JP2019170363A - 標的分子の反応装置及び反応方法 - Google Patents

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篤紀 服部
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和樹 飯嶋
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Yuriko Makino
友理子 牧野
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智久 加藤
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【課題】本発明の課題は、標的分子の反応をタイムラグなく、かつ非特異反応を抑え、反応生成物を高感度かつ定量性高く検出可能な装置を提供することにある。【解決手段】2以上の、反応液を保持する反応液保持部と、前記反応液とは混和しない非混和性液体を保持する液体保持部と、各反応液保持部で保持された反応液同士を層流状態で合流させた後、前記液体保持部で保持された前記非混和性液体と接触させて液滴を形成させるための流路と、前記流路中で合流後の前記反応液を撹拌する又は前記流路の出口から導出される前記液滴を撹拌する撹拌部と、前記液滴を保持する液滴保持部と、前記液滴保持部に設けられた排出口と、を有するマイクロ流路チップと、前記マイクロ流路チップと近接する温調装置と、を備えた、反応装置を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、試料中に含まれる標的分子の反応装置及び反応方法に関する。
反応液を微小区画に分画し独立して反応を行なう技術として、微小液滴中に反応液を分画する微小液滴法が知られている。この手法は、例えばマイクロ・ナノ粒子の作製などに応用が期待されており、特に標的分子を1分子単位で微小区画化して反応を行なうことで、標的分子の有無をシグナルの有無で計測し、標的分子の数の絶対定量を行なうデジタル計測に利用されている。
微小液滴法は、液滴生成前では反応が起こらず、液滴生成後に迅速に反応が開始される必要があるため、反応開始手段が重要となる。一般的に、室温で液滴生成を行なった後に昇温操作によって反応を開始させる手段が用いられるが、理想的な反応開始条件としては課題があった(非特許文献1)。例えば、温調手段による昇温は時間を要するため、最適な反応温度条件で反応を開始するのが困難である点、室温で液滴生成を行う間に液滴内で非特異的な反応が生じ、反応性が低下する可能性が高い点などが挙げられる。
Guan,Z.et al,Biomicrofluidics,8,014110(2014)
本発明の課題は、標的分子の反応をタイムラグなく、かつ非特異反応を抑えた、反応装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、以下の装置によって解決した。
すなわち、本発明の第一の態様は、
2以上の、反応液を保持する反応液保持部と、
前記反応液とは混和しない非混和性液体を保持する液体保持部と、
各反応液保持部で保持された反応液同士を層流状態で合流させた後、前記液体保持部で保持された前記非混和性液体と接触させて液滴を形成させるための流路と、
前記液滴を保持する液滴保持部と、
反応液合流地点と非混和性液体との接触地点の間又は流路出口と前記液滴保持部の間に設けられた撹拌部と、
前記液滴保持部に設けられた排出口と、
を有するマイクロ流路チップと、
前記マイクロ流路チップと近接する温調装置と、
を備えた、反応装置である。
前記排出口は流体を吸引する手段をさらに備えていることが好ましく、前記撹拌部は前記流路の出口と前記液滴保持部との間に設けられた、流量が均一になるような分岐を複数有する分岐流路であることが好ましい。また、前記温調装置は、前記マイクロ流路チップを、液滴中で行われる反応に適した温度に維持可能な装置であることが好ましい。
さらに、本発明は上述した反応装置に検出部をさらに備えてもよい。
本発明の第二の態様は、
標的分子の反応方法であって、
前記標的分子の反応に必要な成分をそれぞれ含み、単独では反応が起こらない2以上の反応液を反応開始温度に温調し、
温調された各反応液を反応が起こらないように混じった状態にした後、前記反応液と混和しない非混和性液体と接触させ、
前記混じった反応液を前記非混和性液体と接触させる直前又は後に撹拌を行うことを特徴とする前記反応方法である。
標的分子としては核酸、反応液としては前記核酸の一定温度での増幅に必要な成分の一部をそれぞれ含んだ溶液であることが好ましい。
上述した反応方法で得られた反応生成物の検出を行うことで、デジタル計測を好適に行なうことが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、反応液とは標的分子と、標的分子を反応させるのに必要な成分のうち少なくとも一部を含んだ溶液のことをいい、全ての反応液が混合することで標的分子の反応に必要な成分全てが揃えばよく、標的分子はいずれかの反応液に含まれていればよい。反応液は2種以上、すなわち単独の反応液で反応が進行しなければ問題なく、3種以上であっても問題はない。標的分子の一例として、核酸、タンパク質、ペプチド、酵素、細胞、細菌、胞子、ウイルス、オルガネラ、高分子アセンブリ、薬物候補、脂質、炭水化物、代謝物、又はこれらの任意の組合せがあげられる。
例えば、標的分子が特定配列を含む核酸(DNA、RNA)であり、標的分子の反応が前記特定配列を増幅させる反応である場合、反応液に含まれる成分としては、前記特定配列の一部と相同的な配列を含むプライマー、前記特定配列の一部と相補的な配列を含むプライマー、前記特定配列の一部と相同的又は相補的な配列を含む検出用プローブ、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、塩類、緩衝液成分があげられる。なお、反応液内で、標的分子、反応基質、酵素などが分解、変質、非特異反応が生じないように組成が工夫されていると好ましく、装置内での挙動を考慮してグリセロールや界面活性剤などをさらに添加してもよい。
本発明の装置では、2以上の反応液同士を合流させた後、反応液とは混和しない非混和性液体を接触させることで液滴を形成させる。本発明において液滴とは、前記非混和性液体と接触することでカプセル封入された、前記合流した反応液のことをいう。反応液が水系(W)の場合、非混和性液体はオイル(O)とすればよく、この場合、非混和性液体の接触により、ウォーターインオイル(W/O)型エマルジョンが形成される。前記オイルの一例として、シリコーンオイル、鉱油、フルオロカーボン、植物油、又はこれらの組合せがあげられる。
なお、反応液と混和しない限り、後述する液滴の熱安定性などの目的で、前記オイルに界面活性剤、その他添加剤をさらに含んでもよい。界面活性剤の一例として、非イオン界面活性剤である、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、Tween 20(商品名)があげられる。
本発明の装置で形成される液滴の体積は、標的分子を概ね一分子保持できるだけの体積であればよく、具体的には1μL以下、1nL以下、1pL以下の液滴が例示できる。なお、液滴内における標的分子の反応を均一に行なう観点から、形成する液滴の体積は単分散性が高いと好ましい。ここでいう単分散性とは、具体的には、液滴体積の変動係数(CV)が20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、又は1%以下のことをいう。
本発明の装置で形成した液滴は、少なくとも標的分子の反応温度条件下で液滴の形状を維持できるだけの熱安定性を有していればよい。具体例として、本発明の装置を、PCR法による核酸増幅に適用する場合は変性温度である94℃から98℃の温度条件下で、LAMP法による核酸増幅に適用する場合は65℃前後の温度条件下で、NASBA法、TMA法又はTRC法による核酸増幅に適用する場合は40℃から48℃の温度条件下で、それぞれ、形状を維持できるだけの熱安定性を液滴が有していればよい。
本発明の装置で実施可能な標的分子の反応に特に限定はなく、キナーゼ、ヌクレアーゼ、ヌクレオチドシクラーゼ、ヌクレオチドリガーゼ、ヌクレオチドホスホジエステラーゼ、ポリメラーゼ(DNA又はRNA)、プレニルトランスフェラーゼ、ピロホスパターゼ、レポーター酵素、逆転写酵素、トポイソメラーゼ等を用いた酵素反応が例示できる。標的分子がDNAやRNAなどの核酸であり、標的分子の反応が当該核酸の増幅反応である場合LAMP法、NASBA法、TMA法、TRC法といった核酸を等温増幅可能な反応があげられる。また、ワンステップRT−PCRに適用する場合、逆転写反応に適した温度で液滴を作製することは、逆転写反応の反応効率、反応時間において好ましい。また、逆転写反応による生成物であるcDNAをサイクリングプローブ法により検出することも可能である。
本発明の装置を用いてデジタル計測を行なう際、反応液の合流後すぐに反応が進行すると、当該反応生成物を含む液滴が生成される可能性があり、前記反応生成物に基づく標的分子の正確な定量ができない可能性がある。特に本発明の装置で、室温に近い一定温度で標的分子を反応させる場合、標的分子の反応に加え、非特異的反応が発生する可能性も高く、当該非特異的反応による生成物は標的分子の正確な定量を妨げる要因となり得る。そこで、本発明は、反応液同士を層流状態で合流させることにより、合流直後での反応液同士の混合を防止し、反応液合流時に発生し得る標的分子の反応及び非特異的反応を抑制している。反応を進行させるための撹拌操作は、混合反応液を非混和性液体と接触させる直前又は後に行えばよく、撹拌部は反応液合流地点と非混和性液体との接触地点の間又は流路出口と液滴保持部の間に設けられていればよい。撹拌方法に限定はなく、超音波や振動を与える手段で行なってもよいし、蛇行流路、螺旋流路や分岐流路など液滴内撹拌を促すマイクロミキサー構造を有する流路を用いて行なってもよい。すなわち、流路の一部である反応液合流地点と非混和性液体との接触地点の間に、マイクロミキサー構造を設ける、流路出口と液滴保持部の間に分岐流路を設けるといった態様が例示される。液滴状態になってから撹拌する方が望ましいため、流路出口と液滴保持部の間に撹拌部を設けることが好ましい。
本発明は、反応生成物を検出可能な、検出部をさらに設けてもよい。検出方法は反応生成物により、適宜適切な方法を選択すればよく、一例として蛍光検出、化学発光検出、電気化学検出があげられる。
本発明の装置は、反応液同士が合流している時点では標的分子の反応が進行せず、液滴を形成した時点で反応が進行し得る環境となるため、標的分子の反応を高効率かつ高精度に実施でき、反応生成物の検出を定量性高く、かつ高感度に実施できる。
本発明の反応装置の一態様を示す図(平面図)である。 図1に示す反応装置のA−A’断面図(正面図)である。 図1のうち点線四角で囲まれた部分を拡大した図である。 実施例2における、反応液の合流、及び液滴化の様子を示す図(明視野像)である。 実施例2における、反応液の混和の様子を示す図である。(a)は1回目の分岐部での、(b)は3回目の分岐部での、それぞれ蛍光画像である。 実施例3における、液滴保持部に保持された液滴の様子を示す図である。(a)は明視野像、(b)は蛍光画像である。 実施例3の結果を示す図である。 参考例1の結果を示す図である。
以下、図面を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら図面に記載の態様に限定されるものではない。
本発明の装置の一態様を図1から図3に示す。図1は平面図、図2は正面図(図1のA−A’断面図)、図3は図1のうち点線四角で囲まれた部分を拡大した図である。反応装置1は、反応液滴を形成し保持するためのマイクロ流路チップ100と、標的分子の反応に適した温度に保つ温調ブロック200と、チップ100内の液体の流れを制御するための吸引手段(ポンプ)300から構成される(図2参照)。
マイクロ流路チップ100は、反応液保持部10aと反応液保持部10bとを合流部30にて任意の混合比で混合し、液滴形成部40にて非混和性液体20を接触させることで液滴化した後、液滴保持部70内にて液滴を捕捉する。マイクロ流路チップ100は、流路構造を正確かつ容易に作製可能なモールディングやエンボッシングなどの鋳型を用いた技術や、フォトリソグラフィー、ソフトフォトリソグラフィー、ウェットエッチング、ドライエッチング、ナノインプリンティング、レーザー加工、電子線直接描画、積層造形法(Additive Manufacturing、AM)、機械加工など、半導体基板やマイクロリアクターの製造において当業者が通常用いる技術を組み合わせて作製すればよい。
マイクロ流路チップ100の作製に用いる材料として、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、アクリルといったポリマー材料、ステンレスといった金属材料、ガラス、シリコーン、セラミックスなどがあげられる。中でも流路自体を安価に作製でき、ディスポーザブルな態様としやすいポリマー材料を少なくとも部分的に用いると好ましい。なお、反応装置1に備えたマイクロ流路チップ100は、図2に示すように、流路を含む各手段を設けたポリマー基板101とマイクロ流路チップ100の底部を構成するガラス基板102とを貼り合わせて作製している。
マイクロ流路チップ100を構成する流路の幅や深さは、標的分子の反応形態を考慮し適宜決定すればよい。例えば、標的分子がDNAやRNAなどの核酸であり、標的分子の反応が当該核酸のデジタル増幅反応(一分子単位での増幅反応)である場合は、pL又はnLオーダーの液滴作製が必要なため、液滴形成部40周辺の流路の幅や深さは0.1から300μmの範囲とすると好ましい。
なお、マイクロ流路チップ100を構成する流路及び各手段は、非混和性液体に対して親和性の高い流路壁面にすると好ましい。非混和性液体に対して親和性の高い材料を用いてマイクロ流路チップ100を作製してもよく、非混和性液体に対して親和性の高い材料で流路壁面に相当する部分を表面処理してもよい。一例として、非混和性液体としてフッ素系オイルを用いる場合、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系高分子材料を用いてマイクロ流路チップを作製してもよく、フッ素系シラン化剤による流路壁面の表面処理を行なってもよい。
反応装置1では、吸引手段300を用いて、排出部80より液滴保持部70内の流体(気体又は非混和性液体)を吸引することで、反応液及び非混和性液体をマイクロ流路チップ100に陰圧で導入している。また、吸引手段300を用いた方法の他にも、各保持部に圧力印加手段を備えマイクロ流路チップ100に陽圧で導入する方法、遠心力や電場を用いて導入する方法、液面差(重力)と毛細管力で導入する方法を使用しても問題ない。なお、マイクロ流路チップ100への導入を陰圧又は陽圧で行なう場合、吸引手段又は圧力印加手段を備えない側にも圧力を制御する手段を別個に又は共通に備えてもよく、大気圧開放又は実質的に大気圧開放されている態様としてもよい。
なお、標的分子の反応が酵素反応の場合、反応液や非混和性液体のマイクロ流路チップ100への導入を、図2に示すような、吸引手段300による陰圧で行なうと、陽圧による導入と比較し、酵素が失活するおそれが低減し、標的分子の反応を効率的に行なえる点で好ましい。また、反応液や非混和性液体をマイクロ流路チップ100へ導入する際の流速は、反応液及び非混和性溶液の粘性や流路壁面との親和性を考慮し、調整することが好ましい。
マイクロ流路チップの壁面に疎水性表面処理を行なっている場合又は疎水性表面を有する材料でマイクロ流路チップを作製した場合、反応液及び非混和性液体をマイクロ流路チップ100の流路内に導入する際は、少なくとも流路11a/11b/21a/21b、液体保持部20、反応液合流部30及び液滴形成部40はあらかじめ非混和性液体で満たすことが好ましい。非混和性液体で満たす方法として、反応液保持部10a/10b及び液体保持部20に非混和性液体を充填した後、そのまま液面差(重力)と毛細管力で満たしてもよいし、各保持部又は排出口80に圧力印加手段を取り付け陽圧により満たしてもよいし、排出口80に吸引手段を取り付け陰圧により満たしてもよい。
反応液保持部10a/10bに保持された反応液は、それぞれの流路11a/11bを通り、反応液合流部30において層流状態で合流する。層流状態では前記反応液が互いに混合することはないため、液滴化前の反応液合流部30から液滴形成部40までの間で反応液同士の界面近傍以外の領域では反応が進行しない。しかし、反応液を層流状態で維持している時間が長くなると、分子拡散によって界面近傍から徐々に混合されるため、実施形態に合わせて反応液合流部30から液滴形成部40までの間の距離を調製することが好ましい。また、各反応液の単位時間当たりの体積(流速)比も実質的に一定となるため、層流状態の流速比が反応液の混合条件と実質的に等しくなる。なお、前記反応液において粘性などの流動物性が同じ又は略同じであれば、層流状態での流速比が実質的に1:1になり、かつ流速比が終始安定しやすいため好ましい。
また、層流状態になりやすいように前記流路の断面積の形状、大きさ又は長さ(蛇行流路にする等)を調整する、若しくは前記流路の流れ抵抗(流路断面積及び長さ等に依存する値)を液滴形成部40から排出口80までの流路の流れ抵抗よりも大きくなるように調整すると、前記反応液を迅速に層流状態とすることができるため、特に好ましい。ただし、使用する非混和性液体、反応液、流路の表面特性等によって、前記反応液が層流状態になりやすい条件が変化するため、実施形態による調整が必要である。
液滴形成部40では、前記層流状態で合流した反応液の流路と、非混和性液体が流れる流路21a/21bとが、実質的に直交しており、流路21a/21bから流れる非混和性液体と接触することにより、前記合流した反応液が液滴化し、W/O型エマルジョンとなる。液滴は、流路幅を拡大させた後、分岐流路60に至る。
分岐流路60は流路出口50と液滴保持部70との間に設けた流路であり、液滴形成部40で液滴化した反応液を5回分岐させ(すなわち、32分割して)液滴保持部70に導入される。分岐流路60における、液滴の合計流路断面積当たりの線速は、分岐部を通過することによる合計流路断面積の増大に反比例して減少する。例えば、5回の分岐それぞれで線速が実質的に1/2になる分岐流路60を設計した場合、流路出口50における液滴の線速に対し、1回目の分岐では1/2、2回目の分岐では1/4、3回目の分岐では1/8、4回目の分岐では1/16、5回目(最後)の分岐では1/32まで段階的に線速を下げることができる。段階的に線速を下げることで流路内の層流状態を維持できるため、液滴が液滴保持部70内に高密度かつ均一に整列する。
分岐流路60を流れる液滴は分岐の際、回転運動が促進されるため、当該液滴内の液体は撹拌される。したがって、分岐流路60を設けることで、液滴形成部40で合流した反応液の撹拌が行なえる。
液滴保持部70内に液滴が高密度整列状態で保持された時点で、マイクロ流路チップ100内の液体の流れを止め、温調手段200を用いて液滴保持部70に保持された液滴内に含まれる標的分子を反応させる。なお、標的分子の反応生成物を検出する場合、液滴保持部の深さを液滴が垂直方向に重ならない(すなわち、単一液滴層が形成される)深さとすると、検出精度が向上する点で好ましい。
温調手段200は、マイクロ流路チップ100内の液体を標的分子の反応に適した温度に保つことを目的に備えている。温調手段200はマイクロ流路チップ100と近接(好ましくは密着)可能な形状であればよく、必ずしも平板状である必要はない。温調手段200のうち、少なくともマイクロ流路チップ100と近接(好ましくは密着)する部分は熱伝導性の高い金属材料で作製するとよい。なお、図2のようにマイクロ流路チップ100が流路などを設けた基板101と底板(基板)102との貼り合わせで作製する場合、温調手段200と接する底板102の厚さを薄くすると、マイクロ流路チップ100に設けた流路への熱伝導をより効率的に行なえる点で好ましい。温調手段200は、少なくとも標的分子の反応場である液滴保持部70を温調できればよいが、各保持部や流路も温調できると、標的分子の非特異的反応を抑制できる点で好ましい。具体例として、標的分子の反応が核酸増幅反応の場合、各保持部や流路における温度を、液滴保持部70における標的分子の反応温度よりも高くなるよう、温調手段200で温調することで、プライマー/プローブ同士の非特異的なアニールを低減できる。
反応生成物の検出は、当該生成物の特徴を考慮の上、光学的、X線、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)、FCS(蛍光相関分光法)、FP(蛍光偏光)/FCS、蛍光法、比色分析、化学ルミネセンス、生物発光、散乱、表面プラズモン共鳴、電気化学法、電気泳動、レーザー、質量分光測定、ラマン分光法、FLIPR(Molecular Devices社)など公知の方法を用いて検出すればよい。なお、透過光を用いて検出する場合は、前記光を透過する材料でマイクロ流路チップ100を作製すると、マイクロ流路チップ100を光学検出器に載置するのみで、チップ100内の液滴を移動させることなく反応生成物を検出できる点で好ましい。
反応生成物の検出に用いる検出器として、標的分子の反応を記録及び/又は測定するためのイメージングセンサ若しくはその構成部品を含んでもよい。検出器の一例として、装置によって生成される個々のシグナルを空間的に分解するのに適切な照明及び解像度を有するカメラ又はイメージング装置があげられる。前記カメラ又はイメージング装置としては、公知のものが利用でき、例えばカメラは、電荷結合素子(CCD)、電荷注入装置(CID)、フォトダイオードアレイ(PDA)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)を含む任意の普通の半導体イメージセンサを使用することができる。また、検出の際、励起/放射された光の偏光を使用することによって改善することができる。例えば、蛍光シグナルを発する液滴を検出する場合、その検出領域を大きな視野を持つ光学ユニットによって一括で撮影することで、迅速かつハイスループットなシグナル検出を行なうことが可能になる。なお、分岐流路によって液滴保持部に液滴を高密度かつ均一に整列させた場合、より狭い検出領域で全液滴のシグナル検出が可能となり、より低性能・低コストな検出器を使用できるため好ましい。
以下、実施例及び参考例を用いてさらに詳細を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:マイクロ流路チップの作製
フォトリソグラフィー及びソフトリソグラフィー技術を用いて、図1から3に示す反応装置1を構成するマイクロ流路チップ100を作製した。具体的な手順を以下に示す。
(1)4インチベアシリコンウェハ(フィルテック社)上へ、フォトレジストSU−8 3050(Microchem社)を滴下後、スピンコーター(MIKASA社)を用いてフォトレジスト薄膜を形成した。
(2)マスクアライナー(ウシオ電機社)とマイクロ流路チップ100の流路パターンを形成したクロムマスクとを用いて、前記流路パターンをフォトレジスト膜へ形成させた後、SU−8 Developer(Microchem社)を用いて流路パターンを現像することで、マイクロ流路チップ100を構成する流路の鋳型を作製した(流路の高さ80μm)。
(3)SU−8への吸着を抑えるために、Trichloro(1H,1H,2H,2H−perfluoro−octyl)silane(Thermo Fisher Scientific社)による蒸着表面処理を行なった。
(4)(3)の処理を行なった鋳型へ、SYLGARD SILICONE ELASTOMER KIT(東レ・ダウコーニング社)を用いて調製した未硬化のシロキサンモノマーと重合開始剤との混合物(重量比10:1)を流し込み、80℃で2時間加熱することで、流路の形状が転写されたポリマー(PDMS)基板101を作製した。
(5)ポリマー基板101を鋳型から慎重に剥がし、カッターで成形後、パンチャーを用いて反応液10及び非混和性液体20の導入口、並びに排出口80を形成した。
(6)導入口及び吸引口を形成したポリマー基板101並びにカバーガラス102(松浪硝子社)を酸素プラズマ発生装置(メイワフォーシス社)で表面処理後、PDMS基板101パターン面とカバーガラス102とを貼り合わせた。
(7)2% Trichloro(1H,1H,2H,2H−perfluoro−octyl)silane(Thermo Fisher Scientific社)含有エタノールを流路に導入し、30分間放置することで、流路壁面の表面を修飾後、エタノールを用いて流路内を洗浄し、風乾することでマイクロ流路チップ100を作製した。作製したチップは真空デシケーター内に保存した。
作製したマイクロ流路チップ100は、縦24mm×横60mmの大きさであり、反応液保持部10a/10b並びに液体保持部20への導入口としてφ4mmの穴を、排出口80としてφ1.5mmの穴を、それぞれ設けている。
反応液保持部10a/10bから反応液合流部30に至るまでの流路11a/11bは幅100μm×長さ47mmの蛇行流路であり、液体保持部20から液滴形成部40に至るまでの流路21a/21bは屈曲部を二箇所有した幅100μm×長さ22mmの直線流路である。反応液合流部30は反応液流路11aと反応液流路11bとが合流角度90度で合流し、幅200μmから幅100μmまで角度10度の割合で流路が狭窄される。液滴形成部40は、前記狭窄後の流路(幅100μm×長さ150μm)と流路21a/21bとが角度90度で十字に交差することで合流した反応液と非混和性液体とを接触させ、液滴生成流路(交差部から幅80μm×長さ100μm)内で合流した反応液の液滴を形成する。液滴形成部40で形成した液滴は、流路出口50(幅200μm×長さ800μm)を経て、分岐部60に流れる。分岐流路60は、二方向に、角度90度で、それぞれ5回分岐した構造となっており、1回目の分岐では幅200μm×長さ4mm、2回目の分岐では幅200μm×長さ2mm、3回目の分岐では幅200μm×長さ1.3mm、4回目の分岐では幅200μm×長さ1mm、5回目の分岐では幅270μm×長さ500μmである。分岐流路60で32分割した後は、液滴保持部70(幅15mm×長さ40mm)に導入され、液滴が保持される。
実施例2:反応液合流、液滴生成及び液滴内撹拌の観測
実施例1で作製したマイクロ流路チップ100を用いて、反応液合流及び液滴生成の様子、並びに液滴内撹拌の様子を観測した。
(1)反応液保持部10aに導入する反応液として、下記組成の水溶液を調製した。また、反応液保持部10bに導入する反応液にはフルオレセインを入れなかった以外は同様の組成の水溶液を調製した。
66mM Tris−HCl緩衝液(pH8.36)
2.5% グリセロール
各0.33mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.0mM ATP、CTP、GTP、TTP
3.3mM ITP
96.6mM トレハロース
0.01%(w/v) フルオレセイン
(2)温調手段200であるガラスヒーター(ブラスト社)を倒立型顕微鏡IX71(オリンパス社)に設置して46℃で加熱後、実施例1で作製したマイクロ流路チップ100を前記ガラスヒーターにセットした。
(3)金属針(武蔵エンジニアリング社)とPTFEチューブ(ニチアス社)を接続し、Droplet Generatorオイル for EvaGreen(Biorad社、以下、単にオイルとも表記する)を充填したシリンジ(容量1mL、テルモ社)をシリンジポンプ(KDScientific社)にセットし、前記PTFEチューブの先端をマイクロ流路チップ100に設けた排出口80に接続して、排出口80から前記シリンジポンプでオイルを導入することでマイクロ流路チップ100内にオイルを充填させた。さらに液体保持部20の導入口にオイルを100μL滴下した。
(4)反応液保持部10a/10b内のオイルを取り除いてから、反応液保持部10aには(1)で作製したフルオレセインを含まない水溶液を、反応液保持部10bには(1)で作製したフルオレセインを含む水溶液を、それぞれ30μL滴下した。
(5)シリンジポンプを用いて1000μL/時間の流速で排出口80からオイルを吸引した。吸引開始後1から2分で反応合流部30付近は層流となり、液滴形成部40でフルオレセインを含まない水溶液とフルオレセインを含む水溶液とが概ね1:1の液滴生成が開始した。
反応合流部30から(最初の)分岐部60までの明視野像を図4に示す。また、分岐部60における液滴内撹拌を示す蛍光画像を図5に示す。なお、図5(a)は最初の分岐部での、図5(b)は3回目の分岐部での、それぞれ画像である。分岐部60への導入初期(図5(a))では、反応液保持部10aから導入したフルオレセインを含まない水溶液と反応液保持部10bから導入したフルオレセインを含む水溶液とは二層に分かれており、液滴中下半分の領域にのみ蛍光が確認される。一方、3回目の分岐部付近(図5(b))では液滴内の蛍光強度は一様になっていることから、分岐部60を設けることで、反応液保持部10aから導入した水溶液と反応液保持部10bから導入した水溶液とが撹拌(混合)していることがわかる。
実施例3:本発明の装置を用いたデジタル核酸検出
実施例1で作製したマイクロ流路デバイス100を、C型肝炎ウイルス(HCV)RNAの等温核酸増幅に適用した。
(1)HCV遺伝子が挿入されたプラスミドから、in vitro転写によりHCV標準RNA(配列番号1)を調製した。当該標準RNAを注射用水を用いて10コピー/2μLとなるように希釈し、これをRNA試料とした。
(2)以下の組成を含む水溶液を調製し、これを標準RNAを含む反応液とした。
132mM Tris−HCl緩衝液(pH8.36)
5.0%(v/v) グリセロール
各0.66mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各4.0mM ATP、CTP、GTP、TTP
6.6mM ITP
193.2mM トレハロース
50nM INAFプローブ(配列番号2)
2.0μM 第一のプライマー(配列番号3)
2.0μM 第二のプライマー(配列番号4)
8.5U AMV逆転写酵素
94U T7 RNAポリメラーゼ
標準RNA
なおINAFプローブ(配列番号2)は、標準RNAの相同鎖の部分配列(具体的には配列番号1の107番目から123番目まで)からなり、ただし、当該配列の10番目のCと11番目のGとの間にリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素であるオキサゾールイエローを結合させ、3‘末端がビオチン修飾されたオリゴヌクレオチドプローブである。また第一のプライマー(配列番号3)は、標準RNAの相補鎖の部分配列(具体的には配列番号1の125番目から145番目まで:配列番号5)及び当該配列の5’末端側にT7プロモーター配列(配列番号6)を付加したオリゴヌクレオチドである。また第二のプライマー(配列番号4)は、標準RNAの相同鎖の部分配列(具体的には、配列番号1の1番目から16番目まで)からなるオリゴヌクレオチドである。また標準RNAは、反応液と開始液を合わせた計20μLあたり、2000、5000、10000、20000、40000又は80000コピー存在するように反応液を調製した。
(3)以下の組成を含む水溶液を調製し、これを開始液とした。
36.8mM 塩化マグネシウム
180.0mM 塩化カリウム
0.2%(w/v) Tween 20
18.0%(v/v) DMSO
5.0%(v/v) グリセロール
50nM INAFプローブ(配列番号2)
(4)実施例1で作製したマイクロ流路チップ100をサーマルサイクラー(Mastercycler nexus flat eco、Eppendorf社)の上に固定して、46℃に加熱した。
(5)実施例2(3)と同様な方法でマイクロ流路チップ100内にオイルを充填後、液体保持部20にオイルを100μL滴下した。
(6)反応液保持部10a/10b内のオイルを取り除いてから、反応液保持部10aには(2)で作製した反応液を、反応液保持部10bには(3)で作製した開始液を、それぞれ液温46℃の条件下で30μL滴下した。
(7)実施例2(5)と同様な方法で排出口80からオイルを吸引した。吸引開始後1から2分で反応合流部30付近は層流となり、液滴形成部40で反応液と開始液とが概ね1:1の液滴生成が開始された。
(8)吸引開始後3から5分後に当該吸引を停止し、そのまま46℃で20分間放置することで、液滴内等温増幅反応を完了させた。
(9)(8)の反応終了後のマイクロ流路チップ100を倒立型顕微鏡IX71(オリンパス社)に載置し、デジタルCMOSカメラ(ORCA−FLASH、浜松フォトニクス社)を用いて、液滴保持部70に保持された液滴の明視野画像及び蛍光画像を取得した。
(10)画像解析ソフト(ImageJ)を利用して、前記明視野画像及び蛍光画像から、液滴の平均直径及び陽性液滴(陰性液滴の平均蛍光強度に対し、蛍光強度比2.5倍以上の液滴)の個数割合を測定した。液滴の平均直径は、明視野画像からランダムに抽出した100個の液滴の直径の平均値とした。陽性液滴の個数割合は、まず液滴が400から700個含まれる画像をランダムに選定し、これら画像中の全液滴数と陽性液滴数を測定後、当該測定結果を足し合わせることで、計3000から6000個の液滴に対する陽性液滴の個数割合を測定した。
(11)(10)で得られた液滴の平均直径(D[μm])から下記(式1)を用いて、液滴の平均直径(V[nL])を算出し、(10)で得られた陽性液滴の個数割合(PPositive)からポアソン分布による近似(式2)を用いて標準RNA濃度(C[コピー/μL)を算出した。
V=(4/3)×π×(D/2)×10−6 (式1)
C=−ln(1−PPositive)×(10/V)×20 (式2)
(9)で取得した明視野像及び蛍光画像を図6((a):明視野像、(b):蛍光画像)に、(11)で算出した標準RNA濃度と反応液に実際に添加した標準RNA量との
較結果を図7に、それぞれ示す。図7より、本発明の装置を用いて標準RNAを検出することで、定量性の高い測定ができることがわかる。
参考例1
(1)反応液保持部10a/10b並びに液体保持部20への導入口としてφ1.5mmの穴とし、排出口80としてφ4mmの穴とした他は、実施例1と同様な方法でマイクロ流路チップ100を作製した。
(2)排出口80からオイルを滴下することで毛細管現象によってマイクロ流路チップ100内にオイルを充填した。
(3)金属針(武蔵エンジニアリング社)とPTFEチューブ(ニチアス社)を接続し、実施例3(2)で調製した反応液、Isopropyl Palmitate(シグマアルドリッチ社)の順に充填したシリンジ(容量1mL、テルモ社)をシリンジポンプ(KDScientific社)にセットし、前記PTFEチューブの先端をマイクロ流路チップ100に設けた反応液保持部10aに接続した。同様に、実施例3(3)で調製した開始液、Isopropyl Palmitate(シグマアルドリッチ社)の順に充填したシリンジ(容量1mL、テルモ社)をシリンジポンプ(KDScientific社)にセットし、PTFEチューブの先端をマイクロ流路チップ100に設けた反応液保持部10aに接続した。
(4)金属針(武蔵エンジニアリング社)とPTFEチューブ(ニチアス社)を接続し、オイル充填したシリンジ(容量1mL、テルモ社)をシリンジポンプ(KDScientific社)にセットし、前記PTFEチューブの先端をマイクロ流路チップ100に設けた液体保持部20に接続した。
(5)反応液及び開始液を充填したシリンジポンプは50μL/時間で、オイルを充填したシリンジポンプは400μL/時間で、それぞれ加圧することでマイクロ流路チップ100内に導入した。
(6)実施例3(8)から(11)と同様な方法で、標準RNAの増幅及び検出を行なった。
算出した標準RNA濃度と反応液に実際に添加した標準RNA量との比較結果を図8に示す。実施例3の場合(図7)と比較し、検出性能が大幅低下していることがわかる。この結果から、本発明の装置で得られた液滴を液滴保持手段に保持させる際、当該液滴保持手段内の流体を吸引する手段を用いて保持させると、反応液(開始液)に対する圧力負荷を極力低減でき、酵素等の反応活性因子が失活しにくくなるため、標的分子の反応効率が高まり、当該標的分子を高精度に検出できることがわかる。
1:反応装置
100:マイクロ流路チップ
101:ポリマー基板
102:カバーガラス(ガラス基板)
10:反応液保持部
11、21:流路
20:液体保持部
30:反応液合流部
40:液滴形成部
50:流路出口
60:分岐流路
70:液滴保持部
80:排出口
200:温調ブロック
300:ポンプ

Claims (8)

  1. 2以上の、反応液を保持する反応液保持部と、
    前記反応液とは混和しない非混和性液体を保持する液体保持部と、
    各反応液保持部で保持された反応液同士を層流状態で合流させた後、前記液体保持部で保持された前記非混和性液体と接触させて液滴を形成させるための流路と、
    前記液滴を保持する液滴保持部と、
    反応液合流地点と非混和性液体接触地点との間又は流路出口と前記液滴保持部の間に設けられた撹拌部と、
    前記液滴保持部に設けられた排出口と、
    を有するマイクロ流路チップと、
    前記マイクロ流路チップと近接する温調装置と、
    を備えた、反応装置。
  2. 前記排出口に流体を吸引する手段をさらに備えた請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記撹拌部が前記流路の出口と前記液滴保持部との間に設けられた、流量が均一になるような分岐を複数有する分岐流路であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応装置。
  4. 前記温調装置が、前記マイクロ流路チップを、液滴中で行われる反応に適した温度に維持可能な装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反応装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の反応装置に、検出部をさらに備えた検出装置。
  6. 標的分子の反応方法であって、
    前記標的分子の反応に必要な成分をそれぞれ含み、単独では反応が起こらない2以上の反応液を反応開始温度に温調し、
    温調された各反応液を反応が起こらないように混じった状態にした後、前記反応液と混和しない非混和性液体と接触させ、
    前記混じった状態の反応液を前記非混和性液体と接触させる直前又は後に撹拌を行うことを特徴とする前記反応方法。
  7. 前記標的分子が核酸であり、前記反応液が前記核酸の一定温度での増幅に必要な成分の一部をそれぞれ含んだ溶液であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 請求項6又は7に記載の方法で得られた反応生成物の検出を行うことを特徴とするデジタル計測方法。
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