JP2019173804A - Drive unit for vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
この技術は、キャンセル油室を有する油圧サーボを備えた車両用駆動装置に関する。 This technology relates to a vehicle drive device including a hydraulic servo having a cancel oil chamber.
車両等に搭載される自動変速機等の車両用駆動装置にあっては、複数の摩擦板を油圧サーボにより押圧して係合させる多板式のクラッチを備えたものがある。このようなクラッチにあっては、係合した際に油圧サーボが回転するため、作動油室に発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を有することで、作動油室に供給する油圧をスプリングの付勢力に対抗する油圧により制御することが可能になり、油圧制御の制御性が良好となる。 2. Description of the Related Art Some vehicle drive devices such as an automatic transmission mounted on a vehicle or the like include a multi-plate clutch that presses and engages a plurality of friction plates with a hydraulic servo. In such a clutch, since the hydraulic servo rotates when engaged, it has a cancel oil chamber for canceling the centrifugal oil pressure generated in the hydraulic oil chamber, so that the hydraulic pressure supplied to the hydraulic oil chamber can be increased. It becomes possible to control by the oil pressure that opposes the urging force of the spring, and the controllability of the oil pressure control becomes good.
一般的に、このようなキャンセル油室は、ピストンに対向するプレート部材を、シリンダを形成するクラッチドラムに対して、スナップリングで位置決めする形で組付けることで、ピストンとプレート部材との間に内径側から供給される潤滑油を溜める空間を形成するように構成されている(特許文献1参照)。 Generally, such a cancel oil chamber is assembled between a piston and a plate member by assembling a plate member facing the piston in a form that is positioned with a snap ring with respect to a clutch drum that forms a cylinder. A space for storing lubricating oil supplied from the inner diameter side is formed (see Patent Document 1).
ところで、キャンセル油室を構成するプレート部材は、ピストンとの間に縮設されるリターンスプリングによってスナップリングに押付けることでクラッチドラムに対して位置決めされているが、軸方向のピストン側に向かって力が作用すれば、リターンスプリングが縮んでしまうため、スラストベアリング等を支持することができない。そのため、特許文献1のもののように、油圧サーボの軸方向の位置をケースに対して支持するためのスラストベアリングは、クラッチドラムの先端部分に当接させるように配置することになるが、隣接する部材との間にスラストベアリングが配置される分、軸方向の短縮化が図り難いという問題もある。
By the way, the plate member constituting the cancel oil chamber is positioned with respect to the clutch drum by being pressed against the snap ring by a return spring that is contracted between the piston chamber, but toward the piston side in the axial direction. If a force is applied, the return spring contracts, so that a thrust bearing or the like cannot be supported. Therefore, the thrust bearing for supporting the position of the hydraulic servo in the axial direction with respect to the case as in the case of
そこで、コストダウンが可能で、かつ軸方向の短縮化が可能となる車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。 Accordingly, it is an object of the present invention to provide a vehicle drive device that can reduce costs and that can be shortened in the axial direction.
本車両用駆動装置は、
複数の摩擦板と、
シリンダ部材と、前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に配置され、前記シリンダ部材との間に作動油室を形成し、前記作動油室に供給される油圧により前記複数の摩擦板を押圧可能なピストン部材と、前記ピストン部材に対して軸方向の一方側に対向配置され、前記作動油室に生じる遠心油圧をキャンセルするキャンセル油室を形成するプレート部材と、を有する油圧サーボと、
前記油圧サーボに対して軸方向の一方側に対向配置される対向部材と、
前記油圧サーボと前記対向部材との間に配置され、前記油圧サーボと前記対向部材との相対回転を許容すると共に軸方向の相対位置を位置決めする軸受と、を備え、
前記プレート部材は、前記シリンダ部材に、固着部において軸方向における前記キャンセル油室側に移動不能に固着され、かつ前記軸受を支持する。
This vehicle drive device
A plurality of friction plates;
A hydraulic fluid chamber is formed between the cylinder member and the cylinder member so as to be movable in the axial direction. A hydraulic oil chamber is formed between the cylinder member and the plurality of friction plates are pressed by hydraulic pressure supplied to the hydraulic oil chamber. A hydraulic servo comprising: a possible piston member; and a plate member that is arranged opposite to the piston member on one side in the axial direction and forms a cancel oil chamber that cancels the centrifugal oil pressure generated in the hydraulic oil chamber;
A facing member disposed to face one side in the axial direction with respect to the hydraulic servo;
A bearing disposed between the hydraulic servo and the opposing member, allowing relative rotation between the hydraulic servo and the opposing member and positioning a relative position in the axial direction;
The plate member is fixed to the cylinder member so as not to move toward the cancel oil chamber in the axial direction at the fixing portion, and supports the bearing.
本車両用駆動装置によると、キャンセル油室を形成するプレート部材が、シリンダ部材に固着部において固着され、かつ軸受を支持しているので、スナップリング等を用いる場合のように高価な表面処理が不要となり、コストダウンを図ることができると共に、シリンダ部材と対向部材との間に軸受が配置されてしまうことも防止され、軸方向の短縮化も図ることができる。 According to the vehicle drive device, since the plate member forming the cancel oil chamber is fixed to the cylinder member at the fixing portion and supports the bearing, an expensive surface treatment is performed as in the case of using a snap ring or the like. This eliminates the need for cost reduction, prevents the bearing from being disposed between the cylinder member and the opposing member, and shortens the axial direction.
以下、本実施の形態に係る車両用駆動装置の一例である自動変速機1について図1乃至図3に沿って説明する。図1は本実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図、図2は本実施の形態に係る自動変速機の係合表、図3は本実施の形態に係る自動変速機の一部を示す断面図である。なお、本自動変速機1は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプ等の車両に搭載されて好適な自動変速機であり、図1及び図3中における左右方向が実際の車両搭載状態における左右方向(或いは左右逆方向)に対応するが、説明の便宜上、エンジン等の駆動源側である図中右方側を「前方側」、図中左方側を「後方側」というものとする。
Hereinafter, an
[自動変速機の概略構成]
まず、本自動変速機1の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFF(フロントエンジン、フロントドライブ)タイプのようなエンジンのクランク軸が進行方向に対して横置きの車両に用いて好適な自動変速機1は、前方側に、ロックアップクラッチ2aを有するトルクコンバータ2が配置されており、後方側に、変速機構3、カウンタシャフト部4、及びディファレンシャル部5が配置されている。
[Schematic configuration of automatic transmission]
First, a schematic configuration of the
トルクコンバータ2は、例えば駆動源としてのエンジン(不図示)の出力軸10と同軸上である変速機構3の入力軸7Aを中心とした軸上に配置されており、変速機構3は、軸部材である入力軸7Aと、これに同軸上で接続された回転軸7Bとを中心とした軸上に配置されている。なお、本実施の形態では、入力軸7Aと回転軸7Bとを合わせて伝達軸7とする。また、カウンタシャフト部4は、伝達軸7と平行な軸上であるカウンタシャフト12上に配置されており、ディファレンシャル部5は、カウンタシャフト12と平行な軸上に左右ドライブシャフト15,15を有する形で配置されている。また、図1に示すスケルトン図は、自動変速機1を平面的に展開して示しているものであって、伝達軸7と、カウンタシャフト12と、左右ドライブシャフト15,15とは、側面視で三角形状の位置関係である。
The torque converter 2 is disposed on an axis centering on the
変速機構3には、伝達軸7上において、プラネタリギヤDP及びプラネタリギヤユニットPUが備えられている。また、変速機構3は、同時係合する組み合わせにより複数の変速段を形成可能な複数の摩擦係合要素と、複数の摩擦係合要素を油圧の給排により係脱する複数の油圧サーボと、を有している。
The
プラネタリギヤDPは、第1のサンギヤS1、第1のキャリヤCR1、及び第1のリングギヤR1を備えており、第1のキャリヤCR1に、第1のサンギヤS1に噛合する第2のピニオンギヤP2、及び該ピニオンギヤP2と第1のリングギヤR1とに噛合する第1のピニオンギヤP1を、互いに噛合する形で有している、いわゆるダブルピニオンプラネタリギヤである。一方、プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素として第2のサンギヤS2、第3のサンギヤS3、第2のキャリヤCR2、及び第2のリングギヤR2を有し、第2のキャリヤCR2に、第2のサンギヤS2に噛合するショートピニオンギヤP4と、第3のサンギヤS3、ショートピニオンギヤP4、及び第2のリングギヤR2に噛合するロングピニオンギヤP3とを有している、いわゆるラビニョ型のプラネタリギヤである。 The planetary gear DP includes a first sun gear S1, a first carrier CR1, and a first ring gear R1, and the first carrier CR1 has a second pinion gear P2 meshing with the first sun gear S1, and the This is a so-called double pinion planetary gear that has a first pinion gear P1 that meshes with the pinion gear P2 and the first ring gear R1 so as to mesh with each other. On the other hand, the planetary gear unit PU has a second sun gear S2, a third sun gear S3, a second carrier CR2, and a second ring gear R2 as four rotating elements, and the second carrier CR2 This is a so-called Ravigneaux planetary gear having a short pinion gear P4 meshed with the sun gear S2, and a third sun gear S3, a short pinion gear P4, and a long pinion gear P3 meshed with the second ring gear R2.
プラネタリギヤDPの第1のサンギヤS1は、ケース6に対して回転が固定されている。また、第1のキャリヤCR1は、入力軸7Aに接続されて、入力軸7Aの回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっていると共に、第4のクラッチC4に接続されている。更に、第1のリングギヤR1は、固定された第1のサンギヤS1と入力回転する第1のキャリヤCR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、いずれも摩擦係合要素である第1のクラッチC1及び第3のクラッチC3に接続されている。
The rotation of the first sun gear S1 of the planetary gear DP is fixed with respect to the
プラネタリギヤユニットPUの第3のサンギヤS3は、第1のブレーキB1に接続されてケース6に対して固定可能となっていると共に、第4のクラッチC4及び第3のクラッチC3に接続されて、第4のクラッチC4を介して第1のキャリヤCR1の入力回転が、第3のクラッチC3を介して第1のリングギヤR1の減速回転が、それぞれ入力可能となっている。また、第2のサンギヤS2は、第1のクラッチC1に接続されており、第1のリングギヤR1の減速回転が入力可能となっている。
The third sun gear S3 of the planetary gear unit PU is connected to the first brake B1 and can be fixed to the
更に、第2のキャリヤCR2は、回転軸7Bの回転が入力される第2のクラッチ(摩擦係合要素)C2に接続されて、第2のクラッチC2を介して入力回転が入力可能となっており、また、第1のワンウェイクラッチF1及び第2のブレーキ(摩擦係合要素)B2に接続されて、第1のワンウェイクラッチF1を介してケース6に対して一方向の回転が規制されると共に、第2のブレーキB2を介して回転がケース6に対して固定可能(係止可能)となっている。そして、第2のリングギヤR2は、カウンタギヤ8に接続されている。
Further, the second carrier CR2 is connected to the second clutch (friction engagement element) C2 to which the rotation of the rotating
また、カウンタギヤ8には、カウンタシャフト部4のカウンタシャフト12上に固定されているカウンタドリブンギヤ11が噛合しており、カウンタシャフト12には、外周面上に形成されている出力ギヤ12aを介してディファレンシャル部5のギヤ14が噛合している。そして、ギヤ14は、ディファレンシャルギヤ13に固定されており、ディファレンシャルギヤ13を介して左右ドライブシャフト15,15に接続されている。
The
以上のように構成された自動変速機1は、図1のスケルトンに示す各第1〜第4のクラッチC1〜C4、第1及び第2ブレーキB1,B2、第1のワンウェイクラッチF1が、図2の係合表に示す組み合わせで係合又は解放制御されることにより、前進1速段(1ST)〜前進8速段(8TH)、及び後進1速段(Rev1)〜後進2速段(Rev2)が達成される。なお、本実施の形態においては、後進1速段及び後進2速段を達成するものを説明しているが、後進1速段だけを用いて、後進2速段を使用しないように自動変速機1を設計してもよい。また、図2中の(○)は、エンジンブレーキ時に係合することを示している。
The
[第1のクラッチC1及びその周辺における構成]
つづいて、自動変速機1において、第1のクラッチC1が配置されている部分及びその周囲の部分を、図3を用いて説明する。不図示のミッションケースの内側には、入力軸7A上にプラネタリギヤDPが配置されており、第1のサンギヤS1と、第1のキャリヤCR1と、第1のリングギヤR1とが配置されている。このうち第1のサンギヤS1は、入力軸7Aの外周面に被嵌されるとともに前方に延びるスリーブ部材71に一体的に固定されている。このスリーブ部材71は、ブッシュb5を介して入力軸7Aを回転可能に支持すると共に、ミッションケースの前方に配設された不図示のポンプカバーの内径側から後方に延設されたボス部72の内周面に一体的に固定されており、つまり第1のサンギヤS1は、ケース6に対して回転不能に固定されている。
[Configuration of first clutch C1 and its surroundings]
Next, in the
上記第1のキャリヤCR1は、後側キャリヤプレートCR1aと前側キャリヤプレートCR1bとを有していて、それらによって軸方向に架け渡される第1のピニオンシャフトPS1及び第2のピニオンシャフトPS2を支持している。そして、第1のピニオンシャフトPS1は、上記第1のピニオンギヤP1を回転可能に支持し、第2のピニオンシャフトPS2は、上記第2のピニオンギヤP2を回転可能に支持しており、上述したように第2のピニオンギヤP2はサンギヤS1に、また第1のピニオンギヤP1は、第2のピニオンギヤP2及びリングギヤR1にそれぞれ噛合している。 The first carrier CR1 has a rear carrier plate CR1a and a front carrier plate CR1b, and supports the first pinion shaft PS1 and the second pinion shaft PS2 which are spanned in the axial direction by them. Yes. The first pinion shaft PS1 rotatably supports the first pinion gear P1, and the second pinion shaft PS2 rotatably supports the second pinion gear P2, as described above. The second pinion gear P2 meshes with the sun gear S1, and the first pinion gear P1 meshes with the second pinion gear P2 and the ring gear R1.
後側キャリヤプレートCR1aは、入力軸7Aから外径側に向かってフランジ状に延設されたフランジ部7Aaに固着されている。この入力軸7Aのフランジ状の部分は、上記第1のサンギヤS1に対してスラストベアリングb4によって回転可能にかつ軸方向に位置決めされて支持されている。一方、前側キャリヤプレートCR1bには、前方にハブ部材52が固着されており、このハブ部材52に第4のクラッチC4の摩擦板51がスプライン係合されている。この第4のクラッチC4の摩擦板51は、図示を省略した第4のクラッチC4の油圧サーボを内包するクラッチドラム53にスプライン係合されており、このクラッチドラム53は、第3のクラッチC3の図示を省略した油圧サーボを内包するクラッチドラム42に駆動連結され、さらにこのクラッチドラム42は、上記第3のサンギヤS3に駆動連結された連結部材91に駆動連結されている。従って、第4のクラッチC4が係合されると、入力軸7Aの入力回転が第1のキャリヤCR1、ハブ部材52、摩擦板51、クラッチドラム53、クラッチドラム42、連結部材91を介して第3のサンギヤS3に伝達される。
The rear carrier plate CR1a is fixed to a flange portion 7Aa extending in a flange shape from the
第1のリングギヤR1は、その外周面に第3のクラッチC3の摩擦板41と、詳しくは後述する第1のクラッチC1の内摩擦板21bとがそれぞれスプライン係合されている。また、第1のリングギヤR1は、後方側の端部の内周側にスプラインR1sが形成されており、内周側に中空円板状の支持部材(対向部材)31のスプライン部31sがスプライン係合されている。支持部材31は、スナップリング32によって第1のリングギヤR1に軸方向に位置決めされる形で固定されており、つまり第1のリングギヤR1と支持部材31とが一体的に固定されている。支持部材31と上記第1のキャリヤCR1の前側キャリヤプレートCR1bとの間にはスラストベアリングb3が配置されており、また、支持部材31と詳しくは後述する第1のクラッチC1の油圧サーボ20のプレート部材24との間に配設されたスラストベアリングb2が配設されている。これにより、支持部材31は、スラストベアリングb2,b3によって挟持される形で軸方向に対して位置決め支持されている。さらに、支持部材31は、支持部材31の内径側に形成された突出部31aによってスラストベアリングb2を径方向に支持することで、径方向に対しても位置決め支持されており、つまり第1のリングギヤR1は、支持部材31を介して、軸方向及び径方向に対して位置決め支持されている。なお、支持部材31は、後述の第1のクラッチC1の油圧サーボ20に対して軸方向の一方側に対向配置され、詳細には油圧サーボ20のプレート部材24に対向配置される対向部材となる。
As for 1st ring gear R1, the
この第1のリングギヤR1にスプライン係合された第3のクラッチC3の摩擦板41は、上記クラッチドラム42にスプライン係合されており、上述したようにクラッチドラム42は上記第3のサンギヤS3に駆動連結された連結部材91に駆動連結されている。従って、第3のクラッチC3が係合されると、入力軸7Aの入力回転が減速された減速回転が第1のリングギヤR1から出力され、摩擦板41、クラッチドラム42、連結部材91を介して第3のサンギヤS3に伝達される。
The
また、上記連結部材91には、第1のブレーキB1の摩擦板61がスプライン係合されており、この摩擦板61は、不図示のミッションケースに固定されたサポート部材80にスプライン係合されている。サポート部材80は、上記カウンタギヤ8を回転可能に支持していると共に、第1のブレーキB1の油圧サーボ60を内包しており、この油圧サーボ60により摩擦板61を押圧することで第1のブレーキB1は係止される。この第1のブレーキB1が係止されると、ミッションケースに固定されたサポート部材80に対して連結部材91が回転不能に固定され、つまり第3のサンギヤS3の回転が固定される。
Further, the
ついで、第1のクラッチC1の構成について説明する。第1のクラッチC1は、上記プラネタリギヤDPの外周側から後方側にかけて、詳しくは上記第1のリングギヤR1の外周側から上記支持部材95の後方側にかけて配置されており、大まかに、外摩擦板21a及び内摩擦板21bを有する摩擦板21と、その摩擦板21を押圧可能な油圧サーボ20と、を有して構成されている。摩擦板21の内摩擦板21bは、上述したように第1のリングギヤR1にスプライン係合しており、外摩擦板21aは、クラッチドラム22のドラム部22aの内面に形成されたスプライン22sにスプライン係合されている。
Next, the configuration of the first clutch C1 will be described. The first clutch C1 is arranged from the outer peripheral side of the planetary gear DP to the rear side, more specifically from the outer peripheral side of the first ring gear R1 to the rear side of the support member 95, and roughly, the
油圧サーボ20は、大まかに、クラッチドラム22、ピストン部材23、プレート部材24、リターンスプリング(付勢部材)25を有しており、これらにより、作動油室26、キャンセル油室27を形成している。クラッチドラム22は、外周側部材22Aと内周側部材22Bとがカシメられて一体に構成されている。内周側部材22Bの前方側は、ピストン部材23に対向して作動油室26を形成するシリンダ面となっており、つまりクラッチドラム22が油圧サーボ20におけるシリンダ部材となっている。また、クラッチドラム22の内径部分には、軸方向に延びる中空軸部22cを有しており、その中空軸部22cの外周面と内周側部材22Bの外周面とがピストン部材23の摺動面となっている。また、中空軸部22cの先端部分の外周側には、中空軸部22cの外周面22fよりも内周側に段差状に形成され、プレート部材24が嵌合されて固着される固着部Fとしての外周側嵌合面(段差面)22dが形成されており、さらに、中空軸部22cの内周側には、ブッシュb1が嵌合される内周側嵌合面22eが形成されている。なお、このブッシュb1は、固着部F(詳しくは後述する溶接部X)に対して、径方向から視て軸方向に重ならないように、固着部F(溶接部X)よりも後方側の位置に配置されている。
The
上記ピストン部材23は、上述のクラッチドラム22の前方側に、上記シリンダ面に対向して軸方向に移動可能に配置されており、2本のシールリングa3,a4により、クラッチドラム22との間に油密状の作動油室26を形成している。また、ピストン部材23の外周側には、上記摩擦板21に対抗配置されて作動油室26に作動圧が供給された際に摩擦板21を押圧可能な押圧部23aが形成ており、さらに押圧部23aの先端部分には、クラッチドラム22のドラム部22aのスプライン22sにスプライン係合するスプライン23sが形成されていて、つまりピストン部材23は、クラッチドラム22に対して、スプライン係合されて軸方向に移動可能にかつ相対回転不能に配設されている。
The
プレート部材24は、概ね中空円板状に形成されており、外周側に後方に向けて延びる延出部24aを有している。延出部24aの内周面は、シールリングa5を介してピストン部材23が摺動可能な摺動面に形成されている。一方、プレート部材24の内周側には、上述したクラッチドラム22の中空軸部22cの外周側嵌合面22dに嵌合する嵌合面24cが形成されており、これらクラッチドラム22の外周側嵌合面22dとプレート部材24の嵌合面24cとが嵌合された状態で軸方向の前方側から溶接されることで固着部Fに溶接部Xが形成され、この溶接部Xによってクラッチドラム22に対してプレート部材24が一体的に固着部Fにおいて固着されている。これにより、プレート部材24とピストン部材23との間には、内周側から供給される潤滑油を溜めて作動油室26の遠心油圧をキャンセルするキャンセル油室27を形成している。このようにプレート部材24がクラッチドラム22に固着されることで、プレート部材24は軸方向におけるキャンセル油室27の側に移動不能となっている。
The
また、プレート部材24と、その後方に配置されたピストン部材23との間には、複数のリターンスプリング25が縮設されており、ピストン部材23をクラッチドラム22のシリンダ面の方向、つまり作動油室を縮める方向に付勢している。複数のリターンスプリング25のそれぞれは、後方側(ピストン側)の端部が座金28に固定され、前方側(プレート部材側)の端部が座金29に着座され、複数のリターンスプリング25の周方向位置(周方向の間隔)が位置決め支持されている。
A plurality of return springs 25 are contracted between the
ところで、例えば特開2008−115915号公報のように、キャンセル油室を形成するプレート部材をスナップリングで位置決めすると、クラッチを係合した際にエンジンからの爆発振動による相対回転方向の振動が生じ、肉厚が薄くかつ内径側に位置して表面積が小さいスナップリングに摩耗が生じ易い。そのため、特許文献1のように、スナップリングやそれを嵌合する溝に、高価な表面処理を施すことも行われているが、コストダウンの妨げとなっている。
By the way, for example, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2008-115915, when the plate member forming the cancel oil chamber is positioned by the snap ring, vibration in the relative rotation direction due to explosion vibration from the engine occurs when the clutch is engaged, Wear is likely to occur in a snap ring having a small wall thickness and a small surface area located on the inner diameter side. For this reason, as in
本実施の形態では、ピストン部材23は、上述したようにクラッチドラム22にスプライン係合されているが、そのスプラインのガタの分、第1のクラッチC1が係合された際にエンジンの爆発振動に起因する相対回転方向に対して相対移動する。この際、座金28とピストン部材23との間、或いは座金29とプレート部材24との間で、相対移動による摺動が生じるが、キャンセル油室27が潤滑油で満たされており、また、例えば特開2008−115915号公報のスナップリングのように摺動する部分の面積が小さいものでもないので、摩耗等に起因する耐久性について殆ど考慮しなくてもよい。また特に、スナップリングの耐久性を向上するためには、座金28とピストン部材23との間、或いは座金29とプレート部材24との間に、低摩擦のシート部材を配置し、ピストン部材23の回転力がプレート部材24に伝達され難くすることも考えられるが、本実施の形態においては、このような低摩擦のシート部材を設けることも不要となっている。
In the present embodiment, the
ところで、例えば座金29を無くして、プレート部材24にリターンスプリング25の端部を位置決め支持する穴を形成しても構わないが、その場合は、穴を形成しても耐久性が下がらないように、プレート部材24の肉厚を厚くする必要が生じ、軸方向の短縮化が図り難くなるため、本実施の形態においては、座金29を設けてリターンスプリング25を支持することで、プレート部材24の薄肉化を図り、軸方向の短縮化を図っている。
By the way, for example, the
一方、プレート部材24の座金29が着座する部分の内周側には、後方側(キャンセル油室27側)に凹状に屈曲され、凹状における底面24dと内周側の外周面24eと外周側の内周面24fとにより形成された凹部24bが形成されている。凹部24bの底面24dは、軸方向において上記嵌合面24cの後方側端部よりも後方に位置するように形成されており、その底面と上述の支持部材31との間にスラストベアリングb2が挟持されるように配置されている。即ち、スラストベアリングb2は、径方向から視て軸方向に少なくとも一部が上記リターンスプリング25と重なるように配置されている。そして、プレート部材24は入力軸7Aに支持されているクラッチドラム22に固着部Fの溶接部Xにより固着されているため、第1のリングギヤR1に生じるスラスト力は、支持部材31、スラストベアリングb2を介してプレート部材24及びクラッチドラム22に支持される。
On the other hand, on the inner peripheral side of the portion where the
また、スラストベアリングb2は、プレート部材24の凹部24bにおける外周側の内周面24fと、上記支持部材31の突出部31aとによって径方向に対しても位置決め支持されている。スラストベアリングb2の径方向の位置は、例えば特開2008−115915号公報のように、クラッチドラム22の中空軸部22cの先端部分に支持されるように配置される場合に比して、外周側に配置されるため、つまりスラストベアリングb2が配置される位置の直径が大きい。そのため、スラストベアリングb2に設けられるローラの数を増やすことができ、1つのローラが受圧するスラスト力を分散することが可能となっているため、ローラの強度を高くすることが不要となり、ローラに高価な表面処理を施す等、耐久性向上のための処理が不要となって、スラストベアリングb2のコストダウンも図ることが可能となっている。
The thrust bearing b <b> 2 is also positioned and supported in the radial direction by the inner
そして、スラストベアリングb2は、凹部24bの底面に当接して支持されており、言い換えると、凹部24bに収納された形で配置されており、クラッチドラム22の中空軸部22cの先端よりも後方で、固着部Fに対して径方向から視て軸方向に重なる位置に配置されている。これにより、プレート部材24と支持部材31とを軸方向に近づけることができる。さらに、スラストベアリングb2をクラッチドラム22の外周側に配置したことで、クラッチドラム22の先端と入力軸7Aとの間で支持部材31を支持することも不要となって、支持部材31をクラッチドラム22の先端に対向するように内周側に延ばすことも不要となるので、クラッチドラム22と入力軸7Aのフランジ部7Aaとを近づけることができる。従って、これらの構成により、自動変速機1の軸方向の短縮化が可能となっている。
The thrust bearing b2 is supported in contact with the bottom surface of the
[第1のクラッチC1及びその周辺における油路の構成]
つづいて、各油路の構成について説明する。上記入力軸7Aには、軸方向に対し、油路c11と油路c22とが形成されており、その軸方向の油路c11に連通する油路c12が形成されている。油路c12は、入力軸7Aとクラッチドラム22との間をシールリングa1,a2にシールされて、該クラッチドラム22に形成された油路c13に連通して、作動油室26に連通されている。即ち、不図示の油圧制御装置から油路c11,c12,c13を介して作動油室26に第1のクラッチC1の作動圧が供給される。
[Configuration of oil passage in first clutch C1 and its surroundings]
Next, the configuration of each oil passage will be described. An oil passage c11 and an oil passage c22 are formed in the
一方、回転軸7Bには、軸方向に油路c21が形成されており、回転軸7Bが入力軸7Aに嵌合されているため、油路c21は、入力軸7Aに軸方向に形成された油路c22に連通している。また、入力軸7Aにおいて、油路c22からは外周側に貫通する油路c23,c26,c27が形成されており、油路c26は上記ブッシュb1の内周側で開口し、油路c27は上記第1のサンギヤS1とスラストベアリングb4との付近に開口している。即ち、不図示の油圧制御装置から油路c21に潤滑油が供給されると、油路c22を介して、油路c26と油路c27とから入力軸7Aの外周に潤滑油が飛散される。油路c26から飛散された潤滑油は、ブッシュb1を潤滑し、後述する油路c24,c25やクラッチドラム22の中空軸部22cの先端側を通って、スラストベアリングb2,b3を潤滑し、さらに、第1のクラッチC1の摩擦板21、第1のブレーキB1の摩擦板61等を潤滑して、不図示のミッションケースの内周面で受け止められて、油溜まりに戻される。また、油路c27から飛散された潤滑油は、スラストベアリングb4を潤滑し、プラネタリギヤDPの各ギヤを潤滑し、さらに、第1のクラッチC1の摩擦板21、第1のブレーキB1の摩擦板61等を潤滑して、不図示のミッションケースの内周面で受け止められて、油溜まりに戻される。
On the other hand, since the oil path c21 is formed in the axial direction on the
また、上記油路c23から飛散された潤滑油は、クラッチドラム22の中空軸部22cに形成された油路c24を介してキャンセル油室27に供給され、遠心力によりキャンセル油室27の外周側から潤滑油が溜まると、プレート部材24に形成され、スラストベアリングb2,b3の内周側に開口した貫通孔である油路c25から溢れた潤滑油が外周に向けて飛散され、スラストベアリングb2及びスラストベアリングb3を潤滑し、さらに、第1のクラッチC1の摩擦板21、第1のブレーキB1の摩擦板61等を潤滑して、不図示のミッションケースの内周面で受け止められて、油溜まりに戻される。
Further, the lubricating oil scattered from the oil passage c23 is supplied to the cancel
ところで、スラストベアリングb2に相当するような油圧サーボ20とそれに隣接する部材との相対回転を許容するスラストベアリングが、例えば特開2008−115915号公報のもののようにクラッチドラム22の中空軸部22cの先端で支持されていると、入力軸7Aに例えば軸方向の油路c11からスラストベアリングのための油路を径方向から穿設して設け、潤滑油を供給する必要が生じる。しかしながら、本実施の形態のように、スラストベアリングb2が油路c25よりも外周側に配置されていることで、キャンセル油室27から溢れた潤滑油でスラストベアリングb2を潤滑することができるので、入力軸7Aに油路を穿設することが不要となり、その分、入力軸7Aの製造コストの低減が図れ、かつ強度低下の防止も図られる。
By the way, a thrust bearing that allows relative rotation between the
また、上記油路c25は、キャンセル油室27から固着部Fの溶接部Xを迂回する形でプレート部材24における凹部24bの内周側の外周面24eに開口するように形成されており、かつキャンセル油室27から油圧サーボ20の外側に向かうにつれて外周側に傾斜するように形成されている。上述したように、クラッチドラム22とプレート部材24とは、溶接部Xで溶接されるが、この際、クラッチドラム22の外周側嵌合面22dとプレート部材24の嵌合面24cとが嵌合される軸方向(面方向)にレーザ光等のエネルギービームを照射して溶接する。この溶接時にはスパッタ(スラグ、金属粒)が発生し、溶接部Xから飛散するが、油路c25の開口が凹部24bの内周側の外周面24eに形成され、つまり外周方向に向いているため、スパッタがキャンセル油室27に入り難くなっている。例えばキャンセル油室27にスパッタが入り込むと、クラッチドラム22とピストン部材23との摺動、或いはピストン部材23とプレート部材24との摺動を妨げ、第1のクラッチC1の係合制御における制御性に影響を及ぼす可能性があるが、スパッタがキャンセル油室27に入り難く構成されていることで、第1のクラッチC1の制御性に影響を及ぼすことの防止が図られる。また、油路c25は、キャンセル油室27から油圧サーボ20の外側に向かうにつれて外周側に傾斜するように形成されており、つまりスラストベアリングb2,b3の内周側で支持部材31の内周側の端部に向かって形成されているため、油路c25から飛散される潤滑油がスラストベアリングb2とスラストベアリングb3との両方を潤滑することができるように構成されている。
The oil passage c25 is formed to open to the outer
このように油路c25は、溶接部Xを迂回するようにプレート部材24の凹部24bの内周側に形成されているが、その分、油路c25の内周側の端部がクラッチドラム22の中空軸部22cから離れて外径側に位置しており、キャンセル油室27に溜まる油面の内径が外周側に拡がっている形となる。従って、作動油室26の内径とキャンセル油室27の内径とが径方向にオフセットされていることになるが、プレート部材24の延出部24aがピストン部材23の外周側に摺動可能に被さっており、作動油室26の外径とキャンセル油室27の外径とについても径方向にオフセットされていて、これら作動油室26とキャンセル油室27とのそれぞれの受圧面積が略等しくなるように構成されている。従って、作動油室26に発生する遠心油圧とキャンセル油室27に発生する遠心油圧とが略釣り合うように構成されている。
As described above, the oil passage c25 is formed on the inner peripheral side of the
なお、例えば作動油室26の内径及び外径をキャンセル油室27の内径及び外径に合わせて外周側に配置しようとすると、ピストン部材23を摩擦板21に向けて屈曲させる部分の曲率が小さくなって、ピストン部材23を形成することが困難になってしまうが、このように受圧面積が略等しくなるように内外径にオフセットすることで、ピストン部材23の製造も容易になっている。
If, for example, the inner and outer diameters of the
そして、キャンセル油室27の内径がクラッチドラム22の中空軸部22cから離れるようにプレート部材24が屈曲形成されているため、ピストン部材23が軸方向に移動された際、ピストン部材23の内径側の先端部分がプレート部材24の凹部24bの内周側に入り込めるように構成されており、その分、プレート部材24をクラッチドラム22のシリンダ面の側に近づけて配置することができていて、油圧サーボ20の軸方向の短縮化、つまり自動変速機1の軸方向の短縮化が図れている。
Since the
[第1のクラッチC1の製造時について]
ついで、第1のクラッチC1の製造時について説明する。自動変速機1における第1のクラッチC1を製造する際には、まず、外周側部材22Aと内周側部材22Bとをカシメてクラッチドラム22を形成し、シールリングa3,a4をクラッチドラム22に嵌め、さらに、ブッシュb1をクラッチドラム22に嵌めてから、ピストン部材23をクラッチドラム22に嵌め込む。続いて、ピストン部材23にシールリングa5を嵌め、さらに、座金28及び座金29を嵌めたリターンスプリング25をピストン部材23に設置し、リターンスプリング25を縮めながら、プレート部材24をクラッチドラム22とピストン部材23とに嵌め込む。そして、クラッチドラム22の中空軸部22cの外周側嵌合面22dとプレート部材24の嵌合面24cとが嵌合している部分に、レーザ光を軸方向の前方側から照射しつつ一周させて、円周状の溶接部Xを形成するように溶接を行う。
[About the production of the first clutch C1]
Next, the manufacturing process of the first clutch C1 will be described. When manufacturing the first clutch C1 in the
その次に検査工程に進み、溶接部Xの軸方向の長さ(深さ)が適切に形成されているか否かを検査するため、クラッチドラム22の内周側の空間に、検査機を挿入し、固着部FにX線を照射しつつ検査を行い、適切に溶接部Xが形成されていることを確かめた後、問題が無ければ次の組立工程に進む。なお、次以降の組立工程では、摩擦板21を組付け、また、スラストベアリングb2や支持部材31を含むプラネタリギヤDPが入力軸7Aに組付けられたユニットをクラッチドラム22に組付けることになる。
Next, the process proceeds to an inspection process, and an inspection machine is inserted into the inner space of the
このように検査工程は、溶接部Xを溶接した後、かつ入力軸7Aが組付けられる前の工程であって、さらに、ブッシュb1が固着部Fに対して径方向から視て軸方向に重ならない位置に配置されていることで、固着部Fにおける溶接部Xの溶接状態をクラッチドラム22の内側からX線等(超音波であってもよい)を用いて検査する際に、ブッシュb1が邪魔となってしまうことの防止が図られている。また、溶接部Xを溶接により形成する際に、溶接部Xからブッシュb1が軸方向に離れているため、ブッシュb1が熱歪みによる影響を受け難くなり、ブッシュb1が熱変形することを防止でき、入力軸7Aに対するクラッチドラム22の位置精度を良好に保つことができる。
As described above, the inspection process is a process after welding the welded portion X and before the
[本実施の形態のまとめ]
以上のように、本車両用駆動装置(1)は
複数の摩擦板(21)と、
シリンダ部材(22)と、前記シリンダ部材(22)に対して軸方向に移動可能に配置され、前記シリンダ部材(22)との間に作動油室(26)を形成し、前記作動油室(26)に供給される油圧により前記複数の摩擦板(21)を押圧可能なピストン部材(23)と、前記ピストン部材(23)に対して軸方向の一方側に対向配置され、前記作動油室(26)に生じる遠心油圧をキャンセルするキャンセル油室(27)を形成するプレート部材(24)と、を有する油圧サーボ(20)と、
前記油圧サーボ(20)に対して軸方向の一方側に対向配置される対向部材(31)と、
前記油圧サーボ(20)と前記対向部材(31)との間に配置され、前記油圧サーボ(20)と前記対向部材(31)との相対回転を許容すると共に軸方向の相対位置を位置決めする軸受(b2)と、を備え、
前記プレート部材(24)は、前記シリンダ部材(22)に、固着部(F)において軸方向における前記キャンセル油室(27)側に移動不能に固着され、かつ前記軸受(b2)を支持する。
[Summary of this embodiment]
As described above, the vehicle drive device (1) includes a plurality of friction plates (21),
A hydraulic oil chamber (26) is formed between the cylinder member (22) and the cylinder member (22) so as to be movable in the axial direction, and the hydraulic oil chamber (26) is formed between the cylinder member (22). 26) a piston member (23) capable of pressing the plurality of friction plates (21) by hydraulic pressure supplied to the piston member (23), and opposed to the piston member (23) on one side in the axial direction, and the hydraulic oil chamber A hydraulic servo (20) having a plate member (24) forming a cancel oil chamber (27) for canceling the centrifugal hydraulic pressure generated in (26);
A counter member (31) disposed opposite to the hydraulic servo (20) on one side in the axial direction;
A bearing that is disposed between the hydraulic servo (20) and the opposing member (31), and that allows relative rotation between the hydraulic servo (20) and the opposing member (31) and positions the relative position in the axial direction. (B2)
The plate member (24) is fixed to the cylinder member (22) so as not to move toward the cancel oil chamber (27) in the axial direction at the fixing portion (F), and supports the bearing (b2).
これにより、キャンセル油室27を形成するプレート部材24が、クラッチドラム22に固着部Fにおいて固着され、かつスラストベアリングb2を支持しているので、スナップリング等を用いる場合のように高価な表面処理が不要となり、コストダウンを図ることができると共に、クラッチドラム22と支持部材31との間にスラストベアリングb2が配置されてしまうことも防止され、軸方向の短縮化も図ることができる。
As a result, the
また、本車両用駆動装置(1)は、
前記シリンダ部材(22)は、軸方向に延びる中空状の中空軸部(22c)を有し、
前記中空軸部(22c)は、先端に外周面(22f)よりも内周側に段差状に形成され、前記プレート部材(24)が固着される前記固着部(F)となる段差面(22d)を有し、
前記軸受(b2)と前記固着部(F)とが径方向から視て軸方向に少なくとも一部が重なる位置となるように形成されている。
Moreover, this vehicle drive device (1)
The cylinder member (22) has a hollow hollow shaft portion (22c) extending in the axial direction,
The hollow shaft portion (22c) has a stepped surface (22d) which is formed at the tip in a step shape on the inner peripheral side of the outer peripheral surface (22f) and serves as the fixing portion (F) to which the plate member (24) is fixed. )
The bearing (b2) and the fixing portion (F) are formed so as to be at least partially overlapped in the axial direction when viewed from the radial direction.
これにより、スラストベアリングb2が固着部Fよりも支持部材31の側に突出せず、支持部材31を油圧サーボ20に近づけて配置することができ、軸方向の短縮化を図ることができる。
As a result, the thrust bearing b2 does not protrude toward the
また、本車両用駆動装置(1)は、
前記プレート部材(24)は、前記キャンセル油室(27)から溢れた油を排出する貫通孔(c25)を有し、
前記貫通孔(c25)は、前記軸受(b2)より内周側に開口するように形成されている。
Moreover, this vehicle drive device (1)
The plate member (24) has a through hole (c25) for discharging oil overflowing from the cancel oil chamber (27),
The through hole (c25) is formed so as to open to the inner peripheral side from the bearing (b2).
これにより、キャンセル油室27から溢れた潤滑油によりスラストベアリングb2を潤滑することができる。
Thereby, the thrust bearing b <b> 2 can be lubricated by the lubricating oil overflowing from the cancel
また、本車両用駆動装置(1)は、
前記プレート部材(24)は、前記対向部材(31)と対向し、前記キャンセル油室(27)側に凹む凹部(24b)を有し、
前記貫通孔(c25)は、前記凹部(24b)の内周側の外周面(24e)に開口するように形成されている。
Moreover, this vehicle drive device (1)
The plate member (24) is opposed to the opposing member (31) and has a recess (24b) that is recessed toward the cancel oil chamber (27).
The through hole (c25) is formed to open to the outer peripheral surface (24e) on the inner peripheral side of the concave portion (24b).
これにより、溶接部Xを溶接する際に発生するスパッタがキャンセル油室27に入り難くすることができ、ピストン部材23の摺動に影響を及ぼすことを防止できて、第1のクラッチC1の制御性に影響を及ぼすことを防止できる。
As a result, it is possible to make it difficult for the spatter generated when welding the welded part X to enter the cancel
前記貫通孔(c25)は、前記キャンセル油室(27)から前記油圧サーボ(20)の軸方向の外側に向かうにつれて外周側に傾斜するように形成されている。 The through hole (c25) is formed so as to be inclined toward the outer peripheral side from the cancel oil chamber (27) toward the outer side in the axial direction of the hydraulic servo (20).
これにより、支持部材31の内周側の端部に潤滑油を供給でき、スラストベアリングb2に加え、スラストベアリングb3にも潤滑油を供給することができる。
As a result, the lubricating oil can be supplied to the inner peripheral end of the
また、本車両用駆動装置(1)は、
前記油圧サーボ(20)の内周側に配置される軸部材(7A)と、
前記軸部材(7A)と前記シリンダ部材(22)との間に配置されるブッシュ(b1)と、を備え、
前記ブッシュ(b1)は、前記固着部(F)に対し、径方向から視て軸方向に重ならない位置に配置される。
Moreover, this vehicle drive device (1)
A shaft member (7A) disposed on the inner peripheral side of the hydraulic servo (20);
A bush (b1) disposed between the shaft member (7A) and the cylinder member (22),
The said bush (b1) is arrange | positioned with respect to the said adhering part (F) in the position which does not overlap in an axial direction seeing from radial direction.
これにより、溶接部Xを検査する際にブッシュb1が邪魔することを防止することができる。また、溶接部Xを溶接により形成する際に、ブッシュb1が熱歪みによる影響を受け難くなり、入力軸7Aに対するクラッチドラム22の位置精度を良好に保つことができる。
Thereby, when inspecting the welding part X, it can prevent that the bush b1 disturbs. Further, when the welded portion X is formed by welding, the bush b1 is not easily affected by thermal distortion, and the positional accuracy of the
そして、本車両用駆動装置(1)は、
前記油圧サーボ(20)は、前記ピストン部材(23)と前記プレート部材(24)との間に縮設された付勢部材(25)を有し、
前記軸受(b2)は、径方向から視て軸方向に少なくとも一部が前記付勢部材(25)に重なるように配置されている。
And this vehicle drive device (1)
The hydraulic servo (20) has a biasing member (25) that is contracted between the piston member (23) and the plate member (24),
The bearing (b2) is arranged so that at least a part thereof overlaps the urging member (25) in the axial direction when viewed from the radial direction.
これにより、リターンスプリング25とスラストベアリングb2とが軸方向に並設されることがなく、軸方向の短縮化を図ることができる。
Accordingly, the
[他の実施の形態の可能性]
なお、本実施の形態においては、前進8速段及び後進2速段を達成可能な自動変速機1を一例として説明したが、自動変速機の段数はどのようなものであってもよく、また、FR(フロントエンジン、リヤドライブ)タイプのようなエンジンのクランク軸が進行方向に対して縦置きの車両に用いられる自動変速機であってもよく、さらに、モータ・ジェネレータを搭載したハイブリッド駆動装置であってもよく、つまりキャンセル油室を有する油圧サーボを備えたものであれば、どのようなものであってもよい。
[Possibility of other embodiments]
In the present embodiment, the
また、本実施の形態においては、油圧サーボ20に対向配置される対向部材が、第1のリングギヤR1を支持する支持部材31であるものを説明したが、これに限らず、例えば特開2008−115915号公報のようにリングギヤを支持する支持部材が無く、キャリヤCRのキャリヤプレートが対向部材となるようなものであってもよく、さらには、他の油圧サーボ、センターサポート、ミッションケース、ポンプボディ、ミッションケースカバーなど、どのようなものが対向部材であっても構わない。
Further, in the present embodiment, the description has been given of the example in which the facing member disposed to face the
また、本実施の形態においては、プレート部材24と支持部材31との間にスラストベアリングb2を配置してものを説明したが、これに限らず、スラストベアリングはボールベアリング等、どのような軸受であってもよい。
In this embodiment, the thrust bearing b2 is disposed between the
また、本実施の形態においては、固着部Fをレーザ光により溶接して固着するものとして説明したが、これに限らず、固着できるものであれば、例えば電子ビーム溶接、摩擦溶接、アーク溶接など、どのような溶接手法であってもよく、また、どのような固着方法であってもよい。 In the present embodiment, the fixing portion F is described as being fixed by welding with a laser beam. However, the present invention is not limited to this, and any material that can be fixed, for example, electron beam welding, friction welding, arc welding, or the like. Any welding method may be used, and any fixing method may be used.
1…車両用駆動装置(自動変速機)
7A…軸部材(入力軸)
20…油圧サーボ
21…摩擦板
22…シリンダ部材(クラッチドラム)
22c…中空軸部
22d…段差面(外周側嵌合面)
22f…外周面
23…ピストン部材
24…プレート部材
24b…凹部
24e…内周側の外周面
25…付勢部材(リターンスプリング)
26…作動油室
27…キャンセル油室
31…対向部材(支持部材)
b1…ブッシュ
b2…軸受(スラストベアリング)
c25…貫通孔(油路)
F…固着部
1 ... Vehicle drive unit (automatic transmission)
7A ... Shaft member (input shaft)
20 ...
22c ...
22f ... outer
26 ...
b1 ... bush b2 ... bearing (thrust bearing)
c25 ... through hole (oil passage)
F ... Fixed part
Claims (7)
シリンダ部材と、前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に配置され、前記シリンダ部材との間に作動油室を形成し、前記作動油室に供給される油圧により前記複数の摩擦板を押圧可能なピストン部材と、前記ピストン部材に対して軸方向の一方側に対向配置され、前記作動油室に生じる遠心油圧をキャンセルするキャンセル油室を形成するプレート部材と、を有する油圧サーボと、
前記油圧サーボに対して軸方向の一方側に対向配置される対向部材と、
前記油圧サーボと前記対向部材との間に配置され、前記油圧サーボと前記対向部材との相対回転を許容すると共に軸方向の相対位置を位置決めする軸受と、を備え、
前記プレート部材は、前記シリンダ部材に、固着部において軸方向における前記キャンセル油室側に移動不能に固着され、かつ前記軸受を支持する、
車両用駆動装置。 A plurality of friction plates;
A hydraulic fluid chamber is formed between the cylinder member and the cylinder member so as to be movable in the axial direction. A hydraulic oil chamber is formed between the cylinder member and the plurality of friction plates are pressed by hydraulic pressure supplied to the hydraulic oil chamber. A hydraulic servo comprising: a possible piston member; and a plate member that is arranged opposite to the piston member on one side in the axial direction and forms a cancel oil chamber that cancels the centrifugal oil pressure generated in the hydraulic oil chamber;
A facing member disposed to face one side in the axial direction with respect to the hydraulic servo;
A bearing disposed between the hydraulic servo and the opposing member, allowing relative rotation between the hydraulic servo and the opposing member and positioning a relative position in the axial direction;
The plate member is fixed to the cylinder member so as not to move to the cancel oil chamber side in the axial direction at the fixing portion, and supports the bearing.
Vehicle drive device.
前記中空軸部は、先端に外周面よりも内周側に段差状に形成され、前記プレート部材が固着される前記固着部となる段差面を有し、
前記軸受と前記固着部とが径方向から視て軸方向に少なくとも一部が重なる位置となるように形成されている、
請求項1に記載の車両用駆動装置。 The cylinder member has a hollow shaft portion extending in the axial direction,
The hollow shaft portion is formed in a stepped shape on the inner peripheral side with respect to the outer peripheral surface at the tip, and has a step surface that becomes the fixing portion to which the plate member is fixed,
The bearing and the fixing portion are formed so as to be at a position where at least a part thereof overlaps in the axial direction when viewed from the radial direction.
The vehicle drive device according to claim 1.
前記貫通孔は、前記軸受より内周側に開口するように形成されている、
請求項1または2に記載の車両用駆動装置。 The plate member has a through hole for discharging oil overflowing from the cancel oil chamber,
The through hole is formed so as to open to the inner peripheral side from the bearing,
The vehicle drive device according to claim 1 or 2.
前記貫通孔は、前記凹部の内周側の外周面に開口するように形成されている、
請求項3に記載の車両用駆動装置。 The plate member is opposed to the opposing member, and has a recess that is recessed toward the cancel oil chamber.
The through hole is formed to open to the outer peripheral surface on the inner peripheral side of the recess,
The vehicle drive device according to claim 3.
請求項3または4に記載の車両用駆動装置。 The through hole is formed so as to be inclined toward the outer peripheral side from the cancel oil chamber toward the outside in the axial direction of the hydraulic servo.
The vehicle drive device according to claim 3 or 4.
前記軸部材と前記シリンダ部材との間に配置されるブッシュと、を備え、
前記ブッシュは、前記固着部に対し、径方向から視て軸方向に重ならない位置に配置される、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。 A shaft member disposed on the inner peripheral side of the hydraulic servo;
A bush disposed between the shaft member and the cylinder member,
The bush is disposed at a position that does not overlap in the axial direction when viewed from the radial direction with respect to the fixing portion.
The vehicle drive device according to any one of claims 1 to 5.
前記軸受は、径方向から視て軸方向に少なくとも一部が前記付勢部材に重なるように配置されている、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。 The hydraulic servo has a biasing member that is contracted between the piston member and the plate member,
The bearing is disposed so that at least a portion thereof overlaps the biasing member in the axial direction when viewed from the radial direction.
The vehicle drive device according to any one of claims 1 to 6.
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2018
- 2018-03-27 JP JP2018060499A patent/JP2019173804A/en active Pending
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Legal Events
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