JP2019177330A - エアフィルタ用濾材、及びエアフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】濾材の強度を確保しつつ、高い捕集効率を有するエアフィルタ用濾材を提供する。【解決手段】エアフィルタ用濾材は、気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ用濾材であって、繊維径が0.01〜0.9μmのガラス繊維からなる捕集繊維と、前記捕集繊維の繊維径の30〜90倍の繊維径を有する補強繊維と、を備える。前記補強繊維は、第1の補強繊維と、前記第1の補強繊維よりも軟らかい第2の補強繊維と、を有している。【選択図】なし

Description

本発明は、エアフィルタ用濾材、及びエアフィルタに関する。
空気中に浮遊する塵埃等の微粒子を捕集し、清浄化された空気を生成するために用いられるエアフィルタは、一般に、複数の繊維を有する繊維体からなる濾材を備えている。従来の濾材として、繊維径の異なる複数の種類の繊維を備えた濾材が知られている(特許文献1)。
上記従来の濾材によれば、径の大きい繊維によって、濾材が補強されることで、濾材内に形成された空隙の大きさが保たれるとともに、径の小さい繊維によって濾材の捕集効率が向上すると考えられる。
特開2006−55735号公報
しかし、上記従来の濾材では、捕集効率の向上の程度が十分でない。
本発明は、強度が確保され、高い捕集効率を有するエアフィルタ用濾材、及びエアフィルタを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ用濾材であって、
繊維径が0.01〜0.9μmのガラス繊維からなる捕集繊維と、
前記捕集繊維の繊維径の30〜90倍の繊維径を有する補強繊維と、を備え、
前記補強繊維は、第1の補強繊維と、前記第1の補強繊維よりも軟らかい第2の補強繊維と、を有していることを特徴とする。
前記第1の補強繊維の繊維径は5〜50μmであることが好ましい。
前記第1の補強繊維は、前記エアフィルタ用濾材の50質量%以上含まれていることが好ましい。
前記捕集繊維の繊維径に対する繊維長の比が100〜1200であることが好ましい。
前記第2の補強繊維は、前記第1の補強繊維と接着されるバインダ繊維であることが好ましい。
前記第2の補強繊維は、芯部と、前記芯部を覆う鞘部と、を有する繊維構造を有していることが好ましい。
前記エアフィルタ用濾材は、
前記捕集繊維、前記第1の補強繊維、及び前記第2の補強繊維を備える捕集層と、
前記捕集層に対し、気体が通過する方向の少なくとも一方の側に配置され、前記捕集層を支持する支持層と、を有し、
前記支持層は、ポリエステルからなる第1の部分と、当該第1の部分を覆い、ポリエチレンからなる第2の部分と、を有する繊維構造を有する支持繊維を備えることが好ましい。
本発明の別の一態様は、エアフィルタであって、
前記エアフィルタ用濾材と、
前記エアフィルタ用濾材を取り囲む枠体と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、強度が確保され、高い捕集効率を有するエアフィルタ用濾材、及びエアフィルタが得られる。
以下、本実施形態のエアフィルタ用濾材、及びエアフィルタについて説明する。
(エアフィルタ用濾材)
本実施形態のエアフィルタ用濾材(以降、単に濾材ともいう)は、気体中の微粒子を捕集する濾材であって、捕集繊維と、補強繊維と、を有している。
捕集繊維は、繊維径が0.01〜0.9μmのガラス繊維からなる。繊維径が上記範囲の細いガラス繊維を捕集繊維として備えることで、濾材の捕集効率を向上させることができる。好ましくは、捕集繊維の繊維径は0.05〜0.5μmである。
捕集繊維は、濾材中、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%含まれている。
なお、捕集繊維の繊維長は、例えば、0.05〜0.5mmである。
補強繊維は、捕集繊維の繊維径の30〜90倍の繊維径を有している。
捕集繊維の繊維径に対する補強繊維の繊維径の倍率が30倍以上であることで、潰れ難く、空隙率の高い、嵩高い濾材となる。このような濾材構造によれば、濾材の圧力損失が小さくなるとともに、濾材が目詰りし難いので、保塵量が大きく、濾材の寿命が長くなる。他方、上記濾材構造では、補強繊維の繊維間隔が広いので、捕集繊維が補強繊維の間に位置しやすく、濾材中に均一に分散して配置されやすい。これにより、捕集繊維同士が重なる領域を低減し、捕集繊維1本あたりの捕集効率を向上させることができ、濾材の捕集効率の向上に寄与する。
一方、上記倍率が90倍を超えると、例えば湿式抄紙法を用いて濾材を作製する際に、補強繊維が捕集繊維と均一に混ざり難くなり、濾材中に捕集繊維が少ない領域ができ、リークが発生するおそれがある。
なお、上記倍率は、捕集繊維及び補強繊維のそれぞれについて、無作為に抽出した所定数(例えば20本以上)の繊維の平均繊維径を意味する。
補強繊維の繊維径は、捕集繊維の繊維径の、好ましくは30〜85倍、より好ましくは30〜75倍である。
補強繊維は、第1の補強繊維と、第1の補強繊維よりも軟らかい第2の補強繊維と、を有している。第2の補強繊維が第1の補強繊維より軟らかいとは、第2の補強繊維の繊維材料のヤング率が、第1の補強繊維の繊維材料のヤング率よりも小さいことを意味する。そのような第1の補強繊維と第2の補強繊維の組み合わせの具体例として、ガラス繊維(第1の補強繊維)と有機繊維(第2の補強繊維)を挙げることができる。
本実施形態の濾材では、上述したように、補強繊維によって、濾材内に大きな空隙が多数形成される。ここで、補強繊維のうち、軟らかい第2の補強繊維は、第1の補強繊維と比べ曲がりやすく、細いガラス繊維と絡み合った網目状(ループ状を含む)の構造が濾材内に形成されやすい。網目を構成する捕集繊維が、大きな空隙内に突き出るように露出することで、捕集繊維と補強繊維が重なる領域が低減され、捕集繊維1本あたりの捕集効率がさらに高められる。これにより、濾材の捕集効率が大きく向上する。すなわち、本実施形態によれば、補強繊維によって、濾材の強度を確保しつつ、高い捕集効率を達成することができる。
第2の補強繊維が含まれていないと、濾材内に網目ができ難く、捕集繊維と補強繊維が重なる領域が大きくなるため、捕集繊維の大きな表面積が有効利用されず、濾材の捕集効率の向上幅は不十分となる。また、第2の補強繊維が含まれていないことで網目ができ難いと、濾材構造は単に空隙が大きい構造となり、粒径の小さい粒子が通過し易く、捕集効率の向上が阻害される場合がある。
上記観点から、第1の補強繊維は、ガラス繊維であることが好ましいが、第2の補強繊維より硬い有機繊維であってもよい。
補強繊維は、濾材中、好ましくは35〜95質量%、より好ましくは50〜80質量%含まれている。
一実施形態によれば、第1の補強繊維は、濾材中、50質量%以上含まれていることが好ましい。これにより、濾材が潰れ難い効果が確保される。
一方、第2の補強繊維は、濾材中、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%含まれている。第2の補強繊維の含有量が5質量%未満であると、第2の補強繊維と捕集繊維との網目ができ難く、捕集効率の向上幅が不十分となる場合がある。一方、第2の補強繊維の含有量が50質量%を超えると、補強繊維による濾材の補強効果が不十分となる場合がある。
一実施形態によれば、第1の補強繊維の繊維径は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは6〜30μmであり、例えば7〜20μmである。5μm未満であると、濾材の補強効果が不十分となり、潰れやすく、空隙が小さくなりやすい。なお、第1の補強繊維の繊維長は、例えば、1〜7.5mmである。
一方、第2の補強繊維の繊維径は、好ましくは、5〜30μmであり、例えば6〜20μmである。繊維径が5μm未満であると、濾材の補強効果が不十分となる場合がある。一方、30μmを超えると、曲がり難く、網目が作られ難くなる。なお、第2の補強繊維の繊維長は、好ましくは1〜20mmであり、例えば1〜10mmである。
一実施形態によれば、捕集繊維の繊維径に対する繊維長の比(アスペクト比)は、好ましくは100〜1200であり、より好ましくは100〜1000、さらに好ましくは100〜750、特に好ましくは100〜500である。アスペクト比が100以上であることで、網目が作られやすく、アスペクト比が1200以下であることで、捕集繊維同士の絡まりが抑制され、捕集繊維の大きな表面積を有効利用できる。アスペクト比が小さすぎると、捕集繊維は、粒子の形態に近くなり、単に補強繊維上に載った状態となりやすく、捕集効率の向上に貢献しない。なお、ここでいうアスペクト比は、捕集繊維の中から無作為に抽出した所定数(例えば20本以上)の繊維のアスペクト比の平均値をいう。
アスペクト比の上記範囲は、例えば、湿式抄紙法を用いて濾材を作製する場合、アスペクト比が上記範囲より大きいガラス繊維を用いてスラリーを作る際の撹拌力を調整することで調整できる。撹拌力が強いほど、ガラス繊維が切れやすく、短くなりやすい。
一実施形態によれば、第2の補強繊維は、第1の補強繊維と接着されるバインダ繊維であることが好ましい。第2の補強繊維が第1の補強繊維と接着されることで、第1の補強繊維の濾材からの抜け落ちを抑制できる。また、濾材にプリーツ加工を施したときに、補強繊維同士は互いの位置が固定された状態を維持するため、加工後もプリーツ形状が崩れ難く、また、濾材が破れにくい。すなわち、加工性が良い。また、上記バインダ繊維には、捕集繊維も接着されるため、捕集繊維の濾材からの抜け落ちも抑制される。
一実施形態によれば、第2の補強繊維は、芯部と、芯部を覆う鞘部と、を有する繊維構造を有していることが好ましい。芯部によって、潰れ難く、嵩高い濾材構造を維持できるとともに、鞘部によって、網目状の構造を維持することができる。
具体的には、第2の補強繊維は、軟化点の異なる複数の樹脂が互いに異なる領域に位置した繊維構造を有し、第2の補強繊維の少なくとも一部の表面に位置する第1の樹脂は、第1の樹脂と異なる領域に位置する第2の樹脂よりも軟化点が低い。軟化点とは、JIS K7196の熱機械分析法で測定した軟化温度をいう。
このように第2の補強繊維が、軟化点の異なる複数の樹脂から構成されていることで、濾材を作製するときに、例えば後述する乾燥温度を調整することで、第2の補強繊維の少なくとも一部の表面に配置された樹脂(第1の樹脂)だけが溶けて第1の補強繊維及び捕集繊維に融着する。このため、第2の補強繊維の全体が溶けて第1の補強繊維及び捕集繊維に融着した場合と比べ、溶けた樹脂が繊維間に広がるように流動して形成された膜の面積が小さい。このため、圧力損失の上昇が抑制される。
また、上記繊維構造を有する繊維(複合繊維)である第2の補強繊維では、濾材を作製するときの乾燥温度を調整することで、第2の補強繊維の他の領域に配置された樹脂(第2の樹脂)はその形態を留めるため、第2の補強繊維は全体として繊維状の形態を維持することができる。このため、第2の補強繊維の太さを調整することで濾材の補強効果が得られる。
一方で、複合繊維は、単一の成分で構成された第2の補強繊維と比べ、一般に、太くて長いため、繊維の間に均一に分散して配置させることが難しい。本実施形態では、補強繊維によって、上述したように、空隙率が高く、嵩高い濾材を得やすいため、比較的太い複合繊維を、第1の補強繊維の間に均一に分散して配置させることができ、濾材内の捕集効率のばらつきが抑えられる。
第2の補強繊維の繊維構造の具体例として、芯鞘、サイドバイサイド、分割、海島等の周知の繊維構造を挙げることができる。これらの繊維構造において、第1の樹脂は、第2の補強繊維の外周表面の一部又は全部の領域に位置している。
第1の樹脂及び第2の樹脂の具体例として、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系等の樹脂が挙げられる。
第1の樹脂/第2の樹脂の組み合わせの具体例として、低融点(共重合)ポリエチレンテレフタレート(PET)/低融点PETより融点が高いポリエチレンテレフタレート(PET)(以降、低融点PET/PETとも表記する)、ポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)を挙げることができる。
第2の樹脂の軟化点は、第1の樹脂の軟化点との差が150度以内であることが好ましい。このように、2つの軟化点の差が小さいと、濾材を作製する際に第1の樹脂の軟化点以上の温度に加熱を行った場合に、第2の樹脂も軟らかくなるため、周囲の第1の補強繊維の向きに応じて形態が調整され、馴染みやすい。
濾材は、上記説明した捕集繊維及び補強繊維を有する捕集層を備える。言い換えると、上記説明した捕集繊維及び補強繊維は、捕集層を構成する。
捕集層は、補強繊維を有していることで、強度が確保されているため、捕集層のみで濾材を構成することができる。例えば、セパレータ型のエアフィルタ用濾材として、捕集層のみで構成された濾材を用いることができる。
捕集層は、例えば、後述する製造方法に従って、湿式抄紙法により作製される。
捕集層の目付は、特に制限されないが、例えば、40〜80g/cm2である。
捕集層の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.25〜0.55mmである。
濾材は、捕集層に対し、気体が通過する方向の一方の側又は両側に配置され、捕集層を支持する支持層をさらに備えていてもよい。支持層は、好ましくは捕集層に積層される。
支持層を備えた濾材は、濾材の強度がさらに増しているため、例えば、濾材にエンボス加工を施すのに適している。
支持層は、上記複合繊維と同様の複合繊維である支持繊維を備える。支持繊維は、濾材に採用された具体的な第2の補強繊維と同種の複合繊維であってもよく、異なる種類の複合繊維であってもよい。支持繊維の具体例として、ポリエステルからなる第1の部分(芯部)と、当該第1の部分を覆い、ポリエチレンからなる第2の部分(鞘部)と、を有する繊維構造を有する繊維を挙げることができる。
捕集層に上記繊維構造の第2の補強繊維が含まれている場合、捕集層の第2の補強繊維と支持層の支持繊維との間で強い接着状態が得られ、プリーツ加工を施しても層の境界で剥離が発生し難い。
支持層の具体的な形態として、有機繊維からなる、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布等が挙げられる。
本実施形態の濾材は、例えば、高性能(ULPA、HEPA)フィルタ、準高性能フィルタ、中性能フィルタ、あるいはガス除去フィルタ用の濾材として用いられる。
ULPA、HEPAの各フィルタは、JIS Z8122に規定されたフィルタである。
準高性能フィルタは、HEPAフィルタに準じる性能のエアフィルタであり、例えば、定格流量で粒径0.3μmの粒子に対して捕集効率が90%以上の捕集効率を有し、初期圧力損失が600Pa以下であるエアフィルタである。
中性能フィルタは、主として粒径が5μmより小さい粒子に対して中程度の粒子捕集率をもつエアフィルタであって、光散乱光量積算方式(比色法)あるいは計数法(粒径0.7μm)で50〜95%の捕集効率を有するエアフィルタである
(エアフィルタ)
エアフィルタは、濾材と、枠体と、を備える。
濾材は、上記説明した濾材である。濾材は、たとえば、山折りと谷折りが交互に繰り返されたジグザグ形状を有するよう、プリーツ加工される。
ミニプリーツ型のエアフィルタに用いられる濾材は、プリーツ加工の後、例えば、プリーツ間隔を保持するためのスペーサが設けられる。スペーサは、例えば、ホットメルト樹脂を用いて、プリーツの折り目と直交して延びるよう線状に形成される。また、ミニプリーツ型のエアフィルタに用いられる濾材には、例えば、エンボス加工を施される。エンボス加工では、濾材を折り畳んだ状態で互いに当接してプリーツ間隔を保持する複数の突起が濾材に形成される。
セパレータ型のエアフィルタに用いられる濾材は、山部および谷部が交互に配置されるよう交互に折り返して波型形状にされ、谷部にセパレータを挿入した状態で濾材にプリーツ加工が施される。セパレータは、薄板をコルゲート加工することによって波形状にしてなる部材である。
枠体は、濾材を取り囲む部材である。枠体は、例えば、矩形状の部材であり、亜鉛鉄板、ステンレス板、樹脂等の枠材を組み合わせて作られる。
エアフィルタは、濾材を、枠体に対し、例えば、ウレタン樹脂などのシール剤を用いて気流方向と直交する平面内の一方向の両端を固定するとともに、当該一方向と平行な方向に線状に延びる接着剤を用いて、上記平面内で当該一方向と直交する方向の両端を固定することで、濾材と枠体との隙間をなくすように組み立てられる。
エアフィルタは、例えば、高性能フィルタ、準高性能フィルタ、中性能フィルタの性能を有している。
(エアフィルタ用濾材の製造方法)
本実施形態のエアフィルタ用濾材の製造方法(以降、単に製造方法ともいう)は、抄紙を行うステップと、乾燥するステップと、を備える。
抄紙を行うステップでは、上記説明した、捕集繊維、第1の補強繊維、及び第2の補強繊維を含むスラリーを用いて抄紙を行う。
抄紙を行うステップでは、湿式抄紙法を用いて抄紙を行う。具体的に、捕集繊維、第1の補強繊維、及び第2の補強繊維となる原料繊維を、水に投入し、分散させてスラリーを作り、このスラリーを、抄紙機を用いて抄紙する。湿式抄紙法によれば、第2の補強繊維を第1の補強繊維に容易に抄き込むことができ、第2の補強繊維が第1の補強繊維中に均一に分散した捕集層を得やすい。このため、捕集層の強度にムラがなく、支持層を省略することができる。また、捕集層に積層される支持層の目付が小さくても、十分な強度が得られる。
抄紙を行うステップでは、上記アスペクト比を100〜1200に調整することが好ましい。例えば、上記原料繊維を水に投入後、ミキサーを用いて、3000〜5000回転/分、45秒の条件で撹拌を行う。抄紙は、撹拌停止後、速やかに(例えば撹拌停止と同時に)開始することが好ましい。抄紙を行うまでの時間が長いと、繊維長による沈降時間の違いに起因して、抄紙機のベルト上に供給された繊維の構成比が不均一になりやすい。
本実施形態の製造方法は、さらに、抄紙を行うステップの後、乾燥するステップの前に、シート体を搾水(脱水)するステップを備える。搾水は、抄紙を行うステップで得られたシート体を、例えば、ローラを用いて厚み方向にプレスし、水分を絞り出すことによって行う。
乾燥するステップでは、抄紙により得られたシート体を乾燥する。
乾燥するステップでは、第1の樹脂の軟化点以上、融点以下の温度で加熱を行うが、生産性を上げる観点から、第1の樹脂の融点を超える温度で加熱を行ってもよい。
乾燥温度が第1の樹脂の軟化点(例えば100度)未満では、第1の樹脂が十分に溶けず、この結果、繊維同士の接着が不十分となり、繊維同士がばらばらになりやすい。このため、プリーツ加工を行ったときに、濾材にくせが付き難く、加工性が悪くなる。
一方、乾燥温度が第1の樹脂の融点(例えば125度)を超えると、第1の樹脂が溶けて流動することで補強繊維間に形成される膜の面積が大きくなりやすく、濾材の圧力損失が上昇する場合がある。また、第2の樹脂が溶けて第2の補強繊維の繊維状の形態が失われ、濾材の強度が低下する場合がある。
上記乾燥温度での乾燥時間は、1〜30分であることが好ましい。第1の補強繊維及び第2の補強繊維は、異種材料同士であるため、一般には互いに接着し難いが、上記乾燥温度及び上記乾燥時間によって、第1の補強繊維と第2の補強繊維との接着状態が良好となることが見出された。第1の補強繊維と第2の補強繊維との接着状態が良好であることは、濾材の加工性が良いことにより確認できる。第1の補強繊維と第2の補強繊維との接着状態をさらに良好にするためには、乾燥温度及び乾燥時間の調節に加えて、第2の補強繊維の第1の樹脂として特定の材質を選択することが好ましい。そのような特定の材質は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂であり、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンが好ましい。
抄紙を行うステップ、及び乾燥するステップを行うことにより、上記捕集層を得ることができる。
本実施形態の製造方法は、抄紙を行うステップ、及び乾燥するステップに加え、さらに、支持層を積層するステップを備えていてもよい。支持層は、上記説明した支持層である。支持層を積層するステップでは、気体が通過する方向の捕集層の一方の側又は両側に、支持層を積層する。積層は、具体的に、捕集層の第2の補強繊維及び支持層の支持繊維の一方又は両方を加熱により軟化させ、両層を接合する方法によって行われる。
(実施例、比較例)
捕集繊維、第1の補強繊維、第2の補強繊維を、表1に示す配合比で含んだ濾材の試験サンプルを作製し、捕集効率、圧力損失を測定するとともに、濾材の強度を確保しつつ、高い捕集効率を達成できたかどうかを評価した。
濾材は、表1に示す各繊維を、水中に投入し、ミキサーを用いて、4000回転/分で45秒、撹拌して離解させ、繊維が均一に分散したスラリーを作成した。
次いで、スラリーの濃度が0.02質量%となるよう水で希釈し、手抄装置を用いて抄紙を行い、シート体(抄紙)を得た。ローラを押し付けながらシートの表面を転がすことで水分を絞り、オーブン内で乾燥した。乾燥条件は、120度、25分とした。
表中に示した各繊維の材質は、下記のとおりである。
・捕集繊維1:繊維径0.18μm、繊維長0.18mmの市販のガラス繊維
・捕集繊維2:繊維径0.28μm、繊維長0.28mmの市販のガラス繊維
・捕集繊維3:繊維径1μm、繊維長1mmの市販のガラス繊維
・第1の補強繊維:ニットーボー社製チョップドスラント。繊維径11.7μm、繊維長3mmのガラス繊維
・第2の補強繊維1:低融点PET/PETの芯鞘構造のメルトスパン(溶融紡糸)繊維(繊維径10μm、繊維長10mm、鞘の低融点PETの軟化点100〜115度、融点125〜135度、芯のPETの軟化点238〜240度、融点255〜260度)
・第2の補強繊維2:繊維径が2μm、繊維長が2mmである点を除いて、第2の補強繊維1と同じ仕様の繊維
・第2の補強繊維3:繊維径が35μm、繊維長が35mmである点を除いて、第2の補強繊維1と同じ仕様の繊維
繊維径、繊維長、及び各濾材の性能は、下記の要領で求めた。
(繊維径)
試験サンプルの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で1000〜5000倍で撮影し、捕集繊維及び補強繊維のそれぞれについて、繊維の種類による繊維径の違いを無視して無作為に抽出した200本以上の繊維の像の太さを繊維径として測定し、その算術平均値を繊維径とした。
(繊維長)
スラリーを作成する前に、繊維の種類ごとに、試験サンプルの表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で20〜500倍で撮影し、無作為に抽出した200本以上の繊維の長さを、SEMの測長機能を用いて測定し、その算術平均値を繊維長とした。
(捕集効率)
PAO(ポリαオレフィン)のエアロゾル(粒子径0.3μm)を測定対象粒子とし、パーティクルカウンタを用いて、JIS B9927に準拠して風速5.3cm/秒の条件で測定した。その結果、99.95%未満だった場合をD、99.95%以上99.99%未満だった場合をC、99.99%以上99.995%未満だった場合をB、99.995%以上をA、と評価した。
(圧力損失)
JIS B9927に準拠し、風速5.3cm/秒の条件で、差圧計を用いて測定した。その結果、250Paを超えていた場合をD、200Paを超え250Pa以下だった場合をC、150Paを超え200Pa以下だった場合をB、150Pa以下だった場合をA、と評価した。
(保塵量)
0.25μmのPAO粒子を含む空気を流速5.3cm/秒で連続通風し、圧力損失が250Pa上昇したときのPAO粒子の保塵量が、20g/m2以上だった場合をA、15〜20g/m2未満だった場合をB、10〜15g/m2未満だった場合をC、10g/m2未満だった場合をD、と評価した。
(総合評価)
捕集効率、圧力損失、及び保塵量のいずれか一つでもC又はDだったものをD、それ以外をAと評価した。Aは、濾材の強度を確保しつつ、高い捕集効率を達成できたことを意味する。
Figure 2019177330
比較例1と実施例2の比較からわかるように、捕集繊維の繊維径が0.01〜0.9μmであることで、高い捕集効率を達成できることがわかる。
比較例2と実施例2の比較からわかるように、第2の補強繊維を備えることで、捕集効率が大きく向上することがわかる。
比較例3、4と実施例2の比較からわかるように、補強繊維の繊維径が捕集繊維の繊維径の30倍以上であることで、圧力損失の低下が抑制されており、濾材の強度が確保されていることがわかる。
比較例5と実施例2の比較からわかるように、補強繊維の繊維径が捕集繊維の繊維径の90倍以下であることで、捕集効率の向上幅が大きくなっており、捕集繊維が濾材中に均一に分散して配置されていると考えられる。
実施例1、3、4と実施例2の比較からわかるように、第1の補強繊維が50質量%以上含まれることで、濾材の強度を確保しつつ、高い捕集効率を得る効果が高いことがわかる。
また、実施例2及び比較例2のサンプルのそれぞれを捕集層とし、片側に、下記仕様の支持繊維からなる支持層を積層した2つの濾材のサンプル(実施例3及び比較例5)を作製し、両者の引張強度の大きさを比較した。
・支持繊維:PE/PETの芯鞘構造の市販のスパンボンド繊維(繊維径24μm。PEの軟化点100〜115度、融点125〜135度、PETの軟化点238〜240度、融点255〜260度)
引張強度は、引張試験機を用いて、JIS L1096に規定するA法に従って測定した。その結果、実施例3の引張強度は、比較例5の引張強度より大きかった。濾材の加工性は引張強度と相関性があることから、実施例3のサンプルは、比較例5のサンプルと比べ、濾材の加工性に優れるといえる。
以上、本発明のエアフィルタ用濾材、及びエアフィルタについて詳細に説明したが、本発明のエアフィルタ用濾材、及びエアフィルタは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

Claims (8)

  1. 気体中の微粒子を捕集するエアフィルタ用濾材であって、
    繊維径が0.01〜0.9μmのガラス繊維からなる捕集繊維と、
    前記捕集繊維の繊維径の30〜90倍の繊維径を有する補強繊維と、を備え、
    前記補強繊維は、第1の補強繊維と、前記第1の補強繊維よりも軟らかい第2の補強繊維と、を有していることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. 前記第1の補強繊維の繊維径は5〜50μmである、請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
  3. 前記第1の補強繊維は、前記エアフィルタ用濾材の50質量%以上含まれている、請求項1又は2に記載のエアフィルタ用濾材。
  4. 前記捕集繊維の繊維径に対する繊維長の比が100〜1200である、請求項1から3のいずれか1項に記載のエアフィルタ用濾材。
  5. 前記第2の補強繊維は、前記第1の補強繊維と接着されるバインダ繊維である、請求項1から4のいずれか1項に記載のエアフィルタ用濾材。
  6. 前記第2の補強繊維は、芯部と、前記芯部を覆う鞘部と、を有する繊維構造を有している、請求項1から5のいずれか1項に記載のエアフィルタ用濾材。
  7. 前記捕集繊維、前記第1の補強繊維、及び前記第2の補強繊維を備える捕集層と、
    前記捕集層に対し、気体が通過する方向の少なくとも一方の側に配置され、前記捕集層を支持する支持層と、を有し、
    前記支持層は、ポリエステルからなる第1の部分と、当該第1の部分を覆い、ポリエチレンからなる第2の部分と、を有する繊維構造を有する支持繊維を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のエアフィルタ用濾材。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のエアフィルタ用濾材と、
    前記エアフィルタ用濾材を取り囲む枠体と、を備えることを特徴とするエアフィルタ。
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