JP6667783B2 - 位置報知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置に関する。
従来、この種の位置報知装置として、海洋遭難で用いられる視覚的位置認識装置が知られている(特許文献1参照)。
この視覚的位置認識装置は、吊り紐クリップにより救命胴衣に固定された保管コンテナと、保管コンテナに格納した吹き流しと、備えている。吹き流しは、芯に巻かれた状態で保管コンテナに収容されており、保管コンテナから繰り出すことにより帯状に展開する。保管コンテナには、芯を挿通するように綱が取り付けられ、この綱に吊り紐クリップが連結されている。一方、吹き流しは、高密度ポリエチレン製の吹き流し膜と、吹き流し膜に取り付けた複数の浮力支持支柱とから成り、吹き流し膜の先端部には、国際遭難信号標識が刻印されている。
海上で遭難した遭難者は、救命胴衣に取り付けた保管コンテナから吹き流しを繰り出し、海面に帯状に展開する。これにより、吹き流しは、航空機からの視認性を最大限とすることができる。
特表平9−505252号公報
ところで、山岳遭難、海洋遭難を問わず、航空機からの発見は極めて難しいとされている。山岳遭難では、ヘリコプターからの捜索では発見されず、山に分け入った捜索隊により発見されることが多い。また、海洋遭難では、対象が小型船舶や救命ボート(救命いかだ)でも航空機による発見は難しく、近くを航行する船舶に発見される場合が多い。救助された遭難者からは、「航空機に向かって何度も手を振ったが、発見されなかった」とする談話が目立つ。
このようなことから、上記従来の視覚的位置認識装置では、救命胴衣に取り付けられる大きさから想定して吹き流しの長さは数メートルであり、遭難エリアが十分に絞り込まれている場合でない限り、航空機からの発見は容易ではない。また、吹き流しを保管コンテナから繰り出して展開する構成であるため、操作性が悪く、遭難者が負傷している場合には、展開不能となるおそれがあった。また仮に、これを山岳遭難に適用した場合には、遭難者が動ける状態でないと、吹き流しを展開することはできない問題がある。
ところで、宇宙から地球を見たときに、人口構造物で唯一視認できるのは「万里の長城」とされている。また、ディスプレイや印刷の検査技術において、欠損ドットが分散していると発見し難いが、直線状に並んでいると容易に発見できるとされている。これは、人間の持つ視覚の特性から線状に長いものは(線幅の影響は少ない)、認識し易い(目立つ)からである。
本発明は、上記した人間の視覚特性にかんがみて為されたものであり、視覚的に目立つと共に、斜面による転動または潮流・水流の流れを利用して、テープ状部材を線状に容易に展開することができる位置報知装置を提供することを課題としている。
本発明の位置報知装置は、山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、球形に形成された巻き芯部と、巻き芯部に球形を為すように重ねて巻回され、且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、展開に際しテープ状部材は、巻回終端部側を固定状態とすると共に巻回終端部以外の主巻回部側を自由状態とし、主巻回部側の挙動により巻き芯部から相対的に繰り出されることを特徴とする。
山岳遭難の場合、遭難者は、山の斜面や沢筋で救援を待つ。また、海洋遭難の場合、遭難者は、救命胴衣或いは救命ボート等に身を任せ、潮流に流されながら救援を待つ。
この構成によれば、山の斜面で救援を待つ遭難者は、ザック等に巻回終端部側を固定した後、主巻回部側を谷側に投げ放つ。これにより、主巻回部は、谷に向かって山の斜面を転がってゆく(挙動)。その際、テープ状部材は、主巻回部から解けてゆき、やがて斜面に線状に展開する。
また、沢筋で救援を待つ遭難者は、岩等に巻回終端部側を固定した後、主巻回部側を沢(渓流)に投げ入れる。これにより、主巻回部は、水流に乗って下流に流されてゆく(挙動)。その際、テープ状部材は、主巻回部から解けてゆき、やがて沢筋に沿って線状に展開する。
一方、海上で救援を待つ遭難者は、救命胴衣や救命ボート(救命いかだ)に巻回終端部側を固定した後、或いは予め固定しておいて、主巻回部側を海面に解き放つ。遭難者や救命ボートと主巻回部とは、風の影響(風を受ける面積)や潮流の影響(表層流とその下の流れ)が異なるため、遭難者や救命ボートと主巻回部とは、相互に離れてゆく(挙動)、その際、テープ状部材は、主巻回部から解けてゆき、やがて線状に展開する。
このように、斜面や水流・潮流を利用することにより、テープ状部材を容易に展開することがきる。また、線状に展開したテープ状部材は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。
一方、テープ状部材(主巻回部)は、回転し易い球形に形成されているため、障害物等に引っ掛かり難く、これを円滑に展開させることができる。また、位置報知装置全体をコンパクトに構成することができる。
なお、山岳で使用する位置報知装置のテープ状部材は、全長30m〜100mであることが好ましく、海洋で使用する位置報知装置のテープ状部材は、全長300m〜1000mであることが好ましい。
この場合、巻き芯部に巻回されたテープ状部材の直径が、70mm以上90mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、適切な長さのテープ状部材を確保することができると共に、テープ状部材(主巻回部)が握り易い形状および大きさであるため(野球ボール大)、これを投げ放つことにより、その展開を促進することができる。特に、山岳で用いるものにおいて、テープ状部材を展開するときに有用である。
本発明の他の位置報知装置は、山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、巻き芯部と、伸縮性を有し、延伸した状態で巻き芯部に重ねて巻回され且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、展開に際しテープ状部材は、巻回終端部側を固定状態とすると共に巻回終端部以外の主巻回部側を自由状態とし、主巻回部側の挙動により巻き芯部から相対的に繰り出されることを特徴とする。
山岳遭難の場合、遭難者は、山の斜面や沢筋で救援を待つ。また、海洋遭難の場合、遭難者は、救命胴衣或いは救命ボート等に身を任せ、潮流に流されながら救援を待つ。
この構成によれば、山の斜面で救援を待つ遭難者は、ザック等に巻回終端部側を固定した後、主巻回部側を谷側に投げ放つ。これにより、主巻回部は、谷に向かって山の斜面を転がってゆく(挙動)。その際、テープ状部材は、主巻回部から解けてゆき、やがて斜面に線状に展開する。
また、沢筋で救援を待つ遭難者は、岩等に巻回終端部側を固定した後、主巻回部側を沢(渓流)に投げ入れる。これにより、主巻回部は、水流に乗って下流に流されてゆく(挙動)。その際、テープ状部材は、主巻回部から解けてゆき、やがて沢筋に沿って線状に展開する。
一方、海上で救援を待つ遭難者は、救命胴衣や救命ボート(救命いかだ)に巻回終端部側を固定した後、或いは予め固定しておいて、主巻回部側を海面に解き放つ。遭難者や救命ボートと主巻回部とは、風の影響(風を受ける面積)や潮流の影響(表層流とその下の流れ)が異なるため、遭難者や救命ボートと主巻回部とは、相互に離れてゆく(挙動)、その際、テープ状部材は、主巻回部から解けてゆき、やがて線状に展開する。
このように、斜面や水流・潮流を利用することにより、テープ状部材を容易に展開することがきる。また、線状に展開したテープ状部材は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。
また、延伸したテープ状部材が主巻回部からほつれるとき(展開)に、テープ状部材は元の自由状態に縮む。この縮む力により、主巻回部に回転力が付与されるため、テープ状部材を線状に円滑に展開させることができる。
なお、山岳で使用する位置報知装置のテープ状部材は、全長30m〜100mであることが好ましく、海洋で使用する位置報知装置のテープ状部材は、全長300m〜1000mであることが好ましい。
一方、テープ状部材は、水流および潮流に対し浮力を有していることが好ましい。
この構成によれば、テープ状部材(主巻回部)は、水流や潮流に乗って水面を流れるため、障害物等に引っ掛かり難く、これを円滑に展開させることができる。また、線状に展開したテープ状部材は、水面に浮いているため、視覚を通じて目立ち易いものとなる。
同様に、テープ状部材の巻回始端部は、巻き芯部に固定され、巻き芯部は、水流および潮流に対し浮力を有していることが好ましい。
この構成によれば、テープ状部材が展開した状態で、浮上した巻き芯部は水流や潮流の抵抗を受ける。このため、展開したテープ状部材にテンションが付与され、テープ状部材は弛みを生ずることなく水面上や海面上において線状に保持され、目立ち易いものとなる。
また、テープ状部材は、蛍光色または金属色のものであることが好ましい。
この構成によれば、線状に展開したテープ状部材を、視覚を通じてより一層、目立つものとすることができる。
また、巻回終端部に連なる固定紐部を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、固定紐部により、巻回終端部側を容易に固定することができる。なお、固定紐部には、その先端にフック等を設けることがより好ましい。
この場合、巻回終端部は、重ね貼りするための粘着部を有していることが好ましい。
この構成によれば、運搬時や固定紐部を何らかの対象物に固定するときに、テープ状部材(主巻回部)が不用意に解けてしまうことがない。したがって、取扱い性が良好になると共に、主巻回部の展開作業を適切且つ円滑に行うことができる。
第1実施形態に係る位置報知装置の一部裁断正面図である。 展開した状態の位置報知装置の斜視図である。 山岳における位置報知装置の使用状態(展開状態)を示す図である。 渓流における位置報知装置の使用状態(展開状態)を示す図である。 海洋における位置報知装置の使用状態(展開状態)を示す図である。 第2実施形態に係る位置報知装置の一部裁断正面図である。 第2実施形態の第1変形例に係る位置報知装置の一部裁断正面図である。 第2実施形態の第2変形例に係る位置報知装置の一部裁断正面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る位置報知装置について説明する。この位置報知装置は、長い線状のものに敏感な人間の視覚特性を利用し、山岳や海洋における遭難者の、航空機や遠方から発見を容易にするものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る位置報知装置の一部裁断正面図であり、図2は、展開した状態の位置報知装置の斜視図である。これらの図に示すように、位置報知装置10は、中心の巻き芯部11と、巻き芯部11に対し、巻回終端部12aから展開可能に重ねて巻回された長尺のテープ状部材12と、巻回終端部12aに連なる固定紐部13と、を備えている。テープ状部材12の巻回始端部12bは、巻き芯部11に連結固定され、巻回終端部12aは、固定紐部13に連結されている。
この位置報知装置10では、テープ状部材12は、固定紐部13側(巻回終端部12a側)を固定状態とすると共に、巻回終端部12a以外の主巻回部15側を自由状態とし、巻き芯部11から相対的に繰り出されて展開する。すなわち、自由状態の主巻回部15は、斜面による転動または水流・潮流の流れにより、解けるようにして線状に展開する。例えば、山岳における遭難者は、固定紐部13をザックや岩等に固定し、テープ状部材12の主巻回部15を谷側に投げ斜面を転動させることで、これを線状に展開する。一方、捜索隊(ヘリコプターまたは徒歩)は、線状に展開したテープ状部材12を捜索対象とし、遭難者の発見に努めることとなる。
巻き芯部11は、木材やプラスチック等で球形に形成されており、適度な浮力と重さを有している。この場合、巻き芯部11の浮力は、その約2/3が水面下に没する程度とし、潮流や水流に流されるときに風の影響を極力受けないようにしている。これにより、巻き芯部11は、テープ状部材12が展開した状態で、潮流・水流の抵抗を受け、テープ状部材12に弛みが生じないようにテンションを付与する。また、テープ状部材12が軽くても、巻き芯部11の重みにより主巻回部15は適度な重さとなり、斜面での転動等を促進する。
巻き芯部11の一部には、スリット11aが形成され、このスリット11aにテープ状部材12の巻回始端部12bが挿入されて接着等により固定されている。もっとも、巻回始端部12bを、巻き芯部11の表面に強接着や熱圧着等により固定するものであってもよい。なお、巻き芯部11の表面は、蛍光色等により着色されていることが好ましい。
テープ状部材12は、浮力を有する蛍光色または金属色の樹脂材料で構成されている。浮力を有するテープ状部材12は、水面に浮き水流や潮流により流され易く展開容易となる。また、展開した状態のテープ状部材12は、水面に浮きその色彩と相まって、極めて目立ち易いものとなる。山岳用のテープ状部材12は、幅20mm〜30mm程度で全長30m〜100m程度とした、蛍光テープ等で構成されていることが好ましい。同様に、海洋用のテープ状部材12は、幅50mm〜100mm程度で全長300m〜1000m程度とした、蛍光テープ等で構成されていることが好ましい。
そして、テープ状部材12は、巻き芯部11に対し、例えばランダム巻き(バスケットワインディング)等により、球状を為すように巻回されている。特に、山岳用のテープ状部材12では、その巻き上がり直径が、70mm以上90mm以下であることが好ましい。また、テープ状部材12に巻き芯部11を加えた全体の重さが150グラム程度(130〜180グラム)であることが好ましい。このサイズおよび重さは、野球ボールのイメージであり、取扱い性および携帯性の優れていると共に、遭難者がこれ(主巻回部15)を握って投げるのに適している。なお、言うまでもないが、海洋用の位置報知装置10は、山岳用の位置報知装置10に比して十分に大きなものとなる。
また、テープ状部材12の巻回終端部12aには、粘着剤を塗着した粘着部17が設けられている(図2参照)。すなわち、巻き芯部11に巻回したテープ状部材12の巻回終端部12aが、重ね貼りされるようになっている。これにより、運搬時(携帯時)や固定紐部13を何らかの固定対象物に固定するときに、テープ状部材12(主巻回部15)が不用意に解けてしまうのを防止することができる。
なお、テープ状部材12は、伸縮性を有し、延伸した状態で巻き芯部11に巻回されているものであってもよい。かかる場合には、テープ状部材12が展開するときに、主巻回部15にテープ状部材12の縮む力が作用し、主巻回部15に回転力が付与され展開が促進される。また、テープ状部材12は、巻き癖の付き難い材質とすることが好ましい。
固定紐部13は、上記主巻回部15の展開に先立って、巻回終端部12a側を対象物(山岳では、岩、灌木、ザック等)に固定する部位であり、細径のロープ材で構成された紐部本体21と、紐部本体21の先端部に取り付けたフック22と、を有している。紐部本体21は、例えば径2.5mm〜4mmで全長1m程度の滑り難い綿ロープやパイレンロープ等で構成され、巻き芯部11に巻回したテープ状部材12の表面に巻かれている。紐部本体21の基端部には、テープ状部材12の巻回終端部12aが連結され、先端部にはフック22が取り付けられている。本実施形態のフック22は、小型のカラビナ等で構成されている。
固定紐部13を対象物に固定する方法には、第1に、紐部本体21を対象物に縛り付ける、第2に、紐部本体21を対象物に巻いた後、フック22を紐部本体21に掛け止めする、第3に、フック22を対象物に直接掛け止めする等があり、状況に応じて固定方法を選択できるようになっている。なお、紐部本体21は、帯状の紐であってもよい。
このように構成された位置報知装置10は、図示では省略したが、プラスチック容器やパック容器に収容されている。パック容器は、例えばアルミ蒸着フィルムの真空パック容器が好ましい。真空パック容器では、位置報知装置10を持ち運ぶ(携帯)ときに、テープ状部材12や固定紐部13が解けてしまうのを有効に防止することができる。なお、これらの容器において、フック22(カラビナ)を外部に露出させておくようにしてもよい。
次に、図3を参照して、山岳(山の斜面)における位置報知装置10の使用方法について説明する。ここでは、登山道から滑落し歩行不能となった遭難者を想定する。遭難者は、先ずザックからパック入りの位置報知装置10を取り出す。真空パック容器を破って位置報知装置10を取り出したら、固定紐部13を延ばしこれをザック等に固定する。例えば、固定紐部13をザックのショルダーベルトに通し、フック22を紐部本体21に掛け止めする。
固定紐部13を固定したら、固定紐部13を基端側に手繰って、テープ状部材12の粘着部17を引き剥がす。次に、テープ状部材12(主巻回部15)を手に持ち、これを谷側に向かって投げ放つ。投げ放たれた主巻回部15は、テープ状部材12の巻きを解かれながら飛翔し、やがて斜面に落下し転がってゆく。主巻回部15は、テープ状部材12の巻きを解かれながら斜面を転動し、巻き芯部11が現れたところで停止する。これにより、テープ状部材12は斜面に沿って線状に展開する。
図4は、渓流(山岳)において位置報知装置10を展開した状態を表している。ここでは、沢登り中に滑落し歩行不能となった遭難者や、道に迷って沢まで降り疲労で動けなくなった遭難者を想定する。遭難者は、先ず位置報知装置10を取り出し、固定紐部13を岸辺の岩や石に固定する。次に、主巻回部15を流れの流心に投げ入れる。主巻回部15は、テープ状部材12の巻きを解かれながら流れに乗って流下してゆき、やがてテープ状部材12は延びきった状態となる。これにより、テープ状部材12は、流れに沿って且つ水面に浮いた状態で線状に展開する。
図5は、海洋において位置報知装置10を展開した状態を表している。ここでは、船外機の故障で漂流する小型ボートの遭難者や、救命ボート(救命いかだ)に乗り移った遭難者を想定する。遭難者は、固定紐部13を船べり等に固定しておいて、主巻回部15を海に投入する。小型ボートや救命ボートは、潮流および風の影響を受ける一方、主巻回部15は、主に潮流の影響を受ける。このため、ボートと主巻回部15は、それぞれ漂流しながら離れてゆく。ボートから離れてゆく主巻回部15からは、テープ状部材12の巻きを解かれてゆき、やがてテープ状部材12は延びきった状態となる。これにより、テープ状部材12は、海面に浮いた状態でほぼ直線状に展開する。
なお、着水時に自動的に膨張する「救命いかだ」(ゴムボート)においては、救命いかだを収容するカプセルに、救命いかだと共に位置報知装置10を収容しておくことが好ましい。そして、救命いかだと共に位置報知装置10が海に投入されると、着水と同時に救命いかだが膨張する一方、位置報知装置10の主巻回部15が自動的に海に投入されるようにする。
ところで、山岳・海洋用を問わず実施形態の位置報知装置10では、展開したテープ状部材12には、ヨレ(捻れ)が生ずることがある。しかし、線状に展開している限り、テープ状部材12の目立ち易さに支障を生ずることはない。同様に、展開したテープ状部材12が直線状にならなくても、長く延びていることで、その目立ち易さは変わらない。
以上のように、第1実施形態の位置報知装置10によれば、固定紐部13側(巻回終端部12a側)を固定状態とし主巻回部15側を自由状態として、テープ状部材12を線状に展開するように構成されている。このため、山岳では、山の斜面を利用して、テープ状部材12を線状に簡単に展開することができる。また、渓流では、水流を利用して、テープ状部材12を線状に簡単に展開することができる。さらに、海洋では、潮流(および風)を利用して、テープ状部材12を線状に簡単に展開することができる。
一方、線状に展開したテープ状部材12は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材12を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。しかも、電源等を必要とせず、特に山岳用の位置報知装置10はコンパクトで携帯に適している。
[第2実施形態]
次に、図6を参照して、第2実施形態に係る位置報知装置10Aについて説明する。この実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明を進める。図6は、第2実施形態に係る位置報知装置10Aの一部裁断正面図であり、同図に示すように、本実施形態の位置報知装置10Aは、テープ状部材12が紡錘形に巻回されている。
すなわち、位置報知装置10Aは、丸棒状(円柱状または円筒状)の巻き芯部11Aと、巻き芯部11Aに紡錘形を為すように巻回されたテープ状部材12と、テープ状部材12の巻回終端部12aに連なる固定紐部13と、を備えている。この場合も、テープ状部材12の巻回始端部12bは、巻き芯部11Aに連結固定され、巻回終端部12aは、固定紐部13に連結されている。なお、巻き芯部11Aが紡錘形であってもよい。
巻き芯部11Aは、木材やプラスチック等で丸棒状(円柱状または円筒状)に形成されており、適度な浮力と重さを有している。また、第1実施家形態と同様に、テープ状部材12は、浮力を有する蛍光色または金属色の樹脂材料で構成されている。さらに、固定紐部13は、紐部本体21と、紐部本体21の先端部に取り付けたフック22と、で構成されている。そして、位置報知装置10Aは、図示では省略したが、プラスチック容器やパック容器に収容されている。
巻き芯部11Aへのテープ状部材12の巻回は、例えば巻き芯部11Aを軸方向に往復動させながら、テープ状部材12を巻き取ることで行われる。そして、この往復動の速度をコントロールすることにより、テープ状部材12は紡錘形を為すように巻回される。
山岳における位置報知装置10Aは、主巻回部15が斜面を転がってゆくことにより、テープ状部材12が展開する。また、渓流における位置報知装置10Aは、主巻回部15が水流に乗って流れ下ることにより、テープ状部材12が展開する。同様に、海洋における位置報知装置10Aは、主巻回部15が潮流や風の影響を受けることにより、テープ状部材12が展開する。
[変形例]
なお、海洋用の位置報知装置10Aにあっては、テープ状部材12が円筒形を為すように巻回されていてもよい。図7A(第1変形例)は、テープ状部材12を巻き芯部11Aに円筒形を為すように巻回したものであり、図7B(第2変形例)は、テープ状部材12を巻き芯部11Aにロール状に巻回したものである。これらの位置報知装置10Aは、両図に示す姿勢で海上に浮き、この状態でテープ状部材12が展開されてゆく。
以上のように、第2実施形態の位置報知装置10Aでも、斜面や水流・潮流を利用することにより、テープ状部材12を容易に展開することがきる。また、線状に展開したテープ状部材12は、そのテープ幅に係わらず人間の視覚を通じて目立つものとなる。したがって、テープ状部材12を目標に、航空機や遠方からの遭難者の発見を容易に行うことができる。
10,10A…位置報知装置、11,11A…巻き芯部、12…テープ状部材、12a…巻回終端部、12b…巻回始端部、13…固定紐部、15…主巻回部、17…粘着部

Claims (8)

  1. 山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、
    球形に形成された巻き芯部と、
    前記巻き芯部に球形を為すように重ねて巻回され、且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、
    展開に際し前記テープ状部材は、前記巻回終端部側を固定状態とすると共に前記巻回終端部以外の主巻回部側を自由状態とし、前記主巻回部側の挙動により前記巻き芯部から相対的に繰り出されることを特徴とする位置報知装置。
  2. 前記巻き芯部に巻回された前記テープ状部材の直径が、70mm以上90mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の位置報知装置。
  3. 山岳および海洋における遭難者の位置報知に供する位置報知装置であって、
    巻き芯部と、
    伸縮性を有し、延伸した状態で前記巻き芯部に重ねて巻回され且つ巻回終端部から展開可能に構成された長尺のテープ状部材と、を備え、
    展開に際し前記テープ状部材は、前記巻回終端部側を固定状態とすると共に前記巻回終端部以外の主巻回部側を自由状態とし、前記主巻回部側の挙動により前記巻き芯部から相対的に繰り出されることを特徴とする位置報知装置。
  4. 前記テープ状部材は、水流および潮流に対し浮力を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の位置報知装置。
  5. 前記テープ状部材の巻回始端部は、前記巻き芯部に固定され、
    前記巻き芯部は、水流および潮流に対し浮力を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の位置報知装置。
  6. 前記テープ状部材は、蛍光色または金属色のものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の位置報知装置。
  7. 前記巻回終端部に連なる固定紐部を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の位置報知装置。
  8. 前記巻回終端部は、重ね貼りするための粘着部を有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の位置報知装置。
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