JP2019167457A - ポリエチレン系樹脂、及び、当該ポリエチレン系樹脂を含む成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、自動車用燃料タンクの分野においては、ガソリン由来の炭化水素化合物が環境汚染の原因物質の一つに挙げられるため、国内外において燃料蒸発ガス排出量の低減対策が実施されている。燃料蒸発ガスの主な発生原因の一つとして、自動車用燃料タンク関連部品のゴムや樹脂などの材質から透過によって発生するものが挙げられる。このようなゴムや樹脂などの材質からの燃料透過を低減することが強く望まれている。
例えば、特許文献1には、成形性と耐久性とのバランスに優れた大型容器用小部品を提供するための技術が開示されている。
また、特許文献2には、中空プラスチック成形品用途の、成形性及び耐久性に優れ、且つ耐衝撃性と剛性とのバランスに優れるポリエチレン系樹脂を提供するための技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、燃料タンク等の成形品用途の、成形性と耐久性とのバランスに優れた射出成形用ポリエチレンを提供するための技術が開示されている。
また、ポリエチレン系樹脂を用いて中空成形容器を成形する場合には、当該中空成形容器を多層構造とし、その内の1層として内溶液透過防止のためのバリア層を設けることが一般的であるが、その他の層に用いられる樹脂も燃料バリア性が高いことが望まれる。
さらに、射出成形品等のポリエチレン単層構造で用いられる部品に関しても同様に燃料バリア性が高いことが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、剛性、成形性、耐衝撃性、及び耐久性のバランスに優れ、さらに燃料バリア性に優れるポリエチレン系樹脂、及び、当該ポリエチレン系樹脂を含む成形品を提供することを目的とする。
特性(1):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量10,000以下の成分の存在比が20%以下である。
特性(2):−40℃で測定されるシャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上である。
特性(3):炭化水素化合物の透過量(P、単位:g/日)と密度(D、単位:g/cm3)とが下記式(A)で示される関係を満たす。
式(A): P ≦ −7.692 × D + 7.471
特性(4):全周ノッチ式引張クリープ試験(FNCT)の破断時間が20時間以上である。
また、本発明のポリエチレン系樹脂及びその成形品により、国内外における自動車の燃料蒸発ガス排出規制に対応可能な燃料タンク用材料及び燃料タンクを提供することができる。
特性(1):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量10,000以下の成分の存在比が20%以下である。
特性(2):−40℃で測定されるシャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上である。
特性(3):炭化水素化合物の透過量(P、単位:g/日)と密度(D、単位:g/cm3)とが下記式(A)で示される関係を満たす。
式(A): P ≦ −7.692 × D + 7.471
本発明のポリエチレン系樹脂においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量10,000以下の成分の存在比が20%以下である。
当該分子量10,000以下の成分の存在比が20%以下であることにより、樹脂の燃料バリア性を向上させることができる。
当該分子量10,000以下の成分の存在比は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量の測定を行うことにより算出することができる。
当該分子量10,000以下の成分の存在比を20%以下にするためには、たとえば、エチレン系重合体の重合時の重合温度を90℃以上にする、分子量分布がより狭いエチレン系重合体が得られるメタロセン触媒などを使用する等の方法により、分子量10,000以下の成分の存在比を少なくすることができる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、−40℃で測定されるシャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上、好ましくは5.0kJ/m2以上、より好ましくは7.0kJ/m2以上、更に好ましくは7.1kJ/m2以上、更に好適には10kJ/m2以上である。シャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上であると、ポリエチレン系樹脂の耐衝撃性が向上する。シャルピー衝撃強度の上限値は特に制限ないが、通常は50kJ/m2以下である。
シャルピー衝撃強度は、JIS K−7111(2004年)に準拠し、タイプ1の試験片を作製し、打撃方向はエッジワイズ、ノッチのタイプはタイプA(0.25mm)として、恒温槽で冷却し、−40℃で測定することができる。
シャルピー衝撃強度は、密度、分子量分布により、その値を制御することができる。即ち、密度を高くすればシャルピー衝撃強度は高くなる。また、分子量分布を狭くすればシャルピー衝撃強度は高くなる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、炭化水素化合物の透過量(P、単位:g/日)と密度(D、単位:g/cm3)とが下記式(A)で示される関係を満たす。
式(A): P ≦ −7.692 × D + 7.471
炭化水素化合物の透過量がこの上限以下であると、ポリエチレン系樹脂の燃料バリア性が向上する。
また、式(A)の条件を満たすことは、剛性と燃料バリア性とのバランスに優れることの指標となる。
式(A)の条件を満たすポリエチレン系樹脂は、重合条件の調整、使用する重合触媒の選択等によって得られる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、炭化水素化合物の透過量(P、単位:g/日)と密度(D、単位:g/cm3)とが下記式(A’)で示される関係を満たすことが好ましく、下記式(A’’)で示される関係を満たすことがより好ましい。
式(A’): P ≦ −7.778 × D + 7.540
式(A’’): P ≦ −7.778 × D + 7.580
また、透過量の下限値は限定されるものではないが、概ね下記式(B)を満足するものである。
式(B): P ≧ −7.778 × D + 7.400
具体的には、金属容器(材質:アルミニウム、内径60mmφ、深さ50mmの円筒状容器であって、上面が開口している容器)に、液体燃料としてトルエン25mLとイソオクタン25mLの混合物を投入し、その金属容器の上面枠部分にフッ素系エラストマー製のシール材を配して圧縮成形にて作製したポリエチレン系樹脂シート(直径70mmφ、厚さ2.0mmのシート)を載せて上面を覆い、クランプ器具を用いてポリエチレン系樹脂シートを固定して金属容器を密閉し、当該密閉金属容器を60℃の環境下の防爆型強制循環式恒温槽に静置する。24時間ごとに恒温槽より取り出し、室温に戻した後に当該密閉金属容器の重量を測定し減少量を評価する。24時間当たりの重量減少を評価した後に、再度当該密閉金属容器を恒温槽に戻す。24時間当たりに減少する重量がほぼ一定となるまで測定を継続し、安定した減少する重量を透過量(P)とする。試験片(ポリエチレン系樹脂シート)の数は2(試験片:2)とし、2点の平均値を求めることができる。
本発明において燃料バリア性が優れるとは、炭化水素化合物の透過量(P)が少ないことを意味し、上記試験において、1日当たりのガス透過量が0.21g/日以下であることをいう。炭化水素化合物の透過量(P)が少ないと、燃料バリア性が優れるので、燃料タンクとしての材料適性に優れることになる。
炭化水素化合物の透過量(P)は、ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量Mnを低くするか短鎖分岐数を少なくすることにより結晶性が向上し密度を高くすることにより小さくすることができ、また、ポリエチレン系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量10,000以下の成分の存在比を小さくすることにより小さくすることができる。
なお、炭化水素化合物の透過量(P)は、温度や炭化水素化合物の性状に依存するので、本発明における透過量(P)の測定においては、特定の試験条件及び炭化水素化合物を設定して、材料の炭化水素化合物透過量特性を評価し、材料の燃料バリア性の指標としている。
本発明のポリエチレン系樹脂は、全周ノッチ式クリープ試験(FNCT)の破断時間(T)(単位:時間)が好ましくは2時間以上、より好ましくは20時間以上、更に好ましくは40時間以上、更に好適には100時間以上であってもよい。
破断時間が2時間以上であると、ポリエチレン系樹脂を含む成形品の耐久性が向上する。破断時間の上限値は特に制限されない。
即ち、JIS K−6992−2(2004年版)に準拠し、厚さ5.9mmのシートを圧縮成形した後、JIS K−6774(2004年版)附属書5(規定)図1に示された区分「呼び50」の形状と寸法の試験片を作製し、80℃の純水中で全周ノッチ式引張クリープ試験(FNCT)を行なう。引張荷重は88N、98N、108Nとし、試験点数は各荷重で2点とする。得られた両対数スケールにおける破断時間と公称応力の6点のプロットから最小二乗法により公称応力6MPaにおける破断時間を耐クリープ性の指標とする。
同一HLMFR、同一密度の重合体を製造する場合、破断時間は、重合時の水素濃度の制御などの方法で調整することができる。例えば、破断時間は、ポリエチレン系樹脂の分子量分布が広いほど、また長鎖分岐量が少ないほど高いため、水素濃度を高くすることにより、破断時間を大きくすることができる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)の下限値が0.1g/10分以上であってもよく、好ましくは5g/10分以上であってもよく、上限値が200g/10分以下であってもよく、好ましくは100g/10分以下であってもよく、より好ましくは67g/10分以下であってもよい。
ポリエチレン系樹脂がブロー成形用の場合は、HLMFRは、0.1〜20g/10分、好ましくは1〜15g/10分、更に好ましくは3〜10g/10分である。
ブロー成形においては、HLMFRが0.1g/10分以上であると、所望のパリソンの押出量が得られ、成形安定な状態とすることができ、HLMFRが20g/10分以下であると、所望のパリソンの溶融粘度及び溶融張力が得られるため成形安定とすることができる。
ポリエチレン系樹脂が射出成形用の場合は、HLMFRは、1〜200g/10分、好ましくは5〜180g/10分、更に好ましくは10〜150g/10分である。
射出成形においては、HLMFRが1g/10分以上であると、射出成形時に流動性が向上し、成形性を向上させることができ、HLMFRが200g/10分以下であると、耐衝撃性を向上させることができる。
HLMFRは、重合の際に、重合温度や水素濃度の制御などの方法で調整することができる。例えば、重合温度を高くする、又は水素濃度を高くすることによりHLMFRを高くすることができる。
ここで、HLMFRは、JIS K6922−2:1997に準拠し、温度190℃、荷重21.6kgの条件で測定することができる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、密度の下限値が0.940g/cm3以上であってもよく、0.943g/cm3以上であってもよく、0.944g/cm3以上であってもよく、上限値が0.970g/cm3以下であってもよく、0.965g/cm3以下であってもよく、0.960g/cm3以下であってもよい。
密度が0.940g/cm3以上であると、ポリエチレン系樹脂の所望の剛性が得られ、0.970g/cm3以下であると、ポリエチレン系樹脂の所望の耐久性が得られる。
密度は、重合の際にα−オレフィンの種類や含有量の制御などの方法で調整することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂中のα−オレフィン含有量を低くする(重合時のα−オレフィン添加量を低くする)、又は同じ含有量であれば、炭素数の小さいα−オレフィンを用いることにより、密度を高くすることができる。
密度は、JIS K−7112:2004に準拠し、ペレットを温度160℃の熱圧縮成形機により溶融した後、25℃/分の速度で降温して厚み2mmのシートを成形し、このシートを温度23℃の室内で48時間状態調節した後、密度勾配管に入れて測定することができる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の下限値が3.0以上であってもよく、3.4以上であってもよく、上限値は10以下であってもよく、8.4以下であってもよい。Mw/Mnが3.0以上であると、成形品の耐久性が向上する。一方、Mw/Mnが10以下であると耐衝撃性が向上する。
Mw/Mnは、主に、重合触媒及び重合条件を選択することにより達成することができる。
即ち、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
装置:WATERS社製150C
カラム:昭和電工社製AD80M/Sを3本
測定温度:140℃
濃度:1mg/1ml
溶媒:o−ジクロロベンゼン
なお、分子量の計算及びカラムの較正は、以下の方法に準拠して行なう。
GPCクロマトデータは、1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版社発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行ない、Mw値を計算する。
カラムの較正は、昭和電工社製単分散ポリスチレン(S−7300、S−3900、S−1950、S−1460、S−1010、S−565、S−152、S−66.0、S−28.5、S−5.05)、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの各0.2mg/ml溶液を用いて、一連の単分散ポリスチレンの測定を行い、それらの溶出ピーク時間と分子量の対数の関係を4次多項式でフィットしたものを較正曲線とする。
なお、ポリスチレンの分子量(MPS)は、次式を用いてポリエチレンの分子量(MPE)に換算する。MPE=0.468×MPS
本発明のポリエチレン系樹脂は、エチレン単量体単位を主成分として含み、エチレンの単独重合体及びエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選ばれる1種又は2種以上のエチレン系重合体を含有してもよい。
なお、主成分とは、ポリエチレン系樹脂の総mol量を100mol%としたとき、50mol%以上含むことをいう。
本発明においてエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体は、炭素数3〜12のα−オレフィンから導かれる構成単位を、通常40mol%以下、好ましくは0.1〜40mol%、より好ましくは0.1〜30mol%含むエチレン系重合体であってもよい。
ここで、炭素数3〜12のα−オレフィン(以下単に「α−オレフィン」ともいう。)としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。本発明においては、これらのα−オレフィンの中で、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
該ポリエチレン系樹脂は、1種類の触媒を用いて多段重合反応器にて順次連続的に重合された重合体でもよく、複数種類の触媒を用いて単段又は多段重合反応器にて製造された重合体でもよいし、1種類又は複数種類の触媒を用いて重合された重合体を混合したものでもよい。
なお、多段重合の場合、第2段目以降の重合域で生成するポリエチレン系樹脂の量とその性状については、各段における重合体生成量(未反応ガス分析等により把握できる)を求め、各段の後でそれぞれ抜出した重合体の物性を測定し、加成性に基づいて各段で生成した重合体の物性を求めることができる。
植物由来のエチレン及びポリエチレンとしては、例えば、特表2010−511634号公報に記載のエチレンやそのポリマーが挙げられる。
植物由来のエチレンやそのポリマーは、カーボンニュートラル(化石原料を使わず大気中の二酸化炭素の増加につながらない)の性質を持ち、環境に配慮した製品の提供が可能である。
ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等との共重合により得られる。
また、改質を目的とする場合のジエンとの共重合も可能である。このとき使用されるジエン化合物の例としては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。
なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は、0.1〜40mol%、好ましくは0.1〜30mol%である。
また、重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。
なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物などが使用される。これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルブチルマグネシウムが好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。
水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
ポリエチレン系樹脂の重合条件のうち重合温度としては、0〜200℃の範囲から選択することができる。
スラリー重合においては、生成ポリマーの融点より低い温度で重合を行う。
重合圧力は、大気圧〜約10MPaの範囲から選択することができる。
実質的に酸素、水等を断った状態で、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下でエチレン及びα−オレフィンのスラリー重合を行うことにより製造することができる。
ポリエチレン系樹脂は、本発明で規定の範囲を満たせば、複数のエチレン重合体を別々に重合した後に混合したものでもよい。
メタロセン系触媒としては、メタロセン錯体と呼ばれる、シクロペンタジエン骨格を有する配位子が遷移金属に配位してなる錯体と助触媒とを組み合わせたものが例示される。
具体的なメタロセン系触媒としては、Ti、Zr、Hfなどを含む遷移金属に、メチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、インデン等のシクロペンタジエン骨格を有する配位子が配位してなるメタロセン錯体と、助触媒として、アルミノキサン等の周期表第1族〜第3族元素の有機金属化合物とを、組み合わせたものや、これらの錯体触媒をシリカ等の担体に担持させた担持型のものが挙げられる。
触媒成分(A):メタロセン錯体
触媒成分(B):触媒成分(A)と反応して、カチオン性メタロセン化合物を形成する化合物
触媒成分(C):微粒子担体
触媒成分(A)は、周期表第4族遷移金属のメタロセン化合物が用いられる。具体的には、一般式(I)〜(VII)で表される化合物が使用される。
Q1(C5H4−cR1 c)(C5H4−dR2 d)MXY 一般式(II)
Q2(C5H4−eR3 e)ZMXY 一般式(III)
(C5H5−fR3 f)ZMXY 一般式(IV)
(C5H5−fR3 f)MXYW 一般式(V)
Q3(C5H5−gR4 g)(C5H5−hR5 h)MXY 一般式(VI)
Q4Q5(C5H3−iR6 i)(C5H3−jR7 j)MXY 一般式(VII)
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、
ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチルビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−フリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−フリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−フリル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド。
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−フェニル−インデニル)]ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド。
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−フリルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−フリル)−4,5−ジメチル−シクロペンタジエニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−{2−[2−(5−トリメチルシリル)フリル]−4,5−ジメチル−シクロペンタジエニル}}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−フリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−(5−メチル)フリル)−4−フェニル−インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−(5−メチル)フリル)−4−(4−イソプロピル)フェニル−インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−(5−メチル)フリル)−4−(4−t−ブチル)フェニル−インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド。
(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、
(メチルアミド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、
(t−ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、
(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル。
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド。
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド。
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{7,7’−[1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{7,7’−[1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド。
(i)2級炭素を含む錯体の例示:
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2。
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(シクロヘキシル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(シクロヘキシル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(シクロヘキシル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(シクロヘキシル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(シクロヘキシル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、である。
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、である。
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2ZrCl2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2ZrMe2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、である。
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、である。
なお、これら具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に置き換えた化合物も好適な化合物として例示される。
メタロセン錯体の特殊な例として、特開平7−188335号公報やJounal of American Chemical Society,1996、Vol.11 8,2291に開示されている5員環或いは6員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
また、複素環式炭化水素基を置換基として有するメタロセン錯体の例としては、特許第3674509号公報に開示されている。
更に、高分子量でかつ長鎖分岐を有するポリエチレン系樹脂を製造可能という観点から、一般式(II)で表されるメタロセン錯体の中でも、以下の化合物群が好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂の製造方法は、重合用触媒の必須成分として、上記触媒成分(A)以外に、触媒成分(A)のメタロセン化合物(触媒成分(A)、以下、単にAと記すこともある。)と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物(触媒成分(B)、以下、単にBと記すこともある。)、必要に応じて微粒子担体(触媒成分(C)、以下、単にCと記すこともある。)を含んでいてもよい。
上記有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100個、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
R5 tAlX3 3−t 一般式(VIII)
(一般式(VIII)中、R5は、炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基を示し、X3は、水素原子又はハロゲン原子を示し、tは、1≦t≦3の整数を示す。)
上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
なお、上記した有機アルミニウムオキシ化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(実質的にメチルアルミノキサン(MAO)からなるものを含む)は、有機アルミニウムオキシ化合物として、好適である。
もちろん、有機アルミニウムオキシ化合物として、上記した各有機アルミニウムオキシ化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶液又は分散させた溶液としたものを用いても良い。
上記ボラン化合物をより具体的に表すと、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランなどが挙げられる。
[L1−H]+[BR6R7X4X5]− 一般式(IX)
アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウムなどのトリアルキル置換アンモニウム、ジ(n−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウムを例示できる。
更に、ホスフォニウムとしては、トリフェニルホスフォニウム、トリブチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムなどのトリアリールホスフォニウム、トリアルキルホスフォニウムが挙げられる。
更に、X4及びX5は、ハイドライド基、ハライド基、1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置換された1〜20の炭素原子を含む置換炭化水素基である。
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを例示することができる。
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
ジメチルアニリニウテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートが好ましい。
[L2]+[BR6R7X4X5]− 一般式(X)
トリチルテトラフェニルボレート、
トリチルテトラ(o−トリル)ボレート、
トリチルテトラ(p−トリル)ボレート、
トリチルテトラ(m−トリル)ボレート、
トリチルテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トロピニウムテトラフェニルボレート、
トロピニウムテトラ(o−トリル)ボレート、
トロピニウムテトラ(p−トリル)ボレート、
トロピニウムテトラ(m−トリル)ボレート、
トロピニウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaBPh4、
NaB(o−CH3−Ph)4、
NaB(p−CH3−Ph)4、
NaB(m−CH3−Ph)4、
NaB(o−F−Ph)4、
NaB(p−F−Ph)4、
NaB(m−F−Ph)4、
NaB(3,5−F2−Ph)4、
NaB(C6F5)4、
NaB(2,6−(CF3)2−Ph)4、
NaB(3,5−(CF3)2−Ph)4、
NaB(C10F7)4、
H+BPh4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−F2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C6F5)4 −・2ジエチルエーテル、
H+B(2,6−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C10H7)4・2ジエチルエーテルを例示することができる。
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(3,5−ジトフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
NaB(C6F5)4、
NaB(2,6−(CF3)2−Ph)4、
NaB(3,5−(CF3)2−Ph)4、
NaB(C10F7)4、
H+B(C6F5)4 −・2ジエチルエーテル、
H+B(2,6−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C10H7)4・2ジエチルエーテルが好ましい。
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
NaB(C6F5)4、
NaB(2,6−(CF3)2−Ph)4、
H+B(C6F5)4 −・2ジエチルエーテル、
H+B(2,6−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C10H7)4・2ジエチルエーテルが挙げられる。
これらの化合物を触媒成分(B)として用いることにより、更には、特定の重合条件を採用することにより、本発明において好ましいポリエチレン系樹脂を容易に製造することができる。
触媒成分(C)である微粒子担体としては、無機物担体、粒子状ポリマー担体又はこれらの混合物が挙げられる。無機物担体は、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩、炭素質物、又はこれらの混合物が使用可能である。
無機物担体に用いることができる好適な金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
ここで、上記の式は、分子式ではなく、組成のみを表すものであって、本発明において用いられる複合酸化物の構造及び触媒成分比率は特に限定されるものではない。
また、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を吸収していても差し支えなく、少量の不純物を含有していても差し支えない。
金属炭酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
炭素質物としては、例えば、カーボンブラック、活性炭などが挙げられる。
以上の無機物担体は、いずれも本発明に好適に用いることができるが、特に金属酸化物、シリカ、アルミナなどの使用が好ましい。
これら無機物担体の性状としては、特に制限はないが、通常、平均粒径は5〜200μm、好ましくは10〜150μm、平均細孔径は20〜1000Å、好ましくは50〜500Å、比表面積は150〜1000m2/g、好ましくは200〜700m2/g、細孔容積は0.3〜2.5cm3/g、好ましくは0.5〜2.0cm3/g、見掛比重は0.10〜0.50g/cm3を有する無機物担体を用いるのが好ましい。
これらの化合物を触媒成分(C)として用いることにより、更には、特定の重合条件を採用することにより、本発明において好ましいポリエチレン系樹脂を容易に製造することができる。
本発明に用いるメタロセン系触媒は、触媒成分(A)と、触媒成分(B)、及び必要に応じて触媒成分(C)からなる触媒を得る際の各成分の接触方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法が任意に採用可能である。
接触方法(2):触媒成分(A)と、触媒成分(C)とを接触させた後、触媒成分(B)を接触させる。
接触方法(3):触媒成分(B)と、触媒成分(C)とを接触させた後、触媒成分(A)を接触させる。
この接触は、通常−100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜50時間、好ましくは30分〜24時間、更に好ましくは30分〜12時間で行うことが望ましい。
更に、触媒成分(B)として、有機アルミニウムオキシ化合物と、ボラン化合物、ボレート化合物との混合物を用いる場合にあっては、混合物における各化合物について、遷移金属(M)に対して上記と同様な使用割合で選択することが望ましい。
接触方法(4):触媒成分(A)と触媒成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物又はこれらの混合物と接触させる。
接触方法(5):有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物又はこれらの混合物と触媒成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で触媒成分(A)と接触させる。
上記接触方法(4)、(5)の場合も、成分比、接触条件及び溶媒除去条件は、前記と同様の条件が使用できる。
層状珪酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物である。
大部分の層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、層状珪酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と層状珪酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。
具体的には、(イ)塩酸、硫酸等を用いて行う酸処理、(ロ)NaOH、KOH、NH3等を用いて行うアルカリ処理、(ハ)周期表第2族〜第14族から選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンとハロゲン原子又は無機酸由来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンからなる塩類を用いた塩類処理、(ニ)アルコール、炭化水素化合物、ホルムアミド、アニリン等の有機物処理等が挙げられる。これらの処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよい。
各成分の接触方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法が任意に採用可能である。
接触方法(6):触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物を接触させた後、層状珪酸塩担体と接触させる。
接触方法(7):触媒成分(A)と層状珪酸塩担体を接触させた後、有機アルミニウム化合物と接触させる。
接触方法(8):有機アルミニウム化合物と層状珪酸塩担体を接触させた後、触媒成分(A)と接触させる。
触媒成分(A)の担持量は、層状珪酸塩担体1gあたり、0.0001〜5mmol、好ましくは0.001〜0.5mmol、更に好ましくは0.01〜0.1mmolである。
また、有機アルミニウム化合物を用いる場合のAl担持量は、0.01〜100mol、好ましくは0.1〜50mol、更に好ましくは0.2〜10molの範囲であることが望ましい。
触媒成分(B)と触媒成分(C)とを兼ねる成分として、層状珪酸塩を用いると、重合活性が高く、長鎖分岐を有するエチレン系重合体の生産性が向上する。
こうして得られる重合用触媒は、必要に応じてモノマーの予備重合を行った後に使用しても差し支えない。
チーグラー触媒は、Ti及び/又はVの化合物と周期表第1族〜第3族元素の有機金属化合物からなる固体チーグラー触媒等が挙げられる。
固体チーグラー触媒として、チタン(Ti)及び/又はバナジウム(V)並びにマグネシウム(Mg)を含有する固体触媒が挙げられ、これらの成分と共に用いることのできる有機金属化合物として、有機アルミニウム化合物、中でも、トリアルキルアルミニウムが好ましいものとして挙げられる。
重合反応中における有機アルミニウム化合物の使用量は、特に制限されないが、用いる場合には、通常遷移金属化合物1モルに対して、0.05〜1000モルの範囲が好ましい。
クロム触媒は、一般にフィリップス触媒として知られているものが挙げられる。この触媒の概要は、下記の文献等に記載されている。
M.P.McDaniel著,Advances in Catalysis,Volime 33,47頁,1985年,Academic Press Inc.
M.P.McDaniel著,Handbook of Heterogeneous Catalysis,2400頁,1997年,VCH
M.B.Welchら著,Handbook of Polyolefins:Synthesis and Properties,21頁,1993年,Marcel Dekker
これらのクロム触媒に適する担体の製法、物理的性質および特徴は、下記の文献等に記載されている。
C.E.Marsden著,Preparation of Catalysts,Volume V,215頁,1991年,Elsevier Science Publishers
C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
無機酸化物担体の平均粒径としては、10〜200μm、好ましくは20〜150μm、更に好ましくは30〜100μmの範囲のものが用いられる。
担持するクロム化合物の量は、クロム原子として担体に対して0.2〜2.0質量%、好ましくは0.3〜1.7質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
T.Pullukatら著,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,Volume 18,2857頁,1980年
M.P.McDanielら著,J.Catal.,Volume 82,118頁,1983年
ジアルキルアルミニウムアルコキシドは、一般式(XI)で示される化合物である。
R1R2Al(OR3) 一般式(XI)
(式中、R1、R2、R3は炭素原子数1〜18のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
ジメチルアルミニウムメトキシド、
ジメチルアルミニウムエトキシド、
ジメチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジメチルアルミニウムイソプロポキシド、
ジメチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジメチルアルミニウムイソブトキシド、
ジメチルアルミニウムアミルオキシド、
ジメチルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジメチルアルミニウムオクチルオキシド、
ジエチルアルミニウムメトキシド、
ジエチルアルミニウムエトキシド、
ジエチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジエチルアルミニウムイソプロポキシド、
ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジエチルアルミニウムイソブトキシド、
ジエチルアルミニウムアミルオキシド、
ジエチルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジエチルアルミニウムオクチルオキシド、
ジn−プロピルアルミニウムメトキシド、
ジn−プロピルアルミニウムエトキシド、
ジn−プロピルアルミニウムn−プロポキシド、
ジn−プロピルアルミニウムイソプロポキシド、
ジn−プロピルアルミニウムn−ブトキシド、
ジn−プロピルアルミニウムイソブトキシド、
ジn−プロピルアルミニウムアミルオキシド、
ジn−プロピルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジn−プロピルアルミニウムオクチルオキシド、
ジn−ブチルアルミニウムメトキシド、
ジn−ブチルアルミニウムエトキシド、
ジn−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジn−ブチルアルミニウムイソプロポキシド、
ジn−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジn−ブチルアルミニウムイソブトキシド、
ジn−ブチルアルミニウムアミルオキシド、
ジn−ブチルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジn−ブチルアルミニウムオクチルオキシド、
ジイソブチルアルミニウムメトキシド、
ジイソブチルアルミニウムエトキシド、
ジイソブチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジイソブチルアルミニウムイソプロポキシド、
ジイソブチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジイソブチルアルミニウムイソブトキシド、
ジイソブチルアルミニウムアミルオキシド、
ジイソブチルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジイソブチルアルミニウムオクチルオキシド、
ジヘキシルアルミニウムメトキシド、
ジヘキシルアルミニウムエトキシド、
ジヘキシルアルミニウムn−プロポキシド、
ジヘキシルアルミニウムイソプロポキシド、
ジヘキシルアルミニウムn−ブトキシド、
ジヘキシルアルミニウムイソブトキシド、
ジヘキシルアルミニウムアミルオキシド、
ジヘキシルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジヘキシルアルミニウムオクチルオキシド、
ジオクチルアルミニウムメトキシド、
ジオクチルアルミニウムエトキシド、
ジオクチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジオクチルアルミニウムイソプロポキシド、
ジオクチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジオクチルアルミニウムイソブトキシド、
ジオクチルアルミニウムアミルオキシド、
ジオクチルアルミニウムヘキシルオキシド、
ジオクチルアルミニウムオクチルオキシド
ジエチルアルミニウムエトキシド、
ジエチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジn−ブチルアルミニウムエトキシド、
ジn−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジn−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジイソブチルアルミニウムエトキシド、
ジイソブチルアルミニウムn−プロポキシド、
ジイソブチルアルミニウムn−ブトキシド。
また、触媒の活性を上げるためにジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物の他に、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、又はジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムといった有機マグネシウムを別途加えることが好ましい。この中でMMAOが触媒活性を上げるために好ましく用いられる。その具体的な方法としては、不活性炭化水素溶媒にクロム触媒を懸濁させ、MMAOを添加する。これを攪拌した後、ジアルキルアルミニウム化合物を添加して攪拌する担持反応の操作が好ましい。
近年、Teranoらは、賦活したクロム触媒にトリエチルアルミニウムをヘプタン溶媒中で担持後に乾燥し、X線光電子分光法(XPS)でCr原子の原子価を測定しており、6価クロム原子だけではなく、2価、3価、5価のクロム原子の存在を観測している(M.Teranoら著,J.Mol.Catal.A:Chemical,Volume 238,142頁,2005年)。
ただし、全Cr原子のなかで実際の重合活性点の割合は約10%〜30%と言われており(M.P.McDanielら著、J.Phys.Chem.,Volume 95,3289頁、1991年)、重合活性点のクロム原子の原子価が何であるかは現時点で結論は得られていない。
Monoiらはトリアルキルクロム錯体をシリカに担持した触媒がフィリップス触媒と同様の重合挙動を示すこと(T.Monoiら著,Polym.J.,Volume 35,608頁,2003年)、また、Espelidらはフィリップス触媒のモデル活性点におけるエチレン挿入反応の活性化エネルギーを理論計算することにより、3価のクロム原子が活性点の原子価であることを提唱している(O.Espelidら著,J.Catal.,Volume 195,125頁,2000年)。
この溶媒の除去は減圧乾燥により行うが、この際濾過を併用することもできる。この減圧乾燥では、有機アルミニウム化合物担持クロム触媒が自由流動性の粉末として得られるように乾燥させる。触媒を溶媒と分離せずに長時間保管すると触媒が経時劣化し、エチレン重合活性が低下する。従って、担持反応の際の溶媒との接触時間をも含めて、溶媒との接触時間を極力短縮し、速やかに溶媒を分離・除去することが好ましい。
ただし、過還元状態におけるクロムの原子価の具体的な価数等を示すこと等過還元状態を具体的に示すことは困難である。或いは、ジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物と6価クロム原子(正確にはシリカ表面のシラノール基と化学結合した酸化クロム)の反応によって生成すると推定される有機アルミニウム種が重合活性点に配位し、エチレン重合反応を阻害していることも考えられる。
担持反応終了後、溶媒を分離し乾燥するのに要する時間は担持反応時間の3倍以内が好ましく、更に2倍以内が好ましく、特に1倍以内が好ましい。担持開始から溶媒除去・乾燥完了となるまでの合計の時間は、5分〜24時間、好ましくは30分〜18時間、更に好ましくは1〜12時間である。
しかし、いずれの方法も、クロム触媒と有機アルミニウム化合物を反応器に別々に供給しながら連続生産を行うものであるから、連続的に供給するクロム触媒と有機アルミニウム化合物の量とその比率を正確に調整しなければ、得られるポリエチレン系樹脂の重合活性や分子量が変動して同一規格の成形品を連続的に生産することは困難となる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、特性(1)〜(3)を同時に満足する範囲内で、下記の物質を任意成分として配合することができる。
例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高圧法ポリエチレン、極性モノマーグラフト変性ポリエチレン、エチレン系ワックス、超高分子量ポリエチレン、エチレン系エラストマー等の各種エチレン系重合体及びその変性体を使用できる。
高密度ポリエチレンの添加は、剛性、耐熱性、衝撃強度等を向上するのに好ましい。
低密度ポリエチレンの添加は、柔軟性、衝撃強度、易接着性、透明性、低温強度等を向上するのに好ましい。
高圧法ポリエチレンの添加は、柔軟性、易接着性、透明性、低温強度、成形加工性等を向上するのに好ましい。
マレイン酸変性ポリエチレンやエチレン・アクリル酸誘導体共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の極性モノマーグラフト変性ポリエチレンの添加は、柔軟性、易接着性、着色性、各種材料親和性、燃料バリア性等を向上させるためには好ましい。
エチレン系ワックスの添加は、着色性、各種材料親和性、成形加工性等を向上させるためには好ましい。
超高分子量ポリエチレンの添加は、機械的強度、耐摩耗性等を向上させるためには好ましい。
エチレン系エラストマーの添加は、柔軟性、機械的強度、衝撃強度等を向上させるためには好ましい。
また、上記の重合体以外に、各種樹脂を使用できる。具体的には、各種ナイロン樹脂、各種ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、各種ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、EVOH、EVA、PMMA、PMA、各種エンジニアリングプラスチック、ポリ乳酸等、セルロース類、天然ゴム類、ポリウレタン、塩ビ、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂、シリコン樹脂等の無機系重合体等である。
添加剤として、例えば、酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種又は2種以上、適宜併用することができる。充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン等が使用可能であり、なかでも炭酸カルシウム、タルク及びマイカ等を用いるのが好ましい。いずれの場合でも、上記ポリエチレン系樹脂に、必要に応じ各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。
2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系。
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール等のビスフェノール系。
1,1,3−トリス(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス〔β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のトリ以上のポリフェノール系。
2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のチオビスフェノール系、アルドール−α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のナフチルアミン系。
p−イソプロポキシジフェニルアミン等のジフェニルアミン系。
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系。
これらの中で、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリ以上のポリフェノール系、チオビスフェノール系等が好ましい。
ヒドラジド誘導体金属害防止剤としては、N,N′−ジアセチルアジピン酸ヒドラジド、アジピン酸ビス(α−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、テレフタル酸ビス(α−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、セバチン酸ビス(α−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、イソフタル酸ビス(β−フェノキシプロピオニルヒドラジド)などが挙げられる。
シュウ酸誘導体金属害防止剤としては、N,N′−ジベンザル(オキザリルジヒドラジド)、N−ベンザル−(オキザリルジヒドラジド)、オキザリルビス−4−メチルベンジリデンヒドラジド、オキザリルビス−3−エトキシベンジリデンヒドラジド等が挙げられる。
また、サリチル酸誘導体金属害防止剤としては、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドが挙げられる。
本発明において好ましい金属害防止剤は、サリチル酸誘導体金属害防止剤である。
ポリエチレン系樹脂中の安定剤は、蛍光X線分析、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、上記特性を満足するものであるので、これを用いた成形体は、剛性、成形性、耐衝撃性、及び耐久性のバランスに優れ、さらに燃料バリア性に優れる。
従って、ポリエチレン系樹脂の用途としては、例えば、大型容器用小部品、燃料タンク、パイプ、灯油缶、ドラム缶、薬品用容器、農薬用容器、溶剤用容器及びプラスチックボトル等に使用でき、特に自動車の燃料タンク等の中空プラスチック製品等に好適に用いることができる。
その他の用途として、ガス用及び上水道用等の各種パイプ、フィルム、ラミネート、コーティング、繊維、食品用及び日用雑貨用等の射出成形体、圧縮射出成形体、回転成形体又は押出成形体等が挙げられる。
また本発明で得られるポリエチレン系樹脂は、単一材としてだけではなく、張力改善のために他の樹脂とのブレンド材として、上記に挙げた製品用途として用いることもできる。
本発明のポリエチレン系樹脂は、常法に従い、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、各種成形機により成形を行って所望の成形品とすることができる。
本発明のポリエチレン系樹脂を用いた成形品の製造方法は、特に限定されるものではないが、公知の押出ブロー成形法、射出成形法等により製造することができる。
大型容器用小部品とは、大型容器に取り付ける小部品であって、工業薬品缶、ドラム缶においては蓋(キャップ)、内溶液供給口、または取り出し口等の部品が該当し、燃料タンクにおいては、燃料タンク本体に溶着された燃料供給口、バルブまたは燃料ポンプ固定用蓋(キャップ)等が該当する。
この小部品とは、大型容器に溶着、ウェルドすることによって大型容器に一体に取り付ける、取っ手、内溶液供給口、または取り出し口等の役割を果たす中空パイプ状小部品、大型容器の開口部の補強部品、インレット、開口部ライナーのような各種部品を挙げることが出来る。
また、大型容器の蓋(キャップ)のような、大型容器のネジ山に取り付ける為の内面にネジ山を設けたキャップ、大型容器の口への単なるはめ込み式のキャップなど、いわゆる大型容器とは別体で取り扱われる多くの所定の形状に設計変更された小部品を対象とする。
詳細には、本発明の用途である小部品を装着する大型容器とは、大きさ、容量およびその形状はその大型容器の用途を考慮して任意に変えることができるが、通常ジェリカン(20〜50L程度)、ドラム(20〜220L程度)、IBC(約1000L程度)、タンク(約1000L程度)、燃料タンク(約5〜150L程度)のような、ポリエチレン単独あるいは多層構造であってポリエチレンを主体とするプラスチック製のものを対象にしている。
本発明の成形品は、前記本発明のポリエチレン系樹脂を含み、好ましくは当該ポリエチレン系樹脂で構成される。
本発明の成形品は、各種の公知の成形方法で得られ、一例として、中空成形法による中空成形品が挙げられる。
中空成形品は、前記本発明のポリエチレン系樹脂からなる層を少なくとも1層有する構造、好ましくは多層有する構造のもの等が挙げられる。
また、当該中空成形品は、前記本発明のポリエチレン系樹脂からなる単層構造のものであってもよい。
中空成形品が多層構造の場合、浸透低減遮断層を有するのが好ましく、浸透低減遮断層には、通常バリア層が用いられる。
本発明の成形品の用途としては、例えば、自動車用燃料タンク、各種燃料タンク、灯油缶、ドラム缶、薬品用容器、農薬用容器、溶剤用容器、各種プラスチックボトル等が挙げられ、軽量かつ高い耐衝撃性が要求される自動車用燃料タンクに好適である。
中空成形品は、少なくとも1層のバリア層を存在させて、揮発性物質の浸透を減らし且つ該バリア層が極性の遮断ポリマーから構成されている浸透低減遮断層を含む多層構造が好ましい。例えば、プラスチック燃料タンクの場合、タンクの壁を多層構造とすると、バリア層(それ単独では成形性及び機械強度が十分ではない)を、本発明のポリエチレン系樹脂からなる2層の間に固定化できるという利点がある。結果として、特に共押出ブロー成形中に、本発明のポリエチレン系樹脂を2層以上有する材料の成形性は、主として本発明のポリエチレン系樹脂の有する成形性の影響を受けて改善される。更に、本発明のポリエチレン系樹脂の有する性能は、材料の機械強度に極めて重要な影響を及ぼすので、本発明の中空成形品の強度を顕著に増大させることが可能となる。
また、中空成形品においては、フッ素化、表面被覆又はプラズマ重合等の処理により、本発明のポリエチレン系樹脂からなる層の表面に基層を被覆するようにしてもよい。
中空成形品の最外層を構成する樹脂は、本発明のポリエチレン系樹脂とするのが好ましい。
中空成形品の最内層を構成する樹脂は、本発明のポリエチレン系樹脂とするのが好ましく、上記の最外層を構成する樹脂と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
中空成形品のバリア層を形成する樹脂は、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等から選ばれるものであるが、特にエチレンビニルアルコール樹脂からなることが好ましい。エチレンビニルアルコール樹脂は、ケン化度が好ましくは93%以上、より好ましくは96%以上で、エチレン含量が、好ましくは25〜50モル%である。
中空成形品の接着層を形成する樹脂は、不飽和カルボン酸又はその誘導体によりグラフト変性した高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等から選ばれるものであるが、特に不飽和カルボン酸又はその誘導体によりグラフト変性した高密度ポリエチレンからなることが好ましい。
不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量は、接着層を構成する樹脂中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%、更に好ましくは0.01〜1質量%である。不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量が0.01質量%未満であると十分な接着性能が発現せず、5質量%を超えると接着性に寄与しない不飽和カルボン酸が接着性に悪影響を与える。
中空成形品の再生材層を形成する樹脂は、最外層を形成するポリエチレン系樹脂、最内層を形成するポリエチレン系樹脂、バリア層を形成する樹脂、及び接着層を形成する樹脂を含む組成物である。
再生材層を形成する樹脂の各成分は新品を使用することもできるし、それぞれの樹脂からなる各層を含む多層積層体のスクラップ、バリ等の不要部分を回収、再利用してこのようなリサイクル品を各成分の成分原料とすることもできる。例えば、一旦成形され、使用されて利用済みの中空成形品(自動車用燃料タンク製品等)を粉砕してなるリグラインド樹脂が挙げられる。多層積層体を作製する際に発生した成形バリや未使用パリソンをリサイクル材として使用する場合、各種成分の相溶性が低下することがあるので、相溶化剤や接着層を構成する樹脂をさらに混合してもよい。
中空成形品は、各層の厚み構成によって制限されないが、例えば厚み比で最外層が10〜30%、最内層が20〜50%、バリア層が1〜15%、接着層が1〜15%、及び再生材層が30〜60%(ただし全ての層厚み構成比の合計が100%)である。
最外層の層構成比は、中空成形品の層厚みに対して、好ましくは10〜30%、より好ましくは10〜25%、更に好ましくは10〜20%である。最外層の層構成比が10%未満であると、衝撃性能が不足し、30%を超えると中空成形品の成形安定性が損なわれる傾向にある。
最内層の層構成比は、中空成形品の層厚みに対して、好ましくは20〜50%、より好ましくは35〜50%、更に好ましくは40〜50%である。最内層の層構成比が20%未満であると、中空プラスチック成形品の剛性不足が顕在化し、50%を超えると中空プラスチック成形品の成形安定性が損なわれる傾向にある。
バリア層の層構成比は、中空成形品の層厚みに対して、好ましくは1〜15%、より好ましくは1〜10%、更に好ましくは1〜5%である。バリア層の層構成比が1%未満であると、燃料バリア性能が不足し、15%を超えると衝撃性能が不足する傾向にある。
接着層の層構成比は、中空成形品の層厚みに対して、好ましくは1〜15%、より好ましくは1〜10%、更に好ましくは1〜5%である。接着層の層構成比が1%未満であると、接着性能が不足し、15%を超えると中空成形品の剛性不足が顕在化する傾向にある。
再生材層の構成比は、中空成形品の層厚みに対して、好ましくは30〜60%、より好ましくは35〜50%、更に好ましくは35〜45%である。再生材層の層構成比が30%未満であると、中空プラスチック成形品の成形安定性が損なわれ、60%を超えると衝撃性能が不足する傾向にある。
(1)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)
JIS K6922−2:1997に準拠して測定した。
(2)密度(D、単位:g/cm3)
JIS K7112:2004に準拠して測定した。
(3)−40℃で測定されるシャルピー衝撃強度
JIS K−7111(2004年)に準拠し、タイプ1の試験片を作製し、打撃方向はエッジワイズ、ノッチのタイプはタイプA(0.25mm)として、恒温槽で冷却し、−40℃で測定した。
JIS K−6992−2(2004年版)に準拠し、厚さ5.9mmのシートを圧縮成形した後、JIS K−6774(2004年版)附属書5(規定)図2に示された区分「呼び50」の形状と寸法の試験片を作製し、80℃の純水中で全周ノッチ式引張クリープ試験(FNCT)を行った。引張荷重は88N、98N、108Nとし、試験点数は各荷重で2点とした。得られた両対数スケールにおける破断時間と公称応力の6点のプロットから最小二乗法により公称応力6MPaにおける破断時間を耐クリープ性の指標とした。
以下に示す条件で測定し、重量平均分子量と数平均分子量の比を求めた。単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した。
装置:WATERS社製Alliance GPC V2000型
カラム:昭和電工社製HT−806Mを2本+HT−Gを1本
測定温度:145℃
濃度:1mg/1ml
溶媒:o−ジクロロベンゼン
なお、分子量の計算及びカラムの較正は、以下の方法に準拠して行うことができる。
GPCクロマトデータは、1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版社発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行ない、Mw、Mn値を計算することができる。測定保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。
金属容器(材質:アルミニウム、内径60mmφ、深さ50mmの円筒状容器であって、上面が開口している容器)に、液体燃料としてトルエン25mLとイソオクタン25mLの混合物を投入し、その金属容器の上面枠部分にフッ素系エラストマー製のシール材を配して圧縮成形にて作製したポリエチレン系樹脂シート(直径70mmφ、厚さ2.0mmのシート)を載せて上面を覆い、クランプ器具を用いてポリエチレン系樹脂シートを固定して金属容器を密閉し、当該密閉金属容器を60℃の環境下の防爆型強制循環式恒温槽に静置した。24時間ごとに恒温槽より取り出し、室温に戻した後に当該密閉金属容器の重量を測定し減少量を評価した。24時間当たりの重量減少を評価した後に、再度当該密閉金属容器を恒温槽に戻した。24時間当たりに減少する重量がほぼ一定となるまで測定を継続し、安定した減少する重量を透過量(P)とした。試験片(ポリエチレン系樹脂シート)の数は2(試験片:2)とし、2点の平均値を求めた。
炭化水素化合物の透過量(P)が0.21g/日以下を満たすものを「○」、それ以外のものを「×」とした。
シャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上であるものを「○」、それ以外のものを「×」とした。
式(A)適合性、耐衝撃性、及び、燃料バリア性能評価が全て「○」であるものを「○」、それ以外のものを「×」とした。
[メタロセン触媒(M)の調製]
トルエン17mlにメチルアルモキサンのトルエン溶液(Albemarle社製、Al濃度 2.93mol/L)8.5ml(25mmol)とジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−(5−メチル)フリル)−4−(4−t−ブチル)フェニル−インデニル]}ジルコニウムジクロリド(触媒成分(A))105mgを添加し、遮光下、室温で30分間撹拌して触媒成分溶液を得た。
次いで、600℃、8時間焼成したSiO2(GRACE社製、Sylopol2212、平均粒径12μ)5.0gに窒素雰囲気下で上記触媒成分溶液を添加し、40℃、1時間撹拌した。その後、40℃を維持して真空乾燥を行い、メタロセン触媒(M)を得た。
クロム原子担持量=1.1質量%(担体:シリカ)、比表面積=500m2/g、細孔体積=1.5cm3/gを有する「触媒−1」(フィリップス触媒)5kgを内径25cmの賦活用電気炉に投入し、乾燥空気にて流動化させ、賦活温度450℃で20時間賦活を行った。触媒は乾燥窒素中で抜き出し、クロム触媒(C)を得た。
直径が10mmの磁性ボール約700個を入れた内容積が1Lのポット(粉砕用容器)に窒素雰囲気で市販のマグネシウムエチラート(平均粒径860μm)20g(17.8mmol)、粒状の三塩化アルミニウム1.64g(12.3mmol)及びジフェニルジエトキシシラン2.40g(8.81mmol)を入れた。次いで、振動ボールミルを用い、振幅が6mm及び振動数が30Hzの条件で3時間共粉砕を行なった。共粉砕後、内容物を窒素雰囲気下で磁性ボールと分離した。
以上のようにして得られた共粉砕生成物10.0g及び40mlのヘプタンを200mlの三つ口フラスコに加えた。撹拌しながら室温において10.0g(52.7mmol)の四塩化チタンを滴下し、90℃まで昇温し、90分間撹拌を続けた。次いで、反応系を冷却した後、上澄み液を抜き取り、ヘキサンを加えた。この操作を3回繰り返した。得られた淡黄色の固体を50℃にて減圧下で6時間乾燥を行なって、固体触媒15.6gを得た。
この固体触媒のヘキサンスラリー溶液を誘導攪拌装置付き重合反応器に入れ、温度を40℃に維持し、0.27mmolのトリイソブチルアルミニウムを加えて水素分圧0.074MPa、エチレン分圧0.20MPaにて予備重合を実施し、固体触媒1gあたりポリマー生成量0.46gの予備重合チーグラー触媒(Z)を得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
窒素置換した内容積1.5Lのオートクレーブにトリイソブチルアルミニウム1mmol、STADIS450の2%ヘキサン溶液を2ml、1−ヘキセン0.9mlを添加し、イソブタン800mlを導入した。
オートクレーブの内温を80℃に昇温し、水素を70ml添加、エチレン分圧が1.0MPaとなるようにエチレンを導入した。
次に、メタロセン触媒(M)27mgをオートクレーブに導入し重合を開始した。
重合中は、80℃、エチレン分圧1.0MPaを維持するようにエチレンを追加した。
また、重合中の水素濃度を一定に保つために、オートクレーブ気相部の水素濃度を測定し、適宜、水素を追添しながら重合を継続した。
さらに、追加されたエチレンの2質量%の比率で1−ヘキセンを連続的に供給した。
2時間後、オートクレーブの内圧とイソブタンをパージすることにより反応を停止した。
その結果、得られたポリエチレン系樹脂の物性及び評価結果を表1に示した。
得られたポリエチレン系樹脂は、剛性、成形性、耐衝撃性、耐久性、燃料バリア性などの物性が優れていた。
表1に示す特性を有するポリエチレン系樹脂を製造したこと以外は実施例1と同様に行った。
ポリエチレン系樹脂の物性及び評価結果を表1に示した。
得られたポリエチレン系樹脂は、剛性、成形性、耐衝撃性、耐久性、燃料バリア性などの物性が優れていた。
表2に示す特性を有するポリエチレン系樹脂を製造したこと以外は実施例1と同様に行った。
ポリエチレン系樹脂の物性及び評価結果を表2に示した。
表1〜2に示す実験結果を参酌しながら、実験結果を説明する。
実施例1〜11のポリエチレン系樹脂は、HLMFRが5〜67g/10分であることから、成形性が良好であることが示された。
実施例1〜11のポリエチレン系樹脂は、−40℃で測定されるシャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上であり、耐衝撃性の試験においても液漏れを生じさせなかった。
実施例1〜11のポリエチレン系樹脂は、全周ノッチ式クリープ試験の破断時間(T)が2時間以上であり、変形が少なく、高い耐久性を示した。
実施例1〜11のポリエチレン系樹脂は、特性(3)の条件を満たし、剛性と燃料バリア性のバランスが良いことを示した。
そして、表1に示すように、実施例1〜11のポリエチレン系樹脂は、特性(1)〜(3)を全て満たし、式(A)適合性、耐衝撃性、及び、燃料バリア性のいずれの評価でも良好な結果が得られ、さらに、所望の耐久性が得られたことがわかる。
一方、表2に示すように、比較例1〜10のポリエチレン系樹脂では、特性(1)〜(3)の少なくともいずれか一つの特性を満たさず、式(A)適合性、耐衝撃性、及び、燃料バリア性の少なくともいずれか一つの評価で良好な結果が得られなかったことがわかる。
Claims (6)
- 下記の特性(1)〜(3)を満足することを特徴とするポリエチレン系樹脂。
特性(1):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量10,000以下の成分の存在比が20%以下である。
特性(2):−40℃で測定されるシャルピー衝撃強度が4.0kJ/m2以上である。
特性(3):炭化水素化合物の透過量(P、単位:g/日)と密度(D、単位:g/cm3)とが下記式(A)で示される関係を満たす。
式(A): P ≦ −7.692× D + 7.471 - さらに、下記の特性(4)を満足する、請求項1に記載のポリエチレン系樹脂。
特性(4):全周ノッチ式引張クリープ試験(FNCT)の破断時間が20時間以上である。 - 大型容器用小部品、燃料タンク、パイプ、灯油缶、ドラム缶、薬品用容器、農薬用容器、溶剤用容器及びプラスチックボトルからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料として用いられる、請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂。
- 燃料タンク用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂。
- 前記請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂を含む成形品。
- 燃料タンクである請求項5に記載の成形品。
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