JP2019175988A - ヒートシンク - Google Patents

ヒートシンク Download PDF

Info

Publication number
JP2019175988A
JP2019175988A JP2018062188A JP2018062188A JP2019175988A JP 2019175988 A JP2019175988 A JP 2019175988A JP 2018062188 A JP2018062188 A JP 2018062188A JP 2018062188 A JP2018062188 A JP 2018062188A JP 2019175988 A JP2019175988 A JP 2019175988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
network structure
dimensional network
base
skeleton
heat sink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018062188A
Other languages
English (en)
Inventor
孝広 地主
Takahiro Jinushi
孝広 地主
田中 俊明
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2018062188A priority Critical patent/JP2019175988A/ja
Publication of JP2019175988A publication Critical patent/JP2019175988A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】中空の骨格によって形成される3次元網目状構造体を用いて、伝熱性が高いヒートシンクを提供する。【解決手段】ベースと、ベース上に形成され、互いに離間して配置される複数のフィンと、複数のフィンの間に配置され、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部が形成され、全体の気孔率が90%〜99%であり、中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される、3次元網目状構造体と、を備え、フィンと3次元網目状構造体の界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、ヒートシンクである。【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、ヒートシンクに関する。
3次元状に連結する骨格を有し、その骨格により3次元状に連結する気孔が形成される3次元網目状構造を有する多孔質体は、連結する気孔にガスあるいは液体等の流体を通過させるとともに、これらの流体を濾過処理するフィルター(特許文献1、2等)や、これらの流体を骨格表面に担持した触媒により改質する触媒用担体等(特許文献2等)に用いられている。
このような3次元網目状構造を有する多孔質体は、連通孔を有する発泡樹脂骨格表面を導電化処理して電気メッキした後、加熱して樹脂を分解除去する方法(特許文献3等)や、連通孔を有する発泡樹脂に有機高分子結合剤と金属微小体との混練物を浸漬、スプレー等して塗着した後、加熱して樹脂を分解除去するとともに金属微小体を焼結する方法(特許文献1、2、4、6等)、あるいは、連通孔を有する発泡樹脂の骨格表面に粘着性を付与させた後、粉体を被着させた後、加熱して樹脂を分解除去するとともに粉体を焼結する方法(特許文献5等)により製造される。
このような3次元網目状構造を有する多孔質体は、流体との接触面積が大きいことから、ヒートシンク等の熱交換部品への適用が検討されている。ヒートシンクは、温度の高い物体から低い物体へ効率的に熱を移動させて加熱や冷却の用途に用いられる機器であり、一般に、熱交換の媒体として液体や気体等の流体を用いて流体に熱を与える(加熱)もしくは流体から熱を奪う(冷却)ことで加熱や冷却を行う。
特許文献7には、3次元状に連結する骨格を有し、この骨格により3次元状に連通する連通孔を有し、気孔率が92〜98%であり、連通孔の大きさが800〜2000μmであり、骨格が中空状である熱交換器用多孔質部材が開示されている。これによって、熱交換器用の金属フィンに適するように通風抵抗と熱伝達率とのバランスを改善している。
非特許文献1には、ピンフィンヒートシンクのピンの隙間に発泡金属を充填しハイブリッドヒートシンクを作製し、伝熱促進をする方法が開示されている。非特許文献1では、ハイブリッドヒートシンクは、発泡金属にピンフィンを圧入して作製され、ベースと発泡金属がろう付けされ、ピンフィンの側面と発泡金属はろう付けされていない(1962ページ、第1段落)。
非特許文献2及び非特許文献3には、パラレルフィンの間に発泡金属を配置したパラレルフィンヒートシンクが開示されている。
非特許文献2では、ヒートシンクの伝熱特性を数値的に検討しており、発泡金属とフィンの接触抵抗についてろう付けの影響を考慮しているが、ろう付けについて詳細に検討されていない(021014−2ページ、右欄)。
非特許文献3では、熱伝導性のエポキシを用いて、発泡金属をフィンとベースに結合させている。
また、非特許文献1〜3は、いずれも発泡金属の構造について詳細に検討されていない。
安藤健志,今井悠介,平井秀和,中山顕,"発泡金属充填ピンフィンヒートシンクを用いた伝熱促進",日本機械学会論文集(B編),77巻,782号,2011,p1958-1967 S.S.Feng,J.J.Kuang,T.J.Lu1 and K.Ichiyama,"Heat Transfer and Pressure Drop Characteristics of Finned Metal Foam Heat Sinks Under Uniform Impinging Flow",Journal of Electronic Packaging,JUNE 2015,Vol.137,p021014-1~021014-12 A.Bhattacharya and R.L.Mahajan,"Finned Metal Foam Heat Sinks for Electronics Cooling in Forced Convection",Journal of Electronic Packaging,SEPTEMBER 2002,Vol.124,p155-163
特開平05−339605号公報 特開平08−020831号公報 特開昭57−174484号公報 特公昭61−053417号公報 特開平06−235033号公報 特公平06−089376号公報 特開2016−142420号公報
3次元網目状構造を有する多孔質部材をヒートシンク等の熱交換部材に適用すると、緻密な成形体で形成されるヒートシンクに比べて比表面積が大きいことから効率よく熱交換することができる。しかし、高気孔率の多孔質部材は、フィン高さが高くなるとフィンの高い位置まで発熱体からの熱が伝達しにくく、フィン効率が低下し、伝熱性が低下する問題がある。
また、3次元網目状構造を形成する骨格が中空である多孔質部材をヒートシンクに用いる場合では、伝熱性の低下が特に問題になる。
本発明の一実施形態は、中空の骨格によって形成される3次元網目状構造体を用いて、伝熱性が高いヒートシンクを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、以下の通りである。
[1]ベースと、前記ベース上に形成され、互いに離間して配置される複数のフィンと、前記複数のフィンの間に配置され、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部が形成され、全体の気孔率が90%〜99%であり、前記中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される、3次元網目状構造体と、を備え、前記フィンと前記3次元網目状構造体の界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、ヒートシンク。
[2]前記3次元網目状構造体は、前記フィンと前記3次元網目状構造体の界面から少なくとも0.5mmまで中実である、[1]に記載のヒートシンク。
[3]前記3次元網目状構造体の中空状の骨格は、少なくとも1つの開口部を有する、[1]又は[2]に記載のヒートシンク。
[4]前記3次元網目状構造体は、前記ベースと接触し、前記ベースとの界面が接合されていない、[1]から[3]のいずれかに記載のヒートシンク。
[5]前記3次元網目状構造体は、前記ベースと接触し、前記ベースとの界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、[1]から[3]のいずれかに記載のヒートシンク。
[6]前記3次元網目状構造体の目粗さが6ppi〜30ppiである、[1]から[5]のいずれかに記載のヒートシンク。
図1は、一実施形態によるヒートシンクを模式的に表す概略斜視図である。 図2は、一実施形態によるヒートシンクのパラレルフィンと3次元網目状構造体の界面を模式的に表す部分断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、以下の例示によって本発明は限定されない。
一実施形態によるヒートシンクは、ベースと、ベース上に形成され、互いに離間して配置される複数のフィンと、複数のフィンの間に配置され、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部が形成され、全体の気孔率が90%〜99%であり、中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される、3次元網目状構造体と、を備え、フィンと3次元網目状構造体の界面がアルミニウム系ろう材によって接合されていることを特徴とする。
これによれば、伝熱性及びフィン効率に優れるヒートシンクを提供することができる。
図1に、ヒートシンクの一例の概略斜視図を示す。
図1に示すヒートシンク100は、ベース10及び複数のパラレルフィン20から構成されるパラレルフィン型ヒートシンク30と、3次元網目状構造体40とを備える。3次元網目状構造体40は、複数のパラレルフィン20の間に配置される。
以下、ヒートシンクを構成する各部材について説明する。
ベースは、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等の金属材料によって形成することができる。なかでも、発熱体からの伝熱性に優れることから、アルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせが好ましい。
ベースは、緻密体であっても多孔質体であってもよい。発熱体からの伝熱性を高めるために、ベースは緻密体であることが好ましい。
ベースの平面サイズ及び厚さは特に制限されず、ヒートシンクの用途やサイズに応じて変更可能である。
パラレルフィンは、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等の金属材料によって形成することができる。なかでも、発熱体からベースを介しての伝熱性に優れることから、アルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせが好ましい。また、ベース及びパラレルフィンがともにアルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせによって形成されることがより好ましい。
パラレルフィンは、緻密体であっても多孔質体であってもよい。ベースからの伝熱性を高めるために、パラレルフィンは緻密体であることが好ましい。パラレルフィンが多孔質体である場合は、ベースからの伝熱性を高めるために、気孔率が90%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。また、パラレルフィンが多孔質体である場合は、閉気孔及び開気孔のいずれの多孔質体であってもよいが、ベースからの伝熱性の観点から、閉気孔の多孔質体であることが好ましい。
パラレルフィンのベースからの高さ、厚さ、幅は特に制限されず、ヒートシンクの用途やサイズに応じて変更可能である。
パラレルフィンのベースからの高さが高くなるほど放熱のための面積が大きくなるため、発熱体の冷却効率に優れる。一方で、パラレルフィンは、ベースからの高さが高い位置では、伝熱性が低下し、冷却効率に寄与しないことがある。そのため、パラレルフィンのベースからの高さは、伝熱性及び冷却効率を考慮して決定されることが好ましい。
ベースとパラレルフィンは一体成型されていてもよい。また、ベースとパラレルフィンとが別々の部材であって互いに接合されていてもよい。別々の部材の場合、ベースとパラレルフィンを接合する方法としては、ろう付け、はんだ付け、熱伝導シート等が挙げられる。
パラレルフィンの個数は、特に制限されない。複数のパラレルフィンは、互いに離間して、互いに平行となるように配置されることが好ましい。
一実施形態による3次元網目状構造体は、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部が形成され、全体の気孔率が90%〜99%であり、中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成されることが好ましい。
3次元網目状構造体の骨格は、外壁とその内部の空洞部とを有する中空状であることが好ましい。
骨格の断面形状は特に限定されないが、円形、楕円形、三角形、四角形等の多角形等であってよい。
骨格の外径は、0.1〜0.3mmであることが好ましい。また、骨格の内径は0.04〜0.3mmであることが好ましい。骨格の外壁の断面方向の厚さは、0.03〜0.2mmであることが好ましい。
この範囲で、3次元網目状構造体の強度とともに通風抵抗をより改善することができる。
骨格は開口部を備えることができる。開口部は、骨格の外壁に形成され、骨格の空洞部が大気に開放されるようになる。これによって、骨格の空洞部に貯まった熱を大気に放出し、より放熱性を高めることができる。
また、3次元網目状構造体の骨格は、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせによって形成することができる。
アルミニウムとしては、Al:95質量%以上で、残部がC、N、O等の不純物からなり、他の金属元素を含まないものを用いることができる。アルミニウム合金としては、例えば、アルミニウムと、Cu、Mn、Mg、Si等から選択される1種以上の金属との合金を用いることができる。
骨格を形成するアルミニウム及び/又はアルミニウム合金は、密度比が90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。この密度比は、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金の理論密度に対する、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される骨格の密度の比である。
ここで、骨格の密度は、アルキメデス法による実測が不可能なため、画像分析ソフトウエア(三谷商事株式会社製「WinROFF」等)を用いて、骨格断面の画像を自動二値化処理したり、該画像をグレースケールに変換して適当な閾値を設定したりすることにより、測定を行うことができる。
3次元網目状構造体の骨格は、3次元状に連通する連通孔部を形成する。
この連通孔部によって、3次元網目状構造体の通風抵抗を低くすることができ、また、比表面積を大きくして放熱性を高めることができる。
連通孔部の大きさは、500μm〜4000μmが好ましく、1000μm〜3500μmがより好ましい。ここで、連通孔の大きさは、円相当径である。
3次元網目状構造体の全体の気孔率は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。また、3次元網目状構造体の全体の気孔率は、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。これによって、3次元網目状構造体の通風抵抗及び放熱性をより改善することができる。
ここで、3次元網目状構造体の全体の気孔率は、質量と縦・横・高さを測定して見かけ密度を求め、アルミニウム又はアルミニウム合金の理論密度で除して密度比(%)を求め、100からこの密度比を引くことで求めることができる。
3次元網目状構造体の目粗さは、6ppi以上が好ましい。これによって、開気孔の多孔質体として、比表面積を十分に確保し、放熱性をより改善することができる。
3次元網目状構造体の目粗さは、30ppi以下が好ましく、23ppi以下がより好ましい。これによって、微細な気孔をある程度制限し、多孔質体の表面ともに内部の熱交換性をより改善することができる。
ここで、3次元網目状構造体の目粗さは、3次元網目状構造体表面の1インチに観察される孔部の数(ppi、ポアパーインチ)で表され、株式会社キーエンス製「ワンショット3D測定マイクロスコープ」等によって測定することができる。
3次元網目状構造体の比表面積は、500〜3000m−1が好ましく、550〜1250m−1がより好ましい。これによって、通風抵抗及び放熱性をより改善することができる。
ここで、3次元網目状構造体の比表面積は、ガス吸着法によって測定することができる。
3次元網目状構造体は、一対のパラレルフィンとベースとで囲まれる空間に、一対のパラレルフィンとベースに対する隙間が例えば10mm以内、好ましくは5mm以内となるように配置されることが好ましい。この隙間は、1mm以上であってもよく、2mm以上であってもよい。そして、一対のパラレルフィンのうち少なくとも一方のうち、パラレルフィンと3次元網目状構造体との界面の少なくとも一部又は全部の領域がアルミニウム系ろう材によって接合されていることが好ましい。ろう付けについては後述する。
以下、3次元網目状構造体を製造する方法の一例について説明する。なお、一実施形態による3次元網目状構造体は、以下の製造方法によって製造されたものに限定されない。
3次元網目状構造体は、例えば、3次元網目状構造を有し加熱分解可能な基体に、Al系粉末を付着させ、その後に、基体を加熱分解して除去することで、製造することができる。ここで、Al系粉末は、アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末、又はこれらの組み合わせである。
基体は、3次元状に連結する骨格によって3次元状に連通する連通孔が形成された3次元網目状構造体であることが好ましい。基体の外観形状、細孔特性等は、3次元網目状構造体の最終的な形状等に応じて、適宜設定することができる。
基体は、加熱分解によって除去される特性から、樹脂を好ましく用いることができる。具体的には、基体としては、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等のフォームを挙げることができ、なかでもポリウレタンフォームが好ましい。
アルミニウム粉末には、Al:95質量%以上で、残部がC、N、O等の不純物からなり、他の金属元素を含まないものを用いることができる。
アルミニウム合金粉末には、AlにCu、Mn、Mg、Si等の合金化元素を予合金化したアルミニウム合金粉末等を用いることができる。これによって、アルミニウム合金によって3次元網目状構造体の骨格を形成することができ、3次元網目状構造体の強度をより高めることができる。
Al系粉末には、一般的な製品として、表面に10Å程度の酸化被膜(アルミナ:Al)が形成されるものを用いることができる。
Al系粉末は、平均粒子径が20μm以下が好ましい。これによって、基体の微細な骨格に、Al系粉末を密に付着させることができる。
Al系粉末には、粒子径が100μmを超える粒子が含まれないことが好ましい。これによって、基体の微細な骨格に付着した粒子が剥がれ落ちないようにすることができる。
Al系粉末は、活性な粉末であるため取扱い性の観点から、平均粒子径が0.1μm以上が好ましい。
ここで、平均粒子径は、レーザ回折法によって測定することができる。
基体へAl系粉末を付着する方法としては、例えば、基体を導電化処理しAl系電気メッキする方法、Al系粉末を含む分散媒に基体を浸漬する方法、Al系粉末を基体にスプレーする方法、基体表面に粘着性を付与させAl系粉末を付着させる方法等が挙げられる。これらの詳細は、特許文献1〜7に開示されている。なかでも、浸漬法又はスプレー法を用いることが好ましい。
Al系粉末を含む分散媒に基体を浸漬させる方法では、分散媒として、アルコール、水、フェノール樹脂等を用いることができる。Al系粉末の濃度は、50質量%〜70質量%が好ましい。分散媒には、接着剤、分散剤等の添加剤を含ませてもよい。
浸漬後に適宜乾燥し分散媒等の揮発成分を除去することが好ましい。
基体にAl系粉末をスプレーする方法では、Al系粉末は、乾燥状態でスプレーしてもよく、分散媒と混合し液体状でスプレーしてもよい。
スプレー後に適宜乾燥し分散媒等の揮発成分を除去することが好ましい。
Al系粉末が付着した基体は、基体の樹脂が熱分解される温度以上で熱処理することが好ましい。これによって、樹脂製の基体を除去し、金属で形成される中空状の骨格を残すことができる。
また、Al系粉末が付着した基体は、Al系粉末の融点以上で熱処理することが好ましい。例えば、アルミニウムの融点(660.4℃)以上である。これによって、基体に付着したAl系粉末が溶融して、より緻密な骨格を形成することができる。
基体に付着したAl系粉末は、熱処理前では、表面が酸化被膜で覆われ、酸化被膜を介して各粒子が接触している。そして、基体に付着したAl系粉末は、その融点以上に熱処理されると、溶融して粒子の表面の酸化被膜を破って、粒子表面を濡らしながら隣り合う粒子が結合するようになる。このとき粒子表面に形成されていた酸化被膜が代用骨格となり、溶融したAl系粉末がこの代用骨格の外側で濡れることにより、骨格の外壁の形状を維持しながら、粒子同士がより強固に結合するようになる。
具体的には、Al系粉末が付着した基体は、660℃以上で熱処理することが好ましく、665℃以上がより好ましい。
Al系粉末が付着した基体は、これに限定されないが、700℃以下で熱処理することが好ましく、680℃以下がより好ましい。
Al系粉末が付着した基体は、非酸化性雰囲気中で熱処理することが好ましい。これによって、Al系粉末の酸化を防ぐとともに、樹脂製の基体の熱分解を促進することができる。
上記した3次元網目状構造体の製造方法にしたがえば、密度比が90%以上であるアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される中空状の骨格を形成することができる。熱処理後の骨格は、樹脂製の骨格が存在していた部分が空洞部となった中空状となる。
3次元網目状構造体の骨格を形成するアルミニウム及び/又はアルミニウム合金には、製造条件によっては、原料の粒子表面に形成されていた酸化被膜、すなわちアルミナ(Al)が内部に分散するようになる。
アルミナは硬質な材料であるため、基地となるアルミニウム及び/又はアルミニウム合金に分散して基地を強化することができる。3次元網目状構造体の骨格にアルミナが分散することで、骨格の強度をより高めることができる。
基体へのAl系粉末の付着は、基体の表面からのAl系粉末の厚さが100μm〜1000μmとなるようにすることが好ましい。これによって、Al系粉末が溶融する際に、表面張力による型崩れを防止し、最終的な骨格形状の型崩れを防止することができる。また、この程度にAl系粉末を付着することで、最終的な骨格の断面方向の長径(太さ)を100μm〜300μmとすることができる。
3次元網目状構造体は、一対のパラレルフィンとベースとで囲まれる空間に配置されるように、切断加工等が施されてもよい。3次元網目状構造体は、一対のパラレルフィンとベースに対する隙間が例えば20mm以内、好ましくは0.5mm以内となるように加工されてから、一対のパラレルフィンの間に配置されることが好ましい。
パラレルフィンと3次元網目状構造体の界面はアルミニウム系ろう材によって接合されていることが好ましい。これによって、パラレルフィンから3次元網目状構造体への伝熱性をより高めることができる。詳しくは、パラレルフィンと3次元網目状構造体とが対向する面でろう付けされることで、パラレルフィンと3次元網目状構造体との接触面積が大きくなり、より伝熱性を高めることができる。
この際に、3次元網目状構造体の骨格は、パラレルフィンと3次元網目状構造体の界面から少なくとも0.5mmまで中実であることが好ましい。この界面からの距離は、界面に対して直交する高さ方向の距離である。
これによって、パラレルフィンと3次元網目状構造体との接触面積をより大きくして、伝熱性をより高めることができる。
3次元網目状構造体の骨格は、パラレルフィンと3次元網目状構造体の界面から少なくとも2.0mmから中空であることが好ましい。これによって、骨格の外壁の外側と内側の面を用いてより大面積での放熱が可能となって、放熱性をより高めることができる。また、中空形状であるため軽量化を図ることができる。
図2に、パラレルフィン20と3次元網目状構造体40の界面の概略断面図を示す。
図2では、パラレルフィン20上に、ろう材50が塗布され、ろう材50によって3次元網目状構造体40の骨格41、42がパラレルフィン20に接合されている。3次元網目状構造体40のパラレルフィン20に近い骨格部分42は中実であり、パラレルフィン20から離れた骨格部分41は中空である。中実の骨格部分42は、毛細管現象によってパラレルフィン40上のろう材50が中空部に充填されて形成される。
ベースと3次元網目状構造体の界面はろう付けされていなくてもよい。パラレルフィンと3次元網目状構造体の界面がろう付けされていることで、十分な伝熱性を得ることができる。また、ヒートシンクの形状が複雑であったり小さかったりすると、ベースと3次元網目状構造体の界面のろう付けは特に工程が複雑になるため、この部分のろう付けは省いてもよい。
一方、ベースと3次元網目状構造体の界面はアルミニウム系ろう材によって接合されていてもよい。これによって、伝熱性をより高めることができる。
上記ベースとパラレルフィンをろう付けする場合と同様に、ベースと3次元網目状構造体の界面をろう付けする場合は、界面から少なくとも0.5mmまで中実であることが好ましく、また、界面から少なくとも2.0mmから中空であることが好ましい。
以下、3次元網目状構造体をパラレルフィンにろう付けする方法の一例について説明する。3次元網目状構造体をベースにろう付けする場合は、特に説明しない箇所では、以下のパラレルフィンにろう付けする場合と同様に行うことができる。
3次元網目状構造体とパラレルフィンとをろう付けするためのろう材には、アルミニウム系ろう材を好ましく用いることができる。3次元網目状構造体がアルミニウム及び/又はアルミニウム合金であるため、伝熱性を高めるとともに、熱膨張率を近くすることができる。
アルミニウム系ろう材としては、例えば、シート状ろう材、ペースト状ろう材等が挙げられる。アルミニウム系ろう材の成分としては、BA4045等が挙げられる。
まず、3次元網目状構造体及びパラレルフィンのうち少なくとも一方の面にろう材を塗布する。その後に、3次元網目状構造体とパラレルフィンを接着させ、熱処理をする。
パラレルフィン側にろう材を塗布することで、3次元網目状構造体の骨格との接合をより均一にすることができる。その結果、パラレルフィン上のろう材が毛細管現象によって3次元網目状構造体の骨格の中空部により均一に充填されるようになる。
ろう材は、塗布面に50〜300μmの厚さで塗布することが好ましい。これによって、ろう付け後に、3次元網目状構造体とパラレルフィンとの伝熱性をより高めることができる。また、3次元網目状構造体とパラレルフィンとの界面からある程度の高さまで3次元網目状構造体の骨格を中実にすることができ、より伝熱性を高めることができる。
ろう材の熱処理は、580〜605℃が好ましい。熱処理温度、ろう材の種類、塗布量によっても異なるが、ろう材の熱処理は、3〜10分が好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「3次元網目状構造体の作製」
3次元網目状構造を有する樹脂製の基体として、縦200mm、横200mm、厚さ25mmのポリウレタンフォームを用意した。このポリウレタンフォームは、気孔率(全体の体積に対する連通孔の体積の割合)が98%であり、目粗さが8ppiであり、連通孔の大きさが円相当径で2750μmであった。
次いで、分散媒として樹脂分4質量%のポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノール、日本合成化学工業株式会社製)を用意し、平均粒子径6μmのアルミニウム粉末を、用意した分散媒に質量比10:7で混合し、アルミニウム粉末分散液を作製した。作製したアルミニウム粉末分散液中に用意した基体を浸漬した後、余分なスラリーをロールにより除去してから、80℃にて120分乾燥させて、アルミニウム粉末が付着した基体を用意した。このようにして作製したアルミニウム粉末が付着した基体を、圧力が10Paの減圧窒素雰囲気の下、500℃にて180分間加熱してウレタンフォームを脱脂し、圧力が10−3Paの減圧雰囲気(真空雰囲気)の下、675℃にて120分間加熱し、アルミニウム系3次元網目状構造体を作製した。
3次元網目状構造体について、マイクロスコープと光学顕微鏡にて観察し、画像分析ソフトウエア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、気孔(連通孔)の大きさについて測定するとともに、3次元網目状構造体の気孔(連通孔)の円相当直径について求め、その平均値を求めた。
3次元網目状構造体の比表面積は、ガス吸着法によって測定した。
3次元網目状構造体の骨格の中空状の形状、開口部の形状、目粗さは、ワンショット3D測定マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて観察した。
3次元網目状構造体の気孔の大きさ:2500μm。
3次元網目状構造体の比表面積:750m−1
3次元網目状構造体の骨格:骨格は中空状であった。
3次元網目状構造体の開口部:数か所に開口部があった。
3次元網目状構造体の目粗さ:8.4ppi。
「ヒートシンクの作製」
ベース及びパラレルフィンには、株式会社ミスミ製「HEAT1−50」を用いた。「HEAT1−50」の材質はA6063Sである。ベース部分の寸法は、47.5mm×50mm、厚さ5mmであり、パラレルフィンの寸法は、幅2.5mm、厚さ5mm、ベースからの高さ15mmである。
ベース上に、7個のパラレルフィンを互いに平行になるように5mmの間隔で配置した。
3次元網目状構造体には、上記して作製したものを用いた。
3次元網目状構造体の寸法は、幅5mm、厚さ50mm、ベースからの高さ15mmとした。
複数のパラレルフィンの間に、3次元網目状構造体を挿入して配置した。
実施例1〜3では、3次元網目状構造体のパラレルフィンと対向する2面と、ベースに対向する1面の合計3面に、Al系ろう付けをした。実施例4では、3次元網目状構造体のパラレルフィンと対向する2面にのみAl系ろう付けをし、ベースに対向する1面にはAl系ろう付けをしなかった。
比較例1では、3次元網目状構造体の全ての面にAl系ろう付けをしなかった。
比較例2では、3次元網目状構造体を用いずに、パラレルフィンとベースからなるヒートシンクとした。
比較例3では、ベースと3次元網目状構造体の界面のみ接合し、パラレルフィンと接合しなかった。
Al系ろう付けは、パラレルフィン及び/又はベースの接合面にAl系ロウ材を塗布し、パラレルフィンの間に3次元網目状構造体を挿入し、その後、580〜610℃で4〜10分間加熱処理して行った。
Al系ろう付けの温度を変化させることで、3次元網目状構造体の骨格の空洞部へのパラレルフィン及びベースとの界面からの充填距離を調整した。
Al系ろう付けには、アルミニウムブレイジングペースト(東洋アルミニウム株式会社製)を用いた。
「界面からの骨格への充填距離」
パラレルフィンと3次元網目状構造体の界面からの3次元網目状構造体の骨格への充填距離は、接合部を樹脂で注型後、接合部の断面を切り出すように切断し、断面を研磨してから、光学顕微鏡によって観察して求めた。
ベースと3次元網目状構造体の界面からの3次元網目状構造体の骨格への充填距離もまた、パラレルフィンとの界面と同様にして観察した。
「熱抵抗の評価」
12×12×2.5mmの熱電対内臓セラミックスヒータの上面以外を断熱材で断熱し、試験片をセラミックスヒータが中心になるように設置した。試験片の上面から1mm距離を開けてファン「D08A−12PH」(日本電産株式会社製)を設置した。試験片から200mmの位置の温度を熱電対で測定し室温とした。セラミックスヒータを8Wになるように運転し、ファンを12V0.09Aで運転した。このとき、セラミックスヒータと空気の温度が変化しなくなるまで運転したときを定常状態として熱抵抗を測定した。熱抵抗はセラミックスヒータの温度と室温の差をセラミックスヒータの出力である8Wで除して求めた。
Figure 2019175988
評価結果を表1にまとめた。
各実施例では、パラレルフィンと3次元網目状構造体がろう付けされており、熱抵抗が低くなり、フィン効率に優れることがわかる。
ろう付けによって、3次元網目状構造体の骨格の中空部へのベースからの充填距離がより長くなるほど、熱抵抗がより低くなった。
パラレルフィンと3次元網目状構造体との対向面とともに、ベースと3次元網目状構造体との対向面をろう付けすることで、熱抵抗がより低くなった。
比較例1では、パラレルフィン及びベースと3次元網目状構造体とをろう付けしていないため、熱抵抗が高くなった。
比較例2では、3次元網目状構造体を用いないため、熱抵抗が高くなった。
比較例3では、ベース部と3次元網目状構造体のみをろう付けし、パラレルフィンと3次元網目状構造体とをろう付けしない場合に、界面から骨格への充填距離を0.5mmにした例であり、同じ充填距離とした実施例2と比べると、熱抵抗が高くなった。
また、各実施例で用いた3次元網目状構造体の比表面積は大きく、伝熱性に優れた。
一実施形態によるヒートシンクは、発熱体からベース及びパラレルフィンを介して3次元網目状構造体に熱が伝わりやすく、放熱性に優れることから、発熱量の大きい半導体等のヒートシンクに好ましく用いることができる。
100 ヒートシンク
10 ベース
20 パラレルフィン
30 パラレルフィン型ヒートシンク
40 3次元網目状構造体
41 骨格の中空部分
42 骨格の中実部分
50 ろう材

Claims (6)

  1. ベースと、前記ベース上に形成され、互いに離間して配置される複数のフィンと、前記複数のフィンの間に配置され、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部が形成され、全体の気孔率が90%〜99%であり、前記中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される、3次元網目状構造体と、を備え、前記フィンと前記3次元網目状構造体の界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、ヒートシンク。
  2. 前記3次元網目状構造体は、前記フィンと前記3次元網目状構造体の界面から少なくとも0.5mmまで中実である、請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記3次元網目状構造体の中空状の骨格は、少なくとも1つの開口部を有する、請求項1又は2に記載のヒートシンク。
  4. 前記3次元網目状構造体は、前記ベースと接触し、前記ベースとの界面が接合されていない、請求項1から3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  5. 前記3次元網目状構造体は、前記ベースと接触し、前記ベースとの界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  6. 前記3次元網目状構造体の目粗さが6ppi〜30ppiである、請求項1から5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
JP2018062188A 2018-03-28 2018-03-28 ヒートシンク Pending JP2019175988A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018062188A JP2019175988A (ja) 2018-03-28 2018-03-28 ヒートシンク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018062188A JP2019175988A (ja) 2018-03-28 2018-03-28 ヒートシンク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019175988A true JP2019175988A (ja) 2019-10-10

Family

ID=68169707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018062188A Pending JP2019175988A (ja) 2018-03-28 2018-03-28 ヒートシンク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019175988A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Patil et al. Review of the manufacturing techniques for porous surfaces used in enhanced pool boiling
US7695808B2 (en) Thermal transfer coating
US6994152B2 (en) Brazed wick for a heat transfer device
JP5175310B2 (ja) 開気孔質構造を有する金属発泡体およびその製造方法
US20060032622A1 (en) Thermal assembly and method for fabricating the same
JP6547641B2 (ja) ヒートシンク
US20060137862A1 (en) Heat dissipating device with metal foam
WO2005006395A2 (en) Heat transfer device and method of making same
WO2015175147A9 (en) Enhanced boiling with selective placement of nucleation sites
EP3093882B1 (en) Electronic circuit device
Zhang et al. Effects of sintering pressure on the densification and mechanical properties of nanosilver double-side sintered power module
KR20080032324A (ko) 발포금속을 이용한 히트싱크 및 이의 제조방법
JP2017143094A (ja) ヒートシンク、熱電変換モジュール、ヒートシンクの製造方法
US20050022976A1 (en) Heat transfer device and method of making same
JP2019216138A (ja) ヒートシンク
JP2019175988A (ja) ヒートシンク
CN115443048B (zh) 一种环路热管结构及电子产品
JP2009092344A (ja) 熱輸送特性に優れたベーパチャンバ
JP2019192707A (ja) ヒートシンク及び冷却装置
WO2021075463A1 (ja) 接合材、接合材の製造方法及び接合体
TW201306195A (zh) 散熱基板
JP2016142420A (ja) 熱交換器用多孔質部材
CN113976886A (zh) 多孔结构、均温板、其制作方法及应用
JP2016207889A (ja) 多孔質金属を用いた放熱フィンおよびそれを搭載したヒートシンク、モジュール
JPS623985B2 (ja)