JP2019189157A - 鉄道用走行位置検知装置及び方法 - Google Patents

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達哉 大嶽
広幸 小林
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広幸 小林
直人 瀬戸
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直人 瀬戸
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高橋  功
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陽平 服部
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Abstract

【課題】鉄道車両の位置検出を行うための設備を複雑化することなく、所望の精度で鉄道車両の位置を検知する。
【解決手段】実施形態の鉄道用走行位置検知装置は、鉄道車両に搭載される鉄道用走行位置検知装置であって、鉄道車両の進行方向及び人工衛星からの測位用信号の受信状態に基づいて受信方位角を設定する受信方位角設定部と、設定された受信方位角の範囲内で測位対象の人工衛星を選択する衛星選択部と、選択した事項衛星からの測位用信号を受信し、鉄道車両の位置を検知する衛星測位部と、自立測位用センサの出力に基づいて、鉄道車両の位置を検知する自立測位部と、衛星測位部における検知精度が所定の検知精度以上である場合には衛星測位部が検知した前記鉄道車両の位置を検知位置として判別し、検知精度が所定の検知精度未満となった場合には自立測位部が検知した前記鉄道車両の位置を検知位置として判別する切替判別部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、鉄道用走行位置検知装置及び方法に関する。
列車や電車等の鉄道車両の運行に際して、鉄道車両の安全を確保するために鉄道車両の自車位置を検知する必要がある。
この自車位置を検知することで、カメラ等を用いた進路上の支障物の有無を確認し、安全を確保する等といった走行用安全支援システムや、駅舎や踏切等の鉄道施設の設備管理や点検、保守といった施設管理用GIS(Geographic Information System)のための基幹情報を取得することが可能になる。
これまでに自車位置の検知の方法としては、ATS地上子やRF−IDタグ(ICタグ)等を用いた地上設備及び車上設備を用い、信号閉塞区間内の在線確認可能にする方法や、GNSS(Global Navigation Satellite System)による人工衛星の測位信号を受信し、自車位置を検知する方法が知られている。
しかしながら、前者は短距離区間に地上設備を配置しないと正確な自車位置が把握できないため、地上設備に投資する費用が増大し、特に地方路線等の閑散路線では費用対効果が下がり、鉄道が走行する軌道を網羅することは現実的ではない。
また、地上設備と車上設備との連携が必要なことからシステムが複雑かつ肥大化する懸念がある。さらに、後者は、特に都市部や山間部における人工衛星から送信される測位信号波が建物や地形に反射し、測位信号波のマルチパスが生じ、位置計測誤差が増大する問題点と、トンネル、橋上駅舎等の高架下や地下区間では測位信号を受信できないため、自車位置の計測ができない問題点がある。
マップマッチングを用いた位置補正処理もあるが、高精度な地図と測位技術か、ICタグ等の地上設備が必要になる。
特開2010−100239号公報 特許第5973024号公報 特許第4121897号公報 特許第5185575号公報
しかしながら、従来技術においては、高精度に検知を行うために、地上子等の地上設備や、車上子、GPS樹脂装置等の車上設備を多く設ける必要や、車両の走行位置によっては、人工衛星や地上基地局(例えば、Differential GPSを用いる場合)からの電波受信状況などにより所望の検知精度が得られない等の問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鉄道車両の位置検出を行うための設備を複雑化することなく、所望の精度で鉄道車両の位置を検知することが可能な鉄道用走行位置検知装置及び方法を提供することを目的としている。
実施形態の鉄道用走行位置検知装置は、鉄道車両に搭載される鉄道用走行位置検知装置であって、鉄道車両の進行方向及び人工衛星からの測位用信号の受信状態に基づいて受信方位角を設定する受信方位角設定部と、設定された受信方位角の範囲内で測位対象の人工衛星を選択する衛星選択部と、選択した事項衛星からの測位用信号を受信し、鉄道車両の位置を検知する衛星測位部と、自立測位用センサの出力に基づいて、鉄道車両の位置を検知する自立測位部と、衛星測位部における検知精度が所定の検知精度以上である場合には衛星測位部が検知した前記鉄道車両の位置を検知位置として判別し、検知精度が所定の検知精度未満となった場合には自立測位部が検知した鉄道車両の位置を検知位置として判別する切替判別部と、を備える。
図1は、第1実施形態の鉄道用走行位置検知装置が適用された走行位置検知システムの概要構成ブロック図である。 図2は、第1実施形態の受信演算処理装置の機能構成ブロック図である。 図3は、第1実施形態の測位信号演算処理部の処理フローチャートである。 図4は衛星受信制御処理及び自立計測切替判別処理の処理フローチャート(その1)である。 図5は、衛星受信制御処理及び自立計測切替判別処理の処理フローチャート(その2)である。 図6は、受信衛星制御処理の処理フローチャートである。 図7は、測位用情報の受信状態の説明図である。 図8は、人工衛星の選択処理の説明図である。 図9は、仰角制御の説明図である。 図10は、走行状態判別処理部の処理フローチャートである。 図11は、車両位置補正部の処理フローチャートである。 図12は、第2実施形態の受信演算処理装置の機能構成ブロック図である。 図13は、車両進路予測演算部の処理フローチャート(その1)である。 図14は、車両進路予測演算部の処理フローチャート(その2)である。 図15は、車両進路予測演算部の処理フローチャート(その3)である。
以下、図面を参照して、好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態の鉄道用走行位置検知装置が適用された走行位置検知システムの概要構成ブロック図である。
走行位置検知システム10は、鉄道車両11に搭載され、人工衛星12−1〜12−4あるいは地上の基地局12−5、12−6に設置された複数の送信機からそれぞれ送信された測位用電波信号SX1〜SX6を受信可能なアンテナ13と、アンテナ13の出力した測位用電波信号SX1〜SX6に基づいて測位制御を行い、測位結果を鉄道車両11の走行制御を行う外部機器14に出力する受信演算処理装置15と、を備えている。
図2は、第1実施形態の受信演算処理装置の機能構成ブロック図である。
受信演算処理装置15は、アンテナ13の出力した測位用電波信号SX1〜SX6に基づいて演算を行い、測位データ群DGを出力する測位信号演算処理部21と、測位データ群DGに基づいて人工衛星12−1〜12−4からの測位用電波信号SX1〜SX4及びその受信感度に基づいて、位置誤差を推定する演算処理を行い、得られた推定演算誤差に基づいて、対応する衛星受信仰角及び受信強度等の受信制御を行う衛星受信制御部22と、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ及び3軸地磁気センサを含む3軸センサ部CSUの出力に基づいて自立測位データ群DSを出力する自立測位演算処理部23と、測位データ群DGあるいは自立測位データ群DSに基づいて鉄道車両11の走行状態(停止状態を判別する走行状態判別処理部24と、測位データ群DGに基づいて鉄道車両11の鉄道車両11位置の補正を行う車両位置補正部25と、測位データ群DGに基づいて自立計測に切り替えるべきか否かを判別する自立計測切替判別部26と、各演算・判定処理機能に対する演算結果と閾値等の値を記憶する記憶装置2727と、記憶装置2727に記憶された各種データを外部機器との間で通信を行う通信接続装置28と、を備えている。
次に第1実施形態の動作を説明する。
図3は、第1実施形態の測位信号演算処理部の処理フローチャートである。
受信演算処理装置15の測位信号演算処理部21は、アンテナ13を介して測位用電波信号SX1〜SX6を受信する(ステップS11)。
さらに測位信号演算処理部21は、測位用電波信号SX1〜SX6から時刻信号を抽出し取得する(ステップS12)。
続いて測位信号演算処理部21は、衛星アルマナック情報及び得られた時刻信号に基づいて緯度情報及び経度情報を含む位置情報(位置座標)を取得する(ステップS13)。
ここで、位置情報の取得方法について説明する。
測位信号演算処理部21は、衛星アルマナック情報及び得られた時刻信号に基づいて、以下に示す、(1)式により位置座標(x,y,z)を算出する。
(1)式において、(x,y,z)は、求めたい位置の座標値のパラメータであり、(x,y,zn)は測位信号を送信する衛星の位置の座標値のパラメータである。また、tは,測位した時刻のパラメータであり、tは,人工衛星12−1〜12−4あるいは地上の基地局12−5、12−6が測位用信号を送信した時刻のパラメータである。
この4パラメータを最小二乗法などにより、検知したい位置情報を算出するものである。
Figure 2019189157
続いて測位信号演算処理部21は、演算結果に基づいて測位衛星数を取得する(ステップS14)。
さらに測位信号演算処理部21は、衛星アルマナック情報に基づいて測位衛星仰角を算出するとともに、受信強度を取得する(ステップS15)。
次に測位信号演算処理部21は、測位衛星方向角を取得する(ステップS16)。
さらに測位信号演算処理部21は、その他の衛星受信情報を取得する(ステップS17)。
次に測位信号演算処理部は、3軸センサ部CSUから3軸加速度センサの出力を取得し(ステップS18)、3軸ジャイロセンサの出力を取得し(ステップS19)、3軸地磁気センサの出力を取得する(ステップS20)。
ここで、衛星受信制御及び自立計測切替判別処理について説明する。
図4は衛星受信制御処理及び自立計測切替判別処理の処理フローチャート(その1)である。
図4に示すように、本実施形態においては、まず、取得した測位信号を用い、測位衛星仰角及び受信強度を取得する(ステップS31)。
次に推定位置誤差の演算及び取得を行う(ステップS32)。
推定位置誤差の演算及び取得は、衛星受信情報から得られる測距精度にDOP値(衛星の幾何配置による精度低下率)を乗じた値を用いる方法及び衛星情報に含まれる推定位置誤差値を用いる方法のいずれかを用いれば良い。
ここで、推定位置誤差値を用いる方法の場合には、推定位置誤差値として、EHPE(推定水平測位精度)やPDOP(位置精度低下率)が用いられる。
続いて、取得した測位信号に対応する鉄道車両11の進行方向の方位に基づいて受信方位角を設定する(ステップS33)。
なお、受信方位角の設定(ステップS33)は、この段階では必ずしも行う必要はない。
次に測位信号演算処理部21は、記憶装置27に記憶されている所定の受信強度の判定閾値db−thrを用いて、測位した受信強度dbが判定閾値db−thr未満となっているか否かを判別する(ステップS34)。
ステップS34の判別において、
db−thr<db
と判別された場合には(ステップS34;Yes)、受信強度が充分強く、感度が良い状態であり、測位精度が比較的良いと判別し、仰角の制御に遷移する。
次に、仰角制御が必要であるか判別するため、記憶装置27から読み出した所定のPDOPの判定閾値pdop−thrを用いて、測位したPDOP値(pdop)が判定閾値pdop−thr未満であるか否かを判別する(ステップS35)。
ステップS35の判別において、
pdop<pdop−thr
の場合には(ステップS35;Yes)、位置精度低下率が低く、精度が比較的良いと判別し、次周期の測位信号を受信し、測位衛星仰角及び受信強度の制御値として現在値を維持し、変更せずに、処理を再びステップS31に移行し、以下、上述した処理ステップS31〜ステップS35を行う。
一方、ステップS35の判別において、
pdop≧pdop−thr
の場合には(ステップS35;No)、位置精度低下率が高く、精度が比較的悪いと判別し、仰角の上限角度及び仰角の下限角度を演算し(ステップS36)、仰角の制御(再設定)を行う(ステップS37)。
このように仰角の上限角度及び仰角の下限角度を制御することで、より精度の高い測位信号を得ることが可能となる。
この場合において、仰角の上限角度及び仰角の下限角度の演算は、記憶装置27に記憶した所定の仰角と推定位置誤差から得られる回帰式のパラメータを用いる方法や仰角とPDOP値から得られる回帰式のパラメータを用いる方法等が挙げられる。これらの方法は、推定位置誤差が向上する関係式となるため、どの方法を用いて良い。
一方、ステップS34の判別において、
db−thr≧db
と判別された場合には(ステップS34;No)、受信強度が弱く、感度が悪い状態であり、測位精度が比較的悪いと判別されるので、受信強度の制御や自立計測処理に遷移する。
受信強度制御が必要であるか判別するため、測位したEHPE値(ehpe)が記憶装置27に記憶した所定のEHPEの判定閾値ehpe−thr未満であるか否かを判別する(ステップS38)。
ステップS38の判別において、
ehpe<ehpe−thr
の場合(ステップS38;Yes)、位置精度低下率が低く、精度が比較的良いと判別するが、受信強度が悪い状況であるため、受信強度の上限強度及び下限強度を演算し(ステップS39)、受信強度の制御(再設定)を行う(ステップS40)。
この場合において、受信強度の上限値及び下限値の演算は、記憶装置2727に記憶した所定の受信強度と推定位置誤差から得られる回帰式のパラメータを用いる方法や受信強度とEHPE値から得られる回帰式のパラメータ等がある。これらの方法は、推定位置誤差が向上する関係式となるため、いずれの方法を用いて良い。
ところで、ステップS34の判別においてdb≦db−thrとなる場合、かつ、ステップS38の判別においてehpe−thr≦ehpeとなる場合には、受信強度制御及び仰角制御の双方を実施しても推定位置誤差は改善しない状況にあると考えられる。
図5は、衛星受信制御処理及び自立計測切替判別処理の処理フローチャート(その2)である。
すなわち、測位精度は向上しない状況下にあると考えられるので、測位方法を自立計測に切り替え(ステップS41)、自立計測処理(ステップS42)に遷移する。
この場合において、自立計測処理に遷移中、衛星等の測位信号も並行して受信しているが測位精度は悪いと考えられるが、測位精度が改善するトンネルから出た後等の状況になり次第、衛星測位に切り替える必要がある。
そこで、図5に示すように、自立測位と並行して、取得した測位信号を用い、測位衛星仰角及び受信強度を取得する(ステップS51)。
次にステップS32と同様の手法で、推定位置誤差の演算及び取得を行う(ステップS52)。
続いて、ステップS33と同様に、取得した測位信号に対応する鉄道車両11の進行方向の方位に基づいて受信方位角を設定する(ステップS53)。
次に測位信号演算処理部21は、記憶装置27に記憶されている所定の受信強度の判定閾値db−thrを用いて、測位した受信強度dbが判定閾値db−thr未満となっているか否かを判別する(ステップS54)。
ステップS54の判別において、
db−thr<db
と判別された場合には(ステップS54;Yes)、受信強度が充分強く、感度が良い状態となっており、測位精度が比較的良くなっていると判別し、受信強度制御が必要であるか判別するため、測位したEHPE値(ehpe)が記憶装置27に記憶した所定のEHPEの判定閾値ehpe−thr未満であるか否かを判別する(ステップS55)。
ステップS55の判別において、
ehpe<ehpe−thr
の場合(ステップS55;Yes)、位置精度低下率が低く、精度が比較的良いと判別して、自立計測を終了させるために自立計測終了命令を出力して処理をステップS31(図4参照)に移行し、自立計測処理の最後に演算した位置を衛星測位の最初の点として衛星測位を開始する。
一方、ステップS55の判別において、
ehpe≧ehpe−thr
の場合(ステップS55;No)、位置精度低下率が高く、精度が比較的悪いと判別されるので、自立計測処理を継続する。
同様に、ステップS54の判別において、
db−thr≧db
と判別された場合にも(ステップS54;No)、受信強度が弱く、感度が悪い状態であり、測位精度が比較的悪いと判別されるので、自立計測処理を継続する。
次に衛星受信制御の詳細について説明する。
図6は、受信衛星制御処理の処理フローチャートである。
樹脂衛星制御処理は、測位環境に応じて、位置検知に用いる人工衛星を選択する機能を実行する。
この場合において、測位信号を受信するアンテナが、鉄道車両11の内部にある場合は、特に進行方向に対して、逆向きの衛星や側面方向に存在する衛星等からの測位信号は、反射や回折して受信される可能性が高いため、測定精度に直ちに影響を及ぼすこととなる。
そこで、衛星受信制御部22は、測定精度を維持するために、受信衛星制御処理を行う。
より具体的には、衛星受信制御部22は、取得した測位信号を用い、測位衛星仰角及び受信強度を取得する(ステップS61)。
次に衛星受信制御部22は、衛星アルマナック情報あるいは衛星エフィメリスを受信可能な人工衛星から取得し、各人工衛星の軌道情報を取得する(ステップS62)。
図7は、測位用情報の受信状態の説明図である。
図7(a)は、衛星軌道情報のイメージ図である。
図7(a)において円の中心に鉄道車両11のアンテナ13が配置されているものとする。
図7(a)中、○印は人工衛星の現在位置、人工衛星の現在位置を通る曲線は各人工衛星の衛星軌道情報を表している。
図7(a)のような状況において、実際に鉄道車両11のアンテナ13において受信可能な範囲は、アンテナ13の配置位置及び鉄道車両11の走行位置により異なるものとなり、例えば、図7(b)に示すように、衛星受信制御部22は、受信有効エリアAE及び受信無効エリアANを設定し、鉄道車両11の進行方向DRに基づいて、進行方向DRに対して、時計回り方向及び反時計回り方向にそれぞれ135度となるように受信方位角が設定される(ステップS63)。
さらに、衛星受信制御部22は、さらに設定した受信方位角に対応する受信有効エリアAEに対し、図7(c)に示すように、鉄道車両11の進行方向DRに対して、時計回り方向及び反時計回り方向にそれぞれ90度となるように進行後に人工衛星を選択するための人工衛星配置位置を判定するための衛星配置判定エリアADを設定して、次回に選択すべき人工衛星を特定する処理を継続的に行う(ステップS64)。
ここで、人工衛星の選択処理について詳細に説明する。
図8は、人工衛星の選択処理の説明図である。
図8において、鉄道車両11の進行方向は、紙面垂直方向前方である。
そして、衛星受信制御部22は、受信有効エリアAEに位置している人工衛星から、設定した受信強度(受信強度上限値及び受信強度下限値で特定される範囲)に属する人工衛星を有効な人工衛星12Eとして選択する。
逆に、設定した受信強度範囲に属しない人工衛星を無効な人工衛星12N1、12N21、12N2と判断し、選択から除外する。
より詳細には、有効な人工衛星12Eとして選択される人工衛星は、受信有効エリアAEに位置する人工衛星のうち、アンテナ13を介して直接、測位用信号を受信可能な衛星である。
一方、無効な人工衛星12N1は、ビルや山などの障害物BRにより測位用信号が届かず、測位用信号を受信できない人工衛星である。
また、無効な人工衛星12N21は、ビルや山などの障害物BRにより測位用信号が反射されてアンテナ13に届くため、時間遅延が発生するとともに、受信強度が低下して、測位精度が低下する人工衛星である。
また、無効な人工衛星12N22は、ビルや山などの障害物BRにより測位用信号が回折してアンテナ13に届くため、時間遅延が発生するとともに、受信強度が低下して、測位精度が低下する人工衛星である。
図9は、仰角制御の説明図である。
衛星受信制御部22は、図9(a)に示すように、上述した人工衛星選択処理によって選択した有効な人工衛星12Eを全て含むとともに、無効な人工衛星12N(=人工衛星12N21及び人工衛星12N22)を含まないように仰角ELを制御する。
この結果、有効な仰角範囲AELは、図9(b)に示すようになるので、さらに図7に示した、受信有効エリアAEに位置している人工衛星を特定して対応する測位用信号の処理を行う。
この結果、測位精度を所望の値以上に維持することが可能となる。
この場合において、衛星受信制御部22は、鉄道車両11の進行方向を受信方位角から一定時間(例えば、1秒間)について定期的に取得し、平均化した方位角を進行方向角として取得する。この進行方向角に存在する衛星を衛星軌道情報から選定するようにしてもよい。
さらに、進行方向の方位角がカーブや経路変更等により、大きく変わった場合(例えば、10°)は随時、進行方向角を取得して、人口衛星を衛星軌道情報から選定するようにしてもよい。
これらにより、より位置検知精度を向上可能とする測位信号のみを選定することが可能になる。
次に走行状態判別処理部24の機能について詳細に説明する。
走行状態判別処理部24は、3軸センサ部CSUが出力した加速度情報、ジャイロ情報及び地磁気情報に基づいて、キャリブレーションとなる初期値演算処理する機能と、3軸センサ値の累計誤差を補正演算処理する機能と、補正演算処理した値と3軸センサ値を基に、鉄道車両11の速度情報を演算処理する機能と、衛星受信情報から得られる鉄道車両11の速度情報と3軸センサ値から演算処理した速度情報に基づいて誤差許容範囲内と推定される鉄道車両11走行情報を選別処理する機能と、鉄道車両11の速度情報に基づいて停止と走行を判別する機能を備えている。
図10は、走行状態判別処理部の処理フローチャートである。
まず走行状態判別処理部24は、3軸センサ部CSUが出力した加速度情報、ジャイロ情報及び地磁気情報を取得する(ステップS71)。
次に走行状態判別処理部24は、取得した加速度情報、ジャイロ情報及び地磁気情報に基づいて、初期値演算処理を行う(ステップS72)。
この初期値演算処理は、基本的に鉄道車両11が停止中に実施するのが好ましい。ここで、鉄道車両11が停止中に実施する理由は、初期値演算処理を移動中に実施することは測定値に影響するだけでなく、累積誤差の初期化が困難になるためだからである。
以下の説明においては、より正確な測定値を得ることができるとともに、累積誤差の初期化を行うために、停止中に初期値演算処理を実施するものとして説明する。
鉄道車両11が停止中に3軸センサ部CSUが出力した加速度情報、ジャイロ情報及び地磁気情報のそれぞれの値を積算、平均化し、得られた積算平均化値をそれぞれの3軸センサのオフセット値として取得して初期値演算処理とする。
そして、3軸センサ部CSUが出力した加速度情報、ジャイロ情報及び地磁気情報のそれぞれの値について累計誤差を補正演算処理する機能は、このオフセット値を取得した3軸センサの各値に対して、適用することで累積する誤差をオフセットすることが可能になる。
また、初期値演算処理は、鉄道車両11の走行開始前のみならず、鉄道車両11が駅等において停止した場合においても、所定の設定時間が経過して停止状態が継続した場合には、同様の初期値演算処理を実施することで、オフセット量を再取得し、累積誤差を随時オフセットすることで、累積誤差を低減することが可能となる。
3軸センサ部CSUが出力した3軸センサ値の累計誤差esnを監視し(ステップS73)、3軸センサ値の出力値を補正して補正3軸センサ値を演算する(ステップS74)。
次に得られた補正3軸センサ値から鉄道車両11の速度を演算する(ステップS75)。
ここで、鉄道車両11の速度演算は、3軸センサ部CSUが出力した3軸加速度センサの出力である加速度の値を取得した時刻間隔において積分処理することで鉄道車両11の速度情報として演算する。
一方、衛星受信情報から得られる鉄道車両11の速度情報を取得する(ステップS76)。
次に、記憶装置27から読み出した3軸センサの累積誤差許容値esn−thrと監視して得られた累積誤差esnとを比較して、累積誤差esnが累積誤差許容値esn−thr未満であるか否かを判別する(ステップS77)。
より詳細には、前回の鉄道車両11の停止から所定時間以上連続して走行していない状況であり、3軸センサの累積誤差が許容範囲内であると考えられる状況であるか否かを判別している。
ステップS77の判別において、累積誤差esnが累積誤差許容値esn−thr未満である場合には、すなわち、
esn<esn−thr
である場合には(ステップS77;Yes)、3軸センサ部CSUが出力した3軸加速度センサの出力に対応する鉄道車両11の速度情報の信頼性が高いと考えられる状況であるので、3軸加速度センサの出力に対応する鉄道車両11の速度情報spdを選択し(ステップS78)、当該3軸加速度センサの出力に対応する鉄道車両11の速度情報spd及び記憶装置27に記憶しておいた所定の鉄道車両11速度判定値spd−thrに基づいて、鉄道車両11の速度情報spd<鉄道車両11速度判定値spd−thであるか否かを判別する(ステップS80)。
ここで、spd<spd−thrであれば鉄道車両11は停止状態、spd≧spd−thrであれば鉄道車両11は走行状態であると判別される。
ステップS80の判別において、spd<spd−thrであると判別された場合には(ステップS80;Yes)、鉄道車両11は停止状態であるので、鉄道車両11が停止している旨及び3軸センサ部CSUが出力した3軸加速度センサの出力に対応する鉄道車両11の速度情報を出力して処理を終了する(ステップS81)。
ステップS80の判別において、spd≧spd−thrであると判別された場合には(ステップS80;No)、鉄道車両11は走行状態であるので、鉄道車両11が走行している旨及び3軸センサ部CSUが出力した3軸加速度センサの出力に対応する鉄道車両11の速度情報を出力して処理を終了する(ステップS82)。
一方、ステップS77の判別において、累積誤差esnが累積誤差許容値esn−thr以上である場合には、すなわち、
esn≧esn−thr
である場合には(ステップS77;No)、鉄道車両11の連続走行状態であり、3軸センサ部CSUが出力した3軸加速度センサの出力に対応する鉄道車両11の速度情報の信頼性が低く、衛星情報に対応する鉄道車両11の速度情報の信頼性が高いと考えられる状況であるので、衛星情報に対応する鉄道車両11の速度情報spdを選択し(ステップS79)、人工衛星からの受信データに対応する鉄道車両11の速度情報spd及び記憶装置27に記憶しておいた所定の鉄道車両11速度判定値spd−thrに基づいて、鉄道車両11の速度情報spd<鉄道車両11速度判定値spd−thであるか否かを判別する(ステップS80)。
ここで、spd<spd−thrであれば鉄道車両11は停止状態、spd≧spd−thrであれば鉄道車両11は走行状態であると判別される。
ステップS80の判別において、spd<spd−thrであると判別された場合には(ステップS80;Yes)、鉄道車両11は停止状態であるので、鉄道車両11が停止している旨及び3人工衛星からの受信データに対応する鉄道車両11の速度情報を出力して処理を終了する(ステップS81)。
ステップS80の判別において、spd≧spd−thrであると判別された場合には(ステップS40;No)、鉄道車両11は走行状態であるので、鉄道車両11が走行している旨及び人工衛星からの受信データに対応する鉄道車両11の速度情報を出力して処理を終了する(ステップS82)。
図11は、車両位置補正部の処理フローチャートである。
車両位置補正部25は、衛星受信制御部において演算した推定位置誤差(EHPE及びPDOP)posを取得する(ステップS91)。
続いて車両位置補正部25は、記憶装置27に記憶していた所定の位置誤差許容値pos−thrを取得し、取得した推定位置誤差posと位置誤差許容値pos−thrとを比較し、推定位置誤差pos<位置誤差許容値pos−thrであるか否か、すなわち、位置検知精度が比較的良いか否かを判別する(ステップS92)。
ステップS92の判別において、推定位置誤差pos<位置誤差許容値pos−thrである場合には(ステップS92;Yes)、位置検知精度が比較的良いとされるので、走行状態判別処理部24から鉄道車両11の停止情報あるいは走行情報を取得する(ステップS93)。
つぎに車両位置補正部25は、鉄道車両11が停止状態あるいは走行状態のいずれにあるかを判別する(ステップS94)。
ステップS94の判別において、推定位置誤差pos<位置誤差許容値pos−thrであり、鉄道車両11が停止状態にある場合には(ステップS94;Yes)、3軸センサ部CSUにおいて3軸センサ値の初期化を行い(ステップS95)、車両位置補正部25は、処理を再びステップS91に移行する。
一方、ステップS94の判別において、推定位置誤差pos≧位置誤差許容値pos−thrである場合には(ステップS94;No)、位置検知精度が比較的悪いとされるので、走行状態判別処理部24が出力した速度情報を取得する(ステップS96)。
続いて車両位置補正部25は、3軸センサ部CSUが出力した3軸センサ値から方位角演算を行う(ステップS97)。
続いて車両位置補正部25は、3軸方向の走行ベクトルを演算する(ステップS98)。
次に車両位置補正部25は、測位信号演算処理部21から緯度情報及び経度情報を含む位置情報(位置座標)を取得して、鉄道車両11の現在位置を特定する(ステップS99)。
そして車両位置補正部25は、人工衛星からの受信電波による測位時刻間隔に応じて、方位角方向に走行ベクトルの大きさを速度情報から求め、鉄道車両11の現在位置の補正演算を行う(ステップS100)。
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、鉄道車両11の走行位置を確実に取得でき、トンネル等の衛星情報が得られない状況下においても遅延の少ない自立測位への切替えが行え、より正確な走行位置データを提供することが可能になる。
また、走行路線地図作成が可能となり、走行支援や鉄道設備情報作成支援に展開も可能となる。
[2]第2実施形態
本第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、鉄道車両11の進路予測を行い、鉄道車両11が直線区間あるいは曲線区間のいずれを走行しているかを判別し、さらに予め記憶している鉄道車両11の走行区間情報と対比することにより、鉄道車両11の実際の走行状態が実際の走行区間に適したものとなっているか否かに基づいて適切な走行を行わせるための情報を提供する点である。
図12は、第2実施形態の受信演算処理装置の機能構成ブロック図である。
このため、本第2実施形態においては、図12に示すように、図2に示した第1実施形態の構成に加えて、鉄道車両11の実際の進路(所定の走行区間中の走行位置)を予測する車両進路予測演算部29を備えており、いる点が、第1実施形態と異なっている。
ここで、車両進路予測演算部29の動作を説明する。
図13は、車両進路予測演算部の処理フローチャート(その1)である。
車両進路予測演算部29は、測位信号演算処理部21が出力した緯度情報及び経度情報を含む位置情報(位置座標)を取得し、記憶する(ステップS101)。
続いて車両進路予測演算部29は、予め記憶装置27に記憶された平均化対象時間に基づいて、位置情報の平均化演算を行い、平均化対象時間毎の鉄道車両11の平均的な位置を演算する(ステップS102)。
そして車両進路予測演算部29は、得られた平均化された位置情報に基づいて、鉄道車両11の進行方向角(鉄道車両11の進行方向の方位)を取得する(ステップS103)。
さらに、車両進路予測演算部29は、3軸センサ部CSUが出力した加速度情報、ジャイロ情報及び地磁気情報に基づいて鉄道車両11の姿勢角(例えば、カント)を演算する(ステップS104)。
次に車両進路予測演算部29は、走行状態判別処理部24が出力した鉄道車両11の停止/走行状態及び速度情報を取得する(ステップS105)。
続いて車両進路予測演算部29は、鉄道車両11の進行方向ベクトルを演算し、記憶する(ステップS106)。
さらに車両進路予測演算部29は、記憶した鉄道車両11の進行方向ベクトルを記憶装置27に予め記憶していた所定のベクトル演算対象時間毎に進行方向ベクトルの平均値であるベクトル方位角shpを求める進行方向ベクトル平均化演算を行う(ステップS107)。
図14は、車両進路予測演算部の処理フローチャート(その2)である。
続いて車両進路予測演算部29は、ベクトル方位角shpを演算する(ステップS111)。
次に車両進路予測演算部29は、鉄道車両11の速度情報並びに記憶装置27に予め記憶した直線区間あるいは曲線区間を判別するための線形判定値shp−thrに基づいて鉄道車両11の現在の走行区間が直線区間あるいは曲線区間のいずれであるかを判別する(ステップS112)。
すなわち、ベクトル方位角shpが線形判定値shp−thr未満であるか否かを判別する。
ステップS112の判別において、
shp<shp−thr
である場合には(ステップS112;Yes)、現在の列車走行区間は、直線区間であるので、車両進路予測演算部29は、直線区間判定出力を行う(ステップS113)。
続いて車両進路予測演算部29は、走行状態判別処理部24が出力した現在の鉄道車両11の停止/走行状態及び速度情報を取得する(ステップS114)。
さらに車両進路予測演算部29は、当該時点までの走行履歴及び記憶装置27に予め記憶した走行区間を特定するための走行経路の形状及び距離情報を格納した走行区間データベースに基づいて、現在の鉄道車両11の走行位置及び走行区間を特定し取得する(ステップS115)。
次に特定した鉄道車両11の走行位置及び走行区間における制限速度データxspd−thr1を記憶装置27から読み出して、当該鉄道車両11の速度spdと比較し、鉄道車両11が速度超過しているか否かを判別する(ステップS116)。
ステップS116の判別において、
spd<xspd−thr1
である場合には(ステップS116;No)、鉄道車両11は制限速度範囲内で走行していると判別されるので、制限速度以内の判定出力を行って処理を終了する(ステップS117)。
ステップS116の判別において、
spd≧xspd−thr1
である場合には(ステップS116;Yes)、鉄道車両11は制限速度超過で走行していると判別されるので、制限速度超過の判定出力及び現在速度を出力して処理を終了する(ステップS118)。
図15は、車両進路予測演算部の処理フローチャート(その3)である。
ステップS112の判別において、
shp≧shp−thr
である場合には(ステップS112;No)、現在の列車走行区間は、曲線区間であるので、図15に示すように、車両進路予測演算部29は、曲線区間判定出力を行う(ステップS121)。
続いて車両進路予測演算部29は、曲線半径(曲率半径)を演算し(ステップS122)、記憶装置27に予め記憶した設計基準に準じた曲率半径とカント量との対応関係を表すデータベースから演算した曲線半径に対応するカント量を取得する(ステップS123)。
さらに車両進路予測演算部29は、当該時点までの走行履歴及び記憶装置27に予め記憶した走行区間を特定するための走行経路の形状及び距離情報を格納した走行区間データベースに基づいて、現在の鉄道車両11の走行位置及び走行区間を特定し取得する(ステップS124)。
続いて車両進路予測演算部29は、走行状態判別処理部24が出力した現在の鉄道車両11の停止/走行状態及び速度情報を取得する(ステップS125)。
次に特定した鉄道車両11の走行位置及び曲線区間である走行区間における設計基準に準じた曲率半径とカント量における制限速度データxspd−thr2を記憶装置27から読み出して、当該鉄道車両11の速度spdと比較し、鉄道車両11が速度超過しているか否かを判別する(ステップS126)。
ステップS126の判別において、
spd<xspd−thr2
である場合には(ステップS126;No)、鉄道車両11は制限速度範囲内で走行していると判別されるので、制限速度以内の判定出力を行って処理を終了する(ステップS127)。
ステップS126の判別において、
spd≧xspd−thr2
である場合には(ステップS126;Yes)、鉄道車両11は制限速度超過で走行していると判別されるので、制限速度超過の判定出力及び現在速度を出力して処理を終了する(ステップS128)。
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、鉄道車両11の走行位置を取得し、取得したデータから鉄道車両11の進路予測することで、前方検知範囲の設定、進路予測、走行位置の検知、速度超過検知等に用いることが可能なデータを提供することができる。また、走行路線地図作成を可能とし、走行支援や鉄道設備情報作成支援に展開可能となる。
[3]実施形態の変形例
以上の第2実施形態においては、速度超過情報を出力する場合のものであったが、前方の障害物をカメラ等により検知する場合の検知エリアの範囲設定にも用いることが可能なものである。
すなわち、カメラ等の検知エリアは通常、鉄道の場合、線路上の建築限界や鉄道車両11限界のエリアとなっているが、改築や一時的な工事等により、駅や踏切等の検知エリアを恒久的あるいは一時的に拡張したい場合等に、鉄道車両11が現在走行している線区の位置を測位可能であるので、走行区間のデータベースに駅や踏切等の検知対象位置を記録しておけば、手前のある一定距離から検知エリアを拡張することができる。
以上の説明においては、3軸センサ部CSUにおいて、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ及び3軸地磁気センサを備える構成について説明したが、少なくとも3軸加速度センサあるいは3軸ジャイロセンサの少なくとも一方を備えるように構成しても良い。
[4]実施形態の効果
以上の説明のように、各実施形態の装置及び方法によれば、人口衛星等からの測位信号の状況により、受信仰角と受信強度、衛星選択を制御し、また自立計測処理の切り替え判別を行うことにより、受信環境の悪い状況下においても鉄道車両11の位置検知を可能とできる。
この結果、従来の鉄道沿線環境ではマルチパス等の問題から計測精度が最大±10mとなっていたのを、より高精度(例えば、±1m)として必要とされる精度を達成することができる。
また、トンネル、橋上駅舎等の高架下や地下区間等の衛星受信不可領域においても走行位置を容易に把握できる。
さらに鉄道車両11の走行位置を取得し、取得したデータから鉄道車両11進路予測することで、前方検知範囲の設定、進路予測、走行位置の検知、速度超過検知等に用いることが可能となる。
さらには、走行路線地図作成を可能とし、走行支援や鉄道設備情報作成支援に展開可能となる。
本実施形態の鉄道用走行位置検知装置は、MPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、各種情報を表示する表示装置と、各種情報を入力するための入力装置を備えた通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
本実施形態の鉄道用走行位置検知装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、USBメモリ装置等の半導体記憶装置、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の鉄道用走行位置検知装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の鉄道用走行位置検知装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の鉄道用走行位置検知装置のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 走行位置検知システム
11 鉄道車両
12−1〜12−4 人工衛星
12−5〜12−6 基地局
13 アンテナ
14 外部機器
15 受信演算処理装置
21 測位信号演算処理部
22 衛星受信制御部
23 自立測位演算処理部
24 走行状態判別処理部
25 車両位置補正部
26 自立計測切替判別部
27 記憶装置
28 通信接続装置
29 車両進路予測演算部
AD 衛星配置判定エリア
AE 受信有効エリア
AEL 仰角範囲
AN 受信無効エリア
CSU 3軸センサ部
DG 測位データ群
DR 進行方向
DS 自立測位データ群
EL 仰角

Claims (8)

  1. 鉄道車両に搭載される鉄道用走行位置検知装置であって、
    前記鉄道車両の進行方向及び人工衛星からの測位用信号の受信状態に基づいて受信方位角を設定する受信方位角設定部と、
    設定された前記受信方位角の範囲内で測位対象の前記人工衛星を選択する衛星選択部と、
    前記選択した事項衛星からの測位用信号を受信し、前記鉄道車両の位置を検知する衛星測位部と、
    自立測位用センサの出力に基づいて、前記鉄道車両の位置を検知する自立測位部と、
    前記衛星測位部における検知精度が所定の検知精度以上である場合には前記衛星測位部が検知した前記鉄道車両の位置を検知位置として判別し、前記検知精度が所定の検知精度未満となった場合には前記自立測位部が検知した前記鉄道車両の位置を前記検知位置として判別する切替判別部と、
    を備えた鉄道用走行位置検知装置。
  2. 前記受信状態として、推定水平測位精度あるいは位置精度低下率を用いる、
    請求項1記載の鉄道用走行位置検知装置。
  3. 前記受信方位角範囲内に位置する前記人工衛星のうち、前記測位用信号の時間遅延あるいは受信信号強度に基づいて、測位対象の前記人工衛星を制限するための仰角範囲を設定する仰角設定部を備える、
    請求項1記載の鉄道用走行位置検知装置。
  4. 前記衛星測位部あるいは前記自立測位部の測位結果に基づいて、前記鉄道車両が停止状態あるいは走行状態のいずれにあるかを判別する状態判別部を備え、
    前記自立測位部は、前記鉄道車両が停止状態にあると判別された場合に前記検知位置の初期化を行う、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の鉄道用走行位置検知装置。
  5. 前記自立測位用センサは、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ及び3軸地磁気センサのうち、少なくとも3軸加速度センサあるいは3軸ジャイロセンサの少なくとも一方を備える、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の鉄道用走行位置検知装置。
  6. 前記自立測位用センサは、3軸ジャイロセンサを備え、
    前記3軸ジャイロセンサの出力に基づいて前記鉄道車両の姿勢角を演算し、前記鉄道車両の検知位置の履歴及び前記鉄道車両の速度情報に基づいて、前記鉄道車両が速度超過状態であるか否かを判別する制限速度超過判別部を備える、
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の鉄道用走行位置検知装置。
  7. 前記鉄道車両の前記進行方向及び速度情報に基づいて、当該鉄道車両が直線区間を走行中であるか、曲線区間を走行中であるかを判別する車両進路予測部と、
    前記鉄道車両が曲線区間を走行中であると判別された場合に、当該曲線区間の曲率半径を演算する曲率半径演算部と、
    予め設計基準に準じた曲率半径とカント量を記憶する記憶装置27と、を備え、
    前記速度超過判別部は、前記姿勢角、前記速度情報及び前記記憶装置27から読み出した当該鉄道車両の走行位置に対応する前記設計基準に準じた曲率半径とカント量に基づいて前記鉄道車両が速度超過状態であるか否かを判別する、
    請求項6記載の鉄道用走行位置検知装置。
  8. 自立測位用センサを備え、鉄道車両に搭載される鉄道用走行位置検知装置で実行される方法であって、
    前記鉄道車両の進行方向及び人工衛星からの測位用信号の受信状態に基づいて受信方位角を設定する過程と、
    設定された前記受信方位角の範囲内で測位対象の前記人工衛星を選択する過程と、
    前記選択した人工衛星からの測位用信号を受信し、前記鉄道車両の位置を検知する過程と、
    前記自立測位用センサの出力に基づいて、前記鉄道車両の位置を検知する過程と、
    前記人工衛星からの測位用信号に基づく検知精度が所定の検知精度以上である場合には前記人工衛星からの測位用信号に基づいて検知した前記鉄道車両の位置を検知位置として判別し、前記検知精度が所定の検知精度未満となった場合には前記測位用センサの出力に基づいて検知した前記鉄道車両の位置を前記検知位置として判別する過程と、
    を備えた方法。
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