(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(本実施形態の特徴部に関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部について説明する。図8−1に示すように、本実施の形態の特徴部においては、遊技領域の左右下方4箇所に設けられた各一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するための第1一般入賞口スイッチ107SG026A、第2一般入賞口スイッチ107SG026、第3一般入賞口スイッチ107SG026C、第4一般入賞口スイッチ107SG026Dを有しており、各一般入賞口スイッチはスイッチ回路110に接続されている。
また、主基板11には、磁気を検出可能な磁気センサ107SG060、電波を検出可能な電波センサ107SG070、大入賞口扉の開放を検出可能な大入賞口扉センサ107SG091、上皿が遊技球で満タンになったことを検出可能な満タンセンサ107SG093、補給球が切れたことを検出可能な球切れセンサ107SG094が接続されている。
また、演出制御基板12には、VDP107SG500が接続されている。演出制御用CPU120は、VDP107SG500に対して所定のコマンドを送信することによって、該VDP107SG500に画像表示装置107SG005における画像の表示制御を実行させることが可能となっている。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、図8−29に示す画像表示装置107SG005が設けられている。画像表示装置107SG005は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置107SG005の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄(演出図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、画像表示装置107SG005の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置107SG005における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rにて、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置107SG005の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rにて変動表示される飾り図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、飾り図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
飾り図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置107SG005の表示領域の下部には、飾り図柄の変動表示中に可動体32の動作等によって遊技者からの視認性が損なわれない常時表示エリア107SG005Aとなっており、該常時表示エリア107SG005A内には、第1保留記憶表示エリア107SG005D及び第2保留記憶表示エリア107SG005Uが配置されている。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や飾り図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア107SG005Dにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示であり、第2保留記憶表示エリア107SG005Uにおける保留表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示である。また、常時表示エリア107SG005A内には、飾り図柄の変動表示と連動して変動する「左」、「中」、「右」の小図柄表示エリアを含む小図柄表示エリア107SG005Sも配置されている。
つまり、本実施の形態の特徴部における第1保留記憶表示エリア107SG005D、第2保留記憶表示エリア107SG005U、小図柄表示エリア107SG005Sは、飾り図柄の変動表示中に可動体32の動作等によって遮られることなく遊技者から視認可能な位置に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1保留記憶表示エリア107SG005D、第2保留記憶表示エリア107SG005U、小図柄表示エリア107SG005Sの少なくとも一部は、飾り図柄の変動表示中に可動体32の動作等によって遮られる位置に配置されていてもよい。
本実施の形態の特徴部では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア107SG005Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア107SG005Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
図8−2(A)は、本実施の形態の特徴部で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図8−2(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8−2(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置107SG005における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rで変動表示される飾り図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図8−2(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図8−2(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置107SG005における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア107SG005L,107SG005C,107SG005Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア107SG005Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア107SG005Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
コマンドC700Hは、パチンコ遊技機1が電断された状態から復旧したことを示す演出制御コマンド(電断復旧通知コマンド)である。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図8−3は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図8−3に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR4は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図8−4は、本実施の形態の特徴部における変動パターンを示している。本実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」または変動表示結果が「大当り」であり大当り種別が後述する「確変大当りC」である場合に対応した変動パターンは、特殊当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施の形態の特徴部では、ノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンとを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のノーマルリーチ変動パターンやスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図8−4に示すように、本実施の形態の特徴部におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンよりも短く設定されている。
尚、本実施の形態の特徴部では、前述したようにスーパーリーチ、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図8−5〜図8−7などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば、通常大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、確変大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、ハズレ変動パターン判定テーブル(図示略)、図8−6(A)に示す表示結果判定テーブル1、図8−6(B)に示す表示結果判定テーブル2、図8−7(A)に示す大当り種別判定テーブル等が含まれている。
図8−5に示すように、本実施の形態の特徴部においては、変動表示結果が大当りであるか否かや、大当り種別、変動表示結果が小当りであるか否か、保留記憶数等に応じて選択する変動パターン判定テーブルが異なっている。
具体的には、図8−5に示すように、変動表示結果が大当りであり、大当り種別が後述する非確変大当りである場合は、大当り用変動パターン判定テーブルAが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、50%の割合でノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)が選択され、50%の割合でスーパーリーチ大当りの変動パターン(PB1−2)が選択される。また、変動表示結果が大当りであり、大当り種別が後述する確変大当りAや確変大当りBである場合は、大当り用変動パターン判定テーブルBが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、25%の割合でノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)が選択され、75%の割合でスーパーリーチ大当りの変動パターン(PB1−2)が選択される。
また、変動表示結果が大当りであり、大当り種別が後述する確変大当りCである場合、または、変動表示結果が小当りである場合は、特殊当り用変動パターン判定テーブルが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、100%の割合で特殊当りの変動パターン(PC1−1)が選択される。
また、変動表示結果がハズレであり、変動特図の保留記憶数が1または2個である場合は、ハズレ用変動パターン判定テーブルAが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、60%の割合で短縮無しの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が選択され、30%の割合でノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)が選択され、10%の割合でスーパーリーチハズレの変動パターン(PA2−2)が選択される。
また、変動表示結果がハズレであり、変動特図の保留記憶数が3個である場合は、ハズレ用変動パターン判定テーブルBが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、70%の割合で短縮無しの非リーチハズレの変動パターンよりも変動時間が短い短縮非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)が選択され、20%の割合でノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)が選択され、10%の割合でスーパーリーチハズレの変動パターン(PA2−2)が選択される。
また、変動表示結果がハズレであり、変動特図の保留記憶数が4個である場合は、ハズレ用変動パターン判定テーブルCが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、80%の割合で短縮非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)よりも変動時間が短い短縮非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)が選択され、10%の割合でノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)が選択され、10%の割合でスーパーリーチハズレの変動パターン(PA2−2)が選択される。
また、時短状態(高ベース状態)において変動表示結果がハズレである場合は、ハズレ用変動パターン判定テーブルDが選択され、変動表示を実行する変動パターンとして、80%の割合で短縮非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)よりも変動時間が短い短縮非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)が選択され、10%の割合でノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)が選択され、10%の割合でスーパーリーチハズレの変動パターン(PA2−2)が選択される。
このように、本実施の形態の特徴部では、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、非リーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。更に、変動表示結果が大当りとなる場合は、大当り種別が「確変大当りA」や「確変大当りB」となる場合の方が大当り種別が「非確変大当り」となる場合よりも高い割合で変動表示がスーパーリーチの変動パターンにて実行されるので、変動表示がスーパーリーチの変動パターンにて実行されることによって、大当り種別が「確変大当りA」や「確変大当りB」となるかに対して遊技者を注目させることができる。
また、図8−4に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、更に、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図8−6(A)は、第1特別図柄用の表示結果判定テーブル1を示す説明図であり、図8−6(B)は、第2特別図柄用の表示結果判定テーブル2を示す説明図である。これら表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。
本実施の形態の特徴部における特図表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
各特図表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施の形態の特徴部における各特図表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(約1/30)。即ち、各特図表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、図8−6(A)及び図8−6(B)に示すように、変動特図が第1特別図柄である場合は、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率(約1/100)が有るのに対して、変動特図が第2特別図柄である場合は、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることが無いように判定値が割り当てられている。
図8−7(A)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を「非確変大当り」、「確変大当りA」〜「確変大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ここで、本実施の形態における大当り種別について、図8−7(B)を用いて説明すると、本実施の形態の特徴部では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において高確制御が実行されるが時短制御が実行されない高確低ベース状態に移行する確変大当りCと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。また、「非確変大当り」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当り、「非確変大当り」を16ラウンド(16R)非確変大当りと呼称する場合がある。更に、「確変大当りC」による大当り遊技は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが2回(いわゆる2ラウンド)繰り返し実行されるとともに、各ラウンドでの特別可変入賞球装置7の開放期間が他の大当り遊技よりも短い(例えば、0.1秒)高速開放大当りである。尚、いずれの大当り種別の大当り遊技中においても、確変制御や時短制御は実行されないようになっている。
また、特に図示はしないが、本実施の形態の特徴部における小当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に2回変化させるとともに、該開放時間が確変大当りCと同じ開放期間(本実施の形態では0.1秒)となっている。尚、小当り遊技の終了後は、該小当り遊技直前の遊技状態が引き継がれる。
つまり、本実施の形態の特徴部においては、変動表示結果が「確変大当りC」となった場合と「小当り」となった場合とでは、同じ変動パターンにて変動表示が実行されるとともに、特別可変入賞球装置7の開放パターンが同一となっているため、確変大当りCの大当り遊技や小当り遊技の終了後、遊技者に対して確変制御が実行されていることに期待させつつ遊技を続行させることが可能となっている。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施の形態の特徴部では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図8−7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当り」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」や「確変大当りC」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」や「確変大当りC」としてラウンド数の少ない通常開放大当り状態や高速開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい高ベース状態において、得られる賞球が少ない大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図8−7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、前述したように、「確変大当りB」や「確変大当りC」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
本実施の形態の特徴部におけるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8−8に示すような遊技制御用データ保持エリア107SG150が設けられている。図8−8に示す遊技制御用データ保持エリア107SG150は、第1特図保留記憶部107SG151Aと、第2特図保留記憶部107SG151Bと、普図保留記憶部107SG151Cと、遊技制御フラグ設定部107SG152と、遊技制御タイマ設定部107SG153と、遊技制御カウンタ設定部107SG154と、遊技制御バッファ設定部107SG155とを備えている。
第1特図保留記憶部107SG151Aは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部107SG151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部107SG151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部107SG151Bは、可変入賞球装置107SG006Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部107SG151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部107SG151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部107SG151Cは、通過ゲート107SG041を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部107SG151Cは、遊技球が通過ゲート107SG041を通過(入賞)した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部107SG152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部107SG152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部107SG153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部107SG153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部107SG154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部107SG154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部107SG154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部107SG154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部107SG155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部107SG155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図8−1に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図8−9(A)に示すような演出制御用データ保持エリア107SG190が設けられている。図9(A)に示す演出制御用データ保持エリア107SG190は、演出制御フラグ設定部107SG191と、演出制御タイマ設定部107SG192と、演出制御カウンタ設定部107SG193と、演出制御バッファ設定部107SG194とを備えている。
演出制御フラグ設定部107SG191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部107SG191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部107SG192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部107SG192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部107SG193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部107SG193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部107SG194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部107SG194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施の形態の特徴部では、図8−9(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部107SG194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される飾り図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
更に、本実施の形態における特徴部の始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aには、先読予告設定処理(図7)において、先読予告としての保留表示予告演出の実行の有無の決定に伴う表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、を第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、保留表示フラグには、先読予告設定処理(図7)において、において、保留表示予告演出の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜き○)の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、保留表示予告演出の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、四角形(◇)や星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(四角形(◇))または「2」(星(☆))がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。従って、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図8−9(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」または「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図8−9(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の飾り図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、本実施の形態の特徴部における遊技制御用タイマ割込み処理について説明する。図8−10に示すように、CPU103は、遊技制御用タイマ割込み処理において先ず電源断検出処理(107SGS020)を実行した後、スイッチ処理(S21)〜コマンド制御処理(S27)の処理を実行する。図8−11に示すように、電源断検出処理において、CPU103は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(107SGS051)。電源断信号の入力が無い場合は(107SGS051;N)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(107SGS051;Y)、バックアップデータを特定し(107SGS053)、該特定したバックアップデータをRAM102に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(107SGS053)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(107SGS054)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
次に、本実施の形態における特徴部のメイン側エラー処理(S22、図4参照)について説明する。8−12に示すように、メイン側エラー処理においてCPU103は、先ず、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、磁気センサ107SG060、電波センサ107SG070、扉開放センサ107SG090、大入賞口扉センサ107SG091、満タンセンサ107SG093、球切れセンサ107SG094、コントローラセンサユニット35A等の検出状況を参照し、異常が発生しているか否かを判定する異常判定処理を実行し(107SG40)、異常が発生していると判定した場合には、該判定した異常を特定する(107SGS403)。
例えば、図8−15に示すように、CPU103は、電波センサ107SG070が所定の電波を検出したことにもとづいて電波エラーの発生を特定し、磁気センサ107SG060が所定の強さ以上の磁気を検出したことにもとづいて磁気エラーの発生を特定し、特別可変入賞球装置7が大当り遊技中や小当り遊技中以外で開放している、つまり、大入賞口扉センサ107SG091が大当り遊技中や小当り遊技中以外で大入賞口扉の開放を検出したことにもとづいて遊技球誘導蓋作動エラーの発生を特定し、低ベース状態において第2始動入賞が発生したこと(低ベース状態において第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出したこと)にもとづいて始動口2異常入賞エラーが発生したことを特定し、コントローラセンサユニット35Aがスティックコントローラ31Aの操作を検出できないこと等の異常を検出したことにもとづいてコントローラ接続エラーの発生を特定し、扉開放センサ107SG090が遊技機用枠3の開放を検出したことにもとづいてドア開放エラーが発生したことを特定し、球切れセンサ107SG094が補給球が切れたことを検出したことにもとづいて球切れエラーが発生したことを特定する。
これらエラーには優先順位が設定されており、複数のエラーが重複して発生した場合には、詳細は後述するが、原則的に該優先順位の最も高いエラーのみが報知されるようになっている。これらエラーのうち優先順位が上位3位以内のエラー(電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー)は、発生した時点で遊技が停止するエラー(遊技停止エラー)である。これら遊技停止エラーが発生した場合は、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFFにした後、パチンコ遊技機1に再び電源を投入する(パチンコ遊技機1を再起動させる)ことによって遊技停止エラーが解除される。つまり、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーの解除条件は、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることである。
これら優先順位が上位3位以内のエラー(遊技停止エラー)が発生した場合は、ターミナル基板16からパチンコ遊技機1が設置されている遊技場に設けられている管理コンピュータや各台計数機等の管理装置に対して、ターミナル基板16からセキュリティ信号が出力される。尚、この場合のセキュリティ信号は、遊技停止エラーが発生してからパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでと、パチンコ遊技機1に電源が再投入されてから4分間に亘って管理装置に対して出力される。
尚、これらエラーのうち優先順位が4位以下のエラーについては、発生するエラー毎に
解除条件とセキュリティ信号の出力態様が異なっている。具体的には、始動口2異常入賞エラーが発生した場合は、発生から300秒の経過にもとづいて該始動口2異常入賞エラーが解除され、発生から4分間に亘ってセキュリティ信号の出力が行われる。不正入賞エラーが発生した場合は、発生から30秒の経過にもとづいて該不正入賞エラーが解除され、発生からパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでと、パチンコ遊技機1に電源が再投入されてから4分間に亘ってセキュリティ信号の出力が行われる。コントローラ接続エラーが発生した場合は、発生から60秒の経過にもとづいて該コントローラ接続エラーが解除され、発生からパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでと、パチンコ遊技機1に電源が再投入されてから4分間に亘ってセキュリティ信号の出力が行われる。ドア開放エラーが発生した場合は、ドア(遊技機用枠3)の閉鎖にもとづいて該ドア開放エラーが解除され、セキュリティ信号の出力は行われない。球切れエラーが発生した場合は、該球切れエラーの解除(補給球が供給されたこと)にもとづいて該球切れエラーが解除され、セキュリティ信号の出力は行われない。
図8−12に戻り、CPU103は、判定した異常が遊技停止該当エラーであるか否か、つまり、判定したエラーが図8−15に示す電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーのいずれかであるか否かを判定する(107SGS404)。判定した異常が遊技停止該当エラーでない場合(107SGS404;N)は107SGS407に進み、判定した異常が遊技停止該当エラーである場合(107SGS404;Y)は、既に遊技が停止されていることを示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS405)。遊技停止フラグがセットされている場合(107SGS405;Y)は107SGS407に進み、遊技停止フラグがセットされていない場合(107SGS405;N)は、遊技球の発射を禁止することによって遊技を停止し、遊技停止フラグをセットしてS107SGS407に進む(107SGS406)。
107SGS407においてCPU103は、107SGS403において特定した異常に電波エラーが含まれているか否かを判定する。特定した異常に電波エラーが含まれていない場合(107SGS407;N)は107SGS410に進み、特定した異常に電波エラーが含まれている場合(107SGS407;Y)は、既に電波エラーが発生していることを示す電波エラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS408)。電波エラーフラグがセットされている場合(107SGS408;Y)は107SGS410に進み、電波エラーフラグがセットされていない場合(107SGS408;N)は、電波エラーをエラー指定コマンドの出力対象エラーとして特定し、電波エラーフラグをセットして107SGS410に進む(107SGS409)。
107SGS410においてCPU103は、107SGS403において特定した異常に磁石エラーが含まれているか否かを判定する。特定した異常に磁石エラーが含まれていない場合(107SGS410;N)は107SGS413に進み、特定した異常に磁石エラーが含まれている場合(107SGS410;Y)は、既に磁石エラーが発生していることを示す磁石エラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS411)。磁石エラーフラグがセットされている場合(107SGS411;Y)は107SGS413に進み、磁石エラーフラグがセットされていない場合(107SGS411;N)は、磁石エラーをエラー指定コマンドの出力対象エラーとして特定し、磁石エラーフラグをセットして107SGS413に進む(107SGS412)。
107SGS413においてCPU103は、107SGS403において特定した異常に遊技球誘導蓋作動エラーが含まれているか否かを判定する。特定した異常に遊技球誘導蓋作動エラーが含まれていない場合(107SGS413;N)は107SGS416に進み、特定した異常に遊技球誘導蓋作動エラーが含まれている場合(107SGS413;Y)は、既に遊技球誘導蓋作動エラーが発生していることを示す遊技球誘導蓋作動エラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS414)。遊技球誘導蓋作動エラーフラグがセットされている場合(107SGS414;Y)は107SGS416に進み、遊技球誘導蓋作動エラーフラグがセットされていない場合(107SGS414;N)は、遊技球誘導蓋作動エラーをエラー指定コマンドの出力対象エラーとして特定し、遊技球誘導蓋作動エラーフラグをセットして107SGS416に進む(107SGS415)。
107SGS416においてCPU103は、始動口2入賞異常エラーの解除タイミングまでの期間を示す始動口2入賞異常エラー解除タイマの動作中であるか否かを判定する。始動口2入賞異常エラー解除タイマの動作中でない場合(107SGS416;N)は、更に107SGS403において特定した異常に始動口2入賞異常エラーが含まれているか否かを判定する(107SGS417)。始動口2入賞異常エラーが含まれていない場合(107SGS417;N)は107SGS422に進み、始動口2入賞異常エラーが含まれている場合(107SGS417;Y)は、始動口2入賞異常エラーをエラー指定コマンドの出力対象エラーとして特定し、始動口2入賞異常エラー解除タイマをセットして107SGS422に進む(107SGS418)。
また、始動口2入賞異常エラー解除タイマの動作中である場合(107SGS416;Y)は、該始動口2入賞異常エラー解除タイマの値を−1し(107SGS419)、始動口2入賞異常エラー解除タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS420)。始動口2入賞異常エラー解除タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS420;N)は107SGS422に進み、始動口2入賞異常エラー解除タイマがタイマアウトした場合(107SGS420;Y)は、始動口入賞異常エラー解除タイマをクリアして107SGS422に進む(107SGS421)。
107SGS422においてCPU103は、不正入賞エラーの解除タイミングまでの期間を示す不正入賞エラー解除タイマの動作中であるか否かを判定する。不正入賞エラー解除タイマの動作中でない場合(107SGS422;N)は、更に、107SGS403において特定した異常に不正入賞エラーが含まれているか否かを判定する(107SGS423)。不正入賞エラーが含まれていない場合(107SGS423;N)は107SGS428に進み、不正入賞エラーが含まれている場合(107SGS423;Y)は、不正入賞エラーをエラー指定コマンドの出力対象エラーとして特定し、不正入賞エラー解除タイマをセットして107SGS428に進む(107SGS424)。
また、不正入賞エラー解除タイマが動作中である場合(107SGS422;Y)は、不正入賞エラー解除タイマの値を−1し(107SGS425)、不正入賞エラー解除タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS426)。不正入賞エラー解除タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS426;N)はS107SGS428に進み、不正入賞エラー解除タイマがタイマアウトした場合(107SGS426;Y)は、不正入賞エラー解除タイマをクリアして107SGS428に進む。
107SGS428においてCPU103は、コントローラ接続エラーの解除タイミングまでの期間を示すコントローラ接続エラー解除タイマが動作中であるか否かを判定する。コントローラ接続エラー解除タイマが動作中でない場合(107SGS428;N)は、107SGS403において特定した異常にコントローラ接続エラーが含まれているか否かを判定する(107SGS429)。コントローラ接続エラーが含まれていない場合(107SGS429;N)は107SGS434に進み、コントローラ接続エラーが含まれている場合(107SGS429;Y)は、コントローラ接続エラーをエラー指定コマンドの出力エラーとして特定し、コントローラ接続エラー解除タイマをセットして107SGS434に進む(107SGS430)。
また、コントローラ接続エラー解除タイマが動作中である場合(107SGS428;Y)は、コントローラ接続エラー解除タイマの値を−1し(107SGS431)、コントローラ接続エラー解除タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS432)。コントローラ接続エラー解除タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS432;N)は107SGS434に進み、コントローラ接続エラー解除タイマがタイマアウトした場合(107SGS432;Y)は、コントロラー接続エラー解除タイマをクリアして107SGS434に進む(107SGS433)。
107SGS434においてCPU103は、107SGS403において特定した異常にドア開放エラーが含まれているか否かを判定する。ドア開放エラーが含まれている場合(107SGS434;Y)は、既にドア開放エラーを検出していることを示すドア開放エラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS435)。ドア開放エラーフラグがセットされている場合(107SGS435;Y)は107SGS439に進み、ドア開放エラーフラグがセットされていない場合(107SGS435;N)は、ドア開放エラーをエラー指定コマンドの出力対象エラーとして特定し、ドア開放エラーフラグをセットして107SGS439に進む(107SGS436)。
また、判定した異常にドア開放エラーフラグがセットされていない場合(107SGS434;N)は、ドア開放エラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS437)。ドア開放エラーフラグがセットされていない場合(107SGS437;N)は107SGS439に進み、ドア開放エラーフラグがセットされている場合(107SGS437;Y)は、ドア開放エラーフラグをクリアして107SGS439に進む(107SGS438)。
107SGS439においてCPU103は、107SGS403において特定した異常に球切れエラーが含まれているか否かを判定する。球切れエラーが含まれている場合(107SGS439;Y)は、既に球切れエラーを検出していることを示す球切れエラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS440)。球切れエラーフラグがセットされている場合(107SGS440;Y)は107SGS444に進み、球切れエラーフラグがセットされていない場合(107SGS440;N)は、球切れエラーをエラー指定コマンドの出力対象として特定し、球切れエラーフラグをセットして107SGS444に進む(107SGS441)。
また、特定した異常に球切れエラーが含まれていない場合(107SGS439;N)は、球切れエラーフラグがセットされているか否かを判定する(107SGS442)。球切れエラーフラグがセットされていない場合(107SGS442;N)は107SGS444に進み、球切れエラーフラグがセットされている場合(107SGS442;Y)は、球切れエラーフラグをクリアして107SGS444に進む(107SGS443)。
そして、107SGS444においてCPU103は、エラー指定コマンドの出力対象として特定したエラーが有るか否かを判定する。エラー指定コマンドの出力対象として特定したエラーが無い場合(107SGS444;N)は、メイン側エラー処理を終了し、エラー指定コマンドの出力対象として特定したエラーが有る場合(107SGS444;Y)は、エラー指定コマンドの出力対象として特定したエラーに応じたエラー指定コマンドの送信設定を行うとともに(107SGS445)、エラー指定コマンドの出力対象として特定したエラーに応じたセキュリティ信号の出力設定を行ってメイン側エラー処理を終了する(107SGS446)。尚、エラー指定コマンドは、CPU103がコマンド制御処理(図4参照)を実行することによって演出制御基板12に対して送信される。
尚、本実施の形態の特徴部におけるエラー指定コマンドは、図8−14(A)に示すように、8ビットの2進数によって構成されている。このようなエラー指定コマンドでは、図8−14(A)に示すように、メイン側エラー処理において特定したエラーが1つのみである場合は、該エラーに対応する1つの桁のみが「1」にセットされる。つまり、メイン側エラー処理において特定したエラーが球切れエラーのみである場合は、エラー指定コマンドとして「00000001」が演出制御基板12に対して送信され、メイン側エラー処理において特定したエラーがコントローラ接続エラーのみである場合は、コントローラ接続として「00000010」が演出制御基板12に対して送信される。
一方で、図8−14(B)に示すように、メイン側エラー処理において特定したエラーが複数である場合は、各エラーに対応する桁全てが「1」にセットされる。つまり、メイン側エラー処理において特定したエラーが球切れエラーと今トーラ接続エラーの2つである場合は、エラー指定コマンドとして「00000011」が演出制御基板12に対して送信され、メイン側エラー処理において特定したエラーが電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー、始動口2異常入賞エラー、不正入賞エラー、コントローラ接続エラー、ドア開放エラー、球切れエラー(全てのエラー)である場合は、エラー指定コマンドとして「11111111」が演出制御基板12に対して送信されるようになっている。
尚、本実施の形態の特徴部におけるエラー指定コマンドは、実際には、該エラー指定コマンドの上位にエラーであることを示すヘッダ(例えば「11111111」を示すデータ)が付与された状態で演出制御基板12に対して送信されるようになっている。このため、本実施の形態の特徴部においては、1のエラー指定コマンドにおいて最大で8個までのエラーの発生を演出制御基板12に対して通知することが可能となっているが、エラー指定コマンドに付与されるヘッダを複数設けることで、エラー指定コマンドおいて演出制御基板12に対して通知することが可能なエラー数を増加させてもよい。
また、本実施の形態の特徴部では、異常判定処理において異常(エラー)が特定された場合、これら特定されたエラー内に既にエラー指定コマンドを用いて演出制御基板12に対して出力されたエラーが存在していても、該出力済のエラーを含めたエラー指定コマンドを演出制御基板12に対して改めて出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、異常判定処理において既にエラー指定コマンドによって演出制御基板12に対して出力されたエラーが存在する場合は、該出力済のエラーを除いたエラー指定コマンドを演出制御基板12に対して出力してもよい。
図8−16は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理においてCPU103は、先ず、遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS091)。遊技停止フラグがセットされている場合(107SGS091;Y)は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄が点灯中であるか否かを判定する(107SGS092)。尚、特別図柄の点灯中とは、特別図柄の変動表示中や、特別図柄が「ハズレ」や「大当り」、「小当り」の組み合わせで導出表示されている状態を含んでいる。
特別図柄の点灯中である場合(107SGS092;Y)は、これら特別図柄を消灯して107SGS094に進み(107SGS093)、特別図柄が既に消灯している場合(107SGS092;N)は、107SGS093を経由せずに107SGS094に進む。
107SGS094においてCPU103は、大入賞口が開放中であるか否かを判定する。尚、大入賞口が開放中であるか否かは、ソレノイド82がONであるか否か、大入賞口扉センサ107SG091が大入賞口の開放を検出中であるか否か等によって判定すればよい。大入賞口が開放中である場合(107SGS094:Y)は、ソレノイド82をOFFとすることによって大入賞口を閉鎖して特別図柄プロセス処理を終了し(107SGS095)、大入賞口が閉鎖中、あるいは既に閉鎖した後(107SGS094;N)は、107SGS095を経由せずに特別図柄プロセス処理を終了する。尚、遊技停止フラグがセットされていない場合は、図5に示すS101の処理を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じてS110〜S120のいずれかの処理を実行する。
以上のように本実施の形態の特徴部2においては、遊技停止フラグがセットされた場合、つまり、電波エラー、磁石エラー遊技球誘導蓋入賞エラー等の遊技停止エラーが発生した場合は、前述したように遊技球の発射が禁止されるとともに、特別図柄の消灯と大入賞口の閉鎖が行われる。更に、S110〜S120の処理が実行されることがなくなることによって、特別図柄の変動表示や大当り遊技、小当り遊技等が中断される。
図8−17は、特別図柄通常処理として、図5のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8−17に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(107SGS141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、107SGS141の処理では、遊技制御カウンタ設定部107SG154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
107SGS141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(107SGS141;N)、第2特図保留記憶部107SG151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(107SGS142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
107SGS142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部107SG151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部107SG151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(107SGS143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(107SGS144)、107SGS149に移行する。
一方、107SGS141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(107SGS141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(107SGS145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、107SGS145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、107SGS145の処理は、107SGS141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
107SGS145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(107SGS145;N)、第1特図保留記憶部107SG151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(107SGS146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
107SGS146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部107SG151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部107SG151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(107SGS147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(107SGS148)、107SGS149に移行する。
107SGS149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファの値に応じて図8−6に示す表示結果判定テーブルのどちらかを選択してセットする。例えば、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図8−6(A)に示す表示結果判定テーブル1を選択し、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図8−6(B)に示す表示結果判定テーブル2を選択する。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、選択した表示結果判定テーブルと比較し、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが大当りの範囲に該当するか否かを判定する(107SGS150a)。尚、この107SGS150aにおいては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、107SGS150で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、107SGS150aの処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが大当りの範囲に該当する場合(107SGS150a;Y)は、遊技制御フラグ設定部107SG152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(107SGS152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図8−7(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(107SGS153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」、「確変C」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(107SGS154)。
107SGS154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部107SG155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(107SGS155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とし、確変大当りCに対応する「確変C」であれば「3」とすればよい。そして、107SGS156に進む。
一方、107SGS150aにて変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが大当りの範囲に該当しない場合(107SGS150a;N)は、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当りの範囲に該当するか否かを判定する(107SGS150c)。尚、この107SGS150cにおいては、その時点の遊技状態が、通常状態、時短状態、確変状態のいずであるかにかかわらず、表示結果判定テーブル1が選択されている場合は、特図表示結果判定用の乱数値MR1が54000〜54651の範囲に該当すれば「小当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。尚、表示結果判定テーブル2が選択されている場合は、該表示結果判定テーブル2において小当りに判定値が割り当てられていないので、「ハズレ」と判定する。
変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当りの範囲に該当する場合(107SGS150c;Y)は、小当りフラグをセットして107SGS156に進む(107SGS151)。また、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当りの範囲に該当しない場合(107SGS150c;N)、つまり、「ハズレ」と判定した場合は、107SGS151を経由せずに107SGS156に進む。
1907SGS156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)や小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、107SGSS150aにて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、107SGSS154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定し、大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定し、大当り種別を「確変C」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。また、107SGS150cにて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄となる「2」の数字を住めす特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
107SGS156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(107SGS157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、107SGS145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(107SGS145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(107SGS158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8−18は、特別図柄停止処理として、図5のS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S112の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(107SGS181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(107SGS182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(107SGS183)、大当りフラグがセットされていない場合(107SGS183;N)には、107SGS183に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(107SGS183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグ及び時短フラグをクリアし(107SGS184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(確変A)、当り開始2指定コマンド(確変B)、当り開始指定コマンド(確変C)、当り開始4指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(107SGS185)。
更にCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(107SGS186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(107SGS187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回、確変大当りBの場合には5回、確変大当りCの場合には2回)をセットする(107SGS188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S114)に対応した値である“4”に更新する(107SGS189)。
一方、107SGS183においてCPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する。小当りフラグがセットされている場合(107SGS183;Y)は、演出制御基板12に、当り開始5指定コマンド(小当り)を送信するための設定を行う(107SGS190a)。
そして、小当り表示時間タイマに大当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(107SGS190b)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、2回)をセットする(107SGS190c)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S118)に対応した値である“4”に更新する(107SGS189)。
一方、107SGS190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(107SGS190;Y)には、107SGS196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(107SGS190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(107SGS191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(107SGS193)、「0」でない場合(107SGS193;N)には107SGS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(107SGS193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(107SG107SGS194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(107SGS195)、107SGS196に進む。
107SGS196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図8−19は、大当り終了処理として、図5のS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(107SGS201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(107SGS201;N)には、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(107SGS202)、大当り終了処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(107SGS201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(107SGS203)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(107SGS204)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間が経過していない場合(107SGS204;N)は、大当り終了処理を終了し、大当り終了表示時間を経過していれば(107SGS204;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が非確変大当りであるかを判定する(107SGS205)。
大当り種別が非確変大当りでない場合(107SGS205;N)には、更に大当り種別が確変大当りCであるか否かを判定する(107SGS206)。大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(107SGS206;N)は、確変フラグと時短フラグをセットするとともに(107SGS207、107SGS208)、時短回数カウンタに「0」をセットして107SGS213に進む(107SGS209)。また、大当り種別が確変大当りCである場合(107SGS206;Y)は、確変フラグのみをセットして107SGS213に進む(107SGS210)。
一方、大当り種別が非確変大当りである場合(107SGS205;Y)は、時短フラグをセットするとともに(107SGS211)、時短回数カウンタに「100」をセットして107SGS213に進む(107SGS212)。
107SGS213では、大当りフラグをクリアし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(107SGS214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(107SGS215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新して大当り終了処理を終了する(107SGS216)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図8−20は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図6に示す演出制御メイン処理と同一の処理(S71〜S77)を実行するとともに、演出用乱数更新処理(S77)の実行後に、パチンコ遊技機1においてエラーが発生したことを報知するエラー報知処理(107SGS78)と、パチンコ遊技機1が電断状態から復旧した際に該電断状態から復旧したことを示す電断復旧画像を画像表示装置5に表示するための電断復旧画像表示処理(107SGS79)を実行し、S73に移行する
図8−21は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(S171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、107SGS271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(107SGS271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(107SGS272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
また、107SGS271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(107SGS271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(107SGS273;N)、可変表示開始設定処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(107SGS273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ107SG194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(107SGS274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
107SGS272または107SGS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(107SGS275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄及び小図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(107SGS276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた飾り図柄及び小図柄の停止図柄を決定し、決定した飾り図柄及び小図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、本実施の形態の特徴部2では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの飾り図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第5変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りCに該当する第4変動表示結果指定コマンドや、小当りに該当する第6変動表示結果指定コマンドである場合は、例えば、低図柄として3図柄が「123」や「456」等の他の大当りやハズレの場合とは異なる特定の組み合わせ(特殊当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる飾り図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する(107SGS281)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(107SGS282)。
尚、プロセステーブルには、画像表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(107SGS283)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP107SG500に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、本実施の形態の特徴部2では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(107SGS284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(107SGS285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP107SGS500がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を画像表示装置5に出力し、画像表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(S172)に対応した値にする(107SGS286)。
以降、演出制御用CPU120が可変表示中演出処理(S172)や特図当り待ち処理(S173)を実行することにより、飾り図柄と小図柄とは同一のタイミングから変動表示を開始するとともに、同一のタイミングで変動表示を停止する。つまり、本実施の形態の特徴部における飾り図柄の変動表示と小図柄の変動表示とは、同期して実行されるようになっている。尚、前述したように、飾り図柄の変動表示は、特別図柄の変動表示と同期して実行されるため、小図柄の変動表示も、特別図柄の変動表示を同期して実行される。
図8−22及び図8−23は、図8−20に示された演出制御メイン処理におけるエラー報知処理(107SGS78)を示すフローチャートである。エラー報知処理において、演出制御用CPU120は、まず、後述するエラー報知再実行タイマが動作中であるか否かを判定する(107SGS501)。エラー報知再実行タイマが動作中でない場合(107SGS501;N)は、更に、始動口2異常入賞エラーの報知期間中であることを示す始動口2異常入賞エラー報知期間タイマがセットされているか否かを判定する(107SGS502)。始動口2異常入賞エラー報知期間タイマがセットされていない場合(107SGS502;N)は、コントローラ接続エラーの報知期間中であることを示すコントローラ接続エラー報知期間タイマがセットされているか否かを判定する(107SGS503)。コントローラ接続エラー報知期間タイマがセットされていない場合(107SGS503;N)は、更に不正入賞エラーの報知期間中であることを示す不正入賞エラー報知期間タイマがセットされているか否かを判定する(107SGS504)。
不正入賞エラー報知期間タイマがセットされていない場合(107SGS504;N)は、演出制御用CPU120は、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS505)。エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(107SGS505;N)は、107SGS516に進み、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(107SGS505;Y)は、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンドからエラー種別を特定する(107SGS506)。そして、既にエラー報知中であることを示すエラー報知中フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS507)。エラー報知中フラグがセットされていない場合(107SGS507;N)は、107SGS516に進み、エラー報知中フラグがセットされている場合(107SGS507;Y)は、更に、既に電波エラー、磁石エラー遊技球誘導蓋作動エラーのいずれかの報知中であるか否か、つまり、既に遊技停止エラーの報知中であるか否かを判定する(107SGS508)。
既に電波エラー、磁石エラー遊技球誘導蓋作動エラーのいずれかの報知中である場合(107SGS508;Y)は、107SGS516に進み、既に電波エラー、磁石エラー遊技球誘導蓋作動エラーのいずれの報知中でもない場合(107SGS508;N)は、特定したエラー種別のうち最も優先順位が高いエラー種別が報知中のエラー種別よりも優先順位の高いエラー種別であるか否かを判定する(107SGS509)。特定したエラー種別のうち最も優先順位が高いエラー種別が報知中のエラー種別よりも優先順位の低いエラー種別である場合(107SGS509;N)は、107SGS516に進み、特定したエラー種別のうち最も優先順位が高いエラー種別が報知中のエラー種別よりも優先順位の高いエラー種別である場合(107SGS509;Y)は、特定したエラー種別内に始動口2異常入賞エラーが有るか否かを判定する(107SGS510)、
特定したエラー種別内に始動口2異常入賞エラーが有る場合(107SGS510;Y)は、始動口2異常入賞エラー報知期間タイマに始動口2異常入賞エラー報知期間である300秒に応じた値をセットして107SGS512に進み(107SGS511)、特定したエラー種別内に始動口2異常入賞エラーが無い場合は、始動口2異常入賞エラー報知期間タイマをセットせずに107SGS512に進む。
107SGS512において演出制御用CPU120は、特定したエラー種別内に不正入賞エラーが有るか否かを判定する。特定したエラー種別内に不正入賞エラーが有る場合(107SGS512;Y)は、不正入賞エラー報知期間タイマに不正入賞エラー報知期間である30秒に応じた値をセットして107SGS514に進み(107SGS513)、特定したエラー種別内に不正入賞エラーが無い場合(107SGS512;N)は、不正入賞エラー報知期間タイマせずに107SGS514に進む。
107SGS514において演出制御用CPU120は、特定したエラー種別内にコントローラ接続エラーが有るか否かを判定する。特定したエラー種別内にコントローラ接続エラーが有る場合(107SGS514;Y)は、コントローラ接続エラー報知期間タイマにコントローラ接続エラー報知期間である60秒に応じた値をセットして107SGS516に進み、特定したエラー種別内にコントローラ接続エラーが無い場合(107SGS514;N)は、コントローラ接続エラー報知期間タイマをセットせずに107SGS516に進む。
107SGS516において演出制御用CPU120は、特定したエラーのうち最も優先順位の高いエラーに対して設定されている報知態様を特定する。そして、該特定した報知態様におけるエラー報知画像の表示を含むエラー報知に応じたエラー表示開始指定コマンドをVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力する。このように演出制御用CPU120がVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対してエラー表示開始指定コマンドを出力することで、画像表示装置107SG005におけるエラー報知画像の表示、スピーカ8L、8Rからの音出力、遊技効果ランプ9の発光等によって発生したエラーに応じた報知を実行可能となっている。
更に、演出制御用CUP120は、エラー報知中フラグをセットするとともに、エラー表示開始指定コマンドを再出力するためのタイマであるエラー報知再実行タイマに、該エラー表示開始指定コマンドを再出力するための期間である5秒に応じた値をセットし、エラー報知処理を終了する(107SGS518)。
尚、107SGS501においてエラー報知再実行タイマが動作中である場合(107SGS501;Y)、演出制御用CPU120は、エラー報知再実行タイマの値を−1し(107SGS519)、該エラー報知再実行タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS520)。エラー報知再実行タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS520;N)は、107SGS502に進み、エラー報知再実行タイマがタイマアウトした場合(107SGS520;Y)は、報知中のエラー種別を特定するとともに、該特定したエラー種別に応じたエラー報知画像の表示を含むエラー報知に応じたエラー表示開始指定コマンドをVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力する。このように演出制御用CPU120がVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対してエラー表示開始指定コマンドを出力することで、画像表示装置107SG005におけるエラー報知画像の表示、スピーカ8L、8Rからの音出力、遊技効果ランプ9の発光等によって発生したエラーに応じた報知を5秒毎に繰り返し実行可能となっている。
また、107SGS502において、始動口2異常入賞エラー報知期間タイマがセットされている場合(107SGS502;Y)、演出制御用CPU120は、始動口2入賞エラー報知期間タイマの値を−1し(107SGS523)、該始動口2入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS524)。始動口2入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトした場合(107SGS524;Y)は、始動口2異常入賞エラー報知期間タイマをクリアするとともに(107SGS525)、始動口2異常入賞エラーに応じたエラー表示終了指定コマンドをVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力することで始動口2異常入賞エラー報知を終了し、107SGS503に進む(107SGS526)。尚、始動口2異常入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS524;N)は、107SGS525及び107SGS526の処理を実行せずに107SGS503に進む。
また、107SGS503においてコントローラ接続エラー報知期間タイマがセットされている場合(107SGS503;Y)、演出制御用CPU120は、コントローラ接続エラー報知期間タイマの値を−1し(107SGS527)、該コントローラ接続エラー報知期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS528)。コントローラ接続エラー報知期間タイマがタイマアウトした場合(107SGS528;Y)は、コントローラ接続エラー報知期間タイマをクリアするとともに(107SGS529)、コントローラ接続エラーに応じたエラー表示終了指定コマンドをVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力することでコントローラ接続エラー報知を終了し、107SGS504に進む(107SGS530)。
尚、コントローラ接続エラー報知期間タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS528;N)、演出制御用CPU120は、不正入賞エラー報知期間タイマがセットされているか否かを判定する(107SGS531)。不正入賞エラー報知期間タイマがセットされていない場合(107SGS531;N)は、107SGS505に進み、不正入賞エラー報知期間タイマがセットされている場合(107SGS531;Y)は、不正入賞エラー報知期間タイマの値を−1し(107SGS532)、不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS533)。不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS533;N)は、107SGS505に進み、不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしている場合(107SGS533;Y)は、不正入賞エラー報知期間タイマをクリアする(107SGS534)。そして、コントローラ接続エラーに対して設定されている報知態様を特定し(107SGS535)、該特定した報知態様におけるエラー報知画像の表示を含むエラー報知に応じたエラー表示開始指定コマンドをVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力することでコントローラ接続エラーに応じたエラー報知を開始する(107SGS536)。また、エラー報知再実行タイマをセットして107SGS505に進む。
また、107SGS504において不正入賞エラー報知期間タイマがセットされている場合(107SGS504;Y)、演出制御用CPU120は、不正入賞エラー報知期間タイマの値を−1し(107SGS538)、該不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(107SGS539)。不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしていない場合(107SGS539;N)は、107SGS505に進み、不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトしている場合(107SGS539;Y)は、不正入賞エラー報知期間タイマをクリアするとともに(107SGS540)、不正入賞エラーに応じたエラー表示終了指定コマンドをVDP107SG500や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して出力することで不正入賞エラー報知を終了し、107SGS505に進む。
以上のようにメイン側エラー処理(図8−12参照)やエラー報知処理が実行されることによって、主基板11(CPU103)においてエラーが1つのみ検出された場合は、図8−24(A)に示すように、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に対して1のエラーの発生のみを指定するエラー指定コマンドが出力される。そして、演出制御基板12は、該エラー指定コマンドが入力されたことにもとづいて、VDP107SG500に対して該エラー指定コマンドから特定したエラーに応じたエラー表示開始指定コマンドを出力する。更に、VDP107SG500は、演出制御基板12からのエラー表示開始指定コマンドの入力にもとづいて画像表示装置107SG005を制御し、検出されたエラーに応じたエラー報知画像の表示を画像表示装置107SG005において実行するようになっている。
尚、このように発生したエラーが1つのみである場合は、該発生したエラーに応じた報知期間タイマの値に応じた期間に亘ってエラー報知(画像表示装置107SG005におけるエラー報知画像の表示や、スピーカ8L,8Rからの音出力、遊技効果ランプ9の発光等)が実行され、該報知期間タイマがタイマアウトしたことに応じてエラー報知が終了する。
例えば、不正入賞エラーのみが発生した場合は、演出制御用CPU120によってエラー指定コマンドから不正入賞エラーが特定されたことにもとづいて不正入賞エラー報知期間タイマに30秒に応じた値がセットされ、該不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトするまで(30秒が経過するまで)に亘って不正入賞エラーのエラー報知が実行される。また、コントローラ接続エラーのみが発生した場合は、演出制御用CPU120によってエラー指定コマンドからコントローラ接続エラーが特定されたことにもとづいてコントローラ接続エラー報知期間タイマに60秒に応じた値がセットされ、該コントローラ接続エラー報知期間タイマがタイマアウトするまで(60秒が経過するまで)に亘ってコントローラ接続エラーのエラー報知が実行される。
一方で、主基板11(CPU103)においてエラーが複数検出された場合は、図8−24(B)に示すように、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に対して複数のエラーの発生を指定するエラー指定コマンドが出力される。また、演出制御基板12は、該エラー指定コマンドが入力されたことにもとづいて、該エラー指定コマンドから発生したエラーを特定する。そして、演出制御基板12は、VDP107SG500に対して、特定したエラーのうちから最も優先順位が高いエラーに応じたエラー表示指定コマンドを出力する。このため、VDP107SG500は、演出制御基板12からのエラー表示開始指定コマンドの入力にもとづいて画像表示装置107SG005を制御し、検出されたエラーのうち最も優先順位の高いエラーに応じたエラー報知画像の表示を画像表示装置107SG005において実行するようになっている。
尚、演出制御用CPU120は、既に遊技停止エラーの報知中である場合は、主基板11から新たなエラー指定コマンドの入力があったとしても、VDP107SG500に対して新たなエラー表示開始指定コマンドを出力しないようになっている。このため、遊技停止エラーが発生した場合は、画像表示装置107SG005に表示されているエラー報知画像が他のエラー報知画像に切り替わることが無いので、遊技者やパチンコ遊技機1が設置されている遊技場の店員等は、エラー報知画像を視認することによって遊技停止の契機となったエラーを容易に特定することができるようになっている。
また、図8−25(A)に示すように、何らエラー報知が実行されていない状態で遊技を停止しないエラー(例えば不正入賞エラー)が発生した場合は、該発生したエラーに応じたエラー報知(不正入賞エラー)が開始されるが、該エラー報知中により優先順位の高いエラー(例えば始動口2入賞エラー)が発生した場合は、実行中のエラー報知がより優先順位の高いエラーのエラー報知に切り替わり、エラー報知の期間がリセットされる。
更に、より優先順位の高いエラーとして遊技停止エラーが発生した場合には、再び実行中のエラー報知が遊技停止エラーのエラー報知に切り替わり、遊技が停止される。尚、このように、遊技停止エラーの報知中に更により優先順位の高いエラーとして遊技停止エラーが発生した場合は、実行中のエラー報知が継続されるようになっているので、上述したように、画像表示装置107SG005に表示されているエラー報知画像が他のエラー報知画像に切り替わることが無く、遊技者やパチンコ遊技機1が設置されている遊技場の店員等は、エラー報知画像を視認することによって遊技停止の契機となったエラーを容易に特定することができるようになっている。尚、セキュリティ信号は、始動口2異常入賞エラー等の出力対象のエラーが発生した時点から出力が開始され、より優先順位の高いエラーが発生しても変わりなく出力される。
また、図8−25(B)に示すように、コントローラ接続エラーと不正入賞エラーとが同時に発生した場合(演出制御用CPU120がエラー指定コマンドからコントローラ接続エラーと不正入賞エラーとを特定した場合)は、これらコントローラ接続エラーと不正入賞エラーとが検出された時点からそれぞれ不正入賞エラー報知期間タイマとコントローラ接続エラー報知期間タイマとがセット(不正入賞エラー報知期間タイマには30秒に応じた値、コントローラ接続エラー報知期間タイマには60秒に応じた値がセット)され、これらタイマのカウントが開始される。また、セキュリティ信号の出力も開始される。
不正入賞エラーとコントローラ接続エラーとでは、不正入賞エラーの方が優先順位が高いので、最初の30秒間(不正入賞エラー報知期間タイマのカウント中)においては不正入賞エラーの報知が実行される。次に、不正入賞エラー報知期間タイマのタイマがタイマアウトして不正入賞エラー報知が終了すると、該不正入賞エラー報知の終了タイミングからコントローラ接続エラー報知期間タイマの残り30秒間に亘ってコントローラ接続エラー報知が実行される。
また、図8−12に示すメイン側エラー処理や図8−22及び図8−23に示すエラー報知処理が実行されることで、遊技停止エラー(例えば、電波エラー)が発生すると、前述したように、遊技球の発射が停止されることによって遊技が停止する。更に、図8−26に示すように、遊技停止エラーが検出されたタイミングから特別図柄が消灯されることによって、特別図柄の変動表示が一旦停止(非実行)となる。このとき、画像表示装置5では、遊技停止エラーが検出されたタイミングから該遊技停止エラーに応じたエラー報知画像が小図柄や飾り図柄に重複して表示される。このため、遊技停止エラーの発生後は、飾り図柄や小図柄の変動表示は継続して実行されるが、これら飾り図柄や小図柄に対してエラー報知画像が重複表示されることにより、飾り図柄と小図柄とが不可視化される。つまり、本実施の形態の特徴部における遊技停止状態とは、遊技球の発射が停止されることと、特別図柄の変動表示が停止すること、始動口や一般入賞口への入賞を無効とすることを含んでいる。
図8−27は、図8−20に示された演出制御メイン処理における電断復旧画像表示処理(107SGS79)を示すフローチャートである。電断復旧画像表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、電断復旧通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS551)。電断復旧通知コマンド受信フラグがセットされている場合(107SGS551;Y)は、VDP107SG500に対して所定のコマンドを送信することによって、画像表示装置107SG005に電断復旧画像の表示を開始させて電断復旧画像表示処理を終了する(107SG552)。
また、電断復旧通知コマンド受信フラグがセットされていない場合(107SGS551;N)は、更に、変動開始指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信フラグがセットされているか否かを判定する(107SGS553)。変動開始指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信フラグがセットされている場合(107SGS553;Y)は、VDP107SG500に対して所定のコマンドを送信することによって、画像表示装置107SG005に電断復旧画像の表示を終了させて電断復旧画像表示処理を終了する(107SGS554)。尚、変動開始指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれの受信フラグもセットされていない場合(107SGS554;N)は、107SGS554の処理を経由せずに電断復旧画像表示処理を終了する。
以上のように電断復旧画像表示処理を実行することで、図8−28に示すように、特別図柄の変動表示中に電断が発生した場合は、該電断が発生したタイミングにおいて特別図柄の変動表示、飾り図柄の変動表示、小図柄の変動表示が停止し、電断復旧タイミングから特別図柄の変動表示のみが再開される。また、電断復旧タイミングから、画像表示装置107SG005において電断復旧画像の表示が開始される。
尚、本実施の形態の特徴部では、図8−27の107SGS553に示すように、変動開始指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信フラグがセットされていることにもとづいて電断復旧画像の表示を終了する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらコマンドに応じた受信フラグに加えて、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていることにもとづいて電断復旧画像の表示を終了するようにしてもよい。
そして、特別図柄の変動表示が終了した後、新たな特別図柄の変動表示が開始されると、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が変動開始指定コマンドを受信したことにもとづいて、画像表示装置107SG005における飾り図柄と小図柄の表示が再開され、新たな飾り図柄の変動表示と小図柄の変動表示が開始される。つまり、特別図柄の変動表示中に電断が発生した場合、画像表示装置107SG005における飾り図柄と小図柄は、パチンコ遊技機1が電断から復旧して次の特別図柄の変動表示が開始されるタイミングまで表示されないようになっている。
また、特に図示はしないが、変動表示結果が大当りとなる特別図柄の変動表示中に電断が発生した場合、画像表示装置107SG005における飾り図柄と小図柄は、パチンコ遊技機1が電断から復旧して大当り遊技が開始されるタイミングまで表示されないようになっている。更に、大当り遊技中に電断が発生した場合、画像表示装置107SG005における飾り図柄と小図柄は、パチンコ遊技機1が電断から復旧して大当り遊技が終了されるタイミングまで表示されないようになっている。
つまり、本実施の形態の特徴部においては、飾り図柄や小図柄を大当り遊技中も表示する形態となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら飾り図柄と小図柄との少なくとも一方は、大当り遊技中においては非表示としてもよい。
次に、特別図柄の変動表示中にエラーが発生した場合の画像表示装置107SG005の表示態様について説明する。先ず、図8−30(A)に示すように、変動表示中にドア開放エラー等の遊技を停止しないエラーが発生した場合、画像表示装置107SG005の画面中央には、発生したエラーに応じたエラー報知画像が演出図柄の一部に重複した状態で表示される。このとき、演出図柄や小図柄の変動表示自体は遊技者から視認可能に継続される。
そして、該エラー報知画像の表示中に電波エラー等の遊技停止エラーが発生した場合は、図8−30(B)に示すように、小図柄が表示されている常時表示エリア107SG005Aや演出図柄を含む画像表示装置107SG005の画面全体に遊技停止エラーに応じたエラー報知画像を重複表示し、遊技者から演出図柄や小図柄を視認不能な状態とする。
次に、パチンコ遊技機1が電断から復旧する際の画像表示装置107SG005の表示態様について説明する。先ず、図8−31(A)に示すように、パチンコ遊技機1に電源が投入されることによって主基板11側が起動すると、画像表示装置107SG005の画面全体に、「復旧中」等のメッセージを含む電断復旧画像が表示される。尚、電断が発生した際に特別図柄の変動表示中であった場合は、パチンコ遊技機1に電源が投入されたこと(主基板11が起動したこと)にもとづいて、特別図柄の変動表示が再開される。
そして、新たな特別図柄の変動表示が開始されるか、大当り遊技の開始、大当り遊技の終了のいずれかにもとづいて画像表示装置107SG005における電断復旧画像の表示が終了し、画像表示装置107SG005における演出図柄と小図柄の表示が再開される。尚、新たな特別図柄の変動表示が介される場合は、演出図柄と小図柄の表示の再開に加えて、これら演出図柄と小図柄の変動表示が開始される。
以上、本実施の形態の特徴部におけるパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120は、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー等の遊技停止エラーが発生したことにもとづいてパチンコ遊技機1における遊技が停止されたときに、図8−30(B)に示すように、画像表示装置107SG005に遊技停止エラーが発生したことを示すエラー報知画像をさせることによって遊技者に対して遊技が停止されたことを報知可能であり、該エラー報知画像は、画像表示装置107SG005に表示されている飾り図柄や小図柄に重複して表示される、つまり、飾り図柄や小図柄は、画像表示装置107SG005に遊技停止エラーが発生したことを示すエラー報知画像が表示されることによって画像表示装置107SG005に表示されなくなるので、遊技が停止されている間において飾り図柄や小図柄が特別図柄の変動表示と同期しなくなるといった意図しない表示動作(例えば、変動表示)をしてしまうことを防止できる。
また、演出制御用CPU120は、図8−2に示す変動パターン指定コマンドを受信したことに基づいて演出図柄及び小図柄の変動表示を開始し、図柄確定コマンドを受信したことに基づいて演出図柄及び小図柄の変動表示を停止するようになっているので、これら演出図柄及び小図柄の変動表示中にCPU103が遊技停止状態となった場合(遊技停止エラーが発生した場合)は、演出図柄及び小図柄の変動表示は停止されることなく継続してしまい、特別図柄の変動表示と演出図柄及び小図柄の変動表示との整合性がとれなくなってしまう。そこで本実施の形態の特徴部においては、演出制御用CPU120は、CPU103が遊技停止状態となった場合にVDP107SG500を制御することで、画像表示装置107SG005に飾り図柄及び小図柄に重複する形でエラー報知画像を表示することによって飾り図柄及び小図柄を遊技者から隠蔽し、特別図柄の変動表示と演出図柄及び小図柄の変動表示との整合性がとれなくなってしまうことを防止している。
また、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1が電断から復旧した際に、電断から復旧したことを示す電断復旧画像を画像表示装置107SG005に表示させることによって、遊技者に対してパチンコ遊技機1が電断から復旧したことを報知可能であり、該電断復旧画像の表示中は、図8−31(A)に示すように、画像表示装置107SG005に飾り図柄や小図柄が表示されることがないので、電断復旧画像の表示中において飾り図柄や小図柄が意図しない表示動作(例えば、変動表示)をしてしまうことを防止できる。
また、CPU103は、図8−12に示すメイン側エラー処理において始動口2異常入賞エラー、不正入賞エラー、コントローラ接続エラー、ドア開放エラー、球切エラー等の遊技を停止しないエラーが発生したと判定した場合は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の変動表示を継続して実行する一方で、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー等の遊技停止エラーが発生したと判定した場合(遊技停止フラグをセットした場合)、図8−16に示すように、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄を消灯するので、遊技低エラーが発生した場合は、特別図柄が消灯されることによって、本来であれば該特別図柄の変動表示と同期する小図柄の変動表示が不適切となってしまうことを防ぐことができる。
また、演出制御用CPU120は、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー等の遊技停止エラーが発生した場合には、図8−30(B)に示すように、画像表示装置107SG005において該遊技停止エラーに応じたエラー報知画像を表示させることで、画像表示装置107SG005に演出図柄や小図柄が表示されないようする一方で、始動口2異常入賞エラー、不正入賞エラー、コントローラ接続エラー、ドア開放エラー、球切エラー等の遊技を停止しないエラーが発生した場合は、図8−30(A)に示すように、画像表示装置107SG005において該遊技を停止しないエラーに応じたエラー報知画像を表示させるとともに、演出図柄や小図柄を継続して表示させるので、遊技者は、画像表示装置107SG005において遊技を停止しないエラー報知画像が表示され場合は、画像表示装置107SG005において小図柄や飾り図柄が表示されていることを視認することで、変動表示の実行中であるか否かを把握することができる。
尚、本実施の形態の特徴部においては、パチンコ遊技機1において遊技を停止しないエラーが発生した場合、画像表示装置107SG005に該遊技を停止しないエラーが発生したことを示すエラー報知画像を表示させる一方で、画像表示装置107SG005における飾り図柄や小図柄の表示を継続する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示装置107SG005において遊技を停止しないエラーが発生したことを示すエラー報知画像を表示させる場合は、飾り図柄と小図柄とのいずれか一方を表示させないようにしてもよい。
また、図8−28に示すように、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動表示中及び該特別図柄の変動表示に連動する飾り図柄や小図柄の変動表示中に電断が発生した場合、パチンコ遊技機1が該電断から復旧して特別図柄の変動表示が再開されたとしても、新たな特別図柄の変動表示が開始される迄は画像表示装置107SG005に飾り図柄や小図柄を表示させないので、小図柄と特別図柄の可変表示の同期が不適切となってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施の形態の特徴部では、CPU103は、図8−12に示すメイン側エラー処理を実行することで、発生している複数の異常(エラー)を1のエラー指定コマンドを用いて演出制御基板12(演出制御用CPU120)に対して出力可能であり、演出制御用CPU120は、図8−22に示すエラー報知処理を実行することで、CPU103から受信したエラー指定コマンドから特定した1のエラーについては、画像表示装置107SG005に該エラーに応じたエラー報知画像を表示させるためのコマンド(エラー表示開始指定コマンド)をVDP107SG500に対して出力するが、PU103から受信したエラー指定コマンドから特定した他のエラーについては、エラー報知画像を表示させるためのコマンドをDP107SG500に対して出力しないので、画像表示装置107SG005にエラー報知画像を表示させる際のVDP107SG500の処理負荷を低減することができる。
また、CPU103が図8−12に示すメイン側エラー処理において発生していることを判定可能なエラーには優先順位が設定されており(図8−15参照)、演出制御用CPU120は、図8−22に示すように、CPU103から受信したエラー指定コマンドから特定したエラーのうち、最も優先順位の高いエラーに応じたエラー報知画像を画像表示装置107SG005に表示させるためのコマンドをVDP107SG500に対して出力するので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を確保しつつ、画像表示装置107SG005にエラー報知画像を表示させる際のVDP107SG500の処理負荷を低減することができる。
また、演出制御用CPU120は、画像表示装置107SG005にエラーに応じたエラー報知画像を表示させるためのコマンド(エラー表示開始指定コマンド)をVDP107SG500に対して出力した後、5秒間隔で繰り返し画像表示装置107SG005に該エラーに応じたエラー報知画像を表示させるためのコマンドをVDP107SG500に対して出力するようになっているので、例えば、画像表示装置107SG005に不具合が生じてエラー報知画像の表示が中断されてしまったり、前述したエラー表示開始指定コマンドにノイズが混じる等して画像表示装置107SG005に誤表示が表示される等の不具合が発生した場合であっても、該誤表示が継続されて正しいエラー報知画像が表示されなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施の形態の特徴部では、演出制御用CPU120は、画像表示装置107SG005にエラーに応じたエラー報知画像を表示させるためのコマンド(エラー表示開始指定コマンド)をVDP107SG500に対して5秒間隔で繰り返し出力する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120は、5秒未満または5秒よりも長い間隔で前記コマンドをVDP107SG500に対して出力するようにしてもよい。
また、本実施の形態の特徴部では、演出制御用CPU120は、画像表示装置107SG005にエラーに応じたエラー報知画像を表示させるためのコマンド(エラー表示開始指定コマンド)をVDP107SG500に対して出力を5秒間隔で繰り返し出力する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120は、スピーカ8L,8Rにエラーが発生していることを報知する音声を出力させるためのコマンドを音声制御基板13に対して5秒間隔で繰り返し出力してもよい。更に、演出制御用CPU120は、遊技効果ランプ9にエラーが発生していることを報知するよう発光させるためのコマンドをランプ制御基板14に対して5秒間隔で繰り返し出力してもよい。
また、図8−23(B)及び図8−25(B)に示すように、遊技を停止しないエラーとして、例えば、不正入賞エラーと該不正入賞エラーよりも優先順位が低いがエラー報知画像が画像表示装置107SG005に表示される期間が長いコントローラ接続エラーとが同時に発生した場合は、不正入賞エラーの報知期間を計測するための不正入賞エラー報知期間タイマと、コントローラ接続エラーの報知期間を計測するためのコントローラ接続エラー報知期間タイマとが同時に作動する。
そして、画像表示装置107SG005には、先ず、優先順位が高い不正入賞エラーに応じたエラー報知画像表示がされる。次に、不正入賞エラー報知期間タイマがタイマアウトする(不正入賞エラー報知画像の表示期間が終了する)と、画像表示装置107SG005には、残りのコントローラ接続エラー報知期間タイマに応じた期間(本実施の形態の特徴部においては30秒)に亘ってコントローラ接続エラー報知画像が表示されるので、これらエラーの種類に応じたエラー報知画像をエラーの種類に応じた期間に亘って画像表示装置107SG005に表示することができるとともに、CPU103によって不正入賞エラーとコントローラ接続エラーとの発生が判定されてからコントローラ接続エラー報知画像の表示が終了するまでの期間を一定とすることができる。
尚、本実施の形態では、不正入賞エラーとコントローラ接続エラーとの発生が同時に判定された場合、画像表示装置107SG005において、不正入賞エラー報知画像の表示終了後、残りのコントローラ接続エラー報知期間タイマに応じた期間(本実施の形態の特徴部においては30秒)に亘ってコントローラ接続エラー報知画像が表示される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、不正入賞エラーとコントローラ接続エラーとの発生が同時に判定された場合は、画像表示装置107SG005において、不正入賞エラー報知画像の表示終了後に、コントローラ接続エラー報知画像を本来の表示期間(例えば、図8−15に示す60秒)に亘って表示してもよい。
また、図8−23(B)及び図8−25(B)に示すように、遊技を停止しないエラーとして、例えば、不正入賞エラーと該不正入賞エラーよりも優先順位が低いがエラー報知画像が画像表示装置107SG005に表示される期間が長いコントローラ接続エラーとが同時に発生した場合、演出制御用CPU120は、VDP107SG500に対して画像表示装置107SG005に不正入賞エラー報知画像を表示させるためのコマンド(エラー表示開始指定コマンド)を出力し、画像表示装置107SG005において不正入賞エラー報知画像の表示が終了してコントローラ接続エラー報知画像の表示が開始される場合は、VDP107SG500に対して画像表示装置107SG005における不正入賞エラー報知画像の表示を終了させるためのコマンド(エラー表示終了指定コマンド)を送信せず、コントローラ接続エラー報知画像を表示させるためのコマンドを出力するので、画像表示装置107SG005にて表示される画像を不正入賞エラー報知画像からコントローラ接続エラー報知画像に切り替える際に、VDP107SG500にかかる負荷を低減できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態の特徴部においては、パチンコ遊技機1に発生したエラーに応じて異なるエラー報知を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー報知に加え、特定の操作手段の操作に応じてパチンコ遊技機1から出力される音量を変化させる他、消費電力を抑えたり、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの状態を確認できるようにしてもよい。
具体的には、変形例1として図32〜図34に示すように、演出制御基板12上に操作手段としての回動式の設定切替スイッチ107SG400を設け、遊技機用枠3を開放した状態において、演出制御基板12が収納されている基板収納ケース107SG270に形成された切欠部107SG270aを介して該設定切替スイッチ107SG400を操作可能とすればよい。
尚、設定切替スイッチ107SG400は、図8−34に示すように、「0」〜「F」までの計16個のチャンネルを備えており、これらチャンネルを、ツマミ107SG401を回動操作することで切り替えるスイッチになっている。本変形例1では、例えば、チャンネルを「0」〜「9」のいずれかに切り替えることによって、スピーカ8L,8Rから出力される音量を変更可能とする。また、例えば、チャンネルを「A」〜「F」のいずれかに切り替えること、または、チャンネルを切り替えた後に更に特定操作を行うことによって、パチンコ遊技機1の消費電力を抑えたり(節電モードへの移行)、可動体32やプッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等の状態を確認可能とする。
具体的には、図8−35(A)及び図8−35(B)に示すように、遊技場の店員等が設定切替スイッチ107SG400を操作するために遊技機用枠3を開放すると、先ず、画像表示装置107SG005において、ドア開放エラーに応じたエラー報知画像が表示される。この状態において遊技場の店員等が設定切替スイッチ107SG400のチャンネルを「F」にセットすることで、画像表示装置107SG005において、エラー報知画像に替えてパチンコ遊技機1の消費電力を抑える節電モードへ移行するか否かの確認画像が表示される。このとき、例えばプッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aを用いて節電モードへの移行に応じた操作(図8−35(B)の例であればスティックコントローラ31Aの操作によって「はい」の選択肢にカーソルを合わせてプッシュボタン31Bを押下する等)を行い、パチンコ遊技機1を節電モードに移行させればよい。
また、図8−36(A)及び図8−36(B)に示すように、遊技場の店員等が設定切替スイッチ107SG400を操作するために遊技機用枠3を開放すると、先ず、画像表示装置107SG005において、ドア開放エラーに応じたエラー報知画像が表示される。この状態において遊技場の店員等が設定切替スイッチ107SG400のチャンネルを「C」にセットした後、更にプッシュボタン31Bを所定回数(例えば、5回)押下操作することによって、演出制御用CPU120が可動体32、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等の動作チェック(実際に可動体32を所定の位置まで動作させたり、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作をプッシュセンサ35Bやコントローラセンサユニット35Aで正確に検出できるか否かの確認等)を実行し、該動作チェック結果の画像(図8−36(B)に示す役物チェックリストの画像)をドア開放エラーの報知画像、飾り図柄、小図柄に重複して表示すればよい。
特に、本変形例1においては、設定切替スイッチ107SG400を操作する(図8−34に示す状態から時計回りあるいは反時計回りに回動させる)際にチャンネル「C」を通過する(一瞬のみチャンネルが「C」に設定される)ことによって、前述した動作チェックとして可動体32等が一瞬のみ動作してしまうこと等を防ぐために、設定切替スイッチ107SG400がチャンネル「C」に設定された際には、特定操作としてプッシュボタン31Bが所定回数押下操作されなければ動作チェックが実行されないようになっている。
このように、本変形例1においては、動作チェック結果の画像が、エラー報知画像や飾り図柄、小図柄、ドア開放エラー報知画像等に重複して画像表示装置107SG005に表示させることによって、該動作チェック結果の画像が遊技場の店員等から優先して視認されるようになるので、エラー報知画像の表示中であっても可動体32やプッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等の動作チェック結果を確認することができる。
また、本実施の形態における特徴部での特定表示とは、可動体32を所定の位置まで動作させる等の動作検証結果(動作チェック結果)を確認するための表示であるので、エラー報知画像の表示中であっても可動体32の動作チェック結果を確認することができる。
また、前記実施の形態の特徴部においては、パチンコ遊技機1の遊技性として、主に大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することによって持ち玉を増加させていく形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2特別図柄の変動表示において小当りが頻出するようにするとともに、大当り種別に応じて小当り遊技における大入賞口への遊技球の入賞し易さを異ならせる(例えば、大当り種別が「確変B」や「非確変」である場合は、該大当り遊技終了後に小当り遊技における大入賞口への遊技球が入賞し難い第1KT状態に制御する一方で、大当り種別が「確変A」である場合は、該大当り遊技終了後に小当り遊技における大入賞口への遊技球が入賞し易い第2KT状態に制御する等)ようにし、大当り遊技中に加えて、第2KT状態に大入賞口に遊技球が入賞することによっても持ち玉を増加させていくことができるようにしてもよい。
尚、このように、パチンコ遊技機1を第2KT状態においても持ち玉を増加させていく遊技性とする場合は、変形例2として図8−37〜図8−39に示すように、大当り遊技中、第1KT状態、第2KT状態において画像表示装置107SG005に賞球数表示107SG300、107SG303、107SG305を表示してもよい。
更に、大当り遊技中においては、図8−37(A)〜図8−37(C)に示すように、画像表示装置107SG005に、賞球数表示107SG300とともにキャラクタ1078SG301や「大当り中!」等の文字表示107SG302を表示し、大入賞口に遊技球が入賞した場合には、賞球数表示107SG300の表示を第1速度にて更新(例えば、賞球数表示107SG300の表示を0.1秒に亘って更新)してもよい。
また、第1KT状態においては、図8−38(A)〜図8−38(C)に示すように、画像表示装置107SG005に、賞球数表示107SG303を表示するとともに、小当りが発生した場合には、「小当り発生!」等の文字表示107SG304を表示し、該第1KT状態における小当り遊技中において大入賞口に遊技球が入賞した場合は、賞球数表示107SG303の表示を大当り遊技中と同じく第1速度にて更新してもよい。
そして、第2KT状態においては、図8−39(A)〜図8−39(C)に示すように、画像表示装置107SG005に、賞球数表示107SG305を表示するとともに、小当りが発生した場合には、「小当り発生!」等の文字表示107SG306を表示してもよい。更に、該第2KT状態における小当り遊技中において大入賞口に遊技球が入賞した場合は、入賞演出として、画像表示装置107SG005にキャラクタ107SG308や賞球増加表示としての「+15」などの文字表示107SG309、及び賞球数表示107SG305の周囲にエフェクト画像107SG307を表示してもよい。そして、賞球数表示107SG305の表示を第1速度よりも低速である第2速度にて更新(例えば、賞球数表示107SG305の表示を0.5秒に亘って更新)する、つまり、大当り遊技中、第1KT状態、第2KT状態のいずれで遊技球が大入賞口に入賞したかに応じて賞球数表示107SG300、107SG303、107SG305の更新速度を異ならせることで遊技者をこれら賞球数表示107SG300、107SG303、107SG305の更新速度に注目させ、遊技興趣を向上させてもよい。
このように、本変形例2においては、賞球数表示107SG300、107SG303、107SG305を更新表示するパターンとして2つのパターン(賞球数表示107SG300、107SG303を第1速度で更新表示するパターンと、賞球数表示107SG305を第2速度で更新表示するパターン)を備えることで、賞球数の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上できる。特に、本変形例2において、第2KT状態における小当り確率を所定確率(例えば、50%等)とした場合、該第2KT状態中は大当り遊技中よりも大入賞口への遊技球の入賞頻度が低くなる。このため、第1速度よりも低速である第2速度において賞球数表示107SG305の表示を更新することによって、大入賞口への入賞頻度が大当り遊技中より低くとも遊技球が大入賞口に途切れなく入賞しているかのように遊技者を錯覚させることができるので、小当り間の間を持たせることができ、遊技興趣を向上できる。
尚、本変形例2においては、大当り遊技中と小当り遊技中とで共通の大入賞口を開放してもよいが、パチンコ遊技機1に複数の大入賞口を設け、大当り遊技中に開放する大入賞口と小当り遊技中に開放する大入賞口とを異ならせてもよい。