JP2019169783A - 経路制御システム、経路制御方法、及び、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】時間とともに変化する通信フローの特性に合った適切な経路による経路制御を少ない計算量で実現する。【解決手段】経路制御システム100の分析部510は、複数のルータが接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成する。予測部530は、各時刻において、所定時間後の通信フローを、分析モデルに基づき予測する。経路決定部610は、予測した通信フローの通信量とルータ間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローのネットワークにおける経路を決定する。経路制御部620は、所定時間後に予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上のルータに設定する。【選択図】図21

Description

本発明は、経路制御システム、経路制御方法、及び、プログラムに関する。
近年、ネットワークの利用において、メールや、Webサイトの閲覧等のデータ転送の通信に加え、電話や、映像配信を伴うWeb会議等、リアルタイム性が求められる通信が増加してきている。電話や、Web会議等においては、コミュニケーションを行うツールという位置づけから、高い通信品質が求められる。
このようなネットワーク上で行われる通信の通信フローの経路は、例えば、OSPF(Open Shortest Path First)等のルーティングプロトコルにより算出される最短経路(最小コストの経路)で制御される。一般的に、ネットワーク構成に変化がない場合、各通信フローの経路は常に同じである。このため、ネットワーク上のルータ間のリンクを、複数の通信フローの経路が通る場合、通信状況の変化によっては、そのリンクで輻輳等が発生し、必要な帯域が十分に確保できなくなる。これにより、リアルタイム性や高い通信品質が求められる電話やWeb会議において、十分なコミュニケーションが図れない状況に陥ることがある。その一方で、一部のリンクでは、通信量が少なく、帯域が空いた状況になることもある。したがって、ネットワークリソースを有効活用できているとは言えない。
近年、ネットワークリソースを有効活用するためにも活用できる、経路制御技術が実用化されてきている。例えば、IP(Internet Protocol)網において、経路を意図的に変更、制御する代表的な技術として、特定の通信フローだけを別の経路に振り分けるPBR(Policy-Based Routing)や、コントローラから複数のルータに対する経路制御を行うOpenFlowが挙げられる。しかしながら、いずれの技術でも、時間とともに変化する通信フローの状況に合わせて、ネットワークリソースを有効活用した、適切な経路を選択することは非常に困難である。
また、通信フローに対する適切な経路を探索するための技術が、例えば、以下の非特許文献、または、特許文献に記載されている。
非特許文献1には、通信量の空間分布と時間分布の両方を考慮して、経路を計算する技術が開示されている。特許文献1には、通信フローの内容からQoE(Quality of Experience)の特性を判断して、経路を決定する技術が記載されている。また、特許文献2には、通信フローに対する経路上の各リンクの品質状況(遅延時間、パケットロス、ゆらぎ等)の変化に応じて、経路を変更する技術が記載されている。特許文献3には、ネットワークトラフィックの推移予測に基づき、ネットワークのリソースを選択することで、トラフィックに対する経路を設定する技術が記載されている。
特許第5651619号公報 特許第5723806号公報 特開2007−116648号公報
藪崎仁史、外1名、「時間軸を考慮した経路計算アルゴリズムの検討」、[online]、2009年8月11日、電子情報通信学会、新世代ネットワークワークショップ2009、[2018年3月5日検索]、インターネット〈URL:http://www.ieice.org/~nwgn/file_ws09/12_yabusaki.pdf〉
上述の非特許文献1に記載の技術では、一度決定された経路は、通信が完了するまで変更されないため、通信量の増加等、通信フローの状況に変化があった場合、輻輳等により通信品質が低下する可能性がある。
また、特許文献1や2に記載の技術を用いて、通信フローの状況に合わせて経路の設定、変更を行う場合、通常、いつ、どの程度の通信量で、どのような特性の通信フローが発生するのかは分からない。したがって、現在の通信フローの情報や、各経路上の通信品質の情報を取得し、それらの情報から適切な経路をリアルタイムに計算する必要がある。このため、瞬時に行うべき計算量が膨大になる可能性がある。
また、特許文献3に記載の技術では、トラフィックの推移予測に基づき、予め、通信フローに対する経路を設定できる。しかしながら、非特許文献1と同様に、通信フローの状況に変化があった場合、通信品質が低下する可能性がある。
本発明の目的は、上述の課題を解決し、時間とともに変化する通信フローの特性に合った適切な経路による経路制御を少ない計算量で実現できる、経路制御システム、経路制御方法、及び、プログラムを提供することである。
本発明の一態様における経路制御システムは、複数の転送装置が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成する、分析手段と、各時刻において、所定時間後の通信フローを、前記分析モデルに基づき予測する予測手段と、前記予測した通信フローの通信量と転送装置間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの前記ネットワークにおける経路を決定する経路決定手段と、前記所定時間後に、前記予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の転送装置に設定する、経路制御手段と、を備える。
本発明の一態様における経路制御方法は、複数の転送装置が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成し、各時刻において、所定時間後の通信フローを、前記分析モデルに基づき予測し、前記予測した通信フローの通信量と転送装置間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの前記ネットワークにおける経路を決定し、前記所定時間後に、前記予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の転送装置に設定する。
本発明の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、複数の転送装置が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成し、各時刻において、所定時間後の通信フローを、前記分析モデルに基づき予測し、前記予測した通信フローの通信量と転送装置間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの前記ネットワークにおける経路を決定し、前記所定時間後に、前記予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の転送装置に設定する、処理を実行させる。
本発明の効果は、時間とともに変化する通信フローの特性に合った適切な経路による経路制御を少ない計算量で実現できることである。
実施形態における、経路制御システム100の構成を示すブロック図である。 実施形態における、ネットワーク情報収集装置200、及び、ネットワーク情報記憶装置300の構成を示すブロック図である。 実施形態における、予約・優先度管理装置400、及び、分析装置500の構成を示すブロック図である。 実施形態における、経路制御装置600の構成を示すブロック図である。 実施形態における、コンピュータに実装された経路制御システム100の構成を示すブロック図である。 実施形態における、収集処理を示すフローチャートである。 実施形態における、トポロジ情報(リンク情報)の例を示す図である。 実施形態における、トポロジ情報(グループ情報)の例を示す図である。 実施形態における、通信フロー情報の例を示す図である。 実施形態における、統計分析処理を示すフローチャートである。 実施形態における、生成される分析モデルの例を示す図である。 実施形態における、優先度情報の例を示す図である。 実施形態における、経路制御処理を示すフローチャートである。 実施形態における、予約情報の例を示す図である。 実施形態における、予測情報の例を示す図である。 実施形態における、予測情報(優先度付与後)の例を示す図である。 実施形態における、経路決定処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。 実施形態における、経路選択の例を示す図である。 実施形態における、通信フローの経路の決定結果の例を示す図である。 実施形態における、転送情報の例を示す図である。 実施形態の特徴的な構成を示すブロック図である。
発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、実施形態の構成について説明する。
図1は、実施形態における、経路制御システム100の構成を示すブロック図である。
経路制御システム100は、ネットワークにおける通信フローの経路を制御する。経路制御システム100の制御対象のネットワーク(以下、制御対象ネットワークとも記載する)はエッジネットワーク間を接続するネットワークである。各エッジネットワークには、通信を行う端末装置である、パーソナルコンピュータやサーバ等が接続される。以下、エッジネットワークをグループとも記載する。制御対象ネットワークは、複数の転送装置により構成され、これら複数の転送装置の一部が、グループと接続される。転送装置は、例えば、ルータやL3SW(Layer 3 Switch)等、通信におけるデータパケットを転送する装置である。以下、転送装置がルータである場合を例に説明する。
図1の例では、制御対象ネットワークは、ルータR1〜R7により構成され、この内のルータR1〜R6がそれぞれグループG1〜G6に接続されている。グループG1の端末装置が、他のグループの端末装置と通信する場合、ルータR1を介して通信を行う。すなわち、ルータR1は、グループG1のデフォルトゲートウェイである。
図1を参照すると、経路制御システム100は、ネットワーク情報収集装置200、ネットワーク情報記憶装置300、予約・優先度管理装置400、分析装置500、及び、経路制御装置600を含む。
経路制御システム100内の各装置は、ネットワーク(図示せず)等により相互に接続される。また、経路制御システム100内のネットワーク情報収集装置200や経路制御装置600と制御対象ネットワーク内の各ルータも、ネットワーク(図示せず)等により相互に接続される。
図2は、実施形態における、ネットワーク情報収集装置200、及び、ネットワーク情報記憶装置300の構成を示すブロック図である。
ネットワーク情報収集装置200は、トポロジ情報収集部210、及び、通信フロー情報収集部220を含む。トポロジ情報収集部210は、制御対象ネットワーク上のルータから、制御対象ネットワークの構成情報(以下、トポロジ情報とも記載する)を収集する。通信フロー情報収集部220は、制御対象ネットワーク上のルータから、制御対象ネットワーク発生しているグループ間の通信フローの情報(以下、通信フロー情報とも記載する)を収集する。
ネットワーク情報記憶装置300は、トポロジ情報記憶部310、及び、通信フロー情報記憶部320を含む。トポロジ情報記憶部310は、ネットワーク情報収集装置200が収集したトポロジ情報を記憶する。通信フロー情報記憶部320は、ネットワーク情報収集装置200が収集した通信フロー情報を記憶する。
図3は、実施形態における、予約・優先度管理装置400、及び、分析装置500の構成を示すブロック図である。
予約・優先度管理装置400は、予約情報管理部410、優先度情報管理部420、及び、優先度情報記憶部430を含む。予約情報管理部410は、連携先の通信サービス管理装置から、当該装置が提供する通信の予約に関する情報(以下、予約情報とも記載する)を取得する。優先度情報管理部420は、ネットワーク管理者等から、通信フローの優先度を表す優先度情報の入力を受け付ける。また、優先度情報管理部420は、分析装置500からの要求に応じて、優先度情報を出力する。優先度情報記憶部430は、優先度情報を記憶する。
分析装置500は、分析部510、分析モデル記憶部520、及び、予測部530を含む。分析部510は、ネットワーク情報記憶装置300に記録された通信フロー情報に対する統計分析を行い、分析結果として、予測対象時刻における通信フローの発生を予測するための分析モデルを生成する。分析モデル記憶部520は、分析部510により生成された分析モデルを記憶する。予測部530は、生成した分析モデルと、予約情報に基づき、予測対象時刻における通信フローの発生を予測する。予測部530は、予測した通信フローを示す予測情報に、予約・優先度管理装置400から取得した各通信フローの優先度を付与して、経路制御装置600に送信する。
図4は、実施形態における、経路制御装置600の構成を示すブロック図である。
経路制御装置600は、経路決定部610、及び、経路制御部620を含む。経路決定部610は、分析装置500から取得した予測情報、及び、ネットワーク情報記憶装置300から取得したトポロジ情報に基づき、予測した通信フローの経路を決定する。経路制御部620は、予測対象時刻に、予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の各ルータに設定する。
なお、経路制御システム100に含まれる、ネットワーク情報収集装置200、予約・優先度管理装置400、分析装置500、及び、経路制御装置600の各々は、CPU(Central Processing Unit)とプログラムを格納した記録媒体とを含み、プログラムに基づく制御によって動作するコンピュータであってもよい。
また、ネットワーク情報収集装置200、予約・優先度管理装置400、分析装置500、及び、経路制御装置600の各々の各構成要素の一部または全部は、汎用または専用の回路(circuitry)やプロセッサ、これらの組み合わせで実装されてもよい。
また、経路制御システム100に含まれる、ネットワーク情報収集装置200、ネットワーク情報記憶装置300、予約・優先度管理装置400、分析装置500、及び、経路制御装置600の内の一部または全部が、一つのコンピュータ上に実装されていてもよい。
図5は、実施形態における、コンピュータに実装された経路制御システム100の構成を示すブロック図である。
図5を参照すると、経路制御システム100は、CPU101、記憶デバイス102(記録媒体)、入出力デバイス103、及び、通信デバイス104を含む。CPU101は、トポロジ情報収集部210、通信フロー情報収集部220、予約情報管理部410、優先度情報管理部420、分析部510、予測部530、経路決定部610、及び、経路制御部620を実装するためのプログラムの命令(Instruction)を実行する。記憶デバイス102は、例えば、ハードディスクやメモリ等であり、トポロジ情報記憶部310、通信フロー情報記憶部320、優先度情報記憶部430、及び、分析モデル記憶部520のデータを記憶する。入出力デバイス103は、例えば、キーボード、ディスプレイ等であり、ネットワーク管理者等から、優先度情報の入力を受け付ける。通信デバイス104は、制御対象ネットワーク上のルータから、構成情報や通信フロー情報を受信する。また、通信デバイス104は、連携先の通信サービス管理装置から、予約情報を受信する。また、通信デバイス104は、制御対象ネットワーク上の各ルータに、転送情報を設定する。
次に、実施形態における経路制御システム100の動作を説明する。ここでは、収集処理、統計分析処理、及び、経路制御処理の順に、動作を説明する。
<収集処理>
収集処理は、制御対象ネットワークのトポロジ情報や通信フロー情報を収集し、ネットワーク情報記憶装置300に保存する処理である。収集処理は、統計分析処理や経路制御処理とは非同期に、所定の間隔で実行される。
図6は、実施形態における、収集処理を示すフローチャートである。
ネットワーク情報収集装置200のトポロジ情報収集部210は、トポロジ情報を収集する(ステップS101)。ここで、トポロジ情報収集部210は、SNMP(Simple Network Management Protocol)等を用いて、制御対象ネットワーク上の各ルータから、ネットワークの構成に関する情報を収集する。
図7、及び、図8は、実施形態における、トポロジ情報の例を示す図である。
収集対象の情報は、各ルータと他のルータとの接続関係やその接続におけるリンクの帯域幅、及び、各ルータに接続されたグループのネットワークアドレス(アドレス範囲)を含む。トポロジ情報収集部210は、ルータ間を接続する各リンクにリンクID(Identifier)を付与する。また、トポロジ情報収集部210は、各ルータに接続されたグループに、グループIDを付与する。
トポロジ情報収集部210は、収集した情報をトポロジ情報としてネットワーク情報記憶装置300に保存する。
例えば、トポロジ情報収集部210は、図1の制御対象ネットワークから、図7、図8のようなトポロジ情報を収集する。
通信フロー情報収集部220は、通信フロー情報を収集する(ステップS102)。ここで、通信フロー情報収集部220は、sFlow、NetFlow、IPFIX(Internet Protocol Flow Information Export)等を用いて、各グループが接続されたルータから、当該グループが接続されたリンク上で発生している通信フローに関する情報を収集する。ルータが、sFlow、NetFlow、IPFIXのいずれにも対応していない場合、通信フロー情報収集部220は、ルータのミラーポート等に接続されたパケット収集装置(図示せず)でキャプチャされたパケットに基づき、通信フローに関する情報を収集してもよい。
図9は、実施形態における、通信フロー情報の例を示す図である。
収集対象の情報は、送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、タイプ、サービス、及び、通信量を含む。ここで、タイプは、トランスポート層のプロトコル(TCP(Transmission Control Protocol)、または、UDP(User Datagram Protocol))を示す。サービスは、アプリケーション層のプロトコル(SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)等)を示す。通信量は、単位時間あたりに転送されるデータ量(帯域)を示す。
通信フロー情報収集部220は、送信元IPアドレスを、当該送信元IPアドレスに対応するグループIDに変換する。また、通信フロー情報収集部220は、同様に、送信先IPアドレスを、当該送信先IPアドレスに対応するグループIDに変換する。このように、IPアドレスをグループIDに変換する理由は、経路制御の対象の通信フローがグループ間の通信フローであることと、IPアドレス単位で通信フローを処理する場合、処理すべき通信フローの数が膨大になり、後述する統計分析における計算量が膨大になるためである。
通信フロー情報収集部220は、収集した情報を通信フロー情報としてネットワーク情報記憶装置300に保存する。
例えば、通信フロー情報収集部220は、図1の制御対象ネットワークから、図9のような通信フロー情報を収集する。
ネットワーク情報収集装置200は、所定の間隔で、ステップS101〜S102の処理を繰り返し、トポロジ情報を最新のネットワーク構成で更新するとともに、通信フロー情報に最新の通信フローの情報を保存していく。
<統計分析処理>
統計分析処理は、ネットワーク情報記憶装置300に記憶された通信フロー情報に対して統計分析を行い、分析結果として、通信フローの発生を予測するための分析モデルを生成する処理である。統計分析処理も、収集処理や経路制御処理とは非同期に、所定の間隔で実行される。
図10は、実施形態における、統計分析処理を示すフローチャートである。
分析装置500の分析部510は、ネットワーク情報記憶装置300から、過去の所定期間の通信フロー情報を取得する(ステップS201)。
次に、分析部510は、取得した通信フロー情報に対する統計分析を行い、予測対象時刻における、通信フローの発生を予測するための分析モデルを生成する(ステップS202)。分析部510は、生成した分析モデルを、分析モデル記憶部520に保存する。
例えば、分析部510は、統計分析手法として、最小二乗法(OLS(Ordinary Least Squares))や、ベクトル自己回帰分析モデル(VAR(Vector Auto Regressive))に基づく統計分析を行い、分析モデルを生成する。分析モデルは、例えば、送信元グループ、送信先グループ、タイプ、サービス等の通信フローのパラメータの組み合わせ毎に生成される。
最小二乗法を用いた場合、分析部510は、例えば、上記パラメータの組み合わせ毎に、予測対象時刻における通信量を目的変数、予測対象時刻に関する属性(月、日、曜日、時刻等)を説明変数として用いた、回帰分析モデルの関係式を生成する。これにより、時間軸での通信フローの発生傾向(時刻に関する属性と通信フローとの関係性)を表す分析モデルが生成される。
また、ベクトル自己回帰分析モデルを用いた場合、分析部510は、例えば、上記パラメータの組み合わせ毎に、予測対象時刻における通信量を目的変数、当該パラメータの組み合わせに対応する通信フローや他の組み合わせに対応する通信フローの、予測対象時刻以前の時刻の通信量を説明変数として用いた、ベクトル自己回帰分析モデルの関係式を生成する。これにより、通信フローの発生に伴う他の通信フローの発生傾向(通信フロー間の関係性)を表す分析モデルが生成される。
なお、分析部510は、収集した通信フロー情報に基づき、予測対象時刻における通信フローの発生を予測する分析モデルが生成できれば、上述の最小二乗法やベクトル自己回帰分析モデル以外の、他の手法に基づいて、分析モデルを生成してもよい。
図11は、実施形態における、生成される分析モデルの例を示す図である。
例えば、分析部510は、図9の通信フロー情報に基づき、図11に示すように、通信フローのパラメータの各組み合わせに対して、分析モデルの関係式を生成する。
分析装置500は、所定の間隔で、ステップS201〜S202の処理を繰り返し、分析モデルを更新する。これにより、制御対象ネットワークにおける通信フローの特性の変化が、適切に分析モデルに反映される。
<経路制御処理>
経路制御処理は、統計分析処理による分析結果(分析モデル)を用いて通信フローの発生を予測し、予測した通信フローに対する経路制御を行う処理である。経路制御処理も、収集処理や統計分析処理とは非同期に、所定の間隔で実行される。
ここでは、通信フローの予測対象時刻が現在時刻から所定時間後である場合を例に説明する。また、連携先の通信サービス管理装置として、Web会議管理サーバが用いられると仮定する。
予約・優先度管理装置400の優先度情報記憶部430には、優先度情報管理部420により、予め、ネットワーク管理者等から取得された優先度情報が、優先度情報記憶部430に保存されている。
図12は、実施形態における、優先度情報の例を示す図である。
優先度情報では、図12に示すように、通信フローに関する送信元グループ、送信先グループ、タイプ、サービス、及び、連携している通信サービス管理装置(連携先)の組に、優先度が関連づけられている。ここでは、優先度の値が小さいほど、優先度が高いと仮定する。
図12の例では、リアルタイム性が高く、高い通信品質が求められる通信フローに対して、高い優先度(0、または、0に近い値)が設定されている。例えば、Web会議の通信フローに最も高い優先度が設定され、それに続いて、SIP(Session Initiation Protocol)、グループG1に関する通信フローの順に、優先度が設定されている。通信フローの経路は、優先度の高い通信フローから順番に決定される。
例えば、優先度情報記憶部430は、図12の優先度情報を記憶していると仮定する。
図13は、実施形態における、経路制御処理を示すフローチャートである。
予約・優先度管理装置400の予約情報管理部410は、予約情報を取得する(ステップS301)。ここで、予約情報管理部410は、優先度情報に設定されている連携先に、予約情報を問い合わせてもよいし、連携先からの予約情報の登録、更新等の通知に基づき、予約情報を取得してもよい。
図14は、実施形態における、予約情報の例を示す図である。
予約情報は、いつ、どのような通信が、どのネットワーク(グループ)間で行われるかを判断できる情報を含む。例えば、予約情報は、図14に示すように、Web会議の参加者に関する情報、開始時刻、会議時間、利用されるデータの種別(音声、ビデオ、データ)等を含む。参加者に関する情報は、参加者が利用する端末装置が接続されるグループを特定できる情報(例えば、端末装置のIPアドレス)である。
例えば、現在時刻「2018/05/01 10:00」に、予測対象時刻「2018/05/01 10:05」(5分後)の通信フローの予測を行う場合、予約情報管理部410は、連携先のWeb会議管理サーバから、図14のような予約情報を取得する。
次に、予約情報管理部410は、取得した予約情報を、分析装置500に送信する(ステップS302)。
分析装置500の予測部530は、予約情報、及び、分析モデル記憶部520の分析モデルに基づき、予測対象時刻における通信フローの発生を予測する(ステップS303)。予測部530は、予測した通信フローの情報を示す予測情報を生成する。
ここで、予測部530は、予約された通信自体の通信フロー(以下、予約通信フローとも記載する)、予約された通信に関連する通信の通信フロー(以下、関連通信フローとも記載する)、及び、その他の通信フローの、予測対象時刻における通信量を予測する。
予約通信フローとは、例えば、Web会議における音声やビデオを送信するための通信フロー等、予約された通信自体の通信フローである。関連通信フローとは、例えば、Web会議中に、参加者が共有ディスク上に共有データを配置することにより発生する通信等、予約された通信に伴い発生する、予約された通信は異なる通信の通信フローである。その他の通信フローとは、予約された通信に関わらず、曜日や時間帯等の条件で発生する通信の通信フローである。
予測部530は、予約情報に基づき、予約通信フロー、その開始時刻、終了時刻、及び、通信量を特定する。そして、予測部530は、予測対象時刻における当該予約通信フローの通信量を予測する。
図15は、実施形態における、予測情報の例を示す図である。
例えば、予測部530は、図14の予約情報に基づき、Web会議の予約通信フローとして、送信元グループ「G1」、送信先グループ「G5」、タイプ「TCP」、サービス「Web会議」の予約通信フロー「F1」を特定する。また、予測部530は、当該予約通信フロー「F1」の開始時刻「2017/05/01 10:05」、終了時刻「2017/05/01 10:25」、及び、通信量「10Mbps」を特定する。ここで、送信元グループと送信先グループは、例えば、参加者が利用する端末装置のIPアドレスに基づき決定される。タイプやサービスは、予約された通信の種別(Web会議)に基づき決定される。通信量は、予約情報に含まれるデータ種別に基づき決定される。そして、予測部530は、図15に示すように、当該予約通信フロー「F1」の、予測対象時刻「2017/05/01 10:05」における通信量を「10Mbps」と予測する。
また、予測部530は、例えば、上述のベクトル自己回帰分析モデルに、予約通信フローの通信量を適用することにより、予測対象時刻における関連通信フローの通信量を予測する。ここで、予測部530は、例えば、予測された通信量が所定値以上であれば、当該分析モデルに対応する通信フローが発生すると判定する。
例えば、予測部530は、図11における各ベクトル自己回帰分析モデルに、予約通信フロー「F1」の予測対象時刻「2017/05/01 10:05」における通信量「10Mbps」を適用する。そして、予測部530は、図15に示すように、予測対象時刻「2017/05/01 10:05」において、送信元グループ「G1」、送信先グループ「G5」、タイプ「TCP」、サービス「FTP」、通信量「100Kbps」の、関連通信フロー「F2」が発生すると予測する。
また、予測部530は、例えば、上述の回帰分析モデルに、予測対象時刻に関する属性を適用することにより、予測対象時刻におけるその他の通信フローの通信量を予測する。
例えば、予測部530は、図11における各回帰分析モデルに、予測対象時刻「2017/05/01 10:05」、曜日「火曜日」を適用する。そして、予測部530は、図15に示すように、予測対象時刻「2017/05/01 10:05」において、送信元グループ「G3」、送信先グループ「G6」、タイプ「UDP」、サービス「RTP」、通信量「1Mbps」の、その他の通信フロー「F3」が発生すると予測する。
次に、予測部530は、予約・優先度管理装置400に、予測した各通信フローの優先度の取得を要求する(ステップS304)。
例えば、予測部530は、予約・優先度管理装置400に、図15の予測情報とともに、優先度を要求する。
次に、予約・優先度管理装置400の優先度情報管理部420は、優先度情報記憶部430の優先度情報から、予測した通信フローの優先度を取得し(ステップS305)、分析装置500に送信する(ステップS306)。
図16は、実施形態における、予測情報(優先度付与後)の例を示す図である。
例えば、予測部530は、図15の予測情報に含まれる、各通信フローに合致する優先度を、図12の優先度情報から取得する。予測部530は、図16のように、各通信フローに優先度が付与された予測情報を、分析装置500に送信する。
次に、分析装置500の予測部530は、優先度が付与された予測情報を、経路制御装置600に送信する(ステップS307)。
例えば、予測部530は、図16の予測情報を、経路制御装置600に送信する。
次に、経路決定部610は、分析装置500から受信した予測情報、及び、ネットワーク情報記憶装置300に記憶されたトポロジ情報に基づき、予測した各通信フローの経路を決定する(ステップS308)。
ここで、経路決定部610は、予測情報に含まれる各通信フローについて、最優先(優先度:0)の通信フローから優先度の高い順に、各通信フローの経路を決定する。
図17は、実施形態における、経路決定処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。ここでは、優先度のレベル数がNであり、優先度nの値として0〜N−1が用いられると仮定する。
経路決定部610は、優先度nに0を設定する(ステップS308−1)。
経路決定部610は、各リンクの余剰帯域(空いている帯域)を算出する(ステップS308−2)。ここで、余剰帯域は、後述するステップS304−8において当該リンクを通る経路が決定された通信フローの通信量の合計値を、リンクの帯域幅(最大帯域)から減じることにより求められる。優先度nが0(最優先)の場合、リンクの帯域は空いている(余剰帯域がリンクの帯域幅(最大帯域)と同じ)と仮定する。
経路決定部610は、予測情報に含まれる、優先度nの各通信フローについて、K shortest pathアルゴリズムを用いて、K番目までの最短経路を求める(ステップS308−3)。ここで、経路決定部610は、各リンクのコストとして、余剰帯域の状況を反映したコストを用いる。例えば、経路決定部610は、数1式のように、リンクの最大帯域に対応するコストを、最大帯域と余剰帯域の比で重みづけしたコストを用いる。
Figure 2019169783
数1式において、Cは優先度nのリンクのコスト、cはリンクの最大帯域に対応するコスト、Bmaxはリンクの最大帯域、Uは優先度iの通信フローの使用帯域を示す。
経路決定部610は、優先度nの各通信フローについて、ステップS308−3で算出したK個の最短経路の内、1番目の最短経路を選択する(ステップS308−4)。
経路決定部610は、優先度nの全ての通信フローについて選択された最短経路を、制御対象ネットワークのリンクに重ね合わせる。そして、経路決定部610は、各リンクについて、優先度nの通信フローの通信量の合計値が余剰帯域以下であるかを確認する(ステップS308−5)。
いずれかのリンクで余剰帯域を超えている場合(ステップS308−5/N)、経路決定部610は、以下のように最短経路を再選択する。
経路決定部610は、余剰帯域を超えているリンクを通る、優先度nの各通信フローについて、ステップS308−3で算出したK個の最短経路に含まれる、当該リンクを通らない最短経路の内の、選択された最短経路の次の最短経路(次に短い経路)を抽出する(ステップS308−6)。経路決定部610は、選択された最短経路の総コストに対する、ステップS308−6で抽出された次の最短経路の総コストの増加量を算出する(ステップS308−7)。ここで、総コストとは、通信フローの経路上の各リンクのコストの合計値である。
経路決定部610は、各通信フローについて算出された総コストの増加量を比較し、増加量が少ない通信フローについては、ステップS308−6で抽出された次の最短経路を再選択する(ステップS308−8)。
図18は、実施形態における、経路選択の例を示す図である。
図18は、同じ優先度の通信フローAについて選択された1番目の最短経路と通信フローBについて選択された1番目の最短経路が通るリンクで、使用帯域が最大帯域を超えている場合の例である。この場合、通信フローA、B、それぞれの、1番目の最短経路の総コストに対する2番目の最短経路の総コストの増加量を比較する。図18の例では、通信フローAの増加量が10、通信フローBの増加量が30であるため、経路決定部610は、通信フローAについて、2番目の最短経路を再選択する。
経路決定部610は、ステップS308−5からの処理を繰り返す。
各リンクについて、優先度nの通信フローの通信量の合計値が余剰帯域以下の場合(ステップS308−5/Y)、経路決定部610は、優先度nの各通信フローに対して選択された最短経路を、当該通信フローの経路に決定する(ステップS308−9)。
経路決定部610は、優先度nに1を加算する(ステップS308−10)。
経路決定部610は、優先度n<Nの間、ステップS308−2からの処理を繰り返す(ステップS308−11)。
なお、上述のステップS308−6において、次の最短経路が抽出できない通信フローがある場合は、経路決定部610は、次の最短経路が抽出できた通信フローについて、当該次の最短経路を再選択してもよい。
また、ステップS308−5からステップS308−8までの処理において、どの経路を選択しても余剰帯域を超えるリンクがある場合、経路決定部610は、各リンクのコストとして、例えば、数2式のようなコストを用いて、K shortest pathアルゴリズムによる最短経路の再算出を行ってもよい。
Figure 2019169783
数2式において、αiは、優先度iに対する重みである。数2式では、リンクの最大帯域に対応するコスト(c)に、リンクの最大帯域(Bmax)に占める各優先度iの通信フローの使用帯域(U)の割合と、優先度iに対する重み(αi)と、を考慮した係数が乗じられている。重みαiは、例えば、数3式により算出される。
Figure 2019169783
重みαiを、優先度iが高い場合に大きく、優先度iがnに近くなるにつれて小さくなるように設定することで、優先度の高い通信フローの割合が多いリンクのコストを高くできる。
経路決定部610は、例えば、各通信フローについて、数2式のコストを用いて得られた1番目の最短経路を、当該通信フローの経路に決定する。
このように、各リンクのコストに乗じる係数を、各優先度の通信フローの使用帯域と優先度に応じて変化させることで、各優先度の通信フローの経路の決定においてリンクの余剰帯域を超える場合であっても、優先度の高い通信フローに影響を与えにくい経路を決定できる。
図19は、実施形態における、通信フローの経路の決定結果の例を示す図である。
例えば、経路決定部610は、図7、図8のトポロジ情報に基づき、図15の予測情報に含まれる各通信フローに対して、図19のように経路を決定する。
次に、経路制御部620は、経路上の各ルータが、予測した各通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を生成する(ステップS309)。経路制御部620は、予測対象時刻に、制御対象ネットワーク上の各ルータに、当該ルータに関する転送情報を設定する(ステップS310)。
ここで、経路制御部620は、例えば、PBR(Policy-Based Routing)やOpenFlow等の技術を用いて、転送情報を設定する。
図20は、実施形態における、転送情報の例を示す図である。
例えば、経路決定部610は、図19の各通信フローの経路に対して、図20のように転送情報を生成し、各ルータR1〜R7に設定する。
各ルータは、設定された転送情報に従って、各通信フローのデータパケットを転送する。
なお、経路制御部620は、各ルータに、転送情報に加えて、各通信フローの優先度に従って優先制御が行われるようなQoS(Quality of Service)の設定を行ってもよい。これにより、リンクの最大帯域を超える通信フローが発生しても、優先度の高い通信フローの転送処理への影響を最小限に抑えることができる。また、各通信フローの経路は、リンクの最大帯域を使用帯域ができるだけ超えないように決定されている。このため、QoS設定に基づく優先制御の処理量は小さくなり、ルータへの負荷が低減する。
以降、ステップS301〜S310の処理が繰り返される。これにより、制御対象ネットワークにおける通信フローの特性の変化と、通信の予約状況に応じて、適切な経路による経路制御が行われる。
以上により、実施形態の動作が完了する。
なお、上述の実施形態では、連携先の通信サービス管理装置がWeb会議管理サーバであり、Web会議の通信フローを最優先のフローとして、経路制御を行う場合を例に説明した。これに限らず、連携先の通信サービス管理装置は、他の通信サービスの管理装置でもよい。例えば、連携先の通信サービス管理装置がSIP(Session Initiation Protocol)サーバであり、IP電話の通信フローを優先的なフローとして、経路制御を行ってもよい。SIPサーバは、通話を行う端末のIPアドレスを特定し、当該端末間で接続処理(セッションの確立)を行う。その後、端末間で、音声データ通信が行われる。したがって、経路制御システム100は、SIPサーバと連携することにより、通話を行う端末のIPアドレスと、それら端末間で音声データの通信フローが発生することを事前に知ることができる。経路制御システム100は、上述の実施形態と同様に、SIPサーバから取得した情報に基づき、音声データ通信のフローの発生を予測し、その通信フローの優先度(SIPの優先度)を用いて経路を決定し、帯域を確保できる。
また、上述の実施形態では、経路制御システム100が、制御対象ネットワークから、トポロジ情報と通信フロー情報とを収集した。これらに加えて、経路制御システム100は、各ルータの負荷情報(例えば、CPUやメモリの使用量や使用率)を収集し、特定の通信フローのルータの転送性能に対する影響を考慮して、経路を決定してもよい。
例えば、ルータの通信フローの転送に伴う負荷は、QoS制御等が必要な特定の通信サービスの通信フローに対して大きくなる可能性がある。同様に、ルータの負荷は、特定のグループ間の通信フローに対しても大きくなる可能性がある。
この場合、経路制御システム100の分析部510は、ルータの負荷と、当該ルータを通る通信フローの通信量以外のパラメータとの相関(関係性)を検出し、相関の大きいパラメータを特定する。経路決定部610は、予測部530により予測された通信フローが、当該特定されたパラメータ(特定の通信サービスや、特定のグループ間)の通信フローの場合、例えば、通信フローの通信量に係数β(βは1より大きい数値)を乗じた通信量を用いて、経路を決定する。
また、特定のルータにおいて、相関の大きいパラメータが特定されている場合、経路決定部610は、予測部530により予測された通信フローが、当該特定されたパラメータの通信フローの場合、当該特定のルータを避けて、経路を決定してもよい。
このように、ルータの負荷と通信フローのパラメータに対する統計分析により、特定の通信フローによるルータの転送性能の劣化が低減され、さらに適切な経路を設定できる。
次に、実施形態の特徴的な構成を説明する。図21は、実施形態の特徴的な構成を示すブロック図である。
図21を参照すると、経路制御システム100は、分析部510、予測部530、経路決定部610、及び、経路制御部620を含む。分析部510は、複数のルータ(転送装置)が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成する。予測部530は、各時刻において、所定時間後の通信フローを、分析モデルに基づき予測する。経路決定部610は、予測した通信フローの通信量とルータ(転送装置)間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローのネットワークにおける経路を決定する。経路制御部620は、所定時間後に予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上のルータ(転送装置)に設定する。
次に、上述の実施形態の効果を説明する。
上述の実施形態によれば、時間とともに変化する通信フローの特性に合った適切な経路による経路制御を少ない計算量で実現できる。その理由は、経路制御システム100が、通信フローを予測する分析モデルを生成し、各時刻において、所定時間後の通信フローを分析モデルに基づき予測し、予測した通信フローの通信量とルータ間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの経路を決定するためである。これにより、通信状況の変化によりルータ間のリンクにおいて発生する輻輳を、未然に防ぐことができる。特に、統計分析により、分析対象ネットワークを利用するユーザの業務の特徴や定例作業などの傾向が、分析モデルに反映された場合、通信フローの予測精度が向上するため、より適切な経路で経路制御を行うことができる。
また、上述の実施形態によれば、通信フローの特性が変化する場合でも、リアルタイム性が求められる通信フロー等、優先度が高い通信フローに対する帯域を確保をできる。その理由は、経路制御システム100が、さらに、予測した通信フローの経路を、優先度の高い順に、ルータ間のリンクの使用帯域に応じて大きくなる重みを乗じた、当該リンクのコストに基づき決定するためである。
また、上述の実施形態によれば、予め予約された通信の通信フローやそれに関連する通信の通信フローも考慮して、より適切な経路で経路制御を行うことができる。その理由は、経路制御システム100が、所定時間後の通信フローを、所定の通信に関する予約情報、及び、前記分析モデルに基づき予測するためである。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
100 経路制御システム
101 CPU
102 記憶デバイス
103 入出力デバイス
104 通信デバイス
200 ネットワーク情報収集装置
210 トポロジ情報収集部
220 通信フロー情報収集部
300 ネットワーク情報記憶装置
310 トポロジ情報記憶部
320 通信フロー情報記憶部
400 予約・優先度管理装置
410 予約情報管理部
420 優先度情報管理部
430 優先度情報記憶部
500 分析装置
510 分析部
520 分析モデル記憶部
530 予測部
600 経路制御装置
610 経路決定部
620 経路制御部

Claims (10)

  1. 複数の転送装置が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成する、分析手段と、
    各時刻において、所定時間後の通信フローを、前記分析モデルに基づき予測する予測手段と、
    前記予測した通信フローの通信量と転送装置間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの前記ネットワークにおける経路を決定する経路決定手段と、
    前記所定時間後に、前記予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の転送装置に設定する、経路制御手段と、
    を備える経路制御システム。
  2. 前記経路決定手段は、前記予測した通信フローの前記ネットワークにおける経路を、前記予測した通信フローの優先度の高い順に、前記転送装置間のリンクの使用帯域に応じて大きくなる重みを乗じた、当該リンクのコストに基づき決定する、
    請求項1に記載の経路制御システム。
  3. 前記予測手段は、前記所定時間後の通信フローを、所定の通信に関する予約情報、及び、前記分析モデルに基づき予測する、
    請求項1または2に記載の経路制御システム。
  4. 前記分析モデルは、通信フロー間の関係性を表す分析モデルを含み、
    前記予測手段は、所定の通信に関する予約情報に基づき、当該所定の通信により発生する通信フローを予測し、当該所定の通信により発生する通信フローを前記分析モデルに適用することにより、当該所定の通信に関係する他の通信により発生する通信フローを予測する、
    請求項3に記載の経路制御システム。
  5. 前記分析モデルは、時刻に関する属性と当該時刻における通信フロー間の関係性を表す分析モデルを含み、
    前記予測手段は、予測対象時刻に関する属性を前記分析モデルに適用することにより、当該予測対象時刻に発生する通信フローを予測する、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の経路制御システム。
  6. 前記経路決定手段は、さらに、前記転送装置の負荷と通信フローとの関係性に基づき、前記予測した通信フローの経路を決定する、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の経路制御システム。
  7. 複数の転送装置が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成し、
    各時刻において、所定時間後の通信フローを、前記分析モデルに基づき予測し、
    前記予測した通信フローの通信量と転送装置間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの前記ネットワークにおける経路を決定し、
    前記所定時間後に、前記予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の転送装置に設定する、
    経路制御方法。
  8. 前記予測した通信フローの前記ネットワークにおける経路を、前記予測した通信フローの優先度の高い順に、前記転送装置間のリンクの使用帯域に応じて大きくなる重みを乗じた、当該リンクのコストに基づき決定する、
    請求項7に記載の経路制御方法。
  9. コンピュータに、
    複数の転送装置が接続されたネットワークにおいて所定期間の間に発生した通信フローの情報に基づき、通信フローを予測する分析モデルを生成し、
    各時刻において、所定時間後の通信フローを、前記分析モデルに基づき予測し、
    前記予測した通信フローの通信量と転送装置間のリンクの帯域幅に基づき、当該通信フローの前記ネットワークにおける経路を決定し、
    前記所定時間後に、前記予測した通信フローを当該通信フローの経路に従って転送するための転送情報を、当該経路上の転送装置に設定する、
    処理を実行させるプログラム。
  10. 前記予測した通信フローの前記ネットワークにおける経路を、前記予測した通信フローの優先度の高い順に、前記転送装置間のリンクの使用帯域に応じて大きくなる重みを乗じた、当該リンクのコストに基づき決定する、
    処理を実行させる請求項9に記載のプログラム。
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