JP2019191061A - 光ファイバを利用した物質の相変化モニタリング方法及び装置 - Google Patents

光ファイバを利用した物質の相変化モニタリング方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】観測対象物を傷付けることなく、低コストで、物質の相変化をモニタリングできる方法及び装置を提供する。【解決手段】光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップと、物質の初期状態における初期受光量を計測するステップと、受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップと、受光量が定常状態になる変動終了時間及び定常受光量を計測するステップを有し、変動開始時間、変動終了時間及び定常受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングする。【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバを利用した物質の相変化をモニタリングする技術に関するものである。
物質にはエネルギーが低い順に固体、液体、気体の三つの状態がある。物体は常にその周囲の物質と熱の吸収や放出によって熱のやりとりを行っている。通常は熱のやりとりによって物体内で温度変化が起こる。しかし周囲との熱のやりとりによって物体がある温度に達すると温度変化が起こらなくなる。この時、物体内では内部構造の変化が起こっていてこの現象のことを相変化という。
相変化はどの物質でも起こり得る。相変化の例として代表的なものは水の状態変化であるが、これ以外にも、セメントが固まる、接着剤が固まる、などのように、物質が液体(粘性液体)の状態から固体の状態へ相変化する現象はさまざまな場面で遭遇する現象であり、特に建設業においては非常に重要な事象である。
中でも建設現場においてコンクリートが固化するプロセスはその出来上がりの品質を保証する意味でも非常に丁寧に行われており、我が国の建設技術が非常に高いレベルにあるのはその品質管理能力の高さによるところが大きい。
しかし、この品質管理を確実にするため固化プロセスが順調に進行しているかどうかを確認するためには、コンクリートの一部を削り取ってそれを破壊する試験を経なければならなかった。このような非合理的な作業を余儀なくされているのは、コンクリートなどの材料が固化する現象の推移を直接モニタリングできる有効なセンシング手法が存在しないことが原因となっている。
また、もう1つの背景として、福島第一原子力発電所の汚染水対策の施策の一つとしての陸側遮水壁がある。陸側遮水壁は汚染水を近づけないことを目的とした施策であり、凍土壁といわれる氷の壁で形成される。陸側遮水壁は凍結管を1m間隔で埋設し、凍結管の中に−30℃の冷却材(塩化カルシウム水溶液)を循環させることで、凍結管周囲の地盤内の水を凍結させ、氷の壁を形成する。
凍土壁の状態は、測温管によりモニタリングされる。測温管とは、凍結管から離れた位置に鉛直に埋設されたもので、土中の温度をモニタリングすることができる。現状のシステムでは測温管の観測する温度が常に0℃以下となるように設定されている。そうすることで凍結管の周囲は測温管で観測する温度よりさらに低い温度が保たれる。
しかしながら、現状の測温管のシステムでは地盤内の温度を測ることは可能であるが、地盤が凍結しているか否かを正確にモニタリングすることはできないという問題がある。
一方、液面及び屈折率計測を行うための技術として、反射体を用いた光ファイバ液面計測センサが知られている(特許文献1を参照)。これは、2本の光ファイバが平行状に密着した端部端面を光軸に対して所定の角度で切断し、切断端面の一方に反射体を取り付けたものであり、2本の光ファイバを密着させた側のそれぞれの端面の傾斜角度が45°とされた例が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された光ファイバ液面計測センサは、任意容器内の液面測定に用いるものであるに過ぎず、土木工学・地盤工学の分野には適用例がないのが現状である。
また、コンクリートの品質判定方法としては、供試体で、抵抗値を計測し、そのデータを記憶して、対象の構造物に、電極を埋設し、養生後の抵抗値を計測し、適正な養生期間を判断する品質判定方法が知られている(特許文献2を参照)。しかしながら、特許文献2に開示されたコンクリートの品質判定方法では、電極の埋設等、計測準備に多大な労力を要するという問題がある。
特開昭62−49221号公報 特開2014−125757号公報
上述したように、物質が相変化する現象は、特に建設業においては非常に重要な事象であり、コンクリートなどの材料が固化する現象の推移を直接モニタリングできる有効なセンシング手法が望まれている。
また、福島第一原子力発電所の汚染水対策の施策の一つとしての陸側遮水壁においては、地盤が凍結しているか否かを正確にモニタリングする技術が望まれている。
その一方で、従来の品質判定方法は、電極の埋設等の多大な労力を要し、また、光ファイバの端部端面を所定の角度で切断した光ファイバ液面計測センサは、土木工学・地盤工学の分野には、利用されてこなかった。
かかる状況に鑑みて、本発明は、観測対象物を傷付けることなく、低コストで、物質の相変化をモニタリングできる方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の第1の観点の相変化モニタリング方法は、変動開始時間、変動終了時間及び定常受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングするものであり、下記1a)〜4a)のステップを備える。
1a)光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップ(埋入ステップ)、
2a)物質の初期状態における初期受光量を計測するステップ(初期受光量計測ステップ)、
3a)受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップ(変動開始時間計測ステップ)、
4a)受光量が定常状態になる変動終了時間及び定常受光量を計測するステップ(変動終了時間及び定常受光量計測ステップ)。
上記方法を用いることで、光ファイバ周辺の粘性液体が化学反応によってその物質の内部構造を変化させ、次第に固化してゆくプロセスがモニタリングできることになる。モニタリングにより、相変化の進行度を光データとして連続的に入手し、これをグラフ化することによって、物質の固化現象がどの程度進行しているのかを推定できる。モニタリングは、対象物を傷付けることなく行い得るため安全性が高く、しかも低コストでの利用が可能である。
本発明の第2の観点の相変化モニタリング方法は、変動開始時間、変動開始時間から計測時点までの経過時間、及び、計測時点における受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングするものであり、下記1b)〜4b)のステップを備える。
1b)光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップ(埋入ステップ)、
2b)物質の初期状態における初期受光量を計測するステップ(初期受光量計測ステップ)、
3b)受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップ(変動開始時間計測ステップ)、
4b)変動開始時間から任意の計測時点までの経過時間、及び、計測時点における受光量を計測するステップ(経過時間及び受光量計測ステップ)。
ここで、上記4b)の経過時間及び受光量計測ステップでは、任意の計測時点での物質の受光量を計測できるため、例えば、相変化が起こる過程において、リアルタイムで状態を判定するといったことが可能である。
本発明の第3の観点の相変化モニタリング方法は、事前に取得したデータ、変動開始時間、変動開始時間から計測時点までの経過時間、及び、計測時点における受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングするものであり、下記1c)〜5c)のステップを有する。
1c)事前に観測対象の物質の相変化状態と受光量との関係を示すデータを取得するステップ(データ取得ステップ)、
2c)光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップ(埋入ステップ)、
3c)物質の初期状態における初期受光量を計測するステップ(初期受光量計測ステップ)、
4c)受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップ(変動開始時間計測ステップ)、
5c)変動開始時間から任意の計測時点までの経過時間、及び、計測時点における受光量を計測するステップ(経過時間及び受光量計測ステップ)。
事前に取得したデータと実際の計測時点での受光量を照合しながら、相変化を判定することで、より精度の高い相変化状態の判定が可能となる。
ここで、上記1c)のデータ取得ステップにおけるデータ取得は、事前に観測対象の物質の相変化状態と受光量との関係を計測する方法でもよいし、同様の構成の光ファイバセンサや該物質に関するデータが予め記録された外部のデータベースから取得するといった方法でもよい。
本発明の相変化モニタリング方法において、先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端面が光軸に対して所定の角度で切断され、それぞれの切断面がそれぞれ外側を向くように背面合せに送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバが接合されていることが好ましい。
かかる構成とされることにより、高精度で、かつ、安価にモニタリングを行うことが可能となる。なお、ここで所定の角度とは、送光路用光ファイバの端面に届いた光が,全反射しない程度の角度であればよい。
本発明の相変化モニタリング方法において、先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端部が並行状に配置され、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が入射する入射面と、受光路用光ファイバを導光して出射する出射面を同一辺に有し、入射面及び出射面の法線に対して所定角度の頂角を持つ三角プリズムを備えることでもよい。
本発明の相変化モニタリング方法における物質はセメントであり、セメントの水和反応による固化の状況、又は、劣化の有無の少なくとも何れかをモニタリングすることが好ましい。これにより、例えば、ファイバ周辺のセメントが水和反応によって次第に固化してゆくプロセスがモニタリングできることになる。
本発明の相変化モニタリング方法における物質は水を含む液体であり、液体の凍結、溶解又は乾燥の少なくとも何れかをモニタリングすることでもよい。液体が水である場合には、水は土砂内に含まれることが好ましい。
これにより、地盤中に含まれる水などの状態を知ることができ、例えば、福島第一原子力発電所の汚染水対策の施策の一つとしての陸側遮水壁において、地盤が凍結しているか否かを正確にモニタリングすることができる。
本発明の相変化モニタリング方法における物質は接着剤であり、接着剤の凝固をモニタリングすることでもよい。接着剤の種類としては、例えば、シアノアクリレート或は酢酸ビニル樹脂を含有する接着剤や、シリル化ウレタン樹脂系接着剤などを対象とすることができる。
本発明の相変化モニタリング方法における物質は固体であり、固体の溶融又は溶解の少なくとも何れかをモニタリングすることでもよい。
本発明の相変化モニタリング装置は、光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサと、送光路用光ファイバ内に光を入射させる光源と、受光路用光ファイバから出射される光量を計測する受光量計測手段を備える。そして、受光量計測手段は、物質の初期状態における初期受光量を計測する初期状態計測部と、受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測する変動開始状態計測部と、受光量が定常状態になる変動終了時間及び定常受光量を計測する定常状態計測部と、変動開始時間、変動終了時間及び定常受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングする観測処理部を有する。
本発明の相変化モニタリング装置において、先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端面が光軸に対して所定の角度で切断され、それぞれの切断面がそれぞれ外側を向くように背面合せに送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバが接合されていることが好ましい。
本発明の相変化モニタリング装置において、先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端部が並行状に配置され、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が入射する入射面と、受光路用光ファイバを導光して出射する出射面を同一辺に有し、入射面及び出射面の法線に対して所定角度の頂角を持つ三角プリズムを備えることでもよい。
物質が固化するプロセスを確認するためには、従来は、その物質の一部を切削して取り出し、それに対して強度試験を実施することによってのみ可能であった。これは、実際に使用する構造物の一部に傷をつけることのみならず、作業全体に時間、コストがかかるため何らかの改善が強く望まれてきた。
本発明の相変化モニタリング方法及び装置によれば、観測対象物を傷付けることなく、低コストで、物質の相変化をモニタリングできるといった効果がある。
相変化モニタリング装置の機能ブロック図 相変化モニタリング装置の概略構成図 光の反射と屈折に関する説明図 光ファイバセンサの模式図 実施例1の相変化モニタリング方法のフロー図 水滴の蒸発の場合の光強度の変化を示すグラフ 水への出し入れの場合の光強度の変化を示すグラフ 水又は泡への出し入れの場合の光強度の変化を示すグラフ 水が凍結した場合の光強度の変化を示すグラフ 氷が融解した場合の光強度の変化を示すグラフ 砂粒上へ水を滴下した場合の光強度の変化を示したグラフ 砂層中の水の凍結における光強度の計測イメージ図 地盤凍結のモニタリング結果を示すグラフ セメントの室温での養生における光強度の計測イメージ図 セメントの室温での養生における光強度の変化を示すグラフ セメント凍結過程における光強度の変化を示すグラフ セメント凍結後の養生過程における光強度の変化を示すグラフ 接着剤が凝固する過程の光強度の変化を示したグラフ 実施例5の相変化モニタリング方法のフロー図 実施例6の相変化モニタリング方法のフロー図 その他の光ファイバセンサの実施形態の説明図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
(相変化モニタリング装置について)
まず、相変化モニタリング装置について説明する。図1は、相変化モニタリング装置の機能ブロック図を示している。図1に示すように、相変化モニタリング装置1は、光源5、光ファイバセンサ9及び受光量計測手段200から成り、受光量計測手段200は、初期状態計測部201、変動開始状態計測部202、定常状態計測部203及び観測処理部30から成る。
光ファイバセンサ9は、光源5及び受光量計測手段200とそれぞれ接続されており、光ファイバセンサ9を用いて観測対象物7における光強度を計測し、観測処理部30においてデータ処理を行う構造である。したがって、光源5と受光量計測手段200は、必ずしも別の機器に設けられる必要はなく、同じ機器に内蔵されている構成でもよい。また、受光量計測手段200についても、例えば、観測処理部30は、初期状態計測部201、変動開始状態計測部202及び定常状態計測部203とは別の機器に設けられ、有線又は無線で接続される構成でもよい。
図2は、相変化モニタリング装置の概略構成図を示している。相変化モニタリング装置1は、光を利用して自然現象などその場の変状を光センサで読み取りセンシングする装置である。図2に示すように、相変化モニタリング装置1は、データロガー2、コンピュータ3及び光ファイバ4から成り、データロガー2とコンピュータ3は接続ケーブル8で接続されている。光ファイバ4は、送光用の光ファイバ4a及び受光用の光ファイバ4bから成る。
データロガーとは、デジタル方式で用いる観測機器である。データロガー2は光源とセンサ機能を備えているので、外部光がない観測箇所を観測する場合はデータロガー光源の光を、光ファイバ4aを通して観測箇所に送ることが可能である。データロガー2は、4箇所まで同時に観測可能であり、それぞれチャネル(2a〜2d)と割り振られている。また、それぞれのチャネルには、光源(5a〜5d)及び受光部(6a〜6d)が設けられているが、ここではチャネル2aだけを使用する例を図示している。
相変化モニタリング装置1は、観測対象物7における観測箇所に光ファイバ4を設置し、光ファイバ4の先端から入る光の変化をリアルタイムでモニタリングする。
観測方法は、光源5aから発せられ、光ファイバ4aを通して観測対象物7が反射する光をデータロガー2の受光部6aに送り、データロガー2が送られた光を分析し、専用ソフトをインストールしたコンピュータ3で表示するというものである。
なお、光強度という値は、赤緑青それぞれの光の強度の総和であり、校正をすることによりlx(ルクス)にすることができるが、定量的な変化を観測することを目的としておらず、光強度の強弱の変化比較だけで判断するため、無単位である。
その理由は2つあり、1つは相変化モニタリング装置1が非常に高い感度で光を観測するため室内では電灯や野外では太陽光を拾ってしまうので定量的な値を観測することが困難であることによる。2つ目の理由は、以下の実施例で用いるセンサは測定部を個人の手作業で作成しているため、同じ物質の状態変化の観測でも、光強度の変化の傾向は同様になるが、センサによって異なる値が出ることが挙げられる。相変化モニタリング装置1では、受光部に全く光が届かない状態で0を示し、光量が相変化モニタリング装置1の許容上限に達した状態で、測定レンジの最大値(7093)を示す。
光ファイバ(4a,4b)は、プラスチック製光ファイバコードを用いている。プラスチック製光ファイバは、石英ガラス製光ファイバと比べ通信距離では劣るが、低コストであり、取扱いが容易で加工しやすいからである。また、光ファイバコードとは光ファイバ素線をポリエチレンで被覆することにより、熱・薬品・屈曲などの光ファイバへのダメージに対して、物理的・化学的耐久性を付加したものである。
(光ファイバセンサの仕組みについて)
光は真空中を伝播している時、速度cが最大(秒速30万km)となっており、種々の媒体中を伝播する時の速度cはそれより小さくなる。この時、両者の比率nがその媒体の光の屈折率としてn=c/cと定義される。例えば、図3に示すように、入射光18が屈折率nの媒体G中を伝搬しており、その境界面に達して、その向こう側に屈折率nの媒体Hがあるとする。この時、スネルの法則によってnとnの違いが小さいほど多くの光が境界面を超えて媒体H内に屈折光20として侵入し、残った光が反射光19として媒体G内を逆向きに伝播することが知られている。
この原理を利用し、相変化モニタリング装置1は、図4に示すように、プラスチック製光ファイバ(屈折率1.49)の先端を斜めにカットした形状の光ファイバセンサ9を備える。
図4は、光ファイバセンサの模式図を示している。光ファイバ(4a,4b)は、それぞれ45°の角度でカットされ、背中合わせで接着されている。なお、光ファイバ(4a,4b)の直径はいずれも1mmである。
まず、光ファイバ4aに光L1を入れると、光ファイバ4aの端面に到達した光の一部は屈折してL2として光ファイバ4aの外部へ出る。残りの光L3は反射して光ファイバ4bの方向へ進む。その一部が実際に光ファイバ4b内部に入ってその端面に到達し、そこでは、光ファイバ4aの端面で生じたものと同様の反射・屈折現象が生じる。この時、最終的に光ファイバ4b内部を伝播して光センサに届くことになるL5の光強度は、ファイバ周辺の媒体の屈折率と光ファイバの屈折率の差に依存した量になる。すなわち、光ファイバのコアの屈折率は1.49であり、センサ周りの物質の屈折率が1.49に近いほど透過光であるL2及びL4は大きくなり、受光部に到達する光量は小さくなる。反対に、センサの周りの物質の屈折率が1.49と離れるほどL2及びL4の大きさは小さくなり、受光部に到達する光量は大きくなる。したがって、かかる値をモニタリングすることによって、周辺に存在する媒質の種類やその状態に関する情報を読み取れることになる。以下では、光ファイバセンサを用いて物質が相変化する時の屈折率変化をモニタリングする。
ここで、実施例1の相変化モニタリング方法のフローについて説明する。図5は、相変化モニタリング方法のフロー図を示している。図5に示すように、まず、光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物体内部に埋入する(ステップS01)。次に、物質の初期状態における初期受光量を計測する(ステップS02)。同じ物質を観測する場合でも、環境に応じて受光量は変化するため、初期受光量の絶対値は問題ではなく、時間が経過した際の受光量との相対的な数値の変化に着目して、相変化状態のモニタリングを行う。
次に、受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測する(ステップS03)。変動開始時間は、相変化の開始時期を判定するための重要な要素となる。最後に、受光量が定常状態になる変動終了時間及び定常受光量を計測する(ステップS04)。定常状態になる時間を計測することで、例えば、液体から固体といったプロセスがいつ完了したかを判定することができる。また、定常受光量を計測することで、例えば、液体から固体といったプロセスが完了した状態であることを高精度で判定できる。
(水滴の蒸発について)
まず、机の上に水(温度が摂氏20℃において屈折率1.33)を一滴垂らし、光ファイバセンサ9の先端をその中に入れた例を示す。水がゆっくりと蒸発するにつれ、図4に示す反射光L5は、図6に示すように計測された。ファイバ先端に接している水が蒸発によって減少していく様子が正確に読み取れている。
(水への出し入れについて)
次に、光ファイバセンサ9を空気中(屈折率1.0003)から水中へと繰り返し出し入れを行った場合について説明する。図7に示すように、センサが空気中にある時は光強度が6000を超える値をとり、水中に入ると1000を下回る値となり、その違いが明瞭に記録されていることが分かる。なお、この規模の明るさの変化は肉眼でも容易に視認できるレベルとなっている。
(空気、泡、水の区別について)
次に、空気、泡又は水の区別についてモニタリングした例を示す。まず、カップ内の水の上に洗剤で作った泡の層を用意した。この状態で光ファイバセンサ9を出し入れした結果を図8に示す。センサが泡の層内にある時に最も光強度が大きくなっており、全体としては空気、泡、水の3層の違いが読み取れていることが分かる。
(水の凍結・氷の融解について)
水が凍結又は氷が融解した時の光強度の変化について説明する。
100ccの水が入ったプラスチックカップに光ファイバセンサ9を設置し、約−38℃のフリーザ内に放置し水が凍結する過程を観測した。その後、十分な時間をおいて、カップの中の水が完全に凍結したことを確認した後、約30℃の保温庫に移して氷が融解する過程を観測した。凍結の際には、常温であった温度計をフリーザ内に設置し、温度計の温度変化を記録した。
図9は、水が凍結した場合の光強度の変化を示すグラフである。図9に示すように、光ファイバセンサ9を水中に入れた時の光強度は40〜50であった。しかし95〜100分の間に光強度が急激に上昇し815にまで上がった。これはこの時間の間にセンサの周りの水が凍結し氷に変化したことに伴って、屈折率が変化したからである。また、100分が経過した後に光強度が不規則に変化している。この不規則な変化は光源によるものである。
図10は、氷が融解した場合の光強度の変化を示すグラフである。図10に示すように、19分の時の光強度は740であったことに対して、20分の時の光強度は44であった。光強度が低下しているので、19〜20分の間にセンサの周りの氷が融解し水に変化したといえる。また28〜29分の間にさらに光強度が低下している。これはプラスチックカップ内部の氷がさらに融解したことに伴ってセンサが移動したことによる。
(砂粒への水の滴下及び蒸発について)
シャーレに砂粒を撒き、光ファイバセンサ9の先端をその中に入れ、砂粒上に水を滴下して計測を行う。図11は、砂粒上へ水を滴下した場合の光強度の変化を示したグラフである。図11に示すように、水を滴下する前は、光強度は安定しているが、水一滴を滴下すると、急激に光強度が低下し、その後、水が蒸発するにつれて光強度は増加していることがわかる。また、さらに水数滴を滴下すると、急激に光強度が低下している。水数滴の滴下後には、水一滴の滴下後のような光強度の増加が発生していないのは、滴下した水の量が多く、水一滴の場合よりも蒸発のスピードが遅いからである。
以上より、砂粒があっても水があると光強度が小さくなり、乾燥すると光強度は大きくなることがわかる。すなわち、砂粒があっても、水の有無を光強度の変化から読み取ることが可能である。
(砂槽内での地盤凍結現象のモニタリングについて)
次に、砂層中の水が凍結した時に光強度がどのように変化するかを観測して、地盤の凍結のモニタリングについてのシミュレーションを行う。
図12は、砂層中の水の凍結における光強度の計測イメージ図を示している。図12に示すように、ビーカー12の約半分の高さまで乾燥した標準砂11を入れ、その下半分を水で飽和させた。ここで、乾燥した標準砂11のみで構成される層を砂層13とする。
支持棒15に光ファイバ4を固定した上で、1つ目の光ファイバセンサ9aを飽和領域14内に設置し、もうひとつの光ファイバセンサ9bを乾燥している砂層13内に設置し、これをフリーザに入れて−30℃で凍結させた。
図13は、地盤凍結現象のモニタリング結果を示すグラフであり、(1)は砂層水面下部の凍結過程、(2)は砂層水面上部の冷却過程を示している。図12に示す飽和領域14内にある光ファイバセンサ9aのデータから、図13(1)に示すように、光強度の初期値は42であり、37分頃までは40〜45の間で推移しているが、37〜38分に急激に58へと増加し、その後、62分頃までは、60〜68の間で推移している。その後、62分頃に67から133へと急激に増加し、81分頃までは、133〜138の間で推移している。そして、81分頃に136から256へと急激に増加し、160分までは、237〜275の間で推移している。
81分頃から160分までは、115分に237、144分に249と、やや減少しているが、それ以外は、256〜275で安定しているため、定常状態であるといえる。なお、37分頃及び62分頃の段階的な増加は、ビーカー12の外側から水が凍結することに伴って、光ファイバセンサ9aの周囲の砂が動くことで光ファイバセンサ9aと砂の位置関係が変化したためである。
氷の屈折率は1.31程度であることが知られており、水(屈折率1.33)の凍結によって光ファイバセンサ9aに入る光は増えるため、37分頃から約20分の間隔で段階的に凍結現象が進み、光強度が260程度になった段階で光ファイバセンサ9a周辺は凍結プロセスが完了したことがわかる。
一方で、乾燥している砂層13内に設置された光ファイバセンサ9bが捉えたデータでは、光強度は562〜627で推移しており、僅かな変動があるのみで、この部分は基本的に水分がほとんどないため、凍結現象は起きていないことがわかる。
(セメントの室温での養生について)
セメントが水和反応により固化する過程での光強度を計測する。図14は、セメントの室温での養生における光強度の計測イメージ図であり、(1)は実施サンプルA、(2)は実施サンプルBを示している。図14に示すように、本実施例では実施サンプルを2つ作成し、それぞれ異なる深さに光ファイバセンサ(9c,9d)を設置し光強度を計測する。実施サンプルAは表面から14mmの位置に、実施サンプルBは表面から7mmの位置に設置している。
混合物17は、セメント50gと水20mlから成り、プラスチックカップ16に入れられ、十分に攪拌された後、支持棒15に固定された光ファイバセンサ(9c,9d)が挿し込まれて、常温の暗所に放置される。なお、本実施例において、実施サンプル周りの温度は約18℃である。なお、本実施例において使用するセメントはLOCTITE製の超速乾セメントであり、セメントと水を5:2の割合で混ぜ合わせた後、温度20℃において、約3〜10分で固まり始める性質を有している。
図15は、セメントの室温での養生における光強度の変化を示すグラフである。なお、養生とは、セメントを固化させるために適切な環境を与えて保護することをいう。図15に示すように、実施サンプルAの光強度の初期値は40である。観測開始から11分間、光強度は変わらなかったが、その後光強度の増加が始まっている。光強度は対数関数のような曲線を描いて増加している。
実施サンプルBの光強度の初期値は41である。実施サンプルBについても観測開始から10分間は光強度の変化はない。しかしながら、次の1分間で光強度が41から206まで増加している。その後は、なだらかな増加傾向を示している。この光強度の増加はセメントの水和反応によるものである。水和反応の進行に伴って、光ファイバセンサ9周囲の水がセメントに取り込まれていき、セメントが凝固することで屈折率が変化する。実施サンプルAと比較して、実施サンプルBの光強度が開始10分で大きく増加しているが、これは光ファイバセンサ9hを設置した位置が、光ファイバセンサ9gよりも表面に近いため、光ファイバセンサ9hの周囲のセメントの水和反応がより早く進んだからである。
(セメント凍結からの養生について)
水と混ぜ合わせたばかりのセメントをフリーザに入れ、その後常温の暗所で放置する。その間の光強度の変化について説明する。
まず、プラスチックカップにセメント15gと水6mlを入れ攪拌する。その後、セメント内に光ファイバセンサ9を設置し、セメントが固まる前に約−30℃のフリーザ内にプラスチックカップを設置し、約2日間光強度を観測する。その後、十分にセメントが冷却されたことを確認し、約18℃の暗所で更に2日間放置し光強度を観測する。
図16は、セメント凍結過程における光強度の変化を示すグラフである。図16に示すように、光強度の初期値は351である。光強度は37分まで不規則な変化をしながら減少しているが、37分から44分の7分間に急激に増加している。増加後の44分から600分頃まで不規則な変化が生じていたが、その後は緩やかな増加傾向を示し、光強度は488まで増加した。600分頃まで発生していた不規則な変化は外部光の影響によるものである。
凍結過程においてはセメントの水和反応はあまり進行しなかったということが判る。その理由は、光強度が図15に示すような対数関数のようなカーブを描いておらず、光強度の急激な増加後は線形な単調増加であるからである。よって37分からの急激な光強度の増加はセメント内の水が凍結したことによるものだと考えられる。
図17は、セメント凍結後の養生過程における光強度の変化を示すグラフである。図17に示すように、光強度の初期値は606である。観測開始から65分まで光強度の増減が起きているが、65分から102分まで定常状態が続いている。また102分から103分にかけて光強度の増加が起こり、その後は320分まで光強度は減少し続けている。320分頃からは緩やかな増加が始まっている。養生過程では320分頃まではセメント内の氷の融解が起こり、320分以降はセメントの水和反応が起こっていると考えられる。観測開始直後の不規則な変化は、凍結したセメントに熱が加えられたことで、セメントが融解し固定されていた光ファイバセンサ9が動いたことや、セメント内の水が融解したことでセメントが一定期間だけ液体状に戻ったことに起因している。320分以降の緩やかな光強度の増加は、図15における実施サンプルAのグラフに類似しているため、セメントの水和反応が進行しているといえる。なお、2500分頃から始まった不規則な変化は外部光や光源の影響である。
(接着剤の凝固について)
光ファイバセンサ9の先端に接着剤を垂らし、接着剤が凝固する過程の光強度の変化を観測する。本実施例で用いる接着剤はC〜Fの4種類である。接着剤Cはシアノアクリレート90%以上の液状接着剤であり、接着剤Dはシアノアクリレート80%以上のゼリー状接着剤であり、接着剤Eは酢酸ビニル樹脂55%、水45%の接着剤であり、接着剤Fはシリル化ウレタン樹脂系接着剤である。
図18は、接着剤が凝固する過程の光強度の変化を示したグラフであり、(1)は接着剤C、(2)は接着剤D、(3)は接着剤E、(4)は接着剤Fの結果をそれぞれ示している。
図18(1)に示すように、接着剤Cの光強度は、初期値の92から97分経過で199にまで増加している。その後、数値は定常状態にあるので、接着剤Cは97分経過で完全に固まったといえる。図18(2)に示すように、接着剤Dの光強度は初期値の174から76分経過で184となっている。その後は、数値は定常状態となっているので76分経過で完全に固まったといえる。
図18(3)に示すように、接着剤Eの光強度の初期値は523である。接着剤Eの光強度は他の接着剤とは異なり、単調減少している。観測を続けていれば、光強度はさらに減少した可能性がある。図18(4)に示すように、接着剤Fの光強度の初期値は25である。362分経過で数値は42となりその後定常状態になっている。よって、362分経過で完全に固まったといえる。
以上より、接着剤については、接着剤の成分によって固まると光強度が増加するものと、減少するものが存在することがわかる。すなわち、シアノアクリレートが用いられた接着剤や、シリル化ウレタン樹脂系接着剤においては、固まると光強度が増加するが、酢酸ビニル樹脂が用いられた接着剤では、固まると光強度が減少することがわかる。
本実施例では、相変化モニタリング方法の他の実施形態について図19を参照して説明する。
本実施例の相変化モニタリング方法のフローは、図19に示すように、実施例1と同様に、まず、光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物体内部に埋入する(ステップS11)。次に、物質の初期状態における初期受光量を計測する(ステップS12)。受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測する(ステップS13)。実施例1とは異なり、変動開始時間から任意の計測時点までの経過時間及び計測時点における受光量を計測する(ステップS14)。ステップS14において、任意の計測時点での物質の受光量を計測できるため、相変化が起こる途中のプロセスなどをリアルタイムで状態判定できる。
本実施例では、相変化モニタリング方法の他の実施形態について図20を参照して説明する。
本実施例の相変化モニタリング方法のフローは、図20に示すように、実施例1や実施例5とは異なり、まず、事前に観測対象の物質の相変化状態と受光量との関係を示すデータを取得する(ステップS21)。そして、光ファイバセンサの先端部を、観測対象の物体内部に埋入する(ステップS22)。次に、物質の初期状態における初期受光量を計測する(ステップS23)。受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測する(ステップS24)。そして、実施例5と同様に、変動開始時間から任意の計測時点までの経過時間及び計測時点における受光量を計測する(ステップS25)。
本実施例の相変化モニタリング方法によれば、事前に取得したデータと実際の計測時点での受光量を照合しながら、相変化を判定することにより、より精度の高い相変化状態の判定が可能となる。なお、ステップS21におけるデータ取得は、事前に観測対象の物質の相変化状態と受光量との関係を計測する方法でもよく、また、同様の構成の光ファイバセンサや物質に関するデータが予め記録された外部のデータベースから取得することでもよい。
(その他の実施例)
本発明における光ファイバセンサの先端の形状は、光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していくものであればよいので、例えば、以下に示すような構成でもよい。実施例では、各端部が略並行に設けられた先端部と記載しているが、当然のこととして、略並行には、並行に設けられた場合も含むものとする。
図21は、その他の光ファイバセンサの実施形態の説明図を示している。図21(1)に示す光ファイバセンサ9eは、光ファイバ(4c,4d)にプリズム21が設けられている。図21(2)に示す光ファイバセンサ9fは、先端部が角錐台形状を呈しており、端面に加工が施されていない光ファイバ4eと、先端部が、他方の光ファイバ4eを覆うように角錐台形状に形成された光ファイバ4fから成る。図21(3)に示す光ファイバセンサ9gは、先端部が半球状を呈しており、端面に加工が施されていない光ファイバ4gと、先端部が、他方の光ファイバ4gを覆うように半球状に形成された光ファイバ4hから成る。
本発明は、コンクリートの固化プロセスの確認方法として有用である。
1 相変化モニタリング装置
2 データロガー
3 コンピュータ
4,4a〜4h 光ファイバ
5,5a〜5d 光源
6a〜6d 受光部
7 観測対象物
8 接続ケーブル
9,9a〜9g 光ファイバセンサ
11 標準砂
12 ビーカー
13 砂層
14 飽和領域

15 支持棒
16 プラスチックカップ
17 混合物
18 入射光
19 反射光
20 屈折光
21 プリズム
30 観測処理部
200 受光量計測部
201 初期状態計測部
202 変動開始状態計測部
203 定常状態計測部
A,B 実施サンプル
C〜F 接着剤
G,H 媒体
L 光

Claims (13)

  1. 光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの前記先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップと、
    物質の初期状態における初期受光量を計測するステップと、
    受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップと、
    受光量が定常状態になる変動終了時間及び定常受光量を計測するステップ、
    を有し、
    変動開始時間、変動終了時間及び定常受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングすることを特徴とする相変化モニタリング方法。
  2. 光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの前記先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップと、
    物質の初期状態における初期受光量を計測するステップと、
    受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップと、
    変動開始時間から任意の計測時点までの経過時間、及び、前記計測時点における受光量を計測するステップ、
    を有し、
    変動開始時間、変動開始時間から前記計測時点までの経過時間、及び、前記計測時点における受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングすることを特徴とする相変化モニタリング方法。
  3. 事前に観測対象の物質の相変化状態と受光量との関係を示すデータを取得するステップと、
    光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサの前記先端部を、観測対象の物質内に埋入するステップと、
    物質の初期状態における初期受光量を計測するステップと、
    受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測するステップと、
    変動開始時間から任意の計測時点までの経過時間、及び、前記計測時点における受光量を計測するステップ、
    を有し、
    前記データ、変動開始時間、変動開始時間から前記計測時点までの経過時間、及び、前記計測時点における受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングすることを特徴とする相変化モニタリング方法。
  4. 前記先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端面が光軸に対して所定の角度で切断され、それぞれの前記切断面がそれぞれ外側を向くように背面合せに送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバが接合されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の相変化モニタリング方法。
  5. 前記先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端部が並行状に配置され、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が入射する入射面と、受光路用光ファイバを導光して出射する出射面を同一辺に有し、入射面及び出射面の法線に対して所定角度の頂角を持つ三角プリズムを備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の相変化モニタリング方法。
  6. 前記物質が、セメントであり、
    前記セメントの水和反応による固化の状況、又は、劣化の有無の少なくとも何れかをモニタリングすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の相変化モニタリング方法。
  7. 前記物質が、水を含む液体であり、
    前記液体の凍結、溶解又は乾燥の少なくとも何れかをモニタリングすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の相変化モニタリング方法。
  8. 前記液体が水であり、水は土砂内に含まれることを特徴とする請求項7に記載の相変化モニタリング方法。
  9. 前記物質が、接着剤であり、
    前記接着剤の凝固をモニタリングすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の相変化モニタリング方法。
  10. 前記物質が、固体であり、
    前記固体の溶融又は溶解の少なくとも何れかをモニタリングすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の相変化モニタリング方法。
  11. 光ファイバを用いた送光路及び受光路の各端部が略並行に設けられた先端部で、全反射以外の少なくとも2回の反射により、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が受光路用光ファイバ内に入り導光していく光ファイバセンサと、
    送光路用光ファイバ内に光を入射させる光源と、
    受光路用光ファイバから出射される光量を計測する受光量計測手段、
    を備え、
    前記受光量計測手段は、
    物質の初期状態における初期受光量を計測する初期状態計測部と、
    受光量が初期受光量から変動し始める変動開始時間を計測する変動開始状態計測部と、
    受光量が定常状態になる変動終了時間及び定常受光量を計測する定常状態計測部と、
    変動開始時間、変動終了時間及び定常受光量から観測対象の物質の相変化をモニタリングする観測処理部、
    を有することを特徴とする相変化モニタリング装置。
  12. 前記先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端面が光軸に対して所定の角度で切断され、それぞれの前記切断面がそれぞれ外側を向くように背面合せに送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバが接合されていることを特徴とする請求項11に記載の相変化モニタリング装置。
  13. 前記先端部は、送光路用光ファイバ及び受光路用光ファイバの各端部が並行状に配置され、送光路用光ファイバ内を導光してきた光が入射する入射面と、受光路用光ファイバを導光して出射する出射面を同一辺に有し、入射面及び出射面の法線に対して所定角度の頂角を持つ三角プリズムを備えることを特徴とする請求項11に記載の相変化モニタリング装置。
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