JP2019167890A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンガン酸化物を除去するうえで適切な量の未燃燃料を供給できるようにした内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】CPU42は、不揮発性メモリ46に記憶される、触媒温度と充填効率との履歴を都度更新する。そして、CPU42は、走行距離が所定走行距離以上となって且つ、触媒温度が規定温度以上となった履歴がある場合、マンガン酸化物の付着量を算出し、付着量に応じて排気浄化装置34に未燃燃料を供給する。ここで、CPU42は、触媒温度が規定温度以上の履歴について、温度が高いほど、未燃燃料の供給量を大きくする。【選択図】図1

Description

本発明は、排気通路に排気浄化装置を備えた内燃機関に適用される内燃機関の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、触媒(排気浄化装置)の温度が、排気浄化装置にマンガン酸化物が付着する所定温度以上となっている積算時間が長い場合に短い場合よりも、噴射量の増量量をより多くする制御装置が記載されている。これは、排気浄化装置に付着したマンガン酸化物を除去することを狙ったものである。
特開2017−172407号公報
ところで、マンガン酸化物の付着量は、排気浄化装置の温度が所定温度以上である場合であっても、その温度が高い場合に低い場合よりも多くなる。このため、上記制御装置の場合、マンガン酸化物を除去するうえ適切な増量量に対して実際の増量量が多くなったり、少なくなったりするおそれがある。
上記課題を解決すべく、内燃機関の制御装置は、排気通路に排気浄化装置を備えた内燃機関に適用され、前記排気浄化装置の温度を取得する温度取得処理と、前記取得された温度に基づき、前記排気浄化装置の温度が複数の温度領域のそれぞれに入っている累積時間を更新して記憶装置に記録する記録処理と、前記排気通路に未燃燃料を供給する供給処理と、を実行し、前記供給処理は、前記記憶装置に記録された前記複数の温度領域のそれぞれに関する累積時間に基づき、前記排気浄化装置の温度が規定温度以上となっていた期間において前記温度が高い場合に低い場合よりも前記未燃燃料の供給量を多くする処理を含む。
上記構成では、温度が規定温度以上となっていた期間において、温度が高い場合に低い場合よりも未燃燃料の供給量を多くすることにより、規定温度を、マンガン酸化物が排気浄化装置に付着する温度とすることにより、排気浄化装置に付着しているマンガン酸化物の量が多いほど供給量を多くすることができる。このため、マンガン酸化物を除去するうえで適切な量の未燃燃料を供給できる。
一実施形態にかかる制御装置および内燃機関を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態において付着量を算出するために用いるマップデータを示す図。 同実施形態にかかる増量量を算出するために用いるマップデータを示す図。 同実施形態にかかる温度頻度分布の算出結果を例示する図。
以下、内燃機関の制御装置にかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路12には、スロットルバルブ14が設けられている。吸気通路12のうちのスロットルバルブ14の下流には、燃料噴射弁16が設けられている。吸気通路12に吸入された空気と燃料噴射弁16から噴射された燃料とは、吸気バルブ18の開弁に伴って、シリンダ20およびピストン22によって区画される燃焼室24に吸入される。燃焼室24において、燃料と空気との混合気は、点火装置26の火花放電によって燃焼に供され、燃焼エネルギは、ピストン22を介してクランク軸28の回転動力に変換される。燃焼室24において燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開弁に伴って、排気として、排気通路32に排出される。排気通路32には、たとえば三元触媒等の排気浄化装置34が設けられている。
制御装置40は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量であるトルクや排気成分等を制御するために、スロットルバルブ14や燃料噴射弁16、点火装置26等の内燃機関10の操作部を操作する。制御装置40は、制御量の制御に際して、クランク角センサ50の出力信号Scrや、エアフローメータ52によって検出される吸入空気量Gaを参照する。制御装置40は、CPU42、ROM44および電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ46を備えており、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が実行することにより上記制御量の制御を実行する。
図2に、制御装置40が実行する処理の手順を示す。図2に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、図2では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現している。
図2に示す一連の処理において、CPU42は、まず、クランク軸28の回転速度NEと充填効率ηとに基づき、排気浄化装置34の温度(触媒温度Tcat)を推定する(S10)。ここで、充填効率ηは、CPU42により、吸入空気量Gaと回転速度NEとに基づき算出される。また、回転速度NEは、CPU42により、出力信号Scrに基づき算出される。
次に、CPU42は、不揮発性メモリ46に記憶されている触媒温度Tcatと充填効率ηとの履歴を更新する(S12)。ここで、不揮発性メモリ46には、触媒温度Tcatと充填効率ηとによって区分された領域毎に、該当する領域となっている累積時間が記憶されている。CPU42は、S10の処理によって算出された触媒温度Tcatがたとえば温度T1であり、充填効率ηが効率η1である場合、温度T1および効率η1を包含する領域の累積時間を増加補正する。
次にCPU42は、走行距離が所定走行距離以上となっているか否かを判定する(S14)。この処理は、排気浄化装置34に付着したマンガン酸化物の量が無視できない量となるおそれがあるか否かを判定する処理である。
CPU42は、所定走行距離以上であると判定する場合(S14:YES)、不揮発性メモリ46に記憶されている履歴情報に基づき、触媒温度Tcatが規定温度Tth以上となった履歴があるか否かを判定する(S16)。ここで、規定温度Tthは、燃料噴射弁16から噴射された燃料中のマンガンに起因して、排気浄化装置34にマンガン酸化物が付着する温度の下限値に基づき設定されている。
CPU42は、規定温度Tth以上の履歴があると判定する場合(S16:YES)、不揮発性メモリ46に記憶されている触媒温度Tcatと充填効率ηとの履歴に基づきマンガン酸化物の付着量を算出する(S18)。なお、触媒温度Tcatの履歴は、少なくとも、規定温度Tth以上の領域が複数の温度領域に分割された各領域の累積時間と規定温度Tth未満の領域の累積時間として定量化されている。
ここでCPU42は、図3に示す、触媒温度Tcatと充填効率ηとを入力変数とし、単位時間当たりの堆積量を出力変数とするマップデータが予めROM44に記憶された状態で、同マップデータに基づき付着量を算出する。すなわちCPU42は、触媒温度Tcatおよび充填効率ηに基づき単位時間当たりの堆積量をマップ演算し、この堆積量と各領域の累積時間との積を、全領域で加算することによって、堆積量を算出する。ここで、CPU42は、触媒温度Tcatが規定温度Tth以上である場合、触媒温度Tcatが高い場合に低い場合よりも、単位時間当たりの堆積量を大きい値に算出する。これは、触媒温度Tcatが高いほど、付着量が増加しやすいことに鑑みた処理である。また、CPU42は、触媒温度Tcatが規定温度Tth以上である場合、充填効率ηが大きい場合に小さい場合よりも単位時間当たりの堆積量を大きい値に算出する。ここで、充填効率ηは、燃料噴射弁16から噴射される燃料量と相関を有するパラメータである。この処理は、燃料量が多い場合には少ない場合よりもマンガン酸化物の付着量が多くなる傾向があることに鑑みたものである。
なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とし、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
図2に戻り、CPU42は、空燃比を理論空燃比よりもリッチとし排気浄化装置34に未燃燃料を供給する増量処理による増量量を算出する(S20)。この処理は、図4に示す付着量を入力変数とし増量量を出力変数とするマップデータがROM44に予め記憶された状態で、CPU42により増量量をマップ演算する処理とすればよい。図4に示すように、CPU42は、付着量が大きい場合に小さい場合よりも増量量を大きい値に算出する。
図2に戻り、CPU42は、不揮発性メモリ46に記憶された触媒温度Tcatの履歴に基づき、規定温度Tth以上であって累積時間が最も大きい温度領域の中央温度となったか否かを判定する(S22)。
図5に、温度履歴を例示する。図5には、触媒温度Tcatが0℃以上800℃未満の領域と、800℃以上であって1050℃未満の50℃毎に区分された領域と、1050℃以上の領域とによって、履歴を定量化している例を示している。これは、規定温度Tthが、800℃であることを例示してもいる。図5に示す「個数」は、単位時間に渡って、その温度領域に属した回数を示し、累積時間に対応する。
図5に示す例の場合、CPU42は、850℃以上であって900℃未満の領域がもっとも頻度が高いと判定する。この場合、その中央温度は、875℃となる。
図2に戻り、CPU42は、中央温度となると判定するまで待機し(S22:NO)、中央温度となると判定する場合(S22:YES)、目標空燃比を理論空燃比よりもリッチとし、排気浄化装置34に未燃燃料を供給する処理を実行する(S24)。
CPU42は、この処理を、S20の処理によって算出した増量量の未燃燃料を排気浄化装置34に供給できるまで継続する(S26:NO)。ここでは、CPU42は、充填効率ηに基づき、単位時間当たりに排気浄化装置34に供給される未燃燃料量を算出し、これを都度積算することによって、S20の処理によって算出した増量量に達するか否かを判定する。
CPU42は、増量量に達すると判定する場合(S26:YES)やS16の処理において否定判定する場合には、空燃比を理論空燃比に戻して、走行距離をリセットする(S28)。これにより、次回、S14の処理を実行するときには、走行距離がゼロ程度となる。
なお、CPU42は、S28の処理が完了する場合や、S14の処理において否定判定する場合には、図2に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU42は、不揮発性メモリ46に記憶される、触媒温度Tcatと充填効率ηとの履歴を都度更新する。そして、CPU42は、走行距離が所定走行距離以上となって且つ、触媒温度Tcatが規定温度Tth以上となった履歴がある場合、マンガン酸化物の付着量を算出し、付着量に応じて排気浄化装置34に未燃燃料を供給する。ここで、CPU42は、触媒温度Tcatが規定温度Tth以上の履歴について、温度が高いほど、未燃燃料の供給量を大きくする。また、CPU42は、触媒温度Tcatが規定温度Tth以上の履歴について、同一の温度であってもその温度となった累積時間が長いほど、未燃燃料の供給量を大きくする。これにより、排気浄化装置34からマンガン酸化物を除去する上で極力過不足のない量の未燃燃料を排気浄化装置34に供給することができる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。温度取得処理は、S10の処理に対応し、記録処理は、S12の処理に対応し、供給処理は、S24,S26の処理に対応する。記憶装置は、不揮発性メモリ46に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・触媒温度Tcatを推定する代わりに、たとえば排気浄化装置34に熱電対等の温度センサを備えて、その検出値を利用してもよい。
・排気浄化装置34に未燃燃料を供給する処理を、S22の処理において肯定判定される場合に実行することは必須ではない。たとえばS22の処理を削除し、触媒温度Tcatがマンガン酸化物を除去可能な温度以上であることを条件に実行してもよい。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、16…燃料噴射弁、18…吸気バルブ、20…シリンダ、22…ピストン、24…燃焼室、26…点火装置、28…クランク軸、30…排気バルブ、32…排気通路、34…排気浄化装置、40…制御装置、42…CPU、44…ROM、46…不揮発性メモリ、50…クランク角センサ、52…エアフローメータ。

Claims (1)

  1. 排気通路に排気浄化装置を備えた内燃機関に適用され、
    前記排気浄化装置の温度を取得する温度取得処理と、
    前記取得された温度に基づき、前記排気浄化装置の温度が複数の温度領域のそれぞれに入っている累積時間を更新して記憶装置に記録する記録処理と、
    前記排気通路に未燃燃料を供給する供給処理と、を実行し、
    前記供給処理は、前記記憶装置に記録された前記複数の温度領域のそれぞれに関する累積時間に基づき、前記排気浄化装置の温度が規定温度以上となっていた期間において前記温度が高い場合に低い場合よりも前記未燃燃料の供給量を多くする処理を含む内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10968804B2 (en) * 2018-08-29 2021-04-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Controller and control method for internal combustion engine

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