[実施形態1]
以下、本開示の実施形態1について、図1および図2を参照して詳細に説明する。図1は、実施形態1に係る排気浄化装置2が適用された内燃機関1の排気系を示す概略構成図である。
図1に示すように、内燃機関1は、たとえば、車両Vに搭載されるディーゼルエンジンである。このような内燃機関1は、排気ガスを大気中に導くための排気浄化装置2を有する。
排気浄化装置2は、図1に示されるように、排気通路31、NOx選択還元型触媒72、およびNOx吸着触媒74、および制御部8を備える。また、排気浄化装置2は、図1に示されるように、タービン4、流量調整部5、第一温度検出部6a、酸化触媒71、第二温度検出部6b、およびアンモニアスリップ触媒73などを備えてもよい。
[排気管について]
排気通路31は、内燃機関1から生じた排気ガスが流れる通路である。排気通路31は、鉄系合金(たとえば、ステンレス)、アルミニウム合金などの耐熱性を有する金属材料からなる複数の管状部材により構成されている。このような排気通路31は、主排気通路32および第二排気通路33を有する。
主排気通路32は、排気ガスが流れる方向(以下、単に「排気方向」という。)の上流側から順に、第一管要素320、タービンケーシング321、第二管要素322、第一ケーシング323、第三管要素324、第二ケーシング325、第四管要素326、第三ケーシング327、および第五管要素328を有する。なお、排気ガスが流れる方向とは、図1中の矢印A1a〜A5aの方向および矢印B1a〜B4aの方向を意味する。
第一管要素320は、内燃機関1とタービン4との間に設けられている。具体的には、第一管要素320は、内燃機関1の排気マニホルド1aと、タービンケーシング321とを接続している。
タービンケーシング321は、箱状部材であって、後述のタービン4のタービンインペラ41を収容している。タービンケーシング321の上流側開口部(不図示)には、第一管要素320の下流側端部が接続されている。タービンケーシング321の下流側開口部(不図示)には、第二管要素322(具体的には、第二前側管要素322a)の上流側端部が接続されている。
第二管要素322は、タービンケーシング321と第一ケーシング323とを接続している。このような第二管要素322は、上流側から順に第二前側管要素322aおよび第二後側管要素322bを有する。
第二前側管要素322aと第二後側管要素322bとの間には、後述の流量調整部5が設けられている。
第二前側管要素322aは、タービンケーシング321と流量調整部5とを接続している。第二後側管要素322bは、流量調整部5と第一ケーシング323とを接続している。
第一ケーシング323は、後述の酸化触媒71を収容可能な第一収容部323aを有する。また、第一ケーシング323は、上流側端部に上流側開口部(不図示)を、下流側端部に下流側開口部を、それぞれ有する。
第一ケーシング323の上流側開口部には、第二管要素322(具体的には、第二後側管要素322b)の下流側端部が接続されている。第一ケーシング323の下流側開口部には、第三管要素324の上流側端部が接続されている。
第三管要素324は、第一ケーシング323と第二ケーシング325とを接続している。
第二ケーシング325は、後述のNOx選択還元型触媒72を収容可能な第二収容部325aを有する。また、第二ケーシング325は、上流側端部に上流側開口部(不図示)を、下流側端部に下流側開口部を、それぞれ有する。なお、第二ケーシング325は、第一ケーシング323と一体(つまり、一つのケーシング)であってもよい。この場合には、酸化触媒71とNOx選択還元型触媒72とは、一つのケーシング内に収容される。
第二ケーシング325の上流側開口部には、第三管要素324の下流側端部が接続されている。第二ケーシング325の下流側開口部には、第四管要素326の上流側端部が接続されている。
第四管要素326は、第二ケーシング325と第三ケーシング327とを接続している。
第三ケーシング327は、後述のアンモニアスリップ触媒73を収容可能な第三収容部327aを有する。第三ケーシング327は、上流側端部に上流側開口部(不図示)を、下流側端部に下流側開口部を、それぞれ有する。
第三ケーシング327の上流側開口部には、第四管要素326の下流側端部が接続されている。第三ケーシング327の下流側開口部には、第五管要素328の上流側端部が接続されている。なお、第三ケーシング327は、第二ケーシング325と一体(つまり、一つのケーシング)であってもよい。この場合には、NOx選択還元型触媒72とアンモニアスリップ触媒73とは、一つのケーシング内に収容される。また、第一ケーシング323、第二ケーシング325、および第三ケーシング327は、一体(つまり、一つのケーシング)であってもよい。
第五管要素328は、第三ケーシング327と、たとえば、第三ケーシング327よりも下流側に設けられた他の排気浄化装置の構成要素(たとえば、酸化触媒)のケーシングとを接続している。
上述の第一管要素320、タービンケーシング321、および第二管要素322は、前側共通排気通路とも称される。また、第二管要素322(具体的には、第二前側管要素322a)、第一ケーシング323、第三管要素324、第二ケーシング325、第四管要素326、第三ケーシング327、および第五管要素328の一部は、第一排気通路320Aを構成している。第一排気通路320Aを流れる排気ガスは、図1において矢印A1a〜矢印A5aの順に流れる。
第二排気通路33は、上流側から順に、第一バイパス管要素34、第四ケーシング35、および第二バイパス管要素36を有する。
第一バイパス管要素34は、流量調整部5と第四ケーシング35とを接続している。
第四ケーシング35は、後述のNOx吸着触媒74を収容可能な第四収容部35aを有する。第四ケーシング35は、上流側端部に上流側開口部(不図示)を、下流側端部に下流側開口部を、それぞれ有する。
第四ケーシング35の上流側開口部には、第一バイパス管要素34の下流側端部が接続されている。第四ケーシング35の下流側開口部には、第二バイパス管要素36の上流側端部が接続されている。
第二バイパス管要素36は、第四ケーシング35と第五管要素328とを接続している。
第二排気通路33を流れる排気ガスは、図1において矢印B1a〜矢印B4aの順に流れる。つまり、第二排気通路33を流れる排気ガスは、第二管要素322で分岐して、第五管要素328に合流する。排気通路において、第二排気通路33は、第一排気通路320Aと並列に設けられている。したがって、第二排気通路33を流れる排気ガスは、酸化触媒71、NOx選択還元型触媒72、およびアンモニアスリップ触媒73を通過しない。
[NOx選択還元型触媒について]
NOx選択還元型触媒72は、第一排気通路320Aに設けられている。具体的には、NOx選択還元型触媒72は、第二ケーシング325の第二収容部325aに配置されている。
このようなNOx選択還元型触媒72は、たとえば、第三管要素324に設けられた尿素水噴射部(不図示)により噴射された尿素水に基づいて生成されたアンモニアを吸着する。
そして、NOx選択還元型触媒72は、NOx選択還元型触媒72の温度(NOx選択還元型触媒72に流入する排気ガスの温度でもある。)が活性温度のとき、吸着したアンモニアと、自身を通過する排気ガス中に含まれるNOxとを反応させることで、当該NOxを還元する。活性温度は、NOx選択還元型触媒72が活性化領域となる温度である。
以上のようなNOx選択還元型触媒72は、排気通路において、酸化触媒71よりも下流側に配置されている。本実施形態の場合、NOx選択還元型触媒72と酸化触媒71との間に、他の触媒は存在していない。
[NOx吸着触媒について]
NOx吸着触媒74は、第二排気通路33に設けられている。具体的には、NOx吸着触媒74は、第四ケーシング35の第四収容部35aに配置されている。
このようなNOx吸着触媒74は、NOx吸着触媒74の温度(NOx吸着触媒74に流入する排気ガスの温度でもある。)が吸着温度のとき、排気ガス中のNOxを吸着する。
吸着温度の範囲は、上述の活性温度未満の温度を含む範囲である。すなわち、NOx吸着触媒74は、NOx選択還元型触媒72でNOxを還元することができない温度において、排気ガス中のNOxを吸着できる。
また、NOx吸着触媒74は、NOx吸着触媒74の温度が脱離温度以上である場合、NOx吸着触媒74に吸着されたNOxを、NOx吸着触媒74から脱離させることができる。脱離温度は、たとえば、上述の活性温度より高い温度である。
以上のようなNOx吸着触媒74は、第二排気通路33に設けられているため、NOx吸着触媒74を通過する排気ガスは、第一排気通路320Aに設けられた酸化触媒71、NOx選択還元型触媒72、およびアンモニアスリップ触媒73を通過しない。
[タービンについて]
タービン4は、過給機(タービン4以外の構成要素については不図示)の一部を構成している。タービン4は、タービンインペラ41およびタービンシャフト42などを有する。タービンインペラ41およびタービンシャフト42の一部は、タービンケーシング321に収容されている。
このようなタービン4は、過給機を構成する圧縮機に動力伝達可能な状態で接続されている。そして、タービン4は、内燃機関1から排出された排気ガスにより回転されるタービンインペラ41の回転を、タービンシャフト42を介して、圧縮機(不図示)のコンプレッサインペラ(不図示)に伝達する。圧縮機に流入した空気は、コンプレッサインペラの回転により圧縮される。そして、圧縮された空気は、内燃機関1の吸気管(不図示)に供給される。
[第一温度検出部について]
第一温度検出部6aは、主排気通路32において流量調整部5よりも上流側を流れる排気ガスの温度を検出する。第一温度検出部6aは、第二管要素322に設けられている。第一温度検出部6aは、検出値を、制御部8に送る。なお、第一温度検出部6aの位置は、図示の位置に限定されない。たとえば、第一温度検出部6aは、第一管要素320に設けられてもよい。
[流量調整部について]
流量調整部5は、第二管要素322に設けられている。具体的には、流量調整部5は、第二前側管要素322aと第二後側管要素322bとの間に設けられている。このような流量調整部5は、制御部8の制御下で、第一排気通路320Aと第二排気通路33とを流れる排気ガスの流量を調整可能なバルブである。
流量調整部5は、上流側ポート(不図示)、下流側第一ポート(不図示)、および下流側第二ポート(不図示)を有する。上流側ポートには、第二前側管要素322aの下流側端部が接続されている。下流側第一ポートには、第二後側管要素322bの上流側端部が接続されている。下流側第二ポートには、第一バイパス管要素34の上流側端部が接続されている。
流量調整部5は、制御部8の制御下で、第一状態、第二状態、および第三状態を取り得る。
流量調整部5の第一状態は、排気ガスが、流量調整部5の下流側第一ポートからのみ流出する状態である。すなわち、第一状態において、排気ガスは、流量調整部5の下流側第二ポートから流出しない。換言すれば、第一状態において、流量調整部5から流出する排気ガスは、第一排気通路320Aのみを流れて、第二排気通路33を流れない。
流量調整部5の第二状態は、排気ガスが、流量調整部5の下流側第二ポートからのみ流出する状態である。すなわち、第二状態において、排気ガスは、流量調整部5の下流側第一ポートから流出しない。換言すれば、流量調整部5の第二状態において、流量調整部5から流出する排気ガスは、第二排気通路33のみを流れて、第一排気通路320Aを流れない。
流量調整部5の第三状態は、排気ガスが、流量調整部5の下流側第一ポートおよび下流側第二ポートの両方のポートから流出する状態である。すなわち、第三状態において、流量調整部5から流出する排気ガスは、第一排気通路320Aおよび第二排気通路33を流れる。
なお、流量調整部5の第三状態において、第一排気通路320Aを流れる排気ガスの流量(つまり、下流側第一ポートからの排気ガスの流出量)と、第二排気通路33を流れる排気ガスの流量(つまり、下流側第二ポートからの排気ガスの流出量)との比率は、制御部8により制御される。
[酸化触媒について]
酸化触媒71は、第一排気通路320Aにおいて、NOx選択還元型触媒72よりも上流側に設けられている。具体的には、酸化触媒71は、第一ケーシング323の第一収容部323aに配置されている。このような酸化触媒71は、排気ガス中の一酸化窒素(NO)などを酸化させて二酸化窒素(NO2)を生成することで、NOx選択還元型触媒72の浄化性能を向上させる。
[第二温度検出部について]
第二温度検出部6bは、酸化触媒71から流出した排気ガス(換言すれば、NOx選択還元型触媒72に流入する排気ガス)の温度を検出する。このような第二温度検出部6bは、第三管要素324に設けられている。第二温度検出部6bは、検出値を、制御部8に送る。
[アンモニアスリップ触媒について]
アンモニアスリップ触媒73は、主排気通路32において、NOx選択還元型触媒72よりも下流側に設けられている。このようなアンモニアスリップ触媒73は、NOx選択還元型触媒72で使用されなかったアンモニアを分解して、アンモニアが車両V外に排出されるのを防止する。
[制御部について]
制御部8は、たとえば電子制御ユニットであり、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および入出力回路を備えている。制御部8は、予め設定されたプログラムに基づいて、流量調整部5を制御するように構成されている。
制御部8は、排気ガスの温度に応じて、流量調整部5の状態を切り換える。具体的には、制御部8は、第一温度検出部6aから受け取った検出値(本実施形態の場合、第二管要素322を流れる排気ガスの温度)に基づいて、流量調整部5を、第一状態と第二状態とから選択される一つの状態とする。
具体的には、制御部8は、上記検出値が、NOx選択還元型触媒72の活性温度未満である場合に、流量調整部5を第二状態とする。換言すれば、制御部8は、上記検出値が、NOx選択還元型触媒72の活性温度未満である場合に、流量調整部5から流出する排気ガスが第二排気通路33にのみ流れるように、流量調整部5を制御する。このような制御部8による制御は、バイパス制御ともいう。
なお、制御部8は、上記検出値が、NOx選択還元型触媒72の活性温度未満である場合に、流量調整部5を第三状態としてもよい。換言すれば、制御部8は、上記検出値が、NOx選択還元型触媒72の活性温度未満である場合に、流量調整部5から流出する排気ガスの一部が第一排気通路320Aを流れ、残部が第二排気通路33を流れるように、流量調整部5を制御してもよい。この場合に、制御部8は、第一排気通路320Aを流れる排気ガスの流量と、第二排気通路33を流れる排気ガスの流量との比率を、上記検出値に基づいて決めてもよい。
排気ガスの温度が活性温度未満であると、NOx選択還元型触媒72において十分な還元処理が行われず、NOxが大気に排出されやすくなる。このため、本実施形態では、上記検出値が活性温度未満である場合、NOx吸着触媒74により第二排気通路33を流れる排気ガス中に含まれるNOxを吸着する。これにより、排気ガスの温度が、NOx選択還元型触媒72で十分な還元処理が行われない温度の場合でも、NOxが大気に排出されることを抑制できる。
また、制御部8は、上記検出値がNOx選択還元型触媒72の活性温度未満であっても、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量に達した場合には、流量調整部5を第一状態としてもよい。つまり、制御部8は、上記検出値がNOx選択還元型触媒72の活性温度未満であっても、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量に達した場合には、バイパス制御を行わなくてもよい。
NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量であると、排気ガス中のNOxがNOx吸着触媒74に吸着されないので、第二排気通路33に排気ガスを流す必要がない。上述のように制御することにより、第二排気通路33に不要な排気ガスが流れることを抑制できる。
なお、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量は、たとえば、第二排気通路33に流された排気ガスの流量や、NOx吸着触媒74から脱離したNOxの量などに基づいて推定される。また、NOxの吸着量は、NOx吸着触媒74の上流側および下流側に、それぞれNOxを検出するセンサを設け、各センサの検出量の差分値を用いて推定されてもよい。
制御部8は、第一温度検出部6aから受け取った検出値(本実施形態の場合、第二管要素322を流れる排気ガスの温度)がNOx選択還元型触媒72の活性温度以上である場合に、流量調整部5を第一状態とする。換言すれば、制御部8は、上記検出値が、NOx選択還元型触媒72の活性温度以上である場合に、流量調整部5から流出する排気ガスが第一排気通路320Aにのみ流れるように、流量調整部5を制御する。
制御部8は、バイパス制御を実行している状態で、上記検出値がNOx選択還元型触媒72の活性温度以上となった場合に、バイパス制御を終了する。
NOx選択還元型触媒72が活性温度以上であると、NOx選択還元型触媒72においてNOxの還元処理が十分に行われるので、NOx吸着触媒74を用いる必要がなくなる。上述のように制御により、第二排気通路33に不要な排気ガスが流れることを抑制ができる。
また、制御部8は、内燃機関1が始動してから所定時間が経過するまでの間(つまり、内燃機関1の稼働時間が所定時間未満の場合)、流量調整部5を第二状態としてもよい。換言すれば、制御部8は、内燃機関1が始動してから所定時間が経過するまでの間、流量調整部5から流出する排気ガスが第二排気通路33にのみ流れるように、流量調整部5を制御してもよい。このような制御部8による制御も、バイパス制御と称される。
上記所定時間は、たとえば、内燃機関1の始動から、NOx選択還元型触媒72に流入する排気ガスの温度が、NOx選択還元型触媒72の活性温度以上の温度になるまでに要する時間である。このような所定時間は、実験またはシミュレーションにより予め求められる。このような所定時間は、制御部8のROMに記憶されている。なお、上記所定時間は、外気温および内燃機関1の停止から始動までの時間の少なくとも一方に基づいて決定されてもよい。
制御部8は、内燃機関1が始動してから所定時間が経過した場合(つまり、内燃機関1の稼働時間が所定時間以上の場合)に、流量調整部5を第二状態から第一状態へと切り換えてもよい。つまり、制御部8は、内燃機関1が始動してから所定時間が経過した場合に、バイパス制御を終了してもよい。
また、制御部8は、排気ガスの温度に基づいて流量調整部5を制御することにより、NOx吸着触媒74からNOxを脱離させるためのNOx吸着触媒74の再生処理(以下、単に「再生処理」という。)を行う。
制御部8は、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量に基づいて、再生処理を行うか否かを判定してもよい。制御部8は、排気ガスの温度、および、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量に基づいて、再生処理を行うか否かを判定してもよい。
具体的には、制御部8は、第一温度検出部6aまたは第二温度検出部6bから受け取った検出値(以下、「再生判定温度」という。)が脱離温度以上であり、かつ、NOx吸着触媒74にNOxが吸着されている場合、流量調整部5を第三状態とする。
換言すれば、制御部8は、再生判定温度が脱離温度以上であり、かつ、NOx吸着触媒74にNOxが吸着されている場合に、流量調整部5から流出する排気ガスが、第一排気通路320Aおよび第二排気通路33を流れるように流量調整部5を制御する。
上述の再生処理により、NOx吸着触媒74に吸着されたNOxをNOx吸着触媒74から脱離させることができる。この結果、排気ガスの温度が低下した際に、再びNOx吸着触媒74にNOxを吸着させることができる。なお、NOx吸着触媒74から脱離したNOxは、図1に示される排気浄化装置2よりも下流側に設けられた他の排気浄化装置におけるNOx選択還元型触媒(不図示)によって還元処理される。
また、制御部8は、再生処理を実施してから終了条件を満たした場合に、再生処理を終了し、流量調整部5を第三状態から第一状態へと切り換えてもよい。
具体的には、制御部8は、再生処理を実施してから所定時間が経過した場合に、再生処理を終了してもよい。また、制御部8は、NOx吸着触媒74のNOxが脱離しきったと判定した場合に、再生処理を終了してもよい。
また、制御部8は、第一温度検出部6aまたは第二温度検出部6bから受け取った検出値が活性温度以上で、かつ、脱離温度未満である場合には、第二排気通路33に排気ガスが流れないように、流量調整部5を制御してもよい。このような制御を行う理由は、排気ガスの温度が脱離温度未満であれば、NOx吸着触媒74において再生処理は行われないからである。
[動作例1]
つぎに、本実施形態に係る排気浄化装置2の動作例1について説明する。図2は、排気浄化装置2において実施される浄化制御のフローチャートである。図2の制御処理は、たとえば、車両Vの稼働時において適宜実行される。
まず、図2のステップS101において、作業者は、車両Vの内燃機関1を始動する。内燃機関1が始動すると、第一温度検出部6aは、排気ガスの温度の検出を開始する。また、内燃機関1が始動すると、第二温度検出部6bは、排気ガスの温度の検出を開始する。
内燃機関1の始動直後において、流量調整部5の状態は、第一状態であってよい。ただし、内燃機関1の始動直後において、流量調整部5の状態は、第二状態または第三状態であってもよい。
たとえば、内燃機関1の停止から始動までの時間が短い場合、内燃機関1から排出される排気ガスの温度が、NOx選択還元型触媒72の活性温度よりも高い場合がある。制御部8は、内燃機関1の停止から始動までの時間が所定時間未満の場合には、内燃機関1の始動直後に、流量調整部5の状態を第一状態としてもよい。
また、内燃機関1の停止から始動までの時間が長い場合、内燃機関1から排出される排気ガスの温度が、NOx選択還元型触媒72の活性温度よりも低い場合がある。制御部8は、内燃機関1の停止から始動までの時間が所定時間以上の場合には、内燃機関1の始動直後に、流量調整部5の状態を第二状態としてもよい。
つぎに、図2のステップS102において、制御部8は、第一温度検出部6aの検出値(以下、「第一温度」という。)を取得する。
つぎに、図2のステップS103において、制御部8は、第一温度が、NOx選択還元型触媒72の活性温度(以下、「第一温度閾値」という。)未満であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、第一温度が、第一温度閾値未満である場合(ステップS103、YES)、制御処理はステップS104に遷移する。一方、上記判定の結果、第一温度が第一温度閾値以上である場合(ステップS103、NO)、制御処理はステップS106に遷移する。
図2のステップS104において、制御部8は、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量(以下、「吸着量閾値」という。)未満であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が、吸着量閾値未満である場合(ステップS104、YES)、制御処理はステップS105に遷移する。
一方、上記判定の結果、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が、吸着量閾値未満でない場合(ステップS104、NO)、制御処理は、ステップS106に遷移する。
図2のステップS105において、制御部8は、流量調整部5の状態を第二状態とする。ステップS105を実行する直前において、流量調整部5の状態が第二状態である場合には、制御部8は、流量調整部5の状態を第二状態のまま維持する。
また、ステップS105を実行する直前において、流量調整部5の状態が第二状態以外の状態(つまり、第一状態または第三状態)である場合には、制御部8は、流量調整部5の状態を第二状態以外の状態から第二状態へと切り換える。
流量調整部5が第二状態になると、流量調整部5から流出する排気ガスは、第二排気通路33のみを流れて、第一排気通路320Aを流れない。そして、制御処理は、ステップS102に遷移する。
なお、図2のステップS105において、制御部8は、流量調整部5の状態を第三状態としてもよい。流量調整部5が第三状態になると、流量調整部5から流出する排気ガスは、一部が第一排気通路320Aを流れ、残部が第二排気通路33を流れる。第二排気通路33を流れる排気ガス中のNOxは、NOx吸着触媒74により吸着される。一方、第一排気通路320Aを流れる排気ガスは、NOx選択還元型触媒72の昇温に寄与する。第一排気通路320Aを流れる排気ガス中のNOxは、図1に示される排気浄化装置2よりも下流側に設けられた他の排気浄化装置により浄化処理されてもよい。
図2のステップS106において、制御部8は、流量調整部5の状態を第一状態とする。ステップS106を実行する直前において、流量調整部5の状態が第一状態である場合には、制御部8は、流量調整部5の状態を第一状態のまま維持する。
また、ステップS106を実行する直前において、流量調整部5の状態が第一状態以外の状態(つまり、第二状態または第三状態)である場合には、制御部8は、流量調整部5の状態を第一状態以外の状態から第一状態へと切り換える。
流量調整部5が第一状態になると、流量調整部5から流出する排気ガスは、第一排気通路320Aのみを流れて、第二排気通路33を流れない。そして、制御処理は、ステップS107に遷移する。
図2のステップS107において、制御部8は、再生判定温度を取得する。再生判定温度は、第一温度検出部6aの検出値(第一温度)、または、第二温度検出部6bの検出値(以下、「第二温度」という。)である。そして、制御処理は、ステップS108に遷移する。
図2のステップS108において、制御部8は、再生判定温度が、NOx吸着触媒74の脱離温度(以下、「第二温度閾値」という。)以上であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、再生判定温度が、第二温度閾値以上である場合(ステップS108、YES)、制御処理はステップS109に遷移する。一方、上記判定の結果、再生判定温度が、第二温度閾値以上でない場合(ステップS108、NO)、制御処理は、ステップS107に遷移する。
図2のステップS109において、制御部8は、NOx吸着触媒74にNOxが吸着されているか否かの判定を行う。
上記判定の結果、NOx吸着触媒74にNOxが吸着されている場合(ステップS109、YES)、制御処理はステップS110に遷移する。一方、上記判定の結果、NOx吸着触媒74にNOxが吸着されていない場合(ステップS109、NO)、制御処理は終了する。
図2のステップS110において、制御部8は、流量調整部5の状態を第三状態とする。流量調整部5の第三状態において、流量調整部5から流出する排気ガスは、一部が第一排気通路320Aを流れ、残部が第二排気通路33を流れる。
第二温度閾値以上の温度を有する排気ガスがNOx吸着触媒74に流入すると、NOx吸着触媒74に吸着されたNOxが、NOx吸着触媒74から脱離する。これによりNOx吸着触媒74の再生処理が行われる。
NOx吸着触媒74から脱離したNOxは、図1に示される排気浄化装置2よりも下流側に設けられた他の排気浄化装置におけるNOx選択還元型触媒(不図示)によって還元処理される。そして、制御処理は、ステップS111に遷移する。
図2のステップS111において、制御部8は、再生処理の終了条件を満たすか否かの判定を行う。なお、終了条件は、たとえば、再生処理の処理時間が、所定時間を経過した場合に満たされる。
上記判定の結果、終了条件を満たす場合(ステップS111、YES)、制御処理は、ステップS112に遷移する。一方、上記判定の結果、終了条件を満たさない場合(ステップS111、NO)、制御処理は、ステップS111を繰り返す。
図2のステップS112において、制御部8は、流量調整部5の状態を、第三状態から第一状態に切り換える。そして、制御処理は、終了する。
[動作例2について]
つぎに、本実施形態に係る排気浄化装置2の動作例2について説明する。図3は、排気浄化装置2において実施される浄化制御のフローチャートである。図3の制御処理は、たとえば、車両Vの稼働時において適宜実行される。
まず、図3のステップS201において、作業者は、車両Vの内燃機関1を始動する。内燃機関1が始動すると、第一温度検出部6aは、排気ガスの温度の検出を開始する。また、内燃機関1が始動すると、第二温度検出部6bは、排気ガスの温度の検出を開始する。
つぎに、図3のステップS202において、制御部8は、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量(以下、「吸着量閾値」という。)未満であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が、吸着量閾値未満である場合(ステップS202、YES)、制御処理はステップS203に遷移する。
一方、上記判定の結果、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が、吸着量閾値未満でない場合(ステップS202、NO)、制御処理は、ステップS205に遷移する。
図3のステップS203において、制御部8は、流量調整部5の状態を第二状態とする。流量調整部5が第二状態になると、流量調整部5から流出する排気ガスは、第二排気通路33のみを流れて、第一排気通路320Aを流れない。そして、制御処理は、ステップS204に遷移する。
つぎに、図3のステップS204において、制御部8は、内燃機関1を始動してからの稼働時間が、所定時間(以下、「第一時間閾値」という。)未満であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、上記稼働時間が第一時間閾値未満である場合(ステップS204、YES)、制御処理は、ステップS204を繰り返す。一方、上記判定の結果、上記稼働時間が第一時間閾値未満でない場合(ステップS204、NO)、制御処理は、ステップS205に遷移する。
図3のステップS205〜ステップS211の制御処理は、図2のステップS106〜ステップS112の制御処理と同様である。
[本実施形態の作用・効果について]
上述の本実施形態によれば、NOx選択還元型触媒72が非活性化領域となる低温時にも、排気ガスに含まれるNOxの量を低減できる。すなわち、本実施形態の場合、NOx選択還元型触媒72が被活性化領域となる低温時に、排気ガスを第二排気通路33に流すようにしている。第二排気通路33を流れた排気ガスは、NOx吸着触媒74により吸着される。このため、NOx選択還元型触媒72においてNOxが還元されない状況でも、排気ガス中のNOxの量を低減できる。
[実施形態2]
つぎに、本開示の実施形態2について、図4を参照して詳細に説明する。図4は、実施形態1に係る排気浄化装置2Bが適用された内燃機関1の排気系を示す概略構成図である。
本実施形態の場合、流量調整部5の位置、および、第二排気通路33Bの上流側端部の位置などが、上述の実施形態1と異なる。以下、本実施形態の排気浄化装置2Bについて、上述の実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の場合も、排気浄化装置2Bは、図4に示されるように、排気通路31B、NOx選択還元型触媒72、NOx吸着触媒74、および制御部8Bを備える。また、排気浄化装置2Bは、図4に示されるように、タービン4、流量調整部5、第一温度検出部6a、酸化触媒71、およびアンモニアスリップ触媒73などを備えてもよい。
[排気通路について]
排気通路31Bは、主排気通路32Bおよび第二排気通路33Bを有する。
主排気通路32Bは、排気方向の上流側から順に、第一管要素320、タービンケーシング321、第二管要素322B、第一ケーシング323、第三管要素324B、第二ケーシング325、第四管要素326、第三ケーシング327、および第五管要素328を有する。
本実施形態の場合、第二管要素322Bは、上述の実施形態1の第二管要素322のように分割されていない。
第三管要素324Bは、第一ケーシング323と第二ケーシング325とを接続している。このような第三管要素324Bは、上流側から順に第三前側管要素324aおよび第三後側管要素324bを有する。第三前側管要素324aと第三後側管要素324bとの間には、流量調整部5が設けられている。
第三前側管要素324aは、第一ケーシング323と流量調整部5とを接続している。第三後側管要素324bは、流量調整部5と第二ケーシング325とを接続している。
本実施形態の場合、第三管要素324B(具体的には、第三前側管要素324a)、第二ケーシング325、第四管要素326、および第三ケーシング327は、第一排気通路320Bを構成している。また、第一管要素320、タービンケーシング321、第二管要素322B、第一ケーシング323、および第三前側管要素324aは、前側共通排気通路を構成している。
また、第二排気通路33Bは、第一バイパス管要素34B、第四ケーシング35、および第二バイパス管要素36を有する。第四ケーシング35および第二バイパス管要素36は、上述の実施形態1と同様である。
第一バイパス管要素34Bは、流量調整部5と、第四ケーシング35とを接続している。すなわち、第二排気通路33Bは、第三管要素324Bから分岐している。
[第一温度検出部について]
本実施形態の場合も、第一温度検出部6aは、主排気通路32Bにおいて流量調整部5よりも上流側を流れる排気ガスの温度を検出する。具体的には、第一温度検出部6aは、第三前側管要素324aに設けられている。なお、第一温度検出部6aの位置は、図示の位置に限定されない。たとえば、第一温度検出部6aは、第一管要素320または第二管要素322Bに設けられてもよい。
[制御部について]
制御部8Bは、上述した実施形態1の制御部8が備える機能を有する。また、制御部8Bは、第一温度検出部6aから受け取った検出値(本実施形態の場合、第三前側管要素324aを流れる排気ガスの温度)が、NOx選択還元型触媒72の活性温度未満であり、かつ、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量に達している場合に、NOx吸着触媒74において後述の強制再生処理を行うことができる。
以下、図5および図6を参照しつつ、制御部8Bが行う強制再生処理について説明する。強制再生処理とは、酸化触媒71から流出する排気ガスの温度を、NOx吸着触媒74の脱離温度(第二温度閾値ともいう。)以上に昇温させ、NOx吸着触媒74に吸着されたNOxを離脱させる処理である。
図5は、本実施形態の排気浄化装置2Bにおける浄化制御の動作例を示すフローチャートである。図6は、本実施形態の排気浄化装置2Bにおける強制再生処理を説明するためのフローチャートである。
図5におけるステップS301〜ステップS303は、図2におけるステップS101〜ステップS103と同様である。
図5のステップS304において、制御部8Bは、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が最大吸着量(以下、「吸着量閾値」という。)未満であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が、吸着量閾値未満である場合(ステップS304、YES)、制御処理はステップS305に遷移する。
一方、上記判定の結果、NOx吸着触媒74におけるNOxの吸着量が、吸着量閾値未満でない場合(ステップS304、NO)、制御処理は、ステップS400に遷移する。なお、図5のステップS305〜ステップS312は、図2におけるステップS105〜ステップS112と同様である。以下、図5のステップS400で行う強制再生処理について、図6を参照して説明する。
図6のステップS401において、制御部8Bは、酸化触媒71に流入する排気ガス(本実施形態の場合、第二管要素322Bを流れる排気ガス)に対して、炭化水素(HC)を噴射するように、第二管要素322Bに設けられた燃料噴射装置(不図示)を制御する。そして、制御処理は、ステップS402に遷移する。
なお、図6のステップS401で行われる制御は、昇温制御と称される。酸化触媒71に流入する排気ガスに噴射された炭化水素(HC)は、酸化触媒71において酸化する。そして、この酸化に伴なう発熱により、酸化触媒71を通過する排気ガスの温度が上昇する。
図6のステップS402において、制御部8Bは、第一温度検出部6aの検出値(本実施形態の場合、第三前側管要素324aを流れる排気ガスの温度)を取得する。そして、制御処理は、ステップS403に遷移する。
図6のステップS403において、制御部8Bは、上記検出値が、NOx吸着触媒74の脱離温度(第二温度閾値ともいう。)以上であるか否かの判定を行う。
上記判定の結果、上記検出値が、第二温度閾値以上である場合(ステップS403、YES)、制御処理は、図6のステップS404に遷移する。
図6のステップS404において、制御部8は、流量調整部5を第三状態とする。流量調整部5の第三状態において、排気ガスは、流量調整部5から第二排気通路33に流入する。この結果、NOx吸着触媒74に吸着されたNOxが、NOx吸着触媒74から脱離する。そして、強制再生処理は、終了する。その後、制御処理は、図5のステップS302に遷移する。
一方、上記判定の結果、上記検出値が、第二温度閾値以上でない場合(ステップS403、NO)、制御処理は、ステップS401に遷移する。
[作用・効果について]
上述のような本実施形態の排気浄化装置2Bの場合、上述の強制再生処理を行うことにより、第一温度検出部6aから受け取った検出値が、NOx選択還元型触媒72の活性温度未満である状態において、NOx選択還元型触媒72でNOxを吸着できない状態を解消できる。その他の構成および作用・効果は上述の実施形態1と同様である。
[実施形態3]
つぎに、本開示の実施形態3について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、実施形態3に係る排気浄化装置2Cが適用された内燃機関1の排気系を示す概略構成図である。
本実施形態の場合、排気通路31Cは、第一管要素320、タービンケーシング321、第二管要素322C、第三管要素324C、第四管要素326C、第一ケーシング323C、第五管要素328C、第六管要素329、および第七管要素329xを有する。
第一管要素320およびタービンケーシング321は、上述の実施形態1とほぼ同様である。
第二管要素322Cと、第三管要素324Cおよび第四管要素326Cとの間に、流量調整部5が設けられている。流量調整部5は、制御部8の制御下で、第三管要素324Cに向けて流出する排気ガスの流量と、第四管要素326Cに向けて流出する排気ガスの流量とを調整可能なバルブである。
第三管要素324Cは、流量調整部5と、後述の第一ケーシング323Cの第一分割室323bとを接続している。
第四管要素326Cは、流量調整部5と、後述の第一ケーシング323Cの第二分割室323cとを接続している。
第一ケーシング323Cは、内部空間が、第一分割室323bと第二分割室323cとに区切られている。排気ガスは、第一分割室323bと第二分割室323cとの間を流通できない。
第一分割室323bは、上流側第一開口部(不図示)および下流側第一開口部(不図示)を有する。上流側第一開口部には、第三管要素324Cの下流側端部が接続されている。下流側第一開口部には、第五管要素328Cの上流側端部が接続されている。本実施形態の場合、第三管要素324C、第一分割室323b、および第五管要素328Cが、主排気通路32Cを構成する。
このような第一分割室323bには、上流側から順に、酸化触媒71、NOx選択還元型触媒72、およびアンモニアスリップ触媒73が配置されている。
第二分割室323cは、上流側第二開口部(不図示)および下流側第二開口部(不図示)を有する。上流側第二開口部には、第四管要素326Cの下流側端部が接続されている。下流側第二開口部には、第六管要素329の上流側端部が接続されている。このような第二分割室323cには、NOx吸着触媒74が配置されている。
第五管要素328Cは、第一ケーシング323Cの第一分割室323bと、第七管要素329xとを接続している。
第六管要素329は、第一ケーシング323Cの第二分割室323cと、第七管要素329xとを接続している。すなわち、第五管要素328Cの下流側端部と第六管要素329の下流側端部とは、第七管要素329xで合流する。
以上のような排気通路31Cにおいて、第三管要素324C、第一ケーシング323Cの第一分割室323b、および第五管要素328Cは、第一排気通路320Cを構成している。また、第四管要素326C、第一ケーシング323Cの第二分割室323c、および第六管要素329は、第二排気通路33Cを構成している。第一排気通路320Cと第二排気通路33Cとは、並列に設けられている。
なお、本実施形態の排気浄化装置2Cを実施する場合、第一分割室323bには、少なくともNOx選択還元型触媒72が配置されていればよい。すなわち、酸化触媒71およびアンモニアスリップ触媒73は、第一ケーシング323Cの外側に配置されていてもよい。
具体的には、酸化触媒71は、図7において、タービンケーシング321と流量調整部5との間に設けられてもよい。また、アンモニアスリップ触媒73は、図7において、第五管要素328Cまたは第七管要素329xに設けられてもよい。その他の構成および作用・効果は、上述の実施形態1と同様である。また、排気浄化装置2Cの動作についても、上述の実施形態1とほぼ同様である。
以上のような本実施形態の場合、NOx選択還元型触媒72とNOx吸着触媒74とが、ひとつの第一ケーシング323Cに収容されている。このような構成は、排気浄化装置2Cのレイアウト性の向上に寄与する。
[付記]
上述の各実施形態では、第一温度検出部6aおよび第二温度検出部6bによって排気ガスの温度を検出していたが、本開示はこれに限定されず、たとえば、内燃機関1にかかる負荷に基づいて温度を推定するようにしても良い。
また、上述の各実施形態における排気浄化装置は、ディーゼルエンジンを搭載した車両Vに適用されているが、本開示はこれに限定されず、たとえば、排気浄化装置は、ガソリンエンジンを搭載した車両に搭載されてもよい。
その他、上述の各実施形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。