以下、本発明に係る車両用表示装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における車両用灯具を概略的に示す断面図であり、車両用灯具の鉛直断面図である。本実施形態では、車両用灯具は前照灯1とされる。前照灯は、一般的に車両の前方の左右方向のそれぞれに備えられるものであり、左右の前照灯は左右方向に概ね対称の構成とされる。従って、本実施形態では、一方の前照灯について説明する。
図1に示すように、本実施形態の前照灯1は、筐体2と、灯具ユニット3と、反射型ディスプレイ4と、反射部材60とを主な構成として備える。このため、前照灯1は車両用表示装置と理解できる。
筐体2は、ランプハウジング11、フロントカバー12、及びバックカバー13を主な構成として備える。ランプハウジング11の前方は開口しており、当該開口を塞ぐように無色で透光性を有するフロントカバー12がランプハウジング11に固定されている。ランプハウジング11の後方には前方よりも小さな開口が形成されており、当該開口を塞ぐようにバックカバー13がランプハウジング11に固定されている。このような構成の筐体2には、ランプハウジング11、フロントカバー12、及びバックカバー13によって囲われた内部空間14が形成されている。この内部空間14内に灯具ユニット3、反射型ディスプレイ4及び反射部材60が収容されている。
本実施形態の灯具ユニット3は、ベースプレート20、光源25、発光制御回路30、ヒートシンク35、冷却ファン36、リフレクタ40、投影レンズ45、シェード49を主な構成として備える。
ベースプレート20は概ね鉛直方向に延在する金属製の板状部材であり、不図示の手段によって筐体2に固定される。このベースプレート20には、当該ベースプレート20を貫通する開口20Hが形成される。この開口20Hは光源25から出射する光が通る光路上に位置し、本実施形態ではこの開口20Hの開口方向は前後方向とされている。
光源25は、光を出射する発光素子とされ、例えば白色の光を出射するLEDとされる。光源25の発光は発光制御回路30によって制御される。ヒートシンク35は、概ね水平方向に延在する金属製のベース板35Aを有し、当該ベース板35Aの下方の面側には複数の放熱フィン35Bがベース板35Aと一体に設けられている。冷却ファン36は、放熱フィン35Bと隙間を隔てて配置され、ヒートシンク35に固定されている。この冷却ファン36の回転による気流によりヒートシンク35が冷却される。ヒートシンク35におけるベース板35Aの上方側の面には上記の光源25及び発光制御回路30が載置されている。
リフレクタ40は、上方側から光源25に被さるようにしてヒートシンク35のベース板35Aに固定されている。リフレクタ40の光源25側の面は、光を透過せずに反射する反射面40Sとされる。この反射面40Sは回転楕円曲面を基調としており、この楕円曲面の第1焦点或いは第1焦点近傍に光源25が位置している。光源25から出射する光の少なくとも一部は、この反射面40Sによって投影レンズ45側へ反射され、投影レンズ45を透過して出射する。
投影レンズ45は、非球面平凸レンズであり、ベースプレート20の前方側に配置され、レンズホルダ46を介してベースプレート20に固定される。この投影レンズ45では、ベースプレート20側の面が平面状の入射面47とされ、ベースプレート20側と反対側の面がベースプレート20側と反対側に膨らむ凸面状の出射面48とされる。本実施形態では、投影レンズ45の後方焦点がリフレクタ40における反射面40Sの第2焦点或いは第2焦点近傍に位置するように投影レンズ45が配置されている。つまり、本実施形態の灯具ユニット3では、PES(Projector Ellipsoid System)光学系が採用されている。
シェード49は、光源25と投影レンズ45との間に配置され、光源25からの光の一部を遮る部材である。光源25から出射する光がシェード49によって制御されて投影レンズ45の入射面47に入射することにより、シェード49の形態に応じた配光パターンの光が投影レンズ45の出射面48から出射される。この投影レンズ45の出射面48から出射される光は、フロントカバー12を透過して車両の外部である車両の前方に向けて出射される。本実施形態では、シェード49の上端部がリフレクタ40における反射面40Sの第2焦点或いは第2焦点の近傍に位置しており、当該シェード49は投影レンズ45の出射面48から出射する光の配光パターンがロービームの配光パターンとなるように光源25からの光の一部を遮る。
反射型ディスプレイ4は、表示部50と、縁部カバー51とを主な構成として備え、不図示の手段によって筐体2に固定される。なお、図1では表示部50の内部の記載が省略されている。縁部カバー51は、表示部50の側面の全周及び背面側を覆っている。この縁部カバー51は特に限定されるものではなく、例えば表示部50の背面側を覆っていなくても良く、反射型ディスプレイ4は縁部カバー51を備えなくても良い。
本実施形態の反射型ディスプレイ4は、表示部50の表示面50Sから入射する光を表示部50の内部で反射して表示面50Sから出射させることで表示を行うディスプレイとされ、例えば、反射型液晶ディスプレイから成る。反射型ディスプレイ4は、灯具ユニット3におけるリフレクタ40の上方に、表示部50の表示面50Sが前方を向いてフロントカバー12と対向するように配置される。表示部50は、当該表示部50を正面視する場合に、表示部50よりもフロントカバー12側において灯具ユニット3と重なっていない。このため、表示面50Sは、車両の外部からフロントカバー12及びランプハウジング11の前方の開口を介して視認可能とされており、反射型ディスプレイ4は、車両の外部に向かって表示を行える。また、反射型ディスプレイ4は、太陽や街路灯等の車両の外部に位置する光源からの光である外光OLがフロントカバー12を介して表示部50の表示面50Sに入射するように配置されている。
図2は、図1に示す反射型ディスプレイの正面図である。なお、図2では縁部カバー51の記載が省略されている。表示部50は、長方形の外形を有し、当該長方形内にマトリックス状に配置された複数の画素を有している。それぞれの画素は、入射する光を反射して赤色の光を出射する赤色表示用ドットと、入射する光を反射して緑色の光を出射する緑色表示用ドットと、入射する光を反射して青色の光を出射する青色表示用ドットとを含んでいる。従って、本実施形態では、反射型ディスプレイ4はRBGのカラー表示が可能とされる。また、図2に示すように、表示部50の横側には走査線駆動回路53Hが配置されており、表示部50の上下方向の一方側にはデータ線駆動回路53Vが配置されている。走査線駆動回路53H及びデータ線駆動回路53Vは、それぞれの画素の各表示用ドットに電気的に接続されている。走査線駆動回路53H及びデータ線駆動回路53Vから各表示用ドットに電圧が印加されることにより、RGBの各表示用ドットに入射する光の反射と非反射の状態や反射する光の量が制御される。つまり、RGBの各表示用ドットからの光の出射と非出射の状態や出射する光の量が制御される。走査線駆動回路53H及びデータ線駆動回路53Vには、制御部70が電気的に接続されている。この制御部70は、表示部50の各画素の光の出射と非出射の状態を制御する。制御部70は、この制御を外部から制御部70に入力する信号に基づいて行う。本実施形態では、制御部70は、車両の制御装置71等に電気的に接続されている。
図1に示すように、本実施形態の反射部材60は上下方向に延在する板状部材とされる。反射部材60は、ベースプレート20とリフレクタ40の前端部との間に形成される開口61に挿入されてベースプレート20に固定されている。反射部材60はベースプレート20側と反対側の面に反射面60Sを有しており、この反射面60Sは光源25から出射する光の一部を反射して表示部50の表示面50Sに入射させる。つまり、光源25から出射する光の一部は、反射部材60によって、ベースプレート20とリフレクタ40の前端部との間に形成される開口61を介して表示部50の表示面50Sに入射される。なお、反射部材60は、光源25から出射する光の一部を表示部50の表示面50Sに入射させる限りにおいて、特に限定されない。例えば、反射部材60の反射面60Sは、平坦面であっても良く、湾曲した曲面であっても良い。また、反射部材60は、ベースプレート20とは別の部材、例えばリフレクタ40に固定されても良く、ランプハウジング11に固定されても良い。また、反射部材60は、開口61とは別の開口、例えば投影レンズ45とベースプレート20との間に形成される開口を介して表示部50の表示面50Sに光が入射するように、投影レンズ45とベースプレート20との間に配置されても良い。
ここで、上記のように、反射型ディスプレイ4はリフレクタ40の上方に配置され、リフレクタ40は上方側から光源25に被さるようにしてヒートシンク35のベース板35Aに固定されている。このため、リフレクタ40は、光源25と反射型ディスプレイ4との間に配置されている。また、上記のように、リフレクタ40の光源25側の面は、光を透過せずに反射する反射面40Sとされる。また、光源25から出射する光のうち表示部50に入射する光は、反射部材60の反射面60Sで反射される光であり、リフレクタ40の反射面40Sで反射されて投影レンズ45に入射する光とは異なる。従って、リフレクタ40は、少なくとも光源25と反射型ディスプレイ4との間に配置され、光源25から出射する光のうち表示部50に入射する光とは異なる光の少なくとも一部を反射している。
次に、本実施形態の前照灯1の動作について説明する。
図1に示すように、光源25から出射する白色の光は、主にリフレクタ40の反射面40Sで反射されるものの、その光の一部は反射部材60の反射面60Sで反射される。リフレクタ40の反射面40Sで反射した光は、その一部がシェード49で遮蔽され、他の一部が投影レンズ45の入射面47に入射し、出射面48から出射する。出射面48から出射した光は、フロントカバー12を透過して車両の前方に向けて出射される。上記のように、シェード49は、投影レンズ45の出射面48から出射する光の配光パターンがロービームの配光パターンとなるように光源25からの光の一部を遮るため、前照灯1からロービームが出射される。
反射型ディスプレイ4は、上記のように、外光OLが表示部50の表示面50Sに入射するように配置されているため、車両の外部に向かって表示を行うように配置されている。このため、日中においては、反射型ディスプレイ4は、少なくとも太陽光を含む外光OLを表示部50の内部で反射して表示面50Sから出射させて表示部50に情報を表示する。一方、夜間等の暗い環境では、ロービームを出射するために前照灯1が点灯されるため、灯具ユニット3における光源25から光が出射され、この光の一部は反射部材60の反射面60Sで反射されて反射型ディスプレイ4の表示部50の表示面50Sに入射する。このため、反射型ディスプレイ4は、少なくとも光源25から出射する光の一部を表示部50の内部で反射して表示面50Sから出射させて表示部50に情報を表示する。日中に前照灯1が点灯される場合では、反射型ディスプレイ4は、外光OLと光源25から出射する光の一部とを用いて表示部50に情報を表示する。なお、表示部50に表示する情報は特に限定されない。例えば、表示部50には文字や画像を表示させても良く、表示部50を所定の色に発光させることによって、反射型ディスプレイ4をランプとして機能させても良い。
以上説明したように、本実施形態の車両用表示装置である前照灯1は、車両の外部に向かって表示を行う反射型ディスプレイ4を備える。この反射型ディスプレイ4の表示部50には、車両の外部に向かって光を出射する灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部が入射する。
本実施形態の前照灯1では、反射型ディスプレイ4が車両の外部に向かって表示を行うため、太陽や街路灯等の車両の外部に位置する光源からの光である外光OLは、反射型ディスプレイ4の表示部50に入射し得る。このため、反射型ディスプレイ4は太陽光を含む外光OLを用いて情報を表示することができ、自発光型ディスプレイと比べて太陽光が照射される環境における情報の視認性が低下することを抑制し得る。ところで、夜間等の暗い環境では、太陽光が照射される環境と比べて表示部50に入射する外光OLの量が低下する。このような環境では、一般的に灯具が点灯され、灯具における灯具ユニットの光源から光が出射される。本実施形態の前照灯1では、このような場合に灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部が表示部50に入射するため、反射型ディスプレイ4は灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を用いて表示を行うことができる。このため、表示部50に入射する外光OLの量が低下する場合であっても、前照灯1が点灯されることによって反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下を抑制し得る。このように、本実施形態の前照灯1では、表示される情報の視認性の低下を抑制し得る。
本実施形態の前照灯1は、光源25から出射する光の一部を反射して表示部50に入射させる反射部材60を備える。このため、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を所望の位置に導き得るため、反射部材60を備えない場合と比べて、灯具ユニット3の光源25に対する反射型ディスプレイ4の配置及び向きの設計の自由度を向上できる。
本実施形態では、前照灯1は灯具ユニット3を備える。また、灯具ユニット3は、少なくとも光源25と反射型ディスプレイ4との間に配置されて光源25から出射する光のうち表示部50に入射する光とは異なる光の少なくとも一部を反射するリフレクタ40を有する。灯具ユニット3の光源25から反射型ディスプレイ4側に出射する光のうち表示部50に入射されるべき光とは異なる光がリフレクタ40によって反射されて遮られて当該光が表示部50に入射することを抑制し得る。ところで、このようなリフレクタ40が光源25と反射型ディスプレイ4との間に配置されない場合、灯具ユニット3の光源25から反射型ディスプレイ4側に出射する光のうち表示部50に入射されるべき光とは異なる光が表示部50に入射する場合がある。この場合、表示部50に入射されるべき光とは異なる光が表示部50の表示面50Sで反射したりして、車外の人が眩惑される虞がある。しかし、本実施形態の前照灯1では、リフレクタ40によってこのような光が表示部に入射することを抑制でき、車外の人が眩惑されることを抑制できる。従って、表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制し得る。
本実施形態では、光源25は、白色光を出射する。このため、反射型ディスプレイ4はRGBカラー表示を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第2実施形態における車両用灯具を図1と同様に示す図である。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態の車両用表示装置である前照灯1は、補助光源75を備える点で第1実施形態の前照灯1と異なる。
本実施形態の補助光源75は、表示部50よりもフロントカバー12側に配置され、表示部50に入射する光L1を出射する。補助光源75は、フロントカバー12を介して反射型ディスプレイ4を目視する際に、表示部50と重ならない。このため、補助光源75によって表示部50に表示される情報の視認性が低下したり、表示部50に入射する外光OLの量が低下したりすることが抑制される。補助光源75は、例えば白色の光を出射するLEDとされ、制御部70に電気的に接続される。本実施形態では、制御部70は、補助光源75の光の出射と非出射の状態を制御する。具体的には、制御部70は、反射型ディスプレイ4が情報の表示を行う場合に光を出射し、反射型ディスプレイ4が情報の表示を行わない場合に光を非出射とされるように、補助光源75を制御する。このため、夜間等の暗い環境において灯具ユニット3の光源25から光が非出射とされる場合であっても表示部50には補助光源75から出射する光が入射され、反射型ディスプレイ4は情報を表示し得る。このため、反射型ディスプレイ4を例えば車両に設けられる車幅灯、ターンランプ等の標識灯として利用し得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4から図7を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の第3実施形態における車両用灯具を図1と同様に示す図である。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の車両用表示装置である前照灯1は、反射型ディスプレイ4が灯具ユニット3の投影レンズ45の上方に配置される点、及び反射部材60に替わって導光部材80を備える点で第1実施形態の前照灯1と異なる。
本実施形態では、反射型ディスプレイ4は、投影レンズ45の上方に、表示部50の表示面50Sが前方を向いてフロントカバー12と対向するように配置される。つまり、本実施形態の反射型ディスプレイ4は、第1実施形態における反射型ディスプレイ4と比べて、フロントカバー12に近づけられるとともに、灯具ユニット3の光源25から離間されて配置されている。このような反射型ディスプレイ4は、車両の外部からフロントカバー12を介して視認可能とされており、反射型ディスプレイ4は、車両の外部に向かって表示を行える。また、反射型ディスプレイ4は、外光OLがフロントカバー12を介して表示部50の表示面50Sに入射するように配置されている。
本実施形態の導光部材80は、例えば透光性を有する透明な樹脂から形成され、出射部80Aと導光部80Bとを有する。出射部80Aは、長方形の外形を有する平板状に形成され、一方の面86が反射型ディスプレイ4の表示部50の表示面50Sに対向して配置されている。出射部80Aは、出射部80Aを平面視する場合に、表示部50の表示面50Sの全体を覆っている。導光部80Bは、上下方向に延在する板状に形成される。導光部80Bの下部は開口61に挿入され、導光部80Bの下端部である下方側の側面は光源25から出射される光の一部が入射する入射面81とされる。このため、光源25から出射されて入射面81に入射する光は、導光部80Bの内部を入射面81側から入射面81と反対側の側面である上方側の側面に向かって伝搬する。導光部80Bの上端部である上方側の側面は出射部80Aの下方側の側面に接続される。このため、光源25から出射されて導光部80Bの入射面81に入射する光は、出射部80Aの下方側の側面から出射部80Aに入射し、出射部80Aの内部を下方側の側面から上方側の側面側に向かって伝搬する。なお、導光部80Bは、入射面81に入射する光を出射部80Aに導光する限りにおいて特に限定されない。例えば、導光部80Bは複数の柱状部材から形成されても良い。
図5は、図4の一部を拡大した図であり、出射部80Aの近傍を拡大した図である。図5に示すように、出射部80Aにおける表示部50側と反対側の面87には、ステップ84が形成される複数のステップ領域83と、ステップ領域83間に位置し平面とされる平面領域85と、が設けられる。
ステップ84は、出射部80Aにおける表示部50側と反対側の面87が表示部50側に凹む凹みとされる。本実施形態におけるステップ84は、傾斜面84Aと接続面84Bとを有する。傾斜面84Aは、下方側から上方側に向かって表示部50側に傾斜する面である。つまり、出射部80Aの内部を下方側の側面から上方側の側面側に向かって伝搬する光の伝搬方向に向かって表示部50側に傾斜する面である。接続面84Bは、傾斜面84Aにおける上方側の端に接続し出射部80Aの厚さ方向と概ね平行とされる面である。また、ステップ84は、出射部80Aを平面視する場合に、左右方向における一方の縁から他方の縁まで直線状に延在しており、1つのステップ領域83に2つのステップ84が隙間なく並列して形成されている。このため、複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、互いに平行な直線状に延在する領域とされ、出射部80Aの下方側の側面と概ね平行とされている。このため、導光部80Bの入射面81に入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2の一部は、ステップ84の傾斜面84Aで表示部50側に内部反射され、表示部50側の面86から出射する。つまり、この表示部50側の面86は、導光部80Bの入射面81に入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2の一部が出射する出射面と理解できる。なお、1つのステップ領域83に形成されるステップ84の数は特に限定されない。
一方、上記のように平面領域85は平面とされるため、この平面領域85に入射する光L3の一部は、出射部80Aを透過して表示部50側の面86から出射する。また、表示部50側の面86に入射する光L4の一部は、出射部80Aを透過して平面領域85から出射する。このため、出射部80Aは、表示部50側から入射する光L4及び表示部50側と反対側から入射する光L3を透過する。また、出射部80Aは、表示部50側から入射する光L4及び表示部50側と反対側から入射する光L3と異なる光である導光部80Bの入射面81から入射する光L2を表示部50側に出射する。
ところで、複数のステップ領域83は、上記のように、出射部80Aを平面視する場合に、互いに平行な直線状に延在する領域とされ、このようなステップ領域83間に平面領域85が位置している。このため、平面領域85は、ステップ領域83と同様に、出射部80Aを平面視する場合に、直線状に延在する領域とされている。
また、本実施形態におけるステップ領域83の短手方向の幅W1は、ステップ領域83間の幅W2よりも小とされている。このステップ領域83間の幅W2は、ステップ領域83の短手方向における平面領域85の幅でもある。なお、ステップ領域83の短手方向の幅W1は、ステップ領域83間の幅W2と同じであっても良く、ステップ領域83間の幅W2よりも大とされても良い。
図6は、ステップ領域の配置を説明する図であり、出射部80Aを平面視した拡大図であり、90°回転した状態とされ、図6には表示部50も記載されている。図6に示すように、ステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、赤色表示用ドット56Rと緑色表示用ドット56Gと青色表示用ドット56Bとを含む表示部50の画素55間に位置している。このため、ステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、表示部50が有する画素55と重なっていない。なお、本実施形態では、上下方向における画素55間のそれぞれに1つのステップ領域83が位置している。言い換えると、ステップ領域83のピッチは、画素55の左右方向のピッチと同じとされ、平面領域85内に画素55が位置している。
図7は、図4の別の一部を拡大した図であり、出射部80Aにおける上方側の側面近傍を拡大した図である。図7に示すように、導光部80B側とは反対側である上方側の側面は、導光部80Bの入射面81に入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2の伝搬方向に向かって表示部50側に傾斜する反射部82とされる。このため、入射面81に入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2の一部は、この反射部82で表示部50側に内部反射される。つまり、反射部82は、この光L2の一部を表示部50側に内部反射する。
このような出射部80Aは、反射型ディスプレイ4に接着される。具体的には、図5、図7に示すように、出射部80Aと表示部50との間に配置され光透過性を有する接着層90によって、出射部80Aの一方の面86が表示部50に接着される。つまり、接着層90は、出射部80Aと表示部50との間に介在して出射部80Aと表示部50とを接着する接着層である。本実施形態では、接着層90は出射部80Aと縁部カバー51との間にも介在しており、出射部80Aは縁部カバー51にも接着されている。また、接着層90は、無色で透光性を有し、反射型ディスプレイ4の表示部50の表示面50Sを覆っている。このため、出射部80Aの表示部50側の面86から出射する光の一部は、接着層90を透過して表示部50に入射する。また、表示部50の表示面50Sから出射する光の一部は、接着層90を透過して出射部80Aに入射し、出射部80Aを透過して平面領域85から出射する。なお、本実施形態の接着層90の屈折率は、出射部80Aの屈折率と表示部50における表示面50Sを構成する部材の屈折率との間の値とされている。このような接着層90は、光透過性を有して出射部80Aと反射型ディスプレイ4とを接着する限りにおいて、特に限定されるものではない。接着層90の材料として、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化樹脂等が挙げられる。
本実施形態の車両用表示装置である前照灯1では、上記のように、反射型ディスプレイ4は、外光OLがフロントカバー12を介して表示部50の表示面50Sに入射するように配置されている。また、透光性を有する導光部材80の出射部80Aは、この反射型ディスプレイ4の表示面50Sを覆っている。このため、出射部80Aの表示面50Sとは反対側の面87には、フロントカバー12及び出射部80Aを介して外光OLが入射する。出射部80Aは、上記のように、表示部50側から入射する光L4及び表示部50側と反対側から入射する光L3を透過する。従って、反射型ディスプレイ4は太陽光を含む外光OLを用いて情報を表示することができ、自発光型ディスプレイと比べて太陽光が照射される環境における情報の視認性が低下することを抑制し得る。また、導光部材80は、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部が入射する入射面81と、入射面81から入射する光を表示部50に入射するように出射する出射面である出射部80Aにおける一方の面86とを有する。このため、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部は、反射型ディスプレイ4の表示部50に入射され、反射型ディスプレイ4は灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を用いて表示を行うことができる。このため、表示部50に入射する外光OLの量が低下する場合であっても、前照灯1が点灯されることによって反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下を抑制し得る。また、導光部材80によって灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を所望の位置に導き得る。このため、導光部材80を備えない場合と比べて、灯具ユニット3の光源25に対する反射型ディスプレイ4の配置及び向きの設計の自由度を向上できる。また、導光部材80を備えない場合と比べて、反射型ディスプレイ4を灯具ユニット3の光源25から離間して配置し得る。
本実施形態では、出射部80Aにおける導光部80B側とは反対側である上方側の側面は、導光部80Bの入射面81に入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2を内部反射する反射部82とされる。つまり、反射部82は、この光L2の一部を表示部50側に内部反射する。このため、導光部80Bの入射面81から入射する光を反射部82で内部反射して表示部50に入射させ得る。このため、出射部80Aの側面の少なくとも一部が入射面81から入射する光を表示部50側に内部反射する反射部82とされない場合と比べて、より多くの光を表示部50に入射させ得る。従って、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下をより抑制し得る。
なお、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下をより抑制する観点では、出射部80Aのステップ84における傾斜面84A上に反射部材が設けられても良く、出射部80Aの上方側の側面である反射部82上に反射部材が設けられても良い。このような反射部材として、例えばそれぞれ金属蒸着等による反射膜や金属板等が挙げられる。ステップ84は、反射部材が設けられない場合と比べて、入射面81から入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2を表示部50側により多く内部反射し得る。このため、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下をより抑制し得る。また、反射部82は、反射部材が設けられない場合と比べて、入射面81から入射して出射部80Aの内部を伝搬する光L2を表示部50側により多く内部反射し得る。このため、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下をより抑制し得る。
本実施形態では、光透過性の接着層90が出射部80Aと表示部50との間に介在している。このため、出射部80Aと表示部50との間に空気の層が介在する場合と比べて、入射面81から入射してステップ84によって表示部50側に内部反射する光が出射部80Aの表示部50側の面86でフルネル反射することを抑制し得る。このため、より多くの光を表示部50に入射させ得るため、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下をより抑制し得る。また、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射する光が出射部80Aの表示部50側の面でフルネル反射することを抑制し得る。このため、表示部50から出射して出射部80Aを透過する光の輝度の低下を抑制し得る。従って、表示部50に表示される情報の視認性の低下を抑制し得る。
本実施形態では、複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、表示部50の画素55間に位置する。このため、ステップ84と表示部50の画素55とが重ならないため、表示部50に表示される情報が歪んで見えたりすることを抑制し得る。このため、ステップ84によって表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制し得る。
本実施形態では、複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、互いに平行な直線状に延在する領域とされ、ステップ領域83のピッチは、表示部50の画素55のピッチと同じとされている。このため、複数のステップ領域83が互いに平行な直線状に延在しない場合と比べて、導光部材80の生産性が向上し得る。また、ステップ84と表示部50に表示される情報とが干渉してモアレが生じることを抑制し得る。このため、ステップ84によって表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制し得る。なお、ステップ84と表示部50に表示される情報とが干渉してモアレが生じることを抑制する観点において、ステップ領域83のピッチは、表示部50の画素55のピッチの自然数倍であれば良い。
なお、表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制する観点では、複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、互いに平行な直線状に延在する領域とされ、ステップ領域83の短手方向の幅W1は、0.1mm以上2.5mm以下であるとともにステップ領域83間の幅W2よりも小とされることが好ましい。このような構成にすることで、人がステップ84を認識することが難しくなり、ステップ84と重なる表示部50に表示される情報が歪んで見えたりすることを抑制し得る。このため、ステップ84によって表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制し得る。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図8を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の第4実施形態における車両用灯具を図1と同様に示す図である。なお、第3実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の車両用表示装置である前照灯1は、導光部材80が出射部80Aを有さない点で第3実施形態の前照灯1と異なる。
本実施形態の導光部材80は、上下方向に延在する板状の導光部80Bから成る。導光部80Bの下部は開口61に挿入され、導光部80Bの下端部である下方側の側面は光源25から出射される光の一部が入射する入射面81とされる。このため、光源25から出射されて入射面81に入射する光は、導光部80Bの内部を入射面81側から入射面81側と反対側の側面側である上方側の側面に向かって伝搬する。導光部80Bの上部は反射型ディスプレイ4の表示部50の前方斜め下方に位置する。導光部80Bの上端部である上方側の側面は入射面81から入射して導光部80Bの内部を伝搬する光を反射型ディスプレイ4の表示部50に向かって出射する出射面88とされる。
本実施形態の導光部材80は、上記第3実施形態の導光部材80と同様に、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部が入射する入射面81と、入射面81から入射する光を表示部50に入射するように出射する出射面88とを有する。このため、導光部材80によって灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を所望の位置に導き得る。従って、導光部材80を備えない場合と比べて、灯具ユニット3の光源25に対する反射型ディスプレイ4の配置及び向きの設計の自由度を向上できる。また、導光部材80を備えない場合と比べて、反射型ディスプレイ4を灯具ユニット3の光源25から離間して配置し得る。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図9を参照して詳細に説明する。図9は、本発明の第5実施形態における車両用灯具を図1と同様に示す図である。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態の車両用表示装置である前照灯1は、反射型ディスプレイ4が灯具ユニット3のリフレクタ40よりも後方に配置される点、及びリフレクタ40の一部に開口41が形成される点で第1実施形態の前照灯1と異なる。
本実施形態のリフレクタ40には、光源25よりも後方側に開口41が形成されている。本実施形態では、開口41が形成される領域は、光源25から出射して反射する光の多くがシェード49によって遮られる領域とされる。このため、リフレクタ40に開口41が形成されることによって、前照灯1から出射する光の配光パターンに影響が生じることが抑制される。
本実施形態の反射型ディスプレイ4は、フロントカバー12を介して車両の外部から視認可能とされており、反射型ディスプレイ4は、車両の外部に向かって表示を行える。また、反射型ディスプレイ4は、光源25から出射する光の一部が開口41を介して表示部50に入射するとともに、外光OLがフロントカバー12を介して表示部50の表示面50Sに入射するように配置されている。このため、反射型ディスプレイ4は太陽光を含む外光OLを用いて情報を表示することができ、自発光型ディスプレイと比べて太陽光が照射される環境における情報の視認性が低下することを抑制し得る。また、反射型ディスプレイ4は灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を用いて表示を行うことができる。従って、表示部50に入射する外光OLの量が低下する場合であっても、前照灯1が点灯されることによって反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下を抑制し得る。また、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光する反射部材や導光部材等の光学部材を備えなくても、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部をリフレクタ40の開口41を介して表示部50に入射させることができる。このため、上記のような光学部材を備える場合と比べて、部品点数が多くなることを抑制できる。なお、反射型ディスプレイ4は、上記のような光学部材を備えていても良い。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、車両用表示装置である前照灯1は、筐体2と、灯具ユニット3と、反射型ディスプレイ4と、反射部材60とを備えていた。しかし、車両用表示装置は、反射型ディスプレイ4を備えていれば良く、灯具ユニット3を備えていなくても良い。つまり、車両用表示装置と灯具ユニット3とが別体とされても良い。
また、上記実施形態では、ロービームを出射する前照灯1における灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部が入射する反射型ディスプレイ4を例に説明した。しかし、反射型ディスプレイ4には、車両の外部に向かって光を出射する灯具の光源から出射する光の一部が入射すれば良く、灯具はロービームを出射する前照灯でなくても良く、例えばポジションランプ、デイタイムランニングランプ、テールランプ等とされても良い。また、灯具の数は限定されず、複数の灯具からの光の一部、例えば前照灯からの光の一部とデイタイムランニングランプからの光の一部が反射型ディスプレイ4に入射されても良い。なお、灯具は、夜間等の暗い環境において点灯される灯具であることが好ましい。また、灯具からの光を効率良く反射型ディスプレイに入射する観点から、反射型ディスプレイが車両の前部に配置される場合、灯具は車両の前部に配置される灯具、例えば前照灯、ポジションランプ、デイタイムランニングランプ等とされることが好ましい。一方、反射型ディスプレイが車両の後部に配置される場合、灯具は車両の後部に配置される灯具、例えばテールランプ等とされることが好ましい。また、灯具の光源が出射する光の色は特に限定されない。なお、反射型ディスプレイはRGBカラー表示を行う場合、灯具の光源が白色光を出射することが好ましい。また、上記実施形態の灯具ユニット3では、PES光学系が適用されたが、パラボラ光学系が適用されても良く、リフレクタを用いないで光源からの光を直接レンズに入射させる直射光学系が適用されても良い。
また、上記実施形態では、反射型ディスプレイ4は光源を有していなかった。しかし、反射型ディスプレイは、光源であるバックライトを有する反射型ディスプレイであっても良い。また、上記第2実施形態のように車両用表示装置が補助光源を備えたり、反射型ディスプレイがバックライト等の光源を備えたりする場合、車両用表示装置は例えば車両の外部の明るさを検出するセンサを更に備え、車両の外部の明るさに応じて補助光源や反射型ディスプレイが備える光源から光を出射させ、反射型ディスプレイがこれらの光を用いて表示を行うようにしても良い。このような構成にすることで、例えば、反射型ディスプレイに入射する外光の量が少なく反射型ディスプレイの視認性が低下するような場合に反射型ディスプレイが補助光源やバックライト等の光を用いて表示を行うようにし得る。このため、補助光源や反射型ディスプレイが備える光源による電力消費量を低減できる。また、車両の外部の明るさに応じて補助光源や反射型ディスプレイが備える光源から出射する光の輝度を変化させても良く、このような構成にすることで、補助光源やバックライト等による電力消費量をより低減し得る。また、灯具の光源から出射する光の輝度が変更可能な場合、この光の輝度に応じて、補助光源や反射型ディスプレイが備える光源から光を出射させたり、出射させる光の輝度を変化させたりしても良い。
また、上記実施形態では、無色で透光性を有する材料で構成されるフロントカバー12を例に説明したが、フロントカバー12は透光性を有すれば良く、有色であっても良い。しかし、フロントカバー12を介して表示部50に入射する外光を効果的に表示部50の表示に用いる観点からフロントカバー12は無色であることが好ましい。
また、上記第3実施形態及び第4実施形態では、無色で透光性を有する材料で構成される導光部材80を例に説明したが、導光部材80は透光性を有すれば良く、有色であっても良い。しかし、導光部材80を介して表示部50に入射する外光を表示部50の表示に用いるため、例えば表示部50が複数色の光によって表示を行う場合では、無色であることが好ましい。
また、導光部材80は、灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部が入射する入射面と、入射面から入射する光を表示部50に入射するように出射する出射面とを有する限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、上記第3実施形態において、導光部材80の出射部80Aにおける複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、表示部50の画素55間に位置しなくても良い。しかし、表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制する観点において、出射部80Aのステップ領域83は、表示部50の画素55間に位置していることが好ましい。
また、上記第3実施形態では、複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、互いに平行な直線状に延在する領域とされていた。しかし、複数のステップ領域83は、出射部80Aを平面視する場合に、断続的に直線状に延在する領域であっても良く、曲線状に延在する領域であっても良く、格子状の領域であっても良い。
また、上記第3実施形態では、ステップ領域83のピッチは、表示部50の画素55のピッチと同じとされていた。しかし、ステップ84と表示部50に表示される情報とが干渉してモアレが生じることを抑制する観点において、ステップ領域83のピッチは、表示部50の画素55のピッチの自然数倍であれば良い。
また、上記第3実施形態では、反射部82は、入射面81から入射する光を表示部50側に内部反射していた。しかし、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下を抑制する観点において、反射部82は、少なくとも入射面81から入射する光L2を内部反射すれば良い。このような構成にすることで、入射面81から入射する光L2を反射部82で内部反射してステップ84に向かわせ得る。このため、出射部80Aの側面の少なくとも一部が入射面81から入射する光を内部反射する反射部82とされない場合と比べて、より多くの光を表示部50に入射させ得るため、反射型ディスプレイ4の表示部50から出射される光の輝度の低下をより抑制し得る。なお、このような場合、ステップ84は、例えば反射部82で反射された光を表示部50側に内部反射するように、接続面84Bが出射部80Aの厚さ方向に対して傾いた面とされても良い。
また、上記第3実施形態では、ステップ84は、出射部80Aにおける表示部50側と反対側の面87が表示部50側に凹む凹みとされていた。しかし、ステップ84は、入射面81から入射して出射部80Aの内部を伝搬する光を表示部50側に内部反射する限りにおいて特に限定されない。
また、上記第3実施形態では、出射部80Aと表示部50との間に光透過性の接着層90が介在していた。しかし、出射部80Aと表示部50との間に接着層90が介在していなくても良く、出射部80Aは反射型ディスプレイ4とは異なる部材、例えば筐体2に取り付けられていても良い。しかし、上記のように、表示部50に表示される情報の視認性の低下を抑制する観点において、出射部80Aと表示部50との間に光透過性の接着層90が介在していることが好ましい。
また、上記第3実施形態及び第4実施形態における導光部材80は、車両の外部に位置する光源から出射する光が入射する外光用入射面を更に有し、この外光用入射面に入射する光を出射面から出射して表示部50に入射させても良い。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、1つの反射部材60によって灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光されていた。しかし、反射部材60の数は特に限定されるものではない。車両用表示装置は、複数の反射部材を備えていても良く、それぞれ灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光する複数の反射部材を備えても良い。また、車両用表示装置は、複数の反射部材60によって灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光させても良い。また、上記第3実施形態及び第4実施形態では、1つの導光部材80によって灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光されていた。しかし、導光部材80の数は特に限定されるものではない。車両用表示装置は、それぞれ灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光する反射部材と導光部材とを備えても良い。また、車両用表示装置は、反射部材と導光部材とによって灯具ユニット3の光源25から出射する光の一部を表示部50に導光させても良い。
また、上記2実施形態では、出射した光L1が直接的に表示部50に入射する補助光源75を例に説明した。しかし、補助光源から出射する光が表示部50に入射すれば良い。例えば補助光源は、上記第1実施形態の反射部材60や上記第3実施形態の導光部材80を介して出射する光を表示部50に入射させても良い。
また、上記第1実施形態から第4実施形態では、灯具ユニット3の光源25と反射型ディスプレイ4との間に配置されるリフレクタ40によって光源25から出射する光のうち表示部50に入射する光とは異なる光の少なくとも一部が遮られていた。しかし、車両用表示装置は、光源25と反射型ディスプレイ4との間に配置される遮光部材を備え、当該遮光部材によって光源25から出射する光のうち表示部50に入射する光とは異なる光の少なくとも一部を遮っても良い。このような構成とされても、灯具ユニット3の光源25から反射型ディスプレイ側に出射する光のうち表示部50に入射されるべき光とは異なる光が遮光部材によって遮られて当該光が表示部50に入射することを抑制し得る。このため、このような光によるによって車外の人が眩惑されることを抑制でき、表示部50に表示される情報の視認性が低下することを抑制し得る。このような遮光部材として、例えば金属製の板状部材等が挙げられる。しかし、部品点数が多くなることを抑制する観点から、灯具ユニット3のリフレクタ40によって、光源25から反射型ディスプレイ4側に出射する光のうち表示部50に入射する光とは異なる光の少なくとも一部を反射して遮ることが好ましい。