JP2019184847A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成不良を防止することができる、画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1は、感光体10と、帯電ローラ11と、露光装置13と、現像装置14と、転写ローラ31と、制御装置101とを備え、制御装置101は、帯電電圧を制御する帯電制御として、帯電ローラ11に印加する帯電電圧を変化させつつ転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させ、転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させたときの帯電ローラ11に発生する帯電電流を検出し、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧において帯電ローラ11に発生した帯電電流の変化点を算出し、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧と変化点に対応する帯電電流とに基づき放電開始電圧を算出する。【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置においては、感光体に帯電電圧を印可することで当該感光体の表面を帯電させ、帯電した感光体の表面を露光することで当該感光体の表面に潜像を形成し、潜像が形成された感光体の表面にトナーを付着させることで当該感光体の表面にトナー像を現像し、当該トナー像を対象物に転写させるように構成されている。このような画像形成装置においては、本来必要のない部分にトナーが付着したり筋状の画像が形成されたりといったような画像形成不良の発生を防止するために、感光体に印可する帯電電圧を適切な値に制御することが重要である。
そこで、特開2003−295540号公報(特許文献1)には、トナー像を現像するときに感光体に流れ込む電流を測定し、測定によって得られた電流値に基づき感光体の表面電位を算出することで帯電電圧を制御する技術が開示されている。また、特開平6−194933号公報(特許文献2)には、帯電部材に微小電流を流したときに発生する電圧を測定し、測定によって得られた電圧値に基づき帯電電圧を制御する技術が開示されている。
特開2003−295540号公報 特開平6−194933号公報
しかしながら、上述した従来の技術においては、トナー像を対象物に転写させるときに転写部に印可する転写電圧の値については何ら鑑みられておらず、たとえば、過剰に高い転写電圧が転写部に印可されてしまうと、帯電前における感光体の表面電位が大きく変化してしまう。特に、転写後に後続の帯電のために感光体の表面を除電するように構成されていない場合、転写電圧のばらつきによる感光体の表面電位のばらつきが顕著に現れる。したがって、感光体に印可する帯電電圧を適切な値に制御することができず、画像形成不良を防止することができないといった問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、画像形成不良を防止することができる、画像形成装置を提供することである。
本実施のある局面に従うと、画像形成装置は、感光体と、感光体との間で放電が開始する放電開始電圧に基づく帯電電圧を印加することで当該感光体の表面を帯電させる帯電部と、帯電した前記感光体の表面を露光することで当該感光体の表面に潜像を形成する露光部と、潜像が形成された感光体の表面にトナーを付着させることで当該感光体の表面にトナー像を現像する現像部と、トナー像を対象物に転写させる転写部と、帯電部に印加する帯電電圧、およびトナー像を対象物に転写させるために転写部に印加する転写電圧を制御する制御装置とを備える。制御装置は、帯電電圧を制御する帯電制御として、帯電部に印加する帯電電圧を変化させつつ転写部に印加する転写電圧を変化させ、転写部に印加する転写電圧を変化させたときの帯電部に発生する帯電電流を検出し、帯電部に印加した各帯電電圧において帯電部に発生した帯電電流の変化点を算出し、帯電部に印加した各帯電電圧と変化点に対応する帯電電流とに基づき放電開始電圧を算出する。
好ましくは、制御装置は、算出した放電開始電圧に、感光体の表面を所定電位にするための電圧を加えることで、帯電部に印加する帯電電圧を算出する。
好ましくは、制御装置は、帯電電圧として直流電圧を帯電部に印加する。
好ましくは、画像形成装置は、転写部によってトナー像が対象物に転写された後、感光体の表面が帯電部によって帯電される前に、当該感光体の表面を除電する除電部をさらに備える。
好ましくは、制御装置は、帯電部に印加した各帯電電圧と変化点に対応する帯電電流とに基づき感光体の異常を検出する。
好ましくは、制御装置は、帯電部に印加した各帯電電圧における変化点に対応する転写値として、当該変化点に対応する転写電圧と、当該転写電圧を転写部に印加したときに当該転写部に発生する転写電流とのうち、少なくともいずれか一方を算出し、算出した転写値と、算出した放電開始電圧とに基づき、転写部に印加する転写値を算出する。
好ましくは、制御装置は、帯電制御を開始する前に、所定の帯電電圧を帯電部に印加する前処理を実行する。
好ましくは、制御装置は、帯電制御を終了した後に、所定の帯電電圧を帯電部に印加する後処理を実行する。
好ましくは、制御装置は、前処理を実行する場合、転写部に発生する転写電流を所定値以下にする。
好ましくは、制御装置は、後処理を実行する場合、転写部に発生する転写電流を所定値以下にする。
本技術によれば、各帯電電圧において転写電圧を変化させたときの感光体の表面に発生する帯電電流の変化点を利用して放電開始電圧を算出するため、転写電圧がばらついたとしても、算出した放電開始電圧に基づき帯電電圧を適切な値に制御することができる。これにより、画像形成不良を防止することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 比較例に係る画像形成装置が備える画像形成部の構成を機能的に説明するための図である。 比較例に係る画像形成装置における感光体の表面電位の遷移の一例を示す図である。 第1実施形態に係る制御装置の構成を機能的に説明するための図である。 第1実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のフローチャートである。 第1実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のタイミングチャートである。 転写電流の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの一例である。 帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの一例である。 第2実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のフローチャートである。 帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの一例である。 第3実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のフローチャートである。 帯電電圧の変化に対する転写電流の変化を表すグラフの一例である。 第4実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のタイミングチャートである。 第5実施形態に係る画像形成装置の構成を機能的に説明するための図である。 比較例、第1実施形態、および第5実施形態のそれぞれに係る画像形成装置の評価結果を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一または相当する部分には同一の参照番号を付してその説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<第1実施形態>
[画像形成装置の全体構成]
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。第1実施形態に係る画像形成装置1は、いわゆるカラープリンタである。なお、画像形成装置1は、カラープリンタに限らずモノクロプリンタであってもよく、ファクシミリを加えた複合機(たとえば、MFP(Multi Functional Peripheral))であってもよい。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像を読み取るためのスキャナ20と、画像を形成するためのプリンタ25とを備える。スキャナ20は、カバー21と、用紙台22と、トレー23と、ADF(Auto Document Feeder)24とを備える。カバー21の一端は、用紙台22に固定されており、カバー21は、当該一端を支点として開閉可能に構成されている。
ユーザは、カバー21を開いて、読み取り対象である原稿などを用紙台22にセットすることができる。画像形成装置1は、原稿が用紙台22にセットされた状態でユーザの操作によるスキャン指示を受け付けると、原稿のスキャンを開始する。あるいは、画像形成装置1は、原稿がトレー23にセットされた状態でユーザの操作によるスキャン指示を受け付けると、ADF24によって1枚ずつ原稿を読み取る。
プリンタ25は、画像形成部90(具体的には、画像形成部90Y,90M,90C,90K)と、IDCセンサ19と、転写ベルト30と、カセット37A,37B,37Cと、従動ローラ38と、駆動ローラ39と、タイミングローラ40と、クリーニングユニット43と、定着器60と、制御装置101とを備える。
画像形成部90Y,90M,90C,90Kは、それぞれ、転写ベルト30に沿って転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成部90Yは、トナーボトル15Yから黄色のトナーが供給されて黄色のトナー像を形成する。画像形成部90Mは、トナーボトル15Mからマゼンタ色のトナーが供給されてマゼンタ色のトナー像を形成する。画像形成部90Cは、トナーボトル15Cからシアン色のトナーが供給されてシアン色のトナー像を形成する。画像形成部90Kは、トナーボトル15Kから黒色のトナーが供給されて黒色のトナー像を形成する。
画像形成部90Y,90M,90C,90Kは、それぞれ、回転可能に構成されている感光体10と、帯電装置12と、露光装置13と、現像装置14と、転写装置32と、クリーニング装置17とを備える。
帯電装置12は、感光体10の表面に接触または非接触で近接する帯電ローラ11を備える。制御装置101によって、帯電ローラ11に電圧が印可されることで、当該帯電ローラ11と感光体10の表面との間でコロナ放電が発生し、これにより、周りの気体分子がマイナスにイオン化し、感光体10の表面が一様にマイナスに帯電する。このような感光体の表面を帯電させる工程を、「帯電工程」ともいう。なお、帯電工程において帯電ローラ11に印可される電圧を、「帯電電圧」ともいう。また、感光体10の表面で放電が開始する電圧を、「放電開始電圧」ともいう。帯電電圧としては、直流電圧が用いられる。
露光装置13は、マイナスに帯電した感光体10の表面にレーザ光などの光を照射することで、感光体10の表面を露光する。感光体10の表面においては、光が照射された部分の電荷が消え、光が照射されなかった部分の電荷のみが残る。露光装置13は、スキャナ20によって取り込まれた画像に従って、感光体10の表面において、画像を形成する部分のみに光を照射するなどして、感光体の表面に潜像を形成する。このような感光体の表面に潜像を形成する工程を、「露光工程」ともいう。
現像装置14は、潜像が形成された感光体10の表面にマイナスの電荷を帯びたトナーを付着させる。感光体10の表面においては、露光装置13によって形成された潜像にトナーが付着することで、トナー像が現像される。たとえば、感光体10の表面においては、黄色のトナー像、マゼンタ色のトナー像、シアン色のトナー像、および黒色のトナー像が順に重ねられながら現像される。このような感光体の表面にトナー像を現像する工程を、「現像工程」ともいう。
転写装置32は、感光体10の表面に接触または非接触で近接する転写ローラ31を備える。制御装置101によって、トナーと逆極性(プラス)の電圧が転写ローラ31に印可されることで、感光体10の表面に付着するマイナスの電荷を帯びたトナーが転写ローラ31に引き寄せられる。これにより、フルカラーのトナー像が転写ベルト30に転写される。このようなトナー像を対象物に転写させる工程を、「転写工程」ともいう。なお、転写工程において転写ローラ31に印可される電圧を、「転写電圧」ともいう。
クリーニング装置17は、転写工程後の感光体10の表面にゴム状のクリーニングブレード42を押し当てることで、感光体10の表面に残留するトナーを取り除く。このような感光体の表面に残っているトナーを取り除く工程を、「クリーニング工程」ともいう。
IDCセンサ19は、転写ベルト30上に形成されるトナー像の濃度を測定する。典型的には、IDCセンサ19は、反射型フォトセンサからなる光強度センサであり、転写ベルト30の表面からの反射光強度を測定する。
転写ベルト30は、従動ローラ38と駆動ローラ39とに架けられている。駆動ローラ39は、図示しないモータに接続されており、制御装置101が当該モータを制御することによって、駆動ローラ39が回転する。転写ベルト30および従動ローラ38は、駆動ローラ39に連動して回転する。これにより、転写ベルト30上のトナー像が転写ローラ33に送られる。
カセット37A,37B,37Cのそれぞれには、異なる大きさの用紙がセットされる。用紙は、カセット37A,37B,37Cのいずれかから1枚ずつタイミングローラ40によって搬送経路41に沿って転写ローラ33に送られる。
制御装置101は、帯電装置12の帯電ローラ11に印可する電圧、および転写装置32の転写ローラ31に印加する転写電圧を制御する。
転写ローラ33への用紙の搬送タイミングは、転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラ40によって制御される。その結果、転写ベルト30上のトナー像は、用紙の適切な位置に転写される。
定着器60は、定着器60を通過する用紙を加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙に定着する。その後、用紙は、トレー48に排出される。
クリーニングユニット43は、転写ベルト30から用紙へのトナー像の転写後に転写ベルト30の表面に残留するトナーを回収する。回収されたトナーは、図示しない搬送スクリュによって搬送され、図示しない廃棄用のトナー容器に貯められる。
[画像形成装置のハードウェア構成]
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークインターフェイス104と、操作パネル105と、スキャナ20と、温度センサ70と、湿度センサ80と、画像形成部90と、記憶装置120とを含む。
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。具体的には、集積回路は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)と、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)と、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)とを含む。
制御装置101は、制御プログラム122などの各種プログラムを実行することで画像形成装置1の動作を制御する。なお、制御プログラム122には、制御装置101が後述する帯電制御を実行するときに必要となる帯電制御プログラムが含まれる。なお、帯電制御については後述する。制御装置101は、制御プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120からRAM103に制御プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
ネットワークインターフェイス104には、図示しないアンテナなどが接続されている。ネットワークインターフェイス104は、アンテナを介して、外部の通信機器との間で無線通信によってデータの送受信を行う。なお、ネットワークインターフェイス104は、有線を介して、電線や光ファイバなどの有線を介して、外部の通信機器との間で有線通信によってデータの送受信を行ってもよい。外部の通信機器には、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信端末、あるいはサーバなどが含まれる。画像形成装置1は、ネットワークインターフェイス104を介してサーバから制御プログラム122をダウンロードするように構成されてもよい。
操作パネル105は、図示しないディスプレイと図示しないタッチパネルとを含む。タッチパネルはディスプレイに貼り付けられており、画像形成装置1は、タッチパネルに対する操作を受け付ける。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクおよびSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶装置120は、画像形成装置1に内蔵されるものであってもよいし、画像形成装置1に外付けされるものであってよい。制御プログラム122は、記憶装置120に格納されるが、制御プログラム122の格納場所は記憶装置120に限らず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、および外部の通信機器(たとえば、サーバ)などに格納されていてもよい。
制御プログラム122は、単体のプログラムとして存在するものではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて存在するものであってもよい。この場合、第1実施形態における後述する帯電制御は、任意のプログラムと協働して実現される。
さらに、制御プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよいし、少なくとも1つのサーバが制御プログラム122の処理の一部を実行するいわゆるクラウドサービスのような形態で画像形成装置1が構成されてもよい。
[比較例]
第1実施形態に係る画像形成装置1が実行する帯電制御を説明する前に、図3および図4を参照しながら、比較例に係る画像形成装置において発生する問題について説明する。図3は、比較例に係る画像形成装置が備える画像形成部90aの構成を機能的に説明するための図である。
図3に示すように、画像形成部90aは、転写ベルト30aに対して接触または非接触で近接する回転可能な感光体10aを備え、感光体10aの周囲において各機能を発揮する複数の部材を有する。具体的には、画像形成部90aは、帯電ローラ11aと、露光装置13aと、現像装置14aと、転写ローラ31aと、クリーニング装置17aと、除電装置18aとを備える。
帯電ローラ11aは、図1で示された帯電ローラ11と同じ機能を有する部材であり、制御装置101によって帯電電圧が印可されることで、感光体10aの表面を一様にマイナスに帯電させる。
露光装置13aは、図1で示された露光装置13と同じ機能を有する部材であり、マイナスに帯電した感光体10の表面にレーザ光などの光を照射することで、感光体10aの表面を露光して、感光体10aの表面に潜像を形成する。
現像装置14aは、図1で示された現像装置14と同じ機能を有する部材であり、潜像が形成された感光体10aの表面にマイナスの電荷を帯びたトナーを付着させる。
転写ローラ31aは、図1で示された転写ローラ31と同じ機能を有する部材であり、制御装置101によって転写電圧が印可されることで、トナー像を対象物に転写させる。
クリーニング装置17aは、図1で示されたクリーニング装置17と同じ機能を有する部材であり、転写工程後において、感光体10aの表面に残留するトナーを取り除く。
除電装置18aは、クリーニング工程後において、感光体10aの表面にLED(Light Emitting Diode)などの発光素子の光を照射することで、感光体10aの表面に残留する電荷を取り除く。このような感光体の表面を除電する工程を、「除電工程」ともいう。
図4は、比較例に係る画像形成装置における感光体10aの表面電位の遷移の一例を示す図である。なお、図4において、横軸は感光体10aの位置を表し、縦軸は感光体10aの表面電位を紙面上向き方向をマイナス電位として表す。
図4(A)は、現像装置14aによる現像工程が完了した後(t=T1)の感光体10aの表面電位を示す。図4(A)に示すように、マイナスの電荷を帯びたトナーを付着させるための露光工程によって、画像部の電位V1は、非画像部の電位V0に比べて高くなる。
さらに感光体10aが回転すると、転写ローラ31aにより転写ベルト30aへの転写が行われる。具体的には、トナーと逆極性(プラス)の転写電圧が転写ローラ31aに印加されることで、感光体10aの表面に付着しているトナーが、転写電圧によって発生する静電引力により転写ローラ31aに引き寄せられ、転写ベルト30aにトナー像が転写される。
図4(B)は、転写ローラ31aによる転写工程が完了した後(t=T2)の感光体10aの表面電位を示す。図4(B)に示すように、転写ローラ31aにトナーと逆極性(プラス)の転写電圧が印加されることにより、画像部よりも電位の低い非画像部に主に電流が流れ込み、その電位がV2となる。この例では、V2がプラス電位である場合を示す。一方、非画像部よりも電位の高い画像部には、わずかに電流が流れ込み、その電位がV1′となる。
さらに感光体10aが回転すると、除電装置18aによる除電工程により、感光体10aの表面電位が除去される。
図4(C)は、除電装置18aによる除電工程が完了した後(t=T3)の感光体10aの表面電位を示す。図4(C)に示すように、除電工程ではマイナスの電荷のみを除去するため、プラス電位は感光体10aの表面に残留する。すなわち、画像部の電位はゼロとなる一方で、非画像部の電位は変わらない。
さらに感光体10aが回転すると、感光体10aの表面が帯電ローラ11aによる帯電工程により一様にマイナスに帯電する。
図4(D)は、帯電ローラ11aによる帯電工程が完了した後(t=T4)の感光体10aの表面電位を示す。図4(D)に示すように、帯電工程によるマイナスの帯電によって、前回の画像形成時における画像部と非画像部との電位差が残ったまま、いずれもマイナスの電位となる。
ここで、帯電工程においては、感光体10aの表面電位を目標値にするために、帯電ローラ11aに印可する帯電電圧を適切な値に制御する必要がある。感光体10aの表面電位が目標値にならない場合、画像形成不良が発生する虞がある。具体的には、現像装置14の中にはトナーとキャリアとがあり、現像工程において、トナーはプラスに帯電されたキャリアによってマイナスに帯電されて感光体10aの表面に移動する。現像工程において、非画像部は現像バイアスよりもマイナス側に大きいため、マイナスに帯電されたトナーは非画像部に基本的には移動しない。ところが、非画像部と現像バイアスとの電位差が目標値に対して小さい場合、トナーの中には弱くプラス側に帯電しているものもあるため、そのようなトナーが非画像部における感光体10aの表面に移動する場合がある。この場合、感光体10aにおいてもトナーが現像されてしまい、本来必要のない部分にトナーが付着してしまう虞がある。一方、非画像部と現像バイアスとの電位差が目標値に対して大きい場合、プラスに帯電されたキャリアが非画像部における感光体10aの表面に移動する場合がある。キャリアはトナーに比べて大きくて硬いため、感光体10aの表面にキャリアが付着してクリーニングブレード42に到達してしまうと、部分的にクリーニングブレード42を破壊してしまう虞がある。クリーニングブレード42の破壊された部分では適切にクリーニングができないため、トナーが残ってしまう。そして、残ったトナーによって、帯電ローラ31aが汚されてしまい、適切に帯電できない部分が発生することで、画像において濃い筋状のノイズが発生してしまう。
また、転写電圧の値についても考慮しないと画像形成不良が発生する虞がある。たとえば、転写工程において転写ローラ31aに印可する転写電圧の値が過剰に高い場合、プラスの電荷が感光体10aに流れ込み、やはりクリーニングブレード42の欠けなどの原因となり、筋状の画像が形成されてしまう。特に、除電工程を省略するような構成の場合、転写電圧のばらつきによる感光体の表面電位のばらつきが顕著に現れる。
さらに、たとえば、次の形成対象の画像がいわゆるベタ画像などのトナー量が一様な画像である場合、露光工程による露光は、一様な電位を印加する程度に留まる。この場合、図4(D)に示されるような画像部と非画像部との間の電位差が残ったまま現像工程により現像されることになり、形成対象の画像の中に、前回の画像が形成される事象(以下、このような事象を「転写メモリ」ともいう)が発生する。
転写メモリが発生する原因は、感光体10aに形成されたトナー像を転写する際に、転写電圧が過剰に大きくなりすぎて、画像部よりも電位の低い非画像部に多くの電流が流れ込み、その結果、図4(B)に示されるように、感光体10aにプラス電位となる領域が存在することにある。
上述した問題に鑑みて、第1実施形態に係る画像形成装置1は、帯電制御を実行することで、画像形成不良を防止するように構成されている。以下、帯電制御について具体的に説明する。
[制御装置の機能構成]
図5は、第1実施形態に係る制御装置101の構成を機能的に説明するための図である。図5に示すように、画像形成装置1は、画像形成部90と、制御装置101とを備える。画像形成部90は、転写ベルト30に対して接触または非接触で近接する回転可能な感光体10を備え、感光体10の周囲において各機能を発揮する複数の部材を有する。
具体的には、画像形成部90は、帯電ローラ11と、露光装置13と、現像装置14と、転写ローラ31と、クリーニング装置17とを備える。帯電ローラ11は、「帯電部」の一実施形態に対応する。露光装置13は、「露光部」の一実施形態に対応する。現像装置14は、「現像部」の一実施形態に対応する。転写ローラ31は、「転写部」の一実施形態に対応する。なお、第1実施形態に係る画像形成部90は、図3に示された比較例に係る画像形成部90aとは異なり、除電工程を行うための除電装置を備えていない。
制御装置101は、主な機能を発揮する機能部として、帯電電圧印可部111と、帯電電流検出部112と、転写電圧印可部113とを有する。帯電電圧印可部111は、帯電ローラ11に帯電電圧を印可するとともに当該帯電電圧の値を調整(制御)する。帯電電流検出部112は、帯電ローラ11に流れる電流(以下、このような電流を「帯電電流」ともいう)を検出する。転写電圧印可部113は、転写ローラ31に転写電圧を印可するとともに当該転写電圧の値を調整(制御)する。
[帯電制御のフロー]
制御装置101は、帯電制御を所定タイミングで実行することで、帯電ローラ11に印可する帯電電圧を制御することができる。具体的には、制御装置101は、スキャナ20によって画像が読み取られる度に、上述したような帯電工程からクリーニング工程までの各工程を実施する。このとき、制御装置101は、帯電工程において帯電ローラ11に印可する帯電電圧として、毎回同じ値を用いる。
但し、制御装置101は、温度センサ70による測定温度が前回実施した帯電工程時から5℃以上変化した場合に、帯電制御を実行することで帯電ローラ11に印可する帯電電圧を適切な値に調整する。この理由は、温度変化によって帯電ローラ11の抵抗が変化し、感光体10の帯電特性が変化するためである。たとえば、温度が上がると、放電開始電圧が低下するため、それに伴って帯電電圧も適切な値に調整する必要がある。
あるいは、制御装置101は、現像枚数が所定枚数(たとえば、2000枚)を超えるごとに、帯電制御を実行することで帯電ローラ11に印可する帯電電圧を適切な値に調整する。この理由は、現像枚数が増えれば増えるほど、感光体10の膜厚が変化し、感光体10の帯電特性が変化するためである。
なお、帯電制御を実行する所定タイミングは、上述したタイミングに限らず、制御装置101は、たとえば、感光体10の帯電特性が変化するタイミングであればいずれのタイミングで帯電制御を実行してもよい。
図6は、第1実施形態に係る制御装置101が実行する帯電制御のフローチャートである。図6に示すように、制御装置101は、所定値の帯電電圧を帯電ローラ11に印可する(S1)。制御装置101は、S1において帯電された感光体10の表面が転写ローラ31に到達したときに、所定値の転写電圧を転写ローラ31に印可する(S2)。
制御装置101は、S2において転写された感光体10の表面が再び帯電ローラ11に到達したときに、帯電ローラ11に流れる帯電電流を検出する(S3)。制御装置101は、転写電流の値が予め決められた閾値a以上であるか否かを判定する(S4)。
制御装置101は、転写電流の値が閾値a以上でない場合(S4でNO)、転写電圧を変更する(S5)。なお、転写電圧を変更すると、転写ローラ31に発生する転写電流が変化するため、S5は、転写電流を変更する処理であるともいえる。その後、制御装置101は、S3において帯電電流が検出された感光体10の表面が再び転写ローラ31に到達したときに、S5で変更した転写電圧を転写ローラ31に印可し(S2)、S3以降の処理を再び実行する。
一方、制御装置101は、転写電流の値が閾値a以上である場合(S4でYES)、帯電電圧を変更する(S6)。制御装置101は、変更後の帯電電圧が閾値b以上であるか否かを判定する(S7)。制御装置101は、変更後の帯電電圧が閾値b以上でない場合(S7でNO)、感光体10の表面が再び帯電ローラ11に到達したときに、S7で変更した帯電電圧を帯電ローラ11に印可し(S1)、S2以降の処理を再び実行する。
このように、制御装置101は、S6の処理で帯電ローラ11に印加する帯電電圧を変化させつつ、S5の処理で転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させ、転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させたときの感光体10の表面に発生する帯電電流をS3の処理で検出する。
ここで、図7は、第1実施形態に係る制御装置101が実行する帯電制御のタイミングチャートである。なお、図7において、横軸は時間を表し、縦軸は帯電電圧のONまたはOFFと転写電流の値とを表す。
図7に示すように、t1において、所定値の帯電電圧が帯電ローラ11に印加される。この帯電電圧は転写電圧の変更に伴う転写電流の検出が全て終了するまで固定的に、かつ継続的に印可される。t2において、帯電された感光体10の表面が転写ローラ31に到達すると、所定値の転写電圧が転写ローラ31に印可される。これにより、転写ローラ31にI1の転写電流が発生する。
その後、t3において、転写された感光体10の表面が再び帯電ローラ11に到達すると、帯電電流が検出される。そして、帯電電圧を固定にしたまま転写電圧が変更されることで、転写ローラ31にI2の転写電流が発生する。その後、t4において、転写された感光体10の表面が再び帯電ローラ11に到達すると、帯電電流が検出される。そして、帯電電圧を固定にしたまま転写電圧が変更されることで、転写ローラ31にI3の転写電流が発生する。
このように、所定値の帯電電圧が帯電ローラ11に印加された後、帯電電圧の値を固定した状態で転写電圧が変更され、それによって転写ローラ31に発生する転写電流が変化する。制御装置101は、転写電圧の値を変更する度に、変化後の転写電流を検出する。なお、検出された転写電流の値は、たとえばRAM103などの記憶領域に記憶される。
転写電流がI5にまで変化すると、一旦、t7で転写電圧の印可が停止するとともに、t8で帯電電圧の印可が停止する。その後は、帯電電圧の値が変更された状態で、再びt1〜t8で示されたように転写電圧の値を変更しながら変化後の転写電流が検出される。
図6に戻り、制御装置101は、変更後の帯電電圧が閾値b以上である場合(S7でYES)、各帯電電圧における転写電流に対する帯電電流の変化点を算出する(S8)。
ここで、図8は、転写電流の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの一例である。制御装置101は、各帯電電圧ごとに、転写電流を変化した場合における帯電電流の変化特性を、図8に示すようにグラフにまとめる。なお、図8において、横軸は転写電流を表し、縦軸は帯電電流を表す。図中においては、帯電電圧が−800V、−1000V、および−1200Vのそれぞれの場合における転写電流の変化に対する帯電電流の変化を表す。
この例においては、プロセス速度を166mm/s、感光体10の膜厚を15μm、温度を25度、湿度を65%の状況下で帯電制御を実行した。そして、各帯電電圧における転写電流を5μm、10μm、15μA、20μA、25μA、および30μAの順に変更した。
図8に示すように、転写電流が大きくなるに従って、帯電電流はほぼ線形に増加する。但し、帯電電流が所定の臨界値(以下では、これを変化点ともいう)を超えた後の傾きは、帯電電流が臨界値を超える前の傾きよりも小さい。
制御装置101は、帯電電圧が−800Vの場合における転写電流の変化に対する帯電電流の変化において、変化特性が変化する変化点として変化点a(12.2μA)を算出する。また、制御装置101は、帯電電圧が−1000Vの場合における転写電流の変化に対する帯電電流の変化において、変化特性が変化する変化点として変化点b(19.8μA)を算出する。さらに、制御装置101は、帯電電圧が−1200Vの場合における転写電流の変化に対する帯電電流の変化において、変化特性が変化する変化点として変化点c(26.7μA)を算出する。
ここで、図8に示すように変化特性が変化する理由としては以下が考えられる。すなわち、帯電電圧を固定にした状態で転写電圧を大きく変化させた場合、転写電流も大きく変化する。転写電流が大きくなればなるほど、感光体10の表面に流れ込むプラスの電荷量も大きくなる。その後、転写工程において感光体10の表面に流れ込むプラスの電荷によって打ち消されたマイナスの電荷量を補うように、帯電電圧が印可されることでマイナスの電荷が感光体10の表面に流れ込む。転写電圧がある程度小さいうちは、印可された帯電電圧の値でも十分にマイナスの電荷量を補うことができる。しかし、やがて変化点に対応する転写電圧よりも大きい転写電圧が印可されるようになると、転写工程において感光体10の表面に流れ込むプラスの電荷量が大きくなるため、帯電電圧の印可によって補われるマイナスの電荷量が限界になる。これにより、変化点後においては、変化点前よりも、変化特性の傾きが小さくなる。
図6に戻り、制御装置101は、各帯電電圧とS8で算出した変化点とに基づき放電開始電圧を算出する(S9)。
ここで、図9は、帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの一例である。制御装置101は、各帯電電圧ごとに算出した変化点に対応する帯電電流を、図9に示すようにグラフにまとめる。なお、図9において、横軸は帯電電圧を表し、縦軸は帯電電流を表す。
制御装置101は、図9に示すグラフにおいて、帯電電流の値が0であるときの帯電電圧を算出し、算出した帯電電圧を放電開始電圧とする。この例では、制御装置101は、放電開始電圧として−448Vを算出した。
図6に戻り、制御装置101は、S9で算出した放電開始電圧と、目標とする感光体表面電位とに基づき、調整後の帯電電圧を算出する(S10)。たとえば、目標とする感光体表面電位が−500Vである場合、制御装置101は、放電開始電圧(−448V)に目標とする感光体表面電位(−500V)を加算した−948Vを、調整後の帯電電圧として算出する。その後、制御装置101は、帯電制御を終了する。
以上のように、第1実施形態に係る画像形成装置1によれば、制御装置101は、帯電制御として、帯電ローラ11に印加する帯電電圧を変化させつつ転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させる。制御装置101は、転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させたときの帯電ローラ11に発生する帯電電流を検出し、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧において帯電ローラ11に発生した帯電電流の変化点を算出する。制御装置101は、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧と変化点に対応する帯電電流とに基づき放電開始電圧を算出する。
これにより、転写電圧の値を考慮しながら最適な放電開始電圧を算出することができ、感光体10に印可する帯電電圧を適切な値に制御することができるため、画像形成不良を防止することができる。また、図4(B)に示したように転写工程後において画像部と非画像部との電位差が残ったまま、次回の画像形成のための帯電工程が行われたとしても、帯電電圧を適切な値に制御することで、画像部と非画像部との電位差を概ね無視できる値にまで無くすことができ、転写メモリの発生を防止することができる。したがって、除電工程のためのLEDなどの構成を必ずしも備える必要が無く、コストを抑えることができたり、省スペース化を実現することができたりする。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。第2実施形態に係る画像形成装置は、帯電制御において、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧と変化点に対応する帯電電流とに基づき、感光体10の異常(感光体10の膜厚異常)を検出するように構成されている点で、上述した実施の形態に係る画像形成装置と異なる。なお、第2実施形態においては、上述した実施の形態に係る画像形成装置が備える構成と同様の構成および処理には、同一の符号を付し、それらの説明は繰り返さない。
図10は、第2実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のフローチャートである。図10に示すように、制御装置101は、帯電ローラ11に印加する帯電電圧を変化させつつ転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させ、転写電圧を変化させたときの帯電ローラ11に発生する帯電電流を検出し、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧において帯電ローラ11に発生した帯電電流の変化点を算出した後(S1〜S8)、各帯電電圧に対する変化点の傾きを算出する(S101)。
ここで、図11は、帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの一例である。なお、図11において、横軸は帯電電圧を表し、縦軸は帯電電流を表す。図中においては、感光体10の膜厚が15μm、および30μmのそれぞれの場合における帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表す。
図11に示すように、感光体10の膜厚が15μmの場合には、感光体10の膜厚が30μmの場合よりも、帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの傾きが小さくなる。具体的には、感光体10の膜厚が15μmの場合には、グラフの傾きが0.016であり、感光体10の膜厚が30μmの場合には、グラフの傾きが0.035である。つまり、感光体10の膜厚が小さければ小さいほど、帯電電圧の変化に対する帯電電流の変化を表すグラフの傾きが小さくなる。
そこで、制御装置101は、S101の処理において、図11に示すグラフに基づき、各帯電電圧に対する変化点の傾きを算出することで、感光体10の膜厚を予想する。そして、その後の処理において、制御装置101は、算出した傾きが予め決められた閾値c以上であるか否かを判定する(S102)。たとえば、感光体10の膜厚が15μmを下回ると感光体10が寿命である場合、閾値cを0.016に設定すればよい。
制御装置101は、算出した傾きが閾値c以上である場合(S102でYES)、感光体10の膜厚がある程度の厚さを有するため、感光体10が異常でないと判断して、そのまま帯電制御を終了する。一方、制御装置101は、算出した傾きが閾値c以上でない場合(S102でNO)、感光体10の膜厚が最低基準に満たないため、感光体10が異常であると判断して、画像形成部90の動作を停止し、異常を報知する(S103)。その後、制御装置101は、帯電制御を終了する。
このように、第2実施形態に係る画像形成装置によれば、制御装置101は、帯電制御において、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧と変化点に対応する帯電電流とに基づき、感光体10の異常(感光体10の膜厚異常)を検出する。制御装置101は、感光体10に異常がある場合、画像形成部90の動作を停止するとともに異常を報知する。これにより、帯電制御によって帯電電圧を適切な値に制御しながら、感光体10の異常を検出することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。第3実施形態に係る画像形成装置は、帯電制御において、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧における変化点に対応する転写電流を算出し、算出した転写電流と、算出した放電開始電圧とに基づき、転写ローラ31に印加する転写電流を算出するように構成されている点で、上述した実施の形態に係る画像形成装置と異なる。なお、第3実施形態においては、上述した実施の形態に係る画像形成装置が備える構成と同様の構成および処理には、同一の符号を付し、それらの説明は繰り返さない。
図12は、第3実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のフローチャートである。図12に示すように、制御装置101は、帯電ローラ11に印加する帯電電圧を変化させつつ転写ローラ31に印加する転写電圧を変化させ、転写電圧を変化させたときの帯電ローラ11に発生する帯電電流を検出し、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧において帯電ローラ11に発生した帯電電流の変化点を算出した後(S1〜S8)、変化点に対応する転写電流を算出する(S201)。
次に、制御装置101は、放電開始電圧および調整後帯電電圧を算出した後(S9,S10)、帯電電圧と変化点に対応する転写電流との関係式を求める(S202)。
ここで、図13は、帯電電圧の変化に対する転写電流の変化を表すグラフの一例である。なお、図13において、横軸は帯電電圧を表し、縦軸は転写電流を表す。図中においては、感光体10の膜厚が15μmの場合における帯電電圧の変化に対する転写電流の変化を表す。
制御装置101は、S202の処理において、帯電電圧と変化点に対応する転写電流との関係式を求め、図13に示すように当該関係式をグラフに表わす。そして、制御装置101は、図13に示すグラフに基づき、調整後の帯電電圧と関係式とに基づき、調整後の転写電流を算出する(S203)。たとえば、図13に示すように、帯電制御によって、調整後の帯電電圧として−948Vを算出した場合、当該調整後の帯電電圧に対応する転写電流は、−18.7μmとなる。その後、制御装置101は、帯電制御を終了する。
このように、第3実施形態に係る画像形成装置によれば、制御装置101は、帯電制御において、帯電ローラ11に印加した各帯電電圧における変化点に対応する転写電流を算出し、算出した転写電流と、算出した調整後の帯電電圧(なお、調整後の帯電電圧は、S10において、放電開始電圧に基づき算出される)とに基づき、転写ローラ31に印加する転写電流を算出する。以降の処理においては、算出した転写電流を転写ローラ31に印可するか、あるいは算出した転写電流の値から所定値を減算した値の転写電流を転写ローラ31に印可すればよい。これにより、転写工程において転写ローラ31に印加する転写電流を最適な値に制御することができるため、画像部と非画像部との電位差を概ね無視できる値にまで無くすことができ、転写メモリの発生を防止することができる。
なお、第3実施形態においては、制御装置101は、各帯電電圧における変化点に対応する転写電流を算出していたが、これに限らず、各帯電電圧における変化点に対応する転写電圧を算出してもよい。そして、制御装置101は、算出した転写電圧と、算出した調整後の帯電電圧(なお、調整後の帯電電圧は、S10において、放電開始電圧に基づき算出される)とに基づき、転写ローラ31に印加する転写電圧を算出してもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る画像形成装置について説明する。第4実施形態に係る画像形成装置は、帯電制御の前処理および帯電制御の後処理として、所定値の帯電電圧を、帯電ローラ11に所定期間印加するように構成されている点で、上述した実施の形態に係る画像形成装置と異なる。なお、第4実施形態においては、上述した実施の形態に係る画像形成装置が備える構成と同様の構成および処理には、同一の符号を付し、それらの説明は繰り返さない。
図14は、第4実施形態に係る制御装置が実行する帯電制御のタイミングチャートである。なお、図14において、横軸は時間を表し、縦軸は帯電電圧のONまたはOFFと転写電流の値とを表す。
図14に示すように、帯電制御はt1〜t8に亘って行われるが、t1よりも前の期間であるt0〜t1の期間において、前処理として所定値の帯電電圧が帯電ローラ11に印加される。具体的には、プロセス速度を166mm/s、感光体10の径を30Φとした場合、感光体10が3回転する約2秒間、−1200Vの帯電電圧が帯電ローラ11に印加される。
このような前処理により、帯電制御の前において、何らかの不具合により感光体10の表面電位が均一でない場合であっても、帯電制御の前に感光体10の表面電位を均一にすることができる。これにより、帯電制御を正確に行うことができる。
また、図14に示すように、帯電制御はt1〜t8に亘って行われるが、t8よりも後の期間であるt8〜t9の期間において、後処理として所定値の帯電電圧が帯電ローラ11に印加される。具体的には、帯電制御において最後の転写電圧を印可した後、帯電電圧をそのまま印可した状態で感光体10を約2秒間で3回転させる。
このような後処理により、感光体10の表面に残留するプラス電荷が自然放電によって除去され、感光体10の表面を通常の表面電位(印刷可能な実使用状態の電位)に帯電させることができる。これにより、その後の工程においてスムーズに画像形成を行うことができる。
なお、上述した前処理や後処理の実行中においては、転写ローラ31に発生する転写電流を所定値以下(たとえば、5μA以下)にすれば、転写電流の流れ込みによる感光体10の表面電位の低下を微小にすることができる。したがって、感光体10の表面電位をより均一にすることができる。
なお、第4実施形態に係る画像形成装置において、制御装置101は、前処理および後処理の両方を実行するものに限らず、前処理および後処理の少なくともいずれか一方のみを実行してもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る画像形成装置について説明する。第5実施形態に係る画像形成装置は、除電工程を行うように構成されている点で、上述した実施の形態に係る画像形成装置と異なる。なお、第5実施形態においては、上述した実施の形態に係る画像形成装置が備える構成と同様の構成および処理には、同一の符号を付し、それらの説明は繰り返さない。
図15は、第5実施形態に係る画像形成装置の構成を機能的に説明するための図である。図15に示すように、第5実施形態に係る画像形成部90bは、除電装置18を備える。除電装置18は、クリーニング工程後において、感光体10の表面にLEDなどの発光素子の光を照射することで、感光体10の表面に残留する電荷を取り除く。なお、除電装置18は、「除電部」の一実施形態に対応する。
上述したように、本実施の形態に係る画像形成装置は、帯電制御を行うことで感光体10に印可する帯電電圧を適切な値に制御することができるため、画像形成不良を防止したり、転写メモリの発生を防止したりすることができる。したがって、除電工程を省略することができるが、除電装置18による除電工程をさらに行えば、転写電圧のばらつきによる感光体の表面電位のばらつきをより抑えることができる。
<評価結果の一例>
次に、比較例、第1実施形態、および第5実施形態のそれぞれに係る画像形成装置の評価結果について説明する。図16は、比較例、第1実施形態、および第5実施形態のそれぞれに係る画像形成装置の評価結果を示す図である。
なお、図16に示すように、比較例Aは、帯電制御の実行なし、かつ除電工程の実行なしの場合の例である。比較例Bは、帯電制御の実行なし、かつ除電工程の実行ありの場合の例である。第1実施形態は、帯電制御の実行あり、かつ除電工程の実行なしの場合の例である。第5実施形態は、帯電制御の実行あり、かつ除電工程の実行ありの場合の例である。また、この例では、5000枚を連続して印刷するにあたって、帯電制御を実行する例においては500枚に1回の頻度で帯電制御を行った。
図16に示すように、帯電制御が実行されない比較例Aおよび比較例Bにおいては、除電工程が実行されない比較例Aでは筋状の画像が現れる一方で、除電工程が実行される比較例Bでは筋状の画像が現れなかった。しかし、比較例Aおよび比較例Bのいずれにおいても、本来必要のない部分にトナーが付着してしまう、所謂「かぶり」が顕著に現れた。これに対して、帯電制御が実行される第1実施形態および第5実施形態においては、除電工程が実行されるか否かに関わらず、筋状の画像が現れることもないし、所謂「かぶり」が現れることもなかった。
このように、帯電制御を実行することで、特に除電工程を行うことなく、画像形成不良の発生を防止することができる。
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合せても、実施することが意図される。
1 画像形成装置、10,10a 感光体、11,11a 帯電ローラ、12 帯電装置、13,13a 露光装置、14,14a 現像装置、15C,15K,15M,15Y トナーボトル、17,17a クリーニング装置、18,18a 除電装置、19 センサ、20 スキャナ、21 カバー、22 用紙台、23,48 トレー、25 プリンタ、30,30a 転写ベルト、31,31a,33 転写ローラ、32 転写装置37A,37B,37C カセット、38 従動ローラ、39 駆動ローラ、40 タイミングローラ、41 搬送経路、42 クリーニングブレード、43 クリーニングユニット、60 定着器、70 温度センサ、80 湿度センサ、90,90C,90K,90M,90Y,90a,90b 画像形成部、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 ネットワークインターフェイス、105 操作パネル、111 帯電電圧印可部、112 帯電電流検出部、113 転写電圧印可部、120 記憶装置、122 制御プログラム。

Claims (10)

  1. 感光体と、
    前記感光体との間で放電が開始する放電開始電圧に基づく帯電電圧を印加することで当該感光体の表面を帯電させる帯電部と、
    帯電した前記感光体の表面を露光することで当該感光体の表面に潜像を形成する露光部と、
    前記潜像が形成された前記感光体の表面にトナーを付着させることで当該感光体の表面にトナー像を現像する現像部と、
    前記トナー像を対象物に転写させる転写部と、
    前記帯電部に印加する前記帯電電圧、および前記トナー像を対象物に転写させるために前記転写部に印加する転写電圧を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記帯電電圧を制御する帯電制御として、
    前記帯電部に印加する前記帯電電圧を変化させつつ前記転写部に印加する前記転写電圧を変化させ、
    前記転写部に印加する前記転写電圧を変化させたときの前記帯電部に発生する帯電電流を検出し、
    前記帯電部に印加した各前記帯電電圧において前記帯電部に発生した前記帯電電流の変化点を算出し、
    前記帯電部に印加した各前記帯電電圧と前記変化点に対応する前記帯電電流とに基づき前記放電開始電圧を算出する、画像形成装置。
  2. 前記制御装置は、算出した前記放電開始電圧に、前記感光体の表面を所定電位にするための電圧を加えることで、前記帯電部に印加する前記帯電電圧を算出する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御装置は、前記帯電電圧として直流電圧を前記帯電部に印加する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写部によって前記トナー像が前記対象物に転写された後、前記感光体の表面が前記帯電部によって帯電される前に、当該感光体の表面を除電する除電部をさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御装置は、前記帯電部に印加した各前記帯電電圧と前記変化点に対応する前記帯電電流とに基づき前記感光体の異常を検出する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記帯電部に印加した各前記帯電電圧における前記変化点に対応する転写値として、当該変化点に対応する前記転写電圧と、当該転写電圧を前記転写部に印加したときに当該転写部に発生する転写電流とのうち、少なくともいずれか一方を算出し、
    算出した前記転写値と、算出した前記放電開始電圧とに基づき、前記転写部に印加する前記転写値を算出する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御装置は、前記帯電制御を開始する前に、所定の前記帯電電圧を前記帯電部に印加する前処理を実行する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御装置は、前記帯電制御を終了した後に、所定の前記帯電電圧を前記帯電部に印加する後処理を実行する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御装置は、前記前処理を実行する場合、前記転写部に発生する転写電流を所定値以下にする、請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御装置は、前記後処理を実行する場合、前記転写部に発生する転写電流を所定値以下にする、請求項8に記載の画像形成装置。
JP2018076175A 2018-04-11 2018-04-11 画像形成装置 Pending JP2019184847A (ja)

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