JP2019175898A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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丈博 菅原
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Abstract

【課題】フィレット幅を低減した半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体チップと配線回路基板又は別の半導体チップとのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、半導体ウェハに、光硬化型樹脂及び/又は光重合開始剤を含有する半導体用接着剤を貼付する貼付工程と、半導体用接着剤が貼付された半導体ウェハをダイシングテープ上に担持する担持工程と、半導体用接着剤及び半導体ウェハをダイシングして接着剤付き半導体チップを形成するダイシング工程と、ダイシングテープ上に複数の接着剤付き半導体チップが担持された積層体に対し、ダイシングテープ側から紫外線を照射する光照射工程と、接着剤付き半導体チップをダイシングテープからピックアップして配線回路基板又は別の半導体チップに圧着する圧着工程と、を含む方法。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体チップと基板とを接続するには、金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されている。一方、半導体装置に対する高機能化、高集積化、高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板とを直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
例えば、半導体チップ及び基板間の接続に関して、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式に該当する。また、FC接続方式は、半導体チップ上に接続部(バンプ又は配線)を形成して、半導体チップ間を接続するCOC(Chip On Chip)型、及び、半導体ウェハ上に接続部(バンプ又は配線)を形成して、半導体チップと半導体ウェハ間を接続するCOW(Chip On Wafer)型の接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、さらなる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されるパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。このような積層・多段化技術は、半導体チップ等を三次元的に配置することから、二次元的に配置する手法と比較してパッケージを小さくできる。また、半導体の性能向上、ノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であることから、次世代の半導体配線技術として注目されている。
上記接続方法では、電極間の短絡抑制及び接続部の補強をするアンダーフィル材が必要となる。アンダーフィル材としては液状アンダーフィル材及びフィルム状アンダーフィル材等がある。液状アンダーフィル材は、先に電極の接続を行った後にアンダーフィル材を充填するが、接続部の狭ピッチ化、狭ギャップ化が進むにつれて、液状アンダーフィル材では充填困難になることが予想される。一方、フィルム状アンダーフィル材は、あらかじめアンダーフィル材を基板又は半導体チップに貼付しているため、狭ピッチ、狭ギャップ間を容易に充填できる。
特開2008−294382号公報
フィルム状アンダーフィル材を用いて半導体装置を組み立てた場合、組み立て時の熱と圧力によって、チップ端部からアンダーフィル材が流出し、フィレットが形成される。
ここで、図1は、基板(回路配線基板)20上にアンダーフィル材としての半導体用接着剤41を介して半導体チップ10を実装する工程を示す模式図である。なお、図1中、接続部(バンプ又は配線)は省略している。図1の(a)は基板20上に半導体用接着剤41を介して半導体チップ10を配置した圧着前の状態の断面図であり、図1の(b)は、圧着後の状態の断面図であり、図1の(c)は、図1の(b)の上面図である。図1の(b)及び(c)に示されるように、圧着後、熱と圧力によって、半導体用接着剤41が半導体チップ10の端部から流出し、フィレット42が形成される。
また、近年、生産性を向上させる観点から、フリップチップパッケージの組み立て時間を短縮することが求められており、ウェハレベルでの実装プロセスが提案されている。
ウェハレベルでの実装においては、単位枚数あたりの生産量を向上させるため、隣接するチップ間の距離は狭くなる傾向にある。図1に示すように、フィレット42のフィレット幅W(半導体用接着剤41の半導体チップ10端部からのはみ出し部分の幅)が大きくなると、フィレット42が隣接する他の半導体チップの領域まで侵入してしまい、工程上の不具合が生じるといった課題が存在する。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、フィレット幅を低減した半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、半導体ウェハに、光硬化型樹脂及び/又は光重合開始剤を含有する半導体用接着剤を貼付する貼付工程と、上記半導体用接着剤が貼付された上記半導体ウェハをダイシングテープ上に、上記半導体ウェハと上記ダイシングテープとが接するように担持する担持工程と、上記ダイシングテープ上で上記半導体用接着剤及び上記半導体ウェハをダイシングして複数の接着剤付き半導体チップを形成するダイシング工程と、上記ダイシングテープ上に複数の上記接着剤付き半導体チップが担持された積層体に対し、上記ダイシングテープ側から紫外線を照射する光照射工程と、上記接着剤付き半導体チップを上記ダイシングテープからピックアップして配線回路基板又は別の半導体チップに圧着する圧着工程と、を含む半導体装置の製造方法を提供する。
上記製造方法によれば、ダイシング工程後、光照射工程によりダイシングテープ側から紫外線を照射することにより、半導体ウェハを切断した隙間から紫外線が入射し、光硬化型樹脂及び/又は光重合開始剤を含有する半導体用接着剤の切断後の側面のみを適度に硬化又は粘度増加させることができる。ここで、図2は、光照射工程を説明する模式断面図である。図2に示すように、ダイシングテープ70上に半導体チップ10及び半導体用接着剤41が担持された積層体のダイシングテープ70側から紫外線(UV)を照射すると、半導体ウェハの切断により生じた半導体チップ10間の隙間から紫外線が半導体用接着剤41側に入射し、半導体用接着剤41の側面部分43が適度に硬化又は粘度増加することとなる。通常、ダイシングテープ70は紫外線を透過するものの、半導体チップ10は紫外線を透過しない又は紫外線透過率が低いため、上記光照射工程により、半導体用接着剤41の全体を硬化又は粘度増加させずに側面部分43のみを適度に硬化又は粘度増加させることができる。このようにして側面部分43のみを適度に硬化又は粘度増加させた半導体用接着剤41を介して半導体チップ10を配線回路基板又は別の半導体チップに圧着することで、半導体チップ10端部に沿った側面部分43が、圧着の際に半導体用接着剤41が過度に流動することを抑制する防波堤の役割を担い、フィレットの発生を抑制することができる。また、半導体用接着剤41は、側面部分43以外の部分は硬化又は粘度増加が進まないため、良好な接続部(バンプ又は配線)の埋め込み性を維持することができる。
本発明によれば、フィレット幅を低減した半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。
基板上に半導体用接着剤を介して半導体チップを圧着する工程を示す模式図である。 光照射工程を説明する模式断面図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<半導体用接着剤>
本実施形態の半導体装置の製造方法で用いる半導体用接着剤(以下、場合により「接着剤」という。)は、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において、上記接続部の少なくとも一部を封止するために用いられる。半導体用接着剤は、フィルム状であることが好ましい。
半導体用接着剤は、例えば、熱硬化性成分と、フラックス化合物と、光硬化型樹脂及び/又は光重合開始剤と、を含有する。熱硬化性成分としては、熱硬化性樹脂、硬化剤等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、イミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。また、本実施形態の半導体用接着剤は、必要に応じて、重量平均分子量が10000以上の高分子成分及びフィラーを含有していてもよい。
以下、半導体用接着剤が、エポキシ樹脂(以下、場合により「(a)成分」という。)と、硬化剤(以下、場合により「(b)成分」という。)と、フラックス化合物(以下、場合により「(c)成分」という。)と、必要に応じて、重量平均分子量が10000以上の高分子成分(以下、場合により「(d)成分」という。)及びフィラー(以下、場合により「(e)成分」という。)と、光硬化型樹脂(以下、場合により「(f)成分」という。)と、光重合開始剤(以下、場合により「(g)成分」という。)と、を含有する一実施形態について説明する。
[(a)成分:エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。(a)成分として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及び各種多官能エポキシ樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
(a)成分は、高温での接続時に分解して揮発成分が発生することを抑制する観点から、半導体チップと配線回路基板又は別の半導体チップとを接続する際の加熱温度が250℃の場合は、250℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、接続時の加熱温度が300℃の場合は、300℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
(a)成分の含有量は、接着剤の全量基準で、例えば5〜75質量%であり、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。
[(b)成分:硬化剤]
(b)成分としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。(b)成分がフェノール性水酸基、酸無水物、アミン類又はイミダゾール類を含むと、接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。以下、各硬化剤について説明する。
(i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール樹脂系硬化剤が有するフェノール性水酸基のモル数/(a)成分が有するエポキシ基のモル数)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物系硬化剤が有する酸無水物基のモル数/(a)成分が有するエポキシ基のモル数)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
上記(a)成分に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン系硬化剤が有する活性水素基のモル数/(a)成分が有するエポキシ基のモル数)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると金属接合が形成される前に硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙られる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると金属接合が形成される前に硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
接着剤が(b)成分として、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤を含む場合、酸化膜を除去するフラックス活性を示し、接続信頼性をより向上することができる。
[(c)成分:フラックス化合物]
(c)成分は、フラックス活性を有する化合物であり、接着剤において、フラックス剤として機能する。(c)成分としては、はんだなどの表面の酸化膜を還元除去して、金属接合を容易にするものであれば、特に制限なく公知のものを用いることができる。(c)成分としては、フラックス化合物の1種を単独で用いてもよく、フラックス化合物の2種以上を併用してもよい。ただし、(c)成分には、(b)成分である硬化剤は含まれない。
フラックス化合物は、充分なフラックス活性が得られ、より優れた接続信頼性が得られる観点から、カルボキシル基を有することが好ましく、2以上のカルボキシル基を有することがより好ましい。この中でも、カルボキシル基を2つ有する化合物が好ましい。カルボキシル基を2つ有する化合物は、カルボキシル基を1つ有する化合物(モノカルボン酸)と比較して、接続時の高温によっても揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制できる。また、カルボキシル基を2つ有する化合物を用いると、カルボキシル基を3つ以上有する化合物を用いた場合と比較して、保管時・接続作業時等における半導体用接着剤の粘度上昇を一層抑制することができ、半導体装置の接続信頼性を一層向上させることができる。
カルボキシル基を有するフラックス化合物としては、下記式(1)で表される基を有する化合物が好ましく用いられる。
Figure 2019175898
式(1)中、Rは、水素原子又は電子供与性基を示す。
耐リフロー性に優れる観点及び接続信頼性に更に優れる観点では、Rが電子供与性であることが好ましい。本実施形態では、接着剤が、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有した上で、式(1)で表される基を有する化合物のうち、Rが電子供与性基である化合物を更に含有することにより、金属接合するフリップチップ接続方式において半導体用接着剤として適用した場合であっても、耐リフロー性及び接続信頼性により優れる半導体装置の作製が可能となる。
耐リフロー性の向上には、高温における吸湿後の接着力の低下を抑制することが必要である。従来、フラックス化合物としてカルボン酸が用いられているが、従来のフラックス化合物では、以下の理由により接着力の低下が生じていると、本発明者らは考えている。
通常、エポキシ樹脂と硬化剤とが反応して硬化反応が進むが、この際にフラックス化合物であるカルボン酸が当該硬化反応に取り込まれる。すなわち、エポキシ樹脂のエポキシ基とフラックス化合物のカルボキシル基とが反応することにより、エステル結合が形成される場合がある。このエステル結合は、吸湿等による加水分解等を生じやすく、このエステル結合の分解が、吸湿後の接着力の低下の一因であると考えられる。
これに対して、式(1)で表される基を有する化合物のうち、Rが電子供与性基である基を有する化合物、すなわち、近傍に電子供与性基を備えたカルボキシル基を有する化合物を含有する場合、カルボキシル基によりフラックス活性が十分に得られると共に、上述のエステル結合が形成された場合であっても、電子供与性基によりエステル結合部の電子密度があがりエステル結合の分解が抑制される。また、カルボキシル基の近傍に置換基(電子供与性基)が存在するため、立体障害により、カルボキシル基とエポキシ樹脂との反応が抑制され、エステル結合が生成し難くなっていると考えられる。
これらの理由により、式(1)で表される基を有する化合物のうち、Rが電子供与性基である化合物を更に含有する接着剤を用いる場合、吸湿等による組成変化が生じにくく、優れた接着力が維持される。また、上述の作用は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応がフラックス化合物により阻害されにくい、ということもでき、当該作用により、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応の十分な進行による接続信頼性の向上という効果も期待できる。
電子供与性基の電子供与性が強くなると、上述のエステル結合の分解を抑制する効果が得られ易くなる傾向にある。また、電子供与性基の立体障害は、大きいと、上述のカルボキシル基とエポキシ樹脂との反応を抑制する効果が得られ易くなる。電子供与性基は、電子供与性及び立体障害をバランス良く有していることが好ましい。
電子供与性基としては、例えば、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、が挙げられる。電子供与性基としては、他の成分(例えば、(a)成分のエポキシ樹脂)と反応しにくい基が好ましく、具体的には、アルキル基、水酸基又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は、多いほど電子供与性及び立体障害が大きくなる傾向にある。炭素数が上記範囲であるアルキル基は、電子供与性及び立体障害のバランスに優れるため、当該アルキル基によれば、耐リフロー性及び接続信頼性の向上効果が一層顕著に奏される。
また、アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよいが、中でも直鎖状が好ましい。アルキル基が直鎖状であるとき、電子供与性及び立体障害のバランスの観点から、アルキル基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数以下であることが好ましい。例えば、フラックス化合物が下記式(2)で表される化合物であり、電子供与性基が直鎖状のアルキル基であるとき、当該アルキル基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数(n+1)以下であることが好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の炭素数は、多いほど電子供与性及び立体障害が大きくなる傾向がある。炭素数が上記範囲であるアルコキシ基は、電子供与性及び立体障害のバランスに優れるため、当該アルコキシ基によれば、本発明の効果が一層顕著に奏される。
また、アルコキシ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、中でも直鎖状が好ましい。アルコキシ基が直鎖状であるとき、電子供与性及び立体障害のバランスの観点から、アルコキシ基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数以下であることが好ましい。例えば、フラックス化合物が下記式(2)で表される化合物であり、電子供与性基が直鎖状のアルコキシ基であるとき、当該アルコキシ基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数(n+1)以下であることが好ましい。
アルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。モノアルキルアミノ基としては、炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜5のモノアルキルアミノ基がより好ましい。モノアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数2〜10のジアルキルアミノ基がより好ましい。ジアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
カルボキシル基を2つ有するフラックス化合物としては、下記式(2)で表される化合物を好適に用いることができる。下記式(2)で表される化合物によれば、半導体装置の耐リフロー性及び接続信頼性を一層向上させることができる。
Figure 2019175898
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は電子供与性基を示し、nは0又は1以上の整数を示す。複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。
は式(1)と同義である。また、Rによって示される電子供与性は、Rとして説明した上述の電子供与性基の例と同じである。式(1)で説明した理由と同様の理由から、式(2)中のRは電子供与性基であることが好ましい。
式(2)におけるnは、1以上であることが好ましい。nが1以上であると、nが0である場合と比較して、接続時の高温によってもフラックス化合物が揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制することができる。また、式(2)におけるnは、15以下であることが好ましく、11以下であることがより好ましく、6以下又は4以下であってもよい。nが15以下であると、一層優れた接続信頼性が得られる。
また、フラックス化合物としては、下記式(3)で表される化合物がより好適である。下記式(3)で表される化合物によれば、半導体装置の耐リフロー性及び接続信頼性をより一層向上させることができる。
Figure 2019175898
式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は電子供与性基を示し、mは0又は1以上の整数を示す。
式(3)におけるmは、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。mが10以下であると、一層優れた接続信頼性が得られる。
式(3)において、R及びRは、水素原子であっても電子供与性基であってもよい。一層優れた接続信頼性が得られる観点から、R及びRの少なくとも一方は電子供与性基であることが好ましい。Rが電子供与性基であり、Rが水素原子であると、融点が低くなる傾向があり、半導体装置の接続信頼性をより向上させることができる場合がある。また、RとRとが異なる電子供与性基であると、RとRとが同じ電子供与性基である場合と比較して、融点が低くなる傾向があり、半導体装置の接続信頼性をより向上させることができる場合がある。
なお、式(3)において、RとRとが同じ電子供与性基であると、対称構造となり融点が高くなる傾向があるが、この場合でも本発明の効果は十分に得られる。特に融点が150℃以下と十分に低い場合には、RとRとが同じ基であっても、RとRとが異なる基である場合と同程度の接続信頼性が得られる。
フラックス化合物としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸及びドデカン二酸から選択されるジカルボン酸、並びに、これらのジカルボン酸の2位に電子供与性基が置換した化合物を用いることができる。
フラックス化合物の融点は、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。このようなフラックス化合物は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応が生じる前にフラックス活性が十分に発現しやすい。そのため、このようなフラックス化合物を含有する半導体用接着剤によれば、接続信頼性に一層優れる半導体装置を実現できる。また、フラックス化合物の融点は、25℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。また、フラックス化合物は、室温(25℃)で固形であるものが好ましい。
フラックス化合物の融点は、一般的な融点測定装置を用いて測定できる。融点を測定する試料は、微粉末に粉砕され且つ微量を用いることで試料内の温度の偏差を少なくすることが求められる。試料の容器としては一方の端を閉じた毛細管が用いられることが多いが、測定装置によっては2枚の顕微鏡用カバーグラスに挟み込んで容器とするものもある。また急激に温度を上昇させると試料と温度計との間に温度勾配が発生して測定誤差を生じるため融点を計測する時点での加温は毎分1℃以下の上昇率で測定することが望ましい。
前述のように微粉末として調整するので、表面での乱反射により融解前の試料は不透明である。試料の外見が透明化し始めた温度を融点の下限点とし、融解しきった温度を上限点とすることが通常である。測定装置は種々の形態のものが存在するが、最も古典的な装置は二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温する装置が使用される。二重管式温度計に毛細管を貼り付ける目的で温浴の液体として粘性の高い液体が用いられ、濃硫酸ないしはシリコンオイルが用いられることが多く、温度計先端の溜めの近傍に試料が来るように取り付ける。また、融点測定装置としては金属のヒートブロックを使って加温し、光の透過率を測定しながら加温を調製しつつ自動的に融点を決定するものを使用することもできる。
なお、本明細書中、融点が150℃以下とは、融点の上限点が150℃以下であることを意味し、融点が25℃以上とは、融点の下限点が25℃以上であることを意味する。
(c)成分の含有量は、接着剤の全量基準で、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
[(d)成分:重量平均分子量が10000以上の高分子成分]
接着剤は、必要に応じて、重量平均分子量が10000以上の高分子成分((d)成分)を含有していてもよい。(d)成分を含有する接着剤は、耐熱性及びフィルム形成性に一層優れる。
(d)成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。これらの中でも耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの(d)成分は単独で又は2種以上の混合物又は共重合体として使用することもできる。ただし、(d)成分には、(a)成分に該当する化合物及び(e)成分に該当する化合物は含まれない。
(d)成分の重量平均分子量は、10000以上であり、20000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましい。このような(d)成分によれば、半導体用接着剤の耐熱性及びフィルム形成性を一層向上させることができる。
また、(d)成分の重量平均分子量は、1000000以下であることが好ましく、500000以下であることがより好ましい。このような(d)成分によれば、接着剤の耐熱性を一層向上させることができる。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、商品名:C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。測定には、例えば、下記の条件を用いることができる。
検出器:LV4000 UV Detector(株式会社日立製作所製、商品名)
ポンプ:L6000 Pump(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)+LiBr(0.03mol/L)+HPO(0.06mol/L)
流量:1mL/分
半導体用接着剤が(d)成分を含有するとき、(d)成分の含有量Cに対する(a)成分の含有量Cの比C/C(質量比)は、0.01〜5であることが好ましく、0.05〜3であることがより好ましく、0.1〜2であることが更に好ましい。比C/Cを0.01以上とすることで、より良好な硬化性及び接着力が得られ、比C/Cを5以下とすることでより良好なフィルム形成性が得られる。
[(e)成分:フィラー]
半導体用接着剤は、必要に応じて、フィラー((e)成分)を含有していてもよい。(e)成分によって、接着剤の粘度、接着剤の硬化物の物性等を制御することができる。具体的には、(e)成分によれば、例えば、接続時のボイド発生の抑制、接着剤の硬化物の吸湿率の低減等を図ることができる。
(e)成分としては、無機フィラー(無機粒子)、有機フィラー(有機粒子)等が挙げられる。無機フィラーとしては、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラーが挙げられ、その中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。絶縁性無機フィラーはウィスカーであってもよい。ウィスカーとしては、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、樹脂フィラー(樹脂粒子)が挙げられる。樹脂フィラーとしては、ポリウレタン、ポリイミド等が挙げられる。樹脂フィラーは、無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロー性向上に適していると共に、柔軟性付与が可能であるためフィルム形成性向上にも効果がある。
絶縁信頼性に更に優れる観点から、(e)成分は絶縁性であることが好ましい。
(e)成分の物性は、表面処理によって適宜調整されてもよい。(e)成分は、分散性又は接着力が向上する観点から、表面処理を施したフィラーであることが好ましい。表面処理剤としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系、ビニル系の化合物等が挙げられる。
表面処理としては、表面処理のしやすさから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理が好ましい。表面処理剤としては、分散性、流動性及び接着力に優れる観点から、グリシジル系の化合物、フェニルアミノ系の化合物、及び、(メタ)アクリル系の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。表面処理剤としては、保存安定性に優れる観点から、フェニル系の化合物、及び、(メタ)アクリル系の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(e)成分の平均粒径は、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、1.5μm以下が好ましく、視認性(透明性)に優れる観点から、1.0μm以下がより好ましい。
(e)成分の含有量は、接着剤の全量基準で、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましい。
[(f)成分:光硬化型樹脂]
半導体用接着剤は、必要に応じて光硬化型樹脂((f)成分)を含有していてもよい。半導体用接着剤は、(f)成分及び後述する(g)成分の少なくとも一方を含有し、好ましくは両方を含有する。
(f)成分としては、フェノール変性アクリレート、ノニルフェノール変性アクリレート、ビスフェノール変性アクリレート、2−エチルヘキシル変性アクリレート、エポキシ変性アクリレート、ウレタン変性アクリレート、シリコーン変性アクリレート、ポリエステル変性アクリレート、オキセタン及び各種多官能アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、光照射工程における接着剤の側面部分の硬化又は粘度増加をより促進し、フィレット幅をより一層低減する観点から、フェノール変性アクリレート、ウレタン変性アクリレート及び多官能アクリレートが好ましく、フェノール変性アクリレート及び多官能アクリレートがより好ましい。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
(f)成分の含有量は、接着剤の全量基準で、1〜10質量%であることが好ましく、3〜7質量%であることがより好ましい。(f)成分の含有量が1質量%以上であることで、光照射工程における接着剤の側面部分の硬化又は粘度増加をより促進し、フィレット幅をより一層低減することができる。一方、(f)成分の含有量が10質量%以下であることで、過剰な粘度増加による実装時の接続不良を抑制することができる。
[(g)成分:光重合開始剤]
光重合開始剤((g)成分)としては、光アニオン重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。これらの種類の選択及び配合量については、各光重合開始剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
(g)成分として(a)成分に好適な光アニオン開始剤又は光カチオン開始剤を適用する場合は、接着剤は(f)成分を含有していなくてもよい。
(g)成分の含有量は、選択した光重合開始剤の効果が発現するように適宜調整すればよいが、例えば、接着剤の全量基準で、0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.005〜0.05質量%であることがより好ましい。(g)成分の含有量が0.001質量%以上であることで、光照射工程における接着剤の側面部分の硬化又は粘度増加をより促進し、フィレット幅をより一層低減することができる。一方、(g)成分の含有量が0.1質量%以下であることで、過剰な粘度増加による実装時の接続不良を抑制することができる。
[その他の成分]
半導体用接着剤には、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤、増感剤等の添加剤を配合してもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
半導体用接着剤をフィルム状とする場合、フィルム状半導体用接着剤(以下、場合により「フィルム状接着剤」という。)は、例えば以下の方法で作製することができる。まず、上述した半導体用接着剤の各成分を有機溶媒に加え、攪拌混合、混錬等により、溶解又は分散させて、樹脂ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター等を用いて塗布する。塗膜から加熱により有機溶媒を除去することにより、基材フィルム上にフィルム状接着剤を形成することができる。
樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましく、その例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、及び酢酸エチルが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス調製の際の攪拌混合及び混錬は、例えば、攪拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル又はホモディスパーを用いて行うことができる。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム及びポリエーテルイミドフィルムを例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
基材フィルムへ塗布した樹脂ワニスの塗膜から有機溶媒を揮発させる際の乾燥条件は、有機溶媒が十分に揮発する条件とすることが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。有機溶媒は、フィルム状接着剤全量に対して1.5質量%以下まで除去されることが好ましい。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェハに、上述した光硬化型樹脂及び/又は光重合開始剤を含有する半導体用接着剤を貼付する貼付工程と、上記半導体用接着剤が貼付された上記半導体ウェハをダイシングテープ上に、上記半導体ウェハと上記ダイシングテープとが接するように担持する担持工程と、上記ダイシングテープ上で上記半導体用接着剤及び上記半導体ウェハをダイシングして複数の接着剤付き半導体チップを形成するダイシング工程と、上記ダイシングテープ上に複数の上記接着剤付き半導体チップが担持された積層体に対し、上記ダイシングテープ側から紫外線を照射する光照射工程と、上記接着剤付き半導体チップを上記ダイシングテープからピックアップして配線回路基板又は別の半導体チップに圧着する圧着工程と、を含む。以下、各工程について説明する。
[貼付工程]
貼付工程では、半導体ウェハに、上述した半導体用接着剤を貼付する。半導体ウェハは、金属バンプが形成された回路面を有する半導体ウェハであることができる。この場合、半導体ウェハの回路面に半導体用接着剤を貼付する。半導体用接着剤が液状である場合、塗布により半導体用接着剤を半導体ウェハの回路面に形成してもよいが、フィルム状の半導体用接着剤を半導体ウェハの回路面に貼付することが好ましい。貼付は、真空ラミネータ、ロールラミネータ等を用いて、加熱加圧しながら行うことができる。
半導体ウェハに形成される金属バンプの種類としては、特に限定されないが、銅、銀、金などで構成されるものが挙げられる。また、金属バンプ上にはんだボールが更に設けられていてもよい。はんだボールとしては、鉛含有のはんだ及び鉛フリーはんだ等の従来公知のはんだ材料から構成されるものが挙げられる。金属バンプとしては、作製の容易さ及びコストの観点から、金属バンプの場合は酸化膜が作製されにくい金、コストのかからない銅であることが好ましい。
半導体ウェハとしては、銅バンプ及びはんだボールから形成される突起電極を有するバンプ付ウェハを用いることができる。突起電極の高さ(銅バンプ+ハンダボール)は、20〜60μm程度のものが挙げられる。また、ウェハの厚みはウェハサイズにより異なるが、6インチから12インチの範囲のウェハであれば、研削前のウェハ厚みが625〜775μmのものが使用できる。
半導体ウェハの材質としては、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体等が挙げられる。半導体ウェハの紫外線透過率は特に限定されないが、光照射工程により照射する紫外線を透過し難い方が、半導体用接着剤の側面部分以外の部分の硬化又は粘度増加を抑制する観点から好ましい。そのため、半導体ウェハの紫外線透過率は、200〜410nmの波長域において5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。本明細書において、紫外線透過率は、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、商品名「U−3900」)等によって測定することができる。
接着剤の厚みに関しては、圧着時のフィレット抑制性、接続性及び樹脂充填性の観点から、金属バンプのみの場合は、バンプ高さx1と接着剤層の厚みyとの関係がx1≦yを満たすことが好ましく、0.85x1≦y≦1.2x1を満たすことがより好ましい。金属バンプの上にハンダボールがある場合は、金属バンプ高さx2とハンダバンプx3と接着剤層の厚みyとの関係がx2≦y、x2+x3≧yを満たすことが好ましい。
[バックグラインド工程]
貼付工程の後に、半導体ウェハをバックグラインドするバックグラインド工程を行ってもよい。バックグラインド工程では、半導体ウェハの回路面とは反対側の面(裏面)から研磨して半導体ウェハを薄くすることができる。この場合、半導体用接着剤が貼付された半導体ウェハの半導体用接着剤側に、剥離可能な粘着テープ(バックグラインドテープ等)を積層する。この粘着テープは、基材と粘着層とを有していてもよい。この粘着テープの代わりに、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等の柔軟な基材を用いることもできる。剥離可能な粘着テープを積層する方法としては、例えば、予めフィルム状に成形されたフィルムをラミネートする方法により行なうことができる。
粘着テープを積層した後、半導体ウェハの回路面とは反対側の面(裏面)から研磨して、半導体ウェハを所定の厚さまで薄くする。研磨は、粘着テープによって半導体ウェハを研磨用の治具に固定した状態で、グラインド装置を用いて行うことができる。この工程では、半導体ウェハを例えば厚さ10〜150μmにまで薄厚化することができる。
[担持工程]
担持工程では、半導体用接着剤が貼付された半導体ウェハをダイシングテープ上に、半導体ウェハの半導体用接着剤とは反対側の面がダイシングテープと接するように担持する。ダイシングテープとしては、剥離可能で、光照射工程により照射する紫外線を透過するものであれば特に限定されず、一般的なダイシングテープを用いることができる。ダイシングテープとしてより具体的には、例えば、D series(リンテック社製)、エレップホルダー(日東電工社製)、UCシリーズ、FCシリーズ(古河電気工業社製)、No.636000、No.636020(マクセル社製)等を用いることができる。ダイシングテープは、予めフィルム状に成形されたダイシングテープをラミネートする方法により貼り付けることができる。
ダイシングテープの紫外線透過率は、光照射工程により照射する紫外線を透過し易くして半導体用接着剤の側面部分の硬化又は粘度増加をより促進する観点から、200〜410nmの波長域において70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
[ダイシング工程]
ダイシング工程では、ダイシングテープ上で半導体用接着剤及び半導体ウェハをダイシングして複数の接着剤付き半導体チップを形成する。バックグラインド工程を行ってバックグラインドテープが半導体用接着剤上に残っている場合には、ダイシング工程の前に剥離する。ダイシングは、ダイシングテープによって全体をフレーム(ウェハリング)に固定した状態でダイシングブレードを用いて行われることが好ましい。こうして、半導体ウェハが、それぞれの回路面に半導体用接着剤が設けられた複数の半導体チップ(半導体素子)に切り分けられる。
[光照射工程]
光照射工程では、ダイシングテープ上に複数の上記接着剤付き半導体チップが担持された積層体に対し、上記ダイシングテープ側から紫外線を照射する。これにより、図2に示すように、半導体ウェハの切断により生じた半導体チップ10間の隙間から紫外線が半導体用接着剤41側に入射し、半導体用接着剤41の側面部分43が適度に硬化又は粘度増加することとなる。
紫外線の照射は、例えば、UVランプ式露光機を使用して行うことができる。また、光源の波長は特に限定されないが、ダイシングテープを透過し易く、且つ、半導体用接着剤41の側面部分の硬化又は粘度増加を促進し易くする観点から、200〜410nmであることが好ましい。
光照射工程における紫外線の照射量は、100〜1100mJ/cmであることが好ましく、300〜900mJ/cmであることがより好ましく、400〜800mJ/cmであることが更に好ましい。紫外線の照射量が100mJ/cm以上であると、半導体用接着剤の側面部分をより十分に硬化又は粘度増加させることができ、1100mJ/cm以下であると、半導体用接着剤の側面部分以外の部分の反応が進行することをより十分に抑制することができ、実装時の接続部(バンプ又は配線)の埋め込み性をより良好に維持することができる。
[圧着工程]
圧着工程では、接着剤付き半導体チップをダイシングテープからピックアップして配線回路基板又は別の半導体チップに圧着する。これにより、半導体チップと配線回路基板又は別の半導体チップとが、接着剤付き半導体チップの接着剤(半導体用接着剤)を挟んで圧着され、半導体チップと配線回路基板又は別の半導体チップとの接着及び導通が可能となる。また、半導体チップと配線回路基板又は別の半導体チップとの接続部の少なくとも一部が、半導体用接着剤の硬化物により封止される。
配線回路基板としては、特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に、金属膜の不要な個所をエッチング除去して形成された配線(配線パターン)を有する回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線が形成された回路基板を用いることができる。
配線等の接続部は、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、ニッケル、スズ、鉛等を含有していてもよく、複数の金属を含有していてもよい。
圧着の条件としては、金属電極の接合、ハンダボールの溶融による接合が可能であれば特に限定されず、例えば、温度:150℃〜400℃、圧力:0.1MPa〜2.0MPa、時間:1秒〜30秒、程度の範囲であれば上記の接合が可能になる。
圧着工程後、半導体チップと配線回路基板又は別の半導体チップとが半導体用接着剤の硬化物により接着された構造物を、封止材によって封止してもよい。以上のような工程を経て、半導体装置が得られる。
<半導体装置>
本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の実施形態について、図3及び図4を用いて以下説明する。図3は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図3の(a)に示すように、半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(回路配線基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着材料40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、接着材料40により封止されており外部環境から遮断されている。
図3の(b)に示すように、半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び基板20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着材料40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、接着材料40により封止されており外部環境から遮断されている。接着材料40は、上述した半導体用接着剤の硬化物である。
図4は、半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。図4の(a)に示すように、半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図4の(b)に示すように、半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
また、半導体装置は、半導体装置100〜400に示すような構造(パッケージ)が複数積層されていてもよい。この場合、半導体装置100〜400は、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等を含むバンプ又は配線で互いに電気的に接続されていてもよい。
半導体装置を複数積層する手法としては、図5に示すように、例えばTSV(Through−Silicon Via)技術が挙げられる。図5は、半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図であり、TSV技術を用いた半導体装置である。図5に示す半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には接着材料40が隙間なく充填されている。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び接着材料40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することが可能となる。さらには、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間又は半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態の半導体装置の製造方法は、このようなTSV技術を用いた半導体装置500の製造にも適用することができる。また、本実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる本実施形態の半導体用接着剤は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間又は、半導体チップ10及びインターポーザ50間の半導体用接着剤として適用することができる。
また、エリヤバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態の半導体用接着剤は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態の半導体用接着剤は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<フィルム状半導体用接着剤の作製>
フィルム状接着剤の作製に使用した化合物を以下に示す。
(a)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「EP1032H60」)
・ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「YL983U」)
・柔軟性エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「YL7175」)
(b)硬化剤
・2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体(四国化成株式会社製、商品名「2MAOK−PW」)
(c)フラックス化合物
・グルタル酸(東京化成株式会社製、融点約98℃)
(d)重量平均分子量が10000以上の高分子成分
・フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名「ZX1356−2」、Tg:約71℃、Mw:約63000)
(e)フィラー
・シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒径:0.5μm)
・エポキシシラン表面処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SEJ」、平均粒径:0.5μm)
・メタクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス、商品名「YA050C−MJE」、平均粒径:約50nm)
・有機フィラー(樹脂フィラー、ダウ・ケミカル社製、商品名「EXL−2655」、コアシェルタイプ有機微粒子)
(f)光硬化型樹脂
・ヒタロイド7988(日立化成株式会社製)
・CN9006NS(サートマー社製)
・CN9013NS(サートマー社製)
(g)光重合開始剤
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名「IRGACURE1173」、BASFジャパン株式会社製、以下「イルガキュア1173」と表記)
・ヨードニウム、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)(商品名「IRGACURE250」、BASFジャパン株式会社製、以下「イルガキュア250」と表記)
表1に示す配合量(単位:質量部)のエポキシ樹脂、硬化剤、フラックス化合物、高分子成分、無機フィラー、有機フィラー、光硬化型樹脂及び光重合開始剤を、NV値([乾燥後の塗料分質量]/[乾燥前の塗料分質量]×100)が60質量%になるように有機溶媒(メチルエチルケトン)に添加した。その後、φ1.0mmのビーズ及びφ2.0mmのビーズを、固形分(エポキシ樹脂、硬化剤、フラックス化合物、高分子成分、無機フィラー、有機フィラー、光硬化型樹脂及び光重合開始剤)と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P−7)で30分撹拌した。撹拌後、ビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを作製した。
得られた樹脂ワニスを、基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA54」)上に、小型精密塗工装置(株式会社廉井精機製)で塗工し、塗膜をクリーンオーブン(ESPEC株式会社製)で乾燥(80℃/10min)して、フィルム状接着剤(A−1)〜(A−5)を得た。
Figure 2019175898
(実施例1〜16及び比較例1〜9)
<貼付工程>
フィルム状接着剤(A−1)〜(A−5)を、真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製)を用いてバンプ付きウェハ(株式会社ウォルツ製、商品名「CC−80Type−I」)上に、ダイアフラム温度:80℃、ステージ温度:40℃、圧力:0.5MPa、時間:60秒の条件で貼付した。
<担持工程及びダイシング工程>
フィルム状接着剤をラミネートしたウェハを、フィルム状接着剤と反対側の面がダイシングテープに接触するようにダイシングテープ上に担持させた。その後、ダイサー(株式会社ディスコ製、商品名「DFD6361」)を用いて、7.2×7.2mmのサイズの半導体チップにダイシングした。
<光照射工程>
ダイシングした接着剤付き半導体チップに対して、ダイシングテープ側から紫外線を照射し、試験サンプルを得た。紫外線の照射は、UV照射装置(アイグラフィックス社製、商品名「US5−X0301」)を用いて、下記表2に示す照射量となるように行った。
<実装評価(圧着工程)>
試験サンプルを、フリップチップボンダ(パナソニック株式会社製、商品名「MD−P200US」)を用いてシリコンチップ上に、ステージ温度:80℃、圧力:0.6MPa、圧着温度/時間:100℃/1秒→180℃/2秒→260℃/3秒の条件で実装した。
実装した半導体チップ端部とフィレットの距離が最も離れている場所をフィレット幅として、実装した試験サンプルのフィレット幅を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2019175898
10…半導体チップ、15…配線(接続部)、20…基板(配線回路基板)、30…接続バンプ、32…バンプ(接続部)、34…貫通電極、40…接着材料、41…半導体用接着剤(フィルム状接着剤)、42…フィレット、43…半導体用接着剤の側面部分、50…インターポーザ、70…ダイシングテープ、100,200,300,400,500…半導体装置。

Claims (4)

  1. 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、
    半導体ウェハに、光硬化型樹脂及び/又は光重合開始剤を含有する半導体用接着剤を貼付する貼付工程と、
    前記半導体用接着剤が貼付された前記半導体ウェハをダイシングテープ上に、前記半導体ウェハと前記ダイシングテープとが接するように担持する担持工程と、
    前記ダイシングテープ上で前記半導体用接着剤及び前記半導体ウェハをダイシングして複数の接着剤付き半導体チップを形成するダイシング工程と、
    前記ダイシングテープ上に複数の前記接着剤付き半導体チップが担持された積層体に対し、前記ダイシングテープ側から紫外線を照射する光照射工程と、
    前記接着剤付き半導体チップを前記ダイシングテープからピックアップして配線回路基板又は別の半導体チップに圧着する圧着工程と、
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記光照射工程における紫外線の照射量が100〜1100mJ/cmである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体ウェハの紫外線透過率が、200〜410nmの波長域において5%以下である、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記ダイシングテープの紫外線透過率が、200〜410nmの波長域において70%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023058481A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 日東電工株式会社 電子部品装置の製造方法

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