JP2019171768A - 複合体の製造方法および複合体の製造装置 - Google Patents

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吉田 剛之
Takayuki Yoshida
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Abstract

【課題】塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合強度をより簡易な方法で高めることができる、複合体をレーザーの照射によって製造する方法を提供する。【解決手段】本発明は、塗装金属素形材、および、前記塗装金属素形材に接合した熱可塑性樹脂組成物の成形体、を有する複合体を製造する方法である。本発明は、前記塗装金属素形材の表面に前記成形体を配置する工程と、前記有機樹脂層と前記成形体とが接触している接触部にレーザーを照射して、前記成形体と前記塗装金属素形材とを接合させる工程と、を含む。前記レーザーは、レーザーの光路に配置された減光部材によってその一部を吸収または反射されることにより、照射範囲の中心部に照射される強度が低減される。【選択図】図2

Description

本発明は、塗装金属素形材に熱可塑性樹脂組成物の成形体が接合した複合体の製造方法、および当該方法により複合体を製造する装置に関する。
金属素形材は、金属板、そのプレス成形品、あるいは、鋳造、鍛造、切削、粉末冶金などにより成形された金属製の部材である。金属素形材は、今日、自動車をはじめとするあらゆる工業製品を製造する上で欠かせない。金属素形材に熱可塑性樹脂組成物の成形体が接合した複合体は、金属のみからなる部品よりも軽量である一方、樹脂のみからなる部品よりも強度が高い。このため、当該複合体は、携帯電話機やパーソナルコンピューターなどの電子機器に使用されている。
上記複合体の製造方法として、特許文献1に記載のように、金属素形材の表面に有機樹脂層を形成してなる塗装金属素形材の表面に上記成形体を配置し、上記有機樹脂層と上記成形体とが接触している接触部をレーザーの照射により加熱して、上記有機樹脂層と上記成形体とを融着させ、これにより上記塗装金属素形材と上記成形体とを接合させる方法が開発されている。
なお、特許文献2には、樹脂部材同士を加熱溶着させる際に、ガルバノスキャナでレーザーを高速走査することで、溶着領域の全域を同時に昇温させる方法が記載されている。
また、特許文献3でも、上記光強度を調整したレーザーを溶着予定領域に走査して、樹脂部材同士を接合させている。特許文献3では、レーザーの照射により樹脂部材同士を溶着させる際に、アキシコンレンズを用いて中央部の光強度を周囲部の光強度よりも低くしたレーザーを照射することで、レーザーの照射領域中央部における入熱過多による損傷の発生が防止されると記載されている。
特開2015−080884号公報 特開2014−037141号公報 特開2012−179920号公報
特許文献1に記載されているようなレーザーの照射による加熱は、上記有機樹脂層と上記成形体とが接触している接触部の広い範囲を非接触かつ均一に加熱することができるため、有用である。特に、接触部の広い範囲を均一に加熱することができることは、接触部を均一に接合させることを容易とし、それにより、上記複合体の接合強度をより高めることを可能とする。上記接合強度をより高めることができれば、上記複合体を適用できる用途をより広げることもできると期待される。
レーザーを照射して対象物を加熱するとき、照射されたレーザーの強度は照射されたレーザー光の中央部で高くなるため、加熱された対象物の温度も中央部で高くなりやすい。そのため、レーザーが照射される照射範囲の全域を十分に加熱しようとすると、高温になりすぎた中央部に気泡が生じ、中央部の接合強度が低下するおそれがある。
これに対し、レーザー径を小さくしつつ、特許文献2および特許文献3に記載のようにレーザーを走査すれば、照射範囲の全域をより均等に加熱できると期待される。なお、塗装金属素形材は、有機樹脂層の背面に金属素形材が配置されているため、有機樹脂層の熱が背面側から抜熱されやすい。そのため、レーザーを走査して接触部を加熱するときには、加熱量が抜熱量を上回るようにレーザーを走査する必要がある。このとき、照射範囲へのエネルギー密度を高めようとしてレーザー径を小さくしすぎると、金属素形材の表面または有機樹脂層の表面がレーザーで溶融もしくは変形してしまい、かえって接合強度が弱まることがある。逆に、レーザー径を大きくしすぎると、レーザーの中央部が移動した領域が過熱されて、当該領域で気泡が発生しやすくなる。
このように、塗装金属素形材と成形体とをレーザーの照射により接合させるとき、レーザーを走査して接触部を加熱する方法には、様々な困難がある。しかし、照射範囲を接触部よりも大きくしたレーザーを接触部の全体に照射して、接触部の全体を同時に昇温させると、照射範囲の中央部が過熱されて気泡が発生しやすい。
なお、特許文献3に記載のようにアキシコンレンズを用いて、中央部に照射されるレーザーの強度を低くすれば、上記過熱は抑制されると期待される。しかし、アキシコンレンズを用いた光学系には、特殊なレーザーヘッドが必要となり、レーザーの選択肢が制限されてしまう。
本発明は、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合強度をより簡易な方法で高めることができる、熱可塑性樹脂組成物の成形体が塗装金属素形材に接合した複合体をレーザーの照射によって製造する方法、および当該方法を実行するための装置を提供することを、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態は、金属素形材と前記金属素形材上に配置された厚さ0.2μm以上の有機樹脂層とを含む塗装金属素形材、および、前記塗装金属素形材に接合した熱可塑性樹脂組成物の成形体、を有する複合体を製造する方法であって、前記塗装金属素形材の表面に、前記有機樹脂層に接して前記成形体を配置する工程と、前記成形体が配置された前記塗装金属素形材の表面のうち、前記有機樹脂層と前記成形体とが接触している接触部にレーザー照射部からレーザーを照射して、前記接触部を構成する前記有機樹脂層と前記成形体とを加熱溶着させ、前記成形体と前記塗装金属素形材とを接合させる工程と、を含み、前記レーザーは、前記レーザー照射部と前記塗装金属素形材との間における前記レーザーの光路に配置された減光部材によってその一部を吸収または反射されることにより、照射範囲の中心部に照射される強度が低減される、複合体の製造方法に関する。
また、上記課題を解決するための本発明の他の実施形態は、表面に接して熱可塑性樹脂組成物の成形体が配置された、金属素形材と前記金属素形材上に配置された厚さ0.2μm以上の有機樹脂層とを含む塗装金属素形材を載置するステージと、前記ステージに配置された、前記成形体が配置された前記塗装金属素形材の表面のうち、前記有機樹脂層と前記成形体とが接触している接触部にレーザーを照射して、前記接触部を構成する前記有機樹脂層と前記成形体とを加熱溶着させ、前記成形体と前記塗装金属素形材とを接合させるレーザー照射部と、前記レーザー照射部と前記ステージに載置された前記前記塗装金属素形材との間に配置され、前記照射されるレーザーの一部を吸収または反射して、レーザーの照射範囲の中心部に照射される強度を低減させる、減光部材と、を有する、複合体の製造装置に関する。
本発明によれば、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合強度をより簡易な方法で高めることができる、熱可塑性樹脂組成物の成形体が塗装金属素形材に接合した複合体をレーザーの照射によって製造する方法、および当該方法を実行するための装置が提供される。
図1は、第1の実施形態に関する複合体の製造方法の例示的な工程を示すフローチャートである。 図2Aは、減光部材を配置しないで、表面に成形体が配置された塗装金属素形材にレーザーを照射したときの、典型的な、塗装金属素形材の表面におけるレーザー強度(実線)および温度(破線)の分布を示すグラフであり、図2Bは、減光部材を配置して、表面に成形体が配置された塗装金属素形材にレーザーを照射したときの、典型的な、塗装金属素形材の表面におけるレーザー強度(実線)および温度(破線)の分布を示すグラフである。 図3は、第2の実施形態に関する成形体と塗装金属素形材とを接合させて複合体を製造するための装置の概略構成を示す模式図である。 図4は、実施例において、減光部材を配置しなかったとき(一点鎖線)、直径1mmの円柱状の減光部材を配置したとき(点線)、および直径2mmの円柱状の減光部材を配置したとき(実線)、のそれぞれにおける、照射範囲の中心部(レーザーの照射側から見た成形体の中心)からの距離に対する温度の分布を示すグラフである。 図5は、実施例において、複合体の剥離強度を測定するために用いた引張試験装置の構成を示す模式図である。 図6Aは、実施例において、減光部材を配置しなかったときに得られた複合体の断面写真である。 図6Bは、実施例において、直径2mmの円柱状の減光部材を配置したときに得られた複合体の断面写真である。
1.複合体の製造方法
図1は、第1の実施形態に関する複合体の製造方法の例示的な工程を示すフローチャートである。本実施形態は、塗装金属素形材の表面に成形体を配置する工程(工程S120)および成形体と塗装金属素形材とを接合させる工程(工程S130)を含み、任意に、塗装金属素形材を作製する工程(工程S110)を含んでもよい。
1−1.塗装金属素形材の表面に成形体を配置する工程(工程S120)
本工程では、金属素形材と上記金属素形材上に配置された厚さ0.2μm以上の有機樹脂層とを含む塗装金属素形材の表面に、上記有機樹脂層に接して熱可塑性樹脂の成形体(以下、単に「成形体」とも言う。)を配置する。
たとえば、成形体は、少なくとも、成形体の接合されるべき部分と、塗装金属素形材の接合されるべき部分とが密着するように、塗装金属素形材の表面に有機樹脂層と接して配置される。当該工程において、当該成形体の接合されるべき部分は、塗装金属素形材の接合されるべき部分に、少なくともレーザーを照射する時に接触していればよい。
1−2.成形体と塗装金属素形材とを接合させる工程(工程S130)
本工程では、上記成形体が配置された上記塗装金属素形材の表面に、レーザー照射部からレーザーを照射して、上記有機樹脂層と上記成形体とが接触した接触部の少なくとも一部を構成する上記有機樹脂層と上記成形体とを加熱溶着させ、上記成形体と上記塗装金属素形材とを接合させる。なお、本工程においては、少なくとも有機樹脂層が加熱されて成形体に溶着すればよいが、熱による変形の度合いが許容できる範囲内である限りにおいて、成形体も同時に加熱されて有機樹脂層に溶着されていてもよい。
本工程では、上記レーザーは、接触部のより広い領域に同時に照射されることが好ましく、接触部の全体に同時に照射されることがより好ましい。これにより、レーザーを走査せずに接触部の広い範囲が同時に加熱されるため、加熱量と抜熱量との関係を考慮する必要がなくなり、レーザーの出力および照射形状の選定が容易となる。
一方で、本工程では、上記レーザーは、レーザー照射部と塗装金属素形材との間における前記レーザーの光路に配置された減光部材によってその一部を吸収または反射されることにより、照射範囲の中心部に照射される強度を低減されて、接触部に照射される。
図2Aおよび図2Bは、表面に成形体が配置された塗装金属素形材の、接触部の全域にレーザーを照射したときの、典型的な、塗装金属素形材の表面におけるレーザー強度(実線)および温度(破線)の分布を示すグラフである。
図2Aは、減光部材を配置しないときの上記分布を示すグラフである。このとき、照射されたレーザーの強度は、照射範囲の中心部で最も高くなり、中心から遠ざかるにつれて低くなる。これに伴い、塗装金属素形材の表面の温度も、照射範囲の中心部で最も高くなり、中心から遠ざかるにつれて低くなる。なお、塗装金属素形材の表面は熱伝導により間接的にも加熱されるため、照射範囲の中心部から遠い領域でも、温度はある程度高くなる。
有機樹脂層の成形温度Mは、図2Aに示す範囲となり得る。このとき、図2Aから明らかなように、接触部Wのうち、照射領域の中心部を含む領域Cでは、塗装金属素形材の表面の温度が成形温度Mより高くなってしまい、この領域Cでは気泡が発生しやすくなる。また、接触部Wのうち、接触部の外周である周縁部を含む領域Pでは、塗装金属素形材の表面の温度が成形温度Mより低くなってしまい、有機樹脂層が十分に溶融しないため塗装金属素形材と成形体との接合強度が高まりにくい。
領域Cにおける気泡の発生を抑制するためには、出射されるレーザーの強度を低くして、照射領域の中心部を含む領域Cに照射されるレーザー強度を低くして領域Cの表面温度を低くすればよい。しかし、このとき、周縁部を含む領域Pでは、塗装金属素形材の表面の温度がさらに低くなってしまうため、有機樹脂層がさらに溶融しにくくなり、塗装金属素形材と成形体との接合強度が高まりにくい。一方で、領域Pで有機樹脂層を十分に溶融させるためには、出射されるレーザーの強度を高くして、周縁部を含む領域Pに照射されるレーザー強度を高くして領域Pの表面温度を高くすればよい。しかし、このとき、中心部を含む領域Cでは、塗装金属素形材の表面の温度はさらに高くなってしまうため、気泡がさらに発生しやすくなり、塗装金属素形材と成形体との接合強度が高まりにくい。
図2Bは、本実施形態において、塗装金属素形材(および成形体)に照射される前のレーザーの光路の中心部に減光部材を配置したときの上記温度およびレーザー強度の分布を示すグラフである。上記減光部材は、照射範囲の中心部を含む領域Cに照射されるレーザーの強度を低減させて、照射されたレーザーの強度を、照射範囲の中心部の近傍で低減させる。これにより、領域Cにおける塗装金属素形材の表面の温度も低減して、気泡の発生による接合強度の低下は抑制される。また、領域Pで有機樹脂層を十分に溶融させるために出射されるレーザーの強度を高くしても、中心部を含む領域Cにおける塗装金属素形材の表面の温度は高まりにくく、気泡は発生しにくい。これにより、領域Pおよび領域Cを含む接触部Wの全域で、塗装金属素形材の表面の温度を成形温度Mに制御しやすくなり、接触部Wの全域で有機樹脂層と成形体とを十分に溶着させ、塗装金属素形材と成形体との接合強度を高めることができる。
減光部材は、レーザーを吸収または反射する材料から形成されればよいが、製造装置の構成を容易にする観点からは、レーザーを吸収する材料から選択されればよく、使用するレーザーが有する波長の光に対する吸収係数が有機樹脂層および成形体と同じか、あるいはより高い材料から選択されればよいが、上記吸収係数が有機樹脂層および成形体と同じ材料から選択されることが好ましい。
レーザーを吸収する材料の例には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化銅および酸化鉄などを含む金属酸化物、カーボンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバーなどの炭素材料、ならびに、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジインモニウム化合物、およびアゾ化合物などを含む色素が含まれる。これらの材料は、樹脂中に分散させて減光部材の形状に成形されてもよい。これらの材料は、出射されるレーザーの種類に応じて、当該レーザーを吸収する材料を適宜選択すればよい。
レーザーを反射する材料の例には、アルミニウム、発砲ポリスチレンおよび白色インクなどが含まれる。これらの材料は、成形された樹脂の表面に蒸着または貼付などされてもよい。これらの材料は、出射されるレーザーの波長に応じて、当該レーザーを吸収する材料を適宜選択すればよい。
減光部材の形状は、接触部より小さくなる限りにおいて限定されないが、レーザーの照射方向における平面視において、接触部と略相似形状であることが好ましい。
減光部材は、塗装金属素形材に照射されるレーザーの光路の中心部に配置されることが好ましい。
加熱された減光部材と成形体との溶着を抑制する観点するは、減光部材は、成形体とは非接触に配置されることが好ましい。たとえば、塗装金属素形材の表面に配置された成形体について、成形体側にレーザー透過性の固定部材を配置し、金属素形材側から塗装金属素形材を付勢することで、塗装金属素形材に対して成形体を仮固定し、成形体の位置ずれを抑制することができる。このとき、上記固定部材の、成形体とは反対側に減光部材を配置することで、成形体とは非接触に減光部材を配置することができる。なお、本明細書において、「仮固定」とは、固定部材によって容易には移動しないように付勢されているが、固定部材を取り外すことによって容易に移動可能となる状態を意味する。
また、減光部材は、塗装金属素形材に照射されるレーザーの光路に、着脱可能に配置されてもよい。これにより、成形体の形状などに応じて適切な形状の減光部材を選択することが可能となる。たとえば、上記固定部材を着脱可能とすれば、減光部材も着脱可能となる。
なお、本実施形態では、上述したように、減光部材によって塗装金属素形材の表面の温度を成形温度に制御しやすくなるため、最適な照射強度の選定も容易である。
1−3.塗装金属素形材を作製する工程(工程S110)
第1の実施形態に関する複合体の製造方法は、金属素形材の表面または後述する表面処理皮膜の表面に有機樹脂層を形成して、塗装金属素形材を作製する工程を有してもよい。
(金属素形材)
金属素形材とは、金属に熱や力などが加えられ、形を与えられたものをいう。塗装基材となる金属素形材は、金属板、そのプレス成形品、あるいは、鋳造、鍛造、切削、粉末冶金などにより成形された金属製の部材である。
金属素形材を構成する金属の種類は、電磁誘導により発熱可能な金属であれば、特に限定されない。たとえば、上記金属の種類は、鉄であってもよいし、鉄以外の金属であってもよいし、合金であってもよい。金属素形材の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板などの金属板や、そのプレス加工品、あるいは、アルミダイカスト、亜鉛ダイカストなどの鋳造・鍛造物や、切削加工、粉末冶金などにより成形された各種金属部材などが含まれる。金属素形材は、必要に応じて、脱脂、酸洗などの公知の塗装前処理が施されていてもよい。
金属素形材の形状は、後述する熱可塑性樹脂組成物の成形体が接合する形状であれば、特に限定されない。
(表面処理皮膜)
金属素形材の表面には、表面処理皮膜が配置されていてもよい。表面処理皮膜は、金属素形材と有機樹脂層の間の密着性および塗装金属素形材の耐食性を向上させる。表面処理皮膜は、塗装金属素形材の表面のうち、少なくとも熱可塑性樹脂組成物の成形体と接合する部分に配置されてもよいし、金属素形材の表面全体に配置されてもよい。
表面処理皮膜は、上記付着させる皮膜を構成する成分を含有する表面処理液を金属素形材の表面に塗布し、塗布された当該表面処理液を乾燥させることで形成されうる。表面処理液の塗布方法は、特に限定されず、既知の塗布方法から適宜選択されればよい。当該塗布方法の例には、ロールコート法、カーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法および浸漬引き上げ法が含まれる。表面処理液の乾燥条件は、表面処理液の組成などに応じて適宜設定されればよい。たとえば、表面処理液を塗布した金属素形材を水洗することなく乾燥オーブン内に投入し、金属素形材の到達温度が80〜250℃となるように加熱することで、金属素形材の表面に均一な表面処理皮膜を形成することができる。
表面処理皮膜を形成する表面処理の種類は、特に限定されない。表面処理の例には、クロメート処理、クロムフリー処理、リン酸塩処理などが含まれる。表面処理によって形成された表面処理皮膜の付着量は、塗膜密着性および耐食性の向上に有効な範囲内であれば特に限定されない。たとえば、クロメート皮膜の場合、全Cr換算付着量が5〜100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリー皮膜の場合、Ti−Mo複合皮膜ではTi換算付着量が1〜500mg/m、フルオロアシッド系皮膜ではフッ素換算付着量または総金属元素換算付着量が3〜100mg/mとなるように付着量を調整すればよい。また、リン酸塩皮膜の場合、リン換算付着量が0.1〜5g/mとなるように、各表面処理皮膜の付着量を調整すればよい。
(有機樹脂層)
有機樹脂層は、金属素形材上、すなわち金属素形材の表面または表面処理皮膜の表面、に配置される。有機樹脂層は、熱可塑性樹脂組成物の成形体に対する塗装金属素形材の接合力を高める。
有機樹脂層は、有機樹脂層の材料を含有する有機樹脂塗料を金属素形材の表面に塗布し、塗布された当該有機樹脂塗料を加熱することによって作製される。
上記有機樹脂塗料は、後述する有機樹脂を含有する。上記有機樹脂塗料は、後述する架橋剤および添加剤をさらに含有してもよい。上記有機樹脂塗料は、溶媒をさらに含有してもよい。溶媒は、上記有機樹脂塗料中の各種成分を均一に溶解または分散しうる液体である。溶媒の種類は、有機樹脂層の形成過程で蒸発する液体であれば特に限定されず、好ましくは水である。
有機樹脂層は、上記有機樹脂塗料を金属素形材(または表面処理皮膜)の表面に塗布し、例えば加熱乾燥により、溶媒(水)を蒸発させることで形成される。上記有機樹脂塗料の塗布方法は、特に限定されず、既知の方法から適宜選択されればよい。当該塗布方法の例には、ロールコート法、カーテンフロー法、スピンコート法、スプレー法および浸漬引き上げ法が含まれる。金属素形材に塗布された上記有機樹脂塗料の加熱方法は、特に限定されない。加熱時の金属素形材の到達温度は、特に限定されないが、金属素形材(または表面処理皮膜)の表面に隙間なく密着した有機樹脂層を形成する観点から、例えば、有機樹脂層を構成する組成物の融点以上250℃以下であることが好ましい。
上記有機樹脂は、金属素形材と水素結合する官能基(水素結合性官能基)を有し、上記成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物に対する溶着性を有すればよい。なお、上記水素結合性官能基の例には、カルボキシル基およびアミノ基が含まれる。たとえば、上記熱可塑性樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂組成物であれば、上記有機樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましい。また、上記熱可塑性樹脂組成物がポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、またはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂組成物であれば、上記有機樹脂は、ポリウレタン系樹脂を含むことが好ましい。有機樹脂は、一種でもそれ以上でもよい。
前述した有機樹脂は、市販品として入手することが可能である。また、有機樹脂層中の上記有機樹脂の存在は、NMR、IR、およびGC−MSなどの通常の分析機器によって確認することが可能である。
さらに、上記有機樹脂は、架橋されていてもよい。上記有機樹脂の架橋は、例えば、有機樹脂中の上記水素結合性官能基と反応する二以上の架橋性官能基を有する架橋剤によって行うことができる。上記有機樹脂を架橋することは、有機樹脂層の強度を向上させる観点から好ましい。上記架橋剤には、上記有機樹脂の架橋に用いられる公知の架橋剤を用いることができる。架橋剤の例には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤、および金属塩を有する架橋剤が含まれる。架橋剤の使用量は、金属素形材に対する有機樹脂層の接着性と、上記有機樹脂における架橋による効果との両方が得られる範囲で適宜に決められる。
(ポリプロピレン系樹脂)
上記ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン骨格と、上記水素結合性官能基とを含む高分子化合物である。上記ポリプロピレン系樹脂の例には、酸変性ポリプロピレンが含まれる。上記酸変性ポリプロピレンは、ポリプロピレンの構成単位中にカルボキシル基またはその無水物基が導入されたポリプロピレンである。上記ポリプロピレン系樹脂中の当該水素結合性官能基の量は、金属素形材に対する十分な接着性が得られる範囲から適宜に決められる。また、上記ポリプロピレン系樹脂は、上記水素結合性官能基以外の他の官能基をさらに含んでいてもよい。
上記酸変性ポリプロピレンの含有量は、有機樹脂層中の全樹脂に対して40質量%以上であることが、熱可塑性樹脂組成物の成形体と塗装金属素形材との接合力を高める観点から好ましい。有機樹脂層における酸変性ポリプロピレン含有量が40質量%未満の場合、熱可塑性樹脂組成物の成形体への有機樹脂層の溶着性が低下してしまうことがある。これにより、上記成形体と塗装金属素形材との間に十分な接合力が得られないことがある。酸変性ポリプロピレンの上記含有量の上限値は、本発明の効果が得られる範囲において、適宜に決めることができる。
上記酸変性ポリプロピレンで構成された有機樹脂層の溶融粘度は、1000〜10000mPa・sであることが好ましい。当該溶融粘度が1000mPa・s未満の場合、熱可塑性樹脂組成物の成形体との溶着の際に、上記有機樹脂層が流動してしまうことがある。このため、有機樹脂層が熱可塑性樹脂組成物に溶着せず、上記成形体と塗装金属素形材との間の接合力が不十分となることがある。一方、上記溶融粘度が10000mPa・s超の場合、上記成形体に対する上記有機樹脂層の溶着性が低下して不十分となることがある。このため、上記成形体と塗装金属素形材との間の接合力が不十分となることがある。上記溶融粘度は、ブルックフィールド型粘度計で測定される。
酸変性ポリプロピレンの酸価は、1〜500mgKOH/gであることが好ましい。酸変性ポリプロピレンの酸価が上記の範囲内であれば、後述のエマルジョンを作製する際に酸変性ポリプロピレンを中和することで、酸変性ポリプロピレン自体が界面活性剤として作用する。
上記酸変性ポリプロピレンの融点が60〜120℃であり、かつ上記酸変性ポリプロピレンの結晶化度が5〜20%であることが好ましい。上記融点および結晶化度を有する酸変性ポリプロピレンは、金属素形材の表面に対する濡れ性が高い。このため、金属素形材の表面の微細な凹凸にも密着した有機樹脂層を形成する観点から好ましい。上記融点が60℃未満または上記結晶化度が5%未満の場合、比較的低温で有機樹脂層が軟化してしまうため、例えば、保管時に塗装金属素形材の耐ブロッキング性が不十分となることがある。上記融点が120℃超または上記結晶化度が20%超の場合、上記成形体と塗装金属素形材との間の接合性が低下することがある。
なお、酸変性ポリプロピレンの融点および結晶化度は、有機樹脂塗料(有機樹脂層用の塗料)に含まれる状態(焼き付け前)と有機樹脂層の状態(焼き付けた後)とでほとんど変化しない。したがって、有機樹脂層中の酸変性ポリプロピレンの結晶化度は、酸変性ポリプロピレンを含む後述の有機樹脂塗料を、Ruland法によるX線回折により測定することで調べることができる。
上記酸変性ポリプロピレンは、例えば、酸変性ポリプロピレンを分散質とする酸変性ポリプロピレン系エマルジョンとして調製されうる。酸変性ポリプロピレン系エマルジョンは、酸変性ポリプロピレンを調製した後、酸変性ポリプロピレンを水に配合して分散することで調製されうる。また、酸変性ポリプロピレン系エマルジョンには、乳化剤として各種界面活性剤を添加してもよい。
ポリプロピレンには、アイソタクティク、アタクティク、シンジオタクティク、ヘミアイソタクティクおよびステレオタクティクの立体規則性が知られている。酸変性ポリプロピレンにおけるポリプロピレンの立体規則性は、剛性や衝撃強さなどの力学特性または耐久性の観点から、アイソタクティクであることが好ましい。
上記ポリプロピレンの重量平均分子量は、1000〜300000であることが好ましく、5000〜100000であることがさらに好ましい。ポリプロピレンの重量平均分子量が1000未満の場合、有機樹脂層の強度が低下することがある。一方、ポリプロピレンの重量平均分子量が300000超の場合、ポリプロピレンを酸変性する際に、粘度が増大してしまうため、作業が困難になることがある。
ポリプロピレンの酸変性は、ポリプロピレンをトルエンまたはキシレンに溶解させ、ラジカル発生剤の存在下で、α,β−不飽和カルボン酸および/またはα,β−不飽和カルボン酸の酸無水物および/または1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物を用いて行うことができる。または、ポリプロピレンの軟化温度あるいは融点以上まで昇温させることができる機器を使用し、ラジカル発生剤の存在下または非存在下で、α,β−不飽和カルボン酸および/またはα,β−不飽和カルボン酸の酸無水物および/または1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物を用いて行うことができる。ポリプロピレンの変性反応をトルエンおよび/またはキシレンなどの有機溶剤中で溶液状態として行う場合、または水系などでの非溶媒中で行う不均一分散系での反応の場合には、窒素置換を充分に行う必要がある。このようにして、酸変性ポリプロピレンが調製されうる。
上記ラジカル発生剤の例には、パーオキサイドおよびアゾニトリルが含まれる。上記アゾニトリルの例には、ジ−tert−ブチルパーフタレート、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシエチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、およびジ−tert−ブチルパーオキサイドなどが含まれる。上記アゾニトリルの例には、アゾビスイソブチロニトリル、およびアゾビスイソプロピオニトリルなどが含まれる。ラジカル発生剤の配合量は、ポリプロピレン100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましい。また、特に好ましくは、0.5〜30質量部である。
上記α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物の例には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸および無水アコニット酸が含まれる。上記α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物は、一種でもそれ以上でもよい。上記α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物の2種以上を組み合わせて使用すると、有機樹脂層の物性が良好になる場合が多い。
上記の1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物の例には、(メタ)アクリル酸系モノマーおよびスチレン系モノマーが含まれる。上記(メタ)アクリル酸系モノマーの例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、ジ(メタ)アクリル酸(ジ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、およびアクリルアミドなどが含まれる。上記スチレン系モノマーの例には、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、およびクロロメチルスチレンなどが含まれる。さらに、上記化合物に、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、バーサチック酸のビニルエステルなどのビニル系モノマーを併用することができる。
上記の1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物は、一種でもそれ以上でもよい。当該化合物の配合量は、ポリプロピレン100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましい。特に好ましくは、0.5〜30質量部である。
(ポリウレタン系樹脂)
上記ポリウレタン系樹脂は、ポリウレタン骨格と、上記水素結合性官能基とを含む高分子化合物である。上記ポリウレタン系樹脂の例には、ポリカーボネート含有ポリウレタン(以下、「PC含有ポリウレタン」とも言う。)が含まれる。上記ポリウレタン系樹脂中の当該水素結合性官能基の量は、金属素形材に対する十分な接着性が得られる範囲から適宜に決められる。また、上記ポリウレタン系樹脂は、上記水素結合性官能基以外の他の官能基をさらに含んでいてもよい。また、上記ポリウレタン系樹脂の重量平均分子量は、本発明の効果が得られる範囲において特に限定されない。
PC含有ポリウレタンは、分子鎖中にポリカーボネートユニットを有する。「ポリカーボネートユニット」とは、ポリウレタンの分子鎖中において下記に示す構造をいう。当該ポリカーボネートユニットは、上記PC含有ポリウレタン中に、個別に存在していてもよいし、連続して存在していてもよい。有機樹脂層におけるポリカーボネートユニットの含有量は、有機樹脂層中の全樹脂の質量に対して15〜80質量%であることが、金属素形材に対する接着性と熱可塑性樹脂組成物に対する溶着性との両方を高める観点から好ましい。ポリカーボネートユニットの上記含有量が15質量よりも少ないと、有機樹脂層が金属素形材に対して十分な強度で接着しないことがあり、80質量%よりも多いと、有機樹脂層が熱可塑性樹脂組成物の成形体に対して十分な強度で溶着しないことがある。全樹脂の質量に対するポリカーボネートユニットの質量の割合は、有機樹脂層をクロロホルムに溶解させたサンプルを用いて、核磁気共鳴分光法(NMR分析)により求めることができる。
PC含有ポリウレタンは、例えば、以下の工程により調製することができる。まず、有機ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、三級アミノ基またはカルボキシル基を有するポリオールとを反応させてウレタンプレポリマーを生成する。なお、本発明の効果が得られる範囲内において、ポリカーボネートポリオール以外のポリオール、例えばポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどを併用することは可能である。
次いで、製造したウレタンプレポリマーの三級アミノ基を、酸で中和するかまたは四級化剤で四級化した後、水で鎖伸長する。こうして、カチオン性のポリカーボネートユニット含有ポリウレタンを生成することができる。あるいは、上記ウレタンプレポリマーのカルボキシル基を、トリエチルアミンやトリメチルアミン、ジエタノールモノメチルアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリウムなどの塩基性化合物で中和してカルボン酸の塩類に変換する。こうして、アニオン性のポリカーボネートユニット含有ポリウレタンを生成することができる。上記PC含有ポリウレタンは、カチオン性のポリカーボネートユニット含有ポリウレタンであってもよいし、アニオン性のポリカーボネートユニット含有ポリウレタンであってもよい。
上記有機ポリイソシアネートの種類は、特に限定されない。有機ポリイソシアネートの例には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが含まれる。上記有機ポリイソシアネートは、一種でもそれ以上でもよい。
上記ポリカーボネートポリオールは、カーボネート化合物と、ジオール化合物と、を反応させることで得られる。上記カーボネート化合物の例には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネートなどが含まれる。上記ジオール化合物の例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、および1,6−ヘキサンジオールなどが含まれる。上記ポリカーボネートポリオールは、イソシアネート化合物によって鎖延長された化合物であってもよい。上記ポリカーボネートポリオールは、一種でもそれ以上でもよい。
三級アミノ基またはカルボキシル基を有するポリオールは、例えば、開始剤の存在下でアルカノールアミン類とジカルボン酸とを、酸塩基反応または脱水縮合させることによって得られる。上記開始剤の例には、アンモニア、第1級または第2級のモノアミン類、第1級または第2級の脂肪族ポリアミン類、および第1級または第2級の芳香族モノまたは芳香族ポリアミン類などが含まれる。上記第1級または第2級のモノアミン類の例には、メチルアミン、およびエチルアミンなどが含まれる。上記第1級または第2級の脂肪族ポリアミン類の例には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンなどが含まれる。上記第1級または第2級の芳香族モノまたは芳香族ポリアミン類の例には、アニリン、ジフェニルアミン、トルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、およびN−メチルアニリンなどが含まれる。上記アルカノールアミン類の例には、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミンなどが含まれる。上記ジカルボン酸の例には、アジピン酸およびフタル酸などが含まれる。上記三級アミノ基またはカルボキシル基を有するポリオールは、イソシアネート化合物によって鎖延長された化合物であってもよい。上記三級アミノ基またはカルボキシル基を有するポリオールは、一種でもそれ以上でもよい。
前述した有機樹脂は、市販品として入手することが可能である。また、有機樹脂層中の上記有機樹脂の存在は、NMR、IR、GC−MSなどの通常の分析機器によって確認することが可能である。
(添加剤)
有機樹脂層は、本発明の効果が得られる範囲において、添加剤をさらに含有していてもよい。当該添加剤の例には、防錆剤、リン化合物、潤滑剤、消泡剤、エッチング剤、無機化合物、ならびに色材などが含まれる。
上記防錆剤は、塗装金属素形材の耐食性を向上させ、その結果、複合体の耐食性を向上させる。防錆剤は、一種でもそれ以上でもよい。防錆剤の例には、金属化合物系防錆剤、非金属化合物系防錆剤、および有機化合物系防錆剤が含まれる。有機樹脂層における防錆剤の含有量は、防錆剤の種類に応じて、防錆剤による防錆効果と本発明の効果とが得られる範囲から適宜に決めることができる。
上記金属化合物系防錆剤の例には、Si、Ti、Zr、V、Mo、Cr、Hf、Nb、Ta、W、MgおよびCaからなる群から選択される金属の酸化物、水酸化物またはフッ化物、が含まれる。
有機樹脂層における上記防錆剤の含有量は、当該金属化合物系防錆剤の機能が発現される範囲において、適宜に決めることができる。たとえば、有機樹脂層における当該防錆剤の含有量は、上記耐食性の観点からは、Si換算含有量が0.5質量%以上、Ti換算含有量が0.005質量%以上、Zr換算含有量が0.05質量%以上、Mo換算含有量が0.005質量%以上、V換算含有量が0.02質量%以上であることが好ましい。また、有機樹脂層における防錆剤の含有量は、上記有機樹脂塗料の保管安定性の観点から、Si換算含有量が23.5質量%未満、Ti換算含有量が0.6質量%未満、Zr換算含有量が12.0質量%未満、V換算含有量が3.0質量%未満、Mo換算含有量が3.0質量%未満であることが好ましい。
上記非金属化合物系防錆剤の例には、リン酸水素二アンモニウムなどのリン酸化合物、および、チオ尿素などのチオール化合物、が含まれる。
上記有機化合物系防錆剤の例には、インヒビターおよびキレート化剤が含まれる。当該インヒビターの例には、オレイン酸、ダイマー酸、ナフテン酸などのカルボン酸、カルボン酸金属石鹸(ラノリンCa、ナフテン酸Zn、酸化ワックスCa、Ba塩など)、スルフォン酸塩(Na、Ca、Baスルフォネート)、アミン塩、および、エステル(高級脂肪酸のグリセリンエステル,ソルビタンモノイソステアレート,ソルビタンモノオレートなど)が含まれる。上記キレート化剤の例には、EDTA(エチランジアミンテトラ酢酸)、グルコン酸,NTA(ニトリロトリ酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチル、エチレンジアミン三酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、および、クエン酸Naが含まれる。
上記潤滑剤は、塗装金属素形材の表面におけるカジリの発生を抑制することができる。潤滑剤は、一種でもそれ以上でもよく、潤滑剤の種類は、特に限定されない。潤滑剤の例には、フッ素系やポリエチレン系、スチレン系、ポリプロピレン系などの有機ワックス、および、二硫化モリブデンやタルクなどの無機潤滑剤、が含まれる。有機樹脂層中の潤滑剤の含有量は、有機樹脂層における上記有機樹脂および上記他の樹脂の総量100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。潤滑剤が1質量部未満の場合、カジリの発生を十分に抑制することができないことがある。一方、潤滑剤が20質量部超の場合、カジリの発生を抑制する効果が頭打ちとなり、また、潤滑性が高すぎて取り扱い性が劣ることがある。
上記消泡剤は、後述する有機樹脂塗料の調製時における気泡の発生を抑制する。消泡剤は、一種でもそれ以上でもよい。消泡剤の種類は、特に限定されない。消泡剤は、シリコーン系消泡剤などの既知の消泡剤を適量添加すればよい。
上記エッチング剤は、金属素形材の表面を活性化することで、金属素形材に対する有機樹脂層の密着性を向上させる。エッチング剤の例には、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、ジルコンフッ化水素、チタンフッ化水素などのフッ化物が含まれる。
上記無機化合物は、有機樹脂層を緻密化して耐水性を向上させる。無機化合物の例には、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機系酸化物ゾル、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マンガン、リン酸マグネシウムなどのリン酸塩などが含まれる。
上記色材は、有機樹脂層に所定の色調を付与する。色材の例には、無機顔料、有機顔料および有機染料などが含まれる。
(有機樹脂層の性状)
上記有機樹脂層の厚さは、0.2μm以上とする。有機樹脂層の厚さが0.2μm未満であると、上記成形体に対する塗装金属素形材の接合力が不十分となることがある。また、有機樹脂層の厚さが0.2μm未満であると、有機樹脂層中に含まれる添加物の機能(例えば、防錆剤の防錆作用)の発現が不十分となることがある。有機樹脂層の厚さの上限値は、特に限定されないが、上記の効果が頭打ちになる観点や、生産性の観点、コストの観点などから決めることができる。たとえば、有機樹脂層の厚さは、10μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。
上記形成される有機樹脂層は、前述した有機樹脂および任意に配合される上記添加剤を含む組成物によって構成される。当該組成物の融点は、上記熱可塑性樹脂組成物の成形体と同等以下が好ましく、例えば60〜160℃であることが好ましい。上記組成物の融点が60℃未満であると、比較的低温で有機樹脂層が軟化してしまうため、塗装金属素形材の耐ブロッキング性が不十分となることがある。上記組成物の融点が160℃よりも高いと、上記成形体に対する塗装金属素形材の接合性が不十分となることがある。上記樹脂組成物の融点は、有機樹脂の種類および添加剤の使用によって調整することが可能である。
上記有機樹脂層は、金属素形材の表面のうち密着部(接触部)が形成される領域を均一に被覆してもよいし、上記領域に分散されて金属素形材の表面を被覆してもよい。
1−4.熱可塑性樹脂組成物の成形体について
熱可塑性樹脂組成物の成形体は、塗装金属素形材の表面に密着する形状を有する成形体であればよい。熱可塑性樹脂組成物の形状は、上記条件を充足する限りにおいて、特に限定されず、複合体の用途に応じて適宜に決めることができる。
上記成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物の例には、ポリプロピレン(PP)系樹脂組成物、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂組成物、ポリアミド(PA)系樹脂組成物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂組成物、ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂組成物、メタクリル酸(PMMA)系樹脂組成物、ポリエチレン(PE)系樹脂組成物、ポリアセタール(POM)系樹脂組成物、および、これらの組み合わせ、が含まれる。上記熱可塑性樹脂組成物の種類は、上記有機樹脂層との溶着性に応じて決めることが可能である。
上記熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、1.1%以下であることが、複合体の製造時の温度変化による変形を抑制する観点から好ましい。熱可塑性樹脂組成物の成形収縮率は、公知の方法で調整することができる。たとえば、上記成形収縮率は、熱可塑性樹脂組成物へのフィラーの添加や、熱可塑性樹脂組成物中の結晶性樹脂および非結晶性樹脂の混合割合などによって調整することができる。非結晶性樹脂は、例えば、PVCやPMMAなどである。結晶性樹脂は、例えば、PEや、PP、POMなどである。上記成形収縮率は、例えば、フィラーの含有量を多くすることや、結晶性樹脂に対する非結晶性樹脂の混合比率を高くすることなどによって、低くすることができる。
上記成形収縮率(%)は、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物(例えば熱可塑性樹脂の融点の熱可塑性樹脂組成物あるいは射出成形の金型のキャビティーの容積)の体積をVa、当該溶融状態から冷却して固化した熱可塑性樹脂組成物(例えば室温(20℃)の熱可塑性樹脂組成物)の体積をVbとしたときに、下記式で求められる。
{(Va−Vb)/Va}×100
上記成形収縮率が1.1%よりも大きいと、上記成形体に対して塗装金属素形材が十分強固に接合しないことがある。上記成形収縮率は、上記成形体に対する塗装金属素形材の接合力をより高める観点から、0.9%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましい。
また、αp/αmが6以下であることが、複合体の製造時の温度変化による変形を抑制する観点から好ましい。αpは、熱可塑性樹脂組成物の線膨張係数であり、αmは、金属素形材の線膨張係数である。αp/αmが6よりも大きいと、上記成形体に対して塗装金属素形材が十分強固に接合しないことがある。αp/αmは、上記成形体に対する塗装金属素形材の接合力をより高める観点から4.5以下であることが好ましい。αmおよびαpは、それぞれ、例えばTMA(Thermal Mechanical Analysis:熱機械分析法)により、材料の温度変化に伴う寸法変化量を測定することによって求められる。αpは、例えば、熱可塑性樹脂組成物中のフィラーの含有量が多いと小さくなる。
熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、上記有機樹脂以外の他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分の例には、フィラーおよび熱可塑性エラストマーが含まれる。
上記フィラーは、上記成形体の成形収縮率を低減させるとともに、上記成形体の剛性を向上させる。フィラーの種類は、特に限定されず、既知の物質を使用することができる。フィラーは、一種でもそれ以上でもよい。フィラーの例には、ガラス繊維、炭素繊維およびアラミド樹脂などの繊維系フィラー、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、ガラス、粘土、リグニン、雲母、石英粉およびガラス球などの粉フィラー、ならびに、炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物が含まれる。中でも、ガラス繊維は、上記成形体の光透過性を保つ観点から、より好ましい。熱可塑性樹脂組成物におけるフィラーの含有量は、上記の観点から5〜60質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
上記熱可塑性エラストマーは、上記成形体の耐衝撃性を向上させる。熱可塑性エラストマーの種類は、特に限定されず、熱可塑性エラストマーは、一種でもそれ以上でもよい。熱可塑性エラストマーの例には、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、これらの組み合わせ、が含まれる。
2.複合体の製造装置
図3は、第2の実施形態において成形体と塗装金属素形材とを接合させて複合体を製造するための装置100の概略構成を示す模式図である。
図3に示すように、装置100は、基板110、基板110に支持されて塗装金属素形材210を配置するステージ120、ステージ120を鉛直方向上方または下方に移動させるシリンダー130、ステージ120に配置された塗装金属素形材210を仮固定する第1固定部材140、塗装金属素形材210の表面に配置された成形体220を仮固定する第2固定部材150、レーザーを照射するレーザー照射部160、および照射されたレーザーの一部を吸収または反射する減光部材170を有する。
ステージ120は、塗装金属素形材210をその表面に配置でき、塗装金属素形材210を金属素形材214側から支持できる形状のステージであり、シリンダー130によって鉛直方向上方または下方に移動可能に設置される。
第1固定部材140は、不図示のガイドレールに沿って鉛直方向上方または下方に移動可能な、棒状または平板状などの形状を有する部材である。第1固定部材140は、ステージ120の表面に配置された塗装金属素形材210に対して、ステージ120とは反対側から接触し、かつ、塗装金属素形材210をステージ120に向けて付勢して、塗装金属素形材210をステージ120に対して仮固定する。第1固定部材140は、金属および樹脂などの公知の材料により形成することができる。
第2固定部材150は、装置100に対して着脱可能な面状の部材である。第2固定部材150は、塗装金属素形材210の表面に配置された成形体220に対して、ステージ120とは反対側から接触し、かつ、成形体220を塗装金属素形材210に向けて付勢して、成形体220を塗装金属素形材210に対して仮固定する。第2固定部材150は、ガラスおよび透明樹脂などのレーザー透過性を有する材料により形成される。
レーザー照射部160は、レーザー発振器162と、レーザー発振器162に光学的に接続した対物レンズユニット164とを有し、レーザー発振器162が発振したレーザーを、対物レンズユニット164から出射する。
レーザー発振器162の種類は特に限定されず、ルビーレーザー、YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、およびダイオード−励起固体レーザーを含む固体レーザー、色素レーザーを含む液体レーザー、COレーザーを含むガスレーザ、ならびに半導体レーザーなどから適宜選択することができる。
対物レンズユニット164は、対物レンズによりレーザーを収束させながら出射する。対物レンズユニット164は、具体的には、表面に成形体220が配置された塗装金属素形材210をステージ120に配置したときに、接触部の全域を含み、かつ、接触部と同形状または接触部よりも広い範囲に、レーザーが照射されるように、上記レーザーを収束させて出射し、接触部に照射する。これにより、接触部において有機樹脂層212と成形体220とが加熱溶着し、成形体と塗装金属素形材210とが接合する。
対物レンズユニット164は、好ましくは接触部の全域にレーザーが同時に照射されるように、レーザーを収束させる。なお、接触部の全域を照射しなくても、熱伝導により、レーザーが照射されなかった領域でも有機樹脂層212と成形体220とは溶着可能である。
レーザー照射部160が出射するレーザーの照射条件は、有機樹脂層212と成形体220とを溶着できる限りにおいて特に限定されない。
レーザーの出力は、レーザーの照射によって加熱された塗装金属素形材の温度の最大値が、有機樹脂層の成形温度の範囲の上限以下となるように、選定されればよい。第1の実施形態において説明したように、減光部材がレーザーを吸収または反射することにより、接触部に照射されるレーザーの強度分布、およびレーザーを照射された塗装金属素形材の温度分布、はより平坦な形状となる。そのため、上記条件を満たすレーザーの出力の選択は容易である。
レーザー照射部160は、レーザーのエネルギーを削減する観点、および塗装金属素形材210と成形体220との接合強度を調整する観点から、レーザーを断続的に照射してもよい。
減光部材170は、第2固定部材150の、レーザー照射部160側の表面に配置されている。減光部材170は、ステージ120とレーザー照射部160の対物レンズユニット164との間に第2固定部材150を配置することにより、ステージ120とレーザー照射部160の対物レンズユニット164との間の上記レーザーの光路に、成形体220とは非接触に配置される。このとき、減光部材170は、第2固定部材150の配置によって上記レーザーの光軸をまたぐ位置に配置されるように、第2固定部材150の表面に配置される位置を調整される。本実施形態では、第2固定部材150はレーザーの光路に対して着脱可能であり、減光部材170もレーザーの光路に対して着脱可能である。
減光部材170は、レーザーを吸収または反射する材料から形成されればよい。
減光部材170の材料のうち、レーザーを吸収する材料の例には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化銅および酸化鉄などを含む金属酸化物、カーボンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバーなどの炭素材料、ならびに、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジインモニウム化合物、およびアゾ化合物などを含む色素が含まれる。これらの材料は、樹脂中に分散させて減光部材170の形状に成形されてもよい。これらの材料は、出射されるレーザーの種類に応じて、当該レーザーを吸収する材料を適宜選択すればよい。
減光部材170の材料のうち、レーザーを反射する材料の例には、アルミニウム、発砲ポリスチレンおよび白色インクなどが含まれる。これらの材料は、成形された樹脂の表面に蒸着または貼付などされてもよい。これらの材料は、出射されるレーザーの波長に応じて、当該レーザーを吸収する材料を適宜選択すればよい。また、減光部材170がレーザーを反射するとき、反射されたレーザーがレーザー照射部160に逆行しないよう、レーザーの光路に対して傾斜するように減光部材170を配置したり、レーザーを散乱させるように減光部材170の表面に凹凸を設けたりしてもよい。
減光部材170は、対物レンズユニット164から出射されたレーザーの一部を吸収し、または反射させることにより、ステージ120に配置された塗装金属素形材210の有機樹脂層212に照射されるレーザーの強度のうち、レーザーが照射される照射範囲の中心部に照射されるレーザーの強度を、低減させる。
このように、本発明の各実施形態によれば、レーザーの出力および照射形状の選定が容易であり、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合強度をより簡易な方法で高めることができる。
以下、本発明について、金属素形材として金属板を用いた場合の実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されない。
1.塗装金属板の作製
(1)金属板
A.溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板
溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板として、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板を使用した。基材鋼板は板厚が0.6mmの冷間圧延鋼板(SPCC)を使用した。
B.ステンレス鋼板
ステンレス鋼板として、板厚が0.8mmのSUS304、2B仕上げ材を試用した。
C.アルミ合金板
アルミ合金板として、板厚が0.5mmのアルマイト処理をしていないA5052を使用した。
(2)有機樹脂塗料の調製
有機樹脂のエマルション、ポリエチレンワックスおよび架橋剤を水に添加して、不揮発成分が20質量%の有機樹脂塗料を調製した。
有機樹脂のエマルションには、ウレタン系樹脂のエマルションを用いた。ウレタン系樹脂のエマルションには、市販のポリウレタン樹脂エマルション(アデカボンタイターHUX−386、株式会社ADEKA製、単に「UE」とも記す)を用いた。
ポリエチレンワックスには、市販のポリエチレンワックス(E−9015、東邦化学工業株式会社製)を用いた。ポリエチレンワックスの添加量は、上記有機樹脂の合計質量100質量部に対して3.0質量部である。
架橋剤には、市販のエポキシ系架橋剤(HUX−XW3、株式会社ADEKA製)を用いた。架橋剤の添加量は、上記有機樹脂の合計質量100質量部に対して3.0質量部である。
得られた有機樹脂塗料に、防錆剤および消泡剤をさらに添加した。
防錆剤には、金属化合物(B1)、非金属化合物(B2)および有機系化合物(B3)を用いた。
金属化合物(B1)には、Si、Ti、Zr、V、Moの酸化物を用いた。Si酸化物には、SiO(日産化学製、コロイダルシリカST−N、「B11」とも記す)を用いた。Ti酸化物には、TiO(IV)(キシダ化学製、「B12」とも記す)を用いた。Zr酸化物には、(NHZrO(CO(第一稀元素化学工業株式会社、「B13」とも記す)を用いた。V酸化物には、V(太陽鋼工株式会社、「B14」とも記す)を用いた。Mo酸化物には、(NHMo24・4HO(キシダ化学株式会社、「B15」とも記す)を用いた。上記の金属化合物を、単独でまたは組み合わせて添加した。
非金属化合物(B2)には、リン酸化物およびチオール化合物を用いた。リン酸化物には、(NHHPO(キシダ化学株式会社、「B21」とも記す)を用いた。チオール化合物には、NHCSNH(キシダ化学株式会社、「B22」とも記す)を用いた。上記非金属化合物を、単独でまたは組み合わせて添加した。
有機系化合物(B3)には、キレート化合物を用いた。キレート化合物には、Na(CO(COO))(キシダ化学株式会社、「B31」とも記す)を用いた。
消泡剤には、市販のシリコーン系消泡剤樹脂(KM−73、信越化学工業株式会社製)を用いた。消泡剤の添加量は、上記有機樹脂の合計質量に対して0.05質量%である。
下記表1に示す種類および量で上記材料を用いて、有機樹脂塗料1〜7を調製した。
表1中、防錆剤の含有量は、当該防錆剤中の特定の元素または成分の、有機樹脂層の総質量に対する割合である。当該元素または成分は、防錆剤の含有量の数値に併記されている。「P」はリン元素を、「SH」はチオール成分を、「Zr」はジルコニウムを、「V」はバナジウムを、「Si」はケイ素を、「Ti」はチタンを、「Mo」はモリブデンを、それぞれ示す。また、当該元素などの表示がない防錆剤は、防錆剤が下記の含有量で添加されている。
(3)有機樹脂層の形成
上記金属板を液温40℃、pH12のアルカリ脱脂水溶液(SD−270、日本ペイント株式会社製)に1分間浸漬して、表面を脱脂した。次いで、脱脂した金属板の表面に、上記(2)で調製した有機樹脂塗料1をロールコータ−で塗布し、到達板温が150℃となるように、熱風乾燥機で乾燥させて、有機樹脂層を形成した。こうして、塗装金属板1を得た。なお、この有機樹脂層の成形温度は、260〜280℃である。また、金属板の種類をA〜Cのいずれかから適宜選択し、有機樹脂塗料1に代えて有機樹脂塗料2〜7のそれぞれを用いた以外は同様にして、塗装金属板2〜7を得た。
なお、(NHZrO(COは、有機樹脂層中ではZrOの状態で存在していると考えられる。Vは、有機樹脂層中ではVの状態で存在していると考えられる。(NHMo24・4HOは、有機樹脂層中ではMo24の状態で存在していると考えられる。
2.複合体の作製
(1)塗装金属板
塗装金属板1〜7のそれぞれを切断し、幅25mm×長さ75mmの寸法の塗装金属板1〜7を準備した。なお、塗装金属板1〜7のそれぞれの厚さは、0.6mmである。
(2)熱可塑性樹脂組成物
熱可塑性樹脂組成物として、カーボンおよびガラスフィラーなどの添加物を含まないナイロン6樹脂(東レ株式会社製、アミランCM1017)を準備した。
(3)熱可塑性樹脂組成物の成形体
上記熱可塑性樹脂組成物のそれぞれを、射出成形により、幅5mm×長さ10mm×厚さ3mmの短冊状に成形し、熱可塑性樹脂組成物の成形体を準備した。
(4)レーザー照射
図3に示す装置のステージに、塗装金属板1を配置し、第1固定部材で仮固定した。さらにその表面に、レーザーが照射される側の面(熱可塑性樹脂組成物の成形体とは反対側の面)に減光部材が配置された熱可塑性樹脂組成物の成形体を配置して、ガラスである第2固定部材で仮固定した。減光部材および成形体は、レーザーの照射側から見た両者の中心が一致するように配置した。成形体が第2固定部材に1MPaの当接圧で当接するように、シリンダーによってステージを上方に付勢した。
減光部材は、カーボンおよびガラスフィラーを有するナイロン6樹脂(東レ株式会社製、アミランCM3511G50)を、厚み3mm、直径が1mmまたは2mmの円柱形のものを用いた。
上記塗装金属板と成形体との接触部に、減光部材を介して、以下の条件でレーザーを照射した。
レーザー種: 4kWのファイバレーザー
照射範囲: 塗装金属板の表面でφが約30mmになるようにデフォーカス
照射時間: 1.0sec
出力: 600W
3.評価
(1)温度分布
塗装金属板1の、レーザーが照射されない裏面のうち、レーザーの照射側から見た成形体の中心と一致する位置、および当該中心と一致する位置から1.0mm、2.0mm、3.0mm、および4.0mmとなる位置に、熱電対を設置して、レーザー照射時の温度を100msecごとに測定した。
図4は、減光部材を配置しなかったとき(一点鎖線)、直径1mmの円柱状の減光部材を配置したとき(点線)、および直径2mmの円柱状の減光部材を配置したとき(実線)、のそれぞれにおける、照射範囲の中心部(レーザーの照射側から見た成形体の中心)からの距離に対する温度の分布を示すグラフである。
減光部材を配置しなかったとき(一点鎖線)、照射範囲の中心部は、温度が300℃以上であり成形温度Mの上限を超えていた。直径1mmの円柱状の減光部材を配置する(点線)と、照射範囲の中心部の温度が下がり、直径2mmの円柱状の減光部材を配置すると、照射範囲の中心部の温度を280℃以下に下げることができた。
(2)接合力
減光部材を配置しなかったとき、直径1mmの円柱状の減光部材を配置したとき、および直径2mmの円柱状の減光部材を配置したとき、のそれぞれにおいて得られた複合体の剥離強度を調べた。具体的には、塗装金属板および熱可塑性樹脂組成物の成形体を逆方向に引っ張り、上記レーザにより溶着した接触部が破断したときの引張り力の強さ(剥離強度)を測定し、当該複合体の接合力とした。塗装金属板および熱可塑性樹脂組成物を引っ張る向きは、接合面と平行でかつ互いに反対向きの方向であり、引張速度は、5mm/minであった。複合体が剥離したときの強度を、成形体の接合面積(50mm)で除算して、せん断強度を求めた。
なお、得られた複合体の剥離強度は、図5に示す引張試験装置によって測定された。このとき、引張速度を5mm/minで行い、試験体が破断するピーク荷重をせん断強度として求めた。試験体は、塗装金属板310側を上側治具330で固定され、熱可塑性樹脂組成物の成形体320側を下側治具340で固定された。塗装金属板310は、接合部と反対側の一端が上側治具330から突出するように固定し、当該突出した一端を上側つかみ部350で把持した。成形体320は、その全体を下側治具340で固定し、下側つかみ部360で把持した。この状態で、上側つかみ部350および下側つかみ部360を逆方向に引っ張った。このようにすることで、成形体320そのものを下側つかみ部360が把持しないため、成形体320が下側つかみ部360で潰されるのを防止できる。また、引張試験装置に試験体を取り付ける際は、引張荷重の中心軸と塗装鋼板の板厚中心軸とがほぼ一致するように試験体を把持した。
表2に、それぞれの複合体の接合力を示す。
減光部材を配置しなかったときの接合力(せん断強度)と比較して、直径1mmの円柱状の減光部材を配置したときの接合力は高くなっており、直径2mmの円柱状の減光部材を配置したときの接合力はさらに高くなっていた。
(3)気泡の発生
減光部材を配置しなかったとき、および直径2mmの円柱状の減光部材を配置したとき、のそれぞれにおいて得られた複合体を、塗装金属板と成形体との両方が含まれる切断し、断面の様子を顕微鏡で観察した。
図6Aは、減光部材を配置しなかったときに得られた複合体の断面写真であり、図6Bは直径2mmの円柱状の減光部材を配置したときに得られた複合体の断面写真である。減光部材を配置しなかったときは、塗装金属板と成形体との界面に気泡が多く発生していたが、直径2mmの円柱状の減光部材を配置したときは、気泡の発生はないか、あっても少量であった。
本発明によれば、金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体と接合力が高い複合体を、より容易に製造することができる。当該複合体は、例えば各種電子機器、家庭用電化製品、医療機器、自動車車体、車両搭載用品、建築資材などに好適に用いられる。
100 装置
110 基板
120 ステージ
130 シリンダー
140 第1固定部材
150 第2固定部材
160 レーザー照射部
162 レーザー発振器
164 対物レンズユニット
170 減光部材
210 塗装金属素形材
212 有機樹脂層
214 金属素形材
220 成形体
310 塗装金属板
320 熱可塑性樹脂組成物の成形体
330 上側治具
340 下側治具
350 上側つかみ部
360 下側つかみ部

Claims (12)

  1. 金属素形材と前記金属素形材上に配置された厚さ0.2μm以上の有機樹脂層とを含む塗装金属素形材、および、前記塗装金属素形材に接合した熱可塑性樹脂組成物の成形体、を有する複合体を製造する方法であって、
    前記塗装金属素形材の表面に、前記有機樹脂層に接して前記成形体を配置する工程と、
    前記成形体が配置された前記塗装金属素形材の表面のうち、前記有機樹脂層と前記成形体とが接触している接触部にレーザー照射部からレーザーを照射して、前記接触部を構成する前記有機樹脂層と前記成形体とを加熱溶着させ、前記成形体と前記塗装金属素形材とを接合させる工程と、
    を含み、
    前記レーザーは、前記レーザー照射部と前記塗装金属素形材との間における前記レーザーの光路に配置された減光部材によってその一部を吸収または反射されることにより、照射範囲の中心部に照射される強度が低減される、
    複合体の製造方法。
  2. 前記レーザーは、前記接触部の全体に同時に照射される、請求項1に記載の複合体の製造方法。
  3. 前記接合させる工程において、前記減光部材によって低減された前記レーザーは、前記塗装金属素形材の温度の最大値が前記有機樹脂層の成形温度の範囲の上限以下となるように、前記塗装金属素形材を加熱する、請求項1または2に記載の複合体の製造方法。
  4. 前記減光部材は、前記成形体とは非接触に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  5. 前記接合させる工程において、前記成形体は、前記レーザー照射部と前記接触部との間における前記レーザーの光路に配置されたレーザー透過性の固定部材によって前記塗装金属素形材に仮固定され、
    前記減光部材は、前記固定部材の前記成形体とは反対側に配置される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  6. 前記減光部材は、前記光路に着脱可能に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  7. 表面に接して熱可塑性樹脂組成物の成形体が配置された、金属素形材と前記金属素形材上に配置された厚さ0.2μm以上の有機樹脂層とを含む塗装金属素形材を載置するステージと、
    前記ステージに配置された、前記成形体が配置された前記塗装金属素形材の表面のうち、前記有機樹脂層と前記成形体とが接触している接触部にレーザーを照射して、前記接触部を構成する前記有機樹脂層と前記成形体とを加熱溶着させ、前記成形体と前記塗装金属素形材とを接合させるレーザー照射部と、
    前記レーザー照射部と前記ステージに載置された前記塗装金属素形材との間に配置され、前記照射されるレーザーの一部を吸収または反射して、レーザーの照射範囲の中心部に照射される強度を低減させる、減光部材と、
    を有する、複合体の製造装置。
  8. 前記レーザー照射部は、前記接触部の全体に前記レーザーを同時に照射する、請求項7に記載の複合体の製造装置。
  9. 前記レーザー照射部は、前記減光部材によって低減された前記レーザーが照射された前記塗装金属素形材の温度の最大値が、前記有機樹脂層の成形温度の範囲の上限以下となる強度の、前記レーザーを照射する、請求項7または8に記載の複合体の製造装置。
  10. 前記減光部材は、前記成形体とは非接触に配置される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の複合体の製造装置。
  11. 前記レーザー照射部と前記接触部との間における前記レーザーの光路に配置されて、前記成形体を前記塗装金属素形材に仮固定するレーザー透過性の固定部材を有し、
    前記減光部材は、前記固定部材の前記成形体とは反対側に配置される、
    請求項7〜10のいずれか1項に記載の複合体の製造装置。
  12. 前記減光部材は、前記光路に着脱可能に配置される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の複合体の製造装置。
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CN117467921A (zh) * 2023-10-31 2024-01-30 芜湖舍达科技有限公司 一种复合涂层导电辊的表面耐磨涂层制备方法

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