以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、動き評価装置の概要の説明図である。図1には、2台の携帯端末21、22が重ね合わせてユーザにより持たれてる状態が模式的に示される。
ユーザが2台の携帯端末21、22を重ね合わせて持ちながら振ると、2台の携帯端末21、22は、実質的に同じ動きとなる。なお、動きは、例えば図1に示すようなX,Y,Z軸の3軸方向の複合(3次元的な動き)であってもよいし、1次元又は2次元的な動きであってもよい。
以下で説明する各実施例は、このような整合度合い(同調度合い)が比較的高い動きを利用して、正当なユーザに対してのみ所定処理(例えば端末装置へのログイン処理)を実行できる可能性を高めることを可能とする。
正当なユーザとは、所定処理の属性に応じて変わる。例えば、所定処理がログイン処理である場合、正当なユーザは、ログイン権限を有するユーザである。また、所定処理が投稿サイトへの投稿である場合、正当なユーザは、当該投稿に責任を持つことができるユーザである。また、所定処理が寄付である場合、正当なユーザは、当該寄付に対して責任を持つことができるユーザである。また、所定処理が、ポイントを付与する処理である場合、正当なユーザは、当該ポイントの付与を受ける権限を有するユーザである。以下の説明において、「他人」とは、正当なユーザでないことを意味する。
なお、図1では、2台の携帯端末21、22が利用されているが、後述するように、動きを発生させる対象物は、スマートフォンや携帯電話のような携帯端末に限られず、加速度情報のような動き情報が取得できるものであればどのような装置であってもよい。例えば、動きを発生させる対象物は、クレードルやウェアラブル端末(例えばスマートウオッチ、リング等)、リモコン等であってもよい。また、動きは、画像上の動きであってもよい。また、3台以上の携帯端末が利用されてもよい。
次に、動き評価装置について、実施例ごとに説明する。なお、各実施例において、同一であってよい構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略又は簡略化する場合がある。
[実施例1]実施例1では、一例として、動き評価装置100は、サーバの形態であるものとする。
図2は、実施例1による動き評価装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
動き評価装置100は、コンピュータの形態である。図2に示す例では、動き評価装置100は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、及び入力部107を含む。
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介して動き評価装置100にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、動き評価装置100により実行可能となる。
ネットワークI/F部106は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と動き評価装置100とのインターフェースである。
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。
なお、図2に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムを動き評価装置100に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105を動き評価装置100に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
図3は、動き評価装置100の機能ブロック図である。
動き評価装置100は、第1取得部151と、第2取得部152と、第1判定部161と、処理部170とを含む。第1取得部151、第2取得部152、第1判定部161、及び処理部170は、制御部101が記憶装置(例えば主記憶部102や補助記憶部103)内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
第1取得部151は、ある一の端末(第1対象物の一例)の動きに関する加速度情報(以下、「加速度情報a1」とも称する)(第1動き情報の一例)を取得する。実施例1では、説明上、ある一の端末は、図1の携帯端末21であるとする。加速度情報a1は、携帯端末21に内蔵される加速度センサ211(図4参照)からの信号に基づいて生成される。第1取得部151は、加速度情報a1を、例えばネットワーク4(図4参照)を介して携帯端末21から取得する。
第2取得部152は、ある他の一の端末(第2対象物の一例)の動きに関する加速度情報(以下、「加速度情報a2」とも称する)(第2動き情報の一例)を取得する。実施例1では、説明上、ある他の一の端末は、携帯端末22であるとする。加速度情報a2は、携帯端末22に内蔵される加速度センサ221(図4参照)からの信号に基づいて生成される。第2取得部152は、加速度情報a2を、例えばネットワーク4(図4参照)を介して携帯端末22から取得する。
第1判定部161は、加速度情報a1及び加速度情報a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であるか否かを判定する。
携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性は、一時点での値の比較ではなく、ある期間にわたる時系列波形の比較に基づいて判断されてよい。この際、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性は、加速度信号の波形(時系列波形)の周波数や、振幅、ピーク値、位相等に基づいて判断されてよい。例えば、第1判定部161は、加速度情報a1及び加速度情報a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性を数値化する。整合性を数値化するとは、加速度情報a1及び加速度情報a2間の整合性の指標値を算出することで実現されてよい。整合性の指標値は、加速度情報a1及び加速度情報a2間の相関性や、加速度情報a1及び加速度情報a2間のマッチング度合い(誤差レベル)等であってよい。
ここで、携帯端末21及び携帯端末22の動きは、絶対座標の変位(又は加速度)に基づき判断されることを基本とするが、相対座標で判断されてもよい。相対座標で考える場合は、上下、左右、前後が逆転していても2つの携帯端末21及び携帯端末22の動きが同調している(動きに整合性がある)と判定されてよい。例えば背面同士を向かい合わせにした携帯端末21及び携帯端末22を動かす場合、片方が右に移動したと判断する動きは他方の携帯端末にとっては左に移動したと判断される動きになるが、2つの携帯端末21及び携帯端末22の動きの間には整合性があるといえるためである。
また、加速度情報a1及び加速度情報a2間の整合性は、例えば、重力方向と水平面内の直交する2方向とからなる3軸方向の成分ごとに判定されてよく、この際、携帯端末21と携帯端末22との重ね合わせ方(例えば背面同士を向かい合わせにして重ねる方法や、前面同士を向かい合わせにして重ねる方法、前面と背面を向かい合わせにして重ねる方法)が考慮されてもよい。すなわち、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が高い場合でも、携帯端末21と携帯端末22との重ね合わせ方が異なると、重力方向に垂直な2軸の各成分については、加速度情報a1の波形と加速度情報a2の波形が一定量だけ位相がずれた状態となる場合がある。従って、加速度情報a1及び加速度情報a2間の整合性は、重力方向に対して垂直な方向の成分については、位相をずらさない場合と一定量(例えば180度)だけずらした場合の双方で判断されてよい。この場合、重力方向に対して垂直な方向の成分同士に関しては、位相をずらさない場合と一定量(例えば180度)だけずらした場合のいずれかの場合に高い整合性が示されていれば、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であると判定してもよい。
以下では、説明の都合上、特に言及しない限り、携帯端末21と携帯端末22との重ね合わせ方は、加速度情報a1及び加速度情報a2の3軸方向がそれぞれ一致する態様であるものとする。
第1閾値は、比較的高い整合性を要求する閾値であり、携帯端末21及び携帯端末22がそれぞれ別々の人によりばらばらに振られている状態が除外されるように適合される。
処理部170は、第1判定部161により各動きの整合性が第1閾値以上であると判定されると、所定処理を行う。所定処理は、任意であり、幾つかの例は後述する。例えば、ログイン処理や、契約確定処理等でありうる。
例えば、携帯端末21のユーザAと携帯端末22のユーザBとが、電話番号などの個人情報の交換を行いたい場合、2台の携帯端末21、22が重ね合わせられた状態で振られる(図1参照)。このとき、加速度情報a1及び加速度情報a2とは略一致するはずであり、従って、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であると判定される可能性が高い。この結果、動き評価装置100では、ユーザAの個人情報を携帯端末22へと送信する処理(所定処理の一例)やユーザBの個人情報を携帯端末21へと送信する処理(所定処理の一例)が実行される可能性が高くなる。
これに対して、例えば、ユーザAとユーザBの周辺に、別の携帯端末を振っている他人Cが存在していたとする。別の携帯端末で得られる加速度情報は、加速度情報a1及び加速度情報a2と整合する可能性が低く、別の携帯端末の動きと携帯端末21の動き又は携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であると判定される可能性は低い。この結果、動き評価装置100では、ユーザAの個人情報やユーザBの個人情報を他人Cの携帯端末へと送信する処理が実行される可能性が低い。なお、この例では、個人情報の交換を行う処理に関して、正当なユーザは、ユーザA及びユーザBであり、他人Cは、正当なユーザではない。
このようにして、実施例1によれば、2つの対象物、すなわち携帯端末21及び携帯端末22の各動きを利用して、正当なユーザに対してのみ所定処理を実行できる可能性を高めることができる。
特に、実施例1によれば、携帯端末21及び携帯端末22の各動きの整合性が第1閾値以上であるか否かが判定される。これにより、ユーザAとユーザBの周辺に、別の携帯端末を振っている他人Cが存在していた場合でも、他人Cの携帯端末に対して所定処理が行われる可能性を低減できる。これは、上述のように、他人Cの携帯端末の動きは、携帯端末21及び携帯端末22の各動きとは異なる可能性が高いためである。
次に、図4以降を参照して、実施例1による動き評価装置100の動作例について説明する。
図4は、動き評価装置100と携帯端末21、22との間の通信態様の説明図である。図4には、携帯端末21に内蔵される加速度センサ211と、携帯端末22に内蔵される加速度センサ221が模式的に図示されている。
図4では、動き評価装置100がネットワーク4を介して携帯端末21及び携帯端末22に接続される。ネットワーク4は、インターネット、World Wide Web、WAN(Wide Area Network)、無線通信網、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。携帯端末21及び携帯端末22間の情報のやり取りは、動き評価装置100を介して実現される。ただし、変形例では、携帯端末21及び携帯端末22間の情報のやり取りは、動き評価装置100を介さずに直接的に実現されてもよい。
図5は、動き評価装置100の一の動作例を説明する概略的なタイミングチャートである。図5では、データのやり取りは、一点鎖線の矢印で示されている。
図5は、所定処理が個人情報の交換である場合に関する。
携帯端末21、22では、個人情報の交換を実現するための所定アプリケーションが起動される(ステップS500,501)。所定アプリケーションが起動されると、例えば、図6に模式的に示すように、携帯端末21、22の画面には、“2つの端末を一緒にして振ってください”といった趣旨のメッセージ210が出力されてよい。これを受けて、携帯端末21、22のいずれかのユーザは、携帯端末21、22を一緒にして振る(図1参照)と、携帯端末21、22のそれぞれに内蔵の加速度センサ211,221からの加速度信号に基づいて加速度情報a1,a2(加速度の時系列波形)が生成される(ステップS502,503)。加速度情報a1,a2は動き評価装置100に送信される(ステップS504,505)。
動き評価装置100は、加速度情報a1,a2を受信すると、加速度情報a1,a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS506)。携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上である場合は、動き評価装置100は、所定処理を実行する。具体的には、動き評価装置100は、ユーザAの個人情報を携帯端末22に送信するとともに(ステップS507)、ユーザBの個人情報を携帯端末21に送信する(ステップS508)。なお、交換対象となる個人情報は、動き評価装置100内に事前に記憶されていてよいし、あるいは、加速度情報a1,a2とともに携帯端末21、22から動き評価装置100にそれぞれ送信されてもよい。
ここで、変形例では、加速度情報a1,a2は、動作途中で動き評価装置100に送信してもよい。随時受信される2つの加速度情報の誤差が連続して所定以上の整合性があると判断できる場合は、加速度情報の受信が終了していなくとも所定の処理を実行するようにしてもよい。
携帯端末22は、動き評価装置100からユーザAの個人情報を受信すると、ユーザAの個人情報の登録処理等を、例えばユーザBからの入力に応じて実行する(ステップS509)。同様に、携帯端末21は、動き評価装置100からユーザBの個人情報を受信すると、ユーザBの個人情報の登録処理等を、例えばユーザAからの入力に応じて実行する(ステップS510)。
図5に示す処理によれば、所定処理(個人情報の交換)は、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上である場合に実行されるので、ユーザA及びユーザBは、高い安全性を確保しつつ簡易な方法で個人情報の交換を行うことが可能となる。すなわち、周辺に携帯端末を振る他人がいたとしても、当該他人の携帯端末の動きと携帯端末21の動き又は携帯端末22の動きとの間の整合性が第1閾値以上となる可能性が低いので、高い安全性が確保できる。また、ユーザA及びユーザBは、所定アプリケーションを起動させてから、二つの携帯端末21、22を重ね合わせて振るだけで、個人情報の交換を実現できる。従って、簡易な方法で個人情報の交換を実現でき、利便性が向上する。
なお、図5に示す処理では、携帯端末21、22を片手で同時に振られることが想定されているが、これに限られない。例えば、携帯端末21、22の双方が同一のクレードルに保持された状態でクレードルが振られる場合でも、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が第1閾値以上であると判定されうる。また、携帯端末21、22が両手で同調して振られる場合でも、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が第1閾値以上であると判定されうる。いずれにしても、第1閾値は、周辺の他人の携帯端末の動きとの間で取りうる整合性の最大値を超えるように適合されていれば、他人のなりすまし等による個人情報の取得を高い確率で防止できる。
図7は、動き評価装置100の他の一の動作例を説明する概略的なタイミングチャートである。図7では、データのやり取りは、一点鎖線の矢印で示されている。
図7は、所定処理がユーザAからユーザBへの送金である場合に関する。図7の場合、動き評価装置100は、例えばインターネットバンキングのサーバとして機能し又はインターネットバンキングのサーバと連携して、ユーザAからユーザBへの送金を実現する。
具体的には、携帯端末21、22では、ユーザAからユーザBへの送金を実現するための所定アプリケーションが起動される(ステップS700,702)。この場合、ユーザAは、送金用の所定アプリケーションを起動した後、各種入力(例えば送金の金額等)を行う(ステップS701)。所定アプリケーションが起動されかつ各種入力が完了すると、例えば、携帯端末21、22の画面には、“2つの端末を一緒にして振ってください”といった趣旨のメッセージ210(図6参照)が出力されてよい。あるいは、携帯端末21から携帯端末22に(及び/又は携帯端末22から携帯端末21に)対して動作(2つの端末を一緒にして振る動作又は2つの端末を同調させて振る動作)を誘導する情報を送信してもよい。動作を誘導する情報は、文字に加えて又は代えて、音声や画像であってもよい。これを受けて、携帯端末21、22のいずれかのユーザは、携帯端末21、22を一緒にして振る(図1参照)と、携帯端末21、22のそれぞれに内蔵の加速度センサ211,221からの加速度信号に基づいて加速度情報a1,a2(加速度の時系列波形)が生成される(ステップS703,704)。加速度情報a1,a2は動き評価装置100に送信される(ステップS705,706)。
動き評価装置100は、加速度情報a1,a2を受信すると、加速度情報a1,a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS707)。そして、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上である場合は、動き評価装置100は、送金処理を実行したうえで(ステップS708)、送金完了情報を携帯端末22に送信するとともに(ステップS709)、送金完了情報を携帯端末21に送信する(ステップS710)。
図7に示す処理によれば、所定処理(送金)は、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上である場合に実行されるので、ユーザA及びユーザBは、高い安全性を確保しつつ簡易な方法で送金を行うことが可能となる。すなわち、周辺に携帯端末を振る他人がいたとしても、当該他人の携帯端末の動きと携帯端末21の動き又は携帯端末22の動きとの間の整合性が第1閾値以上となる可能性が低いので、高い安全性が確保できる。また、ユーザA及びユーザBは、所定アプリケーションを起動させてから、二つの携帯端末21、22を重ね合わせて振るだけで、送金を実現できる。従って、簡易な方法で送金を実現でき、利便性が向上する。
このように所定処理の内容は任意である。所定処理は、比較的高い安全性が要求される処理や、比較的高い簡易性が要求される処理がありうる。動き評価装置100が複数種類の所定処理を行う場合、所定処理の属性に応じて第1閾値が変更されてもよい。この場合、第1閾値は、好ましくは、要求される安全性が高いほど、高くなるように変更されてよい。例えば、所定処理が送金である場合は、所定処理が個人情報の交換よりも高い第1閾値が使用されてもよい。
なお、実施例1では、動き評価装置100がサーバの形態であるが、これに限られない。例えば、動き評価装置100の機能は、携帯端末21又は携帯端末22により実現されてもよいし、携帯端末21及び携帯端末22により協動して実現されてもよい。この場合、携帯端末21及び携帯端末22間の情報のやり取りは、直接的に実現されてよい。
また、実施例1では、動きの整合性が判定される2つの対象物は、携帯端末21、22であるが、これに限られない。
例えば、携帯端末21、22のうちの一方は、携帯端末を保持する可動のクレードルであってもよい。この場合、クレードルは、加速度センサを内蔵し、自身の動き情報を動き評価装置100に送る。この場合、例えばユーザAは、携帯端末21上で所定処理用のアプリケーションを起動し、クレードルに携帯端末21を保持させてクレードルを動かすことで、動き評価装置100に所定処理を実行させることも可能である。
あるいは、携帯端末21、22のうちの一方の動きは、画像上の動きであってもよい。例えば、図8に示すように、“今から示す動きに合わせて、端末を動かしてください”といった趣旨のメッセージ810が出力されるとともに、画面800上に表示される端末画像802が、例えば6自由度(例えば図中のX,Y,Zの各軸に沿った併進と各軸まわりの回転)で動かされ、それに合わせてユーザが自身の携帯端末を振る(動かす)態様であってもよい。この場合、端末画像802(第1対象物の一例)の動きとユーザの携帯端末の動きとの間の整合性を判定することで、同様の効果を得ることができる。なお、端末画像802は、図示のようなものに限られず、モデルとなる動きを表すものであれば任意の形態であってよい。
[実施例2]実施例2は、上述した実施例1に対して、動き評価装置100が動き評価装置100Aで置換された点が異なる。実施例2による動き評価装置100Aは、所定処理を実行するにあたり、対象物間の距離(例えば携帯端末21、22間の距離)を更に評価する点が異なる。実施例2においても、上述した実施例1と同様、説明上、ある一の端末は、図1の携帯端末21であるとし、ある他の一の端末は、携帯端末22であるとする。
図9は、動き評価装置100Aの機能ブロック図である。動き評価装置100Aは、上述した実施例1による動き評価装置100に対して、第2判定部162が追加され、かつ、第1取得部151、第2取得部152、及び処理部170が、第1取得部151A、第2取得部152A、及び処理部170Aでそれぞれ置換された点が異なる。第1取得部151A、第2取得部152A、第2判定部162、及び処理部170Aは、制御部101が記憶装置(例えば主記憶部102や補助記憶部103)内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
第1取得部151Aは、上述した加速度情報a1に加えて、携帯端末21の位置情報p1を取得する。携帯端末21の位置情報p1は、携帯端末21に内蔵されるGPS(Global Positioning System)受信機(図示せず)からの信号に基づいて生成される。第1取得部151Aは、位置情報p1を、例えばネットワーク4(図4参照)を介して携帯端末21から取得する。
第2取得部152Aは、上述した加速度情報a2に加えて、携帯端末22の位置情報p2を取得する。携帯端末22の位置情報p2は、携帯端末22に内蔵されるGPS受信機(図示せず)からの信号に基づいて生成される。第2取得部152Aは、位置情報p2を、例えばネットワーク4(図4参照)を介して携帯端末22から取得する。
第2判定部162は、位置情報p1及び位置情報p2に基づいて、加速度情報a1及び加速度情報a2に係る各動きが実現された際の携帯端末21と携帯端末22との間の距離が第2閾値以下であるか否かを判定する。第2閾値は、所定処理の内容等に応じて決められてよい。例えば、所定処理が上述のような個人情報の交換や送金等のような比較的高い安全性が要求される処理である場合は、第2閾値は比較的小さいことが好ましい。例えば、この場合、第2閾値は、携帯端末21と携帯端末22とが接触している場合に満たされるように適合されてよい。あるいは、第2閾値は、携帯端末21と携帯端末22とが同じユーザで持たれている場合に満たされるように適合されてよい。他方、所定処理がコンサート会場でのポイント付与(後述)のような比較的広い範囲のユーザに対して実行される処理である場合は、第2閾値は比較的大きいことが好ましい。所定処理がコンサート会場でのポイント付与である場合、第2閾値は、同じコンサート会場に携帯端末21と携帯端末22とが存在する場合に満たされるように適合されてよい。
なお、位置情報p1及び位置情報p2のような位置情報の情報源はGPS情報に限らない。携帯電話の基地局や、Wi−Fiを用いて位置情報を取得する方法が利用されてもよい。
処理部170Aは、第1判定部161により各動きの整合性が第1閾値以上であると判定され、かつ、第2判定部162により携帯端末21と携帯端末22との間の距離が第2閾値以下である判定されると、所定処理を行う。所定処理は、上述した実施例1と同様、任意であり、例えば、ログイン処理や、契約確定処理等でありうる。
実施例2によれば、上述した実施例1と同様の効果が得られる。すなわち、実施例2によれば、2つの対象物、すなわち携帯端末21及び携帯端末22の各動きを利用して、正当なユーザに対してのみ所定処理を実行できる可能性を高めることができる。
特に、実施例2によれば、携帯端末21及び携帯端末22の各動きの整合性が第1閾値以上であり、かつ、加速度情報a1及び加速度情報a2に係る各動きが実現された際の携帯端末21と携帯端末22との間の距離が第2閾値以下であるか否かが判定される。これにより、ユーザAとユーザBの周辺に、別の携帯端末を振っている他人Cが存在していた場合でも、他人Cの携帯端末に対して所定処理が行われる可能性を更に低減できる。これは、他人Cの携帯端末の動きは、携帯端末21及び携帯端末22の各動きとは異なる可能性が高く、かつ、他人Cの携帯端末と携帯端末21又は携帯端末22との間の距離が第2閾値以下になる可能性は低いためである。
従って、実施例2は、所定処理が、上述した実施例1よりも高い安全性が要求される処理である場合に、好適である。なお、所定処理の属性ごとに、上述した実施例1による方法と、実施例2による方法のいずれかが採用されてもよい。
図10は、動き評価装置100Aの一の動作例を説明する概略的なタイミングチャートである。図10では、データのやり取りは、一点鎖線の矢印で示されている。
図10は、所定処理が個人情報の交換である場合に関する。
携帯端末21、22では、個人情報の交換を実現するための所定アプリケーションが起動される(ステップS1000,1001)。所定アプリケーションが起動されると、例えば、携帯端末21、22の画面には、“2つの端末を一緒にして振ってください”といった趣旨のメッセージ210(図6参照)が出力されてよい。これを受けて、携帯端末21、22のいずれかのユーザは、携帯端末21、22を一緒にして振る(図1参照)と、携帯端末21、22のそれぞれに内蔵の加速度センサ211,221からの加速度信号に基づいて加速度情報a1,a2(加速度の時系列波形)が生成される(ステップS1002,1003)。この際、携帯端末21、22では、現在の位置を示す位置情報p1、p2が生成される。なお、位置情報の生成タイミングは、任意であり、所定アプリケーションが起動した直後であってもよいし、携帯端末21、22が振られている間であってもよい。図10では、一例として、携帯端末21、22では、加速度情報a1,a2が生成された後、位置情報p1、p2が生成される(ステップS1004,1005)。加速度情報a1,a2及び位置情報p1、p2は動き評価装置100Aに送信される(ステップS1006,1007)。なお、加速度情報a1及び位置情報p1(加速度情報a2及び位置情報p2についても同様)は、同時に動き評価装置100Aに送信されてもよいし、別々に送信されてもよい。
動き評価装置100Aは、加速度情報a1,a2を受信すると、加速度情報a1,a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1008)。また、動き評価装置100Aは、位置情報p1、p2を受信すると、位置情報p1、p2に基づいて、位置情報p1、p2間の距離が第2閾値以下であるか否かを判定する(ステップS1009)。携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であり、かつ、位置情報p1、p2間の距離が第2閾値以下である場合、動き評価装置100Aは、所定処理を実行する。具体的には、動き評価装置100Aは、ユーザAの個人情報を携帯端末22に送信するとともに(ステップS1010)、ユーザBの個人情報を携帯端末21に送信する(ステップS1011)。
携帯端末22は、動き評価装置100AからユーザAの個人情報を受信すると、ユーザAの個人情報の登録処理等を、例えばユーザBからの入力に応じて実行する(ステップS1012)。同様に、携帯端末21は、動き評価装置100AからユーザBの個人情報を受信すると、ユーザBの個人情報の登録処理等を、例えばユーザAからの入力に応じて実行する(ステップS1013)。
図10に示す処理によれば、所定処理(個人情報の交換)は、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であり、かつ、携帯端末21と携帯端末22の間の距離が第2閾値以下である場合に実行されるので、ユーザA及びユーザBは、高い安全性を確保しつつ簡易な方法で個人情報の交換を行うことが可能となる。
なお、実施例2においても、上述した実施例1と同様、所定処理は、個人情報の交換に限られず、送金等であってもよい。
特に実施例2は、所定処理が、コンサートに参加した特定のユーザへのポイント付与である場合に好適である。この場合、図11に模式的に示すように、携帯端末21は、例えばコンサート会場でコンサートを行っているアーティスト(ユーザA)が手に装着するウェアラブル端末である。アーティストがコンサート中の特定期間、観客に手を振りながら同調を求める。この際、観客の1人である携帯端末22のユーザBは、特定期間において所定アプリケーションを起動させたうえで、アーティストの手の動きに合わせながら携帯端末22を振る。これにより、コンサートに参加した観客のうちの、特定期間中にアーティストと同じ動きをできた特定のユーザ(ユーザB等)だけに、ポイントを付与するサービスを実現できる。なお、所定処理は、ポイント付与に代えて、景品のような他の特典の付与であってもよい。なお、この場合、第2閾値は、コンサート会場のサイズに応じて決定されてよい。また、この場合、携帯端末21と携帯端末22との間の距離に代えて、指定された位置(この場合、例えばコンサート会場の中心位置)に対する携帯端末22の距離が第2閾値以下であるか否かが判定されてもよい。
このような場合、例えばテレビで同コンサートの放送を見ながら特定期間中にアーティストと同じ動きをできた他人がいたとしても、当該他人はポイント付与の恩恵を受けることができない可能性が高い。これは、他人の携帯端末と携帯端末21との距離は第2閾値以下でない可能性が高いためである。このようにして、正当なユーザに対してのみ所定処理を実行できる可能性を高めることができる。
なお、所定処理が、コンサートに参加した特定のユーザへのポイント付与である場合、動き評価装置100Aの動作はオンライン(リアルタイム)で実現されてもよいし、オフラインで実現されてもよい。
また、実施例2では、距離が第2閾値以下であるか否かを判定される2つの対象物は、携帯端末21、22であるが、これに限られない。例えば、携帯端末21と携帯端末22の間の距離が第2閾値以下であるか否かを判定することに代えて、指定された位置と、携帯端末21及び/又は携帯端末22との間の距離が第2閾値以下であるか否かを判定することとしてもよい。この場合、指定された位置とは、携帯端末21、22の各位置の平均値であってもよいし、所定の施設の位置等であってもよい。
なお、実施例2では、動き評価装置100Aがサーバの形態であるが、これに限られない。例えば、動き評価装置100Aの機能は、携帯端末21又は携帯端末22により実現されてもよいし、携帯端末21及び携帯端末22により協動して実現されてもよい。この場合、加速度情報a1及び加速度情報a2に係る各動きが実現された際の携帯端末21と携帯端末22との間の距離が第2閾値以下であるか否かは、携帯端末21又は携帯端末22のタッチセンサや近接センサ等からの情報に基づいて判定されてもよい。この場合、携帯端末21又は携帯端末22のタッチセンサや近接センサ等が物体の接触や近接を検知している場合は、携帯端末21と携帯端末22との間の距離が第2閾値以下であると判定されてよい。
[実施例3]実施例3は、上述した実施例1に対して、動き評価装置100が動き評価装置100Bで置換された点が異なる。実施例3による動き評価装置100Bは、所定処理を実行するにあたり、各動きが発生した時間の時間差(例えば携帯端末21、22の各動きが発生したタイミングの時間差)を更に評価する点が異なる。実施例3においても、上述した実施例1と同様、説明上、ある一の端末は、図1の携帯端末21であるとし、ある他の一の端末は、携帯端末22であるとする。
図12は、動き評価装置100Bの機能ブロック図である。動き評価装置100Bは、上述した実施例1による動き評価装置100に対して、第3判定部163が追加され、かつ、第1取得部151、第2取得部152、及び処理部170が、第1取得部151B、第2取得部152B、及び処理部170Bでそれぞれ置換された点が異なる。第1取得部151B、第2取得部152B、第3判定部163、及び処理部170Bは、制御部101が記憶装置(例えば主記憶部102や補助記憶部103)内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
第1取得部151Bは、上述した加速度情報a1に加えて、加速度情報a1が得られた時間を表す時間情報t1を取得する。時間情報t1は、携帯端末21に内蔵される時計に基づいて生成される。時間情報t1は、加速度情報a1が得られた期間中の一時点を表してもよいし、開始時点と終了時点を表してもよい。また、時間情報t1は、比較的精度が低い情報であってよく、加速度情報a1が得られた時間をおよそ表すものであればよい。第1取得部151Bは、時間情報t1を、例えばネットワーク4(図4参照)を介して携帯端末21から取得する。
第2取得部152Bは、上述した加速度情報a2に加えて、加速度情報a2が得られた時間を表す時間情報t2を取得する。時間情報t2は、携帯端末22に内蔵される時計に基づいて生成される。時間情報t2は、加速度情報a2が得られた期間中の一時点を表してもよいし、開始時点と終了時点を表してもよい。また、時間情報t2は、比較的精度が低い情報であってよく、加速度情報a2が得られた時間をおよそ表すものであればよい。第2取得部152Bは、時間情報t2を、例えばネットワーク4(図4参照)を介して携帯端末22から取得する。
第3判定部163は、時間情報t1及び時間情報t2に基づいて、加速度情報a1及び加速度情報a2に係る各動きが発生したときの各時間の差(以下、「各動きの発生時点の時間差」と称する)が第3閾値以下であるか否かを判定する。第3閾値は、ほぼ同時の発生が検出されるように適合されてよい。
処理部170Bは、第1判定部161により各動きの整合性が第1閾値以上であると判定され、かつ、第3判定部163により各動きの発生時点の時間差が第3閾値以下である判定されると、所定処理を行う。所定処理は、上述した実施例1と同様、任意であり、例えば、ログイン処理や、契約確定処理等でありうる。
実施例3によれば、上述した実施例1と同様の効果が得られる。すなわち、実施例3によれば、2つの対象物、すなわち携帯端末21及び携帯端末22の各動きを利用して、正当なユーザに対してのみ所定処理を実行できる可能性を高めることができる。
特に、実施例3によれば、携帯端末21及び携帯端末22の各動きの整合性が第1閾値以上であり、かつ、各動きの発生時点の時間差が第3閾値以下であるか否かが判定される。これにより、ユーザAとユーザBの周辺に、別の時間帯で別の携帯端末を振っていた他人Cが存在していた場合でも、他人Cの携帯端末に対して所定処理が行われる可能性を更に低減できる。これは、他人Cの携帯端末の動きは、携帯端末21及び携帯端末22の各動きとは異なる可能性が高く、かつ、他人Cの携帯端末の動きが生じた時間と、携帯端末21及び携帯端末22の各動きが発生した時間とは有意に異なる可能性が高いためである。
従って、実施例3は、所定処理が、上述した実施例1よりも高い安全性が要求される処理である場合に、好適である。なお、所定処理の属性ごとに、上述した実施例1による方法と、実施例3による方法のいずれかが採用されてもよい。あるいは、所定処理の属性ごとに、上述した実施例1による方法と、実施例2による方法と、実施例3による方法のいずれかが採用されてもよい。
なお、実施例3は、上述した実施例2と組み合わせることも可能である。すなわち、携帯端末21及び携帯端末22の各動きの整合性が第1閾値以上であり、加速度情報a1及び加速度情報a2に係る各動きが実現された際の携帯端末21と携帯端末22との間の距離が第2閾値以下であり、かつ、各動きの発生時点の時間差が第3閾値以下である場合に、所定処理が実行されることとしてもよい。
なお、実施例3においても、上述した実施例1と同様、所定処理は、個人情報の交換に限られず、送金等であってもよい。
例えば、実施例3は、所定処理が、遊園地において、遊園地を利用する人のうちの、同じタイミングで同じアトラクションを楽しんだユーザに、通知を送る処理である場合に好適である。この場合、同じアトラクション(例えばジェットコースター)に乗ると、加速度情報a1及び加速度情報a2とは略一致するはずであり、従って、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であると判定される可能性が高い。また、各動きの発生時点の時間差が第3閾値以下であると判定される可能性が高い。この結果、動き評価装置100では、ユーザAの携帯端末21から同じアトラクションを乗ったユーザBの携帯端末22に、その旨を通知する処理(所定処理の一例)や、ユーザBの携帯端末22から同じアトラクションを乗ったユーザAの携帯端末21に、その旨を通知する処理(所定処理の一例)が実行される可能性が高くなる。かかる通知は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じて実現されてもよい。例えば、アトラクションを楽しんだユーザAがその内容を投稿した際に、ユーザBの携帯端末22へ通知が、その投稿へのリンクとともに送信されてもよい。
[実施例4]実施例4は、上述した実施例1に対して、動き評価装置100が動き評価装置100Cで置換された点が異なる。実施例4による動き評価装置100Cは、動きの整合度合いを表す情報(振動や、色、音)を出力する報知部を備える点が異なる。実施例4においても、上述した実施例1と同様、説明上、ある一の端末は、図1の携帯端末21であるとし、ある他の一の端末は、携帯端末22であるとする。
図13は、動き評価装置100Cの機能ブロック図である。動き評価装置100Cは、上述した実施例1による動き評価装置100に対して、報知部180が追加された点が異なる。報知部180は、制御部101が記憶装置(例えば主記憶部102や補助記憶部103)内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
報知部180は、加速度情報a1及び加速度情報a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合度合いを表す情報(以下、「整合度情報」と称する)を出力する。例えば、報知部180は、第1判定部161による判定結果に応じて整合度情報を出力する。あるいは、報知部180は、第1判定部161による判定結果が得られる前の段階で、整合度情報を出力してもよい。整合度情報の出力は、振動、色、音、表示、又はこれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。
例えば、報知部180は、第1判定部161による判定結果が“携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であること”を表す場合に、その旨を表す情報(整合度情報の一例)を出力してもよい。また、報知部180は、第1判定部161による判定結果が“携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上でないこと”を表す場合に、その旨を表す情報(整合度情報の一例)を出力してもよい。また、報知部180は、第1判定部161による判定結果が“携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であること”を表す場合と、第1判定部161による判定結果が“携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上でないこと”を表す場合とで、それぞれ異なる情報(整合度情報の一例)を出力してもよい。
整合度情報の出力先は、任意であるが、携帯端末21や携帯端末22であってもよい。また、例えばコンサート中の特定期間に、アーティストの手の動きに合わせながら携帯端末22を振る場合、整合度情報の出力先は、携帯端末22であってもよいし、コンサート会場の大型のディスプレイであってもよい。この場合、例えば整合度情報の出力が振動の出力を伴う場合、ユーザBは、携帯端末22に生じる振動を感じながら、自身の動きの整合度合いを容易に判断できる。
このようにして、実施例4によれば、所定処理を望む例えばユーザBは、自身の携帯端末22の動きが、整合すべき動き(例えばアーティストの手の動き)に整合しているか否かを、整合度情報を介して容易に判断できる。
図14は、動き評価装置100Cにより実行されてよい報知処理の一例を示す概略フローチャートである。
図14では、一例として、図11に模式的に示したような用途での処理を説明する。すなわち、携帯端末21は、コンサート会場でコンサートを行っているアーティスト(ユーザA)が手に装着するウェアラブル端末である。アーティストがコンサート中の特定期間、観客に手を振りながら同調を求め、観客の1人である携帯端末22のユーザBは、特定期間において所定アプリケーションを起動させたうえで、アーティストの手の動きに合わせながら携帯端末22を振ることになる。
この場合、図14に示す報知処理は、コンサート中の特定期間において、リアルタイムで所定周期ごとに実行されてよい。なお、特定期間の開始と終了は、任意の情報に基づいて判断されてよい。特定期間の開始と終了は、例えばあらかじめ決められていてもよいし、特定の楽曲が歌唱される際の期間の開始と終了に対応してもよい。
ステップS1400では、動き評価装置100Cの報知部180は、最新の所定期間T1の加速度情報a1を読み出す。なお、動き評価装置100Cには、加速度情報a1が携帯端末21からリアルタイムで送信されているものとする。
ステップS1402では、動き評価装置100Cの報知部180は、最新の所定期間T2の加速度情報a2を読み出す。なお、所定期間T2は、ステップS1400の所定期間T1と一致していることが望ましい。なお、動き評価装置100Cには、加速度情報a2が携帯端末22からリアルタイムで送信されているものとする。
ステップS1404では、動き評価装置100Cの報知部180は、ステップS1400及びステップS1402で得た加速度情報a1,a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第4閾値以上であるか否かを判定する。第4閾値は、上述した第1閾値と同じであってもよいし、上述した第1閾値よりも厳しい値であってもよい。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1406に進み、それ以外の場合は、ステップS1408に進む。
ステップS1406では、動き評価装置100Cの報知部180は、整合度合いが高いことを表す情報(整合度情報の一例)を、携帯端末22を介して出力する。例えば、報知部180は、整合度合いが高いことを表す情報を出力させる指令を、携帯端末22に送信する。この指令を受けて、携帯端末22は、整合度合いが高いことを表す情報を、例えば振動等により出力する。
ステップS1408では、動き評価装置100Cの報知部180は、ステップS1400及びステップS1402で得た加速度情報a1,a2に基づいて、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第5閾値以下であるか否かを判定する。第5閾値は、注意喚起を与える必要がある際の比較的低い整合度合いに対応し、上述した第1閾値よりも有意に小さい値である。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1410に進み、それ以外の場合は、そのまま終了する。
ステップS1410では、動き評価装置100Cの報知部180は、整合度合いが低いことを表す情報(整合度情報の一例)を、携帯端末22を介して出力する。例えば、報知部180は、整合度合いが低いことを表す情報を出力させる指令を、携帯端末22に送信する。この指令を受けて、携帯端末22は、整合度合いが低いことを表す情報を、例えば振動等により出力する。整合度合いが低いことを表す情報は、当然ながら、整合度合いが高いことを表す情報とは異なる。例えば双方の情報が振動であれば、振幅や周波数が異なってよい。
図14に示す報知処理によれば、コンサート中の特定期間において、リアルタイムに、参加するユーザに対して、アーティストの動きとの整合度合いを表す整合度情報を出力できる。これにより、ユーザは、自身の携帯端末22の動きが整合しているか否かを、整合度情報を介して容易に判断できる。また、整合度合いが高いことを表す情報が出力されると、ユーザは、アーティストとの一体感を感じ、コンサートをより楽しむことができる。
なお、図14に示す例において、第1判定部161の判定結果は、必ずしも報知部180によるステップS1404の判定結果と一致する必要はない。例えば、第1判定部161は、報知部180よりも長い期間にわたる各動きの整合性を判断してもよい。従って、例えば第4閾値が第1閾値と同じである場合、第1判定部161は、報知部180によるステップS1404の判定結果が所定回数以上“YES”となった場合に、携帯端末21の動きと携帯端末22の動きとの間の整合性が、第1閾値以上であると判定してもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例1(他の実施例2等も同様)では、加速度センサを用いて動き情報が生成されているが、加速度センサに代えて又は加えて、ジャイロセンサが使用されてもよい。