JP2019170193A - 炭酸飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、微糖設計の炭酸飲料において、炭酸に由来するエグ味や渋味が改善され、すっきり感の向上した炭酸飲料を提供する。
【解決手段】甘味料と酸味料とを含み、酸度が0.01〜0.03であり、甘味度が1〜5であり、甘酸比が150〜600であり、pHが5.0以下である、炭酸飲料、及び、甘味料と酸味料とを含む炭酸飲料において、酸度を0.01〜0.03に調整し、甘味度を1〜5に調整し、甘酸比を150〜600に調整し、pHを5.0以下に調整する、炭酸飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭酸に由来するエグ味や渋味が改善され、すっきり感の向上した炭酸飲料に関する。
炭酸飲料は、飲用適の水に二酸化炭素を圧入した飲料や、これに甘味料、酸味料、フレーバリング等を加えた飲料である。フレーバリングには、果汁や香料等が主に使用されている。炭酸飲料の多くは、ラムネやコーラ、ジンジャーエールのように、甘味と酸味の両方が強いが、近年の健康志向、低カロリーへの訴求から、甘味が弱く、水のようにすっきりと飲める炭酸飲料のニーズが高まっている。
水様の呈味の薄い炭酸飲料では、味の濃い炭酸飲料よりも、原料等に由来する様々な異臭や異味の影響を受けやすい。例えば、特許文献1には、水のように甘味、酸味、塩味が薄い炭酸飲料に対して難消化性デキストリンを含有させた場合に問題となる異臭を、難消化性デキストリンの含有量とガス圧を特定の範囲に調整することによって抑制する方法が開示されている。
また、炭酸飲料における様々な呈味等の品質を改善する方法として様々な方法が知られている。例えば、特許文献2には、メントールを含む炭酸飲料において問題とされるメントールの苦味を、トランス−2−ヘキセナール(trans-2-hexenal)等の香気成分を添加することによって抑制し、後味のキレを改善する方法が記載されている。また、特許文献3には、所定の割合以上のリンゴ果汁を含有する炭酸飲料において、果実感を損なうことなく、炭酸によって強化されてしまうリンゴ果汁に由来する苦味と渋味を、糖酸比及びエステルとアルデヒドの比を特定の範囲内に調整することによって抑制できることが記載されている。その他、特許文献4には、ミネラルウォーターにおいて、有機酸塩及び/又はアミノ酸塩を含有させ、かつ酸度を特定の範囲内に調整することによって、水様の香味を保持しつつ、保存安定性を改善する方法が開示されている。
特開2016−174552号公報 特開2015−6168号公報 特開2014−60956号公報 特開2015−136302号公報
すっきりとした水様の風味を有する炭酸飲料を提供するための方法の一つとして、甘味を下げる(甘さを控える)ことが考えられる。しかし、炭酸飲料においては、甘味の強さが小さくなると、炭酸そのものに由来する後味に残るエグ味や渋味が強く感じられるようになる、という問題がある。
本発明においては、微糖設計の炭酸飲料において、炭酸に由来する後味に残るエグ味や渋味が改善され、すっきり感の向上した炭酸飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、微糖設計の炭酸飲料において、甘酸比を通常の炭酸飲料よりも大幅に高い150〜600程度とすることにより、炭酸に由来する後味に残るエグ味や渋みを抑え、後味のすっきり感を向上させられることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る炭酸飲料、炭酸飲料の製造方法、及び炭酸飲料のすっきり感を向上させる方法は、下記[1]〜[6]である。
[1] 甘味料と酸味料とを含み、酸度が0.01〜0.03であり、甘味度が1〜5であり、甘酸比が150〜600であり、pHが5.0以下である、炭酸飲料。
[2] ガスボリュームが2.0〜4.5である、前記[1]の炭酸飲料。
[3] トランス−2−ヘキセナールを0.01〜0.5ppm含有する、前記[1]又は[2]の炭酸飲料。
[4] 高甘味度甘味料を含む、前記[1]〜[3]のいずれかの炭酸飲料。
[5] 甘味料と酸味料とを含む炭酸飲料において、酸度を0.01〜0.03に調整し、甘味度を1〜5に調整し、甘酸比を150〜600に調整し、pHを5.0以下に調整する、炭酸飲料の製造方法。
[6] 甘味料と酸味料とを含む炭酸飲料において、酸度を0.01〜0.03に調整し、甘味度を1〜5に調整し、甘酸比を150〜600に調整し、pHを5.0以下に調整する、炭酸飲料のすっきり感を向上させる方法。
本発明により、甘味が弱く、水様の風味を備えるにもかかわらず、炭酸に由来する後味に残るエグ味や渋味が改善され、後味のすっきり感が改善された炭酸飲料を提供することができる。
本発明及び本願明細書において、「炭酸飲料」とは、炭酸ガスを含有する飲料を意味する。本発明に係る炭酸飲料は、アルコール飲料であってもよく、アルコール含量が1容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料又はローアルコール飲料であってもよい。
本発明及び本願明細書において、炭酸飲料の「すっきり感」とは、喫飲後の口腔内の後味の残り難さを意味する。炭酸飲料のすっきり感が向上したとは、喫飲後の味の後引きが弱くなっており、特に炭酸に由来するエグ味や渋味が弱くなったことを意味する。
炭酸飲料を含む清涼飲料水においては、一般的に、甘味と酸味のバランスが重要である。このため、一般的には、低カロリー化のために砂糖の配合量を低下させて甘味を弱めようとした場合には、甘酸比は一定の範囲内に維持されるように、甘味の低下に合わせて酸味も低下させる。例えば、サイダーやジンジャーエール、コーラといった一般的な炭酸飲料の甘酸比は30〜140程度であるが、従来は、これらの炭酸飲料について甘味を低下させる場合には、甘酸比が大きく変動しないよう、酸味も一緒に低下させている。しかしながら、炭酸飲料において、水様の風味となるように甘味と酸味を大幅に低下させると、甘酸比を一定の範囲内に維持したままでは後味において炭酸に由来するエグ味や渋味が目立ってしまうことを、本発明者は見出した。炭酸に由来するエグ味や渋味は、甘味や酸味が十分に強い従来の炭酸飲料では感知されない味である。
本発明に係る炭酸飲料は、甘味料と酸味料とを含み、酸度が0.01〜0.03であり、甘味度が1〜5であり、甘酸比が150〜600であり、pHが5.0以下である。酸度が0.01〜0.03、かつ甘味度が1〜5である、甘味と酸味が抑えられた炭酸飲料において、甘酸比を一般的な炭酸飲料よりも高い150〜600の範囲内に調整することによって、炭酸に由来するエグ味や渋味が抑制され、すっきり感も良好な炭酸飲料が得られる。すなわち、甘味料と酸味料とを含む炭酸飲料において、酸度を0.01〜0.03に調整し、甘味度を1〜5に調整し、甘酸比を150〜600に調整し、pHを5.0以下に調整することにより、水のような飲みやすさを損なうことなく、炭酸飲料のすっきり感を向上させることができる。
本発明に係る炭酸飲料が含有する甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、砂糖(ショ糖やグラニュー糖を含む)、果糖、高果糖液糖、ぶどう糖、オリゴ糖、乳糖、はちみつ、水飴(麦芽糖)、糖アルコール、高甘味度甘味料等が挙げられる。高甘味度甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、アラビノース、カンゾウ抽出物、キシロース、ステビア、タウマチン、ラカンカ抽出物、ラムノース及びリボースが挙げられる。これらの甘味料は、1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を用いてもよい。本発明に係る炭酸飲料としては、甘酸比を制御することによる後味改善効果がより十分に得られることから、高甘味度甘味料を含むことが好ましく、アセスルファムカリウムであることがより好ましい。
本発明に係る炭酸飲料において、甘味度は1〜5の範囲内にある。甘味度は、製造する炭酸飲料の目的の製品品質に合わせて適宜調整することができる。ここで、飲料の甘味度とは、ショ糖の甘味の強さを標準とし、甘味の強さが同じショ糖水溶液のショ糖濃度に相当する。例えば、甘味度1とは、20℃における1g/100mL ショ糖水溶液と同じ甘味の強度であることを意味する。高甘味度甘味料を配合した飲料では、配合した高甘味度甘味料の甘味度の換算係数と配合比率に基づいて算出することができる。各甘味料の甘味度の換算係数は、ショ糖が1であり、ブドウ糖は0.7、果糖は1.3、乳糖は0.3、アセスルファムカリウムは200、総アスパルテームは200、スクラロースは600、エリスリトールは0.8、ステビアは400、ステビオサイドは200、レバウジオサイドAは270である。
本発明に係る炭酸飲料が含有する酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、コハク酸、氷酢酸、フマル酸、フィチン酸、リン酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明に係る炭酸飲料において、酸度は0.01〜0.03である。ここで、酸度は、炭酸飲料中に含まれている酸の量をクエン酸の相当量として換算した値、すなわち、クエン酸酸度(g/100mL)として表した数値を指す。
ここで、本明細書において、クエン酸酸度は、具体的には、フェノールフタレイン指示薬と水酸化ナトリウムとを用いて、以下の手順で滴定することにより求められるものである。
(1)スターラーを用いて、飲料中の炭酸ガスを常法により、除去する。
(2)200mL三角フラスコに対して5〜15gの飲料を正確に秤量し、水を用いて50mL程度まで希釈する。
(3)希釈した前記飲料に対して1%フェノールフタレイン指示薬を数滴加えて撹拌する。
(4)三角フラスコ内の希釈飲料溶液をマグネティックスターラーで撹拌しながら、25mL容ビューレットに入れた0.1Mの水酸化ナトリウムを前記飲料溶液に滴下し、滴定試験を実施する。この滴定試験は、三角フラスコ内の飲料溶液の色が、30秒間赤色を持続した点を終点とする。
(5)クエン酸酸度(%)の値を、滴定試験の結果に基づき、次式によって算出する。
クエン酸酸度(%)=A×f×(100/W)×0.0064 式(1)
[(式1)において、Aは、0.1M 水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)を、fは、0.1M 水酸化ナトリウム溶液の力価を、Wは、飲料試料の質量(g)を示す。また、式(1)において乗算している「0.0064」という値は、1mLの0.1M 水酸化ナトリウム溶液に相当する無水クエン酸の質量(g)を指す。]
なお、前記滴定試験においては、フェノールフタレイン指示薬に代えて、水素イオン濃度計を用いて実施してもよい。この場合、滴定試験の終点は、三角フラスコ内の飲料溶液のpHが8.1になった時とする。
本発明に係る炭酸飲料は、pHが5.0以下である。pHが前記範囲内であることにより、酸度を前記範囲内に比較的容易に調整することができる。本発明に係る炭酸飲料のpHとしては、後味のすっきり感と口当たりのなめらかさのバランスが良好であることから、2.5〜4.5の範囲内であることが好ましく、2.8〜4.2の範囲内であることがより好ましく、2.8〜4.2の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明に係る炭酸飲料の甘酸比は、150〜600である。炭酸由来の後味に残るエグ味や渋味がより十分に抑制され、すっきり感の改善効果がより高いだけではなく、口当たりもなめらかにできるため、本発明に係る炭酸飲料の甘酸比は、200〜500が好ましく、200〜300がより好ましい。
本発明に係る炭酸飲料のガスボリューム(炭酸ガスの圧力)は特に限定されるものではないが、充分な炭酸感が得られるため、2.0〜4.5であることが好ましい。また、後味のすっきり感と口当たりのなめらかさのバランスがより良好であることから、本発明に係る炭酸飲料のガスボリュームは2.5〜4.2がより好ましく、3.0〜4.0がさらに好ましい。
ガスボリュームは、標準状態(1気圧、0℃)において、炭酸飲料全体の体積に対して、炭酸飲料に溶けている炭酸ガスの体積を表したものであるまた、炭酸飲料中のガスボリュームは公知の方法で測定することができる。例えば、市販の測定器(京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500A)を用いて測定することができる。
本発明に係る炭酸飲料は、青葉の香りの香気成分を含有していることが好ましい。青葉の香りの香気成分としては、トランス−2−ヘキセナール、ヘキサナール、及びシス−3−ヘキセノールが挙げられる。青葉の香りの香気成分の含有量としては、0.005〜0.80ppmの範囲内であることが好ましく、0.01〜0.50ppmの範囲内であることがより好ましく、0.01〜0.30ppmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、炭酸飲料中の青葉の香りの香気成分の含有量とは、トランス−2−ヘキセナール、ヘキサナール、及びシス−3−ヘキセノールの総含有量を意味する。青葉の香りの香気成分の含有量が前記範囲内であることにより、後味のすっきり感と口当たりのなめらかさのバランスをより良好にすることができる。後味のすっきり感等の改善に加えてさらに炭酸由来の苦味を改善できるという観点から、青葉の香りの香気成分の含有量は、0.10〜0.50ppmが好ましく、0.30〜0.50ppmがより好ましい。
また、本発明に係る炭酸飲料は、通常の飲料に用いられる香料(フレーバー)、果汁、香草、酸化防止剤、塩類などのミネラル、苦味料、着色料、酵母エキス、栄養強化剤、pH調整剤、消泡剤、乳化剤などを含んでもよい。
例えば、香料としては、天然香料であってもよく、合成香料であってもよい。具体的には、フルーツフレーバー、植物フレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、又はこれらの混合物が挙げられる。フルーツフレーバーにおける「フルーツ」や果汁が由来する「フルーツ」としては、例えば、レモン、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、シークヮーサー、柚及びライム等の柑橘類、苺、桃、葡萄、林檎、パイナップル、マンゴー、メロン、及びバナナ等が挙げられる。これら香料は、1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を用いてもよい。
栄養強化剤としては、ヒトをはじめとする動物が摂取することによりいずれかの生理機能が改善することが期待される成分であれば特に限定されるものではない。当該成分としては、例えば、水溶性食物繊維、ポリフェノール、カテキン類、等が挙げられる。これら栄養強化剤は、1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を用いてもよい。
水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維(可溶性大豆多糖類)、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系消泡剤等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート等が挙げられる。
本発明に係る炭酸飲料が容器詰飲料である場合、本発明に係る炭酸飲料を充填する容器としては、特に限定されるものではない。具体的には、ガラス瓶、缶、可撓性容器等が挙げられる。可撓性容器としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性樹脂を成形してなる容器が挙げられる。可撓性容器は、単層樹脂からなるものであってもよく、多層樹脂からなるものであってもよい。
本発明に係る炭酸飲料は、一般的には、各原料を混合する方法(調合法)によって製造できる。例えば、具体的には、各原料を混合することにより、調合液を調製する調合工程と、得られた調合液に炭酸ガスを加えるガス導入工程と、により製造することができる。
まず、調合工程において、原料を混合することにより、調合液を調製する。調合工程においては、炭酸ガス以外の全ての原料を混合した調合液を調製することが好ましい。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料を混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液、必要に応じて原料水を混合してもよい。さらに、原料水に原料を加熱したものを入れてもよく、調製した調合液を加熱してもよい。
調合工程において調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、ガス導入工程の前に、当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、濾過法により除去することがより好ましい。
次いで、ガス導入工程として、調合工程により得られた調合液に炭酸ガスを加える。これにより、炭酸飲料を得る。なお、炭酸ガスの添加は、常法により行うことができる。例えば、調合工程により得られた調合液、及び炭酸水を混合してよく、調合工程により得られた調合液に炭酸ガスを直接加えて溶け込ませてもよい。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
<炭酸飲料の炭酸に由来する後味のすっきり感と苦味の評価>
炭酸のガスボリュームを調整した炭酸水(炭酸を圧入しただけの水)について、後味のすっきり感と炭酸に由来する苦味を評価した。
具体的には、まず、炭酸圧入前の水(ガスボリュームが0.0)と、ガスボリュームが2.5及び3.5の炭酸水を調製した。次いで、炭酸に由来する苦味と後味のすっきり感について、ガスボリュームが0.0の水を基準(評点7)として、ガスボリュームが2.5及び3.5の炭酸水について、4人の専門パネルにより、表1に記載の基準で評価した。さらに、おいしさをガスボリュームが0.0の水を基準(評点4)として、7段階(1点は美味しくない、4点はどちらともいえない、7点が非常に美味しい)でそれぞれ評価した。なお、後味のすっきり感の評価のうち、「非常にすっきり(水と同程度)」とは、炭酸に由来する後味に残るエグ味や渋味が感じられないことを意味し、「非常にすっきりしない」とは、炭酸に由来する後味に残るエグ味や渋味が非常に強いことを意味する。評価結果を表2に示す。表2中、「GV」はガスボリュームである。
Figure 2019170193
Figure 2019170193
以降の実験において、特に記載のない限り、ガスボリューム0.0の水を苦味とすっきり感の強度の評点の基準とした。すなわち、以降の実施例においては、ガスボリューム0.0の水を基準とした表1の評価基準に基づいて評価した。
[参考例1]
市販されているサイダー2種(市販品A、E)、コーラ1種(市販品B)、オレンジ風味炭酸飲料2種(市販品C、D)について、糖度、酸度、甘味度、甘酸比、及び糖酸比を測定した。結果を表3に示す。なお、サイダーとしては、市販品Aが最もシェアが多い製品である。
Figure 2019170193
[実施例1]
参考例1の市販のサイダー(市販品A)を参考にして、甘酸比を一定として甘味度と酸味度を変化させたガスボリューム3.5の炭酸飲料について、すっきり感と炭酸由来の苦味を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2019170193
サンプル1〜3の結果を比較すると、サイダーの一般的な甘酸比を維持したまま甘味度と酸度を下げると、炭酸由来の苦味を強く感じ、後味のすっきり感は感じやすくなることがわかった。サンプル3についてさらに酸度を下げていくと、サンプル4〜6に示す通り、炭酸由来の苦味を感じにくくなった。また、甘酸比200〜500の間では、すっきり感も通常の甘酸比(サンプル3)と同等以上に感じられていた。
サンプル7及び8の結果に示す通り、甘酸比200〜500のサンプルで確認された炭酸由来の苦味と後味のすっきり感の改善は、甘味度の一部をアセスルファムカリウムに置換しても、同様の傾向が見られた。むしろアセスルファムカリウムを含まない場合よりも苦味の改善効果が大きく、苦味を呈するアセスルファムカリウムを含んだ方が苦味を感じないのは意外であった。
[実施例2]
表5の組成でガスボリュームが3.5である炭酸飲料について、すっきり感等を官能評価した。なお、香料としては、青葉の香りの香気成分を含まない柑橘フレーバーを使用した。官能評価は、サンプル1(表2のサンプル3に香料を配合した炭酸飲料)の評点を4点とし、5人の評価パネルによって行い、その平均値を各サンプルの評点とした。炭酸飲料としての飲み易さ及び一気飲みできるかについては、7段階(1点は非常に飲み難い、4点はどちらともいえない、7点が非常に飲み易い)でそれぞれ評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 2019170193
Figure 2019170193
この結果、糖度が6.0以上であるサンプル4〜6や、糖度が0であるサンプル1(ガスボリュームが3.5であり、かつ香料のみを添加した炭酸水)では、後味のすっきり感に劣っていたが、糖度が2.0又は3.0であり、かつ甘酸度が200〜300であるサンプル2及び3では、後味のすっきり感に優れ、かつ飲みやすく、おいしい炭酸飲料が得られた。
[実施例3]
表7の組成でガスボリュームが3.5である炭酸飲料について、すっきり感等を官能評価した。官能評価は、5人の評価パネルによって行い、その平均値を各サンプルの評点とした。なめらかな口当たりについては、7段階(1点は口当たりがなめらかではない、4点はどちらともいえない、7点が非常になめらかな口当たりである)でそれぞれ評価した。評価結果を表7に示す。
Figure 2019170193
糖度(甘味度)が1未満であるサンプル2の炭酸飲料は、他の多くの甘味が弱い飲料と同様にすっきり感は高かったが、口当たりやおいしさにやや劣っていた。これに対して、糖度が5.0であり、かつ甘酸比が250のサンプル3の炭酸飲料は、後味のすっきり感と口あたりの両方が良好であり、おいしかった。糖度が10.0及び甘酸比が500のサンプル4の炭酸飲料では、口当たりはなめらかであったものの、甘味が強すぎ、後味はすっきりしないものであった。

Claims (6)

  1. 甘味料と酸味料とを含み、酸度が0.01〜0.03であり、甘味度が1〜5であり、甘酸比が150〜600であり、pHが5.0以下である、炭酸飲料。
  2. ガスボリュームが2.0〜4.5である、請求項1に記載の炭酸飲料。
  3. トランス−2−ヘキセナールを0.01〜0.5ppm含有する、請求項1又は2に記載の炭酸飲料。
  4. 高甘味度甘味料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭酸飲料。
  5. 甘味料と酸味料とを含む炭酸飲料において、酸度を0.01〜0.03に調整し、甘味度を1〜5に調整し、甘酸比を150〜600に調整し、pHを5.0以下に調整する、炭酸飲料の製造方法。
  6. 甘味料と酸味料とを含む炭酸飲料において、酸度を0.01〜0.03に調整し、甘味度を1〜5に調整し、甘酸比を150〜600に調整し、pHを5.0以下に調整する、炭酸飲料のすっきり感を向上させる方法。
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