JP2019168841A - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】歪み補正後の投影画像に対するタッチ操作の操作性低下の抑制を、投影画像をタッチパネル座標に合せた高精度な補正を行わずに実現すること。【解決手段】情報処理装置10は、表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより投影領域に投影表示する投影制御部12と、表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち投影領域の中に配置され、第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標とタッチ位置の座標との差分に基づいて、タッチ位置の座標を補正する補正部17と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
プロジェクタにより表示される映像には、歪みが生じることがある。例えば、プロジェクタが取り付けられる位置やプロジェクタのレンズの歪みなどが一因となってプロジェクタが画像を投影することにより表示された映像に歪みが生じる。このような歪みを補正するために、1つの側面として、プロジェクタが投影する画像にアフィン変換や射影変換などの座標変換が行われる。
特開2010−230925号公報
ところで、プロジェクタには、画像の投影により映像を表示する機能に留まらず、プロジェクタにより表示された映像をタッチ操作できるインタラクティブ機能が搭載されたものも存在する。
このインタラクティブ機能付きのプロジェクタでは、プロジェクタが画像を投影する投影面に設置されるタッチパネルと、プロジェクタにより表示された映像との対応点に生じるズレがタッチパネルの操作性に与える影響は大きい。
タッチ操作の操作性の低下を抑制するには、投影画像の座標系と投影面に設置されるタッチパネル座標系が合うように投影画像に対して高精度な歪み補正の実現が条件となる。そして、高精度な歪み補正を実現するには、プロジェクタが投影する画像に実行される座標変換の演算量が増大する。
1つの側面では、本発明は、歪み補正後の投影画像に対するタッチ操作の操作性低下の抑制を、投影画像をタッチパネル座標に合せた高精度な補正を行わずに実現する、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
一態様では、情報処理装置は、表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示する投影制御部と、前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する補正部と、を有する。
歪み補正後の投影画像に対するタッチ操作の操作性低下の抑制を、投影画像をタッチパネル座標に合せた高精度な補正を行わずに実現できる。
図1は、実施例1に係るプロジェクションシステムの構成例を示す図である。 図2は、プロジェクション映像の一例を示す図である。 図3は、プロジェクション映像の一例を示す図である。 図4は、プロジェクション映像の一例を示す図である。 図5は、実施例1に係る情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図6は、実施例1に係るプロジェクション処理の手順を示すフローチャートである。 図7は、実施例1及び実施例2に係る情報処理プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照して本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係るプロジェクションシステムの構成例を示す図である。図1に示すプロジェクションシステム1は、プロジェクタ20が画像を投影することにより投影面3に表示された映像をタッチ操作できるインタラクティブ機能を搭載する。
図1に示すように、プロジェクションシステム1には、情報処理装置10と、プロジェクタ20と、タッチパネル30とが含まれる。これら情報処理装置10、プロジェクタ20及びタッチパネル30の間は、通信可能に接続される。この接続形態は、有線または無線を問わない。例えば、USB(Universal Serial Bus)やHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のケーブルにより接続されることとしてよいし、LAN(Local Area Network)やVLAN(Virtual LAN)、インターネットなどの任意のネットワークを介して接続されることとしてもかまわない。
情報処理装置10は、任意のコンピュータに対応する。例えば、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータなどのデスクトップ型のコンピュータに限定されず、ラップトップ型のコンピュータや携帯端末装置、ウェアラブル端末などの任意のコンピュータであってかまわない。
1つの側面として、情報処理装置10は、プロジェクタ20に投影させる画像を供給する供給源としての機能を有する。例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10のプロセッサ上で実行されるアプリケーションの実行結果として生成される画像をプロジェクタ20に出力する。
プロジェクタ20は、タッチパネル30が設置された投影面3に画像を投影する投影装置である。例えば、プロジェクタ20は、タッチパネル30の表面に形成されたスクリーンのサイズと同一のサイズで映像が表示されると共に当該映像がスクリーンと一致して重なる位置で表示されるように、情報処理装置10により出力された画像を投影面3へ投影する。即ち、投影表示された画像の座標系とタッチパネルの座標系が一致する形になる事を前提として投影画像に対するタッチパネル上でのタッチ位置が判断されることとなる。以下では、プロジェクタ20が画像を投影することにより投影面3に表示された映像のことを「プロジェクション映像」と記載する場合がある。なお、投影面3は、任意の平面であってかまわない。例えば、机上の面やホワイトボードの面などが投影面3の例に対応する。
タッチパネル30は、手指やペン等によりタッチ操作が行われたタッチ位置を検出するセンサである。このタッチパネル30によりタッチ操作が検出された場合、タッチパネル30の表面に形成されたスクリーン上でタッチ操作が行われた座標、すなわちタッチパネル30の座標系で表される座標がタッチ位置として情報処理装置10へ出力される。
[課題の一側面]
上記の背景の欄でも説明した通り、プロジェクタ20により表示される映像には、プロジェクタ20が取り付けられる位置やプロジェクタのレンズの歪みなどが一因となって歪みが生じる。このような歪みを補正するために、プロジェクタが投影する画像に各種の座標変換が実行される。
図2〜図4は、プロジェクション映像の一例を示す図である。図2には、歪み補正が行われていないプロジェクション映像P1が図示されている。さらに、図3には、第1の座標変換が実行されたプロジェクション映像が図示される一方で、図4には、第1の座標変換よりも演算量が多く画像が投影されるタッチパネル領域に対する投影画像の位置精度が高い第2の座標変換が実行されたプロジェクション映像が図示されている。
図2に示すように、投影面3に設置されるタッチパネル30の表面は、矩形状である一方で、プロジェクション映像P0は、投影面3上に台形状に歪んで表示される。このとき、タッチパネル30上でタッチ操作が行われたタッチ位置T0と、プロジェクション映像P0上でタッチ位置T0に対応するカーソル位置C0とのズレG0は、プロジェクション映像P0の変形が大きくなるほど大きくなる。
一方、プロジェクタ20へ出力される画像にアフィン変換や射影変換などの第1の座標変換が実行された場合、投影面3には、図3に示すように、プロジェクション映像P1が表示される。このプロジェクション映像P1は、図2に示すプロジェクション映像P0よりも歪みが小さくなる。また、タッチパネル30上でタッチ操作が行われたタッチ位置T0と、プロジェクション映像P1上でタッチ位置T0に対応するカーソル位置C1とのズレG1は、ズレG0よりは小さくなる。しかしながら、ズレG1は、依然として、タッチパネル30の操作性に誤操作等の悪影響を与える程度のレベルで残る。
また、プロジェクタ20へ出力される画像に第1の座標変換より精度の高い第2の座標変換が実行された場合、投影面3には、図4に示すように、プロジェクション映像P2が表示される。このプロジェクション映像P2は、図2に示すプロジェクション映像P0及び図3に示すプロジェクション映像P1よりも歪みが小さくなり、タッチパネル30と略一致する。また、タッチパネル30上でタッチ操作が行われたタッチ位置T0と、プロジェクション映像P2上でタッチ位置T0に対応するカーソル位置C2との間にほぼズレがなくなる。このため、第2の座標変換が実行されることによってタッチパネル30の操作性に誤操作等の悪影響を与えにくい状態となる。
これら図2〜図4の例から、次のことが明らかである。すなわち、第1の座標変換は、第2の座標変換よりも演算量が少ないので、低負荷である一方で、依然としてズレG1が残るので、タッチパネル30の操作性に誤操作等の悪影響を与える場合がある。また、第2の座標変換が実行される場合、タッチ位置T0とカーソル位置C2とにズレがなくなるので、タッチパネル30の操作性に問題がない一方で、第2の座標変換では、第1の座標変換よりも画像が投影されるタッチパネル領域に対する投影画像の位置精度が高く演算量が多いので、高負荷となる。これらのことから、プロジェクタ20へ出力する画像に第1の座標変換と第2の座標変換を実行した場合、タッチパネル30の操作性の向上(誤操作抑止)と、処理負荷の低減とを両立することが困難である。
そこで、本実施例に係る情報処理装置10は、プロジェクタ20へ出力する画像に第1の座標変換を適用することによりプロジェクション映像を表示し、タッチ位置検出の際にタッチ位置座標に投影画像に対する第1の座標変換が行われた後に残る表示位置の誤差を第2の座標変換に基づいて補正する情報処理を実現する。
すなわち、本実施例では、プロジェクション映像を表示する局面と、タッチ操作が行われた局面とで第1の座標変換および第2の座標変換を使い分けるアプローチを採用する。このようなアプローチは、上記2つの局面で歪み補正に求められる精度が異なるという知見があって始めて採用できる。
これら2つの局面のうち、プロジェクション映像を表示する局面では、歪み補正に「見た目の表示のかたちを整えること」が求められる。この場合、プロジェクタ20へ出力する画像全体、すなわち全ての画素に座標変換を実行することが求められる一方で、人の視覚特性から数%の歪みが残っても歪みが認識されづらいので、タッチ操作が行われる局面ほど厳密な精度は求められない。すなわち、プロジェクション映像を表示する局面では、歪み補正を適用する母集団は画像全体と大きいものの、必ずしも高精度な歪み補正が求められる訳ではない。このため、第2の座標変換よりも演算量が少ない第1の座標変換を適用することで、低負荷な歪み補正を実現すると共にプロジェクション映像の視認性の低下も抑制する。
また、タッチ操作が行われる局面では、歪み補正に「タッチ位置と一致させること」が求められる。この場合、タッチ位置に絞って座標変換を実行すればよい一方で、投影画像上での指示位置がタッチパネル上のタッチ位置とわずかにずれるだけで誤操作が発生するおそれがあるので、プロジェクション映像が表示される局面よりも厳密な変換精度が求められる。すなわち、タッチ操作が行われる局面では、歪み補正を適用する母集団は1つに絞られるものの、高精度な歪み補正が求められる。このため、一例として、タッチ位置の座標に絞り込んで第1の座標変換および第2の座標変換の両方を実行することにより得られる座標の相対値に基づいてタッチ位置を補正することで、低負荷な歪み補正を実現すると共にタッチパネル30の操作性が低下するのも抑制する。
したがって、本実施例に係る情報処理装置10によれば、プロジェクション映像の視認性およびタッチパネル30の操作性の低下を抑制しつつ、座標変換の演算量を低減することができる。
[情報処理装置10の構成]
図5は、実施例1に係る情報処理装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、情報処理装置10は、画像生成部11と、投影制御部12と、取得部13と、第1の座標変換部14と、第2の座標変換部15と、相対値算出部16と、補正部17とを有する。なお、情報処理装置10は、図5に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば入力デバイスや各種のセンサ類などを有することとしてもかまわない。
図5に示す画像生成部11、投影制御部12、取得部13、第1の座標変換部14、第2の座標変換部15、相対値算出部16および補正部17などの機能部は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのハードウェアプロセッサにより仮想的に実現される。すなわち、プロセッサは、図示しない記憶装置、例えばHDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などの記憶装置からOS(Operating System)の他、上記のインタラクティブ型のプロジェクションを実現するプロジェクションプログラムやそのモジュール、例えば上記の情報処理を実現する情報処理プログラムなどのプログラムを読み出す。その上で、プロセッサは、プロジェクションプログラムや情報処理プログラムを実行することにより、RAM(Random Access Memory)等のメモリ上に上記の機能部に対応するプロセスを展開する。この結果、上記の機能部がプロセスとして仮想的に実現される。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型および特化型を問わず、任意のプロセッサにより上記の機能部が実現されることとしてもかまわない。この他、上記の機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
画像生成部11は、プロジェクタ20へ出力する画像を生成する処理部である。一実施形態として、画像生成部11は、任意のアプリケーションプログラムを実行することによりその実行結果として生成される画像をプロジェクタ20へ出力する。このアプリケーションプログラムでは、補正部17により補正されたタッチ位置にしたがって処理が実行される。例えば、補正後のタッチ位置がアプリケーションプログラムにより生成された画像上のUIコンポーネント、例えばボタンやタブの位置と重なる場合、当該UIコンポーネントに対応するコマンドが実行された結果の画像が生成される。このようにアプリケーションプログラムにより生成された画像がプロジェクタ20へ出力される。
投影制御部12は、プロジェクタ20に画像を投影する制御を実行する処理部である。一実施形態として、投影制御部12は、プロジェクタ用のデバイスドライバ等を実行することにより実装できる。例えば、投影制御部12は、画像生成部11により生成された画像をプロジェクタ20へ伝送したり、プロジェクタ20に対する指示入力、例えばプロジェクション映像の投影指示やズーム設定などを伝送したりすることができる。
取得部13は、タッチ位置を取得する処理部である。一実施形態として、取得部13は、タッチパネル30によりタッチ操作が検出される度に、タッチパネル30により出力されるタッチ位置を取得する。
第1の座標変換部14は、第1の座標変換を実行する処理部である。
一側面として、第1の座標変換部14は、画像生成部11により画像が生成される度に、当該画像に含まれる画素ごとに当該画素に対応する座標に第1の座標変換を実行する。他の一面として、第1の座標変換部14は、取得部13によりタッチ位置が取得された場合、当該タッチ位置の座標に第1の座標変換を実行する。ここで、第1の座標変換には、一例として、第2の座標変換に比べて演算量が少なく画像が投影されるタッチパネル領域に対する投影画像の位置精度が低い座標変換が採用される。例えば、第1の座標変換の一例として、拡大縮小やせん断などの線形変換を歪み補正として実現可能なアフィン変換などを採用することができる。この場合、タッチパネル30とプロジェクション映像との間で頂点等の対応点のズレをキャリブレーションすることにより、アフィン変換の行列に含まれる要素に変換係数を設定することができる。
なお、ここでは、プロジェクタ20へ出力する画像に対する第1の座標変換が情報処理装置10により実行される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、プロジェクタ20へ出力する画像に第1の座標変換を実行せずに、プロジェクタ20が情報処理装置10から出力された画像に第1の座標変換を実行することとしてもかまわない。
第2の座標変換部15は、第2の座標変換を実行する処理部である。
一側面として、第2の座標変換部15は、取得部13によりタッチ位置が取得された場合、当該タッチ位置の座標に第2の座標変換を実行する。ここで、第2の座標変換には、一例として、第1の座標変換に比べて演算量が多く画像が投影されるタッチパネル領域に対する投影画像の位置精度が高い座標変換が採用される。例えば、第2の座標変換の一例として、台形変換等の射影変換を歪み補正として実現可能なホモグラフィなどを採用することができる。この場合にも、タッチパネル30とプロジェクション映像との間で頂点等の対応点のズレをキャリブレーションすることにより、ホモグラフィの行列に含まれる要素に変換係数を設定することができる。さらに、第2の座標変換のキャリブレーションでは、第1の座標変換のキャリブレーションに比べて対応点の数を増加させることもできる。
相対値算出部16は、座標の相対値を算出する処理部である。一実施形態として、相対値算出部16は、第1の座標変換部14により第1の座標変換が実行されたタッチ位置の座標と、第2の座標変換部15により第2の座標変換が実行されたタッチ位置の座標との間で差分を計算することにより、座標の相対値を算出する。
補正部17は、タッチ位置を補正する処理部である。一実施形態として、補正部17は、取得部13により取得されたタッチ位置を相対値算出部16により算出された相対値に基づいて補正する。例えば、補正部17は、座標の相対値の算出時に2つのタッチ位置のうちいずれのタッチ位置の座標からもう一方のタッチ位置の座標を減算するかの計算式に合わせて、取得部13により取得されたタッチ位置から相対値算出部16により算出された相対値を減算したり、あるいは取得部13により取得されたタッチ位置に相対値算出部16により算出された相対値を加算したりすることにより、タッチ位置を補正することができる。このように補正されたタッチ位置が画像生成部11により実行されるアプリケーションプログラムに出力される。
[処理の流れ]
図6は、実施例1に係るプロジェクション処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、一例として、情報処理装置10からプロジェクタ20へ供給される画像が生成される限り、繰り返して実行される。
図6に示すように、画像生成部11により画像が生成されると(ステップS101)、第1の座標変換部14は、ステップS101で生成された画像に含まれる画素ごとに当該画素に対応する座標に第1の座標変換を実行する(ステップS102)。
続いて、投影制御部12は、ステップS102で画素ごとに第1の座標変換が実行されることにより第1の歪み補正が行われた画像をプロジェクタ20に投影させる(ステップS103)。これによって、プロジェクション映像が投影面3に表示される。
そして、取得部13によりタッチ位置が取得されるまで(ステップS104No)、取得部13は、タッチパネル30からタッチ位置が出力されるのを待機する。その後、取得部13によりタッチ位置が取得された場合(ステップS104Yes)、第1の座標変換部14は、ステップS104でタッチパネル30から取得されたタッチ位置の座標に第1の座標変換を実行する(ステップS105)。これと同時または並行して、第2の座標変換部15は、ステップS104でタッチパネル30から取得されたタッチ位置の座標に第2の座標変換を実行する(ステップS106)。
その後、相対値算出部16は、ステップS105による第1の座標変換後のタッチ位置の座標と、ステップS106による第2の座標変換後のタッチ位置の座標との間で差分を計算することにより、座標の相対値を算出する(ステップS107)。
その上で、補正部17は、ステップS104でタッチパネル30から取得されたタッチ位置をステップS107で算出された相対値に基づいて補正する(ステップS108)。その後、補正部17は、ステップS108で補正されたタッチ位置を画像生成部11へ出力し(ステップS109)、ステップS101の処理へ戻る。
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係る情報処理装置10は、プロジェクタ20へ出力する画像に第1の座標変換を適用することによりプロジェクション映像を表示し、タッチ位置に第1の座標変換が行われることにより残った誤差を第2の座標変換に基づいて補正する。したがって、本実施例に係る情報処理装置10によれば、プロジェクション映像の視認性およびタッチパネル30の操作性の低下を抑制しつつ、座標変換の演算量を低減することが可能になる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[LUT(Look Up Table)の使用]
上記の実施例1では、プロジェクタ20へ画像を出力する度に、第1の座標変換が実行されたタッチ位置の座標と、第2の座標変換が実行されたタッチ位置の座標との相対値を算出する場合を例示したが、必ずしもプロジェクタ20へ画像を出力する度に計算を実行せずともかまわない。例えば、情報処理装置10は、対応点のズレがキャリブレーションされた段階で、画像に含まれる画素ごとに、当該画素に第1の座標変換および第2の座標変換を実行することにより、画素ごとに第1の座標変換後の座標と、第2の座標変換後の座標との相対値が対応付けられたルックアップテーブルを生成する。その上で、情報処理装置10は、タッチ位置が取得される度に、当該タッチ位置の座標に対応する相対値をルックアップテーブルから参照することとしてもかまわない。なお、ここでは、画素ごとに相対値の算出および対応付けを行う場合を例示したが、一部の画素に絞って相対値の算出および対応付けが実行されたルックアップテーブルを生成し、タッチパネル30から取得されるタッチ位置の座標に近い順に所定数の画素をルックアップテーブルから抽出し、各画素の間で線形補間を行うことにより、相対値を算出することとしてもかまわない。
また、ルックアップテーブルの生成は、テストチャートとカメラを用いることにより自動化することもできる。例えば、タッチパネル30とサイズ及び形状が一致し、かつ格子状の模様が表示されたテストチャートがタッチパネル30に重ねられた状態でタッチパネル30を含む投影面3をカメラに撮像させる。さらに、テストチャートの画像がプロジェクション映像として表示された状態でタッチパネル30を含む投影面3をカメラに撮像させる。このようにカメラで撮像された2つの画像ごとにコーナー検出等の画像処理を実行することにより各格子の頂点を識別する。その上で、2つの画像の間で対応点のズレを頂点ごとに算出する。このように格子の頂点ごとに算出された対応点のズレを相対値としてルックアップテーブルを生成することもできる。
[座標変換の応用例]
上記の実施例1では、第1の座標変換の一例としてアフィン変換を例示すると共に第2の座標変換の一例としてホモグラフィを例示したが、第1の座標変換および第2の座標変換はこれに限定されない。例えば、第1の座標変換としてアフィン変換を採用し、第2の座標変換としてアフィン変換と共にプロジェクタ20のレンズの歪み、例えば半径方向の歪みや円周方向の歪みを補正する座標変換をさらに採用することとしてもかまわない。この他、第1の座標変換としてホモグラフィを採用し、第2の座標変換としてホモグラフィと共にプロジェクタ20のレンズの歪みを補正する座標変換をさらに採用することとしてもかまわない。
[システム構成の応用例]
上記の実施例1では、情報処理装置10がスタンドアローンで動作する例を説明したが、プロジェクタ20へ出力する画像を生成するアプリケーション、プロジェクション映像の投影制御およびタッチ位置の補正のうち一部または全部の処理がクライアントサーバシステムとして動作することとしてもかまわない。例えば、プロジェクタ20へ出力する画像を生成するアプリケーション、プロジェクション映像の投影制御およびタッチ位置の補正のうち一部または全部の処理がオンプレミスまたはレンタルで実装されたサーバで実行されることとしてもよい。また、プロジェクタ20へ出力する画像を生成するアプリケーション、プロジェクション映像の投影制御およびタッチ位置の補正のうち一部または全部の処理がクラウドサービスとしてアウトソーシングにより提供されることとしてもかまわない。
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、画像生成部11、投影制御部12、取得部13、第1の座標変換部14、第2の座標変換部15、相対値算出部16または補正部17を情報処理装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、画像生成部11、投影制御部12、取得部13、第1の座標変換部14、第2の座標変換部15、相対値算出部16または補正部17を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記の情報処理装置10の機能を実現するようにしてもよい。
[情報処理プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図7を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する情報処理プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図7は、実施例1及び実施例2に係る情報処理プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図7に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110〜180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図7に示すように、上記の実施例1で示した画像生成部11、投影制御部12、取得部13、第1の座標変換部14、第2の座標変換部15、相対値算出部16及び補正部17と同様の機能を発揮する情報処理プログラム170aが記憶される。この情報処理プログラム170aは、図5に示した画像生成部11、投影制御部12、取得部13、第1の座標変換部14、第2の座標変換部15、相対値算出部16及び補正部17の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
このような環境の下、CPU150は、HDD170から情報処理プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、情報処理プログラム170aは、図7に示すように、情報処理プロセス180aとして機能する。この情報処理プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうち情報処理プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、情報処理プロセス180aが実行する処理の一例として、図6に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記の情報処理プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に情報処理プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から情報処理プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに情報処理プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから情報処理プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示する投影制御部と、
前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する補正部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
(付記2)前記タッチパネル上のタッチ位置の座標が取得される度に、前記タッチ位置の座標に前記第1の座標変換が行われた座標と、前記タッチ位置の座標に前記第2の座標変換が行われた座標との相対値を算出する相対値算出部をさらに有することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)前記補正部は、前記表示対象画像に含まれる画素ごとに前記画素に対応する座標に前記第1の座標変換が行われた座標および前記画素に対応する座標に前記第2の座標変換が行われた座標の相対値が対応付けられた相対値情報に含まれる相対値のうち、前記タッチパネル上のタッチ位置の座標に対応する画素の相対値に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記4)表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示し、
前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
(付記5)前記タッチパネル上のタッチ位置の座標が取得される度に、前記タッチ位置の座標に前記第1の座標変換が行われた座標と、前記タッチ位置の座標に前記第2の座標変換が行われた座標との相対値を算出する処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記4に記載の情報処理方法。
(付記6)前記補正する処理は、前記表示対象画像に含まれる画素ごとに前記画素に対応する座標に前記第1の座標変換が行われた座標および前記画素に対応する座標に前記第2の座標変換が行われた座標の相対値が対応付けられた相対値情報に含まれる相対値のうち、前記タッチパネル上のタッチ位置の座標に対応する画素の相対値に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正することを特徴とする付記4に記載の情報処理方法。
(付記7)表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示し、
前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
(付記8)前記タッチパネル上のタッチ位置の座標が取得される度に、前記タッチ位置の座標に前記第1の座標変換が行われた座標と、前記タッチ位置の座標に前記第2の座標変換が行われた座標との相対値を算出する処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする付記7に記載の情報処理プログラム。
(付記9)前記補正する処理は、前記表示対象画像に含まれる画素ごとに前記画素に対応する座標に前記第1の座標変換が行われた座標および前記画素に対応する座標に前記第2の座標変換が行われた座標の相対値が対応付けられた相対値情報に含まれる相対値のうち、前記タッチパネル上のタッチ位置の座標に対応する画素の相対値に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正することを特徴とする付記7に記載の情報処理プログラム。
1 プロジェクションシステム
3 投影面
10 情報処理装置
11 画像生成部
12 投影制御部
13 取得部
14 第1の座標変換部
15 第2の座標変換部
16 相対値算出部
17 補正部
20 プロジェクタ
30 タッチパネル

Claims (5)

  1. 表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示する投影制御部と、
    前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する補正部と、
    を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記タッチパネル上のタッチ位置の座標が取得される度に、前記タッチ位置の座標に前記第1の座標変換が行われた座標と、前記タッチ位置の座標に前記第2の座標変換が行われた座標との相対値を算出する相対値算出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記補正部は、前記表示対象画像に含まれる画素ごとに前記画素に対応する座標に前記第1の座標変換が行われた座標および前記画素に対応する座標に前記第2の座標変換が行われた座標の相対値が対応付けられた相対値情報に含まれる相対値のうち、前記タッチパネル上のタッチ位置の座標に対応する画素の相対値に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示し、
    前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
  5. 表示対象画像に対して投影領域に対応した第1の座標変換を行い、第1の座標変換後の画像をプロジェクタにより前記投影領域に投影表示し、
    前記表示対象画像の座標系に対応した座標系を持ち前記投影領域の中に配置され、前記第1の座標変換後の画像が投影表示されたタッチパネル上のタッチ位置の座標を前記第1の座標変換よりも変換精度が高い第2の座標変換を行った第2の座標と前記タッチ位置の座標との差分に基づいて、前記タッチ位置の座標を補正する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
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