(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
尚、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。尚、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。尚、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
尚、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。尚、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。尚、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。尚、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。尚、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
尚、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
尚、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。尚、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組合せて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。尚、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
尚、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。尚、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。尚、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。尚、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。尚、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
尚、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。尚、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、ステップS73の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
尚、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部023SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部023SGについて説明する。尚、本実施の形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」や「023SGS1」と略記したり、「ノーマルリーチ」を「Nリーチ」と略記したり、「スーパーリーチ」を「Sリーチ」や「SPリーチ」と略記したりする場合がある。また、基本説明にて説明したパチンコ遊技機1と同様または形態や配置位置等が異なるが同様の機能を有する構成については、同様の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。尚、以下において、図8−1の手前側をパチンコ遊技機1Aの前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1Aを前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1Aの前面とは、該パチンコ遊技機1Aにて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
(パチンコ遊技機の構造)
次に、本実施の形態の特徴部023SGで用いられるパチンコ遊技機1Aの構造について説明する。図8−1は、特徴部023SGで用いられるパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図8−2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
図8−1に示すように、本実施の形態の特徴部023SGで用いられるパチンコ遊技機1Aは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に配置された画像表示装置5との間に、第1演出装置300と第2演出装置400とを有する演出ユニット500が設けられている。また、画像表示装置5は、2次元(2D)画像だけでなく、立体(3D)画像を表示可能とされている。
(画像表示装置5)
次に、本実施の形態の特徴部023SGで用いられる画像表示装置5について説明する。図8−3は、画像表示装置の構成と、画像表示装置における表示状態並びに遊技者の両眼による立体画像の視認状態を示す図である。
本実施の形態における画像表示装置5では、2D画像の表示が可能であるとともに、3D画像の表示も可能となっている。以下、画像表示装置5において立体視可能な3D画像を表示するための構成について簡単に説明する。
画像表示装置5は、図8−3に示すように、立体視可能な画像としての立体画像(映像)である3D画像を表示する画像用液晶パネル900と、該画像用液晶パネル900の後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト901と、画像用液晶パネル900の前面側に該画像用液晶パネル900と所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネル910とを有する、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
視差バリア用液晶パネル910は、画像用液晶パネル900に縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリア画像を表示する視差バリア画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
つまり、本実施の形態の視差バリア用液晶パネル910は、遊技者の左目による右目用画像の視認を阻止するとともに遊技者の右目による左目用画像の視認を阻止するための視差バリアを含む視差バリア表示と、該視差バリアを表示しない全透過表示とが可能とされている。
尚、本実施の形態においては、画像表示装置5は、画像用液晶パネル900として液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル900のデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
また、視差バリア用液晶パネル910は、遊技盤2の背面側であって、画像用液晶パネル900に重なる遊技者側前方の配置位置に固定的に設けられている。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶されたCGROM(表示制御部123)から必要なデータを読み出すための指令をVDP(表示制御部123)に出力する。
図8−3においては、画像用液晶パネル900には、VDPにより、演出制御用CPU120からの指示に基づいて画像データROMから読み出された立体画像を成す、縦方向の帯状とされた所定幅の右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されている。本実施の形態では、右目用画像(R)と左目用画像(L)との表示幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示幅を、画面の中央部と端部とで異なるようにしても良い。
遊技者の視点位置が、例えば基準位置となるX0,D0にある場合には、図8−3に示すように、X0,D0に対応する画像が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、右目については、画像用液晶パネル900に表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目については、画像用液晶パネル900に表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、偏向メガネ等を装着することなく、裸眼の状態で、立体画像を視聴することができる。
尚、図8−3においては、理解を助けるために、画像用液晶パネル900と視差バリア用液晶パネル910との距離に比較して、視差バリア用液晶パネル910と遊技者の目との距離を、図示の都合上、実際の長さよりも著しく小さく示しているために、右目と左目の視線を示す線分が交錯する交錯位置が、視差バリア用液晶パネル910よりも前方側或いは後方側に移動しているが、これら交錯位置の実際の移動量は非常に少ないものとなる。
本実施の形態では、右目と左目とで見える像の視線方向における両眼視差を利用して奥行きを感知させる立体視を行っている。遊技者が両目で画像表示装置5に表示される3D画像を視認した際に、右目と左目とで3D画像における任意の部位を視認したときの視線方向が異なっており、この視線方向の差(視差の量)により奥行きを感知することができる。そして、視線方向が交わる位置が輻輳位置と称し、この輻輳位置における視線方向がなす角を輻輳角と称する。この輻輳角が大きければ、遊技者は3D画像が自分に近い位置にあるように感知し、輻輳角が小さければ、遊技者は3D画像が自分から遠い位置にあるように感知するようになっている。
本実施の形態では、後述するように第1可動体演出において画像表示装置5に表示される3D画像が、画像表示装置5の画像表示面よりも手前側(遊技者に近づく側)に突出されて見えるように輻輳位置が設定されているが、3D画像の見かけ上の突出具合が小さい輻輳位置Aと、演出画像の見かけ上の突出具合が大きい輻輳位置Bとを設定可能であり、後述する第1可動体301の後部に対応する距離であって、遊技者から遠い輻輳距離Aに3D画像があるように見える部分と、第1可動体301の前部に対応する距離であって、遊技者に近い輻輳距離Bに3D画像があるように見える部分と、を実現できるようにしてもよい。これにより、第1可動体301において、表示領域に近い後部分と遠い前部分とで3D画像の見かけ上の突出具合が異なるため、より立体感を生じさせることができる。また、上記輻輳位置A,B以外にも複数の輻輳位置を設定した演出を実行可能としても良い。
また、本実施の形態では、画像表示装置5に表示される3D画像が、画像表示装置5の画像表示面よりも手前側(遊技者に近づく側)に突出されて見えるように、輻輳位置が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示装置5の表示面よりも奥側(遊技者から遠い側)に演出画像が配置されて見えるように、輻輳位置を設定しても良い。
また、本実施の形態では、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像Z1(図8−17(A)参照)が輻輳位置Bに設定された状態で表示され、該輻輳位置Bが第1可動体301の前後方向の所定範囲内になるように制御を行うことで、近接位置にある第1可動体301と画像表示装置5に表示されるエフェクト画像とが一体的に連携して見えるようになるので、迫力ある演出を実施することができる。
また、画像表示装置5の前方側の離れた近接位置に第1可動体301が位置すると、画像表示装置5の表示領域には、第1可動体301により隠れてしまって遊技者が両目により視認できない領域が発生するとともに、遊技者が一方の目では視認できるが他方の目では視認できない領域が発生するようになる。このような片目でしか視認できない領域に3D画像が表示された場合には、3D画像の立体視ができなくなるばかりか、3D画像が不鮮明にぼやけて見えてしまう場合がある。そのため、片目でしか視認できない領域である第1可動体301の周囲近傍の表示領域には、3D画像を表示しないようにし(または2D画像に置き換えて表示し)、第1可動体301から若干離れた表示領域であって、遊技者が両目で視認できる表示領域のみに3D画像を表示するようにしても良い。特に、3D画像が動画であって第1可動体301とともに3D画像が動作する場合などに、遊技者が両目で視認できる表示領域のみに3D画像を表示する態様が有効である。
また、本実施の形態では、第1可動体301による可動体演出において3D画像を表示可能な形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2可動体401による可動体演出や他の演出(例えば、予告演出や大当り演出など)において3D画像を表示するようにしてもよいし、飾り図柄を3D画像にて表示するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で立体画像の表示を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、レンチキュラレンズ方式やインテグラルイメージング方式の裸眼立体表示液晶表示装置を用いて立体画像の表示を行っても良い。また、裸眼で立体視を行うものに限らず、偏向メガネ等を装着することで立体視を行うものであっても良い。
(演出ユニット500)
次に、本実施の形態の特徴部023SGで用いられる演出ユニット500について説明する。図8−4は、(A)は第1可動体が第1原点位置に位置し、第2可動体が第2原点位置に位置している状態、(B)は第2可動体が第2演出位置に位置している状態を示す正面図である。図8−5は、(A)は第1可動体が第1中間位置に位置し、第2可動体が第2原点位置に位置している状態、(B)は第1可動体が第1演出位置に位置し、第2可動体が第2原点位置に位置している状態を示す斜視図である。
図8−4及び図8−5に示すように、演出ユニット500は、遊技盤2の背面側に固定される下向き略コ字形をなすベース体501と、ベース体501の上部に設けられる第1演出装置300と、ベース体501の下部に設けられる第2演出装置400と、を主に有する。
第1可動体301は、画像表示装置5の前側上方に位置する第1原点位置(図8−4(A)(B)参照)と、第1原点位置よりも下方であって画像表示装置5の表示領域の前方に位置する第1演出位置(図8−5(B)参照)と、の間で上下方向に移動可能とされているとともに、第1原点位置から第1演出位置まで、または第1原点位置から該第1原点位置と第1進出位置との間の第1中間位置(図8−5(A)参照)まで自重により落下可能(移動可能)とされている。
第2可動体401は、画像表示装置5の左側下方に位置する第2原点位置(図8−4(A)参照)と、第2原点位置よりも上方であって画像表示装置5の表示領域の前方に位置する第2演出位置(図8−4(B)参照)と、の間で上下方向に移動可能とされているとともに、前後方向を向く回転軸心を中心として回転可能とされている。
(第1演出装置300)
次に、第1演出装置300の詳細について説明する。図8−6は、演出ユニットの構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8−7は、演出ユニットの構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8−8は、(A)は第1可動体が第1原点位置にあるときのカバー体の背面側上部を示す斜視図、(B)は(A)を逆方向からみた状態を示す斜視図である。図8−9は、(A)は第1可動体が第1中間位置にあるときのカバー体の背面側を示す斜視図、(B)は第1可動体が第1演出位置にあるときのカバー体の背面側を示す斜視図である。図8−10は、第1可動部の構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8−11は、第1可動部の構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8−12は、(A)は第1中間対応位置における第1可動部を示す背面図、(B)は第1演出対応位置における第1可動部を示す背面図である。
図8−6及び図8−7に示すように、第1演出装置300は、動作可能な第1可動体301と、該第1可動体301を上方に向けて移動させるための移動手段303L,303Rと、ベース体501の左右側辺部の前面側に取付けられ、移動手段303L,303Rを前面側から被覆するように支持するカバー体304L,304Rと、を有している。第2演出装置400は、動作可能な第2可動体401と、第2可動体401を上下方向に移動させるための移動手段402と、を有している。
移動手段303L,303Rは、上下方向に延設され上下端部がカバー体304L,304Rに対し回転可能に軸支された案内軸306L,306Rと、案内軸306L,306Rを軸心周りに回転させるための第1昇降用モータ308L,308Rと、後述する駆動体310L,310Rと、から主に構成される。第1昇降用モータ308L,308Rと案内軸306L,306Rとは図示しないギヤ部材を介して連結されており、第1昇降用モータ308L,308Rが駆動することで案内軸306L,306Rが軸心周りに回転するようになっている。また、案内軸306L,306Rの周面には凹状の溝部321が螺旋状に形成されている。
案内軸306L,306Rには、第1可動体301の左右端に位置するアーム309L,309Rと、該アーム309L,309Rの下方に配置され第1可動体301を第1演出位置から第1原点位置に移動させる駆動体310L,310Rと、が昇降可能に取付けられている。
アーム309L,309Rには、案内軸306L,306Rが挿入可能な上下方向に貫通する貫通孔331L,331Rが形成されている。アーム309L,309Rが駆動体310L,310Rよりも上方位置になるように、該アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rに案内軸306L,306Rの上端側が挿入される。この貫通孔331L,331Rの内径は、案内軸306L,306Rの外径よりも大きい(つまり、内径と外径との寸法差が十分に大きい)ため、アーム309L,309Rが案内軸306L,306Rに対してスムーズに上下方向に移動可能になっている。言い換えれば、アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との面接触が抑制され、摩擦力によってアーム309L,309R(つまり第1可動体301)の上下移動が妨げられるようなことがない。
図8−8及び図8−9に示すように、アーム309L,309R各々の外側方には、下壁319A、上壁319B、背壁319C及び内壁319Dにより後方及び左右外側方に開口する係止凹部319L,319Rが形成されている。下壁319Aと上壁319Bとは、下壁319Aと上壁319Bとの間に離間寸法L1の隙間が形成されるように上下に配置されている。尚、左右の移動手段303L,303Rはほぼ同様に構成されているため、図8−8及び図8−9においては左側の移動手段303Lのみ図示し、右側の移動手段303Rの図示は省略する。
略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されており、該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。貫通孔332L,332Rの内径は、案内軸306L,306Rの外径よりも若干大寸に設けられているとともに、貫通孔332L,332Rの内周面には溝部321に係合可能な係合部(図示略)が突設されている。
また、左右の駆動体310L,310Rは、第1可動体301を介して一体化されているとともに、カバー体304L,304Rの背面に近接して配置されていることで、案内軸306L,306Rを中心とする回転が規制された状態で上下方向に案内される。
よって、左右の案内軸306L,306Rが回転したときに、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制され、また、係合部(図示略)が案内軸306L,306Rの溝部321に嵌合されていることで、案内軸306L,306Rが第1方向に回転すると駆動体310L,310Rが上昇し、案内軸306L,306Rが第1方向とは逆の第2方向に回転すると駆動体310L,310Rが下降するようになっている。
駆動体310L,310Rの上部には、落下してきた第1可動体301を受け止めるための第1受止部320A,320Bを備えている。第1受止部320A,320Bは、例えば、ゴム材等の弾性部材で形成されており、第1可動体301の落下衝撃を吸収可能である。
また、駆動体310L,310Rの外側方には、アーム309L,309Rの係止凹部319L,319Rに係脱可能な係止部材340L,340Rが上向きに設けられている。係止部材340L,340Rは、上端に内向きの係止爪340Aを有し、下端が駆動体310L,310Rの上部に設けられた前後方向を向く回動軸341を中心として回動可能に軸支されている。また、係止部材340L,340Rは、回動軸341に環装されたコイルバネ(図示略)により係止爪340Aが駆動体310L,310Rから離れる方向に向けて常時付勢されている。
カバー体304Lの背面左側辺及びカバー体304Rの背面右側辺には、上下方向を向く側壁342L,342Rが立設されている。また、側壁342L,342Rにおける上下方向の略中央部からは、下方に向けて内側に傾斜する傾斜壁343L,343Rが立設されているとともに、傾斜壁343L,343Rの下端からは、側壁342L,342Rに対し略平行をなす補助側壁344L,344Rが側壁342L,342Rよりも案内軸306L,306R側に立設されている。
よって、駆動体310L,310Rが第1可動体301の第1原点位置に対応する上方位置に位置しているときには、係止部材340L,340Rはコイルバネ(図示略)により付勢されることで傾倒姿勢となって側壁342L,342Rの内面に当接するので、係止凹部319L,319Rから離脱した係止解除状態となる(図8−16参照)。また、駆動体310L,310Rが第1可動体301の第1中間位置に対応する中間位置に位置しているときには、係止部材340L,340Rはコイルバネ(図示略)により付勢されることで傾倒姿勢となって傾斜壁343L,343Rの内面に当接するので、係止凹部319L,319Rから離脱した係止解除状態となる(図8−9(A)参照)。また、駆動体310L,310Rが第1可動体301の第1演出位置に対応する下方位置に位置しているときには、係止部材340L,340Rはコイルバネ(図示略)により付勢されることで補助側壁344L,344Rの内面に当接するが、補助側壁344L,344Rは側壁342L,342Rよりも駆動体310L,310Rに近いので、傾倒姿勢とならずに起立姿勢に保持され、係止凹部319L,319Rに係止可能な係止可能状態となる(図8−9(B)参照)。
このように、係止部材340L,340Rは、駆動体310L,310Rが下方へ移動することにより、案内部が傾斜壁343L,343Rから補助側壁344L,344Rに切り替わることで、傾倒姿勢の係止解除状態から起立姿勢の係止可能状態に変化する。一方、駆動体310L,310Rが上方へ移動することにより、案内部が補助側壁344L,344Rから傾斜壁343L,343Rに切り替わることで、起立姿勢の係止可能状態から傾倒姿勢の係止解除状態に変化する。
よって、第1可動体301を第1中間位置から下方へ落下させるために、駆動体310L,310Rを中間位置から下降させることにより、第1可動体301の係止凹部319L,319Rに係止部材340L,340Rの係止爪340Aが進入して係止可能状態となり、第1可動体301が何らかの理由で落下しない場合に、係止爪340Aが係止凹部319L,319Rの下壁319Aに係止されるので、第1可動体301を強制的に下方に移動させることが可能となる。つまり、係止部材340L,340Rを有する駆動体310L,310Rと、駆動体310L,310Rを駆動させる案内軸306L,306R、第1昇降用モータ308L,308Rと、傾斜壁343L,343R及び補助側壁344L,344Rとは、第1可動体301の第1中間位置からの移動(落下)を補助する移動補助手段を構成している。
このように、第1可動体301の第1中間位置から第1演出位置への移動を補助する移動補助手段とは、例えば、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで駆動力により移動させることが可能な駆動源や駆動機構ではなく、少なくとも第1可動体301が下方への移動を開始するタイミングにおいて第1可動体301に対し作用することで、該第1可動体301が速やかに下降動作を開始するように補助するものである。
また、図8−8に示すように、カバー体304L,304Rの背面における傾斜壁343L,343Rの近傍には、駆動体310L,310Rが中間位置付近に移動してきたときに係止部材340L,340Rの背面に接触可能な案内リブ345L,345Rが突設されている。これにより、例えば、第1可動体301が第1中間位置に落下した衝撃により駆動体310L,310Rに案内軸306L,306Rを中心とした回動力が生じた場合でも、係止部材340L,340Rが係止凹部319L,319Rに係止可能な位置に保持されるようになっている。
また、カバー体304L,304Rの背面における案内軸306L,306Rの上部内側には、第1可動体301が第1中間位置に位置したときにアーム309L,309Rの前面に接触可能に突出する案内リブ346L,346Rが上下方向に向けて延設されている。これにより、例えば、第1可動体301が第1中間位置まで落下したときに案内リブ346L,346Rがアーム309L,309Rの前面に接触することで落下速度が若干抑制されるため、駆動体310L,310Rにかかる衝撃を緩和できる。
また、図8−9に示すように、カバー体304L,304Rの背面における案内軸306L,306Rの下部近傍には、駆動体310L,310Rが下方位置まで移動したときに該駆動体310L,310Rの下部を受け止め可能な第2受止部347を備えている。第2受止部347は、例えば、ゴム材等の弾性部材で形成されており、第1可動体301の落下衝撃を吸収可能であることで、第1可動体301の落下により駆動体310L,310Rの内部に設けられ溝部321に嵌合する係合部(図示略)が破損することが抑制されている。
カバー体304L,304Rの上部位置には、アーム309L,309Rを検出する第1原点位置検出スイッチ315L,315R(図8−2参照)が設けられ、中部位置には、駆動体310L,310Rを検出する第1中間位置検出スイッチ314L,314R(図8−2参照)が設けられ、下部位置には、駆動体310L,310Rを検出する第1下方位置検出スイッチ313L,313R(図8−2参照)が設けられている。
カバー体304L,304Rの上部には、第1可動体301を第1原点位置に保持するための第1演出用ソレノイド318L,318Rが設けられている。第1演出用ソレノイド318L,318Rは、図8−8に示すように、前後方向に進退可能な係止部材318Aを備えている。第1演出用ソレノイド318L,318Rがオフ状態時には、係止部材318Aが圧縮バネ(図示略)の付勢力により後側に突出する進出状態となる。つまり、第1演出用ソレノイド318L,318Rがオフ状態であるときには、第1可動体301をその両端で各係止部材318Aに係止させて該第1可動体301を第1原点位置に保持できる。また、第1演出用ソレノイド318L,318Rがオン状態時には、係止部材318Aが圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して前側に退避する退避状態となる。つまり、第1演出用ソレノイド318L,318Rがオン状態時には、第1可動体301と係止部材318Aとの係止状態を解除して(つまり、第1可動体301を第1原点位置に保持しない解除状態にして)、第1原点位置にある第1可動体301を自重により落下させることができる。
図8−10及び図8−11に示すように、第1可動体301は、左右の案内軸306L,306Rにより上下方向に移動可能に案内される第1可動部351と、ベース体501に対し前後方向に移動可能に案内される第2可動部352と、第1可動部351と第2可動部352とを連結する第3可動部353と、を有する。
第1可動部351は、正面視略台形状に形成された板状のベース部361と、ベース部361の前面側に動作可能に設けられた複数(本実施の形態では4個)の可動部材362A〜362Dと、ベース部361と可動部材362A〜362Dとの間に設けられた回転部材363と、から構成され、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置と第1演出位置に対応する第1演出対応位置との間で上下方向に移動可能とされている。
ベース部361は、非透過性部材からなるベース部材361Aと、ベース部材361Aの前面側を覆う透過性部材からなるカバー部材361Bと、からなり、内部には複数の第1演出用LED312A(図8−2参照)が前方に向けて光を照射可能に設けられている。カバー部材361Bの略中央位置には孔部364が形成されており、該孔部364に回転可能に設けられた回転部材363は、ベース部材361Aの背面に設けられた第1回転用モータ311により前後方向を向く回転軸(図示略)を中心として回転可能とされている。
ベース部材361Aには、可動部材362A〜362Dを移動可能に案内する長孔365A〜365Dが、各可動部材362A〜362Dに対応する位置において正面視略中央位置から放射状に延びるように形成され、該長孔365A〜365Dには、各可動部材362A〜362Dの背面に突設された連動軸370A〜370Dが後側に突出するように前側から挿入されている。一方、カバー部材361Bには、長孔366A〜366Dが各可動部材362A〜362Dに対応する位置において正面視略中央位置から放射状に延びるように形成され、該長孔366A〜366Dには、各可動部材362A〜362Dの背面に突設された左右一対の案内軸371A〜371Dが前側から挿入されている。
ベース部材361Aの背面上部左右側及び背面下部左右側には、左右一対の案内軸367A〜367Dがそれぞれ後方に向けて突設されている。また、ベース部材361Aの背面左右側下部には、回動軸368L,368Rが後方に向けて突設されている。ベース部材361Aの背面左右側には、アーム309L,309Rが側方に突出するように取付けられ、ベース部材361Aの上辺左右側には、第2可動部352に接触可能なガイドローラ369L,369Rが取付けられている。
ベース部材361Aの背面左右側には、第1可動部351(ベース部361)の上下移動に応じて各可動部材362A〜362Dを移動させるための連動部材380L,380Rが左右方向にスライド移動可能に設けられている。
左側の連動部材380Lは、ベース部材361Aの案内軸367Aが挿入される左右方向を向く長孔381Aと、ベース部材361Aの案内軸367Bが挿入される左右方向を向く長孔381Bと、可動部材362Aの連動軸370Aが挿入される上下方向を向く長孔382Aと、可動部材362Bの連動軸370Bが挿入される斜め方向を向く長孔382Bと、後述する第3可動部353の連動軸395Lが挿入され上下方向に向けて左右に緩やかに湾曲する長孔383Lと、を有している。
右側の連動部材380Rは、ベース部材361Aの案内軸367Cが挿入される左右方向を向く長孔381Cと、ベース部材361Aの案内軸367Dが挿入される左右方向を向く長孔381Dと、可動部材362Cの連動軸370Cが挿入される上下方向を向く長孔382Cと、可動部材362Dの連動軸370Dが挿入される斜め方向を向く長孔382Dと、後述する第3可動部353の連動軸395Rが挿入され上下方向に向けて左右に緩やかに湾曲する長孔383Rと、を有している。
図8−12に示すように、これら左右の連動部材380L,380Rは、互いに近接する第1連動位置(図8−12(A)参照)と互いに離間する第2連動位置(図8−12(B)参照)との間で左右方向にスライド移動可能とされている。詳しくは、第3可動部353の連動軸395L,395Rにより左右方向に押圧されることで、長孔381A〜381Dに挿入されたベース部材361Aの案内軸367A〜367Dにより左右方向に移動案内されるとともに、該移動に応じて長孔382A〜382Dに挿入された可動部材362A〜362Dの連動軸370A〜370Dが左右に押圧されることで、可動部材362A〜362Dの案内軸371A〜371Dがカバー部材361Bの長孔366A〜366Dにより移動案内されることで、可動部材362A〜362Dがベース部361に対しスライド移動するようになっている。
可動部材362A〜362Dは、ベース部361に内蔵された第1演出用LED312Aからの照射光を前方に透過可能な透過性部材にて構成され、ベース部361に対し、各可動部材362A〜362Dが近接する近接位置(図8−16(A)参照)と、各可動部材362A〜362Dが放射状に離れる離間位置(図8−18(A)参照)と、の間で移動可能とされている。また、各可動部材362A〜362Dの前面には所定の装飾が施されており、各可動部材362A〜362Dが近接位置に位置する合体状態において、各可動部材362A〜362Dの装飾により一の装飾部(例えば、一の文字や数字など)が形成されるようになっている。そして、各可動部材362A〜362Dが離間位置まで移動して分離状態に変化することで、前記一の装飾部が分解されたように見せることができる。
また、各可動部材362A〜362Dの背面における他の部材との隣接辺部には、マグネット385A〜385Hが設けられており、各可動部材362A〜362Dが近接位置に移動したときに、互いに対応するマグネット385A〜385Hの磁力により各可動部材362A〜362Dが近接位置に維持されるようになっている。これにより、例えば、第1可動部351が第1中間対応位置や第1演出対応位置まで落下したときの衝撃により、各可動部材362A〜362Dが近接位置から移動して各可動部材362A〜362D間に隙間が生じることが抑制されている。
図8−10及び図8−11に示すように、第2可動部352は、非透過性部材からなるベース部材375Aと、ベース部材375Aの前面側を覆う透過性部材からなるカバー部材375Bと、からなり、内部には複数の第1演出用LED312B(図8−2参照)が前方に向けて光を照射可能に設けられている。尚、カバー部材375Bの前面には所定の装飾が施されている。
ベース部材375Aの左右の側辺上部には、左右方向を向く案内軸376L,376Rが突設されており、ベース体501の上部に前後方向に延設された案内孔377L,377R(図8−6参照)に移動可能に挿入されている。案内孔377L,377Rは、前方に向けてやや上方に傾斜している(図8−13(B)参照)。また、第2可動部352の下辺部には、連結部材378L,378Rが下方に向けて延設されており、これら連結部材378L,378Rの下端には、第3可動部353と連結するための左右方向を向く連結軸378Aが設けられている。
このように構成された第2可動部352は、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置において、案内軸376L,376Rがベース体501の案内孔377L,377Rの後側に位置し、カバー部材375Bの前面が後上方を向く後傾姿勢をなす。そして、第1可動部351の下方への移動に応じて案内軸376L,376Rが案内孔377L,377Rにより前方に案内されながら案内軸376L,376Rを中心として回動し、第1可動体301の第1中間位置に対応する第1中間対応位置において、案内軸376L,376Rがベース体501の案内孔377L,377Rの前側に位置し、カバー部材375Bの前面が前方を向く起立姿勢をなす。
図8−10及び図8−11に示すように、第3可動部353は、透過性部材からなる板状のベース部390A及びベース部390Aの前面における上辺と左右側辺に形成された立体状の装飾部390Bを有する。ベース部390Aの前面上辺部には、軸受部391L,391Rが形成されており、これら軸受部391L,391Rには、第2可動部352の左右の連結部材378L,378Rの連結軸378Aが回転可能に軸支されている。
ベース部390Aの下辺部左右側には、第1可動部351と連結するための連結アーム394L,394Rが設けられている。連結アーム394L,394Rは、上端が前後方向を向く回動軸393を中心としてベース部390Aの下辺部に回動可能に軸支された第1アーム部394Aと、下端が第1可動部351の回動軸368L,368Rに回動可能に軸支された第2アーム部394Bと、を有し、第1アーム部394Aの下端と第2アーム部394Bの上端とは、前後方向を向く連動軸395L,395Rを介して回動可能に連結されている。尚、連動軸395L,395Rは、前方に突出しており、連動部材380L,380Rの長孔383L,383Rに挿入されている。また、第2アーム部394Bは、第1可動部351の回動軸368L,368Rに環装されたコイルバネ396により、連動軸395L,395Rが長孔383L,383Rの下端側に維持されるように下方に向けて付勢されている。
このように構成された第1可動体301は、上下方向に移動可能に設けられた第1可動部351と、前後方向に移動可能、かつ、回動可能な第2可動部352と、第1可動部351と第2可動部352とを連結する第3可動部353と、を有し、第1可動部351が第1原点対応位置から第1中間対応位置まで自重により落下することで、第2可動部352が前方に引出されながら案内軸376L,376Rを中心として回動して後傾姿勢から起立姿勢に変化するとともに、第3可動部353が第1可動部351とともに第1原点対応位置から第1中間対応位置まで下降する。
また、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで落下する際には、第2可動部352は第1中間対応位置まで引出されていることで、第1可動部351のみが第2可動部352及び第3可動部353に対し下方に移動する。そしてこの下降動作により、連動部材380L,380Rにより可動部材362A〜362Dが近接位置から離間位置へ移動することで、第1可動部351が合体状態から分離状態に変形する。
(第1可動体301の動作態様)
次に、第1可動体301の動作態様について、図8−13〜図8−20に基づいて説明する。図8−13は、(A)は第1可動体が第1原点位置にある状態を示す概略正面図、(B)は概略右側面図である。図8−14は、第1可動体が第1原点位置にある状態を示す背面図である。図8−15は、(A)は第1可動体が第1中間位置にある状態を示す概略正面図、(B)は概略右側面図である。図8−16は、第1可動体が第1中間位置にある状態を示す背面図である。図8−17は、(A)は第1可動体が第1演出位置にある状態を示す概略正面図、(B)は概略右側面図である。図8−18は、第1可動体が第1演出位置にある状態を示す背面図である。図8−19は、(A)は、第1可動部が第1原点対応位置から落下して第1中間対応位置にて停止した状態、(B)は第1可動部が駆動体の下降に応じて第1中間対応位置から落下する状態、(C)は第1可動部と駆動体とが第1演出対応位置にて停止した状態を示す概略図である。図8−20は、(A)は、第1可動部が第1原点対応位置から落下して第1中間対応位置にて停止した状態、(B)は第1可動部が駆動体が下降しても第1中間対応位置から落下しない状態、(C)は第1可動部と駆動体とが第1演出対応位置にて停止した状態を示す概略図である。
本実施の形態では、演出制御用CPU120は、駆動体310L,310Rにより第1可動体301を上昇させて第1原点位置に保持した後、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向に回転させて駆動体310L,310Rを中間位置(図中2点鎖線で示す位置)まで下降させる。つまり、初期状態においては、第1可動体301を第1原点位置に維持し、かつ、駆動体310L,310Rを中間位置に維持する。尚、初期状態において駆動体310L,310Rを上方位置に保持しておき、第1可動体301の落下タイミングになる前に駆動体310L,310Rを下降させて、中間位置や下方位置に保持するようにしてもよい。
また、第1可動体301を落下させる可動体演出においては、第1可動体301を第1原点位置から落下(移動)させ、駆動体310L,310Rにより第1中間位置にて受け止めた後、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させることにより、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)させる。
尚、以下においては、可動体演出において、第1原点位置から落下させた第1可動体301を第1中間位置にて受け止めた後、第1演出位置まで落下(移動)させる形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出において、第1原点位置から落下させた第1可動体301を第1中間位置にて受け止めることなく、第1演出位置まで直接落下(移動)させてもよいし、第1原点位置から落下させた第1可動体301を第1中間位置にて受け止めた後、第1演出位置まで落下(移動)させないようにしてもよい。
まず、図8−13及び図8−14に示すように、第1可動体301が第1原点位置に位置している初期状態では、第1可動部351は、遊技者から視認可能であり、係止部材318Aによりアーム309L,309Rが係止されていることで、第1原点対応位置に保持されている。第2可動部352は、案内軸376L,376Rが案内孔377L,377Rの後側に位置し、連結軸378Aが案内軸376L,376R前上方に位置していることで、第1可動部351の背面側に重複した状態で後傾姿勢をなしている。第3可動部353は、第1可動部351の背面側に重複した状態で起立姿勢にて保持されている。つまり、第2可動部352及び第3可動部353は、第1可動部351の背面側に重複しているので、遊技者からは視認困難(視認不可)とされている。
また、駆動体310L,310Rの係止部材340L,340Rは、駆動体310L,310Rが中間位置に位置しているときには傾倒姿勢となってカバー体304L,304Rの傾斜壁343L,343Rの内面に当接するので、アーム309L,309Rの係止凹部319L,319Rに係止されない係止解除状態とされている。
次いで、落下条件が成立した(例えば、可動体演出の実行中において所定の落下タイミングとなった場合など)ことに基づいて、演出制御用CPU120は、第1可動体301を第1原点位置から第1中間位置まで落下させる場合、図8−15及び図8−16に示すように、駆動体310L,310Rが中間位置に保持されていること(第1中間位置検出スイッチ309Bからの検出信号を受信していること)を条件として、第1演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318Aを退避させる。これにより、第1可動体301は第1原点位置から第1中間位置まで落下する。
詳しくは、第1可動部351は、第1原点対応位置において下半部が画像表示装置5の表示領域に重複しており、第1原点対応位置から落下した後、駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められることで第1中間対応位置にて停止する。そして第1中間対応位置において、全体が画像表示装置5の表示領域上部に重複する。
第1可動部351が第1原点対応位置から落下すると、第3可動部353を介して第2可動部352が第1原点対応位置から前方に引出されながら回動して、第1可動部351よりも第1原点対応位置側(上方)の第1中間対応位置において、第1可動部351の上方に並んで起立姿勢で保持される。このとき、第1可動部351と第3可動部353とを連結する連結アーム394L,394Rの第2アーム部394Bは、コイルバネ396により連動軸395L,395Rを長孔383L,383Rの下端側に向けて付勢されていることで、第1可動部351が落下しても第2アーム部394Bは回転しないため、第3可動部353が第1可動部351とともに下方に引き下ろされる。つまり、コイルバネ396の付勢力は、第1可動部351の下降に応じて第3可動部353及び第2可動部352を引き下ろすのに必要な大きさを有している。
次いで、第1可動体301を第1中間位置からさらに第1演出位置まで落下させる場合、図8−17及び図8−18に示すように、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向に回転させて、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させる。ここで、駆動体310L,310Rの下降に伴う係止部材340L,340Rの動作態様について以下に説明する。尚、図8−19及び図8−20においては、左右の移動手段303L,303Rは同様に構成されているため、以下においては、左側の移動手段303Lについてのみ図示し、右側の移動手段303Rの図示は省略する。
図8−19(A)に示すように、駆動体310L,310Rが中間位置に位置している状態で、第1演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318Aを退避させると、第1可動部351は第1原点対応位置から落下し、第1中間対応位置において駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められることで第1中間対応位置にて停止する。
次いで、図8−19(B)に示すように、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向に回転させることで、駆動体310L,310Rが中間位置から下方位置に向けて移動を開始すると、第1可動部351は、駆動体310L,310Rの下降に応じて第1中間対応位置から自重により落下する。つまり、駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められた状態のまま、駆動体310L,310Rとともに下降(下方に移動)していく。
駆動体310L,310Rが中間位置から下降すると、係止部材340L,340Rが傾斜壁343L,343Rにより案内されることにより回動軸341を中心として回動し、補助側壁344L,344Rに接触することで起立姿勢に変化して、係止爪340Aが係止凹部319L,319R内に進入して係止可能状態になる。このとき、係止爪340Aは、係止凹部319L,319Rの下壁319Aと上壁319Bとの略中央位置に位置するため、下壁319Aと係止爪340Aの間には所定の隙間L10が生じる。つまり、係止可能状態とは、係止爪340Aは下壁319Aに係止されていないが係止可能な状態である。
そして、図8−19(C)に示すように、係止部材340L,340Rが係止可能状態に変化した後、駆動体310L,310Rが下方位置まで下降する間は、係止部材340L,340Rが係止可能状態に維持されたまま、駆動体310L,310Rとともに第1可動部351が下降し、駆動体310L,310Rが下方位置にて停止するのに応じて、第1可動部351が第1演出対応位置に停止する。
次に、図8−20(A)に示すように、第1可動部351が第1中間対応位置において駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められることで第1中間対応位置にて停止した状態から、第1可動部351を第1演出対応位置まで自重により下降させる場合において、第1可動体301が中間位置にて何らかの理由で落下しない場合について説明する。
詳しくは、第1可動部351は、第1原点位置から自重により落下し、第1中間位置において駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められたときに、受け止められた衝撃により跳ね上がったり振動したりする。また、アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rの内径は、第1可動部351がスムーズに落下できるように、案内軸306L,306Rの外径よりも大径とされている。つまり、案内軸306L,306Rと貫通孔331L,331Rとの間に比較的大きな遊びが設けられていることで、受け止められた衝撃により跳ね上がったり振動したりしたときに、第1可動部351が案内軸306L,306Rに対し前後または左右に傾くことがある。このように傾くと、貫通孔331L,331Rの内周面の上下部が案内軸306L,306Rの外周面に押し付けられ、貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との間に摩擦抵抗が生じ、第1可動部351が案内軸306L,306Rに引っ掛かかってしまい、自重により落下できなくなる虞がある。
また、本実施の形態では、第1可動部351が第1中間対応位置まで落下すると、第2可動部352と第3可動部353も第1中間対応位置まで移動するが、これら第2可動部352と第3可動部353は、第1原点対応位置と第1中間対応位置との間で移動可能であって、第1中間対応位置を経由してさらに移動することはない。よって、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで落下する際に、第2可動部352と第3可動部353は下降せず、連結アーム394L,394Rが回動することにより第1可動部351の落下が許容される(図8−12参照)。しかし、連結アーム394L,394Rには、コイルバネ396によって、第1可動部351とともに第2可動部352と第3可動部353を第1中間対応位置まで下降させるのに必要な付勢力が作用しているため、第1可動部351の荷重とコイルバネ396の付勢力とがバランスしてしまうと、第1可動部351が第1中間対応位置から自重により落下できなくなる虞がある。また、連結アーム394L,394Rや連動部材380L,380Rがスムーズに動作しないことなどによっても、第1可動部351が第1中間対応位置から自重により落下できなくなる虞がある。
このように、第1可動部351が上記したような理由で第1中間対応位置から自重により落下されない場合、図8−20(B)に示すように、駆動体310L,310Rが中間位置から下方位置に向けて移動を開始しても、第1可動部351は第1中間対応位置にて停止したままなので、第1可動部351から駆動体310L,310Rが下方に離れてしまう。しかし、第1可動部351に対し駆動体310L,310Rが所定距離L11だけ離れたタイミングで、係止部材340L,340Rが傾斜壁343L,343Rにより案内されることにより回動軸341を中心として回動し、補助側壁344L,344Rに接触して起立姿勢に変化することで、係止爪340Aが係止凹部319L,319R内における下壁319A近傍位置にて進入して係止可能状態となる。
そして、図8−20(C)に示すように、駆動体310L,310Rがさらに下降すると係止爪340Aが下壁319Aに係止されて係止状態になるので、自重ではなく、駆動体310L,310Rの駆動力により第1可動部351が強制的に引き下ろされる。つまり、駆動体310L,310R、係止部材340L,340R及び補助側壁344L,344Rからなる移動補助手段は、第1可動部351の下方への移動を補助することが可能であるため、上記したような理由で第1中間対応位置から落下しない場合でも、駆動体310L,310Rを好適に下降させることができる。
より詳しくは、係止部材340L,340Rが係止可能状態となるタイミングは、第1可動部351が駆動体310L,310Rにより第1中間対応位置にて受け止められたタイミングや、駆動体310L,310Rが中間位置から下降を開始した直後のタイミングでもなく、第1可動部351に対し駆動体310L,310Rが所定距離L11だけ離れたタイミングとされているため、第1可動部351が問題なく第1中間対応位置から自重により落下できる場合には係止爪340Aが下壁319Aに係止されることはないので、第1可動部351を自重によりスムーズに落下させることができる一方で、第1可動部351が何らかの理由により第1中間対応位置から自重により落下できない場合にのみ、補助的に係止爪340Aが下壁319Aに係止されて強制的に下降させることができる。
よって、下降させるたびに係止爪340Aを下壁319Aに係止させる必要がないので、係止爪340Aや下壁319Aといった部材の摩耗や劣化を抑制できる。また、係止タイミングの精度を高めるために、係止部材340L,340Rを駆動源により駆動させることなく、下降動作を利用して係止部材340L,340Rを係止解除状態と係止可能状態とに変化させることができる。
図8−17及び図8−18に戻って、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで落下する場合、第2可動部352及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降することで、第1可動部351は、第1中間対応位置にあるときよりも第2可動部352に対し下方に離れるため、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現する。
また、第3可動部353が出現したタイミングで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示領域における第3可動部353のベース部390Aに対応する部分に、特定演出画像としてのキャラクタ画像Z1を、立体視可能な3D画像として表示することで、遊技者は、第1可動部351と第2可動部352との間に出現した第3可動部353のベース部390Aを透して、画像表示装置5の表示領域に立体視可能に表示されたキャラクタ画像Z1を視認することが可能となる。また、画像表示装置5の表示領域におけるベース部390Aに対応する部分以外(第1可動部351及び第3可動部353の周囲など)には、第1可動部351及び第3可動部353を強調表示するエフェクト画像Z4を2D画像として表示する。
また、第2可動部352及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降することにより連結アーム394L,394Rが回動し、これにより連動部材380L,380Rが第1連動位置から第2連動位置へスライド移動することで、ベース部361に対し可動部材362A〜362D各々が近接位置から離間位置へ移動することで、第1可動部351が合体状態から分離状態に変化(変形)するとともに、可動部材362A〜362Dの離間位置への移動により、ベース部361の中央に第1回転用モータ311により回転する回転部材363が出現する。
尚、特に図示しないが、第1可動体301を第1演出位置から第1原点位置まで上昇させる場合、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させて、駆動体310L,310Rを下方位置から上方位置まで上昇させる。駆動体310L,310Rが下方位置から中間位置まで上昇することで、第1可動部351のみが第1演出対応位置から第1中間対応位置まで上昇するとともに、ベース部361に対し各可動部材362A〜362D各々が離間位置から近接位置へ移動して合体状態に戻る。
次いで、駆動体310L,310Rが中間位置から上方位置まで上昇することで、第1可動部351が第1中間対応位置から第1原点対応位置まで上昇する。このとき、第1可動部351の上昇に応じて第3可動部353も上昇し、さらに第3可動部353のガイドローラ369L,369Rが第2可動部352の下部に接触して該第2可動部352が押し上げられ、案内軸376L,376Rが案内孔377L,377Rの後側に移動することで起立姿勢から傾倒姿勢に変化する。
そして、第1可動部351のアーム309L,309Rが係止部材318Aにより係止されることで、第1可動体301が第1原点位置に保持される。第1原点位置検出スイッチ315L,315Rにより第1可動体301が検出された後、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを回転させて、駆動体310L,310Rを上方位置から中間位置まで下降させることで、駆動初期状態に復帰する。
(第1可動体301による可動体演出)
次に、第1可動体301による可動体演出の一例について、図8−21に基づいて説明する。図8−21は、(A)〜(F)は可動体演出における第1可動体の演出動作例を示す図である。
以下においては、大当りのスーパーリーチ変動パターンに基づく可変表示において、スーパーリーチ演出における所定タイミングにて第1可動体301による可動体演出を実行する場合について説明する。
図8−21(A)に示すように、演出制御用CPU120は、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示を開始してから所定時間が経過したタイミングで、図8−21(B)に示すように、飾り図柄の可変表示の態様を所定のリーチ態様とした後、スーパーリーチ演出を開始する。次いで、スーパーリーチ演出を開始してから所定時間が経過したタイミングで、図8−21(C)に示すように、スティックコントローラ31Aを模した画像Z2と、「引け!」なる文字画像Z3を表示し、スティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進演出を行う。
そして、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作有効期間内にスティックコントローラ31Aの操作を検出した場合、または、スティックコントローラ31Aの操作を検出せずに操作有効期間が経過したタイミングで、図8−21(D)に示すように、第1演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態とし、第1可動体301を第1原点位置から落下させる。
次いで、図8−21(E)に示すように、第1可動体301が第1中間位置に停止した後、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを回転させて、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置へ下降させることで、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)することに応じて、ベース部361に対し可動部材362A〜362D各々が合体位置から離間位置へ移動して第1可動部351が合体状態から分離状態に変形するとともに、第1可動部351と第2可動部352との間から第3可動部353が出現する。そして、出現した第3可動部353のベース部390Aを透して、画像表示装置5の表示領域にキャラクタ画像Z1を立体視可能な3D画像として表示する。
次いで、第1可動体301が第1演出位置に移動してから所定時間が経過したタイミングで、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させて、駆動体310L,310Rを下方位置から上方位置まで上昇させることで、第1可動体301のアーム309L,309Rが係止部材318Aにより係止され、第1原点位置に保持される。また、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃い図柄を停止表示して、大当りになったことを報知する。
(第1演出装置300における配線構造)
次に、第1演出装置300における配線構造について、図8−22〜図8−25に基づいて説明する。図8−22は、第1可動体が第1演出位置に位置している状態を示す背面図である。図8−23は、(A)は図8−22のA−A断面図、(B)は第1可動体が第1原点位置にまで上昇した状態、(C)は図8−22のB−B断面図である。図8−24は、(A)は図8−22のC−C断面図、(B)は第1可動体が第1原点位置にまで上昇した状態、(C)は図8−22のD−D断面図である。図8−25は、図8−22のE−E断面図である。
図8−22に示すように、ベース体501の背面上部右側には、演出制御基板12と第1演出装置300との配線接続を中継する中継基板510が設けられている。中継基板510と演出制御基板12との間の配線の図示は省略しているが、中継基板510と、第1可動部351に搭載された第1回転用モータ311や第1演出用LED312Aとを接続する配線として、電力や信号を供給するための電気ケーブルであって可撓可能なフレキシブルフラットケーブルからなるケーブルC1(図8−22において網点で示す部材)が使用されている。尚、フレキシブルフラットケーブルは、被覆線を複数本並べて融着したフラットケーブルであってもよいし、1本の単線、撚線であってもよいし、撚対線であってもよい。
図8−22〜図8−25に示すように、中継基板510に接続されたケーブルCは、中継基板510からベース体501の背面に沿うように下方に延出される第1配線部C1と、第1配線部C1の下端から左側に向けて折り返される第2配線部C2と、第2配線部C2の右端から下方に向けて折り返される第3配線部C3と、第3配線部C3から左側に向けて折り返される第4配線部C4と、第4配線部C4の右端から下方に向けて折り返される第5配線部C5と、を有する。
図8−25に示すように、第1配線部C1は、中継基板510に一端が接続され、余剰分が折り返された後、ベース体501に取付けられるカバー部材520,521により、ベース体501の背面に沿うように上下方向に向けて配線されている。また、第2配線部C2は、ベース体501に取付けられるカバー部材521により、ベース体501の背面に沿うように左右方向に向けて配線されている。
図8−24に示すように、第3配線部C3は、ベース体501から下方に延出された後、側面視略U字形をなすように前側に向けて裏返されて、第3可動部353とカバー部材523との間に差し込まれている。また、ベース体501からは下方に向けてカバー部材522が垂下されているとともに、第3可動部353からは下方に向けてカバー部材523が垂下されている。これらカバー部材522とカバー部材523とは、下方に垂下される第3配線部C3を前後から挟み込むように前後に離れて配置されているため、図8−24(B)に示すように、第3可動部353が上昇(または下降)する際に、第3配線部C3を屈曲させないように、かつ、前後に大きく膨らまないように、カバー部材522とカバー部材523との間に収容する。また、図8−24(C)に示すように、カバー部材522とカバー部材523とは、横断面視略コ字形に形成されているため、第3可動部353が上昇(または下降)する際に、第3配線部C3が左右側に逸脱しないようにガイドされる。
また、第4配線部C4は、ベース体501に取付けられるカバー部材524により、ベース体501の背面に沿うように左右方向に向けて配線されている。
図8−23に示すように、第5配線部C5は、第3可動部353から下方に延出された後、側面視略U字形をなすように前側に向けて裏返されて、第1可動部351の背面に設けられたコネクタCNに差し込まれている。また、第3可動部353からは下方に向けてカバー部材525が垂下されているとともに、第1可動部351の背面には下方に向けてカバー部材526が垂下されている。これらカバー部材525とカバー部材526とは、下方に垂下される第5配線部C5を前後から挟み込むように前後に離れて配置されているため、図8−23(B)に示すように、第1可動部351が上昇(または下降)する際に、第5配線部C5を屈曲させないように、かつ、前後に大きく膨らまないように、カバー部材525とカバー部材526との間に収容する。また、図8−23(C)に示すように、カバー部材525とカバー部材526とは、横断面視略コ字形に形成されているため、第1可動部351が上昇(または下降)する際に、第5配線部C5がカバー部材525とカバー部材526に対し左右側に逸脱しないようにガイドされる。
(第2演出装置400)
次に、第2演出装置400について、図8−26及び図8−27に基づいて説明する。図8−26は、(A)は第2可動体401の第1回転状態、(B)は第2回転状態を示す正面図である。図8−27は、第2可動体のベース部を取外した状態を示す背面図である。
図8−26及び図8−27に示すように、移動手段402は、ベース体501に前後方向を向く回動軸(図示略)を介して回動可能に軸支されており、該移動手段402の先端には、第2可動体401を回転可能に支持するベース部411(図8−7参照)が取付けられている。
第2可動体401は、ベース部411の前面側中央部に回転可能に設けられた円形の第1回転部421と、第1回転部421を囲むように配置され、第1回転部421とは別個に回転可能に設けられた環状の第2回転部422と、第1回転部421に前後方向を向く回動軸424を中心として揺動可能に設けられた装飾部423A〜423Cと、を有する。
装飾部423A〜423Cは、図8−26(A)に示すように、各装飾部423A〜423Cが近接する第1演出状態と、図8−26(B)に示すように、各装飾部423A〜423Cが離間して各々の先端が第2回転部422の外縁より大きく突出する第2演出状態と、に変化可能とされている。
また、第1回転部421、第2回転部422及び装飾部423A〜423Cの内部には、複数の第2演出用LED406(図8−2参照)が前方に向けて光を照射可能に各々設けられており、第2演出用LED406が発光することにより、第1回転部421、第2回転部422及び装飾部423A〜423Cの前面が発光するようになっている。
図8−27に示すように、ベース部411の背面に固定された第2回転用モータ405の駆動軸405Aは、ベース部411の前面側に突出しており、該駆動軸405Aの先端には駆動ギヤ430が固着されている。第1回転部421の背面には、駆動ギヤ430に噛合する第1ギヤ431が設けられ、第1ギヤ431の前面側には、第1ギヤ431よりも大径の第2ギヤ432が第1ギヤ431と一体に設けられている。
一方、第2回転部422の内周部には、環状の第3ギヤ433が設けられており、ベース部411における第2ギヤ432と第3ギヤ433との間には、第2ギヤ432と第3ギヤ433とに噛合する複数のアイドルギヤ434A〜434Cが回転可能に設けられている。
また、第1回転部421の背面には、背面視C字形をなし、周壁の一部に切欠部440Aが形成された筒状の検出片440が背面側に向けて突設されており、ベース部411に設けられた第2回転原点位置検出スイッチ408により検出片440を検出可能とされている。
演出制御用CPU120は、第2可動体401の回転開始条件が成立したとき、第2回転用モータ405により第1回転部421を回転させることで、第2回転部422が連動して第1回転部421と逆方向に回転する。また、第1回転部421の回転速度が所定回転速度に到達すると、各装飾部423A〜423Cが第1状態から第2状態に変化する。また、回転停止条件が成立したとき、後述する停止制御に基づいて回転を停止させる。
停止制御では、第1回転部421の回転を停止させたときに、各装飾部423A〜423Cが常に第1状態となるように、第2回転原点位置検出スイッチ408により検出片440が検出されない位置、つまり、第2回転原点位置検出スイッチ408に対応する位置に切欠部440Aが位置する第2回転原点位置にて第1回転部421が停止するように制御される。
(第2演出装置400の制御)
図8−28は、本実施の形態における第2演出装置400の制御に関連するブロック図である。
前述のように本実施の形態において演出制御基板12には、第2演出装置400の第2可動体401を回転させるための第2回転用モータ405の駆動制御を行うモータ制御部409が設けられる。第2回転用モータ405は、ステッピングモータにて構成され、モータ制御部409が所定の励磁パターンに応じた励磁信号を出力することにより第2回転用モータ405を回転または停止させることが可能となっている。
演出制御用CPU120は、モータ制御部409に対して回転開始コマンドを出力することで、モータ制御部409に対して第2回転用モータ405の回転開始を命令し、回転停止コマンドを出力することで、第2回転用モータ405の回転停止を命令する。また、モータ制御部409は、第2回転用モータ405の回転制御の開始後、第2回転用モータ405の停止制御が完了するまでの期間にわたり演出制御用CPU120に対して回転中信号を出力するようになっており、演出制御用CPU120側で第2回転用モータ405が回転中か否かが特定されるようになっている。
また、第2可動体401には、第2回転原点位置(以下、初期位置と呼ぶことがある。)を検出するための検出片440(図8−27参照)が設けられており、第2回転原点位置検出スイッチ408により検出片440に設けられた切欠部440A(図8−27参照)が検出されることで原点信号がモータ制御部409に出力されるようになっており、モータ制御部409は、原点信号により第2可動体401の初期位置を特定し、特定した初期位置に基づいて停止制御を行うようになっている。また、原点信号は、モータ制御部409だけでなく、演出制御用CPU120にも入力されるようになっており、演出制御用CPU120側でも第2可動体401の初期位置を特定可能となっている。
次に、演出制御用CPU120が図7のS171の可変表示開始設定処理内で行う予告演出決定処理の一例について、図8−29に示すフローチャートを用いて説明する。
予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(Sa001)。変動表示結果は、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応する変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、スーパーリーチ(大当り)、ノーマルリーチ(大当り)、スーパーリーチ(ハズレ)、ノーマルリーチ(ハズレ)、であるので、具体的には、変動表示結果が大当りであるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
次いで、Sa001にて特定した変動パターンがスーパーリーチまたはノーマルリーチであるかを判定し(Sa002)、変動パターンがスーパーリーチでもノーマルリーチでもない場合には予告演出決定処理を終了する。一方、変動パターンがスーパーリーチまたはノーマルリーチのいずれかである場合には、予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(Sa003)。本実施の形態では、予告演出の種別として、第2可動体401を回転させる動作予告を含む複数種類の種別を決定可能である。動作予告以外の種別としては、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタを出現させるカットイン予告、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等を決定可能である。
Sa003では、予告演出の実行が決定される場合に、予告演出の実行が決定されない場合よりも大当りとなる可能性が高くなるように予告演出の実行の有無を決定する確率が設定されており、予告演出が実行されたときの方が予告演出が実行されないときよりも大当り期待度が高くなる。また、Sa003では、特定の種別(例えば、動作予告)が決定される場合に、他の種別が決定される場合よりも大当りとなる可能性が高くなるように予告演出の種別を決定する確率が設定されており、特定の種別の予告演出が実行された場合に、他の種別の予告演出が実行されたときよりも大当り期待度が高くなる。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて大当りとなる確率を、各予告演出が実行されて大当りとなる確率と各予告演出が実行されてハズレとなる確率の和で除算した数値である。例えば、各予告演出が実行されて大当りとなる確率とは、大当りが決定される確率:A、大当り決定時に予告演出の対象となる変動パターン(スーパーリーチ、ノーマルリーチ)が選択される確率:B、大当り決定時に各予告演出が決定される確率:Cとした場合に、A×B×Cであり、各予告演出が実行されてハズレとなる確率とは、ハズレが決定される確率:a、ハズレ決定時に予告演出の対象となる変動パターン(スーパーリーチ、ノーマルリーチ)が選択される確率:b、ハズレ決定時に各予告演出が決定される確率:cとした場合に、a×b×cであり、各予告演出の大当り期待度は、A×B×C/A×B×C+a×b×cとなる。
図8−29に戻り、Sa004においては、Sa003において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否かを判定する。ここでいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、いずれかの予告演出を決定した場合には、Sa005に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶する。
次いで、動作予告の実行を決定したか否か、すなわち実行する予告演出の種別が動作予告であるか否かを判定する(Sa006)。ここで動作予告の実行を決定していない場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、動作予告の実行を決定した場合には、動作予告による第2可動体401の動作時間、第2可動体401に設けられた第2演出用LED406の発光パターン、動作予告中に出力される効果音の音パターンを決定し(Sa007、Sa009、Sa011)、決定した動作時間、発光パターン、音パターンをそれぞれRAM122の所定領域に記憶し(Sa008、Sa010、Sa012)、当該予告演出決定処理を終了する。
Sa007では、図8−30(A)に示す動作時間決定テーブルを用いて6秒、4秒、2秒からいずれかの動作時間が決定される。動作時間決定テーブルでは、図8−30(A)に示すように、大当りの場合に長い動作時間が決定されやすく、ハズレの場合に短い動作時間が決定されやすいように設定されており、動作予告が実行された場合には、第2可動体401の動作時間が長いほど、大当り期待度が高い旨が示唆される。
Sa009では、図8−30(B)に示す発光パターン決定テーブルを用いてパターン1(赤色発光)、パターン2(緑色発光)、パターン3(黄色発光)、パターン4(青色発光)からいずれかの発光パターンが決定される。発光パターン決定テーブルでは、図8−30(B)に示すように、大当りの場合にパターン1、2、3、4の順で発光パターンが決定されやすく、ハズレの場合にパターン4、3、2、1の順で発光パターンが決定されやすいように設定されており、動作予告が実行された場合には、第2演出用LED406の発光色が赤色の場合に最も大当り期待度が高く、次いで、緑色、黄色、青色の順で大当り期待度が高い旨が示唆される。
Sa011では、図8−30(C)に示す音パターン決定テーブルを用いてパターンA、パターンBからいずれかの音パターンが決定される。音パターン決定テーブルでは、図8−30(C)に示すように、大当りの場合にもハズレの場合にもパターンBが決定されやすいが、大当りの場合の方がハズレの場合よりもパターンAが決定されやすいように設定されており、動作予告が実行された場合には、パターンAで効果音が出力される場合の方が、パターンBで効果音が出力される場合よりも大当り期待度が高い旨が示唆される。
ここで動作予告が実行された場合の大当り期待度(信頼度)とは、動作時間(発光パターン、音パターン)別の大当りとなる確率を、動作時間(発光パターン、音パターン)別の大当りとなる確率と動作時間(発光パターン、音パターン)別のハズレとなる確率の和で除算した数値である。
このように、予告演出決定処理では、予告演出を実行するか否か及び予告演出を実行する場合にはその種別を決定するようになっており、予告演出を実行する旨が決定された場合には、図7のS172の可変表示中演出処理内の予告演出処理によって予告演出を実行するための処理が行われることとなる。
次に、演出制御用CPU120が予告演出処理内で第2可動体401を回転させる処理を行う第2可動体動作処理の一例について、図8−31に示すフローチャートを用いて説明する。第2可動体動作処理は、前述の予告演出決定処理において動作予告を実行する旨が決定された場合に行われる処理である。
第2可動体動作処理において演出制御用CPU120は、まず、第2可動体401の動作期間か否かを判定し(Sb001)、第2可動体401の動作期間でなければ第2可動体動作処理を終了する。第2可動体401の動作期間か否かは、RAM122に第2可動体401の動作期間である旨を示す第2可動体動作フラグが設定されているか否かにより特定される。ここで第2可動体401の動作期間とは、動作予告の実行が決定され、さらに可変表示の開始後、第2可動体401が第2昇降用モータ404により規定位置に到達してから当該動作予告が終了するまでの期間である。
Sb001において第2可動体401の動作期間であれば、第2可動体401が動作中か否かを判定する(Sb002)。第2可動体401が動作中か否かは、RAM122に第2可動体401の動作中を示す動作中フラグが設定されているか否かにより特定される。
Sb002において第2可動体401が動作中でない場合には、第2可動体401の動作時間を計時するための動作時間タイマに予告演出決定処理において決定した動作時間に相当する値を設定し(Sb003)、さらに動作予告の上限時間を計時するための上限時間タイマに予め定められた上限時間(本実施の形態では10秒)に相当する値を設定する(Sb004)。
次いで、モータ制御部409に対して回転開始コマンドを出力する(Sb005)。これに伴いモータ制御部409は、第2回転用モータ405を回転させる制御を行い、第2可動体401の回転が開始することとなる。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理において決定した発光パターンにて第2演出用LED406の発光制御を開始する(Sb006)。発光パターンには、所定期間にわたり対応する発光色と点灯/消灯パターンで第2演出用LED406を点灯、消灯させる制御内容が定められており、発光制御が終了するまでの期間にわたり繰り返し発光パターンに応じた発光制御が行われるようになっている。尚、予告演出が実行される時間にわたり第2演出用LED406を点灯、消灯させる一連の制御内容が定められた発光パターンを適用しても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理において決定した音パターンによる効果音をスピーカ8L、8Rから出力させる音出力制御を開始する(Sb007)。音パターンには、所定期間にわたり対応する音パターンによる効果音をスピーカ8L、8Rから出力させる制御内容が定められており、音出力制御が終了するまでの期間にわたり繰り返し音パターンによる音出力制御が行われるようになっている。尚、予告演出が実行される時間にわたり一連の効果音をスピーカ8L、8Rから出力させる制御内容が定められた音パターンを適用しても良い。
次いで、RAM122に第2可動体401の動作中を示す動作中フラグを設定し(Sb008)、第2可動体動作処理を終了する。
Sb002において第2可動体401が動作中でない場合には、第2可動体401の停止待ちか否かを判定する(Sb009)。第2可動体401の停止待ちか否かは、第2可動体401の停止待ちを示す停止待ちフラグがRAM122に設定されているか否かにより特定される。
Sb009において第2可動体401の停止待ちでない場合には、動作時間タイマ及び上限時間タイマをそれぞれ1減算し(Sb010、Sb011)、動作時間タイマがタイマアウトしたか否か、すなわち予告演出決定処理において決定した動作時間が経過したか否かを判定し(Sb012)、動作時間タイマがタイマアウトしていない場合には、第2可動体動作処理を終了する。
Sb012において動作時間タイマがタイマアウトした場合には、モータ制御部409に対して回転停止コマンドを出力する(Sb013)。これに伴いモータ制御部409は、第2回転用モータ405を停止させる制御を開始することとなる。後述のようにモータ制御部409が回転停止コマンドを受信してもすぐに第2回転用モータ405を停止させるのではなく、その後第2回転用モータ405の停止制御を行うことにより第2回転用モータ405を停止させる。
次いで、第2可動体401の停止待ちを示す停止待ちフラグをRAM122に設定し(Sb014)、第2可動体動作処理を終了する。
Sb009において第2可動体401の停止待ちでない場合、すなわちモータ制御部409に対して回転停止コマンドを出力した後、未だ第2回転用モータ405が停止していない場合には、上限時間タイマを1減算し(Sb015)、モータ制御部409から出力される回転中信号がONであるか否か、すなわちモータ制御部409が第2回転用モータ405の回転制御中であるか否かを判定し(Sb016)、回転中信号がONであれば第2可動体動作処理を終了する。
Sb016において回転中信号がONでなければ、第2可動体401の初期位置が検出されているか否かを判定する(Sb017)。後述するように、モータ制御部409によって第2回転用モータ405を正常に停止させると第2可動体401は初期位置が検出される位置で停止することとなるため、Sb017では、第2可動体401が正常な位置で停止したか否かが判定されることとなる。
Sb017において第2可動体401の初期位置が検出されている場合には、Sb006で開始した発光制御を停止し(Sb019)、Sb007で開始した音出力制御を停止し(Sb020)、RAM122に設定された停止待ちフラグ、動作中フラグ、第2可動体動作フラグをそれぞれクリアし(Sb021、Sb022、Sb023)、第2可動体動作処理を終了する。これに伴い、次回以降の第2可動体動作処理では、Sb001において第2可動体401の動作期間ではないと判定されるため、上限時間タイマの計時が終了することとなる。
また、Sb017において初期位置が検出されていない場合には、上限時間タイマがタイマアウトしたか否か、すなわち動作予告の上限時間が経過したか否かを判定し(Sb018)、上限時間タイマがタイマアウトしていない場合には、第2可動体動作処理を終了する。
一方、Sb018において上限時間タイマがタイマアウトしている場合には、初期位置が検出されていない状況、すなわち第2可動体401が正常に停止していない場合でも、Sb006で開始した発光制御を停止し(Sb019)、Sb007で開始した音出力制御を停止し(Sb020)、RAM122に設定された停止待ちフラグ、動作中フラグ、第2可動体動作フラグをそれぞれクリアし(Sb021、Sb022、Sb023)、第2可動体動作処理を終了する。
次に、モータ制御部409について説明すると、モータ制御部409は、外部からのコマンドまたは内部の状況に応じて設定内容が変化する制御レジスタを有しており、制御レジスタの設定状況に応じた制御を行う。
例えば、演出制御用CPU120から回転開始コマンドを受信すると回転開始コマンドを受信した旨が制御レジスタに設定され、演出制御用CPU120から回転停止コマンドを受信すると回転停止コマンドを受信した旨が制御レジスタに設定される。また、第2回転用モータ405の回転中は回転中である旨が制御レジスタに設定され、第2回転用モータ405が停止すると停止中である旨が制御レジスタに設定される。また、第2回転原点位置検出スイッチ408において第2可動体401の初期位置が検出されているか否かが制御レジスタに設定される。また、時間を計時するタイマ機能を有しており、計時開始後、予め定められた時間が経過することでその旨が制御レジスタに設定される。
次に、モータ制御部409の制御内容の一例について、図8−32に示すフローチャートを用いて説明する。
モータ制御部409は、制御レジスタの設定状況を参照し、演出制御用CPU120から回転開始コマンドを受信しているか、演出制御用CPU120から回転停止コマンドを受信しているか、第2回転用モータ405の回転中であるか、を判定する(Sc001、Sc006、Sc011)。
Sc001において回転開始コマンドを受信していると判定した場合には、制御レジスタを参照し、第2回転用モータ405の停止中であるか否かを判定し(Sc002)、停止中であれば、回転開始制御を行い(Sc003)、演出制御用CPU120に対して出力される回転中信号をONとし(Sc004)、停止タイマの計時を開始する(Sc005)。
Sc002の回転開始制御では、予め定められた加速用の励磁パターンにて励磁信号を出力し、当該加速用の励磁パターンでの励磁信号の出力が完了した後、定速用の励磁パターンに切り替えて励磁信号を出力する制御を行う。これにより第2回転用モータ405は最大速度で回転することとなる。
Sc006において回転停止コマンドを受信していると判定した場合には、制御レジスタを参照し、第2回転用モータ405の回転中であるか否かを判定し(Sc007)、回転中であれば、第2可動体401の停止位置が規定の停止位置となるように第2回転用モータ405の回転を停止させる通常停止制御を行い(Sc008)、第2回転用モータ405の停止制御が終了した後、演出制御用CPU120に対して出力される回転中信号をOFFとし(Sc009)、停止タイマの計時を終了する(Sc010)。
Sc008の通常停止制御では、図8−33に示すように、回転開始コマンドを受信して停止条件が成立した後、第2回転原点位置検出スイッチ408において第2可動体401の初期位置が検出されてから制動開始位置に到達するまで定速用の励磁パターンでの励磁信号を出力する。このため、第2回転用モータ405は、制動開始位置まで最大速度で回転する状態が維持される。そして、制動開始位置に到達することで減速用の励磁パターンに切り替えて励磁信号を出力することで、停止位置に向けて減速し、停止位置に到達することで停止用の励磁パターンに切り替えて励磁信号を出力し、第2回転用モータ405を停止させる。この際、正常に第2回転用モータ405が停止位置に停止すると第2回転原点位置検出スイッチ408において第2可動体401の初期位置が検出された状態、すなわち第2可動体401が初期位置で停止することとなる。
Sc011において第2回転用モータ405の回転中であれば、Sc003において回転開始制御を行ってから第2回転用モータ405の長期間の回転を制限するために設定された停止時間(本実施の形態では8秒)が経過したか判定し(Sc012)、停止時間が経過している場合には、強制的に第2回転用モータ405の回転を停止させる強制停止制御を行い(Sc013)、第2回転用モータ405の停止制御が終了した後、演出制御用CPU120に対して出力される回転中信号をOFFとし(Sc009)、停止タイマの計時を終了する(Sc010)。
Sc013の強制停止制御では、通常停止制御とは異なり、第2回転原点位置検出スイッチ408による第2可動体401の初期位置の検出を待つことなく、即時に減速用の励磁パターンに切り替えて励磁信号を出力することで減速し、停止位置に到達することで停止用の励磁パターンに切り替えて励磁信号を出力し、第2回転用モータ405を停止させる。この際、規定の停止位置に向けて減速するものではないため、第2回転用モータ405が停止した際に、第2回転原点位置検出スイッチ408において第2可動体401の初期位置が検出された状態、すなわち第2可動体401が初期位置で停止することもあれば、第2可動体401が初期位置以外で停止することもある。
次に、動作予告の実行に伴う各部の動作状況について、図8−34〜図8−36を用いて説明する。
図8−34に示すように、演出制御用CPU120は、動作予告の実行に伴い第2可動体401の動作期間となった場合に、モータ制御部409に対して回転開始コマンドを出力するとともに、予告演出決定処理において決定した発光パターンにて第2演出用LED406の発光制御を開始し、予告演出決定処理において決定した音パターンによる効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御を開始する。また、回転開始コマンドを受信したモータ制御部409は、回転開始制御を行い、第2回転用モータ405の回転を開始し、回転中信号のONを演出制御用CPU120に対して出力する。これにより、第2可動体401の回転が開始されるとともに、予告演出決定処理において決定した発光パターンでの点灯が開始され、予告演出決定処理において決定した音パターンによる効果音のスピーカ8L、8Rからの出力が開始されることとなる。
その後、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理において決定した動作時間(2秒、4秒、6秒のいずれか)が経過することでモータ制御部409に対して回転開始コマンドを出力し、停止待ちの状態となる。回転開始コマンドを受信したモータ制御部409は、通常停止制御を行い、第2回転用モータ405を停止させる。通常停止制御が完了することで、回転中信号のOFFを演出制御用CPU120に対して出力する。回転中信号のOFFを検出した演出制御用CPU120は、第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出されていることで、正常な位置に停止したことを特定し、第2演出用LED406の発光制御を終了するとともに、スピーカ8L、8Rの音出力制御を終了する。これにより、第2可動体401が正常な停止位置に停止したタイミングで、動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯が終了し、動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力が終了することとなる。
図8−35に示すように、回転停止コマンドを受信したモータ制御部409が、通常停止制御を行い、第2回転用モータ405を停止させた場合にも、何らかの不具合により第2可動体401が正常な停止位置に停止しないことがある。
この場合には演出制御用CPU120が回転中信号のOFFを検出しても、第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出されず、正常な停止位置に停止したことが特定されないため、第2演出用LED406の発光制御もスピーカ8L、8Rの音出力制御も継続することとなるが、このような場合に演出制御用CPU120は、回転開始コマンドを出力し、第2可動体401の動作を開始させてから上限時間(本実施の形態では10秒)が経過することで、第2演出用LED406の発光制御を終了するとともに、スピーカ8L、8Rの音出力制御を終了する。
これにより、第2可動体401が正常な停止位置に停止せず、第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出されない場合でも、動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯が終了し、動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力が終了することとなる。
また、第2可動体401が正常な停止位置に停止しない場合に、第2演出用LED406の発光制御やスピーカ8L、8Rの音出力制御を終了することとなる上限時間は、最も長い動作時間(6秒)が決定された場合に第2回転用モータ405の回転が開始してから動作時間が経過し、通常停止制御によって第2回転用モータ405が停止するまでの時間よりも長く設定されており、決定された動作時間に関わらず、共通の上限時間が適用されるようになっている。
図8−36に示すように、演出制御用CPU120が動作時間の経過に伴い回転停止コマンドを出力したが、モータ制御部409が回転停止コマンドを正常に受信できない場合には、動作予告に伴う動作時間が経過しても第2回転用モータ405の回転は停止せずに継続することとなるが、モータ制御部409は、演出制御用CPU120から回転開始コマンドを受信して第2回転用モータ405の回転を開始させた後、回転停止コマンドを受信しない場合でも、長期間の回転を制限するために設定された停止時間(本実施の形態では8秒)が経過することで、強制停止制御を行い、第2回転用モータ405を強制的に停止させる。
この際、第2可動体401が正常な停止位置に停止しないことがあり、演出制御用CPU120が回転中信号のOFFを検出しても、第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出されず、正常な停止位置に停止したことが特定されないことがあり、この場合には第2演出用LED406の発光制御もスピーカ8L、8Rの音出力制御も継続することとなるが、このような場合にも演出制御用CPU120は、回転開始コマンドを出力し、第2可動体401の動作を開始させてから上限時間(本実施の形態では10秒)が経過することで、第2演出用LED406の発光制御を終了するとともに、スピーカ8L、8Rの音出力制御を終了する。
これにより、モータ制御部409が回転停止コマンドを受信できずに強制的に第2回転用モータ405の回転を停止させた場合に、第2可動体401が正常な停止位置に停止せず、第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出されない場合でも、動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯が終了し、動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力が終了することとなる。
また、第2可動体401が正常な停止位置に停止しない場合に、第2演出用LED406の発光制御やスピーカ8L、8Rの音出力制御を終了することとなる上限時間は、第2回転用モータ405の回転を開始させた後、回転停止コマンドを受信しない場合に強制的に第2回転用モータ405を停止させることとなる停止時間よりも長く設定されており、回転停止コマンドを受信できずに強制的に第2回転用モータ405が停止するまでの期間よりも長い期間にわたり動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯及び動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力が継続するようになっている。
以上説明したように、本実施の形態には、以下に示す第1発明が含まれている。つまり、従来、動作可能な可動体を備えた遊技機において、例えば、特開2017−140239号公報等に記載されたもののように、可動体を第1位置から該第1位置よりも下方の第2位置まで自重により落下させるもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、第2位置からさらに下方へ落下させる場合において、可動体を好適に落下させることができないことがあるという問題があった。そこで、可動体を好適に移動させることができる遊技機を提供することを目的として、第1発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
第1位置(例えば、第1原点位置、第1原点対応位置)から移動可能な可動体(例えば、第1可動体301、第1可動部351、第2可動部352、第3可動部353)を備え、
前記第1位置から移動した前記可動体を該第1位置よりも下方の第2位置(例えば、第2中間位置、第1中間対応位置)にて停止させた後、該第2位置よりも下方の第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)へ移動させることが可能であり(例えば、第1可動体301を落下させる可動体演出においては、第1可動体301を第1原点位置から落下(移動)させ、駆動体310L,310Rにより第1中間位置にて受け止めた後、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させることにより、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)させる。)、
前記可動体の前記第2位置から前記第3位置への移動を補助する移動補助手段(例えば、係止部材340L,340R及び補助側壁344L,344R、駆動体310L,310R、案内軸306L,306R、第1昇降用モータ308L,308R)を備える(図8−19、図8−20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体を第2位置で停止させた後でも好適に第3位置へ移動させることができる。
詳しくは、第1可動体301を第1原点位置から第1中間位置まで落下させた後、駆動体310L,310Rを下降させることにより第1可動体301を第1演出位置まで落下(下降)させる際に、第1可動体301が何らかの理由で自重により落下しない場合でも、移動補助手段としての係止部材340L,340Rが係止凹部319L,319Rに係止されることで、駆動体310L,310Rとともに第1可動体301を下降させる、つまり、第1可動体301の下方への移動が補助されるため、第1可動体301を第1演出位置まで好適に下降させることができる。
第1発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
所定の駆動源(例えば、第1昇降用モータ308L,308R)により移動可能であり、前記第1位置(例えば、第1原点位置)から移動した前記可動体(例えば、第1可動体301、第1可動部351)を受け止め可能な駆動体(例えば、駆動体310L,310R)を備え、
前記駆動体により前記可動体を前記第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)にて受け止めた後、該駆動体を下方へ移動させることにより前記可動体を前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)へ移動可能となり、
前記移動補助手段の少なくとも一部は、前記駆動体に設けられている(例えば、駆動体310L,310Rの外側方には、アーム309L,309Rの係止凹部319L,319Rに係脱可能な係止部材340L,340Rが上向きに設けられている。図8−8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、駆動体を利用して可動体の第2位置から第3位置への移動を補助することができる。
詳しくは、自重により落下可能な第1可動体301を上昇させるための駆動体310L,310Rの下降動作を利用して第1可動体301を強制的に下降させることができ、第1可動体301の下降を補助するための駆動源などを別途設けずに済むため、構造を簡素化することができる。
第1発明の手段3の遊技機は、手段2に記載の遊技機であって、
前記移動補助手段は、
前記可動体(例えば、第1可動体301、第1可動部351の係止凹部319L,319R)に係止可能な係止可能状態と係止解除状態とに変化可能に前記駆動体(例えば、駆動体310L,310R)に設けられた係止部(例えば、係止部材340L,340Rの係止爪340A)と、
前記可動体を前記第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)にて受け止めた後、該駆動体を下方へ移動させるときに前記係止部に作用することで、前記係止解除状態から前記係止可能状態に変化させる作用部(例えば、傾斜壁343L,343Rや補助側壁344L,344R)と、
を備える(図8−8、図8−19、図8−20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、駆動体の下方への移動を利用して係止部を係止可能状態に変化させることができる。
詳しくは、駆動体310L,310Rの下降動作を利用して、係止部材340L,340Rを係止可能状態と係止解除状態とに変化させることができ、係止部材340L,340Rを変化させるための駆動源などを別途設けずに済むため、構造を簡素化することができる。
第1発明の手段4の遊技機は、手段3に記載の遊技機であって、
前記駆動体(例えば、駆動体310L,310R)は、前記係止部(例えば、係止部材340L,340Rの係止爪340A)が前記係止解除状態となるように付勢する付勢部材(例えば、コイルバネ(図示略))を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、移動補助が不要なときに係止部を容易に係止解除状態とすることができる。
第1発明の手段5の遊技機は、手段2〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第1可動体301)の一方側を上下方向に案内する第1案内手段(例えば、案内軸306L)と、
前記可動体の他方側を上下方向に案内する第2案内手段(例えば、案内軸306R)と、
を備え、
前記駆動体は、前記第1案内手段及び前記第2案内手段の双方に有する(例えば、略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されており、該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。図8−13参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体を安定して移動させることができる。
第1発明の手段6の遊技機は、手段3〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記駆動体(例えば、駆動体310L,310R)が前記可動体(例えば、第1可動体301)を受け止めている状態で前記係止部(例えば、係止部材340L,340Rの係止爪340A)が前記係止可能状態に変化したときに、該係止部と前記可動体の被係止部(例えば、係止凹部319L,319Rの下壁319A)との間に所定の隙間(例えば、隙間L10)が設けられる(図8−19(B)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、係止部を好適に係止可能状態に変化させることができるとともに、駆動体が下方へ移動するときに可動体が移動しない場合は係止部が被係止部に係止されるので、可動体の第2位置から第3位置への移動を好適に補助できる。
詳しくは、係止爪340Aを係止凹部319L,319Rの下壁319Aに係止させる必要がない場合、つまり、第1可動体301が正常に落下する場合には、係止爪340Aが下壁319Aに係止されることはなく、係止爪340Aを係止凹部319L,319Rの下壁319Aに係止させる必要がある場合、つまり、第1可動体301が正常に落下しない場合には、係止爪340Aが下壁319Aに係止される。よって、第1可動体301を落下させるたびに係止爪340Aが下壁319Aに係止されて部材が摩耗することを抑制できる一方で、第1可動体301が正常に落下しない場合には好適に係止されるので、第1可動体301を好適に下降させることができる。
また、前記実施の形態には、以下に示す第2発明が含まれている。つまり、従来、動作可能な可動体を備えた遊技機において、例えば、特開2017−140239号公報等に記載されたもののように、第1位置において遊技者から視認可能な第1可動部と、第1位置において該第1可動部の後側に重複して遊技者から視認困難または不能な第2可動部とを有する可動体を、第1位置から第2位置へ移動することで、第2可動部が第1可動部より第1位置側に出現して遊技者から視認可能となるもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、可動体が第1位置から第2位置へ移動することにより第2可動部が出現するだけで可動体の移動態様が単調であるため、興趣を高めることができないという問題があった。そこで、可動体により興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的として、第2発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
第1可動部(例えば、第1可動部351)と該第1可動部とは異なる第2可動部(例えば、第2可動部352)とを有する可動体(例えば、第1可動体301)を備え、
前記可動体は、
第1位置(例えば、第1原点位置、第1原点対応位置)から第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)を経由して第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動可能であり(例えば、第1可動体301を落下させる可動体演出においては、第1可動体301を第1原点位置から落下(移動)させ、駆動体310L,310Rにより第1中間位置にて受け止めた後、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させることにより、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)させる。)、
前記第1位置において、前記第1可動部が遊技者から視認可能、かつ、前記第2可動部が該第1可動部の後側に重複して遊技者から視認困難または不能となり(図8−13参照)、
前記第1位置から前記第2位置まで移動することで、前記第2可動部が前記第1可動部より前記第1位置側に出現して遊技者から視認可能となり(図8−15参照)、
前記第2位置から前記第3位置まで移動することで、前記第1可動部が前記第2可動部から離れた位置まで移動し(図8−17参照)、
前記可動体が前記第3位置まで移動したときに、前記第1可動部と前記第2可動部との間に特定演出部が出現する(例えば、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで落下する場合、第2可動部352及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降することで、第1可動部351は、第1中間対応位置にあるときよりも第2可動部352に対し下方に離れるため、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現する。図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体の移動により第2可動部が出現した後、さらに特定演出部が出現するため、遊技者に驚きを与えることができる。
詳しくは、第1可動部351が第1原点対応位置から第1中間対応位置まで落下することで、第1可動部351の背面側に重複して遊技者から視認できなかった第2可動部352が出現することに加えて、第1可動部351が第1中間対応位置からさらに第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から、新たな第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現する。
また、第1可動部351の移動に応じて第1タイミングで第2可動部352が出現した後に、第1タイミングよりも後の第2タイミングで第2可動部352とは別個の第3可動部353(特定演出部)が出現する。すなわち、一度に複数の演出部が出現するのではなく、新たな演出部が段階的に出現するため、遊技者により意外性を与えることができる。
第2発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第1可動体301)は、前記第1可動部(例えば、第1可動部351)及び前記第2可動部(例えば、第2可動部352)とは異なる第3可動部(例えば、第3可動部353)を有し、
前記可動体が前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動したときに、前記第1可動部と前記第2可動部との間に前記特定演出部として前記第3可動部を出現させる(図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者に驚きを与えることができる。
第2発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第1可動体301)の後側に設けられる表示手段(例えば、画像表示装置5)を備え、
前記可動体が前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動したときに、前記表示手段の表示領域における前記特定演出部に対応する部分にて演出表示を行う(例えば、第3可動部353が出現したタイミングで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示領域における第3可動部353のベース部390Aに対応する部分に、特定演出画像としてのキャラクタ画像Z1を、立体視可能な3D画像として表示する。図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定演出部に立体視可能な画像が表示されるため、遊技者に驚きを与えることができる。
詳しくは、第1可動部351が第1中間対応位置からさらに第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から、第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現するだけでなく、第3可動部353のベース部390Aを透して、画像表示装置5に表示されたキャラクタ画像Z1を視認可能となるため、第1可動部351と画像表示装置5により表示された画像とによる演出を実現することができる。
第2発明の手段4の遊技機は、手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1可動部(例えば、第1可動部351)は、前記可動体(例えば、第1可動体301)が前記第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)から前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動するときに、第1状態(例えば、合体状態)から該第1状態とは異なる第2状態(例えば、分離状態)へ変形可能である(図8−15及び図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1可動部351の移動に応じて該第1可動部351が変形するため、遊技者に驚きを与えることができる。
第2発明の手段5の遊技機は、手段4に記載の遊技機であって、
前記第1可動部(例えば、第1可動部351)は、前記第1状態(例えば、合体状態)から前記第2状態(例えば、分離状態)へ変形することにより出現する特別演出部(例えば、回転部材363)を有する(図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1可動部351が変形した場合にのみ特別演出部が視認可能となるため、遊技者に驚きを与えることができる。
第2発明の手段6の遊技機は、手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1可動部(例えば、第1可動部351)は、
ベース部(例えば、ベース部361)と、
前記ベース部に対し動作可能な複数の可動部材(例えば、可動部材362A〜362D)と、
を有し、
前記複数の可動部材が近接する第1状態(例えば、合体状態)と、前記複数の可動部材が分離する第2状態(例えば、分離状態)と、に変形可能であり、
前記複数の可動部材を前記第1状態に維持するための吸着手段(例えば、マグネット385A〜385H)を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、意図しないときに可動体が第2状態に変形することを抑制できる。
詳しくは、第1可動体301が第1中間位置まで落下したときに、落下の衝撃により複数の可動部材362A〜362Dが近接位置から分離位置に向けて移動してしまうことにより、可動部材362A〜362Dの間に隙間が生じてしまうことを抑制できる。
また、前記実施の形態には、以下に示す第3発明が含まれている。つまり、従来、動作可能な可動体と、発光可能な発光手段と、を備えた遊技機において、例えば、特開2004−242876号公報等に記載されたもののように、可動体の制御と同期して発光手段の制御を行うもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、可動体に不具合が生じて正常に動作できなかった場合などにおいて、発光制御が終了することなく継続的に実行されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことがあるという問題があった。そこで、可動体に応じて好適に演出を行うことができる遊技機を提供することを目的として、第3発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
動作可能な可動体(例えば、第2可動体401)と、
発光可能な発光手段(例えば、第2演出用LED406)と、
前記可動体の動作に応じて前記発光手段を発光させる制御(発光制御)が可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、
を備え、
前記制御手段は、前記可動体が所定動作(動作時間が経過するまで回転動作を行い、動作時間が経過した後初期位置で停止する動作)を実行するときに、前記可動体が前記所定動作を終了したことによる第1終了条件(第2回転用モータ405が停止し、かつ初期位置が検出されること)が成立したとき、または前記可動体が動作を終了したが前記第1終了条件が成立せずに所定時間が経過したことによる第2終了条件(上限時間が経過すること)が成立したときに前記発光手段を発光させる制御(発光制御)を終了する(例えば、演出制御用CPU120が、可動体動作処理におけるSb017〜Sb019の処理を実行する部分。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体の動作に応じた発光制御を好適に実行することができる。
第3発明の手段2の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
動作可能な可動体(例えば、第2可動体401)と、
音を出力可能な音出力手段(例えば、スピーカ8L、8R)と、
前記可動体の所定動作に応じて前記音出力手段から音を出力させる制御(音出力制御)が可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、
を備え、
前記制御手段は、前記可動体が所定動作(動作時間が経過するまで回転動作を行い、動作時間が経過した後初期位置で停止する動作)を実行するときに、前記可動体が前記所定動作を終了したことによる第1終了条件(第2回転用モータ405が停止し、かつ初期位置が検出されること)が成立したとき、または前記可動体が動作を終了したが前記第1終了条件が成立せずに所定時間が経過したことによる第2終了条件(上限時間が経過すること)が成立したときに前記音出力手段から音を出力させる制御(音出力制御)を終了する(例えば、演出制御用CPU120が、可動体動作処理におけるSb017〜Sb020の処理を実行する部分。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体の動作に応じた音出力制御を好適に実行することができる。
具体的には、演出制御用CPU120が動作予告に伴い回転開始コマンドを出力し、第2可動体401を動作させる場合に、動作時間の経過に伴い回転停止コマンドを出力し、第2可動体401が正常な停止位置に停止することによる第1終了条件が成立したときに動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯を終了し、動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力を終了するとともに、動作時間の経過に伴い回転停止コマンドを出力し、第2可動体401の動作が停止したが、第2可動体401が正常な停止位置に停止せず、第1終了条件が成立しない場合でも、第2可動体401の回転を開始させた後、上限時間が経過することによる第2終了条件が終了したときにも動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯を終了し、動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力を終了するので、第2可動体401が正常な停止位置に停止できず、第1終了条件が成立しない場合でも、動作予告に伴う第2演出用LED406の点灯や動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの出力が継続したままとなってしまうことを防止できる。すなわち第2可動体401の動作に応じた発光制御や音出力制御を好適に実行することができる。
また、第2可動体401のように、動作予告などにおいて所定の回転動作を行うものでも、上記実施の形態のように動作時間が異なる多数の動作パターン(6秒、4秒、2秒など)がある場合、各動作パターンごとに類似の発光データや音データを設定するとデータ容量が増大する。一方、時間管理のみで動作を停止させようとする場合、第2可動体401が何らかの要因で動作しなかった場合、発光制御や音制御を終了できない。よって、データ容量を削減しつつ、第2可動体401を検出できないなどの不具合が発生した場合でも、所定時間の経過で発光制御や音制御を終了させることができる。
尚、本実施の形態では、動作予告に伴う第2可動体401の動作に応じて第2演出用LED406の発光制御及び効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御の双方を行う構成であるが、少なくとも動作予告に伴う第2可動体401の動作に応じて第2演出用LED406の発光制御を行う構成において、第2可動体401を動作させる場合に、第2可動体401が正常な停止位置に停止することによる第1終了条件が成立したときに動作予告に伴う第2演出用LED406の発光制御を終了するとともに、第2可動体401が正常な停止位置に停止せず、第1終了条件が成立しない場合でも、第2可動体401の回転を開始させた後、上限時間が経過することによる第2終了条件が終了したときにも動作予告に伴う第2演出用LED406の発光制御を終了する構成であっても、上記と同様に第2可動体401の動作に応じた発光制御を好適に実行することができる。
また、少なくとも動作予告に伴う第2可動体401の動作に応じて効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御を行う構成において、第2可動体401を動作させる場合に、第2可動体401が正常な停止位置に停止することによる第1終了条件が成立したときに動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御を終了するとともに、第2可動体401が正常な停止位置に停止せず、第1終了条件が成立しない場合でも、第2可動体401の回転を開始させた後、上限時間が経過することによる第2終了条件が終了したときにも動作予告に伴う効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御を終了する構成であっても、上記と同様に第2可動体401の動作に応じた音出力制御を好適に実行することができる。
第3発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第2可動体401)が前記所定動作を終了したこと(回転中信号OFFで初期位置が検出されること)を検出可能な動作終了検出手段(例えば、第2回転原点位置検出スイッチ408)と、
計時が可能な計時手段(例えば、上限時間タイマ)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記可動体が動作を開始した後、前記動作終了検出手段により前記可動体が前記所定動作を終了したこと(回転中信号OFFで初期位置が検出されること)が検出されたときに前記第1終了条件(第2回転用モータ405が停止し、かつ初期位置が検出されること)が成立したと判定し、
前記可動体が動作を開始したときに前記計時手段(上限時間タイマ)による計時を開始し、前記可動体が動作を終了したが前記第1終了条件が成立せずに前記計時手段(上限時間タイマ)により計時した時間が所定時間(上限時間)に達したときに前記第2終了条件(上限時間が経過すること)が成立したと判定する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体の所定動作に応じた制御を好適に実行することができる。
具体的には、第2可動体401が正常な停止位置に停止したことを検出可能な第2回転原点位置検出スイッチ408と、第2可動体401の動作を開始してからの時間を計時する上限時間タイマと、を備え、第2可動体401の動作を開始した後、第2可動体401の動作が停止して第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出され、第2可動体401が正常な停止位置に停止したことが特定されたときに第1終了条件が成立したことを判定し、第2可動体401が動作を開始したときに上限時間タイマによる計時を開始し、第2可動体401が動作を終了したが第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出されず第1終了条件が成立せずに上限時間タイマにより計時した時間が上限時間に達したときに第2終了条件が成立したと判定するので、第2可動体401の動作に応じた発光制御や音出力制御を好適に実行することができる。
第3発明の手段4の遊技機は、手段3に記載の遊技機であって、
前記制御手段(例えば、演出制御用CPU120)は、前記第1終了条件(第2回転用モータ405が停止し、かつ初期位置が検出されること)が成立したときに前記計時手段(上限時間タイマ)による計時を終了する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体の所定動作に応じた制御を好適に実行することができる。
具体的には、第2可動体401の動作を開始した後、第2可動体401の動作が停止して第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出され、第2可動体401が正常な停止位置に停止したことが特定されて第1終了条件が成立したときに、その後は、上限時間タイマによる計時を終了するようになっており、無駄な処理を行わずに済むので、第2可動体401の動作に応じた発光制御や音出力制御を好適に実行することができる。
第3発明の手段5の遊技機は、手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第2可動体401)を動作させる制御を行う可動体制御手段(例えば、モータ制御部409)を備え、
前記可動体制御手段は、
開始条件(回転開始コマンドの受信)が成立したときに前記可動体の動作を開始する制御(回転開始制御)を行い、
前記所定動作に応じた停止条件(回転停止コマンドの受信)が成立したとき、または前記可動体の動作を開始した後、前記停止条件が成立せずに特定時間(停止時間)が経過したときに前記可動体の動作を停止する制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定動作に応じた終了条件が成立しない場合でも可動体の動作が停止するので、可動体の動作を終了できないことによる不具合を防止できる。
具体的には、第2回転用モータ405の制御を行うモータ制御部409を備え、モータ制御部409は、演出制御用CPU120から回転開始コマンドを受信することで開始条件が成立したときに、第2回転用モータ405の回転を開始させる制御を行い、演出制御用CPU120から回転停止コマンドを受信することで停止条件が成立したときに第2回転用モータ405の動作を停止させる制御を行い、第2可動体401の動作を停止させるとともに、第2回転用モータ405の回転を開始させた後、回転停止コマンドを受信せず停止条件が成立しない場合でも、第2回転用モータ405の回転を開始させてから予め定められた停止時間が経過することで、強制的に第2回転用モータ405を停止させる制御を行い、第2可動体401の動作を停止させるようになっており、動作時間に応じた終了条件が成立しない場合でも第2可動体401の動作が停止するので、第2可動体401の動作を終了できないことによる不具合を防止できる。
第3発明の手段6の遊技機は、手段5に記載の遊技機であって、
前記所定時間(例えば、上限時間)は、前記特定時間(例えば、停止時間)よりも長い
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定動作に応じた終了条件が成立せずに可動体の動作が終了する場合でも、可動体の動作を終了してから発光の制御を終了させることができるので、遊技者に違和感を与えずに済む。
具体的には、第2可動体401の動作を開始させた後、第1終了条件が成立しない場合に第2演出用LED406の発光制御や効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御を終了させる上限時間が、第2可動体401の動作を開始させた後、停止条件が成立しない場合に強制的に第2回転用モータ405の回転を停止させる停止時間よりも長い時間に設定されており、第2可動体401の動作を開始させた後、停止条件が成立しない場合に強制的に第2回転用モータ405の回転を停止させる場合でも、第2可動体401の動作を終了してから第2演出用LED406の発光制御や効果音のスピーカ8L、8Rからの音出力制御を終了させることができるので、遊技者に違和感を与えずに済む。
第3発明の手段7の遊技機は、手段1〜6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記所定動作は、前記可動体(例えば、第2可動体401)の動作時間が異なる複数種類の動作パターン(例えば、動作時間2秒、4秒、6秒)を含み、
前記所定時間(例えば、上限時間)は、前記複数種類の動作パターンのうち最も長い動作時間(例えば、6秒)よりも長い共通の時間(例えば、10秒)である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、複数種類の動作パターン各々に応じて所定時間を設定せずに済むため、制御負荷を軽減できる。
具体的には、第2可動体401が正常な停止位置に停止しない場合に、第2演出用LED406の発光制御やスピーカ8L、8Rの音出力制御を終了することとなる上限時間は、複数の動作時間のうち最も長い動作時間(6秒)が決定された場合に第2回転用モータ405の回転が開始してから動作時間が経過し、通常停止制御によって第2回転用モータ405が停止するまでの時間よりも長く設定されており、決定された動作時間に関わらず、共通の上限時間が適用されるようになっており、複数種類の動作時間各々に応じて上限時間を設定せずに済むため、制御負荷を軽減できる。
第3発明の手段8の遊技機は、手段1〜7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第2可動体)は、回転動作が可能であり、
前記可動体の原点位置(初期位置)を検出可能な原点位置検出手段(例えば、第2回転原点位置検出スイッチ408)と、
前記可動体(第2可動体)を動作させる制御を行う可動体制御手段(例えば、モータ制御部409)と、
を備え、
前記可動体制御手段は、前記可動体の回転動作を開始した後、前記所定動作に応じた停止条件(回転停止コマンドの受信)が成立した場合に、該停止条件の成立後、前記原点位置検出手段が原点位置(初期位置)を検出してから減速開始位置(制動開始位置)に到達するまで最大速度で回転する制御を継続し、前記減速開始位置(制動開始位置)から停止位置に向けて減速制御を行う(図8−33参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、停止条件が成立したときに可動体がどの位置であっても一定量の回転で停止させることができるため、可動体の停止動作の見栄えが向上する。
具体的には、モータ制御部409が回転停止コマンドを受信して停止条件が成立した後、第2回転原点位置検出スイッチ408において第2可動体401の初期位置が検出されてから制動開始位置に到達するまで最大速度で回転する状態が維持され、制動開始位置に到達することで停止位置に向けて減速させる制御を行い、停止位置に到達することで第2回転用モータ405を停止させる制御を行うようになっており、停止条件が成立したときに第2可動体401がどの位置であっても一定量の回転で停止させることができ、これにより、装飾部423A〜423Cが第2演出状態から第1演出状態に復帰するまでの時間が確保されるため、第2可動体401の停止動作の見栄えを向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301の第1可動部351が、第1原点対応位置(第1位置)と該第1原点対応位置よりも下方の第1演出対応位置(第2位置)との間で上下方向に移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向や前後方向に移動可能とされていてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301が、第1原点位置から第1中間位置を経由して第1演出位置まで自重により落下可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の駆動源により上下方向に移動可能とされていてもよい。つまり、前記第1発明における移動補助手段は、自重により落下可能な第1可動部351が第1中間対応位置から下方に移動する際に該移動を補助するものに限定されるものではなく、第1可動部351が第1中間対応位置から所定の駆動源により下方に移動させる際に該移動を補助するものであってもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301は、第1可動部351、第2可動部352及び第3可動部353を有している形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記第1発明及び第3発明においては、少なくとも一の可動部を有していればよい。また、前記第2発明においては、少なくとも二つの可動部を有していればよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301は、第1可動部351及び第3可動部353が上下方向に移動可能である一方で、第2可動部352は前後方向に移動可能、かつ、前方位置にて回動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2可動部352や第3可動部353の動作態様は、第1可動部351の動作態様と同様でなくてもよい。
また、前記実施の形態では、第2可動部352は、第1可動部351の第1中央対応位置への移動に応じて、後方の第1原点対応位置から前方の第1中央対応位置まで移動する形態を例示したが、前記第2発明はこれに限定されるものではなく、第2可動部352は、第1可動部351の第1中央対応位置への移動に応じて遊技者から視認可能に出現するようになっていれば、第1中央対応位置などに予め移動不能に固定されていてもよい。また、第3可動部353は、第1可動部351の第1中央対応位置から第1演出対応位置への移動に応じて遊技者から視認可能に出現するようになっていれば、第1中央対応位置などに予め移動不能に固定されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動体301の第1可動部351は、左右の案内軸306L,306Rにより上下方向に移動案内される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右の案内軸306L,306Rのうちいずれか一方のみにより移動案内されるようになっていてもよい。さらに、案内軸306L,306Rは、駆動体310L,310Rを上下方向に移動案内する案内手段を兼ねていたが、駆動体310L,310Rを上下方向に移動案内する案内軸306L,306Rとは別個の案内手段により第1可動部351を案内するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動部351を第1中間対応位置や第1演出対応位置にて受け止める受け止め手段としての駆動体310L,310Rが、第1可動部351を上昇させる移動手段303L,303Rを兼ねている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部351を第1中間対応位置や第1演出対応位置にて受け止める受止手段と、第1可動部351を上昇させる移動手段303L,303Rとを別個に設けてもよい。第1可動部351を第1中間対応位置や第1演出対応位置にて受け止める受止手段として、例えば、第1演出用ソレノイド318L,318Rにより動作する係止部材318A等を適用してもよい。
また、前記実施の形態では、移動補助手段は、駆動体310L,310Rに設けられた係止部材340L,340R(係止手段)を含み、駆動体310L,310Rの動作に応じて係止部材340L,340Rが補助側壁344L,344Rに接触することにより係止解除状態から係止可能状態に変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、係止部材340L,340Rは、所定の駆動源により係止解除状態から係止可能状態に変化するようにしてもよい。また、係止部材340L,340Rは、駆動体310L,310Rとは別個に設けられた移動体などに設けてもよい。また、第1可動部351に係止部材340L,340Rを設け、駆動体310L,310Rに係止凹部319L,319Rを設けてもよい。
また、前記実施の形態では、下降可能な駆動体310L,310Rに設けられた移動補助手段としての係止部材340L,340Rを第1可動部351に係止して連結し、駆動体310L,310Rとともに引き下ろすことで、該第1可動部351の第1中央対応位置からの移動を補助する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、案内軸306L,306Rにおけるアーム309L,309Rの上方に移動補助部材を設け、該移動補助部材により第1可動部351を上方から押し下げることで第1可動部351の第1中央対応位置からの移動を補助するようにしてもよい。
さらに、移動補助手段は、第1可動部351に対し何らかの衝撃を付与する(例えば、振動モータにより第1可動部351や案内軸306L,306Rなどを振動させたり、他の部材を第1可動部351に接触させたりするなど)ことで、第1可動部351の引っ掛かりを解消させるもの等を含んでもよい。よって、移動補助手段は、駆動体310L,310R以外の箇所(例えば、第1可動部351やカバー体304L,304Rなど)に設けてもよい。
また、前記実施の形態では、移動補助手段としての係止部材340L,340R等は、第1可動部351を第1原点対応位置と第1演出対応位置との間の第1中間対応位置にて停止させた後に、第1演出対応位置へ移動させる際に該移動を補助する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1原点対応位置から第1演出対応位置へ移動させる際に該移動を補助するものでもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現するだけでなく、第3可動部353のベース部390Aを透してキャラクタ画像Z1を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から特定演出部が出現するものであれば、キャラクタ画像Z1などの演出画像が表示されなくてもよい。つまり、特定演出部は、第3可動部353のような構造物でもよいし、キャラクタ画像Z1等を表示可能な画像表示装置5の表示領域の特定部分でもよい。
また、特定演出部を画像表示装置5の表示領域の特定部分とする場合、該特定部分に対応する位置に第3可動部353のような透過性部材を配置せずに、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から特定部分を直接視認できるようになっていてもよい。また、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から視認可能となる演出部であれば、第1可動部351に連動する第3可動部353のような動作可能な可動体でなくてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動部351は合体状態から分離状態に変形可能に構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部351は変形可能でなくてもよい。また、変形態様も任意であり、前記実施の形態に例示したような分離状態と合体状態とは異なる形態に変形するものでもよい。
また、前記実施の形態では、制動開始位置及び停止位置において第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出される構成であるが、制動開始位置及び停止位置は、必ずしも第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出される位置である必要はなく、制動開始位置または停止位置、制御開始位置及び停止位置の双方が第2回転原点位置検出スイッチ408により第2可動体401の初期位置が検出される位置でない場合でも、モータ制御部409が回転停止コマンドを受信して停止条件が成立した後、第2回転原点位置検出スイッチ408において第2可動体401の初期位置が検出されてから制動開始位置に到達するまで最大速度で回転する状態を維持し、制動開始位置に到達することで停止位置に向けて減速させる制御を行い、停止位置に到達することで第2回転用モータ405を停止させる制御を行う構成であれば、停止条件が成立したときに第2可動体401がどの位置であっても一定量の回転で停止させることができるため、第2可動体401の停止動作の見栄えを向上させることができる。
また、前記実施の形態においては、可動体として回転動作を行う第2可動体401を適用しているが、第1位置から第1位置とは異なる第2位置に移動する可動体を適用しても良いし、回転動作ではないが特定の位置から他の位置を経由して再び特定の位置に戻る動作を行う可動体を適用しても良い。このような構成においても、可動体の動作に応じて発光制御や音出力制御を行うとともに、可動体が所定動作を終了したことによる第1終了条件が成立すること(例えば、第1位置から第2位置に可動体が移動すること、特定の位置から他の位置に可動体が移動すること)で、発光制御や音出力制御を終了させる構成において、可動体の動作が終了したが第1終了条件が成立せずに所定時間が経過することで発光制御や音出力制御を終了させる構成とすることで、上記と同様に可動体の動作に応じた発光制御や音出力制御を好適に実行することができる。
前記実施の形態では、可動体(第2可動体401)をステッピングモータからなる第2回転用モータ405で動作させる構成であるが、ステッピングモータ以外のモータやソレノイド等のアクチュエータにより可動体を動作させる構成としても良いし、バネ等の付勢部材を用いて可動体を動作させる構成としたり、自重により可動体を動作させる構成としても良い。
前記実施の形態では、予告演出の一形態として可動体(第2可動体401)を動作させる制御を行う構成であるが、リーチ状態に発展してからの演出、大当り状態中の演出、確率変動中の演出などの一形態として可動体(第2可動体401)を動作させる制御を行う構成であっても良い。
前記実施の形態では、演出制御用CPU120が第2演出用LED406の発光制御及びスピーカ8L、8Rの音出力制御を行い、演出制御用CPU120からの回転開始コマンド及び回転停止コマンドを受信することでモータ制御部409が第2回転用モータ405を動作させる制御を行う構成であるが、演出制御用CPU120が、第2演出用LED406の発光制御及びスピーカ8L、8Rの音出力制御に加え、第2回転用モータ405を動作させる制御を行う構成としても良い。また、演出制御用CPU120以外の制御部が演出制御用CPU120からの命令に基づいて第2演出用LED406の発光制御及びスピーカ8L、8Rの音出力制御を行う構成としても良い。この場合には、演出制御用CPU120が第2回転用モータ405を動作させる制御を行う構成でも良いし、演出制御用CPU120からの回転開始コマンド及び回転停止コマンドを受信することでモータ制御部409が第2回転用モータ405を動作させる制御を行う構成でも良い。また、画像表示装置5の表示制御を行う表示制御部123が、画像表示装置5の表示内容に合わせて演出制御用CPU120に対して命令し、演出制御用CPU120が表示制御部123からの命令に基づいて第2回転用モータ405を動作させる制御を行うとともに、第2演出用LED406の発光制御及びスピーカ8L、8Rの音出力制御を行う構成としても良い。
前記実施の形態では、第2可動体401が正常な停止位置に停止しない場合に、第2演出用LED406の発光制御やスピーカ8L、8Rの音出力制御を終了することとなる上限時間が、複数の動作時間のうち最も長い動作時間(6秒)が決定された場合に第2回転用モータ405の回転が開始してから動作時間が経過し、通常停止制御によって第2回転用モータ405が停止するまでの時間よりも長く設定されており、決定された動作時間に関わらず、共通の上限時間が適用される構成であるが、上限時間が動作時間別に設けられ、決定された動作時間に応じて上限時間が選択される構成としても良く、このような構成とすることで、第2可動体401が正常な停止位置に停止しない場合でも、第2可動体401の動作時間にあわせて第2演出用LED406の発光制御やスピーカ8L、8Rの音出力制御を終了させることができる。
また、前記実施の形態では、第2可動体401の所定動作に応じて発光制御や音出力制御が可能な制御手段としての演出制御用CPU120を備え、演出制御用CPU120は、第2可動体401が所定動作を実行するときに、第2可動体401が前記所定動作を終了したことによる第1終了条件が成立したとき、または第2可動体401が動作を終了したが前記第1終了条件が成立せずに所定時間が経過したことによる第2終了条件が成立したときに発光制御や音出力制御を終了する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が、第2可動体401の所定動作に応じて発光制御や音出力制御以外の演出制御(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを振動させるための振動モータの制御など)が可能なものにおいて、第2可動体401が所定動作を実行するときに、第2可動体401が前記所定動作を終了したことによる第1終了条件が成立したとき、または第2可動体401が動作を終了したが前記第1終了条件が成立せずに所定時間が経過したことによる第2終了条件が成立したときに演出制御を終了するものであってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
尚、スロットマシンの場合、本発明の遊技領域とは、例えば、リール等の変動表示装置による図柄の変動表示が実行される可変表示領域などが該当する。また、本発明の表示装置とは、上記のような図柄の変動表示装置(例えば、リールや液晶表示器など)が該当する。