JP2019186855A - 映像信号変換装置及びプログラム - Google Patents

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善敬 池田
Yoshitaka Ikeda
善敬 池田
金澤 勝
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Abstract

【課題】HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減する。【解決手段】映像信号変換装置1−1のHDR入力変換部10は、HDR映像信号をJND信号JNDに変換し、圧縮部11は、LPF処理後のLPF信号LPF(JND)を生成し、輝度圧縮して圧縮信号Comp(JND)を生成する。ディテール抽出部12は、JND信号JNDからLPF信号LPF(JND)を減算してディテール信号D(JND)を抽出し、色補正部13は、色補正信号Comp_color(JL)を生成する。ディテール処理部14は、ディテール信号D(JND)に色補正信号Comp_color(JL)を加算してディテール加算結果DO(JND)を生成し、ディテール処理後信号JNDoutを生成する。SDR変換出力部15は、ディテール処理後信号JNDoutをSDR映像信号に変換する。【選択図】図1

Description

本発明は、HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)映像信号をSDR(Standard Dynamic Range:スタンダードダイナミックレンジ)映像信号に変換する映像信号変換装置及びプログラムに関する。
従来の放送方式に使用されている信号フォーマットとして、SDRが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。SDRは、ダイナミックレンジ(表示装置に黒及び白を表示したときのこれらの輝度比)が1,000:1程度の表示装置にて、画像表示が行われることを想定している。
一方、4K8K放送等に使用されている信号フォーマットとして、HDRが知られている(例えば、非特許文献2を参照)。HDRは、明部及び暗部共にSDRよりも広い範囲に対応することができ、ダイナミックレンジが10,000:1以上の表示装置にて、画像表示が行われることを想定している。
従来の2K放送では、SDRの信号フォーマットが使用され、SDRに対応する多くの表示装置が使用されてきた。4K8K放送への移行に伴い、HDRの信号フォーマットが使用されるようになるが、従来から使用されてきたSDR対応の表示装置をそのまま使用できるように、HDR映像信号からSDR映像信号へ変換する用途は多い。
HDR映像信号をSDR映像信号に変換することは、10,000:1以上のダイナミックレンジで画像表示する映像を、1,000:1のダイナミックレンジで画像表示する映像に変換することを意味する。
一般に、表示装置に表示された画像の輝度を表現するために、JND(Just Noticeable Difference:丁度可知差異)値が用いられることが多い。JNDは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格PS3.14(Grayscale Standard Display Function)で定義された輝度の表示方法であり、人間が識別可能な輝度差に基づいた人間の感覚量を表す。
例えば、JND値をNとして、JND値Nで表される輝度とは、黒(DICOM規格では、最低の黒レベルを0.05cd/m2としている。)の輝度と当該JND値Nの輝度との間に、識別可能な輝度レベルがN個存在する、ことを意味する。
以下、輝度レベルYのJND値を、JND(Y)と表記する。また、HDRで表示可能なJNDの最大値及び最小値をそれぞれJNDHDR-Max,JNDHDR-Minとし、SDRで表示可能なJNDの最大値及び最小値をそれぞれJNDSDR-Max,JNDSDR-Minと表記する。これらのJND値の関係は以下のとおりである。
JNDHDR-Max > JNDSDR-Max > JNDSDR-Min > JNDHDR-Min
例えばHDRでは輝度値0.05〜1,000cd/m2、SDRでは輝度値0.1〜100cd/m2を表示範囲とすると、これらの輝度値に対応するJNDHDR-Max,JNDHDR-Min,JNDSDR-Max,JNDSDR-Minの値は、それぞれ810,1,476,11となる。この場合のHDR映像信号をSDR映像信号に変換することは、1〜810の範囲のJND値を11〜476の範囲のJND値に変換する、ことを意味する。
図18は、従来技術において、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う輝度レベルの変化を説明する図であり、映像らしさを保持するための変換特性を示している。横軸は入力JND(HDR映像信号のJND値)を示し、縦軸は出力JND(SDR映像信号のJND値)を示す。図18の曲線は、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う輝度レベルの変化を示しており、斜めに引かれた点線は、圧縮等の処理が行われない場合の輝度レベルの変化を示している。
図18に示すように、HDR映像信号のA1からA2までの間の中域については、入力及び出力がほぼ比例の変換となっていることがわかる。これに対し、HDR映像信号のJNDHDR-MinからA1までの間の暗部の領域及びA2からJNDHDR-Maxまでの間の明部の領域については、出力範囲が制限され、圧縮された変換となっている。
図19は、従来技術において、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を説明する図であり、階調表現及びディテール(微小な輝度変化により生じる質感)がどのように変化するかを示している。図18と同様に、横軸は入力JND(HDR映像信号のJND値)を示し、縦軸は出力JND(SDR映像信号のJND値)を示す。
図19に示すように、中域では、HDR映像信号及びSDR映像信号の振幅がほぼ同じであるから、中域の質感は、SDR映像信号において保存(保持)されることがわかる(αを参照)。これに対し、明部の領域では、SDR映像信号の振幅がHDR映像信号よりも小さいから、明部の領域の質感は、SDR映像信号において白つぶれとなることがわかる(βを参照)。同様に、暗部の領域の質感は、SDR映像信号において黒つぶれとなる。同様の原因により、明部の領域では、SDR映像信号の色の彩度は、HDR映像信号よりも低下する。
このように、従来技術では、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴い、HDR映像信号の特徴が失われ、画質劣化が生じるという問題があった。図19に示したとおり、明部及び暗部の領域では質感が劣化し、明部の領域では彩度が低下してしまう。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減する映像信号変換装置及びプログラムを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の映像信号変換装置は、HDR映像信号をSDR映像信号に変換する映像信号変換装置において、前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、当該輝度値をJND信号に変換するHDR入力変換部と、前記HDR入力変換部により変換された前記JND信号にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、前記HDR入力変換部により変換された前記JND信号から、前記圧縮部により生成された前記LPF信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により変換された前記JND信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を生成するディテール処理部と、前記輝度圧縮の処理に伴う出力範囲の制限を解除するように、前記ディテール処理部により生成された前記ディテール処理後信号を、前記SDR映像信号に変換するSDR変換出力部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の映像信号変換装置は、HDR映像信号をSDR映像信号に変換する映像信号変換装置において、前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、当該輝度値をSDRの電気信号値に変換し、SDR信号を求めるHDR入力変換部と、前記HDR入力変換部により求められた前記SDR信号にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、前記HDR入力変換部により求められた前記SDR信号から、前記圧縮部により生成された前記LPF信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により求められた前記SDR信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を前記SDR映像信号として生成するディテール処理部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3の映像信号変換装置は、HDR映像信号をSDR映像信号に変換する映像信号変換装置において、前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、前記輝度値の対数値を対数信号として求めるHDR入力変換部と、前記HDR入力変換部により求められた前記対数信号にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、前記HDR入力変換部により求められた前記対数信号から、前記圧縮部により生成された前記LPF信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により求められた前記対数信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を生成するディテール処理部と、前記輝度圧縮の処理に伴う出力範囲の制限を解除するように、前記ディテール処理部により生成された前記ディテール処理後信号を、前記SDR映像信号に変換するSDR変換出力部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項4の映像信号変換装置は、HDR映像信号をSDR映像信号に変換する映像信号変換装置において、前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、当該輝度値を第1のJND信号に変換するHDR入力変換部と、前記HDR入力変換部により変換された前記輝度値にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号を第2のJND信号に変換し、当該第2のJND信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、前記HDR入力変換部により変換された前記第1のJND信号から、前記圧縮部により変換された前記第2のJND信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により変換された前記第1のJND信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を生成するディテール処理部と、前記輝度圧縮の処理に伴う出力範囲の制限を解除するように、前記ディテール処理部により生成された前記ディテール処理後信号を、前記SDR映像信号に変換するSDR変換出力部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項5の映像信号変換装置は、請求項1から3までのいずれか一項に記載の映像信号変換装置において、さらに、前記圧縮部により生成された前記LPF信号における全ての色成分の最大値を求め、当該最大値と前記LPF信号の各色成分の値との間の比を保存するように、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号の各色成分に対して色補正を行い、色補正信号を生成する色補正部を備え、前記ディテール処理部が、前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に前記所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記色補正部により生成された前記色補正信号を加算し、前記ディテール加算結果を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項6の映像信号変換装置は、請求項4に記載の映像信号変換装置において、さらに、前記圧縮部により変換された前記第2のJND信号における全ての色成分の最大値を求め、当該最大値と前記第2のJND信号の各色成分の値との間の比を保存するように、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号の各色成分に対して色補正を行い、色補正信号を生成する色補正部を備え、前記ディテール処理部が、前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に前記所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記色補正部により生成された前記色補正信号を加算し、前記ディテール加算結果を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項7の映像信号変換装置は、請求項1から6までのいずれか一項に記載の映像信号変換装置において、前記LPF処理を行うフィルターが、前記LPF処理を施す信号について、所定画素のブロックに分割し、前記所定画素のブロックを単位として、前記信号の平均値を求め、所定帯域のLPF処理を行い、当該LPF処理の結果を用いて、画素単位で内挿を行い、前記LPF信号を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項8のプログラムは、コンピュータを、請求項1から7までのいずれか一項に記載の映像信号変換装置として機能させることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減することができる。
実施例1の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。 実施例1の映像信号変換装置の全体処理例を示すフローチャートである。 実施例1の映像信号変換装置の全体処理例の詳細を示すフローチャートである。 実施例1におけるHDR入力変換部の処理例を示すフローチャートである。 実施例1における圧縮部及びディテール抽出部の処理例を示すフローチャートである。 実施例1における輝度圧縮処理(ステップS502)に用いるパラメータJND1,JND2を説明する図である。 実施例1におけるディテール処理部の処理例を示すフローチャートである。 実施例1におけるSDR変換出力部の処理例を示すフローチャートである。 実施例2の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。 実施例2の映像信号変換装置の全体処理例を示すフローチャートである。 実施例2の映像信号変換装置の全体処理例の詳細を示すフローチャートである。 実施例2におけるHDR入力変換部の処理例を示すフローチャートである。 実施例3の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。 実施例5の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。 実施例5の映像信号変換装置の全体処理例の詳細を示すフローチャートである。 実施例1におけるLPF処理(ステップS501)の詳細を示すフローチャートである。 実施例6におけるLPF処理(ステップS501)の詳細を示すフローチャートである。 従来技術において、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う輝度レベルの変化を説明する図である。 従来技術において、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の実施例1〜6の映像信号変換装置は、主に画像の階調再現を補正するものであり、映像信号のフォーマットにおける色域を変換するものではない。つまり、映像信号変換装置は、色域が同じ状態において、HDR映像信号をSDR映像信号に変換する。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。実施例1は、HDR映像信号を、人間の感覚量を表すJND信号に変換し、JND信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、JND信号の色補正を行って彩度を保存し、色補正後のJND信号にディテール信号を加算し、加算後のJND信号をSDR映像信号に変換する例である。
図1は、実施例1の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。図2は、実施例1の映像信号変換装置の全体処理例を示すフローチャートであり、図3は、実施例1の映像信号変換装置の全体処理例の詳細を示すフローチャートである。
この映像信号変換装置1−1は、HDR入力変換部10、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15を備えている。これらの構成部は、画素毎に処理を行う。後述する映像信号変換装置1−2〜1−6についても同様である。
HDR入力変換部10は、HDR映像信号を入力し、HDR映像信号の電気信号値(画素値)を光信号の光量である輝度値に変換し、輝度値を、人間の感覚量を表すJND値に変換する(ステップS201,S301)。そして、HDR入力変換部10は、JND値をJND信号JNDとして圧縮部11、ディテール抽出部12及びディテール処理部14に出力する。
圧縮部11は、HDR入力変換部10からJND信号JNDを入力し、JND信号JNDに対してLPF(Low Pass Filter:ローパスフィルター)処理を施し、LPF信号LPF(JND)を生成する(ステップS202,S302)。そして、圧縮部11は、LPF信号LPF(JND)をディテール抽出部12及び色補正部13に出力する。
圧縮部11は、LPF信号LPF(JND)に対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp(JND)を生成する(ステップS202,S303)。そして、圧縮部11は、圧縮信号Comp(JND)を色補正部13に出力する。
ディテール抽出部12は、HDR入力変換部10からJND信号JNDを入力すると共に、圧縮部11からLPF信号LPF(JND)を入力する。そして、ディテール抽出部12は、JND信号JNDからLPF信号LPF(JND)を減算してディテール信号D(JND)を抽出する(ステップS202,S304)。ディテール抽出部12は、ディテール信号D(JND)をディテール処理部14に出力する。
これにより、ディテール抽出部12において、JND信号JNDから、微小な輝度変化により生じる質感を表すディテール成分を抽出することができる。
色補正部13は、圧縮部11からLPF信号LPF(JND)及び圧縮信号Comp(JND)を入力する。そして、色補正部13は、LPF信号LPF(JND)及び圧縮信号Comp(JND)に基づいて、全ての色成分におけるJND値の最大値と各色成分のJND値との間の比を保存するように、各色の圧縮信号Comp(JND)に対して色補正を行い、色補正信号Comp_color(JL)を生成する(ステップS203,S305)。色補正部13は、色補正信号Comp_color(JL)をディテール処理部14に出力する。
これにより、色補正部13において、色の彩度が保存された色補正信号Comp_color(JL)を生成することができる。
ディテール処理部14は、ディテール抽出部12からディテール信号D(JND)を入力すると共に、色補正部13から色補正信号Comp_color(JL)を入力する。そして、ディテール処理部14は、ディテール信号D(JND)に所定の関数処理を施し、関数処理の結果に色補正信号Comp_color(JL)を加算し、ディテール加算結果DO(JND)を生成する(ステップS204,S306)。
これにより、ディテール処理部14において、色の彩度が保存され、かつ質感を表すディテール成分が加えられたディテール加算結果DO(JND)が生成される。
ディテール処理部14は、HDR入力変換部10からJND信号JNDを入力し、JND信号JNDに対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp’(JND)を生成する(ステップS204,S307)。
ディテール処理部14は、ディテール加算結果DO(JND)及び圧縮信号Comp’(JND)の混合割り合いを調整し、ディテール処理後信号JNDoutを生成する(ステップS204,S308)。そして、ディテール処理部14は、ディテール処理後信号JNDoutをSDR変換出力部15に出力する。
これにより、ディテール処理部14において、質感を表すディテール成分が反映され、かつ色の彩度が保存されたディテール処理後信号JNDoutが生成される。
SDR変換出力部15は、ディテール処理部14からディテール処理後信号JNDoutを入力し、所定の対応表のテーブルを用いて、人間の感覚量であるディテール処理後信号JNDoutを、光信号の光量である輝度値Rout,Gout,Boutに変換する。
SDR変換出力部15は、圧縮部11の輝度圧縮による制限を解除するように、すなわち図18に示した入出力とは逆の関係となるように、輝度値Rout,Gout,Boutを補正して補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outを生成する。そして、SDR変換出力部15は、補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outを電気信号値に変換し、SDR映像信号を求めて出力する(ステップS205,S309)。
(HDR入力変換部10/感覚量への変換)
図4は、実施例1におけるHDR入力変換部10の処理例を示すフローチャートであり、前述のステップS201,S301の処理を示している。HDR入力変換部10が入力するHDR映像信号の各色を(r,g,b)で表す。HDR入力変換部10は、HDR映像信号の各色(r,g,b)を、人間の感覚量を表すJND信号JND(JND(Rd),JND(Gd),JND(Bd))に変換する。
例えばHDR方式がHLG(Hybrid Log Gamma:ハイブリッドログガンマ)方式である場合、後述する電気・光変換の一般式は、映像信号をv(0.0≦v≦1.0)とし、光出力をL(0.0≦L≦1.0)とすると、以下のとおりである。尚、HLG方式については、例えばITU-R BT.2100の規定を参照されたい。
[数1]
Figure 2019186855
ここで、a=0.17883277,b=0.28466892,c=0.55991073である。
HDR入力変換部10は、HDR映像信号を入力し、画素毎に、前記数式(1)の関数γを用いた以下の数式にて、HDR映像信号の各色(r,g,b)の電気信号値を光信号値(光信号の輝度値)に変換し、光信号値R,G,Bを求める(ステップS401)。
[数2]
R = γ(r)
G = γ(g) ・・・(2)
B = γ(b)
HDR入力変換部10は、光信号値R,G,Bに、予め設定されたピーク輝度Lmaxを乗算し、輝度値Rd,Gd,Bdを求める(ステップS402)
[数3]
Rd = Lmax・R
Gd = Lmax・G ・・・(3)
Bd = Lmax・B
HDR入力変換部10は、所定の対応表のテーブルを用いて、輝度値Rd,Gd,BdをJND値(JND(Rd),JND(Gd),JND(Bd))に変換する(ステップS403)。そして、HDR入力変換部10は、JND値をJND信号JNDとして圧縮部11、ディテール抽出部12及びディテール処理部14に出力する。
所定の対応表のテーブルは、DICOM規格PS3.14(Grayscale Standard Display Function)に基づくものであり、この規格に記載された輝度値とJND値との間の関係が定義されている。HDR入力変換部10により、輝度値Rd,Gd,Bdに対応するJND値がそれぞれ求められる。例えば、輝度値1003.18cd/m2はJND値811に対応する。必要に応じて内挿することにより、輝度値1000.0cd/m2がJND値810.5に変換される。
(圧縮部11及びディテール抽出部12/輝度の圧縮及びディテール信号の抽出)
図5は、実施例1における圧縮部11及びディテール抽出部12の処理例を示すフローチャートであり、前述のステップS202,S302〜S304の処理を示している。HDR入力変換部10により変換されたJND信号JNDの各色成分に対し、図5の処理が行われる。
(LPF処理(ステップS501))
圧縮部11は、HDR入力変換部10からJND信号JNDを入力し、JND信号JNDに対し所定のLPF処理を施し、LPF信号LPF(JND)を生成する(ステップS501)。そして、圧縮部11は、LPF信号LPF(JND)をディテール抽出部12に出力すると共に、色補正部13に出力する。LPF処理の詳細については、後述する図16にて説明する。
このLPF処理には、10〜100TV本程度(8Kの映像信号の場合、40〜400画素幅程度)の成分を通過域とするフィルターが必要となる。このようなフィルターを作成するには、一般に多くのタップ数を持つデジタルフィルターが必要であり、ハードウェア化の妨げとなる。
図3に示したフローチャートのとおり、LPF信号LPF(JND)は、ステップS304にて減算処理に用いられる。また、当該LPF信号LPF(JND)に基づいて生成されるディテール信号D(JND)は、ステップS306にて加算処理に用いられる。
このため、LPF処理を行うフィルターは、精密な低域通過特性を有する必要はなく、単純な加算平均及び内挿処理を行うもので十分である。映像信号の画素数をH×Vとし、フィルターがN×N画素を単位として平均を求めるものとする。
精密な低域通過特性を有するフィルターを用いる場合、各画素に対してN×Nの乗算処理及び加算処理を行うから、LPF処理の処理回数CLPF(乗算処理及び加算処理1回ずつで1とカウントする。)は、以下の数式で表される。
[数4]
LPF = N2・H・V ・・・(4)
これに対し、単純な加算平均及び内挿処理を行うフィルターを用いる場合、映像信号の全画面を、N=q2となるq×q画素からなるブロックに分け、各ブロックについて平均値を求める。この処理回数は、以下の数式で表される。
[数5]
q・q・(H/q)・(V/q)= H・V ・・・(5)
次に、q×qブロック単位(q×q画素のブロックがq×qあるので、トータルでN×N画素となる。)の平均値を求める。このときの処理回数は、前記数式(5)と同じである。さらに、これらの値を用いて各画素の内挿値を求める。各画素における計算は、取り囲む4個の値の加重平均なので、各画素あたりの処理回数は4である。この処理回数は、以下の数式にて表される。
[数6]
4・H・V ・・・(6)
加算平均及び内挿処理の処理回数Caveはこれらの合計なので、この場合のLPF処理の処理回数Caveは、以下の数式で表される。
[数7]
ave = 6・H・V ・・・(7)
このように、単純な加算平均及び内挿処理を行うフィルターを用いる場合の処理回数Cave(前記数式(7))は、精密な低域通過特性を有するフィルターを用いる場合の処理回数CLPF(前記数式(4))よりもはるかに少なくなる。したがって、圧縮部11におけるLPF処理に、単純な加算平均及び内挿処理を行うフィルターを用いることで、処理負荷を低減すると共に、処理時間を短縮することができる。
(輝度圧縮(ステップS502))
圧縮部11は、ステップS501にてLFP処理が行われたLPF信号LPF(JND)に対し、図18に示した入出力関係となるように、画素毎に輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp(JND)を生成する(ステップS502)。すなわち、圧縮部11は、LPF信号LPF(JND)を入力JNDとし、圧縮信号Comp(JND)を出力JNDとして、図18に示した入出力関係の特性となるように、LPF信号LPF(JND)の中域では、LPF信号LPF(JND)にほぼ比例する圧縮信号Comp(JND)とし、暗部及び明部の領域では、LPF信号LPF(JND)を輝度圧縮して圧縮信号Comp(JND)を生成する。そして、圧縮部11は、圧縮信号Comp(JND)を色補正部13に出力する。尚、この輝度圧縮の処理は既知である。
入力信号をXとし、この輝度圧縮の処理により生成される出力信号をComp(X)とすると、例えば以下の数式で表される。
[数8]
Figure 2019186855
図6は、パラメータJND1,JND2を説明する図である。図6に示すように、パラメータJND1は、中域における下限側の境界値であり、パラメータJND2は、中域における上限側の境界値である。
前記数式(8)において、パラメータC1〜C4は、入力信号X及び出力信号Comp(X)の最大値及び最小値、並びに前記数式(8)が連続であることを条件として、以下の数式で表される。
[数9]
Figure 2019186855
尚、図6に示すように、パラメータC1,C3は、入力信号XにおけるパラメータJND1及びJND2にそれぞれ対応する出力信号Comp(X)の値である。
(ディテール信号抽出(ステップS503))
図1及び図5に戻って、ディテール抽出部12は、HDR入力変換部10からJND信号(JND)を入力すると共に、圧縮部11からLPF信号LPF(JND)を入力する。そして、ディテール抽出部12は、画素毎に、JND信号(JND)からLPF信号LPF(JND)を減算し、減算結果をディテール信号D(JND)として抽出する(ステップS503)。ディテール抽出部12は、ディテール信号D(JND)をディテール処理部14に出力する。
映像信号の画素位置を[p]とする。HDR映像信号が8Kの映像信号の場合、7680×4320画素であるから、p=0〜(7680×4320−1)となる。画素位置pにおけるJND信号(JND)をJND[p]とし、LPF信号LPF(JND)をLPF(JND)[p]とする。ディテール信号D(JND)は、原信号とLPF出力との間の差であり、以下の数式にて表される。
[数10]
D(JND)[p] = JND[p]−LPF(JND)[p] ・・・(10)
(色補正部13/色補正)
前述のとおり、色補正部13は、圧縮部11から入力した圧縮信号Comp(JND) の各色成分に対し、LPF信号LPF(JND)の各色成分の値及びこれらの最大値を用いて、色補正の処理を行う。
以下の数式に示すように、圧縮部11から入力したLPF信号LPF(JND)の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれJR,JG,JBとする。Rd,Gd,Bdは、前記数式(3)に示したとおり、各色の輝度値である。
[数11]
R=LPF(JND(Rd))
G=LPF(JND(Gd)) ・・・(11)
B=LPF(JND(Bd))
色補正部13は、画素毎に、以下の数式のとおり、LPF信号LPF(JND)の赤色成分JR、緑色成分JG及び青色成分JBの最大値MRGBを求め、パラメータρを算出する。
[数12]
RGB=Max(JR,JG,JB) ・・・(12)
[数13]
Figure 2019186855
前記数式(13)において、JNDSDR-MaxはSDRで表示可能なJNDの最大値であり、図6に示したように、パラメータC1はパラメータJND2に対応する圧縮信号Comp(JND)の値である。
図6を参照して、前記数式(13)に示すように、最大値MRGBがパラメータJND2(中域における上限側の境界値)以上である場合、すなわちLPF信号LPF(JND)の最大値MRGBが明部の領域に存在する場合、パラメータρには、SDRの最大値JNDSDR-Max(SDRで表示可能なJNDの最大値)に対する圧縮信号Comp(MRGB)の値(最大値MRGBにおける圧縮信号の値)が設定される。一方、最大値MRGBがパラメータJND2よりも小さい場合、すなわちLPF信号LPF(JND)の最大値MRGBが中域または暗部の領域に存在する場合、パラメータρは0に設定される。このパラメータρは、明部の領域において輝度圧縮が生じる度合いを意味する。
色補正の処理においては、入出力間で各色の光の成分の比(色間の比)が等しくなるように、各色の光の成分と最大値との間の比を保存するように補正を行う。中域及び明部の領域においては、JNDは、最大値との間の比が光の成分の比とほぼ等しいため、光の成分の比の代わりにJNDの比を用いる。一方、暗部の領域においては、JNDの比と光の成分の比との間の差が大きくなるため、JNDは色補正の用途には使えない。ただし、暗部の領域では、色の彩度の低下がほぼ見え難いため、色補正は行わないものとする。
色補正部13は、画素毎に、LPF信号LPF(JND)の赤色成分JR、緑色成分JG及び青色成分JBの値、これらの最大値MRGB、圧縮信号Comp(MRGB)の値(最大値MRGBにおける圧縮信号の値)、及び、圧縮信号Comp(JND)の赤色成分JR、緑色成分JG及び青色成分JBの値Comp(JR),Comp(JG),Comp(JB)に基づいて、以下の数式にて、赤色成分JR、緑色成分JG及び青色成分JBの圧縮信号Comp-1(JND)(最大値MRGBとの比を保存する圧縮信号)を算出する。
[数14]
Comp-1(JR)=Min((JR/MRGB)・Comp(MRGB),Comp(JR))
Comp-1(JG)=Min((JG/MRGB)・Comp(MRGB),Comp(JG)) ・・・(14)
Comp-1(JB)=Min((JB/MRGB)・Comp(MRGB),Comp(JB))
前記数式(14)において、Min関数のカッコ内の左側の要素は、JNDでの当該色成分の値と最大値との間の比を保存する処理を示す。右側の要素は、色補正を行わない処理を示す。本発明者によれば、各値を調べたところ、中域及び明部の領域においては左側の要素の方が小さく、暗部の領域においては右側の要素の方が小さいことが確認された。
したがって、前記数式(14)では、暗部の領域においては、Min関数のカッコ内の右側の要素が選択され、色補正を行わないが、中域及び明部の領域においては、左側の要素が選択され、色補正が行われる。
色補正部13は、画素毎に、パラメータρに応じて、圧縮部11から入力した圧縮信号Comp(JND)(赤色成分JR、緑色成分JG及び青色成分JBの値Comp(JR),Comp(JG),Comp(JB)、すなわち無修正の値)と、前記数式(14)に示した最大値との比を保存した圧縮信号Comp-1(JND)との間の値となるように、以下の数式にて、色補正信号Comp_color(JL)を求める。そして、色補正部13は、色補正信号Comp_color(JL)をディテール処理部14に出力する。L=R,G,Bとする。
[数15]
Comp-color(JR)=(1−ρ)・Comp-1(JR)+ρ・Comp(JR)
Comp-color(JG)=(1−ρ)・Comp-1(JG)+ρ・Comp(JG) ・・・(15)
Comp-color(JB)=(1−ρ)・Comp-1(JB)+ρ・Comp(JB)
前記数式(15)は、LPF信号LPF(JND)の最大値MRGBが明部の領域に存在する場合(前記数式(13)においてパラメータρ≠0の場合)、色補正信号Comp_color(JL)は、前記数式(15)右辺の第1項(最大値との比を保存する圧縮信号)及び第2項(圧縮部11が出力した圧縮信号)を、パラメータρに応じて加算して得られる。これに対し、LPF信号LPF(JND)の最大値MRGBが中域または暗部の領域に存在する場合、すなわち各色成分のLPF信号LPF(JND)が中域または暗部の領域に存在する場合(前記数式(13)においてパラメータρ=0の場合)、色補正信号Comp_color(JL)は、前記数式(15)右辺の第1項(最大値との比を保存する圧縮信号)のみから得られる。
(ディテール処理部14/ディテール信号の加算)
図7は、実施例1におけるディテール処理部14の処理例を示すフローチャートであり、前述のステップS204,S306〜S308の処理を示している。HDR入力変換部10により変換されたJND信号JND、ディテール抽出部12により抽出されたディテール信号D(JND)及び色補正部13により色補正された色補正信号Comp_color(JL)の各色成分に対し、図7の処理が行われる。ここで、色成分JLとは、以下の数式に示すとおりLPF信号である。
[数16]
L=LPF(JND) ・・・(16)
(ディテール加算(ステップS701))
ディテール処理部14は、ディテール抽出部12からディテール信号D(JND)を入力すると共に、色補正部13から色補正信号Comp_color(JL)を入力する。そして、ディテール処理部14は、画素毎に、ディテール信号D(JND)に所定の関数処理を施してg1(D(JND))を算出する。ディテール処理部14は、関数処理の結果であるg1(D(JND))に色補正信号Comp_color(JL)を加算し、以下の数式を満たすように(加算結果がSDRで表示可能なJNDの最小値JNDSDR-Minと最大値JNDSDR-Maxとの間の値となるように)、ディテール加算結果DO(JND)を求める(ステップS701)。
[数17]
JNDSDR-Min ≦ Comp_color(JL)+g1(D(JND)) ≦ JNDSDR-Max ・・・(17)
関数g1()は、以下の数式とする。
[数18]
1(D(JND))=(1/a)−1/(a・(1+a・D(JND))) ・・・(18)
ここで、定数aは、前記数式(17)より以下の数式で与えられる。
[数19]
Figure 2019186855
前記数式(19)において、パラメータDMax,DMinは、以下の数式で定義される。
[数20]
Max=JNDHDR-Max−LPF(JND)
Min=JNDHDR-Min−LPF(JND) ・・・(20)
このように、ディテール処理部14は、以下の数式のとおり、ディテール信号D(JND)及び色補正信号Comp_color(JL)に基づいて、ディテール加算結果DO(JND)を求める。
[数21]
O(JND)=Comp_color(JL)+g1(D(JND)) ・・・(21)
(輝度圧縮(ステップS702))
ディテール処理部14は、HDR入力変換部10からJND信号JNDを入力する。そして、ディテール処理部14は、図5に示したステップS502と同様の処理にて、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp’(JND)を生成する(ステップS702)。
(ディテール調整(ステップS703))
ディテール処理部14は、ステップS701にて算出したディテール加算結果DO(JND)、及びステップS702にて算出した圧縮信号Comp’(JND)を用いて、調整係数α(0≦α≦1.0)に基づき、以下の数式にて、画素毎にディテール処理後信号JNDoutを求める(ステップS703)。
[数22]
JNDout=α・DO(JND)+(1−α)・Comp’(JND) ・・・(22)
調整係数αは、ディテール処理後信号JNDoutを求める際の、ディテール加算結果DO(JND)及び圧縮信号Comp’(JND)のうちのディテール加算結果DO(JND)の混合割り合いを示す。
尚、ディテール処理部14は、ディテール処理後信号JNDoutを求める際に、圧縮信号Comp’(JND)の代わりに、圧縮信号Comp’(JND)から求めた色補正信号Comp_color’(JND)を用いるようにしてもよい。
具体的には、ディテール処理部14は、ステップS702にて算出した圧縮信号Comp’(JND)に対し、色補正部13による色補正と同様の処理を施し、色補正信号Comp_color’(JND)を求める。そして、ディテール処理部14は、ディテール加算結果DO(JND)及び色補正信号Comp_color’(JND)を用いて、以下の数式にて、ディテール処理後信号JNDoutを求める。
[数23]
JNDout=α・DO(JND)+(1−α)・Comp_color’(JND) ・・・(23)
(SDR変換出力部15/映像信号への変換)
図8は、実施例1におけるSDR変換出力部15の処理例を示すフローチャートであり、前述のステップS205,S309の処理を示している。SDR変換出力部15は、人間の感覚量を表すディテール処理後信号JNDoutをSDR映像信号の各色に変換する。
SDR変換出力部15による図8に示す処理は、基本的にはHDR入力変換部10による図4に示した処理の逆である。しかし、圧縮部11の輝度圧縮の処理(図18に示した入出力関係となるような処理)によりその出力がJNDSDR-Max〜JNDSDR-Minに制限されたのは、SDR対応の表示装置のピーク輝度及び黒輝度がそれぞれLSDR-Max,LSDR-Minに制限されていたことによる。この制限は、後述するステップS802にて補正される。
SDR変換出力部15は、ディテール処理部14からディテール処理後信号JNDoutを入力し、所定の対応表のテーブルを用いて、画素毎に、ディテール処理後信号JNDoutである各色のJND値を、光信号の光量である輝度値Rout,Gout,Boutに変換する(ステップS801)。
所定の対応表のテーブルは、ステップS403にて使用したテーブルと同様に、DICOM規格PS3.14(Grayscale Standard Display Function)に基づいた、輝度値とJND値との間の関係が定義されたテーブルである。
SDR変換出力部15は、以下の数式にて、輝度値Rout,Gout,Boutを補正して補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outを求める(ステップS802)。
[数24]
SDR-out=(Rout−LSDR-Min)/(LSDR-Max−LSDR-Min
SDR-out=(Gout−LSDR-Min)/(LSDR-Max−LSDR-Min) ・・・(24)
SDR-out=(Bout−LSDR-Min)/(LSDR-Max−LSDR-Min
前記数式(24)において、パラメータLSDR-Min,LSDR-Maxは、それぞれSDR対応の表示装置のピーク輝度及び黒輝度である。これにより、図18に示した入出力とは逆の関係(中域ではほぼ比例し、暗部及び明部の領域では出力範囲の制限が解除される関係)となるように、輝度値Rout,Gout,Boutが補正されることで、圧縮部11の輝度圧縮による制限が解除され、補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outが得られる。
SDR変換出力部15は、補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outである光信号値を、SDR映像信号の各色の電気信号値に変換し、SDR映像信号を求める(ステップS803)。
具体的には、SDR変換出力部15は、補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outをLとし、SDR映像信号の各色の値をvとして、以下の数式を用いて、SDR映像信号を求める。
[数25]
Figure 2019186855
前記数式(25)は、ITU-BT.709の規格で定義される光・電気変換を表しており、光信号をL(0〜1)、映像信号をV(0〜1)とする。
以上のように、実施例1の映像信号変換装置1−1によれば、HDR入力変換部10は、HDR映像信号を、人間の感覚量を表すJND信号JNDに変換し、圧縮部11は、JND信号JNDにLPF処理を施してLPF信号LPF(JND)を生成し、LPF信号LPF(JND)に対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い圧縮信号Comp(JND)を生成する。
ディテール抽出部12は、JND信号JNDからLPF信号LPF(JND)を減算してディテール信号D(JND)を抽出する。これにより、微小な輝度変化により生じる質感が反映された成分がディテール信号D(JND)として抽出される。
色補正部13は、LPF信号LPF(JND)及び圧縮信号Comp(JND)に基づいて、全ての色成分におけるJND値の最大値と各色成分の値との間の比を保存するように、圧縮信号Comp(JND)に対して色補正を行い、色補正信号Comp_color(JL)を生成する。これにより、全ての色成分のJND値の最大値と各色成分の値との間の比が保存されるから、色の彩度が保存された色補正信号Comp_color(JL)が生成される。
ディテール処理部14は、ディテール信号D(JND)に所定の関数処理を施し、関数処理の結果に色補正信号Comp_color(JL)を加算してディテール加算結果DO(JND)を生成する。これにより、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存されたディテール加算結果DO(JND)が生成される。
ディテール処理部14は、JND信号JNDに対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い圧縮信号Comp’(JND)を生成する。そして、ディテール処理部14は、ディテール加算結果DO(JND)及び圧縮信号Comp’(JND)の混合割り合いを調整し、ディテール処理後信号JNDoutを生成する。これにより、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存され、さらに圧縮信号Comp’(JND)との間の混合割り合いが調整されたディテール処理後信号JNDoutが生成される。
SDR変換出力部15は、圧縮部11の輝度圧縮による制限を解除するように、すなわち図18に示した入出力とは逆の関係となるように、人間の感覚量であるディテール処理後信号JNDoutをSDR映像信号に変換する。
このように、SDR映像信号は、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存された信号となるから、白つぶれ及び黒つぶれの発生、並びに彩度の低下を抑えることができ、知覚的な画質劣化を低減することができる。したがって、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減することができる。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。実施例2では、人間の感覚量を表すJND信号を用いる実施例1とは異なり、映像信号をそのまま用いる。映像信号を用いるのは、映像信号自体が人間の感覚量と大きな相関があるからである。実施例2は、HDR映像信号をSDR信号に変換し、SDR信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、SDR信号の色補正を行って彩度を保存し、色補正後のSDR信号にディテール信号を加算し、加算後のSDR信号をSDR映像信号とする例である。
図9は、実施例2の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。図10は、実施例2の映像信号変換装置の全体処理例を示すフローチャートであり、図11は、実施例2の映像信号変換装置の全体処理例の詳細を示すフローチャートである。
この映像信号変換装置1−2は、HDR入力変換部20、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13及びディテール処理部14を備えている。
図1に示した実施例1の映像信号変換装置1−1とこの映像信号変換装置1−2とを比較すると、両映像信号変換装置1−1,1−2は、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13及びディテール処理部14を備えている点で共通する。一方、映像信号変換装置1−1は、HDR入力変換部10及びSDR変換出力部15を備えているのに対し、映像信号変換装置1−2は、HDR入力変換部10とは異なるHDR入力変換部20を備え、SDR変換出力部15を備えていない点で相違する。
HDR入力変換部20は、HDR映像信号を入力し、HDR映像信号の電気信号値を光信号の光量である輝度値に変換し、輝度値を、SDR信号に変換する(ステップS1001,S1101)。つまり、HDR入力変換部20は、HDR映像信号の出力輝度に比例した出力輝度を有するSDR信号を生成する。そして、HDR入力変換部20は、SDR信号を圧縮部11、ディテール抽出部12及びディテール処理部14に出力する。
圧縮部11は、図1に示した実施例1の圧縮部11と同様の処理を行う。圧縮部11は、HDR入力変換部20からSDR信号を入力し、SDR信号に対してLPF処理を施し、LPF信号LPF(SDR)を生成する(ステップS1002,S1102)。そして、圧縮部11は、LPF信号LPF(SDR)をディテール抽出部12及び色補正部13に出力する。
圧縮部11は、LPF信号LPF(SDR)に対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp(SDR)を生成する(ステップS1002,S1103)。そして、圧縮部11は、圧縮信号Comp(SDR)を色補正部13に出力する。
ディテール抽出部12は、図1に示した実施例1のディテール抽出部12と同様の処理を行う。ディテール抽出部12は、HDR入力変換部20からSDR信号を入力すると共に、圧縮部11からLPF信号LPF(SDR)を入力する。そして、ディテール抽出部12は、SDR信号からLPF信号LPF(SDR)を減算してディテール信号D(SDR)を抽出し(ステップS1002,S1104)、ディテール信号D(SDR)をディテール処理部14に出力する。
色補正部13は、図1に示した実施例1の色補正部13と同様の処理を行う。色補正部13は、圧縮部11からLPF信号LPF(SDR)及び圧縮信号Comp(SDR)を入力する。そして、色補正部13は、LPF信号LPF(SDR)及び圧縮信号Comp(SDR)に基づいて、全ての色成分におけるSDR信号の最大値との比を保存するように、圧縮信号Comp(SDR)の各色成分に対して色補正を行い、色補正信号Comp_color(JL)を生成する(ステップS1003,S1105)。色補正部13は、色補正信号Comp_color(JL)をディテール処理部14に出力する。
ディテール処理部14は、図1に示した実施例1のディテール処理部14と同様の処理を行う。ディテール処理部14は、ディテール抽出部12からディテール信号D(SDR)を入力すると共に、色補正部13から色補正信号Comp_color(JL)を入力する。そして、ディテール処理部14は、ディテール信号D(SDR)に所定の関数処理を施し、色補正信号Comp_color(JL)を加算し、ディテール加算結果DO(SDR)を生成する(ステップS1004,S1106)。
ディテール処理部14は、HDR入力変換部20からSDR信号を入力し、SDR信号に対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp’(SDR)を生成する(ステップS1004,S1107)。そして、ディテール処理部14は、ディテール加算結果DO(SDR)及び圧縮信号Comp’(SDR)の混合割り合いを調整し、SDR映像信号を生成し出力する(ステップS1004,S1108)。
(HDR入力変換部20/SDR信号への変換)
図12は、実施例2におけるHDR入力変換部20の処理例を示すフローチャートであり、前述のステップS1001,S1101の処理を示している。HDR入力変換部20が入力するHDR映像信号の各色を(rHDR,gHDR,bHDR)で表し、出力するSDR信号の各色を(rSDR,gSDR,bSDR)で表す。HDR入力変換部20は、HDR映像信号の各色(rHDR,gHDR,bHDR)を、SDR信号の各色(rSDR,gSDR,bSDR)にそれぞれ変換する。
HDR入力変換部20は、HDR映像信号を入力し、画素毎に、以下の数式にて、HDR映像信号の各色(rHDR,gHDR,bHDR)の電気信号値を光信号値(光信号の輝度値)に変換し、光信号値R,G,Bを求める(ステップS1201)。尚、以下の数式は、赤色の変換式であるが、緑色及び青色も同様である。
[数26]
Figure 2019186855
ここで、a=0.17883277,b=0.02372241,c=1.00429347である。
HDR入力変換部20は、以下の数式にて、光信号値R,G,BをSDRの電気信号値に変換し、SDR信号の各色(rSDR,gSDR,bSDR)を求める(ステップS1202)。そして、HDR入力変換部20は、SDR信号を圧縮部11、ディテール抽出部12及びディテール処理部14に出力する。
[数27]
Figure 2019186855
圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13及びディテール処理部14は、図1の実施例1と同様であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のように、実施例2の映像信号変換装置1−2によれば、実施例1における人間の感覚量を表すJND信号JNDの代わりに、SDR信号を用いるようにした。SDR信号は、人間の感覚量と大きな相関がある映像信号である。これにより、実施例1と同様の効果を奏する。
つまり、映像信号変換装置1−2により変換されたSDR映像信号は、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存された信号となるから、白つぶれ及び黒つぶれの発生、並びに彩度の低下を抑えることができ、知覚的な画質劣化を低減することができる。したがって、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減することができる。
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。実施例3では、実施例1において色補正を行わない。実施例3は、HDR映像信号を、人間の感覚量を表すJND信号に変換し、JND信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、JND信号にディテール信号を加算し、加算後のJND信号をSDR映像信号に変換する例である。
図13は、実施例3の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。この映像信号変換装置1−3は、HDR入力変換部10、圧縮部11、ディテール抽出部12、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15を備えている。
図1に示した実施例1の映像信号変換装置1−1とこの映像信号変換装置1−3とを比較すると、両映像信号変換装置1−1,1−3は、HDR入力変換部10、圧縮部11、ディテール抽出部12、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15を備えている点で共通する。一方、映像信号変換装置1−1は色補正部13を備えているのに対し、映像信号変換装置1−3は色補正部13を備えていない点で相違する。
HDR入力変換部10、圧縮部11、ディテール抽出部12、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15は、図1の実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
ここで、圧縮部11は、圧縮信号Comp(JND)をディテール処理部14に出力する。ディテール処理部14は、ディテール抽出部12からディテール信号D(JND)を入力すると共に、圧縮部11から圧縮信号Comp(JND)を入力し、さらにHDR入力変換部10からJND信号JNDを入力する。
以上のように、実施例3の映像信号変換装置1−3によれば、SDR映像信号は、微小な輝度変化により生じる質感が反映された信号となるから、白つぶれ及び黒つぶれの発生を抑えることができ、知覚的な画質劣化を低減することができる。したがって、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減することができる。
尚、実施例3は、実施例1において色補正を行わない例であるが、実施例3の変形例として、実施例2において色補正を行わないようにしてもよい。実施例3の変形例は、HDR映像信号をSDR信号に変換し、SDR信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、SDR信号にディテール信号を加算し、加算後のSDR信号をSDR映像信号とする例である。
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。実施例4は、人間の感覚量であるJND信号を用いる実施例1とは異なり、HDR映像信号の各色における光量の輝度値を対数に変換し、変換した対数値を用いる。輝度値を変換した対数値を用いるのは、この対数値が人間の感覚量に非常に近いからである。実施例4は、HDR映像信号の各色の輝度値を対数値に変換し、対数値である対数信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、対数信号の色補正を行って彩度を保存し、色補正後の対数値にディテール信号を加算し、加算後の対数信号をSDR映像信号に変換する例である。
実施例4の映像信号変換装置1−4は、図1に示した映像信号変換装置1−1の構成と同様に、HDR入力変換部10’、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15’を備えている。
図1に示した実施例1の映像信号変換装置1−1とこの映像信号変換装置1−4とを比較すると、両映像信号変換装置1−1,1−4は、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13及びディテール処理部14を備えている点で共通する。一方、映像信号変換装置1−1は、HDR入力変換部10及びSDR変換出力部15を備えているのに対し、映像信号変換装置1−4は、HDR入力変換部10とは異なるHDR入力変換部10’、及びSDR変換出力部15とは異なるSDR変換出力部15’を備えている点で相違する。
HDR入力変換部10’は、HDR映像信号を入力し、図4のステップS401の処理にて、HDR映像信号の各色(r,g,b)の電気信号値を光信号値に変換し、光信号値(輝度値)R,G,Bを求める。そして、HDR入力変換部10’は、図4のステップS402の処理にて、光信号値R,G,Bから輝度値Rd,Gd,Bdを求める。
HDR入力変換部10’は、図4のステップS403の処理に代えて、輝度値Rd,Gd,Bdの対数を算出し、各色の対数信号を生成する。そして、HDR入力変換部10’は、HDR映像信号の対数信号を圧縮部11、ディテール抽出部12及びディテール処理部14に出力する。
圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13及びディテール処理部14は、図1の実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
SDR変換出力部15’は、ディテール処理部14からディテール処理後信号JNDoutを入力し、図8のステップS801の処理に代えて、ディテール処理後信号JNDoutの各色について逆対数を算出し、輝度値Rout,Gout,Boutを求める。
SDR変換出力部15’は、図8のステップS802の処理にて、圧縮部11の輝度圧縮による制限を解除するように、すなわち図18に示した入出力とは逆の関係となるように、輝度値Rout,Gout,Boutを補正して補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outを生成する。そして、SDR変換出力部15’は、図8のステップS803の処理にて、補正後輝度値RSDR-out,GSDR-out,BSDR-outである光信号を電気信号値に変換し、SDR映像信号を求めて出力する。
以上のように、実施例4の映像信号変換装置1−4によれば、実施例1における人間の感覚量を表すJND信号JNDの代わりに、HDR映像信号の各色における光量の輝度値を対数に変換し、変換した対数値を用いるようにした。この対数値は、人間の感覚量に非常に近い値である。これにより、実施例1と同様の効果を奏する。
つまり、映像信号変換装置1−4により変換されたSDR映像信号は、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存された信号となるから、白つぶれ及び黒つぶれの発生、並びに彩度の低下を抑えることができ、知覚的な画質劣化を低減することができる。したがって、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減することができる。
尚、実施例4の変形例として、実施例4において、色補正を行わないようにしてもよい。実施例4の変形例は、HDR映像信号の各色の輝度値を対数値に変換し、対数値から質感が反映されたディテール信号を抽出し、対数値にディテール信号を加算し、加算後の対数値をSDR映像信号に変換する例である。
〔実施例5〕
次に、実施例5について説明する。実施例5は、人間は平均の明るさを見るという視覚特性に着目し、視覚系の働きに近くなる処理を行う例である。実施例5は、HDR映像信号を輝度値に変換し、輝度値を、人間の感覚量を表すJND信号に変換すると共に、LPF処理後の輝度値をJND信号(LPF処理後のJND信号)に変換し、JND信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、LPF処理後のJND信号の色補正を行って彩度を保存し、色補正後のJND信号にディテール信号を加算し、加算後のJND信号をSDR映像信号に変換する例である。
図14は、実施例5の映像信号変換装置の構成例を示すブロック図である。図15は、実施例5の映像信号変換装置の全体処理例の詳細を示すフローチャートである。
この映像信号変換装置1−5は、HDR入力変換部30、圧縮部31、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15を備えている。
図1に示した映像信号変換装置1−1とこの映像信号変換装置1−5とを比較すると、両映像信号変換装置1−1,1−5は、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15を備えている点で共通する。一方、映像信号変換装置1−1は、HDR入力変換部10及び圧縮部11を備えているのに対し、映像信号変換装置1−5は、HDR入力変換部10とは異なるHDR入力変換部30、及び圧縮部11とは異なる圧縮部31を備えている点で相違する。
HDR入力変換部30は、HDR映像信号を入力し、図4のステップS401,S402の処理にて、HDR映像信号の電気信号値を光信号の光量である輝度値Rd,Gd,Bdに変換する(ステップS1501)。そして、HDR入力変換部30は、輝度値Rd,Gd,Bdを圧縮部31に出力する。
HDR入力変換部30は、図4のステップS403の処理にて、輝度値Rd,Gd,Bdを、感覚量であるJND値に変換する(ステップS1502)。そして、HDR入力変換部30は、JND値をJND信号JNDとしてディテール抽出部12及びディテール処理部14に出力する。
圧縮部31は、HDR入力変換部30から輝度値Rd,Gd,Bdを入力し、図5のステップS501の処理と同様に、輝度値Rd,Gd,Bdに対してLPF処理を施し、LPF処理後の輝度値Rd,Gd,Bdを生成する(ステップS1503)。そして、圧縮部31は、図4のステップS403の処理と同様に、LPF処理後の輝度値Rd,Gd,BdをJND値に変換する(ステップS1504)。圧縮部31は、JND値をLPF信号LPF(JND)としてディテール抽出部12及び色補正部13に出力する。
圧縮部31は、図5のステップS502の処理にて、LPF信号LPF(JND)に対し、図18に示した入出力関係となるように、輝度圧縮の処理を行い、圧縮信号Comp(JND)を生成する(ステップS1505)。そして、圧縮部31は、圧縮信号Comp(JND)を色補正部13に出力する。
ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15は、図1の実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。図15において、ステップS1506〜S1511は、図3のステップS304〜S309に相当する。
ここで、色補正部13において、圧縮部31から入力した圧縮信号Comp(JND) の各色成分に対し、LPF信号LPF(JND)の赤色成分JR、緑色成分JG及び青色成分JB、並びにこれらの最大値MRGBを用いて、色補正の処理が行われる。
つまり、色補正部13は、圧縮部31から入力したLPF信号LPF(JND)(図15のステップS1504にて感覚量に変換された信号)における全ての色成分の最大値MRGBを求め、最大値MRGBとLPF信号LPF(JND)の当該色成分の値との間の比を保存するように、圧縮部31から入力した圧縮信号Comp(JND)の各色成分に対して色補正を行い、色補正信号Comp_color(JL)を生成する。
以上のように、実施例5の映像信号変換装置1−5によれば、HDR入力変換部30は、HDR映像信号を輝度値Rd,Gd,Bdに変換し、圧縮部31は、輝度値Rd,Gd,Bdに対してLPF処理を施し、LPF処理後の輝度値Rd,Gd,BdをJND値であるLPF信号LPF(JND)に変換する。このLPF信号LPF(JND)は、ディテール信号D(JND)の抽出に用いられる。
これにより、ディテール信号D(JND)は、輝度値Rd,Gd,Bdに対してLPF処理が施され、そしてJND値に変換された信号に基づいているから、視覚系に近く、かつ微小な輝度変化により生じる質感が反映された信号となる。そして、SDR映像信号は、視覚系の働きに近く、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存された信号となるから、白つぶれ及び黒つぶれの発生、並びに彩度の低下を抑えることができ、知覚的な画質劣化を低減することができる。したがって、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を低減することができる。
尚、実施例5の変形例として、実施例5において、色補正を行わないようにしてもよい。実施例5の変形例は、HDR映像信号を輝度値に変換し、輝度値を、人間の感覚量を表すJND信号に変換すると共に、LPF処理後の輝度値をJND信号(LPF処理後のJND信号)に変換し、JND信号から質感が反映されたディテール信号を抽出し、LPF処理後のJND信号にディテール信号を加算し、加算後のJND信号をSDR映像信号に変換する例である。
〔実施例6〕
次に、実施例6について説明する。実施例6は、実施例1とは異なるLPF処理を行う例である。実施例1のフィルターは、ブロック毎に単純な平均化処理を行うことから、映像の絵柄によってはブロック構造に見える可能性がある。実施例3では、このブロック歪みの問題を解決するためのフィルターを用いる。
図16は、実施例1におけるLPF処理(ステップS501)の詳細を示すフローチャートである。映像信号変換装置1−1の圧縮部11に備えたフィルターは、JND信号JNDを入力し、JND信号JNDについてq×q画素のブロックに分割する(ステップS1601)、そしてまず、q×q画素のブロック単位でJND信号JNDを平均し、q×q画素のブロック毎に平均値を求める(ステップS1602)。
次に、q×qブロック単位(q×q画素のブロックがq×qあるので、トータルでN×N画素となる。)でJND信号JNDを平均し、q×qブロック単位の平均値を求める(ステップS1603)。
さらに、q×qブロック単位の平均値を用いて、画素単位で内挿を行い、LPF信号LPF(JND)として出力する(ステップS1604)。
図17は、実施例6におけるLPF処理(ステップS501)の詳細を示すフローチャートである。映像信号変換装置1−6の圧縮部11に備えたフィルターは、JND信号JNDを入力し、JND信号JNDについてq×q画素のブロックに分割する(ステップS1701)、そしてまず、q×q画素のブロック単位でJND信号JNDを平均し、q×q画素のブロック毎に平均値を求める(ステップS1702)。
次に、q×q画素のブロック単位で、q×q画素のブロック毎に平均値に対し、帯域1/qのLPF処理を行う(ステップS1703)。さらに、ステップS1703のLPF処理の結果を用いて、画素単位で内挿を行い、LPF信号LPF(JND)として出力する(ステップS1704)。
以上のように、実施例6の映像信号変換装置1−6によれば、LPF処理を行うフィルターは、ブロック毎に単純な平均化処理を行うのではなく、ブロック毎の平均化処理に加え、帯域1/qのLPF処理を行うようにした。
これにより、映像信号変換装置1−6により変換されたSDR映像信号は、微小な輝度変化により生じる質感が反映され、かつ色の彩度が保存された信号となるから、白つぶれ及び黒つぶれの発生、並びに彩度の低下を抑えることができ、知覚的な画質劣化を低減することができることに加え、絵柄がブロック構造に見えることがない。したがって、HDR映像信号からSDR映像信号への変換に伴う画質劣化を一層低減することができる。
尚、実施例6は、実施例1において、異なるLPF処理を行うフィルターを用いるようにしたが、実施例2〜5において、異なるLPF処理を行うフィルターを用いるようにしてもよい。
本発明の実施例1〜6による映像信号変換装置1−1〜1−6は、単独の装置または基板として提供される。また、映像信号変換装置1−1〜1−6は、HDRの映像を撮影してSDR映像信号を出力するHDR用のカメラに内蔵されるようにしてもよい。
本発明の実施例1〜6による映像信号変換装置1−1〜1−6のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。映像信号変換装置1−1〜1−6は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。
映像信号変換装置1−1,1−6に備えたHDR入力変換部10、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、映像信号変換装置1−2に備えたHDR入力変換部20、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13及びディテール処理部14の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
また、映像信号変換装置1−3に備えたHDR入力変換部10、圧縮部11、ディテール抽出部12、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、映像信号変換装置1−4に備えたHDR入力変換部10’、圧縮部11、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15’の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
また、映像信号変換装置1−5に備えたHDR入力変換部30、圧縮部31、ディテール抽出部12、色補正部13、ディテール処理部14及びSDR変換出力部15の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、実施例3〜5の変形例の構成についても同様である。
これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
1 映像信号変換装置
10,20,30 HDR入力変換部
11,31 圧縮部
12 ディテール抽出部
13 色補正部
14 ディテール処理部
15 SDR変換出力部

Claims (8)

  1. HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)映像信号をSDR(Standard Dynamic Range:スタンダードダイナミックレンジ)映像信号に変換する映像信号変換装置において、
    前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、当該輝度値をJND(Just Noticeable Difference:弁別閾)信号に変換するHDR入力変換部と、
    前記HDR入力変換部により変換された前記JND信号にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、
    前記HDR入力変換部により変換された前記JND信号から、前記圧縮部により生成された前記LPF信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、
    前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により変換された前記JND信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を生成するディテール処理部と、
    前記輝度圧縮の処理に伴う出力範囲の制限を解除するように、前記ディテール処理部により生成された前記ディテール処理後信号を、前記SDR映像信号に変換するSDR変換出力部と、
    を備えたことを特徴とする映像信号変換装置。
  2. HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)映像信号をSDR(Standard Dynamic Range:スタンダードダイナミックレンジ)映像信号に変換する映像信号変換装置において、
    前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、当該輝度値をSDRの電気信号値に変換し、SDR信号を求めるHDR入力変換部と、
    前記HDR入力変換部により求められた前記SDR信号にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、
    前記HDR入力変換部により求められた前記SDR信号から、前記圧縮部により生成された前記LPF信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、
    前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により求められた前記SDR信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を前記SDR映像信号として生成するディテール処理部と、
    を備えたことを特徴とする映像信号変換装置。
  3. HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)映像信号をSDR(Standard Dynamic Range:スタンダードダイナミックレンジ)映像信号に変換する映像信号変換装置において、
    前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、前記輝度値の対数値を対数信号として求めるHDR入力変換部と、
    前記HDR入力変換部により求められた前記対数信号にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、
    前記HDR入力変換部により求められた前記対数信号から、前記圧縮部により生成された前記LPF信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、
    前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により求められた前記対数信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を生成するディテール処理部と、
    前記輝度圧縮の処理に伴う出力範囲の制限を解除するように、前記ディテール処理部により生成された前記ディテール処理後信号を、前記SDR映像信号に変換するSDR変換出力部と、
    を備えたことを特徴とする映像信号変換装置。
  4. HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)映像信号をSDR(Standard Dynamic Range:スタンダードダイナミックレンジ)映像信号に変換する映像信号変換装置において、
    前記HDR映像信号の電気信号値を光信号の輝度値に変換し、当該輝度値を第1のJND(Just Noticeable Difference:弁別閾)信号に変換するHDR入力変換部と、
    前記HDR入力変換部により変換された前記輝度値にLPF処理を施してLPF信号を生成し、当該LPF信号を第2のJND信号に変換し、当該第2のJND信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第1の圧縮信号を生成する圧縮部と、
    前記HDR入力変換部により変換された前記第1のJND信号から、前記圧縮部により変換された前記第2のJND信号を減算し、ディテール信号を抽出するディテール抽出部と、
    前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号を加算し、ディテール加算結果を生成し、前記HDR入力変換部により変換された前記第1のJND信号に対し、暗部及び明部の領域では出力範囲が制限されるように、輝度圧縮の処理を行い、第2の圧縮信号を生成し、前記ディテール加算結果及び前記第2の圧縮信号に基づいて、ディテール処理後信号を生成するディテール処理部と、
    前記輝度圧縮の処理に伴う出力範囲の制限を解除するように、前記ディテール処理部により生成された前記ディテール処理後信号を、前記SDR映像信号に変換するSDR変換出力部と、
    を備えたことを特徴とする映像信号変換装置。
  5. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の映像信号変換装置において、
    さらに、前記圧縮部により生成された前記LPF信号における全ての色成分の最大値を求め、当該最大値と前記LPF信号の各色成分の値との間の比を保存するように、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号の各色成分に対して色補正を行い、色補正信号を生成する色補正部を備え、
    前記ディテール処理部は、
    前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に前記所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記色補正部により生成された前記色補正信号を加算し、前記ディテール加算結果を生成する、ことを特徴とする映像信号変換装置。
  6. 請求項4に記載の映像信号変換装置において、
    さらに、前記圧縮部により変換された前記第2のJND信号における全ての色成分の最大値を求め、当該最大値と前記第2のJND信号の各色成分の値との間の比を保存するように、前記圧縮部により生成された前記第1の圧縮信号の各色成分に対して色補正を行い、色補正信号を生成する色補正部を備え、
    前記ディテール処理部は、
    前記ディテール抽出部により抽出された前記ディテール信号に前記所定の関数処理を施し、当該関数処理の結果に、前記色補正部により生成された前記色補正信号を加算し、前記ディテール加算結果を生成する、ことを特徴とする映像信号変換装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の映像信号変換装置において、
    前記LPF処理を行うフィルターは、
    前記LPF処理を施す信号について、所定画素のブロックに分割し、前記所定画素のブロックを単位として、前記信号の平均値を求め、所定帯域のLPF処理を行い、当該LPF処理の結果を用いて、画素単位で内挿を行い、前記LPF信号を生成する、ことを特徴とする映像信号変換装置。
  8. コンピュータを、請求項1から7までのいずれか一項に記載の映像信号変換装置として機能させるためのプログラム。
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