JP2019192331A - 固体高分子形燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体高分子形燃料電池用セパレータを構成する基板と皮膜の密着性を向上し、セパレータ表面の親水性を損なうことなく、ガス拡散層(GDL)との接触抵抗の増加を抑制する固体高分子形燃料電池用セパレータおよびその製造方法を提供する。【解決手段】ステンレス鋼製の基材上に、窒化チタン粒子を含むスチレンブタジエンゴムの皮膜が被覆されている固体高分子形燃料電池用セパレータにおいて、その皮膜を、少なくとも、基材上に被覆されて撥水性を有する第1皮膜と、その第1皮膜上に被覆されて親水性を有する第2皮膜と、から形成する。そして、この窒化チタン粒子中に含まれる炭素濃度を0.6重量%未満として、酸素濃度を1.5重量%未満とする。【選択図】なし

Description

本発明は、主に車輌、船舶、航空機などの乗物に搭載され、または企業や一般家庭で使用されている燃料電池、特に固体高分子形燃料電池に用いるセパレータおよびその製造方法に関する。
近年、自動車やバスの電源として搭載されている燃料電池や一般家庭向けの電源として提供されている燃料電池は、その多くが固体高分子形燃料電池(PEFCまたはPEMFC)である。固体高分子形燃料電池は、りん酸形燃料電池など他の燃料電池に比べて小形かつ軽量化が可能であり、起動時の操作が比較的に容易であることから各産業分野でその普及が進みつつある。
そのため固体高分子形燃料電池を構成するセパレータとしては、良好な電気伝導性に加えて、酸における耐食性や加工時における成形性などの諸特性が求められている。中でも、自動車用途に使用される燃料電池内では、燃料ガスである水素ガスと大気中の酸素とが反応して、水が生成される。その生成される水は燃料電池内で発電時に妨げになるので迅速に外部へ排出する必要がある。
これまでの燃料電池用途のセパレータとしては、特許文献1において鉄系などの耐食性を有する基材上に金属酸化物粒子を含有した炭素系膜を被覆した形態が開示されている。このセパレータは、炭素系膜に含有されている金属酸化物粒子が親水性であるので、セパレータ内で発生する過剰な水分を外部に排出する機能を有することが説明されている。
また、特許文献2にも特許文献1と同様に燃料電池用セパレータが開示されている。このセパレータはステンレス鋼製の基材上に、シリカ等の親水材料を水やアルコール等の分散媒に混ぜた溶液を塗布して、親水層を形成させている。これにより、セパレータの表面に結露した水の排出性を高めることが説明されている。
特開2007−134107号公報 特開2010−225560号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示されている表面処理層にはSiなどの酸化物粒子を分散させて親水処理を行っており、表面の濡れ性は親水性になっている。そのため、発電時に燃料電池セル中で生成される水の排水性は向上するが、セパレータとガス拡散層との接触抵抗が高くなるという問題があった。
そこで、本発明においては固体高分子形燃料電池用セパレータを構成する基板とその基板上に形成される皮膜の密着性を向上しつつ、セパレータ(皮膜)表面の親水性を損なうことなく、燃料電池セル中におけるガス拡散層との接触抵抗の増加を抑制する固体高分子形燃料電池用セパレータおよびその製造方法を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明はステンレス鋼製の基材上に、窒化チタン粒子を含むスチレンブタジエンゴムの皮膜が被覆されている固体高分子形燃料電池用セパレータにおいて、その皮膜を、少なくとも、基材上に被覆されて撥水性を有する第1皮膜と、その第1皮膜上に被覆されて親水性を有する第2皮膜と、から形成する。
そして、この窒化チタン粒子中に含まれる炭素濃度を0.6重量%未満として、酸素濃度を1.5重量%未満とする。窒化チタン粒子の粒径については0.7μm以上1.8μm以下の範囲とすることもできる。さらに、その第2皮膜上における水との接触角は10°以上60°以下の範囲としてもよい。
また、固体高分子形燃料電池用セパレータの製造方法の発明については、ステンレス鋼製の基材に対して、アルコール中に窒化チタン粒子およびスチレンブタジエンゴムを含む第1溶液を塗布し(第1工程)、その後、第1溶液中に界面活性剤を添加した第2溶液を第1皮膜上に塗布する(第2工程)製造方法とした。
その他の製造方法としては、前述の第1および第2溶液に替えてステンレス鋼製の基材に対して、アルコールと水の混合液中に窒化チタン粒子およびスチレンブタジエンゴムを含む溶液を塗布する製造方法とすることもできる。
本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータは、ステンレス鋼製の基材上に親水性を有する皮膜を被覆するに際して、基材とその皮膜の間に撥水性を有した皮膜を挿入することで基材と皮膜の密着性を向上できる。その結果、セパレータ表面の親水性を損なうことなく、燃料電池セル中におけるガス拡散層との接触抵抗の増加を抑制できるという効果を奏する。
以下、実施形態の一例について、本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータを構成する、基材、第1皮膜および第2皮膜の順に詳細を説明する。
本発明の固体高分子形燃料電池用セパレータを構成する基材は、耐食性および機械的強度の観点からステンレス鋼とする。また、ステンレス鋼は、SUS304やSUS316等の鋼種に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼またはSUS430やSUS434等の鋼種に代表されるフェライト系ステンレス鋼のいずれでも構わない。
次に、ステンレス鋼製の基材上に被覆される第1皮膜は、媒体であるスチレンブタジエンゴム(SBR)中に導電性粒子として窒化チタン(TiN)粒子を分散させた構成とする。この窒化チタン粒子を構成する成分は全て窒化チタン(TiN)であることが望ましいが、それ以外の成分として炭素(C)濃度を0.6重量%未満、酸素(O)濃度を1.5重量%未満としても構わない。
また、窒化チタン粒子の粒径については0.7μm以上1.8μm以下の範囲とすることが望ましい。さらに、基材上に被覆する第1皮膜は撥水性を有する皮膜とする。ここでの「撥水性」とは、ぬれ性、すなわち液体と基材表面の接触角度が概ね70°以上の場合を指すものとする。
次に、前述の第1皮膜上に被覆される第2皮膜は、第1皮膜と同様に媒体であるスチレンブタジエンゴム(SBR)中に導電性粒子として窒化チタン(TiN)粒子を分散させた構成とする。この窒化チタン粒子も窒化チタン(TiN)以外の成分として炭素(C)濃度を0.6重量%未満、酸素(O)濃度を1.5重量%未満としても構わない。
また、窒化チタン粒子の粒径については、第1皮膜の場合と同様に0.7μm以上1.8μm以下の範囲とすることが望ましい。さらに、基材上に被覆する第1皮膜は親水性を有する皮膜とする。ここでの「親水性」とは、ぬれ性、すなわち液体との接触角度が10°以上60°以下の場合をいう。
なお、ステンレス鋼製の基材上に第1および第2皮膜を形成する(被覆する)方法としては、窒化チタン(TiN)粒子をスチレンブタジエンゴム(SBR)中に分散させた分散浴中で基材に電圧を印加することで基材上に窒化チタン(TiN)粒子を吸着、堆積させる方法である「泳動電着法」、基材表面に窒化チタン(TiN)粒子およびスチレンブタジエンゴム(SBR)の溶質を水やアルコール等の溶媒中に混合して、基材表面に直接塗布、乾燥させる方法である「スプレー法」など種々の方法で形成できる。
また、第1皮膜上に第2皮膜を形成する場合には、水やアルコール等の溶媒中に界面活性剤を混合しても構わない。界面活性剤の種類としては、例えば水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)、カルボキシル基(−CO)、スルホン基(−SO)などの種々の官能基を含む界面活性剤を用いることができる。
本実施例では、ステンレス鋼製の基材上に撥水性を有する皮膜や親水性を有する皮膜を形成することで試験片(セパレータ)を作製して、固体高分子形燃料電池用セパレータとして要求される複数の評価項目について評価試験を行った。それらの試験結果について以下に説明する。
本試験片上の皮膜は、アルコール中に窒化チタン粒子およびスチレンブタジエンゴムを混合した溶液(以下、「本溶液」という)をステンレス鋼の表面にスプレー塗布した後、所定の温度および時間で乾燥して形成した。特に、親水性を有する皮膜を形成する際には、市販の界面活性剤を所定の割合で本溶液中に混合したものを用いた。本溶液中のTiN粒子は平均粒径が0.85μmであり、TiN粒子中に酸素濃度(単位:重量%)が1.5%未満、炭素濃度が0.6%未満の割合で含有されているものを用いた。
試験片の種類は、発明材としてステンレス鋼製の基板上にまず界面活性剤を含まない本溶液を塗布して撥水性の皮膜(第1皮膜)を形成した後、第1皮膜上に界面活性剤を含む本溶液を塗布して親水性の皮膜(第2皮膜)をさらに形成したもの(以下、「発明材1」という)を作製した。
次に、比較材としてステンレス鋼製の基板上に界面活性剤を含まない本溶液を塗布して撥水性の皮膜を形成したもの(以下、「比較材1」という)および界面活性剤を含む本溶液を塗布して親水性の皮膜を形成したもの(以下、「比較材2」という)の計2種類作製した。
作製した試験片の評価項目は、まず試験片作製時に基板と皮膜の密着性をスクラッチ試験により評価し、基板表面に皮膜の剥離が認められなかった試験片を「合格」と判断した。そして、固体高分子形燃料電池用セパレータとしての接触抵抗(単位:mΩ・cm)を測定し、接触抵抗値が5.0mΩ・cm以下である場合を「合格」とした。
また、基板上に形成した皮膜のぬれ性を水との接触角(単位:°)により評価し、測定した接触角が60°以下である場合を「合格」とした。最終的には、これら全ての評価項目を全て満足する場合には、総合判定を「合格」とした。本試験に用いた発明材1および比較材1,2の各評価結果を表1に示す。
Figure 2019192331
表1より、発明材1の接触抵抗値は2.3mΩ・cm、接触角は22°となり、密着性評価でも基板と皮膜の間の剥離は認められなかった。そのため、発明材1の総合的な判定は「合格」とした。
これに対して、比較材1の接触抵抗値は2.9mΩ・cmであり、密着性評価も基板と皮膜の間で剥離することなく合格基準を満たすものであったが、接触角は97°となり、接触角は60°以下とする合格基準を満たさないために試験片としての総合的な判定は「不合格」とした。比較材2は、基板と皮膜との界面で部分的な剥離が試験片に認められたので、試験片としての総合的な判定は「不合格」とした。
次に、実施例1で使用した窒化チタン(TiN)粒子の物性のみを変更して、実施例1と同様の試験条件で試験片を作製し、接触抵抗値,ぬれ性および密着性の各評価項目について評価した。なお、本実施例で使用した本溶液中のTiN粒子は平均粒径が1.50μmであり、TiN粒子中に酸素濃度(単位:重量%)が0.8%未満、炭素濃度が0.5%未満の割合で含有されているものを使用した。
試験片の種類は、発明材としてステンレス鋼製の基板上にまず界面活性剤を含まない本溶液を塗布して撥水性の第1皮膜を形成した後、その皮膜上に界面活性剤を含む本溶液を塗布して親水性の第2皮膜をさらに形成したもの(以下、「発明材2」という)を作製した。
次に、比較材としてステンレス鋼製の基板上に界面活性剤を含まない本溶液を塗布して撥水性の皮膜を形成したもの(以下、「比較材3」という)および界面活性剤を含む本溶液を塗布して親水性の皮膜を形成したもの(以下、「比較材4」という)の計2種類作製した。本試験で用いた発明材2および比較材3,4の各評価結果を表2に示す。
Figure 2019192331
表2より、発明材2は接触抵抗値が3.1mΩ・cm、接触角は16°となり、密着性評価でも基板と皮膜の間の剥離は認められなかった。そのため、発明材2の試験片の総合的な判定は、「合格」とした。
これに対して、比較材3の接触抵抗値は表2に示すように3.4mΩ・cmであり、皮膜の密着性も合格基準を満たすものであったが、接触角は102°となり、60°以下とする合格基準を満たさないために総合的な判定は「不合格」とした。比較材4は、密着性評価において基板と皮膜が完全に剥離したので、その後の接触抵抗値や接触角の測定を行うことができず、結果として総合的な判定は「不合格」とした。
次に、実施例1および2で使用した本溶液中の溶媒を、アルコールのみからアルコールと水の混合液へ変更して、実施例1と同様の試験条件で試験片を作製し、接触抵抗値,ぬれ性および密着性の各評価項目について評価した。本実施例で使用した本溶液中のTiN粒子は実施例1で使用した平均粒径が0.85μmであり、TiN粒子中に酸素濃度(単位:重量%)が1.5%未満、炭素濃度が0.6%未満の割合で含有されているものとした。
試験片の種類は、発明材としてステンレス鋼製の基板上にまず界面活性剤を含む本溶液を1回のみ塗布して皮膜を形成したもの(以下、「発明材3」という)を作製した。また、比較材としてステンレス鋼製の基板上に界面活性剤を含まない本溶液を塗布して皮膜を形成したもの(以下、「比較材5」という)の計2種類作製した。本試験で用いた発明材3および比較材5の各評価結果を表3に示す。
Figure 2019192331
表3より、発明材3は触抵抗値が3.1mΩ・cm、接触角は25°となり、密着性評価でも基板と皮膜の間の剥離は認められなかった。そのため、発明材3の試験片の総合的な判定は、「合格」とした。これに対して、比較材5は、密着性評価において基板と皮膜 は認められず、接触抵抗値も3.0mΩ・cmであったが、接触角は71°となり、60°以下とする合格基準を満たさないために総合的な判定は「不合格」とした。
(比較例)
以上の実施例1ないし3に加えて、比較材のみを用いて実施例と同様の試験も行ったので、比較例としてその試験結果を以下に説明する。本比較例の試験では、実施例1ないし3で使用した窒化チタン(TiN)粒子の物性のみを変更した。その他は実施例1ないし3と同様の試験条件で試験片を作製し、接触抵抗値,ぬれ性および密着性の各評価項目について評価した。
本比較例の試験で使用した本溶液中のTiN粒子は平均粒径が1.35μmであり、TiN粒子中に酸素濃度(単位:重量%)が2.5%未満、炭素濃度が2.0%未満の割合で含有されているものを使用した。
試験片の種類は、比較材としてステンレス鋼製の基板上に界面活性剤を含まない本溶液を塗布して撥水性の皮膜を形成したもの(以下、「比較材6」という)、界面活性剤を含む本溶液を塗布して親水性の皮膜を形成したもの(以下、「比較材7」という)、ステンレス鋼製の基板上にまず界面活性剤を含まない本溶液を塗布して撥水性の皮膜を形成した後、その皮膜上に界面活性剤を含む本溶液を塗布して親水性の皮膜をさらに形成したもの(以下、「比較材8」という)の計3種類の試験片を作製した。本比較例の試験に用いた比較材6ないし8の各評価結果を表4に示す。
Figure 2019192331
表4より、比較材6の皮膜の剥離は認められず、密着性は合格基準を満たしていたが、 接触抵抗値は6.1mΩ・cm、接触角は87°となり、接触抵抗値および接触角はいずれも合格基準を満たさないので試験片としての総合的な判定は「不合格」とした。
比較材7は、実施例2の比較材4の場合と同様に密着性評価において基板と皮膜が完全に剥離した。そのため、接触抵抗測定や接触角の測定ができなくなり、こちらも総合的な判定は「不合格」とした。
比較材8は、密着性評価で基板と皮膜の間の剥離は認められず、接触角も17°であったが、接触抵抗値が5.3mΩ・cmとなり、接触抵抗値は5.0mΩ・cm以下とする合格基準を超えたので、総合的な判定は「不合格」となった。
以上の実施例1ないし3および比較例の試験結果より、固体高分子形燃料電池用セパレータとして要求される接触抵抗値,ぬれ性および密着性の基準をすべて満たすためには、基板上に形成される皮膜は、下層として撥水性を有する第1皮膜を形成し、その第1皮膜上に親水性を有する第2皮膜を形成する必要があることがわかった。
加えて、第1および第2皮膜中の窒化チタン(TiN)粒子に含有される酸素および炭素の濃度限界は、そのTiN粒子の粒径に関わらず、それぞれ酸素濃度が1.5重量%未満であること、および炭素濃度が0.6重量%未満であることが必要であることも明らかになった。
なお、実施例1ないし3の試験結果より本溶液を作製する際にはアルコールを溶媒とする場合の他に、その代替としてアルコールと水の混合液を溶媒として使用して、基板上に第1および第2皮膜を作製しても構わないことがわかった。

Claims (6)

  1. ステンレス鋼製の基材上に、窒化チタン粒子を含むスチレンブタジエンゴムの皮膜が被覆されている固体高分子形燃料電池用セパレータであって、
    前記皮膜は、少なくとも、前記基材上に被覆されて撥水性を有する第1皮膜と、
    前記第1皮膜上に被覆されて親水性を有する第2皮膜と、から形成されている
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池用セパレータ。
  2. 前記窒化チタン粒子中に含まれる酸素濃度は1.5重量%未満であり、かつ炭素濃度は0.6重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用セパレータ。
  3. 前記窒化チタン粒子の粒径は、0.7μm以上1.8μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子形燃料電池用セパレータ。
  4. 前記第2皮膜上における水との接触角は、10°以上60°以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池用セパレータ。
  5. 前記ステンレス鋼製の基材に対して、アルコール中に窒化チタン粒子およびスチレンブタジエンゴムを含む第1溶液を塗布する第1工程と、前記第1工程後に前記第1溶液中へ界面活性剤を添加した第2溶液を前記基材に塗布する第2工程と、を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用セパレータの製造方法。
  6. 前記ステンレス鋼製の基材に対して、アルコールと水の混合液中に窒化チタン粒子およびスチレンブタジエンゴムを含む溶液を塗布する工程を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用セパレータの製造方法。
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