JP2019169747A - 移動通信システムの制御方法、移動通信システム、およびプロキシサーバ - Google Patents

移動通信システムの制御方法、移動通信システム、およびプロキシサーバ Download PDF

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Abstract

【課題】仮想移動体通信事業者が加入者情報データベースを管理する状況において、低コストのローミングサービスを提供する。【解決手段】移動通信システムの制御方法は、事業者Bにより発行されたSIM29を含み、事業者Aのサービスエリアに在圏するMS20からの位置登録要求をHSS31が受信するステップと、位置登録要求を受信したHSS31が、事業者BのHSS25に対しSIM29の認証を要求するステップと、SIM29が認証された場合、MS20からP−GW32までベアラを確立するステップとを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、移動通信網におけるローミングに関する。
移動通信システムにおいて、いわゆる海外ローミング等のローミングサービスが知られている。例えば特許文献1には、低コストで効率的なローミングサービスを実現するため、移動機において、加入事業者における正規加入者識別IDと他事業者における賃借IDとを切り替えて使用する技術が開示されている。
特開2006−345343号公報
特許文献1に記載の技術においては、そもそもMVONO(仮想移動体通信事業者)がHSS(加入者情報データベース)を管理する状況が想定されていなかった。
これに対し本発明は、仮想移動体通信事業者が加入者情報データベースを管理する状況において、低コストのローミングサービスを提供するための技術を提供する。
本発明の一形態は、第1通信事業者により管理され、サービスエリアに在圏する移動通信端末に無線アクセスを提供する基地局(eNB)およびモビリティ制御ノード(MME)、仮想移動体通信事業者により管理され、前記モビリティ制御ノードに接続された第1加入者情報データベース(HHS)、前記モビリティ制御ノードに接続された在圏パケットゲートウェイ(S−GW)、第2通信事業者により管理され、前記第1加入者情報データベースと同一の領域において前記在圏パケットゲートウェイ(S−GW)に接続され、外部ネットワークとの接続点となるパケットネットワークゲートウェイ(P−GW)、並びに前記第2通信事業者により管理される第2加入者情報データベースを有する移動通信システムの制御方法であって、前記第2通信事業者により発行された固有の識別番号が記録された加入者識別モジュール(SIM)を含み、前記サービスエリアに在圏する移動通信端末からのローミング要求を、前記第1加入者情報データベース(HSS)が受信するステップと、前記ローミング要求を受信した前記第1加入者情報データベース(HSS)が、前記第2加入者情報データベースに対し、前記識別番号の認証を要求するステップと、前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末から前記パケットネットワークゲートウェイまで通信経路を確立するステップとを有する移動通信システムの制御方法を提供する。
この移動通信システムの制御方法は、前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記第1加入者情報データベースが、前記移動通信端末に対し前記第1パケットネットワークゲートウェイを指定する情報を送信するステップと、前記情報を受信すると、前記移動通信端末が、当該情報により指定される前記第1パケットネットワークゲートウェイに対し通信経路の確立を要求するステップとを有してもよい。
この移動通信システムの制御方法は、前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末が、前記第2通信事業者により管理される第2パケットネットワークゲートウェイに対し通信経路の確立を要求するステップと、前記移動通信端末から前記第2パケットネットワークゲートウェイに対する通信経路の確立の要求を受信すると、前記在圏パケットゲートウェイが、前記通信経路の確立の要求先を前記第1パケットネットワークゲートウェイに変更するステップとを有してもよい。
前記第1通信事業者は第1国の事業者であり、前記第2通信事業者は前記第1国と異なる第2国の事業者であってもよい。
本発明の別の形態は、第1通信事業者により管理され、サービスエリアに在圏する移動通信端末に無線アクセスを提供する基地局(eNB)およびモビリティ制御ノード(MME)、仮想移動体通信事業者により管理され、前記モビリティ制御ノードに接続された第1加入者情報データベース(HHS)、前記モビリティ制御ノードに接続された在圏パケットゲートウェイ(S−GW)、並びに前記仮想移動体通信事業者により管理され、前記第1加入者情報データベースと同一の領域において前記在圏パケットゲートウェイ(S−GW)に接続され、外部ネットワークとの接続点となるパケットネットワークゲートウェイ(P−GW)を有し、前記第1加入者情報データベース(HSS)は、第2通信事業者により発行された固有の識別番号が記録された加入者識別モジュール(SIM)を含み、前記サービスエリアに在圏する移動通信端末からのローミング要求を受信する受信部と、前記第2通信事業者により管理される第2加入者情報データベースに対し、前記識別番号の認証を要求する要求部と、前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末から前記パケットネットワークゲートウェイまで通信経路(IP−CANセッション)を確立するための処理を行う処理部とを有する移動通信システムを提供する。
本発明のさらに別の形態は、第2通信事業者により発行された固有の識別番号が記録された加入者識別モジュール(SIM)を含み、第1通信事業者のサービスエリアに在圏する移動通信端末からのローミング要求を受信する受信部と、前記第2通信事業者により管理される第2加入者情報データベースに対し、前記識別番号の認証を要求する要求部と、前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末から前記第2通信事業者により管理され、前記第1通信事業者により管理される第1加入者情報データベースと同一の領域において在圏パケットゲートウェイに接続され、外部ネットワークとの接続点となるパケットネットワークゲートウェイまで通信経路(IP−CANセッション)を確立するための処理を行う処理部とを有するプロキシサーバを提供する。
本発明によれば、仮想移動体通信事業者が加入者情報データベースを管理する状況において、低コストのローミングサービスを提供することができる。
関連技術に係る移動通信システムのネットワーク構成を例示する図。 関連技術に係る国際ローミングの仕組みを示すシーケンスチャート。 MS20からP−GW23までベアラが確立された状態。 一実施形態に係る移動通信システムのネットワーク構成を例示する図。 HSS31の機能構成を例示する図。 HSS31のハードウェア構成を例示する図。 動作例1に係る国際ローミングの仕組みを示すシーケンスチャート。 動作例2に係る国際ローミングの仕組みを示すシーケンスチャート。 MS20からP−GW32までベアラが確立された状態。
1.関連技術の説明
図1は、関連技術に係る移動通信システムのネットワーク構成を例示する図である。この移動通信システムは、移動通信網1および移動通信網2を含む。移動通信網1は、X国において移動通信サービスを提供するためのシステムであり、事業者Aにより管理される。移動通信網2は、X国とは別のY国において移動通信サービスを提供するためのシステムであり、事業者Bにより管理される。移動通信網1および移動通信網2はそれぞれ異なる国において提供されるものであり、国際ローミング網80を介して接続される。なお、ここでいう「接続」には、2つのノードが直接、接続される例に加え、2つのノードが別の中間ノードを介して間接的に接続される例も含む。
いま、Y国のB事業者により発行されたSIM(Subscriber Identity Module、加入者識別モジュールの一例)29が挿入されたMS(Mobile Station、移動通信端末の一例)10のユーザが、X国に渡航し、事業者Aのサービスエリア内でMS20を使用する例を考える。移動通信網1から見ると、他の事業者のSIMが挿入された端末が、いわゆるローミングインしてきた状態である。事業者Aおよび事業者Bは国際ローミングの契約を結んでおり、ユーザは、Y国において使用している移動通信端末およびSIMをそのままX国で使用することができる。
国際ローミングの仕組みを説明するのに先立ち、移動通信ネットワークの構成の概要を説明する。移動通信網1は、eNB(evolved Node B)11、S−GW(Serving Gateway)12、P−GW(Packet data network Gateway)13、MME(Mobility Management Entity)14、およびHSS(Home Subscriber Server)15を有する。eNB11は、無線基地局の一例であり、MS20とコアネットワークとの間で通信を中継するノードである。S−GW12は、在圏パケットゲートウェイの一例であり、ユーザデータを伝送するノードである。P−GW13は、パケットネットワークゲートウェイの一例であり、移動通信網1のコアネットワーク(図示略)外のパケットネットワーク(図1の外部ネットワーク90)への接続点となるノードである。外部ネットワーク90は、例えばインターネットである。MME14は、モビリティ制御を提供するノード(モビリティ制御ノード)である。HSS15は、加入者情報データベースの一例であり、認証情報および位置情報(在圏情報)を管理する。
移動通信網2は、eNB21、S−GW22、P−GW23、MME24、およびHSS25を有する。これらの機能は、eNB11、S−GW12、P−GW13、MME14、およびHSS15と同様である。移動通信網1および移動通信網2は、国際ローミング網80を介して接続される。HSS15とHSS25とは、2つの事業者間の専用回線で接続される。この専用回線は、例えば、インターネットVPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)であってもよいし、NNI(Network Node Interface)接続であってもよい。なお、移動通信網1および移動通信網2は、課金のためのノード等、図示したもの以外のノードも有するがここでは説明を省略する。
図2は、関連技術に係る国際ローミングの仕組みを示すシーケンスチャートである。図2の処理は、例えば、MS20の電源が投入されたことを契機として開始される。MS20は、アタッチ要求を出力する。アタッチ要求は、例えば、SIM29に記録されている識別情報およびAPN(Access Point Name)を含む。この識別情報は、例えばIMSI(International Mobile Subscriber Identity)であり、MCC(Mobile Country code)、MNC(Mobile Network code)、およびMSIN(Mobile Subscriber Identification Number)を含む。MCCは、国を識別するコードである。MNCは、通信事業者を識別するコードである。MSINは、ユーザを識別する固有のコードであり、通信事業者により付与される。APNは、データ通信における接続先を指定する識別子であり、例えば「abc.bb.yy」といったドメイン名の形式で記述される。APNはあらかじめMS20に記憶されている。このアタッチ要求は、MS20からeNB11を介してMME14に送信される(ステップS101)。アタッチ要求を受信すると、MME14は、HSS15に位置登録要求を送信する(ステップS102)。この位置登録要求は、MS20の位置情報およびSIM29の識別情報を含む。MS20の位置情報は、アタッチ要求を中継したeNB11に基づいて得られる。この例で、MS20は移動通信網1にローミングインしてきた端末であるので、上記のアタッチ要求および位置登録要求はいずれもローミングを要求するローミング要求であるといえる。
位置登録要求を受信すると、HSS15は、その位置登録要求の送信元の移動通信端末に挿入されたSIMが、ホームのSIMであるかビジターのSIMであるか判断する。ホームのSIMとは、MME14を管理している事業者(この例では事業者A)により発行されたSIMをいう。ビジターのSIMとは、MME14を管理している事業者以外の事業者により発行されたSIMをいう。ホームまたはビジターの判断は、SIMに記録されている識別情報(具体的には、MCCおよびMNC)を用いて行われる。ホームのSIMであると判断された場合、HSS15は、自身で記憶している加入者情報データベースを参照し、その識別情報が正当なユーザのものであるか(そのユーザとの契約が有効であるか)認証する。この例はローミングに係るものであるので以降の処理については説明を省略する。ビジターのSIMであると判断された場合、HSS15は、SIM29に記録されている識別情報により特定される事業者(この例では事業者B)のHSS(この例ではHSS25)に対し認証要求を送信する(ステップS103)。この認証要求は、SIM29に記録されている識別情報を含む。
認証要求を受信すると、HSS25は、自身で記憶している加入者情報データベースを参照し、この認証要求に含まれる識別情報が正当なユーザのものであるか認証する(ステップS104)。HSS25は、その認証結果を含む認証応答を、認証要求の送信元であるHSS15に送信する(ステップS105)。HSS15は、この認証応答をMME14に送信する(ステップS106)。MME14は、この認証応答をMS20に送信する(ステップS107)。
認証応答に含まれる認証結果が、SIM29のユーザが正当であると認証されたことを示す場合、MS20は、P−GW23に対しベアラ(通信経路の一例)の設定を要求する(ステップS108)。この処理は、詳細には例えば以下のように行われる。MS20は、APNにより指定される接続先に対しベアラ設定要求を送信する。MS20からベアラ設定要求を受信すると、S−GW12は、図示を省略したDNS(Domain Name System)サーバにより名前解決を行い、ベアラ設定先のIPアドレスを特定する。この例ではP−GW23がベアラ設定先として特定される。S−GW12は、特定された宛先(P−GW
23)に対しベアラ設定要求を送信する。
ベアラ設定要求を受信すると、P−GW23は、要求元のMS20にIPアドレスを付与する(ステップS109)。IPアドレスを付与すると、P−GW23は、ベアラ設定応答を送信する。ベアラ設定応答は、S−GW13を介してMS20に送信される(ステップS110)。MS20がベアラ設定応答を受信すると、MS20からP−GW23までのベアラ(いわゆるIP−CAN(IP connectivity access network)によるセッション)が確立される。P−GW23までのベアラが確立されると、MS20は、P−GW23を介して外部ネットワーク90にアクセスすることができる。
図3は、MS20からP−GW23までベアラが確立された状態を例示する図である。このベアラは、途中に国際ローミング網80を含んでいる。国際ローミング網80は、移動通信網1と移動通信網2との間の通信を中継するものであるが、通信の中継に対しては、例えば従量制の費用が発生する。この費用はいわゆる国際ローミング料金としてMS20のユーザに課金される。一般に国際ローミング料金は高額であり、ユーザに大きな負担を与える。本実施形態はこの問題に対処する。
2.構成
図4は、本発明の一実施形態に係る移動通信システムのネットワーク構成を例示する図である。この例で、移動通信網1には、HSS31およびP−GW32が接続されている。HSS31およびP−GW32は、X国において、事業者Aとは別の事業者Cにより管理されるノードである。この例で、事業者Cは、他国の通信事業者からローミングインしてきたユーザのみを対象とする、いわゆる仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator、MVNO)である。P−GW32とS−GW12とは同じ領域(リージョン)に属している。ここで、「同じ領域に属する」とは、国際ローミング網80を介さずに接続されることをいう。なお、移動通信網1は、図1と同様にP−GW13およびHSS15を有するが、P−GW13およびHSS15は本実施形態に係る国際ローミングとは関係無いので図示を省略する。
図5は、HSS31の機能構成を例示する図である。HSS31は、HSS25に相当するノードであるが、実際には加入者情報データベースを持たないプロキシサーバである。しかし、ネットワーク構成上、HSSに相当する位置に配置されているため、ここでは便宜上、HSS31をあくまでHSSと表記する。HSS31は、受信部311、要求部312、および処理部313を有する。受信部311は、MS20から位置登録要求(ローミング要求)を受信する。要求部312は、MS20に挿入されているSIM29を発行した事業者が管理するHSS(この例ではHSS25)に対し、SIM29に記録されている識別番号の認証を要求する。処理部313は、HSS25においてこの識別番号が認証された場合、MS20からP−GW32までベアラを確立するための処理を行う。ここで、MS20からP−GW32まで通信経路を確立するための処理とは、例えば、APNをP−GW23を指定するものからP−GW32を指定するものに変更する処理である。
図6は、HSS31のハードウェア構成を例示する図である。HSS31は、CPU301、メモリー302、ストレージ303、およびネットワークIF304を有するコンピュータ装置である。CPU301は、HSS31の各部を制御するプロセッサである。メモリー302は、CPU301がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する記憶装置である。ストレージ303は、各種のデータおよびプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置である。ネットワークIF304は、所定の通信規格に従った通信を行うためのインターフェースである。
この例で、ストレージ303は、コンピュータ装置を移動通信システムにおけるHSS(プロキシサーバ)として機能させるためのプログラムを記憶している。CPU301がこのプログラムを実行することにより、図5に例示する機能が実装される。このプログラムを実行しているCPU301は、受信部311、要求部312、および処理部313の一例である。
3.動作
3−1.動作例1
図7は、動作例1に係る国際ローミングの仕組みを示すシーケンスチャートである。図7の処理は、例えば、MS20の電源が投入されたことを契機として開始される。MS20は、アタッチ要求を出力する。このアタッチ要求は、MS20からeNB11を介してMME14に送信される(ステップS201)。アタッチ要求は、SIM29に記録されている識別情報を含む。アタッチ要求を受信すると、MME14は、アタッチ要求に含まれる識別情報を用いて、このアタッチ要求の送信先を選択する。事業者Aと事業者Cとの契約により、Y国の事業者Bにより発行されたSIMが挿入された移動通信端末からのアタッチ要求はHSS31に送信するように、MME14等において設定されている。MME14は、HSS31に位置登録要求を送信する(ステップS202)。この位置登録要求は、MS20の位置情報およびSIM29の識別情報を含む。MS20の位置情報は、アタッチ要求を中継したeNB11に基づいて得られる。
HSS31は位置登録要求を受信する。位置登録要求を受信すると、HSS31は、SIM29に記録されている識別情報により特定される事業者(この例では事業者B)のHSS(この例ではHSS25)に対し認証要求を送信する(ステップS203)。この認証要求は、SIM29に記録されている識別情報を含む。なお、HSS31においては、位置登録要求の送信元の移動通信端末に挿入されたSIMが、ホームのSIMであるかビジターのSIMであるの判断(または区別)は行われない。事業者Cはローミングインしてきたユーザのみを対象としてサービスを提供しており、ホームとビジターとの区別は必要ないからである。また、事業者CはX国内のユーザに対してMVNOサービスは提供していないので、HSS31は加入者情報データベースを有していない。
HSS25は認証要求を受信する。認証要求を受信すると、HSS25は、自身で記憶している加入者情報データベースを参照し、この認証要求に含まれる識別情報が正当なユーザのものであるか認証する(ステップS204)。HSS25は、その認証結果を含む認証応答を、認証要求の送信元であるHSS31に送信する(ステップS205)。
HSS31は認証応答を受信する。認証応答に含まれる認証結果が、SIM29のユーザが正当であると認証されたことを示す場合、HSS31は、APNとしてP−GW32を指定する情報(APNの通知)を付加した認証応答をMME14に送信する(ステップS206)。なお、APNを指定する情報は、APNそのものを示すドメイン名等の文字列であってもよいし、複数の候補の中からAPNを選択するための識別情報であってもよい。この命令を受信すると、MME14は、受信した情報および認証応答をMS20に送信する(ステップS207)。
MS20は、APNを指定する情報および認証応答を受信する。認証応答に含まれる認証結果が、SIM29のユーザが正当であると認証されたことを示す場合、MS20は、APNをP−GW32を指定するものに設定(変更)する(ステップS208)。MS20は、APNの候補の一覧を含むデータ(例えばテキスト形式のデータ)を記憶している。また、MS20は、APNの候補の中から、網からの指示に応じて有効な一のAPNを選択するためのプログラム(アプリケーション、ファームウェア、またはOS(Operating System))を有している。MS20は、このプログラムの機能により、APNの候補の中から、受信した認証応答に付加された情報により示されるAPN(この例ではP−GW32を指定するAPN)を有効なAPNに設定する。MS20は、設定されたAPNにより指定される接続先に対しベアラ設定要求を送信する(ステップS209)。MS20からベアラ設定要求を受信すると、S−GW12は、図示を省略したDNSサーバにより名前解決を行い、ベアラ設定先を特定する。この例ではP−GW32がベアラ設定先として特定される。S−GW12は、特定された宛先(P−GW32)に対しベアラ設定要求を送信する。
ベアラ設定要求を受信すると、P−GW32は、要求元のMS20にIPアドレスを付与する(ステップS210)。IPアドレスを付与すると、P−GW32は、ベアラ設定応答を送信する。ベアラ設定応答は、S−GW13を介してMS20に送信される(ステップS211)。MS20がベアラ設定応答を受信すると、MS20からP−GW32までのベアラが確立される。P−GW32までのベアラが確立されると、MS20は、P−GW32を介して外部ネットワーク90にアクセスすることができる。
3−2.動作例2
図8は、動作例2に係る国際ローミングの仕組みを示すシーケンスチャートである。以下、動作例1と共通する事項については説明を省略する。MS20は、アタッチ要求を出力する。このアタッチ要求は、MS20からeNB11を介してMME14に送信される(ステップS221)。アタッチ要求は、SIM29に記録されている識別情報を含む。アタッチ要求を受信すると、MME14は、アタッチ要求に含まれる識別情報を用いて、このアタッチ要求の送信先を選択する。MME14は、HSS31に位置登録要求を送信する(ステップS222)。
HSS31は位置登録要求を受信する。位置登録要求を受信すると、HSS31は、SIM29に記録されている識別情報により特定される事業者(この例では事業者B)のHSS(この例ではHSS25)に対し認証要求を送信する(ステップS223)。この認証要求は、SIM29に記録されている識別情報を含む。なお、HSS31においては、位置登録要求の送信元の移動通信端末に挿入されたSIMが、ホームのSIMであるかビジターのSIMであるの判断(または区別)は行われない。事業者Cはローミングインしてきたユーザのみを対象としてサービスを提供しており、ホームとビジターとの区別は必要ないからである。また、事業者CはX国内のユーザに対してMVNOサービスは提供していないので、HSS31は加入者情報データベースを有していない。
HSS25は認証要求を受信する。認証要求を受信すると、HSS25は、自身で記憶している加入者情報データベースを参照し、この認証要求に含まれる識別情報が正当なユーザのものであるか認証する(ステップS224)。HSS25は、その認証結果を含む認証応答を、認証要求の送信元であるHSS31に送信する(ステップS225)。HSS31は、受信した認証応答をMME14に送信する(ステップS226)。MME14は、受信した認証応答をMS20に送信する(ステップS227)。
MS20は、認証応答を受信する。認証応答に含まれる認証結果が、SIM29のユーザが正当であると認証されたことを示す場合、MS20は、APNにより指定される接続先に対しベアラ設定要求を送信する(ステップS228)。
MS20からベアラ設定要求を受信すると、S−GW12は、受信したベアラ設定要求が特定のP−GW(この例ではP−GW23)を宛先とするものであるか判断する。受信したベアラ設定要求がP−GW23を宛先とするものであると判断された場合、S−GW12は、ベアラ設定要求の宛先を、別の特定のP−GW(この例ではP−GW32)を示すものに強制的に変更する(ステップS229)。なおこの場合、MVNOである事業者Cのために、事業者Aが管理するS−GW12の動作を改変する必要がある。S−GW12の動作は、例えば、事業者Aと事業者Cとの契約に基づいて改変される。S−GW12は、図示を省略したDNSサーバにより名前解決を行い、ベアラ設定先を特定する。この例ではP−GW32がベアラ設定先として特定される。S−GW12は、特定された宛先(P−GW32)に対しベアラ設定要求を送信する(ステップS230)。
ベアラ設定要求を受信すると、P−GW32は、要求元のMS20にIPアドレスを付与する(ステップS231)。IPアドレスを付与すると、P−GW32は、ベアラ設定応答を送信する。ベアラ設定応答は、S−GW13を介してMS20に送信される(ステップS232)。MS20がベアラ設定応答を受信すると、MS20からP−GW32までのベアラが確立される。P−GW32までのベアラが確立されると、MS20は、P−GW32を介して外部ネットワーク90にアクセスすることができる。
図9は、MS20からP−GW32までベアラが確立された状態を例示する図である。このベアラは国際ローミング網80を含んでいない。これはいわば、ローミング先のP−GWがX国内まで張り出してきたような状態である。したがって、ユーザに国際ローミング料金は課金されない。このように、本実施形態によれば、低コストのローミングサービスを提供することができる。なお、動作例1および動作例2は、それぞれ、動作例1は移動体通信事業者のS−GW12を改変する必要がなく、動作例2はMS20を改変する必要がないという利点を有する。
4.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
動作例1において、MS20がAPNを変更する具体的方法は実施形態で例示したものに限定されない。例えば、MS20は、APNの候補の一覧を示すデータを記憶していなくてもよい。この場合、HSS31は、APNを直接的に示す情報(例えば「abc.cc.xx」といったドメイン名)をMS20に通知する。MS20は、HSS31から通知された情報を用いて有効なAPNを設定する。別の例で、HSS31からMS20へのAPNの通知は行われなくてもよい。この場合、HSS31、MME14、S−GW12、またはeNB11が、MS20が在圏している移動通信網を特定する情報をMS20に通知する。MS20のアプリケーションは、APNの候補の中から、通知された情報により示される移動通信網に対応するAPNを選択し、このAPNを有効なAPNとして設定する。
動作例2において、S−GW12がベアラ設定先のノードをP−GW32からP−GW32に強制的に変更する具体的方法は実施形態で例示したものに限定されない。例えば、S−GW12自身はベアラ設定要求の宛先を変更せず、S−GW12が用いるDNSサーバ(図示略)を、P−GW23を示すドメイン名に対しP−GW32を示すIPアドレスを回答するように改変してもよい。
上述の実施形態においては国際ローミングの例を説明したが、事業者Aおよび事業者Bは同一国内の事業者であってもよい。すなわち、国内ローミングに本発明が適用されてもよい。国内ローミングであっても、互いの移動通信網の間の通信に関して従量制の費用が発生するようなシステムにおいては、本発明は有用である。
上述の実施形態において説明した、MS20とP−GW23(またはP−GW32)との間のベアラを確立するための具体的なシーケンスはあくまで例示であり、本発明はこれに限定されない。最終的にMS20とP−GW23(またはP−GW32)との間でベアラを確立できるものであれば、その途中のシーケンスはどのようなものであってもよい。
上述の実施形態においてはデータ通信を例として説明したが、本発明は音声通信にも適用が可能である。音声通信に適用する場合、IPアドレスの付与後、一時的な電話番号を割り当てる等の処理が追加される。
実施形態においては事業者CがX国内のユーザに対しMVNOサービスを提供しない例を説明した。しかし、事業者Cは、X国内のユーザに対しMVNOサービスを提供してもよい。この場合、HSS31は、位置登録要求の送信元の移動通信端末に挿入されたSIMが、ホームのSIMであるかビジターのSIMであるか判断し、その判断結果に応じた処理を行ってもよい。あるいは、事業者CがX国内のユーザに対しMVNOサービスを提供する場合に、国内ユーザ向けおよび国際ローミングユーザ向けそれぞれ別個のHSSおよびP−GWを設けてもよい。
HSS31のハードウェア構成は図6で例示したものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、HSS31はどのようなハードウェア構成を有していてもよい。
1…移動通信網、2…移動通信網、11…eNB、12…S−GW、13…P−GW、14…MME、15…HSS、20…MS、21…eNB、22…S−GW、23…P−GW、24…MME、25…HSS、29…SIM、31…HSS、32…P−GW、80…国際ローミング網、90…外部ネットワーク、301…CPU、302…メモリー、303…ストレージ、304…通信IF、311…受信部、312…要求部、313…処理部

Claims (6)

  1. 第1通信事業者により管理され、サービスエリアに在圏する移動通信端末に無線アクセスを提供する基地局およびモビリティ制御ノード、
    仮想移動体通信事業者により管理され、前記モビリティ制御ノードに接続された第1加入者情報データベース、
    前記モビリティ制御ノードに接続された在圏パケットゲートウェイ、
    第2通信事業者により管理され、前記第1加入者情報データベースと同一の領域において前記在圏パケットゲートウェイに接続され、外部ネットワークとの接続点となる第1パケットネットワークゲートウェイ、並びに
    前記第2通信事業者により管理される第2加入者情報データベースを有する移動通信システムの制御方法であって、
    前記第2通信事業者により発行された固有の識別番号が記録された加入者識別モジュールを含み、前記サービスエリアに在圏する移動通信端末からのローミング要求を、前記第1加入者情報データベースが受信するステップと、
    前記ローミング要求を受信した前記第1加入者情報データベースが、前記第2加入者情報データベースに対し、前記識別番号の認証を要求するステップと、
    前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末から前記第1パケットネットワークゲートウェイまで通信経路を確立するステップと
    を有する移動通信システムの制御方法。
  2. 前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記第1加入者情報データベースが、前記移動通信端末に対し前記第1パケットネットワークゲートウェイを指定する情報を送信するステップと、
    前記情報を受信すると、前記移動通信端末が、当該情報により指定される前記第1パケットネットワークゲートウェイに対し通信経路の確立を要求するステップと
    を有する請求項1に記載の移動通信システムの制御方法。
  3. 前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通
    信端末が、前記第2通信事業者により管理される第2パケットネットワークゲートウェイに対し通信経路の確立を要求するステップと、
    前記移動通信端末から前記第2パケットネットワークゲートウェイに対する通信経路の確立の要求を受信すると、前記在圏パケットゲートウェイが、前記通信経路の確立の要求先を前記第1パケットネットワークゲートウェイに変更するステップと
    を有する請求項1に記載の移動通信システムの制御方法。
  4. 前記第1通信事業者は第1国の事業者であり、前記第2通信事業者は前記第1国と異なる第2国の事業者である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の移動通信システムの制御方法。
  5. 第1通信事業者により管理され、サービスエリアに在圏する移動通信端末に無線アクセスを提供する基地局およびモビリティ制御ノード、
    仮想移動体通信事業者により管理され、前記モビリティ制御ノードに接続された第1加入者情報データベース、
    前記モビリティ制御ノードに接続された在圏パケットゲートウェイ、並びに
    前記仮想移動体通信事業者により管理され、前記第1加入者情報データベースと同一の領域において前記在圏パケットゲートウェイに接続され、外部ネットワークとの接続点と
    なるパケットネットワークゲートウェイを有し、
    前記第1加入者情報データベースは、
    第2通信事業者により発行された固有の識別番号が記録された加入者識別モジュールを含み、前記サービスエリアに在圏する移動通信端末からのローミング要求を受信する受信部と、
    前記第2通信事業者により管理される第2加入者情報データベースに対し、前記識別番号の認証を要求する要求部と、
    前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末から前記パケットネットワークゲートウェイまで通信経路を確立するための処理を
    行う処理部と
    を有する移動通信システム。
  6. 第2通信事業者により発行された固有の識別番号が記録された加入者識別モジュールを含み、第1通信事業者のサービスエリアに在圏する移動通信端末からのローミング要求を受信する受信部と、
    前記第2通信事業者により管理される第2加入者情報データベースに対し、前記識別番号の認証を要求する要求部と、
    前記第2加入者情報データベースにおいて前記識別番号が認証された場合、前記移動通信端末から前記第2通信事業者により管理され、前記第1通信事業者により管理される第1加入者情報データベースと同一の領域において在圏パケットゲートウェイに接続され、
    外部ネットワークとの接続点となるパケットネットワークゲートウェイまで通信経路を確立するための処理を行う処理部と
    を有するプロキシサーバ。
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