JP2019171252A - 脱水助剤及びそれを用いた脱水方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱水ケーキの含水率を低減可能であり、かつ助燃効果がある脱水助剤を提供する。【解決手段】本発明は、排水処理時に発生する汚泥の脱水に用いられる脱水助剤であり、前記脱水助剤は平均粒径が1〜500μmであり、かつ、粒子状の可燃性樹脂からなる、脱水助剤である。また、前記脱水助剤を前記汚泥に添加した後、機械脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法であり、さらに凝集剤を前記汚泥に添加する脱水方法である。【選択図】図1
Description
本発明は、下水処理施設、し尿処理施設、又はその他排水処理施設から発生する汚泥の脱水処理に使用される脱水助剤、及び、それを用いた汚泥の脱水方法に関する。
従来、下水処理においては、生じた汚泥を種々の凝集剤によって凝集沈殿させて凝集汚泥とし、この凝集汚泥を濾過して脱水ケーキと脱水濾液とに分離していた。ここで、下水処理によって発生する脱水ケーキの量は膨大であるため、多額の運搬費用が必要となってうた。
また、脱水ケーキを焼却処理する場合には汚泥の含水率が高いと焼却炉内温度を低下させてしまうため、炉内温度を維持するために多量の助燃剤を投入する必要があり、多額のコストが負担となっていた。そのため、脱水ケーキの含水率を少しでも低減することが望まれていた。
これまで、脱水ケーキの含水率低減を目的として、汚泥の脱水工程において様々な脱水助剤や脱水方法が提案されている。例えば、容易に入手できる炭化汚泥を脱水助剤として用いることで、安価で効果的な脱水効果が得られる方法が開示されている(特許文献1)。 また、含水率30〜80重量%の繊維状物のビスコースレーヨンからなる汚泥用脱水助剤を用いることで、汚泥への分散が良好なため取扱いが容易で、低含水率の脱水ケーキが得られる方法が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、添加する脱水助剤が炭化処理されたものであり、焼却処理時の助燃効果は期待できないという問題があった。 また、特許文献2記載の方法では、脱水助剤自体の含水率が高いため、脱水ケーキの含水率を十分に下げられず、結果として焼却処理時に多くの助燃剤が必要となる問題があった。
そこで、本発明は、脱水ケーキの含水率を低減可能であり、かつ助燃効果がある脱水助剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。[1]排水処理時に発生する汚泥の脱水に用いられる脱水助剤であり、前記脱水助剤は平均粒径が1〜500μmであり、かつ、粒子状の可燃性樹脂を含んでなる、脱水助剤。[2]前記[1]記載の脱水助剤を前記汚泥に添加した後に機械脱水する汚泥の脱水方法。[3]さらに凝集剤を前記汚泥に添加する、前記[2]に記載の汚泥の脱水方法。
本発明の脱水助剤は、脱水効果および助燃効果に優れ、脱水ケーキの焼却処理時に燃料コストを削減できる。 また、本発明の脱水方法は、脱水効果および助燃効果に優れ、脱水ケーキの焼却処理時に燃料コストを削減できる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらの実施の形態及び図面に限定されるものではない。
(脱水助剤) 本発明の脱水助剤は、粒子状の可燃性樹脂を含んでなることを特徴とする。前記脱水助剤は、平均粒径が大きいほど粉が舞いにくく取扱い性に優れることから、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、脱水助剤の平均粒径が小さいほど脱水助剤単位重量当たりの粒子表面積が大きくなり脱水性に優れることから、1000μm以下が好ましく、500μmがより好ましい。
本発明の脱水助剤を構成する可燃性樹脂は特に限定されない。可燃性樹脂の例としては、アクリル樹脂やABS樹脂、ポリプロピレンなどが挙げられ、単独で用いても良いし、混合物を用いても良い。特に、コスト面から、樹脂製造工場で廃棄される格外品を使用することが好ましい。
本発明の脱水助剤の含水率は可燃性樹脂の構造や乾燥状態により変化するが、脱水ケーキの含水率を低減させるためには、脱水助剤の含水率は低いほど好ましい。具体的には、含水率60重量%以下が好ましく、含水率40重量%以下がより好ましく、含水率20重量%以下がさらに好ましい。例えば、アクリル樹脂を主成分とする可燃性樹脂の脱水助剤の含水率は、一般的に20〜60重量%であることが多い。
(脱水方法) 本発明の脱水方法は、前記脱水助剤を用いる。つまり、本発明の脱水方法は、対象となる汚泥と脱水助剤及び凝集剤を添加・混合する手段と機械脱水機とを有することを特徴とする脱水方法である。汚泥と脱水助剤を混合する混合槽や汚泥を貯留する汚泥槽などを有していても良い。
機械脱水機は特に限定されないが、通常のベルトプレス脱水機、遠心脱水機、スクリュープレス脱水機やフィルタープレス脱水機を使用するのが良い。汚泥に対する脱水助剤の添加率は、各汚泥の性状、濃度により最適な範囲は変化するが、汚泥中のSS分に対して、0.1〜30重量%である。脱水助剤の添加率が0.1重量%未満では、本発明の効果が得られない。一方、30重量%を超えると、汚泥中に脱水助剤を均一に混合させることが困難となる。
脱水助剤の汚泥への添加方法は汚泥槽等へ上記範囲となるように一括投入する方法や、汚泥流量に応じて調整しながら添加する方法がある。脱水助剤を添加するタイミングは、均一に混ざる方法であれば凝集剤の添加する前後のどちらでも構わない。
(凝集剤) 本発明の汚泥の脱水方法に用いる凝集剤は、カチオン系高分子凝集剤や両性高分子凝集剤が好ましい。また、形状は特に限定されず、例えば粉末状、エマルジョン状のものが使用できる。
汚泥及び前記脱水助剤、前記凝集剤の撹拌方法について、均一に混ざる方法であれば特に限定されない。例えば、各種槽内にて撹拌翼にて混合する方法、各種ポンプにより水流を発生させて混合する方法、空気等を噴射して混合する方法、流路内にスタティックミキサーを設置し混合する方法等がある。
本発明の汚泥の脱水方法に使用する装置のフロー構成図を、図1に示す。 前記脱水助剤及び前記凝集剤を汚泥に添加・混合した後、機械脱水機にて処理することにより、脱水ケーキを得る装置である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] 無機凝集剤(硫酸バンド)を添加・混合することにより沈降させて得た凝沈汚泥スラリー(汚泥濃度:4重量%)に、アクリル樹脂を主成分とする粒子状脱水助剤(平均粒径100μm、含水率30%)をSSに対して10重量%添加・混合して汚泥スラリーを調整した。次に高分子凝集剤(三菱ケミカル株式会社製ダイヤフロック、カチオン系、粉末タイプ)を添加し、十分に混合した後、フィルタープレス脱水機(株式会社石垣製)にて脱水処理を実施した。得られた脱水汚泥ケーキの含水率は58%であった。脱水ケーキを連続的に焼却炉に投入し、他の廃棄物と同時に焼却処理した場合にも、焼却炉の温度は低下せず、助燃剤は不要であった。
[比較例1] 脱水助剤を使用しないこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた脱水汚泥ケーキの含水率は69%であった。脱水ケーキを連続的に焼却炉に投入し、他の廃棄物と同時に焼却処理した場合、焼却炉の温度が低下してしまい、最適な運転温度を維持するために助燃剤としてA重油の添加が必要であった(平均1m3/day)。
本願発明に係る脱水助剤を用いた実施例1で得られた脱水ケーキを連続的に焼却炉に投入し、他の廃棄物と同時に焼却処理した場合にも、焼却炉の温度は低下せず、助燃剤は不要であった。一方、本願発明に係る脱水助剤を使用していない比較例1は、脱水ケーキを連続的に焼却炉に投入し、他の廃棄物と同時に焼却処理した場合、焼却炉の温度が低下してしまい、最適な運転温度を維持するために助燃剤としてA重油の添加が必要であった。 以上より、本願発明により、脱水ケーキの含水率を低減可能であり、かつ助燃効果がある脱水助剤及び脱水方法を提供することができた。
Claims (3)
- 排水処理時に発生する汚泥の脱水に用いられる脱水助剤であり、前記脱水助剤は平均粒径が1〜500μmであり、かつ、粒子状の可燃性樹脂を含んでなる、脱水助剤。
- 請求項1記載の脱水助剤を前記汚泥に添加した後に機械脱水する、汚泥の脱水方法。
- さらに凝集剤を前記汚泥に添加する、請求項2に記載の汚泥の脱水方法。
Priority Applications (1)
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JP2018060477A JP2019171252A (ja) | 2018-03-27 | 2018-03-27 | 脱水助剤及びそれを用いた脱水方法 |
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