得る。樹脂組成物130rの粘度は、母材へのフィラー等の添加によって調節することができる。
なお、素子載置領域DRへの発光素子110の配置に際して、図22に示すように、表面が主面120Sbから盛り上がるようにして樹脂組成物130rをまず溝部120g内に充填してもよい。例えば溝部120gに沿って環状に配置された樹脂組成物130rを硬化させた後、硬化後の樹脂組成物130rに囲まれた領域にさらに樹脂組成物130rを付与してもよい。このように樹脂組成物130rを2段階で主面120Sbに付与することにより、溝部120gに沿って配置され、硬化された樹脂組成物130rを、未硬化の樹脂組成物130rの流出を抑制するダムとして機能させ得る。溝部120g内に充填する樹脂組成物と、ダムの内側に付与する樹脂組成物との間で異なる材料を用いてもよい。
ここでは、予め主面120Sbに溝部120gが形成された積層シートLS上に発光素子110を配置しているが、主面120Sbへの発光素子110の配置の段階で主面120Sbに溝部120gを形成してもよい。つまり、素子載置領域DRを規定する溝部120gを積層シートLSの準備の前に形成しておくことは必須ではなく、例えば主面120Sbへの発光素子110の配置のタイミングで溝部120gが形成されてもよい。例えば、発光素子110をピックアップするためのコレットの先端に枠状の凸部を設けておき、主面120Sbへの発光素子110の配置の際に、Bステージの状態にある蛍光体シートにコレット先端の凸部を押し付けることによって溝部120gを形成してもよい。溝部120gの形成の方法は、特定の方法に限定されない。
次に、発光素子110の側面110cのうち導光部材130に覆われていない部分と、導光部材130の外面130cとを覆う反射部材を形成する(図17のステップS5)。ここでは、まず、図23に示すように、積層シートLS上の構造を覆う光反射樹脂層150Tを形成する。図示するように、光反射樹脂層150Tは、発光素子110の側面110cのうち導光部材130に覆われていない部分および導光部材130の外面130cを覆う。
光反射樹脂層150Tは、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂材料を積層シートLSの主面120Sbに付与した後、付与された樹脂材料を硬化させることによって形成することができる。光反射樹脂層150Tの形成には、例えばトランスファー成形、スプレー塗布、圧縮成形等の各種の方法を適用できる。
光反射樹脂層150Tを形成するための樹脂材料の母材としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等を用い得る。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、光反射性のフィラーを分散させる樹脂材料よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。
次に、研削加工等を適用して光反射樹脂層150Tの上面側から光反射樹脂層150Tの一部を除去することにより、発光素子110の第1電極111の下面111bと、第2電極112の下面112bとを研削面から露出させる。さらに、ダイシング装置等によって支持体300上の構造を所望の形状に切り出す。ここでは、例えば、互いに隣接する2つの素子載置領域DRの間の位置で、研削後の光反射樹脂層150Tおよび積層シートLSを切断する。光反射樹脂層150Tの研削および切断により、図24に示すように、光反射樹脂層150Tから反射部材150Aを形成することができる。また、積層シートLSの切断により、蛍光体シート120Sおよび透光シート140Sからそれぞれ波長変換層120および保護部材140を形成することができる。支持体300上の構造を支持体300から分離することにより、上述の発光装置100Aが得られる。
図15および図16を参照して説明した発光装置100Bは、例えば、以下のようにして得ることができる。まず、図25に示すように、それぞれが主面120Sbに素子載置領域DRおよび素子載置領域DRを囲む溝部120gを有する積層シート片LTを準備する。積層シート片LTは、透光シート片140Tと蛍光体シート片120Tとを含む。積層シート片LTは、上述の積層シートLSを矩形状に切り出すことによって得られた部材であり得る。図25の例では、互いに間隔をあけて複数の積層シート片LTを支持体300上に配置している。
次に、図20および図21を参照して説明した上述の例と同様にして、図26に示すように、各素子載置領域DRに樹脂組成物130rを付与し、樹脂組成物130r上に発光素子110を配置する。このとき、主面120Sbに溝部120gが設けられているので、溝部120gの外側への樹脂組成物130rの拡がりを抑制できる。特に、主面120Sb上から積層シート片LTの外側への樹脂組成物130rの流出を回避し得る。
樹脂組成物130rを硬化させて導光部材130を形成した後、図23に示す例と同様にして、発光素子110および導光部材130を覆う光反射樹脂層150Tを形成する。ただし、ここでは、図27に示すように、積層シート片LTをも覆うように支持体300上に光反射樹脂層150Tを形成する。
なお、各素子載置領域DRへの発光素子110の配置の前に、光反射性のフィラーが分散された樹脂材料を、互いに間隔をあけて複数の積層シート片LTの間の領域に付与して硬化させ、複数の積層シート片LTの間に、積層シート片LTと同じ厚さの光反射樹脂層を予め形成しておいてもよい。その後、各素子載置領域DRに発光素子110を配置し、光反射性のフィラーが分散された樹脂材料を発光素子110および導光部材130が覆われるように付与して硬化させれば、図27に示す構造と同様の構造が得られる。積層シート片LTと同じ厚さのグリッド状の光反射樹脂層を準備し、グリッド状の開口部に積層シート片LTと同様の構造を形成して発光素子110の配置を実行してもよい。
次に、図24に示す例と同様にして光反射樹脂層150Tの上面側から光反射樹脂層150Tの一部を除去して第1電極111の下面111bと、第2電極112の下面112bとを研削面から露出させた後、支持体300上の構造を所望の形状に切り出す。例えば、図28に示すように、互いに隣接する2つの素子載置領域DRの間の位置で、研削後の光反射樹脂層150Tを切断する。これにより、光反射樹脂層150Tから反射部材150Bが形成され、支持体300上に複数の発光装置100Bが得られる。なお、溝部120gの形成は、各素子載置領域DRへの発光素子110の配置と同時、または、各素子載置領域DRへの発光素子110の配置の後であってもよい。
図25〜図28を参照して説明した例では、支持体300上の積層シート片LTに発光素子110を配置している。これとは逆に、支持体300上に配置した発光素子110に積層シート片LTを接合することによって発光装置を得ることも可能である。
例えば、図29に示すように、上面110aを支持体300とは反対側に向けて発光素子110を支持体300上に配置する。そして、上面110a上に樹脂組成物130rを付与する。
次に、溝部120gが設けられた主面120Sbを発光素子110の上面110aに向けて積層シート片LTを上面110aの上方に配置する。この場合も、支持体300に向けた積層シート片LTの押圧によって、樹脂組成物130rの一部が溝部120gの内部に入り込み、溝部120gの内部が樹脂組成物130rで充填され得る。
樹脂組成物130rを硬化させることにより、樹脂組成物130rから導光部材130を形成することができる。その後、図31に示すように、支持体300上の構造が覆われるように光反射樹脂層150Tを形成する。
光反射樹脂層150Tの形成後、研削加工等によって光反射樹脂層150Tの上面側から光反射樹脂層150Tの一部を除去して光反射樹脂層150Tから透光シート片140Tを露出させる。さらに、例えば互いに隣接する積層シート片LTの間の位置で光反射樹脂層150Tを切断することにより、光反射樹脂層150Tから反射部材150Bを形成して、複数の発光装置100Bを得ることができる。互いに隣接する積層シート片LTの間にある光反射樹脂層150Tを除去するように切断を実行すれば、図1に示す発光装置100Aと同様の構造を得ることもできる。
積層シート片LTの接合の前の工程において支持体300上に発光素子110を配置することに代えて、配線を有する基板等に発光素子110を接合してもかまわない。例えばリフロー等によって、第1配線および第2配線を有する基板の第1配線および第2配線に発光素子110の第1電極111および第2電極112をそれぞれ接合し、基板を支持体として利用してもよい。発光素子110への積層シート片LTの接合後、図31に示す例と同様にして基板上に光反射樹脂層150Tを形成し、光反射樹脂層150Tから透光シート片140Tを露出させた後に光反射樹脂層150Tおよび基板を一括して切断すれば、基板を備える発光装置を得ることができる。
上述した製造方法の実施形態によれば、導光部材130の形成の前に、素子載置領域DRを囲む溝部120gが波長変換層に設けられるので、導光部材130の材料が素子載置領域DRを越えて拡がってしまうことを回避し得る。したがって、発光装置の外面に導光部材が露出することによる光漏れを防止することが可能である。
また、溝部120gにより、導光部材130の材料が素子載置領域DRを越えて拡がってしまうことが抑制されるので、導光部材130の材料である樹脂組成物130rを発光素子110の側面110cの少なくとも一部上により確実に配置し得る。そのため、樹脂組成物130rを硬化させることによって、発光素子110の側面110cの一部または全部を覆う導光部材130を形成することがより容易になる。導光部材130の材料の付与の工程において溝部120g内に樹脂組成物130rの一部を配置して樹脂組成物130rを硬化させることにより、溝部120g内に位置する第2部分132を含む導光部材130を形成することができる。
上述した例のように複数の素子載置領域DRを互いに間隔をあけて配置し、素子載置領域DRごとに発光素子110を配置して光反射樹脂層150Tを形成後、光反射樹脂層150Tを切断することにより、複数の発光装置を一括して効率的に製造可能である。なお、各素子載置領域DRに2以上の発光素子110を配置してもかまわない。各素子載置領域DRに2以上の発光素子110を配置することにより、色ムラを抑制しながら、より高い輝度を実現し得る。