JP2019178432A - 防塵服用蓄光ワッペン及び防塵服 - Google Patents

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Abstract

【課題】防塵服に装着して使用した場合に防塵室内の空気清浄度を悪化させる恐れがない防塵服用蓄光ワッペンを提供すること。【解決手段】防塵性織物生地からなる第一の基布及び第二の基布が重ね合わせられて構成される本体部を有し、第一の基布における第二の基布に対向する側の面上に、蓄光材を含む蓄光層が形成されており、本体部の外周縁に防塵性織物生地からなる帯状布を用いたパイピング処理部を有するように、防塵服用蓄光ワッペンを構成した。【選択図】図4

Description

本発明は、防塵服用蓄光ワッペン及び防塵服に関するものである。
従来より、小さな埃や塵(塵埃)の付着が許されない電子部品や精密機器、光学機器等の製造や、細菌の繁殖が品質に大きな影響を及ぼす食品の加工等は、室内の空気清浄度が確保された防塵室(クリーンルーム)内にて行なわれている。防塵室は、空気中の塵埃を除去するための給排気システムを備えてはいるものの、室内の空気清浄度を維持するためには塵埃の発生を抑えることも重要であるところから、防塵室内においては、発塵する材料や備品の使用は避けられ、また、室内の作業者には防塵服(クリーンスーツ)の着用が必須とされている。
そのような防塵室(クリーンルーム)は、給排気システムや室内環境を維持するための各種設備を絶え間なく稼働させるべく、一般的に、無停電電源装置を設置する等の停電対策が講じられている。しかしながら、想定を超える大規模な自然災害や想定外の事象等が発生すると、予め準備していた停電対策が十分に機能せず、その結果、防塵室が停電する場合がある。防塵室が停電した場合、室内の作業者は機器を停止させる等の対応を採ることが必要とされるが、最も重要なことは、作業者自身の安全を確保することである。特に、他の作業者と接触(衝突)することによる怪我等の二次的被害の発生を防止することが、非常に重要である。
一方、近年では、光を蓄え、光照射を止めても発光する性質(蓄光性)を備えた物質(蓄光材)を用いて、暗所においても発光する表示体等が種々、提案されている。例えば、特許文献1(特開2004−163621号公報)においては、停電時にも電源を用いることなく避難路の誘導サイン等を発光表示させることができる表示用シートとして、遮光状態で少なくとも一部が発光する第1の表示面と、かかる第1の表示面を覆う第2の表示面とを備え、第1の表示面の発光部分が蓄光塗料又は蓄光フィルムにて形成されてなるものが、開示されている。また、特許文献2(特開2006−283261号公報)においては、光の照射されない状態でも自然発光させることで、災害発生時の暗闇でもより高い安全性を確保することができる防災用作業着および運動着として、衣服を形成する布基材上に蓄光部とアルミ箔部とを備えたものが開示されている。
特開2004−163621号公報 特開2006−283261号公報
ところで、急な停電が発生した防塵室内においても、他の作業者から容易に認識され得るようにするために、防塵服の外表面に、暗所においても発光する蓄光部(例えば、蓄光材を含む層等)を設けることが考えられる。しかしながら、現在、広く用いられている蓄光材は、所定の金属化合物の粒状体乃至は粉状体であり、そのような蓄光材を含む蓄光部を防塵服の外表面に設けると、防塵服の使用中に蓄光材が防護服の外表面から剥落し、その剥落した蓄光材が塵埃となって防塵室内の空気清浄度を悪化させる等の問題を惹起する恐れがある。
そのような状況の下、本発明は完成されるに至ったのであり、その解決すべき課題とするところは、防塵服に装着して使用した場合でも防塵室内の空気清浄度を悪化させる恐れがない防塵服用蓄光ワッペンを提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決するために、防塵性織物生地からなる第一の基布及び第二の基布が重ね合わせられて構成される本体部を有し、前記第一の基布における前記第二の基布に対向する側の面上に、蓄光材を含む蓄光層が形成されており、前記本体部の外周縁に、防塵性織物生地からなる帯状布を用いたパイピング処理部を有する、ことを特徴とする防塵服用蓄光ワッペンを、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う防塵服用蓄光ワッペンにおいて、好ましくは、前記蓄光材がアルミン酸ストロンチウム系蓄光材である。
また、本発明は、上記した各態様の防塵服用蓄光ワッペンを備えた防塵服をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従う防塵服用蓄光ワッペンにあっては、蓄光材を含む蓄光層が、本体部を構成する二枚の基布のうちの一方の基布における、他方の基布に対向する側の面上に形成されており、また、本体部の外周縁には、防塵性織物生地からなる帯状布を用いたパイピング処理部を有している。このような構成を採用していることにより、仮に蓄光部から蓄光材の粒状体乃至は粉状体が剥落した場合でも、剥落した粒状体等はワッペンの本体部内(より詳細には、二枚の基布及び帯状布によって覆われた空間内)に止まり、ワッペンの外部に飛散することが有利に抑制されるところから、本発明に従う蓄光ワッペンは、防塵服に装着して使用した場合でも防塵室内の空気清浄度を悪化させる恐れがないものとなっているのである。
本発明に従う防塵服用蓄光ワッペンの一例を示す正面説明図である。 図1に示される防塵服用蓄光ワッペンの右側面説明図である。 図1に示される防塵服用蓄光ワッペンの平面説明図である。 図3のA−A面で切断した断面を模式的に示す説明図である。 図1に示される防塵服用蓄光ワッペンを防塵服に装着した状態を示す背面説明図である。
以下、図面を適宜に用いて、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図4には、本発明に従う防塵服用蓄光ワッペンの代表的な実施形態の一つが示されている。具体的に、図1は防塵服用蓄光ワッペン(以下、単に蓄光ワッペンともいう)10の正面説明図であり、図2は蓄光ワッペン10の右側面説明図であり、図3は蓄光ワッペン10の平面説明図であり、図4は、図3におけるA−A面で切断した際に現われる断面を模式的に示した説明図である。
それら図1乃至図4より明らかなように、本発明に従う防塵服用蓄光ワッペン10は、全体として略矩形のシート状を呈している。また、防塵服用蓄光ワッペン10は、矩形状を呈する二枚の基布(第一の基布12及び第二の基布14)が重ね合わせられてなる本体部16と、本体部16の外周縁を覆うようにして形成されているパイピング処理部18とから構成されている(図4を参照)。なお、先に述べたように、図4は所定の断面を模式的に示した説明図であるところ、本実施形態に係る蓄光ワッペン10においては、第一の基布12と第二の基布14とが接するように重ね合わせられて本体部16が構成されており、そのような本体部16の外周縁を覆うように帯状布が縫い付けられて、パイピング処理部18とされているのである。図3における細点線は、本体部16と帯状布との縫い目を表わし、また図4における太点線は、本体部16と帯状布との縫い目を模式的に表わすものである。
より詳細には、本体部16を構成する第一の基布12及び第二の基布14は、同一の矩形状を呈しており、また、同一の防塵性織物生地にて構成されている。ここで、防塵性織物生地とは、それ自体からの発塵が極力抑えられている生地(素材)であり、従来より防塵服(クリーンスーツ)用の生地として様々なものが提案、開発されている。本発明においては、防塵服(クリーンスーツ)を構成する生地として用いられ得る防塵性織物生地であれば、如何なるものであっても使用することが可能であり、従来より公知の防塵性織物生地の中から、例えば、蓄光ワッペンが装着される防塵服を構成する生地と同一のものや、かかる生地と同程度の性能を有する生地等が適宜に選択されて、第一の基布及び第二の基布を構成する生地(素材)として用いられることとなる。なお、本発明においては、第一の基布及び第二の基布を、それぞれ異なる防塵性織物生地によって構成することも可能である。また、防塵性織物生地を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等を、例示することが出来る。
そして、本発明に従う防塵服用蓄光ワッペン10においては、1)第一の基布12における第二の基布14に対向する側の面上に、蓄光材を含む蓄光層20が形成されており、また、2)第一の基布12と第二の基布14より構成される本体部16の外周縁を覆うように、防塵性織物生地製の帯状布を用いてなるパイピング処理部18が形成されているところに、大きな技術的特徴が存しているのである。
すなわち、蓄光材を含む蓄光層20が、本体部16において外部に露出している面上に、詳細には第一の基布12又は第二の基布14における外部に露出している面上に、形成されているのではなく、第一の基布12における第二の基布14に対向する側の面上に形成されており、また、第一の基布12と第二の基布14より構成される本体部16には、その外周縁を覆うようにパイピング処理部18が形成されているところから、本発明に係る防塵服用蓄光ワッペン10にあっては、仮に蓄光層20より粒状体乃至は粉状体を呈する蓄光材が剥落した場合でも、剥落した蓄光材は蓄光ワッペン10の内部(二枚の基布と帯状布とで囲まれた空間内)に止まり、蓄光ワッペン10の外部に飛散することが効果的に抑制される。このように、本発明に従う防塵服用蓄光ワッペン10は、蓄光層より剥落した蓄光材がワッペン外部に飛散するものでないことから、防塵室(クリーンルーム)内の空気清浄度を悪化させる恐れがなく、防塵服に装着した状態で有利に用いられ得るものとなっているのである。なお、本発明に係る防塵服用蓄光ワッペン10は、蓄光層20がワッペンの外部に露出していないものの、蓄光層20中の蓄光材が第一の基布12や第二の基布14を透過した光を蓄え、周囲が暗所となった場合には、十分に認識可能な光を発することとなる。
ここで、蓄光材を含む蓄光層20の形成手法としては、第一の基布12上に蓄光材を保持(固定)することが可能な手法であれば、如何なるものであっても採用することが出来る。本発明においては、有利には、防塵性織物生地に対して塗布可能なインク(塗料)に粒状体乃至は粉状体を呈する蓄光材を添加して蓄光塗料を調製し、この蓄光塗料を第一の基布12上の所定の位置に塗布し、乾燥せしめることによって、第一の基布12上に蓄光材を含む蓄光層20を形成することが可能である。
また、本発明において用いられる蓄光材としては、従来より広く用いられている所定の金属化合物からなる粒状体乃至は粉状体であれば、如何なるものであっても使用することが可能である。蓄光材は、硫化亜鉛等の硫化物系とアルミン酸ストロンチウム等の酸化物系とに大別されるところ、本発明においては、特に、酸化物系蓄光材の一種であるアルミン酸ストロンチウム系蓄光材(アルミン酸ストロンチウムにEu2+やDy3+等の希土類イオンを添加して構成されるもの)が、長時間の発光を可能ならしめる観点より、有利に用いられる。そのような所定の金属化合物からなる蓄光材は、一般に、平均粒子径が10〜100μmの粒状体乃至は粉状体の形態において使用される。
なお、上述のように、蓄光層を形成するにあたって蓄光塗料を用いる場合、かかる蓄光塗料を調製する際に使用されるインク(塗料)は、防塵性織物生地からなる第一の基布に対して塗布可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、一液型のインクは勿論のこと、主剤と硬化剤の二液から構成される二液型のインクであっても使用可能である。そのような二液型のインクが用いられる場合、蓄光材は主剤に添加され、第一の基布に対する塗布の直前に硬化剤が更に添加されて、使用されることとなる。蓄光塗料を調製する際のインクに対する蓄光材の添加割合は、蓄光ワッペンに要求される発光特性等に応じて適宜に決定される。
図1乃至図4に示される防塵服用蓄光ワッペン10は、例えば、以下の手順に従って製造することが出来る。
先ず、所定の防塵性織物生地を裁断することにより、矩形状を呈する二枚の布片を準備する。その一方で、インク(塗料)に所定量の粒状体乃至は粉状体を呈する蓄光材を添加することにより、蓄光材を含む蓄光塗料を調製する。準備した二枚の布片のうちの何れか一方の片面に、別途調製した蓄光塗料を塗布し、乾燥せしめることにより、蓄光層を形成する。次いで、二枚の布片を、一の布片における蓄光層が形成された側の面上に他の一の布片を重ね合わせる。そして、その重ね合わせた状態の二枚の布片の外周縁に対して、防塵性織物生地からなる帯状布を用いてパイピング処理を施すことにより、目的とする防塵服用蓄光ワッペン10が得られるのである。なお、パイピング処理部18を構成する帯状布は、第一の基布12及び/又は第二の基布14を構成する防塵性織物生地と同一のものであっても、或いは、異なるものであってもよい。
上述してきた防塵服用蓄光ワッペン10は、例えば図5に示されるように、防塵服(クリーンスーツ)30の背部に装着される。このように蓄光ワッペン10を備えた防塵服30を防塵室(クリーンルーム)内の作業者が常時、着用していることにより、仮に防塵室にて突発的な停電が発生した場合でも、蓄光ワッペン10が効果的に発光し、暗所となった防塵室内においても他の作業者を容易に認識することが可能となることから、他の作業者との接触(衝突)による怪我等の発生を有利に防止することが出来、また、暗所となった防塵室内にて倒れた作業者の発見も容易となるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、本発明には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
例えば、上述した防塵服用蓄光ワッペン10は、全体として略矩形状を呈するものであるが、本発明に係る防塵服用蓄光ワッペンは、矩形状のものに限定されるものではなく、装着される防塵服(クリーンスーツ)の部位に応じた種々の形状とすることが可能であり、また、その大きさも適宜に決定され得るものである。
また、防塵服における蓄光ワッペンが装着される部位についても、背部に限定されるものではなく、防塵服の正面部や腕部、足部等に本発明に従う蓄光ワッペンを装着することも可能である。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約を設けるものでないことは、言うまでもないところである。
なお、以下の試験に供した、本発明の蓄光ワッペンと同一構造を呈する試験体を作製するに当たり、第一の基布及び第二の基布、並びにパイピング処理部を構成する帯状布の形成材料としては、何れも帝人フロンティア株式会社製の防塵性織物生地を用いた。かかる防塵性織物生地はポリエステル繊維製であり、その組成は、ポリエチレンテレフタレート:98重要%以上、ポリヘキサメチレンテレフタレート:0.5重量%以下、二酸化チタン:1重量%以下、カーボンブラック:1重量%以下である。また、蓄光層を形成するために、スクリーン印刷用インキ(十条ケミカル株式会社製、商品名:テトロンインキ900−1シリーズ)に、所定量のアルミン酸ストロンチウム系蓄光材(製造会社:大連路明光源有限公司、製品名:蓄光顔料101B/102Bシリーズ、アルミン酸ストロンチウムにユウロピウムイオン(Eu3+)がドープされたもの)を添加し、混合してなる蓄光塗料を準備した。かかる蓄光塗料を用いた蓄光層の形成は、塗布の直前に硬化剤(イソシアネート)を蓄光塗料に添加し、かかる硬化剤を含む蓄光塗料を防塵性織物生地上に塗布し、乾燥せしめるという手順に従って実施した。
−蓄光性能確認試験−
本発明に従う蓄光ワッペンの蓄光性能を確認すべく、以下の試験を行なった。本発明の蓄光ワッペンに係る試験体として、縦:約130mm×横:約130mm×厚さ(パイピング処理部における最大厚さ):約2mmの大きさを有し、第一の基布の裏面(第二の基布に対向する側の面)に縦:100mm×横:100mmの大きさの蓄光層を形成してなるものを準備した。その一方、縦:130mm×横:130mmの大きさを有する防塵性織物生地の布片の表面に、縦:100mm×横:100mmの大きさの蓄光層を形成してなるものを、比較試験体として準備した。また、縦:330mm×横:330mm×高さ:330mmの段ボール箱の上部に撮影用の開口部を設けることにより、撮影ボックスとした。
試験体(蓄光ワッペン)及び比較試験体を、明かりの点いた室内に所定時間、放置することにより光に晒した。その後、試験体及び比較試験体を撮影ボックス内に載置し、かかる撮影ボックスを暗室内に運び入れた。なお、試験体にあっては蓄光層が形成された基布が撮影ボックスの開口部側となるように、また、比較試験体については蓄光層が形成されている面が開口部側となるように、撮影ボックス内に載置した。暗室内において、撮影ボックスの開口部にカメラを設置し、設置直後及び設置から1分経過毎に、試験体及び比較試験体の発光状況を写真撮影すると共に、開口部よりボックス内の試験体及び比較試験体を目視にて観察した。写真撮影及び目視による観察は、カメラ設置から20分経過後まで実施した。
得られた写真の確認及び開口部からの目視による観察結果より、本発明の蓄光ワッペンに係る試験体は、カメラ設置(撮影開始)から20分経過後であっても、防塵性織物生地の布片表面に蓄光層が形成されてなる比較試験体と同程度に発光することが認められたのである。
−蓄光材の剥離性確認試験−
本発明に従う蓄光ワッペンにおいて、蓄光層中の蓄光材が剥離する程度を確認すべく、以下の試験を行なった。なお、以下の試験において、摩擦試験とは、JIS−L−0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に規定されている試験方法に準じて、摩擦布を、200gの荷重で、試験体(比較試験体)における第一の基布上の中央部100mmの間を毎分30回往復の速度で100回、往復摩擦する試験を意味するものである。
本発明の蓄光ワッペンに係る試験体として、縦:約35mm×横:約220mm×厚さ(パイピング処理部における最大厚さ):約2mmの大きさを有し、第一の基布の裏面(第二の基布に対向する側の面)に縦:20mm×横:210mmの大きさの蓄光層を形成してなるものを準備した。その一方、上記試験体と同一の形状及び大きさを有し、蓄光層を第一の基布の表面(外部に露出している面)に形成したものを、比較試験体として準備した。
1)摩擦試験前後の質量変化
先ず、試験体及び比較試験体の質量を測定した。次いで、試験体及び比較試験体に対して、摩擦布としてポリエステル布を用いて摩擦試験を実施し、かかる試験後の試験体及び比較試験体の質量を測定した。試験前の試験体の質量は4.091g、試験後の試験体の質量は4.093gであり、試験前の比較試験体の質量は3.969g、試験後の比較試験体の質量は3.971gであった。試験体及び比較試験体の何れにおいても、摩擦試験前後の質量の変化はほとんど認められなかった。
2)摩擦試験前後の色差の変化
試験体及び比較試験体に対して、摩擦布としてポリエステル布を用いて摩擦試験を実施し、かかる試験後の試験体及び比較試験体の色差変化を、変退色用グレースケール(JIS−L−0804:2004)を用いて判定したところ、試験体及び比較試験体の何れも「変退色:5級」であった。
3)摩擦布への付着物の分析
試験体及び比較試験体に対して、摩擦布として綿布を用いて摩擦試験を実施した。かかる試験に用いた摩擦布(綿布)を、白金るつぼ内で灰化し、その後に0.25gの炭酸ナトリウムをるつぼ内に添加して、融解させた。るつぼ内が常温となるまで冷却した後、10mLの(1+1)塩酸を加えて灰を溶解させた。るつぼ内の溶液に蒸留水を加えて20mLにメスアップしたものを試料として用いて、ICP発光分光分析法(ICP−AES)に従い、試料中のSr(ストロンチウム)含有量、Eu(ユウロピウム)含有量を測定した。なお、Sr含有量については標準添加法に従い、またEu含有量については検量線法に従い、各々、測定した。
試験体に対する摩擦試験にて使用した綿布におけるSr含有量は、0.4μgであった。これに対して、比較試験体に対する摩擦試験にて使用した綿布におけるSr含有量は、5.0μgであった。なお、試験体に対する摩擦試験にて使用した綿布においてもSrが検出されているが、ここで検出されたSrは、後述するEu含有量の測定結果に鑑みると、摩擦布たる綿布に由来するものであると推定される。
試験体に対する摩擦試験にて使用した綿布におけるEu含有量、及び、比較試験体に対する摩擦試験にて使用した綿布におけるEu含有量を、下記表1に示す。
Figure 2019178432
上述した、試験体に対する摩擦試験にて使用した綿布におけるSr含有量の測定結果、並びに、表1の結果からも明らかなように、本発明の蓄光ワッペンに係る試験体にあっては、ワッペン外部への蓄光材の飛散が有利に抑制されるものであることが認められる。この結果より、本発明に従う蓄光ワッペンが、防塵服に装着して使用された場合に防塵室内の空気清浄度を悪化させるものでないことは、明白なところである。
10 防塵服用蓄光ワッペン
12 第一の基布
14 第二の基布
16 本体部
18 パイピング処理部
20 蓄光層
30 防塵服

Claims (3)

  1. 防塵性織物生地からなる第一の基布及び第二の基布が重ね合わせられて構成される本体部を有し、
    前記第一の基布における前記第二の基布に対向する側の面上に、蓄光材を含む蓄光層が形成されており、
    前記本体部の外周縁に、防塵性織物生地からなる帯状布を用いたパイピング処理部を有する、
    ことを特徴とする防塵服用蓄光ワッペン。
  2. 前記蓄光材がアルミン酸ストロンチウム系蓄光材である請求項1に記載の防塵服用蓄光ワッペン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の防塵服用蓄光ワッペンを備えた防塵服。
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