JP2019183778A - 対向ピストン内燃機関 - Google Patents

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Eiichi Kamiyama
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Abstract

【課題】ロッドに作用する慣性力に伴うロッドの撓みやクランクシャフトへの径方向の力を低減する。【解決手段】対向ピストン内燃機関1は、一つのシリンダ21内に二つのピストン11が設けられると共にこれらピストンが互いに対して対称的に往復運動するように構成される。内燃機関は、各ピストンに連結された2つのクランクシャフト3と、これら2つのクランクシャフトを互いに同期して回転するように連結する回転同期機構70とを備える。回転同期機構70は、両クランクシャフトの連結された2つの連結ロッド71、76と、両連結ロッドに連結されると共に回転錘95を有する中間軸組立体90とを備える。中間軸組立体は、回転錘が両クランクシャフトの回転に同期して回転するように、両連結ロッドに連結される。【選択図】図1

Description

本発明は、対向ピストン内燃機関に関する。
従来から、一つのシリンダ内に二つのピストンを設けると共に、これらピストンが互いに対して対称的に往復運動するように構成された対向ピストン内燃機関が知られている(例えば、特許文献1)。
斯かる対向ピストン内燃機関では、各ピストンにコンロッドを介して一つのクランクシャフトが連結される。したがって、一つのシリンダの両側に一つずつクランクシャフトが設けられることになる。そして、一つのシリンダ内のピストンを互いに対称的に往復運動させるためには、これら二つのクランクシャフトを同期して回転させることが必要になる。
このため、特許文献1に記載の対向ピストン内燃機関では、二つのクランクシャフトの間にこれら二つのクランクシャフトを同期して回転させる回転同期機構を設けることが提案されている。斯かる回転同期機構は、例えば、各クランクシャフトにクランク軸線から偏心した軸線回りで回転可能に連結された二つのロッドを備え、これらロッドにより二つのクランクシャフトが同期して回転せしめられる。
特表2011−517333号公報
特許文献1に記載の対向ピストン内燃機関では、回転同期機構として用いられる二つのロッドはクランク軸線回りに90°の角度間隔でクランクシャフトに結合される。このため、二つのロッドは180°の角度間隔でクランクシャフトに結合されないことから、これらロッドに作用する慣性力は二つのロッド間で打ち消し合わず、よってクランクシャフトにはロッドの慣性力に伴う力が径方向に作用する。加えて、ロッドに作用する慣性力によりロッドに撓みが生じる。
このようにロッドに作用する慣性力によって、クランクシャフトに径方向の力が作用したりロッドに撓みが生じたりすると、ロッドによるクランクシャフトの回転同期を円滑にできなくなり、不用な出力の損失を生じる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ロッドに作用する慣性力に伴うロッドの撓みやクランクシャフトへの径方向の力を低減してクランクシャフトの回転同期を円滑にすることができる対向ピストン内燃機関を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)一つのシリンダ内に二つのピストンが設けられると共にこれらピストンが互いに対して対称的に往復運動するように構成された対向ピストン内燃機関であって、一方のピストンに連結された第1クランクシャフトと、他方のピストンに連結された第2クランクシャフトと、これら第1クランクシャフトと第2クランクシャフトとを互いに同期して回転するように連結する回転同期機構とを備え、前記回転同期機構は、各クランクシャフトにクランク軸線から偏心した軸線回りで回転可能に連結された第1連結ロッドと、各クランクシャフトにクランク軸線から偏心した軸線回りで回転可能に連結されると共に前記第1連結ロッドとはクランク軸線回りに180°以外の角度間隔で各クランクシャフトに回転可能に連結された第2連結ロッドと、前記第1連結ロッド及び前記第2連結ロッドに連結されると共に回転錘を有する中間軸組立体とを備え、前記中間軸組立体は、前記回転錘が両クランクシャフトの回転に同期して回転するように、両クランクシャフトへの連結箇所の間において前記第1連結ロッドに連結されると共に、両クランクシャフトへの連結箇所の間において前記第2連結ロッドに連結される、対向ピストン内燃機関。
本発明によれば、ロッドに作用する慣性力に伴うロッドの撓みやクランクシャフトへの径方向の力を低減してクランクシャフトの回転同期を円滑にすることができる対向ピストン内燃機関が提供される。
図1は、一つの実施形態に係る対向ピストン内燃機関を前方から見た部分断面斜視図である。 図2は、一つの実施形態に係る対向ピストン内燃機関を後方から見た部分断面斜視図である。 図3は、本実施形態に係る対向ピストン内燃機関の部分断面平面図である。 図4は、前方カバーを外した状態で対向ピストン内燃機関を前方から見た斜視図である。 図5は、後方カバーを外した状態で対向ピストン内燃機関を後方から見た斜視図である。 図6は、前方カバーを付した状態で対向ピストン内燃機関を前方から見た斜視図である。 図7は、後方カバーを付した状態で対向ピストン内燃機関を後方から見た斜視図である。 図8は、中間部材の平面図である。 図9は、中間軸組立体の平面図である。 図10は、対向ピストン内燃機関を前方から見た部分断面斜視図である。 図11は、対向ピストン内燃機関を前方から見た部分断面斜視図である。 図12は、対向ピストン内燃機関を前方から見た部分断面斜視図である。 図13は、対向ピストン内燃機関を前方から見た部分断面斜視図である。 図14は、回転同期機構の構成を概略的に示した図である。 図15は、変形例に係る対向ピストン内燃機関を前方から見た、図4と同様な斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<対向ピストン内燃機関の構成>
以下、図1〜図7を参照して、本実施形態に係る対向ピストン内燃機関(以下、単に「内燃機関」ともいう)1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る内燃機関1を前方から見た部分断面斜視図である。図2は、本実施形態に係る内燃機関1を後方から見た部分断面斜視図である。図1はシリンダブロック及びクランクケースの上方半分が削除された状態の断面図であり、図2は、シリンダブロック及びクランクケースの1/4が削除された状態の断面図である。また、図3は、本実施形態に係る内燃機関1の部分断面平面図である。
図4は、前方カバーを外した状態で内燃機関1を前方から見た斜視図であり、図5は、後方カバーを外した状態で内燃機関1を後方から見た斜視図である。さらに、図6は、前方カバーを付した状態で内燃機関1を前方から見た斜視図であり、図7は、後方カバーを付した状態で内燃機関1を後方から見た斜視図である。
なお、本明細書では、クランクシャフトの回転軸線(以下、「クランク軸線」という)方向及びシリンダの軸線(以下、「シリンダ軸線」という)方向に垂直な方向を、対向ピストン内燃機関の上下方向又は高さ方向と称する。また、上下方向における長さを高さと称する。ただし、対向ピストン内燃機関は、必ずしもクランク軸線S及びシリンダ軸線Cが水平に延びるように配置される必要はなく、例えばクランク軸線Sが鉛直方向に延びるように、又はシリンダ軸線Cが鉛直方向に延びるように配置されてもよい。
図1〜図7に示したように、内燃機関1は、一つのシリンダブロック2、二つのピストン11、二つのコンロッド13、二つのクランクシャフト3、二つのクランクケース4を備える。
≪シリンダブロック≫
シリンダブロック2は、鋳鉄及びアルミ合金等の金属で形成される。シリンダブロック2は、その内部に、二つのピストン11を収容するシリンダ21と、シリンダ21の壁の一部に形成された張出室22とを備えるように形成される。
シリンダ21は、シリンダ21内を二つのピストン11が往復運動することができるように形成される。また、シリンダ21は、その軸線方向の長さが各ピストンの行程長さの2倍よりも長くなるように形成される。また、シリンダ21の周りにはシリンダ21の周方向に延びる複数の冷却水路23が形成される。冷却水路23には、内燃機関1を冷却するための冷却水が流れる。
張出室22は、シリンダ21の内面からシリンダ21の径方向(すなわち、シリンダ軸線Cに垂直な方向)に延びる空間である。特に、本実施形態では、張出室22は、シリンダ21の内壁面からクランク軸線Sと同一方向に張り出すように形成される。
張出室22は、シリンダ21のシリンダ軸線C方向の中央近傍に形成される。したがって、張出室22の少なくとも一部は、シリンダ21内を往復運動するピストン11が共に上死点付近に位置して両ピストン11間の容積が最小になるときに、両ピストン11間に位置するシリンダ21の壁の一部に形成される。好ましくは、張出室22は、両ピストン11間の容積が最小になるとき、又は少なくともいずれか一方のピストン11が上死点にあるときに、両ピストン11間に位置するシリンダ21の壁の一部に形成される。張出室22の壁面と、両ピストン11の対向面(他方のピストンと向かい合う面)と、シリンダ21の内壁面は、混合気が燃焼する燃焼室を画定する。
また、シリンダブロック2内には、燃焼室に流入する吸気ガスが流れる吸気ポート24が形成される。吸気ポート24は、張出室22を画定するシリンダブロック2の一部(張出室22の壁面の一部)に形成された吸気開口25を介して張出室22に連通する。
吸気ポート24は吸気管に連通され、吸気管には燃焼室内に流入する吸気ガスの流量を制御するスロットル弁や吸気ガスの燃料を噴射する燃料噴射弁等が設けられる(いずれも図示せず)。吸気ポート24及び吸気管は、吸気ガスが流通する吸気通路を形成する。したがって、張出室22は吸気開口25を介して吸気通路に連通している。また、燃料噴射弁は、吸気管の代わりに、吸気ポート24に設けられてもよい。いずれにせよ、本実施形態では、吸気ポート24から燃焼室には空気と燃料とを含む混合気が流入する。
加えて、シリンダブロック2内には、燃焼室から流出する排気ガスが流れる排気ポート26が形成される。排気ポート26は、張出室22を画定するシリンダブロック2の一部(張出室22の壁面の一部)に形成された排気開口27を介して張出室22に連通する。
排気ポート26は排気管に連通され、排気管には排気ガスを浄化する排気浄化装置や排気ガスが大気中に排出される際に発生する騒音を低減するマフラー等が設けられる(いずれも図示せず)。排気ポート26及び排気管は、排気ガスが流通する排気通路を形成する。したがって、張出室22は排気開口27を介して排気通路に連通している。
また、本実施形態では、吸気ポート24及び排気ポート26は、シリンダ軸線C及び後述するクランクシャフト3の軸線と平行な平面(以下、「シリンダ・クランク平面」という)上で延びるように形成される。なお、吸気ポート24及び排気ポート26は、シリンダ・クランク平面に対して傾斜するように形成されてもよい。ただし、その場合であっても、吸気ポート24及び排気ポート26は、シリンダ21の上部と接するシリンダ・クランク平面と、シリンダ21の下部と接するシリンダ・クランク平面との間で延びることが好ましい。したがって、吸気ポート24及び排気ポート26は、クランク軸線S方向に見たときに、ピストン11の直径の範囲内で延びるように配置されることが好ましい。この場合、吸気ポート24及び排気ポート26は内燃機関1の上方又は下方に向かって延びていないため、内燃機関1の高さを低く抑えることができる。
また、張出室22のシリンダ21内面から最も径方向に離れた壁面には、燃焼室内の混合気に点火する点火プラグ28が設けられる。本実施形態では、点火プラグ28は、シリンダ・クランク平面上で延びるように配置される。なお、点火プラグ28は、シリンダ・クランク平面に対して傾斜するように形成されてもよい。ただし、その場合であっても、点火プラグ28は、シリンダ21の上部と接するシリンダ・クランク平面と、シリンダ21の下部と接するシリンダ・クランク平面との間で延びることが好ましい。したがって、点火プラグ28は、クランク軸線S方向に見たときに、ピストン11の直径の範囲内で延びるように配置されることが好ましい。この場合、点火プラグ28は内燃機関1の上方又は下方に向かって延びていないため、内燃機関1の高さを低く抑えることができる。
なお、シリンダブロック2には、燃焼室内に直接燃料を噴射するように燃料噴射弁が設けられてもよい。また、図示したシリンダブロック2は、一体的に形成されているが、別々に形成された複数の部品をボルト等によって結合するように構成されてもよい。
二つのピストン11は、一つのシリンダ21内に設けられる。これら二つのピストン11は、互いに対して対称的にシリンダ軸線Cに沿って往復運動するように構成される。各ピストン11の対向面には、図2及び図9からわかるように、クランク軸線S方向に延びる溝12が形成される。特に、本実施形態では、溝12は、シリンダの張出室22が設けられた側に向かって徐々に深くなるように形成される。加えて、本実施形態では、溝12は、クランク軸線S方向に対して垂直な断面において円弧状になるように形成される。このように形成された溝12は、ピストン11が上死点にあるときに両ピストン11の溝12によって形成された空間が張出室22と対面し、連通するように形成される(図2参照)。
各コンロッド13は、その一方の端部において、ピストンピンを介して一つのピストン11に対して揺動可能に連結される。また、各コンロッド13は、その他方の端部において、クランクシャフト3のクランクピンに対して揺動可能に連結される。コンロッド13は、ピストン11の往復直線運動をクランクシャフト3の回転運動に変換する。
≪クランクシャフト及びクランクケース≫
二つのクランクシャフト3は、それぞれクランクケース4に設けられ、クランク軸線S回りで回転することができるように配置される。特に、本実施形態では、クランクシャフト3は、クランク軸線Sがシリンダ軸線Cと直交するように配置される。しかしながら、クランクシャフト3は、クランク軸線Sがシリンダ軸線Cとは交わらないように、すなわちシリンダ軸線Cからオフセットするように配置されてもよい。
クランクシャフト3は、コンロッド13が連結されるクランクピンと、クランクピンの両側に配置されたクランクアーム31と、クランクアーム31を介してクランクピンの両側に配置されたクランクジャーナル32と、出力シャフト取付部33とを備える。
クランクピンは、クランクアーム31によってクランク軸線Sから偏心してクランク軸線Sと平行に延びる軸線を有するように配置される。各クランクジャーナル32は、クランクケース4に設けられたクランク軸受42に、クランク軸線S回りで回転可能に支持される。
二つのクランクシャフト3のうち第1クランクシャフト3aは、第1コンロッド13aを介して第1ピストン11aに連結される。したがって、第1クランクシャフト3aは第1ピストン11aの往復運動に伴って回転運動せしめられる。二つのクランクシャフト3のうち第2クランクシャフト3bは、第2コンロッド13bを介して第2ピストン11bに連結される。したがって、第2クランクシャフト3bは第2ピストン11bの往復運動に伴って回転運動せしめられる。
出力シャフト取付部33は、二つのクランクシャフト3のうち一方(図示した例では、第2クランクシャフト3b)の端部に設けられる。特に、本実施形態では、後述する第2カム機構60bの外側に出力シャフト取付部33が結合される。出力シャフト取付部33はクランク軸線S回りで回転すると共に、内燃機関1外部の出力軸に連結される。
二つのクランクケース4のうち第1クランクケース4aは、シリンダブロック2の一方の端部に結合されると共に、第1クランクシャフト3aを収容する。一方、第2クランクケース4bは、シリンダブロック2の他方の端部に結合されると共に、第2クランクシャフト3bを収容する。
各クランクケース4は、それぞれ、クランク室41と、二つのクランク軸受42と、タイミングギア軸受43とを備える。各クランク室41は、クランクシャフト3のクランクピン及びクランクアーム31を収容する。クランク軸受42は、各クランクケース4に二つ設けられ、その軸線がクランク軸線Sに一致するように構成される。クランク軸受42は、クランクシャフト3のクランクジャーナル32を回転可能に支持する。
タイミングギア軸受43は、各クランクケース4に一つ設けられ、その軸線がクランク軸線Sから偏心してクランク軸線Sと平行に延びるように構成される。タイミングギア軸受43は、後述するカム機構60の内歯タイミングギア61を、クランク軸線Sから偏心されたギア軸線T回りで回転可能に支持する。
≪動弁系≫
図2〜図4に示したように、内燃機関1は、動弁系5を更に備える。動弁系5は、吸気弁51、排気弁52、バルブリフタ53、バルブスプリング54及びカム機構60を備える。
吸気弁51は、弁軸51aと弁軸51aに対して垂直に延びる弁体51bとを備える。吸気弁51はその軸線(弁軸51aの軸線)に沿って摺動するようにシリンダブロック2に配置される。
また、吸気弁51は、吸気弁51が閉弁位置(リフトされていない位置)にあるときにその弁体51bが吸気開口25を閉鎖するように配置される。特に、本実施形態では、吸気開口25はピストン11の対向面(すなわち、シリンダ軸線Cと垂直な平面)とほぼ平行(具体的には、相対角度が15°以内、好ましくは10°以内程度)な平面上に位置するように構成される。このため、吸気弁51の弁体51bもピストン11の対向面とほぼ平行(具体的には、相対角度が15°以内、好ましくは10°以内程度)な平面上に位置するように配置される。
したがって、吸気弁51は、その軸線がシリンダ軸線Cとほぼ平行(具体的には、相対角度が15°以内、好ましくは10°以内程度)に延びるように配置される。特に、本実施形態では、吸気弁51は、図2〜図4に示したように、張出室22から第2クランクシャフト3bに向かって延びるように配置される。したがって、吸気弁51は内燃機関1の上方又は下方に向かって延びていないため、内燃機関1の高さを低く抑えることができる。
加えて、吸気弁51は、吸気弁51が開放位置(リフトされた位置)にあるときにその弁体51bが吸気開口25を閉鎖しないように配置される。したがって、吸気弁51は、吸気開口25を開閉し、これによって張出室22に対して吸気通路を開閉する。
排気弁52は、弁軸52aと弁軸52aに対して垂直に延びる弁体52bとを備える。排気弁52はその軸線(弁軸52aの軸線)に沿って摺動するようにシリンダブロック2に配置される。
また、排気弁52は、排気弁52が閉弁位置(リフトされていない位置)にあるときにその弁体52bが排気開口27を閉鎖するように配置される。特に、本実施形態では、排気開口27はピストン11の対向面(すなわち、シリンダ軸線Cと垂直な平面)とほぼ平行(具体的には、相対角度が15°以内、好ましくは10°以内程度)な平面上に位置するように構成される。このため、排気弁52の弁体52bもピストン11の対向面とほぼ平行(具体的には、相対角度が15°以内、好ましくは10°以内程度)な平面上に位置するように配置される。
したがって、排気弁52は、その軸線がシリンダ軸線Cとほぼ平行(具体的には、相対角度が15°以内、好ましくは10°以内程度)に延びるように配置される。特に、本実施形態では、排気弁52は、図1〜図3等に示したように、張出室22から第1クランクシャフト3aに向かって延びるように配置される。したがって、排気弁52は内燃機関1の上方又は下方に向かって延びていないため、内燃機関1の高さを低く抑えることができる。
加えて、排気弁52は、排気弁52が開放位置(リフトされた位置)にあるときにその弁体52bが排気開口27を閉鎖しないように配置される。したがって、排気弁52は、排気開口27を開閉し、これによって張出室22に対して排気通路を開閉する。
バルブリフタ53は、吸気弁51の弁体51b側とは反対側の端部、及び排気弁52の弁体52b側とは反対側の端部に配置される。バルブリフタ53は、後述するカム機構60のカム63と当接し、カム63のプロフィールに合わせて吸気弁51及び排気弁52をリフトする。したがって、吸気弁51は、バルブリフタ53を介して吸気カム63bによって開閉駆動され、排気弁52は、バルブリフタ53を介して排気カム63aによって開閉駆動される。
なお、本実施形態では、吸気弁51と吸気カム63bとの間及び排気弁52と排気カム63aとの間にバルブリフタ53を設けている。しかしながら、バルブリフタ53の代わりに、ロッカーアーム及びラッシュアジャスタ等を設けるようにしてもよい。
バルブスプリング54は、吸気弁51及び排気弁52を閉弁方向に付勢する。したがって、吸気弁51及び排気弁52は、カム63によってリフト方向に付勢されない限り、バルブスプリング54によって吸気開口25及び排気開口27をそれぞれ閉弁する。
二つのカム機構60は、内歯タイミングギア61と、外歯タイミングギア62と、内歯タイミングギア61と結合されたカム63とを備える。第1カム機構60aは、排気弁52に隣接して位置すると共に第1クランクシャフト3aに連結される。一方、第2カム機構60bは、吸気弁51に隣接して位置すると共に第2クランクシャフト3bに連結される。
内歯タイミングギア61は、円筒状に形成され、その内面には歯車が形成される。クランクケース4のタイミングギア軸受43に受容され、タイミングギア軸受43内で回転せしめられる。上述したようにタイミングギア軸受43はその軸線がクランク軸線Sから偏心されているため、このタイミングギア軸受43に支持された内歯タイミングギア61もクランク軸線Sから偏心されたギア軸線T回りで回転せしめられる。内歯タイミングギア61は、クランクシャフト3とは直接は連結されていない。
外歯タイミングギア62は、内歯タイミングギア61の内部に配置されると共に、クランクシャフト3に結合される。したがって、外歯タイミングギア62は、クランクシャフト3と共にクランク軸線S回りで回転せしめられる。特に、本実施形態では、外歯タイミングギア62は、後述する回転同期機構70側の端部とは反対側のクランクシャフト3の端部に設けられる。第1カム機構60aの外歯タイミングギア62は第1クランクシャフト3aに連結され、第2カム機構60bの外歯タイミングギア62は第2クランクシャフト3bに連結される。
外歯タイミングギア62の外周面には歯車が形成されており、この歯車は内歯タイミングギア61の内面に形成された歯車と噛合する。特に、外歯タイミングギア62の歯数は、内歯タイミングギア61の歯数の半分である。このため、外歯タイミングギア62が2回転する間に内歯タイミングギア61が1回転することになる。
カム63は、内歯タイミングギア61に結合され、内歯タイミングギア61と共に回転する。カム63は、その外周面が少なくとも部分的に内歯タイミングギア61の外周面よりも外側に突出するように形成される。カム63の外周面はバルブリフタ53の後面に当接し、カム63の回転に伴ってカム63のカムローブがバルブリフタ53に当接すると、吸気弁51又は排気弁52がリフトされる。
特に、本実施形態では、第1カム機構60aの排気カム63aは、内歯タイミングギア61及び外歯タイミングギア62を介して、第1クランクシャフト3aに駆動される。したがって、第1カム機構60aは、第1クランクシャフト3aが2回転する間に排気カム63aが第1クランクシャフト3a回りを1回転するように構成される。排気カム63aは排気弁52のバルブリフタ53に当接し、よって排気カム63aが回転することによって排気弁52がリフトされる。
一方、第2カム機構60bの吸気カム63bは、内歯タイミングギア61及び外歯タイミングギア62を介して、第2クランクシャフト3bに駆動される。したがって、第2カム機構60bは、第2クランクシャフト3bが2回転する間に吸気カム63bが第2クランクシャフト3b回りを1回転するように構成される。吸気カム63bは吸気弁51のバルブリフタ53に当接し、よって吸気カム63bが回転することによって吸気弁51がリフトされる。
本実施形態におけるカム機構60では、クランクシャフト3とは別に吸気カム及び排気カム用のカムシャフトが設けられていない。したがって、本実施形態によれば、カムシャフトを別途設ける場合に比べて、カム機構60を、ひいては内燃機関1を単純な構造にすることができると共にその重量を低減することができる。
≪回転同期機構≫
内燃機関1は、第1クランクシャフト3aと第2クランクシャフト3bとを互いに同期して回転するように連結する回転同期機構70を更に備える。回転同期機構70は、第1クランクシャフト3aと第2クランクシャフト3bとが同じ速度で同期して回転するようにこれらクランクシャフト3を互いに連結する。
回転同期機構70は、第1連結ロッド71と、第2連結ロッド76と、各クランクシャフト3に結合された軸端部材80と、両連結ロッド71、76に連結される中間軸組立体90とを備える。
第1連結ロッド71は、一方の端部に設けられた第1軸受72と、他方の端部に設けられた第2軸受73と、第1連結ロッド71のほぼ中央に設けられた中間軸受74とを備える。これら三つの軸受72〜74は、その中心が第1連結ロッド71の軸線上に位置するように配置される。なお、本実施形態では、中間軸受74は、第1連結ロッド71のほぼ中央、すなわち第1軸受72と第2軸受73との間のほぼ中心に設けられている。しかしながら、中間軸受74は、第1連結ロッド71の中央よりも第1軸受72側又は第2軸受73側に設けられてもよい。
第2連結ロッド76は、一方の端部に設けられた第1軸受77と、他方の端部に設けられた第2軸受78と、第2連結ロッド76のほぼ中央に設けられた中間軸受79とを備える。これら三つの軸受77〜79は、その中心が第2連結ロッド76の軸線上に位置するように配置される。なお、本実施形態では、中間軸受79は、第2連結ロッド76のほぼ中央、すなわち第1軸受77と第2軸受78との間のほぼ中心に設けられている。しかしながら、中間軸受79は、第2連結ロッド76の中央よりも第1軸受77側又は第2軸受78側に設けられてもよい。
軸端部材80は、カム機構60が設けられた側とは反対側の端部においてクランクシャフト3に結合される。軸端部材80は、偏心部材81と、内側ロッド軸82と、中間部材83と、外側ロッド軸84とを備える。これら偏心部材81、内側ロッド軸82、中間部材83、外側ロッド軸84は別体として形成されてボルトや溶接によって互いに結合されてもよいし、これらのうちの一部が一体的に形成されてもよい。
偏心部材81は、クランク軸線Sから径方向に向かって延びるようにクランクシャフト3の端部に結合される。偏心部材81のクランクシャフト3に結合された面とは反対側の面には内側ロッド軸82が結合される。
内側ロッド軸82は、その軸線(以下、「内側ロッド軸線」という)SIがクランク軸線Sと平行であって、クランク軸線Sから離間して位置するように偏心部材81に結合される。したがって、クランクシャフト3が回転すると、内側ロッド軸82はクランク軸線S回りで周方向に旋回する。内側ロッド軸82の偏心部材81側の端部とは反対側の端部には中間部材83が結合される。
中間部材83は、ウェブ部材86と釣合錘87とを備える。ウェブ部材86はその一方の面において内側ロッド軸82に結合されると共にこれとは反対側の面において外側ロッド軸84に結合される。中間部材83は、クランク軸線S回りで回転するように内側ロッド軸82に結合される。
図8は、中間部材83の平面図である。図8からわかるように、釣合錘87は、クランク軸線Sを挟んで内側ロッド軸82及び外側ロッド軸84の反対側に配置される。特に、図8に示した例では、釣合錘87は、その重心CMが、内側ロッド軸線SIと外側ロッド軸線SOとの中点とクランク軸線Sとを結んだ直線上に位置するように配置される。
外側ロッド軸84は、その軸線(以下、「外側ロッド軸線」という)SOがクランク軸線Sと平行であって、クランク軸線Sから離間して位置するように中間部材83に結合される。したがって、クランクシャフト3が回転すると、外側ロッド軸84はクランク軸線S回りで周方向に旋回する。
また、外側ロッド軸84は、外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIと平行であって内側ロッド軸線SIから離間して位置するように中間部材83に結合される。特に、本実施形態では、外側ロッド軸84は、外側ロッド軸線SOのクランク軸線Sからの距離が内側ロッド軸線SIのクランク軸Sからの距離と等しくなるように構成される。加えて、外側ロッド軸84は、クランク軸線S回りの周方向において外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIから90°の角度間隔で位置するように構成される。
なお、外側ロッド軸84は、外側ロッド軸線SOのクランク軸線Sからの距離が内側ロッド軸線SIのクランク軸Sからの距離と異なるように構成されてもよい。加えて、外側ロッド軸84は、クランク軸線S回りの周方向において外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIから90°以外の角度間隔で位置するように構成されてもよい。ただし、その場合であっても、外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIから180°以外の角度間隔であることが必要である。
第1連結ロッド71は、その第1軸受72が第1軸端部材80aの内側ロッド軸82を支持するように第1軸端部材80aに連結される。このため、第1連結ロッド71は、クランク軸線Sから偏心した内側ロッド軸線SI回りで回転可能に第1クランクシャフト3aに連結されることになる。同様に、第1連結ロッド71は、その第2軸受73が第2軸端部材80bの内側ロッド軸82を支持するように第2軸端部材80bに連結される。このため、第1連結ロッド71は、クランク軸線Sから偏心した内側ロッド軸線SI回りで回転可能に第2クランクシャフト3bに連結されることになる。
加えて、第2連結ロッド76は、その第1軸受77が第1軸端部材80aの外側ロッド軸84を支持するように第1軸端部材80aに連結される。このため、第2連結ロッド76は、クランク軸線Sから偏心した外側ロッド軸線SO回りで回転可能に第1クランクシャフト3aに連結されることになる。また、本実施形態では、外側ロッド軸84は、クランク軸線S回りの周方向において外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIから90°の角度間隔で位置する。したがって、第2連結ロッド76は、第1連結ロッド71とはクランク軸線S回りに90°の角度間隔で第1クランクシャフト3aに連結されることになる。
同様に、第2連結ロッド76は、その第2軸受78が第2軸端部材80bの外側ロッド軸84を支持するように第2軸端部材80bに連結される。このため、第2連結ロッド76は、クランク軸線Sから偏心した外側ロッド軸線SO回りで回転可能に第2クランクシャフト3bに連結されることになる。また、本実施形態では、第2連結ロッド76は、第1連結ロッド71とはクランク軸線S回りに90°の角度間隔で第2クランクシャフト3bに連結されることになる。
なお、上述したように、外側ロッド軸84は、クランク軸線S回りの周方向において外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIから180°以外の角度間隔で位置すれば、90°以外の角度間隔で位置してもよい。したがって、第2連結ロッド76は、第1連結ロッド71とはクランク軸線S回りに180°以外の任意の角度間隔でクランクシャフト3に連結されてもよい。
これら第1連結ロッド71及び第2連結ロッド76は、両クランクシャフト3が回転すると、それに合わせて旋回するように平行移動する。これら第1連結ロッド71及び第2連結ロッド76により、両クランクシャフト3は互いに同期して回転せしめられる。
中間軸組立体90は、両クランクシャフト3への連結箇所の間において第1連結ロッド71に連結されると共に、両クランクシャフト3への連結箇所の間において第2連結ロッド76に連結される。また、中間軸組立体90は、回転軸線S’(図9参照)回りで回転するように両連結ロッド71、76に連結される。中間軸組立体90は、内側ロッド軸91と、中間部材92と、外側ロッド軸93とを備える。
図9は、中間軸組立体90の平面図である。図9に示したように、中間部材92は、ウェブ部材94と回転錘95とを備える。ウェブ部材94はその一方の面において内側ロッド軸91に結合されると共にこれとは反対側の面において外側ロッド軸93に結合される。
回転錘95は、回転軸線S’を挟んで内側ロッド軸91及び外側ロッド軸93の反対側に配置される。特に、図9に示した例では、回転錘95は、その重心CMが、内側ロッド軸線SIと外側ロッド軸線SOとの中点と回転軸線S’とを結んだ直線上に位置するように配置される。したがって、回転錘95は、クランクシャフト3が回転して中間軸組立体90が回転すると、クランクシャフト3の回転に同期して回転軸線S’回りで回転せしめられる。
中間軸組立体90の内側ロッド軸91は、その軸線(内側ロッド軸線)SIが回転軸線S’と平行であって、回転軸線S’から離間して位置するように中間部材92に結合される。特に、内側ロッド軸91は、内側ロッド軸線SIの回転軸線S’からの距離が、軸端部材80の内側ロッド軸線SIのクランク軸線Sからの距離に等しくなるように構成される。この結果、クランクシャフト3が回転すると、内側ロッド軸91は回転軸線S’回りで周方向に旋回する。
中間軸組立体90の外側ロッド軸93は、その軸線(内側ロッド軸線)SOが回転軸線S’と平行であって、回転軸線S’から離間して位置するように中間部材92に結合される。特に、外側ロッド軸93は、外側ロッド軸線SOの回転軸線S’からの距離が、軸端部材80の外側ロッド軸線SOクランク軸線Sからの距離に等しくなるように構成される。この結果、クランクシャフト3が回転すると、外側ロッド軸93は回転軸線S’回りで周方向に旋回する。
また、本実施形態では、中間軸組立体90の外側ロッド軸93は、回転軸線S’回りの周方向において外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸91の内側ロッド軸線SIから90°の角度間隔で位置するように構成される。なお、軸端部材80の外側ロッド軸84の外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸線SIから90°以外の任意の角度間隔で位置するように構成されている場合、中間軸組立体90の外側ロッド軸93は、回転軸線S’回りの周方向において外側ロッド軸線SOが内側ロッド軸91の内側ロッド軸線SIからこの任意の角度間隔で位置するように構成される。
内燃機関1は、図6及び図7に示したように、前方カバー96及び後方カバー97を更に備える。前方カバー96は、シリンダブロック2及びクランクケース4の一方の側(前方側)に配置されると共に、回転同期機構70を覆うように構成される。これにより、回転同期機構70が外部から保護される。加えて、後方カバー97は、シリンダブロック2及びクランクケース4の他方の側(後方側)に配置されると共に、動弁系5を覆うように構成される。これにより、動弁系5が外部から保護される。
<対向ピストン内燃機関の動作>
以下、図10〜図13を参照して、上述したように構成された内燃機関1における動作について簡単に説明する。図10に示したように両ピストン11が上死点にある状態から両クランクシャフト3が回転すると、それに伴って両ピストン11は互いから離れるように移動する。このとき吸気カム63bによって吸気弁51が開弁せしめられる。したがって、燃焼室内には空気と燃料の混合気が吸入せしめられる(吸気行程)。
その後、両ピストン11が図11に示したように下死点付近に到達すると吸気弁51が閉弁されると共に、両ピストン11は互いに向かうように移動する。したがって、このときには燃焼室内では断熱圧縮が行われ、燃焼室内の混合気の温度及び圧力が上昇する(圧縮行程)。そして、両ピストン11が再び上死点付近に到達すると(図12)、点火プラグ28によって混合気が点火され、燃焼室内において混合気が燃焼する。
燃焼室内において混合気が燃焼するとその燃焼圧によってピストン11が互いから離れるように押し出される(膨張行程)。この燃焼圧によるピストン11の押出力はコンロッド13を介して各クランクシャフト3へ回転駆動力として伝達される。
その後、図13に示したように両ピストン11が下死点付近に到達すると排気カム63aによって排気弁52が開弁される。したがって、ピストン11が互いに向かうように移動すると、燃焼室内における混合気の燃焼によって生じた排気ガスがピストン11によって排気ポート26へと排出される(排気行程)。その後、両ピストン11が再び上死点付近に到達すると排気弁52が閉弁されると共に吸気弁51が開弁せしめられ、以降、同様なサイクルが繰り返し行われる。
<作用・効果>
次に、図14を参照して、本実施形態における回転同期機構70の作用・効果について説明する。図14は、回転同期機構70の構成を概略的に示した図である。
図14は、第1連結ロッド71の質点m1を第1連結ロッド71の重心における集中質量とみなし、第2連結ロッド76の質点m2を第2連結ロッド76の重心における集中質量とみなした場合を示している。これら2つの質点m1及びm2は、仮想中心O3回りを旋回することになる。この仮想中心O3は、中間軸受74、79がそれぞれ第1連結ロッド71及び第2連結ロッド76の中央に設けられている本実施形態の場合、中間軸組立体90の回転軸線S’に一致する。そして、これら2つの質点m1、m2は本実施形態では常に90°の位相差を保って回転することから、1つの大きな質点mrと見なすことができる。
これに対して、本実施形態では、連結ロッド71、76の質点mrの仮想中心O3を挟んで反対側に、すなわち質点mrに対して仮想中心O3の点対称方向に回転錘95が設けられる。この回転錘95の質点mpを回転錘95の重心における集中質量と見なした場合、仮想中心O3から連結ロッド71、76の質点mrまでの距離をrrとし、仮想中心O3から回転錘95の質点mpまでの距離をrpとすると、mr・rr=mp・rpとなるように回転錘95を構成することにより、連結ロッド71、76の回転に伴う慣性力を打ち消すことができる。これにより、ロッドに作用する慣性力に伴うロッドの撓みやクランクシャフトへの径方向の力を低減して、クランクシャフトの回転同期を円滑に行うことができるようになる。
なお、本実施形態では、mr・rr=mp・rpとなるように回転錘95が構成されるが、回転錘95は必ずしもmr・rr=mp・rpとなるように構成されなくてもよい。しかしながら、その場合であっても、回転錘95はmp・rp<2・mr・rrとなるように構成される必要があり、回転錘95がこのように構成される限り、回転錘95を設けない場合に比べて連結ロッド71、76の回転に伴う慣性力を低減することができる。
<変形例>
次に、図15を参照して、対向ピストン内燃機関1の変形例について説明する。図15は、変形例に係る対向ピストン内燃機関を前方から見た、図4と同様な斜視図である。
図15に示したように、本変形例では、中間軸組立体90は、内側ロッド軸91と、中間部材92と、外側ロッド軸93に加えて、偏心部材98及び出力軸99を備える。出力軸99は、その軸線が中間軸組立体90の回転軸線S’に一致するように偏心部材98を介して外側ロッド軸93に取り付けられる。したがって、出力軸99は、クランクシャフト3の回転に伴って中間軸組立体90が回転軸線S’回りで回転すると、これに伴って回転軸線S’回りで回転することになる。出力軸99は、内燃機関1外部の出力軸に連結される。
なお、本変形例では、出力軸99によって内燃機関1の出力を取り出すことができるため、内燃機関1には出力シャフト取付部33が設けられなくてもよい。
2 シリンダブロック
3 クランクシャフト
4 クランクケース
5 動弁系
11 ピストン
13 コンロッド
51 吸気弁
52 排気弁
60 カム機構
70 回転同期機構
71 第1連結ロッド
76 第2連結ロッド
80 軸端部材
90 中間軸組立体
95 回転錘

Claims (1)

  1. 一つのシリンダ内に二つのピストンが設けられると共にこれらピストンが互いに対して対称的に往復運動するように構成された対向ピストン内燃機関であって、
    一方のピストンに連結された第1クランクシャフトと、他方のピストンに連結された第2クランクシャフトと、これら第1クランクシャフトと第2クランクシャフトとを互いに同期して回転するように連結する回転同期機構とを備え、
    前記回転同期機構は、各クランクシャフトにクランク軸線から偏心した軸線回りで回転可能に連結された第1連結ロッドと、各クランクシャフトにクランク軸線から偏心した軸線回りで回転可能に連結されると共に前記第1連結ロッドとはクランク軸線回りに180°以外の角度間隔で各クランクシャフトに回転可能に連結された第2連結ロッドと、前記第1連結ロッド及び前記第2連結ロッドに連結されると共に回転錘を有する中間軸組立体とを備え、
    前記中間軸組立体は、前記回転錘が両クランクシャフトの回転に同期して回転するように、両クランクシャフトへの連結箇所の間において前記第1連結ロッドに連結されると共に、両クランクシャフトへの連結箇所の間において前記第2連結ロッドに連結される、対向ピストン内燃機関。
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