JP2019190903A - 高さ検出装置および荷電粒子線装置 - Google Patents

高さ検出装置および荷電粒子線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の複数の基準位置からの相対的な高さを簡易に検出できる技術を提供する。【解決手段】高さ検出装置は、複数の基準位置の何れかに配置された試料にパターンを投影し、試料から反射されたパターンに基づいて試料の基準位置からの高さを検出する高さ検出装置であって、それぞれがパターンを有する空間的に分離された複数の光線を生成して試料に投影する投影光学系と、試料から反射したパターンを撮像する撮像素子と、試料から反射したパターンを撮像素子へ導く検出光学系と、複数の光線に対応する複数の光路のうち、光路長が最短のものとは異なる光路上であって複数の光線が空間的に分離された位置に配置された少なくとも一つの光路長補正部材と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、光学的に試料の高さを検出する高さ検出装置およびそれを備える荷電粒子線装置に関する。
試料に電子ビーム等の荷電粒子ビームを照射することによって二次的に得られる荷電粒子を検出する荷電粒子線装置がある。荷電粒子線装置では、試料に照射する荷電粒子ビームの焦点を試料に合わせる必要がある。
荷電粒子ビームの焦点を試料に合わせる作業は精度を要するため、荷電粒子ビームを照射して撮影画像を観察しながら試料台の高さの微妙な調整を行う。その際、焦点合わせの処理時間を短くするために、荷電粒子ビームで焦点合わせをする前に、試料の高さを光学的な方法ですばやく検出し、荷電粒子ビームによる焦点合わせ処理を短縮する。
特許文献1には、2次元スリット光を試料に投影し、試料からの反射光を検出し、検出された2次元スリット像から試料の高さを検出する光学式高さ検出方法が記載されている。
特開2007−132836号公報
ところで、荷電粒子線装置では、画像の解像度を上げるためには試料に照射する荷電粒子ビームのエネルギーを高くする必要がある。しかしながら、例えば、半導体ウェハといった試料に開いた深い穴または溝を詳細に観察するために荷電粒子ビームのエネルギーを高くすると、荷電粒子ビームを試料上に収束させる磁場の大きさに限界があるために、試料上で荷電粒子ビームを一点に集中させることができなくなる。
この点、荷電粒子ビームが焦点を結ぶ位置が、ビームが伝播する方向(即ち、ビーム発射装置から見て試料よりも奥側)に離れる。つまり、ある値よりも大きなエネルギーの荷電粒子ビームは、磁場で集光することに限界があり、荷電粒子ビームのエネルギーに応じて焦点位置が変化することになる。
しかしながら、従来の光学式高さ検出装置は、ある一つの焦点位置を基準とした高さ検出装置であり、複数の焦点位置に対して高さを検出できる必要性が考慮されてなかった。したがって、磁場で集光できる限界よりも荷電粒子ビームのエネルギーを大きくし、焦点位置が変化した場合に、単一の光学式高さ検出装置で試料の高さを調節することができなかった。
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、試料の複数の基準位置からの相対的な高さを簡易に検出できる技術を提供する。
上記課題を解決するために、複数の基準位置の何れかに配置された試料にパターンを投影し、前記試料から反射された前記パターンに基づいて前記試料の基準位置からの高さを検出する高さ検出装置であって、それぞれが前記パターンを有する空間的に分離された複数の光線を生成して前記試料に投影する投影光学系と、前記試料から反射した前記パターンを撮像する撮像素子と、前記試料から反射した前記パターンを前記撮像素子へ導く検出光学系と、前記複数の光線に対応する複数の光路のうち、光路長が最短のものとは異なる光路上であって前記複数の光線が空間的に分離された位置に配置された少なくとも一つの光路長補正部材と、を備える高さ検出装置を提供する。
本開示によれば、試料の複数の基準位置からの相対的な高さを簡易に検出できる。上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
第1の実施形態の光学式高さ検出装置が適用された電子顕微鏡の基本構成を示す図である。 投影光学系の具体的な構成を示す図である。 検出光学系の具体的な構成を示す図である。 光学式高さ検出装置の全体を説明するための図である。 光線の光路が光路長補正部材によって変化する様子を示す図である。 第1の実施形態の変形例の光学式高さ検出装置を説明するための図である。 第2の実施形態の光学式高さ検出装置を説明するための図である。 第3の実施形態の光学式高さ検出装置を説明するための図である。
以下、図面に基づいて、本開示の実施形態を説明する。なお、本開示の実施形態は、後述する実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。また、後述する各実施形態の説明に使用する各図の対応部分には同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図1は、第1の実施形態の光学式高さ検出装置が適用された電子顕微鏡1の基本構成を示す図である。図1には、一次電子線100のエネルギーに応じて、試料50が位置L1またはL2にあることが示されている。電子顕微鏡1では、電子源2から放出された一次電子線100が試料50に照射されると、二次電子(試料自体から放出される電子)および反射電子等の二次粒子101が放出される。
<第1の実施形態>
簡単のため、図1には、試料50が位置L1にある場合の一次電子線100および二次粒子101の軌跡が示されている。なお、信号粒子制限板6に衝突した後の粒子を三次粒子と呼ぶこともあるが、説明を簡略化するため、試料50から放出されてシンチレータ5に入射するまでの粒子を二次粒子と呼ぶことにする。
上述のとおり、二次粒子101は信号粒子制限板6に衝突してから、シンチレータ5に入射する。本明細書においてシンチレータ5とは、荷電粒子線が入射して発光する素子を指すものとする。シンチレータ5は、実施例に示されたものに限定されず、様々な形状および構造をとることができる。本実施形態では、外形が円柱状であるシンチレータ5を例にとって説明する。
シンチレータ5に二次粒子101が入射するとシンチレータ5で発光が起こる。シンチレータ5で生じた光は、ライトガイド3により導光され、受光素子4で電気信号に変換される。以下、シンチレータ5、ライトガイド3および受光素子4を合わせて検出系と呼ぶこともある。検出系は、図示しないコンピュータと接続されており、受光素子4で得られた電気信号は、電子線照射位置と対応付けて画像に変換され表示部(図示せず)に表示される。このコンピュータは、例えば、周知の画像解析アルゴリズムを実行して試料の高さを算出することができる。
なお、図1において、一次電子線100を試料に集束して照射するための電子光学系(即ち、偏向器、レンズ、絞り、対物レンズ等)は省略されている。電子光学系は、磁場を一次電子線100に印加することによって電子線の進行方向を制御する。電子源2から出射した電子線は、ビームの進行方向とは垂直な方向に、ある程度の広がりを持って伝播する。電子光学系は、広がりを持った電子線を集光して試料表面の1点(または、非常に小さい領域)に照射する。
同様に、図1において、全体および各部品の動作を制御する制御部(例えば、上記検出系と接続されたコンピュータ)、画像を表示する表示部、ユーザが電子顕微鏡の動作指示を入力する入力部等が省略されている。また、制御部は、例えば、試料50を載せる試料ステージの高さを変更するためのアクチュエータを制御する。なお、本開示の光学式高さ検出装置は、この電子顕微鏡1以外に透過電子顕微鏡または走査透過電子顕微鏡等にも適用できる。
一次電子線100の加速電圧が、ある大きさ(例えば、10keVなど)を超えると、電子光学系で発生させる磁場の大きさには限界があるため一次電子線100を曲げきれなくなる。その結果、一次電子線100の集光する位置は、電子が伝播する方向(電子源2から遠ざかる方向)へずれる。図1中の位置L1は、一次電子線が低エネルギーのとき(低加速電圧で出射したとき)の集光位置を示し、位置L2は高エネルギー(高加速電圧で出射したとき)のときの集光位置を示す。
以上が図1に示された電子顕微鏡1の構成についての説明である。続いて、電子顕微鏡1が備える光学式高さ検出装置について説明する。なお、第1の実施形態では、簡単のために集光位置が二箇所存在する場合を例としている。
上述したとおり、試料50の高さは、その表面の位置が一次電子線100の集光位置(焦点位置)に一致するように制御される必要がある。つまり、一次電子線100のエネルギーが高く、電子光学系で電子を曲げきれなくなる場合、制御部は試料50の位置が図1に示された位置L2となるようにアクチュエータを制御する。一方、一次電子線100のエネルギーが低いときは、制御部は試料50の位置が図1に示された位置L1となるようにアクチュエータを制御する。
以下に説明するとおり、本開示の光学式高さ検出装置は、当該光学式高さ検出装置に対する試料50の位置が相対的に変化する場合であっても、単一の撮像装置で試料50の基準位置からの高さを簡易に検出できる。試料50と光学式高さ検出装置との相対的な位置を変化させる方法としては、光学式高さ検出装置の位置を固定して試料50を移動させる方法と、試料50の位置を固定して電子光学系および光学式高さ検出装置を移動させる方法とがある。以下、試料50を移動させて光学式高さ検出装置に対する相対的な位置を変化させる場合を例にとって本実施形態を説明する。
電子顕微鏡1を使用する場合、ユーザは、試料50の位置を集光位置に合わせるため、試料50を撮像しながらピントを合わせる。試料50の位置が焦点位置から大きくずれている場合、このピント合わせに時間がかかる。そのため、最初は光学式の高さ検出装置で高速に試料の高さを検知しておおよその高さに試料50を配置し、次いで電子顕微鏡1の撮像画像に基づいてピントを合わせる。
上記の光学式高さ検出方法では、例えば、スリット像を試料50の表面に投影し、そこで反射したスリット像を撮像素子9によって検出する。検出系と接続されたコンピュータが実行する高さ検出アルゴリズムは、撮像されたスリット像が画像内の基準位置からずれた量に基づいて試料50の高さを検出する。
上記の光学式高さ検出方法を実現する光学式高さ検出装置は、投影光学系7、検出光学系8、撮像素子9および光路長補正部材10を備える。実施形態1の光学式高さ検出装置は、集光位置L1およびL2を基準として、それぞれの集光位置からの相対的な高さを検出する。集光位置L1およびL2の高さの差DLは、特に限定はしないが、例えば、約0.5〜10mm程度である。また、各基準位置から例えば±0.1mm程度の範囲の高さは、光学式高さ検出装置によって測定する。当該光学式高さ検出装置によって高さを検出できる範囲に試料50の高さが入るまでは、制御部が別の高さセンサを用いて試料50を搬送するステージ(図示なし)の高さを調整する。
投影光学系7は二本の光線Ray1およびRay2を出射する光学系であり、検出光学系8は試料50で反射した光線を撮像素子9に導く光学系である。試料50が集光位置L1にある場合は、試料50で反射した光線Ray1が撮像素子9に結像されるが、光線Ray2は試料50で反射した後は撮像素子9には届かないように、投影光学系7および検出光学系8が構成されている(例えば、反射した光線Ray2が電子顕微鏡1を構成する部材の一つに遮光されるように構成されている)。一方、試料50が集光位置L2にある場合は、試料50で反射した光線Ray2が撮像素子9に結像され、光線Ray1は試料50で反射した後は撮像素子9には届かないように、投影光学系7および検出光学系8が構成されている。
また、電子顕微鏡1において一次電子線100が伝播する領域は真空とする必要がある。図1において、破線102は真空領域と大気圧領域とを分ける線である。本実施形態の電子顕微鏡1は、投影光学系7、検出光学系8および撮像素子9を大気中に配置し、真空封止窓11を通して光線Ray1およびRay2を試料50に投影し、反射光を検出する。ここで、光学系は微調整が必要となることがあるため、できるだけ真空の外側に配置することが望ましい。つまり、投影光学系および検出光学系を真空の外に配置することにより、それら光学系の微調整が容易となる。
図2は、投影光学系7の具体的な構成を示す図である。図2(a)は、投影光学系7の全体的な構成を示す断面図である。レーザまたはLED等の光源7aから出射した光線Ray0は、スリット部7bにて二本の光線Ray1およびRay2に分けられる。二本の光線Ray1およびRay2のそれぞれは、後述するさらに細かいスリット群S1およびS2によって画像パターン(スリット像)を有する光線である。以下、画像パターンを単に画像やパターンと呼ぶことがある。光源7aから出射された二本の光線は投影レンズ系7cを通って、スリット像として試料に投影される。なお、図2(a)において破線OAは光軸を表す。
投影光学系7から複数の光線を発する方法としては、上記の構成例の他に、例えば、複数の光源と各光源に対応させたスリットを用いる方法および複数のレーザ等の光源を用いることが考えられる。投影光学系7としては空間的に分離した複数の光線を生成できればよい。ただし、複数の光線を生成する方法としては、図2に示された一つの光源7aから出射された光をスリット部7bで複数に分離する方法が、部品点数が少ないという利点を有する。さらには、当該方法は部品点数が少ないので、光学系の調整が少なく位置ずれ箇所も減ることから光学系の性能を安定させるという効果を奏する。なお、複数の光線が「空間的に分離される」とは、複数の光線のそれぞれの光路が、少なくとも部分的に、互いに空間的に重ならないことを意味する。
図2(b)は、スリット部7bの正面図である。スリット部7bは、ガラス基板上に金属薄膜をパターン形成することによって形成された部材である。金属薄膜のない領域が、光が通る領域であり、スリットS(図2(c))である。スリット部7bは、複数のスリットS(金属薄膜のない長方形の領域)によってスリット群S1およびS2を構成する。
スリット群S1およびS2はスリット部7bの中心を通る線CLに対して対称的に配置されている。二つのスリット群S1およびS2の中心線CSLは中心線CLから等距離dsの位置にある。以下、本実施形態では、図2(c)に示す長方形のスリットSが四個並んで構成されるスリット群S1およびS2を例にとって説明をする。なお、本開示はスリットSの形状およびスリット群が有するスリットの個数等を限定するものではない。
図1および図2において、スリット群S1を透過した光線が光線Ray1であり、スリット群S2を透過した光線が光線Ray2である。したがって、試料表面には四本のスリットSの像が投影され、撮像素子9に結像される。電子顕微鏡1は、撮像素子9で得られた像(四本のスリット像)の明るさの強度分布の重心位置に基づいて試料50の高さ検出をする。
高さ検出に用いる画像にはスリット像以外にも様々な画像が可能であるが、スリット像は高さ検出をするためには、最も簡単な画像の一つである。簡易な画像を用いると得られた画像から高さを検出する処理が簡易になり、計測速度が向上するという効果を奏する。
以下に、本実施形態において、単一のスリットではなく四本のスリットからなるスリット群S1またはS2を用いて高さを計測する理由を説明する。通常、試料50の表面は反射率が均一ではなく、場所によって反射率が変化している。(例えば、試料50が半導体ウェハである場合、配線の上とシリコンの上とでは反射率が異なる。)この反射率の不均一性は、画像の明るさの重心位置に基づいて高さ検出をする際に、誤差を生じさせる。
単一のスリットではなく複数のスリットを用いて高さ検出をすると、反射率分布の不均一性による高さ検出の誤差を低減することができる。これは、高さ検出は、撮像素子9で得られた像の明るさの強度分布の重心から算出するが、スリットが一本の場合、試料50の反射率分布の影響を受けて強度分布の重心が正しい位置からずれ易い一方、スリットが複数本ある場合は重心の位置ずれが小さくなり、高さを検出する誤差が低減するためである。
投影レンズ系7cは、収差等の補正のため複数のレンズで構成されることが多いが、本実施形態では簡単のため一個のレンズの場合を例にとって説明する。なお、本開示は投影レンズ系7cの構成を限定するものではない。投影レンズ系7cはスリット像をm倍拡大して試料50の表面に結像する。ここで、スリット部7bおよび投影レンズ系7cの中心は光軸OAを通る。
図3は、検出光学系8の具体的な例を示す図である。図3(a)には、検出光学系8の断面図が示され、図3(b)には、屈折部材8bの拡大図が示されている。検出光学系8は、試料50で反射した光線Ray1およびRay2を撮像素子9に導く光学系であり、本実施形態では検出レンズ系8aと屈折部材8bとを備える。検出光学系8は、試料50で反射した光線Ray1およびRay2を撮像素子9に導く光学系であればよく、この構成に限定されない。
検出レンズ系8aは、収差等の補正のため複数のレンズで構成することが多いが、本実施形態では簡単のため一個のレンズの場合で説明する。なお、本開示は検出レンズ系8aの構成を限定するものではない。検出レンズ系8aは、試料50で反射したスリット像をm倍して撮像素子9に結像する。
光線Ray1およびRay2は、光軸OAから距離dsだけ離れたスリット群S1およびS2から生成された光線である。この距離dsは投影レンズ系7cと検出レンズ系8aとで約m×mだけ拡大されるため、スリット群S1およびS2の像は撮像素子9の受光面より外側に結像されてしまうことが多い。また、受光面に結像されたとしても中心から外れるために、撮像素子9を有効に使えないという課題が生じる。
そのため、検出光学系8には、それぞれの光線を屈折して撮像素子9の中心に結像するように屈折部材8bが配置されている。屈折部材8bは具体的にはウエッジ基板(またはプリズム)が一例として考えられる。ウエッジ基板は透明な基板であり、光線Ray1とRay2とに対して光を撮像素子9の中心に向けて屈折させるプリズムである。
図3(b)に屈折部材8bを構成するウエッジ基板の断面形状を示す。断面形状は一端が厚く、もう一端に向かって徐々に薄くなるような形状である。図3(a)に示された屈折部材8bは、図3(b)に示されたウエッジ基板を二つ用意し、それぞれが光線Ray1とRay2とに対応して互いに接しながら対称的に配置されている構成である。
ウエッジ基板(またはプリズム)は、屈折部材8bの最も簡単な例である。ウエッジ基板は、簡単な形状であるため加工面精度の高い部材が得られやすく光学系への配置も簡易である。そのため、ウエッジ基板を光学系に用いた場合、位置ずれなどのばらつきによる性能低下を抑制できる。なお、屈折部材8bはウエッジ基板に限らず、スリット像を屈折して撮像素子9の中心に結像する機能を有すればよい。
撮像素子9は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの画像を撮像できるイメージセンサである。検出レンズ系8aの中心軸および撮像素子9の中心軸は、光軸OAと一致する。
図4は、光学式高さ検出装置の全体を説明するための図である。以下、図4(a)を用いて、光学系全体と光路長補正部材10とに関して詳細に説明する。この系では、試料50の高さ変化量ΔZは、撮像素子9におけるスリット像の移動量ΔS、光線の投影(検出)角度θおよび検出レンズ系8aの倍率mを用いて以下の式(1)で与えられる。検出光学系8と接続されたコンピュータは、スリット像の移動量に基づいて試料の高さの変化を検出する。
Figure 2019190903
光学式高さ検出装置は、光軸OAが基準位置L1とL2の中間位置(以下、この位置を原点Oと呼ぶ。)にて反射する経路となるように配置した。つまり、光学式高さ検出装置は、スリット部7bにおいて、スリット群S1およびS2をスリット部7bの中心(光軸OAが通る位置)に対して対称的に配置し、光軸OAが試料の高さの基準位置L1およびL2の中間位置で反射する経路を通るように構成した。
このように光学式高さ検出装置を構成すると、スリット群S1を透過した光線Ray1は、試料50の高さが位置L1にあるときに試料50の中心(電子光学系の光軸EOAが試料50を通る位置)に照射され、スリット群S2を透過したRay2は、試料50の高さが位置L2にあるときに、試料50の中心に照射される。
一般に、光軸付近を伝播する光線に対してレンズ系は収差が小さくなるため、光軸付近を伝播する光線で試料を観察した場合に最も良好な画像が得られる。上記の光学式高さ検出装置の構成は、光線Ray1またはRay2の光軸OAからのずれ、つまり、全ての光線の光軸OAからのずれの最大値を、最少とする構成である。そのため、試料50が位置L1または位置L2のどちらにある場合であっても高さ検出の誤差を低減することができる。
本実施形態では、後述するように光路長補正部材10を導入することによって、スリット部7bから撮像素子9までの光線Ray1およびRay2の光路が光軸OAに対して対称となる(図4(a)参照)。言い換えると、光線Ray1およびRay2の実効的な光路長が等しくなる。それ故、上述したように屈折部材8bの形状を、二つのウエッジ基板を互いに隣接した状態で対称的に配置した形状または構成とすることができる。
光線Ray1および光線Ray2に対して共通の部材を使うことにより、ウエッジ基板の取り付け間違いや煩雑な光学系の調整が少なくなり、組み立てが容易になる。その結果、光学式高さ検出装置の組み立て時間の短縮および組み付け誤差による性能低下を抑制することができる。
上述のとおり、投影レンズ系7cおよび検出レンズ系8aは、それぞれ、光軸OA近傍を光が伝播したときに所定の倍率mおよびmで撮像素子9に結像するように設定されている。仮に実施形態の光学式高さ検出装置と異なり、光線Ray2の光路長を実効的に短くする光路長補正部材10を用いない場合、光線Ray1(スリット群S1から出射)と光線Ray2(スリット群S2から出射)とが、それぞれ位置L1およびL2にある試料50で反射し、光路長に差が発生した状態で検出レンズ系8aに入射する。そのため、像の倍率および光軸上で結像する位置(光軸OAに沿った、原点Oから結像する位置までの距離、つまり、原点Oから撮像素子9までの距離)が光線Ray1と光線Ray2とで異なるという課題が生じる。
光線Ray1と光線Ray2とで結像位置が異なる場合、撮像素子9が二つ必要となり、それぞれの撮像素子9に光を導くための光学系が必要となる。また、光線Ray1と光線Ray2とで像の倍率が異なる場合、それぞれの倍率に合わせた高さ検出アルゴリズムが必要になる上、像の倍率が小さくなる場合は、撮像素子9の解像度が有限であるため、スリット像の解像度が低下する。高さ検出アルゴリズムは、スリット像の強度分布の重心に基づいて試料の高さを検出するため、スリット像の解像度の低下は、高さ検出の精度低下を招く。これらの課題を解決するために、本開示の光学式高さ検出装置では、光路長補正部材10を光路が長い光線Ray2の経路内に導入した。
以下、図4(b)を参照しながら、スリット像の倍率や結像位置がずれる原因について説明する。本実施形態の光学系は、原点Oの近傍において光軸、Ray1およびRay2は概ね平行になるように構成されている。これは、光学系を簡易にすることで後述する光路長補正を容易にするためである。より具体的には、光線Ray1とRay2とを空間的に分離し、光路長補正部材10を片方の光路に対してのみ配置するためである。
図4(b)に示されているように、光線Ray2は光線Ray1と比べて、2Ld(≒2DLcosθ)だけ光路が長くなる。一般に、レンズは、物点とレンズ系の前側主点までの距離l1、レンズ系の後側主点と像点までの距離l2と焦点距離fとの間に、次式(2)で表されるレンズ結像式が成り立ち、像の倍率はl2 / l1で表される。
Figure 2019190903
したがって、検出レンズ系8aより前の光路(光路長l1)が長くなると検出レンズ系8aから結像する位置(光路長l2)までの光路が短くなり、像の倍率も小さくなる。つまり、光線Ray2はRay1と比べて結像位置が原点Oに近い位置になり、さらに、撮像素子9に結像するスリット像も小さくなる。スリット像が小さくなると、解像度が低下して高さ検出精度が低下する。
そのため本開示の光学式高さ検出装置は、光路が長い光線Ray2の実効的な光路長を光路長補正部材10によって補正して、倍率および結像位置(光軸OAに沿った原点Oからの距離)を光線Ray1に合わせることにより、一個の撮像素子9を用いて所定の検出精度にて複数の高さ検出が可能となるように構成した。以下に、光路が長い光線Ray2を補正する方法について図5を参照しながら説明する。
図5は、光線の光路が光路長補正部材によって変化する様子を示す図である。光路長補正部材とは透明な部材であり、例えば、ガラス、アクリルのブロックまたはプリズムなどである。光路差補正は、光路に透明部材(図5では透明な平行平板10’)があるときに生じる結像位置のずれを利用する。
図5は、厚さd、屈折率nの平行平板10’を光路に設置した場合に結像位置がΔだけ光線の伝播方向に平行移動する様子を示している。光線は、平行平板10’がない場合位置Oに到達するが、平行平板10’があることにより到達位置がΔだけ平行移動して位置Oに到達する。幾何学的な関係から、S = d + z = d + (h − Δh) / tanθ0で与えられ、S0 = h/tanθ0で与えられる。したがって、移動量Δ=S − S0は、以下の式(3)で与えられる。
Figure 2019190903
なお、上記式(3)において、スネルの法則と近軸光学の近似式cosθ0 ≒ 1とを用いてΔを近似した。
上記のとおり、厚さdの透明な平行平板10’を光路内に設置することにより、光路を伝播方向にΔだけ平行移動できる。それ故、光線Ray1および光線Ray2の光路差がΔである場合は、式(3)に基づいてdを計算し、厚さdの透明部材を長い方の光路に設置することにより実効的に二つの光線の光路長を一致させることができる。
図4(a)は光路長補正部材10として、透明部材であるガラスロッド(円柱形状のガラス)を光路が長いRay2の光路に設置した例である。ここで、ガラスロッドの長さは式(3)で計算した厚さdである。実施形態の光学式高さ検出装置のガラスロッドは、検出側の真空封止窓11に隣接して配置し、真空封止窓11を固定する部材でガラスロッドも同時に固定する構成とした。このように、真空封止窓11を固定する部品と共用することによって部品点数を減らし、装置の組み立てを簡易にするという効果を奏する。
図4(a)に示された光路長補正部材10の形状は、入射面と出射面とが互いに平行であり且つ透明なガラスロッドであり、最も簡単な光路長補正部材の例である。この光路長補正部材10は作成が簡易であり、直進している光路に簡単に配置できる。光路長補正部材10を容易に配置できることは光学系の調整を簡易にし、結果として光学式高さ検出装置の構成部品の位置ずれなどに起因する性能低下を抑制できる。なお、光路長補正部材10は必ずしも、入射面および出射面が互いに平行である必要はなく、入射面と出射面とがそれぞれ傾斜した面でも良い。
光路長補正部材10を導入し実効的な光路長を光線Ray1と光線Ray2とで等しくすることにより、それらの結像位置(光軸OAに沿った原点Oから結像する位置までの距離)も等しくすることができる。つまり、光線Ray1と光線Ray2とでスリット群の倍率も等しくなる。さらに、光線Ray1および光線Ray2の結像位置が等しいため、図4(a)に示されている形状の屈折部材8bを配置することで、光線Ray1および光線Ray2を光軸上の一点に結像することが可能となる。このことは、固定して配置された一つの撮像素子9を用いて、二つの基準(試料50の高さが位置L1またはL2である)の高さ検出が可能であることを意味する。
つまり、本実施形態の構成は、投影光学系7が空間的に分離した複数の光線を生成し、複数の光線が空間的に分離している位置において、光路長が長い光路(光路長が最も短い光路以外の光路)に光路長補正部材10を導入することにより、上記複数の光線の結像位置を一致させ、且つスリット像の倍率を一致させるという効果を奏する。
また、実施形態の光学式検出装置は、検出光学系8において屈折部材8bを配置することにより、複数の光路から入射した光線を一つの撮像素子9に向けて出射する構成である。光学式検出装置は、当該構成を採用することによって撮像素子9が一つで済み、光学系が複雑にならない。そのため、光学部材の調整が少なく位置ずれなどによる性能低下を抑制するという効果を奏する。
なお、発明者らが検討した結果、ガラスロッドの厚さdは、式(3)の値から多少ずれていても光路補正の効果は得られた。具体的には、式(3)で算出する値から±50%程度光路長補正部材10の厚さがずれても、所望の倍率および結像位置でスリットの明暗が解像する。したがって、厚さが適切な範囲内に設計された透明な光路長補正部材10を光路内に設置すれば光学式高さ検出装置として所望の機能を期待できる。一方、光路長補正部材10の厚さを式(3)によって算出した値とした場合は、スリット像がさらにくっきりと撮像できる。
また、光路長補正部材10は検出レンズ系8aに対して光源側に設置することにより、倍率と結像位置の両方を補正することができるが、検出レンズ系8aに対して撮像素子9側に設置しても結像位置の補正をすることができる。
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態の、光学式高さ検出装置では、試料50に対して検出光学系8側に式3に基づいて厚みを設計した光路長補正部材を配置した。光路長補正部材は、式3で決定される厚みdの半分の厚さの光路長補正部材40を二つ用意して、試料50に対して投影光学系7側と試料50に対して検出光学系8側の両方に設置してもよい。
図6は、本変形例の光学式高さ検出装置を示す図である。本変形例の光学式高さ検出装置は、第1の実施形態の光学式高さ検出装置と、光路長補正部材の設計および配置が異なる。上記のとおり、本変形例の光路長補正部材40は、式3で決定される厚みdの半分の厚さであり、光線Ray2の光路上で電子光学系の光軸EOAに対して両側に二つ配置されている。
このようにすると、光源から試料までの光路長が光線Ray1と光線Ray2とで実効的に等しくなり、光線Ray1と光線Ray2とは試料50上で結像する。それ故、試料50よりも検出光学系8側のみにて光路長を補正した場合と異なり、より高い精度で試料50の高さ検出を実行できる。
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態の光学式高さ検出装置を説明するための図である。第1の実施形態と同じ箇所、または、同じ機能を有する箇所に関しては説明を省略する。また、図中で同じ符号の箇所は、同様の機能を有する箇所である。
第2の実施形態の光学式高さ検出装置は、試料の高さの基準が位置L1〜L4の四箇所存在し、それぞれの基準位置からの相対的な高さを検出する。以下、電子光学系の光軸EOAと光軸OAの交点を原点Oとする。
投影光学系7は四本の光線Ray1〜光線Ray4を出射する光学系であり、検出光学系8は試料50で反射した光線を同一の撮像素子9に導く光学系である。四本の光線は、光線Ray1に対して光線Ray2、Ray3、Ray4の順に光路長が長くなっている。そのため、撮像素子9で撮像されるスリット像の倍率および結像位置(光軸に沿った原点Oから結像する位置までの距離)を等しくするためには、光路長補正部材20を用いて光線Ray1の光路長と他の光線の光路長とを実効的に合わせる必要がある。
上述の式(3)に示されているとおり、補正すべき光路長Δと光路長補正部材20内を伝播する距離(平行平板の場合は厚さd)とは比例関係にあるため、光路長補正部材20内を伝播する距離は、光線Ray2、Ray3、Ray4の順に長くする必要がある。
図7に示された光路長補正部材20は、各光線が入射面に対して略垂直に入射し、かつ、出射面から略垂直に出射する形状となっている。上記のとおり、光路長補正部材20内を伝播する距離は、光線Ray2、Ray3、Ray4の順に長くする必要があるため、光路長補正部材20の断面形状は階段状に近い形状となっている。
つまり、第2の実施形態の光学式高さ検出装置は、投影光学系7から出射される複数の光線に対応する複数の光路が存在し、最も短い光路を基準として、光路長の増分に対応して長くなる階段形状の光路長補正部材20を各光路に対応させて配置するという特徴を有する。こうすることにより、第2の実施形態の光学式高さ検出装置は、複数の光線のそれぞれは、スリット像の倍率および結像位置が等しくなる。
上記のとおり、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、複数の光路が空間的に分離している位置において、光路長が最も短い光路以外の光路に光路長補正部材20を配置している構成である。
また、第1の実施形態の場合と同様に、光路長補正部材20は、検出レンズ系8aに対して光源側に設置した場合、倍率と結像位置の両方を補正することができ、検出レンズ系8aに対して撮像素子9側に設置した場合は、結像位置の補正をすることができる。
<第2の実施形態の変形例>
第2の実施形態の光学式高さ検出装置は、四本の光線を一つの撮像素子9で受光する構成とした。光学式高さ検出装置は、さらに多い本数の光線を射出し、二つ以上の撮像素子9によって試料の高さを検出してもよい。
光学式高さ検出装置は、例えば、投影光学系7が六本の光線を出射し、撮像素子9を二つ用意して、六本の光線のうち、三本ずつ別々の撮像素子9に入射させる構成としてもよい。その場合は、同一の撮像素子9に入射する光線のうち短い光路を基準として、光路長の増分に対応して長くなる光路長補正部材20を各光路に対応して配置する。こうすると、スリット像の倍率および結像位置を等しくできる。
<第3の実施形態>
図8は、第3の実施形態の光学式高さ検出装置を説明するための図である。第1の実施形態と同じ箇所または同じ機能を有する箇所に関しては説明を省略する。また、図中、同じ符号の箇所は、同様の機能を有する箇所である。
図8(a)は、第3の光学式高さ検出装置の光学系全体を示す図である。第3の実施形態は、投影光学系7において光線を複数の光線に分離する方法が第1の実施形態とは異なる。第3の実施形態では、投影光学系7’において光線を複数の光線に分離するために複数のスリット群を用いる代わりにハーフミラー7dを用いる。ハーフミラー7dは、一部の光を反射し、残りの光を透過させる光学部材である。
図8(a)において、試料50の高さの位置L1を基準とした高さを検出する光線は光線Ray1であり、ハーフミラー7dを透過し光軸付近を伝播する光線である。図8(a)では、光軸OAは光線Ray1の光路に一致する。光線Ray2は光線Ray1からハーフミラー7dで分岐され後述する光路長補正部材30で反射される光線である。
第3の実施形態の光学式高さ検出装置の場合、スリット部7b’は、光軸OAが通る中心に、図2に示したスリット群S1が一つだけある構成であって、スリット部7b’を通過後は一本の光線(Ray1とRay2の和からなる一本の光線)だけが伝播する構成である。そして、試料50にはスリット群S1の像が投影される。
また、第3の実施形態では、検出光学系8において複数の光線を撮像素子9に導く方法が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、光線Ray2が検出レンズ系8aに入射する前に、ハーフミラー8cを用いて光線Ray1と同じ光路を伝播するように反射する。
第3の実施形態の光学式高さ検出装置は、上記の構成を採用することにより、検出側のハーフミラー8cを透過した光線Ray1およびハーフミラー8cにて反射した光線Ray2がともに同一の光軸上を伝播する。それ故、光線Ray1の投影側のハーフミラー7dと検出側のハーフミラー8cとの間の光路長と、光線Ray2の投影側のハーフミラー7dと検出側のハーフミラー8cとの間の光路長と、を実効的に等しくした場合、光線Ray1および光線Ray2は、略等しい位置かつ等しい倍率で同一の撮像素子9に結像する。
第3の実施形態の光学式高さ検出装置では、プリズム形状の光路長補正部材30を用いて光線Ray1および光線Ray2の光路長を実効的に等しくする。図8(b)は、光源7a側の光路長補正部材30の詳細を示す図である。光路長補正部材30は、透明な部材であって、光の伝播方向を変える機能と光路長を補正する機能とを有する。
ハーフミラー7dで反射した光線Ray2は光路長補正部材30の入射面30aに略垂直に入射し、反射面30cで反射して伝播方向を変え、出射面30bから略垂直に出射する構成である。本実施形態では最も簡単な例として、光線Ray2が入射面30aおよび出射面30bに対して垂直に入射および出射する例を示した。しかしながら、光学式高さ検出装置の構成は、光線Ray2と光路長補正部材30の入射面30aおよび出射面30bが傾きを持った構成でも良い。
本光路長補正部材30の特徴は、少なくとも一つの反射面30cを持つことである。光線Ray2の入射面30aに対する入射角度は、光線Ray2が反射面30cで全反射する角度となることが望ましい。言い換えると、光線Ray2が反射面30cに入射する角度θが臨界角度以上となるように、光線Ray2が光路長補正部材30に対して入射することが望ましい。
例えば、金属薄膜による反射は光量の損失を伴うが、透明部材の反射面にて全反射する場合は、光量の損失がない反射(反射率100%の反射)となる。ただし、本実施形態では全反射を利用するが、光路長補正部材30は、アルミ膜を反射面30cに形成する構成でもよい。アルミ膜を反射面30cに形成する場合は、光線が反射面30cに入射する角度に制限がなくなり、設計の自由度があがる。
光路長補正部材30内を光が伝播する距離は図8(b)に示されたOP1+OP2である。したがって、投影側のハーフミラー7dと検出側のハーフミラー8cとの間の光線Ray1とRay2の光路長を実効的に等しくなるようにOP1+OP2の長さを、式(3)を用いて設計すれば、実施形態1および2で述べた効果と同様の効果が得られる。
本実施形態の場合では、投影側のハーフミラー7dと位置L1にあるときの試料50までの光路長OPR1と、投影側のハーフミラー7dと位置L2にあるときの試料50までの光路長OPR2とが実効的に等しくなるように長さOP1+OP2を設定する。(OPR1およびOPR2については図8(c)参照)つまり、式(3)のΔ=|OPR1―OPR2|として、長さOP1+OP2に対応するdを算出すればよい。このような構成とすることにより、試料50までの光路長が、試料50が位置L1とL2にある場合とで実効的に等しくなる。
試料から検出光学系8までについても同様の構成とする。具体的には、図8(a)に示すように、上記のように設計された(投影側のハーフミラー7dおよび試料50間の光路に基づいて設計された)光路長補正部材30およびハーフミラー8cを検出側(電子光学系の光軸EOAに関して反転対称させた位置)にも配置する。以上のように光学式高さ検出装置を構成することによって、投影側のハーフミラー7dと検出側のハーフミラー8cとの間の光線Ray1およびRay2の光路長を実効的に等しくできる。その結果、光線Ray1および光線Ray2は、略等しい位置に、等しい倍率で結像する。
なお、本開示は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1:電子顕微鏡
2:電子源
3:ライトガイド
4:受光素子
5:シンチレータ
6:信号粒子制限板
7:投影光学系
8:検出光学系
9:撮像素子
10、20、30、40:光路長補正部材
11:真空封止窓
50:試料
60:電子光学鏡筒
61:試料室
100:一次電子線
101:二次粒子
102:破線

Claims (12)

  1. 複数の基準位置の何れかに配置された試料にパターンを投影し、前記試料から反射された前記パターンに基づいて前記試料の基準位置からの高さを検出する高さ検出装置であって、
    それぞれが前記パターンを有する空間的に分離された複数の光線を生成して前記試料に投影する投影光学系と、
    前記試料から反射した前記パターンを撮像する撮像素子と、
    前記試料から反射した前記パターンを前記撮像素子へ導く検出光学系と、
    前記複数の光線に対応する複数の光路のうち、光路長が最短のものとは異なる光路上であって前記複数の光線が空間的に分離された位置に配置された少なくとも一つの光路長補正部材と、
    を備える高さ検出装置。
  2. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記検出光学系は、前記複数の光路から入射した光線を一つの前記撮像素子に向けて出射する、
    高さ検出装置。
  3. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記投影光学系は、複数のスリットからなるスリット群によって前記パターンを有する光線を生成する、
    高さ検出装置。
  4. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記投影光学系は、スリットによって前記複数の光線を生成する、
    高さ検出装置。
  5. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記投影光学系は、前記複数の光線をハーフミラーによって分離して生成する、
    高さ検出装置。
  6. 請求項2に記載の高さ検出装置であって、
    前記検出光学系は、ウエッジ基板を有する、
    高さ検出装置。
  7. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記光路長補正部材は、透明な材料で形成され、互いに平行な入射面と出射面とを有する、
    高さ検出装置。
  8. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記光路長補正部材は、透明な材料で形成され、反射面を有するプリズムである、
    高さ検出装置。
  9. 請求項7に記載の高さ検出装置であって、
    前記光路長補正部材は、ガラスロッドである、
    高さ検出装置。
  10. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記光路長補正部材内を伝播する光線の光路長dは、前記光路長が最短の光路と前記光路長補正部材が配置された光路との光路差をΔとした場合に、以下の式で算出される、
    高さ検出装置。
    Figure 2019190903
  11. 請求項1に記載の高さ検出装置であって、
    前記光路長補正部材は、前記試料に対して前記投影光学系側の位置と前記試料に対して前記検出光学系側の位置とに配置されている、
    高さ検出装置。
  12. 請求項1に記載の高さ検出装置を有する荷電粒子線装置。
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