JP2019190780A - 空気調和機および空気調和機の管理サーバ - Google Patents
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また、フリークーリングと呼ばれる技術がある。これは、冷凍機を運転せず、冷却塔からの冷却水の冷熱によって水を直接冷やし、その冷水によって空調機の冷房運転を行うものである。
しかし、前述した特許文献1,2,3に開示された技術では、摂氏35度を超えるような夏期において省エネルギに寄与する技術とは言えない。
に係る第一の発明および第二の発明、第一または第二の発明に係る装置を制御するコンピュータプログラムに係る第三の発明を提供する。
第一の発明は、対象設備内における調整対象である対象エアを取り込んで冷却し、対象設備へ戻す空気調和機に係る。
この空気調和機は、外気を取り込んで冷却するエアクーラーと、
そのエアクーラーへ外気を吸い込むための外気引き込みファンと、
前記のエアクーラーへ貯留された外気を散水によって冷却する第一散水機と、
前記のエアクーラー内で冷却された冷気を用いて前記の対象エアとの熱交換を実行する熱交換器と、
その熱交換器へ前記の対象エアを引き込むとともに、熱交換後の処理済みエアを前記の対象設備内へ戻すための調整エア送風ファンと、
前記の外気引き込みファンによって前記のエアクーラー内へ引き込んだ外気を前記の熱交換器を経由させて外気として排出させる前に当該外気を加湿する第二散水機と、
を備える。
前記の熱交換器は、前記の第二散水機によって加湿されたことで冷却された外気および前記の対象エアの熱交換を実行する第一熱熱交換器と、
前記の対象エアおよび前記のエアクーラー内で冷却された冷気の熱交換を実行する第二熱交換器と、を備える。
前記の外気引き込みファンは、前記のエアクーラーへ吸い込んだ外気を前記の第二熱交換器および第一熱交換器を経由させて排出させる。
前記の調整エア送風ファンは、対象設備内の対象エアを、前記の第一熱交換器および第二熱交換器を経由させて対象設備内へ戻すこととする。
以上のような空気調和機である(図1参照)。
「対象設備」とは、空気冷却が必要な設備であり、たとえば、多数のコンピュータ設備を稼働させているサーバルーム、製鉄所や食品加工所といった物の製造設備、農作物などを製造するビニルハウスなど、多くは設備内の空気が高温となってしまう設備である。
外気引き込みファンがエアクーラーへ外気を吸い込み、その外気を第一散水機が散水することで冷却する。冷却された外気は、第二熱交換器、第一熱交換器を経由し、外気として放出される。
一方、調整エア送風ファンは、対象設備の対象エアを引き込み、第一熱交換器、第二熱交換器を経由させて外気と熱交換をさせて冷却し、対象設備へ戻す役割を担う。
第二熱交換器にて熱交換した外気は、対象エアを冷却した分、温度が上昇して第一熱交換器へ入るが、湿球温度には達していないので加湿可能であることがほとんどである。そこで、第二散水機を用いて加湿することで温度を下げる。下がった温度の外気によって第一熱交換器での熱交換が可能となる。そこで、第一熱交換器によって対象エアの温度を下げ、対象設備へ戻す。第一熱交換器にて対象エアの温度を下げることで温度が上昇した外気は、放出される。
第一の発明は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の第一熱交換器を前記の第二熱交換器の上方へ位置させ、
前記の第二散水機は、前記の第二熱交換器の上方から噴霧することとするのである(図1参照)。
エアクーラーによって冷却された外気は、第二熱交換器にて温度が上昇する。温度が上昇すると上へ移動しやすくなるので、外気を再び冷却する第一熱交換器が第二熱交換器の上方へ位置していることは、外気引き込みファンの負荷を減らすことができるため、合理的である。
第一の発明は、前記の第一散水機および前記の第二散水機へ供給する水を井水とすれば、より好ましい。
井水、すなわち地下水は、年間を通して水温がほぼ一定である。よって、水道水を使う場合に比べて、夏期においては井水の方が水道水よりも水温が低くなる。すると、水道水を用いるよりも、第一散水機および第二散水機による冷却効果が高くなる。
第一の発明は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の外気引き込みファンによって排出される外気の温度および湿度を測定する排出外気温湿度測定装置と、
その排出外気温湿度測定装置が測定した温度および湿度に基づいて、前記の第二散水機が噴霧すべき噴霧量を算出する制御手段と、を備える。
そして、前記の第二散水機は、前記の制御手段が算出した噴霧量にて対象エアを加湿することとする(図6参照)。
第二散水機による噴霧量が適量よりも多い場合には、噴霧に要するエネルギが無駄になる。第二散水機による噴霧量が適量よりも少ない場合には、外気の冷却が不十分であり、調整エアの温度が十分に下げられない。
制御手段が算出した適量の噴霧量で加湿すれば、エネルギ効率が高められる。
第一の発明は、以下のように形成すると、より好ましい。
すなわち、前記の調整エア送風ファンと前記の第二熱交換器との間には、水冷式の第三熱交換器を備えるのである(図7参照)。
第三熱交換器の水冷に、井水を用いることができれば、より好ましい。
対象エアは、第一熱交換機および第二熱交換機を介して冷却されるが、それでも供給する水の水温よりも高い場合が一般的である。
そこで、第一熱交換機および第二熱交換機にて熱交換を終えた対象エアに対して、水冷式の第三熱交換機にて更なる熱交換を実行する。これによって、第三熱交換器の冷媒である水の温度へさらに近づいた調整エアを対象設備へ戻すことができる。
第二の発明は、単数または複数の空気調和機から各種データを受信し、受信した各種データに基づいた制御データを、第一の発明に係る空気調和機へ送信する管理サーバに係る。
その管理サーバは、
前記の各種データを空気調和機から受信するデータ受信手段と、
そのデータ受信手段が受信した各種データを蓄積するデータベースと、
そのデータベースに蓄積されたデータおよび前記のデータ受信手段が受信した各種データを用いて前記の空気調和機を制御するための制御データを演算する演算手段と、
その演算手段が演算した制御データを前記の空気調和機へ送信する制御データ送信手段と、
を備える(図10参照)。
各種データを空気調和機からデータ受信手段が受信する。そのデータ受信手段が受信した各種データをデータベースが蓄積する。
そのデータベースに蓄積されたデータおよび前記のデータ受信手段が受信した各種データを用いて、前記の空気調和機を制御するための制御データを演算手段が演算する。その演算手段が演算した制御データを、制御データ送信手段が前記の空気調和機へ送信する。
管理サーバでは、対象設備ごとに各種データを蓄積できるので、その各種データに基づいたデータ分析、より効率的、効果的な運転のための制御データ作成などに寄与するデータを取得できる。
第二の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、 前記の管理サーバは、天気予報データを受信する天気予報データ受信手段を備え、
前記の演算手段は、受信した天気予報データをも用いて制御データを演算することとする(図11参照)。
天気予報データを天気予報データ受信手段が受信し、演算手段は、受信した天気予報データをも用いて制御データを演算する。
気温や湿度の変化を予測し、トータルでの合理的な運転となるように制御することに寄与する。
図1は、第一の実施形態に係る空気調和機を、ポンプや温度計屋湿度計などの記号とともに示している。
この空気調和機は、対象設備としてのサーバルームの室内空気(対象エア)を冷却するためのものである。コンプレッサおよびそのコンプレッサによって圧縮された媒体を膨張させる際に生じる冷熱を使用していない。いわゆるフリークーリングである。
そのエアクーラーへ外気を吸い込むための外気引き込みファンと、
前記のエアクーラーへ貯留された外気を散水によって冷却する第一散水機と、
前記のエアクーラー内で冷却された冷気を用いて前記の対象エアとの熱交換を実行する熱交換器と、
その熱交換器へ前記の対象エアを引き込むとともに、熱交換後の処理済みエアを前記の対象設備内へ戻すための調整エア送風ファンと、
前記の外気引き込みファンによって前記のエアクーラー内へ引き込んだ外気を前記の熱交換器を経由させて外気として排出させる前に当該外気を加湿する第二散水機と、
を備える。
第一熱交換器は、第二熱交換器の上方へ位置させている。そして、第二散水機は、前記の第二熱交換器の上方から噴霧することとしている。
また、前記の調整エア送風ファンは、前記の第一熱交換器および第二熱交換器を経由させて対象設備内へ戻すものである。
外気引き込みファンにて排出される温度を温度計(T0)で、湿度を湿度計(H0)で、それぞれ測定している。
温度計(T3)および湿度計(H3)によって測定した温度および湿度に基づいて、第二散水機が噴霧すべき噴霧量を算出する制御手段(図示は省略)が、本実施形態における空気調和機には、備えられている。
この実施形態においては、対象エアの冷却は連続して実施されるので、第二散水機にて冷却された外気を用いた第一熱交換器にて最初に冷却され、第一散水機にてエアクーラーにおいて冷却された外気を用いた第二熱交換器にて冷却された後に、調整エア送風ファンによって、対象設備へ戻されるのである。
下部水槽の水温は、水温計(T8)にて測定する。
図2では、図1にて示した空気調和機を温室内の空気を冷却するという場合に、エアクーラーのみを運転(基本運転)させて外気を冷却する場合のフローチャートである。
一方、調整対象である温室内の空気(対象エア)について、温度計(T3)および湿度計(H3)にて測定した(S2)。すると、摂氏40度、湿度50%だった。
図3では、第一の実施形態に係る空気調和機を、基本運転させた場合の外気温、外気湿度、および対象エア温度の変化を示している。
図4に示したフローチャート用いて、第一の実施形態に係る空気調和機を用いた応用運転について説明する。
応用運転とは、第二熱交換器にて熱交換を終えた外気に対し、第一散水機を用いて再び温度を下げ(同時に湿度は上昇するが)、その冷熱を用いた熱交換を第一熱交換器にて実行させるものである。
一方、対象設備である温室からは、調整エア送風ファンの稼働によって調整対象エアが第一熱交換器および第二熱交換器を通過し、二段階の熱交換によって冷却される(S14)。
第二散水機および第一熱交換器の働きがプラスされることによって、調整エアの温度は基本運転よりも更に下げることができたのである。
図5は、第一の実施形態に係る空気調和機を、応用運転させた場合の外気温、外気湿度、および対象エア温度の変化を示している。グラフ中で、第二散水機による散水で加湿をしたことによる効果の範囲を、ハッチングにて示している。
図6は、連続運転にて、基本運転のみで運転したり、途中で応用運転へ切り替えたりする場合のステップを示したものである。
基本運転によって排出された外気の温度および湿度を測定し(S8)、応用運転とするか否か(第一熱交換器内の外気を加湿することで更なる冷却効果が認められるかどうか)を判断する(S3)。この判断は、図示を省略した制御手段が実行する。
図7では、第二の実施形態に係る空気調和機を示す。第一の実施形態との相違点は、調整エア送風ファンと前記の第二熱交換器との間に水冷式の第三熱交換器を備えた点である。
すなわち、第二の実施形態においては、井水(井戸水、地下水)による水冷式の第三熱交換器をも備えることによって、更なる調整エアの冷却を意図している。
冷水縁切り機からポンプ(P2)を介して第三熱交換器へ送られる水は、その水温を温度計(T10)にて計測し、その流量を流量計(F5)にて計測する。
温度計(T10,T11,T12,T13)にて計測された水温と、流量計(F5,F6)にて計測された流量と、調整エアの温度とを継続的に計測することで、最適な水量をポンプ(P2)にて送るように、制御装置が制御する。
図8は、基本運転における湿り空気h−x線図である。
横軸に緩急温度h(摂氏)を、縦軸に絶対温度xを示し、空気の流れに応じた動きをグラフ上に図示している。縦軸には、水蒸気圧も示している。
図9は、応用運転における湿り空気h−x線図である。
こちらも図8と同様、横軸に緩急温度h(摂氏)を、縦軸に絶対温度xを示し、空気の流れに応じた動きをグラフ上に図示している。縦軸には、水蒸気圧も示している。
図10では、第一の実施形態または第二の実施形態に係る空気調和機を遠隔で、複数台操作する場合について示す概念図である。
空気調和機α、βは、管理サーバとの間で、通信ネットワークを介してデータの送受信が可能である。
前述した制御装置は、管理サーバに存在させて一括制御とすることも可能である。一方、各空気調和機にローカルな制御装置を存在させつつ、管理サーバにおける総合的な制御装置が、ローカルな制御装置へ制御用プログラムの最新バージョンを伝送し、制御用プログラムを更新させることとしてもよい。
管理サーバにおいては、各空気調和機α、β、・・・から送信されてくる測定データを受信する測定データ受信手段と、その測定データを蓄積する測定データベースと、受信した測定データおよび過去の測定データを用いて制御用データを演算する演算手段と、演算された制御用データを各空気調和機α、β、・・・へ送信する制御用データ送信手段と、を備えている。
図11は、図10に示した管理サーバのバリエーションを示す概念図である。すなわち、管理サーバは、天気予報データを受信する天気予報データ受信手段を備えることとしたのである。
Claims (7)
- 対象設備内における調整対象である対象エアを取り込んで冷却し、対象設備へ戻す空気調和機であって、
外気を取り込んで冷却するエアクーラーと、
そのエアクーラーへ外気を吸い込むための外気引き込みファンと、
前記のエアクーラーへ貯留された外気を散水によって冷却する第一散水機と、
前記のエアクーラー内で冷却された冷気を用いて前記の対象エアとの熱交換を実行する熱交換器と、
その熱交換器へ前記の対象エアを引き込むとともに、熱交換後の処理済みエアを前記の対象設備内へ戻すための調整エア送風ファンと、
前記の外気引き込みファンによって前記のエアクーラー内へ引き込んだ外気を前記の熱交換器を経由させて外気として排出させる前に当該外気を加湿する第二散水機と、
を備え、
前記の熱交換器は、前記の第二散水機によって加湿されたことで冷却された外気および前記の対象エアの熱交換を実行する第一熱熱交換器と、
前記の対象エアおよび前記のエアクーラー内で冷却された冷気の熱交換を実行する第二熱交換器と、
を備え、
前記の外気引き込みファンは、前記のエアクーラーへ吸い込んだ外気を前記の第二熱交換器および第一熱交換器を経由させて排出させ、
前記の調整エア送風ファンは、前記の第一熱交換器および第二熱交換器を経由させて対象設備内へ戻すこととした
空気調和機。 - 前記の熱交換器は、前記の第一熱交換器を前記の第二熱交換器の上方へ位置させ、
前記の第二散水機は、前記の第二熱交換器の上方から噴霧することとした
請求項1に記載の空気調和機。 - 前記の第一散水機および前記の第二散水機へ供給する水を井水とした
請求項1または請求項2のいずれかに記載の空気調和機。 - 前記の外気引き込みファンによって排出される外気の温度および湿度を測定する排出外気温湿度測定装置と、
その排出外気温湿度測定装置が測定した温度および湿度に基づいて、前記の第二散水機が噴霧すべき噴霧量を算出する制御手段と、
を備え、
前記の第二散水機は、前記の制御手段が算出した噴霧量にて対象エアを加湿することとした
請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気調和機。 - 前記の調整エア送風ファンと前記の第二熱交換器との間に水冷式の第三熱交換器を備えた
請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気調和機。 - 単数または複数の空気調和機から各種データを受信し、受信した各種データに基づいた制御データを前記の空気調和機へ送信する管理サーバであって、
前記の各種データを空気調和機から受信するデータ受信手段と、
そのデータ受信手段が受信した各種データを蓄積するデータベースと、
そのデータベースに蓄積されたデータおよび前記のデータ受信手段が受信した各種データを用いて前記の空気調和機を制御するための制御データを演算する演算手段と、
その演算手段が演算した制御データを前記の空気調和機へ送信する制御データ送信手段と、
を備え、
前記の空気調和機は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の空気調和機とした
管理サーバ。 - 前記の管理サーバは、天気予報データを受信する天気予報データ受信手段を備え、
前記の演算手段は、受信した天気予報データをも用いて制御データを演算することとした
請求項6に記載の管理サーバ。
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