JP2019182230A - 位置報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視覚的に目立つと共に、斜面による転動または潮流・水流の流れを利用して、テープ状部材を線状に容易に展開することができる位置報知装置を提供する。【解決手段】山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置10であって、巻き芯部12、および巻き芯部12を両持ちで保持する一対のホルダ部16,16を有するスプール状部材14と、巻き芯部12に重ねて巻回され、且つ巻回終端部18aから展開可能に構成された長尺のテープ状部材18と、を備え、展開に際しテープ状部材18は、巻回終端部18a側を固定状態とすると共にスプール状部材14側を自由状態とし、スプール状部材14側の挙動により巻き芯部12から相対的に繰り出されるものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置に関する。
従来、この種の位置報知装置として、海洋遭難で用いられる視覚的位置認識装置が知られている(特許文献1参照)。
この視覚的位置認識装置は、吊り紐クリップにより救命胴衣に固定された保管コンテナと、保管コンテナに格納した吹き流しと、備えている。吹き流しは、芯に巻かれた状態で保管コンテナに収容されており、保管コンテナから繰り出すことにより帯状に展開する。保管コンテナには、芯を挿通するように綱が取り付けられ、この綱に吊り紐クリップが連結されている。一方、吹き流しは、高密度ポリエチレン製の吹き流し膜と、吹き流し膜に取り付けた複数の浮力支持支柱とから成り、吹き流し膜の先端部には、国際遭難信号標識が刻印されている。
海上で遭難した遭難者は、救命胴衣に取り付けた保管コンテナから吹き流しを繰り出し、海面に帯状に展開する。これにより、吹き流しは、航空機からの視認性を最大限とすることができる。
特表平9−505252号公報
ところで、山岳遭難、海洋遭難を問わず、航空機からの発見は極めて難しいとされている。山岳遭難では、ヘリコプターからの捜索では発見されず、山に分け入った捜索隊により発見されることが多い。また、海洋遭難では、対象が小型船舶や救命ボート(救命いかだ)でも航空機による発見は難しく、近くを航行する船舶に発見される場合が多い。救助された遭難者からは、「航空機に向かって何度も手を振ったが、発見されなかった」とする談話が目立つ。
このようなことから、上記従来の視覚的位置認識装置では、救命胴衣に取り付けられる大きさから想定して吹き流しの長さは数メートルであり、遭難エリアが十分に絞り込まれている場合でない限り、航空機からの発見は容易ではない。また、吹き流しを保管コンテナから繰り出して展開する構成であるため、操作性が悪く、遭難者が負傷している場合には、展開不能となるおそれがあった。また仮に、これを山岳遭難に適用した場合には、遭難者が動ける状態でないと、吹き流しを展開することはできない問題がある。
ところで、宇宙から地球を見たときに、人口構造物で唯一視認できるのは「万里の長城」とされている。また、ディスプレイや印刷の検査技術において、欠損ドットが分散していると発見し難いが、直線状に並んでいると容易に発見できるとされている。これは、人間の持つ視覚の特性から線状に長いものは(線幅の影響は少ない)、認識し易い(目立つ)からである。
本発明は、上記した人間の視覚特性にかんがみて為されたものであり、視覚的に目立つと共に、斜面による転動または潮流・水流の流れを利用して、テープ状部材を線状に容易に展開することができる位置報知装置を提供することを課題としている。
本発明の位置報知装置は、山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、巻き芯部、および巻き芯部を両持ちで保持する一対のホルダ部を有するスプール状部材と、巻き芯部に重ねて巻回され、且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、展開に際しテープ状部材は、巻回終端部側を固定状態とすると共にスプール状部材側を自由状態とし、スプール状部材側の挙動により巻き芯部から相対的に繰り出されることを特徴とする。
山岳遭難の場合、遭難者は、山の斜面や沢筋で救援を待つ。また、海洋遭難の場合、遭難者は、救命胴衣或いは救命ボート等に身を任せ、潮流に流されながら救援を待つ。
この構成によれば、山の斜面で救援を待つ遭難者は、ザック等に巻回終端部側を固定した後、スプール状部材側を谷側に投げ放つ。これにより、スプール状部材は、谷に向かって山の斜面を転がってゆく(挙動)。その際、テープ状部材は、スプール状部材(巻き芯部)から解けてゆき、やがて斜面に線状に展開する。
また、沢筋で救援を待つ遭難者は、岩等に巻回終端部側を固定した後、スプール状部材側を沢(渓流)に投げ入れる。これにより、スプール状部材は、水流に乗って下流に流されてゆく(挙動)。その際、テープ状部材は、スプール状部材(巻き芯部)から解けてゆき、やがて沢筋に沿って線状に展開する。
一方、海上で救援を待つ遭難者は、救命胴衣や救命ボート(救命いかだ)に巻回終端部側を固定した後、或いは固定しておいて、スプール状部材側を海面に解き放つ。遭難者や救命ボートとスプール状部材とは、風の影響(風を受ける面積)や潮流の影響(表層流とその下の流れ)が異なるため、遭難者や救命ボートとスプール状部材とは、相互に離れてゆく(挙動)、その際、テープ状部材は、スプール状部材(巻き芯部)から解けてゆき、やがて線状に展開する。
このように、斜面や水流・潮流を利用することにより、テープ状部材を容易に展開することがきる。また、線状に展開したテープ状部材は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。
なお、山岳で使用する位置報知装置のテープ状部材は、全長30m〜100mであることが好ましく、海洋で使用する位置報知装置のテープ状部材は、全長300m〜1000mであることが好ましい。
この場合、一対のホルダ部は、それぞれ冠球状に形成され且つ冠球の球中心を共有した状態で対峙していることが好ましい。
この構成によれば、スプール状部材の輪郭的形状が、回転し易い球形に形成されているため、障害物等に引っ掛かり難く、これを円滑に展開させることができる。また、位置報知装置全体をコンパクトに構成することができる。
この場合、一対のホルダ部が為す輪郭球の直径が、70mm以上90mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、適切な長さのテープ状部材を確保することができると共に、スプール状部材が握り易い形状および大きさであるため(野球ボール大)、これを投げ放つことにより、その展開を促進することができる。特に、山岳で用いるものにおいて、テープ状部材を展開するときに有用である。
また、テープ状部材は、伸縮性を有し、延伸した状態で巻き芯部に巻回されていることが好ましい。
この構成によれば、延伸したテープ状部材がスプール状部材(巻き芯部)からほつれるとき(展開)に、テープ状部材は元の自由状態に縮む。この縮む力により、スプール状部材に回転力が付与されるため、テープ状部材を線状に円滑に展開させることができる。
一方、テープ状部材は、水流および潮流に対し浮力を有していることが好ましい。
この構成によれば、テープ状部材は、水流や潮流に乗って水面を流れるため、障害物等に引っ掛かり難く、これを円滑に展開させることができる。また、線状に展開したテープ状部材は、水面に浮いているため、視覚を通じて目立ち易いものとなる。
同様に、テープ状部材の巻回始端部は、巻き芯部に固定され、スプール状部材は、水流および潮流に対し浮力を有していることが好ましい。
この構成によれば、テープ状部材が展開した状態で、浮上したスプール状部材は潮流・水流の抵抗を受ける。このため、展開したテープ状部材にテンションが付与され、テープ状部材は弛みを生ずることなく水面上や海面上において線状に保持され、目立ち易いものとなる。
また、テープ状部材は、蛍光色または金属色のものであることが好ましい。
この構成によれば、線状に展開したテープ状部材を、視覚を通じてより一層、目立つものとすることができる。
また、巻回終端部に連なる固定紐部を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、固定紐部により、巻回終端部側を容易に固定することができる。なお、固定紐部には、その先端にフック等を設けることがより好ましい。
この場合、巻回終端部は、重ね貼りするための粘着部を有していることが好ましい。
この構成によれば、運搬時(携帯時)や固定紐部を何らかの対象物に固定するときに、テープ状部材が不用意に解けてしまうことがない。したがって、取扱い性が良好になると共に、テープ状部材の展開作業を適切且つ円滑に行うことができる。
第1実施形態に係る位置報知装置の部分裁断正面図である。 展開した状態の位置報知装置の斜視図である。 テープカバー廻りの裁断側面図である。 変形例に係るテープカバーの部分平面図である。 山岳における位置報知装置の使用状態(展開状態)を示す図である。 渓流における位置報知装置の使用状態(展開状態)を示す図である。 海洋における位置報知装置の使用状態(展開状態)を示す図である。 第2実施形態に係る位置報知装置の部分裁断正面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る位置報知装置について説明する。この位置報知装置は、長い線状のものに敏感な人間の視覚特性を利用し、山岳や海洋における遭難者の、航空機や遠方から発見を容易にするものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る位置報知装置の部分裁断正面図であり、図2は、展開した状態の位置報知装置の斜視図である。これらの図に示すように、位置報知装置10は、巻き芯部12を有すると共に、巻き芯部12を両持ちで保持する一対のホルダ部16,16を有するスプール状部材14と、巻き芯部12に対し、巻回終端部18aから展開可能に重ねて巻回された長尺のテープ状部材18と、巻回終端部18aに連なる固定紐部22と、テープ状部材18および固定紐部22を覆うテープカバー24と、を備えている。テープ状部材18の巻回始端部18bは、巻き芯部12に連結固定され、巻回終端部18aは、固定紐部22に連結されている。
この位置報知装置10では、テープ状部材18は、固定紐部22側(巻回終端部18a側)を固定状態とすると共にスプール状部材14側を自由状態として、巻き芯部12から相対的に繰り出されて展開する。すなわち、テープ状部材18は、スプール状部材14が、斜面による転動し或いは水流や潮流に流されることより、線状に展開可能に構成されている。例えば、山岳における遭難者は、固定紐部22をザックや岩等に固定し、スプール状部材14を谷側に投げ転動させることで、テープ状部材18を線状に展開する。一方、捜索隊(ヘリコプターまたは徒歩)は、線状に展開したテープ状部材18を捜索対象とし、遭難者の発見に努めることとなる。
スプール状部材14は、円柱状(または円筒状)の巻き芯部12と、巻き芯部12を両持ちで保持する一対のホルダ部16,16を有しており、木材やプラスチック等で形成されている。一対のホルダ部16,16は、それぞれ冠球状に形成され且つ冠球の球中心を共有した状態で対峙している。すなわち、スプール状部材14には、左右の中間部にテープ状部材18を巻回するスプール部26が構成され、全体として略球状(輪郭球)を為すように形成されている。これにより、位置報知装置10の斜面での転動等が促進され、テープ状部材18の展開が円滑に行われる。
そして、球形の輪郭を為すスプール状部材14は、特に、山岳用のものにおいては、その直径が、70mm以上90mm以下であることが好ましい。また、テープ状部材18を巻回したスプール状部材14の重さは、150グラム程度(130〜180グラム)とすることが好ましい。このサイズおよび重さは、野球ボールのイメージであり、取扱い性および携帯性の優れていると共に、遭難者がこれを握って投げるのに適している。言うまでもないが、海洋用の位置報知装置10は、山岳用の位置報知装置10に比して十分に大きなものとなる。
なお、スプール状部材14は、蛍光色等により着色されていることが好ましい。また、各ホルダ部16は、滑り止めを考慮し多面体の冠球面としてもよい。一方、巻き芯部12と一対のホルダ部16,16とは、一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。また、スプール状部材14は、巻き芯部12の両側に一対のフランジ部を有するものをスプール部26とし、このスプール部26の両側に冠球状のホルダ部16,16をそれぞれ固着した形態であってもよい。
実施形態のものは、一方のホルダ部16と、巻き芯部12と、環状段部17aを存して巻き芯部12に連なる接合凸部17とが一体に形成されている。一方、他方のホルダ部16には、接合凸部17が接合される接合凹部19が形成されている。そして、巻き芯部12にコア21付きのテープ状部材18が装着された後、接合凸部17に接合凹部19を接合・接着することで、位置報知装置10の組立てが行われる。
また、スプール状部材14は、適度な浮力と重さを有している。この場合、スプール状部材14の浮力は、その約2/3が水面下に没する程度とし、潮流や水流に流されるときに風の影響を極力受けないようにしている。これにより、スプール状部材14は、テープ状部材18が展開した状態で、潮流・水流の抵抗を受け、テープ状部材18に弛みが生じないようにテンションを付与する。これにより、テープ状部材18を、延びきった状態に展開させることができる。
なお、図1において仮想線で示すように、スプール状部材14の中心部に、テープ状部材18(テープロール)と平行に棒状のバランサー25を組み込んでおくことが好ましい。バランサーは、例えばスプール状部材14よりも比重の重い金属棒等で構成されている。このように、バランサー25を設けると、テープ状部材18が展開するときの抵抗で、スプール状部材14はバランサーを軸として回転し易くなる。これにより、展開(相対的な繰出し)してゆくテープ状部材18に、ヨレ(捻れ)が生じ難いものとなる。
テープ状部材18は、浮力を有する蛍光色または金属色の樹脂材料で構成されている。浮力を有するテープ状部材18は、水面に浮き水流や潮流により流され易く展開容易となる。また、展開した状態のテープ状部材18は、水面に浮きその色彩と相まって、極めて目立ち易いものとなる。山岳用のテープ状部材18は、幅20mm〜30mm程度で全長30m〜100m程度とした、蛍光テープ等で構成されていることが好ましい。同様に、海洋用のテープ状部材18は、幅50mm〜100mm程度で全長300m〜1000m程度とした、蛍光テープ等で構成されていることが好ましい。
そして、テープ状部材18は、巻き芯部12と一対のホルダ部16,16のそれぞれの内周面とにより構成されたスプール部26にロール状に巻回されている。この場合、スプール部26は、テープ状部材18のテープ幅よりも僅かに幅広に形成されている。
実施形態のテープ状部材18は、コア21付きのものであり、テープ状部材18の巻回始端部18bは、このコア21に固定されている。コア21は、例えばプラスチックで形成され、巻回始端部18bは、コア21の表面に強接着や熱圧着等により固定されている。すなわち、テープ状部材18の巻回始端部18bは、コア21を介して巻き芯部12に連結固定されている。
もっとも、テープ状部材18は、巻き芯部12に直接巻回したコア21無しのものであってもよい。かかる場合には、巻き芯部12の一部にスリットを形成し、このスリットにテープ状部材18の巻回始端部18bが挿入し、接着等により固定することが好ましい。或いは、巻回始端部18bを、巻き芯部12の表面に強接着や熱圧着等により固定するものであってもよい。
一方、テープ状部材18の巻回終端部18aには、粘着剤を塗着した粘着部28が設けられている(図2参照)。すなわち、巻き芯部12に巻回したテープ状部材18の巻回終端部18aが、重ね貼りされるようになっている。これにより、運搬時(携帯時)や固定紐部22を何らかの対象物に固定するときに、テープ状部材18がスプール部26から不用意に解けてしまうのを防止することができる。
なお、テープ状部材18は、伸縮性を有し、延伸した状態で巻き芯部12に巻回されているものであってもよい。かかる場合には、テープ状部材18が展開するときに、テープ状部材18の縮む力により、スプール状部材14に回転力が付与され、テープ状部材18の展開が促進される。また、テープ状部材18は、巻き癖の付き難い材質とすることが好ましい。
固定紐部22は、テープ状部材18の展開に先立って、巻回終端部18a側を対象物(山岳では、岩、灌木、ザック等)に固定する部位であり、細径のロープ材で構成された紐部本体32と、紐部本体32の先端部に取り付けたフック34と、を有している。紐部本体32は、例えば径2.5mm〜4mmで全長1m程度の滑り難い綿ロープやパイレンロープ等で構成され、巻き芯部12(スプール部26)に巻回したテープ状部材18の表面に巻かれている。紐部本体32の基端部には、テープ状部材18の巻回終端部18aが連結され、先端部にはフック34が取り付けられている。本実施形態のフック34は、小型のカラビナ等で構成されている。
固定紐部22を対象物に固定する方法には、第1に、紐部本体32を対象物に縛り付ける、第2に、紐部本体32を対象物に巻いた後、フック34を紐部本体32に掛け止めする、第3に、フック34を対象物に直接掛け止めする等があり、状況に応じて固定方法を選択できるようになっている。なお、紐部本体32は、帯状の紐であってもよい。
上述のように、スプール部26には、巻き芯部12の上(外側)にテープ状部材18が巻回されると共に、テープ状部材18の上(外側)に固定紐部22が巻回されている。そして、この固定紐部22の外側には、プラスチック等で構成された円環状のテープカバー24が配設されている。
図1および図3に示すように、テープカバー24は、半円状の一対のカバー片36,36から成る2分割構造を有している。一対のカバー片36,36は、一方の端部においてヒンジ構造42を為し、他方の端部においてスナップインの係止構造44を為している。使用者は、スナップインの係止構造44を解くことにより、スプール状部材14からテープカバー24を外すようになっている。
また、テープカバー24は、スプール部26よりわずかに幅広に形成され、スプール部26の開放部分に嵌合するように配設されている。そして、テープカバー24で画成されてスプール部26の内部空間には、テープ状部材18および固定紐部22が充填状態となるように巻回されている。これにより、位置報知装置10を持ち運ぶ(携帯)ときに、テープ状部材18や固定紐部22が解けてしまうのを有効に防止することができる。なお、テープカバー24を省略し或いはテープカバー24を設けた状態で、全体を真空パック容器等に収容するようにしてもよい。
ところで、フック34は、紐部本体32と共にテープカバー24内に収容してもよいし、テープカバー24外に露出させておいてもよい。
図3に示すように、実施形態のものは、フック34をテープカバー24の外部に露出させている。テープカバー24には、係止構造44の近傍に位置して小穴46が形成されており、この小穴46に挿通した紐部本体32の端部とフック34とが接続されている。
フック34(カラビナ)は、図示しないが、粘着テープ等によりテープカバー24の外表面に取り付けられている。テープカバー24からフック34を外し、これを外方に引くことにより、テープカバー24の係止構造44が解かれる(係止解除)。これにより、テープカバー24が、スプール状部材14から外れ、テープ状部材18が繰出し可能となる。
[変形例]
図4は、テープカバー24Aの変形例を表している(一部を表している)。変形例のテープカバー24Aは、円環状に一体に形成され、その一部に紐部本体32を通す小穴46が形成されている。また、テープカバー24Aには、小穴46に連なる「ハ」字状の切り線48が形成されている。この場合には、フック34を外方に引くと、切り線48に沿うように力が加わってテープカバー24Aが破壊する。これにより、テープカバー24Aが、スプール状部材14から外れ、テープ状部材18が繰出し可能となる。
次に、図5を参照して、山岳(山の斜面)における位置報知装置10の使用方法について説明する。ここでは、登山道から滑落し歩行不能となった遭難者を想定する。遭難者は、先ずザックから位置報知装置10を取り出す。位置報知装置10を取り出したらテープカバー24を外し、固定紐部22を延ばしてこれをザック等に固定する。例えば、固定紐部22をザックのショルダーベルトに通し、フック34を紐部本体32に掛け止めする。
固定紐部22を固定したら、固定紐部22を基端側に手繰って、テープ状部材18の粘着部28を引き剥がす。次に、スプール状部材14を手に持ち、これを谷側に向かって投げ放つ。投げ放たれたスプール状部材14は、テープ状部材18の巻きが解かれながら飛翔し、やがて斜面に落下し転がってゆく。さらに、スプール状部材14は、テープ状部材18の巻きが解かれながら斜面を転動し、テープ状部材18が出きったところで停止する。これにより、テープ状部材18は斜面に沿って線状に展開する。
図6は、渓流(山岳)において位置報知装置10を展開した状態を表している。ここでは、沢登り中に滑落し歩行不能となった遭難者や、道に迷って沢まで降り疲労で動けなくなった遭難者を想定する。遭難者は、先ず位置報知装置10を取り出し、テープカバー24を外して固定紐部22を岸辺の岩等に固定する。次に、スプール状部材14を流れの流心に投げ入れる。スプール状部材14は、テープ状部材18の巻きが解かれながら流れに乗って流下してゆき、やがてテープ状部材18が延びきった状態となる。これにより、テープ状部材18は、流れに沿って且つ水面に浮いた状態で線状に展開する。
図7は、海洋において位置報知装置10を展開した状態を表している。ここでは、船外機の故障で漂流する小型ボートの遭難者や、救命ボート(救命いかだ)に乗り移った遭難者を想定する。遭難者は、固定紐部22を船べり等に固定しておいて、スプール状部材14を海に投入する。小型ボートや救命ボートは、潮流および風の影響を受ける一方、スプール状部材14は、主に潮流の影響を受ける。このため、ボートとスプール状部材14は、それぞれ漂流しながら離れてゆく。ボートから離れてゆくスプール状部材14からは、テープ状部材18の巻きが解かれてゆき、やがてテープ状部材18が延びきった状態となる。これにより、テープ状部材18は、海面に浮いた状態でほぼ直線状に展開する。
なお、着水時に自動的に膨張する「救命いかだ」(ゴムボート)においては、救命いかだを収容するカプセルに、救命いかだと共に位置報知装置10を収容しておくことが好ましい。そして、救命いかだと共に位置報知装置10が海に投入されると、着水と同時に救命いかだが膨張する一方、位置報知装置10のスプール状部材14が自動的に海に投入されるようにする。
ところで、山岳・海洋用を問わず実施形態の位置報知装置10では、展開したテープ状部材18には、ヨレが生ずることがある。しかし、線状に展開している限りテープ状部材18の目立ち易さに支障を生ずることはない。同様に、展開したテープ状部材18が直線状にならなくても、長く延びていることで、その目立ち易さは変わらない。
以上のように、第1実施形態の位置報知装置10によれば、固定紐部22(巻回終端部18a側)を固定状態としスプール状部材14側を自由状態として、テープ状部材18を線状に展開するように構成されている。このため、山岳では、山の斜面を利用して、テープ状部材18を線状に簡単に展開することができる。また、渓流では、水流を利用して、テープ状部材18を線状に簡単に展開することができる。さらに、海洋では、潮流(および風)を利用して、テープ状部材18を線状に簡単に展開することができる。
一方、線状に展開したテープ状部材18は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材18を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。しかも、電源等を必要とせず、特に山岳における位置報知装置10はコンパクトで携帯に適している。
[第2実施形態]
次に、図8を参照して、第2実施形態に係る位置報知装置10Aについて説明する。この実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明を進める。図8は、第2実施形態に係る位置報知装置10Aの部分裁断正面図であり、同図に示すように、本実施形態の位置報知装置10Aは、全体として略円柱状に形成されている。
この位置報知装置10Aでは、スプール状部材14Aの一対のホルダ部16,16がそれぞれ円柱状に形成され、位置報知装置10Aは、全体として円柱状の輪郭を為すように形成されている。スプール部26には、第1実施形態と同様に、長尺のテープ状部材18が巻回されと共に固定紐部22が巻回され、さらにこれらを覆う円環状のテープカバー24が設けられている。この場合も、テープ状部材18の巻回始端部18bは、巻き芯部12に連結固定され、巻回終端部18aは、固定紐部22に連結されている。
スプール状部材14Aは、木材やプラスチック等で形成されており、適度な浮力と重さを有している。また、第1実施家形態と同様に、テープ状部材18は、浮力を有する蛍光色または金属色の樹脂材料で構成されている。さらに、固定紐部22は、紐部本体32と、紐部本体32の先端部に取り付けたフック34と、で構成されている。そして、テープカバー24は、プラスチック等で形成されている。
山岳における位置報知装置10Aは、スプール状部材14Aが斜面を転がってゆくことにより、テープ状部材18が展開する。また、渓流における位置報知装置10Aは、スプール状部材14Aが水流に乗って流れ下ることにより、テープ状部材18が展開する。同様に、海洋における位置報知装置10Aは、スプール状部材14Aが潮流や風の影響を受けることにより、テープ状部材18が展開する。
特に、この位置報知装置10Aは、海洋用に適しており、同図に示す姿勢で海上に浮き、この状態でテープ状部材18が展開されてゆく。
このように、第2実施形態の位置報知装置10Aでも、斜面や水流・潮流を利用することにより、テープ状部材18を容易に展開することがきる。また、線状に展開したテープ状部材18は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材18を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。
10,10A…位置報知装置、12…巻き芯部、14,14A…スプール状部材、18…テープ状部材、18a…巻回終端部、18b…巻回始端部、22…固定紐部、24…テープカバー、28…粘着部
本発明の位置報知装置は、山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、巻き芯部、および巻き芯部を両持ちで保持する一対のホルダ部を有するスプール状部材と、巻き芯部に重ねて巻回され、且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、展開に際しテープ状部材は、巻回終端部側を固定状態とすると共にスプール状部材側を自由状態とし、スプール状部材側の挙動により巻き芯部から相対的に繰り出され、スプール状部材は、適度な浮力と重さを有し、スプール状部材側の挙動を促進することを特徴とする。

Claims (9)

  1. 山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、
    巻き芯部、および前記巻き芯部を両持ちで保持する一対のホルダ部を有するスプール状部材と、
    前記巻き芯部に重ねて巻回され、且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、
    展開に際し前記テープ状部材は、前記巻回終端部側を固定状態とすると共に前記スプール状部材側を自由状態とし、前記スプール状部材側の挙動により前記巻き芯部から相対的に繰り出されることを特徴とする位置報知装置。
  2. 前記一対のホルダ部は、それぞれ冠球状に形成され且つ冠球の球中心を共有した状態で対峙していることを特徴とする請求項1に記載の位置報知装置。
  3. 前記一対のホルダ部が為す輪郭球の直径が、70mm以上90mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の位置報知装置。
  4. 前記テープ状部材は、伸縮性を有し、
    延伸した状態で前記巻き芯部に巻回されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の位置報知装置。
  5. 前記テープ状部材は、水流および潮流に対し浮力を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の位置報知装置。
  6. 前記テープ状部材の巻回始端部は、前記巻き芯部に固定され、
    前記スプール状部材は、水流および潮流に対し浮力を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の位置報知装置。
  7. 前記テープ状部材は、蛍光色または金属色のものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の位置報知装置。
  8. 前記巻回終端部に連なる固定紐部を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の位置報知装置。
  9. 前記巻回終端部は、重ね貼りするための粘着部を有していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の位置報知装置。
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