JP2019188624A - 真偽判別媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性粒子により基材の一部表層に導電性領域を形成し、デザインや配色に制限されず、目視による導電性領域の情報を特定させ難いものであって、耐摩耗性に優れる真偽判別媒体を提供する。【解決手段】 非導電性の繊維性材料を含む基材上の少なくとも一部に判別領域を有し、判別領域の一部に透明又は基材と等色の導電性粒子により形成された導電層を備え、判別領域の出力電圧の波形パターンにより真偽判別を行う真偽判別媒体である。【選択図】図1
Description
本発明は、偽造防止効果を必要とする銀行券、旅券、有価証券、身分証明書、カード及び商品券等の貴重印刷物の分野において、導電性材料を用いた機械読取により真偽判別を行うことができる真偽判別媒体に関する技術である。
貴重印刷物は、近年のスキャナ、プリンタ、カラー複写機等のデジタル機器の発展よる偽造に加え、一つの真正品を切り貼りし、複数の偽造品を生み出すという危険性が高まっている。その対策の一つとして、再現が困難である中間色のインキや導電性インキを用いて彩紋パターンにより情報を付加し、付加した情報の磁気又は電圧を機械検出して真偽判別を行う、真偽判別媒体とその製造方法がある。
その一例として、基材へ非導電性のインキにより形成された文字、番号又は絵柄等の組合せパターン情報を設けた印刷物であって、その情報の少なくとも一部にかかるように、導電性のインキにより不連続点のない線分又は有限湾曲線によって形成された情報を印刷することにより、切り貼りによる不正行為を防止するとともに不正手段に対する検査判定が正確かつ瞬時にできる印刷物が開示されている(例えば、実用新案文献1参照)。
実開平5−74876号公報
しかしながら、非特許文献1の技術は、不連続点のない線分又は有限湾曲線を有色のインキにて形成する必要があるため、デザインや配色が制限されるとともに、不連続点のない線分又は有限湾曲線により形成した情報の有無を目視にて容易に把握されるという欠点がある。
また、非特許文献1の技術は、非導電性のインキにより形成した印刷層の上方に導電性のインキによって情報を印刷しているため、導電性のインキにより形成された情報が耐摩耗性に劣り、流通における摩耗に絶え難く、導電性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、機械読取により導電性領域の情報を検出して真偽判別を行う技術分野において、導電性粒子により非導電性の基材の一部表層に導電性領域を形成し、デザインや配色に制限されず、目視による導電性領域の情報を特定させ難いものであって、耐摩耗性に優れる真偽判別媒体を提供する。
本発明は、非導電性の繊維性材料を含む基材上の少なくとも一部に判別領域を有し、判別領域の一部に透明又は基材と等色の導電性粒子により形成された導電層を備え、判別領域の出力電圧の波形パターンにより真偽判別を行う真偽判別媒体である。
また、判別領域は、導電層の上方の一部に積層した非導電性のインキにより形成された非導電層を更に備える真偽判別媒体である。
また、基材は、紙である真偽判別媒体である。
さらに、導電性粒子は、金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム又はイリジウムから成る群から選択されるいずれか1つ又は当該群から選択される2以上から成る金属のナノワイヤである真偽判別媒体である。
本発明の真偽判別媒体は、透明又は基材と等色の導電性粒子により導電層を形成しており、デザインや配色に制限されることなく形成できるほか、導電層に形成した情報の目視による特定を困難にすることができ、偽造防止効果が高められるという効果を奏する。
また、本発明の真偽判別媒体は、導電性粒子にて基材の表層の内部に導電性領域を形成していることから、流通による摩滅損耗による影響を受け難く、読み取り効果の低減が少なくて済むという効果を奏する。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載される技術的思想の範囲内であれば、その他の色々な実施の形態が含まれる。
(第一の実施形態)
図1に本発明の実施の形態における真偽判別媒体を示す。図1(a)に示す平面図のように、真偽判別媒体(A1)は、非導電性の繊維性材料を含む基材(1)と、基材(1)の表層の少なくとも一部に、判別領域(2)を備えている。そして、この判別領域(2)は、透明又は基材(1)と等色な導電性粒子により形成された導電層(3)と、導電層(3)に隣接する非導電層(4)から成る。ここで、非導電層(4)は、基材(1)の一部としてもよいし、基材(1)と別に配してもよい。以下、本発明の真偽判別媒体(A1)構成について説明する。
図1に本発明の実施の形態における真偽判別媒体を示す。図1(a)に示す平面図のように、真偽判別媒体(A1)は、非導電性の繊維性材料を含む基材(1)と、基材(1)の表層の少なくとも一部に、判別領域(2)を備えている。そして、この判別領域(2)は、透明又は基材(1)と等色な導電性粒子により形成された導電層(3)と、導電層(3)に隣接する非導電層(4)から成る。ここで、非導電層(4)は、基材(1)の一部としてもよいし、基材(1)と別に配してもよい。以下、本発明の真偽判別媒体(A1)構成について説明する。
(判別領域)
図1に示す判別領域(2)は、基材(1)の表層に透明又は基材と等色である導電性粒子により万線状に形成された導電層(3)と、導電層(3)の周囲に存在する非導電層(4)により形成された一例である。ここで、本発明における「万線状」とは、複数の画線又は画素等の要素を規則的に所定のピッチで配列されている状態をいう。また、第一の実施形態における導電層(3)をベタ状(面積率100%)に形成した例については後述する。
図1に示す判別領域(2)は、基材(1)の表層に透明又は基材と等色である導電性粒子により万線状に形成された導電層(3)と、導電層(3)の周囲に存在する非導電層(4)により形成された一例である。ここで、本発明における「万線状」とは、複数の画線又は画素等の要素を規則的に所定のピッチで配列されている状態をいう。また、第一の実施形態における導電層(3)をベタ状(面積率100%)に形成した例については後述する。
実際には、導電層(3)は、基材(1)の表層にあって、透明又は基材と等色の導電性粒子により形成されていることから視認できないが、便宜上、導電層(3)を点線で示して説明する。図1(b)は、図1(a)のT−T´における断面図であって、判別領域(2)は、導電層(3)と導電層(3)に隣接する非導電層(4)を有している。本実施の形態では、導電層(3)を無色透明の導電性粒子により形成しているが、導電層(3)が視認されなければよく、色彩は特に限定されず、基材と等色の色彩を有する導電性粒子を使用してもよい。また、本発明における透明とは、可視光下で視認不可のことをいう。
導電層(3)を形成する万線状要素は、文字、図形又は記号等に限定されるものではない。また、万線を形成する画線は、直線、曲線又は点線等の公知の画線を使用することができる。なお、画線を形成するピッチ又は幅については後述する。
(第二の実施形態)
次に、導電層(3)をベタ状(面積率100%)に形成した例について説明する。
次に、導電層(3)をベタ状(面積率100%)に形成した例について説明する。
第二の実施形態は、導電層(3)の一部上方の少なくとも一部に非導電性のインキにより形成した非導電層(4)を積層した例である。なお、第一の実施形態と重複する部分における説明は一部省略する。
第二の実施形態も同様に、導電層(3)は、基材(1)の表層に透明又は基材と等色の導電性粒子により形成しているため視認できないが、便宜上、導電層(3)を点線で示して説明する。図2(b)は、図2(a)のT−T´における断面図及び拡大図であって、判別領域(2)は、導電層(3)の一部上方に非導電層(4)を積層して構成される。
次に、基材(1)の表層に形成したベタ状の導電層(3)について、電子顕微鏡(日立製作所製SEMEDX TypeN、観察倍率800倍)による観察結果について、図3を用いて説明する。図3(a)は、導電層(3)を形成する前の基材(1)である上質紙の観察図であり、上質紙を形成する繊維の絡み合い状態を示している。また、図3(b)は、導電層(3)を形成する導電性粒子(ここでは、導電性ナノワイヤ)の観察図であり、細長いワイヤ状の導電性粒子の分散状態を示している。また、図3(c)は、基材(1)に導電性粒子である導電性ナノワイヤを塗布して形成した導電層(3)の観察図であり、導電性ナノワイヤが上質紙の繊維に絡まって固着している状態を示している。
本発明は、前述の図3に示すように、基材(1)を形成する繊維に導電性粒子である導電性ナノワイヤを絡ませることによって、基材(1)の表層に導電層(3)を形成したものであり、基材(1)の表面に導電層(3)が露出していないことから、インキ膜のような層が存在する態様とはならない。
本実施の形態では、導電層(3)をベタ刷りの帯状にて形成しているが、図4に示すように、画線、文字、コード又は図柄等のいずれにおいて形成してもよい。また、本発明における色彩とは、明度、彩度及び色相等を含む概念であり、明度は色の明るさ、彩度は色の鮮やかさ、色相は赤、黄、青等の有彩色を示すものである。
また、導電層(3)として、導電性粒子を塗布する場合の幅(W)及びピッチ(P)は、導電性粒子の大きさ、含有量により適宜設定されることになるが、幅(W)は、1mm以上、ピッチ(P)は、0.1mm以上あることが望ましい。幅(W)及びピッチ(P)が前述の範囲以上であれば、乾燥時における反り、印刷適正及び乾燥性に影響を与え難いからである。他方、前述の範囲未満の場合は、後述する真偽判別装置による検出がし難くなるおそれがある。
また、導電層(3)として、導電性粒子を塗布する場合の塗布量は、面積10mm2当たり、約0.025mgから約1.0mgまでの範囲が最適である。ここで、約0.025mg以上とした理由は、基材(1)に塗布した金属ナノ材料同士が接触することで導電性を得る最低限の量である。一方、約1.0mg以下とした理由は、導電性粒子を含む溶液を基材(1)に塗布し、乾燥後において、導電性粒子を含む層が厚いと、導電性粒子が基材(1)の繊維に絡まって固着し、性能が劣るからである。換言すれば、金属ナノワイヤのみによる層が層間剥離するおそれがあるからである。なお、塗布量の最適は、面積10mm2当たり0.05mg以上が望ましく、後述する真偽判別装置の検出が良好となる。
(導電性粒子)
導電層(3)の形成に用いられる導電性粒子は金属ナノワイヤである。金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム又はイリジウムから成る群から選択されるいずれか1つ又は当該群から選択される2以上から成る合金等が挙げられる。また、金属ナノワイヤは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。また、不可視及び高い導電性を得る観点から、最適は金、銀又は銅から選択される金属を主成分とする金属ナノワイヤであり、より最適は銀又は銅を主成分とする金属ナノワイヤであり、特に最適は抵抗率が低く、透明性の高い銀ナノワイヤである。
導電層(3)の形成に用いられる導電性粒子は金属ナノワイヤである。金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム又はイリジウムから成る群から選択されるいずれか1つ又は当該群から選択される2以上から成る合金等が挙げられる。また、金属ナノワイヤは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。また、不可視及び高い導電性を得る観点から、最適は金、銀又は銅から選択される金属を主成分とする金属ナノワイヤであり、より最適は銀又は銅を主成分とする金属ナノワイヤであり、特に最適は抵抗率が低く、透明性の高い銀ナノワイヤである。
金属ナノワイヤの形状としては、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状とすることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状や断面が五角形以上の多角形であるものが最適である。
金属ナノワイヤの平均直径は、耐久性及び印刷適正を確保するため、5nmから200nmまでの範囲が最適である。また、金属ナノワイヤの平均長は、5μmから100μmまでの範囲が最適である。ここで、金属ナノワイヤの平均長が長いと製造時に凝集物が生じる場合があり、不具合となる。
本発明に用いる金属ナノワイヤ分散液の濃度は、特に限定されないが、製膜性の観点を加味し、0.01質量%から2.0質量%までの範囲が最適である。ここで、金属ナノワイヤ分散液の濃度が0.01質量%未満とした場合、低濃度となるため、導電性を確保することが困難となる場合がある。一方、濃度が2.0質量%を超える場合、分散液中の金属ナノワイヤが物理的に凝集しやすくなり、分散性や成膜性が低下する場合があり、不具合となる。
本発明にて用いることができる銀ナノワイヤの市販品は、水系分散媒体、イソプロピルアルコール(IPA)やエタノール等の有機系分散媒体(以下「水系分散体等」という。)に分散したものがある。具体例としては、星光PMC株式会社製「銀ナノワイヤ水性分散液 T−AG103」、Seashell−Technologies製「SilverNanowires(品名:AgNW−25、AgNW−60、AgNW−115)」、Blue−Nano製「SLV−series Silver Nanowires(品名:SLV−NW−35、SLV−NW−90)」、NANOGAP製「Silver Nanofibers(品名:NGAP NP Ag−3103−W、NGAP NP Ag−3103−E、NGAP NP Ag−3103−EG、NGAP NP Ag−3103−IPA、NGAP NP Ag−3103−Bt、NGAP NP Ag−3103−B)」等が挙げられる。
金属ナノワイヤ分散液は、水系分散体等に金属ナノワイヤを分散させたものであるため、バインダーを必須とするインキとは異なり、金属ナノワイヤ分散液自体を単独で使用することで本発明の効果を発現させることもできるが、金属ナノワイヤ分散液の効果を損なわない範囲において、成膜性を向上させるため、濡れ剤、レベリング剤を含有させてもよく、また、接着性を向上させるため、バインダーを含有させてもよい。
なお、導電層(3)の形成方法は特に限定されないが、例えば、バーコータによる形成法、フィルムアプリケータによる形成法、グラビアロールコーティング法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法、リップコーティング法、エアナイフコーティング法、カーテンフローコーティング法、浸漬コーティング法、ダイコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、インクジェット印刷法が挙げられる。
(非導電性領域)
非導電層(4)は、導電層(3)を隠蔽するために設けた印刷層であり、導電性でないインキであれば特に限定されず、公知のインキを使用することができる。また、非導電層(4)の色彩は、導電層(3)を隠蔽できれば特に限定されず、導電層(3)と等色、異なる色彩色、又は透明としてもよい。例えば、導電層(3)を形成する導電性インキの色彩を暗緑色又は濃紺色とすると、それを隠蔽する色彩の一例として、黒色又は濃紺色が挙げられる。また、本実施の形態では、非導電層(4)をベタ刷りの文字にて形成しているが、導電層(3)を隠蔽できれば、画線又は画素にて形成してもよい。
非導電層(4)は、導電層(3)を隠蔽するために設けた印刷層であり、導電性でないインキであれば特に限定されず、公知のインキを使用することができる。また、非導電層(4)の色彩は、導電層(3)を隠蔽できれば特に限定されず、導電層(3)と等色、異なる色彩色、又は透明としてもよい。例えば、導電層(3)を形成する導電性インキの色彩を暗緑色又は濃紺色とすると、それを隠蔽する色彩の一例として、黒色又は濃紺色が挙げられる。また、本実施の形態では、非導電層(4)をベタ刷りの文字にて形成しているが、導電層(3)を隠蔽できれば、画線又は画素にて形成してもよい。
前述した基材(1)への非導電層(4)の形成方法は、特に限定されず、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等、公知の印刷方法を使用することができる。
(基材)
基材(1)は、導電性がなく、印刷可能な繊維であれば特に限定されず、公知の材質を使用することができる。基材(1)の例として、紙、木綿、不織布等の繊維又は樹脂から成る繊維が挙げられる。最適は、金属ナノワイヤ分散液の液体成分が浸透しやすい紙であり、紙の例としては、上質紙、中質紙、塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙、クラフト紙又は合成紙等がある。
基材(1)は、導電性がなく、印刷可能な繊維であれば特に限定されず、公知の材質を使用することができる。基材(1)の例として、紙、木綿、不織布等の繊維又は樹脂から成る繊維が挙げられる。最適は、金属ナノワイヤ分散液の液体成分が浸透しやすい紙であり、紙の例としては、上質紙、中質紙、塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙、クラフト紙又は合成紙等がある。
(真偽判別方法)
導電性領域の抵抗値有無の確認は、電磁波等による非接触電子計測計又はテスター等導通の有無を判断するのに用いられる市販の機器を用いることができる。接触型では、二つの電極(21)を被測定物に接触させて測定する。また、非接触にて導電性を測定するセンサとしては、マイクロ波センサ、静電容量型センサ等を用いて測定する。これらの測定によって、判別媒体が真正品であるのか、又は偽造品であるのかを判別する。
導電性領域の抵抗値有無の確認は、電磁波等による非接触電子計測計又はテスター等導通の有無を判断するのに用いられる市販の機器を用いることができる。接触型では、二つの電極(21)を被測定物に接触させて測定する。また、非接触にて導電性を測定するセンサとしては、マイクロ波センサ、静電容量型センサ等を用いて測定する。これらの測定によって、判別媒体が真正品であるのか、又は偽造品であるのかを判別する。
一例として、本出願人の特許4158914号「シート状被測定物の材料判別装置及び材料判別方法」に記載のある材料判別装置を用いた真偽判別方法について記載する。
(マイクロ波センサ)
前述の材料判別装置をここでは図5(a)に示す真偽判別装置(P1)として記載し、説明する。まず、真偽判別装置(P1)の構成について説明する。この真偽判別装置(P1)は、大きく分けて、測定部(7)と照合判別部(8)により構成される。測定部(7)は、導波管(6)と、導波管(6)に連接され、導波管(6)の内部にマイクロ波を照射する照射手段(9)と、導波管(6)の内部を伝搬するマイクロ波を外部に放出する漏洩孔(5)と、漏洩孔(5)により放出されたマイクロ波により生じた判別対象物の電圧波形を検出する検出手段(10)により構成される。照合判別部(8)は、検出手段(10)に連接され、検出手段(10)により検出された判別対象物の電圧波形を記録する記録部(11)と、判別対象物の電圧波形とあらかじめ登録された真正品の基準電圧波形とを照合する照合部(12)により構成される。なお、ここでの記載における真偽判別装置(P1)は、マイクロ波型真偽判別装置とも称することができる。
前述の材料判別装置をここでは図5(a)に示す真偽判別装置(P1)として記載し、説明する。まず、真偽判別装置(P1)の構成について説明する。この真偽判別装置(P1)は、大きく分けて、測定部(7)と照合判別部(8)により構成される。測定部(7)は、導波管(6)と、導波管(6)に連接され、導波管(6)の内部にマイクロ波を照射する照射手段(9)と、導波管(6)の内部を伝搬するマイクロ波を外部に放出する漏洩孔(5)と、漏洩孔(5)により放出されたマイクロ波により生じた判別対象物の電圧波形を検出する検出手段(10)により構成される。照合判別部(8)は、検出手段(10)に連接され、検出手段(10)により検出された判別対象物の電圧波形を記録する記録部(11)と、判別対象物の電圧波形とあらかじめ登録された真正品の基準電圧波形とを照合する照合部(12)により構成される。なお、ここでの記載における真偽判別装置(P1)は、マイクロ波型真偽判別装置とも称することができる。
電圧波形の照合は、あらかじめ真正品を測定して得られた出力波形を基準波形とし、基準波形を中心として、照合許容範囲を基準波形の基準値±誤差と任意に設定し、許容最大値と許容最小値の間に判別対象物から得た電圧波形が入っていれば、判別対象物は真正品であると判別する。あるいは、判別対象物の電圧波形を、あらかじめ任意設定した真正品の基準電圧波形とパターンマッチングさせて、一致できたものを真正品と判定してもよい。なお、パターンマッチングについては、両方の電圧波形の重ね合わせ具合により、完全に一致した電圧波形が形成されないこともあることから、ある閾値以上の類似度であれば同一の電圧波形であるとする判定基準に設定してもよい。閾値については適宜設定すればよい。
次に、図5(a)に記載の真偽判別装置を用いて、図1に示す真偽判別媒体(A1)の測定領域T−T´線上を測定し、真偽判別を行う例示について、図5(b)のフロー図により説明する。まず、ゼロ点設定(S0)として、漏洩孔(5)に判別対象物がない状態時における記録部(11)に示される基準電圧をゼロと設定する。次に、搬送(S1)では、真偽判別媒体(A1)を漏洩孔(5)へ移動搬送させる。そして、マイクロ波の照射(S2)では、漏洩孔(5)からマイクロ波を真偽判別媒体(A1)に照射する。電圧の検出(S3)では、マイクロ波により生じた真偽判別媒体(A1)の電圧波形を検出し、記録部(11)に記録する。さらに、比較(S4)では、あらかじめ記録した真正品の基準電圧波形と真偽判別媒体(A1)から得た電圧波形を照合部(12)においてパターンマッチング、あるいは基準値の範囲内であるのか否かにより真正品か偽造品かの判定を行う。
以下に、本発明の実施例を示すが、これらの実施例によって本発明の実施形態が制限されるものではない。
(実施例1)
基材(1)である市販の上質紙に対して、透明の銀ナノワイヤ溶液(以下「銀ナノ溶液(14)」という。)を滴下し、バーコータ装置(13)によって銀ナノ溶液(14)の導電層(3)を形成した。そして、真偽判別装置(P1)を用いて真偽判別媒体(A1)の測定を行い、真偽判別媒体(A1)の真偽を判別した。これより、銀ナノ溶液(14)の塗布、インキの印刷、判別方法の順に説明する。
基材(1)である市販の上質紙に対して、透明の銀ナノワイヤ溶液(以下「銀ナノ溶液(14)」という。)を滴下し、バーコータ装置(13)によって銀ナノ溶液(14)の導電層(3)を形成した。そして、真偽判別装置(P1)を用いて真偽判別媒体(A1)の測定を行い、真偽判別媒体(A1)の真偽を判別した。これより、銀ナノ溶液(14)の塗布、インキの印刷、判別方法の順に説明する。
実施例1の銀ナノ溶液については、表1に示す特性を有する銀ナノ溶液(14)を用い、図6に示すテスター産業株式会社製のバーコータ装置(13)によって、銀ナノ溶液(14)を基材(1−1、1−2)に塗布した。詳細には、0.5mlの銀ナノ溶液(14)を滴下し、バーコータバー(15)の移動速度32mm/秒、基材(1−1、1−2)とバーコータバー(15)との間隔を約60μmに設定し、銀ナノ溶液(14)を面積5mm×150mmに引き伸ばして、基材(1−1、1−2)の繊維に浸透させ、自然乾燥させて、基材(1−1、1−2)の表層内に銀ナノ溶液(14)を浸透させ、図7(a)及び図7(b)に示す帯状の導電層(3−1、3−2)を有する基材(1−1、1−2)を作成した。なお、図7(a)と図7(b)の違いとしては、基材へ配置した導電層の位置である。また、この基材(1−1、1−2)は透明の銀ナノ溶液(14)を用いているため、導電層(3−1、3−2)を目視により確認することはできなかった。
次に、作成した図8(a)に示す基材(1−1)に配置した導電層(3−1)の上方の一部にインキジェットプリンタ(NEC株式会社製PICTY)を用いて、図8(a)に示す英数字「10000」から成る非導電層(4−1)を印刷して判別領域(2−1)を有する真偽判別媒体(A1−1)を作成した。また、同様の手法により、図8(b)に示す基材(1−2)に配置した導電層(3−2)の上方に英数字「1000」から成る非導電層(4−2)を印刷して判別領域(2−2)を有する真偽判別媒体(A1−2)を作成した。
次に、作成した図8に示す真偽判別媒体(A1−1、A1−2)をそれぞれ断裁線(S)の位置にて断裁して被検体(X1、X2)を作成し、二種類の被検体(X1、X2)を組み合わせて比較例1の被検体(X3)を作成した。
次に、図5(a)に示す真偽判別装置(P1)を用いて、真偽判別媒体(A1−1)にある判別領域(2−1)の移動方向(Y)における電圧波形を測定し、図10に示す真正品の電圧波形(Z1)とした。また、真正品か偽造品かの判定は、あらかじめ設定した真正品の電圧波形(Z1)とパターンマッチングさせ、一致したものを真正品と判定することとした。
次に、図11に示すように、比較例1の被検体(X3)の電圧波形を上述した手法と同様の手法により、判別領域(2´−1)の移動方向(Y)における電圧波形(Z1´)を測定して、真正品の電圧波形(Z1)とパターンマッチングさせた。
図12に示すように、図12(b)に示す被検体(X3)から得られた電圧波形(Z1´)と、図12(a)に示す真正品の電圧波形(Z)をパターンマッチングさせたところ、双方の電圧波形は一致していないことを確認した。よって、被検体(X3)は機械読取特性の観点から、真正品ではなく偽造品であると判定した。
次に、抵抗測定器により、真偽判別の判定ができるか否かを確認した。図13(a)及び図13(b)は、真偽判別装置として抵抗測定器を移動させて測定を行う抵抗測定器型真偽判別装置(P2)であり、真偽判別媒体(A1−1)における判別領域(2−1)の電圧波形(Z1)と被検体(X3)の電圧波形(Z1´)を示している。
図13(a)に示す真正品の電圧波形(Z1)と図13(b)に示す被検体(X3)の電圧波形(Z1´)をパターンマッチングさせたところ、双方の電圧波形が一致せず、機械読取特性の観点から、真正品ではなく偽造品であると判定した。このことより、抵抗測定器型真偽判別装置(P2)においても真偽判別媒体の真偽判別が可能であることを確認した。
A1、A1−1、A1−2 真偽判別媒体
P1 真偽判別装置(マイクロ波型真偽判別装置)
P2 真偽判別装置(抵抗測定器型真偽判別装置)
1、1−1、1−2 基材
2、2−1、2−2 判別領域
3、3−1、3−2 導電層
4、4−1、4−2 非導電層
5 漏洩孔
6 導波管
7 測定部
8 照合判別部
9 照射手段
10 検出手段
11 記録部
12 照合部
13 バーコータ装置
14 銀ナノ溶液
15 バーコータバー
S 断裁線
X1、X2、X3 被検体
Y 移動方向
Z1、Z1´ 電圧波形
T−T´ 測定領域
P1 真偽判別装置(マイクロ波型真偽判別装置)
P2 真偽判別装置(抵抗測定器型真偽判別装置)
1、1−1、1−2 基材
2、2−1、2−2 判別領域
3、3−1、3−2 導電層
4、4−1、4−2 非導電層
5 漏洩孔
6 導波管
7 測定部
8 照合判別部
9 照射手段
10 検出手段
11 記録部
12 照合部
13 バーコータ装置
14 銀ナノ溶液
15 バーコータバー
S 断裁線
X1、X2、X3 被検体
Y 移動方向
Z1、Z1´ 電圧波形
T−T´ 測定領域
Claims (4)
- 非導電性の繊維性材料を含む基材上の少なくとも一部に判別領域を有し、前記判別領域の一部に透明又は前記基材と等色の導電性粒子により形成された導電層を備え、前記判別領域の出力電圧の波形パターンにより真偽判別を行うことを特徴とする真偽判別媒体。
- 前記判別領域は、前記導電層の上方の一部に積層した非導電性のインキにより形成された非導電層を更に備えることを特徴とする請求項1記載の真偽判別媒体。
- 前記基材は、紙であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の真偽判別媒体。
- 前記導電性粒子は、金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム又はイリジウムから成る群から選択されるいずれか1つ又は当該群から選択される2以上から成る金属のナノワイヤであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の真偽判別媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018080484A JP2019188624A (ja) | 2018-04-19 | 2018-04-19 | 真偽判別媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018080484A JP2019188624A (ja) | 2018-04-19 | 2018-04-19 | 真偽判別媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019188624A true JP2019188624A (ja) | 2019-10-31 |
Family
ID=68388689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018080484A Pending JP2019188624A (ja) | 2018-04-19 | 2018-04-19 | 真偽判別媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019188624A (ja) |
-
2018
- 2018-04-19 JP JP2018080484A patent/JP2019188624A/ja active Pending
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